説明

肥満、精神障害および神経障害の処置のためのテトラヒドロピロロ[3,2−C]ピリジン−4−オン誘導体の製造および使用

本発明は、式Iの4、5、6、7−テトラヒドロピロロ[3,2−c]ピリジン−4−オンおよび4、5−ジヒドロピロロ[3,2−c]ピリジン−4−オン化合物、当該化合物の製造方法、肥満、精神障害および神経障害の処置におけるそれらの使用、それらの治療的使用方法、およびそれらを含む医薬組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
発明の分野
本発明は、特定の式Iの4,5,6,7−テトラヒドロピロロ[3,2−C]ピリジン−4−オンおよび4,5−ジヒドロピロロ[3,2−C]ピリジン−4−オン化合物、当該化合物の調製方法、肥満、精神障害および神経障害の処置におけるそれらの使用、それらの治療的使用方法、およびそれらを含む医薬組成物に関する。
【0002】
発明の背景
特定のCBモジュレーター(アンタゴニストまたはインバースアゴニストとして知られている)は、肥満、精神障害および神経障害の処置において有用であることが知られている(WO01/70700およびEP 656354)。WO03/027114は、肥満の処置のための、1,5,6,7−テトラヒドロピロロ[3,2−C]ピリジンおよび1,5,6,7−テトラヒドロピロロ[3,2−C]ピリジン−4−オン誘導体の使用を開示する。しかし、物理化学的特性および/またはDMPK特性および/または薬力学的特性が改善された、CBモジュレーターが求められている。
【0003】
発明の開示
本発明は、式I:
【0004】
【化1】

【0005】
[式中、Rは、1以上のフルオロにより置換されたC3−7アルキル基を表し、またはRは、1以上のフルオロにより置換されたC1−7アルキルスルホニル基を表し;
は、シアノを表し、またはヒドロキシによりもしくは基NRにより置換されていてもよいC1−4アルキル基を表し、ここで、RおよびRは、独立に、HまたはC1−3アルキル基を表し;
は、ピペリジン−1−イルまたはシクロヘキシルを表し、当該基の各々は、ヒドロキシ、フルオロまたは基NRから選択される1以上の基により置換されていてもよく、ここで、RおよびRは、独立に、HまたはC1−3アルキル基を表し;および
−−−−−は、6位および7位の間に存在してもよい追加の結合であり;
は、クロロ、フルオロ、シアノまたはメチルを表し;
nは、1、2または3であり、およびn>1の場合、各々のRは、独立に選択される]
の化合物、および医薬として許容なその塩を提供する。
【0006】
別の側面において、本発明は、式IA:
【0007】
【化2】

【0008】
[式中、Rは、1以上のフルオロにより置換されたC3−7アルキル基を表し、またはRは、1以上のフルオロにより置換されたC1−7アルキルスルホニル基を表し;
は、シアノを表し、またはヒドロキシにより、もしくは基NRにより置換されていてもよいC1−4アルキル基を表し、ここで、RおよびRは、独立に、HまたはC1−3アルキル基を表し;
は、ピペリジン−1−イルまたはシクロヘキシルを表し、当該基の各々は、ヒドロキシ、フルオロまたは基NRから選択される1以上の基により置換されていてもよく、ここで、RおよびRは、独立に、HまたはC1−3アルキル基を表し;および
は、クロロ、フルオロ、シアノまたはメチルを表し;
nは、1、2または3であり、およびn>1の場合、各々のRは、独立に選択される]
の化合物、および医薬として許容なその塩を提供する。
【0009】
別の側面において、本発明は、式IB:
【0010】
【化3】

【0011】
[式中、Rは、1以上のフルオロにより置換されたC3−7アルキル基を表し、またはRは、1以上のフルオロにより置換されたC1−7アルキルスルホニル基を表し;
は、シアノを表し、または、ヒドロキシにより、または基NRにより置換されていてもよいC1−4アルキル基を表し、ここで、RおよびRは、独立に、HまたはC1−3アルキル基を表し;
は、ピペリジン−1−イルまたはシクロヘキシルを表し、当該基の各々は、ヒドロキシ、フルオロまたは基NRから選択される1以上の基により置換されていてもよく、ここで、RおよびRは、独立に、HまたはC1−3アルキル基を表し;および
は、クロロ、フルオロ、シアノまたはメチルを表し;
nは、1、2または3であり、およびn>1の場合、各々のRは、独立に選択される]
の化合物、および医薬として許容なその塩を提供する。
【0012】
式I、式IAおよびIBの化合物のR、R、RおよびRの更なる意義をこれから以下に示す。当該意義は、必要に応じて、既に定義されたまたは以後定義する定義、請求項または態様のいずれを伴って使用されてもよいことが了解される。
【0013】
好適には、Rは、1以上のフルオロにより置換されたC1−7アルキルスルホニル基、例えば、4,4,4−トリフルオロブチル−1−スルホニル、4−フルオロブチル−1−スルホニル、3,3,3−トリフルオロプロピル−1−スルホニル、または3−フルオロプロピル−1−スルホニルを表す。好適には、Rは、1以上のフルオロにより置換されたC3−7アルキル基、例えば、4,4,4−トリフルオロブチル、4−フルオロブチル、3,3,3−トリフルオロプロピル、または3−フルオロプロピルを表す。より特別には、Rは、末端を1以上のフルオロにより置換されたC3−5アルキルスルホニル基を表す。
【0014】
好適には、Rは、シアノを表し、またはヒドロキシにより置換されていてもよいC1−4アルキル基、例えば、メチル、エチル、またはヒドロキシメチルを表し、または基NR(ここで、RおよびRは、独立に、HまたはC1−3アルキル基を表す)により置換されていてもよいC1−4アルキル基、例えば、アミノメチル、メチルアミノメチルまたはジメチルアミノメチルを表す。特に、Rは、メチルまたはヒドロキシメチルを表す。より特別には、Rはメチルを表す。
【0015】
好適には、Rは、ピペリジン−1−イルまたはシクロヘキシル(当該基の各々は、ヒドロキシ、フルオロまたは基NRから選択される1以上の基により置換されていてもよく、ここで、RおよびRは、独立に、HまたはC1−3アルキル基を表す)、例えば、4−ヒドロキシピペリジン−1−イル、2−ヒドロキシシクロヘキシル、3−ヒドロキシシクロヘキシル、4−ヒドロキシシクロヘキシル、2−アミノシクロヘキシル、3−アミノシクロヘキシル、2−ジメチルアミノシクロヘキシル、3−ジメチルアミノシクロヘキシルまたは4,4−ジフルオロシクロヘキシルを表す。具体的には、Rは、ピペリジン−1−イルを表す。
【0016】
好適には、Rは、クロロ、フルオロ、シアノまたはメチルを表し、およびnは、1、2または3であり、例えば、2,4−ジクロロ、2−クロロ、2−メチル、2−シアノ、3−シアノ、4−シアノ、3−フルオロ−5−シアノまたは2−メチル−4−クロロを表す。具体的には、nが1の場合、Rは2−クロロを表し、またはnが2の場合、Rは2,4−ジクロロまたは2−クロロ−4−フルオロを表す。より特別には、nが1の場合、Rは2−クロロを表し、またはnが2の場合、Rは2,4−ジクロロを表す。
【0017】
好適には、nは、1、2または3である。特に、nは、2または3である。
「医薬として許容な塩」(当該塩があり得る場合)には、医薬として許容な酸付加塩および塩基付加塩の双方が含まれる。式Iの化合物の医薬として許容な好適な塩は、例えば、十分に塩基性の式Iの化合物の酸付加塩、例えば、無機酸または有機酸との酸付加塩、例えば、塩酸塩、ヒドロスルフェート塩、硫酸塩、メタンスルホン酸塩、フェニルスルホン酸塩、、または1,5−ナフタレンジスルホン酸塩、または例えば、十分に酸性の式Iの化合物の塩基との塩である。
【0018】
本明細書および添付の特許請求の範囲を通して、示された化学式または化学名は、すべてのその立体および光学異性体、およびそのラセミ体、ならびに別々のエナンチオマーの異なる割合の混合物(当該異性体およびエナンチオマーが存在する場合)、ならびに医薬として許容なその塩および、例えば水和物などの溶媒和物を包含する。異性体は、慣用の技術、例えばクロマトグラフィーまたは分別晶出を使用して分離されうる。エナンチオマーは、例えば、分別晶出、分割またはHPLCによるラセミ体からの分離により単離されうる。ジアステレオマーは、例えば、分別晶出、HPLC、またはフラッシュクロマトグラフィーによる異性体混合物の分離により単離されうる。あるいは、立体異性体は、キラルな出発物質からラセミ化またはエピマー化を生じさせない条件下での不斉合成により、またはキラルな試薬による誘導体化により製造されうる。すべての立体異性体は本発明の範囲内に含まれる。可能な場合には、すべての互変異性体は本発明の範囲内に含まれる。本発明はまた、1以上の同位体(例えば、14C、11Cまたは19F)を含む化合物、ならびに薬理学的研究および代謝研究においての同位体標識化化合物としてのそれらの使用も包含する。
【0019】
本発明は、インビボで式Iの化合物に変換される化合物である、式Iの化合物のプロドラッグもまた包含する。
以下の定義は、本明細書および添付した特許請求の範囲を通じて適用される。
【0020】
特に記述や指示がなければ、用語「アルキル」は直鎖のまたは分枝のアルキル基のいずれかを意味する。当該アルキルの例には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、またはt−ブチルが含まれる。好ましいアルキル基は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチルおよびt−ブチルである。
【0021】
特に記述や指示がなければ、用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味する。
本発明の具体的な化合物は、1以上の以下の化合物を含む:
3,3,3−トリフルオロプロパン−1−スルホン酸 4−[1−(2−クロロフェニル)−3−メチル−4−オキソ−5−ピペリジン−1−イル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル]フェニルエステル;
3,3,3−トリフルオロプロパン−1−スルホン酸 4−[1−(2,4−ジクロロフェニル)−3−メチル−4−オキソ−5−ピペリジン−1−イル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル]フェニルエステル;
3,3,3−トリフルオロプロパン−1−スルホン酸 4−[1−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−3−メチル−4−オキソ−5−ピペリジン−1−イル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル]フェニルエステル;
1−(2−クロロフェニル)−3−メチル−5−ピペリジン−1−イル−2−[4−(4,4,4−トリフルオロブトキシ)フェニル]−1,5,6,7−テトラヒドロピロロ[3,2−c]ピリジン−4−オン;
3,3,3−トリフルオロプロパン−1−スルホン酸 4−[1−(2−クロロフェニル)−5−(2−ヒドロキシシクロヘキシル)−3−メチル−4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル]フェニルエステル;
3,3,3−トリフルオロプロパン−1−スルホン酸 4−[1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(2−ヒドロキシシクロヘキシル)−3−メチル−4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル]フェニルエステル;
