説明

緊急メール送信機能付ADSL通信装置

【課題】緊急メール送信機能付ADSL通信装置に関し、ホームセキュリティシステムをIPネットワーク化し、ユーザ宅内に設けられた警報機器から発報された警報を外出先のユーザの携帯電話端末やパーソナルコンピュータによって受信可能にする。
【解決手段】インターネットとの常時接続機能を有するADSLモデムに自動メール送信機能を付加するとともに各種警報センサ1−2と無線LAN又はイーサネット(登録商標)により接続し、各種警報センサ1−2からの警報情報を受信すると、予め登録してあるメールアドレス宛に自動で電子メールを送信する。ユーザは外出先等に持ち歩く携帯電話端末1−4から該電子メールを受け取る。また、ADSL通信装置1−1には、監視カメラの映像情報を配信するウェブサーバ機能を備え、ユーザは携帯電話端末1−4から該監視カメラ1−3の映像情報を、インターネット及び該ウェブサーバ機能を介して閲覧する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、緊急メール送信機能付ADSL通信装置に関し、特に、ホームセキュリティシステムに適用され、ADSL技術、メール送信技術、セキュリティ保障技術等を用いてユーザ宅内の異常監視等を行うことができる緊急メール送信機能付ADSL通信装置に関する。
【0002】
ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)の伝送技術は、大容量データの送受信及び常時接続を可能にすることから、インターネットのアクセス回線として各家庭に浸透し、加入者数も年々増加している。そのため、セキュリティ監視システムにADSL技術を用いることも容易となり、それによりセキュリティ監視システムをIP(Internet Protocol)ネットワーク化し、映像、音声などの複合的な監視情報を大量に送ることが可能となる。本発明は、このようなセキュリティ監視システムに適したADSL通信装置に関する。
【背景技術】
【0003】
従来のホームセキュリティシステムを図5に示す。同図において、5−1は進入センサ、5−2はガスセンサ、5−3は火災センサ、5−4は監視カメラ、5−5は緊急電話機、5−6は緊急ペンダントである。
【0004】
進入センサ5−1は宅内への不法侵入者を赤外線等によって探知する。ガスセンサ5−2はガス漏れを探知する。火災センサ5−3は火事などによる煙又は急激な温度変化を探知する。監視カメラ5−4は宅内に設置される小型カメラで、外部から自由に移動させ、また画像の拡大縮小などを行うことができ、留守中に住人の目の代わりとなる監視端末である。
【0005】
緊急電話機5−5は緊急事態発生時に警備会社などとの音声による連絡を可能にする通報端末である。緊急ペンダント5−6は常時ユーザの身に着けられ、心身の異常などを来たしたときなどにユーザがそのボタンを押して警備会社に連絡することができる通報端末である。
【0006】
ホームコントローラ5−7は、各種警報センサ5−1〜5−3及び監視/通報端末5−4〜5−6と接続され、PSTN(Public Switched Telephone Networks)やISDN(Integrated Services Digital Network)5−8を介して警備会社に警報を通報する装置である。
【0007】
PSTN又はISDNのネットワーク5−8は、ユーザ宅と警備会社とを接続する公衆交換電話網(一般電話回線)又は統合サービスディジタル網であり、これに代えてユーザ宅のホームコントローラ5−7と警備会社とを専用線で接続したものも存在する。
【0008】
コントロールセンタ5−9は警備会社に設置され、各ユーザ宅から送信される警報を監視する設備であり、通報の内容及び状況に応じて、緊急発進拠点5−10に対して人員派遣の指示を発する。緊急発進拠点5−10はコントロールセンタ5−9からの人員派遣の指示があると、現場に速やかに警備員等を急行させるように各所に点在配置された拠点である。
【0009】
従来のホームセキュリティシステムは、ユーザ宅内から発報された警報情報を、公衆交換電話網(PSTN)やISDN回線を利用して警備会社などのコントロールセンタへ転送し、警備会社が警報の内容や状況に応じて、現場への人員派遣の指示を行うというものであった。
【0010】
また、ユーザ自身が監視カメラにより自宅内の様子等を看取する方法として、ウェブサーバ機能付監視カメラによって撮影画像を直接配信する方法や、監視カメラを自宅のパーソナルコンピュータに接続してそのパーソナルコンピュータから撮影画像を配信する方法や、外部サーバなどと連携しながら監視カメラの撮影画像を一旦外部サーバに配信し、ユーザが外部サーバにアクセスすることによって監視カメラの撮影画像を看取するなどの方法が提案されている。
