説明

自動車の前部車体構造

【課題】フードロックをラジエータサポートアッパ部材の前壁面に配置する場合のエネルギー吸収スペースを確保でき、ひいては衝突荷重の吸収効果を向上できる自動車の前部車体構造を提供する。
【解決手段】ラジエータサポートアッパ部材15には、車両前方からの衝撃荷重によりフードロック6が後方移動するのを許容するアッパ部材変形許容部(前壁部15b)が設けられ、フードロック支持部材7又は車体構成部材4には、衝撃荷重によりフードロック支持部材7が後方に傾斜するのを許容する支持部材変形許容部(フランジ部4a)が設けられ、フードロック6のラジエータサポートアッパ部材15への取付け部には、衝撃荷重によるフードロック6の後方移動及びフードロック支持部材7の後方傾斜に伴って該フードロック6を後下方に離脱させるフードロック離脱部(スリット15h)が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両前方からの衝撃荷重を吸収するようにした自動車の前部車体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車においては、軽衝突時の衝撃荷重を吸収することにより、被衝突物への影響を抑制する構造が採用されている。例えば、特許文献1には、前上方からの衝撃荷重によりフードロック(32)を、第1取付け部(42A)を中心に下方に回転移動させるようにした構造が開示されている。また特許文献2には、前上方からの衝撃荷重によりフードロックサポート(12)を、切欠き部(20)を起点に屈曲させるとともに、ラジエータコアサポート(23)が取り付けられたエネルギー吸収部材(25)を圧縮変形させ、これによりフードロック(14)を後下方に移動させるようにした構造が開示されている。さらに特許文献3には、フードロック(17)を支持するブラケット(18,19)に脆弱部(18g),スリット(19e)を設け、前方からの衝撃荷重によりフードロック(17)を後方に移動させるようにした構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−19641号公報
【特許文献2】実用新案登録第2510532号公報
【特許文献3】特開2006−44336号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えば、フードを低所に位置させた、いわゆる低フード意匠のコンパクトカーでは、フードロックをラジエータサポートの前壁面に取り付けるのが一般的である。この種の車両では、衝撃荷重が車両前方から作用した場合、フードロックがラジエータサポートに底付きして後方移動できず、エネルギー吸収効果が期待できないという問題がある。
【0005】
このような低フード意匠の車両に、特許文献1の従来構造をそのまま採用しようとしてもフードロックが下方に回転することから採用困難である。また特許文献2の構造は、ラジエータサポートとフードロックとの間にエネルギー吸収スペースを確保する必要があり、小型車には採用し難い。さらに特許文献3は、フードロックをラジエータサポートの上面に配置する構造であることから、これも採用困難である。
【0006】
本発明は、前記従来の実情に鑑みてなされたもので、フードロックをラジエータサポートアッパ部材の前壁面に配置する場合に、エネルギー吸収スペースを確保することができ、衝突荷重の吸収効果を向上できる自動車の前部車体構造を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、車幅方向に延びるラジエータサポートアッパ部材と、該ラジエータサポートアッパ部材の下方に位置する車体構成部材と、前記ラジエータサポートアッパ部材の前壁面に取り付けられたフードロックと、該フードロックと前記車体構成部材とを連結するフードロック支持部材とを備えた自動車の前部車体構造であって、前記ラジエータサポートアッパ部材には、車両前方からの衝撃荷重により前記フードロックが後方移動するのを許容するアッパ部材変形許容部が設けられ、前記フードロック支持部材又は前記車体構成部材には、前記衝撃荷重により前記フードロック支持部材が後方に傾斜するのを許容する支持部材変形許容部が設けられ、前記フードロックの前記ラジエータサポートアッパ部材への取付け部には、前記衝撃荷重による前記フードロックの後方移動及び前記フードロック支持部材の後方傾斜に伴って該フードロックを後下方に離脱させるフードロック離脱部が設けられていることを特徴としている。
