説明

紫外線吸収性複合フィルム

【課題】優れた紫外線吸収能を有すると共に、プラスチックフィルムとの密着性に優れ、長期耐候性を備えたフィルムを提供すること。
【解決手段】片面又は両面を易接着処理したプラスチックフィルムの処理面上に、特定構造の紫外線吸収性単量体をラジカル重合してなる紫外線吸収性重合体を含有し(他の重合体は混合しない)、かつ硬化された紫外線吸収性重合体層を有することを特徴とする紫外線吸収性複合フィルムを開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紫外線吸収能を有し、かつ長期耐候性に優れた紫外線吸収性複合フィルムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
紫外線を遮断して内部を保護するために、農業用グリーンハウスなどの屋外で使用するフィルム、建物や自動車の窓などに貼着するフィルムとして紫外線吸収性フィルムがこれまでから使用されている。かかる紫外線吸収性フィルムそのものの耐候性を向上させる手段として、これまで種々の技術が提案されている。例えば特許文献1には、フィルム用樹脂に紫外線吸収剤を練り込んだフィルム、特許文献2には、紫外線吸収性モノマーを共重合したアクリル樹脂を使用したフィルム、特許文献3には、プラスチックフィルム表面に紫外線吸収型アクリル系樹脂及びカチオン系ポリマーを主成分とした被覆層を設けた複合フィルムがそれぞれ提案されている。
【特許文献1】特公平4−2101号公報
【特許文献2】特開平9−254345号公報
【特許文献3】特開平7−214732号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、フィルム用樹脂に紫外線吸収剤を練り込んだフィルムでは、紫外線吸収剤が溶出したり、ブリードアウトするといった問題や耐候性が不十分であるといった問題がある。また紫外線吸収モノマーを共重合したアクリル樹脂を使用したフィルムやプラスチックフィルム表面に紫外線吸収型アクリル系樹脂及びカチオン系ポリマーを主成分とした被覆層を設けた複合フィルムでは、プラスチックフィルムとの密着性に劣り、長期間使用すると層間で劣化を起こす。
【0004】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであって、優れた紫外線吸収能を有すると共に、プラスチックフィルムとの密着性に優れ、長期耐候性を備えたフィルムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、片面又は両面を易接着処理したプラスチックフィルムの処理面上に、下記一般式(1)及び(2)で表される紫外線吸収性単量体から選ばれる少なくとも一種を含む単量体組成物をラジカル重合してなる紫外線吸収性重合体を含有し、かつ硬化された紫外線吸収性重合体層を有することを特徴とする紫外線吸収性複合フィルムが提供される。
【0006】
【化1】

(式中、R1は水素原子または炭素数1〜8の炭化水素基を表し、R2は低級アルキレン基を表し、R3は水素原子またはメチル基を表し、Xは水素原子、ハロゲン、炭素数1〜8の炭化水素基、低級アルコキシ基、シアノ基またはニトロ基を表す。)
【0007】
【化2】

(式中、R4は低級アルキレン基を表し、R5は水素原子またはメチル基を表す。)
【0008】
当該重合体は下記一般式(3)、(4)及び(5)で表される単量体から選ばれる少なくとも一種をさらに含む単量体組成物をラジカル重合したものであることが好ましい。
【0009】
【化3】

(式中、R6は水素原子またはシアノ基を表し、R7、R8はそれぞれ独立して水素原子またはメチル基を表し、R9は水素原子または炭化水素基を表し、Yは酸素原子またはイミノ基を表す。)
【0010】
【化4】

(式中、R6は水素原子またはシアノ基を表し、R7、R8、R7'、R8'はそれぞれ独立して水素原子またはメチル基を表し、Yは酸素原子またはイミノ基を表す。)
【0011】
【化5】

