説明

自動光学検査システム及び方法

【課題】1つの統合ステーションで検査、検証、および修正を行う可能性を提供する自動光学検査、検証、および修正のためのシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】システムは、部品の欠陥の自動光学検査(AOI)、検証、および修正のための自動装置と、部品に対してAOI、検証、および修正のいずれを行うかを選択するように作動するコントローラとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般の自動光学検査(AOI)システムに関し、特に自動光学検査、検証、修正のためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動光学検査(AOI)システムは、プリント基板(PCBs)及びフラットパネルディスプレイ(FPDs)等を検査するものとしてよく知られている。従来、(例えば、特許文献1参照)。AOIシステムは、製造又は組立中の前記部品の種々の外見及び外観を検査するために使用することができる。前記部品の種々の外見及び外観とは、導体の状態(断線、連続性、亀裂等)及び寸法、絶縁体又は基板の状態及び寸法、ホールのサイズ及び配列、ビアホールのサイズ及び配列、導体のピッチ、ライン幅及び長さ、アートワークの外観、ペースト、構成要素の配列、はんだ接合の欠陥等であるが、これらに限られない。
【0003】
AOI後、前記部品は、一般的に、検査中に発見された欠陥が真の欠陥であるのかを検証する検証ロケーションへ搬送される。欠陥が、真の欠陥であるとして検証された場合、前記部品は、それらの欠陥を修正可能な(全ての欠陥を修正できるとは限らない)修正ロケーションへ送られる。先行技術において、検証ロケーション及び修正ロケーションは、AOIユニットから離れて設置されたユニットにより構成されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、1つの統合ステーションで検査、検証、および修正を行う可能性を提供する自動光学検査、検証、および修正のためのシステムおよび方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
したがって、本発明の実施の形態によれば、部品の欠陥の自動光学検査(AOI)、検証、および修正のための自動装置と、検査される部品をAOIロケーションと検証および修正ロケーションとの間で搬送するように作動するコントローラとを備える統合システムが提供される。好ましくは、AOI、検証、および修正は、2つの別個の部品に対して同時に行われる。
【0006】
本発明の実施の形態によれば、自動装置は、AOI装置を備える第1のステーションと、部品の欠陥の検証および修正の少なくとも一方を行うように作動する装置を備える第2のステーションとを備える。
【0007】
さらに、本発明の実施の形態によれば、自動装置は、AOI装置を備える第1のステーションと、部品の欠陥を検証するように作動する検証装置を備える第2のステーションと、部品の欠陥を修正するように作動する修正装置を備える第3のステーションとを備える。
【0008】
さらに、本発明の実施の形態によれば、第1および第2(および第3)のステーション間で部品を搬送するためのコンベヤが設けられる。
【0009】
さらに、本発明の実施の形態によれば、AOIは、複数の照明器と複数のセンサとを含む画像取得組立品を備え、複数の照明器および複数のセンサは、検査される部品が、第1の方向に画像取得組立品を通過し、途切ない一回の通過で検査できるように、検査される部品のほぼ全幅にわたって延び、続いて、検査済みの部品を第1の方向とはほぼ逆の第2の方向に搬送することによってAOIから取り出すことができる。
【0010】
また、本発明の実施の形態によれば、照明および画像取得サブシステムと、第1の時間間隔中に、検査される第1の部品を支持するとともに、第1の部品の画像を取得するために、第1の部品を途切れない一回の搬送で画像取得サブシステムを通過するように作動する第1の支持面と、第1の時間間隔中に、検査される第2の部品を画像取得サブシステムから離れた位置で受け取るように作動する第2の支持面とを備える、部品の自動光学検査(AOI)のためのシステムが提供される。
【0011】
