説明

背圧弁

【課題】本発明は、背圧弁の流出口における圧力が増大したときに当該増大した圧力を燃料供給経路からガスラインに排出させて減圧することを課題とする。
【解決手段】背圧弁22は、弁本体50と、弁体60と、圧力逃がし弁機構70とを有する。弁本体50は、流入口52と、流出口54と、背圧導入口56とを有する。圧力逃がし弁機構70は、逃がし弁体90と、ばね部材100と、ばね受け110とから構成されている。圧力逃がし弁機構70では、後述するように逃がし弁体90が開弁した状態で流出口54及び流出口54に連通された充填ホース28内の圧力が所定の圧力以上(弁体60が開弁するときの圧力よりも高い圧力(第2の圧力)以上)に上昇した場合に開弁して液化ガスを背圧導入口56へ流出させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、背圧弁に係り、特に液化ガスを供給する液化ガス供給系統における供給圧を安定させるよう構成された背圧弁に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、液化ガスを供給する液化ガス供給系統を有するディスペンサ装置には、上流側において液化ガスが気化しないように上流側の圧力(液化ガスを液体に保つ圧力)を背圧として開又は閉とする背圧弁が設けられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、背圧弁は、液化ガス供給系統に連通された流入口と、流入口からの液化ガスが流出する流出口と、流入口と流出口との間に形成された弁座と、液化ガス供給系統の圧力に保持するための背圧が供給される背圧導入口と、背圧導入口からの背圧と流入口からの供給圧を受けて弁座を開または閉とする弁体とを有する構成になっている。
【0004】
従って、背圧弁では、流入口からの供給圧が背圧よりも高くなると、弁体が開弁動作して下流側へ液化ガスを供給し、流入口からの供給圧が背圧よりも低くなると、弁体が閉弁動作して弁座を閉じるようにして、供給圧が背圧より低くならないように制御して上流側における液化ガスの気化を防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−122298号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
液化ガスを充填するディスペンサ装置を用いて被充填タンクに液化ガスを充填していないときに、例えば、温度上昇などにより充填ホースやノズルに残留している液化ガスの圧力が上昇した場合に備えて安全弁をディスペンサ装置の液化ガス供給系統に設けることが検討されている。
【0007】
しかしながら、ディスペンサ装置には、背圧弁の他にセパレータや流量計、圧力センサなどの各機器が設けられているので、安全弁を設けると構成がより複雑になるばかりか、安全弁を設けるためのスペースが必要になり、且つ組み立て工程でも工数が増え、生産性が低下するという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は上記事情に鑑み、上記課題を解決した背圧弁を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明は以下のような手段を有する。
(1)本発明は、液化ガス供給経路に連通された流入口と、該流入口からの液化ガスが流出する流出口と、前記流入口と前記流出口との間に形成された弁座と、前記液化ガス供給経路内の圧力を保持するための背圧が供給される背圧導入口と、前記背圧導入口からの背圧と前記流入口からの供給圧を受けて前記弁座を開または閉とする弁体とを有する背圧弁において、
前記弁体が開弁した状態で前記流出口内の圧力が所定の圧力以上に上昇した場合に開弁して前記液化ガスを前記背圧導入口へ流出させる弁機構を前記弁体に設けたことを特徴とする。
(2)本発明は、前記流入口を有する第1の部材と、前記流出口及び前記背圧導入口を有する第2の部材とからなる弁本体を備え、前記第1の部材を前記第2の部材に対して回動可能に設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、弁体が開弁した状態で流出口内の圧力が所定の圧力以上に上昇した場合に開弁して液化ガスを背圧導入口へ流出させる弁機構を弁体に設けたため、安全弁を別個に設ける場合よりも設置スペースが小さくて済み、組立工程での工数も増えないことから生産性を高めることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明による背圧弁の一実施例が適用された燃料充填装置を示す構成図である。