【0008】
ここで、前記車体構成部材には、車両衝突時のエネルギーを吸収するODBメンバ,フロントバンパを支持するバンパリインホース,あるいはラジエータサポートのロア部材等が含まれ、要はフードロックに作用するフード閉時の荷重を受けることが可能な車体部材であれば何れであっても良い。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る前部車体構造によれば、ラジエータサポートアッパ部材に、車両前方からの衝撃荷重に対してフードロックの後方移動を許容するアッパ部材変形許容部を設け、フードロック支持部材又は車体構成部材に、衝撃荷重に対してフードロック支持部材を後方に傾斜させる支持部材変形許容部を設け、さらにラジエータサポートアッパ部材とフードロックとの取付け部に、衝撃荷重に対してフードロックを後下方に離脱させるフードロック離脱部を設ける構成とした。
【0010】
このように構成したので、車両前方から衝撃荷重が加わると、フードロックがラジエータサポートアッパ部材から脱落して後下方に移動することとなり、フードロックをラジエータサポートアッパ部材の前壁面に配置する場合の、エネルギー吸収スペースを確保することができ、衝突エネルギーを効果的に吸収することができる。即ち、フードロックが後下方に移動することにより、ラジエータサポートアッパ部材の前側にエネルギー吸収スペースが形成され、これによりフードのさらなる変形を促すことができ、エネルギー吸収効果を向上させることができる。
【0011】
また前記フードロックは、フードロック支持部材に連結された状態で後下方に移動することから、フードのロックが外れてフードが開くことはない。これによりフードロックの脱落軌跡が規制され、より安定したエネルギー吸収効果が得られる。
【0012】
このように本発明では、フードロックをラジエータサポートアッパ部材の前壁面から後下方に脱落させるようにしたので、エネルギー吸収スペースに制約がある例えば低フード意匠の車両に採用した場合にも、特別なエネルギー吸収構造を設けることなく、前方からの衝撃荷重に対するエネルギー吸収効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施例1による自動車の前部車体の斜視図である。
【図2】前記前部車体の断面図である。
【図3】前記前部車体のフードロックの正面図である。
【図4】前記フードロック取付け部の正面図である。
【図5】前記前部車体の斜視図である。
【図6】本発明の実施例2による前部車体の斜視図である。
【図7】本発明の実施例3による前部車体の斜視図である。
【図8】本発明の実施例4による前部車体の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0015】
図1ないし図5は、本発明の実施例1による自動車の前部車体構造を説明するための図である。
【0016】
図において、1は自動車の前部車体を示している。この前部車体1は、車両前後に延びる左,右のサイドメンバ2,2と、該左,右のサイドメンバ2の前端部間に配設されたラジエータサポート3と、前記左,右のサイドメンバ2の前端面に配設された車幅方向に延びるODBメンバ(車体構成部材)4と、前記左,右のサイドメンバ2及びラジエータサポート3により形成されたエンジンルームの上方を覆うように配設されたフード5とを備えている。
【0017】
また前部車体1は、前記ラジエータサポート3の前面に配設され、前記フード5を全閉時位置にロックするフードロック6と、該フードロック6と前記ODBメンバ4とを連結するよう配設されたフードロック支持部材7とを備えている。
【0018】
前記前部車体1のODBメンバ4の前側には、樹脂製のフロントバンパ10が配設されている。このフロントバンパ10は、車両前方から見ると、前記ラジエータサポート3を大略覆う大きさを有する。
【0019】
前記フード5は、前記ラジエータサポート3に近接するよう配置され、かつ前縁部5bが前記フロントバンパ10の上縁部10aに近接するよう下向きに湾曲している(図2参照)。これによりフード5を低所に配置した低フード意匠となっている。
【0020】