さらに、本発明の実施の形態によれば、第2の面は、第2の時間間隔中に、第2の部品を支持するとともに、第2の部品の画像を取得するために、第2の部品を途切れない一回の搬送で画像取得サブシステムを通過するよう作動し、第1の支持面は、第2の時間間隔中に、第1の部品をそこから取り出すことを可能にするとともに、検査される第3の部品を画像取得サブシステムから離れた位置で受け取ることを可能にするように作動する。
【0012】
さらに、本発明の実施の形態によれば、照明および画像取得サブシステムは、第1の支持面および第2の支持面の搬送軸に対してほぼ垂直に延びる軸に沿って配置される。
【0013】
また、本発明の実施の形態によれば、部品の欠陥の自動光学検査(AOI)、検証、および修正のための自動装置を設ける工程と、第1のプリント回路板基板に対してAOIを行う工程と、およびほぼ同時に、AOIにより先に発見された疑わしい欠陥の検証および修正を第2のプリント回路板基板に対して行う工程とを備えるプリント回路板を製造する方法が提供される。
【0014】
本発明の実施の形態によれば、本方法はさらに、部品に対するAOI、検証、および修正のうちの少なくとも1つを行った後に、別の製造ステップを行う工程を備える。
【0015】
さらに、本発明の実施の形態によれば、本方法はさらに、部品に対するAOI、検証、および修正のうちの少なくとも1つを行い続けながら、別のワークステーションに部品を転送する工程を備える。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、AOIシステムの処理量が著しく向上し、製造工程にさらなる柔軟性が与えられ、製造フローのボトルネックが減るかまたはなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の実施の形態による1つまたは複数の部品10の自動光学検査、欠陥検証及び修正のための集積システムの構成及び機能について、図1を参照して説明する。部品10は、プリント基板(PCBs)のような電気回路、フラットパネルディスプレイ(FPDs)、chip interconnect packaging (ICPs)等により構成されていても良いが、これらに限られない。
【0018】
システムは、例えば、検査ロケーション16と欠陥検証及び修正ロケーション18とを有する自動装置12とを備えることができる。検査ロケーション16では、例えば自動光学検査(AOI)を用いて部品10の欠陥を確認することができる。欠陥検証及び修正ロケーション18では、部品10の欠陥が、真の欠陥か偽の欠陥か評価され、必要に応じ修正される。
【0019】
本実施の形態において図1に示すように、自動装置12は、検査ロケーション16にあるAOI装置20と、欠陥検証及び修正ロケーション18にある画像形成機能を有する検証装置22とを備えている。検証装置22は、例えば、外部からの銅の廃棄など、欠陥を手動で修正可能なように、部品11と画像形成機能との間に十分な作業距離を提供することによって、少なくともいくつかの欠陥を修正することができるように構成されている。
【0020】
AOI装置20は、第1の部品10のあり得る欠陥を発見するために検査を行なう。あり得る欠陥のうち、いくつかは真の欠陥であり、いくつかは偽の欠陥である。検証装置22は、AOI装置20によって検査が行なわれた検査された部品11に対して次の機能のうち少なくとも一つを提供するように機能する。当該機能とは、作業者が、あり得る欠陥が現実に真の欠陥か偽の欠陥かどうか決定できるように、検査された部品11のあり得る欠陥の画像23を取得及び表示し、作業者が修正可能な真の欠陥を修正することを可能とする機能、例えば、検証装置22によって得られる比較的高解像度画像を分析することによって、部品11のあり得る欠陥が修正可能な真の欠陥、修正不可能な真の欠陥、若しくは偽の欠陥かどうか自動的に検証する機能、部品11の修正可能な真の欠陥を修正する機能、修正不可能な真の欠陥を有する部品11を廃棄する機能である。修正可能な真の欠陥の典型的な例としては、例えば、種々の突起を有する導体が挙げられ、このような突起の中には、短絡、銅飛散等をもたらす可能性があるものがあるが、これらに限られない。修正不可能な真の欠陥の例としては、例えば、何らかの特徴部の欠損、および深刻な欠け、非局在的な不適切な幅、導体に沿った破断を有する導体等を挙げることができるが、これらに限られない。
【0021】
本発明の実施の形態によれば、検証装置22に関連する修正機能は、オペレータによって手動で、または状況に応じて自動で行われる。
【0022】
