説明

細胞増殖を伴う疾患の治療のための複合薬

本発明は細胞増殖を伴う疾患の治療のための医薬組成物に関する。また、本発明は累積的かつ相乗的効果を与える比の、式(I)
【化1】


(式中、基L、R1、R2、R3、R4及びR5は請求の範囲及び明細書に示された意味を有する)
の化合物1(必要によりその互変異性体、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー及びこれらの混合物の形態、また必要によりこれらの薬理学上許される酸付加塩、溶媒和物、水和物、多形、生理学上機能性の誘導体又はプロドラッグの形態であってもよい)、及び有効量の活性化合物2の同時投与及び/又は放射線療法との同時治療を含む、前記疾患の治療方法、及び医薬組み合わせ製剤の製造のための式(I)の化合物1と有効量の活性化合物2及び/又は放射線療法の組み合わされた使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は癌細胞の細胞増殖、移動もしくはアポトーシス、又は血管形成を伴う疾患の治療のための新規医薬組成物に関する。更に、本発明は癌細胞の細胞増殖、移動もしくはアポトーシス、又は血管形成を伴う疾患の治療方法に関するものであり、その方法は有効量の
(i) 式(I)
【化1】

(式中、基L、R1、R2、R3、R4及びR5は特許請求の範囲及び明細書に示された意味を有する)
の化合物(必要によりその互変異性体、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー及びこれらの混合物の形態、また必要によりこれらの薬理学上許される酸付加塩、溶媒和物、水和物、多形、生理学的に機能性の誘導体又はプロドラッグの形態であってもよい)、及び
(ii) 少なくとも更なる化学治療薬、免疫治療薬もしくは免疫調節薬、坑血管形成薬、ホルモン薬又は天然産、半合成もしくは合成の治療薬、及び/又は
(iii) 放射線療法又は放射線免疫療法
によるこのような治療を要するヒトへの同時投与及び/又はこのような治療を要するヒトの同時治療を含む。
【背景技術】
【0002】
ポロ様キナーゼ(PLK)は細胞サイクルにおけるプロセスを調節するのに重要な役割を果たすセリン/スレオニンキナーゼである。4種のPLK、即ち、PLK-1、PLK-2、PLK-3及びPLK-4が技術水準に開示されている。PLKは哺乳類細胞中の有糸分裂の導入及び離脱に役割を果たす。特にPLK-1について、有糸分裂の調節に関する重要な役割が示されていた(Gloverら, 1998, Genes Dev. 12:3777-87; Qianら, 2001, Mol Biol Cell. 12:1791-9)。PLK-1の過剰発現は癌を含む腫瘍細胞と強く関連していると考えられる(WO 2004/014899)。PLK1の過剰発現が種々の腫瘍型、例えば、非小細胞肺癌、扁平上皮癌、乳癌、卵巣癌又は乳頭状癌だけでなく、結腸直腸癌について実証されていた(Wolfら, 1997, Oncogene 14, 543-549頁; Knechtら, 1999, Cancer Res. 59, 2794-2797頁; Wolfら, 2000, Pathol Res Pract. 196, 753-759頁; Weichertら, 2004, Br. J. Cancer 90, 815-821頁; Itoら, 2004, Br. J. Cancer 90, 414-418頁; Takahashiら, 2003, Cancer Sci. 94, 148-152頁)。
癌の性質の疾患の治療のために、多数の化学治療薬、免疫治療薬もしくは免疫調節治療薬、坑血管形成薬又はホルモン薬が既に示唆されており、これらは単一療法(一種の薬剤による治療)もしくは組み合わせ療法(一種より多い薬剤による同時、別々又は逐次の治療)として使用でき、かつ/又は放射線療法もしくは放射線免疫療法と組み合わされてもよい。これに関して、化学治療薬は、単独で、又は更なる活性化(例えば、放射線免疫療法の場合には放射線による)を介して、増殖している細胞を抑制又は死滅し、かつ癌の性質の疾患(これらは普通また癌と称される)に使用でき、又はその使用につき認可されている天然産、半合成又は合成の化学化合物を意味する。文献には、これらの薬剤が一般にそれらの作用のメカニズムに従って分類される。この事では、例えば、“癌化学治療薬”, American Chemical Society, 1995, W.O. Foye編集になされている分類が参考にし得る。
化学治療薬の効力はその他の化学治療化合物、免疫治療化合物、免疫調節化合物、坑血管形成化合物又はホルモン化合物との組み合わせ治療薬を使用することにより改良し得る。組み合わせ治療薬は癌治療の多くの環境で優れた標準を構成する。
たとえ、幾つかの治療薬又は療法を組み合わせるという概念が既に示唆されていたとしても、また種々の組み合わせ療法が研究下にあり、また臨床試験にあるが、癌疾患の治療に新規かつ有効な治療組成物(これらは標準療法に対し利点を示す)についての要望が依然としてある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は種々の癌疾患の治療のための式(I)のPLKインヒビターとの組み合わせ治療薬を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
こうして、本発明の意味内で、下記の化学治療薬のクラスが特に重要であるが、制限に相当しない。
・合成小分子VEGF受容体アンタゴニスト
・小分子成長因子(GF)受容体アンタゴニスト
・EGF受容体及び/又はVEGF受容体及び/又はインテグリン受容体又はあらゆるその他のタンパク質チロシンキナーゼ受容体のインヒビター(これらは合成小分子のもとに分類されない)
・Ras/Raf/MAPK経路もしくはPI3K/AKT経路又はあらゆるその他のセリン/スレオニンキナーゼの小分子インヒビター
・Ras/Raf/MAPK経路もしくはPI3K/AKT経路又はあらゆるその他のセリン/スレオニンキナーゼのインヒビター(これらは合成小分子のもとに分類されない)
・EGF受容体及び/又はVEGF受容体及び/又はインテグリン受容体又はあらゆるその他のタンパク質チロシンキナーゼ受容体に誘導されるインヒビター(これらは合成で製造される抗体、抗体フラグメント又は融合タンパク質である)
・核酸と相互作用し、アルキル化剤又は白金化合物として分類される化合物
・核酸と相互作用し、アントラサイクリン、DNAインターカレーター又はDNA架橋剤として分類される化合物
・坑代謝産物
・天然産、半合成又は合成ブレオマイシン型抗生物質(BLM-グループ抗生物質)
・DNA転写酵素のインヒビター、特にトポイソメラーゼI又はトポイソメラーゼIIインヒビター
・クロマチン修飾剤
【0005】
・有糸分裂インヒビター、坑有糸分裂剤、又は細胞サイクルインヒビター
・チューブリンと相互作用し、又はそれを結合する化合物
・有糸分裂キネシン又はその他の運動タンパク質(Eg5、CENP-E、MCAK、Kid、MKLP-1を含むが、これらに限定されない)を抑制する化合物
・プロテアソームインヒビター
・熱ショックタンパク質インヒビター
・Bcl-2、Bcl-x1及び同様の分子の坑アポトーシス機能を標的とする化合物
・酵素、ホルモン、ホルモンアンタゴニストもしくはホルモンインヒビター、又はステロイド生合成のインヒビター
・ステロイド
・サイトカイン、低酸素症選択的サイトトキシン、サイトカインのインヒビター、リンホカイン、サイトカインに対し誘導される抗体又は経口及び非経口のトレランス誘導戦略 ・支持薬剤
・坑炎症性化合物、例えば、COX-2インヒビター(これらに限定されない)
・化学放射線感作剤及び保護剤
・光化学的活性化薬物
・合成ポリヌクレオチド又はオリゴヌクレオチド、
・その他の化学治療薬又は天然産、半合成もしくは合成の治療薬、例えば、細胞傷害抗生物質、癌細胞の表面分子を標的とする抗体、成長因子又はそれらの受容体を標的とする抗体、メタロプロテイナーゼのインヒビター、オンコジーンのインヒビター、遺伝子転写もしくはRNA翻訳又はタンパク質発現のインヒビター、又は希土類元素の錯体
本発明の有益な効果は主として組み合わされた治療の累積的効果及び相乗効果、又は、例えば、関係する治療薬の低用量の投与のための患者による治療の改善された許容性に基づいている。
本発明の意味内で、化合物は下記の一般式(I)の構造を有する。
【0006】
【化2】

式中、
R1、R2(これらは同じであってもよく、また異なっていてもよい)は水素もしくは必要により置換されていてもよいC1-C6-アルキルを表し、又は
R1及びR2は一緒になって2〜5員アルキルブリッジ(これは1〜2個のヘテロ原子を含んでもよい)を表し、
R3は水素もしくは必要により置換されていてもよいC1-C12-アルキル、C2-C12-アルケニル、C2-C12-アルキニル及びC6-C14-アリールの中から選ばれた基、又は
必要により置換されていてもよく、かつ/又はブリッジされていてもよいC3-C12-シクロアルキル、C3-C12-シクロアルケニル、C7-C12-ポリシクロアルキル、C7-C12-ポリシクロアルケニル、C5-C12-スピロシクロアルキル、C3-C12-ヘテロシクロアルキル(これは1〜2個のヘテロ原子を含む)、及びC3-C12-ヘテロシクロアルケニル(これは1〜2個のヘテロ原子を含む)の中から選ばれた基を表し、或いは
R1とR3又はR2とR3は一緒になって飽和又は不飽和C3-C4-アルキルブリッジ(これは1個のヘテロ原子を含んでもよい)を表し、
【0007】
R4は水素、-CN、ヒドロキシ、-NR6R7及びハロゲンの中から選ばれた基、又は
必要により置換されていてもよいC1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C1-C5-アルキルオキシ、C2-C5-アルケニルオキシ、C2-C5-アルキニルオキシ、C1-C6-アルキルチオ、C1-C6-アルキルスルホキソ及びC1-C6-アルキルスルホニルの中から選ばれた基を表し、
Lは必要により置換されていてもよいC2-C10-アルキル、C2-C10-アルケニル、C6-C14-アリール、-C2-C4-アルキル-C6-C14-アリール、-C6-C14-アリール-C1-C4-アルキル、必要によりブリッジされていてもよいC3-C12-シクロアルキル及びヘテロアリール(これは1個又は2個の窒素原子を含む)の中から選ばれたリンカーを表し、
nは0又は1を表し、
mは1又は2を表し、
R5は必要により置換されていてもよいモルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピペラジニルカルボニル、ピロリジニル、トロペニル、R8-ジケトメチルピペラジニル、スルホキソモルホリニル、スルホニルモルホリニル、チオモルホリニル、-NR8R9及びアザシクロヘプチルの中から選ばれた基を表し、
R6、R7(これらは同じであってもよく、また異なっていてもよい)は水素又はC1-C4-アルキルを表し、かつ
R8、R9はR5にある未置換窒素置換基を表し、これらは同じであってもよく、また異なっていてもよく、水素又はC1-C6-アルキル、-C1-C4-アルキル-C3-C10-シクロアルキル、C3-C10-シクロアルキル、C6-C14-アリール、-C1-C4-アルキル-C6-C14-アリール、ピラニル、ピリジニル、ピリミジニル、C1-C4-アルキルオキシカルボニル、C6-C14-アリールカルボニル、C1-C4-アルキルカルボニル、C6-C14-アリールメチルオキシカルボニル、C6-C14-アリールスルホニル、C1-C4-アルキルスルホニル及びC6-C14-アリール-C1-C4-アルキルスルホニルの中から選ばれた基を表す。その化合物は必要によりその互変異性体、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー及びこれらの混合物の形態、また必要によりこれらの薬理学上許される酸付加塩、溶媒和物、水和物、多形、生理学的に機能性の誘導体又はプロドラッグの形態であってもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
式(I)の好ましい化合物は
R1〜R4、R6及びR7が先に定義されたとおりであり、かつ
Lが必要により置換されていてもよいC2-C10-アルキル、C2-C10-アルケニル、C6-C14-アリール、-C2-C4-アルキル-C6-C14-アリール、-C6-C14-アリール-C1-C4-アルキル、必要によりブリッジされていてもよいC3-C12-シクロアルキル及びヘテロアリール(これは1個又は2個の窒素原子を含む)の中から選ばれたリンカーを表し、
nが1を表し、
mが1又は2を表し、
R5が必要により置換されていてもよいモルホリニル、ピペリジニル、R8-ピペラジニル、ピロリジニル、トロペニル、R8-ジケトメチルピペラジニル、スルホキソモルホリニル、スルホニルモルホリニル、チオモルホリニル、-NR8R9及びアザシクロヘプチルの中から選ばれた、窒素原子を介してLに結合されている基を表し、
R8、R9がR5にある未置換窒素置換基(これらは同じであってもよく、また異なっていてもよい)、水素又はC1-C6-アルキル、-C1-C4-アルキル-C3-C10-シクロアルキル、C3-C10-シクロアルキル、C6-C14-アリール、-C1-C4-アルキル-C6-C14-アリール、ピラニル、ピリジニル、ピリミジニル、C1-C4-アルキルオキシカルボニル、C6-C14-アリールカルボニル、C1-C4-アルキルカルボニル、C6-C14-アリールメチルオキシカルボニル、C6-C14-アリールスルホニル、C1-C4-アルキルスルホニル及びC6-C14-アリール-C1-C4-アルキルスルホニルの中から選ばれた基を表す、化合物である。
【0009】
R1〜R4、R6及びR7が先に定義されたとおりであり、
Lが必要により置換されていてもよいC2-C10-アルキル、C2-C10-アルケニル、C6-C14-アリール、-C2-C4-アルキル-C6-C14-アリール、-C6-C14-アリール-C1-C4-アルキル、必要によりブリッジされていてもよいC3-C12-シクロアルキル及びヘテロアリール(これは1個又は2個の窒素原子を含む)の中から選ばれたリンカーを表し、
nが0又は1を表し、
mが1又は2を表し、
R5がR8-ピペリジニル、R8R9-ピペラジニル、R8-ピロリジニル、R8-ピペラジニルカルボニル、R8-トロペニル、R8-モルホリニル及びR8-アザシクロヘプチルの中から選ばれた、炭素原子を介してLに結合されている基を表し、かつ
R8、R9がR5にある未置換窒素置換基(これらは同じであってもよく、また異なっていてもよい)、水素又はC1-C6-アルキル、-C1-C4-アルキル-C3-C10-シクロアルキル、C3-C10-シクロアルキル、C6-C14-アリール、-C1-C4-アルキル-C6-C14-アリール、ピラニル、ピリジニル、ピリミジニル、C1-C4-アルキルオキシカルボニル、C6-C14-アリールカルボニル、C1-C4-アルキルカルボニル、C6-C14-アリールメチルオキシカルボニル、C6-C14-アリールスルホニル、C1-C4-アルキルスルホニル及びC6-C14-アリール-C1-C4-アルキルスルホニルの中から選ばれた基を表す、式(I)の化合物(必要によりその互変異性体、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー及びこれらの混合物の形態、また必要によりこれらの薬理学上許される酸付加塩であってもよい)がまた好ましい。
L、m、n及びR3〜R9が先に定義されたとおりであり、かつ
R1、R2(これらは同じであってもよく、また異なっていてもよい)が水素、Me、Et、Prの中から選ばれた基を表し、又は
R1及びR2が一緒になってC2-C4-アルキルブリッジを形成する、式Iの化合物(必要によりその互変異性体、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー及びこれらの混合物の形態、また必要によりこれらの薬理学上許される酸付加塩であってもよい)が特に好ましい。
R1、R2、m、n及びR5〜R8が先に定義されたとおりであり、かつ
R3が必要により置換されていてもよいC1-C10-アルキル、C3-C7-シクロアルキル、C3-C6-ヘテロシクロアルキル及びC6-C14-アリールの中から選ばれた基を表し、又は
R1とR3又はR2とR3が一緒になって飽和又は不飽和C3-C4-アルキルブリッジ(これは1〜2個のヘテロ原子を含んでもよい)を表し、
R4が水素、OMe、OH、Me、Et、Pr、OEt、NHMe、NH2、F、Cl、Br、O-プロパルギル、O-ブチニル、CN、SMe、NMe2、CONH2、エチニル、プロピニル、ブチニル及びアリルの中から選ばれた基を表し、かつ
Lが必要により置換されていてもよいフェニル、フェニルメチル、シクロヘキシル及び分岐C1-C6-アルキルの中から選ばれたリンカーを表す、式Iの化合物(必要によりその互変異性体、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー及びこれらの混合物の形態、また必要によりこれらの薬理学上許される酸付加塩であってもよい)が特に好ましい。
更なる実施態様において、本発明の化合物が下記の表
【0010】
【化3】

