説明

肝臓X受容体モジュレーターとしてのピロール−2,5−ジチオン誘導体

本発明は、式Iで示される、ある一定の新規な化合物、該化合物の製造方法、核内ホルモン受容体肝臓X受容体(LXR)α(NR1H3)及び/又はβ(NR1H2)の調節と、例えばアテローム硬化症のような心血管系疾患、炎症疾患、アルツハイマー病、インシュリン抵抗性に関連するか否かに拘らず、脂質障害(異脂血症)、2型糖尿病及び代謝症候群の他の発現を包含する臨床状態の治療における該化合物の使用、該化合物の治療使用方法、並びにそれらを含有する薬剤組成物に関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ある一定の新規な置換5−チオキソ−1,5−ジヒドロ−2H−ピロル−2−オン及び1H−ピロール−2,5−ジチオン誘導体、このような化合物の製造方法、核内ホルモン受容体肝臓X受容体(LXR)α(NR1H3)及び/又はβ(NR1H2)の調節、例えばアテローム硬化症のような心血管系疾患、炎症状態、アルツハイマー病、インシュリン抵抗性に関連するか否かに拘らず、脂質障害(異脂血症(dyslipidemias))、2型糖尿病及び代謝症候群の他の発現を含めた臨床状態の治療におけるそれらの使用、それらの治療使用方法、並びにそれらを含有する薬剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
種々な異脂血症として発現する、コレステロール及び脂肪酸のホメオスタシスの異常は、アテローム硬化症及びその結果としての心血管系疾患(CVD)の原因である。この疾患は、先進工業国における重大な健康問題の1つであり、発展途上国の成人においても同じ罹患率に達している。大抵の研究は、スタチン類が低密度リポタンパク質(LDL)コレステロールを25〜30%低下させ、冠動脈イベントの相対危険度を約30%低下させることを示している。この有望な効果は重要であるが、治療した集団の事実上70%が依然として変化しない危険度を有する。このことが、もし効果的に治療されたならば、現在のCVD療法の成果を改良することができると思われる、脂質代謝の他の一般的な異常を同定するための真剣な研究を促進している。
【0003】
核内ホルモン受容体LXRα及びβは、ナチュラル・リガンドとしてオキシステロールを用いる。これらは、ATP結合カセット運搬体A1(ABCA1)及びapoEのような、マクロファージからのコレステロール流出のために必要とされる標的遺伝子並びに、コレステロール逆輸送における高密度リポタンパク質の機能のために必要とされる、コレステロール・エステル・トランスフェラーゼ・リポタンパク質(CETP)及びリン脂質輸送タンパク質(PLTP)のような、遺伝子産物を有するコレステロール・センサーとして作用するように思われる。さらに、LXRは、肝臓及びマクロファージにおけるリポタンパク質リパーゼを、即ち、脂肪酸取り込みと超低密度リポタンパク質(VLDL)リモデリングとを刺激することができる機能をアップレギュレートする。肝臓では、LXRリガンドは、肝臓胆管コレステロール分泌を、ABCG5及びABCG8によって制御される経路を刺激するように思われる。同じコレステロール運搬体が、腸細胞内のコレステロール吸収を減じ、それ故、体内総コレステロール平衡に影響を与えるように思われる。LXR刺激のこれらの効果が、幾つかの動物モデルで観察された、その顕著な抗アテローム硬化症特性を説明することができた。
【0004】
最近、合成LXRリガンドGW3965(Gulaxo)とT−0901317(Tularik)が、脂肪を与えられた肥満マウスにおいて糖耐性を高めると報告され、これは肝臓糖新生の低下と脂肪細胞における糖取り込みの上昇に起因すると解釈された。Lafitte BA et al. (Proc Natl Acad Sci U S A. 2003 Apr 29;100(9):5419-24)。LXR’sの活性化は、肝臓及び脂肪組織における糖代謝の協調調節を通して糖耐性を改良する。
【0005】
WO00/21927は、GSK−3阻害剤であるピロール−2,5−ジオンを開示しており、例えばアルツハイマー病のような痴呆、躁うつ病及び糖尿病の治療に有用であると主張している。これらの化合物がLXRモジュレーターとしての活性を有することは、示唆されていない。
【発明の開示】
【0006】
本明細書で用いる限り“LXRモジュレーター”なる用語は、LXRα及び/又はLXRβの生物学的活性を調節する小分子を意味する。より具体的には、このようなLXRモジュレーターは、LXRの生物学的活性を強化するか又は阻害するかのいずれかである。このようなモジュレーターがLXRの生物学的活性を部分的に又は完全に強化するならば、該モジュレーターはそれぞれ部分的又は完全なLXRアゴニストである。LXRモジュレーターを提供することが、本発明の目的である。本発明の他の目的は、LXRアゴニストであるLXRモジュレーター化合物を提供することである。
【0007】
発明の説明
本発明の第1態様によると、式I:
【0008】
【化1】

【0009】
で示される化合物、又はその製薬的に受容される塩若しくは溶媒和物、又は該塩の溶媒和物を提供する、
上記式中、
は、フェニル(C−C)アルキル[式中、フェニルは場合によっては(C−C)アルコキシカルボニル又は式:NR(式中、RとRは独立的にH若しくは(C−C)アルキルを表す)で示される基によって置換される];ヘテロアリール(C−C)アルキル[式中、ヘテロアリールは場合によっては(C−C)アルキル又は式:NR(式中、RとRは独立的にH若しくは(C−C)アルキルを表す)で示される基によって置換される];又は(C−C)アルキル基[これは、場合によっては、下記:フルオロ、(C−C)アルコキシカルボニル、(C−C)アルキルチオ若しくは場合によっては1個以上のフルオロによって置換される(C−C)アルコキシの1個以上によって置換される]から選択される;
は、フェニルであり;
は、フェニル、インドリル又はべンゾフラニルから選択され、これらの各々は場合によっては、下記:(C−C)アルカノイル、場合によっては1個以上のフルオロによって置換される(C−C)アルコキシ;(C−C)アルキルチオ;又は式:NR(式中、RとRは独立的にH、(C−C)アルキル若しくは(C−C)アルカノイルを表すか、又はRとRは、それらが結合する窒素原子と共にモルホリノを表す)で示される基の1個以上によって置換される;
XはO又はSである。
【0010】
ヘテロアリールなる用語は、ピリジル、フリル又はイソオキサゾリルを意味し、これらの各々は場合によっては下記:(C−C)アルキル又は式:NR(式中、RとRは独立的にH若しくは(C−C)アルキルを表す)で示される基の1個以上によって置換される。
【0011】
式Iで示される化合物におけるR、R、R及びXの他の意味は、次に記載する。このような意味が、上文及び下文で定義された定義、請求項又は実施態様のいずれかで適当な場合に用いられうることは、理解されるであろう。
【0012】
式Iで示される化合物の第1群では、XはOである。
式Iで示される化合物の第2群では、XはSである。
式Iで示される化合物の第3群では、Rは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、2,2,2−トリフルオロエチル、ベンジル、2−メトキシエチル、3−ピリジルメチル、4−ピリジルメチル又は6−アミノ−3−ピリジルメチルから選択され;Rはフェニルであり;Rは、4−メトキシフェニル、4−ジフルオロメトキシフェニル又は4−モルホリノフェニルから選択され;XはO又はSである。
【0013】
式Iで示される化合物の第4群では、Rは、メチル、エチル、2,2,2−トリフルオロエチル、ベンジル、3−ピリジルメチル又は6−アミノ−3−ピリジルメチルから選択され;Rはフェニルであり;Rは、4−メトキシフェニル、4−ジフルオロメトキシフェニル又は4−モルホリノフェニルから選択され;XはO又はSである。
【0014】
式Iで示される化合物の第5群では、Rは、エチル、2,2,2−トリフルオロエチル、ベンジル、3−ピリジルメチル又は6−アミノ−3−ピリジルメチルから選択され;Rはフェニルであり;Rは、4−メトキシフェニル、4−ジフルオロメトキシフェニル又は4−モルホリノフェニルから選択され;XはO又はSである。
【0015】
式Iで示される化合物の第6群では、Rは、メチル、エチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2−ピリジルメチル、3−ピリジルメチル又は4−ピリジルメチルから選択され;Rはフェニルであり;Rは、4−メトキシフェニルから選択され;XはO又はSである。
【0016】
式Iで示される化合物の第7群では、Rは、2−メトキシエチル又は6−アミノ−3−ピリジルメチルから選択され;Rはフェニルであり;Rは、4−メトキシフェニル又は4−ジフルオロメトキシフェニルから選択され;XはO又はSである。
【0017】
式Iで示される化合物は、薬剤としての活性を有する。特に、式Iで示される化合物はLXRアゴニストである。
具体的には、本発明は、下記から選択される化合物を提供する:
1−(2−メトキシエチル)−4−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−3−フェニル−5−チオキソ−1,5−ジヒドロ−2H−ピロル−2−オン;
1−(2−メトキシエチル)−3−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−4−フェニル−1H−ピロール−2,5−ジチオン;
4−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−3−フェニル−1−(ピリジン−3−イルメチル)−5−チオキソ−1,5−ジヒドロ−2H−ピロル−2−オン;
3−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−4−フェニル−1−(ピリジン−3−イルメチル)−1H−ピロール−2,5−ジチオン;
4−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−3−フェニル−1−(ピリジン−4−イルメチル)−5−チオキソ−1,5−ジヒドロ−2H−ピロル−2−オン;
3−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−4−フェニル−1−(ピリジン−4−イルメチル)−1H−ピロール−2,5−ジチオン;
1−ブチル−4−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−3−フェニル−5−チオキソ−1,5−ジヒドロ−2H−ピロル−2−オン;
1−ブチル−3−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−4−フェニル−1H−ピロール−2,5−ジチオン;
4−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−3−フェニル−5−チオキソ−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,5−ジヒドロ−2H−ピロル−2−オン;
3−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−4−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピロール−2,5−ジチオン;
1−ベンジル−4−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−3−フェニル−5−チオキソ−1,5−ジヒドロ−2H−ピロル−2−オン;
1−ベンジル−3−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−4−フェニル−1H−ピロール−2,5−ジチオン;
4−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−1−メチル−3−フェニル−5−チオキソ−1,5−ジヒドロ−2H−ピロル−2−オン;
3−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−1−メチル−4−フェニル−1H−ピロール−2,5−ジチオン;
1−エチル−4−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−3−フェニル−5−チオキソ−1,5−ジヒドロ−2H−ピロル−2−オン;
1−エチル−3−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−4−フェニル−1H−ピロール−2,5−ジチオン;
1−[(6−アミノピリジン−3−イル)メチル]−4−{[4−(ジフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−3−フェニル−5−チオキソ−1,5−ジヒドロ−2H−ピロル−2−オン;
1−[(6−アミノピリジン−3−イル)メチル]−3−{[4−(ジフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−4−フェニル−1H−ピロール−2,5−ジチオン;
1−[(6−アミノピリジン−3−イル)メチル]−4−[(4−モルホリン−4−イルフェニル)アミノ]−3−フェニル−5−チオキソ−1,5−ジヒドロ−2H−ピロル−2−オン;及び
1−[(6−アミノピリジン−3−イル)メチル]−3−[(4−モルホリン−4−イルフェニル)アミノ]−4−フェニル−1H−ピロール−2,5−ジチオン;
並びにこれらの製薬的に受容される塩若しくは溶媒和物、又は該塩の溶媒和物。
【0018】
本発明のある一定の化合物は、互変異性体として存在しうる。本発明がこのような互変異性体の全てを包含することは、理解すべきである。
【0019】
製造方法
本発明の化合物は、以下で概略を述べるように製造することができる。しかし、本発明はこれらの方法に限定される訳ではない。該化合物は、構造的に関連した化合物に関して先行技術に述べられたように製造することもできる。反応は、標準方法によって又は実験セクションに記載するように行なうことができる。
【0020】
式I化合物は、式II:
【0021】
【化2】

【0022】
[式中、R、R及びRは前記で定義した通りである]
で示される化合物を硫化剤(sulphurating agent)、例えばLawesson試薬と、任意に不活性有機液体、例えば、芳香族炭化水素(例えば、トルエン)の存在下、0℃〜200℃の範囲内の温度において反応させることによって、製造することができる。XがOである式I化合物は、ほぼモル当量の硫化剤を用いて製造することができる。XがSである式I化合物は、ほぼ2モル当量の硫化剤を用いて製造することができる。
【0023】
式IIで示される化合物は、式III:
【0024】
【化3】

【0025】
[式中、RとRは、前記で定義した通りである]
で示される化合物を、式IV:
【0026】
【化4】

【0027】
[式中、Rは前記で定義した通りである]
で示される化合物と、ジアルキルアゾジカルボキシレート(例えば、ジエチルアゾジカルボキシレート)及びホスフィン(例えば、トリフェニルホスフィン)の存在下、場合によっては、不活性有機液体、例えばエーテル(例えば、テトラヒドロフラン)の存在下、0℃〜200℃の範囲内の温度において反応させることによって製造することができる。
【0028】
式II化合物は、式V:
【0029】
【化5】

【0030】
[式中、RとRは前記で定義した通りであり、Yは、例えばハロ(例えば、Cl、Br又はI)のような脱離基である]
で示される化合物を、式VI:
【0031】
【化6】

【0032】
[式中、Rは前記で定義した通りである]
で示される化合物と、場合によっては、不活性有機液体、例えばジメチルホルムアミドの存在下及び場合によっては、塩基、例えば炭酸カリウムの存在下、0℃〜250℃の範囲内の温度において反応させることによって製造することができる。
【0033】
式III化合物は、式VII:
【0034】
【化7】

【0035】
[式中、Rは前記で定義した通りであり、Yは、例えばハロ(例えば、Cl、Br又はI)のような脱離基である]
で示される化合物を、式VI:
【0036】
【化8】

【0037】
[式中、Rは前記で定義した通りである]
で示される化合物と、場合によっては、不活性有機液体、例えばジメチルホルムアミドの存在下及び場合によっては、塩基、例えばトリエチルアミンの存在下、0℃〜250℃の範囲内の温度において反応させることによって製造することができる。
【0038】
式IVで示される化合物と、式VIで示される化合物は、商業的に入手可能であるか、又は当業者に知られた方法によって製造することができる。
式V化合物は、式VIII:
【0039】
【化9】

【0040】
[式中、Rは前記で定義した通りであり、Yは、例えばハロ(例えば、Cl、Br又はI)のような脱離基である]
で示される化合物を、式IX:
【0041】
【化10】

【0042】
[式中、Rは前記で定義した通りである]
で示される化合物と、場合によっては、有機液体、例えば氷酢酸の存在下で、0℃〜200℃の範囲内の温度において反応させることによって製造することができる。
【0043】
式V化合物はまた、式VII化合物を、式XII:
【0044】
【化11】

【0045】
[式中、Rは前記で定義した通りであり、Lは、例えばハロ(例えば、ブロモ)のような脱離基である]
で示される化合物と、不活性有機液体、例えばジメチルホルムアミドの存在下及び場合によっては、塩基、例えば炭酸カリウムの存在下、−78℃〜200℃の範囲内の温度において反応させることによっても、製造することができる。
【0046】
式VII化合物は、式X:
【0047】
【化12】