本発明の実施の形態によれば、検証装置22は、自動装置12から検査された部品の除去の前に、偽の欠陥を迅速に識別するためにオペレータによって使用される欠陥の画像23を表示する画像形成機能として機能する。さらに、検査された部品11を自動装置12からの除去の前に修正する際に、オペレータは画像形成機能を用いることができる。
【0023】
本発明の実施の形態によれば、適したコンピュータ画像プロセッサは、自動偽欠陥フィルタリング機能を提供することができる。修正不可能な真の欠陥を有する部品11は廃棄することができる。修正可能な真の欠陥を有する部品11は、自動装置12からの除去の前に修正するか、または、部品の複数の修正可能な真の欠陥それぞれに対する指示とともに、個々の修正ステーションに渡すことができる。偽の欠陥の位置は、修正可能な真の欠陥のみが修正ステーションにおいて考慮される必要があるように廃棄される。
【0024】
本発明の実施の形態によれば、検証装置22は、検証および修正ロケーション18において修正を行うことができるように構成される。したがって、本発明の実施の形態によれば、検証装置22は、オペレータが部品11にアクセスして欠陥修正を行うと同時に、部品11の修正部分の画像23を見ることができるように、部品11から十分な距離に配置される。場合によっては、欠陥修正器24として示す自動機能を設けて、部品11の少なくともいくつかの欠陥を自動的に修正する。修正することができる典型的な欠陥は、画像23に示すプリント回路基板における銅飛散26のような、過剰な銅である。
【0025】
AOI装置20は通常、部品10の検査中に部品10を照射するための、バックライトおよび/またはトップライト装置等の照明および画像取得装置(図示せず)を備えるが、これに限定されない。部品10は、例えば、インコヒーレント光またはコヒーレント光を用いて検査することができる。AOI装置20の使用に適した照明装置の好ましい実施の形態は、1998年6月16日に出願されたPCT/IL98/00285の国内段階出願として2000年12月13日に出願された、「Illuminator for Inspecting Substantially Flat Surfaced」と題する同時係属中の米国特許出願第09/719,728号に記載されており、当該出願の開示は、その全体の参照により本明細書に援用される。
【0026】
AOI装置20はさらに、限定はされないが、少なくとも1つのCCD(電荷結合素子)アレイ等の画像取得装置28を備えていてもよい。図1に見られる実施の形態では、それぞれCCDまたはCMOSベースの撮像装置に連結される3つの並列画像取得装置28が設けられ、部品10が例えば画像装置28を通過して矢印30の方向に搬送されると、部品10のいくつかの画像幅(本例では、それぞれ対応する画像取得装置28に関連する3つを示す)が同時に取得されるようになる。このように、部品10のほぼ全幅の画像を、AOI装置20による部品10の一回の途切れない通過で取得することができる。
【0027】
部品10の種々の特徴部は、種々の強度で照明光を反射することができる。例えば、導体(通常は銅線)は、あまり光沢のない基板よりも高い強度で光を反射する。したがって、特徴部(例えば、導体および基板)は、それらの反射された光の強度により認識することができる。
【0028】
本発明の実施の形態によれば、AOI装置と動作可能に通信するコンピュータ画像プロセッサ21が、部品10の疑わしい欠陥を示す報告を出力することができる。コンピュータ画像プロセッサ21は、例えば、1つまたは複数のコンピュータワークステーションで機能するハードウェア画像処理部品およびソフトウェア画像処理プログラムを含むことができる。
【0029】
本発明の実施の形態において動作するシステムで用るために適応させるAOI装置20の例としては、Orbotech Ltd.(Yavne, Israel)から市販されているInSpire−9000(商標)、SK−75(商標)、およびInFinex(商標)シリーズの自動光学検査システムが挙げられるが、これに限られない。これらのシステムを用いて、複雑な細い線またはボールグリッドアレー(BGA)等の特徴部および構成要素を有するPCB基板を検査することができるが、これに限定はされない。
【0030】
