説明

経路案内システム、経路案内装置及びプログラム

【課題】移動手段が徒歩或いは自転車である経路案内要求を受けたときに、移動手段及び天候に応じた経路案内を行う。
【解決手段】経路案内サーバ4は、徒歩或いは自転車用の経路案内要求を携帯端末装置7から受けたとき、プローブ情報収集サーバ2及び気象情報提供サーバ5にアクセスして、携帯端末装置7のユーザが、過去、自宅近くで雨の日に自転車を利用したか否かを調べる。そして、経路案内希望日時(現時点又は将来)の気象情報を気象情報提供サーバ5から取得し、その気象情報と、ユーザの過去の自転車利用状況とに応じて、徒歩或いは自転車用の経路案内を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯型電話機などの携帯端末装置のユーザに対して、現在地から目的地までの経路情報を提供する経路案内システム、経路案内装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークに接続可能な携帯型電話機などの携帯端末装置から、ネットワーク上の経路案内サーバに対して現在地(スタート地点)及び目的地(ゴール地点)を入力して経路案内要求を行うと、経路案内装置(経路案内サーバ)が経路情報を生成して携帯端末装置に提供する経路案内システムがある。
【0003】
このような経路案内装置として、歩行者や自転車利用者を経路案内対象とするとともに、天候に応じて、例えば雨の時には、建物内、地下道、アーケードのある道など雨に濡れない経路の移動コストを低くした装置がある(特許文献1、2)。
【0004】
しかし、雨の時に案内する経路については、歩行者、即ち移動手段が徒歩であれば、傘を使用できることから、雨に濡れない経路を案内する必要性は低い。一方、移動手段が自転車の場合は、傘を使用できないことから、雨に濡れない経路を案内することが望ましい。
【0005】
しかしながら、特許文献1、2に記載されている経路案内装置では、移動手段が徒歩或いは自転車である経路案内要求者に対して、移動手段と天候とに応じた経路案内を行うことは考慮されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−98547号公報
【特許文献2】特開2009−19920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、その目的は、移動手段が徒歩或いは自転車である経路案内要求を受けたときに、移動手段及び天候に応じた経路案内を可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の経路案内装置は、移動手段が徒歩或いは自転車である経路案内要求を携帯端末装置から受信したときに、移動手段及び天候に応じた経路情報を前記端末装置に送信する経路案内装置であって、予め前記携帯端末装置が自転車で移動した時と天候との相関性を示す自転車利用履歴情報が保存されている自転車利用履歴情報記憶装置から、前記経路案内要求の条件に設定されている日時と同じ曜日の自転車利用履歴情報を取得する自転車利用履歴情報取得手段と、前記経路案内要求の条件に設定されている日時の気象情報を取得する気象情報取得手段と、前記自転車利用履歴情報手段により取得された自転車利用履歴情報と、前記気象情報取得手段により取得された気象情報に応じて、自転車用又は歩行者用の経路情報を選択的に生成する経路情報生成手段とを有することを特徴とする経路案内装置である。
本発明の経路案内システムは、移動手段が徒歩或いは自転車である経路案内要求を携帯端末装置から受信したときに、移動手段及び天候に応じた経路情報を前記端末装置に送信する経路案内装置と、前記携帯端末装置が自転車で移動した時と天候との相関性を示す自転車利用履歴情報を保存する自転車利用履歴情報記憶装置とを有する経路案内システムであって、前記経路案内装置は、前記経路案内要求の条件に設定されている日時と同じ曜日の自転車利用履歴情報を前記自転車利用履歴情報記憶装置から取得する自転車利用履歴情報取得手段と、前記経路案内要求の条件に設定されている日時の気象情報を取得する気象情報取得手段と、前記自転車利用履歴情報手段により取得された自転車利用履歴情報と、前記気象情報取得手段により取得された気象情報に応じて、自転車用又は歩行者用の経路情報を選択的に生成する経路情報生成手段とを有することを特徴とする経路案内システムである。