(式中、R10は水素原子またはメチル基を表し、Zは炭素数が4以上の炭化水素基を表す。)
【0012】
また紫外線吸収性複合フィルムは、紫外線吸収性重合体が硬化性官能基を有し、紫外線吸収性重合体層が硬化剤を含むものであることがよい。
【0013】
このとき硬化性官能基は活性水素を有する基であることが好ましい。また硬化剤は、イソシアネート化合物、エポキシ樹脂又はアミノプラスト樹脂であることが好ましい。
【0014】
プラスチックフィルムの厚さは、1〜1,000ミクロンであり、易接着処理面の表面ぬれ指数は、36dyn/cm以上であることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の紫外線吸収性複合フィルムは、優れた紫外線吸収能を有すると共に、プラスチックフィルムとの密着性に優れ、長期耐候性を備える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の紫外線吸収性複合フィルムは、片面又は両面を易接着処理したプラスチックフィルムの処理面上に紫外線吸収性重合体層を有することが大きな特徴の一つである。易接着処理した面上に紫外線吸収性重合体層を形成するので、プラスチックフィルムと当該重合体層の密着がより強くなり、プラスチックフィルムと当該重合体層の間での剥がれや劣化が生じない。またプラスチックフィルム上に紫外線吸収性重合体層を形成しているので、紫外線吸収性重合体のみからなるフィルムに比べ、引っ張り及び折り曲げ強度が強くなる。
【0017】
本発明で使用するプラスチックフィルムとしては、公知のプラスチックフィルムであればいずれも使用することができる。例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のポリオレフィンフィルム;ポリスチレンフィルム;ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム;ポリカーボネートフィルム;トリアセチルセルロースフィルム;セロハンテープフィルム;フッ素フィルム;ポリアミドフィルム;ポリイミドフィルム;ポリフェニレンスルフィドフィルム;ポリエーテルイミドフィルム;ポリエーテルスルフィドフィルム;ポリスルホンフィルム;ポリアクリロニトリルフィルム;ポリ酢酸ビニルフィルム;ポリエーテルエーテルケトン等の単体又は複合体が挙げられる。フィルムとしての機械的、熱的物性面から、ポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリフェニレンスルフィドフィルム、フッ素フィルムの単体又は複合体が好ましい。
【0018】
また、かかるプラスチックフィルムには、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲において、公知の添加剤を配合してもよい。添加剤としては、例えば耐熱安定剤、耐酸化安定剤、顔料、染料、無機・有機微粉末、分散剤、カップリング剤、充填剤等が挙げられる。
【0019】
さらに、プラスチックフィルムは、未配向、一軸配向、二軸配向のいずれでも使用することができるが、機械的強度が要求される場合には配向フィルムが好ましい。
【0020】
プラスチックの厚みに特に限定はないが、1〜1,000ミクロンの範囲が好ましい。また、プラスチックフィルムの光学的特性等についても特に限定はなく、本発明の紫外線吸収性複合フィルムの用途に応じて、所望のものを使用すればよい。
【0021】
本発明の紫外線吸収性複合フィルムでは、上記プラスチックフィルムの片面又は両面を易接着処理する。本発明における易接着処理とは、コロナ放電処理、プラズマ処理、アルカリ金属溶液処理、高周波スパッタエッチング処理等の表面処理及びポリエステル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリウレタン、ハロゲン化ポリオレフィン等又はこれらの混合物もしくは反応物による下塗り処理を言う。かかる易接着処理の強度に特に限定はないが、密着性の点からJIS−K−6768に基づく表面ぬれ指数が36dyn/cm以上であることが望ましい。
【0022】
本発明における紫外線吸収性重合体は、一般式(1)及び(2)で表される紫外線吸収性単量体から選ばれる少なくとも一種を含む単量体組成物をラジカル重合してなる重合体であり、単量体組成物が一般式(3)、(4)、(5)で表される単量体をさらに含んでいてもよい。
【0023】
本発明における前記一般式(1)で表される紫外線吸収性単量体は、式中、R1は水素原子または炭素数1〜8の炭化水素基で構成され、R2は低級アルキレン基で構成され、R3は水素原子またはメチル基で構成され、Xは水素、ハロゲン、炭素数1〜8の炭化水素基、低級アルコキシ基、シアノ基またはニトロ基で構成されるベンゾトリアゾール類である。
【0024】
上記式中、R1で表される置換基としては、例えば水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などの鎖式炭化水素基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などの脂環式炭化水素基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ベンジル基、フェネチル基などの芳香族炭化水素基であり、R2で表される置換基は、具体的には炭素数1〜6のアルキレン基であって、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基などの直鎖状アルキレン基及びプロピレン基、2−メチルトリメチレン基、2−メチルテトラメチレン基などの分枝鎖状アルキレン基であり、Xで表される置換基は、水素;フッ素、塩素、シュウ素、ヨウ素などのハロゲン;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などの鎖式炭化水素基:シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などの脂環式炭化水素基:フェニル基、トリル基、キシリル基、ベンジル基、フェネチル基などの芳香族炭化水素基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基、ヘプトキシ基など炭素数1〜6の低級アルコキシ基;シアノ基;ニトロ基である。
【0025】
