自動原稿給送装置及びその制御方法、画像読取装置及びその制御方法
【課題】本発明は、原稿台上の原稿束を一度に読み取った複数のデータ情報から搬送中の原稿に対応するデータ情報を取り出して、当該データ情報に基づいて搬送中の原稿の搬送制御又は画像読取制御を適正に行うことができる画像読取装置を提供する。
【解決手段】原稿トレイ20に原稿束Sが載置された状態で、RFIDリーダ30,31が原稿束Sの各原稿のRFIDタグ90,91から一度に読み取ったデータ情報をRAM802の記憶領域Maに保持する。原稿の搬送開始後に、RFIDリーダ30,31が一度に読み取ったデータ情報をRAM802の記憶領域Mbに保持する。記憶領域Maに保持されたデータ情報と記憶領域Mbに保持されたデータ情報とを比較し、搬送が開始された原稿のデータ情報を特定する。特定されたデータ情報に基づいて、搬送が開始された原稿の搬送制御及び/又は画像読取制御を行う。
【解決手段】原稿トレイ20に原稿束Sが載置された状態で、RFIDリーダ30,31が原稿束Sの各原稿のRFIDタグ90,91から一度に読み取ったデータ情報をRAM802の記憶領域Maに保持する。原稿の搬送開始後に、RFIDリーダ30,31が一度に読み取ったデータ情報をRAM802の記憶領域Mbに保持する。記憶領域Maに保持されたデータ情報と記憶領域Mbに保持されたデータ情報とを比較し、搬送が開始された原稿のデータ情報を特定する。特定されたデータ情報に基づいて、搬送が開始された原稿の搬送制御及び/又は画像読取制御を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿台に載置された原稿束を1枚ずつ給送する自動原稿給送装置及びその制御方法、並びに該自動原稿給送装置により搬送された原稿の画像を読み取る画像読取装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像読取装置にRFID(Radio Frequancy IDentification)リーダを配置し、原稿に付加されたRFIDタグからデータ情報を読み取り、読み取った原稿画像に処理を加える画像処理システムが提案されている(特許文献1参照)。この画像処理システムでは、原稿に付加されたRFIDタグからデータ情報を読み取る方法として、(1)原稿が原稿台に載置されたときに一度に読み取る、(2)原稿がレジストローラ通過後で画像読取直前に1枚毎に読み取るという2つの方法が開示されている。
【特許文献1】特開2004−086708号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記(1)では、原稿束の各原稿と読み取ったデータ情報との関連付けが難しい。また、上記(2)では、データ情報の読み取りタイミングが遅くなる。そのため、RFIDタグに保持されているデータ情報の利用が画像読み取り時の制御に限定され、その他の制御、例えば、原稿搬送に関連する制御に利用ができないという問題がある。
【0004】
また、RFIDの特性として、各原稿上の同じ位置にRFIDタグが貼付された原稿束であってRFIDタグが重なって配置されると、RFIDリーダによる各RFIDタグの読み取りが困難になるという問題がある。
【0005】
本発明は、上記問題に鑑みて成され、原稿台上の原稿から一度に読み取った複数のデータ情報の中から搬送を開始した原稿に対応するデータ情報を取り出すことができる自動原稿給送装置、画像読取装置、及びそれらの制御方法を提供することを目的とする。
【0006】
また、本発明は、取り出したデータ情報に基づいて搬送中の原稿の搬送制御又は画像読取制御を適正に行うことができる自動原稿給送装置、画像読取装置、及びそれらの制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1記載の自動原稿給送装置は、原稿が載置される原稿台と、前記原稿台に載置された原稿を1枚ずつ搬送する原稿搬送手段と、原稿に埋め込まれた情報記録媒体からデータ情報の読み取りを行うデータ情報読取手段と、前記データ情報を記憶する記憶手段とを備える自動原稿給送装置において、
前記原稿台に原稿が載置された状態で、前記データ情報読取手段が一度に読み取ったデータ情報を前記記憶手段の第1の記憶領域に保持する第1のデータ情報保持手段と、前記原稿搬送手段による原稿の搬送開始後に、前記データ情報読取手段が一度に読み取ったデータ情報を前記記憶手段の第2の記憶領域に保持する第2のデータ情報保持手段と、前記第1の記憶領域に保持されたデータ情報と前記第2の記憶領域に保持されたデータ情報とを比較するデータ情報比較手段と、前記データ情報比較手段による比較結果から、搬送が開始された原稿のデータ情報を特定するデータ情報特定手段と、前記特定されたデータ情報に基づいて、搬送が開始された原稿の搬送制御を行う制御手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
上記目的を達成するために、請求項4記載の自動原稿給送装置は、原稿が載置される原稿台と、前記原稿台に載置された原稿を1枚ずつ搬送する原稿搬送手段と、原稿に埋め込まれた情報記録媒体からデータ情報の読み取りを行う複数のデータ情報読取手段と、前記複数のデータ情報を記憶する記憶手段とを備える自動原稿給送装置において、前記原稿台に原稿が載置された状態で、前記複数のデータ情報読取手段が一度に読み取った複数のデータ情報を前記記憶手段の第1の記憶領域にそれぞれ保持する第1のデータ情報保持手段と、前記原稿搬送手段による原稿の搬送開始後に、前記複数のデータ情報読取手段が一度に読み取った複数のデータ情報を前記記憶手段の第2の記憶領域にそれぞれ保持する第2のデータ情報保持手段と、前記第1の記憶領域に保持された複数のデータ情報と前記第2の記憶領域に保持された複数のデータ情報とを比較するデータ情報比較手段と、前記データ情報比較手段による比較結果から、搬送が開始された原稿のデータ情報を特定するデータ情報特定手段と、前記特定されたデータ情報に基づいて、搬送が開始された原稿の搬送制御を行う制御手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
上記目的を達成するために、請求項8記載の画像読取装置は、原稿が載置される原稿台と、前記原稿台に載置された原稿を1枚ずつ搬送する原稿搬送手段と、原稿に埋め込まれた情報記録媒体からデータ情報の読み取りを行うデータ情報読取手段と、前記データ情報を記憶する記憶手段と、搬送中の原稿の画像を読み取る画像読取手段とを備える画像読取装置において、前記原稿台に原稿が載置された状態で、前記データ情報読取手段が一度に読み取ったデータ情報を前記記憶手段の第1の記憶領域に保持する第1のデータ情報保持手段と、前記原稿搬送手段による原稿の搬送開始後に、前記データ情報読取手段が一度に読み取ったデータ情報を前記記憶手段の第2の記憶領域に保持する第2のデータ情報保持手段と、前記第1の記憶領域に保持されたデータ情報と前記第2の記憶領域に保持されたデータ情報とを比較するデータ情報比較手段と、前記データ情報比較手段による比較結果から、搬送が開始された原稿のデータ情報を特定するデータ情報特定手段と、前記特定されたデータ情報に基づいて、搬送が開始された原稿の搬送制御及び画像読取制御を行う制御手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
上記目的を達成するために、請求項9記載の画像読取装置は、原稿が載置される原稿台と、前記原稿台に載置された原稿を1枚ずつ搬送する原稿搬送手段と、原稿に埋め込まれた情報記録媒体からデータ情報の読み取りを行う複数のデータ情報読取手段と、前記複数のデータ情報を記憶する記憶手段と、搬送中の原稿の画像を読み取る画像読取手段とを備える画像読取装置において、前記原稿台に原稿が載置された状態で、前記複数のデータ情報読取手段が一度に読み取った複数のデータ情報を前記記憶手段の第1の記憶領域にそれぞれ保持する第1のデータ情報保持手段と、前記原稿搬送手段による原稿の搬送開始後に、前記複数のデータ情報読取手段が一度に読み取った複数のデータ情報を前記記憶手段の第2の記憶領域にそれぞれ保持する第2のデータ情報保持手段と、前記第1の記憶領域に保持された複数のデータ情報と前記第2の記憶領域に保持された複数のデータ情報とを比較するデータ情報比較手段と、前記データ情報比較手段による比較結果から、搬送が開始された原稿のデータ情報を特定するデータ情報特定手段と、前記特定されたデータ情報に基づいて、搬送が開始された原稿の搬送制御及び画像読取制御を行う制御手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
上記目的を達成するために、請求項10記載の自動原稿給送装置の制御方法は、原稿が載置される原稿台と、前記原稿台に載置された原稿を1枚ずつ搬送する原稿搬送手段と、原稿に埋め込まれた情報記録媒体からデータ情報の読み取りを行うデータ情報読取手段と、前記データ情報を記憶する記憶手段とを備える自動原稿給送装置の制御方法において、前記原稿台に原稿が載置された状態で、前記データ情報読取手段が一度に読み取ったデータ情報を前記記憶手段の第1の記憶領域に保持する第1のデータ情報保持工程と、前記原稿搬送手段による原稿の搬送開始後に、前記データ情報読取手段が一度に読み取ったデータ情報を前記記憶手段の第2の記憶領域に保持する第2のデータ情報保持工程と、前記第1の記憶領域に保持されたデータ情報と前記第2の記憶領域に保持されたデータ情報とを比較するデータ情報比較工程と、前記データ情報比較工程における比較結果から、搬送が開始された原稿のデータ情報を特定するデータ情報特定工程と、前記特定されたデータ情報に基づいて、搬送が開始された原稿の搬送制御を行う制御工程とを備えることを特徴とする。
【0012】
上記目的を達成するために、請求項11記載の自動原稿給送装置の制御方法は、原稿が載置される原稿台と、前記原稿台に載置された原稿を1枚ずつ搬送する原稿搬送手段と、原稿に埋め込まれた情報記録媒体からデータ情報の読み取りを行う複数のデータ情報読取手段と、前記複数のデータ情報を記憶する記憶手段とを備える自動原稿給送装置の制御方法において、前記原稿台に原稿が載置された状態で、前記複数のデータ情報読取手段が一度に読み取った複数のデータ情報を前記記憶手段の第1の記憶領域にそれぞれ保持する第1のデータ情報保持工程と、前記原稿搬送手段による原稿の搬送開始後に、前記複数のデータ情報読取手段が一度に読み取った複数のデータ情報を前記記憶手段の第2の記憶領域にそれぞれ保持する第2のデータ情報保持工程と、前記第1の記憶領域に保持された複数のデータ情報と前記第2の記憶領域に保持された複数のデータ情報とを比較するデータ情報比較工程と、前記データ情報比較工程における比較結果から、搬送が開始された原稿のデータ情報を特定するデータ情報特定工程と、前記特定されたデータ情報に基づいて、搬送が開始された原稿の搬送制御を行う制御工程とを備えることを特徴とする。
【0013】
上記目的を達成するために、請求項12記載の画像読取装置の制御方法は、原稿が載置される原稿台と、前記原稿台に載置された原稿を1枚ずつ搬送する原稿搬送手段と、原稿に埋め込まれた情報記録媒体からデータ情報の読み取りを行うデータ情報読取手段と、前記データ情報を記憶する記憶手段と、搬送中の原稿の画像を読み取る画像読取手段とを備える画像読取装置の制御方法において、前記原稿台に原稿が載置された状態で、前記データ情報読取手段が一度に読み取ったデータ情報を前記記憶手段の第1の記憶領域に保持する第1のデータ情報保持工程と、前記原稿搬送手段による原稿の搬送開始後に、前記データ情報読取手段が一度に読み取ったデータ情報を前記記憶手段の第2の記憶領域に保持する第2のデータ情報保持工程と、前記第1の記憶領域に保持されたデータ情報と前記第2の記憶領域に保持されたデータ情報とを比較するデータ情報比較工程と、前記データ情報比較工程における比較結果から、搬送が開始された原稿のデータ情報を特定するデータ情報特定工程と、前記特定されたデータ情報に基づいて、搬送が開始された原稿の搬送制御及び画像読取制御を行う制御工程とを備えることを特徴とする。
【0014】
上記目的を達成するために、請求項13記載の画像読取装置の制御方法は、原稿が載置される原稿台と、前記原稿台に載置された原稿を1枚ずつ搬送する原稿搬送手段と、原稿に埋め込まれた情報記録媒体からデータ情報の読み取りを行う複数のデータ情報読取手段と、前記複数のデータ情報を記憶する記憶手段と、搬送中の原稿の画像を読み取る画像読取手段とを備える画像読取装置の制御方法において、前記原稿台に原稿が載置された状態で、前記複数のデータ情報読取手段が一度に読み取った複数のデータ情報を前記記憶手段の第1の記憶領域にそれぞれ保持する第1のデータ情報保持工程と、前記原稿搬送手段による原稿の搬送開始後に、前記複数のデータ情報読取手段が一度に読み取った複数のデータ情報を前記記憶手段の第2の記憶領域にそれぞれ保持する第2のデータ情報保持工程と、前記第1の記憶領域に保持された複数のデータ情報と前記第2の記憶領域に保持された複数のデータ情報とを比較するデータ情報比較工程と、前記データ情報比較工程における比較結果から、搬送が開始された原稿のデータ情報を特定するデータ情報特定工程と、前記特定されたデータ情報に基づいて、搬送が開始された原稿の搬送制御及び画像読取制御を行う制御工程とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、原稿台に原稿が載置された状態で、データ情報読取手段が一度に読み取ったデータ情報を記憶手段の第1の記憶領域に保持する。次に、原稿搬送手段による原稿の搬送開始後に、データ情報読取手段が一度に読み取ったデータ情報を記憶手段の第2の記憶領域に保持する。そして、第1の記憶領域に保持されたデータ情報と第2の記憶領域に保持されたデータ情報とを比較し、その比較結果から、搬送が開始された原稿のデータ情報を特定する。そして、特定されたデータ情報に基づいて、搬送が開始された原稿の搬送制御又は画像読取制御を行う。これにより、原稿台上の原稿から一度に読み取った複数のデータ情報の中から搬送を開始した原稿に対応するデータ情報を取り出すことができ、当該データ情報に基づいて搬送中の原稿の搬送制御又は画像読取制御を適正に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る画像読取装置の概略構成を示す縦断面図である。
【0018】
図1において、本画像読取装置は、自動原稿給送装置(Auto Document Feeder、以下「ADF」という)100と、画像読取機能を備えるリーダ部200とで構成される。
【0019】
ADF100は、原稿束Sが載置される原稿トレイ20を備える。原稿トレイ20上には、載置された原稿束Sの特定以上の長さを有する原稿の原稿サイズ(長さ)を検知する原稿検知センサ15が配置されている。原稿トレイ20内には、原稿束Sの各原稿に付加されたRFID(Radio Frequancy IDentification)タグからデータ情報を読み取ることが可能な2つのRFIDリーダ30,31が配置されている。
【0020】
ADF100は、原稿の載置有無を検知する原稿有無検知センサ14と、原稿を装置内へ給送するためのピックアップローラ1と、原稿を1枚ずつ分離する分離部2と、原稿が1枚ずつ分離されたか否かを検知する分離センサ10とを備える。また、ADF100は、第1レジストローラ3と、第2レジストローラ4と、第1搬送ローラ5と、第2搬送ローラ6と、大ローラ7と、排紙ローラ8と、レジストセンサ11と、リードセンサ12と、排紙センサ13と、排紙トレイ21とを備える。
【0021】
原稿トレイ20上に表面を上に向けて原稿束Sが載置され、原稿読み取りが開始されると、ピックアップローラ1により原稿束Sの最上位の原稿が分離部2へ繰り出される。分離部2は、上方に分離ローラが、下方に分離パッドが配置されており、原稿束Sの最上位の原稿より1枚ずつ分離を行う。
【0022】
片面原稿の表面の画像を読み取る場合、まず分離部2で分離された原稿がレジストセンサ11により検知される。すると、第1レジストローラ3でレジループを形成し斜行補正を実施するために、レジストセンサ11の位置を基準としてレジループ形成して停止するタイミング取りを実施する。こうして原稿が第1レジストローラ3で斜行補正された後に、第1レジストローラ3から第2レジストローラ4へ搬送される。原稿は、大ローラ7を駆動源とし、第2レジストローラ4と大ローラ7及び第2搬送ローラ6と大ローラ7とでそれぞれ原稿を挟むようにして搬送される。そして、リードセンサ12により原稿先端が検出されると、リードセンサ12の位置基準で読み取り位置Rのタイミング取りが実施される。第1搬送ローラ5により搬送される原稿が読取位置Rを搬送されている間に表面の画像が読み取られる。その後、原稿は、第2搬送ローラ6から排紙ローラ8に搬送され、排紙ローラ8により排紙トレイ21上に原稿表面を下に向けて順番に排出される。最終原稿については、最終原稿の排紙終了により排紙ローラ8を停止させるため、排紙センサ13がOFFすることで、原稿後端が排紙センサ13を抜けたことが検知される。すると、排紙センサ13のOFF検知のタイミングを基準として、原稿が排紙ローラ8を抜けるまでの所定量搬送されるタイミング取りが実施され、原稿が所定量搬送された後に排紙ローラ8が停止する。
【0023】
一方、両面原稿の表裏両面の画像を読み取る場合、分離部2で分離された原稿が第1レジストローラ3で斜行補正された後に、第2レジストローラ4から第1搬送ローラ5へ搬送される。そして、第1搬送ローラ5により搬送される原稿が読取位置Rを搬送されている間に表面の画像が読み取られる。
