説明

紛粒体の充填包装装置

【課題】 紛粒体を短時間に長尺フィルム内に充填することができるようにした紛粒体の充填包装装置を提供する。
【解決手段】 本紛粒体の充填包装装置は、周方向に回転しながら紛粒体Fをストックするとともに排出する回転体10を備えている。回転体10は、環状に配列された多数の桝状容器11と、この各桝状容器11の側方に突設されたノズル12とを備えている。前記桝状容器11は、同心に配置される内側円筒13および外側円筒14と、両円筒13,14間を周方向で等間隔に仕切る多数の仕切り板15,15…と、両円筒13,14および仕切り板15,15…の底側を塞ぐ円盤とによって形成されている。また、前記ノズル12の先端部が扁平状袋部3内に挿入されたときのみ、桝状容器11とノズル12とを連通させるシャッターが備えられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒状物や粉状物からなる健康食品や粉末食品などの紛粒体を所定量ずつ袋体内に封入するための紛粒体の充填包装装置に関し、詳しくは、二つ折り状態にされた長尺フィルムに形成される扁平状袋部内に紛粒体を充填するようにした紛粒体の充填包装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
粉状物や粒状物からなる健康食品や粉末食品などの紛粒体は、所定量ずつ袋体内に封入されている。紛粒体を所定量ずつ袋体内に封入するようにした自動包装機が特許文献1に開示されている。
【0003】
この自動包装機は、図7および図8に示すように、機枠100に回転軸101が鉛直方向に支承され、回転軸101の頂部にホッパー102が固定され、そして、回転軸101の中間部に回転体103が固定されている。ホッパー102と回転体103とは同一方向に同一速度で回転する。
【0004】
ホッパー102内は、回転しない2枚のスクレーパ104,104によって広い部分と狭い部分とに仕切られている。また、ホッパー102の底板には、多数の定量充填口102a,102a…が等間隔で環状に形成されている。そして、ホッパー102の底板の下側には、スクレーパ104,104によって仕切られた広い部分側に形成されている定量充填口102a,102a…のみ塞ぐ盲板105が配置されている。
【0005】
また、回転体103の周囲には、複数のシール装置106,106…が等間隔に配置されている。各シール装置106は、一対の可動片106a,106aを備えている。この一対の可動片106a,106aは、スクレーパ104,104によって仕切られた広い部分側の3分の2の領域で離隔し、残りのほぼ3分の1の領域で近接する方向に移動し、長尺フィルム1を幅(上下縦)方向にシールする。長尺フィルム1は、中心線を折目として有底状に二つ折りにされ、長さ方向に搬送される。
【0006】
また、回転体103の周囲には、多数の漏斗状のノズル107,107…が配置されている。ノズル107,107…は昇降動し、下降したときに、下端部が前記シール装置106,106…の可動片106a,106aに挟まれた状態の長尺フィルム1間内に挿入される。
【0007】
この自動包装機は以上のように構成され、次に、紛粒体を袋体2内に充填する方法について説明する。まず、長尺フィルム1を有底状の二つ折りとして、シール装置106の方へ搬送する。そして、ノズル107の下端部が長尺フィルム1間内に挿入された状態で、シール装置106が回転しながら長尺フィルム1を幅方向にシールし、充填空間である扁平状袋部を形成する。
【0008】
一方、ホッパー102内には、スクレーパ104,104によって仕切られた広い部分側に紛粒体が供給される。そして、ホッパー102が回転することにより、紛粒体はスクレーパ104,104によって掻き取られ、定量充填口102a,102a…内に所定量だけ充填された状態となる。そして、この定量充填口102a,102a…が盲板105のない位置まで移動すると、紛粒体はノズル107,107…内に落下し、長尺フィルム1の幅方向のシールされた扁平状袋部内に供給される。
【0009】
そして、ノズル107の下端部が長尺フィルム1内から上昇した後、長尺フィルム1はシール装置106から外れて直進し、回転ロール形シール装置110によって上部が長さ方向に連続してシールされる。最後に、回転カッター111によって幅方向にシールされた部分の長尺フィルム1が切断されることにより、紛粒体を封入した袋体2が完成する。