AOI装置20により発見されるもの等、部品11のあり得る欠陥の画像の取得は、限定はされないが、例えば自動焦点ビデオ顕微鏡39等として構成される自動焦点ビデオカメラ等の種々の装置により、欠陥検証および修正ロケーション18において実行することができ、このような装置は、2000年6月15日に出願された「Microscope Inspection System」と題する同時係属中の米国特許出願第09/570,972号に包括的に記載されており、当該出願の開示は、その全体の参照により本明細書に援用される。ビデオ顕微鏡39は、欠陥検証および修正ロケーション18に配置される部品11、例えば電気回路上の部品から、電気回路の修正のための電気回路への物理的なアクセスを可能にする距離だけ離隔させることができる。
【0031】
本発明の実施の形態によれば、欠陥検証装置22の欠陥検証および/または修正機能は、概して、検査ロケーション16におけるAOI装置20による部品10の欠陥の検査と同時に、部品11に対して作動する。したがって、図1に示す実施の形態では、第1のコンベヤ(図示せず)が、第1の支持面(または台、これらの用語は交換可能に用いられる)44上の部品10等の部品を種々のステーション間で搬送するために設けられる。第2の支持面(または台、これらの用語は交換可能に用いられる)46上の部品11等の部品を種々のステーション間で搬送するために、第2のコンベヤ(図示せず)を設けることもできる。第1および第2の支持面と組み合わせた第1および第2の支持コンベヤは、ステーション16および18の一方に部品を選択的に配置するように機能するポジショナーと見なしてもよい。本発明の実施の形態によれば、検査ロケーション16における部品10の検査と、検証および修正ステーション18における部品11の検証とに同時に対応するために、部品10および部品11の各搬送経路は同一ではない。
【0032】
したがって、本発明の実施の形態では、部品10を支持する第1の支持台44は、第1の搬送面で搬送される。部品11を支持する第2の支持台46は、検査ステーション20では第1の搬送面で搬送されるが、検査ステーション20の前後では、第2の支持台46の少なくとも一部は、第1の搬送面とほぼ平行な第2の搬送面にある。
【0033】
次に、本発明の実施の形態による部品の検査、検証、および修正のための統合システムの動作を示す概略側面図である、図2A〜図2Iを参照する。図2A〜図2Iはそれぞれ、シャーシ114と、検査ロケーション116と、欠陥検証および修正ロケーション118と、AOI装置120と、検証装置122と、第1の支持台144と、第2の支持台146とを概略的に示す。第1の支持台144および第2の支持台146はそれぞれ、検査ならびにその後の検証および修正中に検査される部品を支持する。
【0034】
図2Aは、150で示す検査される第1の部品が、支持台144により支持され、AOI装置120による自動光学検査中に矢印160の方向に搬送されている様子が示される。概して、AOI装置が第1の部品150の欠陥を自動光学検査するのに要する時間間隔の間、第2の部品152が検証ロケーション118において第2の支持台146により支持されながら、検証装置122が、矢印162で示すように、疑わしい欠陥の位置に移動するように機能する。検証装置122は、疑わしい欠陥の部分の画像(図示せず)を取得するように機能し、この画像は通常、オペレータに対して表示される。なお、検証ロケーション118における検証機能の性能は任意であることに留意されたい。本発明の幾つかの実施の形態では、検証ロケーション118は、支持台144および146の一方に載荷された部品の検査に用いられる時間間隔の間、他方の支持台から部品を載荷および除荷するためにのみ用いられ、検証および修正機能は行われない。
【0035】
図2Bに見られるように、AOI装置による自動光学検査が完了すると、または検証装置122によって第2の部品152の全ての疑わしい欠陥の部分が検証および/または修正されると、検査されてその欠陥の少なくとも幾つかが検証された第2の部品152は、第2の支持台から除去され(そのため図2Bには示されない)、第3の部品154(図2Cに見られる)が第2の支持台146に載せられる。この時点で自動光学検査されている第1の部品150を支えている第1の支持台144は、検証および修正ロケーション118に向かって矢印162の方向に搬送される。
【0036】
次に、図2Cに見られるように、第1の水平面に位置したままである第1の支持台144は、矢印162の方向に搬送され続ける。この時点で第3の部品154を支えている第2の支持台146は、矢印164に示すように、第1の支持台144の水平面よりも低い位置にある第2の水平面に下降し、検査ロケーション116に向かって矢印166に示す方向に搬送される。
