説明

緊急放送表示装置

【課題】 助手席の人が走行中でも緊急警報放送の映像と音声とを視聴して緊急警報放送の詳細情報をより正確に把握することができる緊急放送表示装置を提供する。
【解決手段】 サイドブレーキ線に、車体と導通する緊急接続線を接続し、この緊急接続線に、自動車に乗っている運転手以外の非運転者により緊急接続線の接続・非接続を切り替える緊急放送表示スイッチを設け、非運転者が緊急放送表示スイッチを操作して緊急接続線を介してサイドブレーキ線と車体とを接続し、緊急警報映像をモニタに表示させて非運転者がその緊急警報映像を見るように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車に搭載される液晶モニタなどのモニタに緊急警報映像を走行中でも表示させるための緊急放送表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車にはナビゲーション装置が搭載されていることが多い。ナビゲーション装置は、地図画面等を表示する液晶モニタを備えると共に、テレビ放送用チューナー、例えば、地上デジタルテレビ放送用チューナーを内蔵し、その液晶モニタにテレビ受信映像を表示することができるものが知られている。このナビゲーション装置は、安全運転を考慮して走行中に液晶モニタにテレビ受信映像が表示されないように映像制限装置能が備えられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この映像制限装置の1つとしては、図4に示すように、サイドブレーキ15が作動されているときにスイッチ19がON状態となって車体11とサイドブレーキ線55とが接続されて車体11から電流がサイドブレーキ15及びサイドブレーキ線55を介して液晶モニタ15に流れて液晶モニタ52にテレビ受信映像が表示され得るようにモニタ制御部53が作動し、かつ、サイドブレーキ15が作動されていないときにそのスイッチ19がOFF状態となって液晶モニタ52に車体11からの電流が流れず液晶モニタ52へのテレビ受信映像の表示を制御するようにモニタ制御部53が作動する映像制御装置50がある。すなわち、この映像制限装置50は、サイドブレーキ15が作動されているときにのみ液晶モニタ52にテレビ受信映像を表示させるものである。映像制限装置50は、テレビ受信映像の制限だけで音声は制限されずに走行中でも音声は聞けるものと、映像と音声の両方を視聴することができないものとがある。
【0004】
地上デジタルテレビ放送用チューナー18は、衛星や地上波を用いたディジタル放送を受信するものであり、複数の放送波のなかから任意の放送波を選び、この放送波に含まれる複数のチャンネルのなかから任意のチャンネルをデマルチプレクス処理によって選択し、この選択したチャンネルのディジタル信号を取り出し、これをデコードすることによって映像・音声信号を出力するものである。
【0005】
このようなディジタル放送のシステムでは、災害発生時などに緊急警報放送を送信し、この緊急警報放送を強制受信させる仕組みを用意している。この緊急警報放送を受信すると、緊急警報放送の映像が液晶モニタ52に表示されると共に、緊急警報放送の音声が流れることになる。
【特許文献1】 特開2005−43064号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、車の走行中は、サイドブレーキが作動されていないために液晶モニタにテレビ受信映像が表示されないので、緊急警報放送の映像を見ることができないが、映像制限装置が映像だけの制限の場合には、走行中でも音声は聞けるので、緊急警報放送の音声だけを聞くことができる。このとき、助手席に人がいる場合には、助手席の人は、緊急警報放送の音声だけではなく、緊急警報放送の映像も見られる方が緊急警報放送の詳細情報をより正確に把握することができ、的確に対処することができる。
【0007】
また、映像制限装置が映像と音声の両方を制限する場合、走行中に緊急警報放送の映像だけではなくその音声も聞くことができない。しかし、例えば、カーラジオから緊急警報放送が聞こえたときには、TV放送の緊急警報放送も同時に放送されているために、助手席の人は、音声だけの緊急警報放送よりも映像を含む緊急警報放送を視聴できる方が緊急警報放送の詳細情報をより正確に把握することができるので、助手席の人が走行中でも緊急警報放送の映像と音声の両方を視聴することができることが望まれる。
【0008】