【0009】
[作用]
本発明の経路案内装置は、移動手段が徒歩或いは自転車である経路案内要求を携帯端末装置から受信したとき、予め前記携帯端末装置が自転車で移動した時と天候との相関性を示す自転車利用履歴情報が保存されている自転車利用履歴情報記憶装置から、前記経路案内要求の条件に設定されている日時と同じ曜日の自転車利用履歴情報を取得し、前記経路案内要求の条件に設定されている日時の気象情報を取得し、前記取得された自転車利用履歴情報と、前記取得された気象情報に応じて、自転車用又は歩行者用の経路情報を選択的に生成する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、移動手段が徒歩或いは自転車である経路案内要求を受けたときに、移動手段及び天候に応じた経路案内が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態の経路案内装置を含む経路案内システムを示す図である。
【図2】本発明の実施形態における携帯端末装置のブロック図である。
【図3】本発明の実施形態におけるプローブ情報収集サーバのブロック図である。
【図4】本発明の実施形態における自転車利用履歴情報収集サーバのブロック図である。
【図5】本発明の実施形態における携帯端末装置のプローブ情報送信動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態におけるプローブ情報収集サーバの動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態における自転車利用履歴情報収集サーバの動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態の経路案内システムの動作を示すフローチャートである。
【図9】図8における経路情報作成処理の詳細を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
〈システム構成〉
図1に本発明の実施形態の経路案内システムを示す。この経路案内システムは、インターネットなどのネットワーク1、それぞれがネットワーク1に接続されるプローブ情報収集サーバ2、自転車利用履歴情報収集サーバ3、経路案内サーバ4、及び気象情報提供サーバ5、並びに基地局6経由でネットワーク1に接続される携帯端末装置7からなる。経路案内サーバ4が本発明に係る経路案内装置に対応する。
【0013】
なお、便宜上携帯端末装置7を1台図示したが、実際には多数の携帯端末装置7がネットワーク1に接続されることは言うまでもない。また、各サーバをイントラネットや専用線で接続してもよい。
【0014】
プローブ情報収集サーバ2は、多数の携帯端末装置7で生成されたプローブ情報(位置情報、測位時刻情報)を収集し、各携帯端末装置7の装置IDに関連付けて保存する。
【0015】
自転車利用履歴情報収集サーバ3は、プローブ情報収集サーバ2に保存されている各携帯端末装置7のプローブ情報から、各携帯端末装置7のユーザが自転車を利用した日時情報を取得するとともに、気象情報提供サーバ5に保存されている過去の気象情報を参照することにより、各携帯端末装置7のユーザが自転車を利用した過去の日時と天候との相関性を示す自転車利用履歴情報を生成する。
【0016】
経路案内サーバ4は、携帯端末装置7から移動手段が徒歩或いは自転車である経路案内要求、即ち歩行者用又は自転車用の経路案内要求を受けたとき、自転車利用履歴情報収集サーバ3から、自転車利用履歴情報を取得し、現在以後の経路案内希望日時の気象情報を気象情報提供サーバ5から取得し、その自転車利用履歴情報及び気象情報に基づいて、歩行者用又は自転車用の経路情報を選択的に生成し、携帯端末装置7に提供する。
【0017】
気象情報提供サーバ5は過去、現在、及び一定期間(例.一週間)先の将来の気象情報をネットワーク1上の各装置に提供することができる。
【0018】
携帯端末装置7は携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、PND(Personal Navigation Device)などからなり、内蔵するROM(Read Only Memory)に所定のアプリケーションを格納することにより、経路案内サーバ4により提供されるサービスや、気象情報提供サーバ5により提供されるサービスを受けることができる。