前記フード5は、これの後端部がヒンジ部材(不図示)を介して前部車体1に上下に開閉可能に支持されている。また前記フード5の前端部の車幅方向中央部には、前記フードロック6に係脱可能に係合するストライカ5aが取り付けられている。
【0021】
前記ラジエータサポート3は、板金製のものであり、上下方向に延びる左,右のサイド部材14,14と、該左,右のサイド部材14の上端間に結合された車幅方向に延びるラジエータサポートアッパ部材15と、前記左,右のサイド部材14の下端間にブラケット17,17を介して結合された車幅方向に延びるラジエータサポートロア部材16とを矩形状をなすよう一体に組み付けた構造を有する。
【0022】
前記ラジエータサポート3は、左,右のサイド部材14の上下方向中央部を前記左,右のサイドメンバ2の内側壁に結合することにより、該サイドメンバ2に支持されている。
【0023】
前記ラジエータサポートアッパ部材15は、略平坦をなす平板状の上壁部15aと、該上壁部15aの前縁から下方に屈曲して延びる前壁部15bと、前記上壁部15aの後縁から下方に屈曲して延びる後壁部15cとを有する断面下向きコ字形状のものである。
【0024】
前記前壁部15bは、これの上下寸法が後壁部15cより大きくなるよう形成され、かつ下方に開放されている。この前壁部15bの車幅方向中央部には、フードロック取付け凹部15eが後方に凹むように形成されている。
【0025】
この取付け凹部15eには、左,右一対のボルト孔15f,15fが形成されている。また前記後壁部15cの前記左,右のボルト孔15fの中間に位置する部分には後ボルト孔15gが形成されている。
【0026】
前記フードロック6は、前記ラジエータサポートアッパ部材15の前壁部15bの取付け凹部15e内に配置され、該前壁部15bの前面に位置している。
【0027】
前記フードロック6は、前記フード5のストライカ5aに係合して該フード5を全閉時位置にロックするロック機構19と、該ロック機構19が取り付けられたロックプレート20とを有する。
【0028】
このロックプレート20は、板金製のものであり、平面視でコ字形状をなすプレート本体20aと、該プレート本体20aに続いて車外側に屈曲形成された左,右の取付けフランジ部20b,20bと、前記プレート本体20aの下部に前方に膨出形成された取付け凸部20dとを有する。
【0029】
前記ロックプレート20は、各ボルト22,22を前方から左,右の取付けフランジ部20bを貫通させて前記前壁部15bのボルト孔15fに挿通し、該ボルト22を締め付けることにより該前壁部15bに固定されている。
【0030】
前記ODBメンバ4は、前記左,右のサイドメンバ2の前端面に取り付けられている。このODBメンバ4は、車両軽衝突時の衝撃荷重を吸収するためのものであり、前記フロントバンパ10の下部に対向し、かつ前記ラジエータサポート3及び左,右のサイドメンバ2により前方に突出するよう膨出形成されている。
【0031】
前記ODBメンバ4の上縁の車幅方向中央部には、山形状をなすフランジ部4aが一体に突出形成されている。
【0032】
前記フードロック支持部材7は、上下方向に延びる帯板状の支持板部7aと、該支持板部7aに続いて後側に屈曲形成され、前記ラジエータサポートアッパ部材15の後壁部15dに向かって延びる側板部7bとを有する。
【0033】
前記フードロック支持部材7の支持板部7aの下端部7dは、ボルト23より前記ODBメンバ4のフランジ部4aの後面に締結固定され、上端部7eは、ボルト24により前記フードロック6の取付け凸部20cの後面に締結固定されている。
【0034】
また前記側板部7bの上端部7cは、ボルト25により前記後壁部15cの後ボルト孔15gに締結することにより該後壁部15cに固定されている。これによりフードロック6に作用するフード閉時の荷重は、フードロック支持部材7を介してODBメンバ4により支持される。
【0035】
そして前記ラジエータサポートアッパ部材15には、車両前方からの衝撃荷重に対して前記フードロック6の後方移動を許容するアッパ部材変形許容部が設けられている。
【0036】
このアッパ部材変形許容部は、ラジエータサポートアッパ部材15の前壁部15bにより形成されている。この前壁部15bは、後壁部15cより上下寸法が長く、かつ下方に開放されていることから、車両前方からの入力により後方に変形し易くなっている。
【0037】