【0048】
[式中、Rは前記で定義した通りである]
で示される化合物を、ハロゲン化剤、例えば塩化オキサリルと、場合によっては、不活性有機液体、例えばジクロロメタンの存在下及び場合によっては、触媒量のジメチルホルムアミドの存在下、0℃〜200℃の範囲内の温度において反応させることによって、製造することができる。
【0049】
式VIII化合物は、式XI:
【0050】
【化13】

【0051】
[式中、Rは前記で定義した通りである]
で示される化合物を、ハロゲン化剤、例えば塩化チオニルと、場合によっては、不活性有機液体、例えばジクロロメタンの存在下及び場合によっては、塩基、例えばピリジンの存在下、0℃〜200℃の範囲内の温度において反応させることによって、製造することができる。
【0052】
式IX、X、XI及びXIIで示される化合物は、商業的に入手可能であるか、又は当業者に知られた方法によって製造することができる。
式III及びVで示される、ある一定の化合物は、式I化合物の製造における有用な中間体であり、新規であると考えられ、式I化合物の製造における有用な中間体として本明細書で特許請求する。
【0053】
本発明の化合物は、それらの反応混合物から、慣用的な方法を用いて単離することができる。
本発明の化合物を代替的な、場合によっては、より簡便な方法で得るために、前述した、個々のプロセス工程を異なる順序で行なうことができる、及び/又は個々の反応を全体的経路の異なる段階で行なうことができる(即ち、前記で特定の反応に関連した中間体とは異なる中間体に化学的変換を行なうことができる)ことを、当業者は理解するであろう。
【0054】
「不活性有機液体」なる表現は、所望の生成物の収率に不利に影響するような形式で、出発物質、試薬、中間体又は生成物と反応しない液体を意味する。
【0055】
薬剤製剤(pharmaceutical preparation)
本発明の化合物は、経口、非経口、静脈内、筋肉内、皮下経路を介して又は他の注射可能な方法で、頬側、直腸、膣、経皮及び/又は鼻腔経路を介して及び/又は吸入を介して、製薬的に受容される投与形中に有効成分又はその製薬的に受容される塩若しくは溶媒和物、又は該塩の溶媒和物を含む薬剤製剤の形態で、通常投与される。治療されるべき障害及び患者と投与形路に依存して、該組成物は種々な用量で投与することができる。
【0056】
ヒトの治療的処置における本発明の化合物の適当な1日量は、約0.0001〜100mg/体重kg、好ましくは0.01〜10mg/体重kgである。
経口製剤は特に好ましくは、錠剤又はカプセル剤であり、これらは、0.7mg〜700mgの範囲内の、例えば1mg、3mg、5mg、10mg、25mg、50mg、100mg及び250mgの用量の活性化合物を供給するように、当業者に知られた方法で製剤化することができる。
【0057】
したがって、本発明の他の態様によると、本発明の化合物のいずれか、又はその製薬的に受容される誘導体を、製薬的に受容されるアジュバント、希釈剤及び/又はキャリヤーとの混合物として含む薬剤製剤を提供する。
【0058】
薬理学的性質
式I化合物は、コレステロール・ホメオスタシスの正常化、腸コレステロール吸収の減少、コレステロール逆輸送の改善、HDL機能の改善、HDLコレステロール・レベルの上昇、LDLコレステロール・レベルの降下、apoB含有リポタンパク質のコレステロール含量の減少、血管細胞からのコレステロール流出の刺激及び/又は血管細胞の炎症反応の減少のために有用である。これらの性質の結果として、式I化合物は抗アテローム硬化症性効果を有すると期待される。
【0059】
式I化合物は、哺乳動物、特にヒトにおける心血管系疾患の予防又は治療に有用である。式I化合物は、哺乳動物、特にヒトにおけるアテローム硬化症の予防又は治療に有用である。心血管系疾患は、非限定的に、アテローム硬化症、動脈硬化症、高コレステロール血症、及び心血管系疾患の危険性を高める、他の種類の異脂血症に関連する状態を包含する。特に、式I化合物は、心血管系の疾患、とりわけ、アテローム硬化症及び高コレステロール血症を包含する心血管系疾患の治療又は予防に有用である。
【0060】
式I化合物はさらに、狭心症、跛行、血管性雑音(bruits)のような臨床徴候によって明らかなアテローム硬化性疾患を有する患者、心筋梗塞若しくは一過性虚血発作を経験している患者、又は血管造影法、超音波検査法若しくはMRIによって診断された患者における、例えばアテローム斑若しくは黄色腫のような、組織沈着としての脂質蓄積を予防する又はこのような組織沈着から脂質を除去するためにも役立つ。
【0061】
式I化合物はまた、アテローム硬化症を発症する危険性のある又は既にアテローム硬化性疾患を有する、ヒトを含めた哺乳動物に、適切な場合には、式I化合物の予防的若しくは治療的有効量を投与することから成って、アテローム硬化症を発症する危険性の予防若しくは軽減に、並びに一度臨床的に顕性になったならばアテローム硬化性疾患の進行の中断若しくは遅延にも役立つ。
【0062】
アテローム硬化症は、関連医療分野で活動している医師によって認識され、理解されている血管の疾患及び状態を包含する。血管再生処置後の再狭窄、冠動脈性心疾患(冠動脈疾患又は虚血性心疾患としても知られる)を含めたアテローム硬化性心血管系疾患、多発梗塞性痴呆を含めた脳血管疾患、及び勃起機能不全を含めた末梢血管疾患は全て、アテローム硬化症の臨床発現であり、それ故、「アテローム硬化症」及び「アテローム硬化性疾患」なる用語によって包含される。
【0063】
本発明の式I化合物はまた、例えば生来若しくは誘発性の高コレステロール血症のようなアテローム硬化症並びに生来若しくは誘発性のインシュリン感受性低下(代謝症候群としても知られるインシュリン抵抗性症候群)及び関連代謝障害に付随する臨床状態の予防及び/又は治療のために有用である。これらの臨床状態は、非限定的に、全身肥満、腹部肥満、動脈性高血圧、高インシュリン血症、高血糖、2型糖尿病、及び特徴的にインシュリン抵抗性と共に出現する異脂血症を包含する。この異脂血症(アテローム形成性リポタンパク質プロフィル(atherogenic lipoprotein profile)としても知られる)は、適度に高い非エステル化脂肪酸、高いVLDLトリグリセリド富化粒子、高いApo Bレベル、小さい、濃密なLDL粒子、表現型Bの存在下での低いapoAI粒子レベルに関連した、低いHDLレベルを特徴とする。
【0064】
式I化合物は、代謝症候群の他の症状発現の有無に拘らず、複合若しくは混合高脂血症及び異脂血症、特に、低いHDLレベルを有する患者の治療に有用であると期待される。
式I化合物による治療は、それらの抗異脂血症性並びに抗炎症性のために、アテローム硬化症に関連した心血管系の罹患率及び死亡率を低下させると期待される。心血管系の疾患状態は、心筋梗塞、うっ血性心不全、脳血管疾患及び下肢の末梢動脈不全を惹起する、種々な内臓器官のマクロ脈管障害を包含する。式I化合物のインシュリン感作効果(insulin sensitizing effect)は、代謝症候群からの2型糖尿病及び妊娠の糖尿病の発生を予防する又は遅延させることが期待される。それ故、腎疾患、網膜障害及び下肢の末梢脈管疾患を惹起するミクロ脈管障害のような、糖尿病における慢性高血糖に関連した長期間合併症の発生が、遅延されると期待される。
【0065】
さらに、式I化合物は、炎症疾患及び神経変性障害又は神経障害の予防又は治療に有用でありうる。したがって、本発明はさらに、CNSにおける炎症の予防若しくは治療方法、及びニューロン変性、ニューロン損傷又はCNSにおける柔軟性損傷(impaired plasticity)若しくは炎症を特徴とする神経変性疾患若しくは障害の予防又は治療方法を提供する。ニューロン変性及び炎症を特徴とする神経変性疾患又は状態は、非限定的に、発作、アルツハイマー病、前頭側頭性痴呆(frontotemporal dementias)(タウパシー(taupathies))、末梢神経障害、パーキンソン病、Lewy体による痴呆、ハンチントン病、筋萎縮側索硬化症及び多発硬化症を包含する。
【0066】
式I化合物は、炎症性状態又は疾患の予防又は治療に有用である。これらの疾患又は状態は、非限定的に、例えば狭心症及び心筋梗塞のようなアテローム硬化性疾患並びに、例えばクローン病、潰瘍性大腸炎及び遠位直腸炎のような炎症性腸疾患又は状態を包含する。式I化合物はさらに、喘息、成人呼吸窮迫症候群、慢性閉塞性肺疾患、及び肺炎性気管支炎を含めた、肺の他の炎症状態に用いることもできる。その上、式I化合物は、多嚢胞性卵巣症候群、肥満及び癌のような、インシュリン抵抗性に関連するか否かに拘らず、心血管系外の種々な状態の治療に有用でありうる。
【0067】
本発明は、異脂血症、インシュリン抵抗性症候群及び/又は代謝症候群(上記で定義した通り)の治療及び/又は予防方法であって、それを必要とする哺乳動物(特に、ヒト)に式I化合物を投与することを含む方法を提供する。
【0068】
本発明は、2型糖尿病の治療又は予防方法であって、それを必要とする哺乳動物(特にヒト)に式I化合物の有効量を投与することを含む方法を提供する。
本発明は、心血管系疾患の治療又は予防方法であって、それを必要とする哺乳動物(特にヒト)に式I化合物の有効量を投与することを含む方法を提供する。
【0069】
本発明は、アテローム硬化症の治療又は予防方法であって、それを必要とする哺乳動物(特にヒト)に式I化合物の有効量を投与することを含む方法を提供する。
本発明は、高コレステロール血症の治療又は予防方法であって、それを必要とする哺乳動物(特にヒト)に式I化合物の有効量を投与することを含む方法を提供する。
【0070】
本発明は、コレステロール逆輸送の改善の必要性に関連した状態の治療又は予防方法であって、それを必要とする哺乳動物(特にヒト)に式I化合物の有効量を投与することを含む方法を提供する。
【0071】
本発明は、腸コレステロール吸収の減少の必要性に関連した状態の治療又は予防方法であって、それを必要とする哺乳動物(特にヒト)に式I化合物の有効量を投与することを含む方法を提供する。
【0072】
本発明は、HDLコレステロール・レベル上昇の必要性に関連した状態の治療又は予防方法であって、それを必要とする哺乳動物(特にヒト)に式I化合物の有効量を投与することを含む方法を提供する。
【0073】
本発明は、LDLコレステロール・レベル降下の必要性に関連した状態の治療又は予防方法であって、それを必要とする哺乳動物(特にヒト)に式I化合物の有効量を投与することを含む方法を提供する。
【0074】
本発明は、炎症状態の治療又は予防方法であって、それを必要とする哺乳動物(特にヒト)に式I化合物の有効量を投与することを含む方法を提供する。
本発明は、アルツハイマー病の治療又は予防方法であって、それを必要とする哺乳動物(特にヒト)に式I化合物の有効量を投与することを含む方法を提供する。
【0075】
本発明は、アテローム硬化症の治療又は予防方法であって、それを必要とする哺乳動物(特にヒト)に式I化合物の有効量を投与することを含む方法を提供する。
本発明は、HDL機能の改善の必要性に関連した状態の治療又は予防方法であって、それを必要とする哺乳動物(特にヒト)に式I化合物の有効量を投与することを含む方法を提供する。
【0076】
本発明は、高脂血症状態の治療又は予防方法であって、それを必要とする哺乳動物(特にヒト)に式I化合物の有効量を投与することを含む方法を提供する。
他の態様では、本発明は、薬剤としての式I化合物の使用を提供する。
【0077】
他の態様では、本発明は、異脂血症状態の治療及び/又は予防用薬剤の製造における式I化合物の使用を提供する。
他の態様では、本発明は、インシュリン抵抗性症候群及び/又は代謝障害の治療及び/又は予防用薬剤の製造における式I化合物の使用を提供する。
【0078】
他の態様では、本発明は、心血管系疾患の治療及び/又は予防用薬剤の製造における式I化合物の使用を提供する。
他の態様では、本発明は、アテローム硬化症の治療及び/又は予防用薬剤の製造における式I化合物の使用を提供する。
【0079】
他の態様では、本発明は、高コレステロール血症の治療及び/又は予防用薬剤の製造における式I化合物の使用を提供する。
他の態様では、本発明は、コレステロール逆輸送の改善の必要性に関連した状態の治療及び/又は予防用薬剤の製造における式I化合物の使用を提供する。
【0080】
他の態様では、本発明は、腸コレステロール吸収の減少の必要性に関連した状態の治療及び/又は予防用薬剤の製造における式I化合物の使用を提供する。
他の態様では、本発明は、HDLコレステロール・レベル上昇の必要性に関連した状態の治療及び/又は予防用薬剤の製造における式I化合物の使用を提供する。
【0081】
他の態様では、本発明は、LDLコレステロール・レベル降下の必要性に関連した状態の治療及び/又は予防用薬剤の製造における式I化合物の使用を提供する。
他の態様では、本発明は、炎症状態の治療及び/又は予防用薬剤の製造における式I化合物の使用を提供する。
【0082】
他の態様では、本発明は、炎症状態の治療及び/又は予防用薬剤の製造における式I化合物の使用を提供する。
他の態様では、本発明は、アルツハイマー病の治療及び/又は予防用薬剤の製造における式I化合物の使用を提供する。
【0083】
他の態様では、本発明は、動脈硬化症の治療及び/又は予防用薬剤の製造における式I化合物の使用を提供する。
他の態様では、本発明は、2型糖尿病の治療及び/又は予防用薬剤の製造における式I化合物の使用を提供する。
【0084】
他の態様では、本発明は、HDL機能の改善の必要性に関連した状態の治療及び/又は予防用薬剤の製造における式I化合物の使用を提供する。
他の態様では、本発明は、高脂血症状態の治療及び/又は予防用薬剤の製造における式I化合物の使用を提供する。
【0085】
併用療法(combination therapy)
本発明の化合物は、例えば高血圧、高脂血症、異脂血症、糖尿病、炎症及び肥満のような、アテローム硬化症の発生及び進行に関連した障害の治療に有用である、他の治療剤と組み合わせることができる。本発明の化合物は、LDL:HDL比率を低下させる他の治療剤、又はLDL−コレステロールの循環レベルを低下させる作用剤と組み合わせることができる。糖尿病患者においては、本発明の化合物を、ミクロ脈管障害に関連した合併症の治療に用いられる治療剤と組み合わせることもできる。
【0086】
本発明の他の態様では、式I化合物、又はその製薬的に受容される塩若しくは溶媒和物、又は該塩の溶媒和物を、コレステロール生合成阻害剤、又はその製薬的に受容される塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、若しくはプロドラッグと共に投与することができる。適当なコレステロール生合成阻害剤は、HMG CoAレダクターゼ阻害剤、スクアレン合成阻害剤及びスクアレン・エポキシダーゼ阻害剤を包含する。適当なスクアレン合成阻害剤はスクアレスタチン1であり、適当なスクアレン・エポキシダーゼ阻害剤はNB−598である。本発明のこの態様では、式I化合物、又はその製薬的に受容される塩若しくは溶媒和物、又は該塩の溶媒和物を、HMG CoAレダクターゼ阻害剤、又はその製薬的に受容される塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、若しくはプロドラッグと共に投与することができる。適当には、HMG CoAレダクターゼ阻害剤、又はその製薬的に受容される塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、若しくはプロドラッグは、当該技術分野で周知のスタチンである。特定のスタチンは、アトルバスタチン、フルバスタチン、ピタバスタチン、ロバスタチン、メバスタチン、ニコスタチン、ニバスタチン、プラバスタチン及びシムバスタチン、又はそれらの製薬的に受容される塩、特にナトリウム塩若しくはカルシウム塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、若しくはプロドラッグから成る群から選択される。さらに特定のスタチンは、アトルバスタチン・カルシウム塩である。しかし、特に好ましいスタチンは、ロスバスタチン、又はその製薬的に受容される塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、若しくはプロドラッグである。好ましい特定のスタチンは、ロスバスタチン・カルシウム塩である。
【0087】
本出願では、「コレステロール生合成阻害剤」なる用語はさらに、例えば、活性又は不活性に拘らず、エステル、プロドラッグ及び代謝産物のような、HMG CoAレダクターゼ阻害剤、スクアレン合成阻害剤及びスクアレン・エポキシダーゼ阻害剤の化学修飾を包含する。
【0088】
本発明の他の態様では、式I化合物、又はその製薬的に受容される塩若しくは溶媒和物、又は該塩の溶媒和物は、回腸胆汁酸輸送系の阻害剤(IBAT阻害剤)、又はその製薬的に受容される塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、若しくはプロドラッグと共に投与することができる。
【0089】
IBAT阻害活性を有する、適当な化合物は開示されている、例えば、WO 93/16055、WO 94/18183、WO 94/18184、WO 96/05188、WO 96/08484、WO 96/16051、WO 97/33882、WO 98/07449、WO 98/03818、WO 98/38182、WO 99/32478、WO 99/35135、WO 98/40375、WO 99/35153、WO 99/64409、WO 99/64410、WO 00/01687、WO 00/47568、WO 00/61568、WO 00/62810、WO 01/68906、DE 19825804、WO 00/38725、WO 00/38726、WO 00/38727、WO 00/38728、WO 00/38729、WO 01/68906、WO 01/66533、WO 02/32428、WO 02/50051、EP 864 582、EP489423、EP549967、EP573848、EP624593、EP624594、EP624595及びEP624596に記載されている化合物を参照のこと、これらの特許出願の内容は本明細書に援用される。
【0090】
IBAT阻害活性を有する、他の適当な化合物は、WO 94/24087、WO 98/56757、WO 00/20392、WO 00/20393、WO 00/20410、WO 00/20437、WO 01/34570、WO 00/35889、WO 01/68637、WO 02/08211、WO 03/020710、WO 03/022825、WO 03/022830、WO 03/022286、WO 03/091232、WO 03/106482、JP 10072371、US 5070103、EP 251 315、EP 417 725、EP 869 121、EP 1 070 703 及びEP 597 107に記載されており、これらの特許の内容は、本明細書に援用される。本発明に用いるために適当な、特定の種類のIBAT阻害剤は、ベンゾチエピンと、WO 00/01687、WO 96/08484及びWO 97/33882の請求項、特に請求項1に記載されている化合物であり、これらの特許は本明細書に援用される。他の適当な種類のIBAT阻害剤は、1,2−ベンゾチアゼピン、1,4−ベンゾチアゼピン及び1,5−ベンゾチアゼピンである。他の適当な種類のIBAT阻害剤は1,2,5−ベンゾチアジアゼピンである。
【0091】
IBAT阻害活性を有する、特定の適当な化合物の1つは、(3R,5R)−3−ブチル−3−エチル−1,1−ジオキシド−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾチアゼピン−8−イルβ−D−グルコピラノシジュロン酸((3R,5R)-3-butyl-3-ethyl-1,1-dioxido-5-phenyl-2,3,4,5-tetrahydro-1,4-benzothiazepin-8-yl b-D-glucopyranosiduronic acid)(EP 864 582)である。IBAT阻害活性を有する、他の適当な化合物はS−8921(EP 597107)である。
【0092】
本発明の他の態様では、式I化合物、又はその製薬的に受容される塩若しくは溶媒和物、又は該塩の溶媒和物は、コレステロール吸収アンタゴニスト、又はその製薬的に受容される塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、若しくはプロドラッグ、例えばアゼチジノン、例えばエゼトロール(ゼチア、エゼチミベ(ezetimibe))及び本明細書に援用されるUS 5,767,115に記載されているものと共に投与することができる。コレステロール吸収アンタゴニスト活性を有する、適当な化合物は開示されている、例えば、WO 02/50027、WO 02/66464、WO 04/005247、WO 04/000803、WO 04/000804及びWO 04/000805に記載されている化合物を参照のこと、これらの特許は本明細書に援用される。本発明の他の態様では、式I化合物、又はその製薬的に受容される塩若しくは溶媒和物、又は該塩の溶媒和物は、胆汁酸金属イオン封鎖剤又はその製薬的に受容される塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、若しくはプロドラッグと共に投与することができる。適当な胆汁酸金属イオン封鎖剤は、コレスチラミン、コレスチポール(cholestipol)及び塩酸コセベラム(cosevelam hydrochloride)を包含する。
【0093】