3,3,3−トリフルオロプロパン−1−スルホン酸 4−[1−(2−クロロフェニル)−5−(3−ヒドロキシシクロヘキシル)−3−メチル−4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル]フェニルエステル;
3,3,3−トリフルオロプロパン−1−スルホン酸 4−[1−(2−クロロフェニル)−5−シクロヘキシル−3−メチル−4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル]フェニルエステル;
3,3,3−トリフルオロプロパン−1−スルホン酸 4−[1−(2,4−ジクロロフェニル)−3−メチル−4−オキソ−5−ピペリジン−1−イル−4,5−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル]フェニルエステル;
3,3,3−トリフルオロプロパン−1−スルホン酸 4−[1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−5−(2−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−3−メチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル]−フェニルエステル;
3,3,3−トリフルオロプロパン−1−スルホン酸 4−[1−(2−クロロ−フェニル)−5−シクロヘキシル−3−ヒドロキシメチル−4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル]フェニルエステル;
3,3,3−トリフルオロプロパン−1−スルホン酸 4−[1−(2−クロロフェニル)−5−シクロヘキシル−3−ヒドロキシメチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル]フェニルエステル;
3,3,3−トリフルオロプロパン−1−スルホン酸 4−[1−(2−クロロフェニル)−5−(2−ヒドロキシシクロヘキシル)−3−ヒドロキシメチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル]フェニルエステル;
3,3,3−トリフルオロ−プロパン−1−スルホン酸 4−(3−メチル−4−オキソ−5−ピペリジン−1−イル−1−o−トリル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル)フェニルエステル;および
1−(2,4−ジクロロフェニル)−3−メチル−5−ピペリジン−1−イル−2−[4−(4,4,4−トリフルオロ−ブトキシ)フェニル]−1,5,6,7−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−c]ピリジン−4−オン;
並びに医薬として許容なその塩。
【0022】
製造方法
、R、R、nおよびRが既に定義したとおりの式Iの化合物は、不活性な溶媒、例えば、ジクロロメタンまたはアセトン中で、塩基、例えばトリエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジンまたは炭酸カリウムの存在下で、−25℃〜150℃の範囲の温度で、式II
【0023】
【化4】

【0024】
[式中、R、R、Rおよびnは既に定義したとおりである]
の化合物を、式III

III
[式中、Rは既に定義したとおりであり、Xは脱離基、例えば、クロロ、ブロモまたはヨードを表す]
を反応させることにより調製されうる。
【0025】
式IIの化合物は、一般的合成経路1および2に概説したように調製されうる。式IIの特定の化合物は新規であり、本発明の一部として本出願にクレームされる。
医薬製剤
本発明の化合物は、通常は、経口、非経口、静脈内、筋肉内、皮下またはその他の注射可能な経路、口腔内、直腸内、膣内、経皮および/または経鼻、および/または吸入により、活性成分または医薬として許容な付加塩を含む医薬製剤の形態で、医薬として許容な剤形で投与されるであろう。疾患および処置される患者および投与経路に依存して、当該組成物は異なる薬量で投与されうる。
【0026】
ヒトの治療的処置における本発明の化合物の好適な日薬量は、約0.001〜10mg/kg(体重)、好ましくは0.01〜1mg/kg(体重)である。経口製剤、特に錠剤またはカプセル剤が好ましく、それらは0.5mg〜500mgの範囲、例えば、1mg、3mg、5mg、10mg、25mg、50mg、100mgおよび250mgの活性化合物の薬量を提供するように、当該技術分野の当業者に知られた方法により製剤されうる。
【0027】
本発明のさらなる側面によれば、医薬として許容なアジュバント、希釈剤および/または担体と混合させた、本発明の化合物のいずれかまたは医薬として許容なその誘導体を含む医薬製剤もまた提供される。
【0028】
薬理学的特性
式(I)の化合物は、肥満または過体重の処置(例えば、体重減少の促進および体重減少の維持)、体重増加(例えば、投薬によるもの、または喫煙の中止後)の防止、食欲および/または満腹、摂食障害(例えば、過食症、拒食症、多食症および強迫神経症)、禁断症状(薬物、たばこ、アルコール、食欲をそそる任意の主要栄養素または必須ではない食料品について)の調節、精神異常および/または気分障害、統合失調症および統合失調性感情障害、躁鬱病、不安神経症、不安−抑鬱障害、鬱病、躁病、強迫神経症、衝動調節障害(例えば、ジル ド ラ トゥレット症候群)、ADD/ADHDのような注意障害、ストレスなどの精神疾患、ならびに認知症および認知機能障害および/または記憶障害(例えば、記憶喪失、アルツハイマー病、ピック認知症、老年性認知症、血管性認知症、軽度認知障害、加齢に伴う認識衰退、および老年性軽度認知症)などの神経障害、神経障害および/または神経変性疾患(例えば、多発性硬化症、レイノー症候群、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病およびアルツハイマー病)、脱髄に伴う疾患、神経炎症性疾患(例えば、ギラン−バレー症候群)の処置に有用である。
【0029】
当該化合物はまた、潜在的に、依存症および嗜癖障害および常用行為(例えば、アルコールおよび/または薬物乱用、病的賭博、窃盗癖)、薬物離脱疾患(例えば、知覚障害を伴うまたは伴わない、アルコール離脱;アルコール離脱性せん妄;アンフェタミン離脱;コカイン離脱;ニコチン離脱;オピオイド離脱;知覚障害を伴うまたは伴わない、鎮静剤、睡眠薬または抗不安薬の離脱;鎮静剤、睡眠薬または抗不安薬の離脱性せん妄;およびその他の物質に起因する離脱症状)、アルコールおよび/または薬物誘導性気分障害、脱離の間の発症を伴う不安障害および/または睡眠障害、ならびにアルコールおよび/または薬物への逆戻りの予防または治療に有用である。
【0030】
当該化合物はまた、潜在的に、ジストニア、ジスキネジー、静座不能、震えおよび痙縮などの神経機能障害の予防または治療、脊髄損傷、ニューロパシー、偏頭痛、不眠障害、睡眠障害(例えば、睡眠構造障害、睡眠時無呼吸、閉塞型睡眠時無呼吸、睡眠時無呼吸症候群)、疼痛性障害、頭蓋外傷の処置に有用である。
【0031】
当該化合物はまた、潜在的に、免疫、心臓血管疾患(例えば、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、狭心症、心拍リズムの異常、および不整脈、鬱血性心不全、冠動脈疾患、心臓疾患、高血圧)の処置、左心室肥大、心筋梗塞症、一過性虚血、末梢血管障害、血管系の全身性炎症、敗血症ショック、卒中、脳出血、脳梗塞、脳虚血、脳血栓症、脳塞栓症、脳内出血、代謝異常(例えば、代謝活性の減退または全体の除脂肪量のパーセンテージとしての安静時エネルギー消費量の減少が認められる状況、糖尿病、異常脂質血症、脂肪肝、痛風、高コレステロール血症、高脂質血症、高トリグリセリド血症、高尿酸血症、耐糖能異常、空腹時血糖異常、インスリン抵抗性、インスリン抵抗性症候群、メタボリックシンドローム、シンドロームX、肥満−低換気症候群(ピックウィッキアン症候群)、I型糖尿病、II型糖尿病、低HDL−および/または高LDL−コレステロールレベル、低アディポネクチンレベル)、生殖障害および内分泌障害(例えば、男性の性腺機能低下症の処置、不妊症または避妊薬として、生理不順/月経異常、多嚢胞卵巣症、女性および男性の性的不全および生殖不全(勃起不全)、GH−欠損者、女性の多毛、正常変異の低身長の処置)および呼吸関連疾患(例えば、喘息および慢性閉塞性肺疾患)および胃腸系関連疾患(例えば、胃腸の運動または腸推進の不全、下痢、嘔吐、吐き気、胆嚢疾患、胆石症、肥満に関連する胃−食道逆流、潰瘍)の予防および治療に有用である。
【0032】
当該化合物はまた、潜在的に、皮膚科疾患、癌(例えば、大腸、直腸、前立腺、胸部、子宮、子宮内膜、頸部、胆嚢、胆管)、頭蓋咽頭腫、プラダ−ウィリ症候群、ターナー症候群、フレーリッヒ症候群、緑内障、感染症、尿路障害および炎症性疾患(例えば、変形性関節炎、炎症、ウイルス性脳炎の炎症性続発症、変形性関節症)および整形外科的障害の処置における薬剤として有用である。当該化合物はまた、潜在的に、(食道)無弛緩症の処置における薬剤として有用である。
【0033】
別の側面において、本発明は、医薬として使用される、既に定義された式Iの化合物を提供する。
さらなる側面において、本発明は、肥満または過体重の治療または予防(例えば、体重減少の促進および体重減少の維持)、体重増加(例えば、投薬によるもの、または喫煙の中止後)の防止、食欲および/または満腹、摂食障害(例えば、過食症、拒食症、多食症および強迫神経症)、禁断症状(薬物、たばこ、アルコール、食欲をそそる任意の主要栄養素または必須ではない食料品について)の調節、精神異常および/または気分障害、統合失調症および統合失調性感情障害、躁鬱病、不安神経症、不安−抑鬱障害、鬱病、躁病、強迫神経症、衝動調節障害(例えば、ジル ド ラ トゥレット症候群)、ADD/ADHDのような注意障害、ストレスなどの精神疾患、ならびに認知症および認知機能障害および/または記憶障害(例えば、記憶喪失、アルツハイマー病、ピック認知症、老年性認知症、血管性認知症、軽度認知障害、加齢に伴う認識衰退、および老年性軽度認知症)などの神経障害、神経障害および/または神経変性疾患(例えば、多発性硬化症、レイノー症候群、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病およびアルツハイマー病)、脱髄に伴う疾患、神経炎症性疾患(例えば、ギラン−バレー症候群)の処置のための医薬の調製における式Iの化合物の使用を提供する。
【0034】
さらなる側面において、本発明は、依存症および嗜癖障害および常用行為(例えば、アルコールおよび/または薬物乱用、病的賭博、窃盗癖)、薬物離脱疾患(例えば、知覚障害を伴うまたは伴わない、アルコール離脱;アルコール離脱性せん妄;アンフェタミン離脱;コカイン離脱;ニコチン離脱;オピオイド離脱;知覚障害を伴うまたは伴わない、鎮静剤、睡眠薬または抗不安薬の離脱;鎮静剤、睡眠薬または抗不安薬の離脱性せん妄;およびその他の物質に起因する離脱症状)、アルコールおよび/または薬物誘導性気分障害、脱離の間の発症を伴う不安障害および/または睡眠障害、ならびにアルコールおよび/または薬物への逆戻りの治療または予防のための医薬の調製における式Iの化合物の使用を提供する。