前記一般式(1)で表される紫外線吸収性単量体としては、例えば2−[2'−ヒドロキシ−5'−(メタクリロイルオキシメチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2'−ヒドロキシ−5'−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2'−ヒドロキシ−5'−(メタクリロイルオキシプロピル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2'−ヒドロキシ−5'−(メタクリロイルオキシヘキシル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2'−ヒドロキシ−3'−tert−ブチル−5'−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2'−ヒドロキシ−5'−tert−ブチル−3'−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2'−ヒドロキシ−5'−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2'−ヒドロキシ−5'−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2'−ヒドロキシ−5'−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−5−シアノ−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2'−ヒドロキシ−5'−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−5−tert−ブチル−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2'−ヒドロキシ−5'−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−5−ニトロ−2H−ベンゾトリアゾールなどが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。一般式(1)で表されるこれら紫外線吸収性単量体は一種類のみを用いてもよく、また二種類以上を適宜混合して用いてもよい。
【0026】
また前記一般式(2)で表される紫外線吸収性単量体は、式中、R4で表される置換基は低級アルキレン基で構成され、R5で表される水素原子またはメチル基で構成されるベンゾトリアゾール類である。
【0027】
上記式中、R4で表される置換基は、具体的には炭素数2または3のアルキレン基であって、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基などを挙げることができる。
【0028】
前記一般式(2)で表される紫外線吸収性単量体としては、例えば、2−〔2'−ヒドロキシ−5'−(β−メタクリロイルオキシエトキシ)−3'−tert−ブチルフェニル〕−4−tert−ブチル−2H−ベンゾトリアゾールが挙げられるが、特にこれに限定されるものではない。一般式(2)で表されるこれら紫外線吸収性単量体は一種類のみを用いてもよく、また二種類以上を適宜混合してもよい。
【0029】
本発明で使用する一般式(3)、(4)の紫外線安定性単量体において、式中、R6で示される置換基は水素原子またはシアノ基で構成され、R7、R8、R7'、R8'で示される置換基はそれぞれ独立して水素原子またはメチル基で構成され、R9で示される置換基が水素原子または炭化水素基で構成され、Yで示される置換基が酸素原子またはイミノ基で構成されるピペリジン類である。
【0030】
上記R9で示される置換基としては、具体的には水素原子、炭素数1〜18の炭化水素基であって、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基など鎖式炭化水素基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などの脂環式炭化水素基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ベンジル基、フェネチル基などの芳香族炭化水素基などが非限定的に例示される。
【0031】
前記一般式(3)で表される紫外線安定性単量体としては、例えば4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどが挙げられ、これらの一種のみを用いてもよく、また二種以上を適宜混合して用いてもよい。もちろん一般式(3)の紫外線安定性単量体はこれら化合物に限定されるものではない。
【0032】
前記一般式(4)で表される紫外線安定性単量体としては、例えば1−(メタ)アクリロイル−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−クロトノイル−4−クロトイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどが挙げられ、これら一種のみを用いてもよく、また二種以上を適宜混合して用いてもよい。なお一般式(4)の紫外線安定性単量体はこれらに限定されるものではない。
【0033】
本発明に係る一般式(5)に表される不飽和単量体は、式中、R10で示される置換基が水素原子またはメチル基で構成され、Zで示される置換基が炭素数4以上の炭化水素基で構成される不飽和単量体である。
【0034】
上記式中、Zで表される置換基はシクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、シクロドデシル基などの炭素数4以上の脂環式炭化水素基;ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、2−エチルヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基など炭素数4以上の直鎖または分枝鎖のアルキル基;ボルニル基、イソボルニル基などの炭素数4以上の多環式炭化水素基であり、中でも脂環式炭化水素基、分枝鎖のアルキル基、炭素数6以上の直鎖アルキル基が好ましい。
【0035】
本発明に係る一般式(5)に表される不飽和単量体として、例えばシクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート、tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、これらの一種または二種以上が使用できる。
【0036】