本発明の他の態様では、式I化合物、又はその製薬的に受容される塩若しくは溶媒和物、又は該塩の溶媒和物は、ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体(PPAR)調節剤と共に投与することができる。PPAR調節剤は、非限定的に、PPARα及び/又はPPARγ及び/又はδアゴニスト、又はそれらの製薬的に受容される塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、若しくはプロドラッグを包含する。適当なPPARα及び/又はPPARγ及び/又はδアゴニスト、又はそれらの製薬的に受容される塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、若しくはプロドラッグは、当該技術分野で周知である。これらは、WO 01/12187、WO 01/12612、WO 99/62870、WO 99/62872、WO 99/62871、WO 98/57941、WO 01/40170、WO 04/000790、WO 04/000295、WO 04/000294、WO 03/051822、WO 03/051821、WO 02/096863、WO 03/051826、WO 02/085844、WO 01/40172、J Med Chem, 1996, 39, 665, Expert Opinion on Therapeutic Patents, 10 (5), 623-634 (特に、634頁に列挙された特許出願に記載された化合物)及びJ Med Chem, 2000, 43, 527に記載されている化合物を包含し、これらの文献は本明細書に援用される。特に、PPARα及び/又はγ及び/又はδアゴニストは、ムラグリタザール(BMS 298585)、リボグリタゾン(CS-011)、ネトグリタゾン(MCC-555)、バラグリタゾン(DRF-2593, NN-2344)、クロフィブレート、フェノフィブレート、ベザフィブレート、ゲムフィブロジル、シプロフィブレート、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、AVE-0847、AVE-8134、CLX-0921、DRF-10945、DRF-4832、LY-518674、LY-818、LY-929、641597、GW-590735、GW-677954、GW-501516、MBX-102、ONO-5129、KRP-101、R-483 (BM131258)、TAK-559 又はTAK-654を意味する。特に、PPARα及び/又はγ及び/又はδアゴニストは、テサグリタザール((S)−2−エトキシ−3−[4−(2−{4−メタンスルホニル−オキシフェニル}エトキシ)フェニル]プロパン酸)とその製薬的に受容される塩を意味する。本発明のさらに他の態様では、式I化合物、又はその製薬的に受容される塩若しくは溶媒和物、又は該塩の溶媒和物は、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ・キナーゼ(PDK)阻害剤、又はその製薬的に受容される塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、若しくはプロドラッグと共に、或いは例えばレテノイドX受容体(RXR)のような、核内受容体のモジュレーター、又はその製薬的に受容される塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、若しくはプロドラッグと共に、投与することができる。
【0094】
本発明の他の態様では、式I化合物、又はその製薬的に受容される塩若しくは溶媒和物、又は該塩の溶媒和物は、コレステリルエステル転移タンパク質(CETP)阻害剤、又はその製薬的に受容される塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、若しくはプロドラッグ、例えば、本明細書に援用されるWO 00/38725、7頁22行〜10頁17行に参照され、記載されているものと共に投与することができる。
【0095】
本発明の他の態様では、式I化合物、又はその製薬的に受容される塩若しくは溶媒和物、又は該塩の溶媒和物は、ミクロソーム転移タンパク質(MTP)阻害剤、又はその製薬的に受容される塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、若しくはプロドラッグ、例えばイムプリパチド(implipatide)及びWO 03/004020、WO 03/002533、WO 02/083658及び WO 00/242291(これらの特許出願の内容は本明細書に援用される)に記載されているもの、並びにScience, 282, 751-54, 1998(本明細書に援用される)に記載されているものと共に投与することができる。
【0096】
本発明の他の態様では、式I化合物、又はその製薬的に受容される塩若しくは溶媒和物、又は該塩の溶媒和物は、ニコチン酸誘導体、又はその製薬的に受容される塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、若しくはプロドラッグ(徐放性製品及び複合製品、例えば、ニコチン酸(ナイアシン)、アシピモックス、ニコフラノス、NIASPAN(登録商標)及びニセリトロールを包含する)と共に投与することができる。
【0097】
本発明の他の態様では、式I化合物、又はその製薬的に受容される塩若しくは溶媒和物、又は該塩の溶媒和物は、アシル・コエンザイムA:コレステロール O−アシルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害剤、又はその製薬的に受容される塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、若しくはプロドラッグ、例えば、CS−505、エフルシミベ(eflucimibe)(F−12511)及びSMP−797と共に投与することができる。
【0098】
本発明のさらに他の態様では、式I化合物、又はその製薬的に受容される塩若しくは溶媒和物、又は該塩の溶媒和物は、例えばファルネソイド(farnesoid)X受容体(FXR)のような、核内受容体のモジュレーター、又はその製薬的に受容される塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、若しくはプロドラッグと共に、投与することができる。本発明の他の態様では、式I化合物、又はその製薬的に受容される塩若しくは溶媒和物、又は該塩の溶媒和物は、フィトステロール化合物、又はその製薬的に受容される塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、若しくはプロドラッグ、例えばスタノールと共に投与することができる。
【0099】
本発明の他の態様では、式I化合物、又はその製薬的に受容される塩若しくは溶媒和物、又は該塩の溶媒和物は、代謝症候群又は2型糖尿病とその関連併発症の治療のための他の療法と共に投与することができ、これらの療法は、ビグアニアド薬物、例えばメトホルミン、フェンホルミン及びブホルミン、インシュリン(合成インシュリン類似体、アミリン)並びに経口抗高血糖薬(これらは、食事グルコース調節剤とα−グルコシダーゼ阻害剤とに分類される)を包含する。α−グルコシダーゼ阻害剤の例は、アカルボース(acarbose)又はボグリボース(voglibose)又はミグリトールである。食事グルコース調節剤の例は、レパグリニド又はナテグリニド(nateglinide)である。
【0100】
本発明の他の態様では、式I化合物、又はその製薬的に受容される塩若しくは溶媒和物、又は該塩の溶媒和物は、スルホニル尿素、例えば、グリメピリド、グリベンクラミド(グリブリド)、グリクラジド、グリピジド、グリキドン、クロロプロパミド、トルブタミド、アセトヘキサミド、グリコピラミド、カルブタミド、グリボヌリド、グリソキセピド、グリブチアゾール、グリブゾール、グリヘキサミド、グリミジン、グリピナミド、フェンブタミド、トルシラミド及びトラザミドと共に投与することができる。好ましくは、スルホニル尿素は、グリメピリド又はグリベンクラミド(グリブリド)である。より好ましくは、スルホニル尿素はグリメピリドである。それ故、本発明は、本発明の化合物を、このパラグラフに記載した既存の療法の1種類、2種類又はそれ以上と共に投与することを包含する。2型糖尿病とその関連併発症の治療のための他の既存療法の用量は、当該技術分野で知られており、取締り機関、例えばFDAによって使用が認可されている用量であり、FDAによって刊行されたOrange Bookに見出すことができる。或いは、併用から生じる利益の結果として、より少ない用量を用いることができる。
【0101】
本発明の他の態様では、式I化合物、又はその製薬的に受容される塩若しくは溶媒和物、又は該塩の溶媒和物は、抗高血圧性化合物、例えば、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、アンギオテンシンII受容体アンタゴニスト、アドレナリン作動性遮断薬、αアドレナリン作動性遮断薬、βアドレナリン作動性遮断薬、混合α/βアドレナリン作動性遮断薬、アドレナリン作動薬(andrenergic stimulant)、カルシウム・チャンネル遮断薬、AT−1遮断薬、塩排泄利尿薬、利尿薬又は血管拡張薬、或いはその製薬的に受容される塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、若しくはプロドラッグと共に投与することができる。式I化合物と組み合わせて用いることができる、特定のACE阻害剤、又はその製薬的に受容される塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、若しくはプロドラッグは、活性代謝産物を含めて、非限定的に、下記化合物:アラセプリル、アラトリオプリル、アンコベニン、ベナゼプリル、塩酸ベナゼプリル、ベナゼプリレート、ベンゾイルカプトプリル、カプトプリル、カプトプリル−システイン、カプトプリル−グルタチオン、セラノプリル、シラザプリル、シラザプリラート(cilazaprilat)、デラプリル、デラプリル二酸、エナラプリル、エナラプリラート(enalaprilat)、エナプリル、エピカプトプリル、ホロキシミチン、ホスフェノプリル、ホセノプリル、ホセノプリル・ナトリウム、ホシノプリル、ホシノプリル・ナトリウム、ホシノプリラート、ホシノプリル酸(hosinoprilic acid)、ヘモルフィン−4、イミダプリル、インドラプリル、インドラプリラート、リシノプリル、リシウミンA(lyciumin A)、リシウミンB、モエキシプリル(moexipril)、モエキシプリラート(moexiprilat)、ムラセインA、ムラセインB、ムラセインC、ペントプリル、ペリンドプリル、ペリンドプリラート、ピバロプリル、ピボプリル、キナプリル、塩酸キナプリル、キナプリラート、ラミプリル、ラミプリラート、スピラプリル、塩酸スピラプリル、スピラプリラート、スピロプリル、塩酸スピロプリル、テモカプリル、塩酸テモカプリル、テプロチド、トランドラプリル、トランドラプリラート、ゾフェノプリル及びゾフェノプリラートを包含する。本発明に用いるために好ましいACE阻害剤は、ラミプリル、ラミプリラート、リシノプリル、エナラプリル及びエナラプリラートである。本発明に用いるためにより好ましいACE阻害剤は、ラミプリル及びラミプリラートである。式I化合物と組み合わせて用いるために、好ましいアンギオテンシンII受容体アンタゴニスト、その製薬的に受容される塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、若しくはプロドラッグは、非限定的に、化合物:カンデサルタン、カンデサルタン・シレキセチル(candesartan cilexetil)、ロサルタン、バルサルタン、イルベサルタン、テルミサルタン及びエプロサルタンを包含する。本発明に用いるために、特に好ましいアンギオテンシンII受容体アンタゴニスト又はその製薬的に受容される誘導体は、カンデサルタン及びカンデサルタン・シレキセチルである。
【0102】
本発明の他の態様では、式I化合物、又はその製薬的に受容される塩若しくは溶媒和物、又は該塩の溶媒和物は、肥満抑制性化合物又はその製薬的に受容される塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、若しくはプロドラッグ、例えば膵リパーゼ抑制剤、例えばオルリスタット(orlistat)(EP 129,748)、又は食欲(満腹)抑制物質、例えばシブトラミン(GB 2,184,122及びUS 4,929,629)、カンナビノイド1(CB1)アンタゴニスト若しくは逆アゴニスト、又はその製薬的に受容される塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、若しくはプロドラッグ、例えばリモナバント(EP 656354)とWO 01/70700に記載されているもの、或いはメラニン凝集ホルモン(MCH)アンタゴニスト又はその製薬的に受容される塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、若しくはプロドラッグ、例えばWO04/004726に記載されているものと共に投与することができる。
【0103】
本発明の他の態様では、式I化合物、又はその製薬的に受容される塩若しくは溶媒和物、又は該塩の溶媒和物は、例えばグルココルチコイド、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)若しくは腸管抗炎症剤のような抗炎症薬、又はその製薬的に受容される塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、若しくはプロドラッグと共に投与することができる。適当なグルココルチコイドは、非限定的に、ベタメタゾン、デキサメタゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、プレドニゾン、トリアムシノロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾン及びベデソニドを包含する。適当な腸管抗炎症剤は、非限定的に、アミノサリチレート、例えばスルファサラジン、メサラジン、オルサラジン及びバルサラジドを包含する。
【0104】
本発明の他の態様では、式I化合物、又はその製薬的に受容される塩若しくは溶媒和物、又は該塩の溶媒和物は、コリンエステラーゼ阻害剤又はN−メチル−D−アスパルテート(NMDA)受容体アンタゴニスト、又はその製薬的に受容される塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、若しくはプロドラッグ、例えばドネペジル、リバスチグミン又はガランタミン又はメマンチンと共に投与することができる。
【0105】
本発明のさらなる特徴では、代謝障害の治療を必要とする温血動物、例えばヒトにおける代謝障害の治療及び/又は予防方法であって、該動物に式I化合物又はその製薬的に受容される塩若しくは溶媒和物又は該塩の溶媒和物の有効量を、この併用セクションに記載した他の化合物のいずれか又はその製薬的に受容される塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物若しくはプロドラッグの有効量との同時、逐次又は別々の投与で投与することを含む方法を提供する。
【0106】
本発明のさらなる特徴では、異脂血症の治療を必要とする温血動物、例えばヒトにおける異脂血症の治療及び/又は予防方法であって、該動物に式I化合物又はその製薬的に受容される塩若しくは溶媒和物又は該塩の溶媒和物の有効量を、この併用セクションに記載した他の化合物のいずれか又はその製薬的に受容される塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物若しくはプロドラッグの有効量との同時、逐次又は別々の投与で投与することを含む方法を提供する。
【0107】
本発明のさらなる特徴では、インシュリン抵抗性症候群の治療を必要とする温血動物、例えばヒトにおけるインシュリン抵抗性症候群の治療及び/又は予防方法であって、該動物に式I化合物又はその製薬的に受容される塩若しくは溶媒和物又は該塩の溶媒和物の有効量を、この併用セクションに記載した他の化合物のいずれか又はその製薬的に受容される塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、若しくはプロドラッグの有効量との同時、逐次又は別々の投与で投与することを含む方法を提供する。
【0108】
それ故、本発明のさらなる特徴では、2型糖尿病の治療を必要とする温血動物、例えば、ヒトにおける2型糖尿病及びその関連併発症の治療及び/又は予防方法であって、該動物に式I化合物又はその製薬的に受容される塩若しくは溶媒和物又は該塩の溶媒和物の有効量を、この併用セクションに記載した他の化合物のいずれか又はその製薬的に受容される塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、若しくはプロドラッグの有効量との同時、逐次又は別々の投与で投与することを含む方法を提供する。
【0109】
それ故、本発明のさらなる特徴では、高脂血症状態の治療を必要とする温血動物、例えば、ヒトにおける高脂血症状態の治療及び/又は予防方法であって、該動物に式I化合物又はその製薬的に受容される塩若しくは溶媒和物又は該塩の溶媒和物の有効量を、この併用セクションに記載した他の化合物のいずれか又はその製薬的に受容される塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、若しくはプロドラッグの有効量との同時、逐次又は別々の投与で投与することを含む方法を提供する。
【0110】
本発明のさらなる特徴では、心血管系疾患の治療を必要とする温血動物、例えば、ヒトにおける心血管系疾患の治療及び/又は予防方法であって、該動物に式I化合物又はその製薬的に受容される塩若しくは溶媒和物又は該塩の溶媒和物の有効量を、この併用セクションに記載した他の化合物のいずれか又はその製薬的に受容される塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、若しくはプロドラッグの有効量との同時、逐次又は別々の投与で投与することを含む方法を提供する。
【0111】
本発明のさらなる特徴では、アテローム硬化症の治療を必要とする温血動物、例えばヒトにおけるアテローム硬化症の治療及び/又は予防方法であって、該動物に式I化合物又はその製薬的に受容される塩若しくは溶媒和物又は該塩の溶媒和物の有効量を、この併用セクションに記載した他の化合物のいずれか又はその製薬的に受容される塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、若しくはプロドラッグの有効量との同時、逐次又は別々の投与で投与することを含む方法を提供する。
【0112】
本発明のさらなる特徴では、高コレステロール血症の治療を必要とする温血動物、例えばヒトにおける高コレステロール血症の治療及び/又は予防方法であって、該動物に式I化合物又はその製薬的に受容される塩若しくは溶媒和物又は該塩の溶媒和物の有効量を、この併用セクションに記載した他の化合物のいずれか又はその製薬的に受容される塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、若しくはプロドラッグの有効量との同時、逐次又は別々の投与で投与することを含む方法を提供する。
【0113】
本発明のさらなる特徴では、コレステロール逆輸送の改善の必要性に関連した状態の治療を必要とする温血動物、例えばヒトにおけるコレステロール逆輸送の改善の必要性に関連した状態の治療及び/又は予防方法であって、該動物に式I化合物又はその製薬的に受容される塩若しくは溶媒和物又は該塩の溶媒和物の有効量を、この併用セクションに記載した他の化合物のいずれか又はその製薬的に受容される塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、若しくはプロドラッグの有効量との同時、逐次又は別々の投与で投与することを含む方法を提供する。
【0114】
本発明のさらなる特徴では、腸コレステロール吸収の減少の必要性に関連した状態の治療を必要とする温血動物、例えばヒトにおける腸コレステロール吸収の減少の必要性に関連した状態の治療及び/又は予防方法であって、該動物に式I化合物又はその製薬的に受容される塩若しくは溶媒和物又は該塩の溶媒和物の有効量を、この併用セクションに記載した他の化合物のいずれか又はその製薬的に受容される塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、若しくはプロドラッグの有効量との同時、逐次又は別々の投与で投与することを含む方法を提供する。
【0115】
本発明のさらなる特徴では、HDLコレステロール・レベル上昇の必要性に関連した状態の治療を必要とする温血動物、例えばヒトにおけるHDLコレステロール・レベル上昇の必要性に関連した状態の治療及び/又は予防方法であって、該動物に式I化合物又はその製薬的に受容される塩若しくは溶媒和物又は該塩の溶媒和物の有効量を、この併用セクションに記載した他の化合物のいずれか又はその製薬的に受容される塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、若しくはプロドラッグの有効量との同時、逐次又は別々の投与で投与することを含む方法を提供する。
【0116】
本発明のさらなる特徴では、LDLコレステロール・レベル降下の必要性に関連した状態の治療を必要とする温血動物、例えばヒトにおけるLDLコレステロール・レベル降下の必要性に関連した状態の治療及び/又は予防方法であって、該動物に式I化合物又はその製薬的に受容される塩若しくは溶媒和物又は該塩の溶媒和物の有効量を、この併用セクションに記載した他の化合物のいずれか又はその製薬的に受容される塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、若しくはプロドラッグの有効量との同時、逐次又は別々の投与で投与することを含む方法を提供する。
【0117】
本発明のさらなる特徴では、炎症状態の治療を必要とする温血動物、例えばヒトにおける炎症状態の治療及び/又は予防方法であって、該動物に式I化合物又はその製薬的に受容される塩若しくは溶媒和物又は該塩の溶媒和物の有効量を、この併用セクションに記載した他の化合物のいずれか又はその製薬的に受容される塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、若しくはプロドラッグの有効量との同時、逐次又は別々の投与で投与することを含む方法を提供する。
【0118】
本発明のさらなる特徴では、アルツハイマー病の治療を必要とする温血動物、例えばヒトにおけるアルツハイマー病の治療及び/又は予防方法であって、該動物に式I化合物又はその製薬的に受容される塩若しくは溶媒和物又は該塩の溶媒和物の有効量を、この併用セクションに記載した他の化合物のいずれか又はその製薬的に受容される塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、若しくはプロドラッグの有効量との同時、逐次又は別々の投与で投与することを含む方法を提供する。
【0119】
本発明のさらなる特徴では、動脈硬化症の治療を必要とする温血動物、例えばヒトにおける動脈硬化症の治療及び/又は予防方法であって、該動物に式I化合物又はその製薬的に受容される塩若しくは溶媒和物又は該塩の溶媒和物の有効量を、この併用セクションに記載した他の化合物のいずれか又はその製薬的に受容される塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、若しくはプロドラッグの有効量との同時、逐次又は別々の投与で投与することを含む方法を提供する。
【0120】
本発明のさらなる特徴では、HDL機能の改善の必要性に関連した状態の治療を必要とする温血動物、例えばヒトにおけるHDL機能の改善の必要性に関連した状態の治療及び/又は予防方法であって、該動物に式I化合物又はその製薬的に受容される塩若しくは溶媒和物又は該塩の溶媒和物の有効量を、この併用セクションに記載した他の化合物のいずれか又はその製薬的に受容される塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、若しくはプロドラッグの有効量との同時、逐次又は別々の投与で投与することを含む方法を提供する。