【0037】
図2Dに見られるように、第2の支持台146は、第1の支持台144を通過すると、但し通常は検査ロケーション116に到達する前に、矢印166で示すように、AOI装置120が自動光学検査を行うために必要とする水平面まで持ち上げられる。
【0038】
図2Eおよび図2Fそれぞれに見られるように、第1の支持台144が検証および修正ロケーション118に到達し、かつ第2の支持台146がAOIロケーション116に到達すると、第3の部品154は、AOI装置120によって疑わしい欠陥があるか否かが自動検査され、それとほぼ同時に、第1の部品150の疑わしい欠陥が検証および修正される。
【0039】
図2Gおよび図2Hに見られるように、第1の部品150の選択された疑わしい欠陥の検証および修正が完了すると、第1の部品150は第1の支持台144から除去されて、第4の部品156に置き換えられる(図2H)。次に、第1の支持台144は、矢印170の方向に検査ロケーション116へ搬送される。第3の部品154の自動光学検査が完了すると、第2の支持台146が、矢印172で示すように、第1の支持台144が通過するために第1の支持台144の下の水平面に下降し、検査ロケーション116から離れて矢印174で示す方向に搬送される。
【0040】
サイクルの完了は図2Iに示され、第2の支持台146が、矢印176で示すように、検証ロケーション118において疑わしい欠陥の検証および修正に適した水平面まで上昇する。通常、第3の部品154の疑わしい欠陥の検証および修正とほぼ同時に、第1の支持台144が、検査ロケーション118においてAOI装置120を通過して、矢印170の方向に搬送されて、第4の部品156に疑わしい欠陥があるか否かが検査される。
【0041】
尚、本発明の実施の形態によれば、検査と検証および修正との相対時間間隔は互いに相互依存しており、例えば、検査プロセスの制約に適合するように調整することができる。したがって、本発明の実施の形態によれば、検証および修正は、検査ロケーション116において部品の欠陥を検査するのに要する時間間隔に対して時間依存であってもよい。このような構成では、疑わしい欠陥のうち、AOIを行うのに要する時間間隔中に検証および修正することができるもののみが処理される。検証されていない疑わしい欠陥がAOI完了後に残っている場合、疑わしい欠陥のうち検証されたものと検証されていないものとがある部品は、オフラインの検証および修正ステーションに渡され、そこで、残りの疑わしい欠陥が検証される。この動作モードでは、独立型の検証および修正ステーションにおける処理量(load)が、完全になくすことはできないものの実質的に低減されることが理解される。
【0042】
あるいは、統合システムは、部品の全ての疑わしい欠陥を検証および修正するのに要する時間間隔に依存するように構成してもよい。このような動作モードでは、欠陥を検証および修正して新たな部品を支持台に載せるのに要する時間間隔が、検査ロケーション116において部品の欠陥を検査するのに要する時間間隔よりも長い場合、検査ロケーション116から検証ロケーション120への検査された部品のリターン搬送を遅らせることができる。したがって、この動作モードは、統合システムの動作がAOIにより制約される動作モードよりも低速である可能性があるが、システムにより処理される各部品が検査、検証、および修正されるため、独立型の検証および修正ステーションの必要性がなくなる。
【0043】
次に、図3をさらに参照する。この図は、本発明の実施の形態による部品の自動光学検査、検証、および修正のための統合システムを用いて、プリント回路板を製造する方法を示している。
【0044】
コントローラ280(図1)は、第1のロケーション16および第2のロケーション18、ならびに第1の台44および第2の台46と通信することができ、システムの動作のフローを制御することができる。プロセッサ280は、AOI、検証、および修正のうちどの動作が、部品10の検査、検証、および修正の完了に制約を与えるか、すなわち、システムから除荷された部品の検証および修正を部分的または完全に行うべきかを選択することができる。
【0045】
本発明の実施の形態によれば、電気回路パターンの一部は、プリント回路板基板等の基板上に配置される。通常は、基板はバッチで作製され、バッチの基板それぞれには、電気回路パターンの同じ部分が備えられている。