また上記単量体以外のその他の共重合可能な不飽和単量体は、紫外線吸収性単量体が繰り返し単位の一部として含まれる重合体に要求される各種物性を損なわないものであればいずれも使用することができる。具体的には、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸等のカルボキシル基含有不飽和単量体;2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−3−クロロプロピルアシッドホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチルフェニルリン酸等の酸性リン酸エステル系不飽和単量体;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシ(メタ)アクリレート(例えば、ダイセル化学工業株式会社製;商品名「プラクセルFM」)、フタル酸とプロピレングリコールとから得られるポリエステルジオールのモノ(メタ)アクリレート等の活性水素を有する基を含有する不飽和単量体;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸低級アルキルエステル;グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有不飽和単量体;(メタ)アクリルアミド、ウレイドエチルアクリレート、ウレイドエチルビニルエーテル、メタクリロイルジシアンアミド、N,N' −ジメチルアミノチル(メタ)アクリレート、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール等の含窒素不飽和単量体;β−ビニルオキシエチルメタクリレート、2−ブチン−1−オールアクリレート等の2個の重合性二重結合を有する不飽和単量体;塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン含有不飽和単量体;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族不飽和単量体;酢酸ビニル等のビニルエステル;ビニルエーテルなどが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。その他単量体は必要に応じて一種類のみを用いてもよく、また二種以上を用いてもよい。
【0037】
なお、後述する紫外線吸収性重合体層の硬化処理において、紫外線吸収性重合体が単独で硬化する場合には、上記その他単量体として、エポキシ基やイソシアネート基を有する不飽和単量体を含むか、エポキシ基、イソシアネート基、重合性二重結合を持つ化合物を、紫外線共重合体を重合した後にこれらの官能基が残るように付加する必要がある。一方、架橋剤によって架橋硬化する場合には、エポキシ基やカルボキシル基、活性水素を有する基等の硬化性官能基を有する不飽和単量体を含んでいる必要がある。これらの中でも活性水素を有する基が硬化性官能基として好ましい。
【0038】
一般式(1)、(2)で表される紫外線吸収性単量体の使用量は、特に限定されないが、紫外線吸収性重合体に対して0.1〜99wt%とすることが望まれる。より好ましい範囲について述べると、下限側として好ましくは1wt%、さらに好ましくは5wt%である。他方上限側として好ましくは60wt%、さらに好ましくは50wt%である。0.1wt%よりも少ないと得られる紫外線吸収性重合体の紫外線遮断能力が不十分となり、99wt%よりも多いと紫外線吸収性重合体の他の樹脂との相溶性が悪くなることがある。
【0039】
また、紫外線吸収性重合体層中の紫外線吸収性単量体の使用量は、特に限定されないが、紫外線吸収性重合体層の層厚との関係において、膜厚(μm)と紫外線吸収性重合体層100gに対する紫外線吸収性単量体の使用量(g)との積が1〜5,000の範囲にあるのがよい。より好ましい範囲について述べると、下限側として好ましくは10、さらに好ましくは100である。他方上限側として好ましくは2,500、さらに好ましくは1,500である。上記積が1より小さいと紫外線遮断能力が不足するおそれがあり、5,000より大きいと紫外線吸収性重合体層の膜厚が厚くなりすぎたり、紫外線吸収性単量体の量が多くなりすぎフィルム自体の伸びが低下するおそれがある。
【0040】
一般式(3)、(4)で表される紫外線安定性単量体の使用量は、特に限定されるものではないが、紫外線吸収性重合体に対して1〜99.9wt%とすることが望まれる。より好ましい範囲について述べると、下限側として好ましくは5wt%、さらに好ましくは10wt%である。他方上限側として好ましくは80wt%、さらに好ましくは50wt%である。紫外線安定性単量体の合計使用量が1wt%よりも少ないと、紫外線吸収性重合体層の耐久性が悪くなることがあり、99.9wt%よりも多いと、紫外線吸収性重合体中の紫外線吸収性単量体の含有量が少なくなりすぎ、得られる紫外線吸収性重合体層の紫外線遮断能力が不十分となることがある。
【0041】
一般式(5)で表される不飽和単量体の使用量は、特に限定されるものではないが、紫外線吸収性重合体に対して1〜99.9wt%とすることが望まれる。より好ましい範囲について述べると、下限側として好ましくは5wt%、さらに好ましくは10wt%である。他方上限側として好ましくは80wt%、さらに好ましくは50wt%である。1wt%よりも少ないと、得られる紫外線吸収性重合体の他の樹脂との相溶性が悪くなることがあり、99.9wt%よりも多いと、紫外線吸収性重合体中の紫外線吸収性単量体の含有量が少なくなりすぎ、得られる紫外線吸収性重合体層の紫外線遮断能力が不十分となることがある。
【0042】
上記単量体の混合方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の混合方法が採用され得る。
【0043】
また単量体組成物を共重合させる際の重合方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の重合方法が採用され得る。例えば、溶液重合、分散重合、懸濁重合、乳化重合等の重合方法が使用できる。溶液重合法を用いて単量体組成物を重合させる場合に用いることができる溶媒としては、トルエン、キシレン、その他高沸点の芳香族系溶媒;酢酸ブチル、酢酸エチル、セロソルブアセテート等のエステル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。もちろん使用し得る溶媒がこれら溶媒に限定されるものではない。これら溶媒は一種のみを使用してもよいし、二種以上を混合して使用してもよい。なお、溶媒の使用量は生成物の濃度などを考慮し適宜定めればよい。
【0044】
また単量体組成物を共重合させる際には重合開始剤を用いる。重合開始剤としては、たとえば2,2'−アゾビス−(2−メチルブチロニトリル)、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド等の通常のラジカル重合開始剤が挙げられる。重合開始剤の使用量は、要求される重合体の特性値などから適宜決定されるべきものであり、特に限定はない。
【0045】
反応温度は、特に限定されるものではないが、室温〜200℃の範囲が好ましく、40〜140℃がより好ましい。なお反応時間は、用いる単量体組成物の組成や重合開始剤の種類などに応じて、重合反応が完結するように適宜設定すればよい。
【0046】
