説明

給電回路および給電方法

【課題】イーサネット回線二重化構成でのPoE給電の際に受電側リモート装置の回線切り替え時の給電瞬断を発生せずに、消費電力を低減するPoE給電回路を提供することである。
【解決手段】現用系回線が信号線および電力線を有し、予備系回線が信号線および電力線を有し、前記現用系回線の信号線、前記現用系回線の電力線、前記予備系回線の信号線および前記予備系回線の電力線のいずれかを介して給電を行う給電回路において、前記現用系回線の信号線、前記現用系回線の電力線、前記予備系回線の信号線および前記予備系回線の電力線のうちのいずれか2つの線を用いて給電を行う給電手段を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はPoE(Power over Ethernet:Ethernetはゼロックス社の登録商標)給電回路および給電方法に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、地球環境保全に向けて省エネルギー対策が世界レベルで検討される中、省エネルギー及び二酸化炭素排出量削減に向けた法制化検討も各国で議論され始めている。
【0003】
一般的には運輸、物流及び製造に伴うエネルギー消費が対象と受け取られることが多いが、コンピュータ、サーバなどの電子機器同様に情報通信機器やネットワークインフラ関連のエネルギー消費量の増加も注目されつつある。
【0004】
コンピュータ、サーバなどの電子機器では、演算処理を行わない(いわゆる待機状態と呼ばれる)時間が比較的多いことから待機状態の消費電力を抑制することで平均消費電力量を削減することが可能であり換算される二酸化炭素排出量の削減に寄与できる効果が高い。
【0005】
一方、情報通信機器においては、アナログ通信からデジタル通信に変化しながらも常にデータ通信可能な状態を保持していることが求められるためコンピュータ、サーバなどの電子機器のように待機状態を許容できない前提条件がある。すなわち定常動作電力値を下げるしか平均消費電力量を削減することができないことになる。このため電力削減は、もっぱら電子部品の高集積化と電子部品の微細化に伴う動作電圧の低電圧化というデバイス技術の視点での手法が主流である。
【0006】
近年、通信機器の中でもイーサネット(ゼロックス社の登録商標)を中心に電力給電方式としてIEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)802.3afなどでPoE(Power over Ethernet)の規定があり、所謂IP(Internet Protocol)電話、無線LAN(Local Area Network)のアクセスポイントや監視用途のWEB(World Wide Web)カメラなどデータ伝送路にイーサネットを使用しながら自身の機器電力を確保しにくい機器においてPoE給電方式を採用したスイッチ製品及びルータ製品が増えてきている。
【0007】
PoEは、イーサネットの配線に使うケーブル(カテゴリ5のより対線)を利用して電力を供給する技術であって、2003年6月にIEEE802.3afとして標準化された。48Vの直流電圧で最大15.4Wの電力が給電でき、電源を確保しにくい場所に置く機器や、従来電源が必要なかった機器をイーサネットインタフェースに接続する場合などに使うことができ、たとえばVoIP(Voice over IP)対応の電話機(IP電話)や無線LANのアクセスポイント、Webカメラなどへの応用が期待されている。
【0008】
このPoEは、もともとLANにおける給電方式として誕生したが、近年のイーサネット専用線あるいは広域イーサネット網などのリモート装置に給電する方式としても採用されつつある。
【0009】
通信網での給電は、アナログ加入者回線、ISDN加入者回線、xDSL加入者回線、リモート加入者収容装置などでファントム給電が採用されてきたが、IEEE802.3afのPoE給電方式には、ファントム給電に似たデータ信号線に重畳するA方式(Type A)と空き信号線を利用して給電伝送するB方式(Type B)が存在する。なお給電側は、この2方式のどちらかを選択することができるが、受電側では、この2方式のどちらでも給電を受けられる構成をとることが規定されている。
【0010】
一方、イーサネット専用線あるいは広域イーサネット網などのリモート装置では、イーサネット回線の信頼性を確保するために上位装置側との接続回線を2重化して使用することがある(特許文献1参照)。このようにイーサネット専用線あるいは広域イーサネット網などのリモート装置と接続される上位装置が、回線二重化を行う場合でもPoE給電が必要となる。
【0011】
従来技術では現用回線の異常を検出して現用回線から予備回線へ切り替えるが、データ信号のリンク断状態の検出やイーサフレームのCRCエラー検出を契機にしている。このためPoE給電切り替えに時間がかかりすぎることから現用回線にのみ給電を行うと現用回線の切断などが発生した場合、予備回線に切り替えると受電側リモート装置において給電が瞬断してしまう欠点があった。
【0012】
この欠点を回避するために従来のリモート加入者収容装置(回線二重化)のファントム給電と同じく、給電側電源部も現用回線と予備回線の双方に同時に給電を行える構成をとることが多い。
【0013】
従来の構成例について図5、図6を参照して説明する。
【0014】
図5は、イーサネット二重化回線を介してPoE給電を行うパケット通信機器の従来の給電構成例を示す図である。