【0019】
〈携帯端末装置の構成〉
図2は携帯端末装置7のブロック図である。この携帯端末装置7は制御部71、操作部72、表示部73、位置測定部74及び無線通信部75を備えている。
【0020】
制御部71は携帯端末装置7の各部を制御するためのコントローラであり、CPU(Central Processing Unit)711と、ROM712と、RAM(Random Access Memory)713とを備えている。CPU711はROM712に記憶されたプログラムをRAM713にロードして実行することで、後述する処理を行うことができる。
【0021】
操作部72は、この携帯端末装置7をユーザが操作するための各種ボタンからなる。表示部73は、この携帯端末装置7の動作状態や、操作部72からユーザが入力した情報などを表示するための液晶表示装置などからなる。
【0022】
位置測定部74はGPS衛星から送信される電波を一定時間(例えば1分)毎に受信し、現在位置を測定(測位)する。そして、測位結果である位置情報、及び測位時刻情報をプローブ情報として制御部71へ出力する。無線通信部75は基地局6との間で無線通信を行うための回路である。
【0023】
〈プローブ情報収集サーバの構成〉
プローブ情報収集サーバ2は、図3に示すように、制御部21、通信部22、及び記憶部23を備えている。
【0024】
制御部21はCPU211、ROM212、及びRAM213を含み、このプローブ情報収集サーバ全体の制御などを行う。CPU211は、ROM212に記憶されたプログラムをRAM213にロードして実行することで、後述する処理を行うことができる。
【0025】
通信部22はネットワーク1を介して自転車利用履歴情報収集サーバ3と通信を行い、ネットワーク1及び基地局6を介して携帯端末装置7と通信を行う。記憶部23はHDD(ハードディスク装置)からなり、プローブ情報DB(データベース)231が設けられている。プローブ情報DB231は、各携帯端末装置7で生成されたプローブ情報を各携帯端末装置7の装置IDに関連付けて保存する。
【0026】
〈自転車利用履歴情報収集サーバの構成〉
自転車利用履歴情報収集サーバ3は、プローブ情報収集サーバ2と同様に、制御部、通信部、及び記憶部を備えている。制御部及び通信部は、プローブ情報収集サーバ2の制御部21、通信部22と同様に構成されているので、これ以上の説明を省略し、記憶部に設けられているDBのみを図4に示す。
【0027】
記憶部33には、加入者情報DB331及び自転車利用履歴情報DB332が設けられている。加入者情報DB331は、この自転車利用履歴情報収集サーバ3が自転車利用履歴情報を収集する対象者の携帯端末装置7の装置IDと、その携帯端末装置7のユーザの住所などとを関連付けて保存する。
【0028】
自転車利用履歴情報DB332は、加入者情報DB331に保存されている装置ID毎に、プローブ情報収集サーバ2に保存されているプローブ情報から得た、日時及び曜日、プローブ情報収集サーバ2に保存されているプローブ情報から得た、自転車で移動していたことを示す自転車フラグ、及び気象情報提供サーバ5に保存されている気象情報から得た、雨であったことを示す雨フラグを保存する。
【0029】
つまり、自転車利用履歴情報DB332には、加入者情報DB331に装置IDが保存されている携帯端末装置7のユーザ毎に、自転車で移動していた日時及び曜日と、その時の天候が雨であったか否かを示す情報が保存されている。
【0030】
〈経路案内サーバの構成〉
経路案内サーバ4は、プローブ情報収集サーバ2と同様に、制御部、通信部、及び記憶部を備えている。制御部及び通信部は、プローブ情報収集サーバ2の制御部21、通信部22と同様に構成されている。また、記憶部には、家屋、公園、道路、鉄道などの地物のベクトル情報、道路のノード及びリンクを示す情報、地物の属性(名称を含む)を示す属性情報、及び注記情報などを格納した地図情報DBが設けられている。
【0031】
〈気象情報提供サーバの構成〉