【0011】
また、セキュリティ用のホームコントローラや監視カメラなどから警報メールを外部の専用サーバなどを通じて、ユーザの携帯端末などに送信するセキュリティシステムも提案されているが、ADSLモデムから直接ユーザの携帯電話やパーソナルコンピュータなどへメール配信する機能を備えたものは存在しない。
【0012】
本発明に関連する先行技術文献として、被監視側が監視カメラからの画像を圧縮した画像データを、xDSLモデムより2Wメタリックケーブルを介して伝送し、監視側が画像データを、xDSLモデムを介して受信し画像デコーダで復号した後、モニタ上に画像として表示することで画像データを監視する遠隔画像監視システムであって、画像データに変化が起きた間の画像データのみを記録できる遠隔画像監視システムについて下記の特許文献1に記載されている。
【特許文献1】特開2002−252715号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従来のホームセキュリティシステムは、公衆交換電話網(PSTN)やISDN回線を利用して警備会社などのコントロールセンタへ警報転送等を行っていたため、転送し得るデータ量が少なく、限られた情報しか送ることができず、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)などの標準的な通信プロトコルが使用されていないため、インターネット上で利用可能な様々なサービス機能を活用することができない。
【0014】
また、従来のホームセキュリティシステムは、警備会社におけるコントロールセンタ5−9等の設備を主体にして構築されるため、警備会社などが配備するインフラストラクチャや人件費などに要するコストが膨大であり、個々のユーザが望む細かい個別サービスを提供することが困難であった。このような状況の中で、警備会社などを介することなく、ユーザがユーザ自身で独自に自宅のセキュリティ監視を行うことができるシステムが望まれている。
【0015】
本発明は、大容量データの送受信及び常時接続が可能のADSL通信装置を利用し、ホームセキュリティシステムをIPネットワーク化してインターネットとの融合化を図り、ユーザ宅内に設けられた警報機器から発報された警報情報を、外出先のユーザの携帯電話端末やパーソナルコンピュータによって受信することを可能にすることを目的とする。
【0016】
また、従来のホームセキュリティシステムの場合、警備会社に警報が発報された場合、一般電話回線やISDN回線を介して警備会社からは監視カメラを通じてユーザ宅内の様子や状況を看取することはできたものの、伝送し得る画像のデータ量が限られ、また、ユーザ自身は監視カメラを通して自宅内の様子等を監視することができないという欠点があった。
【0017】
また、ユーザが監視カメラにより自宅内の様子等を監視する方法として、ウェブサーバ機能付監視カメラによって撮影画像を直接配信する方法や、監視カメラをパーソナルコンピュータに接続しパーソナルコンピュータから撮影画像を配信する方法や、監視カメラの撮影画像を一旦外部サーバに配信し、ユーザが外部サーバにアクセスすることによって画像を配信するといった従来の方法は、パーソナルコンピュータ又は外部サーバ等の設備を別途備えなければならず、また、固定IPアドレスを使用しなければならないなど、コストや設置・設定の手間が掛かる欠点があった。本発明は、監視カメラで撮影される自宅内の様子の映像を、インターネットを利用してユーザ自身が簡便に閲覧することができるホームセキュリティ用のADSL通信装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の緊急メール送信機能付ADSL通信装置は、(1)ADSLモデム機能を具備し、ユーザ宅内に配備された警報センサと有線又は無線で接続され、TCP/IPのプロトコルによる通信機能を備え、該警報センサから発報される警報情報を受信すると、該警報情報を含む電子メールを、予め登録されたメールアドレス宛にTCP/IPのプロトコルによりインターネットを経由して送信することを特徴とする。
【0019】
また、(2)前記警報センサとの接続において、イーサネット(登録商標)規格のインタフェースを有する接続端子を有するとともに、該警報センサとの通信において、TCP/IPのプロトコルによる通信機能を備えたことを特徴とする。