【0015】
この例は、リモート収容装置(201)とリモート装置(202)とを、#0ツイストペア線(203)および#1ツイストペア線(204)によってイーサネット二重化接続するものである。
【0016】
リモート収容装置(201)内のPoE給電0部(218)とPoE給電1部(219)の各最大電力容量は、IEEE802.3af規定どおり15.4Wである。また給電経路は、送信トランス#0(211)及び送信トランス#1(212)の各二次側中間タップを経て#0ツイストペア線(203)及び#1ツイストペア線(204)を各々伝送され、リモート装置(202)内の受信トランス#0(221)及び受信トランス#1(222)の各一次側中間タップを経て電力和回路(223)、(224)、(225)を介して総和され30.8Wの電力が装置内電源部(226)に供給される。
【0017】
図6は、イーサネット二重化回線を介してPoE給電を行うパケット通信機器の従来の別の給電構成例を示す図である。
【0018】
この例は、リモート収容装置(301)とリモート装置(302)とを、#0ツイストペア線(303)および#1ツイストペア線(304)によってイーサネット二重化接続するものである。
【0019】
リモート収容装置(301)内のPoE給電0部(318)とPoE給電1部(319)の各最大電力容量は、IEEE802.3af規定どおり15.4Wである。また給電経路は、#0ツイストペア線(303)の電力線及び#1ツイストペア線(304)の電力線を各々伝送され、リモート装置(302)内で電力和回路(323)、(324)、(325)を介して総和され30.8Wの電力が装置内電源部(326)に供給される。
【0020】
なお、特許文献1には、その図1や段落番号0001に記載のように、イーサネットの回線を二重化する技術について開示されている。
【0021】
また、特許文献2には、その段落番号0015に記載のように、回線に流れる電流を監視し、回線断を検出する技術について開示されている。
【0022】
また、特許文献3には、その図12や段落番号0065に記載のように、受電端子を2個設け、一方からの給電が閾値を下回った場合には、他方から受電する、受電経路の二重化技術について開示されている。
【0023】
また、特許文献4には、その図1、図2、段落番号0006に記載のように、信号線に電力を重畳して給電する方式と電力線によって給電する方式とを備える給電制御方式に係る技術が開示されている。
【0024】
【特許文献1】特開2003−324438号公報
【特許文献2】特開2000−083095号公報
【特許文献3】特開2006−203730号公報
【特許文献4】特開平07−154513号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
上述の従来例では以下のような問題があった。
【0026】
すなわち、図5、図6に示した従来例では、受電側リモート装置では回線切り替えを瞬断無く行うため現用回線と予備回線の2つの電力の総和を用いる構成になり、供給電力には必ず負荷がかかり、給電側電力は2倍であり、2倍の電力を消費するという問題がある。
【0027】
PoEでは1回線あたり48Vで最大15.4Wの給電を行うことがIEEE802.3afで規定されているので、従来例では、その2倍の30.8Wの電力を現用回線と予備回線のために具備することになり、収容二重化回線数に比例して等価的にPoE給電用の待機消費電力が増大することになる。
【0028】
また、リモート収容装置内のPoE給電部を最大給電電力15.4Wのまま固定搭載を1個に減らして、二重化されたイーサネット回線の片方で故障や切断など障害が発生した場合の供給回線切替手段を持たせた場合は、電力消費は2倍にはならないものの、電力供給回線切り替え時に必ず電力がゼロとなる瞬断が発生するという問題がある。
【0029】
なお、特許文献1に記載の発明では、信号線を二重化する技術を開示するのみであってPoE給電については開示されておらず、上述の問題を抱えたままのものであった。
【0030】
また、特許文献2に記載の発明では、回線断を検出する技術を開示するのみであってPoE給電については開示されておらず、上述の問題を抱えたままのものであった。
【0031】
また、特許文献3に記載の発明では、PoE給電、給電経路の二重化について開示してはいるが、二重化された構成の切り替えについては上述の問題を抱えたままのものであった。
【0032】
また、特許文献4に記載の発明では、信号線に電力を重畳して給電する方式と電力線によって給電する方式とを備える給電制御方式について開示してはいるが、二重化された構成の切り替えについては上述の問題を抱えたままのものであった。
【0033】
本発明は上記の点にかんがみてなされたもので、イーサネット回線二重化構成でのPoE給電の際に受電側リモート装置の回線切り替え時の給電瞬断を発生せずに、かつ消費電力を低減するPoE給電回路および給電方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0034】
上記課題を解決するにあたり、本発明は、現用系回線が信号線および電力線を有し、予備系回線が信号線および電力線を有し、前記現用系回線の信号線、前記現用系回線の電力線、前記予備系回線の信号線および前記予備系回線の電力線のいずれかを介して給電を行うPoE給電回路において、前記現用系回線の信号線、前記現用系回線の電力線、前記予備系回線の信号線および前記予備系回線の電力線のうちのいずれか2つの線を用いて給電を行う給電手段を備えたことを特徴とする。
