説明

置換ピラゾール化合物

【課題】5−HT受容体拮抗作用を有し、精神病、神経疾患、筋萎縮性側索硬化症、過食症、拒食症などの摂食障害、月経前症候群、強迫神経症に有用な化合物、及び該化合物を含有する医薬組成物の提供。
【解決手段】式Iで表される化合物、及び該化合物を含有する医薬組成物。


(式中、Xは、NまたはCHであり、Rは、H、A、Hal等であり、Rは、3〜7個の炭素原子を有するシクロアルキル、トリフルオロメチル等であり、RおよびRは、H等であり、Aは、直鎖または分枝状の、1〜10個の炭素原子を有するアルキルまたはアルコキシ、2〜10個の炭素原子を有するアルケニルまたはアルコシキアルキルである。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式I
【化1】

式中、Rは、H、A、Hal、(CHHet、(CHAr、3〜7個の炭素原子を有するシクロアルキル、CF、NO、CN、C(NH)NOHまたはOCFを示し、
は、(CHHet、(CHAr、3〜7個の炭素原子を有するシクロアルキルまたはCFを示し、
、Rは、H、または有機基、特に(CHCO、(CHCOHet、CHO、(CHOR、(CHHet、(CHN(R、CH=N−OA、CHCH=N−OA、(CHNHOA、(CHN(R)Het、(CHCH=N−Het、(CHOCOR、(CHN(R)CHCHOR、(CHN(R)CHCHOCF、(CHN(R)C(R)HCOOR、(CHN(R)CHCOHet、(CHN(R)CHHet、(CHN(R)CHCHHet、(CHN(R)CHCHN(R)CHCOOR、(CHN(R)CHCHN(R、CH=CHCOOR、CH=CHCHNRHet、CH=CHCHN(R、CH=CHCHORまたは(CHN(R)Arを示し、ここでRまたはRのひとつは、いずれの場合もHを示し、
【0002】
は、HまたはAを示し、
Aは、直鎖または分枝状の、1〜10個の炭素原子を有するアルキルまたはアルコキシ、2〜10個の炭素原子を有するアルケニルまたはアルコシキアルキルを示し、
Hetは、ヘテロ原子を含む有機基、特に、飽和、不飽和もしくは芳香族、一環式もしくは二環式複素環基、または1もしくは2個以上のヘテロ原子を含む直鎖状もしくは分枝状有機基を示し、それらは無置換か、またはAおよび/またはHalによって一置換または多置換されており、
Arは、芳香族有機基、特にフェニル基を示し、これは、無置換か、またはAおよび/またはHal、OR、OOCR、COOR、CON(R、CN、NO、NH、NHCOR、CFまたはSOCHによって一置換または多置換されており、
nは、0、1、2、3、4または5を示し、
Halは、F、Cl、BrまたはIを示し、および
【0003】
Xは、N、またはRが、
【化2】