【図2】背圧弁の閉弁状態を示す縦断面図である。
【図3A】圧力逃がし弁体の構成を示す正面図である。
【図3B】圧力逃がし弁体の構成を示す縦断面図である。
【図3C】圧力逃がし弁体の構成を示す背面図である。
【図4】背圧弁の開弁状態を示す縦断面図である。
【図5】背圧弁の開弁状態のときに圧力逃がし弁が開弁した状態を示す縦断面図である。
【図6】変形例の背圧弁の閉弁状態を示す縦断面図である。
【図7】変形例の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
【実施例1】
【0013】
図1は本発明による背圧弁の一実施例が適用された燃料充填装置を示す構成図である。
【0014】
図1に示されるように、燃料充填装置10は、地下タンク(図示せず)等に貯蔵された液化石油ガス(LPG)からなる燃料(液化ガス)を車両11の燃料タンク(被充填タンク)12に充填するLPG充填用ディスペンサである。燃料充填装置10の筐体14には、一端が地下タンクの液相部に連通し、液化ガスを圧送するポンプ(図示せず)に接続された燃料供給経路16が引き込まれている。この燃料供給経路16には、セパレータ18、流量計20、背圧弁22、2段式電磁弁からなる流量制御弁24が配設されている。さらに、燃料供給経路16の他端は、緊急離脱用カップリング26を介して充填ホース28に連通されている。
【0015】
充填ホース28は、可撓性を有する樹脂製ホースにより形成されており、車両11の停車位置に応じて移動できるように設けられている。また、充填ホース28の先端には、燃料タンク12の充填口30に接続されるノズル32と、ノズル開閉弁34とが設けられている。
【0016】
上記セパレータ18は、ポンプから送液された燃料に含まれた気泡を分離させる気液分離器であり、液化ガスを流量計20へ吐出させると共に、気化した液化ガスを還流経路36及びガスラインを介して地下タンクの気相部(地下タンク内の上部空間部)へ還流させる。
【0017】
流量計20は、燃料タンク12に充填される液化ガスの流量を計測するものであり、流量に比例した数の流量パルスをパルス発信器38から制御回路40へ出力する。また、燃料供給経路16の流量計20とセパレータ18との間には、上流側(セパレータ18側)から下流側(流量計20側)への液化ガスの流通を許容するが、下流側から上流側への液化ガスの流通を阻止する逆止弁42が設けられている。
【0018】
背圧弁22は、流量計20を通過した燃料に気泡が発生しないようにセパレータ18及び還流経路36と連通しており、ガスラインから還流経路36を介して供給される圧力を背圧として印加させることで、背圧弁22よりも上流側の燃料供給経路16内の液化ガスの圧力を所定圧力(液化された燃料が気化しない圧力)以上に保持し、所定圧力以上になったときに開弁して液化ガスを下流側へ通流可能とする。
【0019】
流量制御弁24は、後述するように制御回路40からの制御信号により開弁されて燃料の充填を開始すると共に、流量変化に応じて段階的に閉弁駆動される。また、制御回路40は、流量計20のパルス発信器38から出力された流量パルスを積算して現在の瞬時流量を算出すると共に、積算流量を表示器44に表示する。
【0020】
還流経路36には、ノズル接続用アタッチメント46が取り付けられている。このノズル接続用アタッチメント46は、例えばノズル32に試験的に液化ガスを吐出させる際、ノズル32を接続させることにより、ノズル32より吐出された液化ガスを地下タンクへ戻すことができるようにするためのものである。
【0021】
制御回路40は、各種データや制御プログラムを記憶するメモリ(記憶手段)41を有する。具体的には、例えば、流量制御弁24の絞り流量を制御する流量制御プログラム、液化ガスの積算流量を演算するためのプログラム、表示器に積算流量を表示させるためのプログラムなどが記憶されている。
【0022】
ここで、背圧弁22の構成について説明する。
【0023】
図2は背圧弁22の閉弁状態を示す縦断面図である。図2に示されるように、背圧弁22は、弁本体50と、弁体60と、圧力逃がし弁機構70とを有する。弁本体50は、逆T字状に形成されており、三方向の各端部には流入口52と、流出口54と、背圧導入口56とが開口するように設けられている。弁体60は、内部に圧力逃がし弁機構70が設けられているので、当該背圧弁22とは別個に安全弁を設けるものよりも、燃料充填装置10の筐体14内における省スペース化を図れると共に、組立工程における工数を削減して生産効率を高めることもできる。