【0035】
また本発明は、前記給電手段が、前記給電を行う2つの線を切り替える切替手段を有することを特徴とする。
【0036】
また本発明は、前記給電手段が、前記給電を行う2つの線の一方への電力供給を行う第1の給電部と、前記給電を行う2つの線の他方への電力供給を行う第2の給電部とを有することを特徴とする。
【0037】
また本発明は、前記現用系回線の信号線に電力を重畳する第1の送信トランスと、前記予備系回線の信号線に電力を重畳する第2の送信トランスと、前記第1の送信トランスと前記第1の給電部との接続と、前記予備系回線の電力線と前記第1の給電部との接続とを切り替える第1の電力切替部と、前記第2の送信トランスと前記第2の給電部との接続と、前記現用系回線の電力線と前記第2の給電部との接続とを切り替える第2の電力切替部と、前記第1の給電部と前記第1の切替部との間に設けられ、この間の電流を検出する第1の電流監視部と、前記第2の給電部と前記第2の切替部との間に設けられ、この間の電流を検出する第2の電流監視部と、前記第1の電流監視部による検出結果および前記第2の電流監視部による検出結果に基づいて、前記第1の電力切替部および第2の電力切替部の接続切り替えを行う給電切替制御部とを設けたことを特徴とする。
【0038】
また本発明は、前記給電切替制御部が、前記第1の電流監視部による検出結果が正常であり、且つ前記第2の電流監視部による検出結果が正常である場合には、前記第1の電力切替部が前記第1の送信トランスと前記第1の給電部とを接続するように切り替え、且つ前記第2の電力切替部が前記第2の送信トランスと前記第2の給電部とを接続するように切り替え、前記第1の電流監視部による検出結果が正常であり、且つ前記第2の電流監視部による検出結果が異常である場合には、前記第1の電力切替部が前記第1の送信トランスと前記第1の給電部とを接続するように切り替え、且つ前記第2の電力切替部が前記現用系回線の電力線と前記第2の給電部とを接続するように切り替え、前記第1の電流監視部による検出結果が異常であり、且つ前記第2の電流監視部による検出結果が正常である場合には、前記第1の電力切替部が前記予備系回線の電力線と前記第1の給電部とを接続するように切り替え、且つ前記第2の電力切替部が前記第2の送信トランスと前記第2の給電部とを接続するように切り替え、前記第1の電流監視部による検出結果が異常であり、且つ前記第2の電流監視部による検出結果が異常である場合には、前記第1の給電部および前記第2の給電部に対して給電を停止するよう指示する、よう制御することを特徴とする。
【0039】
また本発明は、前記現用系回線の信号線に電力を重畳する第1の送信トランスと、前記予備系回線の信号線に電力を重畳する第2の送信トランスと、前記第2の送信トランスと前記第1の給電部との接続と、前記現用系回線の電力線と前記第1の給電部との接続とを切り替える第1の電力切替部と、前記第1の送信トランスと前記第2の給電部との接続と、前記予備系回線の電力線と前記第2の給電部との接続とを切り替える第2の電力切替部と、前記第1の給電部と前記第1の切替部との間に設けられ、この間の電流を検出する第1の電流監視部と、前記第2の給電部と前記第2の切替部との間に設けられ、この間の電流を検出する第2の電流監視部と、前記第1の電流監視部による検出結果および前記第2の電流監視部による検出結果に基づいて、前記第1の電力切替部および第2の電力切替部の接続切り替えを行う給電切替制御部とを設けたことを特徴とする。
【0040】
また本発明は、前記給電切替制御部が、前記第1の電流監視部による検出結果が正常であり、且つ前記第2の電流監視部による検出結果が正常である場合には、前記第1の電力切替部が前記現用系回線の電力線と前記第1の給電部とを接続するように切り替え、且つ前記第2の電力切替部が前記予備系回線の電力線と前記第2の給電部とを接続するように切り替え、前記第1の電流監視部による検出結果が正常であり、且つ前記第2の電流監視部による検出結果が異常である場合には、前記第1の電力切替部が前記現用系回線の電力線と前記第1の給電部とを接続するように切り替え、且つ前記第2の電力切替部が前記第1の送信トランスと前記第2の給電部とを接続するように切り替え、前記第1の電流監視部による検出結果が異常であり、且つ前記第2の電流監視部による検出結果が正常である場合には、前記第1の電力切替部が前記第2の送信トランスと前記第1の給電部とを接続するように切り替え、且つ前記第2の電力切替部が前記第1の送信トランスと前記第2の給電部とを接続するように切り替え、前記第1の電流監視部による検出結果が異常であり、且つ前記第2の電流監視部による検出結果が異常である場合には、前記第1の給電部および前記第2の給電部に対して給電を停止するよう指示する、よう制御することを特徴とする。
【0041】
また本発明は、前記第1の給電部による電力と前記第2の給電部による電力との和が対向回路に給電する値の最大値であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0042】
本発明によれば、イーサネット回線二重化構成でのPoE給電の際に受電側リモート装置の回線切り替え時の給電瞬断を発生せずに、かつ消費電力を低減するPoE給電回路および給電方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0044】
