説明

船外機の制御装置

【課題】設置スペースの確保が容易であるとともに、低コストで信頼性の高い船外機の制御装置を提供すること。
【解決手段】船外機1のエンジンコントロールユニット(制御装置)42は、エンジンの燃料系及び点火系の制御を行う主制御装置42aと、エンジンの燃料系と点火系及び始動系の電流又は/及び電圧を供給及び監視する副制御装置42bとを備えるものとする。
本発明によれば、船外機1のエンジンコントロールユニット42を機能に応じて主制御装置42aと副制御装置42bに分離したため、該エンジンコントロールユニット42の大型化を防いでその設置スペースの確保が容易化するとともに、エンジンコントロールユニット42のコストダウンと信頼性の向上を図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船外機のエンジン燃料系、点火系等を制御する制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
船外機においては、チルト・トリム駆動系のモータ、エンジン始動系のスタータモータ、燃料系のフェーエルポンプ及びインジェクタ、エンジン点火系のイグニッションコイル等への電力供給とその制御が必要であり、そのための配線や保護用リレー、ヒューズ等の部品の点数が増加する傾向にある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、従来はエンジンの燃料系や点火系等の制御とエンジンの燃料系、点火系、始動系等の電流や電圧の監視を一体化された1つの制御装置で行っていたため、該制御装置が大型化し、その設置スペースと信頼性の確保が困難で、コストアップを免れないという問題があった。
【0004】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、設置スペースの確保が容易であるとともに、低コストで信頼性の高い船外機の制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の船外機の制御装置の発明は、エンジンの燃料系の燃料噴射量と噴射時期及び点火系の点火時期の制御を行う主制御装置と、始動した前記エンジンによって発電された電気を整流する電源回路を含み、該電源回路から前記燃料系、前記点火系及び船外機のチルト・トリム駆動系へ電力を供給し、供給する電力を制御する副制御装置とを備え、前記主制御装置と前記副制御装置とを双方向通信可能に接続したことを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記主制御装置又は前記副制御装置のいずれかにメータを接続し、該メータと該メータに接続された前記主制御装置又は前記副制御装置のいずれかとの間で双方向通信を可能としたことを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記副制御装置は、パワーチルト・トリムスイッチのON信号を受信してパワーチルト・トリムモータを駆動し、トリムセンサからの信号の入力を受けてトリム角の制御信号を送出することを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記副制御装置は、チルトリミットセンサからの信号の入力を受けて船外機の船体への干渉を防ぐためのチルト停止信号を送出することを特徴とする。
【0009】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明において、前記主制御装置と前記副制御装置を離間して配置したことを特徴とする。
【0010】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記主制御装置と前記副制御装置を前記エンジンのVバンクの間に配置したことを特徴とする。
【0011】
請求項7に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記主制御装置と前記副制御装置を前記エンジンのクランクケースに配置したことを特徴とする。
【0012】
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7のいずれかに記載の発明において、前記エンジンのピストンにクランク軸の上端を連結し、該クランク軸の下端に垂直方向に配置されたドライブシャフトの上端を連結し、該ドライブシャフトの下端に傘歯車機構を介して推進軸を連結し、該推進軸の後端にプロペラを結合して、該プロペラの回転により推進力を発生させ、前記船外機をカバーで覆ったことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