【0024】
さらに、原稿は第2搬送ローラ6から排紙ローラ8に搬送される。そして、排紙センサ13がOFFしてから排紙センサ13のOFF検知のタイミングを基準として、原稿が所定量搬送された位置で原稿後端部が排紙ローラ8にニップされた状態で原稿の搬送が停止される。その後、原稿はスイッチバック搬送され、第2レジストローラ4で再度斜行補正された後に、第1搬送ローラ5及び第2搬送ローラ6により搬送され、読取位置Rを再度搬送されている間に裏面の画像が読み取られる。その後、このまま第2搬送ローラ6から排紙ローラ8により排紙トレイ21上に原稿表面を上に向けて原稿が排出されると、原稿トレイ20上に載置された面順と異なってしまう。
【0025】
そこで、裏面を読み取られた原稿は、第2搬送ローラ6及び排紙ローラ8により排紙トレイ21上に搬送され、原稿後端側が排紙ローラ8にニップされた状態で原稿の搬送が停止される。その後、原稿はスイッチバック搬送され、第2レジストローラ4、第1搬送ローラ5、及び第2搬送ローラ6により搬送された後に、排紙ローラ8により排紙トレイ21上に表面を下に向けて順番に排出される。この間は、原稿が読取位置Rを搬送されている間であっても原稿画像の読み取りは行われない。
【0026】
リーダ部200は、原稿上に記録された画像情報を光学的に読み取り、光電変換して画像データとして入力するものである。リーダ部200は、ADF用プラテンガラス201と、ブック用プラテンガラス202と、スキャナユニット209と、ミラー205,206と、レンズ207と、CCDセンサ208と、不図示の制御部とを備える。スキャナユニット209は、ランプ203とミラー204とを備える。
【0027】
リーダ部200は、ADF100により搬送される原稿の画像を読み取る場合、スキャナユニット209をADF用プラテンガラス201の下に移動して停止させ、原稿が読取位置R上を搬送されている間に原稿上の画像情報を読み取る。
【0028】
また、リーダ部200は、ブック用プラテンガラス202上に載置された原稿の画像を読み取る場合、スキャナユニット209を図示しない基準位置から副走査方向に移動させ、画像情報を読み取る。ブック読み取り時に使用する図示しない基準位置とは、原稿を載置する際に図示しない突き当て指標位置に突き当てるようにして原稿載置するが、この突き当て位置のことであり、副走査方向の画像読み取り時の画像先端位置として使用される。
【0029】
原稿上の画像情報が読み取られる際には、ランプ203が点灯して原稿を照射する。原稿の反射光は、ミラー204,205,206及びレンズ207を介してCCDセンサ208に入力される。そして、CCDセンサ208に入力された原稿の反射光は、光電変換等の電気処理が行われ、通常のデジタル処理が施される。
【0030】
図2は、図1におけるADF100の制御部の概略構成を示すブロック図である。
【0031】
図2において、制御部は、中央演算処理装置(Central Processing Unit、以下「CPU」という)800と、ROM(Read Only Memory)801と、RAM(Random Access Memory)802と、入力ポート803と、出力ポート804を備える。
【0032】
ROM801には、制御用プログラムが格納されている。RAM802には、入力データや作業用データが格納されている。入力ポート803には、分離センサ10、レジストセンサ11、リードセンサ12、排紙センサ13、原稿有無検知センサ14、原稿長検知センサ15、原稿幅検知センサ810、及びRFIDリーダ30,31がそれぞれ接続されている。出力ポート804には、分離モータM1、給紙モータM2、排紙モータM3、離間ソレノイドSL、及び給紙クラッチCLが接続されている。
【0033】
CPU800は、バスを介して接続されたROM801に格納された制御プログラムを実行して分離モータM1、給紙モータM2、排紙モータM3、離間ソレノイドSL、給紙クラッチCLを制御する。CPU800は、図示しないリーダ部200の中央演算処理装置(CPU)とシリアル通信を行い、リーダ部200との間で制御データの授受を行うようになっている。
【0034】
次に、ADF100を利用した原稿画像の読取処理の流れを図3〜図9を参照して説明する。
【0035】
図3は、ADF100を利用した画像読取処理の流れを示すフローチャートである。
【0036】
画像読取装置は、ADF100の原稿トレイ20上に原稿が載置されたか否か又は画像形成装置本体の操作部(不図示)のスタートキーが押下されたか否かを繰り返し判定しつつ待機状態となっている(ステップS200)。原稿が原稿トレイ20上に載置されたか否かの判定は、原稿有無検知センサ14による原稿の検出結果に基づいてCPU800により判定される。
【0037】
原稿が原稿トレイ20に載置され且つスタートキーが押下された場合は、ADF100は動作を開始し(ステップS200でYES)、片面原稿モードが選択されているか否かを判別する(ステップS201)。
【0038】
片面モードが選択された場合(ステップS201でYES)、画像読取装置は、ADF100による原稿の分離動作処理(ステップS202)、給紙動作処理(ステップS203)を行い、原稿読み取り開始前に原稿サイズを判別する。原稿サイズの判別は、原稿トレイ20上での規制ガイド板(不図示)の幅情報と給紙動作完了時点での分離センサ10の検出結果により判別される。そして、画像読取装置は、読取動作処理(ステップS204)、排紙動作処理(ステップS205)を行い、排紙トレイ21へと原稿を順次排出する。
【0039】
一方、両面モードが選択された場合(ステップS201でNO)、異幅混載であるか否かの判別が行われる。通常の両面モードの場合、画像読取装置は、ADF100による原稿の分離動作処理(ステップS206)、給紙動作処理(ステップS207)を行い、片面モード時と同様に原稿サイズを判別する。
【0040】
そして、画像読取装置は、原稿表面の画像の読取動作処理(ステップS208)を行い、反転動作処理(ステップS209)、原稿裏面の画像の読取動作処理(ステップS210)を行う。さらに、画像読取装置は、反転動作処理(ステップS211)、空送り動作(ステップS212)、排紙動作処理(ステップS213)を行い、排紙トレイ21へと原稿を排出する。
【0041】
次に、図3の処理における分離動作処理の詳細を図4を用いて説明する。
【0042】
図4は、図3の処理における分離動作処理の詳細を示すフローチャートである。
【0043】
原稿有無検知センサ14が原稿トレイ20上に載置された原稿を検知すると、CPU800は分離モータM1を正転駆動(ON)すると同時に給紙クラッチCLをONする(ステップS301)。そして、CPU800は、ピックアップローラ1を上下動させるピックアップアーム(不図示)を駆動し、原稿トレイ20上の原稿束Sの最上位の原稿にピックアップローラ1が接するまでピックアップローラ1を降下させる。同時に、CPU800はピックアップローラ1と分離部2の分離ローラを給紙方向に駆動し、最上位の原稿のみが分離部2から搬送パスへと分離搬送される。
【0044】
次に、分離された原稿の先端が分離センサ10に達して分離センサ10が原稿先端を検知(分離センサON)すると(ステップS302でYES)、CPU800は原稿トレイ20上の原稿束Sから1枚の原稿が分離されたことを認識する。
【0045】
次に、原稿の先端がレジストセンサ11に達してレジストセンサ11が原稿先端を検知(レジストセンサON)すると(ステップS303でYES)、原稿が所定量搬送される(ステップS304)。次に、原稿が所定量搬送されたときは(ステップS305でYES)、CPU800は分離モータM1を停止(OFF)して(ステップS306)、本処理を終了する。このとき、第1レジストローラ3は駆動停止しており、分離された原稿の先端が第1レジストローラ3にループ形成された状態で突き当てられ、原稿の斜行が補正される。
【0046】
次に、図3の処理における給紙動作処理の詳細を図5を用いて説明する。
【0047】
図5は、図3の処理における給紙動作処理の詳細を示すフローチャートである。
【0048】
給紙動作には、分離パスからの給紙動作と反転パスからの給紙動作がある。分離パスからの給紙動作の場合、CPU800は、分離モータM1を分離動作時に対して逆転駆動(ON)する(ステップS402)。次に、CPU800は、第1レジストローラ3を駆動すると共に、給紙モータM2を起動(ON)し(ステップS403)、第2レジストローラ4と第1搬送ローラ5と第2搬送ローラ6が駆動される。一方、反転パスからの給紙動作の場合、CPU800は給紙モータM2のみを起動する。
【0049】
第2レジストローラ4の上流で停止している原稿は、給紙モータM2によって駆動される第2レジストローラ4へと搬送される。そして、搬送される原稿の先端がリードセンサ12に達したことをリードセンサ12が検知(リードセンサON)すると(ステップS404でYES)、原稿が所定量搬送される(ステップS405)。
【0050】
次に、原稿が所定量搬送されたときは(ステップS406でYES)、CPU800は給紙モータM2を停止(OFF)し(ステップS407)、原稿先端を読み取り位置Rより上流に停止させる。このとき、分離パスからの給紙動作であった場合、CPU800は分離モータM1も停止する。
【0051】
次に、図3の処理における読取動作処理の詳細を図6を用いて説明する。
【0052】
図6は、図3の処理における読取動作処理の詳細を示すフローチャートである。
【0053】
まず、CPU800は給紙モータM2を駆動(ON)して、第2レジストローラ4と第1搬送ローラ5と第2搬送ローラ6が駆動される(ステップS501)。次に、読取位置Rの上流で停止している原稿が読取位置Rまで搬送され(ステップS502)、原稿先端が読取位置Rに到達したときは(ステップS503でYES)、リーダ部200による原稿の画像読取が開始される(ステップS504)。画像読取の開始は、ADF100からリーダ部200に対して読取開始を通知することで、リーダ部200が画像読み取りを開始する。
【0054】
次に、原稿の先端が排紙センサ13に到達して排紙センサ13が原稿先端を検知(排紙センサON)したときは(ステップS505でYES)、CPU800は排紙モータM3を駆動開始(正転ON)する(ステップS506)。
【0055】
次に、原稿が所定量搬送された後(ステップS507)、原稿有無検知センサ14が原稿トレイ20上に載置された原稿を検知したときは(ステップS508、ステップS509でYES)、CPU800は次原稿の分離開始を許可する(ステップS510)。実際に分離が開始されるタイミングは、原稿サイズ及び原稿搬送速度(読み取り速度)によって変更される。
【0056】
次に、原稿後端がリードセンサ12に達してリードセンサ12が原稿後端を検知(リードセンサOFF)すると(ステップS511でYES)、原稿が所定量搬送される(ステップS512)。
【0057】
次に、原稿後端が読取位置Rに達したときは(ステップS513でYES)、画像読取を終了する(ステップS514)。画像読取の終了は、読取開始と同様に、ADF100からリーダ部200に対して読取終了を通知することで、リーダ部200が画像読み取りを終了する。そして、CPU800は給紙モータM2を停止(OFF)して(ステップS515)、本処理を終了する。
【0058】
次に、図3の処理における排紙動作処理の詳細を図7を用いて説明する。
【0059】
図7は、図3の処理における排紙動作処理の詳細を示すフローチャートである。
【0060】
原稿は、原稿画像の読み取りが終了し、原稿後端が読取位置Rより下流の位置で停止している状態にある。次に、原稿は、給紙モータM2が駆動(ON)され、同時に、排紙モータM3が正転駆動(ON)されることにより第2搬送ローラ6と排紙ローラ8が駆動され、搬送パス下流側へと搬送される(ステップS601)。
【0061】
次に、排紙センサ13が原稿後端を検知(排紙センサOFF)したときは(ステップS602でYES)、CPU800は、原稿が給紙モータM2の駆動系から外れたとして、給紙モータM2を停止する(ステップS603でNO、ステップS604)。一方、次原稿の給紙動作又は読取動作が同時に行われている場合(ステップS603でYES)、CPU800は給紙モータM2を停止しない。
【0062】
次に、原稿が所定量搬送された後(ステップS605)、原稿後端が排紙ローラ8を抜けて原稿が排紙トレイ21上に排出される(ステップS606でYES)。そして、CPU800は排紙モータM3を停止(OFF)して排紙ローラ8の駆動を停止させ(ステップS607)、本処理を終了する。
【0063】
次に、図3の処理における反転動作処理の詳細を図8及び図9を用いて説明する。
【0064】
図8及ぶ図9は、図3の処理における反転動作処理の詳細を示すフローチャートである。
【0065】
原稿は、原稿画像の読み取りが終了し、原稿後端が読取位置Rより下流の位置で停止している状態にある。次に、原稿は、給紙モータM2が駆動(ON)され、同時に、排紙モータM3が正転駆動(ON)されることにより第2搬送ローラ6と排紙ローラ8が駆動され、搬送パス下流側へと搬送される(ステップS701)。
【0066】
次に、排紙センサ13に原稿後端を検知(排紙センサOFF)したときは(ステップS702でYES)、CPU800は、原稿が給紙モータM2の駆動系から外れたとして、給紙モータM2を停止する(ステップS703)。次に、原稿が所定量搬送され(ステップS704)、原稿先端が排紙トレイ21上に排出され、原稿後端が排紙ローラ8にニップされた位置に到達すると(ステップS705でYES)、CPU800は排紙モータM3を停止(OFF)する(ステップS706)。
【0067】
次に、CPU800は、排紙モータM3を逆転駆動(ON)して、排紙ローラ8を逆転駆動させる(ステップS707)。次に、原稿端部が排紙センサ13に達したことを排紙センサ13が検知(排紙センサON)すると(ステップS708でYES)、原稿が所定量搬送される(図9のステップS709)。
【0068】
次に、原稿が所定量搬送されたときは(ステップS710でYES)、CPU800は排紙モータM3を停止(OFF)する(ステップS711)。このとき、第2レジストローラ4は駆動停止しており、スイッチバックされた原稿の先端が第2レジストローラ4にループ形成された状態で突き当てられ、反転搬送中での原稿の斜行が補正される。
【0069】
次に、CPU800は給紙モータM2を起動(ON)すると、第2レジストローラ4と第1搬送ローラ5と第2搬送ローラ6が駆動される(ステップS712)。
【0070】
第2レジストローラ4に突き当てられた原稿は、搬送パスの下流側へと搬送される。
そして、原稿先端がリードセンサ12まで達してリードセンサ12が原稿先端を検知(リードセンサON)すると(ステップS713でYES)、原稿が所定量搬送される(ステップS714)。次に、原稿先端が読み取り位置Rの上流に到達すると(ステップS715でYES)、CPU800は給紙モータM2を停止(OFF)して原稿の搬送を停止し(ステップS716)、本処理を終了する。
【0071】
図3におけるステップS212の空送り動作では、上述した図6の読取動作処理における読取開始(ステップS504)と読取終了(ステップS512)が行われず、給紙モータM2が同様の動作を行う。
【0072】
ADF100により各種原稿を自動搬送して原稿画像の読み取りを行う場合、原稿の種類に応じて画像読取制御を行うことができれば、最適な画像読取装置を提供することができる。例えば、上記ADF100では、斜行補正を第1レジストローラ3により行っている。しかしながら、ADF100が、原稿表面が滑りやすく、分離ローラやレジストローラ等の搬送ローラとの摩擦で搬送中に斜行しやすい原稿を搬送する場合、第2レジストローラでも斜行補正を行うと、より最適な原稿搬送を実現することができる。
【0073】
また、厚紙等でも腰の強い紙を搬送する場合、読み取り位置直前の曲面の搬送路でジャムになりやすいので、最適な搬送を実現するために搬送速度を落として画像読取位置まで搬送すると都合が良い場合がある。このような場合、事前に原稿の情報、例えば紙種、紙サイズ、カラー印刷原稿/白黒印刷原稿等が、原稿の搬送開始後で第1レジストローラ3に到達するまでに判明していると、適切な原稿搬送制御及び画像読取制御を実現することが可能となる。そこで、原稿に埋め込まれたRFIDタグからデータ情報を読み取り、該データ情報に基づいて搬送中の原稿の搬送制御及び画像読取制御を行う画像読取装置の構成について説明する。
【0074】
図10は、RFIDタグ付き原稿の一例を示す図である。
【0075】
原稿トレイ20上に載置される原稿束Sの各原稿には、図示のように2つのRFIDタグ90,91が配置されている。RFIDタグ90,91は、それぞれデータ情報を記憶する記憶部と該データ情報を無線により送受信する送受信部とを備える。なお、RFIDタグ90,91は、図示の位置に限らず、お互いに重ならない位置に配置されていればよい。
【0076】
図11は、原稿トレイ20を真上から見たRFIDリーダ30,31の配置例と可読範囲の一例を示す図である。
【0077】
図11において、RFIDリーダ30は、該RFIDリーダ30を中心として放射円状の範囲内にあるRFIDタグからデータ情報を読み取ることが可能な可読範囲32を有する。RFIDリーダ31は、該RFIDリーダ31を中心として放射円状の範囲内にあるRFIDタグからデータ情報を読み取ることが可能な可読範囲33を有する。