【0121】
本発明の他の態様によると、式I化合物又はその製薬的に受容される塩若しくは溶媒和物、又は該塩の溶媒和物と、この併用セクションに記載した他の化合物のいずれか又はその製薬的に受容される塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、若しくはプロドラッグとを、製薬的に受容される希釈剤又はキャリヤーと共に含む薬剤組成物を提供する。
【0122】
本発明の他の態様によると、式I化合物又はその製薬的に受容される塩若しくは溶媒和物又は該塩の溶媒和物と、この併用セクションに記載した他の化合物のいずれか又はその製薬的に受容される塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、若しくはプロドラッグを含むキットを提供する。
【0123】
本発明の他の態様によると、(a)第1単位投与形中の式I化合物又はその製薬的に受容される塩若しくは溶媒和物、又は該塩の溶媒和物;(b)第2単位投与形中の、この併用セクションに記載した他の化合物のいずれか又はその製薬的に受容される塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、若しくはプロドラッグ;及び(c)前記第1投与形と第2投与形を含有するための容器手段;を含むキットを提供する。
【0124】
本発明の他の態様によると、(a)第1単位投与形中の、製薬的に受容される希釈剤若しくはキャリヤーと一緒の、式I化合物又はその製薬的に受容される塩若しくは溶媒和物、又は該塩の溶媒和物;(b)第2単位投与形中の、この併用セクションに記載した他の化合物のいずれか又はその製薬的に受容される塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、若しくはプロドラッグ;及び(c)前記第1投与形と第2投与形を含有するための容器手段;を含むキットを提供する。
【0125】
本発明の別の特徴によると、温血動物、例えばヒトにおける代謝障害の治療及び/又は予防に用いるための薬剤の製造における、式I化合物又はその製薬的に受容される塩若しくは溶媒和物、又は該塩の溶媒和物と、この併用セクションに記載した他の化合物のいずれか又はその製薬的に受容される塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、若しくはプロドラッグとの使用を提供する。
【0126】
本発明の別の特徴によると、温血動物、例えばヒトにおける異脂血症状態の治療及び/又は予防に用いるための薬剤の製造における、式I化合物又はその製薬的に受容される塩若しくは溶媒和物又は該塩の溶媒和物と、この併用セクションに記載した他の化合物のいずれか又はその製薬的に受容される塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、若しくはプロドラッグとの使用を提供する。
【0127】
本発明の別の特徴によると、温血動物、例えばヒトにおける代謝症候群又は2型糖尿病とその関連併発症の治療及び/又は予防に用いるための薬剤の製造における、式I化合物又はその製薬的に受容される塩若しくは溶媒和物又は該塩の溶媒和物と、この併用セクションに記載した他の化合物のいずれか又はその製薬的に受容される塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、若しくはプロドラッグとの使用を提供する。
【0128】
本発明の別の特徴によると、温血動物、例えばヒトにおける高脂血症状態の治療及び/又は予防に用いるための薬剤の製造における、式I化合物又はその製薬的に受容される塩若しくは溶媒和物又は該塩の溶媒和物と、この併用セクションに記載した他の化合物のいずれか又はその製薬的に受容される塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、若しくはプロドラックとの使用を提供する。
【0129】
本発明の別の特徴によると、温血動物、例えばヒトにおける心血管系疾患の治療及び/又は予防に用いるための薬剤の製造における、式I化合物又はその製薬的に受容される塩若しくは溶媒和物又は該塩の溶媒和物と、この併用セクションに記載した他の化合物のいずれか又はその製薬的に受容される塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、若しくはプロドラックとの使用を提供する。
【0130】
本発明の別の特徴によると、温血動物、例えばヒトにおけるアテローム硬化症の治療及び/又は予防に用いるための薬剤の製造における、式I化合物又はその製薬的に受容される塩若しくは溶媒和物又は該塩の溶媒和物と、この併用セクションに記載した他の化合物のいずれか又はその製薬的に受容される塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、若しくはプロドラックとの使用を提供する。
【0131】
本発明の別の特徴によると、温血動物、例えばヒトにおける高コレステロール血症の治療及び/又は予防に用いるための薬剤の製造における、式I化合物又はその製薬的に受容される塩若しくは溶媒和物又は該塩の溶媒和物と、この併用セクションに記載した他の化合物のいずれか又はその製薬的に受容される塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、若しくはプロドラックとの使用を提供する。
【0132】
本発明の別の特徴によると、温血動物、例えばヒトにおけるコレステロール逆輸送の改善の必要性に関連した状態の治療及び/又は予防に用いるための薬剤の製造における、式I化合物又はその製薬的に受容される塩若しくは溶媒和物又は該塩の溶媒和物と、この併用セクションに記載した他の化合物のいずれか又はその製薬的に受容される塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、若しくはプロドラックとの使用を提供する。
【0133】
本発明の別の特徴によると、温血動物、例えばヒトにおける腸コレステロール吸収の減少の必要性に関連した状態の治療及び/又は予防に用いるための薬剤の製造における、式I化合物又はその製薬的に受容される塩若しくは溶媒和物又は該塩の溶媒和物と、この併用セクションに記載した他の化合物のいずれか又はその製薬的に受容される塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、若しくはプロドラックとの使用を提供する。
【0134】
本発明の別の特徴によると、温血動物、例えばヒトにおけるHDLコレステロール・レベル上昇の必要性に関連した状態の治療及び/又は予防に用いるための薬剤の製造における、式I化合物又はその製薬的に受容される塩若しくは溶媒和物又は該塩の溶媒和物と、この併用セクションに記載した他の化合物のいずれか又はその製薬的に受容される塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、若しくはプロドラックとの使用を提供する。
【0135】
本発明の別の特徴によると、温血動物、例えばヒトにおけるLDLコレステロール・レベル降下の必要性に関連した状態の治療及び/又は予防に用いるための薬剤の製造における、式I化合物又はその製薬的に受容される塩若しくは溶媒和物又は該塩の溶媒和物と、この併用セクションに記載した他の化合物のいずれか又はその製薬的に受容される塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、若しくはプロドラックとの使用を提供する。
【0136】
本発明の別の特徴によると、温血動物、例えばヒトにおける炎症状態の治療及び/又は予防に用いるための薬剤の製造における、式I化合物又はその製薬的に受容される塩若しくは溶媒和物又は該塩の溶媒和物と、この併用セクションに記載した他の化合物のいずれか又はその製薬的に受容される塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、若しくはプロドラックとの使用を提供する。
【0137】
本発明の別の特徴によると、温血動物、例えばヒトにおけるアルツハイマー病の治療及び/又は予防に用いるための薬剤の製造における、式I化合物又はその製薬的に受容される塩若しくは溶媒和物又は該塩の溶媒和物と、この併用セクションに記載した他の化合物のいずれか又はその製薬的に受容される塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、若しくはプロドラックとの使用を提供する。
【0138】
本発明の別の特徴によると、温血動物、例えばヒトにおける動脈硬化症の治療及び/又は予防に用いるための薬剤の製造における、式I化合物又はその製薬的に受容される塩若しくは溶媒和物又は該塩の溶媒和物と、この併用セクションに記載した他の化合物のいずれか又はその製薬的に受容される塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、若しくはプロドラックとの使用を提供する。
【0139】
本発明の別の特徴によると、温血動物、例えばヒトにおけるHDL機能の改善の必要性に関連した状態の治療及び/又は予防に用いるための薬剤の製造における、式I化合物又はその製薬的に受容される塩若しくは溶媒和物又は該塩の溶媒和物と、この併用セクションに記載した他の化合物のいずれか又はその製薬的に受容される塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、若しくはプロドラックとの使用を提供する。
【0140】
本発明の他の態様によると、場合によっては製薬的に受容される希釈剤又はキャリヤーと一緒にした、式I化合物又はその製薬的に受容される塩若しくは溶媒和物、又は該塩の溶媒和物の有効量を、場合によっては製薬的に受容される希釈剤又はキャリヤーと一緒にした、この併用セクションに記載した他の化合物のいずれか又はその製薬的に受容される塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、若しくはプロドラッグの有効量との同時、逐次又は別々の投与で、このような治療処置を必要とする温血動物、例えばヒトに投与することを含む併用治療を提供する。
【実施例】
【0141】
略号
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
HPLC 高性能液体クロマトグラフィー
NMR 核磁気共鳴
THF テトラヒドロフラン
UV 紫外線
h 時間
min 分
rt 室温
br 幅広い
bs 幅広一重線
bt 幅広三重線
d 二重線
dd 二重の二重線
m 多重線
q 四重線
s 一重線
t 三重線
【0142】
一般的実験方法
フラッシュ・カラム・クロマトグラフィーは、順相シリカゲル60(0.040-0.063mm,Merck)又はIST Isolute(登録商標)SPEカラム順相シリカゲルを用いた。精製は、ACE C8 5μm 250mm x 20mmカラムを装備した、UVトリガ式画分回収装置(UV triggered fraction collector)付きGilson分取HPLC系で、又はACE C8 5μm 250mm x 50mmカラム若しくはACE C8 5μm 250mm x 20mmカラムを装備したWaters分取HPLC系で行なった。H NMRスペクトルは、CDCl(内部基準として残留CHCl(δ7.23ppm))又はDMSO−d6(内部基準として残留DMSO(δ2.50ppm))中の溶液に対して、300Kにおいて、内部Xコイル付き5mm交換可能なプローブを装備した、9.3Tで作動する、Varian Unity Plus,400MHzで得た。化学シフトは、ppmで記載する。マイクロ波加熱は、Personal Chemistry, Uppsala, Sweden からのSmith Creator 中での単一ノード加熱を用いて行なった。Lawesson試薬は2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3,2,4−ジチアジホスフェタン−2,4−ジスルフィドである。
【0143】
出発物質及び中間体の合成
3−クロロ−4−フェニルフラン−2,5−ジオン
塩化チオニル(6.0ml)中の無水フェニルマレイン酸(5.74mmol,1.0g)の氷冷溶液に、ピリジン(11.4mmol,0.9g)を滴加した。この反応混合物を0℃において60分間撹拌してから、75℃に20分間加熱した。この反応混合物を室温に冷却し、塩化チオニルを真空下で除去した。未加工残渣をトルエン(10ml)中に懸濁させて、10分間還流させ、高温混合物を濾過した。濾液を濃縮して、標題化合物1.15g(96%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.05-8.00 (m, 2H), 7.59 - 7.51 (m, 3H).
【0144】
3−クロロ−1−(2−メトキシエチル)−4−フェニル−1H−ピロール−2,5−ジオン
氷酢酸(1ml)中の3−クロロ−4−フェニルフラン−2,5−ジオン(0.20mmol,42mg)と2−メトキシエチルアミン(0.20mmol,15mg)との溶液をマイクロ波反応器中で120℃において2分間加熱した。冷却後に、溶媒を減圧下で蒸発させた。粗生成物を精製せずに用いた。
【0145】
1−(2−メトキシエチル)−3−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−4−フェニル−1H−ピロール−2,5−ジオン
3−クロロ−1−(2−メトキシエチル)−4−フェニル−1H−ピロール−2,5−ジオン(0.20mmol,53mg)と4−メトキシアニリン(0.48mmol,59mg)をDMF(1ml)中に溶解した。この混合物をマイクロ波反応器中で150℃において5分間加熱した。冷却後に、反応混合物をHPLC(95%0.1M酢酸アンモニウム緩衝液:5%CHCN→100%CHCN)によって精製して、標題化合物15mg(21%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ7.27 (bs, 1H), 7.13-7.04 (m, 3H), 7.00-6.96 (m, 2H), 6.61-6.50 (m, 4H), 3.80 (t, J=5.6 Hz, 2H), 3.67 (s, 3H), 3.62 (t, J=5.6 Hz, 2H), 3.36 (s, 3H).
【0146】
3−クロロ−4−フェニル−1−(ピリジン−3−イルメチル)−1H−ピロール−2,5−ジオン
氷酢酸(4ml)中の3−クロロ−4−フェニルフラン−2,5−ジオン(1.00mmol,209mg)と3−(アミノメチル)ピリジン(1.00mmol,26mg)との溶液を、マイクロ波反応器中で120℃において2分間加熱した。冷却後に、溶媒を減圧下で蒸発させた。粗生成物を精製せずに用いた。
【0147】
3−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−4−フェニル−1−(ピリジン−3−イルメチル)−1H−ピロール−2,5−ジオン
DMF(1ml)中の3−クロロ−4−フェニル−1−(ピリジン−3−イルメチル)−1H−ピロール−2,5−ジオン(0.50mmol,149mg)の溶液に、4−メトキシアニリン(1.10mmol,135mg)を加えた。この混合物をマイクロ波反応器中で150℃において5分間加熱した。冷却後に、反応混合物をHPLC(95%0.1M酢酸アンモニウム緩衝液:5%CHCN→100%CHCN)によって精製して、標題化合物77mg(40%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.71 (d, J=1.8 Hz, 1H), 8.54 (dd, J1=4.7 Hz, J2=1.6 Hz, 1H), 7.80-7.75 (m, 1H), 7.35 (bs, 1H), 7.26 (dd, J1=7.8 Hz, J2=4.7 Hz, 1H), 7.15-7.05 (m, 3H), 6.98-6.94 (m, 2H), 6.62-6.50 (m, 4H), 4.78 (s, 2H), 3.68 (s, 3H).
【0148】
3−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−4−フェニル−1−(ピリジン−4−イルメチル)−1H−ピロール−2,5−ジオン
乾燥THF(2ml)中の3−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−4−フェニル−1H−ピロール−2,5−ジオン(0.50mmol,147mg)、4−ヒドロキシメチルピリジン(0.75mmol,82mg)、ジエチルアゾジカルボキシレート(0.75mmol,131mg)及びトリフェニルホスフィン(0.75mmol,197mg)の混合物をマイクロ波反応器中で120℃において5分間加熱した。冷却後に、反応混合物をHPLC(95%0.1M酢酸アンモニウム緩衝液:5%CHCN→100%CHCN)によって精製して、標題化合物56mg(29%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ8.59 (bs, 2H), 7.35-7.29 (m, br, 2H), 7.25 (s, br, 1H), 7.17-7.06 (m, 3H), 7.01-6.96 (m, 2H), 6.63-6.53 (m, 4H), 4.77 (s, 2H), 3.70 (s, 3H).
【0149】
1−ブチル−3−クロロ−4−フェニル−1H−ピロール−2,5−ジオン
氷酢酸(60ml)中の3−クロロ−4−フェニルフラン−2,5−ジオン(24.0mmol,5.0g)の溶液に、ブチルアミン(24.0mmol,1.75g)を10分間にわたって滴加し、反応混合物を60分間還流させた。この反応混合物を濃縮して、水とEtOAcとに分配して、有機層を無水NaSO上で乾燥させた。溶媒を除去した後に、残留油状物を、予め充填したSiOカラム(2x70g)を用いて精製して、ヘプタン(300ml)、ヘプタン:EtOAc(95:5,450ml)及び最後にヘプタン:EtOAc(9:1,450ml)によって溶離して、標題化合物2.67g(42%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.96-7.90 (m, 2H) 7.51-7.45 (m, 3H), 3.63 (t, J=7.2 Hz, 2H), 1.68-1.58 (m, 2H) 1.41-1.30 (m, 2H), 0.95 (t, J=7.3 Hz, 3H).
【0150】
1−ブチル−3−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−4−フェニル−1H−ピロール−2,5−ジオン
無水EtOH(30ml)中の1−ブチル−3−クロロ−4−フェニル−1H−ピロール−2,5−ジオン(10.1mmol,2.7g)の溶液に、p−メトキシアニリン(20.0mmol,2.49g)を1回で加え、混合物を4時間還流させた。混合物を室温に冷却して、沈殿を濾別し、氷冷EtOHで数回洗浄し、固体生成物をCaCl上で乾燥させて、標題化合物2.37g(80%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.18 (bs, 1H), 7.13-7.05 (m, 3H), 7.01-6.96 (m, 2H), 6.62-6.52 (m, 4H), 3.69 (s, 3H), 3.61 (t, J=7.2 Hz, 2H), 1.71-1.60 (m, 2H), 1.44-1.32 (m, 2H), 0.95 (t, J=7.3 Hz, 3H).
【0151】
3−ヒドロキシ−4−フェニル−1H−ピロール−2,5−ジオン
文献の方法:C. S. Rooney, et al; J. Med. Chem., Vol. 26 (1983) pp 700-714に従って製造。
【0152】
3−クロロ−4−フェニル−1H−ピロール−2,5−ジオン
窒素雰囲気下のジクロロメタン(600ml)中の3−ヒドロキシ−4−フェニル−1H−ピロール−2,5−ジオン(25.0g,0.13mol)の懸濁液に、DMF(36ml)を加えた。この懸濁液を氷の温度に冷却し、塩化オキサリル(40.0g,0.32mol)で処理した。続いて、反応混合物を一晩還流させた。室温に冷却した後に、シリカゲルを加えて、反応混合物を乾燥するまで蒸発させて、フラッシュ・クロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc 80:20)を受けさせた。ジクロロメタンと共に磨砕し、濾過し、乾燥させて、標題化合物17.6g(64%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ7.96-7.89 (m, 2H), 7.88-7.77 (bs, 1H), 7.55-7.45 (m, 3H).
【0153】
3−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−4−フェニル−1H−ピロール−2,5−ジオン
乾燥DMF(5ml)中の3−クロロ−4−フェニル−1H−ピロール−2,5−ジオン(4.84mmol,1.0g)の溶液に、4−メトキシアニリン(4.87mmol,600mg)を加え、反応混合物に、マイクロ波加熱シングル・ノード、150℃、15分間、続いて150℃、10分間を行なった。溶媒を蒸発させ、反応混合物をジクロロメタンと水とに分配した。有機層を無水NaSO上で乾燥させ、濃縮し、残渣をSiO(ヘプタン:EtOAc 3:1→2:1)上で乾燥させて、標題化合物457mg(32%)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.62 (s, 1H), 9.27 (s, 1H), 7.09-6.99 (m, 3H), 6.87-6.83 (m, 2H), 6.65-6.60 (m, 2H), 6.52-6.47 (m, 2H) 3.58 (s, 3H).
【0154】
3−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−4−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピロール−2,5−ジオン
乾燥THF(2ml)中の3−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−4−フェニル−1H−ピロール−2,5−ジオン(2.11mmol,620mg)、ジエチル・アゾジカルボキシレート(2.11mmol,367mg)及びトリフェニルホスフィン(2.11mmol,553mg)の溶液を、密封反応器中で調製した。2,2,2−トリフルオロエタノール(2.11mmol,211mg)を加えた。この混合物を40℃において19時間撹拌した。若干のトリフェニルホスフィン・オキシドが沈殿するまで、アセトニトリルを加えた。この反応混合物を濾過して、HPLC(95%0.1M酢酸アンモニウム緩衝液:5%CHCN→100%CHCN)によって精製して、標題化合物260mg(33%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.30 (bs, 1H), 7.18-7.06 (m, 3H), 7.01-6.96 (m, 2H), 6.64-6.52 (m, 4H), 4.23 (q, J=8.8 Hz, 2H), 3.70 (s, 3H).