前記ODBメンバ4には、前記衝撃荷重に対して前記フードロック支持部材7を後方に傾斜させる支持部材変形許容部が設けられている。
【0038】
この支持部材変形許容部は、ODBメンバ4の上縁に突出形成されたフランジ部4aにより形成されている。このフランジ部4aは、車両前方からの入力より後方に屈曲変形し易くなっている。このためフードロック支持部材7は、フランジ部4aを起点に後方に傾倒することとなる。
【0039】
また前記ラジエータサポートアッパ部材15のフードロック取付け凹部15eには、前記衝撃荷重に対してフードロック6を下方に離脱させるフードロック離脱部が設けられている。
【0040】
このフードロック離脱部は、前記前壁部15bの左,右のボルト孔15fに続いて下方に開口するよう切欠き形成されたスリット15h,15hにより形成されている。
【0041】
車両の軽衝突により前方から衝撃荷重が加わると、フードロック6が前壁部15bを変形させて後方に移動するとともに、フードロック支持部材7がフランジ部4aを屈曲変形させて後方に傾倒することにより、該フードロック支持部材7がフードロック6を下方に引っ張ることとなる。これによりフードロック6の各ボルト22が前壁部15bのボルト孔15fからスリット15hを通って下方に抜け落ち、該フードロック6がラジエータサポートアッパ部材15から脱落し、該アッパ部材15の後下方に移動する(図2の二点鎖線参照)。このときフードロック6は、フードロック支持部材7に結合された状態で後下方に脱落することから、該フードロック6の後下方への移動に伴ってフード5は後下方に引っ張られる。
【0042】
本実施例によれば、ラジエータサポートアッパ部材15に、車両前方からの衝撃荷重に対してフードロック6の後方移動を許容するアッパ部材変形許容部として機能する下方に開放された前壁部15bを設け、ODBメンバ4に前記衝撃荷重に対してフードロック支持部材7を後方に傾斜させる支持部材変形許容部として機能する屈曲変形可能なフランジ部4aを設け、さらにラジエータサポートアッパ部材15のボルト孔15fに、前記衝撃荷重に対してフードロック6を離脱させるフードロック離脱部として機能するスリット15hを設ける構造とした。
【0043】
このように構成したので、車両前方からの衝撃荷重により、フードロック6がラジエータサポートアッパ部材15から脱落して後下方に移動することとなり、フードロック6をラジエータサポートアッパ部材15の前壁部15bの前面に配置する場合の、エネルギー吸収スペースを確保することができ、衝突エネルギーを効果的に吸収することができる。即ち、フードロック6が後下方に移動することにより、ラジエータサポートアッパ部材15の前側にエネルギー吸収スペースが形成されることとなり、これによりフード5の変形をさらに促すことができ、エネルギー吸収効果を向上させることができる。
【0044】
また前記フードロック6は、フードロック支持部材7に引っ張られた状態で後下方に脱落することから、フード5とのロックが外れて該フード5が開いてしまうことはない。これによりフードロック6の脱落軌跡が規制されることとなり、より安定したエネルギー吸収効果が得られる。
【0045】
このように本実施例では、フードロック6をラジエータサポートアッパ部材15の前壁部15bから後下方に脱落させるようにしたので、エネルギー吸収スペースに制約がある低フード意匠の自動車に採用することが可能となり、特別なエネルギー吸収構造を設けることなく、前方からの衝撃荷重に対するエネルギー吸収効果を高めることができる。
【0046】
また本実施例では、ラジエータサポートアッパ部材15の前壁部15bを変形可能とし、ODBメンバ4のフランジ部4aを屈曲変形可能とし、さらに前壁部15bの各ボルト孔15fにスリット15hを形成するだけの簡単な構造で前述のエネルギー吸収効果を得ることができ、車体構造をほとんど変更することなく低コストで実現できる。
【0047】
なお、前記実施例では、支持部材変形許容部としてフランジ部4aを屈曲変形させることにより構成したが、本発明の支持部材変形許容部は、例えばフードロック支持部材の下端部を屈曲変形させるように構成してもよく、あるいはフードロック支持部材に溝を形成し、該溝を起点に屈曲変形させるように構成してもよい。
【0048】