【0024】
また、流入口52と背圧導入口56とが交差する中間部分には、弁座58が設けられている。そして、弁座58の下流側(X2方向)には、流出口54が設けられている。
【0025】
流入口52の外側の雄ねじ53には、液供給のための液ラインの接続部57がナット59により締結されている。
【0026】
背圧導入口56には、弁体60と、弁体60を閉弁方向に付勢する付勢部材(コイルバネ)62と、蓋部材64とが設けられている。蓋部材64は、背圧導入口56の入口内周に形成された雌ねじ56aに螺入される雄ねじ64aが形成され、内部には付勢部材62が当接する凹部64bが設けられている。また、蓋部材64には、軸方向(X1、X2方向)に貫通する貫通孔64cが設けられ、この貫通孔64cには還流経路36が接続されている。従って、背圧導入口56には、蓋部材64の貫通孔64cに接続された還流経路36を介してガスラインの飽和蒸気圧が背圧として導入される。また、蓋部材64の外周には、背圧導入口56の内壁56bとの間をシールするシール部材65が設けられている。
【0027】
また、弁体60は、背圧導入口56の内壁に対して軸方向(X1、X2方向)に摺動可能に挿入されており、先端部には弁座58に当接する環状のシート66が設けられ、外周には背圧導入口56の内壁との間をシールするシール部材68が設けられている。
【0028】
弁体60は、付勢部材62の付勢力と背圧導入口56からの背圧との合力による閉弁方向の力より流入口52から供給された液化ガスの圧力によるX1方向に開弁方向の力が大になったとき開弁方向(X1方向)に摺動する。この弁体60の開弁動作により加圧された液化ガスがノズル32へ供給される。この後、ノズル32の開閉弁34を開弁すると、背圧弁22より所定圧(液化ガスが気化しない飽和蒸気圧力)以上に加圧された液化ガスがノズル32から燃料タンク12に充填される。
【0029】
さらに、弁体60は、軸方向(X1、X2方向)に貫通する圧力逃がし用孔80が設けられている。この圧力逃がし用孔80には、弁体60より小径とされた逃がし弁体90と、逃がし弁体90をX2方向に押圧するばね部材100と、ばね部材100の一端が当接するばね受け110とが収納されている。
【0030】
ばね受け110は、圧力逃がし用孔80の内壁に形成された雌ねじに螺入され、ばね部材100を保持している。尚、ばね受け110の中央には、軸方向(X1、X2方向)に貫通する貫通孔110aが設けられている。
【0031】
圧力逃がし弁機構70は、上記逃がし弁体90と、ばね部材100と、ばね受け110とから構成されている。また、圧力逃がし弁機構70では、後述するように逃がし弁体90が開弁した状態で流出口54及び流出口54に連通された充填ホース28内の圧力が所定の圧力以上(弁体60が開弁するときの圧力より所定圧力以上)に上昇した場合に開弁して液化ガスを背圧導入口56へ流出させる。
【0032】
逃がし弁体90は、ばね部材100のばね力と背圧導入口56からの背圧との合力による閉弁方向の力よりも流出口54から供給された液化ガスの圧力によるX1方向(開弁方向)の力が大になったときに開弁方向に摺動する。逃がし弁体90が開弁動作することにより流出口54の液化ガスが還流経路36を介してガスラインに排出されるため、ガス充填が行なわれていないときに充填ホース28等に残留している液化ガスが太陽熱により膨張して液圧が後述の第2の圧力以上に上昇しても、上昇分の圧力をガスラインへ逃がすことができる。
【0033】
尚、ばね部材100及び付勢部材62のばね力及び付勢力は、弁体60が開弁する時の圧力(第1の圧力)よりも高い圧力(第2の圧力)で逃がし弁体90が開弁するようにそれぞれ設計されている。上記第1の圧力は、上流側の背圧によって飽和蒸気圧以上に設定されており、温度によって変動するため、特定の値を例示しない。また、第2の圧力は、上記第1の圧力より高い任意の圧力に設定される。
【0034】
また、ガス充填が行なわれていないときに何らかの原因により流入口52内の圧力が第1の圧力以上に上昇した場合においては、弁体60が開弁することにより流入口52内の液化ガスが流出口54内へ流出することにより、流入口52内の圧力(即ち、流入口52と逆止弁42との間の燃料供給経路16内の液化ガスの圧力)が低下することになる。
【0035】