【0155】
1−ベンジル−3−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−4−フェニル−1H−ピロール−2,5−ジオン
乾燥THF(1ml)中の3−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−4−フェニル−1H−ピロール−2,5−ジオン(0.17mmol,50mg)、ベンジルアルコール(0.17mmol,18mg)、ジエチル・アゾジカルボキシレート(0.17mmol,30mg)及びトリフェニルホスフィン(0.17mmol,45mg)の混合物を、マイクロ波反応器中で150℃において6分間加熱した。冷却後に、反応混合物を、HPLC(95%0.1M酢酸アンモニウム緩衝液:5%CHCN→100%CHCN)によって精製して、標題化合物32mg(49%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.46-7.42 (m, 2H), 7.39-7.27 (m, 3H), 7.17 (bs, 1H), 7.14-7.05 (m, 3H), 7.00-6.96 (m, 2H), 6.61-6.51 (m, 4H), 4.77 (s, 2H), 3.69 (s, 3H).
【0156】
3−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−1−メチル−4−フェニル−1H−ピロール−2,5−ジオン
乾燥THF(1ml)中の3−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−4−フェニル−1H−ピロール−2,5−ジオン(0.17mmol,30mg)、メタノール(0.17mmol,5mg)、ジエチル・アゾジカルボキシレート(0.17mmol,30mg)及びトリフェニルホスフィン(0.17mmol,45mg)の混合物を、マイクロ波反応器中で150℃において6分間加熱した。冷却後に、反応混合物を、HPLC(95%0.1M酢酸アンモニウム緩衝液:5%CHCN→100%CHCN)によって精製して、標題化合物34mg(65%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.21 (s, br, 1H), 7.16-7.05 (m, 3H), 7.00-6.96 (m, 2H), 6.62-6.52 (m, 4H), 3.69 (s, 3H), 3.12 (s, 3H).
【0157】
3−クロロ−1−エチル−4−フェニル−1H−ピロール−2,5−ジオン
アセトニトリル(10ml)中の3−クロロ−4−フェニル−1H−ピロール−2,5−ジオン(3.00mmol,623mg)、ヨウ化エチル(3.30mmol,515mg)及び炭酸カリウム(3.30mmol,456mg)の混合物を3.5時間還流させた。この混合物を乾燥するまで蒸発させた。残渣を酢酸エチル中に入れ、1M炭酸カリウムとブラインによって洗浄した。硫酸ナトリウムによって乾燥させ、減圧下で蒸発させて、目的生成物587mg(83%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.97-7.89 (m, 2H), 7.51-7.45 (m, 3H), 3.68 (q, J=7.1 Hz, 2H), 1.25 (t, J=7.1 Hz, 3H).
【0158】
1−エチル−3−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−4−フェニル−1H−ピロール−2,5−ジオン
3−クロロ−1−エチル−4−フェニル−1H−ピロール−2,5−ジオン(1.34mmol,315mg)、4−メトキシアニリン(1.47mmol,181mg)及びトリエチルアミン(147mmol,149mg)を、アセトニトリル(4ml)中に溶解した。この混合物をマイクロ波反応器中で150℃において、反応が完了するまで加熱した。冷却後に、反応混合物を濃縮し、濾過した。HPLC(95%0.1M酢酸アンモニウム緩衝液:5%CHCN→100%CHCN)によって精製して、標題化合物310mg(72%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.21 (bs, 1H), 7.15-7.06 (m, 3H), 7.01-6.97 (m, 2H), 6.63-6.55 (m, 4H), 3.69 (s, 3H), 3.67 (q, J=7.2 Hz, 2H), 1.27 (t, J=7.2 Hz, 3H).
【0159】
tert−ブチル[5−(ブロモメチル)ピリジン−2−イル]カルバメート
文献の方法:WO0066557 Linschoten, M. et al, Astrazeneca AB, Nov. 9, 2000に従って製造。
【0160】
tert−ブチル{5−[(3−クロロ−2,5−ジオキソ−4−フェニル−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)メチル]ピリジン−2−イル}カルバメート
3−クロロ−4−フェニル−1H−ピロール−2,5−ジオン(1.55g,7.47mmol)を、窒素雰囲気下でDMF(25ml)中に溶解し、氷浴中で冷却した。tert−ブチル[5−(ブロモメチル)ピリジン−2−イル]カルバメート(2.14g,7.47mmol)を加え、続いて、無水炭酸カリウム(1.03g,7.47mmol)を加えた。この混合物を1.5時間撹拌した後に、冷却浴を除去し、混合物をさらに2時間撹拌してから、1%HClで中和した。水(100ml)を加えて、混合物をCHCl(50mlx3)で抽出した。抽出物を一緒にして、水(100mlx2)で洗浄して、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。粗生成物(3.41g)をさらに精製せずに次の工程に用いた。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ8.32 (d, J=2 Hz, 1H), 7.92-7.89 (m, 3H), 7.83 (bs, 1H), 7.72 (dd, J =9, 2 Hz, 1H), 7.49-7.47 (m, 3H), 4.71 (s, 2H) 及び 1.52 (s, 9H).
【0161】
1−[(6−アミノピリジン−3−イル)メチル]−3−{[4−(ジフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−4−フェニル−1H−ピロール−2,5−ジオン
DMF(4ml)中のtert−ブチル{5−[(3−クロロ−2,5−ジオキソ−4−フェニル−2,5−ジヒドロ−1H−ピロル−1−イル)メチル]ピリジン−2−イル}カルバメート(0.70g,1.7mmol)と4−(ジフルオロメトキシ)アニリン(0.54g,3.4mmol)の混合物を、マイクロ波反応器中で150℃において8分間加熱した。溶媒を蒸発させ、残渣を、予め充填したSiOカラム(Isolute(登録商標)SI、10g/70ml)上で、溶離剤としてCHClを、その後CHOH/CHCl(1:99、2:98、その後5:95)を用いて精製して、標題化合物0.4g(54%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ7.99 (bs, 1H), 7.67-7.62 (m, 2H), 7.14-7.04 (m, 3H), 6.91 (d, J =8 Hz, 2H), 6.78 (d, J=8 Hz, 1H), 6.72 (d, J=9 Hz, 2H), 6.63 (d, J=9 Hz, 2H), 6.33 (t, J=74 Hz, 1H) 及び 4.60 (s, 2H).
【0162】
1−[(6−アミノピリジン−3−イル)メチル]−3−[(4−モルホリン−4−イルフェニル)アミノ]−4−フェニル−1H−ピロール−2,5−ジオン
DMF(4ml)中のtert−ブチル{5−[(3−クロロ−2,5−ジオキソ−4−フェニル−2,5−ジヒドロ−1H−ピロル−1−イル)メチル]ピリジン−2−イル}カルバメート(0.85g,2.06mmol)と4−モルホリノアニリン(0.73g,4.12mmol)の混合物を、マイクロ波反応器中で150℃において10分間加熱した。分取HPLC(C18、50x250mm、60%0.1M酢酸アンモニウム緩衝液:40%CHCN→100%CHCN)を用いる精製によって、標題化合物0.39g(42%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ8.14 (bs, 1H), 7.55 (dd, J= 8, 2 Hz, 1H), 7.28-7.23 (br, 1H), 7.13-7.04 (m, 3H), 6.95 (dd, J = 8, 2 Hz, 2H), 6.57-6.51 (m, 4H), 6.44 (d, J= 8 Hz, 1H), 4.62 (s, 2H), 4.62-4.53 (br, 2H) 3.81-3.79(m, 4H) 及び 3.01-2.98 (m, 4H).
【0163】
[実施例]
実施例1
1−(2−メトキシエチル)−4−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−3−フェニル−5−チオキソ−1,5−ジヒドロ−2H−ピロル−2−オン
トルエン(2.5ml)中の1−(2−メトキシエチル)−3−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−4−フェニル−1H−ピロール−2,5−ジオン(0.071mmol,25mg)とLawesson試薬(0.071mmol,29mg)の混合物を、マイクロ波反応器中で140℃において15分間加熱した。溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣をTHF中に再溶解して、HPLC(95%0.1M酢酸アンモニウム緩衝液:5%CHCN→100%CHCN)によって精製して、標題化合物16mg(61%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.78 (bs, 1H), 7.13-6.96 (m, 5H), 6.65-6.60 (m, 2H), 6.56-6.51 (m, 2H), 4.16 (t, J=5.9, 2H), 3.72 (t, J=5.9, 2H), 3.69 (s, 3H), 3.39 (s, 3H).
【0164】
実施例2
1−(2−メトキシエチル)−3−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−4−フェニル−1H−ピロール−2,5−ジチオン
トルエン(2.5ml)中の1−(2−メトキシエチル)−3−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−4−フェニル−1H−ピロール−2,5−ジオン(0.071mmol,25mg)とLawesson試薬(0.14mmol,58mg)の混合物を、マイクロ波反応器中で180℃において60分間加熱した。溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣をTHF中に再溶解して、HPLC(95%0.1M酢酸アンモニウム緩衝液:5%CHCN→100%CHCN)によって精製して、標題化合物14mg(37%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.41 (s, br, 1H), 7.13-6.93 (m, 5H), 6.64-6.57 (m, 2H), 6.48-6.42 (m, 2H), 4.58 (t, J=6.2, 2H), 3.75 (t, J=6.2, 2H), 3.67 (s, 3H), 3.40 (s, 3H).
【0165】
実施例3
4−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−3−フェニル−1−(ピリジン−3−イルメチル)−5−チオキソ−1,5−ジヒドロ−2H−ピロル−2−オン
トルエン(2.5ml)中の3−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−4−フェニル−1−(ピリジン−3−イルメチル)−1H−ピロール−2,5−ジオン(0.065mmol,25mg)とLawesson試薬(0.065mmol,26mg)の混合物を、マイクロ波反応器中で140℃において15分間加熱した。溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣をTHF中に再溶解して、HPLC(95%0.1M酢酸アンモニウム緩衝液:5%CHCN→100%CHCN)によって精製して、標題化合物19mg(73%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.76 (bs, 1H), 8.53 (d, br, 1H), 7.82-7.78 (m, 1H), 7.75 (bs, 1H), 7.28-7.23 (m, 1H), 7.14-7.03 (m, 3H), 7.00-6.95 (m, 2H), 6.63-6.59 (m, 2H), 6.55-6.50 (m, 2H), 5.13 (s, 2H), 3.68 (s, 3H).
【0166】
実施例4
3−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−4−フェニル−1−(ピリジン−3−イルメチル)−1H−ピロール−2,5−ジチオン
トルエン(2.5ml)中の3−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−4−フェニル−1−(ピリジン−3−イルメチル)−1H−ピロール−2,5−ジオン(0.065mmol,25mg)とLawesson試薬(0.14mmol,58mg)の混合物を、マイクロ波反応器中で180℃において60分間加熱した。溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣をTHF中に再溶解して、HPLC(95%0.1M酢酸アンモニウム緩衝液:5%CHCN→100%CHCN)によって精製して、標題化合物23mg(85%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.74 (d, br, 1H), 8.53-8.50 (m, 1H), 7.81-7-76 (m, 1H), 7.41 (s, br, 1H), 7.26-7.22 (m, 1H), 7.13-7.02 (m, 3H), 6.98-6.93 (m, 2H), 6.63-6.57 (m, 2H), 6.48-6.42 (m, 2H), 5.59 (s, 2H), 3.67 (s, 3H).
【0167】
実施例5
4−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−3−フェニル−1−(ピリジン−4−イルメチル)−5−チオキソ−1,5−ジヒドロ−2H−ピロル−2−オン
トルエン(2.5ml)中の3−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−4−フェニル−1−(ピリジン−4−イルメチル)−1H−ピロール−2,5−ジオン(0.073mmol,28mg)とLawesson試薬(0.073mmol,29mg)の混合物を、マイクロ波反応器中で140℃において15分間加熱した。溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣をTHF中に再溶解して、HPLC(95%0.1M酢酸アンモニウム緩衝液:5%CHCN→100%CHCN)によって精製して、標題化合物9mg(31%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.57 (s, br, 2H), 7.76 (s, br, 1H), 7.32 (d, br, 2H), 7.14-7.05 (m, 3H), 7.01-6.97 (m, 2H), 6.65-6.60 (m, 2H), 6.56-6.51 (m, 2H), 5.11 (s, 2H), 3.69 (s, 3H).
【0168】
実施例6
3−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−4−フェニル−1−(ピリジン−4−イルメチル)−1H−ピロール−2,5−ジチオン
トルエン(2.5ml)中の3−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−4−フェニル−1−(ピリジン−4−イルメチル)−1H−ピロール−2,5−ジオン(0.073mmol,28mg)とLawesson試薬(0.14mmol,59mg)の混合物を、マイクロ波反応器中で180℃において60分間加熱した。溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣をTHF中に再溶解して、HPLC(95%0.1M酢酸アンモニウム緩衝液:5%CHCN→100%CHCN)によって精製して、標題化合物4mg(13%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.55 (dd, J1=6.1 Hz, J2=4.4 Hz, 2H), 7.41 (s, br, 1H), 7.28 (dd, J1=6.1 Hz, J2=4.4 Hz, 2H), 7.14-7.03 (m, 3H), 7.00-6.95 (m, 2H), 6.65-6.59 (m, 2H), 6.49-6.43 (m, 2H), 5.58 (s, 2H), 3.67 (s, 3H).
【0169】
実施例7
1−ブチル−4−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−3−フェニル−5−チオキソ−1,5−ジヒドロ−2H−ピロル−2−オン
トルエン(1.7ml)中の1−ブチル−3−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−4−フェニル−1H−ピロール−2,5−ジオン(0.12mmol,42mg)とLawesson試薬(0.14mmol,58mg)の混合物を、マイクロ波反応器中で120℃において5分間加熱した。溶媒を減圧下で蒸発させた。HPLC(95%0.1M酢酸アンモニウム緩衝液:5%CHCN→100%CHCN)によって精製して、標題化合物28mg(64%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.79 (s, br, 1H), 7.12-7.04 (m, 3H), 7.01-6.96 (m, 2H), 6.51-6.46 (m, 4H), 3.94 (t, J=7.5 Hz, 2H), 3.69 (s, 3H), 1.77-1.68 (m, 2H), 1.45-1.35 (m, 2H), 0.96 (t, J=7.3 Hz, 3H).
【0170】
実施例8
1−ブチル−3−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−4−フェニル−1H−ピロール−2,5−ジチオン
トルエン中の1−ブチル−3−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−4−フェニル−1H−ピロール−2,5−ジオン(0.12mmol,42mg)とLawesson試薬(0.26mmol,107mg)の混合物を、マイクロ波反応器中で160℃において25分間加熱した。溶媒を減圧下で蒸発させた。HPLC(95%0.1M酢酸アンモニウム緩衝液:5%CHCN→100%CHCN)によって精製して、標題化合物28mg(61%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.42 (s, br, 1H), 7.12-7.02 (m, 3H), 6.98-6.93 (m, 2H), 6.63-6.57 (m, 2H), 6.47-6.43 (m, 2H), 4.36-4.30 (m, 2H), 3.68 (s, 3H), 1.80-1.70 (m, 2H), 1.48-1.37 (m, 2H), 0.97 (t, J=7.7 Hz, 3H).
【0171】
実施例9
4−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−3−フェニル−5−チオキソ−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,5−ジヒドロ−2H−ピロル−2−オン
トルエン(2.5ml)中の3−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−4−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピロール−2,5−ジオン(0.053mmol,20mg)とLawesson試薬(0.053mmol,21mg)の混合物を、マイクロ波反応器中で140℃において15分間加熱した。溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣をTHF中に再溶解して、HPLC(95%0.1M酢酸アンモニウム緩衝液:5%CHCN→100%CHCN)によって精製して、標題化合物12mg(58%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.74 (s, br, 1H), 7.15-7.05 (m, 3H), 7.02-6.97 (m, 2H), 6.67-6.61 (m, 2H), 6.57-6.52 (m, 2H), 4.59 (q, J=8.6 Hz, 2H), 3.69 (s, 3H).
【0172】
実施例10
3−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−4−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピロール−2,5−ジチオン