本発明は、イーサネット二重化回線を介してPoE給電を行うパケット通信機器において、現用回線の障害などにより予備回線に切り替える際のPoE受電側装置での電力瞬断を発生させることなく、PoE給電側装置の給電電力容量を一重化時と同等に抑えることが可能なPoE給電回路の提供を特徴としている。
【0045】
図1は、本発明によるPoE給電回路の一実施の形態の構成を示すブロック図であり、イーサネット二重化回線でPoE給電を行うパケット通信機器の本発明による給電電力切り替え構成を示す。なお電力給電系を中心に記載しているためデータ伝送及び、リモート装置からリモート収容装置へのデータの流れは省略している。
【0046】
この例は、リモート収容装置(1)とリモート装置(2)とを、#0ツイストペア線(3)および#1ツイストペア線(4)によってイーサネット二重化接続するものである。
【0047】
リモート装置(2)は、イーサネット二重化回線(#0ツイストペア線(3)および#1ツイストペア線(4))を介して上位装置(リモート収容装置(1))からパケット伝送を受け、かつ自身の装置電力をPoE給電方式で受電する。
【0048】
また、回線二重化に対応して上位装置(リモート収容装置(1))より#0ツイストペア線(3)と#1ツイストペア線(4)経由とで信号線と電力線を受信し、#0ツイストペア線(3)の信号線に重畳された給電電力を受信トランス#0(21)の一次側中間タップから各々引き出されたA方式給電電力と電力線で直接受信したB方式給電電力の電力和出力と、#1ツイストペア線(4)の信号線に重畳された給電電力を受信トランス#1(22)の一次側中間タップから各々引き出されたA方式給電電力と電力線で直接受信したB方式給電電力の電力和出力については、受電側装置(リモート装置(2))がA方式及びB方式双方に対応すべきというIEEE802.3afの規定に基づく。
【0049】
さらに、これら2系統の電力は電力和回路(23)、(24)、(25)を介して総和されてから装置内電源部(26)に供給される。これは、二重化回線の片側に断線や故障などの障害が発生し、給電側で回線供給する電力系統の切り替えが発生した場合に電力瞬断が発生しないようにするための構成である。
【0050】
リモート収容装置(1)は、イーサネット二重化回線(#0ツイストペア線(3)および#1ツイストペア線(4))を介してリモート装置(2)との間でデータのやりとりを行い、さらにPoE給電にて電力を供給する。
【0051】
イーサネット二重化回線1対用のPoE給電部として、PoE給電0部(18)とPoE給電1部(19)を具備する。PoE給電0部(18)、PoE給電1部(19)は、各々、直流電圧48Vを最大直流電力7.7W出力できる能力を持つ。これはIEEE802.3afのイーサネット回線1ポート(図1では1つのツイストペアに相当する)への給電能力規定である直流電圧48Vで最大直流電力15.4Wの半分の電流容量を意味している。
【0052】
PoE給電0部(18)とPoE給電1部(19)の電力出力側には、各々給電側負荷を測定するための電流容量測定計である電流監視0部(15)と電流監視1部(16)、さらに電力切替0部(13)と電力切替1部(14)を経由して、各々送信トランス#0(11)と送信トランス#1(12)の二次側中間タップに接続される。
【0053】
電流監視0部(15)と電流監視1部(16)で観測された給電側の負荷状態は、回線給電負荷0情報と回線給電負荷1情報としてリモート収容装置(1)内の現用回線か予備回線のどちらが使用されているかを表す現用予備回線設定情報と共に給電切替制御部(17)に入力される。
【0054】
現用予備回線設定情報は、リモート収容装置(1)内の装置制御を行うメモリなどの記憶部(図示せず)に格納されているものである。
【0055】
給電切替制御部(17)は、回線給電負荷0情報、回線給電負荷1情報及び現用予備回線設定情報を基に図2に示した論理によって、電力切替0部(13)のスイッチノードを#0Aあるいは#1Bに切り替え、さらに電力切替1部(14)のスイッチノードを#1Aあるいは#0Bに切り替えて設定する。
【0056】
図2の論理を具体的に説明する。
【0057】
PoE給電0部(18)とPoE給電1部(19)の初期給電状態は、各々#0Aと#1Aに接続され、IEEE802.3af規定のPoE給電A方式としている。
【0058】
このとき、PoE給電0部(18)から7.7W、PoE給電1部(19)から7.7Wの電力が各々送信トランス#0(11)と送信トランス#1(12)の二次側中間タップを経て信号線に重畳され、リモート装置(2)の受信トランス#0(21)と受信トランス#1(22)の一次側中間タップを経て、電力和回路(23)、(24)、(25)を介して総和されて15.4Wとなり、装置内電源部(26)には、この双方の総和である15.4Wが供給される。ただし、ここでは電力伝送時の電力損失を無視して記述している。
【0059】
この状態で回線#0(3)に故障や断線などの障害が発生した場合、電流監視0部(15)が給電負荷異常(無し)を検出し、給電切替制御部(17)に伝達される。
【0060】
給電切替制御部(17)は、この変化を受けて電力切替0部(13)のスイッチノードを#0Aから#1Bに切り替え、回線#0(3)のA方式給電を回線#1(4)のB方式給電に切り替える。
【0061】
この結果PoE給電0部(18)の7.7Wの電力は、#1ツイストペア(4)の電力線を経由してリモート装置(2)に伝達され、受信トランス#1(22)の一次側中間タップから伝送されるPoE給電1部(19)からの電力7.7Wと総和され装置内電源部(26)に供給される。