【特許文献1】特公昭51−32155号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1に開示された自動包装機を含め、紛粒体を定量充填口102a,102a…から長尺フィルム1に形成された扁平状袋部内に充填するようにした紛粒体の充填包装装置は、紛粒体が重力によって扁平状袋部内に落下するようにされている。紛粒体は、軽量であるため、重力によって素早く落下しない。したがって、従来の紛粒体の充填包装装置は、紛粒体を長尺フィルム1の扁平状袋部内に充填する時間が長くなり、1分間に80袋しか充填することができないなど、生産性が悪いものとなっている。
【0011】
そこで、本発明は、紛粒体を短時間に長尺フィルム内に充填することができるようにした紛粒体の充填包装装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る紛粒体の充填包装装置は、周方向に回転しながら所定量の紛粒体をストックする複数の桝状容器を環状に配列し、二つ折りにされて長さ方向に搬送される長尺フィルムに形成された扁平状袋部内に、先端部が挿入されるノズルを前記各桝状容器に突設したことを特徴としている。
【0013】
この紛粒体の充填包装装置によれば、周方向に回転する桝状容器に突設された各ノズルの先端部は、桝状容器が回転することによって回転し、長さ方向に搬送される長尺フィルムに形成された扁平状袋部内に挿入される。この挿入されるタイミングで、桝状容器内にストックされた紛粒体がノズルから扁平状袋部内に充填される。なお、この紛粒体の充填包装装置は、ノズルの先端部が扁平状袋部内に挿入されるように、桝状容器の回転速度と長尺フィルムの搬送速度が調整されている。
【0014】
また、前記紛粒体の充填包装装置において、前記桝状容器は、ノズルを突設した面がテーパ状に傾斜していることが好ましい。
【0015】
この紛粒体の充填包装装置によれば、桝状容器のノズルを突設した面がテーパ状に傾斜されていることにより、桝状容器内にストックされた紛粒体が桝状容器のノズルを突設した側の内壁に堆積することなく、すべてノズルから排出されるようにすることができる。
【0016】
また、前記紛粒体の充填包装装置において、前記ノズルの先端部が扁平状袋部内に挿入されたときのみ、桝状容器とノズルとを連通させるシャッターが備えられていることが好ましい。
【0017】
この紛粒体の充填包装装置によれば、シャッターが備えられていることにより、桝状容器内にストックされた紛粒体は、ノズルの先端部が扁平状袋部内に挿入されていない状態において、桝状容器とノズルとが連通しないことから排出されることがなく、ノズルの先端部が扁平状容器内に挿入された状態においてのみ、すべての紛粒体を確実に扁平状袋部内に充填するようにすることができる。
【0018】
また、前記紛粒体の充填包装装置において、前記ノズルは、横向きないし斜め上向きに搬送されている扁平状袋部内に挿入されるように、横向きないし斜め下向きで各桝状容器に突設されていることが好ましい。
【0019】
この紛粒体の充填包装装置によれば、扁平状袋部が横向きないし斜め上向きとなるように長尺フィルムが搬送され、この扁平状袋部内にノズルの先端部が挿入されるように、ノズルは、横向きないし斜め下向きで各桝状容器に突設される。そして、桝状容器内の紛粒体は、遠心力によって桝状容器から排出され、ノズルから扁平状袋部内に充填される。
【0020】
また、前記紛粒体の充填包装装置において、前記桝状容器は、同心に配置される内側円筒および外側円筒と、両円筒間を等間隔に仕切る複数の仕切り板と、前記両円筒および仕切り板の底側を塞ぐ円盤とによって形成されていることが好ましい。
【0021】