紫外線吸収性重合体の重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、2,000〜500,000が好ましく、より好ましくは4,000〜300,000であり、さらに好ましくは5,000〜200,000である。なお重量平均分子量は、ポリスチレン標準GPCで測定した値である。
【0047】
次に紫外線吸収性重合体層の形成について説明する。生成された紫外線吸収性重合体を、必要により他の重合体と混合して紫外線吸収性重合体層組成物とし、プラスチックフィルム上に塗布する。当該組成物のプラスチックフィルムへの塗布は、浸漬、吹き付け、刷毛塗り、カーテンフローコータ、グラビアコート、ロールコート、スピンコート、バーコート、静電塗装などの方法により行うことができる。その後に塗布した紫外線吸収性重合体層を加熱したり、紫外線や電子線を照射して硬化させて最終成形物を得る。
【0048】
ここで、生成された紫外線吸収性重合体が単独で硬化できない重合体の場合には、硬化剤を添加する必要がある。かかる硬化剤は、紫外線吸収性重合体に存在する硬化性官能基、例えば水酸基やアミノ基、カルボキシル基又はその無水物、エポキシ基、アミド基等と架橋硬化反応する官能基を1分子当たり2個以上含む化合物又はポリマーであって、紫外線吸収性重合体に存在する官能基の種類に応じて選択・使用される。例えば、紫外線吸収性重合体に存在する官能基がカルボキシル基又はその無水物である場合には、ポリイソシアネート化合物又はその変性物、アミノプラスト樹脂、エポキシ樹脂等の架橋硬化剤、当該官能基がエポキシ基である場合には、アミンやカルボン酸、アミド、N−メチロールアルキルエーテル等を含む化合物からなる架橋硬化剤、当該官能基が水酸基やアミノ基である場合には、ポリイソシアネート化合物又はその変性物、エポキシ樹脂、アミノプラスト樹脂等の架橋硬化剤を挙げることができる。これら硬化剤の中でも、活性水素を有する基との組み合わせにおいて、イソシアネート化合物、エポキシ樹脂、アミノプラスト樹脂が好ましい。
【0049】
これら架橋硬化剤は単独又は2種以上併用してもよい。架橋硬化剤の使用量は、架橋硬化剤の種類等によって適宜決定されるものであるが、一般的には紫外線吸収性重合体100重量部に対して0.01〜50重量部の範囲が好ましい。また架橋反応を促進させるために架橋触媒を添加してもよい。かかる架橋触媒としては例えば、塩類や無機物質、有機物質、酸物質、アルカリ物質等が挙げられる。
【0050】
また、紫外線吸収性重合体と混合される上記他の重合体としては、熱可塑性重合体又は単独あるいは架橋剤によって架橋硬化する熱硬化性重合体を使用することができる。本発明の紫外線吸収性複合フィルムの用途・要求される特性によって、当該重合体の種類・使用量を適宜決定すればよい。当該重合体としては、例えばポリ塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、シリコン樹脂等の熱可塑性重合体;ウレタン樹脂、アミノプラスト樹脂、シリコン樹脂等の単独硬化する熱硬化性重合体;ポリエステル樹脂、アクリル樹脂等の硬化剤によって硬化する熱硬化性重合体を挙げることができる。
【0051】
紫外線吸収性重合体層はその他に種々の添加剤を含んでもよい。添加剤としては、例えば、塗料などの層形成用組成物に一般に使用されるレベリング剤;黄鉛、モリブデートオレンジ、紺青、カドミウム系顔料、チタン白、複合酸化物顔料、透明酸化鉄、カーボンブラック、環式高級顔料、溶性アゾ顔料、銅フタロシアニン顔料、染付顔料、顔料中間体などの顔料;顔料分散剤;抗酸化剤;粘性改質剤;耐光安定剤;金属不活性化剤;過酸化物分解剤;充填剤;補強剤;可塑剤;潤滑剤;防食剤;防錆剤;蛍光性増白剤;有機・無機防炎剤;滴下防止剤;溶融流改質剤;静電防止剤などが挙げられる。
【0052】
紫外線吸収性重合体層が、加熱によって硬化される場合、硬化温度は架橋性官能基の種類や使用する硬化剤の種類によって異なるが、例えば室温〜250℃の温度で硬化するのか好ましい。
【0053】
紫外線照射によって硬化される場合、その硬化方法は、使用する光重合開始剤、紫外線を発生させる光源の種類、光源と塗布面との距離などの条件によっても異なってくるが、例えば波長1,000〜8,000オングストロームの紫外線を通常数秒間、長くとも数十秒間照射する方法を挙げることができる。
【0054】
電子線照射によって硬化される場合には、たとえば通常50〜1000kev、好ましくは100〜300kevの加速電圧で、吸収線が1〜20Mrad程度となるように電子線を照射する方法を挙げることができる。電子線照射は大気中で行ってもよいが、窒素などの不活性ガス中で行うのが好ましい。
【0055】
また紫外線照射又は電子線照射後、必要に応じて加熱を行い、硬化を一層進行させてもよい。
【0056】
紫外線吸収性重合体層の厚さは、1〜200ミクロンが好ましく、より好ましくは2〜100ミクロン、さらに好ましくは2〜50ミクロンである。厚さが200ミクロンより厚いと、塗工速度が遅くなり、またプラスチックフィルム本来の性能が低下することがある。他方厚さが1ミクロンより薄いと、プラスチックフィルム上への均一塗工が困難となり、また紫外線吸収能が不十分となることがある。
【実施例】
【0057】
以下、実施例および比較例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。なお特に断りのない限り、実施例および比較例に記載された「部」は重量部を、「%」は「重量%」を示すものとする。
【0058】
(紫外線吸収性重合体の合成)
(合成例1)
攪拌機、滴下口、温度計、冷却管および窒素ガス導入口を備えた500ミリリットルのフラスコに溶媒としての酢酸ブチル100部、滴下槽には2−[2'−ヒドロキシ−5'−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール10部、ブチルアクリレート30部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート10部、メチルメタクリレート30部、ブチルメタクリレート20部、開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート4部とを仕込む。滴下槽中の混合物の40wt%をまずフラスコに加え、窒素ガスを導入し、撹拌しながら徐々に昇温して120℃まで加熱した。昇温後、滴下槽中の残りの混合物を4時間かけて滴下し、滴下後さらに2時間加熱して紫外線吸収性重合体の50%溶液を得た。なお、この重合体の数平均分子量は5,700であった。この紫外線吸収性重合体を重合体1とする。表1に単量体組成物の種類と配合量、及び得られた重合体の特性値を示す。
【0059】
(合成例2〜8)
表1に示す単量体組成物及び配合量で、実施例1と同様にして紫外線吸収性重合体を製造した。製造した重合体をそれぞれ重合体2〜8とする。
【0060】
【表1】