式中、Rは、Hまたは1〜6個の炭素原子を有するアルキルを示し、および/または
が、以下の意味の一つを有し、
【0004】
【化3】

式中、Rは、Hまたは1〜6個の炭素原子を有するアルキルを示す、
である場合、
あるいは、CHを意味する、
で表される化合物、ならびにその塩、溶媒和物、エナンチオマーおよびラセミ体、およびエナンチオマーの他の混合物、特に生理的に許容されるそれらの塩および溶媒和物に関する。
【0005】
本発明は、価値ある特性を有する、特に医薬の製造に使用しうる新規化合物を見いだすという目的を有した。
式Iの化合物ならびにその塩および溶媒和物は、非常に価値ある薬理学的特性を有し、十分許容されることが見いだされた。本発明は、特に、本出願で概要を述べる式Iで表される化合物の特性および利用可能性を有する、例に記載の化合物に関する。
特に、本発明の式Iで表される化合物は、5HT受容体のリガンドとして適し、したがって、本発明の化合物ならびにその塩、溶媒和物、エナンチオマーおよびラセミ体、特に生理的に許容されるその塩および溶媒和物が、式Iで表される化合物の5HT受容体への結合により、影響されうる疾病の処置及び予防のために適する。
【0006】
同様の化合物は、例えば、DE 2201889、DE 2258033またはDE 2906252に開示される。
特に、本発明の式Iで表される化合物は、5HT2Aおよび/または5HT2C受容体のリガンドとして適し、中枢神経系の種々の疾病、例えば、統合失調症、うつ病、痴呆、運動障害、パーキンソン病、アルツハイマー病、レヴィー小体痴呆、ハンチントン病、ツレット症候群、不安、学習および記憶障害、神経変性疾患および他の認識機能障害ならびにニコチン依存および痛みなどの予防および処置のためのヒトおよび獣医学に使用しうる。
【0007】
式Iで表される化合物および/またはその生理的に許容される塩または溶媒和物は、精神病、神経疾患、筋萎縮性側索硬化症、過食症、拒食症などの摂食障害、月経前症候群の予防および/または処置、および/または強迫神経症(OCD)の肯定的な影響のための医薬製造において特に好ましく使用される。
式Iで表される化合物およびその生理的に許容される塩及び溶媒和物は、十分許容され、これらが中枢神経系に作用するため、価値ある薬理学特性を有する。該化合物は、5−HT2A受容体に強い親和性を有し、さらに5−HT2A受容体−拮抗特性を示す。
【0008】
したがって、式Iで表される化合物および/またはその生理的に許容される塩及び溶媒和物の使用は、5−HT受容体−拮抗特性、特に5−HT2A受容体−拮抗特性を有する医薬製造に好ましい。
5−HT2A受容体への親和性のin-vitro検知のために、たとえば以下の試験(例A1)が用いうる。5−HT2A受容体は、[H]ケタンセリン(受容体へのその親和性により既知の物質)およびまた試験化合物の両方にさらされる。受容体への[H]ケタンセリンの親和性の減少は、5−HT2A受容体への試験化合物の親和性を暗示する。検知は、J. E. Leysen et al., Mokecular Pharmacology, 1982, 21:301-314による記載,またはたとえば EP 0320983に記載されるのと同様にして行われる。
【0009】
5−HT2A受容体拮抗剤としての本発明の化合物の有効性は、W. Feniuk et al., Mechanisms of 5-Hydroxytryptamine-induced vasoconstriction, in: The Peripheral Actions of 5-Hydroxytryptamine, ed. Fozard JR, Oxford University Press, New York, 1989, p. 110と同様にin-vitroで測定されうる。したがって、5−ヒドロキシトリプタミンにより引き起こされるラット尾部動脈の収縮は、5−HT2A受容体により仲介される。試験系において、腹側のラット尾部動脈から製造される容器環は、酸素飽和溶液を含む組織浴(organ bath)中でかん流にさらされる。溶液中の5−ヒドロキシトリプタミンの濃度を上昇させることにより、5−HT累積濃度への応答が得られる。試験化合物は、その後適当な濃度で組織浴に加えられ、5−HTの第二の濃度曲線を測定する。5−HT―誘発濃度曲線をより高い5−HT濃度にシフトする試験化合物の強度は、in-vitroでの5−HT2A受容体拮抗特性の指標である。
5−HT2A受容体拮抗特性は、M. D. Serdar et al., Psychopharmacology, 1996, 128:198-205と同様にして、in vivoで決定されうる。
【0010】
したがって式Iで表される化合物は、中枢神経系の機能障害および炎症の処置のための、獣医学およびヒト医学の両方に適する。これらは、卒中および脳虚血などの脳梗塞現象(脳卒中)の結果の予防および治療、および神経弛緩剤による錐体外路運動系副作用の治療、アルツハイマー病の急性および対処療法、筋萎縮性側索硬化症の処置に用いられ得る。これらは同様に、脳および脊髄損傷の処置のための治療薬として適する。しかし、特に、抗不安薬、抗うつ薬、抗精神病薬、神経弛緩剤、抗高血圧薬の医薬活性成分として、および/または、強迫神経症(OCD:たとえばWO 9524194)、不安状態および不安状態と関連する生理的変化、たとえば、頻脈、震えまたは発汗など(たとえば、EP 319962)、パニック発作、精神病、統合失調症、拒食症、妄想執着、広場恐怖症、
【0011】
偏頭痛、アルツハイマー病、睡眠時無呼吸を含む睡眠障害、遅発性運動障害、学習障害、年齢依存記憶障害、過食症などの摂食障害、たとえばアルコール、鎮静剤、ニコチン、精神刺激薬、たとえば、コカインまたはアンフェタミン(たとえばUS 6004980)などの薬物乱用、性機能障害、すべての種類の痛みの状態および繊維筋痛(たとえばWO 9946245)に良好な影響を及ぼすために好適である。式Iで表される化合物は、神経弛緩剤治療での錐体外路副作用(EPS)の処置に適する。EPSは、パーキンソン病様症候群、静座不能、ジストニー反応により特徴づけられる(たとえば、EP 337136)。これらは、さらに拒食症、狭心症、レイノー現象、冠攣縮性狭心症の処置、偏頭痛(たとえばEP 208235)、痛みおよび神経痛(たとえばEP 320983)の予防、自閉症特質を有するレット症候群、アスペルガー症候群、自閉症および自閉性障害の処置、集中力不足状態、発達障害、精神的な発育不全を有する活動過多状態および常同行動状態(たとえばWO 9524194)に適する。
【0012】
これらはさらに、高プロラクチン症(hyperprolactinaemia)などの内分泌疾患、さらに血管攣縮、血栓症(たとえばWO 9946245)、高血圧および胃腸疾患の処置に適する。
これらはさらに、WO 99/11641、2ページ、24−30行に記載される心循環器疾患および錐体外路系症状の処置にも適する。
本発明の化合物は、さらに眼内圧の減少用および緑内障の処置に適する。
これらはまた、動物へのエルゴバリン投与における中毒症状の予防および処置に適する。
該化合物はさらに、心臓血管系の疾患の治療(たとえばWO99/11641、3ページ、14-15行)に適する。本発明の化合物はまた、統合失調症の処置において、他の活性成分と共に用いることもできる。好適な他の活性成分は、WO99/11641、13ページ、20-26行に記載される化合物である。
【0013】
5−HT−拮抗作用を同様に示す他の化合物は、たとえば、EP 0320983に記載される。
WO 99/11641は、5−HT−拮抗特性を有するフェニルインドール誘導体を記載する。
しかし、上述した文献は、いずれも本発明の式Iで表される化合物または5HT受容体のリガンドとしてのその使用を記載していない。
【0014】
式Iで表される化合物は、ヒトおよび獣医学における医薬活性成分として使用されうる。これらは、さらにさらなる医薬活性成分の製造のための中間体として用いられ得る。
本発明は、その結果、式Iで表される化合物ならびにヒトおよび獣医学におけるこれらの使用に関する。
【0015】
本発明は、さらに式IA
【化4】

で表される化合物ならびにその塩および溶媒和物の製造方法に関し、式II
【化5】

【0016】
式中、RおよびXは、上記に示す意味を有する、
で表される化合物またはその酸付加塩を、式III
【化6】

式中、AおよびRが、請求項1に示す意味を有する、
で表される化合物と反応させ、
および/または式IAの塩基性化合物を酸で処理することによりその塩のひとつに変換することを特徴とする、前記方法に関する。
【0017】
本発明は、さらに式IB
【化7】

で表される化合物、その塩および溶媒和物の製造方法であって、式II
【化8】

【0018】
式中、RおよびXは、上記に示す意味を有する、
で表される化合物またはその酸付加塩を、式IV
【化9】

式中、AおよびRが、上記に示す意味を有する、
で表される化合物と反応させ、および/または式IBの塩基性化合物を酸で処理することによりその塩のひとつに変換することを特徴とする、前記方法に関する。
【0019】
式IAおよびIBで表される化合物は、慣用の方法により式Iで表されるさらなる化合物に変換されうる。特に式IAおよびIBで表される化合物は、還元剤、たとえば水素化アルミニウムリチウムなどを使用して、式ICおよびID
【化10】