【0046】
1バッチの基板の各基板は、システム12(図1)等の検査、検証、および修正統合システムに連続的に供給され、当該システムにおいて、基板は検査ロケーションに搬送されて、欠陥であると疑われる異常の有無および各位置を確認するために自動光学検査される。本発明の実施の形態によれば、第1の基板が自動光学検査されている時間の少なくとも一部の間に、新たな基板が統合システムに載荷される。
【0047】
基板の自動光学検査の完了後、自動光学検査された基板は、統合システムにある欠陥検証および修正ロケーションに搬送され、そこで、その疑わしい欠陥が真の欠陥であると検証されるか、または偽の欠陥であると判断され、修正可能な真の欠陥は修正される。本発明の実施の形態によれば、検査された基板の疑わしい欠陥の検証および修正は、新たな基板の検査とほぼ同時に行われる。
【0048】
疑わしい欠陥の少なくとも幾つかが検証も修正もされていない場合、基板は独立型の検証および修正ステーション、例えば、Orbotech Ltd.(Yavne, Israel)から入手可能なVRS−4検証ステーションに渡され、そこで、基板の疑わしい欠陥が最終的に検証され、必要であれば修正される。修正不可能な欠陥を有する基板は廃棄される。従来の検査、検証、および修正方法と比較して、独立型の検証および修正ステーションに到達する欠陥の量が著しく低減されることが理解される。
【0049】
疑わしい欠陥が全て検証および修正されると、基板は統合システムから取り出される。疑わしい欠陥が全て検証および修正されている場合、その基板を他の基板と組み合わせることができ、はんだマスクの塗布等のさらなるプリント回路基板処理ステップを行って、完全なプリント回路板を製造することができる。
【0050】
本発明が特に図示および本明細書中で上述したものに限定されないことは、当業者には理解されるであろう。むしろ、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ定義される。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の実施の形態により構成され動作する、部品の自動光学検査、検証、および修正のためのシステムの概略図。
【図2A】図1のシステムの動作を示す概略ブロック図。
【図2B】図1のシステムの動作を示す概略ブロック図。
【図2C】図1のシステムの動作を示す概略ブロック図。
【図2D】図1のシステムの動作を示す概略ブロック図。
【図2E】図1のシステムの動作を示す概略ブロック図。
【図2F】図1のシステムの動作を示す概略ブロック図。
【図2G】図1のシステムの動作を示す概略ブロック図。
【図2H】図1のシステムの動作を示す概略ブロック図。
【図2I】図1のシステムの動作を示す概略ブロック図。
【図3】本発明の実施の形態によるプリント回路基板を製造する方法の概略フローチャート。
【符号の説明】
【0052】
10、11 部品
12 システム
12 自動装置
16 検査ステーション
18 検証および修正ステーション
20 AOI装置
21 コンピュータ画像プロセッサ
22 検証装置
22 欠陥検証装置
23 画像
24 欠陥修正器
28 画像取得装置
39 ビデオ顕微鏡
44 第1の支持台
46 第2の支持台
114 シャーシ
116 検査ロケーション
118 検証および修正ロケーション
120 AOI装置
122 検証装置
144 第1の支持台
146 第2の支持台
150、152、154、156 部品
280 コントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品の欠陥の自動光学検査(AOI)、検証、および修正のための統合自動装置と、
前記部品に対してAOI、検証、および修正のいずれを行うかを選択するように作動するコントローラと、を備えることを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記統合自動装置は、AOI装置を備える第1のロケーションと、前記部品の欠陥の検証および修正の少なくとも一方を行うように作動する装置を備える第2のロケーションとを備えることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1のステーションと前記第2のステーションとの間で部品を搬送するコンベヤを更に備えることを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記AOI、検証、および修正統合装置は、第1の部品に対してAOIを行うのとほぼ同時に、第2の部品に対して検証および修正の一方を行うように作動することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