気象情報提供サーバ5は、プローブ情報収集サーバ2と同様に、制御部、通信部、及び記憶部を備えている。制御部及び通信部は、プローブ情報収集サーバ2の制御部21、通信部22と同様に構成されている。また、記憶部には、過去の所定期間、現在、及び将来の所定期間(例.一週間)の気象情報を保存している。
【0032】
〈プローブ情報収集動作〉
以上の構成を有する経路案内システムにおいて、プローブ情報収集サーバ2が携帯端末装置7からプローブ情報を収集する動作について、図5及び図6を用いて説明する。ここで、図5は携帯端末装置7の動作であり、図6はプローブ情報収集サーバ2の動作である。
【0033】
携帯端末装置7では、位置測定部74がプローブ情報を一定時間(例えば1分)毎に生成する(ステップS1)。このプローブ情報は制御部71内のCPU711によりRAM713に読み込まれた後、ROM712に保存されている装置IDとともに、無線通信部75を通して、プローブ情報収集サーバ2に送信される(ステップS2)。ここで、プローブ情報の送信は1個ずつ行ってもよいし、複数個まとめて行ってもよい。
【0034】
プローブ情報収集サーバ2では、通信部22が携帯端末装置7から送信された情報を受信し、制御部21へ送る。制御部21は、プローブ情報を装置IDに関連付けて、プローブ情報DB231に保存する(ステップS12)。
【0035】
〈自転車利用履歴情報収集動作〉
次に、自転車利用履歴情報収集サーバ3が自転車利用履歴情報を収集する動作について、図7のフローチャートを用いて説明する。
【0036】
まず自転車利用履歴情報収集サーバ3は、加入者情報DB331に保存されている装置IDを有する携帯端末装置7のユーザが、過去の所定期間(例.一年間)内で自宅付近にいた時のプローブ情報をプローブ情報収集サーバ2から取得する(ステップS21)。ここで、自宅付近とは自転車で移動可能な範囲(例.半径10km以内)である。
【0037】
次に自転車利用履歴情報収集サーバ3は、取得したプローブ情報が自転車で移動していた時のものか否かを判定する(ステップS22)。ここで、自転車で移動していたか否かの判定は、例えば位置情報の変位と時間差とから算出した移動速度が自転車の通常の移動速度であるか否かに基づいて判定することができる。移動速度に加えて、位置情報が自動車の通れない道路を移動していることを示しているか否の判定結果を用いれば、精度が向上する。
【0038】
取得したプローブ情報が自転車で移動していた時のものであると判定した場合(ステップS22:YES)、制御部のCPUはRAM内の自転車フラグを“1”に設定する。一方、自転車で移動していた時のものではないと判定した場合(ステップS22:NO)は、そのまま処理を終了する。
【0039】
次に自転車利用履歴情報収集サーバ3は、自転車フラグを“1”に設定したプローブ情報の測位日時の気象情報を気象情報提供サーバ5から取得し(ステップS24)、それが雨であったか否かを判定する(ステップS25)。
【0040】
判定の結果、雨であった場合(ステップS25:YES)、制御部のCPUはRAM内の雨フラグを“1”に設定する。一方、雨ではないと判定した場合(ステップS25:NO)は、そのまま処理を終了する。
【0041】
ここで、自転車フラグ及び雨フラグがともに“1”に設定された場合は、そのプローブ情報の測位日時に、携帯端末装置7のユーザは自転車で移動しており、かつ天候は雨であったことを意味する。また、自転車フラグは“1”に設定されたものの雨フラグは“1”に設定されなかった場合は、そのプローブ情報の測位日時に、携帯端末装置7のユーザは自転車で移動していたが、天候は雨でなかったことを意味する。従って、このフローを実行することにより、自転車利用履歴情報DB332に図4に示す情報を保存することができる。
【0042】
なお、ここでは、自転車フラグを“1”に設定したプローブ情報毎にステップS24を実行するものとしたが、実際は端末装置ID毎に、自転車フラグを“1”に設定した全プローブ情報に対してまとめて実行する。また、図7のフロー全体についても、複数の携帯端末装置7に対してまとめて実行する。
【0043】
〈経路案内動作〉
次に経路案内サーバ4が携帯端末装置7からの要求に応じて、経路案内を行う動作について、図8及び図9を参照して説明する。ここで、図8は動作全体の概略を示し、図9は図8における経路情報作成処理の詳細を示す。