従って、本発明によれば、船外機の制御装置を機能に応じて主制御装置と副制御装置に分離したため、該制御装置の大型化を防いでその設置スペースの確保が容易化するとともに、制御装置のコストダウンと信頼性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】船外機のエンジン制御系の全体構成を示す模式図である。
【図2】本発明に係る船外機の制御装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明に係る船外機の制御装置の配置例を示すエンジンの正面図である。
【図4】本発明に係る船外機の制御装置の別配置例を示すエンジンの正面図である。
【図5】副電装品ボックスの一例を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0016】
図1は船外機のエンジン制御系の全体構成を示す模式図である。
【0017】
図示のように、船外機1は、船体2の船尾板2aにクランプブラケット3等を介して上下及び左右に揺動可能に支持されており、推進機4が配設された下部ケース5にエンジン6を搭載して構成されている。
【0018】
上記推進機4は、垂直方向に延びるドライブシャフト8の下端に傘歯車機構10を介して推進軸11を連結し、該推進軸11の後端にプロペラ12を結合して構成されている。ここで、前記傘歯車機構10は、ドライブシャフト8の下端に装着された駆動傘歯車10aと、推進軸11に回転自在に装着された前進傘歯車10b及び後進傘歯車10cとで構成されており、前進傘歯車10bと後進傘歯車10cは駆動傘歯車10aに噛合している。
【0019】
又、船体2には運転操作装置15が配設されており、この運転操作装置15に前後方向に揺動可能に枢支された操作レバー16にはシフトケーブル18aを介してシフトロッド18bの上端が連結されている。そして、シフトロッド18bの下端にはドッグクラッチ18cが連結されており、前記操作レバー16を実線にて示す中立位置から鎖線にて示す位置まで前後に揺動させると、シフトケーブル18a及びシフトロッド18bを介してドッグクラッチ18cに操作力が伝達され、該ドッグクラッチ18cによって前進傘歯車10b又は後進傘歯車10cが推進軸11に結合されて前記プロペラ12が正転又は逆転される。
【0020】
ところで、前記エンジン6はV型6気筒4サイクルエンジンであり、これのクランク軸20は走行時に略垂直を成すよう縦方向に配置され、該クランク軸20の下端には前記ドライブシャフト8の上端が連結されている。そして、このエンジン6のシリンダボディ21に形成された各シリンダ21a内にはピストン22が摺動自在に嵌挿されており、各ピストン22はコンロッド23を介して前記クランク軸20に連結されている。
【0021】
又、前記シリンダボディ21の船体前後方向に見て後合面にはシリンダヘッド24が被着されており、該シリンダヘッド24には各気筒について排気ポート26と吸気ポート27及び燃焼室24aがそれぞれ形成されるとともに、その電極部が各燃焼室24aの頂部に臨む点火プラグ25が取り付けられている。
【0022】
ところで、前記排気ポート26と吸気ポート27の燃焼室24aへの開口部は排気バルブ28と吸気バルブ29によってそれぞれ適当なタイミングで開閉され、これによって各シリンダ21a内で所要のガス交換がなされる。ここで、排気バルブ28と吸気バルブ29は、クランク軸20に対して平行に配設されたカム軸30,31によってそれぞれ開閉駆動される。尚、図1において、25aはイグニッションコイル、25bはイグナイタである。
【0023】
そして、前記排気ポート26には排気マニホールド32が接続されており、排気ガスは排気マニホールド32から下部ケース5を通って推進機4の後端から排出される。
【0024】
又、各吸気ポート27には吸気管33が接続され、該吸気管33内にはスロットルバルブ17が配設されている。そして、吸気管33には、スロットルバルブ17の上流側と下流側とを連通するバイパス通路61が設けられており、このバイパス通路61にアイドル吸気量調整弁(ISCバルブ)62が配設されている。
【0025】
更に、シリンダヘッド24の各吸気ポート27に臨む部分にはインジェクタ40が取り付けられており、該インジェクタ40の噴射口は吸気ポート27の開口部を指向している。尚、吸気管33内のスロットルバルブ17の近傍にはスロットル開度センサ52が配置されている。
【0026】