【0035】
さらなる側面において、本発明は、ジストニア、ジスキネジー、静座不能、震えおよび痙縮などの神経機能障害の予防または治療、脊髄損傷、ニューロパシー、偏頭痛、不眠障害、睡眠障害(例えば、睡眠構造障害、睡眠時無呼吸、閉塞型睡眠時無呼吸、睡眠時無呼吸症候群)、疼痛性障害、頭蓋外傷の処置のための医薬の調製における式Iの化合物の使用を提供する。
【0036】
さらなる側面において、本発明は、免疫、心臓血管疾患(例えば、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、狭心症、心拍リズムの異常、および不整脈、鬱血性心不全、冠動脈疾患、心臓疾患、高血圧)の治療または予防、左心室肥大、心筋梗塞症、一過性虚血、末梢血管障害、血管系の全身性炎症、敗血症ショック、卒中、脳出血、脳梗塞、脳虚血、脳血栓症、脳塞栓症、脳内出血、代謝異常(例えば、代謝活性の減退または全体の除脂肪量のパーセンテージとしての安静時エネルギー消費量の減少が認められる状況、糖尿病、異常脂質血症、脂肪肝、痛風、高コレステロール血症、高脂質血症、高トリグリセリド血症、高尿酸血症、耐糖能異常、空腹時血糖異常、インスリン抵抗性、インスリン抵抗性症候群、メタボリックシンドローム、シンドロームX、肥満−低換気症候群(ピックウィッキアン症候群)、I型糖尿病、II型糖尿病、低HDL−および/または高LDL−コレステロールレベル、低アディポネクチンレベル)、生殖障害および内分泌障害(例えば、男性の性腺機能低下症の処置、不妊症の処置または避妊薬として、生理不順/月経異常、多嚢胞卵巣症、女性および男性の性的不全および生殖不全(勃起不全)、GH−欠損者、女性の多毛、正常変異の低身長の処置)および呼吸関連疾患(例えば、喘息および慢性閉塞性肺疾患)および胃腸系関連疾患(例えば、胃腸の運動または腸推進の不全、下痢、嘔吐、吐き気、胆嚢疾患、胆石症、肥満に関連する胃−食道逆流、潰瘍)の予防および治療のための医薬の調製における式Iの化合物の使用を提供する。
【0037】
さらなる側面において、本発明は、皮膚科疾患、癌(例えば、大腸、直腸、前立腺、胸部、子宮、子宮内膜、頸部、胆嚢、胆管)、頭蓋咽頭腫、プラダ−ウィリ症候群、ターナー症候群、フレーリッヒ症候群、緑内障、感染症、尿路障害および炎症性疾患(例えば、変形性関節炎、炎症、ウイルス性脳炎の炎症性続発症、変形性関節症)および整形外科的障害の治療または予防のための医薬の調製における式Iの化合物の使用を提供する。
【0038】
さらに別の側面において、本発明は、肥満または過体重の予防または治療(例えば、体重減少の促進および体重減少の維持)、体重増加(例えば、投薬によるもの、または喫煙の中止後)の防止、食欲および/または満腹、摂食障害(例えば、過食症、拒食症、多食症および強迫神経症)、禁断症状(薬物、たばこ、アルコール、食欲をそそる任意の主要栄養素または必須ではない食料品について)の調節、精神異常および/または気分障害、統合失調症および統合失調性感情障害、躁鬱病、不安神経症、不安−抑鬱障害、鬱病、躁病、強迫神経症、衝動調節障害(例えば、ジル ド ラ トゥレット症候群)、ADD/ADHDのような注意障害、ストレスなどの精神疾患、ならびに認知症および認知機能障害および/または記憶障害(例えば、記憶喪失、アルツハイマー病、ピック認知症、老年性認知症、血管性認知症、軽度認知障害、加齢に伴う認識衰退、および老年性軽度認知症)などの神経障害、神経障害および/または神経変性疾患(例えば、多発性硬化症、レイノー症候群、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病およびアルツハイマー病)、脱髄に伴う疾患、神経炎症性疾患(例えば、ギラン−バレー症候群)の処置のための方法であって、当該方法を必要とする患者に薬理学的有効量の式Iの化合物を投与することを含む前記方法を提供する。
【0039】
さらに別の側面において、本発明は、依存症および嗜癖障害および常用行為(例えば、アルコールおよび/または薬物乱用、病的賭博、窃盗癖)、薬物離脱疾患(例えば、知覚障害を伴うまたは伴わない、アルコール離脱;アルコール離脱性せん妄;アンフェタミン離脱;コカイン離脱;ニコチン離脱;オピオイド離脱;知覚障害を伴うまたは伴わない、鎮静剤、睡眠薬または抗不安薬の離脱;鎮静剤、睡眠薬または抗不安薬の離脱性せん妄;およびその他の物質に起因する離脱症状)、アルコールおよび/または薬物誘導性気分障害、脱離の間の発症を伴う不安障害および/または睡眠障害、ならびにアルコールおよび/または薬物への逆戻りの予防または治療ための方法であって、当該方法を必要とする患者に薬理学的有効量の式Iの化合物を投与することを含む前記方法を提供する。
【0040】
さらに別の側面において、本発明は、ジストニア、ジスキネジー、静座不能、震えおよび痙縮などの神経機能障害の予防または治療、脊髄損傷、ニューロパシー、偏頭痛、不眠障害、睡眠障害(例えば、睡眠構造障害、睡眠時無呼吸、閉塞型睡眠時無呼吸、睡眠時無呼吸症候群)、疼痛性障害、頭蓋外傷の処置ための方法であって、当該方法を必要とする患者に薬理学的有効量の式Iの化合物を投与することを含む前記方法を提供する。
【0041】
さらに別の側面において、本発明は、免疫、心臓血管疾患(例えば、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、狭心症、心拍リズムの異常、および不整脈、鬱血性心不全、冠動脈疾患、心臓疾患、高血圧)の予防または治療、左心室肥大、心筋梗塞症、一過性虚血、末梢血管疾患、血管系の全身性炎症、敗血症ショック、卒中、脳出血、脳梗塞、脳虚血、脳血栓症、脳塞栓症、脳内出血、代謝異常(例えば、代謝活性の減退または全体の除脂肪量のパーセンテージとしての安静時エネルギー消費量の減少が認められる状況、糖尿病、異常脂質血症、脂肪肝、痛風、高コレステロール血症、高脂質血症、高トリグリセリド血症、高尿酸血症、耐糖能異常、空腹時血糖異常、インスリン抵抗性、インスリン抵抗性症候群、メタボリックシンドローム、シンドロームX、肥満−低換気症候群(ピックウィッキアン症候群)、I型糖尿病、II型糖尿病、低HDL−および/または高LDL−コレステロールレベル、低アディポネクチンレベル)、生殖障害および内分泌障害(例えば、男性の性腺機能低下症の処置、不妊症または避妊薬として、生理不順/月経異常、多嚢胞卵巣症、女性および男性の性的不全および生殖不全(勃起不全)、GH−欠損者、女性の多毛、正常変異の低身長の処置)および呼吸関連疾患(例えば、喘息および慢性閉塞性肺疾患)および胃腸系関連疾患(例えば、胃腸の運動または腸推進の不全、下痢、嘔吐、吐き気、胆嚢疾患、胆石症、肥満に関連する胃−食道逆流、潰瘍)の予防および治療ための方法であって、当該方法を必要とする患者に薬理学的有効量の式Iの化合物を投与することを含む前記方法を提供する。
【0042】
さらに別の側面において、本発明は、皮膚科疾患、癌(例えば、大腸、直腸、前立腺、胸部、子宮、子宮内膜、頸部、胆嚢、胆管)、頭蓋咽頭腫、プラダ−ウィリ症候群、ターナー症候群、フレーリッヒ症候群、緑内障、感染症、尿路障害および炎症性疾患(例えば、変形性関節炎、炎症、ウイルス性脳炎の炎症性続発症、変形性関節症)および整形外科的障害の予防または治療ための方法であって、当該方法を必要とする患者に薬理学的有効量の式Iの化合物を投与することを含む前記方法を提供する。
【0043】
本発明の化合物は、肥満または過体重の処置(例えば、体重減少の促進および体重減少の維持)、体重増加(例えば、リバウンド、投薬によるもの、または喫煙の中止後)の防止または回復、食欲および/または満腹、摂食障害(例えば、過食症、拒食症、多食症および強迫神経症)、禁断症状(薬物、たばこ、アルコール、食欲をそそる任意の主要栄養素または必須ではない食料品について)の調節に特に好適である。
【0044】
式(I)の化合物は、肥満、精神異常、統合失調症、躁鬱病、不安神経症、不安−抑鬱障害、鬱病、認識力障害、記憶障害、強迫神経症、拒食症、多食症、ADHDのような注意障害、てんかん、および関連する状態などの精神疾患、ならびに認知症、神経障害(例えば、多発性硬化症)、レイノー症候群、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病およびアルツハイマー病などの神経障害の処置に有用である。当該化合物はまた、潜在的に、免疫障害、心臓血管障害、生殖障害および内分泌障害、敗血症ショック、および呼吸系および胃腸系に関連する疾患(例えば、下痢)の処置に有用である。当該化合物はまた、潜在的に、長期の乱用、依存症および/または再発の兆候の処置、例えば、治療薬剤(ニコチン、エタノール、コカイン、鎮静剤など)依存症、および/または治療薬剤(ニコチン、エタノール、コカイン、鎮静剤など)脱離症状の処置において有用である。当該化合物はまた、喫煙の停止に通常伴う体重の増加を妨げうる。
【0045】
別の側面において、本発明は、医薬として使用するための、既に定義した式Iの化合物を提供する。
さらなる側面において、本発明は、肥満、精神異常、統合失調症、躁鬱病、不安神経症、不安−抑鬱障害、鬱病、認識力障害、記憶障害、強迫神経症、拒食症、多食症、ADHDのような注意障害、てんかん、および関連する状態などの精神疾患、ならびに認知症、神経障害(例えば、多発性硬化症)、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病およびアルツハイマー病などの神経障害、免疫障害、心臓血管障害、生殖障害および内分泌障害、敗血症ショック、および呼吸系および胃腸系に関連する疾患(例えば、下痢)、長期の乱用、依存症および/または再発の兆候(例えば、治療薬剤(ニコチン、エタノール、コカイン、鎮静剤など)依存症、および/または治療薬剤(ニコチン、エタノール、コカイン、鎮静剤など)脱離症状)の治療または予防のための医薬の調製における、式Iの化合物の使用を提供する。
【0046】
さらに別の側面において、本発明は、肥満、統合失調症および躁鬱病などの精神異常、不安神経症、不安−抑鬱障害、鬱病、認識力障害、記憶障害、強迫神経症、拒食症、多食症、ADHDのような注意障害、てんかん、および関連する状態などの精神疾患、認知症、神経障害(例えば、多発性硬化症)、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病およびアルツハイマー病などの神経障害、免疫障害、心臓血管障害、生殖障害および内分泌障害、敗血症ショック、および呼吸系および胃腸系に関連する疾患(例えば、下痢)、および、長期の乱用、依存症および/または再発の兆候(例えば、治療薬剤(ニコチン、エタノール、コカイン、鎮静剤など)依存症、および/または治療薬剤(ニコチン、エタノール、コカイン、鎮静剤など)脱離症状)の処置方法であって、薬理学的有効量の式Iの化合物をそれを必要とする患者に投与することを含む前記方法を提供する。
【0047】
本発明の化合物は、肥満(例えば、食欲および体重の抑制、体重減少の維持およびリバウンドの抑制)の処置に特に好適である。
本発明の化合物はまた、薬剤誘発性の体重増加(例えば、抗精神病薬(神経遮断薬)処置による体重増加)の防止または回復のために使用されうる。本発明の化合物はまた、喫煙の中止に伴う体重増加の防止または回復にも使用されうる。
【0048】
本発明の化合物は、未成年者または若者の患者群における上記症状の処置における使用に適している。