【0011】
【化4】

【0012】
【化5】

【0013】
(表中に使用される略号X1、X2、X3、X4及びX5は夫々の場合に相当する基R1、R2、R3、R4及びL-R5に代えて表中に示される一般式中の位置への結合を表す)
に示された式(I)の化合物からなる群から選ばれる。
こうして、本発明は癌細胞の細胞増殖、移動もしくはアポトーシス、又は血管形成、好ましくは癌細胞の細胞増殖又はアポトーシスを伴う疾患の治療における同時、別々又は逐次の使用のための組み合わされた製剤の形態の、有効量の
(i) 式(I)の化合物又は必要によりその多形、代謝産物、水和物、好ましくは一水和物、溶媒和物、個々の光学異性体、個々の鏡像体の混合物又はラセミ体、又はその医薬上許される塩、及び
(ii) 少なくとも一種の更なる化学治療薬又は天然産、半合成もしくは合成の治療薬を含み、
必要により一種以上の医薬上許される賦形剤と組み合わされてもよく、必要により放射線療法又は放射線免疫療法との同時治療に適していてもよい医薬組成物に関する。
好ましい実施態様において、本発明は更なる化学治療薬又は天然産、半合成もしくは合成の治療薬がチューブリンと相互作用し、又はそれを結合する化合物、合成小分子VEGF受容体アンタゴニスト、小分子成長因子受容体アンタゴニスト、EGF受容体及び/又はVEGF受容体及び/又はインテグリン受容体又はあらゆるその他のタンパク質チロシンキナーゼ受容体のインヒビター(これらは合成小分子のもとに分類されない)、EGF受容体及び/又はVEGF受容体及び/又はインテグリン受容体又はあらゆるその他のタンパク質チロシンキナーゼ受容体に誘導されるインヒビター(これらは融合タンパク質である)、核酸と相互作用し、アルキル化剤又は白金化合物として分類される化合物、核酸と相互作用し、アントラサイクリン、DNAインターカレーター又はDNA架橋剤(DNA小溝結合化合物を含む)として分類される化合物、坑代謝産物、天然産、半合成又は合成ブレオマイシン型抗生物質、DNA転写酵素のインヒビター、及び特にトポイソメラーゼI又はトポイソメラーゼIIインヒビター、クロマチン修飾剤、有糸分裂インヒビター、坑有糸分裂剤、細胞サイクルインヒビター、プロテアソームインヒビター、酵素、ホルモン、ホルモンアンタゴニスト、ホルモンインヒビター、ステロイド生合成のインヒビター、ステロイド、サイトカイン、低酸素症選択的サイトトキシン、サイトカインのインヒビター、リンホカイン、サイトカインに対し誘導される抗体、経口及び非経口のトレランス誘導剤、支持薬剤、化学放射線感作剤及び保護剤、光化学的活性化薬物、合成ポリヌクレオチド又はオリゴヌクレオチド、必要により修飾されてもよく、又はコンジュゲートされてもよい、非ステロイド抗炎症薬、細胞傷害抗生物質、癌細胞の表面分子を標的とする抗体、成長因子又はそれらの受容体を標的とする抗体、メタロプロテイナーゼのインヒビター、金属、オンコジーンのインヒビター、遺伝子転写もしくはRNA翻訳又はタンパク質発現のインヒビター、希土類元素の錯体、及び光化学治療薬からなる群から選ばれる、医薬組成物に関する。
【0014】
好ましい化合物として、小分子チロシンキナーゼ又はセリン/スレオニンキナーゼインヒビター、アルキル化剤又はアントラサイクリンとして分類される核酸と相互作用する化合物、坑代謝産物、DNA転写酵素、例えば、トポイソメラーゼI又はIIのインヒビター、チューブリン結合薬、坑有糸分裂剤、成長因子又はそれらの受容体を標的とする抗体及び癌細胞の表面分子又はこれらの表面分子のリガンドに結合する抗体が挙げられ、これらは水和物及び/又は溶媒和物の形態、また必要により個々の光学異性体、個々の鏡像体の混合物又はこれらのラセミ体の形態であってもよい。
別の好ましい実施態様において、本発明は更なる化学治療薬又は天然産、半合成もしくは合成の治療薬が小分子VEGF受容体アンタゴニスト、例えば、バタラニブ(PTK-787/ZK222584)、SU-5416、SU-6668、SU-11248、SU-14813、AZD-6474、AZD-2171、CP-547632、CEP-7055、AG-013736、IM-842又はGW-786034、二重EGFR/HER2アンタゴニスト、例えば、ゲフィチニブ、エルロチニブ、CI-1033又はGW-2016、EGFRアンタゴニスト、例えば、イレッサ(ZD-1839)、タルセバ(OSI-774)、PKI-166、EKB-569、HKI-272又はヘルセプチン、マイトジェン活性化タンパク質キナーゼのアンタゴニスト、例えば、BAY-43-9006又はBAY-57-9006、キナゾリン誘導体、例えば、4-〔(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ〕-6-{〔4-(N,N-ジメチルアミノ)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル〕アミノ}-7-((S)-テトラヒドロフラン-3-イルオキシ)-キナゾリン又は4-〔(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ〕-6-{〔4-(ホモモルホリン-4-イル)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル〕アミノ}-7-〔(S)-(テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ〕-キナゾリン、又はこれらの医薬上許される塩、合成小分子のもとに分類されないタンパク質キナーゼ受容体アンタゴニスト、例えば、アトラセンタン、リツキシマブ、セツキシマブ、アバスチンTM(ベバシズマブ)、IMC-1C11、エルビツクス(C-225)、DC-101、EMD-72000、ビタキシン、イマチニブ、タンパク質チロシンキナーゼインヒビター(これは融合タンパク質である)、例えば、VEGFトラップ、アルキル化剤又は白金化合物、例えば、メルファラン、シクロホスファミド、オキサザホスホリン、
【0015】
シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、サトラプラチン、テトラプラチン、イプロプラチン、マイトマイシン、ストレプトゾシン、カルムスチン(BCNU)、ロムスチン(CCNU)、ブスルファン、イフォスファミド、ストレプトゾシン、チオテパ、クロラムブシル、ナイトロジェンマスタード、例えば、メクロレタミン、エチレンイミン化合物、アルキルスルホネート、ダウノルビシン、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、リポソームのドキソルビシン(ドキシル)、エピルビシン、イダルビシン、ミトキサントロン、アムサクリン、ダクチノマイシン、ジスタマイシン又はこれらの誘導体、ネトロプシン、ピメンジモール、マイトマイシン、CC-1065、デュオカルマイシン、ミトラマイシン、クロモマイシン、オリボマイシン、フタラニリド、例えば、プロパミジン又はスチルバミジン、アントラマイシン、アジリジン、ニトロソ尿素又はその誘導体、ピリミジン又はプリン類似体又はヌクレオシドジホスフェートレダクターゼのアンタゴニストもしくはインヒビター、例えば、シタラビン、5-フルオロウラシル(5-FU)、ペメトレキセド、テガフル/ウラシル、ウラシルマスタード、フルダラビン、ゲムシタビン、カペシタビン、メルカプトプリン、クラドリビン、チオグアニン、メトトレキセート、ペントスタチン、ヒドロキシ尿素、又は葉酸、フレオマイシン、ブレオマイシン又はその誘導体もしくは塩、CHPP、BZPP、MTPP、BAPP、リブロマイシン、アクリジン又はその誘導体、リファマイシン、アクチノマイシン、アドラマイシン、カンプトテシン、例えば、イリノテカン(カンプトサー)又はトポテカン、アムサクリン又はその類似体、三環式カルボキサミド、ヒストンデアセチラーゼインヒビター、例えば、SAHA、MD-275、トリコスタチンA、CBHA、LAQ824、又はバルプロ酸、植物からの坑癌薬、例えば、パクリタキセル(タキソール)、ドセタキセル又はタキソテール、ビンカアルカロイド、例えば、ナベルビン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン又はビノレルビン、トロポロンアルカロイド、例えば、コルヒシン又はその誘導体、
【0016】
マクロリド、例えば、マイタンシン、アンサミトシン又はリゾキシン、坑有糸分裂ペプチド、例えば、フォモプシン又はドラスタチン、エピポドフィロトキシン又はポドフィロトキシンの誘導体、例えば、エトポシド又はテニポシド、ステガナシン、坑有糸分裂カルバメート誘導体、例えば、コムブレタスタチン又はアンフェチニル、プロカルバジン、プロテアソームインヒビター、例えば、ボルテゾミブ、酵素、例えば、アスパラギナーゼ、ペギル化アスパラギナーゼ(ペガスパルガーゼ)又はチミジン-ホスホリラーゼインヒビター、ゲスタゲン又はエストロゲン、例えば、エストラムスチン(T-66)又はメゲストロール、アンチアンドロゲン、例えば、フルタミド、カソデクス、アナンドロン又はシプロテロンアセテート、アロマターゼインヒビター、例えば、アミノグルテチミド、アナストロゾール、ホルメスタン又はレトロゾール、GNrH類似体、例えば、リュープロレリン、ブセレリン、ゴセレリン又はトリプトレリン、アンチエストロゲン、例えば、タモキシフェン又はそのクエン酸塩、ドロロキシフェン、トリオキシフェン、ラロキシフェン又はジンドキシフェン、17β-エストラジオールの誘導体、例えば、ICI 164,384又はICI 182,780、アミノグルテチミド、ホルメスタン、ファドロゾール、フィナステリド、ケトコナゾール、LH-RHアンタゴニスト、例えば、リュープロリド、ステロイド、例えば、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、デキサメタゾン、ブデノシド、フルオコルトロン又はトリアムシノロン、インターフェロン、例えば、インターフェロンβ、
【0017】
インターロイキン、例えば、IL-10又はIL-12、坑TNFα抗体、例えば、エタネルセプト、免疫調節薬、例えば、サリドマイド、そのR-鏡像体及びS-鏡像体並びにその誘導体、又はレビミド(CC-5013)、ロイコトリエンアンタゴニスト、マイトマイシンC、アジリドキノン、例えば、BMY-42355、AZQ又はEO-9、2-ニトロイミダゾール、例えば、ミソニダゾール、NLP-1又はNLA-1、ニトロアクリジン、ニトロキノリン、ニトロピラゾロアクリジン、“二重機能”ニトロ芳香族化合物、例えば、RSU-1069又はRB-6145、CB-1954、ナイトロジェンマスタードのN-オキサイド、例えば、ニトロミン、ナイトロジェンマスタードの金属錯体、坑CD3抗体又は坑CD25抗体、トレランス誘導剤、ビホスホネート又はその誘導体、例えば、ミノドロン酸又はその誘導体(YM-529、Ono-5920、YH-529)、ゾレドロン酸一水和物、イバンドロネートナトリウム水和物又はクロドロネート二ナトリウム、ニトロイミダゾール、例えば、メトロニダゾール、ミソニダゾール、ベンズニダゾール又はニモラゾール、ニトロアリール化合物、例えば、RSU-1069、ニトロキシル又はN-オキサイド、例えば、SR-4233、ハロゲン化ピリミジン類似体、例えば、ブロモデオキシウリジン、ヨードデオキシウリジン、チオホスフェート、例えば、WR-2721、光化学活性化薬物、例えば、ポルフィマー、フォトフリン、ベンゾポルフィリン誘導体、フェオホルビド誘導体、メロシアニン540(MC-540)又はスズエチオポルプリン、アンチテンプレート又はアンチセンスRNA又はDNA、例えば、オブリメルセン、非ステロイド炎症薬、例えば、アセチルサリチル酸、メサラジン、イブプロフェン、ナプロキセン、フルビプロフェン、フェノプロフェン、フェンブフェン、ケトプロフェン、インドプロフェン、ピルプロフェン、カルプロフェン、オキサプロジン、プラノプロフェン、ミロプロフェン、チオキサプロフェン、スプロフェン、アルミノプロフェン、チアプロフェン酸、フルプロフェン、インドメタシン、スリンダック、トルメチン、ゾメピラック、ナブメトン、ジクロフェナック、フェンクロフェナック、アルクロフェナック、ブロムフェナック、イブフェナック、アセクロフェナック、アセメタシン、フェンチアザック、クリダナック、エトドラック、オキシピナック、メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸、ニフルミン酸、トルフェナム酸、ジフルニサール、フルフェニサール、ピロキシカム、テノキシカム、ロルノキシカム、ニメスリド、メロキシカム、セレコキシブ、ロフェコキシブ、又は非ステロイド炎症薬の医薬上許される塩、細胞傷害抗生物質、癌細胞の表面分子を標的とする抗体、例えば、アポリズマブ又は1D09C3、メタロプロテイナーゼのインヒビター、例えば、TIMP-1又はTIMP-2、
【0018】
亜鉛、オンコジーンのインヒビター、例えば、P53及びRb、希土類元素の錯体、例えば、ランタニドの複素環錯体、光化学治療薬、例えば、PUVA、転写因子複合体ESX/DRIP130/Sur-2のインヒビター、HER-2発現のインヒビター、例えば、熱ショックタンパク質HSP90モジュレーターゲルダナマイシン及びその誘導体17-アリルアミノゲルダナマイシン又は17-AAG、又はIM-842、テトラチオモリブデート、スクアラミン、コンブレスタチンA4、TNP-470、マリマスタット、ネオバスタット、ビカルタミド、アバレリクス、オレゴボマブ、ミツモマブ、TLK-286、アレムツズマブ、イブリツモマブ、テモゾロミド、デニロイキンジフチトクス、アルデスロイキン、デカルバジン、フロクスウリジン、プリカマイシン、ミトタン、ピポブロマン、プリカマイシン、タムロキシフェン及びテストラクトンから選ばれた治療薬からなる群から選ばれる、医薬組み合わせに関する。好ましい化合物として、小分子VEGF受容体アンタゴニスト、例えば、バタラニブ(PTK-787/ZK222584)、SU-5416、SU-6668、SU-11248、SU-14813、AZD-6474、EGFR/HER2アンタゴニスト、例えば、CI-1033又はGW-2016、EGFRアンタゴニスト、例えば、イレッサ(ゲフェチニブ、ZD-1839)、タルセバ(エルロチニブ、OSI-774)、PKI-166、EKB-569、HKI-272又はヘルセプチン、マイトジェン活性化タンパク質キナーゼのアンタゴニスト、例えば、BAY-43-9006又はBAY-57-9006、アトラセンタン、リツキシマブ、セツキシマブ、アバスチンTM(ベバシズマブ)、IMC-1C11、エルビツクス(C-225)、DC-101、EMD-72000、ビタキシン、イマチニブ、アルキル化剤又は白金化合物、例えば、メルファラン、シクロホスファミド、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、サトラプラチン、ダウノルビシン、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、リポソームのドキソルビシン(ドキシル)、エピルビシン、イダルビシン、ピリミジン又はプリン類似体或いはヌクレオシドジホスフェートレダクターゼのアンタゴニスト又はインヒビター、例えば、シタラビン、5-フルオロウラシル(5-FU)、ペメトレキセド、テガフル/ウラシル、ゲムシタビン、カペシタビン、メルカプトプリン、メトトレキセート、坑癌薬、例えば、パクリタキセル(タキソール)又はドセタキセル、ビンカアルカロイド、例えば、ナベルビン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン又はビノレルビン、坑有糸分裂ペプチド、例えば、ドラスタチン、エピポドフィロトキシン又はポドフィロトキシンの誘導体、例えば、エトポシド又はテニポシド、非ステロイド炎症薬、例えば、メロキシカム、セレコキシブ、ロフェコキシブ、癌細胞の表面分子を標的とする抗体、例えば、アポリズマブ又は1D09C3或いは熱ショックタンパク質HSP90モジュレーターゲルダナマイシン及びその誘導体17-アリルアミノゲルダナマイシン又は17-AAGが挙げられる。
【0019】
別の好ましい実施態様において、本発明は更なる化学治療薬又は天然産、半合成もしくは合成の治療薬が植物からの坑癌薬、例えば、パクリタキセル(タキソール)、ドセタキセル、ビンカアルカロイド、例えば、ナベルビン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン又はビノレルビン、アルキル化剤又は白金化合物、例えば、メルファラン、シクロホスファミド、オキサザホスホリン、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、サトラプラチン、テトラプラチン、イプロプラチン、マイトマイシン、ストレプトゾシン、カルムスチン(BCNU)、ロムスチン(CCNU)、ブスルファン、イフォスファミド、ストレプトゾシン、チオテパ、クロラムブシル、ナイトロジェンマスタード、例えば、メクロレタミン、免疫調節薬、例えば、サリドマイド、そのR-鏡像体及びS-鏡像体並びにその誘導体、又はレビミド(CC-5013)、エチレンイミン化合物、アルキルスルホネート、ダウノルビシン、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、リポソームのドキソルビシン(ドキシル)、エピルビシン、イダルビシン、ミトキサントロン、アムサクリン、ダクチノマイシン、ジスタマイシン又はこれらの誘導体、ネトロプシン、ピメンジモール、マイトマイシン、CC-1065、デュオカルマイシン、ミトラマイシン、クロモマイシン、オリボマイシン、フタラニリド、例えば、プロパミジン又はスチルバミジン、アントラマイシン、アジリジン、ニトロソ尿素又はその誘導体、ピリミジン又はプリン類似体又はヌクレオシドジホスフェートレダクターゼのアンタゴニストもしくはインヒビター、例えば、シタラビン、5-フルオロウラシル(5-FU)、ウラシルマスタード、フルダラビン、ゲムシタビン、カペシタビン、メルカプトプリン、クラドリビン、チオグアニン、メトトレキセート、ペントスタチン、ヒドロキシ尿素、又は葉酸、アクリジン又はその誘導体、リファマイシン、アクチノマイシン、アドラマイシン、カンプトテシン、例えば、イリノテカン(カンプトサー)又はトポテカン、アムサクリン又はその類似体、三環式カルボキサミド、ヒストンデアセチラーゼインヒビター、例えば、SAHA、MD-275、トリコスタチンA、CBHA、LAQ824、又はバルプロ酸、プロテアソームインヒビター、例えば、ボルテゾミブ、小分子VEGF受容体アンタゴニスト、例えば、バタラニブ(PTK-787/ZK222584)、SU-5416、SU-6668、SU-11248、SU-14813、AZD-6474、AZD-2171、CP-547632、CEP-7055、AG-013736、IM-842又はGW-786034、マイトジェン活性化タンパク質キナーゼのアンタゴニスト、例えば、BAY-43-9006又はBAY-57-9006、二重EGFR/HER2アンタゴニスト、例えば、ゲフィチニブ、エルロチニブ、CI-1033又はGW-2016、EGFRアンタゴニスト、例えば、イレッサ(ZD-1839)、タルセバ(OSI-774)、PKI-166、EKB-569、HKI-272又はヘルセプチン、キナゾリン誘導体、例えば、4-〔(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ〕-6-{〔4-(N,N-ジメチルアミノ)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル〕アミノ}-7-((S)-テトラヒドロフラン-3-イルオキシ)-キナゾリン又は4-〔(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ〕-6-{〔4-(ホモモルホリン-4-イル)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル〕アミノ}-7-〔(S)-(テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ〕-キナゾリン、又はこれらの医薬上許される塩、転写因子複合体ESX/DRIP130/Sur-2のインヒビター、HER-2発現のインヒビター、例えば、熱ショックタンパク質HSP90モジュレーターゲルダナマイシン及びその誘導体17-アリルアミノゲルダナマイシン又は17-AAG、合成小分子のもとに分類されないタンパク質キナーゼ受容体アンタゴニスト、例えば、アトラセンタン、リツキシマブ、セツキシマブ、アバスチンTM(ベバシズマブ)、IMC-1C11、エルビツクス(C-225)、DC-101、EMD-72000、ビタキシン、イマチニブ、及び癌細胞の表面分子を標的とする抗体、例えば、アポリズマブもしくは1D09C3からなる群から選ばれる、医薬組成物に関する。
【0020】
好ましい化合物として、小分子受容体アンタゴニスト、例えば、バタラニブ、SU 11248又はAZD-6474、EGFR又はHER2アンタゴニスト、例えば、ゲフィチニブ、エルロチニブ、CI-1033又はヘルセプチン、抗体、例えば、ベバシズマブ、セツキシマブ、リツキシマブ、DNAアルキル化剤、例えば、シスプラチン、オキサリプラチン又はカルボプラチン、アントラサイクリン、例えば、ドキソルビシン又はエピルビシン、坑代謝産物、例えば、5-FU、ペメトレキセド、ゲムシタビン又はカペシタビン、カンプトテシン、例えば、イリノテカン又はトポテカン、坑癌薬、例えば、パクリタキセル又はドセタキセル、エピポドフィロトキシン、例えば、エトポシド又はテニポシド、プロテアソームインヒビター、例えば、ボルテゾミブ又は坑炎症薬、例えば、セレコキシブ又はロフェコキシブが挙げられ、これらは必要により医薬上許される塩の形態、水和物及び/又は溶媒和物の形態、また必要により個々の光学異性体、個々の鏡像体の混合物又はこれらのラセミ体の形態であってもよい。
別の好ましい実施態様において、本発明は更なる化学治療薬又は天然産、半合成もしくは合成の治療薬がキナゾリン誘導体4-〔(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ〕-6-{〔4-(N,N-ジメチルアミノ)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル〕アミノ}-7-((S)-テトラヒドロフラン-3-イルオキシ)-キナゾリン又はその医薬上許される塩である、前記医薬組成物に関する。
【0021】
別の好ましい実施態様において、本発明は更なる化学治療薬又は天然産、半合成もしくは合成の治療薬が化合物4-〔(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ〕-6-{〔4-(N,N-ジメチルアミノ)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル〕アミノ}-7-((S)-テトラヒドロフラン-3-イルオキシ)-キナゾリン、又は4-〔(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ〕-6-{〔4-(ホモモルホリン-4-イル)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル〕アミノ}-7-〔(S)-(テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ〕-キナゾリンの二マレイン酸塩、或いはこれらの互変異性体、立体異性体又は医薬上許される塩である、前記医薬組成物に関する。
別の好ましい実施態様において、本発明は更なる化学治療薬又は天然産、半合成もしくは合成の治療薬が4-〔(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ〕-6-{〔4-(ホモモルホリン-4-イル)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル〕アミノ}-7-〔(S)-(テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ〕-キナゾリン、又はその医薬上許される塩である、前記医薬組成物に関する。
別の好ましい実施態様において、本発明は更なる化学治療薬又は天然産、半合成もしくは合成の治療薬が3-Z-〔1-(4-(N-((4-メチル-ピペラジン-1-イル)-メチルカルボニル)-N-メチル-アミノ)-アニリノ)-1-フェニル-メチレン〕-6-メトキシカルボニル-2-インドリノン、又はその多形、代謝産物もしくは医薬上許される塩である、前記医薬組成物に関する。
【0022】
別の好ましい実施態様において、本発明は更なる化学治療薬又は天然産、半合成もしくは合成の治療薬が3-Z-〔1-(4-(N-((4-メチル-ピペラジン-1-イル)-メチルカルボニル)-N-メチル-アミノ)-アニリノ)-1-フェニル-メチレン〕-6-メトキシカルボニル-2-インドリノンのモノエタンスルホン酸塩である、前記医薬組成物に関する。
別の好ましい実施態様において、本発明は更なる化学治療薬又は天然産、半合成もしくは合成の治療薬が3-Z-〔1-(4-ジメチルアミノメチルアニリノ)-1-(4-(2-カルボキシエチル)フェニル)メチレン〕-6-フルオロ-2-インドリノン、又はその多形、代謝産物もしくは医薬上許される塩である、前記医薬組成物に関する。
別の好ましい実施態様において、本発明は更なる化学治療薬又は天然産、半合成もしくは合成の治療薬がイリノテカン、トポテカン、オキサリプラチン、ドセタキセル、パクリタキセル、ゲムシタビン、ペメトレキセド、シスプラチン、カルボプラチン、ベバシズマブ、セツキシマブ、ゲフィチニブ又はエルロチニブ、特に好ましくはイリノテカン、ドセタキセル、ゲムシタビン、トポテカン又はパクリタキセルである、医薬組成物に関する。
別の好ましい実施態様において、本発明は更なる天然産、半合成もしくは合成の治療薬が一種以上のABCトランスポーターにより媒介されるヒアルロナンの輸送を減少する化合物、又は薬物輸送インヒビター、例えば、P-糖タンパク質(P-gp)インヒビター分子又はインヒビターペプチド、MRP1インヒビター、ABCトランスポーターに対し誘導され、かつそれをブロックすることができる抗体、アンチセンスオリゴマー、iRNA、siRNA又は一種以上のABCトランスポーターに対し誘導されるアプタマーである、前記医薬組成物に関する。本発明のP-糖タンパク質(P-gp)インヒビター分子の例はゾスキダー(LY335973)、その塩(特にその三塩化物塩)及びその多形、シクロスポリンA(またシクロスポリンとして知られている)、ベラパミル又はそのR-異性体、タモキシフェン、キニジン、d-アルファトコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネート、VX-710、PSC833、フェノチアジン、GF120918(II)、SDZ PSC 833、TMBY、MS-073、S-9788、SDZ280-446、XR(9051)並びにこれらの機能性誘導体、類似体及び異性体である。
更に、化合物が酸性部分を有する場合、その好適な医薬上許される塩はアルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩又はカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩又はマグネシウム塩)及び好適な有機リガンドで生成される塩(例えば、四級アンモニウム塩)を含んでもよい。
【0023】
化合物2はキラル中心を有してもよく、またラセミ体、ラセミ混合物、また個々のジアステレオマー、又は鏡像体として生じてもよく、全ての異性体形態が本発明に含まれる。それ故、化合物がキラルである場合、その他を実質的に含まない、別々の鏡像体が本発明の範囲内に含まれる。更に、2種の鏡像体の全ての混合物が含まれる。また、本発明の化合物の多形及び水和物が本発明の範囲内に含まれる。
本発明はその範囲内に式(I)の化合物及び更なる活性成分のプロドラッグを含む。一般に、このようなプロドラッグは必要とされる化合物に生体内で容易に変換し得る本発明の化合物又は活性成分の機能性誘導体であろう。
更なる実施態様において、本発明はSaos-2、H4、MDA-MB-435S、MDA-MB453、MCF7、ヒーラS3、HCT116、Colo 205、HT29、FaDu、HL-60、K-562、THP-1、HepG2、A549、NCI-H460、GRANTA-519、Raji、Ramos、BRO、SKOV-3、BxPC-3、Mia CaPa-2、DU145、PC-3、NCI-N87、MES-SA、SK-UT-1B及びA431を含むが、これらに限定されない種々のヒト腫瘍細胞系の増殖を抑制する、前記組成物に関する。
本発明の別の実施態様は癌疾患、例えば、悪性ヒト腫瘍の治療のための薬物の調製のための前記医薬組成物の使用に関する。
好ましい実施態様において、本発明は癌疾患が充実性腫瘍からなる群から選ばれる、前記医薬組成物の使用に関する。
【0024】
更に好ましい実施態様において、本発明は癌疾患が尿生殖器の癌(例えば、前立腺癌、腎細胞癌、膀胱癌)、婦人科の癌(例えば、卵巣癌、子宮頸部癌、子宮内膜癌)、肺癌、胃腸の癌(例えば、結腸直腸癌、膵臓癌、胃癌、食道癌、肝細胞癌、胆管細胞癌)、頭部及び首の癌、悪性中皮腫、乳癌、悪性メラノーマ又は骨及び軟組織の肉腫からなる群から選ばれる、前記医薬組成物の使用に関する。
更に好ましい実施態様において、本発明は癌疾患が難治性又は再発多発性ミエローマ、急性又は慢性骨髄性白血病、脊髄形成異常症候群、急性リンパ芽球性白血病、ホジキンリンパ腫及び非ホジキンリンパ腫からなる群から選ばれる、前記医薬組成物の使用に関する。
更に好ましい実施態様において、疾患がホルモン感受性又はホルモン難治性の前立腺癌、卵巣癌、又は小細胞肺癌である。
更に好ましい実施態様において、本発明は癌疾患が不適当な細胞増殖、移動、アポトーシス又は血管形成、好ましくは不適当な細胞増殖を特徴とする、前記組成物の使用に関する。不適当な細胞増殖は不適当な細胞成長、過度の細胞分裂、加速された速度の細胞分裂及び/又は不適当な細胞生存から得られる細胞増殖を意味する。
更に好ましい実施態様において、本発明は疾患が癌腫、肉腫、メラノーマ、ミエローマ、血液学的腫瘍、リンパ腫及び小児癌からなる群から選ばれた癌である、本発明の使用に関する。
本発明の範囲内の癌腫の例として、腺癌(AC)、扁平上皮癌(SCC)及び混合又は未分化癌腫が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の範囲内の癌腫として下記の組織が挙げられるが、これらに限定されない。
【0025】
・頭部及び首の腫瘍:SCC、AC、移行上皮癌、粘液性類表皮癌、未分化癌腫;
・中枢神経系腫瘍:星状細胞腫、グリア芽細胞腫、髄膜腫、神経鞘腫、シュワン鞘腫、上衣腫、下垂体腫、乏枝膠腫、髄芽腫;
・気管支及び縦隔の腫瘍;
○気管支腫瘍:
■小細胞肺癌(SCLC):燕麦細胞肺癌、中間細胞癌、複合燕麦細胞肺癌;
■非小細胞肺癌(NSCLC):SCC、紡錐体細胞癌、AC、気管支胞状癌腫、大細胞NSCLC、明細胞NSCLC;
○中皮腫;
○胸腺腫;
○甲状腺癌:乳頭状、のう胞状、未分化、延髄;
・胃腸道の腫瘍:
○食道癌:SCC、AC、未分化、類癌腫、肉腫;
○胃癌:AC、腺扁平、未分化;
○結腸直腸癌:AC(ACの遺伝性形態を含む)、類癌腫、肉腫;
○肛門癌:SCC、移行上皮癌、AC、基底細胞癌;
○膵臓癌:AC(腺管癌及び腺房癌を含む)、内分泌膵臓の乳頭状、腺扁平、未分化の腫瘍;
○肝細胞癌、胆管癌、血管肉腫、肝芽細胞腫;
○胆管癌;AC、SCC、小細胞、未分化;
○胃腸ストロマ腫瘍(GIST);
・婦人科の癌:
○乳癌:AC(侵食性の腺管、小葉及び延髄の癌を含む)、管状、粘液性の癌、パジェット癌、炎症性癌腫、in situの線管及び小葉の癌腫;
○卵巣癌:上皮腫瘍、ストロマ腫瘍、生殖細胞腫瘍、未分化腫瘍;
○子宮頚癌:SCC、AC、混合腫瘍及び未分化腫瘍;
○子宮内膜癌:AC、SCC、混合、未分化腫瘍;
○外陰部癌:SCC、AC;
○膣癌:SCC、AC;
・尿道及び睾丸の癌:
○睾丸癌:精上皮腫;
○非精上皮生殖細胞腫瘍:奇形腫、胎児細胞癌、絨毛癌、卵黄のう腫瘍、混合、セルトーリ細胞及びライディヒ細胞腫瘍;
○生殖腺外生殖細胞腫瘍;
○前立腺癌:AC、小細胞、SCC;