【0020】
また、(3)前記予め登録されたメールアドレスとして、複数のメールアドレスを登録し、該複数のメールアドレス宛に同時に前記電子メールを送信する機能を備えたことを特徴とする。
【0021】
また、(4)前記警報情報を一時的にメモリに記憶する手段を備え、ADSL回線のリンク断障害により前記電子メールの送信に失敗した際に、該警報情報をメモリから読み出して、該警報情報を含む電子メールを送信する機能を備えたことを特徴とする。
【0022】
また、(5)前記ADSL回線のリンク断障害後、リンクアップ接続の回復及びPPP(Point to Point Protocol)接続の認証完了を認識したとき、前記メモリの中から未送信の警報情報ものを読み出して、該警報情報を含む電子メールを送信する機能を備えたことを特徴とする。
【0023】
また、(6)前記警報が発報された時刻を記述する時刻情報を、外部時刻サーバから与えられる時刻と同期をさせる機能を備えたことを特徴とする。
また、(7)前記ユーザ宅内に設置された監視カメラと接続され、該監視カメラで撮影された映像情報をインターネットに配信する監視カメラ用ウェブサーバ機能を備えたことを特徴とする。
【0024】
また、(8)前記監視カメラで撮影された映像情報を配信するためのインターネット上のドメイン名とIP(Internet Protocol)アドレスとを動的に対応させるダイナミックDNS(Domain Name System)通知機能を備えたことを特徴とする。
【0025】
また、(9)前記監視カメラ用ウェブサーバ機能にインターネットを介してアクセスする際にユーザID及びパスワードによってログインさせるアクセス制限機能を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、ADSLモデム機能を有し、警報センサからの警報情報を受信するADSL通信装置に、該警報情報を含む電子メールをインターネット経由で送信する機能を備えたことにより、該警報情報を含む電子メールを外出先のユーザに通報することができる。
【0027】
また、警報センサとイーサネット(登録商標)規格のインタフェースで接続し、TCP/IPのプロトコルによる通信を可能としたことにより、汎用の通信機器及び通信プロトコルを用いて、容易に低コストでホームセキュリティシステムを構築することが可能となる。
【0028】
また、警報情報を含む電子メールを、複数のメールアドレス宛に同時に送信する機能を備えたことにより、ユーザ自身の携帯電話端末や勤務先のパーソナルコンピュータなどで該電子メールを受信するほかに、家族、隣人、親戚など様々な方面に送信することが可能になり、もしユーザが該電子メールに気付かなくても他の家族等に気付かせることができ、ホームセキュリティとしての安全性を高めることができる。
【0029】
また、ADSL回線はリンク断障害を起こす可能性があるが、警報情報を一時的にメモリに記憶し、ADSL回線のリンク断障害の回復後、該警報情報をメモリから読み出して電子メールを送信する機能を備えることにより、リンク断障害に対する警報の信頼性を向上させることができる。リンク断障害を起こしている時間は長くても数分ほどであり、この程度の遅延で外部にいるユーザに通報することができるという点で有効性がある。
【0030】
また、従来はPSTN回線などを通じて警備会社などに警報を発報するシステムはあったが、警備会社などの他者が介在して監視を行っていたため、ユーザの独自の監視を行うことができなかったが、本発明の緊急メール送信機能付ADSL通信装置によって、ユーザが独自にホームセキュリティシステムを構築することができ、警備会社などの委託コストも掛からずに安価にシステムを構築することができる。
【0031】
仮に、警備会社などの他者に監視業務を委託するシステムに含めた場合でも、ADSL回線を用いるため、監視カメラによる映像やVoIP(Voice over Internet Protocol)の音声などのデータを大量に送ることができるため、多様な警報情報を通報することができ、かつ、インターネットの汎用のサービス機能を活用することができる。また、更に、情報家電との組み合わせも容易である。
【0032】
また、監視カメラで撮影された映像情報をインターネットに配信する監視カメラ用ウェブサーバ機能を備えたことにより、ユーザは携帯電話端末又はパーソナルコンピュータ等により外部からインターネットを通じて宅内の監視カメラの映像を見ることができる。
【0033】