本発明の目的は、助手席の人が走行中でも緊急警報放送の映像と音声とを視聴して緊急警報放送の詳細情報をより正確に把握することができる緊急放送表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の目的を達成するための本発明に係る緊急放送表示装置は、サイドブレーキ作動時にのみ車体からの電流がサイドブレーキ及びサイドブレーキ線を介してモニタに流れることによって前記モニタに映像を表示させるようにして前記モニタへの映像を制限するとき、そのモニタへの映像の制限を解除して緊急警報映像を前記モニタに表示させる装置であって、前記サイドブレーキ線に、前記車体と導通する緊急接続線を接続し、この緊急接続線に、自動車に乗っている運転手以外の非運転者により前記緊急接続線の接続・非接続を切り替える緊急放送表示スイッチを設け、前記非運転者が前記緊急放送表示スイッチを操作して前記緊急接続線を介して前記サイドブレーキ線と車体とを接続し、前記緊急警報映像を前記モニタに表示させて前記非運転者がその緊急警報映像を見るように構成したことを特徴とする。
【0010】
本発明に係る緊急放送表示装置において、前記緊急接続線と前記サイドブレーキとの間の前記サイドブレーキ線に、前記サイドブレーキが作動したとき前記車体と通電して点灯されるブレーキモニタランプを接続し、このブレーキモニタランプが接続されている箇所と前記緊急接続線との間の前記サイドブレーキ線に、前記ブレーキモニタランプを点灯させるための電流が前記緊急接続線から前記ブレーキモニタランプに流れるのを阻止すると共に、前記サイドブレーキからの電流を前記サイドブレーキ線を介して前記モニタへ流すブレーキモニタランプ点灯阻止手段を設けることが好ましく、そのブレーキモニタランプ点灯阻止手段は例えばダイオードである。また、本発明に係る緊急放送表示装置において、前記モニタ制御部が、走行中と判断して前記モニタへの表示の制限とともに前記テレビ放送中の音声を制限する音声制限機能を有するとき、前記非運転者が前記緊急放送表示スイッチを操作して前記緊急警報映像を前記モニタに表示させるときに、前記緊急警報放送中の音声の制限が解除されることが好ましい。また、本発明に係る緊急放送表示装置において、前記緊急接続線に設けられ、前記緊急放送表示スイッチの操作毎に前記緊急接続線の接続・非接続を切り替える切替回路と、この切替回路で前記緊急接続線を接続状態にしたとき、この接続状態を保持する保持回路と、前記自動車のエンジンを切ると前記保持回路をリセットするリセット回路とを有する回路部を備えることが好ましい。また、本発明に係る緊急放送表示装置において、前記保持回路が動作中に点灯する表示ランプを設けることが好ましい。また、本発明に係る緊急放送表示装置において、前記緊急放送表示スイッチが、助手席正面のインストルメントパネル又はその近傍に設けられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように本発明に係る緊急放送表示装置によれば、サイドブレーキ線に、車体と導通する緊急接続線を接続し、この緊急接続線に、自動車に乗っている運転手以外の非運転者により緊急接続線の接続・非接続を切り替える緊急放送表示スイッチを設け、緊急警報放送を受信しているとき、非運転者が緊急放送表示スイッチを操作して緊急接続線を介してサイドブレーキ線と車体とを接続し、緊急警報映像をモニタに表示させて非運転者がその緊急警報映像を見るように構成したので、助手席の人が走行中でも緊急警報放送の映像と音声とを視聴して緊急警報放送の詳細情報をより正確に把握することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明に係る緊急放送表示装置を添付図面に基づいて詳述する。
【0013】
図1〜図3は本発明に係る緊急放送表示装置の一例を示す図である。本発明に係る緊急放送表示装置は、図1〜図3に示すように、サイドブレーキ作動時にのみ自動車10の車体11からの電流がサイドブレーキ15及びサイドブレーキ線16を介してモニタ13に流れることによってモニタ13に映像を表示させるようにしてモニタ13への映像を制限するとき、そのモニタ13への映像の制限を解除して緊急警報映像をモニタ13に表示させるものである。この本発明に係る緊急放送表示装置1は、サイドブレーキ線16に、車体11と導通する緊急接続線2を接続し、この緊急接続線2に、自動車10に乗っている運転手以外の非運転者により緊急接続線2の接続・非接続を切り替える緊急放送表示スイッチ3を設け、非運転者が緊急放送表示スイッチ3を操作して緊急接続線2を介してサイドブレーキ線16と車体11とを電気的に接続し、緊急警報映像をモニタ13に表示させて非運転者がその緊急警報映像を見るように構成したことに特徴がある。本発明に係る緊急放送表示装置1が設けられる自動車10としては特に限定されない。