【0061】
UVA1:2−[2'−ヒドロキシ−5'−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール
UVA2:2−[2'−ヒドロキシ−5'−(β−メタクリロイルオキシエトキシ)−3'−tert−ブチルフェニル]−4−tert−ブチル−2H−ベンゾトリアゾール
HALS1:4−メタクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
HALS2:1−メタクリロイル−4−メタクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
CHMA:シクロヘキシルメタクリレートn−BMA:n−ブチルメタクリレート
BA:ブチルアクリレート
MMA:メチルメタクリレート
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
MAA:メタクリル酸開始剤:tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート
【0062】
(実施例1)
合成例1で得られた重合体溶液に、多官能イソシアネート(「スミジュールN−3200」住友バイエルウレタン社製)を溶液中のヒドロキシル基に対するイソシアネート基の当量比が1:1となる量だけ秤取して混合した。さらに、得られた混合物にシンナーを添加して希釈し、混合物の粘度をグラビアコートが可能となる粘度に調整した。
【0063】
コロナ放電処理により表面エネルギーが50dyn/cmになるように処理を行った2軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルム(「ルミラーT」東レ社製、厚さ100ミクロン)の処理面に、粘度を調整した上記混合物をグラビアコーターを用いて塗布し、100℃で2分間熱風乾燥し硬化を行った。その後30℃雰囲気下で1週間放置した後、下記に示す物性評価を行った。結果を表3に示す。
【0064】
(表面ぬれ指数)
JISK−6768ぬれ試験方法に準拠して、ぬれ指数を判定した。
【0065】
(促進耐候性試験)
275nm以下の波長領域を遮断するフィルタを備えた超エネルギー照射試験装置(「UE−1DEC型」スガ試験器社製)を用いて、UV照射強度が約100mW/cm2、ブラックパネル温度が70℃、湿度が50%Rhの状態を約10時間保持する照射過程と、ブラックパネル温度が50℃、湿度が96%Rhの状態を2時間保持する湿潤過程とを1サイクルとして、この照射・湿潤サイクルを15サイクル繰り返した。
【0066】
この促進耐候性試験の前後におけるフィルムの密着性、外観、フィルムヘイズを下記条件で測定した。
【0067】
(密着性)
紫外線吸収性重合体層上に「セロテープ(登録商標)CT405−24」(ニチバン社製)を圧着させた後、セロテープ(登録商標)を180度反対方向に強制的に剥離し、剥離度合いを下記のように目視により観察した。
◎:剥離なし
○:わずかに点剥離
△:剥離面積が10%未満
×:剥離面積が10%以上
【0068】
(外観)
紫外線吸収性複合フィルムの外観を目視により観察した。
【0069】
(フィルムヘイズ)
JISK7105に準拠して、日本電色工業社製の濁度計「NDH−300A」を用いて測定した。
【0070】
(実施例2)
実施例1と同様にして、コロナ放電処理により表面エネルギーが41dyn/cmになるように処理を行った無延伸ポリプロピレンフィルム(「P−1011」東洋紡社製、厚さ50ミクロン)の処理面上に、表2に示す重合体を所定の塗工機を用いて塗布し紫外線吸収性複合フィルムを作成した。実施例1と同様にして試験を行った。試験結果を表3に示す。
【0071】
(実施例3〜5及び比較例1,2)
実施例1と同様にして、表2に示す重合体及びプラスチックフィルムを使用して所定の塗工機を用いて紫外線吸収性複合フィルムを作成した。実施例1と同様にして試験を行った。それぞれの試験結果を表3に示す。
【0072】
(実施例6)
合成例6で得られた重合体6の溶液にエポキシ樹脂(「デコナール EX622」)を、溶液中のカルボキシル基に対するエポキシ基の当量比が1:1となる量だけ秤量して混合し、コンマコーターを用いて紫外線吸収性複合フィルムを作成した。実施例1と同様にして試験を行った。試験結果を表3に示す。
【0073】
【表2】