携帯電話端末からは、登録してあるドメインにアクセスし、ユーザID、パスワードを入力することにより、簡単に宅内の映像を見ることができる。パーソナルコンピュータからでも同様である。このように、警備会社などの他者が介在することなく、監視カメラを用いたホームセキュリティシステムをユーザが独自に構築することができ、また、外部にサーバなどを設置する必要がないため、簡易で安価にシステムを構築することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
図1は本発明の緊急メール送信機能付ADSL通信装置を示す。本発明による緊急メール送信機能付ADSL通信装置1−1は、インターネットとの常時接続機能を有するADSLモデムに自動メール送信機能を付加し、該自動メール送信機能は、警報センサ1−2(図5に示した各種のセンサ)から発報された警報情報を、自装置のユーザのメールアドレスとして登録してあるメールアドレス宛に自動でメールを送信する。
【0035】
緊急メール送信機能付ADSL通信装置1−1と各種の警報センサ1−2とは、無線LAN(例えばIEEE802.11a/b/g等)又はイーサネット(登録商標)規格の有線ケーブルによって接続し、各種警報センサ1−2が異常を検知すると、緊急メール送信機能付ADSL通信装置に、該異常を示す信号をデジタル情報として送信する。緊急メール送信機能付ADSL通信装置1−1は、どの警報センサからの警報情報かを判別し、該警報情報に応じた電子メールを送信する。なお、該電子メールの文書内容は、ADSLモデムの設定・管理画面で容易に設定することができる。
【0036】
1−4はユーザが外出先などにも持ち歩く携帯電話端末である。現今の携帯電話端末は、メール送受機能は概ねどの機種でも利用可能であるため、緊急メール送信機能付ADSL通信装置1−1から送信された緊急メールをいつでもどこでも受け取ることができる。このように、本発明では、常時接続のADSLモデムにメール送信機能を持付加することによって、警報センサにより発報された警報情報を、外出先のユーザの携帯電話端末などに自動的に緊急メールとして送信することが可能となる。
【0037】
また、本発明の緊急メール送信機能付ADSL通信装置1−1には、緊急メールの送信先として、ユーザの携帯電話端末用のメールアドレス又は勤務先のパーソナルコンピュータ用のメールアドレス、或いは家族、隣人、親戚等のメールアドレスなど、複数のメールアドレスが登録可能な記憶部を設け、警報の発報時、ユーザ宅内の異常を知らせる緊急メールを、登録された複数のメールアドレス先へ同時に送信する。
【0038】
また、ADSL回線は、ときどきリンク断障害を起こすおそれがあり、緊急メール送信時にリンク断障害と重なると、緊急通報を行うことができないという事態となるが、このような事態を避けるため、警報情報を一時的に蓄えるメモリを設け、次回のリンクアップ接続回復時に、該メモリから警報情報を読み出して緊急メールを送信する機能を備える。
【0039】
再度、緊急メールを送信するときは、上記のメモリに蓄えられた警報情報の内容を参照し、リンクアップ及びPPP(Point to Point Protocol)接続などの認証の確認が得られた後に、該緊急メールの再送信を行う機能を備える。リンク断の状態の時間は長くても数分ほどであり、異常事態発生時からこの程度の時間、緊急メールの送信が遅れる場合があるが、多少遅れても、外出しているユーザに電子メールによって緊急事態を通報することができるという点で有効性がある。
【0040】
また、本発明の緊急メール送信機能付ADSL通信装置1−1は、警報センサ1−2から警報が発報された時刻を認識するために、自装置に時刻情報を格納し、該時刻情報を外部時刻サーバから与えられる時刻と同期をさせる機能を備える。送信する緊急メールに、警報が発報された時刻を記述する際、この時刻情報を使用する。
【0041】
また、上述の緊急メールを受信したユーザが携帯電話端末1−4からユーザ宅内の監視カメラ1−3の撮影画像を閲覧する手段として、本発明の緊急メール送信機能付ADSL通信装置1−1に監視カメラ用ウェブサーバ機能を備える。ユーザは携帯電話端末1−4から緊急メール送信機能付ADSL通信装置1−1のウェブサーバにアクセスし、簡便にユーザ宅内の映像を閲覧することができる。
【0042】
以上のように、本発明では、パーソナルコンピュータや外部サーバなどの設備を必要とせず、緊急メール送信機能及びウェブサーバ機能を備えたADSL通信装置を用い、安価で簡単にホームセキュリティシステム構築し、外出先からユーザが携帯電話端末などにより、ユーザ宅内の監視カメラで撮影された映像を看取することができる。