他方、船体2側には燃料タンク63が設置されており、この燃料タンク63内の燃料は、手動式の第1の低圧フューエルポンプ64により船外機1側のフィルタ65を経て第2のフューエルポンプ66に送られる。第2のフューエルポンプ66は前記カム軸30によって駆動されるダイヤフラム式ポンプであり、これは燃料を気液分離装置であるベーパーセパレータタンク67に送る。
【0027】
上記ベーパーセパレータタンク67内には、電動モータ68によって駆動される高圧フューエルポンプ69が配設されており、該高圧フューエルポンプ69は燃料を加圧してこれを配管70を経て前記インジェクタ40に供給する。インジェクタ40は所定量の燃料を吸気ポート27内に適当なタイミングで噴射して混合気を形成し、設定圧を超える余剰燃料は戻り配置71を経て圧力調整弁72によって調圧された後にベーパーセパレータタンク67に戻される。
【0028】
而して、エンジン6は本発明に係る制御装置としてのエンジンコントロールユニット42を備えており、このエンジンコントロールユニット42には、クランク角(エンジン回転数)検出センサ43、吸気圧センサ44、スロットル開度センサ52、エンジン温度センサ46、トリムセンサ47及び気筒判別センサ48からの検出値が入力され、これらの検出値から予め記憶された運転制御マップに基づいてインジェクタ40の燃料噴射量と噴射時期、点火プラグ25の点火時期、アイドル吸気量調整弁62の開度及び高圧フューエルポンプ69の電動モータ68の駆動が制御される。
【0029】
又、前記運転操作装置15にはスタータスイッチ58が配置されており、該スタータスイッチ58からの信号はエンジンコントロールユニット42に入力される。
【0030】
更に、運転操作装置15のシフトロッド18bには、シフトポジションセンサ55が配設されており、このシフトポジションセンサ55はシフトロッド18bの位置、つまり、操作レバー16のシフト位置(前進、ニュートラル、後進位置)を検出してシフト位置に比例した電圧値をエンジンコントロールユニット42に対して出力する。又、操作レバー16には、該操作レバー16の回動速度を検出するレバー速度センサ57が配設されており、該レバー速度センサ57からの検出値はエンジンコントロールユニット42に入力される。
【0031】
次に、前記エンジンコントロールユニット42の構成を図2に基づいて説明する。尚、図2はエンジンコントロールユニット42の構成を示すブロック図である。
【0032】
エンジンコントロールユニット42は、点火系のイグニッションコイル25aと燃料系のインジェクタ40の制御及び後述するCPU91からの信号に基づいて警告制御を司る主制御装置42aと、フライホイールマグネトー(以下、フラマグと略称する)73によって発電された電力をイグニッションコイル25a、インジェクタ40、フューエルポンプ68、スタータモータ74及びPT/Tモータ(パワーチルト・トリムモータ、チルト・トリム駆動系)75に供給するための副制御装置42bとで構成され、主制御装置42aと副制御装置42bは後述の主電装品ボックス97と副電装品ボックス99(図3及び図4参照)にそれぞれ別々に収納されている。
【0033】
図2において、76はメインバッテリ、77はアクセサリ用バッテリであり、メインスイッチ79aとスタータスイッチ79bがONすると、主制御装置42aのECU93に導通されるとともに、リレーR3が駆動され、始動系のスタータモータ74がメインバッテリ76に接続されてスタータモータ74によってエンジン6が始動される。
【0034】
而して、エンジン6が始動されると、フラマグ73によって発電された電気は、電源回路90において整流され、ヒューズF1と電圧検出回路Cを経てアクセサリ用バッテリ77に供給されるとともに、ヒューズF2と電圧検出回路Cを経てメインバッテリ76に供給される。又、フラマグ73によって発電された電気は、ヒューズF3と電流・電圧検出回路Aを経てイグニッションコイル25aに供給され、ヒューズF4とリレーR1,R2及び電流・電圧検出回路Aを経てインジェクタ40及びフューエルポンプ68に供給されるとともに、ヒューズF5とリレーR3及び電流・電圧検出回路Aを経てスタータモータ74に供給されて該スタータモータ74が停止する。尚、前記電源回路90は、電流検出回路BとリレーR4を介してPT/Tモータ75に接続されている。
【0035】
又、電圧検出回路Cと電流・電圧検出回路A及び電流検出回路Bの検出信号はCPU91に送られ、CPU91は、各部の電流又は/及び電圧が適正範囲内にあるか否かの監視を行い、異常があった場合には警告信号を警告出力回路92を経てECU93に伝送する。
【0036】