この紛粒体の充填包装装置よれば、桝状容器の上方が開口した状態となる。したがって、紛粒体は、桝状容器の上方から落下するようにして桝状容器内に連続して供給される。紛粒体が一定時間に一定量供給され、桝状容器の回転速度を一定とすることにより、各桝状容器内には所定量の紛粒体をストックすることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、桝状容器に突設されたノズルが周方向に回転し、長尺フィルムに形成される扁平状袋部内に挿入されるタイミングで、桝状容器にストックされた紛粒体が短時間に扁平状袋部内に充填されるため、生産性を向上させることができる。したがって、本発明に係る紛粒体の充填包装装置を使用して生産される健康食品や粉末食品などの紛粒体を封入した袋体からなる商品は、コストダウンを図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明に係る紛粒体の充填包装装置の第1の実施形態について、図1ないし図3を参照しながら説明する。この第1の実施形態における紛粒体の充填包装装置は、図1に示すように、周方向に回転しながら紛粒体Fをストックするとともに短時間に排出する回転体10や紛粒体Fをコンスタントに排出する定量供給機(コンスタントフィーダ)20などを備え、中心線を折目として二つ折りにされた長尺フィルム1に形成される扁平状袋部3内に紛粒体Fを短時間に充填する装置である。
【0024】
回転体10は、環状に配列された多数(図面では12個であるが、個数は限定するものではない。)の桝状容器11,11…と、この各桝状容器11,11…の側方に突設されたノズル12,12…とを備えている。桝状容器11は、同心に配置される内側円筒13および外側円筒14と、両円筒13,14間を周方向で等間隔に仕切る多数の仕切り板15,15…と、両円筒13,14および仕切り板15,15…の底側を塞ぐ円盤16とによって形成されている。円盤16の底側中心には、モータ(図示せず)によって回転する回転軸(図示せず)が取り付けられ、回転体10が周方向に一定の速度で回転するようにされている。
【0025】
そして、外側円筒14の底側には、図3に示すように、各桝状容器11ごとに開口部14aが形成され、この開口部14aに連通するようにノズル12が外側円筒14に突設されている。ノズル12の幅は、図2に示すように、先端側が基端側よりも細く、平面形状がハ字形とされている。
【0026】
そして、桝状容器11内にストックされた紛粒体Fが桝状容器11内に蓄積されないようにするため、このノズル12の側板を延長するように、すなわち、段差なく連続するように仕切り板15が配置されている。したがって、仕切り板15は、2枚一組とされ、内側円筒13において接合し、外側円筒14において離隔するように平面視V字形に配置され、また、頂部側で尖塔状に継ぎ合わされるように側面視V字形に立設されている。
【0027】
また、桝状容器11内にストックされた紛粒体Fが外側円筒14の内壁に蓄積されることなくノズル12から排出されるようにするため、外側円筒14は図3に示すように、上側が下側よりも縮径したテーパ状、または図示しないが円弧状とされている。ただし、外側円筒14は、図1に示すように円盤16と直角方向に立設し、内側円筒13と全幅にわたって同じ間隔としてもよい。
【0028】
そして、桝状容器11とノズル12とは、シャッター17により、定常状態で遮断され、ノズル12の先端部が扁平状袋部3内に挿入され、桝状容器11内の紛粒体Fをノズル12から排出するときにのみ連通するようにされている。シャッター17は、図3に示すように(図1および図2において図示せず)、内側円筒13を貫通する開閉板17aと円盤16の下方に延びるアーム17bとがほぼL字形に一体成形されたもので、揺動することができるように、開閉板17aと内側円筒13とが蝶番17cによって連結されている。定常状態においては、開閉板17aは横向きとなって開口部14aが塞がれ、ノズル12の先端部が扁平状袋部3内に挿入されるときにのみ開閉板17aが下向きとなり、開口部14aが開口するようにされている。
【0029】
シャッター17を揺動させる機構としては、アーム17bの下端部に取り付けられたローラ17dと、ノズル12の先端部が扁平状袋部3内に挿入されるときに、ローラ17dを回転体10の中心側上向きに押し上げるカム(図示せず)とによって構成することができる。あるいは、シャッター17は電磁石によって開閉するようにしてもよい。さらに、シャッター17は、開閉板17aがノズル12内で揺動するようなものとすることもできる。
【0030】