で表される対応するアルコールに変換され、
たとえば、MnOを使用して、酸化されて化合物IEおよびIFを与える。
【化11】

【0020】
式IEおよびIFで表される化合物は、これら自身を対応する求核試薬、たとえば窒素塩基、特に、ヒドロキシルアミン、O−メチルヒドロキシルアミン、モルホリン、ピペリジン、ピペラジン、N−メチルピペラジン、4−メチルピペラジン−1−イルアミン、ピロリジンまたはイミダゾリジンを用いて既知の方法により、所望する場合は、還元剤、たとえばトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムの存在下でアミノ化でき、または対応するイミンに変換しうる。さらに式IEおよびIFで表される化合物は、メトキシメチルトリフェニルホスホニウム塩を用いたウィティッヒ反応により、対応するエノールエーテルに変換でき、これを酸で処理することにより同調した(homologated)アルデヒドIGおよびIHに変換しうる。
【化12】

【0021】
式IGおよびIHで表される化合物は、式IEおよびIFで表される化合物と同様にして、式Iで表されるさらなる化合物に変換しうる。
本発明は、同様に式II、III、IVおよびVで表される新規な化合物に関する。
式Iで表される化合物の溶媒和物という語は、不活性溶媒分子が式Iで表される化合物上に付加したものを意味し、これらの相互引力により形成される。溶媒和物は、たとえば、一、または二水和物またはアルコラートである。
【0022】
本明細書において、基X、A、Ar、Het、n、R、R、R、RおよびRは、他に詳細に示さない限り、式Iで示す意味を有する。
Xは、好ましくはNを示す。
Rは、好ましくはH、メチルまたはエチル、特にHを示す。
は、好ましくはA、Hal、(CHHetまたは(CHAr、特にA、(CHHetまたは(CH)Arを示す。Rは、非常に特に好ましくは、フェニル、2−、3−または4−シアノフェニル、2−、3−または4−フルオロフェニル、2−、3−または4−メチル−、−エチル−、―n―プロピル−または―n―ブチルフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−、3,5−または3,6−ジフルオロ−、−ジクロロ−またはジシアノフェニル、3,4,5−トリフルオロフェニル、3,4,5−トリメトキシ−または−トリエトキシフェニル、チオフェン−2−イルまたはチオフェン−3−イルである。
【0023】
は、好ましくは(CHHetまたは(CHAr、特に(CH)Arを示す。Rは、非常に特に好ましくは、フェニル、2−、3−または4−シアノフェニル、2−、3−または4−フルオロフェニル、2−、3−または4−メチル−、−エチル−、―n―プロピル−または―n―ブチルフェニル、2,3−、2,4−、2,5−または2,6−ジフルオロ−またはジシアノフェニル、チオフェン−2−イルまたはチオフェン−3−イル、2−、3−または4−ピリジル、2−、4−または5−オキサゾリル、2−、4−または5−チアゾリル、キノリニル、イソキノリニル、2−または4−ピリダジル、2−、4−または5−ピリミジル、2−または3−ピラジニル、2−または3−フラニルである。
【0024】
がHであるとき、Rは、好ましくは(CHCO、(CHCO−Het、CHO、CHOR、(CH−Het、(CHN(RまたはCH=N−OAを示し、しかし特に、(CHCO、(CHCO−Het、CHO、CH=N−OAまたは(CH−Hetである。RがHであるとき、Rは、好ましくは(CHCO、(CHCO−Het、CHO、CHOR、(CH−Het、(CHN(RまたはCH=N−OAを示し、しかし特に、(CHCO、(CHCO−Het、CHO、CH=N−OAまたは(CH−Hetである。Rは、特に好ましくはHである。
はさらに好ましくは、例から生じた意味を有する。
【0025】
は、好ましくはAを示す。
Aは、好ましくはアルキルを示し、好ましくは非分枝状で、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個のC原子を有し、好ましくは1、2、3、4、5または6個のC原子を有する。好ましくは、メチル、エチル、またはn−プロピルを示し、さらに好ましくはイソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチルまたはtert−ブチルであり、しかしまたn−ペンチル、ネオペンチル、イソペンチルまたはn−ヘキシルでもよい。特に好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルまたはn−デシルである。
Aは、さらに好ましくは(CHOCHまたは(CHOC基であり、ここでmは2、3、4、5または6であるが、特に2である。
Aがアルケニルである場合は、好ましくはアリル、2−またはh3−ブテニル、イソブテニル、sec−ブテニル、さらに好ましくは4−ペンテニル、イソペンテニルまたは5−ヘキセニルである。
【0026】
Hetは、好ましくは芳香族、または特に未置換もしくはAにより置換されている飽和複素環基を示す。Hetは好ましくは、1−ピペリジル、1−ピペラジル、1−(4−メチル)ピペラジル、1−(4−エチル)ピペラジニル、1−(4−シクロペンチル)ピペラジニル、4−メチルピペラジン−1−イルアミン、1−ピロリジニル、1−ピラゾリジニル、1−(2−メチル)ピラゾリジニル、1−イミダゾリジニルまたは1−(3−メチル)イミダゾリジニルまたは4−ピリジルを示し、ここでこれらは未置換またはCN基、2−もしくは4−ピラジニル、2−、4−もしくは5−ピリミジル、または2−もしくは3−ピリダジルの1または2以上に置換されていても良い。Hetはさらに好ましくは、以下の表からの基である。
【0027】
【化13】