【0043】
ただし、通常、インターネットの常時接続装置にISP(Internet Services Provider)によって割り振られるグローバルIPアドレスは動的に割り振られるため、外部からアクセスする際には、このIPアドレスが知らされていないとアクセスすることができない。これを解決するために、インターネット上のドメイン名とIPアドレスとを動的に対応させるダイナミックDNS(Domain Name System)通知機能を備えることによって、緊急メール送信機能付ADSL通信装置1−1のモデムが取得しているIPアドレスをDNSサーバに通知させる。
【0044】
これにより、同一のドメイン名を保持しながら、グローバルIPアドレスが動的に変化した場合でも、外出先のユーザは携帯電話端末からドメイン名を用いて緊急メール送信機能付ADSL通信装置1−1のウェブサーバにアクセスすることが可能となる。
【0045】
また、本発明の緊急メール送信機能付ADSL通信装置1−1のウェブサーバにインターネットを介してアクセスする際に、この緊急メール送信機能付ADSL通信装置1−1のユーザのみが知り得るユーザID及びパスワードによってログインさせるアクセス制限機能を備えることによって、本人以外の他者が該ウェブサーバによるウェブページを覗けないようにすることができる。
【実施例1】
【0046】
図2に本発明を適用したホームセキュリティシステムの第1の実施例を示す。同図に示すように、ユーザの宅内には、進入センサ2−1、ガスセンサ2−2、火災センサ2−3、監視カメラ2−4、緊急ペンダント2−5などの各種警報機器が備えられ、それらの警報機器は、ADSLモデム2−6と無線で接続され、警報情報を、無線を介してADSLモデム2−6に通報する。
【0047】
ADSLモデム2−6は、ルータ機能及びメール送信機能を有し、各種警報機器から通報された警報情報を含む警報メールを、予め登録してあるメールアドレスへインターネット2−7を介して送信する。ユーザは外出先で携帯電話端末2−8又はパーソナルコンピュータ(PC)2−9などを用いて該警報メールを受け取ることができる。
【実施例2】
【0048】
図3は本発明を適用したホームセキュリティシステムの第2の実施例を示す。この実施例は、各種センサ等の警報機器3−1〜3−4とADSLモデム3−6とを、イーサネット(登録商標)規格のLANケーブルで接続した構成例である。ただし、緊急ペンダント3−5とADSLモデム3−6とは無線によって接続するものとする。
【0049】
この実施例では、緊急メール送信機能付ADSL通信装置であるADSLモデム3−6と各種警報センサ3−1〜3−4とを、HUBと称される集線装置3−10を介して接続する構成例を示している。各種警報センサ3−1〜3−4にはLAN接続端子を設け、LANケーブルにより接続する。
【0050】
各種警報センサ3−1〜3−4及び緊急ペンダント3−5と、ADSLモデム3−6との間で、TCP/IPによる通信を行い、各種警報センサ3−1〜3−4及び緊急ペンダント3−5は、異常又は緊急状態を検知すると、ADSLモデム3−6に警報情報を送信する。インターネット3−7、携帯端末3−8及びパーソナルコンピュータ(PC)3−9は、図2に示したものと同様である。
【実施例3】
【0051】
図4に本発明を適用したホームセキュリティシステムの第3の実施例を示す。同図はユーザ宅内の監視カメラを外出先から閲覧する際の実施例を示している。この実施例のホームセキュリティシステムの構成は、図3に示した構成と同様で、監視カメラ4−1で撮影した映像情報は、ウェブサーバ機能付のADSLモデム4−2に送られ、該ウェブサーバ機能によりインターネット4−3を介して、携帯電話端末4−4又はパーソナルコンピュータ(PC)4−5に配信される。
【0052】
監視カメラ4−1は、携帯電話端末4−4又はパーソナルコンピュータ(PC)4−5から、インターネット4−3及びウェブサーバ機能付ADSLモデム4−2を介して指令を受け取り、該指令により撮影方向を変えたり撮影範囲の拡大縮小等を行ったりするよう容易に構成することが可能である。
【0053】
また、ウェブサーバ機能付のADSLモデム4−2は、ダイナミックDNS通知機能を有し、例えば、動的に割り振られたWan(Wide Area Network)側のグローバルIPアドレス“2xx.yyy.sss.ppp”が、ドメイン名“http://xxxxx.aaa”で登録されていたとすると、次に割り振られたグローバルIPアドレスが変化したとき、該変化したグローバルIPアドレスとドメイン名との対応を動的にDNSサーバに逐次通知する。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の緊急メール送信機能付ADSL通信装置の説明図である。