○腎臓細胞癌:AC(明細胞を含む)、乳頭状及び嫌色素性の癌腫、遺伝形態(例えば、フォン・ヒッペル・リンダウ症候群)、腎芽細胞腫;
○膀胱癌:移行細胞(尿路上皮性)癌、SCC、AC;
○尿道癌:SCC、移行細胞癌、AC;
○陰茎癌:SCC;
・内分泌組織の腫瘍:
○甲状腺癌:乳頭状、のう胞状、未分化、延髄の癌腫(MEN症候群を含む);
○内分泌膵臓の腫瘍;
○カルチノイド;
○副腎腫瘍、例えば、褐色細胞腫。
【0026】
本発明の範囲内の肉腫の例として、ユーイング肉腫、骨肉腫又は骨原性肉腫、軟骨肉腫、滑液膜肉腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、中皮肉腫又は中皮腫、繊維肉腫、血管肉腫又は血管内皮腫、脂肪肉腫、グリオーマ又は星状細胞腫、粘液肉腫、悪性繊維性組織球腫、間葉又は混合中胚葉の腫瘍、神経芽細胞腫及び明細胞肉腫が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の範囲内の皮膚腫瘍の例として、基底細胞癌、メルケル細胞癌腫、皮脂癌腫、線維黄色腫、悪性繊維組織細胞腫、及び皮膚肉腫が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の範囲内のメラノーマの例として、表在性メラノーマ、結節性メラノーマ及びほくろ-悪性メラノーマが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の範囲内のミエローマの例として、免疫細胞腫、形質細胞腫及び多発性ミエローマが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の範囲内の小児癌の例として、ビルムス腫瘍、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、黄紋筋肉腫、ユーイング肉腫及び末梢原神経外胚葉腫瘍、生殖細胞腫瘍及び小児リンパ腫並びに白血病が挙げられるが、これらに限定されない。
別の好ましい実施態様において、本発明は血液癌が白血病である、前記組成物の使用に関する。
本発明の範囲内の血液腫瘍の更なる例として、骨髄、赤血球又はリンパ起源の急性又は慢性白血病、骨髄形成異常症候群(MDS)及び骨髄増殖性症候群(MPS、例えば、慢性骨髄性白血病、骨髄繊維症、一次性赤血球増加又は本態性血小板血症)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0027】
本発明の範囲内のリンパ腫の例として、
・ホジキンリンパ腫;
・非ホジキンリンパ腫:T細胞リンパ腫及びB細胞リンパ腫
○B細胞リンパ腫:
■低等級及び中間等級:慢性リンパ性白血病(CLL)、前リンパ球性白血病(PLL)、小リンパ球性リンパ腫、ヘアリーセル白血病、プラスマ細胞リンパ腫、外とう細胞リンパ腫、ろ胞性リンパ腫、周辺帯リンパ腫(MALT-リンパ腫を含む);
■高等級:拡散大B細胞リンパ腫(免疫芽球性別型及び中心芽球性(centroblastic)別型を含むDLBCL)、リンパ芽球性の、バーキットリンパ腫;
○T細胞リンパ腫:
■低等級:T-CLL、T-PLL、菌状息肉腫、セザリー症候群;
■高等級:未分化大細胞、T免疫芽球性及びリンパ芽球性
が挙げられるが、これらに限定されない。
【0028】
別の好ましい実施態様において、本発明は疾患が混合腫瘍、未分化腫瘍及びこれらの転移からなる群から選ばれた癌である、本発明の使用に関する。
本発明の範囲内の混合腫瘍の例として、腺扁平上皮癌、混合中胚葉腫瘍、癌肉腫及び奇形癌腫が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の範囲内の未分化の、その他の腫瘍又はこれらの転移の例として、未分化腫瘍、未知の初期の癌腫(CUP)、未知の初期の転移(MUP)及びクロム親和性細胞腫、カルチノイドが挙げられるが、これらに限定されない。
更なる実施態様において、本発明はアミロイドーシス、全身性エリテマトーデス、慢性関節リウマチ、クローン病、多発性硬化症、全身性硬化症(硬皮症)、混合結合組織病、シェーグレン症候群、強直性脊椎炎、自己免疫脈管炎、ベーチェット症候群、乾癬、自己免疫関節炎、サルコイドーシス及び真性糖尿病からなる群から選ばれた自己免疫障害の治療のための医薬組成物の調製のための、前記組成物の使用に関する。
更なる実施態様において、本発明は更なる非癌疾患、例えば、糖尿病性網膜症及び慢性関節リウマチの治療のための薬物の調製のための前記医薬組成物の使用に関する。
更なる実施態様において、本発明は本発明の組成物が経口、腸、経皮、静脈内、腹腔内又は注射、好ましくは静脈内に投与される、前記組成物の使用に関する。
【0029】
更なる実施態様において、本発明は治療有効量の本発明の式(I)の化合物、又はその多形、水和物、代謝産物もしくは医薬上許される塩、及び少なくとも更なる化学治療薬又は天然産、半合成もしくは合成の治療薬を含み、必要により放射線療法又は放射線免疫療法との同時治療に適し得る、ミエローマ細胞の細胞増殖、移動もしくはアポトーシス、又は血管形成を伴う疾患の治療のための医薬組み合わせ製剤キットであって、式(I)の化合物が第一区画内に含まれ、かつ更なる化学治療薬又は天然産、半合成もしくは合成の治療薬が第二区画内に含まれ、その結果、それらを要する患者への投与が同時、別々又は逐次であり得ることを特徴とする医薬組み合わせ製剤キットに関する。
好ましい実施態様において、本発明は本発明の式(I)の化合物の製剤が経口投与又は注射のためである、医薬組み合わせ製剤キットに関する。
更なる実施態様において、本発明はヒト又は非ヒト哺乳類生体中の、癌細胞の細胞増殖、移動もしくはアポトーシス、又は血管形成を伴う疾患を治療するための、必要により放射線療法又は放射線免疫療法との同時治療に適し得る、薬物の製造のための、医薬組み合わせ又は医薬組み合わせ製剤キットの使用に関する。
更なる実施態様において、本発明はヒト又は非ヒト哺乳類生体中の、癌細胞の細胞増殖、移動もしくはアポトーシス、又は血管形成を伴う疾患の治療における同時、別々又は逐次の使用のための、必要により放射線療法又は放射線免疫療法との同時治療に適し得る、医薬組み合わせ製剤の製造のための、少なくとも更なる化学治療薬又は天然産、半合成もしくは合成の治療薬と組み合わせての有効量の式(I)の化合物又はその多形、水和物、代謝産物もしくは医薬上許される塩の使用に関する。
更なる実施態様において、本発明は癌細胞の細胞増殖、移動もしくはアポトーシス、又は血管形成を伴う疾患の治療方法であって、その方法が
このような治療を要するヒトへの、必要により放射線療法又は放射線免疫療法との同時治療に適し得る組み合わされた製剤の形態の、有効量の
(i) 式(I)の化合物又はその多形、代謝産物、水和物、溶媒和物、個々の光学異性体、個々の鏡像体の混合物もしくはラセミ体、或いはこれらの医薬上許される塩、及び
(ii) 少なくとも更なる化学治療薬又は天然産、半合成もしくは合成の治療薬
の同時、別々又は逐次の共投与を含むことを特徴とする治療方法に関する。
更なる実施態様において、本発明は式(I)の化合物、又はその多形、代謝産物、水和物、溶媒和物、個々の光学異性体、個々の鏡像体の混合物もしくはこれらのラセミ体、或いはこれらの医薬上許される塩を、活性物質の血漿レベルが投薬間隔の少なくとも12時間にわたって10〜5000nMにあるように間欠的又は毎日の用量で投与することを特徴とする、上記使用に関する。
【0030】
“治療有効量”という用語は研究者又は臨床医により探求されている組織、系、動物又はヒトの生物学的応答又は医療応答を誘発する薬物又は医薬物質の量を意味すべきである。
本明細書に使用される“組成物”という用語は明記された量の明記された成分を含む製品だけでなく、明記された量の明記された成分の組み合わせから直接又は間接的に生じるあらゆる製品を含むことが意図されている。
既に前記されたように、本発明の意味内で、組み合わせ治療のための組成物の成分及びは別々に(これはそれらが別々に製剤化されることを示す)又は一緒に(これはそれらが一緒に製剤化されることを示す)投与されてもよい。それ故、本発明の組み合わせの一種の要素の投与はその組み合わせの別の要素の投与の前、同時、又はその後であってもよい。
本発明によれば、及びの組み合わせの要素は投与の経口(頬又は舌下を含む)、腸、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、経皮又は皮下の注射、或いは移植体)、鼻内、膣、直腸、又は局所(例えば、眼滴)経路により投与されてもよく、通常の無毒性の医薬上許される担体、アジュバント及び投与の夫々の経路に適したビヒクルを含む好適な投薬単位製剤中で、単独で、又は一緒に、製剤化されてもよい。
好ましい実施態様において、本発明の組み合わせの要素は経口、腸、経皮、静脈内、腹腔内又は注射、好ましくは静脈内に投与される。
本発明の成分及びの投与のための医薬組成物は都合よくは投薬単位形態で提供されてもよく、医薬の分野で公知の方法のいずれかにより調製されてもよい。全ての方法が一種以上のアクセサリー成分から構成される担体と活性成分を混在させる工程を含む。一般に、医薬組成物は活性成分を液体担体もしくは微細な固体担体又はその両方と一様かつ緊密に混在させ、次いで、必要により、その生成物を所望の投薬形態に成形することにより調製される。医薬組成物中で、活性成分が所望の薬理学的効果を生じるのに充分な量で含まれる。
【0031】
活性成分及びを、別々に、又は一緒に含む医薬組成物(これらは経口投与に適している)は不連続の単位、例えば、硬質もしくは軟質のカプセル、錠剤、トローチ又はロゼンジの形態(夫々が前もって決めた量の活性成分を含む)、又は分散可能な粉末もしくは顆粒の形態、或いは水性液体もしくは非水性液体中の溶液もしくは懸濁液の形態、又はシロップもしくはエリキシル剤の形態、或いは水中油エマルションもしくは油中水エマルションの形態であってもよい。
経口使用に意図される投薬形態は医薬製剤及びこのような組成物の製造のために当業界で知られているあらゆる方法に従って調製されてもよい。
使用される賦形剤は、例えば、(a)不活性希釈剤、例えば、マンニトール、ソルビトール、炭酸カルシウム、前糊化澱粉、ラクトース、リン酸カルシウム又はリン酸ナトリウム、(b)造粒剤及び崩壊剤、例えば、ポビドン、コポビドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、トウモロコシ澱粉、アルギン酸、クロスポビドン、ナトリウム澱粉グリコレート、クロスカルメロース、又はポラクリリンカリウム、(c)結合剤、例えば、微結晶性セルロース又はアカシア、及び(d)滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、フマル酸又はタルクであってもよい。
或る場合には、経口使用のための製剤は硬質ゼラチン又はHPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)カプセルの形態であってもよく、この場合、活性成分又はが、別々に、又は一緒に、不活性固体希釈剤、例えば、前糊化澱粉、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムもしくはカオリンと混合され、又はペレット製剤化により分配される。それらはまた軟質ゼラチンカプセルの形態であってもよく、この場合、活性成分が水又は油媒体、例えば、落花生油、液体パラフィン、中間鎖トリグリセリドもしくはオリーブ油と混合される。
【0032】
錠剤、カプセル又はペレットは被覆されなくてもよく、又はそれらは胃腸道中の崩壊及び吸収を遅延するのに知られている技術により被覆され、それにより一層長い期間にわたって遅延作用又は持続作用を与えてもよい。例えば、時間遅延材料、例えば、セルロースアセテートフタレートもしくはヒドロキシプロピルセルロースアセテートスクシネート又は徐放材料、例えば、エチルセルロースもしくはアンモニオメタクリレートコポリマー(型B)が使用されてもよい。
本発明の経口投与のための液体投薬形態として、当業界で普通に使用される不活性希釈剤、例えば、水を含む医薬上許されるエマルション、溶液、懸濁液、シロップ、及びエリキシル剤が挙げられる。このような不活性希釈剤の他に、組成物はまたアジュバント、例えば、湿潤剤、乳化剤及び懸濁剤、並びに甘味料、風味料、芳香剤及び防腐剤を含み得る。
本発明の水性懸濁液は通常水性懸濁液の製造に適した賦形剤と混合して、活性物質及びを、別々に、又は一緒に含む。このような賦形剤は(a)懸濁剤、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントガム及びアカシアガム、(b)分散剤又は湿潤剤(これらは(b.1)天然産ホスファチド、例えば、レシチン、(b.2)アルキレンオキサイドと脂肪酸の縮合生成物、例えば、ポリオキシエチレンステアレート)、(b.3)エチレンオキサイドと長鎖脂肪族アルコールの縮合生成物、例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール、(b.4)エチレンオキサイドと脂肪酸及びヘキシトールから誘導された部分エステルの縮合生成物、例えば、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート、又は(b.5)エチレンオキサイドと脂肪酸及びヘキシトール無水物から誘導された部分エステルの縮合生成物、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートであってもよい)であってもよい。
【0033】
水性懸濁液はまた一種以上の防腐剤、例えば、エチル又はn-プロピルp-ヒドロキシベンゾエート、一種以上の着色剤、一種以上の矯味矯臭薬、及び一種以上の甘味料、例えば、蔗糖又はサッカリンを含んでもよい。
本発明の油状懸濁液は活性成分及びを、別々に、又は一緒に、植物油、例えば、落花生油、オリーブ油、ゴマ油又はヤシ油、或いは鉱油、例えば、液体パラフィン中で懸濁させることにより製剤化されてもよい。油状懸濁液は増粘剤、例えば、蜜蝋、硬質パラフィン又はセチルアルコールを含んでもよい。甘味料及び矯味矯臭薬が添加されて嗜好性経口製剤を得てもよい。これらの組成物は酸化防止剤、例えば、アスコルビン酸の添加により調製されてもよい。
分散可能な粉末及び顆粒は本発明の水性懸濁液の調製に適した製剤である。これらの製剤では、活性成分及びが、別々に、又は一緒に、分散剤又は湿潤剤、懸濁剤及び一種以上の防腐剤と混合して存在する。分散剤又は湿潤剤、懸濁剤及び防腐剤の好適な例は既に前記されたものである。追加の賦形剤、例えば、甘味料、矯味矯臭薬及び着色剤がまた存在してもよい。賦形剤の好適な例は既に前記されたものである。
本発明の医薬組成物はまた水中油エマルションの形態であってもよい。油相は植物油、例えば、オリーブ油もしくは落花生油、又は鉱油、例えば、液体パラフィン或いはこれらの混合物であってもよい。
好適な乳化剤は(a)天然産ガム、例えば、アカシアガム及びトラガカントガム、(b)天然産ホスファチド、例えば、大豆及びレシチン、(c)脂肪酸とヘキシトール無水物から誘導されたエステル又は部分エステル、例えば、ソルビタンモノオレエート、(d)前記部分エステルとエチレンオキサイドの縮合生成物、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートであってもよい。エマルションはまた甘味料及び矯味矯臭薬を含んでもよい。
本発明のシロップ及びエリキシル剤は甘味料、例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール又は蔗糖で製剤化されてもよい。このような製剤はまた防腐剤及び矯味矯臭薬並びに着色剤を含んでもよい。
【0034】
及びを、別々に、又は一緒に含む医薬組成物は、無菌の注射可能な水性又は油性の懸濁液又は溶液の形態であってもよい。懸濁液は既知の方法に従って前記された好適な分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤を使用して製剤化されてもよい。好適な無菌の注射可能な製剤はまた無毒性の非経口上許される希釈剤又は溶媒中の無菌の注射可能な溶液又は懸濁液、例えば、1,3-ブタン-ジオール中の溶液であってもよい。使用し得る好適な許されるビヒクル及び溶媒の例は水、リンゲル溶液及び等張性塩化ナトリウム溶液である。加えて、無菌の固定油が都合よくは溶媒又は懸濁媒体として使用されてもよい。この目的のために、合成モノグリセリド又はジグリセリドを含む、あらゆるブランドの固定油が使用されてもよい。加えて、オレイン酸の如き脂肪酸が本発明の注射液の調製に用途がある。
及びを、別々に、又は一緒に含む本発明の非経口投与のための製剤として、無菌の水性又は非水性溶液、懸濁液、又はエマルションが挙げられる。
本発明の製剤のための好適な非水性溶媒又はビヒクルの例はプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油、例えば、オリーブ油及びトウモロコシ油、ゼラチン、並びに注射可能な有機エステル、例えば、オレイン酸エチルである。このような好適な投薬形態はまたアジュバント、例えば、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、及び分散剤を含んでもよい。それらは、例えば、細菌保持フィルターによる濾過、組成物への滅菌剤の混入、組成物の照射、又は組成物の加熱により滅菌されてもよい。それらはまた使用直前に無菌水、又は或る種のその他の無菌の注射可能な媒体中で再生し得る無菌の固体組成物の形態で製造されてもよい。
【0035】
本発明の組み合わせの要素及びはまた直腸投与のための座薬の形態で投与されてもよい。このような組成物は活性成分を好適な非刺激性賦形剤(これは常温で固体であるが、直腸温度で液体であり、それ故、直腸中で融解して活性成分を放出するであろう)と混合することにより調製し得る。このような材料はココアバター、硬質脂肪、及びポリエチレングリコールである。
本発明の頬、鼻内又は舌下投与のための組成物は当業界で公知の通常の賦形剤で調製されてもよい。
局所投与のために、本発明の組み合わせの要素及びは、別々に、又は一緒に液体製剤又は半液体製剤中で製剤化されてもよい。好適な製剤の例はリニメント、ローション、適用、水中油エマルション又は油中水エマルション、例えば、クリーム、軟膏、ゼリー又はペースト(歯用ペーストを含む)、溶液又は懸濁液、例えば、ドロップである。
本発明の組成物中の活性成分の用量は変化されてもよいが、活性成分及びの量は好適な投薬形態が得られるような量であるべきである。それ故、選ばれた用量及び選ばれた投薬形態は所望の治療効果、投与の経路及び治療の期間に依存すべきである。組み合わせに適した用量範囲は単一薬剤についての最高の許容用量から一層低い用量、例えば、最高の許容用量の1/10までである。
以下に、本発明が上記組み合わせパートナーの一種と組み合わせて化学構造(I)の化合物を含む医薬組成物の例、及び腫瘍細胞の増殖を抑制し、かつ/又はアポトーシスを誘発する組み合わせの効力を示すin vivo組み合わせ研究により説明される。これらの例において、化学構造(I)の化合物は4-〔〔(7R)-8-シクロペンチル-7-エチル-5,6,7,8-テトラヒドロ-5-メチル-6-オキソ-2-プテリジニル〕アミノ〕-3-メトキシ-N-(1-メチル-4-ピペリジニル)-ベンズアミドであり、これは本発明の式(I)の化合物(表1中の例示化合物Nr.46)である。
【実施例】
【0036】
表1の例示化合物Nr.46及びイリノテカンの組み合わせ
(HCT116結腸癌モデル組み合わせ研究)
研究の目的
表1の例示化合物Nr.46はセリン/スレオニンキナーゼPLK-1の強力かつ選択的インヒビターである。イリノテカン(トレード名カンプト(登録商標)として販売される)は結腸直腸癌の治療に通常の化学治療薬である。先の研究は表1の例示化合物Nr.46及びイリノテカンがヌードマウスでHCT116由来腫瘍に対して活性であることを示した。本研究の目標はヌードマウスで異種移植片として増殖されたヒト結腸癌モデルHCT116における、表1の例示化合物Nr.46、イリノテカン及び表1の例示化合物Nr.46とイリノテカンの組み合わせの最適以下の用量の坑癌効力を評価することであった。
【0037】
研究のデザイン
モデル:ヌードマウスで皮下の異種移植片として増殖されたヒト結腸癌モデルHCT116
治療グループ(グループ当り10匹の動物)
対照 ビヒクル、i.v.、6週にわたって週1回((q7d)x6)
表1の例示化合物Nr.46
30mg/kg、i.v.、10週にわたって週1回((q7d)x10)
イリノテカン 12.5mg/kg、i.p.、10週にわたって週1回((q7d)x10)
組み合わせ 30mg/kgの表1の例示化合物Nr.46、i.v.、10週にわたって週1回((q7d)x10)及び12.5mg/kgのイリノテカン、i.p.、10週にわたって週1回(表1の例示化合物Nr.46の約1時間後)((q7d)x10)
腫瘍容積及び動物体重を週当り3回記録した。治療結果の評価は個々の腫瘍の絶対容積に基づいた。
物質及び方法
マウスは雌のBomTac:NMRI-nu/nuであった。表1の例示化合物Nr.46を0.9%のNaClで希釈した塩酸(0.1N)に溶解し、尾部静脈に静脈内注射した。イリノテカン注入濃厚液を0.9%のNaClで希釈し、腹腔内注射した。投与容積は両方の化合物につき体重1kg当り10mlであった。HCT116腫瘍を培養HCT116細胞から立証した。キャリパーを使用して腫瘍容積を週3回測定した。マウスの体重を同日に許容性の指標として測定した。血漿サンプルを最後の治療日に採取した。
主たる結果(図1.1-1.3を参照のこと)
39日目(対照の終了)における結果
30mg/kgの表1の例示化合物Nr.46はi.v.でHCT116腫瘍増殖を有意に遅延する(T/C=20%、p<0.001)。
12.5mg/kgのイリノテカンはi.p.で腫瘍増殖を有意に遅延する(T/C=25%、p<0.001)。
30mg/kgの表1の例示化合物Nr.46と12.5mg/kgのイリノテカンの組み合わされた投与は腫瘍増殖を有意に遅延する(T/C=8%、p<0.001)。
30mg/kgの表1の例示化合物Nr.46、12.5mg/kgのイリノテカン及びそれらの組み合わせは良く許容された。対照マウスは10.3%の体重を獲得した。30mg/kgの表1の例示化合物Nr.46で治療されたマウスは8.6%の体重増加を示し、12.5mg/kgのイリノテカンで治療されたマウスは平均で5.9%の体重を獲得し、その組み合わせで治療されたマウスは5.5%の体重を獲得した。
121日目(研究の終了)における結果
表1の例示化合物Nr.46、イリノテカン又はこれらの組み合わせによる毎週の治療(64日目まで)は夫々腫瘍容積1000mm3に達する平均時間を33.7日、35.1日又は56.0日遅延する。
【0038】
結論
最適以下の用量の表1の例示化合物Nr.46又はイリノテカンによる治療は腫瘍増殖を有意に遅延し、良く許容される。
最適以下の用量の表1の例示化合物Nr.46とイリノテカンの組み合わせによる治療は許容性を低下しないで、有意な増殖遅延及び化合物のいずれか単独よりも高い効力を示す。
増殖遅延(腫瘍サイズで1000mm3までの時間)の比較は累積的/相乗的効果を示す。
表1の例示化合物Nr.46及びドセタキセルの組み合わせ
(NCI-H460肺モデル)
研究の目的
表1の例示化合物Nr.46はPLK-1セリン/スレオニンキナーゼの強力かつ選択的インヒビターである。ドセタキセル(トレード名タキソテール(登録商標)として販売される)は肺癌の治療に通常の化学治療薬である。先の研究は表1の例示化合物Nr.46がヒト肺癌細胞系NCI-H460に由来するヌードマウス異種移植片に対して活性であることを示した。本研究の目標は単独又は組み合わせて投与された場合にNCI-H460腫瘍増殖についての表1の例示化合物Nr.46及びドセタキセルの最適以下の用量の坑癌効果を評価することであった。
最適以下の用量の両方の化合物を累積的、相乗的又は拮抗効果の検出を促進するのに使用した。
【0039】
研究のデザイン
モデル:ヌードマウスで皮下の異種移植片として増殖されたヒト非小細胞肺癌モデルNCI-H460
治療グループ(静脈内投与、グループ当り10匹の動物)
対照 ビヒクル、4週にわたって週1回((q7d)x4)
表1の例示化合物Nr.46
50mg/kg、4週にわたって週1回((q7d)x4)
ドセタキセル 15mg/kg、4週にわたって週1回((q7d)x4)
組み合わせ 50mg/kgの表1の例示化合物Nr.46、4週にわたって週1回((q7d)x4)及び15mg/kgのドセタキセル、4週にわたって週1回(表1の例示化合物Nr.46の3日後)((q7d)x4)
腫瘍容積及び動物体重を週当り3回記録した。治療結果の評価は個々の腫瘍の絶対容積に基づいた。
物質及び方法
マウスは雌のBomTac:NMRI-nu/nuであった。表1の例示化合物Nr.46を0.9%のNaClで希釈した塩酸(0.1N)に溶解し、尾部静脈に静脈内注射した。ドセタキセル注入濃厚液を0.9%のNaClで希釈し、静脈内注射した。投与容積は体重1kg当り10mlであった。NCI-H460腫瘍を培養NCI-H460細胞から立証した。キャリパーを使用して腫瘍容積を週3回測定した。マウスの体重を同日に許容性の指標として測定した。血漿サンプルを最後の治療日に採取した。
主たる結果(図2.1-2.3を参照のこと)
17日目(対照の終了)における結果
50mg/kgの表1の例示化合物Nr.46、i.v.、週1回はNCI-H460腫瘍増殖を有意に遅延しない(T/C=65%、p>0.05)。
15mg/kgのドセタキセル、i.v.、週1回は腫瘍増殖を有意に遅延する(T/C=42%、p<0.05)。
50mg/kgの表1の例示化合物Nr.46と15mg/kgのドセタキセルの組み合わされた投与は腫瘍増殖を有意に遅延する(T/C=26%、p<0.001)。
50mg/kgの表1の例示化合物Nr.46は良く許容される。
単独又は組み合わせて投与された15mg/kgのドセタキセルは良く許容されない。15mg/kgのドセタキセルで治療されたマウスは17日目までに平均で4.8%の体重を失った。表1の例示化合物Nr.46とドセタキセルの組み合わせは8.3%の体重損失を誘導した。
【0040】
71日目(研究の終了)までの結果
表1の例示化合物Nr.46、ドセタキセル又はこれらの組み合わせによる毎週の治療(25日目まで)は夫々対照と較べて腫瘍容積1000mm3に達する平均時間を4.0日、10.5日又は28.0日遅延する。
15mg/kgのドセタキセルで治療されたマウスは更に体重を失い(24日目で9.4%まで)、1匹のマウスは体重のひどい損失のために安楽死される必要があった。表1の例示化合物Nr.46とドセタキセルで同時に治療されたマウスは更に体重を失い(24日目に10.4%まで)、2匹のマウスが体重のひどい損失のために安楽死される必要があった。
結論
最適以下の用量の表1の例示化合物Nr.46による治療は腫瘍増殖を有意に遅延しない(T/C=65%、p>0.05)。
ドセタキセルは腫瘍増殖を有意に遅延する(T/C=42%、p<0.05)
表1の例示化合物Nr.46とドセタキセルの組み合わせは対照と較べて有意な増殖遅延を示す(T/C=26%、p<0.001)。表1の例示化合物Nr.46による単一治療との差異がまた有意であり(p<0.01)、2種の薬剤が少なくとも累積的に作用し得ることを示す。
【0041】
表1の例示化合物Nr.46及びゲムシタビンの組み合わせ
(BxPC-3膵臓モデル)
研究の目的
表1の例示化合物Nr.46はセリン/スレオニンキナーゼPLK-1の強力かつ選択的インヒビターである。ゲムシタビン(トレード名ゲムザー(登録商標)として販売される)は膵臓腺癌の治療に通常の化学治療薬である。本研究の目標はヌードマウスで異種移植片として増殖されたヒト膵臓腺癌モデルBxPC-3における表1の例示化合物Nr.46、ゲムシタビン及びそれらの組み合わせの最適以下の用量の坑癌効力を評価することであった。最適以下の用量の両方の化合物を使用して累積的、相乗的又は拮抗効果の検出を促進した。
研究のデザイン
モデル:ヌードマウスで皮下の異種移植片として増殖されたヒト腺癌モデルBxPC-3
治療グループ(グループ当り10匹の動物)
対照 ビヒクル、i.v.、4週にわたって週1回((q7d)x4)
表1の例示化合物Nr.46
50mg/kg、i.v.、6週にわたって週1回((q7d)x6)
ゲムシタビン 100mg/kg、i.p.、6週にわたって週1回((q7d)x6)
組み合わせ 50mg/kgの表1の例示化合物Nr.46、i.v.、6週にわたって週1回((q7d)x6)及び100mg/kgのゲムシタビン、i.p.、6週にわたって週1回(表1の例示化合物Nr.46の約1時間後)((q7d)x6)
腫瘍容積及び動物体重を週当り3回記録した。治療結果の評価は個々の腫瘍の絶対容積に基づいた。
【0042】
物質及び方法
マウスは雌のBomTac:NMRI-nu/nuであった。表1の例示化合物Nr.46を0.9%のNaClで希釈した塩酸(0.1N)に溶解し、尾部静脈に静脈内注射した。ゲムシタビン注入濃厚液を0.9%のNaClで希釈し、腹腔内注射した。投与容積は両方の化合物につき体重1kg当り10mlであった。BxPC-3腫瘍を培養BxPC-3から立証した。キャリパーを使用して腫瘍容積を週3回測定した。マウスの体重を同日に許容性の指標として測定した。血漿サンプルを最後の治療日に採取した。
主たる結果(図3.1-3.2を参照のこと)
26日目(対照の終了)における結果
50mg/kgの表1の例示化合物Nr.46はi.v.でHCT116腫瘍増殖を有意に遅延する(T/C=28%)。
100mg/kgのゲムシタビンはi.p.で腫瘍増殖を限界で遅延するにすぎない(T/C=65%)。一層高い用量のゲムシタビンは許容されなかった
50mg/kgの表1の例示化合物Nr.46と100mg/kgのゲムシタビンの組み合わされた投与は表1の例示化合物Nr.46単独と同じ程度で腫瘍増殖を遅延する(T/C=24%)。
50mg/kgの表1の例示化合物Nr.46、100mg/kgのゲムシタビン及びそれらの組み合わせは良く許容された。対照マウスは6.2%の体重を獲得した。50mg/kgの表1の例示化合物Nr.46で治療されたマウスは8.2%の体重増加を示し、100mg/kgのゲムシタビンで治療されたマウスは平均で8.8%を獲得し、その組み合わせで治療されたマウスは8.5%の体重を獲得した。
43日目(研究の終了)における結果
表1の例示化合物Nr.46又は表1の例示化合物Nr.46とゲムシタビンの組み合わせによる毎週の治療(36日目まで)は腫瘍容積1000mm3に達する平均時間を同じ程度に遅延する。2種の治療グループの間に有意差がない。
結論
最適以下の用量の表1の例示化合物Nr.46による治療は腫瘍増殖を有意に遅延し、良く許容される。対照的に、最高の許容用量のゲムシタビンは有意な坑腫瘍活性をもたらさない。
最適以下の用量の表1の例示化合物Nr.46とゲムシタビンの組み合わせによる治療は表1の例示化合物Nr.46単独と匹敵する増殖遅延を示し、2種の薬剤がこのモデルで拮抗作用しないことを示す。
【0043】
表1の例示化合物Nr.46、即ち、化合物4-〔〔(7R)-8-シクロペンチル-7-エチル-5,6,7,8-テトラヒドロ-5-メチル-6-オキソ-2-プテリジニル〕アミノ〕-3-メトキシ-N-(1-メチル-4-ピペリジニル)-ベンズアミドの製造方法がWO 03/20722だけでなく、WO 04/76454に記載されており、これらが参考として本明細書に含まれる。
しかしながら、完全のために、化合物4-〔〔(7R)-8-シクロペンチル-7-エチル-5,6,7,8-テトラヒドロ-5-メチル-6-オキソ-2-プテリジニル〕アミノ〕-3-メトキシ-N-(1-メチル-4-ピペリジニル)-ベンズアミドの製造方法を以下に同様に記載する。この方法は本発明の説明として理解されるべきであり、それをその主題に限定するものではない。
4-〔〔(7R)-8-シクロペンチル-7-エチル-5,6,7,8-テトラヒドロ-5-メチル-6-オキソ-2-プテリジニル〕アミノ〕-3-メトキシ-N-(1-メチル-4-ピペリジニル)-ベンズアミドの合成
合成のために、最初に中間体化合物Z3を以下に記載されるように調製する。
【0044】
【化6】