【0014】
モニタ13は、受信した緊急警報放送に基づく緊急警報映像を含むテレビ受信映像を表示することができるものであれば特に限定されず、例えば、カーTV(テレビ)に備えられる液晶モニタでもよいし、ナビゲーション装置12に備えられ、テレビ受信映像を表示できる液晶モニタでもよい。本発明の実施の形態では、モニタとして、ナビゲーション装置12に備えられ、テレビ受信映像を表示できる液晶モニタ13について説明するが、これに限定されるものではない。
【0015】
ナビゲーション装置12は、地図画面等を表示する液晶モニタ13を備えると共に、テレビ放送用チューナー、例えば、地上デジタルテレビ放送用チューナー18を備え、地上デジタルテレビ放送用チューナー18で緊急警報放送を含むテレビ放送を受信し、その液晶モニタ13に緊急警報映像等のテレビ受信映像を表示するものである。液晶モニタ13は、テレビ受信映像のモニタ13への表示を制御するモニタ制御部14を備えている。モニタ制御部14には、サイドブレーキ15(パーキングブレーキということがある。)と接続されるようにサイドブレーキ線16が接続されている。
【0016】
サイドブレーキ15には、サイドブレーキ作動時とサイドブレーキ非作動時とで位置が移動する移動部15aが備えられ、この移動部15aに、車体11に接続されているスイッチ19の第2接触端子19bが設けられている。サイドブレーキ線16の先端部(サイドブレーキ15側端部)には、第1接触端子19aが設けれている。この第1接触端子19aは、サイドブレーキ作動時、第2接触端子19bと電気的に接触する箇所に設けられており、サイドブレーキ作動時、サイドブレーキ線16と車体11とが接続されて車体11から電流がサイドブレーキ線16を介してモニタ制御部14に流れる。すなわち、車体11とモニタ制御部14とが通電され、例えば、サイドブレーキON信号の電流がモニタ制御部14に入力される。
【0017】
モニタ制御部14は、サイドブレーキON信号の電流が入力されていないとき(車体11とモニタ制御部14とが通電されていないとき)に、走行中と判断してテレビ受信映像のモニタ13への表示を制限するサイドブレーキ映像制限機能を有している。サイドブレーキ映像制限機能は、車の走行中に、液晶モニタ13へのテレビ受信映像の表示を制限するものであり、映像だけを制限するものでも、映像と音声の両方を制限するものでもどちらでもよい。
【0018】
また、サイドブレーキ線16には、ブレーキモニタランプ線26が接続されている場合もある。この場合、ブレーキモニタランプ線26は、メータ類の近傍に設けられているブレーキモニタランプ25に接続されている。このブレーキモニタランプ25は、サイドブレーキ作動時、サイドブレーキ線16と車体11とが接続されることで、車体11から電流がサイドブレーキ線16及びブレーキモニタランプ線26を介してブレーキモニタランプ25に流れてブレーキモニタランプ25が点灯されるものである。すなわち、例えば、車体11には1つ又は複数のCAN信号やその他の信号等の制御信号の電流が流れており、このCAN信号等の制御信号の電流がブレーキモニタランプ25に入力されると、サイドブレーキ15が作動されたとしてブレーキモニタランプ25が点灯するようになっている。このブレーキモニタランプ25(ブレーキモニタランプ線26)が接続されている箇所とモニタ制御部14との間のサイドブレーキ線16には、緊急接続線2が接続されている。
【0019】
緊急接続線2は、サイドブレーキ線16と車体11とを接続するものであり、緊急接続線2を介してサイドブレーキ線16と車体11とが接続されている場合には、車体11から電流が緊急接続線2及びサイドブレーキ線16を介してモニタ制御部14に流れる。すなわち、車体11とモニタ制御部14とが通電され、例えば、サイドブレーキON信号の電流がモニタ制御部14に入力される。緊急接続線2には、自動車10に乗っている運転手以外の非運転者により緊急接続線2の接続・非接続を切り替える緊急放送表示スイッチ3が設けられている。
【0020】