更に、流入口52内の圧力が第1の圧力以上に上昇しているために弁体60が開弁している状態において、流入口52内及び流出口54内の圧力が第2の圧力(弁体60が開弁する際の圧力よりも高い所定の圧力)以上に上昇した場合には、逃がし弁体90が開弁することにより流出口54内の液化ガスが還流経路36を介してガスラインに排出されることになる。
【0036】
尚、弁体60が開弁している状態での流入口52内の圧力は、流出口54に連通された充填ホース28内の圧力と同じ圧力であるので、この状態における流入口52内の圧力が第2の圧力よりも高い場合には逃がし弁体90が開弁することにより流出口54に連通された充填ホース28内の液化ガスも還流経路36を介してガスラインに排出されることになる。よって、逃がし弁体90は、逆止弁42から充填ホース28までの燃料供給経路16内及び充填ホース28内の液化ガスの圧力が第2の圧力以上に上昇した場合に開弁することにより、当該燃料供給経路16内及び充填ホース28内の液化ガスの圧力を所定の圧力(第2の圧力)以下に低下させることができる。
【0037】
ここで、逃がし弁体90の構成について説明する。
【0038】
図3Aは圧力逃がし弁体の構成を示す正面図である。図3Bは圧力逃がし弁体の構成を示す縦断面図である。図3Cは圧力逃がし弁体の構成を示す背面図である。
【0039】
図3A〜図3Cに示されるように、逃がし弁体90は、圧力逃がし用孔80の小径孔80aに挿入される突出部90aと、圧力逃がし用孔80の大径孔80bに挿入される摺動部90bとを有する。突出部90aの外周には、圧力逃がし用孔80の小径孔80aの内壁との間をシールするシール部材92が嵌合される環状溝90cが設けられている。
【0040】
摺動部90bの外周には、軸方向(X1、X2方向)に延在形成された複数の溝90dが設けられている。本実施例においては、各溝90dは、周方向に90度間隔で4箇所に設けられている。また、各溝90dは、逃がし弁体90が開弁動作した際、上記流入口52内及び流出口54内の圧力上昇による開弁時に流出口54の液化ガスが通過するための圧力逃がし用通路となる。
【0041】
図4は背圧弁の開弁状態(液化ガスが流入口52から流出口54へ流れ、ノズル32より供給されている状態)を示す縦断面図である。図5に示されるように、流入口52からの供給圧力が付勢部材62の付勢力と背圧導入口56からの背圧との合力による閉弁方向の力よりも高くなったとき、弁体60は、開弁方向(X1方向)に摺動する。
【0042】
この弁体60の開弁動作により加圧された液化ガスは、弁座58の開口を介して流入口52から流出口54へ流出し、充填ホース28を介してノズル32へ供給される。従って、操作者がノズル32の開閉弁34を開弁操作することで、背圧弁22から流出された所定圧(飽和蒸気圧以上)の液化ガスがノズル32から燃料タンク12に充填される。
【0043】
図5は圧力逃がし弁90が開弁した状態を示す縦断面図である。図5に示されるように、流出口54内の液化ガスの圧力が背圧導入口56からの背圧よりも高い所定の圧力(第2の圧力)以上に上昇した場合には、背圧弁22の開弁動作に加え、逃がし弁体90がX1方向に開弁動作し、流出口54の液化ガスが圧力逃がし用孔80の小径孔80a、各溝90d(図3B及び図3C参照)、ばね受け110の貫通孔110a、蓋部材64の貫通孔64cを介して還流経路36へ排出され、流出口54内の圧力が低下する。
【0044】
ここで、変形例について説明する。
【0045】
図6は変形例の背圧弁の閉弁状態を示す縦断面図である。図7は変形例の正面図である。尚、図6及び図7において、前述した実施例と同一部分には、同一符合を付してその説明を省略する。
【0046】
図6及び図7に示されるように、変形例の背圧弁122では、弁本体50Aが流入口52を有する回動部材(第1の部材)50Bと、背圧導入口56と流出口54とを有する軸部材(第2の部材)50Cとから構成されている。回動部材50Bは、流入口52の延在方向と直交するX1、X2方向に貫通する軸受け部200を有する。軸受け部200の内周202には、流入口52に連通する環状溝210が設けられている。
【0047】
軸部材50Cは、円筒形状の軸部材からなり、一端(図6中、右端)に流出口54が開口し、他端(図6中、左端)に背圧導入口56が開口している。また、軸部材50Cは、軸受け部200の環状溝210に連通する連通孔220と、流出口54とが交差する中央部分に弁座58が設けられている。
【0048】