D-2-アミノ酪酸54.0g(0.52モル)をメタノール540mL中で懸濁させ、氷で冷却しながら塩化チオニル132g(1.1モル)と徐々に合わせる。その混合物を1.5時間還流し、次いで蒸発させる。残っている油をtert-ブチルメチルエーテル540mLと合わせ、生成した無色の結晶を吸引濾過する。
収量:化合物Z3a(無色の結晶)78.8g
化合物Z3a74.2g及びシクロペンタノン43.5mL(0.49モル)をジクロロメタン800mLに溶解する。0℃で酢酸ナトリウム40.0g(0.49モル)及びトリアセトキシホウ水素化ナトリウム150.0g(0.71モル)の添加後に、その混合物を周囲温度で12時間撹拌し、次いで20%の炭酸水素ナトリウム溶液500mLを添加する。水相をジクロロメタンで抽出する。合わせた有機相を水洗し、MgSO4で乾燥させ、蒸発させる。
収量:化合物Z3b(明黄色の油)85.8g
化合物Z3b40.0g及び炭酸カリウム30.0g(0.22モル)をアセトン600mL中で懸濁させ、氷で冷却しながらアセトン200mL中の2,4-ジクロロ-5-ニトロピリミジン45.0g(0.23モル)と合わせる。12時間後に、2,4-ジクロロ-5-ニトロピリミジン更に5.0gを添加し、3時間撹拌する。その反応混合物を蒸発させ、酢酸エチル800mL及び水600mLに吸収させ、水相を酢酸エチルで抽出する。合わせた有機相を水洗し、MgSO4で乾燥させ、蒸発させる。
収量:化合物Z3c(褐色の油)75.0g
【0045】
化合物Z3c100gを氷酢酸650mLに溶解し、70℃で鉄粉末20gを回分添加する。その混合物を70℃で1時間、次いで100℃で1.5時間撹拌し、次いでケイソウ土により熱時濾過する。その反応混合物を蒸発させ、メタノール/ジクロロメタンに吸収させ、シリカゲルに適用し、ソクスレー抽出により酢酸エチルで精製する。溶媒を除去し、残渣をメタノールとともに撹拌する。
収量:化合物Z3d(明褐色の結晶)30.0g
化合物Z3d25.0g及びヨウ化メチル6.5mL(0.1モル)をジメチルアセトアミド250mLに入れ、-10℃で鉱油中60%の分散液としての水素化ナトリウム3.8g(0.95モル)を添加する。それを0℃で20分間、次いで周囲温度で30分間撹拌し、最後に氷を添加する。その反応混合物を蒸発させ、水300mLと合わせる。生成した沈殿を吸引濾過し、石油エーテルで洗浄する。
収量:化合物Z3e(無色の固体)23.0g
化合物Z3e6.0g及び4-アミノ-3-メトキシ安息香酸5.1g(31ミリモル)をエタノール90mL及び水350mL中で懸濁させ、濃塩酸3.5mLと合わせ、48時間還流する。その反応混合物を蒸発させ、残渣をメタノール/ジエチルエーテルとともに撹拌し、生成した沈殿を吸引濾過する。
収量:化合物Z3(明るいベージュ色の結晶)6.3g
4-〔〔(7R)-8-シクロペンチル-7-エチル-5,6,7,8-テトラヒドロ-5-メチル-6-オキソ-2-プテリジニル〕アミノ〕-3-メトキシ-N-(1-メチル-4-ピペリジニル)-ベンズアミドを以下に記載されるように得る。
化合物Z3 0.15g、TBTU0.12g、DIPEA0.12mLをジクロロメタン5mLに溶解し、25℃で30分間撹拌する。次いで1-メチル-4-アミノピペリジン50mgを添加し、その混合物を25℃で更に2.5時間撹拌する。次いでその溶液を水で抽出し、次いで蒸発させる。残渣を温かい酢酸エチルに溶解し、エーテル及び石油エーテルから結晶化する。
収量:白色の結晶0.025g、融点:塩基として203℃
【0046】
本発明の式(I)の全ての化合物は以下に記載される合成方法Aにより調製されてもよく、一般式(A1)〜(A9)の置換基は先に示された意味を有する。この方法は本発明の説明として理解されるべきであり、それをその主題に限定するものではない。
方法A
工程1A
式(A1)の化合物を式(A2)の化合物と反応させて式(A3)の化合物を得る(ダイアグラム1A)。この反応はWO 00/43369又はWO 00/43372に従って行なわれてもよい。化合物(A1)は、例えば、シティ・ケミカルLLC(139アリングス・クロシング・ロード、ウェスト・ヘーブン、CT、06516、米国)から市販されている。化合物(A2)は文献:(a) F. Effenberger, U. Burkhart, J. Willfahrt Liebigs Ann. Chem. 1986, 314-333; (b) T. Fukuyama, C.-K. Jow, M. Cheung, Tetrahedron Lett. 1995, 36, 6373-6374; (c) R.K. Olsen, J. Org. Chem. 1970, 35, 1912-1915; (d) F.E. Dutton, B.H. Byung Tetrahedron Lett. 1998, 30, 5313-5316; (e) J.M. Ranajuhi, M.M. Joullie Synth. Commun. 1996, 26, 1379-1384)から知られている操作により調製し得る。
ダイアグラム1A
【0047】
【化7】