更に、PT/Tスイッチ94がONすると、CPU91は、この信号をドライバ95を経てリレーR4に送ってPT/Tモータ75を駆動する。このとき、トリムセンサ47の信号は検出回路Dを経てCPU91に入力され、トリム角の制御信号はドライバ95に送られる。又、チルトリミットセンサ96の信号は検出回路Dを経てCPU91に入力され、チルト停止信号がドライバ95に送られて船外機1のカバーの船体2への干渉を防ぐ。
【0037】
ところで、図示のように主制御装置42aと副制御装置42bは通信線によって双方向通信可能に接続されている。又、主制御装置42aにはメータが接続されており、該メータと主制御装置との間で双方向通信が可能である。
【0038】
而して、上述のように主制御装置42aと副制御装置42bは双方向通信可能に接続されているため、トリムセンサ47によって検出されたトリム角データを副制御装置42bから主制御装置42aに伝送することができ、主制御装置42aはメータ70にトリム角データを伝送して該メータにそれを表示することができる。この場合、メータ70側に不図示のデータ入力装置を設ければ、該データ入力装置からトリムリミット角度を入力してこれを主制御装置42aから副主制御装置42bに伝送し、副制御装置42bのCPU91のトリムリミット角度を入力された値に設定することができる。尚、副制御装置42b側では、検出されたトリム角データに基づいて基準角度データの補正やトリム制御を行う。
【0039】
又、前記クランク角(エンジン回転数)検出センサ43(図1参照)によって検出されたエンジン回転数をメータ70に伝送し、このエンジン回転数をメータ70に表示することもできる。この場合、メータ70に回転数データ入力手段を設ければ、アイドリング回転数或はトローリング時のエンジン回転数の設定をメータ70側で行うことができる。
【0040】
ところで、メータ70に入力装置を設け、運転モードの設定(例えば、省エネモードやパワーモード等の選択スイッチを設けて燃料噴射制御や点火時期制御の切り替えを行う)や警告ブザーのモード設定の変更(例えば、警告ブザーを鳴らすか否かの選択、ブザーの音量や音質の設定等)を行うこともできる。
【0041】
又、従来より一艇の船に2基の船外機を装備した2基掛け仕様では、一方の船外機に異常が発生した場合、異常が発生した一方の船外機にはエンジン回転数を自動的に低下させる等の安全モードが設定され、その情報を他方の船外機に送って他方の船外機も安全モードに設定する制御が行われているが、本発明に係るエンジンコントロールユニット42によれば、複数の船外機を装備した場合、主制御装置42aのECU93等を制御ステーションとして各船外機に情報を伝送することができ、複数の船外機の集中管理や船内配線の簡素化等が可能となる。
【0042】
尚、本実施の形態ではメータ70を主制御装置42aに接続したが、メータ70を副制御装置42bに接続して両者間で双方向通信が可能なように構成しても良い。
【0043】
図3は図2に示した各部品の配置例を示すエンジン6の正面図であり、VバンクBL,BRの間に主制御装置42aを収納する主電装品ボックス97、副制御装置42bを収納する副電装品ボックス99、リレーR1〜R4がコンパクトに配設されている。尚、リレーR1〜R4としては機械式のものではなく、半導体スイッチを採用している。
【0044】
又、図4に示すように、主制御装置42aを収納する主電装品ボックス97と副制御装置42bを収納する副電装品ボックス99をエンジン6のVバンクBL,BRの間に離して配置しても良く、このように配置することによって発熱量の大きな副制御装置42bから発熱量の小さな主制御装置42aへの熱的影響を遮断することができ、エンジンコントロールユニット42全体の信頼性が高められる。
【0045】
尚、図3及び図4では主電装品ボッククス97と副電装品ボックス99をエンジン6のVバンクBL,BRの間に配設した例を示したが、主電装品ボッククス97と副電装品ボックス99をクランクケースに設けても良い。
【0046】
図5は図3及び図4に示した副電装品ボックス99の一例を示す分解斜視図であり、図示のように、副電装品ボックス99は、バッテリ及びPT/T用の接続端子99aと、燃料系及び点火系の接続カプラ99bを備えている。そして、電源回路90(図2参照)を収納した電源ボックス90aが副電装品ボックス99にボルト90bによって固定されている。尚、図4において、99cは接続端子、90cはフラマグ73(図2参照)への接続カプラである。
【0047】
以上のように、本実施の形態では、船外機1の制御装置としてのエンジンコントロールユニット42を機能に応じて主制御装置42aと副制御装置42bに分離したため、該エンジンコントロールユニット42のレイアウト設計の自由度が増し、その設置スペースの確保が容易化するとともに、エンジンコントロールユニット42の小型化が可能となる。