一方、紛粒体Fを桝状容器11内に供給する定量供給機20は、図1に示すように、電子天秤21上に紛粒体Fを貯めるホッパー22が設置され、ホッパー22の端板の底部にダクト23が取り付けられた構成となっている。ダクト23の先端部は、桝状容器11の上方に位置し、紛粒体Fを桝状容器11内に連続して一定時間に一定量(以下、「定速」という。)供給するようにされている。また、紛粒体Fが定速でダクト23から排出されるようにするため、ホッパー22内および/またはダクト23内には、スクリュー(図示せず)が内蔵されている。
【0031】
一方、長尺フィルム1は、ロール30から繰出され、中心線を折目として二つ折りにされた状態で長さ方向に搬送される。長尺フィルム1は、図3に示すように、側縁1a,1a側がノズル12を挟む間隔をもって横方向を向いて搬送される。なお、図面において、長尺フィルム1の側縁1a,1aの間隔およびノズル12の厚さは、実際の寸法よりも誇張して描いてある。
【0032】
また、ノズル12を挟む位置の上流側と下流側とには、二つ折りにされた長尺フィルム1を上下から挟む第1と第2のローラ対31,32が配置されている。各ローラ対31,32には、一対のヒータバー31a,32aが突設され、このヒータバー31a,32aが同期して二つ折りにされた長尺フィルム1を上下から挟むことにより、長尺フィルム1を一定の間隔ごとに幅方向のシールをする。
【0033】
なお、第2のローラ対32に突設されたヒータバー32aの表面には、ローレットのような凹凸目が形成され、シール強度を高めるとともに、外観上の装飾的作用が発揮されるようにしている。
【0034】
そして、第2のローラ対32の下流側には、重なり合っている側縁1a,1a同士を長さ方向にシールするシール装置33が配置され、さらに、下流側には、シールされた側縁1a,1aにローレットのような凹凸目を形成するためのローラ対34が配置されている。さらに下流側には、幅方向にシールされた部分の中心線で切断するカッター(図示せず)が配置されている。
【0035】
第1の実施形態における紛粒体の充填包装装置は、このように構成され、次に、紛粒体Fを袋体2に充填する方法について説明する。
【0036】
紛粒体Fは、ホッパー22内に貯められ、ノズル12から定速で連続してダクト23から排出され、桝状容器11内に供給される。紛粒体Fが定速で排出されているかどうかは、電子天秤21がホッパー22内の紛粒体Fの重さを測定することによってチェックする。例えば、ホッパー22内の紛粒体Fの重さが10秒ごとに750gずつ減少すべきところを、700gずつ減少していれば、ホッパー22内および/またはダクト23内のスクリューの回転速度を速くして、紛粒体Fの排出される速度が常に一定になるようにする。
【0037】
ノズル12から排出された紛粒体Fは、回転している桝状容器11の先行側の仕切り板15が紛粒体Fの落下点を通過してから後行側の仕切り板15が紛粒体Fの落下点を通過する間に桝状容器11内に供給される。この紛粒体Fは、桝状容器11内で横向きとされているシャッター17の開閉板17a上に落下する。桝状容器11は一定の速度で回転し、紛粒体Fがノズル12から排出される速度も一定とされることにより、各桝状容器11内には、一定量の紛粒体Fがストックされる。
【0038】
一方、二つ折りにされて搬送されている長尺フィルム1は、第1のローラ対31に突設されたヒータバー31aによって幅方向にシールされる。シールされた部分が下流側に進行し、上流側がシールされることにより、各シールされた部分間に扁平状袋部3が形成される。扁平状袋部3は、長尺フィルム1の側縁1a,1a側が挿入口3aとされる。
【0039】
そして、回転体10が回転することにより、ノズル12の先端部が扁平状袋部3の挿入口3aから内部に挿入される。したがって、挿入口3aは、長尺フィルム1の側縁1a,1a同士が接合しておらず、ノズル12を挿入する間隔があけられている。
【0040】
また、長尺フィルム1は、ノズル12が扁平状袋部3内に挿入されるタイミングとなるような速度で搬送されており、ノズル12の先端部が扁平状袋部3内に挿入されてから排出されるまでの間、シャッター17が開けられる。シャッター17は、アーム17bの下端部に取り付けられたローラ17dがカムによって押し上げられることにより、開閉板17aは図3の仮想線に示すように、下向きとなって開口部14aが開けられる。