工程1Aでは、1当量の化合物(A1)及び1〜1.5当量、好ましくは1.1当量の塩基、好ましくは炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム又は炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、最も好ましくは炭酸カリウムを、必要により水と混合されてもよい希釈剤、例えば、アセトン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、シクロヘキサン、石油エーテル又はジオキサン、好ましくはシクロヘキサン又はジエチルエーテル中で撹拌する。
0〜15℃、好ましくは5〜10℃の温度で、有機溶媒、例えば、アセトン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、シクロヘキサン又はジオキサンに溶解した、1当量の式(A2)のアミノ酸を滴下して添加する。その反応混合物を撹拌しながら18℃〜30℃、好ましくは約22℃の温度に加熱し、次いで更に10〜24時間、好ましくは約12時間撹拌する。次いで希釈剤を蒸留して除き、残渣を水と合わせ、その混合物を有機溶媒、例えば、ジエチルエーテル又は酢酸エチル、好ましくは酢酸エチルで2〜3回抽出する。合わせた有機抽出液を乾燥させ、溶媒を蒸留して除く。残渣(化合物A3)を先に精製しないで工程2で使用し得る。
工程2A
工程1Aで得られた化合物(A3)をそのニトロ基で還元し、環化して式(A4)の化合物を生成する(ダイアグラム2A)。
ダイアグラム2A
【0048】
【化8】

工程2Aでは、1当量のニトロ化合物(A3)を酸、好ましくは氷酢酸、ギ酸又は塩酸、好ましくは氷酢酸に溶解し、50〜70℃、好ましくは約60℃に加熱する。次いで還元剤、例えば、亜鉛、スズ又は鉄、好ましくは鉄ファイリングを添加してその発熱反応を完結させ、その混合物を100〜125℃、好ましくは約117℃で0.2〜2時間、好ましくは0.5時間撹拌する。周囲温度に冷却した後、その鉄塩を濾過し、溶媒を蒸留して除く。残渣を溶媒又は溶媒の混合物、例えば、酢酸エチル又はジクロロメタン/メタノール9/1及び半飽和NaCl溶液に吸収させ、例えば、ケイソウ土により濾過する。有機相を乾燥させ、蒸発させる。残渣(化合物(A4))はクロマトグラフィーもしくは結晶化により精製されてもよく、又は合成の工程3Aで粗生成物として使用されてもよい。
工程3A
工程2Aで得られた化合物(A4)をダイアグラム3Aに示されるような求電子置換により反応させて式(A5)の化合物を得てもよい。
ダイアグラム3A
【0049】
【化9】

工程3Aでは、1当量の式(A4)のアミドを有機溶媒、例えば、ジメチルホルムアミド又はジメチルアセトアミド、好ましくはジメチルアセトアミドに溶解し、約-5〜5℃、好ましくは0℃に冷却する。
次いで0.9〜1.3当量の水素化ナトリウム及び0.9〜1.3当量のメチル化試薬、例えば、ヨウ化メチルを添加する。その反応混合物を約0〜10℃、好ましくは約5℃で0.1-3時間、好ましくは約1時間撹拌し、必要によりこの温度で更に12時間放置してもよい。その反応混合物を氷水に注ぎ、沈殿を単離する。残渣(化合物(A5))を好ましくはシリカゲルによる、クロマトグラフィー、もしくは結晶化により精製してもよく、又は合成の工程4Aで粗生成物として使用してもよい。
工程4A
式(A9)の化合物を得るための工程3Aで得られた化合物(A5)のアミン化(ダイアグラム4A)は別法4.1Aについて文献、例えば、(a) M.P.V. Boarland, J.F.W. McOmie J. Chem. Soc. 1951, 1218-1221又は(b) F.H.S. Curd, F.C. Rose J. Chem. Soc. 1946, 343-348、別法4.2Aについて、例えば、(a) Banks J. Am. Chem. Soc. 1944, 66, 1131、(b) Ghosh及びDolly J. Indian Chem. Soc. 1981, 58, 512-513又は(c) N.P. Reddy及びM. Tanaka Tetrahedron Lett. 1997, 38, 4807-4810から知られている方法を使用して行なわれてもよい。
ダイアグラム4A
【0050】
【化10】

例えば、別法4.1Aでは、1当量の化合物(A5)及び1〜3当量、好ましくは約2当量の化合物(A6)を無溶媒で、又は有機溶媒、例えば、スルホラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、トルエン、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシドもしくはジオキサン、好ましくはスルホラン中で、0.1〜4時間、好ましくは1時間にわたって、100〜220℃、好ましくは約160℃で加熱する。冷却後に、生成物(A9)を有機溶媒又は溶媒の混合物、例えば、ジエチルエーテル/メタノール、酢酸エチル、塩化メチレン、又はジエチルエーテル、好ましくはジエチルエーテル/メタノール9/1の添加により結晶化し、又はクロマトグラフィーにより精製する。
例えば、別法4.2Aでは、1当量の化合物(A5)及び1〜3当量の化合物(A6)を酸、例えば、1-10当量の10-38%の塩酸及び/又はアルコール、例えば、エタノール、プロパノール、ブタノール、好ましくはエタノールとともに、還流温度で1〜48時間、好ましくは約5時間撹拌する。沈殿した生成物(A9)を濾過し、必要により水洗し、乾燥させ、好適な有機溶媒から結晶化する。
例えば、別法4.3Aでは、1当量の化合物(A5)及び1〜3当量の化合物(A7)を溶媒、例えば、トルエン又はジオキサンに溶解し、ホスフィンリガンド、例えば、2,2'-ビス-(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル及びパラジウム触媒、例えば、トリス(ジベンジリデン-アセトン)-ジパラジウム(0)並びに塩基、例えば、炭酸セシウムと合わせ、1-24時間、好ましくは17時間還流する。その反応混合物を、例えば、シリカゲルで精製し、生成物(A8)をその溶液から単離し、又は好適な結晶化により得る。生成物(A8)を好適な溶媒、例えば、ジオキサンに溶解し、例えば、3:1の溶媒対酸の比で、酸、例えば、半濃塩酸と混合する。次いでその混合物を1-48時間、例えば、12時間還流し、生成した沈殿を単離する。所望により、生成物(A9)を結晶化により精製する。
工程5A
ダイアグラム5A
【0051】
【化11】

例えば、1当量の化合物(A9)を1当量の活性化試薬、例えば、O-ベンゾトリアゾリル-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)及び塩基、例えば、1.5当量のジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)とともに有機希釈剤、例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド、好ましくはジクロロメタン又はジメチルホルムアミドに溶解する。1当量のアミン(A10)の添加後に、その反応混合物を20℃〜100℃で0.1〜24時間、好ましくは約2時間撹拌する。式(A11)の生成物を、例えば、結晶化又はクロマトグラフィー精製により得る。
一般式(I)の化合物は下記の合成の実施例と同様にして合成し得る。実施例のナンバリングは表1に使用されるナンバリングに相当する。しかしながら、これらの実施例は本発明を更に説明するための操作の例のみとして意図され、本発明をそれらの主題に限定するものではない。
化合物を合成するのに使用される幾つかの中間体化合物の調製がまた以下に記載される。
酸の調製
表1の実施例94及び95の化合物を合成するために、最初に中間体化合物Z1を以下に記載されるように調製する。
【0052】
【化12】

D-アラニンメチルエステルxHCl 50.0g(0.48モル)及びシクロヘキサノン49.1g(0.50モル)をジクロロメタン300mLに入れ、次いで酢酸ナトリウム41.0g(0.50モル)及びトリアセトキシホウ水素化ナトリウム159.0g(0.75モル)と合わせる。その混合物を一夜撹拌し、次いで10%の炭酸水素ナトリウム溶液300mLを添加する。水相をジクロロメタンで抽出する。合わせた有機相を10%の炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、蒸発させる。
収量:化合物Z1a(透明な液体)72.5g
化合物Z1a72.5gを水500mLに入れ、ジエチルエーテル500mL中の2,4-ジクロロ-5-ニトロピリミジン76.6g(0.39モル)を添加する。-5℃の温度で、10%の炭酸水素カリウム溶液100mLを滴下して添加する。その混合物を-5℃で3時間、更に周囲温度で12時間撹拌する。有機相を分離し、Na2SO4で乾燥させる。蒸発時に、生成物が結晶化する。
収量:化合物Z1b(黄色の結晶)48.0g
化合物Z1b48.0gを氷酢酸350mLに溶解し、60℃に加熱する。鉄粉末47.5gを添加し、その間に温度が105℃に上昇する。その反応混合物を80℃で3時間撹拌し、次いでセルロースにより熱時濾過し、蒸発させる。残渣を水及び酢酸エチル中で撹拌し、吸引濾過し、明灰色の沈殿を酢酸エチルで洗浄する。濾液を希薄なアンモニア及び水で洗浄し、有機相をNa2SO4で乾燥させ、活性炭により濾過し、蒸発させる。若干更に明灰色の固体を得る。
収量:化合物Z1c(明灰色の結晶)29.5g
化合物Z1c32.1gをジメチルアセトアミド300mLに入れ、ヨウ化メチル13mL(0.2モル)と合わせる。-5℃で、鉱油中60%の分散液としての水素化ナトリウム6.4g(0.16モル)を回分添加する。2時間後に、その反応混合物を氷水800mLに注ぐ。生成した沈殿を吸引濾過し、石油エーテルで洗浄する。
収量:化合物Z1d(ベージュ色の結晶)33.0g
化合物Z1d4.0g及び4-アミノ-3-メチル安息香酸2.3g(15ミリモル)をエタノール50mL及び水120mL中で懸濁させ、濃塩酸2mLと合わせ、48時間還流する。冷却時に生成した沈殿を吸引濾過し、水、エタノール及びジエチルエーテルで洗浄する。
収量:化合物Z1(無色の結晶)2.9g
化合物、表1の実施例188及び実施例203を合成するために、最初に中間体化合物Z2を以下に記載されるように調製する。
【0053】
【化13】

ジクロロメタン1500mL中のD-アラニンエチルエステルxHCl 128.2g(0.83モル)及びシクロペンタノン71.5g(0.85モル)の溶液を酢酸ナトリウム70.1g(0.85モル)及びトリアセトキシホウ水素化ナトリウム265.6g(1.25モル)と合わせる。その反応混合物を12時間撹拌し、次いで10%の炭酸水素ナトリウム溶液1.5Lに注ぐ。水相をジクロロメタンで抽出する。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥させ、蒸発させる。
収量:化合物Z2a(無色の油)143.4g
化合物Z2a66.0gを水500mLに入れ、ジエチルエーテル500mL中の2,4-ジクロロ-5-ニトロピリミジン85.0g(0.44モル)と合わせる。-5℃で、10%の炭酸水素カリウム溶液100mLを滴下して添加し、その反応混合物を周囲温度で48時間撹拌する。水相をジエチルエーテルで抽出し、合わせた有機相をNa2SO4で乾燥させ、蒸発させる。暗赤色の固体を石油エーテルとともに撹拌し、吸引濾過する。
収量:化合物Z2b(黄色の結晶)88.0g
化合物Z2b88.0gを氷酢酸1000mLに溶解し、60℃で鉄粉末85gと回分式で合わせ、その間に温度が110℃に上昇する。それを60℃で1時間撹拌し、次いでセルロースにより熱時吸引濾過し、蒸発させる。褐色の固体を水700mLとともに撹拌し、吸引濾過する。
収量:化合物Z2c(明褐色の結晶)53.3g
化合物Z2c53.3gをジメチルアセトアミド300mLに入れ、ヨウ化メチル13mL(0.21モル)と合わせる。-5℃で、鉱油中60%の分散液としての水素化ナトリウム5.0g(0.21モル)を回分添加する。12時間後に、その反応混合物を氷水1000mLに注ぎ、生成した沈殿を吸引濾過する。
収量:化合物Z2d(無色の結晶)40.0g
化合物Z2d4.0g及び4-アミノ-3-クロロ安息香酸2.8g(16ミリモル)をエタノール25mL及び水60mL中で懸濁させ、濃塩酸3mLと合わせ、43時間還流する。冷却時に生成した沈殿を吸引濾過し、水、エタノール及びジエチルエーテルで洗浄する。
収量:化合物Z2(無色の結晶)0.9g
表1の実施例19、21、22、23、45、46、55、58、116、128、131、133、134、136、138、177、217、231、239、46、184、166及び187の化合物を合成するために、最初に中間体化合物Z3を以下に記載されるように調製する。
【0054】
【化14】

D-2-アミノ酪酸54.0g(0.52モル)をメタノール540mL中で懸濁させ、氷で冷却しながら塩化チオニル132g(1.1モル)と徐々に合わせる。その混合物を1.5時間還流し、次いで蒸発させる。残っている油をtert-ブチルメチルエーテル540mLと合わせ、生成した無色の結晶を吸引濾過する。
収量:化合物Z3a(無色の結晶)78.8g
化合物Z3a74.2g及びシクロペンタノン43.5mL(0.49モル)をジクロロメタン800mLに溶解する。0℃で酢酸ナトリウム40.0g(0.49モル)及びトリアセトキシホウ水素化ナトリウム150.0g(0.71モル)の添加後に、その混合物を周囲温度で12時間撹拌し、次いで20%の炭酸水素ナトリウム溶液500mLを添加する。水相をジクロロメタンで抽出する。合わせた有機相を水洗し、MgSO4で乾燥させ、蒸発させる。
収量:化合物Z3b(明黄色の油)85.8g
化合物Z3b40.0g及び炭酸カリウム30.0g(0.22モル)をアセトン600mL中で懸濁させ、氷で冷却しながらアセトン200mL中の2,4-ジクロロ-5-ニトロピリミジン45.0g(0.23モル)と合わせる。12時間後に、2,4-ジクロロ-5-ニトロピリミジン更に5.0gを添加し、3時間撹拌する。その反応混合物を蒸発させ、酢酸エチル800mL及び水600mLに吸収させ、水相を酢酸エチルで抽出する。合わせた有機相を水洗し、MgSO4で乾燥させ、蒸発させる。
収量:化合物Z3c(褐色の油)75.0g
【0055】
化合物Z3c100gを氷酢酸650mLに溶解し、70℃で鉄粉末20gを回分式で添加する。その混合物を70℃で1時間、次いで100℃で1.5時間撹拌し、次いでケイソウ土により熱時濾過する。その反応混合物を蒸発させ、メタノール/ジクロロメタンに吸収させ、シリカゲルに適用し、ソクスレー抽出により酢酸エチルで精製する。溶媒を除去し、残渣をメタノールとともに撹拌する。
収量:化合物Z3d(明褐色の結晶)30.0g
化合物Z3d25.0g及びヨウ化メチル6.5mL(0.1モル)をジメチルアセトアミド250mLに入れ、-10℃で鉱油中60%の分散液としての水素化ナトリウム3.8g(0.95モル)を添加する。それを0℃で20分間、次いで周囲温度で30分間撹拌し、最後に氷を添加する。その反応混合物を蒸発させ、水300mLと合わせる。生成した沈殿を吸引濾過し、石油エーテルで洗浄する。
収量:化合物Z3e(無色の固体)23.0g
化合物Z3e6.0g及び4-アミノ-3-メトキシ安息香酸5.1g(31ミリモル)をエタノール90mL及び水350mL中で懸濁させ、濃塩酸3.5mLと合わせ、48時間還流する。その反応混合物を蒸発させ、残渣をメタノール/ジエチルエーテルとともに撹拌し、生成した沈殿を吸引濾過する。
収量:化合物Z3(明るいベージュ色の結晶)6.3g
表1の実施例81、82、93及び137の化合物を合成するために、最初に中間体化合物Z4を以下に記載されるように調製する。
【0056】
【化15】

エチル1-アミノシクロプロパン-1-カルボキシレートxHCl 25.0g(0.19モル)及びシクロペンタノン16.8g(0.20モル)をジクロロメタン300mLに溶解し、酢酸ナトリウム16.4g(0.20モル)及びトリアセトキシホウ水素化ナトリウム61.7g(0.29モル)と合わせる。それを一夜撹拌し、次いでその反応混合物を10%の炭酸水素ナトリウム溶液400mLに注ぐ。水相をジクロロメタンで抽出する。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥させ、蒸発させる。
収量:化合物Z4a(無色の油)34.5g
ジエチルエーテル350mL中の2,4-ジクロロ-5-ニトロピリミジン42.5g(0.22モル)を水350mL中の化合物Z4a34.5gの混合物に添加する。-5℃で、その混合物を10%の炭酸水素カリウム溶液80mLと合わせ、周囲温度で一夜撹拌する。水相をジエチルエーテルで抽出する。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥させ、蒸発させる。
収量:化合物Z4b(褐色の油)53.8g
化合物Z4b20.1gを氷酢酸200mLに溶解し、60℃で鉄粉末19.1gと回分式で合わせ、その時間中に温度が100℃に上昇した。その混合物を60℃で3時間撹拌し、次いでセルロースにより吸引濾過し、蒸発させる。残渣を水及び酢酸エチル中で撹拌し、黄色の沈殿を吸引濾過する。濾液を希薄なアンモニア及び水で洗浄し、有機相をNa2SO4で乾燥させ、蒸発させる。ジエチルエーテルの添加後に、追加の生成物が結晶化する。
収量:化合物Z4c(黄色の結晶)4.0g
化合物Z4c7.8g及びヨウ化メチル2.6mL(0.04モル)をジメチルアセトアミド100mLに溶解し、-5℃で水素化ナトリウム1.5g(0.04モル)を鉱油中60%の分散液として回分添加する。2時間後に、その反応混合物を氷水に注ぎ、生成した沈殿を吸引濾過する。
収量:化合物Z4d(明褐色の結晶)7.5g
化合物Z4d3.0g及び4-アミノ-3-メトキシ安息香酸1.9g(11ミリモル)をエタノール40mL及び水80mL中で懸濁させ、濃塩酸2mLと合わせ、20時間還流する。4-アミノ-3-メトキシ安息香酸更に0.5gを添加し、48時間還流する。冷却時に生成した沈殿を吸引濾過し、水、エタノール及びジエチルエーテルで洗浄する。
収量:Z4(無色の結晶)2.1g、融点:222-223℃。
表1の実施例162、43、53、161、202、211、215及び212の化合物を合成するために、最初に中間体化合物Z5を以下に記載されるように調製する。
【0057】
【化16】

酢酸エチル1000mL中のエチル2-ブロモイソブチレート73.4mL(0.5モル)、3-メチル-1-ブチルアミン87.1mL(0.75モル)、ヨウ化ナトリウム82.5g(0.6モル)及び炭酸カリウム76.0g(0.6モル)の混合物を3日間にわたって還流する。存在する塩を濾過し、濾液を蒸発させる。
収量:化合物Z5a(赤色の油)97.0g
2,4-ジクロロ-5-ニトロピリミジン49.0g(0.25モル)及び炭酸カリウム38.3g(0.28モル)をアセトン500mL中で懸濁させ、0℃でアセトン375mL中の化合物Z5a93.0gと合わせる。その反応混合物を周囲温度で一夜撹拌し、濾過し、蒸発させる。酢酸エチルに溶解した残渣を水洗し、有機相をMgSO4で乾燥させ、蒸発させる。
収量:化合物Z5b(褐色の油)102.7g
化合物Z5b22.7gを氷酢酸350mLに溶解し、60℃で鉄粉末17.4gと回分式で合わせる。添加が終了した後、その混合物を0.5時間還流し、熱時濾過し、蒸発させる。残渣をジクロロメタン/メタノール(9:1)200mLに吸収させ、塩化ナトリウム溶液で洗浄する。有機相をケイソウ土により吸引濾過し、MgSO4で乾燥させ、蒸発させ、カラムクロマトグラフィー(溶離剤:酢酸エチル/シクロヘキサン1:1)により精製する。
収量:化合物Z5c(無色の結晶)1.9g
化合物Z5c1.9gをジメチルアセトアミド32mLに溶解し、氷で冷却しながら鉱油中60%の分散液としての水素化ナトリウム0.3g(7ミリモル)と合わせる。10分後に、ヨウ化メチル0.5mL(7ミリモル)を添加し、周囲温度で3時間撹拌する。その反応混合物を蒸発させ、水と合わせる。生成した沈殿を吸引濾過し、石油エーテルで洗浄する。
収量:化合物Z5d(無色の結晶)1.6g
化合物Z5d14.0g及び4-アミノ-3-メトキシ安息香酸10.0g(0.06モル)をジオキサン200mL及び水80mL中で懸濁させ、濃塩酸10mLと合わせ、40時間還流する。冷却時に生成した沈殿を吸引濾過し、水、ジオキサン及びジエチルエーテルで洗浄する。
収量:化合物Z5(無色の結晶)13.9g
表1の実施例88、194、229及び89の化合物を合成するために、最初に中間体化合物Z6を以下に記載されるように調製する。
【0058】
【化17】