緊急放送表示スイッチ3は、緊急警報放送を受信しているとき、非運転者が操作して緊急接続線2を介してサイドブレーキ線16と車体11とを電気的に接続し、緊急警報映像を液晶モニタ13に表示させて非運転者がその緊急警報映像を見るためのものである。緊急放送表示スイッチ3は、緊急接続線2の接続(ON状態)・非接続(OFF状態)を切り替えることができれば特に限定されず、ON状態とOFF状態とにそれぞれ保持することができるスイッチ等でもよいし、人が力を作用している間、例えば、押圧している(押している)間はON状態となり、力を作用していないときには、OFF状態となる押しボタンを有する押ボタンスイッチ等でもよい。
【0021】
また、緊急放送表示スイッチ3は、設置箇所については特に限定されないが、助手席正面のインストルメントパネル17又はその近傍、例えば、助手席正面のインストルメントパネル17の下方に設けられていることが好ましい(図3参照。)。また、緊急放送表示スイッチ3と緊急接続線2とを一体化して脱着可能にカートリッジ式にしてもよい。このように、緊急放送表示スイッチ3と緊急接続線2とを一体化してカートリッジ式にすることで、簡単にメンテナンスや交換等を行える。
【0022】
また、緊急接続線2に回路部4を設けてもよい。回路部4は、緊急放送表示スイッチ3の操作毎に緊急接続線2の接続・非接続を切り替える切替回路5と、この切替回路5で緊急接続線2を接続状態にしたとき、この接続状態を保持する保持回路6と、自動車10のエンジンを切ると保持回路6をリセットするリセット回路7とを有するものである。この回路部4は、特に緊急放送表示スイッチ3が押しボタンを有する押ボタンスイッチである場合等に有効である。また、回路部4には、保持回路6が動作中に点灯する表示ランプ8を設けてもよい。これにより、保持回路6が動作中か非動作中かを簡単に把握することができる。また、回路部4は、保持回路6の動作をリセットするリセットスイッチ(図示せず)を備えてもよい。また、回路部4には、保持回路6の動作を保持したり、リセット回路7を動作させたり、表示ランプ8を表示させたりするために、ACC電源に接続される電源線21が接続されている。
【0023】
また、サイドブレーキ線16にブレーキモニタランプ25が接続されている場合には、ブレーキモニタランプ25(ブレーキモニタランプ線26)が接続されている箇所と緊急接続線2が接続されている箇所との間のサイドブレーキ線16に、ブレーキモニタランプ25を点灯させるための電流が緊急接続線2からブレーキモニタランプ25に流れるのを阻止すると共に、サイドブレーキ15からの電流、特にサイドブレーキON信号の電流をサイドブレーキ線16を介して液晶モニタ13のモニタ制御部14へ流すブレーキモニタランプ点灯阻止手段31を設けるようにする。すなわち、ブレーキモニタランプ点灯阻止手段31は、サイドブレーキ15から液晶モニタ13への電流を流すと共に、緊急接続線2からブレーキモニタランプ25への電流のうちの少なくともブレーキモニタランプ25を点灯させるための電流(例えばCAN信号やその他の制御信号等の電流で本発明では便宜上、ブレーキモニタランプ点灯電流ということがある。)を流さないようにするものである。このブレーキモニタランプ点灯阻止手段31としては、サイドブレーキ15から液晶モニタ13への電流は流すけれども、緊急接続線2からブレーキモニタランプ25へのブレーキモニタランプ点灯電流を流さないようにするものであれば、特に限定されず、例えば、ダイオード32等が用いられる。なお、ブレーキモニタランプ点灯阻止手段31は、緊急接続線2からブレーキモニタランプ25へのブレーキモニタランプ点灯電流を含む電流を流さないようにするものでもよいし、緊急接続線2からブレーキモニタランプ25へのブレーキモニタランプ点灯電流のみを流さないようにするものでもよいことは勿論である。
【0024】
次に本発明の緊急放送表示装置1の作用を説明する。サイドブレーキ15(パーキングブレーキ)が作動(ON)されていると、第1接触端子19aと第2接触端子19bとが電気的に接触してサイドブレーキ線16と車体11とが電気的に接続され、車体11からモニタ制御部14へと電流が流れる。例えば、サイドブレーキON信号の電流がモニタ制御部14に入力される。これにより、カーナビ装置12のTV機能がON状態であると、液晶モニタ13にはテレビ受信映像が表示される。そして、サイドブレーキ15をOFF(非作動)にして、自動車10を走行させると、第1接触端子19aと第2接触端子19bとが離間して、車体11からモニタ制御部14へ電流が流れず、例えば、サイドブレーキON信号がモニタ制御部14に入力されない。このように車体11からモニタ制御部14へ電流が流れないと、モニタ制御部14のサイドブレーキ映像制限機能によって、走行中と判断してテレビ受信映像の液晶モニタ13への表示が制限される。すなわち、運転者は液晶モニタ13に集中することなく安全に運転することができる。