本発明の化合物はまた、骨量および骨量の減少の調節における使用にも適しており、そのため、骨粗鬆症およびその他の骨疾患の処置に有用である。
【0049】
本発明の化合物はまた、肝疾患、例えば、肝線維証、アルコール性肝硬変、慢性ウイルス性肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎または肝臓癌の処置にも使用されうる。
組み合わせ治療
本発明の化合物は、エネルギー消費、解糖、グルコース新生、グリコーゲン分解、脂肪分解、脂肪生成、脂肪吸収、脂肪蓄積、脂肪排出、空腹感および/または満腹感および/または渇望のメカニズム、食欲/動機、食料摂取量、または胃腸運動性に作用するその他の抗肥満薬などの、肥満の処置において有用な別の治療剤と組み合わせてもよい。
【0050】
本発明の化合物はさらに、高血圧、高脂質血症、異常脂質血症、糖尿病、睡眠時無呼吸、喘息、心疾患、アテローム性動脈硬化症、大血管疾患および微小血管疾患、肝臓脂肪症、癌、関節疾患および胆嚢疾患などの、肥満に関連する疾患の処置に有用な別の治療剤と組み合わせてもよい。例えば、本発明の化合物は、血圧を降下させる、もしくはLDL:HDLの比を減少させる別の治療剤、またはLDL−コレステロールの循環レベルを減少させる薬剤と組み合わせて使用してもよい。糖尿病の患者において、本発明の化合物はまた、微小血管障害に関連する合併症を処置するために使用される治療剤と組み合わせてもよい。
【0051】
本発明の化合物は、肥満およびその合併症、メタボリックシンドロームおよび2型糖尿病の処置のためのその他の治療と同時に使用してもよい。これらには、ビグアニド剤、インスリン(合成インスリン類縁体)および経口抗高血糖剤(これらは食後血糖調節薬とα−グルコシド阻害剤に分類される)が含まれる。
【0052】
本発明の別の側面において、式Iの化合物、または医薬として許容なその塩は、PPAR調節剤を伴って投与されうる。限定はされないが、PPAR調節剤には、PPARαおよび/またはγアゴニスト、または医薬として許容なその塩、その溶媒和物、当該塩の溶媒和物またはそのプロドラッグが含まれる。好適なPPARαおよび/またはγアゴニスト、または医薬として許容なその塩、その溶媒和物、当該塩の溶媒和物またはそのプロドラッグは当該技術分野において周知である。
【0053】
さらに、本発明の組み合わせは、スルホニルウレアと共に使用されうる。本発明にはまた、コレステロール低下剤と組み合わせた本発明の化合物が含まれる。限定はされないがこの出願で言及されるコレステロール低下剤には、HMG−CoAリダクターゼ(3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルコエンザイムAリダクターゼ)の阻害剤が含まれる。好適には、HMG−CoAリダクターゼ阻害剤はスタチンである。
【0054】
本出願において、用語「コレステロール低下剤」にはまた、活性または非活性によらず、例えばエステル、プロドラッグおよび代謝物などの、HMG−CoAリダクターゼ阻害剤の化学修飾物が含まれる。
【0055】
本発明にはまた、回腸胆汁酸輸送系の阻害剤(IBAT阻害剤)と組み合わせた本発明の化合物が含まれる。本発明にはまた、胆汁酸結合樹脂と組み合わせた本発明の化合物が含まれる。
【0056】
本発明にはまた、例えば、コレスチポールまたはコレスチラミンまたはコレスタゲル(cholestagel)などの胆汁酸補足剤と組み合わせた本発明の化合物が含まれる。
【0057】
本発明のさらに別の側面によれば、組み合わせ処置であって:
CETP(コレステリルエステル輸送タンパク質)阻害剤;
コレステロール吸収アンタゴニスト;
MTP(ミクロソーム輸送タンパク質)阻害剤;
徐放性および組み合わせ製剤を含むニコチン酸誘導体;
フィトステロール化合物;
プロブコール;
抗凝血剤;
ω−3脂肪酸;
例えば、シブトラミン、フェンテルミン、オルリスタット、ブプロピオン、エフェドリン、チロキシンなどの別の抗肥満化合物;
例えば、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、アンジオテンシンII受容体アンタゴニスト、アドレナリン遮断薬、α−アドレナリン遮断薬、β−アドレナリン遮断薬、混合α/βアドレナリン遮断薬、アドレナリン作動薬、カルシウムチャネル遮断薬、AT−1遮断薬、塩分排泄剤、利尿剤または血管拡張剤などの抗高血圧化合物;
メラニン凝集ホルモン(MCH)調節剤;
NYP受容体調節剤;
オレキシン受容体調節剤;
ホスホイノシチド依存タンパク質キナーゼ(PDK)調節剤;または
例えば、LXR、FXR、RXR、GR、ERRα、β、PPARα、β、γおよびRORαなどの核内受容体の調節剤;
例えば、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)、ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(NARI)、ノルアドレナリン−セロトニン再取り込み阻害剤(SNRI)、モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)、三環式抗うつ剤(TCA)、ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ剤(NaSSA)などのモノアミン伝達調節剤;
例えば、オランザピンおよびクロザピンなどの抗精神病剤;
セロトニン受容体調節剤;
レプチン/レプチン受容体調節剤;
グレリン/グレリン受容体調節剤;
DPP−IV阻害剤;
から選択される1以上の薬剤、または医薬として許容なその塩、その溶媒和物、当該塩の溶媒和物またはそのプロドラッグを、場合によっては医薬として許容な希釈剤または担体と共に、同時に、連続的に、または別々に投与することを伴う、有効量の式Iの化合物または医薬として許容なその塩を、場合によっては医薬として許容な希釈剤または担体と共に、当該治療的処置を必要とするヒトなどの温血動物に投与することを含む前記組み合わせ処置が提供される。
【0058】
本発明のさらに別の側面によれば、超低カロリー食(VLCD)または低カロリー食(LCD)の同時の、連続のまたは別々の投与を伴う、有効量の式Iの化合物または医薬として許容なその塩を、場合によっては医薬として許容な希釈剤または担体と共に、投与することを含む組み合わせ処置が提供される。
【0059】
したがって、本発明のさらなる特徴において、ヒトなどの温血動物における肥満およびその関連する合併症の処置方法であって、この組み合わせの項に記載された他の種類の化合物の1つ、または医薬として許容なその塩、その溶媒和物、当該塩の溶媒和物またはそのプロドラッグである有効量の化合物の、同時の、連続のまたは別々の投与を伴う、有効量の式Iの化合物または医薬として許容なその塩を、当該処置を必要とする当該動物に投与することを含む前記方法が提供される。
【0060】
したがって、本発明のさらなる特徴において、ヒトなどの温血動物における高脂質血症状態の処置方法であって、この組み合わせの項に記載された他の種類の化合物の1つ、または医薬として許容なその塩、その溶媒和物、当該塩の溶媒和物またはそのプロドラッグである有効量の化合物の、同時の、連続のまたは別々の投与を伴う、有効量の式Iの化合物または医薬として許容なその塩を、当該処置を必要とする当該動物に投与することを含む前記方法が提供される。
【0061】
本発明のさらなる側面によれば、医薬として許容な希釈剤または担体を伴って、式Iの化合物または医薬として許容なその塩、およびこの組み合わせの項に記載された他の種類の化合物の1つ、または医薬として許容なその塩、その溶媒和物、当該塩の溶媒和物またはそのプロドラッグである化合物を含む、医薬組成物が提供される。
【0062】
本発明のさらなる側面によれば、式Iの化合物または医薬として許容なその塩、およびこの組み合わせの項に記載された他の種類の化合物の1つ、または医薬として許容なその塩、その溶媒和物、当該塩の溶媒和物またはそのプロドラッグである化合物を含む、キットが提供される。
【0063】
本発明のさらなる側面によれば、
a)第1の単位剤形における、式Iの化合物、または医薬として許容なその塩;
b)第2の単位剤形における、この組み合わせの項に記載された他の種類の化合物の1つ、または医薬として許容なその塩、その溶媒和物、当該塩の溶媒和物またはそのプロドラッグである化合物;および
c)当該第1および第2の剤形を収容する容器手段;
を含むキットが提供される。
【0064】
本発明のさらなる側面によれば、
a)第1の単位剤形における、医薬として許容な希釈剤または担体を伴う、式Iの化合物、または医薬として許容なその塩;
b)第2の単位剤形における、この組み合わせの項に記載された他の種類の化合物の1つ、または医薬として許容なその塩、その溶媒和物、当該塩の溶媒和物またはそのプロドラッグである化合物;および
c)当該第1および第2の剤形を収容する容器手段;
を含むキットが提供される。
【0065】
本発明の別の特徴によれば、ヒトなどの温血動物における肥満およびその関連する合併症の処置において使用するための医薬の製造における、式Iの化合物または医薬として許容なその塩、およびこの組み合わせの項で記載されたその他の化合物の1つ、医薬として許容なその塩、その溶媒和物、当該塩の溶媒和物またはそのプロドラッグの使用が提供される。
【0066】
本発明の別の特徴によれば、ヒトなどの温血動物における高脂質血症状態の処置において使用するための医薬の製造における、式Iの化合物または医薬として許容なその塩、およびこの組み合わせの項で記載されたその他の化合物の1つ、医薬として許容なその塩、その溶媒和物、当該塩の溶媒和物またはそのプロドラッグの使用が提供される。
【0067】
本発明のさらなる側面によれば、場合によっては医薬として許容な希釈剤または担体と共に、この組み合わせの項に記載された有効量の別の化合物の1つ、または医薬として許容なその塩、その溶媒和物、当該塩の溶媒和物またはそのプロドラッグの同時の、連続的のまたは別々の投与を伴う、有効量の式Iの化合物または医薬として許容なその塩を、場合によっては医薬として許容な希釈剤または担体と共に、当該治療的処置を必要とするヒトなどの温血動物に投与することを含む、組み合わせ処置が提供される。
【0068】
さらに、本発明の化合物はまた、肥満に関連する疾患または状態(例えば、2型糖尿病、メタボリックシンドローム、異常脂質血症、耐糖能異常、高血圧、冠状動脈性心臓病、非アルコール性脂肪性肝炎、変形性関節症およびいくつかの癌)および精神状態および神経学的状態の処置において有用な治療剤と組み合わせてもよい。
【0069】
肥満および過体重の医学上受け入れられた定義があることは理解されるであろう。患者は、例えば、体重(キログラム)を身長(メートル)の二乗で割って計算される体格指数を測定し、当該定義と結果を比較することにより同定されうる。
【0070】
式Iの化合物は、喫煙の停止、喫煙の停止に起因する体重の増加の防止、ニコチン離脱の処置およびニコチン依存の防止に有用であるので、それらは、例えば、ニコチン、ニコチンアゴニストまたは部分アゴニスト、モノアミンオキシダーゼ阻害剤または抗うつ剤(例えば、ブプロピオン、ドキセピン、ノルトリプチリン)または抗不安薬(例えば、ブスピロンまたはクロニジン)などの、1以上のこれらの効果を有することが知られた別の化合物と組み合わせてもよい。
【0071】
薬理学的活性