トルエン(2.5ml)中の3−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−4−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピロール−2,5−ジオン(0.053mmol,20mg)とLawesson試薬(0.11mmol,43mg)の混合物を、マイクロ波反応器中で180℃において60分間加熱した。溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣をTHF中に再溶解して、HPLC(95%0.1M酢酸アンモニウム緩衝液:5%CHCN→100%CHCN)によって精製して、標題化合物11mg(51%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.40 (s, br, 1H), 7.15-7.02 (m, 3H), 6.99-6.93 (m, 2H), 6.64-6.59 (m, 2H), 6.48-6.43 (m, 2H), 5.08 (q, J=8.4 Hz, 2H), 3.68 (s, 3H).
【0173】
実施例11
1−ベンジル−4−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−3−フェニル−5−チオキソ−1,5−ジヒドロ−2H−ピロル−2−オン
トルエン(2.5ml)中の1−ベンジル−3−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−4−フェニル−1H−ピロール−2,5−ジオン(0.075mmol,29mg)とLawesson試薬(0.075mmol,31mg)の混合物を、マイクロ波反応器中で140℃において15分間加熱した。溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣をTHF中に再溶解し、HPLC(95%0.1M酢酸アンモニウム緩衝液:5%CHCN→100%CHCN)によって精製して、標題化合物15mg(50%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.77 (s, br, 1H), 7.50-7.46 (m, 2H), 7.36-7.25 (m, 3H), 7.14-7.04 (m, 3H), 7.02-6.97 (m, 2H), 6.64-6.59 (m, 2H), 6.56-6.50 (m, 2H), 5.13 (s, 2H), 3.69 (s, 3H).
【0174】
実施例12
1−ベンジル−3−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−4−フェニル−1H−ピロール−2,5−ジチオン
トルエン(2.5ml)中の1−ベンジル−3−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−4−フェニル−1H−ピロール−2,5−ジオン(0.075mmol,29mg)とLawesson試薬(0.15mmol,61mg)の混合物を、マイクロ波反応器中で180℃において60分間加熱した。溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣をTHF中に再溶解し、HPLC(95%0.1M酢酸アンモニウム緩衝液:5%CHCN→100%CHCN)によって精製して、標題化合物18mg(57%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.46-7.41 (m, 2H), 7.40 (s, br, 1H), 7.34-7.22 (m, 3H), 7.13-7.02 (m, 3H), 7.00-6.95 (m, 2H), 6.63-6.57 (m, 2H), 6.48-6.42 (m, 2H), 5.59 (s, 2H), 3.67 (s, 3H).
【0175】
実施例13
4−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−1−メチル−3−フェニル−5−チオキソ−1,5−ジヒドロ−2H−ピロル−2−オン
トルエン(2.5ml)中の3−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−1−メチル−4−フェニル−1H−ピロール−2,5−ジオン(0.088mmol,27mg)とLawesson試薬(0.088mmol,35mg)の混合物を、マイクロ波反応器中で140℃において15分間加熱した。溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣をTHF中に再溶解し、HPLC(95%0.1M酢酸アンモニウム緩衝液:5%CHCN→100%CHCN)によって精製して、標題化合物20mg(70%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.78 (s, br, 1H), 7.13-7.03 (m, 3H), 7.00-6.96 (m, 2H), 6.64-6.60 (m, 2H), 6.56-6.51 (m, 2H), 3.69 (s, 3H), 3.40 (s, 3H).
【0176】
実施例14
3−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−1−メチル−4−フェニル−1H−ピロール−2,5−ジチオン
トルエン(2.5ml)中の3−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−1−メチル−4−フェニル−1H−ピロール−2,5−ジオン(0.088mmol,27mg)とLawesson試薬(0.17mmol,71mg)の混合物を、マイクロ波反応器中で180℃において60分間加熱した。溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣をTHF中に再溶解し、HPLC(95%0.1M酢酸アンモニウム緩衝液:5%CHCN→100%CHCN)によって精製して、標題化合物26mg(87%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.41 (s, br, 1H), 7.13-7.02 (m, 3H), 6.99-6.93 (m, 2H), 6.63-6.57 (m, 2H), 6.48-6.42 (m, 2H), 3.74 (s, 3H), 3.67 (s, 3H).
【0177】
実施例15
1−エチル−4−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−3−フェニル−5−チオキソ−1,5−ジヒドロ−2H−ピロル−2−オン
トルエン(2.0ml)中の1−エチル−3−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−4−フェニル−1H−ピロール−2,5−ジオン(0.40mmol,128mg)とLawesson試薬(0.40mmol,161mg)の混合物を、マイクロ波反応器中で160℃において15分間加熱した。溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣をTHF中に再溶解し、HPLC(95%0.1M酢酸アンモニウム緩衝液:5%CHCN→100%CHCN)によって精製して、標題化合物95mg(71%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.80 (s, br, 1H), 7.13-7.04 (m, 3H), 7.01-6.97 (m, 2H), 6.65-6.60 (m 2H), 6.56-6.51 (m, 2H), 4.01 (q, J=7.1 Hz, 2H), 3.69 (s, 3H), 1.31 (t, J=7.1 Hz, 3H).
【0178】
実施例16
1−エチル−3−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−4−フェニル−1H−ピロール−2,5−ジチオン
トルエン(2.5ml)中の1−エチル−3−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−4−フェニル−1H−ピロール−2,5−ジオン(0.09mmol,29mg)とLawesson試薬(0.18mmol,73mg)の混合物を、マイクロ波反応器中で180℃において60分間加熱した。溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣をTHF中に再溶解し、HPLC(95%0.1M酢酸アンモニウム緩衝液:5%CHCN→100%CHCN)によって精製して、標題化合物15mg(48%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.42 (s, br, 1H), 7.12-7.02 (m, 3H), 6.98-6.93 (m, 2H), 6.63-6.57 (m 2H), 6.47-6.42 (m, 2H), 4.41 (q, J=7.1 Hz, 2H), 3.67 (s, 3H), 1.31 (t, J=7.1 Hz, 3H).
【0179】
実施例17
1−[(6−アミノピリジン−3−イル)メチル]−4−{[4−(ジフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−3−フェニル−5−チオキソ−1,5−ジヒドロ−2H−ピロル−2−オン
トルエン(4ml)中の1−[(6−アミノピリジン−3−イル)メチル]−3−{[4−(ジフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−4−フェニル−1H−ピロール−2,5−ジオン(128mg,0.29mmol)とLawesson試薬(119mg,0.29mmol)の混合物を、マイクロ波反応器中で150℃において35分間加熱した。この混合物を乾燥するまで蒸発させた。残渣をカラム(Isolute(登録商標)FLASH SI、70g/150ml)上で、溶離剤としてCHClを、その後CHOH/CHCl(2:98、その後4:96)を用いてクロマトグラフィーして、混合物を得た。この混合物をカラム(Isolute(登録商標)SI、5g/25ml)上で、溶離剤としてCHClを、その後CHCN/CHCl(10:90、その後20:80)を用いて再度クロマトグラフィーして、標題化合物51mg(38%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.23 (d, J=2 Hz, 1H), 7.73 (bs, 1H), 7.59 (dd, J =8.5, 2 Hz, 1H), 7.15-7.06 (m, 3H), 6.99-6.96 (m, 2H), 6.77-6.73 (m, 2H), 6.66-6.62 (m, 2H), 6.44 (d, J=8.5 Hz, 1H), 6.33 (t, J=74 Hz, 1H), 4.98 (s, 2H) 及び 4.46 (bs, 2H).
【0180】
実施例18
1−[(6−アミノピリジン−3−イル)メチル]−3−{[4−(ジフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−4−フェニル−1H−ピロール−2,5−ジチオン
トルエン(4ml)中の1−[(6−アミノピリジン−3−イル)メチル]−3−{[4−(ジフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−4−フェニル−1H−ピロール−2,5−ジオン(128mg,0.29mmol)とLawesson試薬(119mg,0.29mmol)の混合物を、マイクロ波反応器中で150℃において35分間加熱した。この混合物を乾燥するまで蒸発させた。残渣をカラム(Isolute(登録商標)FLASH SI、70g/150ml)上で、溶離剤としてCHClを、その後CHOH/CHCl(2:98、その後4:96)を用いてクロマトグラフィーして、油状混合物を得た。この油状物をカラム(Isolute(登録商標)SI、5g/25ml)上で、溶離剤としてCHClを、その後CHCN/CHCl(10:90、その後20:80)を用いて再度クロマトグラフィーして、2種類の生成物を得た。これらの一方をカラムクロマトグラフィー(Isolute(登録商標)SI、1g/6ml、CHCN/CHCl(10:90)によって溶出)によって、さらに精製して、標題化合物5mg(4%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.25 (d, J=2 Hz, 1H), 7.60 (dd, J =8.5, 2 Hz, 1H), 7.33 (bs, 1H), 7.13-7.03 (m, 3H), 6.95-6.92(m, 2H), 6.68-6.62 (m, 4H), 6.43 (d, J= 8.4 Hz, 1H), 6.31(t, J=74 Hz, 1H), 5.44 (s, 2H) 及び 4.41 (bs, 2H).
【0181】
実施例19
1−[(6−アミノピリジン−3−イル)メチル]−4−[(4−モルホリン−4−イルフェニル)アミノ]−3−フェニル−5−チオキソ−1,5−ジヒドロ−2H−ピロル−2−オン
トルエン(50ml)中の1−[(6−アミノピリジン−3−イル)メチル]−3−[(4−モルホリン−4−イルフェニル)アミノ]−4−フェニル−1H−ピロール−2,5−ジオン(130mg,0.28mmol)とLawesson試薬(115mg,0.28mmol)の混合物を、窒素雰囲気下で、3日間還流させ、次に乾燥するまで蒸発させた。残渣をカラム(Isolute(登録商標)FLASH SI、50g/150ml)上で、溶離剤としてCHClを、その後CHOH/CHCl(2:98、その後4:96、次に8:92)を用いてクロマトグラフィーして、混合物を得た。この混合物をカラム(Isolute(登録商標)SI、20g/70ml)上で、溶離剤としてCHCN/CHCl(20:80、その後50:50)を用いて再度クロマトグラフィーして、標題化合物47mg(35%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.23 (d, J= 2 Hz, 1H), 7.78 (s, 1H), 7.58 (dd, J= 8, 2 Hz, 1H), 7.09-7.03 (m, 3H), 6.97-6.94 (m, 2H), 6.58-6.49 (m, 4H), 6.42 (d, J= 8 Hz, 1H), 4.97 (s, 2H), 4.47 (bs, 2H) 3.81-3.78(m, 4H) 及び 2.99-2.97 (m, 4H).
【0182】
実施例20
1−[(6−アミノピリジン−3−イル)メチル]−3−[(4−モルホリン−4−イルフェニル)アミノ]−4−フェニル−1H−ピロール−2,5−ジチオン
トルエン(4.5ml)中の1−[(6−アミノピリジン−3−イル)メチル]−3−[(4−モルホリン−4−イルフェニル)アミノ]−4−フェニル−1H−ピロール−2,5−ジオン(140mg,0.31mmol)とLawesson試薬(249mg,0.61mmol)の混合物を、マイクロ波反応器中で150℃において20分間加熱し、次に、乾燥するまで蒸発させた。残渣をカラム(Isolute(登録商標)FLASH SI、50g/150ml)上で、溶離剤としてCHClを、その後CHOH/CHCl(2:98、その後4:96、次に8:92)を用いてクロマトグラフィーして、1−[(6−アミノピリジン−3−イル)メチル]−4−[(4−モルホリン−4−イルフェニル)アミノ]−3−フェニル−5−チオキソ−1,5−ジヒドロ−2H−ピロル−2−オンと痕跡量の目的生成物を含有する混合物を得た。この混合物を、トルエン(4ml)中のLawesson試薬(30mg)で処理して、マイクロ波反応器中で160℃において30分間加熱し、その後、乾燥するまで蒸発させた。残渣をカラム(Isolute(登録商標)FLASH SI、20g/70ml)上で、溶離剤としてCHClを、その後CHOH/CHCl(2:98、その後4:96)を用いてクロマトグラフィーして、生成物4mgを得た。これをカラム(Isolute(登録商標)FLASH SI、20g/70ml)上で、溶離剤としてCHClと、CHCN/CHCl(25:75、次に50:50)を用いて再度クロマトグラフィーして、生成物3mgを得た。これをもう1回、カラム(Isolute(登録商標)SI、1g/6ml)上で、溶離剤としてCHClを、次にCHOH/CHCl(1:99)を用いて再度クロマトグラフィーして、標題化合物2mg(1%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.25 (d, J= 2 Hz, 1H), 7.63 (dd, J= 8.5, 2.2 Hz, 1H), 7.44 (bs, 1H), 7.10-7.01 (m, 3H), 6.95-6.92 (m, 2H), 6.57-6.53 (m, 2H), 6.44-6.41 (m, 3H), 5.44 (s, 2H), 4.44 (bs, 2H) 3.81-3.78(m, 4H) and 2.99-2.96 (m, 4H).
【0183】
[生物学的活性]
コアクチベーター・リクルートメント・アッセイ(CO-ACTIVATOR RECRUITMENT ASSAY)
大腸菌(E coli)における組み換え方法によって、ヒトLXRα(アミノ酸205〜447)とLXRβ(アミノ酸216〜461)のリガンド結合ドメイン(LBD)を作製した。ヒト・ステロイド受容体コアクチベーター−1(SRC−1)を合成ペプチドとして作製した。ユウロピウム(Eu3+)と結合した抗6His抗体を用いて、LXR−LBD上のHisタグを認識し、ストレプタビジンに結合したアロフィコシアニン(APC)を用いて、ビオチニル化SRC−1を認識した。LXRα又はLXRβに結合するアゴニストは、SRC−1に対するLXRのアフィニティを強化し、それによって、Eu3+とAPCとを極めて接近させる。Eu3+は337nmにおいて励起して、620nmにおいて発光する。この発光は、極めて接近しているときに、APCを励起させて、665nmにおいて発光させる。
【0184】
DMSO中の化合物を含む希釈プレートを、DMSO濃度を減ずるために、緩衝液{20mM[トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン]pH7.5、0.125%CHAPS{3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−1−プロパンスルホネート}、2mM DTT(ジチオトレイトール)及び0.05%BSA(ウシ血清アルブミン)}中でさらに、0.5μlから13.5μlに希釈した。これに、アッセイ・ミックス6μlを加えて、該プレート(384穴Vグルーブ・プレート)を室温において60〜80分間インキュベートした。このアッセイ・ミックスは、次の最終濃度を有する;LXRαミックス:緩衝液中、Eu標識抗6xHis・Ab 0.06μg/ml、ストレプタビジンAPC 1.15μg/ml、30nM SRC−1ペプチド及びLXRα0.9μg/ml、及びLXRβミックス:緩衝液中、Eu標識抗6xHis・Ab 0.06μg/ml、ストレプタビジンAPC 1.15μg/ml、90nM SRC−1ペプチド及びLXRβ0.2μg/ml。時間分解蛍光読み取りはWallac Victor読み取り装置で665nmで行ない、次に615nmでの読み取りを行なった。LXRリガンド、50μMの22−Rヒドロキシコレステロールを100%対照として用いた。
【0185】
トランスアクチベーション・アッセイ
ヒトLXRα(アミノ酸205〜447)とLXRβ(アミノ酸216〜461)のリガンド結合ドメインcDNA(相補的DNA)を、酵母GALA転写因子に対して3’のDNA結合ドメイン(3’ to the yeast GALA transcription factor DNA binding domain)と、ポリオーマ・ウイルスのT抗原からの核局在化シグナルと共に、フレームとして、真核発現ベクターpSG5(Stratagene)中に挿入することによって、発現ベクターを作製した。得られた発現ベクターpSGGAL−LXRαとpSGGAL−LXRβを、最小SV40プロモーターを含有するpGL3ルシフェラーゼ・リポーター・プラスミド及びUAS GAL4認識部位の5コピーと共にコトランスフェクション実験に用いた。pSGGAL−LXRα又はβ 2.5μgに、GL35xUAS 25μgとpBluscript 22.5μgを、約4〜9milj.U2/OS骨肉種細胞を含有する氷冷PBS 0.95ml中で混合した。氷上で5分間インキュベートした後に、細胞/DNA混合物を0.4cmキュベット中で960μF、230VにおいてBioRadエレクトロポレーターを用いてエレクトロポレーションして、完全DMEM(Dulbecco’s Modified Eagle Medium)培地(Gibco31966-021)中で0.32milj細胞/mlまで希釈した。異なるエレクトロポレーション間の変異を避けるために、少なくとも2回のエレクトロポレーションからの細胞をプールした。希釈し、エレクトロポレーションした細胞25μlを384穴プレート上に接種して(0.8x10細胞/穴)、細胞を細胞培養インキュベーター中で37℃、5%COにおいて2時間付着させた。DMSO濃度を減ずるために、DMSO中の化合物を有する希釈プレートを、10%FBS(ウシ胎仔血清)、1%PEST(ペニシリン・ストレプトマイシン)、20mM L−グルタミン及び0.36%グルコースを包含するDMEMw/oフェノールレッド(Gibco1 1880-028)中でさらに希釈した(2.5μlから97.5μlに)。これの7μlを、384穴プレート中のエレクトロポレーションした細胞に加えて、細胞培養インキュベーター中でインキュベーションを48時間続けて、その後に、LucLiteルシフェラーゼ基質32μl/穴を加えることによって、細胞を溶解した。室温において15分間インキュベートした後に、Wallac Victor読み取り装置において「Luminescence 384 protocol」を用いて、ルシフェラーゼ活性を測定した。LXRリガンド、Tularik T0901317を1μMで、100%対照として用いた。
【0186】
式I化合物は、コアクチベーター・リクルートメント・アッセイ及び/又はレポーター遺伝子アッセイにおいてLXRα及び/又はβに対して50μmol/L未満のEC50を有する。例えば、実施例7及び18の化合物は、コアクチベーター・リクルートメント・アッセイにおいて、それぞれ、0.09μmol/L及び0.14μmol/LのEC50を有した。
【0187】
さらに、本発明の化合物は、改善された物理的及び/又は化学的及び/又はDMPK(薬物代謝及び薬物動態)性質を示す、例えば、本発明の化合物は、改善されたin vitro代謝安定性を示し、及び/又は有利なin vivo薬理学的効果を示す。該化合物はさらに、有望な毒性学プロフィルを有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