【0078】
RFIDリーダ30,31は、2つのRFIDリーダ30,31により、原稿トレイ20上に存在する原稿の全てのRFIDタグからデータ情報を読み取ることが可能となるように配置されている。
【0079】
図12(a)は、原稿トレイ20に原稿束Sが載置された状態でRFIDリーダ31がRFIDタグ90からデータ情報を読み取るときの状況を示す図である。図12(b)は、原稿の搬送開始後にRFIDリーダ31がRFIDタグ90からデータ情報を読み取れなくなったときの状況を示す図である。
【0080】
原稿トレイ20上に原稿束Sが載置されると、図12(a)に示すように、可読範囲33内にRFIDタグ90,91が存在するため、RFIDリーダ31によりRFIDタグ90,91からのデータ情報の読み取りが可能である。RFIDリーダ30,31により原稿束Sの各原稿のRFIDタグ90,91内のデータ情報が読み取られる。原稿束Sがセットされて以降、ポーリング動作により所定時間毎にRFIDタグの検出及びデータ情報の読み取りが実施される。データ情報は、図13(a)、図13(b)に示すようなアドレス及びデータ形式で構成されており、RFIDリーダ30,31により、各アドレスにアクセスすることで記録されたデータ情報が読み取られる。
【0081】
図13は、RFIDリーダ30,31により読み取られたデータ情報の構成例を示す図であり、(a)は原稿1、(b)は原稿2を示す。
【0082】
データ情報は、アドレスごとに個別データ部と共通データ部と備える。個別データ部には、各RFIDタグに設定された固有のタグIDが格納されている。タグID領域411,412,421,422はRFIDタグを識別するためのタグIDが格納された領域である。例えば、原稿1のデータ101aは、原稿1に埋め込まれたRFIDタグ90のデータ情報を表し、データ101bは原稿1に埋め込まれたRFIDタグ91のデータ情報を表している。同様に、原稿2のデータ102aは、原稿2のRFID90のデータ情報を表し、データ102bは原稿2のRFID91のデータ情報を表している。
【0083】
一方、共通データ部には、今回の制御で使用される用紙情報コードや原稿情報コードが予め格納されている。RFIDタグ90,91のいずれかからRFIDリーダによりデータ情報が読み取られても当該データ情報を利用して搬送制御や画像読取制御が可能となるように、用紙情報や画像情報等は各RFIDタグ90,91に等しく格納されている。
【0084】
用紙情報コード領域413,423には、上位8ビットにはRFIDタグが付加された原稿に関する用紙サイズ情報が、下位8ビットには用紙紙種コード情報が格納される。また、原稿情報コード領域414,424には、上位8ビットにはRFIDタグが付加された原稿に関するカラーモードか白黒モードかを表す色情報が、下位8ビットには原稿の片両モード(両面/片面)情報が格納される。なお、上記データ情報は、予め原稿作成時にRFIDライタ等で書き込まれる。
【0085】
RFIDリーダ30,31により読み取られたデータ情報は、RAM802上の記憶領域Maに一旦保持される。
【0086】
図14は、RFIDリーダ30,31により読み取られたデータ情報を保持するためRAM802に確保されたデータ情報の記憶領域を示す図である。
【0087】
原稿の搬送が開始され、原稿の搬送開始直後のタイミングで再度RFIDリーダ30,31により原稿束Sの各原稿のRFIDタグ90,91からデータ情報が読み取られる。しかしながら、図12(b)に示すように、原稿が搬送されると搬送中の当該原稿のRFIDタグ90,91がRFIDリーダ31の可読範囲33から外れてしまうため、RFIDタグ90,91からデータ情報が読み取れなくなる。
【0088】
搬送中の原稿以外の原稿は、図12(a)に示すように、原稿トレイ20上に載置されているので、搬送中の原稿以外の原稿のRFIDタグ90,91からデータ情報が読み取られる。そして、読み取られたデータ情報は、RAM802上の記憶領域Maとは異なる記憶領域Mbに保持される。さらに、記憶領域Maに保持されたデータ情報と記憶領域Mbに保持されたデータ情報とが比較される。こうして、搬送中の原稿のRFIDタグ90,91からデータ情報が読み取られないため、必ず記憶領域Maに保持されていて記憶領域Mbに保持されないデータ情報が発生することになる。比較の結果、記憶領域Maに保持されたデータ情報であって記憶領域Mbに保持されていないデータ情報を検出することにより、当該検出されたデータ情報が搬送中の原稿のデータ情報として特定される。上記で説明した搬送中の原稿データ情報を特定するフローを図21に示す。
【0089】
図21において、まず、原稿トレイ20上に原稿束Sが載置された状態でRFIDリーダ30,31が原稿束Sの複数のRFIDタグ(RFIDタグ90,91)から複数のデータ情報を読み取る(ステップS2101)。次に、各RFIDリーダ30,31により読み取った複数のデータ情報がRAM802上の記憶領域Maに格納される(ステップS2102)。
【0090】
次に、原稿束Sから1枚の原稿の搬送が開始される(ステップS2103)。その後、原稿トレイ20上に原稿束Sが載置された状態で再度各RFIDリーダ30,31により原稿束Sの複数のRFIDタグから読み取られたデータ情報がRAM802上の記憶領域Mbに格納される(ステップS2104)。つづいて、記憶領域Maに格納されたデータ情報と記憶領域Mbに格納されたデータ情報とを比較する(ステップS2105)。
【0091】
次に、記憶領域Maに格納されたデータ情報であって記憶領域Mbに格納されていないデータ情報が搬送中の原稿のデータ情報として特定される(ステップS2106)。特定されたデータ情報は当該搬送中の原稿に関する用紙情報等で構成されている。このことから、当該データ情報に基づき、レジストローラでの斜行補正の回数や読み取り位置までの搬送速度の変更などを実施することで、最適な原稿搬送制御及び原稿読取制御を実現することが可能となる。
【0092】
上記実施の形態によれば、原稿トレイ20に原稿束Sが載置された状態で、RFIDリーダ30,31が原稿束Sの各原稿のRFIDタグ90,91から一度に読み取ったデータ情報をRAM802の記憶領域Maに保持する。そして、原稿の搬送開始後に、RFIDリーダ30,31が一度に読み取ったデータ情報をRAM802の記憶領域Mbに保持する。そして、記憶領域Maに保持されたデータ情報と記憶領域Mbに保持されたデータ情報とを比較し、搬送が開始された原稿のデータ情報を特定する。そして、特定されたデータ情報に基づいて、搬送が開始された原稿の搬送制御及び/又は画像読取制御を行う。これにより、原稿台上の原稿から一度に読み取った複数のデータ情報の中から搬送を開始した原稿に対応するデータ情報を取り出すことができ、当該データ情報に基づいて搬送中の原稿の搬送制御又は画像読取制御を適正に行うことができる。
【0093】
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態に係る画像読取装置は、上記第1の実施形態における図1の原稿トレイ20内に配置されたRFIDリーダ30,31に代えて、可読範囲の小さい複数のRFIDリーダが一定の間隔で原稿トレイ20に配置されたものである。以下、同一の構成要素に同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0094】
図15は、本発明の第2の実施形態に係る画像読取装置の概略構成を示す縦断面図である。図16は、RFIDタグ付き原稿の他の一例を示す図である。図17は、原稿トレイ20を真上から見たRFIDリーダの配置例と可読範囲の一例を示す図である。
【0095】
図15において、本画像読取装置は、ADF300と、リーダ部200とで構成される。ADF300は、原稿束Sが載置される原稿トレイ20を備える。原稿トレイ20内には、原稿束Sの各原稿に付加されたRFID(Radio Frequancy IDentification)タグからデータ情報を読み取ることが可能な複数のRFIDリーダ1302〜1333が配置されている(図17参照)。
【0096】
各RFIDリーダの主走査方向と副走査方向との間隔をldとし、原稿が原稿トレイ20上に載置された位置から分離されて第1レジストローラ3に突き当たり一旦停止するまでの搬送距離をLとする。
【0097】
図16において、原稿トレイ20上に載置される原稿束Sの各原稿には、図示のように2つのRFIDタグ1300,1301が配置されている。RFIDタグ1300,1301は、それぞれデータ情報を記憶する記憶部と該データ情報を無線により送受信する送受信部とを備える。なお、RFIDタグ90,91は、図示の位置に限らず、お互いに重ならない位置に配置されていればよい。
【0098】
図17において、RFIDリーダ1302〜1333は、各RFIDリーダを中心として放射円状に半径Rの可読範囲(図中の円内)を有する。原稿トレイ20上の範囲内に載置された原稿のRFIDタグを複数のRFIDリーダで漏れなく検出すべく、主走査方向と副走査方向とで隣り合う可読範囲が重なりあうようにRFIDリーダが配置されている。主走査方向及び副走査方向への各RFIDリーダの配置間隔をldとすると、△abcは、底辺がld、他の二辺がRの直角2等辺三角形になることがわかる。
【0099】
このことから、RFIDリーダの可読範囲の半径RとRFIDリーダの配置間隔ldの関係が、
ld≦√2×R (1)
となるようにRFIDリーダを配置することで、各原稿に付加されたRFIDタグを漏れなく検出することが可能となる。
【0100】
式(1)において、
ld=√2×R (2)
となるときが、図17に示す各RFIDリーダの可読範囲の重なりが最小の場合である。
【0101】
ところで、原稿トレイ20からの原稿搬送時に斜行補正のため第1レジストローラ3で一旦停止させている。搬送中の原稿が一旦停止するまでに、当該搬送中の原稿の情報、例えば、原稿の紙種や紙サイズ、色、表面情報等を利用することができれば、一旦停止後の原稿の搬送制御や画像読取制御の最適化が可能となる。そこで、原稿が搬送距離Lを搬送される間にRFIDリーダが原稿のRFIDタグ内の原稿の情報(データ情報)を読み取り、制御部が搬送中の原稿の情報を特定する。
【0102】
本実施の形態では、原稿が搬送距離Lを搬送されている間に、各RFIDリーダの読み取り情報の変化を検出することで、搬送中の原稿のデータ情報を特定する。
【0103】
各RFIDリーダの可読範囲Rと、第1レジストローラ3までの搬送距離Lと、各RFIDリーダの配置との関係について説明する。例えば、1つのRFIDリーダが原稿の1つのRFIDタグからデータ情報を読み出しているときに原稿が搬送距離Lを搬送された場合、他の1つのRFIDリーダが当該RFIDタグからデータ情報を読み取る場合について説明する。
【0104】
(R>Lの場合)
原稿が搬送距離Lを搬送された場合、他の1つのRFIDリーダが当該原稿のRFIDタグを検出するためには、図18(a)に示すように、2つのRFIDリーダの配置間隔ldが、
ld≦R+L (3)
である必要がある。
【0105】
ld≦√2×R (1)
ld≦R+L (3)
上記式(1)の結果とあわせて、R>Lの場合、RFIDリーダの配置間隔ldが上記式(1)、式(3)の両式を満足する配置になると、搬送距離Lを原稿が搬送されている間にRFIDリーダが原稿内のRFIDタグに保持されたデータ情報を読み取る。その結果、搬送中の原稿のデータ情報を特定することが可能となる。
【0106】
(R<Lの場合)
搬送距離Lを原稿が搬送された場合、他の1つのRFIDリーダが当該原稿のRFIDタグを検出するためには、図18(b)に示すように、2つのRFIDリーダの配置間隔ldが、
ld≦2×R (4)
である必要がある。
【0107】
ld≦√2×R (1)
RFIDリーダの配置間隔ldが、上記式(1)を満足する配置になると、搬送距離Lを原稿が搬送されている間にRFIDリーダが原稿内のRFIDタグに保持されたデータ情報を読み取り、搬送中の原稿のデータ情報を特定することが可能である。
【0108】
次に、原稿トレイ20に配置されるRFIDリーダの個数について図17を用いて説明する。
【0109】
原稿トレイ20に配置されるRFIDリーダの個数は、RFIDリーダの配置及び個々のRFIDリーダの可読範囲により変わってくる。そこで、一例として、図17に示すRFIDリーダの可読範囲の重なりが最小となる場合について説明する。
【0110】
ADF100上で原稿のRFIDタグからのデータ情報の読み取りが必要な最大原稿サイズをLmax×Wmaxとする。原稿内のRFIDタグを原稿トレイ20内のRFIDリーダが漏れなく読み取り可能にするためには、図17に示すように、原稿トレイ20の内枠サイズが最大原稿検出サイズであることを考慮すればよい。そこで、原稿トレイ20の内枠サイズを求める。ここでは、内枠サイズをLmax×Wmaxとする。
【0111】
図17に示すように、外枠に可読範囲の円周が接しているとして、外枠と内枠との幅を求める。△abcは、上述したように直角2等辺三角形になるので、その頂点bから垂線を辺ac上に落とした位置をdとすると、
db=ld/2=R/√2 (5)
そこで、外枠と内枠の差Δdは、
Δd=ef−db=R−ld/2
となる。最大原稿検出サイズの主走査方向長及び副走査方向長に前後左右分のΔdを加算して、RFIDリーダの配置間隔ldで割ったものが、主走査及び副走査方向のそれぞれに並ぶRFIDリーダの個数となる。
【0112】
主走査方向数=(Wmax+2×Δd)/ld=(Wmax+2×R−ld)/ld
副走査方向数=(Lmax+2×Δd)/ld=(Lmax+2×R−ld)/ld
RFIDリーダの個数は、
(Wmax+2×R−ld)/ld×(Lmax+2×R−ld)/ld (6)
となる。
【0113】
各RFIDリーダが原稿トレイ20に配置された上で、実際に各RFIDリーダがRFIDタグからデータ情報を読み取る方法について説明する。原稿束Sが載置された際に、各RFIDリーダが各原稿のRFIDタグ1300,1301からデータ情報を読み取る。
【0114】
図19(a)では、RFIDリーダ1319がRFIDタグ1300,1301からのデータ情報の読み取りが可能となっている。RFIDタグ1300,1301から読み取られたデータ情報の一例は、図13(a)、図13(b)に示す。各RFIDリーダにより読み取られた各データ情報が、RAM802上の所定のアドレスごとに確保された各RFIDリーダのデータ情報の記憶領域に一旦保持される。RAM802上のアドレス空間に確保された複数のデータ情報の記憶領域を図20に示す。
【0115】
図20では、RFIDリーダ1302が原稿トレイ20上に載置された原稿のRFIDタグから読み取ったデータ情報が、原稿載置時1302用データ領域(記憶領域)に保持される。同様に、RFIDリーダ1303が原稿トレイ20上に載置された原稿のRFIDタグから読み取ったデータ情報が原稿載置時1303用データ領域に保持される。こうして、各RFIDリーダの原稿載置時のデータ情報記憶領域にデータ情報が保持されていき、RFIDリーダ1321が原稿トレイ20上に載置された原稿のRFIDタグから読み取ったデータ情報が原稿載置時1321用データ領域に保持される。なお、RFIDタグの読み取りは全てのRFIDリーダにより実施されるが、図19の例では、原稿積載時の原稿サイズがRFIDリーダ1322〜1333の領域にはかかっていないのでこの領域についての説明は省略する。
【0116】
原稿の搬送が開始してから当該原稿が搬送距離Lを搬送されたときに、各RFIDリーダが原稿のRFIDタグからデータ情報を読み取る。例えば、原稿が原稿トレイ20上に載置されていたときにRFIDリーダ1319により読み取られていたデータ情報が、原稿が搬送されることで、RFIDリーダ1319により読み取れなくなる。そして、RFIDリーダ1319に代わってRFIDリーダ1315によりデータ情報が読み取られることになる。このときの状態を図19(b)に示す。
【0117】
そして、RAM802上には、原稿載置時に確保されたデータ領域とは別のデータ領域が確保される。原稿が搬送開始後に各RFIDリーダにより読み取られた各データ情報が、RAM802上の所定のアドレスごとに確保された各RFIDリーダのデータ情報のデータ領域(記憶領域)に一旦保持される。その結果、RAM802は図20に示すようになる。RFIDリーダ1302が原稿搬送開始後に原稿のRFIDタグから読み取ったデータ情報が、原稿搬送開始時1302用データ領域に保持される。同様に、RFIDリーダ1303が原稿搬送開始後に原稿のRFIDタグから読み取ったデータ情報が原稿搬送開始時1303用データ領域に保持される。こうして、各RFIDリーダの原稿載置時のデータ情報記憶領域にデータ情報が保持されていき、RFIDリーダ1321が原稿搬送開始後に原稿のRFIDタグから読み取ったデータ情報が原稿搬送開始時1321用データ領域に保持される。
【0118】
図20において、各RFIDリーダのデータ領域について、RFIDリーダ毎に、原稿載置時に読み取られて保持されたデータ情報と、原稿搬送開始後に読み取られ保持されたデータ情報とが比較され、変化のあるデータ情報が検出される。検出されたデータ情報が搬送中の原稿のデータ情報であると判断・特定される。上記で説明した搬送中の原稿データ情報を特定するフローを図22に示す。
【0119】