本発明の化合物は、CB1遺伝子の受容体生成物に対して活性である。中枢のカンナビノイド受容体に対する本発明の化合物の親和性は、Devaneら、Molecular Pharmacology、1988年、第34巻,第605頁に記載された方法、またはWO01/70700またはEP656354に記載された方法において示される。或いは、アッセイは以下の様に行ってもよい。
【0072】
CB1遺伝子を安定的にトランスフェクトした細胞から調製した膜(10μg)を200μLの100mM NaCl、5mM MgCl、1mM EDTA、50mM HEPES(pH7.4)、1mM DTT、0.1%BSAおよび100μM GDPに懸濁させた。これにEC80濃度のアゴニスト(CP55940)、必要な濃度の試験化合物および0.1μCi[35S]−GTPγSを加えた。反応を30℃で45分間進行させた。その後セルハーベスターを使用して、サンプルをGF/Bフィルターに移し、洗浄バッファー(50mMトリス(pH7.4)、5mM MgCl、50mM NaCl)で洗浄した。その後フィルターをシンチラント(scintilant)で覆い、フィルターにより保持される[35S]−GTPγSの量を計測した。
【0073】
活性は、すべてのリガンドの不存在下(最小活性)またはEC80濃度のCP55940の存在下(最大活性)で測定する。これらの活性をそれぞれ0%および100%活性と設定する。新規リガンドの種々の濃度において、活性は最大活性のパーセンテージとして計算され、プロットされる。データは、等式y=A+((B−A)/1+((C/x)UD))を使用して近似され、使用した条件下でのGTPγS結合の最大阻害の半値を与えるのに必要な濃度としてIC50値が決定される。
【0074】
本発明の化合物は、CB1受容体において活性である(IC50<1μM)。最も好ましい化合物は200nM未満のIC50を有する。例えば、実施例1は、0.98nMのIC50を有する。
【0075】
本発明の化合物は、選択的なCB1アンタゴニストまたはインバースアゴニストであると考えられる。効能、選択性の特性および副作用の傾向は、CB1アンタゴニスト様/インバースアゴニスト様といわれる特性を有するこれまでに既知の化合物の臨床上の有用性を限定しうる。この点について、胃腸および/または心臓血管機能のモデルにおける本発明の化合物の前臨床の評価は、代表的な参考文献のCB1アンタゴニスト/インバースアゴニスト薬剤と比較して、顕著な優位性を与えることを示している。
【0076】
本発明の化合物は、代表的な参考文献のCB1アンタゴニスト/インバースアゴニスト薬剤と比較して、効能、選択性特性、バイオアベイラビリティー、血漿中の半減期、血液脳透過性、血漿タンパク結合(例えば、薬剤の遊離画分の高さ)または溶解性の観点から更なる利益をもたらしうる。
【0077】
本発明の化合物は、先行技術の化合物と比較して、有機溶媒中の溶解性が改善されている。例えば、WO03/027114の実施例19(2−(4−クロロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−3−メチル−5−(1−ピペリジニル)−1、5、6、7−テトラヒドロ−4H−ピロロ−[3,2−c]ピリジン−4−オン)はジメチルスルホキシド中で不溶性であることが確認されたのに対し、本発明の化合物は全てジメチルスルホキシドに可溶性である。この有機溶媒での溶解性の向上は、バイオアベイラビリティーの改善、ならびに製造および製剤を容易にするであろうと考えられる。
【0078】
肥満および関連する状態の処置における本発明の化合物の有用性は、カフェテリア食誘導性肥満マウスにおける体重の減少により示される。8〜10週間、雌C57B1/6Jマウスを高カロリーの‘カフェテリア’食(ソフトチョコレート/ココアタイプペストリー、チョコレート、脂肪性チーズおよびヌガー)および標準的実験食へ無制限の接近を可能にした。その後、試験する化合物を少なくとも5日間1日1回全身投与し(iv、ip、scまたはpo)、マウスの体重を毎日測定した。この実験のベースライン時および終了時にDEXAイメージングにより脂肪蓄積の同時評価を行った。肥満に関連する血漿マーカーの変化をアッセイするために、血液サンプリングもまた行った。本発明の化合物は、先行技術の化合物と比べて、より優れた体重の減少を示す。
【0079】
実施例
略語
DDQ−2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン
DME−ジメトキシエタン
DMF−ジメチルホルムアミド
EtOAc−酢酸エチル
NBS−N−ブロモスクシンイミド
MeOH−メタノール
p−TSA−トルエンスルホン酸
rt−室温
TBAF−テトラブチルアンモニウムフルオリド
TEA−トリエチルアミン
THF−テトラヒドロフラン
t トリプレット
s シングレット
d ダブレット
q カルテット
qvint クインテット
m マルチプレット
br ブロード
bs ブロードシングレット
dm マルチプレットのダブレット
bt ブロードトリプレット
dd ダブレットのダブレット
一般的実験手法
質量分析は、いずれも空気圧支援エレクトロスプレーインターフェースを装備した、Micromass ZQ single quadrupoleまたはMicromass LCZ single quadrupoleマススペクトロメーター(LS−MS)のいずれかで測定した。H−NMR測定は、それぞれH周波数が300および500MHzで操作する、Varian Mercury 300またはVarian Inova 500のいずれかで行った。ケミカルシフトは内部標準としてCDCl用いるppmとして示す。特に言及がなければ、NMR用の溶媒としてCDClを使用する。精製は、質量感応式(mass triggered)のフラクションコレクター、19×100mm C8カラムを備えた、Shimadzu QP 8000 single quadrupoleマススペクトロメーターを使用するセミ分取HPLC(高速液体クロマトグラフィー)で行った。何も述べられていなければ、使用した移動相はアセトニトリルとバッファー(0.1M 酢酸アンモニウム:アセトニトリル 95:5)である。
【0080】
実施例1
3,3,3−トリフルオロプロパン−1−スルホン酸 4−[1−(2−クロロフェニル)−3−メチル−4−オキソ−5−ピペリジン−1−イル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル]フェニルエステル
工程1:3−(ピペリジン−1−イルアミノ)プロピオン酸メチルエステル
0℃の乾燥メタノール中の1−アミノピペリジン(100g、1.00mol)の溶液に、メチル アクリレート(99.0ml、1.10mol)を滴下して加えた。得られた混合物を室温で一晩攪拌した。溶媒の留去の後、ヘプタンを残渣に加え、白色固体(不純物)を濾過により除去した。濾液を乾固するまで濃縮し、80.0g(43%)の表題化合物を黄色油状物として得た。
【0081】
工程2:N−(2−メトキシカルボニルエチル)−N−ピペリジン−1−イル−マロン酸エチルエステル
ジクロロメタン中の3−(ピペリジン−1−イルアミノ)プロピオン酸メチルエステル(80.0g、0.43mol)の溶液にトリエチルアミン(71.0ml、0.50mol)を加え、その後0℃でエチルマロニルクロリド(60.0ml、0.47mol)をゆっくりと加えた。得られたスラリーを室温で4時間攪拌した。水を加え、相を分離した。有機相を乾燥(NaSO)し、濾過し、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(トルエン:EtOAc 9:1−1:1)により、81.0g(63%)の生成物を油状物として得て、それを更なる精製なしで使用した。
【0082】
工程3:2,4−ジオキソ−[1,1’]ビピペリジニル−3−カルボン酸エチルエステル
THF(1100ml)およびDMF(490ml)の混合液中のN−(2−メトキシカルボニルエチル)−N−ピペリジン−1−イル−マロン酸エチルエステル(60.0g、0.20mol)の溶液に、炭酸セシウム(195g、0.60mol)を加えた。得られた混合物を還流下(80℃)48時間加熱した。冷却した反応混合物を濾過し、濾液を濃縮した。濾過した固体および濾液の残渣を合わせて、フラッシュクロマトグラフィー(CHCl:MeOH 70:30)で精製し、15.0g(28%)の表題化合物を淡黄色油状物として得た。
【0083】
工程4:[1,1’]ビペリジニル−2,4−ジオン
工程3の油状物を10%酢酸(250ml)に溶解させ、溶液を還流下1時間加熱した。冷却した反応混合物を濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(CHCl:アセトン 9:1−1:1)で精製し、4.00g(36%)の表題化合物を半固体として得た。
【0084】
工程5:1−(2−クロロフェニルアミノ)−プロパン−2−オン
DMF(200ml)中の2−クロロアニリン(13.2ml、0.125mol)、ヨードアセトン(26.6g、0.145mol)および炭酸カリウム(18.1g、0.13mol)の混合物を窒素下100℃で一晩加熱した。室温に冷却した後で、水を加え、混合物をエーテルで抽出した(×3)。合わせた有機抽出液を水で洗浄し、乾燥(NaSO)し、濾過し、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン:EtOAc 80:20)により、16.0g(70%)の表題化合物を褐色の液体として得た。
【0085】
工程6:1−(2−クロロフェニル)−3−メチル−5−ピペリジン−1−イル−1,5,6,7−テトラヒドロピロロ[3,2−c]ピリジン−4−オン
乾燥トルエン(240ml)中の工程4の[1,1’]ビピペリジニル−2,4−ジオン(2.49g、12.7mmol)の溶液に、室温で、工程5の1−(2−クロロフェニルアミノ)プロパン−2−オン(2.33mg、12.7mmol)、その後触媒量のp−TSAを加えた。ディーン−スタークトラップをつけて反応混合物を還流下加熱し、トラップに90mlのトルエンを採取した。その後、1モル当量のp−TSAを加え、反応混合物を還流下一晩加熱した。室温に冷却した後で、反応混合物を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン:EtOAcグラジエント)により精製し、0.93g(21%)の表題化合物を得た。
【0086】
工程7:2−ブロモ−1−(2−クロロフェニル)−3−メチル−5−ピペリジン−1−イル−1,5,6,7−テトラヒドロピロロ[3,2−c]ピリジン−4−オン
DMF(30ml)中の1−(2−クロロフェニル)−3−メチル−5−ピペリジン−1−イル−1,5,6,7−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−c]ピリジン−4−オン(0.93g、2.70mmol)の溶液に、NBS(0.50、2.84mmol)を0℃で加えた。反応混合物をこの温度で1時間攪拌し、その後、水を加えた。混合物をエーテル(×3)で抽出した。合わせたエーテル抽出液を乾燥(NaSO)し、濾過し、濃縮して、フラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン:EtOAc グラジエント)の後に、0.92g(84%)の表題化合物を得た。
【0087】