【0048】
又、従来の制御装置のように各回路を一体のユニットとして構成した場合、電源制御回路の発熱量に合わせて耐熱設計を行う必要があるため、他の微電力回路の耐熱品質が過剰となってコストアップの要因となっていたが、本実施の形態ではエンジンコントロールユニット42を発熱量の小さな主制御装置42aと発熱量の大きな副制御装置42bとに分離して両者を別体に構成したため、主制御装置42aと副制御装置42bの発熱量に適した耐熱設計が可能となり、エンジンコントロールユニット42のコストダウンと信頼性の向上が図られる。
【0049】
更に、主制御装置42aに含まれる燃料噴射回路や点火時期制御回路はエンジンの機種毎の専用設計となるが、電源制御回路を含む副制御装置42bはエンジンの機種が異なっても或る程度共用することができるため、複数機種に亘って総合的にコストダウンを図ることができる。
【0050】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、船外機の制御装置は、エンジンの燃料系及び点火系の制御を行う主制御装置と、エンジンの燃料系と点火系及び始動系の電流又は/及び電圧を供給及び監視する副制御装置とを備えるものとして制御装置を機能に応じて主制御装置と副制御装置に分離したため、該制御装置の大型化を防いでその設置スペースの確保が容易化するとともに、制御装置のコストダウンと信頼性の向上を図ることができるという効果が得られる。
【符号の説明】
【0051】
1 船外機、6 エンジン、42 エンジンコントロールユニット(制御装置)、42a 主制御装置、42b 副制御装置、70 メータ、97 主電装品ボックス、99 副電装品ボックス。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンの燃料系の燃料噴射量と噴射時期及び点火系の点火時期の制御を行う主制御装置と、
始動した前記エンジンによって発電された電気を整流する電源回路を含み、該電源回路から前記燃料系、前記点火系及び船外機のチルト・トリム駆動系へ電力を供給し、供給する電力を制御する副制御装置とを備え、
前記主制御装置と前記副制御装置とを双方向通信可能に接続したことを特徴とする船外機の制御装置。
【請求項2】
前記主制御装置又は前記副制御装置のいずれかにメータを接続し、該メータと該メータに接続された前記主制御装置又は前記副制御装置のいずれかとの間で双方向通信を可能としたことを特徴とする請求項1に記載の船外機の制御装置。
【請求項3】
前記副制御装置は、パワーチルト・トリムスイッチのON信号を受信してパワーチルト・トリムモータを駆動し、トリムセンサからの信号の入力を受けてトリム角の制御信号を送出することを特徴とする請求項1又は2に記載の船外機の制御装置。
【請求項4】
前記副制御装置は、チルトリミットセンサからの信号の入力を受けて船外機の船体への干渉を防ぐためのチルト停止信号を送出することを特徴とする請求項3に記載の船外機の制御装置。
【請求項5】
前記主制御装置と前記副制御装置を離間して配置したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の船外機の制御装置。
【請求項6】
前記主制御装置と前記副制御装置を前記エンジンのVバンクの間に配置したことを特徴とする請求項5に記載の船外機の制御装置。
【請求項7】
前記主制御装置と前記副制御装置を前記エンジンのクランクケースに配置したことを特徴とする請求項5に記載の船外機の制御装置。
【請求項8】
前記エンジンのピストンにクランク軸の上端を連結し、該クランク軸の下端に垂直方向に配置されたドライブシャフトの上端を連結し、該ドライブシャフトの下端に傘歯車機構を介して推進軸を連結し、該推進軸の後端にプロペラを結合して、該プロペラの回転により推進力を発生させ、
前記船外機をカバーで覆ったことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の船外機の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−7621(P2012−7621A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−210606(P2011−210606)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【分割の表示】特願2009−242361(P2009−242361)の分割
【原出願日】平成12年10月18日(2000.10.18)
【出願人】(000010076)ヤマハ発動機株式会社 (3,045)
【Fターム(参考)】