【0028】
【化14】

【0029】
【化15】

【0030】
【化16】

【0031】
【化17】

【0032】
Hetは、特に好ましくは以下の基の一つである:
【化18】

【0033】
Arは、好ましくはフェニル基を示し、これは、無置換か、またはHal、OH、CN、NO、NH、NHCOCH、COOCH、CONHまたはCFによって置換されている。Arは、好ましくは4−または3−位で置換されている。
nは、好ましくは0、1または2を示し、特に0または1である。
シクロアルキルは、好ましくは3〜7個のC原子を有し、好ましくはシクロプロピルまたはシクロブチルを示し、さらに好ましくはシクロペンチルまたはシクロヘキシル、さらにまたシクロヘプチル、特に好ましくはシクロペンチルである。
Halは、好ましくはF、ClまたはBr、しかしまたIを示す。
【0034】
式Iで表される化合物が1または2個以上のキラルなC原子を有する場合は、本発明はエナンチオマー、ジアステレオマーおよびこれらの混合物に関する。
本発明を通じて、1回以上発生する全ての基は、同一または異なっていてもよく、即ち相互に独立である。
したがって、本発明は、特に上述した基の少なくともひとつが、上記に示した好ましい意味の一つを有する、式Iで表される化合物に関する。化合物のいくつかの好ましい群は、式Iに適合する、以下の付属式I1〜I18により表すことができ、化合物中の基が詳細に指定されないものは、式Iで示した意味を有する。ここで、
【0035】
I1中、Rは、(CHHetまたは(CHArを示す;
I2中、Rは、(CHHetまたは(CHArを示し、
は、(CHArを示す;
I3中、Rは(CHArを示し、
は(CHArを示す;
I4中、Rは、(CHHetまたは(CHArを示し、
は、(CHArを示し、
はHを示し、
は、(CHCO、(CHCO−Het、CHO、CHOR、(CH−Het、(CHN(RまたはCH=N−OAを示す;
【0036】
I5中、Rは、(CHHetまたは(CHArを示し、
は、(CHArを示し、
はHを示し、
は、(CHCO、(CHCO−Het、CHO、CHOR、(CH−Het、(CHN(RまたはCH=N−OAを示し、
は、H、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、n−ペンチルまたはn−ヘキシルを示す;
I6中、Rは、(CHHetまたは(CHArを示し、
は、(CHArを示し、
はHを示し、
は、(CHCO、(CHCO−Het、CHO、CHOR、(CH−Het、(CHN(RまたはCH=N−OAを示し、
は、H、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、n−ペンチルまたはn−ヘキシルを示し、
nは0、1または2を示す;
【0037】
I7中、Rは、(CHHetまたは(CHArを示し、
は、(CHArを示し、
はHを示し、
は、(CHCO、(CHCO−Het、CHO、CHOR、(CH−Het、(CHN(RまたはCH=N−OAを示す;
I8中、Rは、(CHHetまたは(CHArを示し、
は、(CHArを示し、
はHを示し、
は、(CHCO、(CHCO−Het、CHO、CHOR、(CH−Het、(CHN(RまたはCH=N−OAを示し、
は、H、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、n−ペンチルまたはn−ヘキシルを示す;
【0038】
I9中、Rは、(CHHetまたは(CHArを示し、
は、(CHArを示し、
はHを示し、
は、(CHCO、(CHCO−Het、CHO、CHOR、(CH−Het、(CHN(RまたはCH=N−OAを示し、
は、H、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、n−ペンチルまたはn−ヘキシルを示し、
nは0、1または2を示す;
I10中、Rは、(CHHetまたは(CHArを示す;
I11中、Rは、(CHHetまたは(CHArを示し、
は、(CHHetを示す;
【0039】
I12中、Rは(CHArを示し、
は(CHHetを示す;
I13中、Rは、(CHHetまたは(CHArを示し、
は、(CHHetを示し、
はHを示し、
は、(CHCO、(CHCO−Het、CHO、CHOR、(CH−Het、(CHN(RまたはCH=N−OAを示す;
I14中、Rは、(CHHetまたは(CHArを示し、
は、(CHHetを示し、
はHを示し、
は、(CHCO、(CHCO−Het、CHO、CHOR、(CH−Het、(CHN(RまたはCH=N−OAを示し、
は、H、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、n−ペンチルまたはn−ヘキシルを示す;
【0040】
I15中、Rは、(CHHetまたは(CHArを示し、
は、(CHHetを示し、
はHを示し、
は、(CHCO、(CHCO−Het、CHO、CHOR、(CH−Het、(CHN(RまたはCH=N−OAを示し、
は、H、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、n−ペンチルまたはn−ヘキシルを示し、
nは0、1または2を示す;
I16中、Rは、(CHHetまたは(CHArを示し、
は、(CHHetを示し、
はHを示し、
は、(CHCO、(CHCO−Het、CHO、CHOR、(CH−Het、(CHN(RまたはCH=N−OAを示す;
【0041】
I17中、Rは、(CHHetまたは(CHArを示し、
は、(CHHetを示し、
はHを示し、
は、(CHCO、(CHCO−Het、CHO、CHOR、(CH−Het、(CHN(RまたはCH=N−OAを示し、
は、H、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、n−ペンチルまたはn−ヘキシルを示す;
I18中、Rは、(CHHetまたは(CHArを示し、
は、(CHHetを示し、
はHを示し、
は、(CHCO、(CHCO−Het、CHO、CHOR、(CH−Het、(CHN(RまたはCH=N−OAを示し、
は、H、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、n−ペンチルまたはn−ヘキシルを示し、
nは0、1または2を示す。
【0042】
さらに、式Iで表される化合物およびその製造のための出発物質はまた、それ自体既知の方法により、文献の記載に従って(例えば、Houben-Weyl, Methoden der organischen Chemie [Methods of Organic Chemistry], Georg-Thieme-Verlag, Stuttgartなどの標準の研究における)、より正確には該反応に対する既知で好適な反応条件の下で、製造することができる。ここで、それ自体既知の変法を用いることもできるが、ここに詳細は述べない。
【0043】
式IIIで表される化合物は、好ましくは式V
【化19】