L-2-アミノ酪酸6.0g(0.06モル)を0.5M硫酸80mLに入れ、0℃で水15mL中の亜硝酸ナトリウム5.5g(0.08モル)と合わせる。その反応混合物を0℃で22時間撹拌し、硫酸アンモニウムと合わせ、濾過する。濾液をジエチルエーテルで抽出し、合わせた有機相をMgSO4で乾燥させ、蒸発させる。
収量:化合物Z6a(黄色の油)6.0g
メタノール200mLを氷で冷却しながら塩化チオニル65.0mL(0.89モル)及びメタノール50mL中の化合物Z6a76.0gと連続して合わせる。得られる混合物を0℃で1時間、周囲温度で2時間撹拌し、次いでメタノール及び残っている塩化チオニルを真空で0℃で除く。
収量:化合物Z6b(黄色の油)40.0g
トリフルオロメタンスルホン酸無水物30.0mL(0.17モル)をジクロロメタン150mLに入れ、氷で冷却しながらジクロロメタン50mL中の化合物Z6b20.0g及びピリジン14.0mL(0.17モル)の溶液を1時間以内に添加する。その混合物を周囲温度で2時間撹拌し、生成した塩を吸引濾過し、次いで水100mLで洗浄する。有機相をMgSO4で乾燥させ、蒸発させる。
収量:化合物Z6c(明黄色の油)42.0g
ジクロロメタン200mL中の化合物Z6c42.0gを氷で冷却しながらジクロロメタン400mL中のアニリン15.5mL(0.17モル)及びトリエチルアミン24.0mL(0.17モル)の溶液に1時間以内に滴下して添加する。その混合物を周囲温度で1時間、更に35℃で2時間撹拌する。その反応混合物を水洗し、MgSO4で乾燥させ、蒸発させる。残っている残渣を蒸留(95-100℃、1x10-3ミリバール)により精製する。
収量:化合物Z6d(無色の油)14.0g
【0059】
化合物Z6d14.0g及び炭酸カリウム16.0g(0.1モル)をアセトン100mL中で懸濁させ、10℃で2,4-ジクロロ-5-ニトロピリミジン16.0g(0.08モル)と合わせる。その混合物を40℃で4時間撹拌し、生成した塩を吸引濾過し、濾液を蒸発させる。残渣を酢酸エチル300mLに吸収させ、水洗する。有機相をMgSO4で乾燥させ、蒸発させる。
収量:化合物Z6e(褐色の油)31.0g
化合物Z6e31.0gを氷酢酸200mLに溶解し、60℃で鉄粉末10gと回分式で合わせ、その時間中に温度が85℃に上昇した。その混合物を60℃で更に1時間撹拌し、ケイソウ土により濾過し、蒸発させる。残渣をメタノールとともに撹拌する。
収量:化合物Z6f(褐色の結晶)4.5g
-20℃で、鉱油中60%の分散液としての水素化ナトリウム0.6g(16ミリモル)をジメチルアセトアミド100mL中の化合物Z6f4.5g及びヨウ化メチル1.0mL(16ミリモル)の混合物に回分添加する。1時間後に、その反応混合物を水50mLと合わせ、蒸発させる。残渣を水200mLとともに撹拌し、沈殿を吸引濾過し、石油エーテルで洗浄する。
収量:化合物Z6g(無色の結晶)4.5g
トルエン30mL中の化合物Z6g1.5g及びメチル4-アミノ-3-メトキシベンゾエート1.4g(8ミリモル)の懸濁液を2,2'-ビス-(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル0.4g(0.6ミリモル)、トリス(ジベンジリデンアセトン)-ジパラジウム(0)0.23g(0.3ミリモル)及び炭酸セシウム7.0g(21ミリモル)と合わせ、17時間還流する。その反応混合物をシリカゲルに適用し、カラムクロマトグラフィー(溶離剤:ジクロロメタン/メタノール9:1)により精製する。
収量:化合物Z6h(黄色の結晶)1.7g
化合物Z6h1.7gをジオキサン50mLに溶解し、半濃塩酸15mLと合わせ、12時間還流する。冷却後に、生成した沈殿を吸引濾過する。
収量:化合物Z6(無色の固体)1.1g
表1の実施例26、20、32、56、101、112及び209の化合物を合成するために、最初に中間体化合物Z7を以下に記載されるように調製する。
【0060】
【化18】

D-アラニンメチルエステルxHCl 50.0g(0.36モル)をジクロロメタン500mL及びアセトン35mL中で懸濁させ、酢酸ナトリウム30.0g(0.37モル)及びトリアセトキシホウ水素化ナトリウム80.0g(0.38モル)と合わせる。その混合物を12時間撹拌し、次いで10%の炭酸水素ナトリウム溶液400mLに注ぐ。有機相をNa2SO4で乾燥させ、蒸発させる。
収量:化合物Z7a(黄色の油)51.0g
水450mL中の化合物Z7a51.0gの懸濁液をジエチルエーテル450mL中の2,4-ジクロロ-5-ニトロピリジン80.0g(0.41モル)と合わせる。-5℃で、10%の炭酸水素カリウム溶液100mLを滴下して添加する。その反応混合物を3時間撹拌し、有機相をNa2SO4で乾燥させ、蒸発させる。
収量:化合物Z7b(黄色の油)74g
化合物Z7b18.6gを氷酢酸200mLに溶解し、60℃で鉄粉末20.0gと回分式で合わせる。その混合物を60℃で2時間撹拌し、次いでセルロースにより吸引濾過する。残渣を酢酸エチルに溶解し、水及び濃アンモニアで洗浄する。有機相をNa2SO4で乾燥させ、蒸発させる。残渣をジエチルエーテルから結晶化する。
収量:化合物Z7c(無色の結晶)9.8g
化合物Z7c17.0g及びヨウ化メチル7mL(0.1モル)をジメチルアセトアミド200mLに溶解し、-5℃で鉱油中60%の分散液としての水素化ナトリウム4.0g(0.1モル)と合わせる。その反応混合物を30分間撹拌し、次いで氷水300mLに注ぐ。生成した沈殿を吸引濾過し、石油エーテルとともに撹拌する。
収量:化合物Z7d(ベージュ色の結晶)14.8g
化合物Z7d0.9g及び4-アミノ-3-メトキシ安息香酸1.5g(9ミリモル)を30分間にわたって210℃に加熱する。冷却後に、残渣を酢酸エチルとともに撹拌し、得られた沈殿を吸引濾過する。
収量:化合物Z7(灰色の結晶)1.2g
下記の酸が、例えば、前記合成の方法と同様にして調製し得る。
【0061】
【化19】

【0062】
アミノ成分L-R5の合成
下記のアミン、
1,1-ジメチル-2-ジメチルアミノ-1-イル-エチルアミン及び1,1-ジメチル-2-ピペリジン-1-イル-エチルアミン、
【0063】
【化20】

を以下のようにして得てもよい。
化合物を下記の文献に従って調製し得る:(a) S. Schuetzら, Arzneimittel-Forschung 1971, 21, 739-763、(b) V.M. Belikovら, Tetrahedron 1970, 26, 1199-1216及び(c) E.B. Butler及びMcMillan J. Amer. Chem. Soc. 1950, 72, 2978。
その他のアミンを上記文献と較べて改良された様式で、以下のようにして調製し得る。
1,1-ジメチル-2-モルホリン-1-イル-エチルアミン
【0064】
【化21】

モルホリン8.7mL及び2-ニトロプロパン9.3mLを、その反応を氷で冷却しながら調製する。ホルムアルデヒド(37%)7.5mL及び0.5モル/LのNaOH溶液4mLを徐々に滴下して添加する(<10℃)。次いでその混合物を25℃で1時間、50℃で1時間撹拌する。その溶液を水及びエーテルで処理し、水相をエーテルで3回抽出する。合わせた有機相をNaSO4で乾燥させ、ジオキサン中のHCl(4モル/l)と合わせ、生成した沈殿を吸引濾過する。収量:白色の粉末21.7g。その白色の粉末5gをメタノール80mLに溶解し、RaNi2gを添加し、40分間にわたって35℃及び3.5kg/cm2(50psi)で水素で処理する。これが1,1-ジメチル-2-モルホリン-1-イル-エチルアミン3.6gを生じる。
下記のアミンを同様に調製し得る。
1,1-ジメチル-N-メチルピペラジン-1-イル-エチルアミン
【0065】
【化22】

1,1-ジメチル-2-ピロリジン-1-イル-エチルアミン
【0066】
【化23】

1,3-ジモルホリン-2-アミノ-プロパン
【0067】
【化24】

アルドリッチ社から得られた1,3ジモルホリン-2-ニトロプロパン5gをメタノール80mLに溶解し、RaNi2gを添加して5.5時間にわたって30℃及び3.5kg/cm2(50psi)で水素で処理する。これが1,3ジモルホリン-2-アミノ-プロパン4.2gを生じる。
4-アミノベンジルモルホリン
【0068】
【化25】

このアミンの調製が下記の文献に記載されている:S. Mitsuruら, J. Med. Chem. 2000, 43, 2049-2063。
4-アミノ-1-テトラヒドロ-4H-ピラン-4-イル-ピペリジン
【0069】
【化26】

4-tert-ブチルオキシカルボニル-アミノピペリジン20g(100ミリモル)をCH2Cl2 250mLに溶解し、12時間にわたって室温でテトラヒドロ-4H-ピラン-4-オン10g(100ミリモル)及びNaBH(OAc)3 42g(200ミリモル)とともに撹拌する。次いで水及び炭酸カリウムを添加し、有機相を分離し、乾燥させ、溶媒を真空で除く。残渣をCH2Cl2 200mLに溶解し、12時間にわたって室温でトリフルオロ酢酸100mLとともに撹拌する。溶媒を真空で除き、残渣をCHCl3で吸収させ、再度蒸発させ、次いでアセトンに吸収させ、塩酸塩をエーテル性HClで沈殿させる。収量:14.3g(56%)
シス-及びトランス-4-モルホリノ-シクロヘキシルアミン
【0070】
【化27】

4-ジベンジルシクロヘキサノン3.9g(30ミリモル)をCH2Cl2 100mLに溶解し、12時間にわたって室温でモルホリン3.9g(45ミリモル)及びNaBH(OAc)3 9.5g(45ミリモル)とともに撹拌する。次いで水及び炭酸カリウムを添加し、有機相を分離し、乾燥させ、溶媒を真空で除く。残渣をシリカゲルカラム(シリカゲル約20mL;約500mLの酢酸エチル90/メタノール10+1%の濃アンモニア)により精製する。適当な画分を真空で蒸発させる。収量:シス-異性体6.6g(60%)及びトランス-異性体2g(18%)。
また、トランス-ジベンジル-4-モルホリノ-シクロヘキシルアミンを下記の方法により調製し得る。
4-ジベンジルシクロヘキサノン33g(112ミリモル)をMeOH300mLに溶解し、ヒドロキシルアミン塩酸塩17.4g(250ミリモル)と合わせ、60℃で4時間撹拌する。溶媒を真空で蒸発させ、水500mL及び炭酸カリウム50gと合わせ、ジクロロメタン300mLで2回抽出する。有機相を乾燥させ、真空で蒸発させ、残渣を石油エーテルから結晶化し、EtOH1.5Lに溶解し、70℃に加熱する。ナトリウム166gを回分式で添加し、ナトリウムが溶解するまでその混合物を還流する。溶媒を真空で除き、残渣を水100mLと合わせ、エーテル400mLで2回抽出する。有機相を水洗し、乾燥させ、真空で蒸発させ、カラム(シリカゲル約1.5L;約2Lの酢酸エチル80/メタノール20+2%の濃アンモニア)を使用してトランス異性体を単離する。収量:12.6g(41.2%)
トランス-1-アミノ-4-ジベンジルアミノシクロヘキサン6.8g(23ミリモル)をDMF90mLに溶解し、8時間にわたって100℃で2,2'-ジクロロエチルエーテル5mL(42ミリモル)及び炭酸カリウム5gとともに撹拌する。冷却後に、水30mLを添加し、沈殿した結晶を吸引濾過し、短いカラム(シリカゲル約20mL、酢酸エチル約100mL)により精製する。残渣をメタノール及び濃HClから二塩酸塩として結晶化する。収量:7.3g(72.4%)
トランス-4-モルホリノ-シクロヘキシルアミン
トランス-ジベンジル-4-モルホリノ-シクロヘキシルアミン7.2g(16.4ミリモル)をMeOH100mLに溶解し、30-50℃でPd/C(10%)1.4gで水素化する。溶媒を真空で除き、残渣をエタノール及び濃HClから結晶化する。収量:3.9g(93%)
シス異性体を同様に調製し得る。
シス-及びトランス-4-ピペリジノ-シクロヘキシルアミン
【0071】
【化28】

トランス-ジベンジル-4-ピペリジノ-シクロヘキシルアミン
トランス-1-アミノ-4-ジベンジルアミノシクロヘキサン(実施例2を参照のこと)2.0g(6.8ミリモル)をDMF50mLに溶解し、48時間にわたって室温で1,5-ジブロモペンタン1.6g(7ミリモル)及び炭酸カリウム2gとともに撹拌する。その混合物を冷却し、水と合わせ、ジクロロメタン100mLで2回抽出し、乾燥させ、溶媒を真空で除く。残渣をカラム(シリカゲル約100mL、約500mLの酢酸エチル80/メタノール20+1%の濃アンモニア)で精製する。所望の画分を真空で蒸発させ、石油エーテルから結晶化する。収量:1.2g(49%)
トランス-4-ピペリジノ-シクロヘキシルアミン
トランス-ジベンジル-4-ピペリジノ-シクロヘキシルアミン1.7g(4.8ミリモル)をMeOH35mLに溶解し、20℃でPd/C(10%)350mgで水素化する。溶媒を真空で除き、残渣をエタノール及び濃HClから結晶化する。収量:1.1g(78%)
シス異性体を同様に調製し得る。
シス-及びトランス-4-(4-フェニル-ピペラジン-1-イル)-シクロヘキシルアミン
【0072】
【化29】

4-ジベンジルシクロヘキサノン4.1g(25.3ミリモル)をジクロロメタン50mLに溶解し、12時間にわたって室温でN-フェニルピペラジン7.4g(25.3ミリモル)及びNaBH(OAc)3 7.4g(35ミリモル)とともに撹拌する。次いで水及び炭酸カリウムを添加し、有機相を分離し、乾燥させ、溶媒を真空で除く。残渣をシリカゲルカラム(酢酸エチル80/メタノール20+0.5%の濃アンモニア)で精製する。収量:シス-異性体1.7g(15.8%)及びトランス-異性体0.27g(2.5%)
トランス-4-(4-フェニル-ピペラジン-1-イル)-シクロヘキシルアミン
トランス-ジベンジル-〔4-(4-フェニル-ピペラジン-1-イル)-シクロヘキシル〕-アミン270mg(0.61ミリモル)をMeOH5mLに溶解し、20-30℃でPd/C(10%)40mgで水素化する。溶媒を真空で除き、残渣をエタノール及び濃HClから結晶化する。収量:110mg(69%)
シス異性体を同様に調製し得る。
シス-及びトランス-4-(4-シクロプロピルメチル-ピペラジン-1-イル)-シクロヘキシルアミン
【0073】
【化30】