【0025】
地上デジタルテレビ放送用チューナー18は、衛星や地上波を用いたディジタル放送を受信するものであり、この放送の中には災害発生時などに送信される緊急警報放送が含まれる。緊急警報放送は、今まで放送していたTV放送から強制的に受信させるもので、サイドブレーキ映像制限機能が機能していない場合には、液晶モニタ13に緊急警報放送の映像が表示されると共に、緊急警報放送の音声が流れる。
【0026】
走行中は、サイドブレーキ映像制限機能によりテレビ受信映像の液晶モニタ13への表示が制限されており、サイドブレーキ映像制限機能が映像だけを制限するものであれば、走行中にTV放送の音声だけを聞くことができる。このように、走行中にTV放送の音声だけを聞いているときに、緊急警報放送を受信した場合、テレビ受信映像の液晶モニタ13への表示が制限されるので、自動車10に乗っている運転手以外の非運転者、例えば、助手席の人が緊急放送表示スイッチ3を操作して緊急接続線2を介して車体11とサイドブレーキ線16とを電気的に接続する。
【0027】
また、サイドブレーキ映像制限機能が映像と音声の両方を制限するものであるとき、例えば、カーラジオから緊急警報放送が聞こえたときには、TVの緊急警報放送も同時に放送されている。助手席の人は、カーナビ装置12のTV機能をON状態にすると共に、緊急放送表示スイッチ3を操作して緊急接続線2を介して車体11とサイドブレーキ線16とを電気的に接続する。
【0028】
緊急接続線2を介して車体11とサイドブレーキ線16とが電気的に接続されると、車体11からの電流が緊急接続線2及びサイドブレーキ線16を介してモニタ制御部14に流れる。すなわち、サイドブレーキON信号の電流がモニタ制御部14に入力される。これにより、液晶モニタ13への映像の表示の制限が解除されて、液晶モニタ13には、緊急警報放送の映像(緊急警報映像)が映し出される。助手席の人は、緊急警報映像と音声とを視聴することができ、緊急警報放送の詳細情報を正確に把握することができ、的確に対処することができる。その結果、助手席の人は運転手をナビゲートしたりして的確に車の誘導を安全に行える。
【0029】
また、緊急接続線2に回路部4を設けることで、緊急放送表示スイッチ3の操作毎に緊急接続線2の接続・非接続が切替回路5により切り替えられ、この切替回路5で緊急接続線2を接続状態にしたとき、この接続状態を保持回路6によって保持するので、緊急警報映像を連続的に液晶モニタ13に表示させることができ、緊急警報放送の詳細情報をより正確に把握することができる。また、緊急放送表示スイッチ3が、助手席正面のインストルメントパネル17又はその近傍に設けられていることで、緊急放送表示スイッチ3の位置を容易に把握することができると共に、緊急放送表示スイッチ3の操作が容易に行える。
【0030】
また、サイドブレーキ線16にブレーキモニタランプ線26を介してブレーキモニタランプ25が接続されている場合に緊急放送表示スイッチ3がON状態となって緊急接続線2が接続された状態になると、車体11の電流が緊急接続線2、サイドブレーキ線16及びブレーキモニタランプ線26を介してブレーキモニタランプ25に流れるが、そのブレーキ線16にダイオード32やその他のブレーキモニタランプ点灯阻止手段31が設けられているために、緊急接続線2(車体11)からブレーキモニタランプ25へのブレーキモニタランプ点灯電流を含む電流(又はブレーキモニタランプ点灯電流)の流れが阻止されるので、サイドブレーキ15が作動(ON)されていないにもかかわらず走行中等にブレーキモニタランプ25が点灯することがなく、安全に運転等を行える。すなわち、緊急警報映像を液晶モニタ13に表示させるとき、緊急接続線2を介して車体11とサイドブレーキ線16とが電気的に接続されているために、車体11からのブレーキモニタランプ点灯電流が緊急接続線2及びサイドブレーキ線16からブレーキモニタランプ線26に流れてブレーキモニタランプ25が点灯することがある。このようにブレーキモニタランプ25が点灯すると、特に走行中に点灯すると、運転手はサイドブレーキ15などが故障等したのではないかと思って困惑したりする。これに対して、サイドブレーキ線16にダイオード32やその他のブレーキモニタランプ点灯阻止手段31を設けて緊急接続線2からブレーキモニタランプ25への電流の流れを阻止することで、ブレーキモニタランプ25が点灯することがないので、ブレーキモニタランプ25の点灯による困惑等の心配もいらず、安全に運転等を行える。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】 本発明に係る緊急放送表示装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】 本発明に係る緊急放送表示装置の他の例を示す概略構成図である。