【0041】
そして、開閉板17a上の紛粒体Fは、遠心力によってノズル12から扁平状袋部3内に充填される。紛粒体Fが遠心力によって排出されるようにするため、回転体10は、約100rpm以上で高速に回転することが好ましい。ただし、回転体10の回転速度は、紛粒体Fが粉状物であるか粒状物であるか、また、粒径などによって適宜、設定される。
【0042】
そして、回転体10が回転するとともに、扁平状袋部3が進行することにより、ノズル12の先端部が扁平状袋部3内から排出される。その後、開閉板17aが横向きとなってシャッター17が閉じられた状態となり、開口部14aが塞がれると、桝状容器11内に紛粒体Fをストックすることができるようになる。
【0043】
一方、扁平状袋部3内に紛粒体Fが充填された長尺フィルム1は、第2のローラ対32によってすでにシールされている部分が再びシールされるとともに、凹凸目が形成される。そして、長尺フィルム1がさらに搬送されると、扁平状袋部3の挿入口3aがシール装置33によってシールされ、さらに、このシールされた部分には、ローラ対34によって凹凸目が形成される。最後に、幅方向にシールされた部分がカッターによって切断されると、紛粒体Fを充填した袋体2が完成する。この袋体2は、例えば1分間に1,000〜1,500袋製造される。
【0044】
次に、本発明に係る紛粒体の充填包装装置の第2の実施形態について図4を参照しながら説明する。この第2の実施形態における紛粒体の充填包装装置は、回転体10のノズル12を斜め下向きとしたことを特徴としている。そして、シャッター17の開閉板17aは、この先端部が外側円筒14とノズル12とに当接するように揺動する。また、この第2の実施形態にあっては、二つ折りにされた長尺フィルム1は、扁平状袋部3の挿入口3aが斜め上向きとなるように傾斜して搬送される。
【0045】
他の構成は、前記第1の実施形態と同じであるため、次に、紛粒体Fを桝状容器11内から排出する動作についてのみ説明する。
【0046】
桝状容器11内には、横向きとなってノズル12を塞いでいる状態の開閉板17a上に紛粒体Fがストックされる。回転体10が高速に回転し、ノズル12の先端部が扁平状袋部3内に挿入されると、開閉板17aが下向きとなり、紛粒体Fが扁平状袋部3内に充填される。この紛粒体Fは、遠心力に加えて重力によっても排出されるため、より短時間に扁平状袋部3内に充填することができる。他の動作は、前記第1の実施形態と同じであるため、説明を省略する。
【0047】
次に、本発明に係る紛粒体の充填包装装置の第3の実施形態について図5および図6を参照しながら説明する。この第3の実施形態における紛粒体の充填包装装置は、回転体10を鉛直姿勢としたことを特徴としている。
【0048】
したがって、回転体10は、中心軸が水平向きとなって同心に配置される内側円筒13および外側円筒14と、この両円筒13,14間を等間隔に仕切る仕切り板15と、両円筒13,14と仕切り板15の両端を塞ぐ一対のドーナツ盤状の側板18,18とによって桝状容器11が環状に配列され、外側円筒14にノズル12が外向きに突設されている。第3の実施形態の内側円筒13は、シャッター17を取り付けるのに必要な長さとされ、紛粒体Fがダクト23から桝状容器11内に供給されるようにするための開口部13aが形成されている。仕切り板15は、2枚によって構成してもよいし、1枚によって構成してもよい。
【0049】
ダクト23は、図6に示すように、内側円筒13内であって、中心よりも若干、長尺フィルム1の若干上流側側に配置される。ダクト23から排出される紛粒体Fは、シャッター17が閉じた状態で桝状容器11内に供給される。シャッター17の開閉板17aは、定常状態においてノズル12を塞ぎ、シャッター17の開閉板17aと外側円筒14と一方の側板18とによって形成される桝状容器11内に紛粒体Fがストックされるようにされている。
【0050】
そして、ノズル12が扁平状袋部3内に挿入されたときに、開閉板17aの先端部が側板18の方に傾き、桝状容器11とノズル12とが連通するようにされている。ノズル12は、下向きとなったときに扁平状袋部3内に挿入されるため、扁平状袋部3の挿入口3aが上向きとなるように、長尺フィルム1は鉛直姿勢で搬送される。