4-ジベンジルシクロヘキサノン9.8g(33.4ミリモル)をジクロロメタン100mLに溶解し、12時間にわたって室温でN-シクロプロピルメチルピペラジン5.6g(40ミリモル)及びNaBH(OAc)3 8.5g(40ミリモル)とともに撹拌する。次いで水及び炭酸カリウムを添加し、有機相を分離し、乾燥させ、溶媒を真空で除く。残渣をシリカゲルカラム(シリカゲル約50mL、約3Lの酢酸エチル95/メタノール5+0.25%の濃アンモニア)で精製する。適当な画分を真空で蒸発させる。速く溶離するシス化合物が酢酸エチルから結晶化した。トランス-化合物をエタノール+濃HClから結晶化する。収量:シス-異性体8.5g(61%)及びトランス-異性体2.2g(13%)
シス-4-(4-シクロプロピルメチル-ピペラジン-1-イル)-シクロヘキシルアミン
シス-ジベンジル-〔4-(4-シクロプロピルメチル-ピペラジン-1-イル)-シクロヘキシル〕-アミン8.5g(20ミリモル)をMeOH170mLに溶解し、30-50℃でPd/C(10%)1.7gで水素化する。溶媒を真空で除き、残渣をエタノール及び濃HClから結晶化する。収量:4.4g(91%)
トランス-異性体を同様に調製し得る。
【0074】
実施例の合成
実施例152
化合物Z10 0.15g、TBTU0.14g、DIPEA0.13mLをジクロロメタンに溶解し、25℃で20分間撹拌する。次いで1-(3-アミノプロピル)-4-メチルピペラジン90μLを添加し、25℃で更に2時間撹拌する。次いでその溶液をジクロロメタンで希釈し、水で抽出する。生成物を有機相への石油エーテル、エーテル及び酢酸エチルの添加により沈殿させる。収量:ベージュ色の固体0.16g
実施例164
化合物Z10 0.10g、TBTU0.1g、DIPEA0.08mLをジクロロメタン4mLに溶解し、25℃で20分間撹拌する。次いでジメチルアミノプロピルアミン44μLを添加し、25℃で更に2時間撹拌する。次いでその溶液をジクロロメタンで希釈し、水で抽出する。生成物を有機相への石油エーテル、エーテル及び酢酸エチルの添加により沈殿させる。収量:黄色の固体0.08g
実施例242
化合物Z10 0.15g、TBTU0.14g、DIPEA0.13mLをジクロロメタン5mLに溶解し、25℃で20分間撹拌する。次いで1-(2-アミノエチル)ピペリジン75μLを添加し、25℃で更に2時間撹拌する。次いでその溶液をジクロロメタンで希釈し、水で抽出する。生成物を有機相への石油エーテル、エーテル及び酢酸エチルの添加により沈殿させる。収量:黄色の固体0.14g
実施例188
化合物Z2 0.1g、TBTU0.09g、DIPEA0.05mLをジクロロメタン15mLに溶解し、25℃で20分間撹拌する。次いで1-メチル-4-アミノピペリジン33mgを添加し、その混合物を25℃で更に3時間撹拌する。その溶液を水20mLで抽出し、次いで真空で乾燥させる。エーテルを使用して生成物を結晶化する。収量:白色の結晶0.047g
実施例203
化合物Z2 0.1g、TBTU0.09g、DIPEA0.5mLをジクロロメタン15mLに溶解し、25℃で30分間撹拌する。次いで4-アミノ-1-ベンジルピペリジン50mgを添加し、その混合物を25℃で更に3時間撹拌する。その溶液を水20mLで抽出し、次いで真空で蒸発させる。次いで残渣をシリカゲルでクロマトグラフィーにかけ、単離した生成物をエーテルで結晶化する。収量:白色の結晶0.015g
【0075】
実施例94
化合物Z1 0.17g、TBTU0.19g、DIPEA0.11mLをジクロロメタン50mLに溶解し、25℃で30分間撹拌する。次いで1-メチル-4-アミノピペリジン63mgを添加し、その混合物を25℃で更に17時間撹拌する。水50mL及び炭酸カリウム1gをその溶液に添加し、相分離カートリッジを使用して有機相を分離し、次いで真空で蒸発させる。次いで生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、精製した生成物をエーテルで結晶化する。収量:白色の結晶0.1g
実施例95
化合物Z1 0.17g、TBTU0.19g、DIPEA0.11mLをジクロロメタン50mLに溶解し、25℃で30分間撹拌する。次いでエキソ-3-β-アミノ-トロパン77mgを添加し、その混合物を25℃で更に17時間撹拌する。水50mL及び炭酸カリウム1gをその溶液に添加し、相分離カートリッジを使用して有機相を分離し、次いで真空で蒸発させる。次いで生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、精製した生成物をエーテルで結晶化する。収量:白色の結晶0.03g
実施例46
化合物Z3 0.15g、TBTU0.12g、DIPEA0.12mLをジクロロメタン5mLに溶解し、25℃で30分間撹拌する。次いで1-メチル-4-アミノピペリジン50mgを添加し、その混合物を25℃で更に2.5時間撹拌する。次いでその溶液を水で抽出し、次いで蒸発させる。残渣を温かい酢酸エチルに溶解し、エーテル及び石油エーテルから結晶化する。収量:白色の結晶0.025g
実施例80
化合物Z8 0.2g、TBTU0.2g、DIPEA0.1mLをジクロロメタン10mLに溶解し、25℃で30分間撹拌する。次いで1-メチル-4-アミノピペリジン100mgを添加し、その混合物を25℃で更に17時間撹拌する。次いでその溶液を希薄な炭酸カリウム溶液で抽出し、蒸発させる。エーテルを使用して残渣を結晶化する。収量:白色の結晶0.12g
【0076】
実施例190
化合物Z8 0.2g、TBTU0.2g、DIPEA0.3mLをジクロロメタン5mLに溶解し、25℃で1時間撹拌する。次いで4-アミノ-1-ベンジルピペリジン0.13gを添加し、その混合物を25℃で更に1時間撹拌する。次いでその溶液を塩化メチレン10mLで希釈し、水20mLで抽出する。次いで生成物をシリカゲルで精製し、酢酸エチル及びエーテルから結晶化する。収量:化合物Z8 0.23g
ベンジルアミンZ8 0.23gをメタノール10mLに溶解し、Pd/C50mgと合わせ、3バールで3時間にわたって25℃で水素化する。石油エーテル及び酢酸エチルを添加することにより、白色の結晶を生成する。これらをシリカゲルでクロマトグラフィーにかけ、酢酸エチル及びエーテルから結晶化する。収量:白色の結晶0.075g
実施例196
化合物Z10 0.1g、TBTU0.09g、DIPEA0.3mLをジクロロメタン4mLに溶解し、25℃で20分間撹拌する。次いでアミン67mgを添加し、25℃で更に2時間撹拌する。次いでその溶液をジクロロメタンで希釈し、水で抽出する。次いでそれをシリカゲルでクロマトグラフィーにかけ、残渣をアセトンに溶解し、エーテル性HClと合わせ、生成した沈殿を単離する。収量:明黄色の固体0.09g
実施例166
化合物Z10 0.1g、TBTU0.11g、DIPEA0.14mLをジメチルホルムアミド2mLに溶解し、50℃で3時間撹拌する。次いで4-モルホリノメチルフェニルアミン55mgを添加する。次いでその反応混合物を17時間以内に周囲温度に冷却する。次いでジメチルホルムアミドを真空で除き、残渣をジクロロメタンに吸収させ、水で抽出する。次いでそれをシリカゲルでクロマトグラフィーにかけ、生成物を酢酸エチル及びエーテルから結晶化する。収量:黄色の結晶0.06g
【0077】
実施例81
化合物Z4 0.2g、TBTU0.2g、DIPEA0.1mLをジクロロメタン10mLに溶解し、25℃で30分間撹拌する。次いで1-メチル-4-アミノピペリジン0.1gを添加し、その混合物を25℃で更に17時間撹拌する。次いでその溶液を炭酸カリウム水溶液で抽出し、次いで蒸発させる。エーテルを使用して生成物を結晶化する。収量:白色の結晶0.16g
実施例162
化合物Z5 0.1g、TBTU0.07g、DIPEA0.15mLをジクロロメタン5mLに溶解し、25℃で20分間撹拌する。次いで1-メチル-4-アミノピペリジン0.04gを添加し、その混合物を25℃で更に2時間撹拌する。次いでその溶液をジクロロメタン15mLで希釈し、水20mLで抽出する。残渣をMeOH及びアセトンに溶解し、エーテル性HCl 1mLと合わせ、蒸発させる。エーテル、酢酸エチル及び少量のMeOHを使用して結晶性生成物を生成する。収量:白色の結晶0.1g
実施例88
化合物Z6 0.1g、TBTU0.12g、DIPEA0.12mLをジクロロメタン10mLに溶解し、25℃で30分間撹拌する。次いで1-メチル-4-アミノピペリジン0.04gを添加し、その混合物を25℃で更に2時間撹拌する。次いでその溶液をジクロロメタン10mLで希釈し、水10mLで抽出する。エーテル、酢酸エチル及び石油エーテルを使用して結晶性生成物を生成する。収量:白色の結晶0.6g
実施例89
化合物Z6 0.1g、TBTU0.08g、DIPEA0.08mLをジクロロメタン10mLに溶解し、25℃で30分間撹拌する。次いでN,N-ジメチルネオペンタンジアミン37μLを添加し、その混合物を25℃で更に2時間撹拌する。次いでその溶液をジクロロメタン10mLで希釈し、水10mLで抽出する。次いで生成物をシリカゲルでクロマトグラフィーにかけ、酢酸エチル、エーテル及び石油エーテルから結晶化する。収量:白色の結晶0.005g
実施例26
化合物Z7 0.15g、TBTU0.16g、DIPEA1mLをジクロロメタン5mLに溶解し、25℃で30分間撹拌する。次いで4-モルホリノシクロヘキシルアミン0.1gを添加し、その混合物を25℃で更に17時間撹拌する。次いで残渣を10%の炭酸カリウム溶液10mLと合わせ、沈殿を単離し、水洗する。次いでそれをジクロロメタンに溶解し、再度蒸発させる。生成物を酢酸エチルから結晶化する。収量:白色の結晶0.1g
【0078】
実施例9
化合物Z9 150mg及びアミン93mgをジクロロメタン5mLに溶解し、12時間にわたって室温でTBTU160mg及びDIPEA1mLとともに撹拌する。溶媒を真空で除き、残渣を10%の炭酸カリウム溶液10mLと合わせる。沈殿を吸引濾過し、水洗し、ジクロロメタンに吸収させ、乾燥させ、溶媒を真空で除く。残渣を酢酸エチルから結晶化する。収量:82.0mg
実施例16
化合物Z8 150mg及びトランス-4-ピペリジノ-シクロヘキシルアミン73mgをジクロロメタン5mLに溶解し、12時間にわたって室温でTBTU160mg(0.50ミリモル)及びDIPEA1mLとともに撹拌する。溶媒を真空で除き、残渣を10%の炭酸カリウム溶液10mLと合わせる。沈殿を吸引濾過し、水洗し、ジクロロメタンに吸収させ、乾燥させ、溶媒を真空で除く。残渣を酢酸エチルから結晶化する。収量:87.0mg
化合物Z9 100mg及び3-アミノ-1-エチル-ピロリジン42mgをジクロロメタン10mLに溶解し、12時間にわたって室温でTBTU90mg及びDIPEA0.5mLとともに撹拌する。溶媒を真空で除き、残渣を10%の炭酸カリウム溶液10mLと合わせる。沈殿を吸引濾過し、水洗し、ジクロロメタンに吸収させ、乾燥させ、溶媒を真空で除く。残渣を酢酸エチル/石油エーテルから結晶化する。収量:24.0mg
【0079】
実施例120
化合物Z11 100mg及び4-アミノ-1-テトラヒドロ-4H-ピラン-4-イル-ピペリジン73mgをジクロロメタン10mLに溶解し、1時間にわたって室温でTBTU90mg及びDIPEA0.5mLとともに撹拌する。溶媒を真空で除き、残渣を10%の炭酸カリウム溶液10mLと合わせる。沈殿を吸引濾過し、水洗し、ジクロロメタンに吸収させ、乾燥させ、溶媒を真空で除く。残渣を酢酸エチル/石油エーテルから結晶化する。収量:89mg
実施例212
化合物Z5 150mg及びトランス-4-(4-シクロプロピルメチル-ピペラジン-1-イル)-シクロヘキシルアミン(塩酸塩として)150mgをジクロロメタン5mLに溶解し、2時間にわたって室温でTBTU160mg及びDIPEA2mLとともに撹拌する。溶媒を真空で除き、残渣を10%の炭酸カリウム溶液10mLと合わせる。沈殿を吸引濾過し、水洗し、ジクロロメタンに吸収させ、乾燥させ、溶媒を真空で除く。残渣をカラム(シリカゲル20mL、300mLの酢酸エチル90/メタノール10+2%の濃アンモニア)で精製する。適当な画分を真空で蒸発させ、酢酸エチルから結晶化する。収量:140mg
実施例232
化合物Z11 390mg及びトランス-4-(4-tブチルオキシカルボニル-ピペラジン-1-イル)-シクロヘキシルアミン240mgをNMP2.5mLに溶解し、2時間にわたって室温でTBTU482mg及びトリエチルアミン1mLとともに撹拌する。次いで水100mL及び炭酸カリウム200mgを添加し、沈殿を吸引濾過し、水洗し、シリカゲルカラムにより精製する。適当な画分を真空で蒸発させ、ジクロロメタン2mLに溶解し、トリフルオロ酢酸2mLと合わせ、室温で2時間撹拌し、水更に100ml及び炭酸カリウム200mgと合わせ、沈殿を吸引濾過し、水洗する。次いで沈殿をシリカゲルカラムにより精製する。適当な画分を真空で蒸発させ、残渣をエタノール及び濃塩酸から結晶化する。収量:95mg
【0080】
実施例213
実施例232の化合物60mgを酢酸エチル10mLに溶解し、30分間にわたって室温で無水酢酸1mL及びトリエチルアミン1mLとともに撹拌する。溶媒を真空で除き、残渣を水及びアンモニアと合わせ、沈殿した結晶を吸引濾過し、水及び少量の冷アセトンで洗浄する。収量:40mg
実施例218
化合物Z9 1.2g及び1,4-ジオキサスピロ〔4.5〕デカ-8-イルアミン0.5gをジクロロメタン20mLに溶解し、12時間にわたって室温でTBTU1.28g及びトリエチルアミン4mLとともに撹拌した。次いで水50mL及び炭酸カリウム0.5gを添加し、有機相を分離し、乾燥させ、真空で蒸発させる。残渣を酢酸エチルから結晶化し、1N塩酸25mL及びメタノール20mLと合わせ、50℃で30分間撹拌する。メタノールを真空で除き、沈殿を吸引濾過し、水洗し、乾燥させる。残渣をジクロロメタン20mLに吸収させ、12時間にわたって室温でチオモルホリン0.5g及びNaBH(OAc)3 0.5gとともに撹拌する。次いで水及び炭酸カリウムを添加し、有機相を分離し、乾燥させ、溶媒を真空で除く。残渣をシリカゲルカラムで精製する。適当な画分を真空で蒸発させ、塩酸塩をエーテル性HClで沈殿させる。収量:トランス-異性体86mg;無定形の粉末
実施例187
ジクロロメタン5mL中の化合物Z3 200mgをジイソプロピルエチルアミン0.1mL及びTBTU180mgと合わせ、30分間撹拌する。次いで4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-フェニルアミン191mgを添加し、その混合物を一夜撹拌する。その反応混合物を水と合わせ、水相をジクロロメタンで抽出する。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥させ、蒸発させる。残渣をカラムクロマトグラフィー(溶離剤:ジクロロメタン/メタノール100:7)により精製する。
収量:128mg(明黄色の結晶)
とりわけ、表1にリストした式(I)の化合物を前記操作と同様にして得る。表1中に使用した略号X1、X2、X3、X4及びX5は夫々の場合に相当する基R1、R2、R3、R4及びL-R5に代えて表1に示される一般式中の位置への結合を表す。
【0081】
【表1】

【0082】
【表2】

【0083】
【表3】

【0084】
【表4】

【0085】
【表5】

【0086】
【表6】

【0087】
【表7】

【0088】
【表8】

【0089】
【表9】

【0090】
【表10】

【0091】
【表11】

【0092】
【表12】

【0093】
【表13】

【0094】
【表14】

【0095】
【表15】

【0096】
【表16】

【0097】
【表17】

【0098】
【表18】

【0099】
【表19】

【0100】
【表20】

【0101】
【表21】

【0102】
【表22】

【0103】
【表23】

【0104】
【表24】

【0105】
【表25】

【0106】
【表26】

【0107】
【表27】

【0108】
【表28】

【0109】
【表29】

【0110】
【表30】

【0111】
【表31】

【0112】
【表32】

【0113】
【表33】

【0114】
【表34】

【0115】
【表35】

【0116】
【表36】

【0117】
【表37】

【0118】
【表38】

【0119】
【表39】

【0120】
【表40】

【0121】
【表41】

【0122】
【表42】

【0123】
【表43】

【0124】
【表44】

【0125】
【表45】

【0126】
【表46】

【0127】
【表47】

【0128】
【表48】

【0129】
【表49】

【0130】
【表50】

【図面の簡単な説明】
【0131】
【図1.1】30mg/kgの表1の例示化合物Nr.46、12.5mg/kgのイリノテカン又は両方による治療に対するHCT116腫瘍応答。HCT116腫瘍を有するマウスを30mg/kgの表1の例示化合物Nr.46週1回((q7d)x10)、12.5mg/kgのイリノテカン週1回((q7d)x10)、平行に両方((q7d)x10)又はビヒクルのみ週1回で静脈内で治療し、メジアン腫瘍容積を時間にわたってプロットした。1日目が最初の日であり、64日目が治療の最後の日であり、121日目が研究の最終日であった。△は治療日を示す。
【図1.2】HCT116腫瘍が1000mm3の容積に達するまでの日数。HCT116腫瘍を有するマウスを30mg/kgの表1の例示化合物Nr.46、i.v.、週1回((q7d)x10)、12.5mg/kgのイリノテカン、i.p.、週1回((q7d)x10)、又は夫々の用量で両方の化合物の組み合わせ((q7d)x10)で治療した。ビヒクルで治療したマウス(週1回)を対照として使用した。HCT116腫瘍が1000mm3の容積に達するまでの個々の日数をプロットした。夫々の記号は一つの個々の腫瘍を表す。水平線は平均日数を表す。
【図1.3】30mg/kgの表1の例示化合物Nr.46、12.5mg/kgのイリノテカン又は両方による治療に応答する体重の変化。HCT116腫瘍を有するマウスを30mg/kgの表1の例示化合物Nr.46週1回((q7d)x10)、12.5mg/kgのイリノテカン週1回((q7d)x10)、平行に両方((q7d)x10)又はビヒクルのみ週1回で静脈内で治療し、体重の平均変化を時間にわたってプロットした。1日目は最初の日であり、64日目は治療の最後の日であり、121日目は研究の最終日である。▲は治療日を示す。
【図2.1】50mg/kgの表1の例示化合物Nr.46、15mg/kgのドセタキセル又は両方による治療に対するNCI-H460腫瘍応答。NCI-H460腫瘍を有するマウスを50mg/kgの表1の例示化合物Nr.46週1回((q7d)x4)、15mg/kgのドセタキセル週1回((q7d)x4)、平行に両方又はビヒクルのみ週1回で静脈内で治療し、メジアン腫瘍容積を時間にわたってプロットした。1日目が最初の日であり、25日目が治療の最後の日であり、43日目がメジアン腫瘍容積の計算の最後の日であった。△は治療日を示す。
【図2.2】NCI-H460腫瘍が1000mm3の容積に達するまでの日数。NCI-H460腫瘍を有するマウスを50mg/kgの表1の例示化合物Nr.46、i.v.、週1回((q7d)x4)、15mg/kgのドセタキセル、i.v.、週1回((q7d)x4)、又は同じ用量で両方の化合物の組み合わせで治療した。ビヒクルで治療したマウス(週1回)を対照として使用した。NCI-H460腫瘍が1000mm3の容積に達するまでの個々の日数をプロットした。夫々の記号は一つの個々の腫瘍を表す。水平線はメジアン日数を表す。
【図2.3】50mg/kgの表1の例示化合物Nr.46、15mg/kgのドセタキセル又は両方による治療に応答する体重の変化。NCI-H460腫瘍を有するマウスを50mg/kgの表1の例示化合物Nr.46週1回((q7d)x4)、15mg/kgのドセタキセル週1回((q7d)x4)、平行に両方又はビヒクルのみ週1回で静脈内で治療し、体重の平均変化を時間にわたってプロットした。1日目は最初の日であり、25日目は治療の最後の日であり、43日目はメジアン体重の計算の最後の日であった。△は治療日を示す。
【図3.1】50mg/kgの表1の例示化合物Nr.46、100mg/kgのゲムシタビン又は両方による治療に対するBxPC-3腫瘍応答。BxPC-3腫瘍を有するマウスを50mg/kgの表1の例示化合物Nr.46週1回((q7d)x6)、100mg/kgのゲムシタビン週1回((q7d)x6)、平行に両方又はビヒクルのみ週1回で静脈内で治療し、メジアン腫瘍容積を時間にわたってプロットした。1日目が最初の日であり、36日目が治療の最後の日であり、26日目がメジアン腫瘍容積の計算の最後の日であった。
【図3.2】50mg/kgの表1の例示化合物Nr.46、100mg/kgのゲムシタビン又は両方による治療に応答する体重の変化。BxPC-3腫瘍を有するマウスを50mg/kgの表1の例示化合物Nr.46週1回((q7d)x6)、100mg/kgのゲムシタビン週1回((q7d)x6)、平行に両方又はビヒクルのみ週1回で静脈内で治療し、体重の平均変化を時間にわたってプロットした。1日目は最初の日であり、36日目は治療の最後の日であり、43日目はメジアン体重の計算の最後の日であった。▲は治療日を示す。
【図1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
癌細胞の細胞増殖、移動もしくはアポトーシス、又は血管形成を伴う疾患の治療における同時、別々又は逐次の使用のための組み合わされた製剤の形態の、有効量の (i) 下記式(I)の化合物(必要によりその互変異性体、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー又はこれらの混合物の形態、また必要によりこれらの薬理学上許される酸付加塩、溶媒和物、水和物、多形、生理学的に機能性の誘導体又はプロドラッグの形態であってもよい)
【化1】

〔式中、
R1、R2(これらは同じであってもよく、また異なっていてもよい)は水素もしくは必要により置換されていてもよいC1-C6-アルキルを表し、又は
R1及びR2は一緒になって2〜5員アルキルブリッジ(これは1〜2個のヘテロ原子を含んでもよい)を表し、
R3は水素もしくは必要により置換されていてもよいC1-C12-アルキル、C2-C12-アルケニル、C2-C12-アルキニル及びC6-C14-アリールの中から選ばれた基、又は
必要により置換されていてもよく、かつ/又はブリッジされていてもよいC3-C12-シクロアルキル、C3-C12-シクロアルケニル、C7-C12-ポリシクロアルキル、C7-C12-ポリシクロアルケニル、C5-C12-スピロシクロアルキル、C3-C12-ヘテロシクロアルキル(これは1〜2個のヘテロ原子を含む)、及びC3-C12-ヘテロシクロアルケニル(これは1〜2個のヘテロ原子を含む)の中から選ばれた基を表し、或いは
R1とR3又はR2とR3は一緒になって飽和又は不飽和C3-C4-アルキルブリッジ(これは1個のヘテロ原子を含んでもよい)を表し、
R4は水素、-CN、ヒドロキシ、-NR6R7及びハロゲンの中から選ばれた基、又は
必要により置換されていてもよいC1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C1-C5-アルキルオキシ、C2-C5-アルケニルオキシ、C2-C5-アルキニルオキシ、C1-C6-アルキルチオ、C1-C6-アルキルスルホキソ及びC1-C6-アルキルスルホニルの中から選ばれた基を表し、
Lは必要により置換されていてもよいC2-C10-アルキル、C2-C10-アルケニル、C6-C14-アリール、-C2-C4-アルキル-C6-C14-アリール、-C6-C14-アリール-C1-C4-アルキル、必要によりブリッジされていてもよいC3-C12-シクロアルキル及びヘテロアリール(これは1個又は2個の窒素原子を含む)の中から選ばれたリンカーを表し、
nは0又は1を表し、
mは1又は2を表し、
R5は必要により置換されていてもよいモルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピペラジニルカルボニル、ピロリジニル、トロペニル、R8-ジケトメチルピペラジニル、スルホキソモルホリニル、スルホニルモルホリニル、チオモルホリニル、-NR8R9及びアザシクロヘプチルの中から選ばれた基を表し、
R6、R7(これらは同じであってもよく、また異なっていてもよい)は水素又はC1-C4-アルキルを表し、かつ
R8、R9はR5にある未置換窒素置換基を表し、これらは同じであってもよく、また異なっていてもよく、水素又はC1-C6-アルキル、-C1-C4-アルキル-C3-C10-シクロアルキル、C3-C10-シクロアルキル、C6-C14-アリール、-C1-C4-アルキル-C6-C14-アリール、ピラニル、ピリジニル、ピリミジニル、C1-C4-アルキルオキシカルボニル、C6-C14-アリールカルボニル、C1-C4-アルキルカルボニル、C6-C14-アリールメチルオキシカルボニル、C6-C14-アリールスルホニル、C1-C4-アルキルスルホニル及びC6-C14-アリール-C1-C4-アルキルスルホニルの中から選ばれた基を表す〕、及び
(ii) 少なくとも一種の更なる化学治療薬又は天然産、半合成もしくは合成の治療薬を含み、
必要により一種以上の医薬上許される賦形剤と組み合わされてもよく、必要により放射線療法又は放射線免疫療法との同時治療に適していてもよい医薬組成物。
【請求項2】
化合物が下記の表
【化2】