図22において、まず、原稿トレイ20上に原稿が載置された状態で各RFIDリーダが原稿のRFIDタグからデータ情報を読み取る(ステップS2201)。次に、各RFIDリーダにより読み取った各データ情報がRAM802内の各RFIDリーダに対応する原稿載置時用データ領域にそれぞれ格納される(ステップS2202)。
【0120】
次に、原稿の搬送が開始される(ステップS2203)。その後、再度各RFIDリーダにより原稿のRFIDタグから読み取ったデータ情報がRAM802内の各RFIDリーダに対応する原稿搬送時用データ領域にそれぞれ格納される(ステップS2204)。つづいて、原稿載置時用データ領域に格納されたデータ情報と原稿搬送時用データ領域に格納されたデータ情報とを比較する(ステップS2205)。
【0121】
次に、原稿載置時用データ領域に格納されたデータ情報であって原稿搬送時用データ領域に格納されていないデータ情報が搬送中の原稿のデータ情報として特定される(ステップS2206)。特定された原稿の原稿特性に関するデータ情報に基づき、レジストローラでの斜行補正の回数や読み取り位置までの搬送速度の変更などが実施される。これにより、最適な原稿搬送制御及び原稿読取制御を実現することが可能となる。
【0122】
上記実施の形態によれば、RFIDタグ付き原稿の画像読取(又は原稿搬送)を行う場合、どんな位置にRFIDタグが埋め込まれた原稿であっても搬送中の原稿のデータ情報を的確に識別することができる。そして、当該読み取ったデータ情報に基づいて搬送中の原稿の搬送制御や画像読取制御を適正に行うことができる。
【0123】
上記実施の形態では、RFIDリーダは、ADF100内の制御部に接続されているが、リーダ部200内の制御部に接続されていてもよい。また、CPU800やRAM802、ROM801等がADF100内だけではなく、リーダ部200内に配置されていてもよい。
【0124】
また、本発明の目的は、上述した各実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記憶した記憶媒体を、システム或いは装置に供給することによっても達成される。その場合、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行する。該記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した各実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0125】
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク等を用いることができる。また、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD±R、DVD−RAM、DVD±RW等の光ディスク、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。また、プログラムコードをネットワークを介してダウンロードしてもよい。
【0126】
コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上述した各実施形態の機能が実現されるだけではない。すなわち、プログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上述した各実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0127】
更に、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。そして、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上述した各実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る画像読取装置の概略構成を示す縦断面図である。
【図2】図1におけるADFの制御部の概略構成を示すブロック図である。
【図3】ADFを利用した画像読取処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】図3の処理における分離動作処理の詳細を示すフローチャートである。
【図5】図3の処理における給紙動作処理の詳細を示すフローチャートである。
【図6】図3の処理における読取動作処理の詳細を示すフローチャートである。
【図7】図3の処理における排紙動作処理の詳細を示すフローチャートである。
【図8】図3の処理における反転動作処理の詳細を示すフローチャート(その1)である。
【図9】図3の処理における反転動作処理の詳細を示すフローチャート(その2)である。
【図10】RFIDタグ付き原稿の一例を示す図である。
【図11】原稿トレイを真上から見たRFIDリーダの配置例と可読範囲の一例を示す図である。
【図12】(a)は原稿トレイに原稿束が載置された状態でRFIDリーダがRFIDタグからデータ情報を読み取るときの状況を示す図である。(b)は原稿の搬送開始後にRFIDリーダがRFIDタグからデータ情報を読み取れなくなったときの状況を示す図である。
【図13】RFIDリーダにより読み取られたデータ情報の構成例を示す図であり、(a)は原稿1、(b)は原稿2を示す。
【図14】RFIDリーダにより読み取られたデータ情報を保持するためRAMに確保された当該データ情報の記憶領域を示す図である。
【図15】本発明の第2の実施形態に係る画像読取装置の概略構成を示す縦断面図である。
【図16】RFIDタグ付き原稿の他の一例を示す図である。
【図17】原稿トレイを真上から見た複数のRFIDリーダの配置例と可読範囲の一例を示す図である。
【図18】RFIDリーダの配置間隔ldと原稿搬送距離Lと半径Rとの関係を示す図であり、(a)はR>Lの場合、(b)はR<Lの場合である。
【図19】(a)は原稿トレイに原稿束が載置された状態でRFIDリーダがRFIDタグからデータ情報を読み取るときの状況を示す図であり、(b)は原稿搬送開始後のデータ情報の読み取り状況を示す図である。
【図20】本発明の第2の実施形態におけるRFIDリーダにより読み取られた複数のデータ情報を保持するためRAMに確保された当該複数のデータ情報の記憶領域を示す図である。
【図21】本発明の第1の実施形態における各原稿のRFIDタグからデータ情報を読み取ることによって搬送中の原稿を特定する処理を示すフローチャートである。
【図22】本発明の第2の実施形態における各原稿のRFIDタグからデータ情報を読み取ることによって搬送中の原稿を特定する処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0129】
3 第1レジストローラ
5 第1搬送ローラ
20 原稿トレイ
30,31 RFIDリーダ
32,33 可読範囲
90,91 RFIDタグ
100 ADF
200 リーダ部
800 CPU
801 ROM
802 RAM
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿台に載置された原稿束を1枚ずつ給送する自動原稿給送装置及びその制御方法、並びに該自動原稿給送装置により搬送された原稿の画像を読み取る画像読取装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像読取装置にRFID(Radio Frequancy IDentification)リーダを配置し、原稿に付加されたRFIDタグからデータ情報を読み取り、読み取った原稿画像に処理を加える画像処理システムが提案されている(特許文献1参照)。この画像処理システムでは、原稿に付加されたRFIDタグからデータ情報を読み取る方法として、(1)原稿が原稿台に載置されたときに一度に読み取る、(2)原稿がレジストローラ通過後で画像読取直前に1枚毎に読み取るという2つの方法が開示されている。
【特許文献1】特開2004−086708号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記(1)では、原稿束の各原稿と読み取ったデータ情報との関連付けが難しい。また、上記(2)では、データ情報の読み取りタイミングが遅くなる。そのため、RFIDタグに保持されているデータ情報の利用が画像読み取り時の制御に限定され、その他の制御、例えば、原稿搬送に関連する制御に利用ができないという問題がある。
【0004】
また、RFIDの特性として、各原稿上の同じ位置にRFIDタグが貼付された原稿束であってRFIDタグが重なって配置されると、RFIDリーダによる各RFIDタグの読み取りが困難になるという問題がある。
【0005】
本発明は、上記問題に鑑みて成され、原稿台上の原稿から一度に読み取った複数のデータ情報の中から搬送を開始した原稿に対応するデータ情報を取り出すことができる自動原稿給送装置、画像読取装置、及びそれらの制御方法を提供することを目的とする。
【0006】
また、本発明は、取り出したデータ情報に基づいて搬送中の原稿の搬送制御又は画像読取制御を適正に行うことができる自動原稿給送装置、画像読取装置、及びそれらの制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1記載の自動原稿給送装置は、原稿が載置される原稿台と、前記原稿台に載置された原稿を1枚ずつ搬送する原稿搬送手段と、原稿に埋め込まれた情報記録媒体からデータ情報の読み取りを行うデータ情報読取手段と、前記データ情報を記憶する記憶手段とを備える自動原稿給送装置において、
前記原稿台に原稿が載置された状態で、前記データ情報読取手段が一度に読み取ったデータ情報を前記記憶手段の第1の記憶領域に保持する第1のデータ情報保持手段と、前記原稿搬送手段による原稿の搬送開始後に、前記データ情報読取手段が一度に読み取ったデータ情報を前記記憶手段の第2の記憶領域に保持する第2のデータ情報保持手段と、前記第1の記憶領域に保持されたデータ情報と前記第2の記憶領域に保持されたデータ情報とを比較するデータ情報比較手段と、前記データ情報比較手段による比較結果から、搬送が開始された原稿のデータ情報を特定するデータ情報特定手段と、前記特定されたデータ情報に基づいて、搬送が開始された原稿の搬送制御を行う制御手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
上記目的を達成するために、請求項4記載の自動原稿給送装置は、原稿が載置される原稿台と、前記原稿台に載置された原稿を1枚ずつ搬送する原稿搬送手段と、原稿に埋め込まれた情報記録媒体からデータ情報の読み取りを行う複数のデータ情報読取手段と、前記複数のデータ情報を記憶する記憶手段とを備える自動原稿給送装置において、前記原稿台に原稿が載置された状態で、前記複数のデータ情報読取手段が一度に読み取った複数のデータ情報を前記記憶手段の第1の記憶領域にそれぞれ保持する第1のデータ情報保持手段と、前記原稿搬送手段による原稿の搬送開始後に、前記複数のデータ情報読取手段が一度に読み取った複数のデータ情報を前記記憶手段の第2の記憶領域にそれぞれ保持する第2のデータ情報保持手段と、前記第1の記憶領域に保持された複数のデータ情報と前記第2の記憶領域に保持された複数のデータ情報とを比較するデータ情報比較手段と、前記データ情報比較手段による比較結果から、搬送が開始された原稿のデータ情報を特定するデータ情報特定手段と、前記特定されたデータ情報に基づいて、搬送が開始された原稿の搬送制御を行う制御手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
上記目的を達成するために、請求項8記載の画像読取装置は、原稿が載置される原稿台と、前記原稿台に載置された原稿を1枚ずつ搬送する原稿搬送手段と、原稿に埋め込まれた情報記録媒体からデータ情報の読み取りを行うデータ情報読取手段と、前記データ情報を記憶する記憶手段と、搬送中の原稿の画像を読み取る画像読取手段とを備える画像読取装置において、前記原稿台に原稿が載置された状態で、前記データ情報読取手段が一度に読み取ったデータ情報を前記記憶手段の第1の記憶領域に保持する第1のデータ情報保持手段と、前記原稿搬送手段による原稿の搬送開始後に、前記データ情報読取手段が一度に読み取ったデータ情報を前記記憶手段の第2の記憶領域に保持する第2のデータ情報保持手段と、前記第1の記憶領域に保持されたデータ情報と前記第2の記憶領域に保持されたデータ情報とを比較するデータ情報比較手段と、前記データ情報比較手段による比較結果から、搬送が開始された原稿のデータ情報を特定するデータ情報特定手段と、前記特定されたデータ情報に基づいて、搬送が開始された原稿の搬送制御及び画像読取制御を行う制御手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
上記目的を達成するために、請求項9記載の画像読取装置は、原稿が載置される原稿台と、前記原稿台に載置された原稿を1枚ずつ搬送する原稿搬送手段と、原稿に埋め込まれた情報記録媒体からデータ情報の読み取りを行う複数のデータ情報読取手段と、前記複数のデータ情報を記憶する記憶手段と、搬送中の原稿の画像を読み取る画像読取手段とを備える画像読取装置において、前記原稿台に原稿が載置された状態で、前記複数のデータ情報読取手段が一度に読み取った複数のデータ情報を前記記憶手段の第1の記憶領域にそれぞれ保持する第1のデータ情報保持手段と、前記原稿搬送手段による原稿の搬送開始後に、前記複数のデータ情報読取手段が一度に読み取った複数のデータ情報を前記記憶手段の第2の記憶領域にそれぞれ保持する第2のデータ情報保持手段と、前記第1の記憶領域に保持された複数のデータ情報と前記第2の記憶領域に保持された複数のデータ情報とを比較するデータ情報比較手段と、前記データ情報比較手段による比較結果から、搬送が開始された原稿のデータ情報を特定するデータ情報特定手段と、前記特定されたデータ情報に基づいて、搬送が開始された原稿の搬送制御及び画像読取制御を行う制御手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
上記目的を達成するために、請求項10記載の自動原稿給送装置の制御方法は、原稿が載置される原稿台と、前記原稿台に載置された原稿を1枚ずつ搬送する原稿搬送手段と、原稿に埋め込まれた情報記録媒体からデータ情報の読み取りを行うデータ情報読取手段と、前記データ情報を記憶する記憶手段とを備える自動原稿給送装置の制御方法において、前記原稿台に原稿が載置された状態で、前記データ情報読取手段が一度に読み取ったデータ情報を前記記憶手段の第1の記憶領域に保持する第1のデータ情報保持工程と、前記原稿搬送手段による原稿の搬送開始後に、前記データ情報読取手段が一度に読み取ったデータ情報を前記記憶手段の第2の記憶領域に保持する第2のデータ情報保持工程と、前記第1の記憶領域に保持されたデータ情報と前記第2の記憶領域に保持されたデータ情報とを比較するデータ情報比較工程と、前記データ情報比較工程における比較結果から、搬送が開始された原稿のデータ情報を特定するデータ情報特定工程と、前記特定されたデータ情報に基づいて、搬送が開始された原稿の搬送制御を行う制御工程とを備えることを特徴とする。
【0012】
上記目的を達成するために、請求項11記載の自動原稿給送装置の制御方法は、原稿が載置される原稿台と、前記原稿台に載置された原稿を1枚ずつ搬送する原稿搬送手段と、原稿に埋め込まれた情報記録媒体からデータ情報の読み取りを行う複数のデータ情報読取手段と、前記複数のデータ情報を記憶する記憶手段とを備える自動原稿給送装置の制御方法において、前記原稿台に原稿が載置された状態で、前記複数のデータ情報読取手段が一度に読み取った複数のデータ情報を前記記憶手段の第1の記憶領域にそれぞれ保持する第1のデータ情報保持工程と、前記原稿搬送手段による原稿の搬送開始後に、前記複数のデータ情報読取手段が一度に読み取った複数のデータ情報を前記記憶手段の第2の記憶領域にそれぞれ保持する第2のデータ情報保持工程と、前記第1の記憶領域に保持された複数のデータ情報と前記第2の記憶領域に保持された複数のデータ情報とを比較するデータ情報比較工程と、前記データ情報比較工程における比較結果から、搬送が開始された原稿のデータ情報を特定するデータ情報特定工程と、前記特定されたデータ情報に基づいて、搬送が開始された原稿の搬送制御を行う制御工程とを備えることを特徴とする。
【0013】
上記目的を達成するために、請求項12記載の画像読取装置の制御方法は、原稿が載置される原稿台と、前記原稿台に載置された原稿を1枚ずつ搬送する原稿搬送手段と、原稿に埋め込まれた情報記録媒体からデータ情報の読み取りを行うデータ情報読取手段と、前記データ情報を記憶する記憶手段と、搬送中の原稿の画像を読み取る画像読取手段とを備える画像読取装置の制御方法において、前記原稿台に原稿が載置された状態で、前記データ情報読取手段が一度に読み取ったデータ情報を前記記憶手段の第1の記憶領域に保持する第1のデータ情報保持工程と、前記原稿搬送手段による原稿の搬送開始後に、前記データ情報読取手段が一度に読み取ったデータ情報を前記記憶手段の第2の記憶領域に保持する第2のデータ情報保持工程と、前記第1の記憶領域に保持されたデータ情報と前記第2の記憶領域に保持されたデータ情報とを比較するデータ情報比較工程と、前記データ情報比較工程における比較結果から、搬送が開始された原稿のデータ情報を特定するデータ情報特定工程と、前記特定されたデータ情報に基づいて、搬送が開始された原稿の搬送制御及び画像読取制御を行う制御工程とを備えることを特徴とする。