【図2】本発明を適用したホームセキュリティシステムの第1の実施例の説明図である。
【図3】本発明を適用したホームセキュリティシステムの第2の実施例の説明図である。
【図4】本発明を適用したホームセキュリティシステムの第3の実施例の説明図である。
【図5】従来のホームセキュリティシステムの説明図である。
【符号の説明】
【0055】
1−1 緊急メール送信機能付ADSL通信装置
1−2 警報センサ
1−3 監視カメラ
1−4 携帯電話端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ADSLモデム機能を具備し、ユーザ宅内に配備された警報センサと有線又は無線で接続され、TCP/IPのプロトコルによる通信機能を備え、該警報センサから発報される警報情報を受信すると、該警報情報を含む電子メールを、予め登録されたメールアドレス宛にTCP/IPのプロトコルによりインターネットを経由して送信することを特徴とする緊急メール送信機能付ADSL通信装置。
【請求項2】
前記警報センサとの接続において、イーサネット(登録商標)規格のインタフェースを有する接続端子を有するとともに、該警報センサとの通信において、TCP/IPのプロトコルによる通信機能を備えたことを特徴とする請求項1に記載の緊急メール送信機能付ADSL通信装置。
【請求項3】
前記予め登録されたメールアドレスとして、複数のメールアドレスを登録し、該複数のメールアドレス宛に同時に前記電子メールを送信する機能を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の緊急メール送信機能付ADSL通信装置。
【請求項4】
前記警報情報を一時的にメモリに記憶する手段を備え、ADSL回線のリンク断障害により前記電子メールの送信に失敗した際に、該警報情報をメモリから読み出して、該警報情報を含む電子メールを送信する機能を備えたことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の緊急メール送信機能付ADSL通信装置。
【請求項5】
前記ADSL回線のリンク断障害後、リンクアップ接続の回復及びPPP(Point to Point Protocol)接続の認証確認が完了したとき、前記メモリの中から未送信の警報情報ものを読み出して、該警報情報を含む電子メールを送信する機能を備えたことを特徴とする請求項4に記載の緊急メール送信機能付ADSL通信装置。
【請求項6】
前記警報が発報された時刻を記述する時刻情報を、外部時刻サーバから与えられる時刻と同期をさせる機能を備えたことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の緊急メール送信機能付ADSL通信装置。
【請求項7】
前記ユーザ宅内に設置された監視カメラと接続され、該監視カメラで撮影された映像情報をインターネットに配信する監視カメラ用ウェブサーバ機能を備えたことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の緊急メール送信機能付ADSL通信装置。
【請求項8】
前記監視カメラで撮影された映像情報を配信するためのインターネット上のドメイン名とIP(Internet Protocol)アドレスとを動的に対応させるダイナミックDNS(Domain Name System)通知機能を備えたことを特徴とする請求項7に記載の緊急メール送信機能付ADSL通信装置。
【請求項9】
前記監視カメラ用ウェブサーバ機能にインターネットを介してアクセスする際にユーザID及びパスワードによってログインさせるアクセス制限機能を備えたことを特徴とする請求項7又は8に記載の緊急メール送信機能付ADSL通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−178837(P2006−178837A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−373091(P2004−373091)
【出願日】平成16年12月24日(2004.12.24)
【出願人】(000237662)富士通アクセス株式会社 (682)
【Fターム(参考)】