【0044】
まず携帯端末装置7は、ユーザの操作に応じて経路案内サーバ4に接続要求を送信する(ステップS31)。この接続要求には携帯端末装置7のROM712に格納されている装置IDが含まれている。
【0045】
経路案内サーバ4は接続要求を受信すると、経路案内条件入力用画面を携帯端末装置7へ送信する(ステップS41)。携帯端末装置7は経路案内条件入力用画面を受信し、表示部73に表示する(ステップS32)。
【0046】
携帯端末装置7では、ユーザが操作部72から経路案内条件入力用画面上に条件として、徒歩又は自転車用、現在地(スタート地点)、目的地(ゴール地点)、希望日時などを入力し、所定の操作を行うことで、経路案内条件を含む経路案内要求を経路案内サーバ4に送信する(ステップS33)。ここで、現在地については、ユーザが入力しない場合、位置測定部74による測定位置が設定される。また、希望日時については、ユーザが入力しない場合、図示されていない時計が計時している現在時刻が設定される。これらの設定情報はRAM713により保持される。
【0047】
経路案内サーバ4は、経路案内要求を受信し(ステップS42)、経路案内条件に従って経路情報を作成する(ステップS43)。そして、作成した経路情報を携帯端末装置7に送信する(ステップS44)。携帯端末装置7は経路情報を受信し、表示部73に表示する(ステップS34)。
【0048】
ステップS43の詳細について図9を参照して説明する。まず経路案内条件に設定された日時(現在又は希望日時)と同じ曜日の自転車利用履歴情報を自転車利用履歴情報収集サーバ3から取得する(ステップS51)。つまり、現在又は希望日時が月曜日であれば、月曜日の自転車利用履歴情報を取得する。
【0049】
次いで、取得した自転車利用履歴情報の自転車フラグが“1”であるか否かを判定する(ステップS52)。判定の結果、“1”ではなかった場合は、経路案内条件に設定された曜日には自転車を利用していなかったので、歩行者用の経路情報を生成し(ステップS58)、処理を終了する。ここで、ステップS52の判定は、過去の所定期間の全ての該当する曜日の自転車フラグを統計的に処理(例.多数決)して判定する。その曜日の時刻や季節に応じた重み付けを行ってもよい。
【0050】
自転車フラグが“1”であった場合(ステップS52:YES)は、経路案内条件に設定された日時の気象情報が気象情報提供サーバ5に有るか否かを確認する(ステップS53)。通常、天気予報は一週間先まで行われているので、設定された日時が現在又は所定期間(一週間)以内であれば気象情報が有り、一週間を越えていれば気象情報が無いと言える。
【0051】
気象情報が有った場合(ステップS53:YES)は、気象情報を取得し(ステップS54)、天候が雨か否かを判定する(ステップS55)。判定の結果、雨でなかった場合(ステップS55:NO)は、自転車用の経路情報を生成し(ステップS57)、処理を終了する。
【0052】
判定の結果、雨であった場合(ステップS55:YES)は、ステップS51で取得済みの自転車利用履歴情報の雨フラグが“1”であるか否かを判定する(ステップS56)。判定の結果、雨であった場合(ステップS56:YES)は、設定された日時と同じ曜日の雨の日に自転車で移動していたので、自転車用の経路情報を生成し(ステップS57)、処理を終了する。雨でなかった場合(ステップS56:NO)は、設定された日時と同じ曜日で自転車で移動した日は雨ではなかったので、歩行者用の経路情報を生成し(ステップS58)、処理を終了する。
【0053】
気象情報が無かった場合(ステップS53:NO)は、自転車による経路情報を生成し(ステップS57)、処理を終了する。
【0054】
なお、雨であるか否かを示す雨フラグに代えて、雨の程度を段階的(例.1〜5)に示すパラメータを採用し、パラメータの値に応じて経路情報を生成するように構成してもよい。また、以上の実施形態は、携帯端末装置に対して経路情報を提供するシステムに関するものであるが、携帯端末装置7の装置IDと固定端末装置(デスクトップ型のパーソナルコンピュータなど)の装置IDとを関連付け経路案内サーバ4に登録しておくことにより、固定端末装置に対して経路情報を提供することもできる。
【符号の説明】
【0055】