また前記実施例では、フードロック脱落部としてボルト孔15fにスリット15hを形成することにより構成したが、本発明のフードロック脱落部は、例えば前壁部に他の部分より剛性の低い脆弱部を形成したり、あるいはボルトに細径部を形成したりすることにより構成してもよい。
【0049】
さらに本発明では、前記ラジエータサポートアッパ部材15の後壁部15cの後ボルト孔15gにスリットを形成し、フードロック6の脱落とともに、フードロック支持部材7を脱落させるようにしてもよい。
【0050】
図6,図7,図8は、それぞれ本発明の実施例2,3,4を説明するための図である。これらの図において、図1と同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0051】
図6は、本発明の実施例2による前部車体を示しており、本実施例2では、車体構成部材としてラジエータサポートアッパ部材15の下方にバンパリインホース30を配設した例である。そして、バンパリインホース30にフランジ部30aを突出形成し、該フランジ部30aにフードロック支持部材7をボルト締め固定することにより、該フランジ部30aを屈曲変形させるようにした構造である。
【0052】
図7は、本発明の実施例3による前部車体を示しており、本実施例3では、ラジエータサポートアッパ部材15の下方にラジエータサポートロアフレーム31を配設した例である。そして、ラジエータサポートロアフレーム31にフランジ部31aを突出形成し、該フランジ部31aを屈曲変形させるようにした構造である。
【0053】
図8は、本発明の実施例4による前部車体を示しており、本実施例4では、ラジエータサポートアッパ部材15の下方に面形状を有する板形状のラジエータサポート部材32を配設した例である。そして、ラジエータサポート部材32の上縁部32aにフードロック支持部材7の下端部7dをボルト締め固定し、該下端部7dを起点にフードロック支持部材7を後方に屈曲変形させるようにした構造である。
【0054】
さらに、図示していないが、本発明は、矩形枠状のフレーム部と、該フレーム部の枠内を閉塞するよう一体に形成された内壁とを有する樹脂製のラジエータサポートにも適用可能である。
【符号の説明】
【0055】
1 前部車体
4 ODBメンバ(車体構成部材)
4a フランジ部(支持部材変形許容部)
6 フードロック
7 フードロック支持部材
7d 下端部(支持部材変形許容部)
15 ラジエータサポートアッパ部材
15b 前壁部(アッパ部材変形許容部)
15h スリット(フードロック離脱部)
30 バンパリインホース(車体構成部材)
30a フランジ部(支持部材変形許容部)
31 ラジエータサポートロアフレーム(車体構成部材)
31a フランジ部(支持部材変形許容部)
32 ラジエータサポート部材(車体構成部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車幅方向に延びるラジエータサポートアッパ部材と、
該ラジエータサポートアッパ部材の下方に位置する車体構成部材と、
前記ラジエータサポートアッパ部材の前壁面に取り付けられたフードロックと、
該フードロックと前記車体構成部材とを連結するフードロック支持部材とを備えた自動車の前部車体構造であって、
前記ラジエータサポートアッパ部材には、車両前方からの衝撃荷重により前記フードロックが後方移動するのを許容するアッパ部材変形許容部が設けられ、
前記フードロック支持部材又は前記車体構成部材には、前記衝撃荷重により前記フードロック支持部材が後方に傾斜するのを許容する支持部材変形許容部が設けられ、
前記フードロックの前記ラジエータサポートアッパ部材への取付け部には、前記衝撃荷重による前記フードロックの後方移動及び前記フードロック支持部材の後方傾斜に伴って該フードロックを後下方に離脱させるフードロック離脱部が設けられている
ことを特徴とする自動車の前部車体構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−179925(P2012−179925A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−41982(P2011−41982)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(000002967)ダイハツ工業株式会社 (2,560)
【Fターム(参考)】