工程8:1−(2−クロロフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−5−ピペリジン−1−イル−1,5,6,7−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−c]ピリジン−4−オン
2−ブロモ−1−(2−クロロフェニル)−3−メチル−5−ピペリジン−1−イル−1,5,6,7−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−c]ピリジン−4−オン(0.92g、2.25mmol)、4−ヒドロキシフェニルボロン酸(0.35g、2.50mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(350mg)を、DME(46ml)および1M NaCO(12ml)に溶解させた。得られた溶液を脱気し、窒素下で一晩60℃に加熱した。冷却後に水およびEtOAcを加えて、水相をEtOAc(×3)で抽出した。合わせた有機抽出液を乾燥(NaSO)し、濾過し、濃縮し、粗生成物を得て、それをフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン:EtOAc グラジエント)で精製して、0.54g(55%)の生成物を淡黄色の固体として得た。
【0088】
工程9:3,3,3−トリフルオロプロパン−1−スルホン酸 4−[1−(2−クロロフェニル)−3−メチル−4−オキソ−5−ピペリジン−1−イル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル]フェニルエステル
ジクロロメタン(30ml)中の1−(2−クロロフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−5−ピペリジン−1−イル−1,5,6,7−テトラヒドロピロロ[3,2−c]ピリジン−4−オン(0.54g、1.24mmol)の溶液に、0℃で、トリエチルアミン(0.20ml、1.50mmol)、その後、3,3,3−トリフルオロプロパンスルホニルクロリド(295mg、1.50mmol)を加えた。その後、反応混合物を室温で2.5時間撹拌した。濃縮およびフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン:EtOAc グラジエント)による精製により、65mg(9%)の表題化合物を無色の固体として得た。
【0089】
H−NMR(CDCl):δ7.57−7.08(8H、m)、3.78−3.71(2H、m)、3.50−3.44(2H、m)、3.40−3.00(2H、ブロードs)、2.85−2.65(4H、m)、2.41(3H、s)、1.80−1.50(6H、m)、1.40−1.20(2H、m)。MS:596(M+H)。HPLC:93%。
【0090】
実施例2
3,3,3−トリフルオロプロパン−1−スルホン酸 4−[1−(2,4−ジクロロフェニル)−3−メチル−4−オキソ−5−ピペリジン−1−イル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル]フェニルエステル
工程1 1−(2,4−ジクロロフェニルアミノ)プロパン−2−オン
DMF(200ml)中の2,4−ジクロロアニリン(20.2g、0.125mol)、ヨードアセトン(26.6g、0.145mol)および炭酸カリウム(18.1g、0.13mol)の混合物を、窒素下100℃で一晩加熱した。室温まで冷却した後で、水を加え、混合物をエーテル(×3)で抽出した。合わせた有機抽出液を水で洗浄し、乾燥(NaSO)し、濾過し、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン:EtOAc 90:10−80:20)により、13.6g(50%)の表題化合物を褐色の固体として得た。
【0091】
工程2:1−(2,4−ジクロロフェニル)−3−メチル−5−ピペリジン−1−イル−1,5,6,7−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−c]ピリジン−4−オン
乾燥トルエン(25ml)中の、実施例1,工程4の[1,1’]ビピペリジニル−2,4−ジオン(520mg、2.65mmol)の溶液に、室温で、上記工程1の1−(2,4−ジクロロフェニルアミノ)−プロパン−2−オン(576mg、2.64mmol)、その後、触媒量のp−TSAを加えた。ディーン−スタークトラップをつけて、反応混合物を還流下加熱し、トラップに10mlのトルエンを採取した。1モル当量のp−TSA(250mg)を加え、反応混合物を還流下5.5時間加熱した。室温まで冷却後に、反応混合物を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン:EtOAc グラジエント)で精製し、250mg(25%)の表題化合物を褐色の固体として得た。1.51gの1−(2,4−ジクロロフェニルアミノ)プロパン−2−オンを使用し並行して実験を行い、0.68g(26%)の生成物を得た。
【0092】
工程3:2−ブロモ−1−(2,4−ジクロロフェニル)−3−メチル−5−ピペリジン−1−イル−1,5,6,7−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−c]ピリジン−4−オン
DMF(25ml)中の1−(2,4−ジクロロフェニル)−3−メチル−5−ピペリジン−1−イル−1,5,6,7−テトラヒドロピロロ[3,2−c]ピリジン−4−オン(0.93g、2.46mmol)の溶液に、0℃でNBS(0.48、2.71mmol)を加えた。反応混合物をこの温度で1時間攪拌し、その後、水を加えた。混合物をエーテル(×3)で抽出した。合わせたエーテル抽出液を乾燥(NaSO)し、濾過し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン:EtOAc グラジエント)の後に、0.45g(40%)の表題化合物を得た。
【0093】
工程4:1−(2,4−ジクロロフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−5−ピペリジン−1−イル−1,5,6,7−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−c]ピリジン−4−オン
2−ブロモ−1−(2,4−ジクロロフェニル)−3−メチル−5−ピペリジン−1−イル−1,5,6,7−テトラヒドロピロロ[3,2−c]ピリジン−4−オン(450mg、0.98mmol)、4−ヒドロキシフェニルボロン酸(150mg、1.09mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(150mg)を、DME(20ml)および1M NaCO(5ml)に溶解させた。得られた溶液を脱気し、窒素下で一晩60℃に加熱した。冷却後に水およびEtOAcを加え、水相をEtOAc(×3)で抽出した。合わせた有機抽出液を乾燥(NaSO)し、濾過し、濃縮し、粗生成物を得て、それをフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン:EtOAc グラジエント)により精製し、0.40g(87%)の生成物を淡黄色固体として得た。
【0094】
工程5:3,3,3−トリフルオロプロパン−1−スルホン酸 4−[1−(2,4−ジクロロフェニル)−3−メチル−4−オキソ−5−ピペリジン−1−イル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル]フェニルエステル
ジクロロメタン(20ml)中の1−(2,4−ジクロロフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−5−ピペリジン−1−イル−1,5,6,7−テトラヒドロピロロ[3,2−c]ピリジン−4−オン(0.40g、0.85mmol)の溶液に、0℃で、トリエチルアミン(0.14ml、1.02mmol)、その後、3,3,3−トリフルオロプロパンスルホニルクロリド(0.20g、1.02mmol)を加えた。その後、反応混合物を室温で2時間攪拌した。濃縮およびフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン:EtOAc クラジエント)による精製により、200mg(37%)の表題化合物を無色の固体として得た。
【0095】
H−NMR(CDCl):δ7.51(1H、m)、7.34−7.02(6H、m)、3.75(2H、m)、3.53−3.44(3H、m)、3.40−3.00(2H、ブロードs)、2.87−2.60(5H、m)、2.41(3H、s)、1.80−1.50(6H、m)、1.40−1.20(2H、m)。MS:630(M+H)。HPLC:95%。
【0096】
実施例3
3,3,3−トリフルオロプロパン−1−スルホン酸 4−[1−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−3−メチル−4−オキソ−5−ピペリジン−1−イル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル]フェニルエステル
工程1 4−(2−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−5,6,3’,4’,5’,6’−ヘキサヒドロ−2’H−[1,1’]ビピリジニル−2−オン
[1,1’]−ビピペリジニル−2,4−ジオン(2.00g、10.19mmol)をトルエン(8ml)に溶解させ、2−クロロ−4−フルオロフェニルアミン(1.78g、12.23mmol)を加えた。さらにトルエン(5ml)を加えた。反応混合物を110℃で還流下17時間加熱し、その後放冷した。反応混合物が室温となったときに生成物が析出し、それを濾過により回収し、ベージュの固体を得た(1.80g、55%)。
【0097】
H−NMR(400MHz、CDCl)δ7.41−7.32(1H、m)、7.18−7.09(1H、m)、7.00−6.90(1H、m)、5.51(1H、s)、5.11(1H、s)、3.54(2H、t)、3.38−2.67(4H、br)、2.57(2H、t)、1.74−1.50(4H、m)、1.43−1.30(2H、m)。
【0098】
工程2 3−{2−[4−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)フェニル]−1−メチル−2−オキソ−エチル}−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−5,6,3’,4’,5’,6’−ヘキサヒドロ−2’H−[1,1’]ビピリジニル−2−オン
NaH(0.15g、6.25mmol)を窒素下のフラスコに入れ、乾燥THF(5ml)を加えた。氷浴で混合物を0℃に冷却し、乾燥THF(8ml)に懸濁させた4−(2−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−5,6,3’,4’,5’,6’−ヘキサヒドロ−2’H−[1,1’]ビピリジニル−2−オン(0.70g、2.16mmol)を滴下して加えた。1時間40分後、テトラブチルアンモニウムヨージド(0.085g、0.23mmol)を加え、その後、乾燥THF(2ml)に溶解させた2−ブロモ−1−[4−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)フェニル]プロパン−1−オン(1.122g、3.27mmol)を滴下して加えた。最後の滴下の後に氷浴を取り外した。反応を室温で4時間継続し、その後、リン酸バッファー(pH7.0)を加えて反応をクエンチした。THFを留去した。DCM/水を加え、相を分離した。DCMを乾燥した有機相から留去し、粗生成物を橙色の固体として得た(粗生成物1.135g)。