2…プローブ情報収集サーバ、3…自転車利用履歴情報収集サーバ、4…経路案内サーバ、5…気象情報提供サーバ、7…携帯端末装置、21,71…制御部、231…プローブ情報DB、332…自転車利用履歴情報DB。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動手段が徒歩或いは自転車である経路案内要求を携帯端末装置から受信したときに、移動手段及び天候に応じた経路情報を前記端末装置に送信する経路案内装置であって、
予め前記携帯端末装置が自転車で移動した時と天候との相関性を示す自転車利用履歴情報が保存されている自転車利用履歴情報記憶装置から、前記経路案内要求の条件に設定されている日時と同じ曜日の自転車利用履歴情報を取得する自転車利用履歴情報取得手段と、
前記経路案内要求の条件に設定されている日時の気象情報を取得する気象情報取得手段と、
前記自転車利用履歴情報手段により取得された自転車利用履歴情報と、前記気象情報取得手段により取得された気象情報に応じて、自転車用又は歩行者用の経路情報を選択的に生成する経路情報生成手段と
を有することを特徴とする経路案内装置。
【請求項2】
請求項1に記載された経路案内装置において、
前記経路情報生成手段は、前記自転車利用履歴情報手段により取得された自転車利用履歴情報が前記曜日に自転車を利用していないことを示しているとき、前記気象情報取得手段により取得された気象情報にかかわらず歩行者用の経路情報を生成することを特徴とする経路案内装置。
【請求項3】
請求項1に記載された経路案内装置において、
前記経路情報生成手段は、前記自転車利用履歴情報手段により取得された自転車利用履歴情報が前記曜日に自転車を利用していることを示しており、かつ前記気象情報取得手段から気象情報を取得できなかったとき、自転車用の経路情報を生成することを特徴とする経路案内装置。
【請求項4】
請求項1に記載された経路案内装置において、
前記経路情報生成手段は、前記自転車利用履歴情報手段により取得された自転車利用履歴情報が前記曜日に自転車を利用していることを示しており、かつ前記曜日が雨であり、かつ前記気象情報取得手段により取得された気象情報が前記経路案内要求の条件に設定されている日時が雨であることを示しているとき、自転車用の経路情報を生成することを特徴とする経路案内装置。
【請求項5】
請求項1に記載された経路案内装置において、
前記経路情報生成手段は、前記自転車利用履歴情報手段により取得された自転車利用履歴情報が前記曜日に自転車を利用していることを示しており、かつ前記曜日が雨であり、かつ前記気象情報取得手段により取得された気象情報が前記経路案内要求の条件に設定されている日時が雨でないことを示しているとき、歩行者用の経路情報を生成することを特徴とする経路案内装置。
【請求項6】
移動手段が徒歩或いは自転車である経路案内要求を携帯端末装置から受信したときに、移動手段及び天候に応じた経路情報を前記端末装置に送信する経路案内装置と、前記携帯端末装置が自転車で移動した時と天候との相関性を示す自転車利用履歴情報を保存する自転車利用履歴情報記憶装置とを有する経路案内システムであって、
前記経路案内装置は、前記経路案内要求の条件に設定されている日時と同じ曜日の自転車利用履歴情報を前記自転車利用履歴情報記憶装置から取得する自転車利用履歴情報取得手段と、前記経路案内要求の条件に設定されている日時の気象情報を取得する気象情報取得手段と、前記自転車利用履歴情報手段により取得された自転車利用履歴情報と、前記気象情報取得手段により取得された気象情報に応じて、自転車用又は歩行者用の経路情報を選択的に生成する経路情報生成手段とを有することを特徴とする経路案内システム。
【請求項7】
コンピュータを請求項1〜5のいずれかに記載された経路案内装置の各手段として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−215051(P2011−215051A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−84613(P2010−84613)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(500578216)株式会社ゼンリンデータコム (231)
【Fターム(参考)】