式中、Aは上記で示す意味を有する、
で表される化合物と式VI
【化20】

式中、RおよびAは上記で示す意味を有する、
で表される化合物とを、このタイプの反応で既知の条件下での反応により得られる。
【0044】
所望により、出発材料はまた、in situで、反応混合物から単離しないで、その代わりに、式Iで表される化合物に直ちにさらに変換するように形成することもできる。
他方、反応を段階的に行うことも可能である。
式II、IIIおよびIVで表される出発化合物は一般に知られている。それらが新規である場合は、それ自体既知の方法によって製造することができる。
明確には、式IIで表される化合物と、式IIIで表される化合物および式IVで表される化合物との反応は、好ましい不活性溶媒の存在下または不存在下で、約−20〜150度の温度で、好ましくは20〜100度で行う。
【0045】
適当な不活性溶媒の例としては、炭化水素、例えばヘキサン、石油エーテル、ベンゼン、トルエンまたはキシレン;塩素化炭化水素、例えばトリクロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、テトラクロロメタン、クロロホルムまたはジクロロメタン;アルコール、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、n−ブタノールまたはtert−ブタノール;エーテル、例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)またはジオキサン;グリコールエーテル、例えばエチレングリコールモノメチルもしくはモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル(ダイグライム);ケトン、例えばアセトンまたはブタノン;アミド、例えばアセトアミド、ジメチルアセトアミドまたはジメチルホルムアミド(DMF);ニトリル、例えばアセトニトリル;スルホキシド、例えばジメチルスルホキシド(DMSO);ニトロ化合物、例えばニトロメタンまたはニトロベンゼン;エステル、例えば酢酸エチル、または該溶媒の混合物である。
【0046】
アミノ化合物とカルボニル化合物の類似反応のために選択されるpH値に従って、反応のために必要なpHにセットしうる。pHは、好ましくは、式IIで表される化合物の特定の酸付加塩、好ましくはハロゲン化水素付加塩の使用を通じて予め特定され、すなわち、反応混合物に塩基または酸のさらなる付加がない。好ましい酸付加塩は、塩化水素または臭化水素である。
【0047】
式Iで表される塩基は、酸の使用により、たとえば塩基と酸の当量を、たとえばエタノールなどの不活性溶媒中で反応させ、続いて蒸発して、関連する酸付加塩に変換しうる。この反応に好適な酸は、特に、生理学的に許容し得る塩を提供するものである。従って、無機酸、例えば硫酸、硝酸、例えば塩酸または臭化水素酸などのハロゲン化水素酸、例えばオルトリン酸などのリン酸、スルファミン酸であり、さらに有機酸、特に、脂肪族、脂環式、アラリファティック、芳香族、または複素環式、一塩基もしくは多塩基のカルボン酸、スルホン酸、または硫酸であり、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、ピバル酸、ジエチル酢酸、マロン酸、コハク酸、ピメリン酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、ニコチン酸、イソニコチン酸、メタン−もしくはエタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンモノ−およびジスルホン酸またはラウリルスルホン酸を用いることができる。生理学的に許容し得ない酸との塩、例えばピクリン酸塩は、式Iの化合物を単離および/または精製するために用いることができる。
【0048】
他方、所望により、式Iの遊離塩基は、塩基(例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、または炭酸カリウム)を使用してそれらの塩から遊離することができる。
本発明は特に、医薬としての式Iで表される化合物ならびにその生理学的に許容される塩および溶媒和物に関する。
本発明はまた、グリシントランスポーター阻害剤としての式Iで表される化合物ならびにその生理学的に許容される塩および溶媒和物に関する。
【0049】
本発明はさらに、式Iで表される化合物および/またはその生理学的に許容される塩および/または溶媒和物の、医薬組成物の製造のための使用、特に非化学的方法での使用に関する。この場合、それらは、少なくとも1つの固体、液体および/または半液体の賦形剤または補助剤を使用して、また所望により1種または2種以上のさらなる活性成分と組み合せて、好適な投与形態に変換することができる。
本発明はさらに、少なくとも1種の、式Iで表される化合物および/またはそれらの生理的に許容される塩および/または溶媒和物を含む、医薬組成物に関する。
【0050】
これらの組成物は、ヒトおよび獣医学における医薬として使用されうる。好適な補形剤は、腸内(例えば経口)、非経口または局所的投与に適し、新規な化合物と反応しない有機または無機物質、例えば水、植物油、ベンジルアルコール、アルキレングリコール、ポリエチレングリコール、三酢酸グリセロール、ゼラチン、炭水化物、例えばラクトースまたはデンプン、ステアリン酸マグネシウム、タルクまたはワセリンである。経口投与に好適なのは、特に、錠剤、ピル、被覆錠剤、カプセル、粉末、顆粒、シロップ、果汁またはドロップであり、直腸内投与に好適なのは、座剤であり、非経口投与に好適なのは、溶液、好ましくは油を基剤とする、または水性溶液、さらに懸濁液、エマルジョンまたは移植片であり、局所的適用に好適なのは、軟膏、クリームまたは粉末である。新規な化合物はまた、凍結乾燥することができ、得られた凍結乾燥物を、例えば注入製剤を製造するために用いる。示した組成物を、滅菌することができ、および/または補助剤、例えば潤滑剤、保存剤、安定剤および/または湿潤剤、乳化剤、浸透圧を改変するための塩、緩衝物質、着色剤および調味剤および/または1種または2種以上の他の活性成分、例えば1種または2種以上のビタミンを含むことができる。
【0051】
一般的に、本発明の物質を、好ましくは、投与量単位あたり約0.1〜500mg、特に5〜10mgの用量で投与する。毎日の用量は、好ましくは、約0.02〜10mg/体重1kgである。しかし、各々の患者への特定の用量は、広範囲の因子、例えば用いる特定の化合物の効率、年齢、体重、健康の一般的状態、性別、食物、投与の時間および方法、排出速度、薬学的組み合わせおよび療法を適用する特定の疾患の重篤度に依存する。経口投与が好ましい。
【0052】
式Iで表される好ましい化合物は、5HT2A受容体にナノモル(namomolar)レベルの親和性を有する。特に好ましい式Iで表される化合物は、5HT2C受容体への親和性が低い。非常に好ましい式Iで表される化合物は、有意なグリシントランスポーター活性を示さない。
本明細書全体を通して、温度はすべて℃で示す。以下の例において、「慣用の仕上げ処理」の用語は、次の意味を有するものとする:必要に応じて水を添加し、混合物を酢酸エチルまたはジクロロメタンにより抽出し、相を分離し、有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥、蒸発させ、生成物をシリカゲル上におけるクロマトグラフィにより、および/または結晶化により精製する。
【0053】
例1
【化21】