【0099】
工程3 2−[4−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)フェニル]−1−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−3−メチル−5−ピペリジン−1−イル−1,5,6,7−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−c]ピリジン−4−オン
3−{2−[4−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)フェニル]−1−メチル−2−オキソ−エチル}−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−5,6,3’,4’,5’,6’−ヘキサヒドロ−2’H−[1,1’]ビピリジニル−2−オン(1.135g、1.94mmol)をトルエン(5ml)中に懸濁させ、トルエン−4−スルホン酸(0.037g、0.19mmol)を加えた。反応混合物をマイクロウェーブオーブンで30分間100℃に加熱した。反応混合物に水/トルエンを加え、相を分離した。有機相を水で洗浄し、乾燥(MgSO)し、濾過し、濃縮し、粗生成物を得た(粗生成物0.929g)。
【0100】
工程4 1−(2−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−2−(4−ヒドロキシ−フェニル)−3−メチル−5−ピペリジン−1−イル−1,5,6,7−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−c]ピリジン−4−オン
2−[4−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)フェニル]−1−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−3−メチル−5−ピペリジン−1−イル−1,5,6,7−テトラヒドロピロロ[3,2−c]ピリジン−4−オン(0.929g、1.63mmol)をTHF(10ml)中に懸濁させ、TBAF(1M THF溶液、1.64ml)を加えた。反応混合物を室温で1時間攪拌し、その後、溶媒を留去し、酢酸エチル/水を加えた。相を分離し、有機相を乾燥し、濃縮した。粗生成物を酢酸エチル/トルエンから再結晶化し、生成物を橙色の固体として得た(0.223g、3工程で23%)。
【0101】
工程5 3,3,3−トリフルオロプロパン−1−スルホン酸 4−[1−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−3−メチル−4−オキソ−5−ピペリジン−1−イル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル]フェニルエステル
1−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−5−ピペリジン−1−イル−1,5,6,7−テトラヒドロピロロ[3,2−c]ピリジン−4−オン(0.223g、0.49mmol)をピリジンと共に2回共濃縮し、窒素下においた。ピリジン(2.5ml)を加え、反応混合物を氷浴で0℃に冷却し、その後、3,3,3−トリフルオロプロパン−1−スルホニルクロリド(0.153g、0.78mmol)を加えた。反応混合物を0℃で3時間攪拌し、1時間10分後にさらに3,3,3−トリフルオロプロパン−1−スルホニルクロリド(0.171g、0.87mmol)を加えた。氷浴を取り除き、反応混合物を濃縮した。粗生成物をHPLCで精製し、凍結乾燥により生成物をベージュの固体として得た(0.19g、63%)。
【0102】
HRMS 計算値[C2828ClFS+H]:614.150。実測値:614.150。
H−NMR(400MHz、CDOD)δ7.33−7.25(2H、m)、7.20−7.10(4H、m)、7.08−7.01(1H、m)、3.67−3.54(4H、m)、3.10−2.67(6H、m)、2.59(2H、t)、2.22(3H、s)、1.83−1.49(4H、m)、1.49−1.19(2H、m)。
【0103】
実施例4
1−(2−クロロフェニル)−3−メチル−5−ピペリジン−1−イル−2−[4−(4,4,4−トリフルオロブトキシ)フェニル]−1,5,6,7−テトラヒドロピロロ[3,2−c]ピリジン−4−オン
炭酸カリウム(0.19g、1.38mmol)を、DMF(30ml)中の実施例1、工程8の1−(2−クロロフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−5−ピペリジン−1−イル−1,5,6,7−テトラヒドロピロロ[3,2−c]ピリジン−4−オン(0.50g、1.15mmol)の溶液に加え、その後、1−ヨード−4,4,4−トリフルオロブタン(328mg、1.38mmol)を加えた。反応混合物を80℃で一晩加熱した。TLCにより出発原料の変換がほとんど起こっていないことを確認し;656mg(2eqv.)の1−ヨード−4,4,4−トリフルオロブタンおよび380mg(2eqv.)のKCOを加え、加熱を1時間継続した。室温まで冷却した後で、水を加え、生成物をEtOAcで抽出した(×3)。合わせた有機抽出液を食塩水(×2)で洗浄し、乾燥(NaSO)し、濾過し、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン:EtOAc グラジエント)により、250mg(40%)の表題化合物を無色の固体として得た。
【0104】
H−NMR(CDCl):δ7.47(1H、m)、7.34−7.18(2H、m)、7.11−7.05(3H、m)、6.74 3.75(2H、m)、3.97(2H、t)、3.73−3.70(2H、ブロードt)、3.40−2.80(4H、ブロードm)、2.74−2.61(2H、m)、2.39−2.24(5H、sおよびm)、2.07−2.00(2H、m)、1.69−1.61(4H、m)、1.48−1.46(2H、m)。MS:568(M+Na)。HPLC:97.5%。
【0105】
以下の化合物は、上記の方法と類似の方法により調製する:
実施例5:3,3,3−トリフルオロプロパン−1−スルホン酸 4−[1−(2−クロロフェニル)−5−(2−ヒドロキシ-シクロヘキシル)−3−メチル−4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル]フェニルエステル
実施例6:3,3,3−トリフルオロプロパン−1−スルホン酸 4−[1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(2−ヒドロキシシクロヘキシル)−3−メチル−4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル]フェニルエステル
実施例7:3,3,3−トリフルオロプロパン−1−スルホン酸 4−[1−(2−クロロフェニル)−5−(3−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−3−メチル−4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル]フェニルエステル
実施例8:3,3,3−トリフルオロプロパン−1−スルホン酸 4−[1−(2−クロロ−フェニル)−5−シクロヘキシル−3−メチル−4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル]フェニルエステル
実施例9:3,3,3−トリフルオロプロパン−1−スルホン酸 4−[1−(2,4−ジクロロフェニル)−3−メチル−4−オキソ−5−ピペリジン−1−イル−4,5−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル]フェニルエステル
実施例10:3,3,3−トリフルオロプロパン−1−スルホン酸 4−[1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(2−ヒドロキシシクロヘキシル)−3−メチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル]フェニルエステル
実施例11:3,3,3−トリフルオロプロパン−1−スルホン酸 4−[1−(2−クロロフェニル)−5−シクロヘキシル−3−ヒドロキシメチル−4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル]フェニルエステル
実施例12:3,3,3−トリフルオロプロパン−1−スルホン酸 4−[1−(2−クロロフェニル)−5−シクロヘキシル−3−ヒドロキシメチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル]フェニルエステル
実施例13:3,3,3−トリフルオロプロパン−1−スルホン酸 4−[1−(2−クロロフェニル)−5−(2−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−3−ヒドロキシメチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル]フェニルエステル
実施例14:3,3,3−トリフルオロプロパン−1−スルホン酸 4−(3−メチル−4−オキソ−5−ピペリジン−1−イル−1−o−トリル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル)フェニルエステル
実施例15:1−(2,4−ジクロロフェニル)−3−メチル−5−ピペリジン−1−イル−2−[4−(4,4,4−トリフルオロ−ブトキシ)−フェニル]−1,5,6,7−テトラヒドロピロロ[3,2−c]ピリジン−4−オン。
【0106】
本発明の化合物が、1、5、6、7−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジンと命名されてもよく、または4、5、6、7−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジンと命名されてもよいことは、当該技術分野の当業者には理解されよう。
【0107】
【化5】

【0108】
【化6】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中、Rは1以上のフルオロにより置換されたC3−7アルキル基を表し、またはRは、1以上のフルオロにより置換されたC1−7アルキルスルホニル基を表し;
は、シアノを表し、または、ヒドロキシにより、もしくは基NRにより置換されていてもよいC1−4アルキル基を表し、ここで、RおよびRは、独立に、HまたはC1−3アルキル基を表し;
は、ピペリジン−1−イルまたはシクロヘキシルを表し、当該基の各々は、ヒドロキシ、フルオロまたは基NRから選択される1以上の基により置換されていてもよく、ここで、RおよびRは、独立に、HまたはC1−3アルキル基を表し;および