【図3】 本発明に係る緊急放送表示装置の他の例を示す概略構成図である。
【図4】 画像制限装置を示す概略構成図である。
【符号の説明】
【0032】
1 緊急放送表示装置
2 緊急接続線
3 緊急放送表示スイッチ
4 回路部
5 切替回路
6 保持回路
7 リセット回路
8 表示ランプ
11 車体
13 液晶モニタ
14 モニタ制御部
15 サイドブレーキ
16 サイドブレーキ線
25 ブレーキモニタランプ
26 ブレーキモニタランプ線
31 ブレーキモニタランプ点灯阻止手段
32 ダイオード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サイドブレーキ作動時にのみ車体からの電流がサイドブレーキ及びサイドブレーキ線を介してモニタに流れることによって前記モニタに映像を表示させるようにして前記モニタへの映像を制限するとき、そのモニタへの映像の制限を解除して緊急警報映像を前記モニタに表示させる装置であって、
前記サイドブレーキ線に、前記車体と導通する緊急接続線を接続し、この緊急接続線に、自動車に乗っている運転手以外の非運転者により前記緊急接続線の接続・非接続を切り替える緊急放送表示スイッチを設け、
前記非運転者が前記緊急放送表示スイッチを操作して前記緊急接続線を介して前記サイドブレーキ線と前記車体とを接続し、前記緊急警報映像を前記モニタに表示させて前記非運転者がその緊急警報映像を見るように構成したことを特徴とする緊急放送表示装置。
【請求項2】
前記緊急接続線と前記サイドブレーキとの間の前記サイドブレーキ線に、前記サイドブレーキが作動したとき前記車体と通電して点灯されるブレーキモニタランプを接続し、このブレーキモニタランプが接続されている箇所と前記緊急接続線との間の前記サイドブレーキ線に、前記ブレーキモニタランプを点灯させるための電流が前記緊急接続線から前記ブレーキモニタランプに流れるのを阻止すると共に、前記サイドブレーキからの電流を前記サイドブレーキ線を介して前記モニタへ流すブレーキモニタランプ点灯阻止手段を設けたことを特徴とする請求項1に緊急放送表示装置。
【請求項3】
前記ブレーキモニタランプ点灯阻止手段が、ダイオードであることを特徴とする請求項2に緊急放送表示装置。
【請求項4】
前記モニタへの表示の制限とともに前記テレビ放送中の音声を制限する音声制限機能を有するとき、前記非運転者が前記緊急放送表示スイッチを操作して前記緊急警報映像を前記モニタに表示させるときに、前記緊急警報放送中の音声の制限が解除されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に緊急放送表示装置。
【請求項5】
前記緊急接続線に設けられ、前記緊急放送表示スイッチの操作毎に前記緊急接続線の接続・非接続を切り替える切替回路と、この切替回路で前記緊急接続線を接続状態にしたとき、この接続状態を保持する保持回路と、前記自動車のエンジンを切ると前記保持回路をリセットするリセット回路とを有する回路部を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の緊急放送表示装置。
【請求項6】
前記保持回路が動作中に点灯する表示ランプを設けたことを特徴とする請求項5に記載の緊急放送表示装置。
【請求項7】
前記緊急放送表示スイッチが、助手席正面のインストルメントパネル又はその近傍に設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の緊急放送表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−170457(P2008−170457A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【公開請求】
【出願番号】特願2008−95539(P2008−95539)
【出願日】平成20年3月4日(2008.3.4)
【出願人】(503058186)有限会社ストリート (2)
【Fターム(参考)】