【0062】
前述の初期給電状態で回線#1(4)に故障や断線などの障害が発生した場合は、電流監視1部(16)が給電負荷異常(無し)を検出し、給電切替制御部(17)に伝達される。
【0063】
給電切替制御部(17)は、この変化を受けて電力切替1部(14)のスイッチノードを#1Aから#0Bに切り替え、回線#1(4)のA方式給電を回線#0(3)のB方式給電に切り替える。
【0064】
この結果PoE給電1部(19)の7.7Wの電力は、#0ツイストペア(3)の電力線を経由してリモート装置(2)に伝達され受信トランス#0(21)の一次側中間タップから伝送されるPoE給電0部(18)からの電力7.7Wと総和され装置内電源部(26)に供給される。
【0065】
また、前述の各状態のときに回線#0(3)と回線#1(4)双方に故障や断線などの障害が発生した場合には、電流監視0部(15)と電流監視1部(16)双方で給電負荷異常(無し)を検出し、給電切替制御部(17)に伝達される。
【0066】
給電切替制御部(17)は、この変化を受けて電力切替0部(13)のスイッチノードを#0Aに、電力切替1部(14)のスイッチノードを#1Aに各々設定し、PoE給電0部(18)とPoE給電1部(19)双方に給電停止指示を送る。
【0067】
同指示を受けたPoE給電0部(18)とPoE給電1部(19)は、内部給電回路(図示せず)への入力電力を遮断するなどして内部回路停止し、消費電力を下げる。
【0068】
なお、PoE給電0部(18)とPoE給電1部(19)の初期給電状態を各々#0Aおよび#1Aではなく、#0Bおよび#1Bとする構成も可能であり、その場合の構成を図3に示す。
【0069】
図1との違いは、電力切替0部(113)と電力切替1部(114)の内部スイッチノード構成が変更されているのみである。この場合の電力切替0部(113)と電力切替1部(114)の切り替え設定論理を図4に示す。
【0070】
この例は、リモート収容装置(101)とリモート装置(102)とを、#0ツイストペア線(103)および#1ツイストペア線(104)によってイーサネット二重化接続するものである。
【0071】
リモート装置(102)は、イーサネット二重化回線(#0ツイストペア線(103)および#1ツイストペア線(104))を介して上位装置(リモート収容装置(101))からパケット伝送を受け、かつ自身の装置電力をPoE給電方式で受電する。
【0072】
また、回線二重化に対応して上位装置(リモート収容装置(101))より#0ツイストペア線(103)と#1ツイストペア線(104)経由とで信号線と電力線を受信し、#0ツイストペア線(103)の信号線に重畳された給電電力を受信トランス#0(121)の一次側中間タップから各々引き出されたA方式給電電力と電力線で直接受信したB方式給電電力の電力和出力と、#1ツイストペア線(104)の信号線に重畳された給電電力を受信トランス#1(122)の一次側中間タップから各々引き出されたA方式給電電力と電力線で直接受信したB方式給電電力の電力和出力については、受電側装置(リモート装置(102))がA方式及びB方式双方に対応すべきというIEEE802.3afの規定に基づく。
【0073】
さらに、これら2系統の電力は電力和回路(123)、(124)、(125)を介して総和されてから装置内電源部(126)に供給される。これは、二重化回線の片側に断線や故障などの障害が発生し、給電側で回線供給する電力系統の切り替えが発生した場合に電力瞬断が発生しないようにするための構成である。
【0074】
リモート収容装置(101)は、イーサネット二重化回線(#0ツイストペア線(103)および#1ツイストペア線(104))を介してリモート装置(102)との間でデータのやりとりを行い、さらにPoE給電にて電力を供給する。
【0075】
イーサネット二重化回線1対用のPoE給電部として、PoE給電0部(118)とPoE給電1部(119)を具備する。PoE給電0部(118)、PoE給電1部(119)は、各々、直流電圧48Vを最大直流電力7.7W出力できる能力を持つ。これはIEEE802.3afのイーサネット回線1ポート(図1では1つのツイストペアに相当する)への給電能力規定である直流電圧48Vで最大直流電力15.4Wの半分の電流容量を意味している。
【0076】
PoE給電0部(118)とPoE給電1部(119)の電力出力側には、各々給電側負荷を測定するための電流容量測定計である電流監視0部(115)と電流監視1部(116)、さらに電力切替0部(113)と電力切替1部(114)を経由して、各々送信トランス#0(111)と送信トランス#1(112)の二次側中間タップに接続される。
【0077】
電流監視0部(115)と電流監視1部(116)で観測された給電側の負荷状態は、回線給電負荷0情報と回線給電負荷1情報としてリモート収容装置(101)内の現用回線か予備回線のどちらが使用されているかを表す現用予備回線設定情報と共に給電切替制御部(117)に入力される。
【0078】
現用予備回線設定情報は、リモート収容装置(101)内の装置制御を行うメモリなどの記憶部(図示せず)に格納されているものである。
【0079】
給電切替制御部(117)は、回線給電負荷0情報、回線給電負荷1情報及び現用予備回線設定情報を基に図4に示した論理によって、電力切替0部(113)のスイッチノードを#1Aあるいは#0Bに切り替え、さらに電力切替1部(114)のスイッチノードを#1Bあるいは#0Aに切り替えて設定する。
【0080】