【0014】
上記目的を達成するために、請求項13記載の画像読取装置の制御方法は、原稿が載置される原稿台と、前記原稿台に載置された原稿を1枚ずつ搬送する原稿搬送手段と、原稿に埋め込まれた情報記録媒体からデータ情報の読み取りを行う複数のデータ情報読取手段と、前記複数のデータ情報を記憶する記憶手段と、搬送中の原稿の画像を読み取る画像読取手段とを備える画像読取装置の制御方法において、前記原稿台に原稿が載置された状態で、前記複数のデータ情報読取手段が一度に読み取った複数のデータ情報を前記記憶手段の第1の記憶領域にそれぞれ保持する第1のデータ情報保持工程と、前記原稿搬送手段による原稿の搬送開始後に、前記複数のデータ情報読取手段が一度に読み取った複数のデータ情報を前記記憶手段の第2の記憶領域にそれぞれ保持する第2のデータ情報保持工程と、前記第1の記憶領域に保持された複数のデータ情報と前記第2の記憶領域に保持された複数のデータ情報とを比較するデータ情報比較工程と、前記データ情報比較工程における比較結果から、搬送が開始された原稿のデータ情報を特定するデータ情報特定工程と、前記特定されたデータ情報に基づいて、搬送が開始された原稿の搬送制御及び画像読取制御を行う制御工程とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、原稿台に原稿が載置された状態で、データ情報読取手段が一度に読み取ったデータ情報を記憶手段の第1の記憶領域に保持する。次に、原稿搬送手段による原稿の搬送開始後に、データ情報読取手段が一度に読み取ったデータ情報を記憶手段の第2の記憶領域に保持する。そして、第1の記憶領域に保持されたデータ情報と第2の記憶領域に保持されたデータ情報とを比較し、その比較結果から、搬送が開始された原稿のデータ情報を特定する。そして、特定されたデータ情報に基づいて、搬送が開始された原稿の搬送制御又は画像読取制御を行う。これにより、原稿台上の原稿から一度に読み取った複数のデータ情報の中から搬送を開始した原稿に対応するデータ情報を取り出すことができ、当該データ情報に基づいて搬送中の原稿の搬送制御又は画像読取制御を適正に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る画像読取装置の概略構成を示す縦断面図である。
【0018】
図1において、本画像読取装置は、自動原稿給送装置(Auto Document Feeder、以下「ADF」という)100と、画像読取機能を備えるリーダ部200とで構成される。
【0019】
ADF100は、原稿束Sが載置される原稿トレイ20を備える。原稿トレイ20上には、載置された原稿束Sの特定以上の長さを有する原稿の原稿サイズ(長さ)を検知する原稿検知センサ15が配置されている。原稿トレイ20内には、原稿束Sの各原稿に付加されたRFID(Radio Frequancy IDentification)タグからデータ情報を読み取ることが可能な2つのRFIDリーダ30,31が配置されている。
【0020】
ADF100は、原稿の載置有無を検知する原稿有無検知センサ14と、原稿を装置内へ給送するためのピックアップローラ1と、原稿を1枚ずつ分離する分離部2と、原稿が1枚ずつ分離されたか否かを検知する分離センサ10とを備える。また、ADF100は、第1レジストローラ3と、第2レジストローラ4と、第1搬送ローラ5と、第2搬送ローラ6と、大ローラ7と、排紙ローラ8と、レジストセンサ11と、リードセンサ12と、排紙センサ13と、排紙トレイ21とを備える。
【0021】
原稿トレイ20上に表面を上に向けて原稿束Sが載置され、原稿読み取りが開始されると、ピックアップローラ1により原稿束Sの最上位の原稿が分離部2へ繰り出される。分離部2は、上方に分離ローラが、下方に分離パッドが配置されており、原稿束Sの最上位の原稿より1枚ずつ分離を行う。
【0022】
片面原稿の表面の画像を読み取る場合、まず分離部2で分離された原稿がレジストセンサ11により検知される。すると、第1レジストローラ3でレジループを形成し斜行補正を実施するために、レジストセンサ11の位置を基準としてレジループ形成して停止するタイミング取りを実施する。こうして原稿が第1レジストローラ3で斜行補正された後に、第1レジストローラ3から第2レジストローラ4へ搬送される。原稿は、大ローラ7を駆動源とし、第2レジストローラ4と大ローラ7及び第2搬送ローラ6と大ローラ7とでそれぞれ原稿を挟むようにして搬送される。そして、リードセンサ12により原稿先端が検出されると、リードセンサ12の位置基準で読み取り位置Rのタイミング取りが実施される。第1搬送ローラ5により搬送される原稿が読取位置Rを搬送されている間に表面の画像が読み取られる。その後、原稿は、第2搬送ローラ6から排紙ローラ8に搬送され、排紙ローラ8により排紙トレイ21上に原稿表面を下に向けて順番に排出される。最終原稿については、最終原稿の排紙終了により排紙ローラ8を停止させるため、排紙センサ13がOFFすることで、原稿後端が排紙センサ13を抜けたことが検知される。すると、排紙センサ13のOFF検知のタイミングを基準として、原稿が排紙ローラ8を抜けるまでの所定量搬送されるタイミング取りが実施され、原稿が所定量搬送された後に排紙ローラ8が停止する。
【0023】
一方、両面原稿の表裏両面の画像を読み取る場合、分離部2で分離された原稿が第1レジストローラ3で斜行補正された後に、第2レジストローラ4から第1搬送ローラ5へ搬送される。そして、第1搬送ローラ5により搬送される原稿が読取位置Rを搬送されている間に表面の画像が読み取られる。
【0024】
さらに、原稿は第2搬送ローラ6から排紙ローラ8に搬送される。そして、排紙センサ13がOFFしてから排紙センサ13のOFF検知のタイミングを基準として、原稿が所定量搬送された位置で原稿後端部が排紙ローラ8にニップされた状態で原稿の搬送が停止される。その後、原稿はスイッチバック搬送され、第2レジストローラ4で再度斜行補正された後に、第1搬送ローラ5及び第2搬送ローラ6により搬送され、読取位置Rを再度搬送されている間に裏面の画像が読み取られる。その後、このまま第2搬送ローラ6から排紙ローラ8により排紙トレイ21上に原稿表面を上に向けて原稿が排出されると、原稿トレイ20上に載置された面順と異なってしまう。
【0025】
そこで、裏面を読み取られた原稿は、第2搬送ローラ6及び排紙ローラ8により排紙トレイ21上に搬送され、原稿後端側が排紙ローラ8にニップされた状態で原稿の搬送が停止される。その後、原稿はスイッチバック搬送され、第2レジストローラ4、第1搬送ローラ5、及び第2搬送ローラ6により搬送された後に、排紙ローラ8により排紙トレイ21上に表面を下に向けて順番に排出される。この間は、原稿が読取位置Rを搬送されている間であっても原稿画像の読み取りは行われない。
【0026】
リーダ部200は、原稿上に記録された画像情報を光学的に読み取り、光電変換して画像データとして入力するものである。リーダ部200は、ADF用プラテンガラス201と、ブック用プラテンガラス202と、スキャナユニット209と、ミラー205,206と、レンズ207と、CCDセンサ208と、不図示の制御部とを備える。スキャナユニット209は、ランプ203とミラー204とを備える。
【0027】
リーダ部200は、ADF100により搬送される原稿の画像を読み取る場合、スキャナユニット209をADF用プラテンガラス201の下に移動して停止させ、原稿が読取位置R上を搬送されている間に原稿上の画像情報を読み取る。
【0028】
また、リーダ部200は、ブック用プラテンガラス202上に載置された原稿の画像を読み取る場合、スキャナユニット209を図示しない基準位置から副走査方向に移動させ、画像情報を読み取る。ブック読み取り時に使用する図示しない基準位置とは、原稿を載置する際に図示しない突き当て指標位置に突き当てるようにして原稿載置するが、この突き当て位置のことであり、副走査方向の画像読み取り時の画像先端位置として使用される。
【0029】
原稿上の画像情報が読み取られる際には、ランプ203が点灯して原稿を照射する。原稿の反射光は、ミラー204,205,206及びレンズ207を介してCCDセンサ208に入力される。そして、CCDセンサ208に入力された原稿の反射光は、光電変換等の電気処理が行われ、通常のデジタル処理が施される。
【0030】
図2は、図1におけるADF100の制御部の概略構成を示すブロック図である。
【0031】
図2において、制御部は、中央演算処理装置(Central Processing Unit、以下「CPU」という)800と、ROM(Read Only Memory)801と、RAM(Random Access Memory)802と、入力ポート803と、出力ポート804を備える。
【0032】
ROM801には、制御用プログラムが格納されている。RAM802には、入力データや作業用データが格納されている。入力ポート803には、分離センサ10、レジストセンサ11、リードセンサ12、排紙センサ13、原稿有無検知センサ14、原稿長検知センサ15、原稿幅検知センサ810、及びRFIDリーダ30,31がそれぞれ接続されている。出力ポート804には、分離モータM1、給紙モータM2、排紙モータM3、離間ソレノイドSL、及び給紙クラッチCLが接続されている。
【0033】
CPU800は、バスを介して接続されたROM801に格納された制御プログラムを実行して分離モータM1、給紙モータM2、排紙モータM3、離間ソレノイドSL、給紙クラッチCLを制御する。CPU800は、図示しないリーダ部200の中央演算処理装置(CPU)とシリアル通信を行い、リーダ部200との間で制御データの授受を行うようになっている。
【0034】
次に、ADF100を利用した原稿画像の読取処理の流れを図3〜図9を参照して説明する。
【0035】
図3は、ADF100を利用した画像読取処理の流れを示すフローチャートである。
【0036】
画像読取装置は、ADF100の原稿トレイ20上に原稿が載置されたか否か又は画像形成装置本体の操作部(不図示)のスタートキーが押下されたか否かを繰り返し判定しつつ待機状態となっている(ステップS200)。原稿が原稿トレイ20上に載置されたか否かの判定は、原稿有無検知センサ14による原稿の検出結果に基づいてCPU800により判定される。
【0037】
原稿が原稿トレイ20に載置され且つスタートキーが押下された場合は、ADF100は動作を開始し(ステップS200でYES)、片面原稿モードが選択されているか否かを判別する(ステップS201)。
【0038】
片面モードが選択された場合(ステップS201でYES)、画像読取装置は、ADF100による原稿の分離動作処理(ステップS202)、給紙動作処理(ステップS203)を行い、原稿読み取り開始前に原稿サイズを判別する。原稿サイズの判別は、原稿トレイ20上での規制ガイド板(不図示)の幅情報と給紙動作完了時点での分離センサ10の検出結果により判別される。そして、画像読取装置は、読取動作処理(ステップS204)、排紙動作処理(ステップS205)を行い、排紙トレイ21へと原稿を順次排出する。
【0039】
一方、両面モードが選択された場合(ステップS201でNO)、異幅混載であるか否かの判別が行われる。通常の両面モードの場合、画像読取装置は、ADF100による原稿の分離動作処理(ステップS206)、給紙動作処理(ステップS207)を行い、片面モード時と同様に原稿サイズを判別する。
【0040】
そして、画像読取装置は、原稿表面の画像の読取動作処理(ステップS208)を行い、反転動作処理(ステップS209)、原稿裏面の画像の読取動作処理(ステップS210)を行う。さらに、画像読取装置は、反転動作処理(ステップS211)、空送り動作(ステップS212)、排紙動作処理(ステップS213)を行い、排紙トレイ21へと原稿を排出する。
【0041】
次に、図3の処理における分離動作処理の詳細を図4を用いて説明する。
【0042】
図4は、図3の処理における分離動作処理の詳細を示すフローチャートである。
【0043】
原稿有無検知センサ14が原稿トレイ20上に載置された原稿を検知すると、CPU800は分離モータM1を正転駆動(ON)すると同時に給紙クラッチCLをONする(ステップS301)。そして、CPU800は、ピックアップローラ1を上下動させるピックアップアーム(不図示)を駆動し、原稿トレイ20上の原稿束Sの最上位の原稿にピックアップローラ1が接するまでピックアップローラ1を降下させる。同時に、CPU800はピックアップローラ1と分離部2の分離ローラを給紙方向に駆動し、最上位の原稿のみが分離部2から搬送パスへと分離搬送される。
【0044】
次に、分離された原稿の先端が分離センサ10に達して分離センサ10が原稿先端を検知(分離センサON)すると(ステップS302でYES)、CPU800は原稿トレイ20上の原稿束Sから1枚の原稿が分離されたことを認識する。
【0045】
次に、原稿の先端がレジストセンサ11に達してレジストセンサ11が原稿先端を検知(レジストセンサON)すると(ステップS303でYES)、原稿が所定量搬送される(ステップS304)。次に、原稿が所定量搬送されたときは(ステップS305でYES)、CPU800は分離モータM1を停止(OFF)して(ステップS306)、本処理を終了する。このとき、第1レジストローラ3は駆動停止しており、分離された原稿の先端が第1レジストローラ3にループ形成された状態で突き当てられ、原稿の斜行が補正される。
【0046】
次に、図3の処理における給紙動作処理の詳細を図5を用いて説明する。
【0047】
図5は、図3の処理における給紙動作処理の詳細を示すフローチャートである。
【0048】
給紙動作には、分離パスからの給紙動作と反転パスからの給紙動作がある。分離パスからの給紙動作の場合、CPU800は、分離モータM1を分離動作時に対して逆転駆動(ON)する(ステップS402)。次に、CPU800は、第1レジストローラ3を駆動すると共に、給紙モータM2を起動(ON)し(ステップS403)、第2レジストローラ4と第1搬送ローラ5と第2搬送ローラ6が駆動される。一方、反転パスからの給紙動作の場合、CPU800は給紙モータM2のみを起動する。
【0049】
第2レジストローラ4の上流で停止している原稿は、給紙モータM2によって駆動される第2レジストローラ4へと搬送される。そして、搬送される原稿の先端がリードセンサ12に達したことをリードセンサ12が検知(リードセンサON)すると(ステップS404でYES)、原稿が所定量搬送される(ステップS405)。
【0050】
次に、原稿が所定量搬送されたときは(ステップS406でYES)、CPU800は給紙モータM2を停止(OFF)し(ステップS407)、原稿先端を読み取り位置Rより上流に停止させる。このとき、分離パスからの給紙動作であった場合、CPU800は分離モータM1も停止する。
【0051】
次に、図3の処理における読取動作処理の詳細を図6を用いて説明する。
【0052】
図6は、図3の処理における読取動作処理の詳細を示すフローチャートである。
【0053】
まず、CPU800は給紙モータM2を駆動(ON)して、第2レジストローラ4と第1搬送ローラ5と第2搬送ローラ6が駆動される(ステップS501)。次に、読取位置Rの上流で停止している原稿が読取位置Rまで搬送され(ステップS502)、原稿先端が読取位置Rに到達したときは(ステップS503でYES)、リーダ部200による原稿の画像読取が開始される(ステップS504)。画像読取の開始は、ADF100からリーダ部200に対して読取開始を通知することで、リーダ部200が画像読み取りを開始する。
【0054】
次に、原稿の先端が排紙センサ13に到達して排紙センサ13が原稿先端を検知(排紙センサON)したときは(ステップS505でYES)、CPU800は排紙モータM3を駆動開始(正転ON)する(ステップS506)。
【0055】
次に、原稿が所定量搬送された後(ステップS507)、原稿有無検知センサ14が原稿トレイ20上に載置された原稿を検知したときは(ステップS508、ステップS509でYES)、CPU800は次原稿の分離開始を許可する(ステップS510)。実際に分離が開始されるタイミングは、原稿サイズ及び原稿搬送速度(読み取り速度)によって変更される。
【0056】
次に、原稿後端がリードセンサ12に達してリードセンサ12が原稿後端を検知(リードセンサOFF)すると(ステップS511でYES)、原稿が所定量搬送される(ステップS512)。
【0057】
次に、原稿後端が読取位置Rに達したときは(ステップS513でYES)、画像読取を終了する(ステップS514)。画像読取の終了は、読取開始と同様に、ADF100からリーダ部200に対して読取終了を通知することで、リーダ部200が画像読み取りを終了する。そして、CPU800は給紙モータM2を停止(OFF)して(ステップS515)、本処理を終了する。
【0058】
次に、図3の処理における排紙動作処理の詳細を図7を用いて説明する。
【0059】
図7は、図3の処理における排紙動作処理の詳細を示すフローチャートである。
【0060】
原稿は、原稿画像の読み取りが終了し、原稿後端が読取位置Rより下流の位置で停止している状態にある。次に、原稿は、給紙モータM2が駆動(ON)され、同時に、排紙モータM3が正転駆動(ON)されることにより第2搬送ローラ6と排紙ローラ8が駆動され、搬送パス下流側へと搬送される(ステップS601)。