130gのマロン酸モノエチルカリウム塩を、攪拌機、冷却器、温度計、滴下漏斗および乾燥管を備えた6lの3首フラスコ中、2lの酢酸エチル中に懸濁し、127mlのトリエチルアミンおよび82.4gの塩化マグネシウム(無水)を0℃に攪拌冷却しながら添加し、混合物をゆっくりと35〜40℃まで加温する。混合物を、その温度でさらに6時間攪拌し、再び0℃に冷却し、1lの酢酸エチル中の50mlのフラン−2−カルボニルクロライド溶液を、15分間にわたり0℃に攪拌冷却しながら滴下する。室温で一昼夜攪拌を続けながら、その後1.2lの13%塩化水素酸を攪拌冷却しながら滴下し、酢酸エチル相を分離する。慣用の仕上げ処理をして、生成物をわずかに黄色い液体として得る(b.p.85℃/0.5〜0.5mbar)。
【0054】
例2
【化22】

5gのエチル2−フリルアセテートを、100mlのabsに溶解する。マグネチックスターラー、冷却器および乾燥管を備えた250mlフラスコ中のTHFに、7.4mlのN,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタールを加え、その後混合物を6時間還流しながら攪拌する。反応溶液をその後取り除き、を与える、残渣6.38g(100%)を得る。
【0055】
例3
【化23】

4.49gのベータ−ケトエステルを、90mlのabsに溶解する。マグネチックスターラー、冷却器および乾燥管を備えた250ml一首フラスコ中のエタノールに、4.2gの4−ブロモフェニルヒドラジニウムクロライドを添加し、混合物を一昼夜還流しながら攪拌する。慣用の仕上げ処理によりを得る。
【0056】
例4
【化24】

2.00gのアリールブロミドおよび0.203gの[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−フェロセン]パラジウム(II)ジクロライドを、80mlのジメトキシエタンに引き続き加え、1.40gの4−フルオロフェニルボロン酸を加え、その後水中のNaCO溶液(25ml中に5.87g)を加える。反応溶液を、室温で一昼夜攪拌する。仕上げのために、反応バッチをジエチルエーテルと水で分配する。慣用の仕上げ処理によりを得る。
【0057】
例5
【化25】

1.60gのエステルを、最初にTHF中に導入し、約0〜5℃に冷却し、4.3mlのTHF中の1M、LiAlH溶液をその後ゆっくりと滴下する。添加完了後、室温で一昼夜攪拌を続ける。慣用の仕上げ処理により、結晶固体のを得る。
【0058】
例6
【化26】

1.4gのアルコールを、10mlのTHFと40mlのジクロロメタンの混合物に溶解する。2.62gの二酸化マンガンをその後添加し、反応バッチを室温で一昼夜攪拌する。慣用の仕上げ処理により、生成物を固体結晶として得る。
【0059】

【化27】

36μlのCHCOOHを、200mgのアルデヒド、103mgのエチルピペラジン、3.6mlの1,2−ジクロロエタンおよび1.8mlのTHFの混合物に加える。混合物を室温で3時間攪拌する。0.23gのNaB(OAc)Hをその後加え、16時間攪拌をつづける。
慣用の仕上げ処理により、1−エチル−4−[1−(4’−フルオロビフェニル−4−イル)−5−フラン−2−イル−1H−ピラゾール−4−イルメチル]ピペラジンジヒドロクロライドを無色固体として得る。
式Iで表される以下の化合物を、対応する前駆体を用いて同様にして得る。
【0060】
例8〜29:

(8)1−[5−(2−フルオロフェニル)−1−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−イルメチル]−4−メチルピペラジン
(9)1−[5−(2−フルオロフェニル)−1−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−イルメチル]ピペラジン
(10)1−[5−(2−フルオロフェニル)−1−(5−フェニルピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−イルメチル]−4−メチルピペラジン
(11)1−[2−(2,4−ジフルオロフェニル)エチル]−4−[5−(2−フルオロフェニル)−1−ピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−イルメチル]ピペラジン
(12)1−{1−[5−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−5−フラン−2−イル−1H−ピラゾール−4−イルメチル}−4−メチルピペラジン
(13)1−エチル−4−{1−[5−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−5−フラン−2−イル−1H−ピラゾール−4−イルメチル}ピペラジン
(14)1−シクロペンチル−4−{1−[5−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−5−フラン−2−イル−1H−ピラゾール−4−イルメチル}ピペラジン
(15)1−{1−[5−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−5−フラン−2−イル−1H−ピラゾール−4−イルメチル}ピロリジン−3−オール
(16)[5−(2−フルオロフェニル)−1−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−イルメチル]ジメチルアミン
(17)1−[1−(4’−フルオロビフェニル−4−イル)−5−フラン−2−イル−1H−ピラゾール−4−イルメチル]−4−メチルピペラジン
(18)1−エチル−4−[1−(4’−フルオロビフェニル−4−イル)−5−フラン−2−イル−1H−ピラゾール−4−イルメチル]ピペラジン
(19)1−[1−(4’−フルオロビフェニル−4−イル)−5−フラン−2−イル−1H−ピラゾール−4−イルメチル]−4−イソプロピルピペラジン
(20)1−シクロペンチル−4−[1−(4’−フルオロビフェニル−4−イル)−5−フラン−2−イル−1H−ピラゾール−4−イルメチル]ピペラジン
(21)1−[1−(3’−フルオロ−4’−メトキシビフェニル−4−イル)−5−(2−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イルメチル]−4−メチルピペラジン
(22)1−[1−[4−(2,3−ジヒドロベンゾ−1,4−ジオキシン−6−イル)フェニル]−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イルメチル]−4−メチルピペラジン
(23)1−[1−[4−(5−クロロチオフェン−2−イル)フェニル]−5−(2−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イルメチル]−4−メチルピペラジン
【0061】
(24)1−[1−(3’−フルオロビフェニル−4−イル)−5−(2−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イルメチル]−4−メチルピペラジン
(25)1−[5−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−(4’−メトキシビフェニル−4−イル)−1H−ピラゾール−4−イルメチル]−4−メチルピペラジン
(26)1−[1−(4−ベンゾ−1,3−ジオキソール−5−イルフェニル)−5−(2−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イルメチル]−4−メチルピペラジン
(27)1−{1−[5−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−5−フラン−2イル−1H−ピラゾール−4−イルメチル}−4−メチルピペラジン
(28)1−エチル−4−{1−[5−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−5−フラン−2−イル−1H−ピラゾール−4−イルメチル}ピペラジン
(29)1−シクロペンチル−4−{1−[5−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−5−フラン−2−イル−1H−ピラゾール−4−イルメチル}ピペラジン
【0062】
例29〜78:
【化28】

