説明

色素および抗菌剤の医療用デバイス上への固定

色素および抗菌剤を多孔性表面上に固定する方法が、開示および記載されている。表面は、カテーテル、コネクタ、薬物バイアル用スパイク、バッグ用スパイク、人工装具用デバイス、内視鏡および注入ポンプの表面などの医療用デバイスの表面であってよい。表面はまた、腹膜透析または血液透析などの透析治療に関連する1つまたは複数の表面であってよく、透析流体のための作用表面は滅菌状態であるべきことが重要である。これらの表面には、腹膜透析セット用または血液透析セット用のコネクタ、バッグ用スパイク、透析カテーテルなどが含まれる。表面が滅菌されているかどうかを決定する方法および滅菌されていることを示すのに有用な色素も開示される。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願
本出願は、代理人管理番号112713−1206の米国特許出願第 号(発明の名称「MEDICAL FLUID ACCESS DEVICE」)の別出願に関し、この出願は、本出願と同日に出願され、本出願の譲受人に譲渡され、この出願の全内容は、本明細書によって参考により援用される。本出願はまた、2006年7月20日に出願された米国特許出願第11/458,816号であって、現在米国特許第 号(発明の名称「Medical Fluid Access Site With Antiseptic Indicator」)および2006年10月18日に同じ発明の名称で出願された米国特許出願第11/550,643号であって、現在米国特許第 号(発明の名称「 」)に関し、これらの両方はその全体を参考により援用される。
背景
本開示は、一般的に、色素および抗菌剤を、表面上、特に医療用デバイスの表面上に固定する方法に関する。具体的には、本開示は、抗菌剤を表面上により良く結合させるためにおよび色素を表面に結合させるために、ポリマー表面を処理する方法に関する。色素は、イソプロピルアルコール(IPA)または水とIPAとの溶液、特に70%水/30%IPA溶液などの消毒液で拭き取られると、第1の色または外観から第2の色または外観に変化する。
【0002】
ポリマーは、医療産業において、多くの医療用デバイスに使用されている。これらのポリマーは、治療目的および診断目的のためのデバイスを作製するために使用されている。例えば、腹膜透析および血液透析などの腎臓透析用のコネクタは、ポリマーで作製することができる。透析物流体用容器、アクセスポート、ピグテールコネクタ、スパイクなどは、すべてプラスチックまたはエラストマーから作製されている。カテーテル、薬物バイアル用スパイクなどの治療用デバイス、ルアーアクセスデバイスなどの血管アクセスデバイス、人工装具および注入ポンプは、ポリマーから作製されている。医療用流体アクセスデバイスは、診断、治療または他の医療処置を受ける患者または他の対象に接続される、医療用流体コネクタおよび医療用流体流動システムと関連して、一般に使用されている。患者の組織と接触することを目的とした、ポリマーから作製されるかまたは著しいポリマー含量を有する他の診断用デバイスには、聴診器、内視鏡、気管支鏡などが含まれる。これらのデバイスが患者と親密に接触して使用される予定の場合には、それらは滅菌状態であるべきことが重要である。
【0003】
これらのデバイスの典型は、前もって構築された静脈内流体流動システムに、医薬品、抗生物質、化学療法剤または無数の他の流体を導入することができる血管アクセスデバイスである。あるいは、アクセスデバイスは、検査または他の目的のために、対象から流体を抜き取るのに使用されうる。静脈内チューブセットの中に1つまたは複数のアクセスデバイスが存在すると、対象の静脈を繰り返し切開する必要がなくなり、医薬品または他の流体を患者に直接、即時投与することが可能になる。
【0004】
いくつかの異なる種類のアクセスデバイスが、医療分野においてよく知られている。それらの構造の詳細は異なっているが、これらのデバイスは通常、アクセスデバイスを通じて医療用流体を導入するかまたは抜き取るためのアクセス部位を含む。例えば、そのようなデバイスは、ハウジングを含むことができ、かかるハウジングとは、ハウジングを通じて医療用流体を導入するかまたは抜き取るためのアクセス開口部および普段はアクセス部位を閉じている弾性のバルブ部材またはグランドを定義するものである。それらの一般的な特徴以外は、アクセス部位のデザインはかなり異なっている。例えば、バルブ部材は、流体をアクセスデバイスに注入することができるかまたはアクセスデバイスから抜き取ることができるように、針で穴をあけることができる固形ゴム製またはラテックス製セプタムでありうるかまたは他のエラストマー材料で作製されうる。あるいは、バルブ部材は、特別に設計された尖っていないカニューレを、それを通じて入れるのに適した、予備成形されているが普段は閉じられている開口またはスリットを有するセプタムなどを含むことができる。他の種類のアクセスデバイスは、標準的な雄ルアーを用いた接続器具とともに使用するために設計されている。そのようなアクセスデバイスは、一般に「ルアーアクセスデバイス」または「ルアー作動デバイス」または「LAD」と称されている。種々の形またはデザインのLADは、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6および特許文献7ならびに特許文献8および特許文献9に説明されており、これらはすべて本明細書によって、参照によって本明細書に組み込まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6,682,509号明細書