【0061】
次に、排紙センサ13が原稿後端を検知(排紙センサOFF)したときは(ステップS602でYES)、CPU800は、原稿が給紙モータM2の駆動系から外れたとして、給紙モータM2を停止する(ステップS603でNO、ステップS604)。一方、次原稿の給紙動作又は読取動作が同時に行われている場合(ステップS603でYES)、CPU800は給紙モータM2を停止しない。
【0062】
次に、原稿が所定量搬送された後(ステップS605)、原稿後端が排紙ローラ8を抜けて原稿が排紙トレイ21上に排出される(ステップS606でYES)。そして、CPU800は排紙モータM3を停止(OFF)して排紙ローラ8の駆動を停止させ(ステップS607)、本処理を終了する。
【0063】
次に、図3の処理における反転動作処理の詳細を図8及び図9を用いて説明する。
【0064】
図8及ぶ図9は、図3の処理における反転動作処理の詳細を示すフローチャートである。
【0065】
原稿は、原稿画像の読み取りが終了し、原稿後端が読取位置Rより下流の位置で停止している状態にある。次に、原稿は、給紙モータM2が駆動(ON)され、同時に、排紙モータM3が正転駆動(ON)されることにより第2搬送ローラ6と排紙ローラ8が駆動され、搬送パス下流側へと搬送される(ステップS701)。
【0066】
次に、排紙センサ13に原稿後端を検知(排紙センサOFF)したときは(ステップS702でYES)、CPU800は、原稿が給紙モータM2の駆動系から外れたとして、給紙モータM2を停止する(ステップS703)。次に、原稿が所定量搬送され(ステップS704)、原稿先端が排紙トレイ21上に排出され、原稿後端が排紙ローラ8にニップされた位置に到達すると(ステップS705でYES)、CPU800は排紙モータM3を停止(OFF)する(ステップS706)。
【0067】
次に、CPU800は、排紙モータM3を逆転駆動(ON)して、排紙ローラ8を逆転駆動させる(ステップS707)。次に、原稿端部が排紙センサ13に達したことを排紙センサ13が検知(排紙センサON)すると(ステップS708でYES)、原稿が所定量搬送される(図9のステップS709)。
【0068】
次に、原稿が所定量搬送されたときは(ステップS710でYES)、CPU800は排紙モータM3を停止(OFF)する(ステップS711)。このとき、第2レジストローラ4は駆動停止しており、スイッチバックされた原稿の先端が第2レジストローラ4にループ形成された状態で突き当てられ、反転搬送中での原稿の斜行が補正される。
【0069】
次に、CPU800は給紙モータM2を起動(ON)すると、第2レジストローラ4と第1搬送ローラ5と第2搬送ローラ6が駆動される(ステップS712)。
【0070】
第2レジストローラ4に突き当てられた原稿は、搬送パスの下流側へと搬送される。
そして、原稿先端がリードセンサ12まで達してリードセンサ12が原稿先端を検知(リードセンサON)すると(ステップS713でYES)、原稿が所定量搬送される(ステップS714)。次に、原稿先端が読み取り位置Rの上流に到達すると(ステップS715でYES)、CPU800は給紙モータM2を停止(OFF)して原稿の搬送を停止し(ステップS716)、本処理を終了する。
【0071】
図3におけるステップS212の空送り動作では、上述した図6の読取動作処理における読取開始(ステップS504)と読取終了(ステップS512)が行われず、給紙モータM2が同様の動作を行う。
【0072】
ADF100により各種原稿を自動搬送して原稿画像の読み取りを行う場合、原稿の種類に応じて画像読取制御を行うことができれば、最適な画像読取装置を提供することができる。例えば、上記ADF100では、斜行補正を第1レジストローラ3により行っている。しかしながら、ADF100が、原稿表面が滑りやすく、分離ローラやレジストローラ等の搬送ローラとの摩擦で搬送中に斜行しやすい原稿を搬送する場合、第2レジストローラでも斜行補正を行うと、より最適な原稿搬送を実現することができる。
【0073】
また、厚紙等でも腰の強い紙を搬送する場合、読み取り位置直前の曲面の搬送路でジャムになりやすいので、最適な搬送を実現するために搬送速度を落として画像読取位置まで搬送すると都合が良い場合がある。このような場合、事前に原稿の情報、例えば紙種、紙サイズ、カラー印刷原稿/白黒印刷原稿等が、原稿の搬送開始後で第1レジストローラ3に到達するまでに判明していると、適切な原稿搬送制御及び画像読取制御を実現することが可能となる。そこで、原稿に埋め込まれたRFIDタグからデータ情報を読み取り、該データ情報に基づいて搬送中の原稿の搬送制御及び画像読取制御を行う画像読取装置の構成について説明する。
【0074】
図10は、RFIDタグ付き原稿の一例を示す図である。
【0075】
原稿トレイ20上に載置される原稿束Sの各原稿には、図示のように2つのRFIDタグ90,91が配置されている。RFIDタグ90,91は、それぞれデータ情報を記憶する記憶部と該データ情報を無線により送受信する送受信部とを備える。なお、RFIDタグ90,91は、図示の位置に限らず、お互いに重ならない位置に配置されていればよい。
【0076】
図11は、原稿トレイ20を真上から見たRFIDリーダ30,31の配置例と可読範囲の一例を示す図である。
【0077】
図11において、RFIDリーダ30は、該RFIDリーダ30を中心として放射円状の範囲内にあるRFIDタグからデータ情報を読み取ることが可能な可読範囲32を有する。RFIDリーダ31は、該RFIDリーダ31を中心として放射円状の範囲内にあるRFIDタグからデータ情報を読み取ることが可能な可読範囲33を有する。
【0078】
RFIDリーダ30,31は、2つのRFIDリーダ30,31により、原稿トレイ20上に存在する原稿の全てのRFIDタグからデータ情報を読み取ることが可能となるように配置されている。
【0079】
図12(a)は、原稿トレイ20に原稿束Sが載置された状態でRFIDリーダ31がRFIDタグ90からデータ情報を読み取るときの状況を示す図である。図12(b)は、原稿の搬送開始後にRFIDリーダ31がRFIDタグ90からデータ情報を読み取れなくなったときの状況を示す図である。
【0080】
原稿トレイ20上に原稿束Sが載置されると、図12(a)に示すように、可読範囲33内にRFIDタグ90,91が存在するため、RFIDリーダ31によりRFIDタグ90,91からのデータ情報の読み取りが可能である。RFIDリーダ30,31により原稿束Sの各原稿のRFIDタグ90,91内のデータ情報が読み取られる。原稿束Sがセットされて以降、ポーリング動作により所定時間毎にRFIDタグの検出及びデータ情報の読み取りが実施される。データ情報は、図13(a)、図13(b)に示すようなアドレス及びデータ形式で構成されており、RFIDリーダ30,31により、各アドレスにアクセスすることで記録されたデータ情報が読み取られる。
【0081】
図13は、RFIDリーダ30,31により読み取られたデータ情報の構成例を示す図であり、(a)は原稿1、(b)は原稿2を示す。
【0082】
データ情報は、アドレスごとに個別データ部と共通データ部と備える。個別データ部には、各RFIDタグに設定された固有のタグIDが格納されている。タグID領域411,412,421,422はRFIDタグを識別するためのタグIDが格納された領域である。例えば、原稿1のデータ101aは、原稿1に埋め込まれたRFIDタグ90のデータ情報を表し、データ101bは原稿1に埋め込まれたRFIDタグ91のデータ情報を表している。同様に、原稿2のデータ102aは、原稿2のRFID90のデータ情報を表し、データ102bは原稿2のRFID91のデータ情報を表している。
【0083】
一方、共通データ部には、今回の制御で使用される用紙情報コードや原稿情報コードが予め格納されている。RFIDタグ90,91のいずれかからRFIDリーダによりデータ情報が読み取られても当該データ情報を利用して搬送制御や画像読取制御が可能となるように、用紙情報や画像情報等は各RFIDタグ90,91に等しく格納されている。
【0084】
用紙情報コード領域413,423には、上位8ビットにはRFIDタグが付加された原稿に関する用紙サイズ情報が、下位8ビットには用紙紙種コード情報が格納される。また、原稿情報コード領域414,424には、上位8ビットにはRFIDタグが付加された原稿に関するカラーモードか白黒モードかを表す色情報が、下位8ビットには原稿の片両モード(両面/片面)情報が格納される。なお、上記データ情報は、予め原稿作成時にRFIDライタ等で書き込まれる。
【0085】
RFIDリーダ30,31により読み取られたデータ情報は、RAM802上の記憶領域Maに一旦保持される。
【0086】
図14は、RFIDリーダ30,31により読み取られたデータ情報を保持するためRAM802に確保されたデータ情報の記憶領域を示す図である。
【0087】
原稿の搬送が開始され、原稿の搬送開始直後のタイミングで再度RFIDリーダ30,31により原稿束Sの各原稿のRFIDタグ90,91からデータ情報が読み取られる。しかしながら、図12(b)に示すように、原稿が搬送されると搬送中の当該原稿のRFIDタグ90,91がRFIDリーダ31の可読範囲33から外れてしまうため、RFIDタグ90,91からデータ情報が読み取れなくなる。
【0088】
搬送中の原稿以外の原稿は、図12(a)に示すように、原稿トレイ20上に載置されているので、搬送中の原稿以外の原稿のRFIDタグ90,91からデータ情報が読み取られる。そして、読み取られたデータ情報は、RAM802上の記憶領域Maとは異なる記憶領域Mbに保持される。さらに、記憶領域Maに保持されたデータ情報と記憶領域Mbに保持されたデータ情報とが比較される。こうして、搬送中の原稿のRFIDタグ90,91からデータ情報が読み取られないため、必ず記憶領域Maに保持されていて記憶領域Mbに保持されないデータ情報が発生することになる。比較の結果、記憶領域Maに保持されたデータ情報であって記憶領域Mbに保持されていないデータ情報を検出することにより、当該検出されたデータ情報が搬送中の原稿のデータ情報として特定される。上記で説明した搬送中の原稿データ情報を特定するフローを図21に示す。
【0089】
図21において、まず、原稿トレイ20上に原稿束Sが載置された状態でRFIDリーダ30,31が原稿束Sの複数のRFIDタグ(RFIDタグ90,91)から複数のデータ情報を読み取る(ステップS2101)。次に、各RFIDリーダ30,31により読み取った複数のデータ情報がRAM802上の記憶領域Maに格納される(ステップS2102)。
【0090】
次に、原稿束Sから1枚の原稿の搬送が開始される(ステップS2103)。その後、原稿トレイ20上に原稿束Sが載置された状態で再度各RFIDリーダ30,31により原稿束Sの複数のRFIDタグから読み取られたデータ情報がRAM802上の記憶領域Mbに格納される(ステップS2104)。つづいて、記憶領域Maに格納されたデータ情報と記憶領域Mbに格納されたデータ情報とを比較する(ステップS2105)。
【0091】
次に、記憶領域Maに格納されたデータ情報であって記憶領域Mbに格納されていないデータ情報が搬送中の原稿のデータ情報として特定される(ステップS2106)。特定されたデータ情報は当該搬送中の原稿に関する用紙情報等で構成されている。このことから、当該データ情報に基づき、レジストローラでの斜行補正の回数や読み取り位置までの搬送速度の変更などを実施することで、最適な原稿搬送制御及び原稿読取制御を実現することが可能となる。
【0092】
上記実施の形態によれば、原稿トレイ20に原稿束Sが載置された状態で、RFIDリーダ30,31が原稿束Sの各原稿のRFIDタグ90,91から一度に読み取ったデータ情報をRAM802の記憶領域Maに保持する。そして、原稿の搬送開始後に、RFIDリーダ30,31が一度に読み取ったデータ情報をRAM802の記憶領域Mbに保持する。そして、記憶領域Maに保持されたデータ情報と記憶領域Mbに保持されたデータ情報とを比較し、搬送が開始された原稿のデータ情報を特定する。そして、特定されたデータ情報に基づいて、搬送が開始された原稿の搬送制御及び/又は画像読取制御を行う。これにより、原稿台上の原稿から一度に読み取った複数のデータ情報の中から搬送を開始した原稿に対応するデータ情報を取り出すことができ、当該データ情報に基づいて搬送中の原稿の搬送制御又は画像読取制御を適正に行うことができる。
【0093】
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態に係る画像読取装置は、上記第1の実施形態における図1の原稿トレイ20内に配置されたRFIDリーダ30,31に代えて、可読範囲の小さい複数のRFIDリーダが一定の間隔で原稿トレイ20に配置されたものである。以下、同一の構成要素に同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0094】
図15は、本発明の第2の実施形態に係る画像読取装置の概略構成を示す縦断面図である。図16は、RFIDタグ付き原稿の他の一例を示す図である。図17は、原稿トレイ20を真上から見たRFIDリーダの配置例と可読範囲の一例を示す図である。
【0095】
図15において、本画像読取装置は、ADF300と、リーダ部200とで構成される。ADF300は、原稿束Sが載置される原稿トレイ20を備える。原稿トレイ20内には、原稿束Sの各原稿に付加されたRFID(Radio Frequancy IDentification)タグからデータ情報を読み取ることが可能な複数のRFIDリーダ1302〜1333が配置されている(図17参照)。
【0096】
各RFIDリーダの主走査方向と副走査方向との間隔をldとし、原稿が原稿トレイ20上に載置された位置から分離されて第1レジストローラ3に突き当たり一旦停止するまでの搬送距離をLとする。
【0097】
図16において、原稿トレイ20上に載置される原稿束Sの各原稿には、図示のように2つのRFIDタグ1300,1301が配置されている。RFIDタグ1300,1301は、それぞれデータ情報を記憶する記憶部と該データ情報を無線により送受信する送受信部とを備える。なお、RFIDタグ90,91は、図示の位置に限らず、お互いに重ならない位置に配置されていればよい。
【0098】
図17において、RFIDリーダ1302〜1333は、各RFIDリーダを中心として放射円状に半径Rの可読範囲(図中の円内)を有する。原稿トレイ20上の範囲内に載置された原稿のRFIDタグを複数のRFIDリーダで漏れなく検出すべく、主走査方向と副走査方向とで隣り合う可読範囲が重なりあうようにRFIDリーダが配置されている。主走査方向及び副走査方向への各RFIDリーダの配置間隔をldとすると、△abcは、底辺がld、他の二辺がRの直角2等辺三角形になることがわかる。
【0099】
このことから、RFIDリーダの可読範囲の半径RとRFIDリーダの配置間隔ldの関係が、
ld≦√2×R (1)
となるようにRFIDリーダを配置することで、各原稿に付加されたRFIDタグを漏れなく検出することが可能となる。
【0100】
式(1)において、
ld=√2×R (2)
となるときが、図17に示す各RFIDリーダの可読範囲の重なりが最小の場合である。
【0101】
ところで、原稿トレイ20からの原稿搬送時に斜行補正のため第1レジストローラ3で一旦停止させている。搬送中の原稿が一旦停止するまでに、当該搬送中の原稿の情報、例えば、原稿の紙種や紙サイズ、色、表面情報等を利用することができれば、一旦停止後の原稿の搬送制御や画像読取制御の最適化が可能となる。そこで、原稿が搬送距離Lを搬送される間にRFIDリーダが原稿のRFIDタグ内の原稿の情報(データ情報)を読み取り、制御部が搬送中の原稿の情報を特定する。
【0102】
本実施の形態では、原稿が搬送距離Lを搬送されている間に、各RFIDリーダの読み取り情報の変化を検出することで、搬送中の原稿のデータ情報を特定する。
【0103】
各RFIDリーダの可読範囲Rと、第1レジストローラ3までの搬送距離Lと、各RFIDリーダの配置との関係について説明する。例えば、1つのRFIDリーダが原稿の1つのRFIDタグからデータ情報を読み出しているときに原稿が搬送距離Lを搬送された場合、他の1つのRFIDリーダが当該RFIDタグからデータ情報を読み取る場合について説明する。
【0104】
(R>Lの場合)
原稿が搬送距離Lを搬送された場合、他の1つのRFIDリーダが当該原稿のRFIDタグを検出するためには、図18(a)に示すように、2つのRFIDリーダの配置間隔ldが、
ld≦R+L (3)
である必要がある。
【0105】
ld≦√2×R (1)
ld≦R+L (3)
上記式(1)の結果とあわせて、R>Lの場合、RFIDリーダの配置間隔ldが上記式(1)、式(3)の両式を満足する配置になると、搬送距離Lを原稿が搬送されている間にRFIDリーダが原稿内のRFIDタグに保持されたデータ情報を読み取る。その結果、搬送中の原稿のデータ情報を特定することが可能となる。
【0106】
(R<Lの場合)
搬送距離Lを原稿が搬送された場合、他の1つのRFIDリーダが当該原稿のRFIDタグを検出するためには、図18(b)に示すように、2つのRFIDリーダの配置間隔ldが、
ld≦2×R (4)
である必要がある。
【0107】
ld≦√2×R (1)