【0063】
【化29】

【0064】
【化30】

【0065】
例79〜129:
【化31】

【0066】
【化32】

【0067】
【化33】

【0068】
【化34】

【0069】
例129〜178:
【化35】

【0070】
【化36】

【0071】
【化37】

【0072】
【化38】

【0073】
例179〜228:
【化39】

【0074】
【化40】

【0075】
【化41】

【0076】
【化42】

【0077】
例229〜278:
【化43】

【0078】
【化44】

【0079】
【化45】

【0080】
【化46】

【0081】
例279〜328:
【化47】

【0082】
【化48】

【0083】
【化49】

【0084】
例329〜378:
【化50】

【0085】
【化51】

【0086】
【化52】

【0087】
例379〜428:
【化53】

【0088】
【化54】

【0089】
【化55】

【0090】
例429〜478:
【化56】

【0091】
【化57】

【0092】
【化58】

【0093】
【化59】

【0094】
例479〜528:
【化60】

【0095】
【化61】

【0096】
【化62】

【0097】
【化63】

【0098】
例529〜703:
【化64】

【0099】
【化65】

【0100】
【化66】

【0101】
【化67】

【0102】
【化68】

【0103】
【化69】

【0104】
【化70】

【0105】
【化71】

【0106】
【化72】

【0107】
【化73】

【0108】
【化74】

【0109】
【化75】

【0110】
【化76】

【0111】
【化77】

【0112】
【化78】

【0113】
【化79】

【0114】
【化80】

【0115】
【化81】

【0116】
【化82】

【0117】
【化83】

【0118】
【化84】

【0119】
例A:注射バイアル
二回蒸留水3l中の式Iで表される活性成分100gおよびリン酸水素2ナトリウム5gの溶液のpHを、2N塩酸を用いて6.5に調整し、殺菌ろ過し、注射バイアルに移し、無菌条件下で凍結乾燥させ、無菌条件下で密封する。各注射バイアルは、活性成分5mgを含有する。
例B:坐薬
式Iで表される活性成分20gと大豆レシチン100gおよびカカオ脂1400gとの混合物を、溶融し、型に注入し、次いで冷却させる。各坐薬は、活性成分20mgを含有する。
【0120】
例C:溶液
二回蒸留水940ml中の式Iで表される活性成分1g、NaHPO・2HO9.38g、NaHPO・12HO28.48gおよびベンザルコニウムクロライド0.1gから溶液を調製する。pHを6.8に調整し、溶液を1lにし、次いで照射により殺菌する。この溶液は点眼剤として使用することができる。
例D:軟膏
式Iで表される活性成分500mgを、無菌条件下で、ワセリン99.5gと混合する。
【0121】
例E:錠剤
式Iで表される活性成分1kg、乳糖4kg、ジャガイモデンプン1.2kg、タルク0.2kgおよびステアリン酸マグネシウム0.1kgの混合物を慣用の方法で圧縮成形し、各錠剤が活性成分10mgを含有するようにする。
例F:被覆錠剤
例Eと同様にして錠剤を圧縮成形し、次いでショ糖、ジャガイモデンプン、タルク、トラガカントおよび色素のコーティングにより、慣用の方法で被覆する。
【0122】
例G:カプセル剤
式Iで表される活性成分2kgを、各カプセルが活性成分20mgを含有するように、慣用の方法で硬質ゼラチンカプセルに導入する。
例H:アンプル
二回蒸留水60l中の式Iで表される活性成分1kgの溶液を殺菌ろ過し、アンプルに移し、無菌条件下で凍結乾燥させ、次いで無菌条件下で密封する。各アンプルは、活性成分10mgを含有する。
【0123】
例I:吸入スプレー
式Iで表される活性成分14gを生理食塩液10lに溶解し、溶液を市場で入手可能なポンプ機構付きスプレー容器に移す。溶液は、口または鼻にスプレーすることができる。1回のスプレー(約0.1ml)は、約0.14mgの用量に相当する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】

式中、Rは、H、A、Hal、(CHHet、(CHAr、3〜7個の炭素原子を有するシクロアルキル、CF、NO、CN、C(NH)NOHまたはOCFを示し、
は、(CHHet、(CHAr、3〜7個の炭素原子を有するシクロアルキルまたはCFを示し、
、Rは、H、(CHCO、(CHCOHet、CHO、(CHOR、(CHHet、(CHN(R、CH=N−OA、CHCH=N−OA、(CHNH−OA、(CHN(R)Het、(CHCH=N−Het、(CHOCOR、(CHN(R)CHCHOR、(CHN(R)CHCHOCF、(CHN(R)C(R)HCOOR、(CHN(R)CHCOHet、(CHN(R)CHHet、(CHN(R)CHCHHet、(CHN(R)CHCHN(R)CHCOOR、(CHN(R)CHCHN(R、CH=CHCOOR、CH=CHCHNRHet、CH=CHCHN(R、CH=CHCHORまたは(CHN(R)Arを示し、ここでRまたはRのひとつは、いずれの場合もHを示し、
は、HまたはAを示し、
Aは、直鎖または分枝状の、1〜10個の炭素原子を有するアルキルまたはアルコキシ、2〜10個の炭素原子を有するアルケニルまたはアルコシキアルキルを示し、
Hetは、飽和、不飽和もしくは芳香族、一環式もしくは二環式複素環基、または1もしくは2個以上のヘテロ原子を含む直鎖状もしくは分枝状有機基を示し、それらは無置換か、またはAおよび/またはHalによって一置換または多置換されており、
Arは、フェニル基を示し、これは、無置換か、またはAおよび/またはHal、OR、OOCR、COOR、CON(R、CN、NO、NH、NHCOR、CFまたはSOCHによって一置換または多置換されており、
nは、0、1、2、3、4または5を示し、
Halは、F、Cl、BrまたはIを示し、および
Xは、Nを意味するか、またはRが、以下の意味の一つを有する場合、
【化2】