−−−−−は、6位および7位の間に存在してもよい追加の結合であり;
は、クロロ、フルオロ、シアノまたはメチルを表し;
nは、1、2または3であり、およびn>1の場合、各々のRは独立に選択される]の化合物、または医薬として許容なその塩。
【請求項2】
式IA:
【化2】

[式中、Rは1以上のフルオロにより置換されたC3−7アルキルを表し、またはRは1以上のフルオロにより置換されたC1−7アルキルスルホニル基を表し;
はシアノを表し、または、ヒドロキシにより、もしくは基NRにより置換されていてもよいC1−4アルキル基を表し、ここで、RおよびRは、独立に、HまたはC1−3アルキル基を表し;
は、ピペリジン−1−イルまたはシクロヘキシルを表し、当該基の各々は、ヒドロキシ、フルオロまたは基NRから選択される1以上の基により置換されていてもよく、ここで、RおよびRは、独立に、HまたはC1−3アルキル基を表し;および
は、クロロ、フルオロ、シアノまたはメチルを表し;
nは、1、2または3であり、およびn>1の場合、各々のRは独立に選択される]
により表される請求項1に記載の化合物、または医薬として許容なその塩。
【請求項3】
式IB:
【化3】

[式中、Rは1以上のフルオロにより置換されたC3−7アルキルを表し、またはRは1以上のフルオロにより置換されたC1−7アルキルスルホニル基を表し;
はシアノを表し、または、ヒドロキシにより、もしくは基NRにより置換されていてもよいC1−4アルキル基を表し、ここで、RおよびRは、独立に、HまたはC1−3アルキル基を表し;
は、ピペリジン−1−イルまたはシクロヘキシルを表し、当該基の各々は、ヒドロキシ、フルオロまたは基NRから選択される1以上の基により置換されていてもよく、ここで、RおよびRは、独立に、HまたはC1−3アルキル基を表し;および
は、クロロ、フルオロ、シアノまたはメチルを表し;
nは、1、2または3であり、n>1の場合、各々のRは独立に選択される]
により表される請求項1に記載の化合物、または医薬として許容なその塩。
【請求項4】
が1以上のフルオロにより置換されたC1−7アルキルスルホニル基を表す、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
が1以上のフルオロにより置換されたC3−7アルキルを表す、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
が1以上のフルオロにより末端を置換されたC3−5アルキルスルホニル基を表す、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
がメチルまたはヒドロキシメチルを表す、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
がメチルを表す、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
がピペリジン−1−イルを表す、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項10】
nが1の場合、Rが2−クロロを表し、またはnが2の場合、Rが2,4−ジクロロまたは2−クロロ−4−フルオロを表す、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項11】
以下の化合物:
3,3,3−トリフルオロプロパン−1−スルホン酸 4−[1−(2−クロロフェニル)−3−メチル−4−オキソ−5−ピペリジン−1−イル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル]フェニルエステル;
3,3,3−トリフルオロプロパン−1−スルホン酸 4−[1−(2,4−ジクロロフェニル)−3−メチル−4−オキソ−5−ピペリジン−1−イル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル]フェニルエステル;
3,3,3−トリフルオロプロパン−1−スルホン酸 4−[1−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−3−メチル−4−オキソ−5−ピペリジン−1−イル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル]フェニルエステル;
1−(2−クロロフェニル)−3−メチル−5−ピペリジン−1−イル−2−[4−(4,4,4−トリフルオロブトキシ)フェニル]−1,5,6,7−テトラヒドロピロロ[3,2−c]ピリジン−4−オン;
3,3,3−トリフルオロプロパン−1−スルホン酸 4−[1−(2−クロロフェニル)−5−(2−ヒドロキシシクロヘキシル)−3−メチル−4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル]フェニルエステル;
3,3,3−トリフルオロプロパン−1−スルホン酸 4−[1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(2−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−3−メチル−4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル]フェニルエステル;
3,3,3−トリフルオロプロパン−1−スルホン酸 4−[1−(2−クロロフェニル)−5−(3−ヒドロキシシクロヘキシル)−3−メチル−4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル]フェニルエステル;
3,3,3−トリフルオロプロパン−1−スルホン酸 4−[1−(2−クロロフェニル)−5−シクロヘキシル−3−メチル−4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル]フェニルエステル;
3,3,3−トリフルオロプロパン−1−スルホン酸 4−[1−(2,4−ジクロロフェニル)−3−メチル−4−オキソ−5−ピペリジン−1−イル−4,5−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル]フェニルエステル;
3,3,3−トリフルオロプロパン−1−スルホン酸 4−[1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−5−(2−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−3−メチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル]−フェニルエステル;
3,3,3−トリフルオロプロパン−1−スルホン酸 4−[1−(2−クロロ−フェニル)−5−シクロヘキシル−3−ヒドロキシメチル−4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル]フェニルエステル;
3,3,3−トリフルオロプロパン−1−スルホン酸 4−[1−(2−クロロフェニル)−5−シクロヘキシル−3−ヒドロキシメチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル]フェニルエステル;
3,3,3−トリフルオロプロパン−1−スルホン酸 4−[1−(2−クロロ−フェニル)−5−(2−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−3−ヒドロキシメチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル]フェニルエステル;
3,3,3−トリフルオロ−プロパン−1−スルホン酸 4−(3−メチル−4−オキソ−5−ピペリジン−1−イル−1−o−トリル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル)フェニルエステル;および
1−(2,4−ジクロロフェニル)−3−メチル−5−ピペリジン−1−イル−2−[4−(4,4,4−トリフルオロ−ブトキシ)フェニル]−1,5,6,7−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−c]ピリジン−4−オン;
ならびに医薬として許容なその塩
の1以上から選択される化合物。
【請求項12】
医薬として使用する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の式Iの化合物。
【請求項13】
請求項1〜11のいずれか1項に記載の式Iの化合物、および医薬として許容なアジュバント、希釈剤または担体を含む、医薬製剤。
【請求項14】
肥満、精神異常、統合失調症、躁鬱病、不安神経症、不安−抑鬱障害、鬱病、認識力障害、記憶障害、強迫神経症、拒食症、多食症、注意障害、てんかん、および関連する状態などの精神疾患、ならびに認知症、神経障害、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病およびアルツハイマー病などの神経障害、免疫障害、心臓血管障害、生殖障害および内分泌障害、敗血症ショック、呼吸系および胃腸系に関連する疾患、長期の乱用、依存症および/または再発の兆候の治療または予防のための医薬の調製における、請求項1〜11のいずれか1項に記載の式Iの化合物の使用。
【請求項15】
肥満、精神異常、精神疾患、統合失調症、および躁鬱病、不安神経症、不安−抑鬱障害、鬱病、認識力障害、記憶障害、強迫神経症、拒食症、多食症、注意障害、てんかん、および関連する状態、神経障害、神経障害、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病およびアルツハイマー病、免疫障害、心臓血管障害、生殖障害および内分泌障害、敗血症ショック、呼吸系および胃腸系に関連する疾患、長期の乱用、依存症および/または再発の兆候の処置方法であって、当該処置を必要とする患者に請求項1〜11のいずれか1項に記載の式Iの化合物の薬理学的有効量を投与することを含む、前記方法。
【請求項16】
肥満の処置に使用するための、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項17】
不活性溶媒中、塩基の存在下、−25℃〜150℃の範囲の温度で、式II:
【化4】

[式中、R、R、Rおよびnは請求項1において既に定義したとおりである]
の化合物を、式III:

III
[式中、Rは請求項1において既に定義したとおりであり、およびXは脱離基を表す]
と反応させることを含む、請求項1に記載の式Iの化合物の製造方法。
【請求項18】
請求項17に記載の式IIの化合物。

【公表番号】特表2009−504722(P2009−504722A)
【公表日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−526558(P2008−526558)
【出願日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際出願番号】PCT/GB2006/003695
【国際公開番号】WO2007/039740
【国際公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願人】(300022641)アストラゼネカ アクチボラグ (581)
【Fターム(参考)】