RFIDリーダの配置間隔ldが、上記式(1)を満足する配置になると、搬送距離Lを原稿が搬送されている間にRFIDリーダが原稿内のRFIDタグに保持されたデータ情報を読み取り、搬送中の原稿のデータ情報を特定することが可能である。
【0108】
次に、原稿トレイ20に配置されるRFIDリーダの個数について図17を用いて説明する。
【0109】
原稿トレイ20に配置されるRFIDリーダの個数は、RFIDリーダの配置及び個々のRFIDリーダの可読範囲により変わってくる。そこで、一例として、図17に示すRFIDリーダの可読範囲の重なりが最小となる場合について説明する。
【0110】
ADF100上で原稿のRFIDタグからのデータ情報の読み取りが必要な最大原稿サイズをLmax×Wmaxとする。原稿内のRFIDタグを原稿トレイ20内のRFIDリーダが漏れなく読み取り可能にするためには、図17に示すように、原稿トレイ20の内枠サイズが最大原稿検出サイズであることを考慮すればよい。そこで、原稿トレイ20の内枠サイズを求める。ここでは、内枠サイズをLmax×Wmaxとする。
【0111】
図17に示すように、外枠に可読範囲の円周が接しているとして、外枠と内枠との幅を求める。△abcは、上述したように直角2等辺三角形になるので、その頂点bから垂線を辺ac上に落とした位置をdとすると、
db=ld/2=R/√2 (5)
そこで、外枠と内枠の差Δdは、
Δd=ef−db=R−ld/2
となる。最大原稿検出サイズの主走査方向長及び副走査方向長に前後左右分のΔdを加算して、RFIDリーダの配置間隔ldで割ったものが、主走査及び副走査方向のそれぞれに並ぶRFIDリーダの個数となる。
【0112】
主走査方向数=(Wmax+2×Δd)/ld=(Wmax+2×R−ld)/ld
副走査方向数=(Lmax+2×Δd)/ld=(Lmax+2×R−ld)/ld
RFIDリーダの個数は、
(Wmax+2×R−ld)/ld×(Lmax+2×R−ld)/ld (6)
となる。
【0113】
各RFIDリーダが原稿トレイ20に配置された上で、実際に各RFIDリーダがRFIDタグからデータ情報を読み取る方法について説明する。原稿束Sが載置された際に、各RFIDリーダが各原稿のRFIDタグ1300,1301からデータ情報を読み取る。
【0114】
図19(a)では、RFIDリーダ1319がRFIDタグ1300,1301からのデータ情報の読み取りが可能となっている。RFIDタグ1300,1301から読み取られたデータ情報の一例は、図13(a)、図13(b)に示す。各RFIDリーダにより読み取られた各データ情報が、RAM802上の所定のアドレスごとに確保された各RFIDリーダのデータ情報の記憶領域に一旦保持される。RAM802上のアドレス空間に確保された複数のデータ情報の記憶領域を図20に示す。
【0115】
図20では、RFIDリーダ1302が原稿トレイ20上に載置された原稿のRFIDタグから読み取ったデータ情報が、原稿載置時1302用データ領域(記憶領域)に保持される。同様に、RFIDリーダ1303が原稿トレイ20上に載置された原稿のRFIDタグから読み取ったデータ情報が原稿載置時1303用データ領域に保持される。こうして、各RFIDリーダの原稿載置時のデータ情報記憶領域にデータ情報が保持されていき、RFIDリーダ1321が原稿トレイ20上に載置された原稿のRFIDタグから読み取ったデータ情報が原稿載置時1321用データ領域に保持される。なお、RFIDタグの読み取りは全てのRFIDリーダにより実施されるが、図19の例では、原稿積載時の原稿サイズがRFIDリーダ1322〜1333の領域にはかかっていないのでこの領域についての説明は省略する。
【0116】
原稿の搬送が開始してから当該原稿が搬送距離Lを搬送されたときに、各RFIDリーダが原稿のRFIDタグからデータ情報を読み取る。例えば、原稿が原稿トレイ20上に載置されていたときにRFIDリーダ1319により読み取られていたデータ情報が、原稿が搬送されることで、RFIDリーダ1319により読み取れなくなる。そして、RFIDリーダ1319に代わってRFIDリーダ1315によりデータ情報が読み取られることになる。このときの状態を図19(b)に示す。
【0117】
そして、RAM802上には、原稿載置時に確保されたデータ領域とは別のデータ領域が確保される。原稿が搬送開始後に各RFIDリーダにより読み取られた各データ情報が、RAM802上の所定のアドレスごとに確保された各RFIDリーダのデータ情報のデータ領域(記憶領域)に一旦保持される。その結果、RAM802は図20に示すようになる。RFIDリーダ1302が原稿搬送開始後に原稿のRFIDタグから読み取ったデータ情報が、原稿搬送開始時1302用データ領域に保持される。同様に、RFIDリーダ1303が原稿搬送開始後に原稿のRFIDタグから読み取ったデータ情報が原稿搬送開始時1303用データ領域に保持される。こうして、各RFIDリーダの原稿載置時のデータ情報記憶領域にデータ情報が保持されていき、RFIDリーダ1321が原稿搬送開始後に原稿のRFIDタグから読み取ったデータ情報が原稿搬送開始時1321用データ領域に保持される。
【0118】
図20において、各RFIDリーダのデータ領域について、RFIDリーダ毎に、原稿載置時に読み取られて保持されたデータ情報と、原稿搬送開始後に読み取られ保持されたデータ情報とが比較され、変化のあるデータ情報が検出される。検出されたデータ情報が搬送中の原稿のデータ情報であると判断・特定される。上記で説明した搬送中の原稿データ情報を特定するフローを図22に示す。
【0119】
図22において、まず、原稿トレイ20上に原稿が載置された状態で各RFIDリーダが原稿のRFIDタグからデータ情報を読み取る(ステップS2201)。次に、各RFIDリーダにより読み取った各データ情報がRAM802内の各RFIDリーダに対応する原稿載置時用データ領域にそれぞれ格納される(ステップS2202)。
【0120】
次に、原稿の搬送が開始される(ステップS2203)。その後、再度各RFIDリーダにより原稿のRFIDタグから読み取ったデータ情報がRAM802内の各RFIDリーダに対応する原稿搬送時用データ領域にそれぞれ格納される(ステップS2204)。つづいて、原稿載置時用データ領域に格納されたデータ情報と原稿搬送時用データ領域に格納されたデータ情報とを比較する(ステップS2205)。
【0121】
次に、原稿載置時用データ領域に格納されたデータ情報であって原稿搬送時用データ領域に格納されていないデータ情報が搬送中の原稿のデータ情報として特定される(ステップS2206)。特定された原稿の原稿特性に関するデータ情報に基づき、レジストローラでの斜行補正の回数や読み取り位置までの搬送速度の変更などが実施される。これにより、最適な原稿搬送制御及び原稿読取制御を実現することが可能となる。
【0122】
上記実施の形態によれば、RFIDタグ付き原稿の画像読取(又は原稿搬送)を行う場合、どんな位置にRFIDタグが埋め込まれた原稿であっても搬送中の原稿のデータ情報を的確に識別することができる。そして、当該読み取ったデータ情報に基づいて搬送中の原稿の搬送制御や画像読取制御を適正に行うことができる。
【0123】
上記実施の形態では、RFIDリーダは、ADF100内の制御部に接続されているが、リーダ部200内の制御部に接続されていてもよい。また、CPU800やRAM802、ROM801等がADF100内だけではなく、リーダ部200内に配置されていてもよい。
【0124】
また、本発明の目的は、上述した各実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記憶した記憶媒体を、システム或いは装置に供給することによっても達成される。その場合、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行する。該記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した各実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0125】
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク等を用いることができる。また、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD±R、DVD−RAM、DVD±RW等の光ディスク、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。また、プログラムコードをネットワークを介してダウンロードしてもよい。
【0126】
コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上述した各実施形態の機能が実現されるだけではない。すなわち、プログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上述した各実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0127】
更に、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。そして、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上述した各実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る画像読取装置の概略構成を示す縦断面図である。
【図2】図1におけるADFの制御部の概略構成を示すブロック図である。
【図3】ADFを利用した画像読取処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】図3の処理における分離動作処理の詳細を示すフローチャートである。
【図5】図3の処理における給紙動作処理の詳細を示すフローチャートである。
【図6】図3の処理における読取動作処理の詳細を示すフローチャートである。
【図7】図3の処理における排紙動作処理の詳細を示すフローチャートである。
【図8】図3の処理における反転動作処理の詳細を示すフローチャート(その1)である。
【図9】図3の処理における反転動作処理の詳細を示すフローチャート(その2)である。
【図10】RFIDタグ付き原稿の一例を示す図である。
【図11】原稿トレイを真上から見たRFIDリーダの配置例と可読範囲の一例を示す図である。
【図12】(a)は原稿トレイに原稿束が載置された状態でRFIDリーダがRFIDタグからデータ情報を読み取るときの状況を示す図である。(b)は原稿の搬送開始後にRFIDリーダがRFIDタグからデータ情報を読み取れなくなったときの状況を示す図である。
【図13】RFIDリーダにより読み取られたデータ情報の構成例を示す図であり、(a)は原稿1、(b)は原稿2を示す。
【図14】RFIDリーダにより読み取られたデータ情報を保持するためRAMに確保された当該データ情報の記憶領域を示す図である。
【図15】本発明の第2の実施形態に係る画像読取装置の概略構成を示す縦断面図である。
【図16】RFIDタグ付き原稿の他の一例を示す図である。
【図17】原稿トレイを真上から見た複数のRFIDリーダの配置例と可読範囲の一例を示す図である。
【図18】RFIDリーダの配置間隔ldと原稿搬送距離Lと半径Rとの関係を示す図であり、(a)はR>Lの場合、(b)はR<Lの場合である。
【図19】(a)は原稿トレイに原稿束が載置された状態でRFIDリーダがRFIDタグからデータ情報を読み取るときの状況を示す図であり、(b)は原稿搬送開始後のデータ情報の読み取り状況を示す図である。
【図20】本発明の第2の実施形態におけるRFIDリーダにより読み取られた複数のデータ情報を保持するためRAMに確保された当該複数のデータ情報の記憶領域を示す図である。
【図21】本発明の第1の実施形態における各原稿のRFIDタグからデータ情報を読み取ることによって搬送中の原稿を特定する処理を示すフローチャートである。
【図22】本発明の第2の実施形態における各原稿のRFIDタグからデータ情報を読み取ることによって搬送中の原稿を特定する処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0129】
3 第1レジストローラ
5 第1搬送ローラ
20 原稿トレイ
30,31 RFIDリーダ
32,33 可読範囲
90,91 RFIDタグ
100 ADF
200 リーダ部
800 CPU
801 ROM
802 RAM
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿が載置される原稿台と、前記原稿台に載置された原稿を1枚ずつ搬送する原稿搬送手段と、原稿に埋め込まれた情報記録媒体からデータ情報の読み取りを行うデータ情報読取手段と、前記データ情報を記憶する記憶手段とを備える自動原稿給送装置において、
前記原稿台に原稿が載置された状態で、前記データ情報読取手段が一度に読み取ったデータ情報を前記記憶手段の第1の記憶領域に保持する第1のデータ情報保持手段と、
前記原稿搬送手段による原稿の搬送開始後に、前記データ情報読取手段が一度に読み取ったデータ情報を前記記憶手段の第2の記憶領域に保持する第2のデータ情報保持手段と、
前記第1の記憶領域に保持されたデータ情報と前記第2の記憶領域に保持されたデータ情報とを比較するデータ情報比較手段と、
前記データ情報比較手段による比較結果から、搬送が開始された原稿のデータ情報を特定するデータ情報特定手段と、
前記特定されたデータ情報に基づいて、搬送が開始された原稿の搬送制御を行う制御手段とを備えることを特徴とする自動原稿給送装置。
【請求項2】
前記データ情報特定手段は、前記第1のデータ情報保持手段に保持されたデータ情報であって前記第2のデータ情報保持手段に保持されていないものを、搬送が開始された原稿のデータ情報として特定することを特徴とする請求項1記載の自動原稿給送装置。
【請求項3】
前記データ情報読取手段は、前記データ情報の読み取りが可能な範囲である可読範囲を有し、前記原稿台上の全範囲が可読範囲となるように原稿台に少なくとも1つ配置されていることを特徴とする請求項1又は2記載の自動原稿給送装置。
【請求項4】
原稿が載置される原稿台と、前記原稿台に載置された原稿を1枚ずつ搬送する原稿搬送手段と、原稿に埋め込まれた情報記録媒体からデータ情報の読み取りを行う複数のデータ情報読取手段と、前記複数のデータ情報を記憶する記憶手段とを備える自動原稿給送装置において、
前記原稿台に原稿が載置された状態で、前記複数のデータ情報読取手段が一度に読み取った複数のデータ情報を前記記憶手段の第1の記憶領域にそれぞれ保持する第1のデータ情報保持手段と、
前記原稿搬送手段による原稿の搬送開始後に、前記複数のデータ情報読取手段が一度に読み取った複数のデータ情報を前記記憶手段の第2の記憶領域にそれぞれ保持する第2のデータ情報保持手段と、
前記第1の記憶領域に保持された複数のデータ情報と前記第2の記憶領域に保持された複数のデータ情報とを比較するデータ情報比較手段と、
前記データ情報比較手段による比較結果から、搬送が開始された原稿のデータ情報を特定するデータ情報特定手段と、
前記特定されたデータ情報に基づいて、搬送が開始された原稿の搬送制御を行う制御手段とを備えることを特徴とする自動原稿給送装置。
【請求項5】
原稿が前記原稿台上に載置された位置から1枚ずつ分離されて当該原稿の斜行補正のために一時停止する一時停止位置まで搬送される間に、前記原稿台に原稿が載置された状態で当該原稿の情報記録媒体からデータ情報の読み取りを行った前記複数のデータ情報読取手段の少なくとも1つとは別の前記データ情報読取手段の少なくとも1つが当該原稿の情報記録媒体からデータ情報の読み取りが可能となるように、前記複数のデータ情報読取手段が前記原稿台に配置されていることを特徴とする請求項4記載の自動原稿給送装置。
【請求項6】
前記複数のデータ情報読取手段の配置間隔をldとし、原稿が前記原稿台上に載置された位置から1枚ずつ分離されて当該原稿の斜行補正のために一時停止する一時停止位置までの原稿搬送距離をLとし、前記複数のデータ情報読取手段の可読範囲が全て半径Rの円である場合、前記配置間隔ldと前記原稿搬送距離Lと前記半径Rとの関係が、
R>Lの場合、ld≦√2×R、ld≦R+Lとなり、
R<Lの場合、ld≦√2×Rとなるように、
前記複数のデータ情報読取手段が前記原稿台に配置されていることを特徴とする請求項4又は5記載の自動原稿給送装置。
【請求項7】
前記情報記録媒体はRFIDタグ又はRFIDチップから成り、原稿1枚に付き少なくとも2つ埋め込まれていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の自動原稿給送装置。
【請求項8】
原稿が載置される原稿台と、前記原稿台に載置された原稿を1枚ずつ搬送する原稿搬送手段と、原稿に埋め込まれた情報記録媒体からデータ情報の読み取りを行うデータ情報読取手段と、前記データ情報を記憶する記憶手段と、搬送中の原稿の画像を読み取る画像読取手段とを備える画像読取装置において、
前記原稿台に原稿が載置された状態で、前記データ情報読取手段が一度に読み取ったデータ情報を前記記憶手段の第1の記憶領域に保持する第1のデータ情報保持手段と、
前記原稿搬送手段による原稿の搬送開始後に、前記データ情報読取手段が一度に読み取ったデータ情報を前記記憶手段の第2の記憶領域に保持する第2のデータ情報保持手段と、