そして、回動部材50Bは、軸受け部200の内周202が軸部材50Cの外周に回動可能に嵌合している。また、軸受け部200に嵌合される軸部材50Cの外周には、環状溝210の左右両側を囲むように形成された一対の内周202との間をシールする一対のシール部材230が設けられている。
【0049】
また、軸部材50Cの外周には、回動部材50Bの左側面に当接する段部240と、回動部材50Bの右側面に当接するC字状の止め輪250が係合される係合溝242が設けられている。従って、軸部材50Cは、段部240によりX1方向の移動が制限され、止め輪250によりX2方向の移動が制限されるため、回動部材50Bの内周202に嵌合された状態で軸方向(X1、X2方向)への脱落が防止される。
【0050】
尚、軸部材50Cの内部に設けられた弁体60及び付勢部材62、蓋部材64、圧力逃がし弁機構70(逃がし弁体90、ばね部材100)は、上記実施例と同一構成であるので、それらの説明は省略する。
【0051】
上記構成による背圧弁122を筐体34に設置する際は、例えば、背圧導入口56と還流経路36とを接続し、さらに流出口54と燃料供給経路16に接続した後に、流入口52を燃料供給経路16に接続する作業を行なう。その際、背圧弁122の流入口52に対して液ラインの接続部57の相対位置(方向)がずれている場合がある。このような場合には、液ラインの接続部57の位置に応じて回動部材50Bを回動させることにより、流入口52を接続部57に一致させるように調整することができる。よって、流入口52と接続部57との接続作業が容易に行える。
【0052】
このように、背圧弁122においては、回動部材50Bが軸部材50Cに対して回動可能に設けられているので、燃料充填装置10の筐体14内の各機器の配置に応じて接続される配管経路に対応させて接続作業が効率良く行える。
【産業上の利用可能性】
【0053】
上記実施例では、液化ガスとしてLPG(液化石油ガス)を充填する場合について説明したが、これに限らず、これ以外の燃料として例えば、DME(ジメチルエーテル)を充填する装置の背圧弁にも本発明を適用することができるのは勿論である。
【符号の説明】
【0054】
10 燃料充填装置
11 車両
12 燃料タンク
14 筐体
16 燃料供給経路
18 セパレータ
20 流量計
22、122 背圧弁
24 流量制御弁
26 カプラ
28 充填ホース
30 充填口
32 ノズル
34 ノズル開閉弁
36 還流経路
38 パルス発信器
40 制御回路
41 メモリ
42 逆止弁
44 表示器
50 弁本体
50A 弁本体
50B 回動部材
50C 軸部材
52 流入口
54 流出口
56 背圧導入口
57 接続部
58 弁座
59 ナット
60 弁体
62 付勢部材
64 蓋部材
64c 貫通孔
65 シール部材
66 シート
68 シール部材
70 圧力逃がし弁機構
80 圧力逃がし用孔
80a 小径孔
80b 大径孔
90 逃がし弁体
90a 突出部
90b 摺動部
90c 環状溝
90d 溝
92 シール部材
100 ばね部材
110 ばね受け
110a 貫通孔
200 軸受け部
202 内周
210 環状溝
220 連通孔
230 シール部材
240 段部
250 止め輪

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液化ガス供給経路に連通された流入口と、該流入口からの液化ガスが流出する流出口と、前記流入口と前記流出口との間に形成された弁座と、前記液化ガス供給経路内の圧力を保持するための背圧が供給される背圧導入口と、前記背圧導入口からの背圧と前記流入口からの供給圧を受けて前記弁座を開または閉とする弁体とを有する背圧弁において、
前記弁体が開弁した状態で前記流出口内の圧力が所定の圧力以上に上昇した場合に開弁して前記液化ガスを前記背圧導入口へ流出させる弁機構を前記弁体に設けたことを特徴とする背圧弁。
【請求項2】
前記流入口を有する第1の部材と、前記流出口及び前記背圧導入口を有する第2の部材とからなる弁本体を備え、前記第1の部材を前記第2の部材に対して回動可能に設けたことを特徴とする請求項1に記載の背圧弁。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−17774(P2012−17774A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−154226(P2010−154226)
【出願日】平成22年7月6日(2010.7.6)
【出願人】(000110099)トキコテクノ株式会社 (264)
【Fターム(参考)】