図4の論理を具体的に説明する。
【0081】
PoE給電0部(118)とPoE給電1部(119)の初期給電状態は、各々#0Bと#1Bに接続され、IEEE802.3af規定のPoE給電B方式としている。
【0082】
このとき、PoE給電0部(118)から7.7W、PoE給電1部(119)から7.7Wの電力が各々電力線によって伝達され、電力和回路(123)、(124)、(125)を介して総和されて15.4Wとなり、装置内電源部(126)には、この双方の総和である15.4Wが供給される。ただし、ここでは電力伝送時の電力損失を無視して記述している。
【0083】
この状態で回線#0(103)に故障や断線などの障害が発生した場合、電流監視0部(115)が給電負荷異常(無し)を検出し、給電切替制御部(117)に伝達される。
【0084】
給電切替制御部(117)は、この変化を受けて電力切替0部(113)のスイッチノードを#0Bから#1Aに切り替え、回線#0(103)のB方式給電を回線#1(104)のA方式給電に切り替える。
【0085】
この結果PoE給電0部(118)の7.7Wの電力は、#1ツイストペア(104)の信号線に重畳されてリモート装置(102)に伝達され、#1ツイストペア(104)の電力線から伝送されるPoE給電1部(119)からの電力7.7Wと総和され装置内電源部(126)に供給される。
【0086】
前述の初期給電状態で回線#1(104)に故障や断線などの障害が発生した場合は、電流監視1部(116)が給電負荷異常(無し)を検出し、給電切替制御部(117)に伝達される。
【0087】
給電切替制御部(117)は、この変化を受けて電力切替1部(114)のスイッチノードを#1Bから#0Aに切り替え、回線#1(104)のB方式給電を回線#0(103)のA方式給電に切り替える。
【0088】
この結果PoE給電1部(119)の7.7Wの電力は、#0ツイストペア(103)の信号線に重畳されてリモート装置(102)に伝達され、#0ツイストペア(103)の電力線から伝送されるPoE給電0部(118)からの電力7.7Wと総和され装置内電源部(126)に供給される。
【0089】
また、前述の各状態のときに回線#0(103)と回線#1(104)双方に故障や断線などの障害が発生した場合には、電流監視0部(115)と電流監視1部(116)双方で給電負荷異常(無し)を検出し、給電切替制御部(117)に伝達される。
【0090】
給電切替制御部(117)は、この変化を受けて電力切替0部(113)のスイッチノードを#0Bに、電力切替1部(114)のスイッチノードを#1Bに各々設定し、PoE給電0部(118)とPoE給電1部(119)双方に給電停止指示を送る。
【0091】
同指示を受けたPoE給電0部(118)とPoE給電1部(119)は、内部給電回路(図示せず)への入力電力を遮断するなどして内部回路停止し、消費電力を下げる。
【0092】
以上説明したように本発明では、現用回線の障害などにより予備回線に切り替える際に供給電力は一時的(瞬間的に)に半分に落ちるもののPoE受電側装置での電力瞬断を発生させることなく、PoE給電側装置の給電電力容量を一重化時と同等に抑えることが可能な二重化回線PoE給電時の低電力回路及び構成方法の提供を特徴としている。
【0093】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を施すことが可能であることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明によるPoE給電回路の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示したPoE給電回路の給電切替制御部(17)による、電力切替0部(13)および電力切替1部(14)の切り替えに関する論理を示す表図である。
【図3】本発明によるPoE給電回路の、図1とは別の実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図4】図3に示したPoE給電回路の給電切替制御部(117)による、電力切替0部(113)および電力切替1部(114)の切り替えに関する論理を示す表図である。
【図5】イーサネット二重化回線を介してPoE給電を行うパケット通信機器の従来の給電構成例を示す図である。
【図6】イーサネット二重化回線を介してPoE給電を行うパケット通信機器の従来の別の給電構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0095】
1 リモート収容装置
2 リモート装置
3 #0ツイストペア線
4 #1ツイストペア線
11 送信トランス#0
12 送信トランス#1
13 電力切替0部
14 電力切替1部
15 電流監視0部
16 電流監視1部
17 給電切替制御部
18 PoE給電0部
19 PoE給電1部
21 受信トランス#0
22 受信トランス#1
23、24、25 電力和回路
26 装置内電源部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現用系回線が信号線および電力線を有し、予備系回線が信号線および電力線を有し、前記現用系回線の信号線、前記現用系回線の電力線、前記予備系回線の信号線および前記予備系回線の電力線のいずれかを介して回線対向回路に給電を行う給電回路において、
前記現用系回線の信号線、前記現用系回線の電力線、前記予備系回線の信号線および前記予備系回線の電力線のうちのいずれか2つの線を用いて給電を行う給電手段を備えたことを特徴とする給電回路。