前記第1の記憶領域に保持されたデータ情報と前記第2の記憶領域に保持されたデータ情報とを比較するデータ情報比較手段と、
前記データ情報比較手段による比較結果から、搬送が開始された原稿のデータ情報を特定するデータ情報特定手段と、
前記特定されたデータ情報に基づいて、搬送が開始された原稿の搬送制御及び画像読取制御を行う制御手段とを備えることを特徴とする画像読取装置。
【請求項9】
原稿が載置される原稿台と、前記原稿台に載置された原稿を1枚ずつ搬送する原稿搬送手段と、原稿に埋め込まれた情報記録媒体からデータ情報の読み取りを行う複数のデータ情報読取手段と、前記複数のデータ情報を記憶する記憶手段と、搬送中の原稿の画像を読み取る画像読取手段とを備える画像読取装置において、
前記原稿台に原稿が載置された状態で、前記複数のデータ情報読取手段が一度に読み取った複数のデータ情報を前記記憶手段の第1の記憶領域にそれぞれ保持する第1のデータ情報保持手段と、
前記原稿搬送手段による原稿の搬送開始後に、前記複数のデータ情報読取手段が一度に読み取った複数のデータ情報を前記記憶手段の第2の記憶領域にそれぞれ保持する第2のデータ情報保持手段と、
前記第1の記憶領域に保持された複数のデータ情報と前記第2の記憶領域に保持された複数のデータ情報とを比較するデータ情報比較手段と、
前記データ情報比較手段による比較結果から、搬送が開始された原稿のデータ情報を特定するデータ情報特定手段と、
前記特定されたデータ情報に基づいて、搬送が開始された原稿の搬送制御及び画像読取制御を行う制御手段とを備えることを特徴とする画像読取装置。
【請求項10】
原稿が載置される原稿台と、前記原稿台に載置された原稿を1枚ずつ搬送する原稿搬送手段と、原稿に埋め込まれた情報記録媒体からデータ情報の読み取りを行うデータ情報読取手段と、前記データ情報を記憶する記憶手段とを備える自動原稿給送装置の制御方法において、
前記原稿台に原稿が載置された状態で、前記データ情報読取手段が一度に読み取ったデータ情報を前記記憶手段の第1の記憶領域に保持する第1のデータ情報保持工程と、
前記原稿搬送手段による原稿の搬送開始後に、前記データ情報読取手段が一度に読み取ったデータ情報を前記記憶手段の第2の記憶領域に保持する第2のデータ情報保持工程と、
前記第1の記憶領域に保持されたデータ情報と前記第2の記憶領域に保持されたデータ情報とを比較するデータ情報比較工程と、
前記データ情報比較工程における比較結果から、搬送が開始された原稿のデータ情報を特定するデータ情報特定工程と、
前記特定されたデータ情報に基づいて、搬送が開始された原稿の搬送制御を行う制御工程とを備えることを特徴とする制御方法。
【請求項11】
原稿が載置される原稿台と、前記原稿台に載置された原稿を1枚ずつ搬送する原稿搬送手段と、原稿に埋め込まれた情報記録媒体からデータ情報の読み取りを行う複数のデータ情報読取手段と、前記複数のデータ情報を記憶する記憶手段とを備える自動原稿給送装置の制御方法において、
前記原稿台に原稿が載置された状態で、前記複数のデータ情報読取手段が一度に読み取った複数のデータ情報を前記記憶手段の第1の記憶領域にそれぞれ保持する第1のデータ情報保持工程と、
前記原稿搬送手段による原稿の搬送開始後に、前記複数のデータ情報読取手段が一度に読み取った複数のデータ情報を前記記憶手段の第2の記憶領域にそれぞれ保持する第2のデータ情報保持工程と、
前記第1の記憶領域に保持された複数のデータ情報と前記第2の記憶領域に保持された複数のデータ情報とを比較するデータ情報比較工程と、
前記データ情報比較工程における比較結果から、搬送が開始された原稿のデータ情報を特定するデータ情報特定工程と、
前記特定されたデータ情報に基づいて、搬送が開始された原稿の搬送制御を行う制御工程とを備えることを特徴とする制御方法。
【請求項12】
原稿が載置される原稿台と、前記原稿台に載置された原稿を1枚ずつ搬送する原稿搬送手段と、原稿に埋め込まれた情報記録媒体からデータ情報の読み取りを行うデータ情報読取手段と、前記データ情報を記憶する記憶手段と、搬送中の原稿の画像を読み取る画像読取手段とを備える画像読取装置の制御方法において、
前記原稿台に原稿が載置された状態で、前記データ情報読取手段が一度に読み取ったデータ情報を前記記憶手段の第1の記憶領域に保持する第1のデータ情報保持工程と、
前記原稿搬送手段による原稿の搬送開始後に、前記データ情報読取手段が一度に読み取ったデータ情報を前記記憶手段の第2の記憶領域に保持する第2のデータ情報保持工程と、
前記第1の記憶領域に保持されたデータ情報と前記第2の記憶領域に保持されたデータ情報とを比較するデータ情報比較工程と、
前記データ情報比較工程における比較結果から、搬送が開始された原稿のデータ情報を特定するデータ情報特定工程と、
前記特定されたデータ情報に基づいて、搬送が開始された原稿の搬送制御及び画像読取制御を行う制御工程とを備えることを特徴とする制御方法。
【請求項13】
原稿が載置される原稿台と、前記原稿台に載置された原稿を1枚ずつ搬送する原稿搬送手段と、原稿に埋め込まれた情報記録媒体からデータ情報の読み取りを行う複数のデータ情報読取手段と、前記複数のデータ情報を記憶する記憶手段と、搬送中の原稿の画像を読み取る画像読取手段とを備える画像読取装置の制御方法において、
前記原稿台に原稿が載置された状態で、前記複数のデータ情報読取手段が一度に読み取った複数のデータ情報を前記記憶手段の第1の記憶領域にそれぞれ保持する第1のデータ情報保持工程と、
前記原稿搬送手段による原稿の搬送開始後に、前記複数のデータ情報読取手段が一度に読み取った複数のデータ情報を前記記憶手段の第2の記憶領域にそれぞれ保持する第2のデータ情報保持工程と、
前記第1の記憶領域に保持された複数のデータ情報と前記第2の記憶領域に保持された複数のデータ情報とを比較するデータ情報比較工程と、
前記データ情報比較工程における比較結果から、搬送が開始された原稿のデータ情報を特定するデータ情報特定工程と、
前記特定されたデータ情報に基づいて、搬送が開始された原稿の搬送制御及び画像読取制御を行う制御工程とを備えることを特徴とする制御方法。
【請求項1】
原稿が載置される原稿台と、前記原稿台に載置された原稿を1枚ずつ搬送する原稿搬送手段と、原稿に埋め込まれた情報記録媒体からデータ情報の読み取りを行うデータ情報読取手段と、前記データ情報を記憶する記憶手段とを備える自動原稿給送装置において、
前記原稿台に原稿が載置された状態で、前記データ情報読取手段が一度に読み取ったデータ情報を前記記憶手段の第1の記憶領域に保持する第1のデータ情報保持手段と、
前記原稿搬送手段による原稿の搬送開始後に、前記データ情報読取手段が一度に読み取ったデータ情報を前記記憶手段の第2の記憶領域に保持する第2のデータ情報保持手段と、
前記第1の記憶領域に保持されたデータ情報と前記第2の記憶領域に保持されたデータ情報とを比較するデータ情報比較手段と、
前記データ情報比較手段による比較結果から、搬送が開始された原稿のデータ情報を特定するデータ情報特定手段と、
前記特定されたデータ情報に基づいて、搬送が開始された原稿の搬送制御を行う制御手段とを備えることを特徴とする自動原稿給送装置。
【請求項2】
前記データ情報特定手段は、前記第1のデータ情報保持手段に保持されたデータ情報であって前記第2のデータ情報保持手段に保持されていないものを、搬送が開始された原稿のデータ情報として特定することを特徴とする請求項1記載の自動原稿給送装置。
【請求項3】
前記データ情報読取手段は、前記データ情報の読み取りが可能な範囲である可読範囲を有し、前記原稿台上の全範囲が可読範囲となるように原稿台に少なくとも1つ配置されていることを特徴とする請求項1又は2記載の自動原稿給送装置。
【請求項4】
原稿が載置される原稿台と、前記原稿台に載置された原稿を1枚ずつ搬送する原稿搬送手段と、原稿に埋め込まれた情報記録媒体からデータ情報の読み取りを行う複数のデータ情報読取手段と、前記複数のデータ情報を記憶する記憶手段とを備える自動原稿給送装置において、
前記原稿台に原稿が載置された状態で、前記複数のデータ情報読取手段が一度に読み取った複数のデータ情報を前記記憶手段の第1の記憶領域にそれぞれ保持する第1のデータ情報保持手段と、
前記原稿搬送手段による原稿の搬送開始後に、前記複数のデータ情報読取手段が一度に読み取った複数のデータ情報を前記記憶手段の第2の記憶領域にそれぞれ保持する第2のデータ情報保持手段と、
前記第1の記憶領域に保持された複数のデータ情報と前記第2の記憶領域に保持された複数のデータ情報とを比較するデータ情報比較手段と、
前記データ情報比較手段による比較結果から、搬送が開始された原稿のデータ情報を特定するデータ情報特定手段と、
前記特定されたデータ情報に基づいて、搬送が開始された原稿の搬送制御を行う制御手段とを備えることを特徴とする自動原稿給送装置。
【請求項5】
原稿が前記原稿台上に載置された位置から1枚ずつ分離されて当該原稿の斜行補正のために一時停止する一時停止位置まで搬送される間に、前記原稿台に原稿が載置された状態で当該原稿の情報記録媒体からデータ情報の読み取りを行った前記複数のデータ情報読取手段の少なくとも1つとは別の前記データ情報読取手段の少なくとも1つが当該原稿の情報記録媒体からデータ情報の読み取りが可能となるように、前記複数のデータ情報読取手段が前記原稿台に配置されていることを特徴とする請求項4記載の自動原稿給送装置。
【請求項6】
前記複数のデータ情報読取手段の配置間隔をldとし、原稿が前記原稿台上に載置された位置から1枚ずつ分離されて当該原稿の斜行補正のために一時停止する一時停止位置までの原稿搬送距離をLとし、前記複数のデータ情報読取手段の可読範囲が全て半径Rの円である場合、前記配置間隔ldと前記原稿搬送距離Lと前記半径Rとの関係が、
R>Lの場合、ld≦√2×R、ld≦R+Lとなり、
R<Lの場合、ld≦√2×Rとなるように、
前記複数のデータ情報読取手段が前記原稿台に配置されていることを特徴とする請求項4又は5記載の自動原稿給送装置。
【請求項7】
前記情報記録媒体はRFIDタグ又はRFIDチップから成り、原稿1枚に付き少なくとも2つ埋め込まれていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の自動原稿給送装置。
【請求項8】
原稿が載置される原稿台と、前記原稿台に載置された原稿を1枚ずつ搬送する原稿搬送手段と、原稿に埋め込まれた情報記録媒体からデータ情報の読み取りを行うデータ情報読取手段と、前記データ情報を記憶する記憶手段と、搬送中の原稿の画像を読み取る画像読取手段とを備える画像読取装置において、
前記原稿台に原稿が載置された状態で、前記データ情報読取手段が一度に読み取ったデータ情報を前記記憶手段の第1の記憶領域に保持する第1のデータ情報保持手段と、
前記原稿搬送手段による原稿の搬送開始後に、前記データ情報読取手段が一度に読み取ったデータ情報を前記記憶手段の第2の記憶領域に保持する第2のデータ情報保持手段と、
前記第1の記憶領域に保持されたデータ情報と前記第2の記憶領域に保持されたデータ情報とを比較するデータ情報比較手段と、
前記データ情報比較手段による比較結果から、搬送が開始された原稿のデータ情報を特定するデータ情報特定手段と、
前記特定されたデータ情報に基づいて、搬送が開始された原稿の搬送制御及び画像読取制御を行う制御手段とを備えることを特徴とする画像読取装置。
【請求項9】
原稿が載置される原稿台と、前記原稿台に載置された原稿を1枚ずつ搬送する原稿搬送手段と、原稿に埋め込まれた情報記録媒体からデータ情報の読み取りを行う複数のデータ情報読取手段と、前記複数のデータ情報を記憶する記憶手段と、搬送中の原稿の画像を読み取る画像読取手段とを備える画像読取装置において、
前記原稿台に原稿が載置された状態で、前記複数のデータ情報読取手段が一度に読み取った複数のデータ情報を前記記憶手段の第1の記憶領域にそれぞれ保持する第1のデータ情報保持手段と、
前記原稿搬送手段による原稿の搬送開始後に、前記複数のデータ情報読取手段が一度に読み取った複数のデータ情報を前記記憶手段の第2の記憶領域にそれぞれ保持する第2のデータ情報保持手段と、
前記第1の記憶領域に保持された複数のデータ情報と前記第2の記憶領域に保持された複数のデータ情報とを比較するデータ情報比較手段と、
前記データ情報比較手段による比較結果から、搬送が開始された原稿のデータ情報を特定するデータ情報特定手段と、
前記特定されたデータ情報に基づいて、搬送が開始された原稿の搬送制御及び画像読取制御を行う制御手段とを備えることを特徴とする画像読取装置。
【請求項10】
原稿が載置される原稿台と、前記原稿台に載置された原稿を1枚ずつ搬送する原稿搬送手段と、原稿に埋め込まれた情報記録媒体からデータ情報の読み取りを行うデータ情報読取手段と、前記データ情報を記憶する記憶手段とを備える自動原稿給送装置の制御方法において、
前記原稿台に原稿が載置された状態で、前記データ情報読取手段が一度に読み取ったデータ情報を前記記憶手段の第1の記憶領域に保持する第1のデータ情報保持工程と、
前記原稿搬送手段による原稿の搬送開始後に、前記データ情報読取手段が一度に読み取ったデータ情報を前記記憶手段の第2の記憶領域に保持する第2のデータ情報保持工程と、
前記第1の記憶領域に保持されたデータ情報と前記第2の記憶領域に保持されたデータ情報とを比較するデータ情報比較工程と、
前記データ情報比較工程における比較結果から、搬送が開始された原稿のデータ情報を特定するデータ情報特定工程と、
前記特定されたデータ情報に基づいて、搬送が開始された原稿の搬送制御を行う制御工程とを備えることを特徴とする制御方法。
【請求項11】
原稿が載置される原稿台と、前記原稿台に載置された原稿を1枚ずつ搬送する原稿搬送手段と、原稿に埋め込まれた情報記録媒体からデータ情報の読み取りを行う複数のデータ情報読取手段と、前記複数のデータ情報を記憶する記憶手段とを備える自動原稿給送装置の制御方法において、
前記原稿台に原稿が載置された状態で、前記複数のデータ情報読取手段が一度に読み取った複数のデータ情報を前記記憶手段の第1の記憶領域にそれぞれ保持する第1のデータ情報保持工程と、
前記原稿搬送手段による原稿の搬送開始後に、前記複数のデータ情報読取手段が一度に読み取った複数のデータ情報を前記記憶手段の第2の記憶領域にそれぞれ保持する第2のデータ情報保持工程と、
前記第1の記憶領域に保持された複数のデータ情報と前記第2の記憶領域に保持された複数のデータ情報とを比較するデータ情報比較工程と、
前記データ情報比較工程における比較結果から、搬送が開始された原稿のデータ情報を特定するデータ情報特定工程と、
前記特定されたデータ情報に基づいて、搬送が開始された原稿の搬送制御を行う制御工程とを備えることを特徴とする制御方法。
【請求項12】
原稿が載置される原稿台と、前記原稿台に載置された原稿を1枚ずつ搬送する原稿搬送手段と、原稿に埋め込まれた情報記録媒体からデータ情報の読み取りを行うデータ情報読取手段と、前記データ情報を記憶する記憶手段と、搬送中の原稿の画像を読み取る画像読取手段とを備える画像読取装置の制御方法において、
前記原稿台に原稿が載置された状態で、前記データ情報読取手段が一度に読み取ったデータ情報を前記記憶手段の第1の記憶領域に保持する第1のデータ情報保持工程と、
前記原稿搬送手段による原稿の搬送開始後に、前記データ情報読取手段が一度に読み取ったデータ情報を前記記憶手段の第2の記憶領域に保持する第2のデータ情報保持工程と、
前記第1の記憶領域に保持されたデータ情報と前記第2の記憶領域に保持されたデータ情報とを比較するデータ情報比較工程と、
前記データ情報比較工程における比較結果から、搬送が開始された原稿のデータ情報を特定するデータ情報特定工程と、
前記特定されたデータ情報に基づいて、搬送が開始された原稿の搬送制御及び画像読取制御を行う制御工程とを備えることを特徴とする制御方法。
【請求項13】
原稿が載置される原稿台と、前記原稿台に載置された原稿を1枚ずつ搬送する原稿搬送手段と、原稿に埋め込まれた情報記録媒体からデータ情報の読み取りを行う複数のデータ情報読取手段と、前記複数のデータ情報を記憶する記憶手段と、搬送中の原稿の画像を読み取る画像読取手段とを備える画像読取装置の制御方法において、
前記原稿台に原稿が載置された状態で、前記複数のデータ情報読取手段が一度に読み取った複数のデータ情報を前記記憶手段の第1の記憶領域にそれぞれ保持する第1のデータ情報保持工程と、
前記原稿搬送手段による原稿の搬送開始後に、前記複数のデータ情報読取手段が一度に読み取った複数のデータ情報を前記記憶手段の第2の記憶領域にそれぞれ保持する第2のデータ情報保持工程と、
前記第1の記憶領域に保持された複数のデータ情報と前記第2の記憶領域に保持された複数のデータ情報とを比較するデータ情報比較工程と、
前記データ情報比較工程における比較結果から、搬送が開始された原稿のデータ情報を特定するデータ情報特定工程と、
前記特定されたデータ情報に基づいて、搬送が開始された原稿の搬送制御及び画像読取制御を行う制御工程とを備えることを特徴とする制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2008−60894(P2008−60894A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−235188(P2006−235188)
【出願日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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