【化3】

【化4】

(表中に使用される略号X1、X2、X3、X4及びX5は夫々の場合に相当する基R1、R2、R3、R4及びL-R5に代えて表中に示される一般式中の位置への結合を表す)
に示された式(I)の化合物からなる群から選ばれる、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項3】
更なる化学治療薬又は天然産、半合成もしくは合成の治療薬が合成小分子VEGF受容体アンタゴニスト、小分子成長因子受容体アンタゴニスト、EGF受容体及び/又はVEGF受容体及び/又はインテグリン受容体又はあらゆるその他のタンパク質チロシンキナーゼ受容体のインヒビター(これらは合成小分子のもとに分類されない)、EGF受容体及び/又はVEGF受容体及び/又はインテグリン受容体又はあらゆるその他のタンパク質チロシンキナーゼ受容体に誘導されるインヒビター(これらは融合タンパク質である)、核酸と相互作用し、アルキル化剤又は白金化合物として分類される化合物、核酸と相互作用し、アントラサイクリン、DNAインターカレーター又はDNA架橋剤(DNA小溝結合化合物を含む)として分類される化合物、坑代謝産物、天然産、半合成又は合成ブレオマイシン型抗生物質、DNA転写酵素のインヒビター、及び特にトポイソメラーゼI又はトポイソメラーゼIIインヒビター、クロマチン修飾剤、有糸分裂インヒビター、坑有糸分裂剤、細胞サイクルインヒビター、プロテアソームインヒビター、酵素、ホルモン、ホルモンアンタゴニスト、ホルモンインヒビター、ステロイド生合成のインヒビター、ステロイド、サイトカイン、低酸素症選択的サイトトキシン、サイトカインのインヒビター、リンホカイン、サイトカインに対し誘導される抗体、経口及び非経口のトレランス誘導剤、支持薬剤、化学放射線感作剤及び保護剤、光化学的活性化薬物、合成ポリヌクレオチド又はオリゴヌクレオチド、必要により修飾されてもよく、又はコンジュゲートされてもよい、非ステロイド抗炎症薬、細胞傷害抗生物質、成長因子又はそれらの受容体を標的とする抗体、癌細胞の表面分子を標的とする抗体、メタロプロテイナーゼのインヒビター、金属、オンコジーンのインヒビター、遺伝子転写もしくはRNA翻訳又はタンパク質発現のインヒビター、希土類元素の錯体、一種以上のABCトランスポーターにより媒介されるヒアルロナンの輸送を減少する化合物、及び光化学治療薬からなる群から選ばれる、請求項1又は2記載の医薬組成物。
【請求項4】
更なる化学治療薬又は天然産、半合成もしくは合成の治療薬が小分子VEGF受容体アンタゴニスト、例えば、バタラニブ(PTK-787/ZK222584)、SU-5416、SU-6668、SU-11248、SU-14813、AZD-6474、AZD-2171、CP-547632、CEP-7055、AG-013736、IM-842又はGW-786034、二重EGFR/HER2アンタゴニスト、例えば、ゲフィチニブ、エルロチニブ、CI-1033又はGW-2016、EGFRアンタゴニスト、例えば、イレッサ(ZD-1839)、タルセバ(OSI-774)、PKI-166、EKB-569、HKI-272又はヘルセプチン、マイトジェン活性化タンパク質キナーゼのアンタゴニスト、例えば、BAY-43-9006又はBAY-57-9006、キナゾリン誘導体、例えば、4-〔(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ〕-6-{〔4-(N,N-ジメチルアミノ)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル〕アミノ}-7-((S)-テトラヒドロフラン-3-イルオキシ)-キナゾリン又は4-〔(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ〕-6-{〔4-(ホモモルホリン-4-イル)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル〕アミノ}-7-〔(S)-(テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ〕-キナゾリン、又はこれらの医薬上許される塩、合成小分子のもとに分類されないタンパク質キナーゼ受容体アンタゴニスト、例えば、アトラセンタン、リツキシマブ、セツキシマブ、アバスチンTM(ベバシズマブ)、IMC-1C11、エルビツクス(C-225)、DC-101、EMD-72000、ビタキシン、イマチニブ、タンパク質チロシンキナーゼインヒビター(これは融合タンパク質である)、例えば、VEGFトラップ、アルキル化剤又は白金化合物、例えば、メルファラン、シクロホスファミド、オキサザホスホリン、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、サトラプラチン、テトラプラチン、イプロプラチン、マイトマイシン、ストレプトゾシン、カルムスチン(BCNU)、ロムスチン(CCNU)、ブスルファン、イフォスファミド、ストレプトゾシン、チオテパ、クロラムブシル、ナイトロジェンマスタード、例えば、メクロレタミン、エチレンイミン化合物、アルキルスルホネート、ダウノルビシン、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、リポソームのドキソルビシン(ドキシル)、エピルビシン、イダルビシン、ミトキサントロン、アムサクリン、ダクチノマイシン、ジスタマイシン又はこれらの誘導体、ネトロプシン、ピメンジモール、マイトマイシン、CC-1065、デュオカルマイシン、ミトラマイシン、クロモマイシン、オリボマイシン、フタラニリド、例えば、プロパミジン又はスチルバミジン、アントラマイシン、アジリジン、ニトロソ尿素又はその誘導体、ピリミジン又はプリン類似体又はヌクレオシドジホスフェートレダクターゼのアンタゴニストもしくはインヒビター、例えば、シタラビン、5-フルオロウラシル(5-FU)、ペメトレキセド、テガフル/ウラシル、ウラシルマスタード、フルダラビン、ゲムシタビン、カペシタビン、メルカプトプリン、クラドリビン、チオグアニン、メトトレキセート、ペントスタチン、ヒドロキシ尿素、又は葉酸、フレオマイシン、ブレオマイシン又はその誘導体もしくは塩、CHPP、BZPP、MTPP、BAPP、リブロマイシン、アクリジン又はその誘導体、リファマイシン、アクチノマイシン、アドラマイシン、カンプトテシン、例えば、イリノテカン又はトポテカン、アムサクリン又はその類似体、三環式カルボキサミド、ヒストンデアセチラーゼインヒビター、例えば、SAHA、MD-275、トリコスタチンA、CBHA、LAQ824、又はバルプロ酸、植物からの坑癌薬、例えば、パクリタキセル(タキソール)、ドセタキセル又はタキソテール、ビンカアルカロイド、例えば、ナベルビン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン又はビノレルビン、トロポロンアルカロイド、例えば、コルヒシン又はその誘導体、マクロリド、例えば、マイタンシン、アンサミトシン又はリゾキシン、坑有糸分裂ペプチド、例えば、フォモプシン又はドラスタチン、エピポドフィロトキシン又はポドフィロトキシンの誘導体、例えば、エトポシド又はテニポシド、ステガナシン、坑有糸分裂カルバメート誘導体、例えば、コムブレタスタチン又はアンフェチニル、プロカルバジン、プロテアソームインヒビター、例えば、ボルテゾミブ、酵素、例えば、アスパラギナーゼ、ペギル化アスパラギナーゼ(ペガスパルガーゼ)又はチミジン-ホスホリラーゼインヒビター、ゲスタゲン又はエストロゲン、例えば、エストラムスチン(T-66)又はメゲストロール、アンチアンドロゲン、例えば、フルタミド、カソデクス、アナンドロン又はシプロテロンアセテート、アロマターゼインヒビター、例えば、アミノグルテチミド、アナストロゾール、ホルメスタン又はレトロゾール、GNrH類似体、例えば、リュープロレリン、ブセレリン、ゴセレリン又はトリプトレリン、アンチエストロゲン、例えば、タモキシフェン又はそのクエン酸塩、ドロロキシフェン、トリオキシフェン、ラロキシフェン又はジンドキシフェン、17β-エストラジオールの誘導体、例えば、ICI 164,384又はICI 182,780、アミノグルテチミド、ホルメスタン、ファドロゾール、フィナステリド、ケトコナゾール、LH-RHアンタゴニスト、例えば、リュープロリド、ステロイド、例えば、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、デキサメタゾン、ブデノシド、フルオコルトロン又はトリアムシノロン、インターフェロン、例えば、インターフェロンβ、インターロイキン、例えば、IL-10又はIL-12、坑TNFα抗体、例えば、エタネルセプト、免疫調節薬、例えば、サリドマイド、そのR-鏡像体及びS-鏡像体並びにその誘導体、又はレビミド(CC-5013)、ロイコトリエンアンタゴニスト、マイトマイシンC、アジリドキノン、例えば、BMY-42355、AZQ又はEO-9、2-ニトロイミダゾール、例えば、ミソニダゾール、NLP-1又はNLA-1、ニトロアクリジン、ニトロキノリン、ニトロピラゾロアクリジン、“二重機能”ニトロ芳香族化合物、例えば、RSU-1069又はRB-6145、CB-1954、ナイトロジェンマスタードのN-オキサイド、例えば、ニトロミン、ナイトロジェンマスタードの金属錯体、坑CD3抗体又は坑CD25抗体、トレランス誘導剤、ビホスホネート又はその誘導体、例えば、ミノドロン酸又はその誘導体(YM-529、Ono-5920、YH-529)、ゾレドロン酸一水和物、イバンドロネートナトリウム水和物又はクロドロネート二ナトリウム、ニトロイミダゾール、例えば、メトロニダゾール、ミソニダゾール、ベンズニダゾール又はニモラゾール、ニトロアリール化合物、例えば、RSU-1069、ニトロキシル又はN-オキサイド、例えば、SR-4233、ハロゲン化ピリミジン類似体、例えば、ブロモデオキシウリジン、ヨードデオキシウリジン、チオホスフェート、例えば、WR-2721、光化学活性化薬物、例えば、ポルフィマー、フォトフリン、ベンゾポルフィリン誘導体、フェオホルビド誘導体、メロシアニン540(MC-540)又はスズエチオポルプリン、アンチテンプレート又はアンチセンスRNA又はDNA、例えば、オブリメルセン、非ステロイド炎症薬、例えば、アセチルサリチル酸、メサラジン、イブプロフェン、ナプロキセン、フルビプロフェン、フェノプロフェン、フェンブフェン、ケトプロフェン、インドプロフェン、ピルプロフェン、カルプロフェン、オキサプロジン、プラノプロフェン、ミロプロフェン、チオキサプロフェン、スプロフェン、アルミノプロフェン、チアプロフェン酸、フルプロフェン、インドメタシン、スリンダック、トルメチン、ゾメピラック、ナブメトン、ジクロフェナック、フェンクロフェナック、アルクロフェナック、ブロムフェナック、イブフェナック、アセクロフェナック、アセメタシン、フェンチアザック、クリダナック、エトドラック、オキシピナック、メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸、ニフルミン酸、トルフェナム酸、ジフルニサール、フルフェニサール、ピロキシカム、テノキシカム、ロルノキシカム、ニメスリド、メロキシカム、セレコキシブ、ロフェコキシブ、又は非ステロイド炎症薬の医薬上許される塩、細胞傷害抗生物質、癌細胞の表面分子を標的とする抗体、例えば、アポリズマブ又は1D09C3、メタロプロテイナーゼのインヒビター、例えば、TIMP-1又はTIMP-2、亜鉛、オンコジーンのインヒビター、例えば、P53及びRb、希土類元素の錯体、例えば、ランタニドの複素環錯体、光化学治療薬、例えば、PUVA、転写因子複合体ESX/DRIP130/Sur-2のインヒビター、HER-2発現のインヒビター、例えば、熱ショックタンパク質HSP90モジュレーターゲルダナマイシン及びその誘導体17-アリルアミノゲルダナマイシン又は17-AAG、P-糖タンパク質(P-gp)インヒビター分子又はインヒビターペプチドから選ばれた一種以上のABCトランスポーターにより媒介されるヒアルノナンの輸送を減少する化合物、MRP1インヒビター、ABCトランスポーターに対し誘導され、かつブロックすることができる抗体、アンチセンスオリゴマー、iRNA、siRNA又は一種以上のABCトランスポーターに対し誘導されるアプタマー、又はIM-842、テトラチオモリブデート、スクアラミン、コンブレスタチンA4、TNP-470、マリマスタット、ネオバスタット、ビカルタミド、アバレリクス、オレゴボマブ、ミツモマブ、TLK-286、アレムツズマブ、イブリツモマブ、テモゾロミド、デニロイキンジフチトクス、アルデスロイキン、デカルバジン、フロクスウリジン、プリカマイシン、ミトタン、ピポブロマン、プリカマイシン、タムロキシフェン及びテストラクトンから選ばれた治療薬からなる群から選ばれる、請求項1又は2記載の医薬組み合わせ。
【請求項5】
更なる化学治療薬又は天然産、半合成もしくは合成の治療薬が植物からの坑癌薬、例えば、パクリタキセル(タキソール)、ドセタキセル又はタキソテール、ビンカアルカロイド、例えば、ナベルビン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン又はビノレルビン、アルキル化剤又は白金化合物、例えば、メルファラン、シクロホスファミド、オキサザホスホリン、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、サトラプラチン、テトラプラチン、イプロプラチン、マイトマイシン、ストレプトゾシン、カルムスチン(BCNU)、ロムスチン(CCNU)、ブスルファン、イフォスファミド、ストレプトゾシン、チオテパ、クロラムブシル、ナイトロジェンマスタード、例えば、メクロレタミン、免疫調節薬、例えば、サリドマイド、そのR-鏡像体及びS-鏡像体並びにその誘導体、又はレビミド(CC-5013)、エチレンイミン化合物、アルキルスルホネート、ダウノルビシン、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、リポソームのドキソルビシン(ドキシル)、エピルビシン、イダルビシン、ミトキサントロン、アムサクリン、ダクチノマイシン、ジスタマイシン又はこれらの誘導体、ネトロプシン、ピベンジモール、マイトマイシン、CC-1065、デュオカルマイシン、ミトラマイシン、クロモマイシン、オリボマイシン、フタラニリド、例えば、プロパミジン又はスチルバミジン、アントラマイシン、アジリジン、ニトロソ尿素又はその誘導体、ピリミジン又はプリン類似体又はヌクレオシドジホスフェートレダクターゼのアンタゴニストもしくはインヒビター、例えば、シタラビン、5-フルオロウラシル(5-FU)、ペメトレキセド、テガフル/ウラシル、ウラシルマスタード、フルダラビン、ゲムシタビン、カペシタビン、メルカプトプリン、クラドリビン、チオグアニン、メトトレキセート、ペントスタチン、ヒドロキシ尿素、又は葉酸、アクリジン又はその誘導体、リファマイシン、アクチノマイシン、アドラマイシン、カンプトテシン、例えば、イリノテカン又はトポテカン、アムサクリン又はその類似体、三環式カルボキサミド、ヒストンデアセチラーゼインヒビター、例えば、SAHA、MD-275、トリコスタチンA、CBHA、LAQ824、又はバルプロ酸、プロテアソームインヒビター、例えば、ボルテゾミブ、小分子VEGF受容体アンタゴニスト、例えば、バタラニブ(PTK-787/ZK222584)、SU-5416、SU-6668、SU-11248、SU-14813、AZD-6474、AZD-2171、CP-547632、CEP-7055、AG-013736、IM-842又はGW-786034、マイトジェン活性化タンパク質キナーゼのアンタゴニスト、例えば、BAY-43-9006又はBAY-57-9006、二重EGFR/HER2アンタゴニスト、例えば、ゲフィチニブ、エルロチニブ、CI-1033又はGW-2016、EGFRアンタゴニスト、例えば、イレッサ(ZD-1839)、タルセバ(OSI-774)、PKI-166、EKB-569、HKI-272又はヘルセプチン、キナゾリン誘導体、例えば、4-〔(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ〕-6-{〔4-(N,N-ジメチルアミノ)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル〕アミノ}-7-((S)-テトラヒドロフラン-3-イルオキシ)-キナゾリン又は4-〔(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ〕-6-{〔4-(ホモモルホリン-4-イル)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル〕アミノ}-7-〔(S)-(テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ〕-キナゾリン、又はこれらの医薬上許される塩、転写因子複合体ESX/DRIP130/Sur-2のインヒビター、HER-2発現のインヒビター、例えば、熱ショックタンパク質HSP90モジュレーターゲルダナマイシン及びその誘導体17-アリルアミノゲルダナマイシン又は17-AAG、合成小分子のもとに分類されないタンパク質キナーゼ受容体アンタゴニスト、例えば、アトラセンタン、リツキシマブ、セツキシマブ、アバスチンTM(ベバシズマブ)、IMC-1C11、エルビツクス(C-225)、DC-101、EMD-72000、ビタキシン、イマチニブ、P-糖タンパク質(P-gp)インヒビター分子、例えば、ゾスクイダー(LY335973)、その塩(特に三塩化物塩)及びその多形、シクロスポリンA、ベラパミル又はそのR-異性体、タモキシフェン、キニジン、d-アルファトコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネート、VX-710、PSC833、フェノチアジン、GF120918(II)、SDZ PSC 833、TMBY、MS-073、S-9788、SDZ280-446、XR(9051)並びにこれらの機能性誘導体、類似体及び異性体、又は癌細胞の表面分子を標的とする抗体、例えば、アポリズマブもしくは1D09C3からなる群から選ばれる、請求項1又は2記載の医薬組成物。
【請求項6】
更なる化学治療薬又は天然産、半合成もしくは合成の治療薬がキナゾリン誘導体4-〔(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ〕-6-{〔4-(N,N-ジメチルアミノ)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル〕アミノ}-7-((S)-テトラヒドロフラン-3-イルオキシ)-キナゾリン又はその医薬上許される塩である、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項7】
更なる化学治療薬又は天然産、半合成もしくは合成の治療薬が化合物4-〔(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ〕-6-{〔4-(N,N-ジメチルアミノ)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル〕アミノ}-7-((S)-テトラヒドロフラン-3-イルオキシ)-キナゾリン、又は4-〔(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ〕-6-{〔4-(ホモモルホリン-4-イル)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル〕アミノ}-7-〔(S)-(テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ〕-キナゾリンの二マレイン酸塩、或いはこれらの互変異性体、立体異性体又は医薬上許される塩である、請求項1記載の医薬組み合わせ。
【請求項8】
更なる化学治療薬又は天然産、半合成もしくは合成の治療薬が4-〔(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ〕-6-{〔4-(ホモモルホリン-4-イル)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル〕アミノ}-7-〔(S)-(テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ〕-キナゾリン、又はその互変異性体、立体異性体もしくは医薬上許される塩である、請求項1記載の医薬組み合わせ。
【請求項9】
更なる化学治療薬又は天然産、半合成もしくは合成の治療薬が3-Z-〔1-(4-(N-((4-メチル-ピペラジン-1-イル)-メチルカルボニル)-N-メチル-アミノ)-アニリノ)-1-フェニル-メチレン〕-6-メトキシカルボニル-2-インドリノン、又はその多形、代謝産物もしくは医薬上許される塩である、請求項1記載の医薬組み合わせ。
【請求項10】
更なる化学治療薬又は天然産、半合成もしくは合成の治療薬が3-Z-〔1-(4-(N-((4-メチル-ピペラジン-1-イル)-メチルカルボニル)-N-メチル-アミノ)-アニリノ)-1-フェニル-メチレン〕-6-メトキシカルボニル-2-インドリノンのモノエタンスルホン酸塩である、請求項1記載の医薬組み合わせ。
【請求項11】
更なる化学治療薬又は天然産、半合成もしくは合成の治療薬が3-Z-〔1-(4-ジメチルアミノメチルアニリノ)-1-(4-(2-カルボキシエチル)フェニル)メチレン〕-6-フルオロ-2-インドリノン、又はその多形、代謝産物もしくは医薬上許される塩である、請求項1記載の医薬組み合わせ。
【請求項12】
更なる化学治療薬又は天然産、半合成もしくは合成の治療薬がイリノテカン、トポテカン、オキサリプラチン、ドセタキセル、パクリタキセル、ゲムシタビン、ペメトレキセド、シスプラチン、カルボプラチン、ベバシズマブ、セツキシマブ、ゲフィチニブ又はエルロチニブからなる群から選ばれる、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項13】
癌疾患の治療のための薬物の調製のための請求項1から12のいずれか1項記載の医薬組成物の使用。
【請求項14】
癌疾患が充実性腫瘍からなる群から選ばれる、請求項13記載の使用。
【請求項15】
癌疾患が尿生殖器の癌、肺癌、胃腸の癌、頭部及び首の癌、悪性中皮腫、乳癌、悪性メラノーマ、小児癌、及び骨又は軟組織の肉腫からなる群から選ばれる、請求項13記載の使用。
【請求項16】
癌疾患が難治性又は再発多発性ミエローマ、急性又は慢性骨髄性白血病、脊髄形成異常症候群、骨髄増殖症候群、急性リンパ芽球性白血病、ホジキンリンパ腫及び非ホジキンリンパ腫からなる群から選ばれる、請求項13記載の使用。
【請求項17】
非癌疾患の治療のための薬物の調製のための請求項1から12のいずれか1項記載の医薬組成物の使用。
【請求項18】
非癌疾患が自己免疫障害、糖尿病性網膜症及び慢性関節リウマチからなる群から選ばれる、請求項17記載の使用。
【請求項19】
治療有効量の
(i) 請求項1又は2記載の式(I)の化合物、及び
(ii) 請求項3から12のいずれか1項記載の少なくとも更なる化学治療薬又は天然産、半合成もしくは合成の治療薬
を含み、必要により放射線療法又は放射線免疫療法との同時治療に適し得る、癌細胞の細胞増殖、移動もしくはアポトーシス、又は血管形成を伴う疾患の治療のための医薬組み合わせ製剤キットであって、
式(I)の化合物が第一区画内に含まれ、かつ更なる化学治療薬又は天然産、半合成もしくは合成の治療薬が第二区画内に含まれ、その結果、それらを要する患者への投与が同時、別々又は逐次であり得ることを特徴とする医薬組み合わせ製剤キット。
【請求項20】
式(I)の化合物の製剤が経口投与又は注射のためである、請求項19記載の医薬組み合わせ製剤キット。
【請求項21】
ヒト又は非ヒト哺乳類生体中の、癌細胞の細胞増殖、移動もしくはアポトーシス、又は血管形成を伴う疾患を治療するための、必要により放射線療法又は放射線免疫療法との同時治療に適し得る、薬物の製造のための、請求項1から12のいずれか1項記載の医薬組成物又は請求項19もしくは20記載の医薬組み合わせ製剤キットの使用。
【請求項22】
ヒト又は非ヒト哺乳類生体中の、癌細胞の細胞増殖、移動もしくはアポトーシス、又は血管形成を伴う疾患の治療における同時、別々又は逐次の使用のための、必要により放射線療法又は放射線免疫療法との同時治療に適し得る、医薬組み合わせ製剤の製造のための、請求項3から12のいずれか1項記載の少なくとも更なる化学治療薬又は天然産、半合成もしくは合成の治療薬と組み合わせての有効量の請求項1又は2記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項23】
癌細胞の細胞増殖、移動もしくはアポトーシス、又は血管形成を伴う疾患の治療方法であって、その方法が
このような治療を要するヒトへの、必要により放射線療法又は放射線免疫療法との同時治療に適し得る組み合わされた製剤の形態の、有効量の
(iii) 請求項1又は2記載の式(I)の化合物、及び
(iv) 請求項3から12のいずれか1項記載の少なくとも更なる化学治療薬又は天然産、半合成もしくは合成の治療薬
の同時、別々又は逐次の共投与を含むことを特徴とする治療方法。
【請求項24】
式(I)の化合物、又はその多形、水和物、代謝産物もしくは医薬上許される塩を、活性物質の血漿レベルが投薬間隔の少なくとも12時間にわたって10〜5000nMにあるように間欠的又は毎日の用量で投与することを特徴とする、請求項13から18、21又は22のいずれか1項記載の使用。

【図1】
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【図1】
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【図2】
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【図2】
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【図2】
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【図3】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−509948(P2008−509948A)
【公表日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−526349(P2007−526349)
【出願日】平成17年8月9日(2005.8.9)
【国際出願番号】PCT/EP2005/008623
【国際公開番号】WO2006/018182
【国際公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】