第1の部品の疑わしい欠陥の検証および修正を行う時間間隔が、第2の部品に対してAOIを行うのに要する時間により制約されることを特徴とする請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記システムから取り出された、検証されていない疑わしい欠陥を含む部品は、独立型の検証および修正ステーションに供給され、前記検証および修正ステーションは、前記検証されていない疑わしい欠陥に対して検証および修正機能を提供するように作動することを特徴とする請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記システムから取り出された、修正されていない疑わしい欠陥を含む部品は、独立型の検証および修正ステーションに供給され、前記検証および修正ステーションは、前記修正されていない疑わしい欠陥に対して検証および修正機能を提供するように作動することを特徴とする請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
基板上に電気回路の一部を形成する工程と、
前記基板の欠陥の自動光学検査(AOI)、検証、および修正のための統合自動装置を設ける工程と、
前記基板に対してAOI、検証、および修正のいずれを行うかを選択する工程と、を備えることを特徴とするプリント回路基板を製造する方法。
【請求項9】
前記統合自動装置の検査ロケーションにおいて、前記基板に対してAOIを行う工程と、
AOI中に発見されたいくつかの疑わしい欠陥を、前記統合自動装置において検証する工程と、をさらに備えることを特徴とする請求項8に記載のプリント回路基板を製造する方法。
【請求項10】
AOI中に発見されたいくつかの欠陥を、前記統合自動装置において修正する工程を更に備えることを特徴とする請求項9に記載のプリント回路基板を製造する方法。
【請求項11】
検証されたいくつかの真の欠陥を、前記統合自動装置において修正する工程を更に備えることを特徴とする請求項9に記載のプリント回路基板を製造する方法。
【請求項12】
検査ロケーションにおいて前記基板に対してAOIを行う工程と、
AOI中に発見されたいくつかの欠陥を修正する工程と、を更に備えることを特徴とする請求項8に記載のプリント回路基板を製造する方法。
【請求項13】
前記基板に対して少なくともAOIおよび修正を行った後に、別の製造ステップを行う工程を更に備えることを特徴とする請求項8に記載のプリント回路基板を製造する方法。
【請求項14】
前記統合システムにおいて、第1の基板に対してAOIを行う工程と、
ほぼ同時に、前記統合システムにおいて、第2の基板の検証および修正の少なくとも一方を行うこと工程と、をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載のプリント回路基板を製造する方法。
【請求項15】
検査ロケーションと欠陥検証および修正ロケーションとを規定するシャーシと、
電気回路を最初に前記検査ロケーションに、その後前記欠陥検証および修正ロケーションに、自動的に配置するように作動する電気回路ポジショナーと、を備えることを特徴とする電気回路のための検査、欠陥検証、および修正統合システム。
【請求項16】
前記検査ロケーションにある光学検査組立品と、前記欠陥検証および修正ロケーションにあるビデオカメラと、を更に備えることを特徴とする請求項15に記載の電気回路のための検査、欠陥検証、および修正統合システム。
【請求項17】
前記ビデオカメラはビデオ顕微鏡を備えることを特徴とする請求項16に記載の電気回路のための検査、欠陥検証、および修正統合システム。
【請求項18】
前記ビデオ顕微鏡は、前記欠陥検証および修正ロケーションにある電気回路から、前記電気回路の修正のための該電気回路への物理的なアクセスを可能にする距離だけ離隔することを特徴とする請求項17に記載の電気回路のための検査、欠陥検証、および修正統合システム。
【請求項19】