で示される化合物、又はその製薬的に受容される塩若しくは溶媒和物、又は該塩の溶媒和物、
上記式中、
は、フェニル(C−C)アルキル[式中、フェニルは場合によっては(C−C)アルコキシカルボニル又は式:NR(式中、RとRは独立的にH若しくは(C−C)アルキルを表す)で示される基によって置換される];ヘテロアリール(C−C)アルキル[式中、ヘテロアリールは場合によっては(C−C)アルキル又は式:NR(式中、RとRは独立的にH若しくは(C−C)アルキルを表す)で示される基によって置換される];又は(C−C)アルキル基[これは、場合によっては、下記:フルオロ、(C−C)アルコキシカルボニル、(C−C)アルキルチオ若しくは場合によっては1個以上のフルオロによって置換される(C−C)アルコキシ、の1個以上によって置換される]から選択される;
は、フェニルであり;
は、フェニル、インドリル又はべンゾフラニルから選択され、これらの各々は場合によっては、下記:(C−C)アルカノイル、場合によっては1個以上のフルオロによって置換される(C−C)アルコキシ;(C−C)アルキルチオ;又は式:NR(式中、RとRは独立的にH、(C−C)アルキル若しくは(C−C)アルカノイルを表すか、又はRとRは、それらが結合する窒素原子と共にモルホリノを表す)で示される基、の1個以上によって置換される;
XはO又はSである。
【請求項2】
XがOである、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
XがSである、請求項1記載の化合物。
【請求項4】
が、メチル、エチル、プロピル、ブチル、2−メトキシエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、ベンジル、4−ピリジルメチル、3−ピリジルメチル又は6−アミノ−3−ピリジルメチルから選択される、請求項1〜3のいずれかに記載の化合物。
【請求項5】
が、4−メトキシフェニル、4−ジフルオロメトキシフェニル又は4−モルホリノフェニルである、請求項1〜4のいずれかに記載の化合物。
【請求項6】
が、メチル、エチル、2,2,2−トリフルオロエチル、ベンジル、3−ピリジルメチル又は6−アミノ−3−ピリジルメチルから選択され、Rがフェニルであり、Rが、4−メトキシフェニル、4−ジフルオロメトキシフェニル又は4−モルホリノフェニルから選択され、XがO又はSである、請求項1〜3のいずれかに記載の化合物。
【請求項7】
が、エチル、2,2,2−トリフルオロエチル、ベンジル、3−ピリジルメチル又は6−アミノ−3−ピリジルメチルから選択され、Rがフェニルであり、Rが4−メトキシフェニル、4−ジフルオロメトキシフェニル又は4−モルホリノフェニルから選択され、XがO又はSである、請求項1〜3のいずれかに記載の化合物。
【請求項8】
が、メチル、エチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2−ピリジルメチル、3−ピリジルメチル又は4−ピリジルメチルから選択され、Rがフェニルであり、Rが4−メトキシフェニルから選択され、XがO又はSである、請求項1〜3のいずれかに記載の化合物。
【請求項9】
が、2−メトキシエチル又は6−アミノ−3−ピリジルメチルから選択され、Rがフェニルであり、Rが、4−メトキシフェニル又は4−ジフルオロメトキシフェニルから選択され、XがO又はSである、請求項1〜3のいずれかに記載の化合物。
【請求項10】
下記化合物:
1−(2−メトキシエチル)−4−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−3−フェニル−5−チオキソ−1,5−ジヒドロ−2H−ピロル−2−オン;
1−(2−メトキシエチル)−3−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−4−フェニル−1H−ピロール−2,5−ジチオン;
4−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−3−フェニル−1−(ピリジン−3−イルメチル)−5−チオキソ−1,5−ジヒドロ−2H−ピロル−2−オン;
3−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−4−フェニル−1−(ピリジン−3−イルメチル)−1H−ピロール−2,5−ジチオン;
4−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−3−フェニル−1−(ピリジン−4−イルメチル)−5−チオキソ−1,5−ジヒドロ−2H−ピロル−2−オン;
3−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−4−フェニル−1−(ピリジン−4−イルメチル)−1H−ピロール−2,5−ジチオン;
1−ブチル−4−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−3−フェニル−5−チオキソ−1,5−ジヒドロ−2H−ピロル−2−オン;
1−ブチル−3−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−4−フェニル−1H−ピロール−2,5−ジチオン;
4−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−3−フェニル−5−チオキソ−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,5−ジヒドロ−2H−ピロル−2−オン;
3−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−4−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピロール−2,5−ジチオン;
1−ベンジル−4−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−3−フェニル−5−チオキソ−1,5−ジヒドロ−2H−ピロル−2−オン;
1−ベンジル−3−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−4−フェニル−1H−ピロール−2,5−ジチオン;
4−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−1−メチル−3−フェニル−5−チオキソ−1,5−ジヒドロ−2H−ピロル−2−オン;
3−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−1−メチル−4−フェニル−1H−ピロール−2,5−ジチオン;
1−エチル−4−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−3−フェニル−5−チオキソ−1,5−ジヒドロ−2H−ピロル−2−オン;
1−エチル−3−[(4−メトキシフェニル)アミノ]−4−フェニル−1H−ピロール−2,5−ジチオン;
1−[(6−アミノピリジン−3−イル)メチル]−4−{[4−(ジフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−3−フェニル−5−チオキソ−1,5−ジヒドロ−2H−ピロル−2−オン;
1−[(6−アミノピリジン−3−イル)メチル]−3−{[4−(ジフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−4−フェニル−1H−ピロール−2,5−ジチオン;
1−[(6−アミノピリジン−3−イル)メチル]−4−[(4−モルホリン−4−イルフェニル)アミノ]−3−フェニル−5−チオキソ−1,5−ジヒドロ−2H−ピロル−2−オン;
1−[(6−アミノピリジン−3−イル)メチル]−3−[(4−モルホリン−4−イルフェニル)アミノ]−4−フェニル−1H−ピロール−2,5−ジチオン;
又はこれらの製薬的に受容される塩若しくは溶媒和物、又は該塩の溶媒和物
の1つ以上から選択される化合物。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれかに記載の化合物(R、R及びRは、請求項1で定義した通りである)の製造方法であって、式II:
【化2】