【0074】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
片面又は両面を易接着処理したプラスチックフィルムの処理面上に、下記一般式(1)及び(2)で表される紫外線吸収性単量体から選ばれる少なくとも一種を20質量%〜30質量%含む単量体組成物をラジカル重合してなる紫外線吸収性重合体を含有し(他の重合体は混合しない)、かつ硬化された紫外線吸収性重合体層を有することを特徴とする紫外線吸収性複合フィルム。
【化1】

(式中、Rは水素原子または炭素数1〜8の炭化水素基を表し、Rは低級アルキレン基を表し、Rは水素原子またはメチル基を表し、Xは水素原子、ハロゲン、炭素数1〜8の炭化水素基、低級アルコキシ基、シアノ基またはニトロ基を表す。)
【化2】

(式中、Rは低級アルキレン基を表し、Rは水素原子またはメチル基を表す。)
【請求項2】
当該重合体が下記一般式(3)、(4)及び(5)で表される単量体から選ばれる少なくとも一種をさらに含む単量体組成物をラジカル重合したものである請求項1記載の紫外線吸収性複合フィルム。
【化3】

(式中、Rは水素原子またはシアノ基を表し、R、Rはそれぞれ独立して水素原子またはメチル基を表し、Rは水素原子または炭化水素基を表し、Yは酸素原子またはイミノ基を表す。)
【化4】