【特許文献2】米国特許第6,669,681号明細書
【特許文献3】米国特許第6,039,302号明細書
【特許文献4】米国特許第5,782,816号明細書
【特許文献5】米国特許第5,730,418号明細書
【特許文献6】米国特許第5,360,413号明細書
【特許文献7】米国特許第5,242,432号明細書
【特許文献8】米国特許出願公開第2003/0208165号明細書
【特許文献9】米国特許出願公開第2003/0141477号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
アクセスデバイスが実際に使用されて、容器もしくは医療用流体流動システムまたは他の構造物もしくはシステムから液体を導入するかまたは抜き取る前に、流体流動通路を汚染し、患者に害を与える可能性を低減するために、適切な医療行為によって、アクセス部位および周辺領域を、通常ぬぐうかまたは拭き取ることによって、イソプロピルアルコールなどの消毒剤または滅菌剤と接触させなければならない。静脈内投与セットなどの医療用流体流動システムが、患者の血管系中に直通路を提供することは認識される。医師、看護師または他の臨床医による適切な無菌技術がなければ、アクセスデバイスの表面上に見出される微生物、細菌または他の病原体は、静脈内チューブに導入され、ひいては流体がアクセスデバイスに導入されるかまたはアクセスデバイスを通って抜き取られる時に、患者に導入されてしまうことになる。それ故に、適切な無菌技術が医療従事者によって使用されることを保証するように、細心の注意が義務付けられている。この警告は、多くの医療用デバイス、特に患者と接触するもの、および特にまた、患者の体内のオリフィス、特に血管系のオリフィスにアクセスする、カテーテルまたは注入ポンプなどのアクセスデバイスに関するものに適用する。
【0007】
以下により十分に記載されているように、適切な無菌技術が使用されていることを示す抗菌剤および色素を結合する方法は、患者への医療の安全でかつ有効な施与において重要な進歩を表していると考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態は、表面を被覆する方法である。本方法は、多孔性ポリマー表面を有する医療用デバイスを提供するステップと、医療用デバイスの表面を洗浄するステップと、表面上に複数の官能基をもたらすステップと、官能基に架橋基を結合させるステップと、官能基または架橋基にソルバトクロミック色素またはソルバトクロミック色素の誘導体を結合させるステップとを含む。
【0009】
別の実施形態は、表面を被覆する方法である。本方法は、ポリマーから作製された医療用デバイスの多孔性表面を洗浄するステップと、表面を強酸で処理して、表面上に複数の官能基をもたらすステップと、官能基を、ポリ(N−スクシンイミジルアクリラート)(PNSA)およびアルデヒド官能基を有するポリマーからなる群から選択される架橋剤と反応させて結合部位を形成するステップと、ソルバトクロミック色素、抗菌剤またはペプチド、タンパク質、第VIII因子もしくは他の抗凝固因子、多糖、ポリミキシン、ヒアルロン酸、ヘパリン、キトサン、コンドロイチン硫酸およびこれらの各誘導体からなる群から選択されるアルキル−アミノ含有化合物を結合部位に結合させるステップとを含む。
【0010】
別の実施形態は、ポリマー製医療用デバイスである。ポリマー製医療用デバイスは、ポリマー製医療用デバイスのハウジングと、医療用デバイス上の多孔性ポリマー表面と、多孔性上部ポリマー表面上の複数の結合部位と、場合によって、結合部位に結合された複数の官能基とを含み、さらに、結合部位または官能基に結合された、i.ソルバトクロミック色素またはソルバトクロミック色素の誘導体;およびii.抗菌化合物のうちの少なくとも1つを含み、多孔性ポリマー表面が消毒溶液で拭き取られると、その表面は第1の外観から第2の外観に可逆的に変化するように形成される。
【0011】
別の実施形態は、医療用デバイスである。医療用デバイスは、ポリマーから作製された多孔性表面を有する医療用デバイスと、医療用デバイスの表面上の複数の結合部位と、場合によって、結合部位に結合された複数の官能基と、結合部位または官能基に結合された抗菌化合物とを含み、抗菌化合物は、デバイスの表面上の微生物に対して殺菌作用があるかまたは微生物の増殖に抵抗するように形成される。
【0012】
別の実施形態は、医療用デバイスである。医療用デバイスは、ポリマーから作製された多孔性表面を有する医療用デバイスと、医療用デバイスの表面上の複数の結合部位と、場合によって、結合部位に結合された複数の官能基と、結合部位に、ペプチド、タンパク質、第VIII因子または他の抗凝固因子、多糖、ポリミキシン、ヒアルロン酸、ヘパリン、キトサンおよびこれらの各誘導体からなる群から選択されるアルキル−アミノ含有化合物とを含む。
【0013】
別の実施形態は、色素である。色素は、構造
【0014】
【化1】