【請求項2】
前記給電手段が、前記給電を行う2つの線を切り替える切替手段を有することを特徴とする請求項1に記載の給電回路。
【請求項3】
前記給電手段が、前記給電を行う2つの線の一方への電力供給を行う第1の給電部と、前記給電を行う2つの線の他方への電力供給を行う第2の給電部とを有することを特徴とする請求項1または2に記載の給電回路。
【請求項4】
前記現用系回線の信号線に電力を重畳する第1の送信トランスと、
前記予備系回線の信号線に電力を重畳する第2の送信トランスと、
前記第1の送信トランスと前記第1の給電部との接続と、前記予備系回線の電力線と前記第1の給電部との接続とを切り替える第1の電力切替部と、
前記第2の送信トランスと前記第2の給電部との接続と、前記現用系回線の電力線と前記第2の給電部との接続とを切り替える第2の電力切替部と、
前記第1の給電部と前記第1の切替部との間に設けられ、この間の電流を検出する第1の電流監視部と、
前記第2の給電部と前記第2の切替部との間に設けられ、この間の電流を検出する第2の電流監視部と、
前記第1の電流監視部による検出結果および前記第2の電流監視部による検出結果に基づいて、前記第1の電力切替部および第2の電力切替部の接続切り替えを行う給電切替制御部と
を設けたことを特徴とする請求項3に記載の給電回路。
【請求項5】
前記給電切替制御部が、
前記第1の電流監視部による検出結果が正常であり、且つ前記第2の電流監視部による検出結果が正常である場合には、前記第1の電力切替部が前記第1の送信トランスと前記第1の給電部とを接続するように切り替え、且つ前記第2の電力切替部が前記第2の送信トランスと前記第2の給電部とを接続するように切り替え、
前記第1の電流監視部による検出結果が正常であり、且つ前記第2の電流監視部による検出結果が異常である場合には、前記第1の電力切替部が前記第1の送信トランスと前記第1の給電部とを接続するように切り替え、且つ前記第2の電力切替部が前記現用系回線の電力線と前記第2の給電部とを接続するように切り替え、
前記第1の電流監視部による検出結果が異常であり、且つ前記第2の電流監視部による検出結果が正常である場合には、前記第1の電力切替部が前記予備系回線の電力線と前記第1の給電部とを接続するように切り替え、且つ前記第2の電力切替部が前記第2の送信トランスと前記第2の給電部とを接続するように切り替え、
前記第1の電流監視部による検出結果が異常であり、且つ前記第2の電流監視部による検出結果が異常である場合には、前記第1の給電部および前記第2の給電部に対して給電を停止するよう指示する、
よう制御することを特徴とする請求項4に記載の給電回路。
【請求項6】
前記現用系回線の信号線に電力を重畳する第1の送信トランスと、
前記予備系回線の信号線に電力を重畳する第2の送信トランスと、
前記第2の送信トランスと前記第1の給電部との接続と、前記現用系回線の電力線と前記第1の給電部との接続とを切り替える第1の電力切替部と、
前記第1の送信トランスと前記第2の給電部との接続と、前記予備系回線の電力線と前記第2の給電部との接続とを切り替える第2の電力切替部と、
前記第1の給電部と前記第1の切替部との間に設けられ、この間の電流を検出する第1の電流監視部と、
前記第2の給電部と前記第2の切替部との間に設けられ、この間の電流を検出する第2の電流監視部と、
前記第1の電流監視部による検出結果および前記第2の電流監視部による検出結果に基づいて、前記第1の電力切替部および第2の電力切替部の接続切り替えを行う給電切替制御部と
を設けたことを特徴とする請求項3に記載の給電回路。
【請求項7】
前記給電切替制御部が、
前記第1の電流監視部による検出結果が正常であり、且つ前記第2の電流監視部による検出結果が正常である場合には、前記第1の電力切替部が前記現用系回線の電力線と前記第1の給電部とを接続するように切り替え、且つ前記第2の電力切替部が前記予備系回線の電力線と前記第2の給電部とを接続するように切り替え、
前記第1の電流監視部による検出結果が正常であり、且つ前記第2の電流監視部による検出結果が異常である場合には、前記第1の電力切替部が前記現用系回線の電力線と前記第1の給電部とを接続するように切り替え、且つ前記第2の電力切替部が前記第1の送信トランスと前記第2の給電部とを接続するように切り替え、
前記第1の電流監視部による検出結果が異常であり、且つ前記第2の電流監視部による検出結果が正常である場合には、前記第1の電力切替部が前記第2の送信トランスと前記第1の給電部とを接続するように切り替え、且つ前記第2の電力切替部が前記第1の送信トランスと前記第2の給電部とを接続するように切り替え、
前記第1の電流監視部による検出結果が異常であり、且つ前記第2の電流監視部による検出結果が異常である場合には、前記第1の給電部および前記第2の給電部に対して給電を停止するよう指示する、
よう制御することを特徴とする請求項6に記載の給電回路。
【請求項8】
前記第1の給電部による給電電力と前記第2の給電部による給電電力との和が対向回路に給電する値の最大値であることを特徴とする請求項3ないし7のうちのいずれか1項に記載の給電回路。
【請求項9】
現用系回線が信号線および電力線を有し、予備系回線が信号線および電力線を有し、前記現用系回線の信号線、前記現用系回線の電力線、前記予備系回線の信号線および前記予備系回線の電力線のいずれかを介して給電を行うPoE給電方法において、