【0051】
他の構成は、前記の第1の実施形態と同じであるため、次に、ダクト23から排出される紛粒体Fを扁平状袋部3内に充填する動作について説明する。
【0052】
ダクト23から排出される紛粒体Fは、シャッター17の開閉板17aによってノズル12と遮断されている桝状容器11内に供給される。そして、回転体10が高速に回転することにより、ノズル12の先端部が扁平状袋部3内に挿入されると、シャッター17の開閉板17aが側板18の方に傾き、桝状容器11内の紛粒体Fがノズル12から扁平状袋部3内に充填される。紛粒体Fは、遠心力に加えて重力によっても排出されるため、より短時間に扁平状袋部3内に充填される。
【0053】
この第3の実施形態においては、紛粒体Fが桝状容器11内に落下した直後にノズル12から排出されるため、扁平状袋部3内に充填する紛粒体Fの量が少ないときに好適である。また、紛粒体Fの量が多いときは、回転体10は間歇的に回転し、長尺フィルム1は間歇的に搬送するようにしてもよい。
【0054】
なお、本発明は、前記3つの実施形態に限定することなく特許請求の範囲に記載した技術的事項の範囲内において種々変更することができる。例えば、回転体10全体を傾斜姿勢とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明にかかる紛粒体の充填包装装置の第1の実施形態を示す概略斜視図である。
【図2】本発明にかかる紛粒体の充填包装装置の第1の実施形態を示す概略平面図である。
【図3】本発明にかかる紛粒体の充填包装装置の第1の実施形態を示す概略断面正面図である。
【図4】本発明にかかる紛粒体の充填包装装置の第2の実施形態を示す概略断面正面図である。
【図5】本発明にかかる紛粒体の充填包装装置の第3の実施形態を示す概略断面側面図である。
【図6】本発明にかかる紛粒体の充填包装装置の第3の実施形態を示す概略正面図である。
【図7】従来の自動包装機の断面正面図である。
【図8】従来の自動包装機の平面図である。
【符号の説明】
【0056】
1…長尺フィルム
3…扁平状袋部
11…桝状容器
12…ノズル
13…内側円筒
14…外側円筒
15…仕切り板
16…円盤
17…シャッター
F…紛粒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周方向に回転しながら所定量の紛粒体をストックする複数の桝状容器を環状に配列し、
二つ折りにされて長さ方向に搬送される長尺フィルムに形成された扁平状袋部内に、先端部が挿入されるノズルを前記各桝状容器に突設したことを特徴とする紛粒体の充填包装装置。
【請求項2】
前記桝状容器は、ノズルを突設した面がテーパ状に傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の紛粒体の充填包装装置。
【請求項3】
前記ノズルの先端部が扁平状袋部内に挿入されたときのみ、桝状容器とノズルとを連通させるシャッターが備えられていることを特徴とする請求項1または2に記載の紛粒体の充填包装装置。
【請求項4】
前記ノズルは、横向きないし斜め上向きに搬送されている扁平状袋部内に挿入されるように、横向きないし斜め下向きで各桝状容器に突設されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の紛粒体の充填包装装置。
【請求項5】
前記桝状容器は、同心に配置される内側円筒および外側円筒と、両円筒間を周方向で等間隔に仕切る複数の仕切り板と、前記両円筒および仕切り板の底側を塞ぐ円盤とによって形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の紛粒体の充填包装装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−1606(P2006−1606A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−181110(P2004−181110)
【出願日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【出願人】(593089666)池田機械産業株式会社 (21)
【Fターム(参考)】