を有する化合物およびその誘導体[式中、R1はアクリロイル、メタクリロイルまたは水素であり、R2はC4〜C10アルキルであり、R3はエテンであり、R4およびR6は、臭素、塩素、フッ素、ヨウ素およびそれらの混合物であり、R5は水素またはOのうちの一方であり、R7は水素およびOのうちの他方である]を含む。
【0015】
別の実施形態は、色素である。色素は、構造
【0016】
【化2】

を有する化合物およびその誘導体[式中、R1はアクリロイル、メタクリロイル、水素、ハロゲン、アルコキシ、アルキルメルカプトまたは芳香族メルカプタンであり、R2はC4〜C10アルキルであり、R3はエテン、ブタジエンまたはヘキサトリエンであり、R4およびR6は、臭素、塩素、フッ素、ヨウ素、アルコキシ、ニトラートおよびそれらの混合物であり、R5は水素またはOのうちの一方であり、R7は水素およびOのうちの他方である]を含む。
【0017】
別の実施形態は、色素を製造する方法である。本方法は、t−ブチル−オキシカルボニル(BOC)アミノ脂肪族アルコールをハロゲン化スルホニルと反応させて、BOC−アミノ−脂肪族−スルホナートを得るステップと、BOC−アミノ−脂肪族−スルホナートを4−ピコリンと反応させて、ピリジニウムスルホナートを形成するステップと、ピリジニウムスルホナートを置換されているサリチルアルデヒド化合物と反応させて、メロシアニン色素官能性を有する化合物を形成するステップとを含み、メロシアニン色素は、
【0018】
【化3】

[式中、R’はt−ブチル−オキシカルボニルであり、nは1、2または3であり、Xは臭素、塩素、フッ素、ヨウ素、アルコキシ、ニトラートおよびそれらの混合物であり、両方がメタ位にあり、Oはオルト位またはパラ位にある]の一般構造を有する。
【0019】
別の実施形態は、色素を製造する方法である。本方法は、第1級アルコールおよびハロゲン化スルホニルからBOC−アミノ−脂肪族−スルホナートを形成するステップと、BOC−アミノ−脂肪族−スルホナートを4−ピコリンと反応させて、ピリジウムスルホナートを形成するステップと、ピリジニウムスルホナートを置換されているサリチルアルデヒドと反応させて、モノメロシアニン官能性を有するフェノラートを形成するステップと、フェノラートを酸に溶かして、第1の塩を形成するステップとを含む。
【0020】
追加の特徴および利点は、本明細書において記載されており、以下の発明を実施するための形態および図面から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】医療用デバイスの斜視図である。
【図2】医療用デバイスの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
防腐剤のインジケータとして有用なソルバトクロミック色素の合成
防腐剤のインジケータとして有用であることが見出されたソルバトクロミック色素の合成が、本明細書に記載されている。合成は、5つの別個のステップで行われた。第1ステップは、Sigma Aldrich、St.Louis.MO、U.S.A.由来の下記化合物(1)である6−t−ブチルオキシカルボニル−アミノ−1−ヘキサノール(6−(BOC−アミノ)−1−ヘキサノールとしても知られている)を、下記化合物(2)であるp−トルエンスルホニルクロリドと反応させて、下記化合物(3)である6−(BOC−アミノ)ヘキシル−p−トルエンスルホナートを得る。
【0023】
【化4】

第2ステップは、p−トルエンスルホナート部分を下記化合物(4)である4−ピコリンで置換した結果、下記化合物(5)である1−(6−BOC−アミノヘキシル)−4−メチルピリジニウムモノトシラートを得た。
【0024】
【化5】

第3ステップに関しては、1−(6−BOC−アミノ)ヘキシル−4−メチルピリジニウムを、ピペリジンの存在下で、化合物6である3,5−ジクロロ−サリチルアルデヒドと縮合させた結果、下記化合物7である4,6−ジクロロ−2−[2−(6−BOC−アミノ)ヘキシル−4−ピリジニオ)ビニル]フェノラートが形成された。
【0025】
【化6】

次いで、第4ステップは、化合物7をトリフルオロ酢酸と反応させることによってBOC部分を除去して、化合物8である4,6−ジクロロ−2−[2−((6−アミノ)ヘキシル−4−ピリジニオ)−ビニル]フェノラートジ(トリフルオロ酢酸)塩を得た。
【0026】
【化7】