前記現用系回線の信号線、前記現用系回線の電力線、前記予備系回線の信号線および前記予備系回線の電力線のうちのいずれか2つの線を用いて給電を行うことを特徴とする給電方法。
【請求項10】
前記給電を行う2つの線を切り替え可能であることを特徴とする請求項9に記載の給電方法。
【請求項11】
前記給電を行う2つの線の一方への電力供給を行う第1の給電部と、
前記給電を行う2つの線の他方への電力供給を行う第2の給電部と、
前記現用系回線の信号線に電力を重畳する第1の送信トランスと、
前記予備系回線の信号線に電力を重畳する第2の送信トランスと、
前記第1の送信トランスと前記第1の給電部との接続と、前記予備系回線の電力線と前記第1の給電部との接続とを切り替える第1の電力切替部と、
前記第2の送信トランスと前記第2の給電部との接続と、前記現用系回線の電力線と前記第2の給電部との接続とを切り替える第2の電力切替部と、
前記第1の給電部と前記第1の切替部との間に設けられ、この間の電流を検出する第1の電流監視部と、
前記第2の給電部と前記第2の切替部との間に設けられ、この間の電流を検出する第2の電流監視部と
を備え、
前記第1の電流監視部による検出結果および前記第2の電流監視部による検出結果に基づいて、前記第1の電力切替部および第2の電力切替部の接続切り替えを行う
ことを特徴とする請求項10に記載の給電方法。
【請求項12】
前記第1の電流監視部による検出結果が正常であり、且つ前記第2の電流監視部による検出結果が正常である場合には、前記第1の電力切替部が前記第1の送信トランスと前記第1の給電部とを接続するように切り替え、且つ前記第2の電力切替部が前記第2の送信トランスと前記第2の給電部とを接続するように切り替え、
前記第1の電流監視部による検出結果が正常であり、且つ前記第2の電流監視部による検出結果が異常である場合には、前記第1の電力切替部が前記第1の送信トランスと前記第1の給電部とを接続するように切り替え、且つ前記第2の電力切替部が前記現用系回線の電力線と前記第2の給電部とを接続するように切り替え、
前記第1の電流監視部による検出結果が異常であり、且つ前記第2の電流監視部による検出結果が正常である場合には、前記第1の電力切替部が前記予備系回線の電力線と前記第1の給電部とを接続するように切り替え、且つ前記第2の電力切替部が前記第2の送信トランスと前記第2の給電部とを接続するように切り替え、
前記第1の電流監視部による検出結果が異常であり、且つ前記第2の電流監視部による検出結果が異常である場合には、前記第1の給電部および前記第2の給電部に対して給電を停止するよう指示する、
よう制御することを特徴とする請求項11に記載の給電方法。
【請求項13】
前記現用系回線の信号線に電力を重畳する第1の送信トランスと、
前記予備系回線の信号線に電力を重畳する第2の送信トランスと、
前記第2の送信トランスと前記第1の給電部との接続と、前記現用系回線の電力線と前記第1の給電部との接続とを切り替える第1の電力切替部と、
前記第1の送信トランスと前記第2の給電部との接続と、前記予備系回線の電力線と前記第2の給電部との接続とを切り替える第2の電力切替部と、
前記第1の給電部と前記第1の切替部との間に設けられ、この間の電流を検出する第1の電流監視部と、
前記第2の給電部と前記第2の切替部との間に設けられ、この間の電流を検出する第2の電流監視部と
を備え、
前記第1の電流監視部による検出結果および前記第2の電流監視部による検出結果に基づいて、前記第1の電力切替部および第2の電力切替部の接続切り替えを行う
ことを特徴とする請求項10に記載の給電方法。
【請求項14】
前記第1の電流監視部による検出結果が正常であり、且つ前記第2の電流監視部による検出結果が正常である場合には、前記第1の電力切替部が前記現用系回線の電力線と前記第1の給電部とを接続するように切り替え、且つ前記第2の電力切替部が前記予備系回線の電力線と前記第2の給電部とを接続するように切り替え、
前記第1の電流監視部による検出結果が正常であり、且つ前記第2の電流監視部による検出結果が異常である場合には、前記第1の電力切替部が前記現用系回線の電力線と前記第1の給電部とを接続するように切り替え、且つ前記第2の電力切替部が前記第1の送信トランスと前記第2の給電部とを接続するように切り替え、
前記第1の電流監視部による検出結果が異常であり、且つ前記第2の電流監視部による検出結果が正常である場合には、前記第1の電力切替部が前記第2の送信トランスと前記第1の給電部とを接続するように切り替え、且つ前記第2の電力切替部が前記第1の送信トランスと前記第2の給電部とを接続するように切り替え、
前記第1の電流監視部による検出結果が異常であり、且つ前記第2の電流監視部による検出結果が異常である場合には、前記第1の給電部および前記第2の給電部に対して給電を停止するよう指示する、
ことを特徴とする請求項13に記載の給電方法。
【請求項15】
前記給電を行う2つの線による給電電力の和が対向回路に給電する値の最大値であることを特徴とする請求項9ないし14のうちのいずれか1項に記載の給電方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−253307(P2009−253307A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−94600(P2008−94600)
【出願日】平成20年4月1日(2008.4.1)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】