式中、Rは、Hまたは1〜6個の炭素原子を有するアルキルを示す、
および/またはRが、以下の意味の一つを有する場合、
【化3】

式中、Rは、Hまたは1〜6個の炭素原子を有するアルキルを示す、
CHを意味する、
で表される化合物、ならびにその塩、溶媒和物、エナンチオマーおよびラセミ体、およびエナンチオマーの他の混合物、特に生理的に許容されるそれらの塩および溶媒和物。
【請求項2】
が、フェニル、2−、3−または4−シアノフェニル、2−、3−または4−フルオロフェニル、2−、3−または4−メチル−、−エチル−、−n−プロピル−または−n−ブチルフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−、3,5−または3,6−ジフルオロ−、−ジクロロ−または−ジシアノフェニル、3,4,5−トリフルオロフェニル、3,4,5−トリメトキシ−または−トリエトキシフェニル、チオフェン−2−イルまたはチオフェン−3−イルを示す、
請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
がHを示す、
請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
が、Hを示す、
請求項1〜3のいずれかに記載の化合物。
【請求項5】
が、フェニル、2−、3−または4−シアノロフェニル、2−、3−または4−フルオロフェニル、2−、3−または4−メチル−、−エチル−、−n−プロピル−または−n−ブチルフェニル、2,3−、2,4−、2,5−または2,6−ジフルオロ−または−ジシアノフェニル、チオフェン−2−イルまたはチオフェン−3−イル、2−、3−または4−ピリジル、2−、4−または5−オキサゾリル、2−、4−または5−チアゾリル、キノリニル、イソキノリニル、2−または4−ピリダジル、2−、4−または5−ピリミジル、2−または3−ピラジニルを示す、
請求項1〜4のいずれかに記載の化合物。
【請求項6】
XがNを示す、
請求項1〜5のいずれかに記載の化合物。
【請求項7】
式IA、IB、IC、ID、IEおよびIF
【化4】


式中、R、RおよびXが、請求項1に示す意味を有する、
で表される化合物。
【請求項8】
式IA
【化5】

式中、R、R、R、R、XおよびAが、請求項1に示す意味を有する、
で表される化合物、その塩および溶媒和物の製造方法であって、式II
【化6】

式中、RおよびXは、請求項1で示す意味を有する、
で表される化合物またはその酸付加塩を、式III
【化7】

式中、AおよびRが、請求項1に示す意味を有する、
で表される化合物と反応させ、および/または式IAの塩基性化合物を酸で処理することによりその塩のひとつに変換することを特徴とする、前記方法。
【請求項9】
式IB
【化8】

式中、R、R、R、R、XおよびAが、請求項1に示す意味を有する、
で表される化合物、その塩および溶媒和物の製造方法であって、式II
【化9】

式中、RおよびXは、請求項1で示す意味を有する、
で表される化合物またはその酸付加塩を、式IV
【化10】

式中、AおよびRが、請求項1に示す意味を有する、
で表される化合物と反応させ、および/または式IBの塩基性化合物を酸で処理することによりその塩のひとつに変換することを特徴とする、前記方法。
【請求項10】
医薬としての請求項1〜6のいずれかに記載の式Iで表される化合物、およびその生理的に許容される塩および溶媒和物。
【請求項11】
請求項1〜6のいずれかに記載の式Iで表される化合物ならびにその塩および溶媒和物の、式Iで表される化合物の5HT受容体への結合により影響されうる疾病の処置及び治療のための医薬製造における使用。
【請求項12】
請求項1〜6のいずれかに記載の式Iで表される化合物および/またはその生理的に許容される塩および溶媒和物の、5−HT受容体拮抗作用を有する医薬製造における使用
【請求項13】
請求項1〜6のいずれかに記載の式Iで表される化合物および/またはその生理的に許容される塩および溶媒和物の、5−HT2A受容体拮抗作用を有する医薬製造における使用
【請求項14】
請求項1〜6のいずれかに記載の式Iで表される少なくとも1種の化合物および/またはその生理的に許容される塩の1種および/またはその溶媒和物の1種の含有により特徴づけられる、医薬組成物。
【請求項15】
請求項1に記載の式Iで表される化合物および/またはその生理的に許容される塩の1種および/またはその溶媒和物の1種を、少なくとも1種の固体状、液体状または半液体状賦形剤または補助剤とともに適当な投与形態に変換することを特徴とする、医薬組成物の製造方法。
【請求項16】
請求項1〜6のいずれかに記載の式Iで表される化合物、および/またはその生理的に許容される塩または溶媒和物の、精神病、神経疾患、筋萎縮性側索硬化症、過食症、拒食症などの摂食障害、月経前症候群の予防および/または処置、および/または強迫神経症(OCD)の肯定的な影響のための医薬製造における使用。
【請求項17】
Hetが以下の基のひとつ
【化11】

である、式Iで表される化合物。

【公開番号】特開2011−153144(P2011−153144A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−41150(P2011−41150)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【分割の表示】特願2006−504620(P2006−504620)の分割
【原出願日】平成16年3月10日(2004.3.10)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】