[式中、RとRは請求項1で定義した通りである]
で示される化合物を、硫化剤、例えばLawesson試薬と、任意に不活性有機液体、例えば芳香族炭化水素、例えばトルエンの存在下、0℃〜200℃の範囲内の温度において反応させる工程を含む方法。
【請求項12】
請求項1〜10のいずれかに記載の化合物を、製薬的に受容されるアジュバント、希釈剤及び/又はキャリヤーとの混合物として含む薬剤製剤。
【請求項13】
請求項1〜10のいずれかに記載の化合物の、療法への使用。
【請求項14】
核内ホルモン受容体LXRα及び/又はβの調節用薬剤を製造するための請求項1〜10のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項15】
心血管系疾患の治療及び/又は予防用薬剤の製造における請求項1〜10のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項16】
アテローム硬化症の治療及び/又は予防用薬剤の製造における請求項1〜10のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項17】
高コレステロール血症の治療及び/又は予防用薬剤の製造における請求項1〜10のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項18】
コレステロール逆輸送の改善の必要性に関連した状態の治療及び/又は予防用薬剤の製造における請求項1〜10のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項19】
腸コレステロール吸収の減少の必要性に関連した状態の治療及び/又は予防用薬剤の製造における請求項1〜10のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項20】
HDLコレステロール・レベルの上昇の必要性に関連した状態の治療及び/又は予防用薬剤の製造における請求項1〜10のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項21】
LDLコレステロール・レベルの降下の必要性に関連した状態の治療及び/又は予防用薬剤の製造における請求項1〜10のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項22】
炎症状態の治療及び/又は予防用薬剤の製造における請求項1〜10のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項23】
アルツハイマー病の治療及び/又は予防用薬剤の製造における請求項1〜10のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項24】
動脈硬化症の治療及び/又は予防用薬剤の製造における請求項1〜10のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項25】
2型糖尿病の治療及び/又は予防用薬剤の製造における請求項1〜10のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項26】
HDL機能の改善の必要性に関連した状態の治療及び/又は予防用薬剤の製造における請求項1〜10のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項27】
インシュリン抵抗性が関連するか否かに拘らず、脂質障害(異脂血症)の治療及び/又は予防用薬剤の製造における請求項1〜10のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項28】
インシュリン抵抗性が関連するか否かに拘らず、脂質障害(異脂血症)の治療及び/又は予防方法であって、それを必要とする哺乳動物に請求項1〜10のいずれかに記載の化合物を投与することを含む方法。
【請求項29】
心血管系疾患の治療及び/又は予防方法であって、このような治療を必要とする、ヒトを含めた哺乳動物に請求項1〜10のいずれかで定義された化合物の有効量を投与することを含む方法。
【請求項30】
アテローム硬化症の治療及び/又は予防方法であって、それを必要とする哺乳動物に請求項1〜10のいずれかで定義された化合物の有効量を投与することを含む方法。
【請求項31】
高コレステロール血症の治療及び/又は予防方法であって、このような治療を必要とする、ヒトを含めた哺乳動物に請求項1〜10のいずれかで定義された化合物の有効量を投与することを含む方法。
【請求項32】
コレステロール逆輸送の改善の必要性に関連した状態の治療及び/又は予防方法であって、このような治療を必要とする、ヒトを含めた哺乳動物に請求項1〜10のいずれかで定義された化合物の有効量を投与することを含む方法。
【請求項33】
腸コレステロール吸収の減少の必要性に関連した状態の治療及び/又は予防方法であって、このような治療を必要とする、ヒトを含めた哺乳動物に請求項1〜10のいずれかで定義された化合物の有効量を投与することを含む方法。
【請求項34】
HDLコレステロール・レベルの上昇の必要性に関連した状態の治療及び/又は予防方法であって、このような治療を必要とする、ヒトを含めた哺乳動物に請求項1〜10のいずれかで定義された化合物の有効量を投与することを含む方法。
【請求項35】
LDLコレステロール・レベルの降下の必要性に関連した状態の治療及び/又は予防方法であって、このような治療を必要とする、ヒトを含めた哺乳動物に請求項1〜10のいずれかで定義された化合物の有効量を投与することを含む方法。
【請求項36】
炎症状態の治療及び/又は予防方法であって、このような治療を必要とする、ヒトを含めた哺乳動物に請求項1〜10のいずれかで定義された化合物の有効量を投与することを含む方法。
【請求項37】
アルツハイマー病の治療及び/又は予防方法であって、このような治療を必要とする、ヒトを含めた哺乳動物に請求項1〜10のいずれかで定義された化合物の有効量を投与することを含む方法。
【請求項38】
動脈硬化症の治療及び/又は予防方法であって、このような治療を必要とする、ヒトを含めた哺乳動物に請求項1〜10のいずれかで定義された化合物の有効量を投与することを含む方法。
【請求項39】
2型糖尿病の治療及び/又は予防方法であって、このような治療を必要とする、ヒトを含めた哺乳動物に請求項1〜10のいずれかで定義された化合物の有効量を投与することを含む方法。
【請求項40】
HDL機能の改善の必要性に関連した状態の治療及び/又は予防方法であって、このような治療を必要とする、ヒトを含めた哺乳動物に請求項1〜10のいずれかで定義された化合物の有効量を投与することを含む方法。
【請求項41】
核内ホルモン受容体LXRα及び/又はβの調節の必要性と関連した状態の治療又は予防に用いるための薬剤製剤であって、有効成分としての請求項1〜10のいずれかに記載の化合物を、製薬的に受容されるアジュバント、希釈剤又はキャリヤーとの混合物として含む薬剤製剤。
【請求項42】
請求項1〜10のいずれかに記載の化合物を、例えば高血圧、異脂血症、高脂血症、高コレステロール血症、2型糖尿病、炎症、肥満並びにコレステロール逆輸送の改善及び/又は腸コレステロール吸収の減少の必要性に関連した状態のような、アテローム硬化症の発症及び進行に付随する状態又は障害の治療に有用である、他の治療剤と組み合わせて含む薬剤組成物。

【公表番号】特表2007−521313(P2007−521313A)
【公表日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−520139(P2006−520139)
【出願日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【国際出願番号】PCT/SE2004/001115
【国際公開番号】WO2005/005416
【国際公開日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願人】(300022641)アストラゼネカ アクチボラグ (581)
【Fターム(参考)】