前記電気回路ポジショナーは、少なくとも第1の電気回路支持体および第2の電気回路支持体を備え、前記第2の電気回路支持体が前記欠陥検証および修正ロケーションに配置されている間に前記第1の電気回路支持体を前記検査ロケーションに配置し、その後、前記第1の電気回路支持体が前記検証および修正ロケーションに配置されている間に前記第2の電気回路支持体を前記検査ロケーションに配置するように作動することを特徴とする請求項15に記載の電気回路のための検査、欠陥検証、および修正統合システム。
【請求項20】
前記光学検査組立品は静止しており、前記光学検査組立品に対して電気回路が相対的に搬送される時に前記電気回路を検査するように作動し、前記ビデオカメラは可動であり、電気回路が前記欠陥検証および修正位置に静止している時に前記電気回路を検証するように作動可能であることを特徴とする請求項16に記載の電気回路のための検査、欠陥検証、および修正統合システム。
【請求項21】
検査ロケーションと欠陥検証ロケーションとを規定するシャーシと、
電気回路を最初に前記検査ロケーションに、その後前記欠陥検証ロケーションに、自動的に配置するように作動する電気回路ポジショナーと、
前記検査ロケーションにある光学検査組立品および前記欠陥検証ロケーションにある欠陥検証組立品と、
少なくとも2つの異なる動作モードで時間内に選択可能に調整するために、前記光学検査組立品および前記欠陥検証組立品の動作を可能にするように作動する動作モードセレクタと、を備え、
前記動作モードセレクタは、前記光学検査組立品の動作に要する時間は、前記欠陥検証組立品の動作の最大継続時間を決定する第1のモードと、前記欠陥検証組立体の動作に要する時間は、前記欠陥検証組立体の動作の最大継続時間を決定する第2のモードとを備えることを特徴とする電気回路のための検査および欠陥検証統合システム。
【請求項22】
照明および画像取得サブシステムと、
第1の時間間隔中に、検査される第1の部品を支持するとともに、前記第1の部品の画像を取得するために、前記第1の部品を途切れない一回の搬送で前記画像取得サブシステムを通過するように作動する第1の支持面と、
前記第1の時間間隔中に、検査される第2の部品を前記画像取得サブシステムから離れた位置で受け取るように作動する第2の支持面と、を備えることを特徴とする電気回路の自動光学検査のためのシステム。
【請求項23】
前記第2の面は、第2の時間間隔中に、前記第2の部品を支持するとともに、前記第2の部品の画像を取得するために、前記第2の部品を途切れない一回の搬送で前記画像取得サブシステムを通過するよう作動し、
前記第1の支持面は、前記第2の時間間隔中に、前記第1の部品を前記第1の支持面から取り出すことを可能にするとともに、検査される第3の部品を前記画像取得サブシステムから離れた位置で受け取るように作動することを特徴とする請求項22に記載の電気回路の自動光学検査のためのシステム。
【請求項24】
前記第1の支持面および前記第2の支持面は、ほぼ搬送軸に沿って搬送され、
前記照明および画像取得サブシステムは、前記搬送軸に対してほぼ垂直に延びる軸に沿って配置されることを特徴とする請求項23に記載の電気回路の自動光学検査のためのシステム。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図2F】
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【図2G】
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【図2H】
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【図2I】
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【図3】
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【公表番号】特表2006−515112(P2006−515112A)
【公表日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−563547(P2004−563547)
【出願日】平成15年12月21日(2003.12.21)
【国際出願番号】PCT/IL2003/001095
【国際公開番号】WO2004/059567
【国際公開日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【出願人】(503457301)オーボテック リミテッド (12)
【Fターム(参考)】