(式中、Rは水素原子またはシアノ基を表し、R、R、R7’、R8’はそれぞれ独立して水素原子またはメチル基を表し、Yは酸素原子またはイミノ基を表す。)
【化5】

(式中、R10は水素原子またはメチル基を表し、Zは炭素数が4以上の炭化水素基を表す。)
【請求項3】
紫外線吸収性重合体が硬化性官能基を有し、紫外線吸収性重合体層が硬化剤を含む請求項1又は2記載の紫外線吸収性複合フィルム。
【請求項4】
硬化性官能基が活性水素を有する基である請求項3記載の紫外線吸収性フィルム。
【請求項5】
硬化剤がイソシアネート化合物、エポキシ樹脂又はアミノプラスト樹脂である請求項3又は4記載の紫外線吸収性フィルム。
【請求項6】
プラスチックフィルムの厚さが1〜1,000ミクロンであり、易接着処理面の表面ぬれ指数が36dyn/cm以上である請求項1乃至5のいずれかに記載の紫外線吸収性複合フィルム。

【公開番号】特開2007−152962(P2007−152962A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−6273(P2007−6273)
【出願日】平成19年1月15日(2007.1.15)
【分割の表示】特願平10−162107の分割
【原出願日】平成10年6月10日(1998.6.10)
【出願人】(000004628)株式会社日本触媒 (2,292)
【Fターム(参考)】