最終ステップは2つの部を含み、まず化合物9である塩化アクリロイルを過剰に付加させて、化合物10を形成した。この部は、続いてアクリロイル部分を水酸化アンモニウムで加水分解することによって、化合物11である色素を形成させた。
【0027】
【化8】

【0028】
【化9】

個々のステップの詳細な説明
上記化合物(1)である6−t−ブチルオキシカルボニル−アミノ−1−ヘキサノール((BOC−アミノ)−1−ヘキサノールとしても知られている)34.45グラム(以下、「g」と略す)をクロロホルム300mlに溶かし、溶液を氷浴中で約5℃に冷却し、その間はアルゴンパージ下で行った。トリエチルアミン44.2gを加え、溶液を約15分間攪拌し、化合物2であるp−トルエンスルホニルクロリド36.28gを溶液に加え、反応フラスコを氷浴から取り除き、室温で約4時間攪拌を続けた。次いで、溶液を30℃でロータリーエバポレーションによって濃縮して、透明なわずかに黄色の油状物を得、クロロホルム100mlを用いて2回連続抽出で共沸させて、半固体生成物を得た。粗生成物を酢酸エチルとヘキサンとの1:1混合物500mlに溶かし、トリエチルアミンHCl塩を沈殿させて、これをろ過によって除去した。ろ過ケーキを酢酸エチル約75mlの3回連続洗浄ですすぎ、これをろ液と合わせた。ろ液を30℃でロータリーエバポレーションによって濃縮して油状物にし、約75gを得、クロロホルム75mlに希釈した。これをフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル)にかけ、ヘキサン:酢酸エチル(5:1〜1:1)の移動相溶液を用いることによって精製した。次いで、単離された画分を合わせて濃縮し、上記化合物3の6−(BOC−アミノ)ヘキシル−p−トルエンスルホナートである白濁油状生成物、56.59gを得た。構造をNMRを用いて確認した。またマススペクトル(ESI+)の394.2m/z[M+Na]のピークがナトリウム塩付加物と一致している。
【0029】
55.63gの化合物3をイソプロピルアルコール400mlに希釈し、アルゴンパージ中で攪拌しながら、化合物4である4−ピコリン15.4gを加えた。反応溶液を加熱還流し、21時間の反応時間中これを続けた。次いで、溶液を濃縮して、透明なわずかに琥珀色の油状物77.64gを得た。次いで、粗生成物をクロロホルム75mlに希釈し、フラッシュカラムフォトグラフィー(シリカゲル)にかけ、クロロホルム:メタノール(20:1〜1:1)移動相溶液を用いることによって精製した。単離された画分を合わせて3組にし、30℃でロータリーエバポレーションによって濃縮した。
【0030】
最初の組は、透明黄色油状物7.57gであり、比較的不純であった。3番目の組は、化合物(5)である1−(6−BOC−アミノ)−ヘキシル)−4−メチル−ピリジニウムモノトシラートの純粋な灰白色ペースト状物11.72gであった。2番目の組は、比較的純粋な、透明なわずかに黄色の油状物45.11gであり、これを以下のように、さらに精製した。2番目の組を、クロロホルム250mlに希釈し、数分間静置下におき、形成されたp−トルエンスルホン酸の無色透明の浮遊結晶をろ過によって除去した。ろ液を蒸留水100mlの3回連続洗浄で抽出し、次いで有機層を30℃でロータリーエバポレーションによって濃縮して、化合物5の透明なわずかに黄色の油状物36.88gを得た。構造をNMR(核磁気共鳴)によって確認し、m/z293.2[M]を有するマススペクトル(ESI+)を有していた。これは、化合物5であるピリジニウム部分のモノトシラート塩と一致している。
【0031】
次いで、化合物5、46.60gをエタノール500mlに希釈し、ピペリジン15.0mlを加え、続いて化合物6である3,5−ジクロロサリチルアルデヒド19.16gを加えた。持続的アルゴンパージ下で攪拌しながら、反応溶液を還流させた。一晩反応させた後、溶液を30℃でロータリーエバポレーションによって濃縮して、暗紫色の半固体を得た。次いで、これをエタノール200mlに溶かし、急速に攪拌しながら蒸留水を滴下した。一晩攪拌した後、微粒子と凝塊した粒子の両方を含む固体を収集した。同じ方法で、固体を2回再結晶した。2時間攪拌した後、微細な橙色/赤色沈殿物をろ過によって収集した。ろ過ケーキを蒸留水250mlですすいだ時に、それは直ちにオリーブ緑色に変化した。固体を、高真空下で室温にて一晩乾燥させた。次いで、同じ方法で、固体を3回再結晶した。2時間攪拌した後、微細な橙色/赤色沈殿物をろ過によって収集した。ろ過ケーキを、蒸留水:エタノールの7:1混合物250mlの4回連続洗浄ですすいだ。固体生成物を、約1mmHgの圧力で、80℃にて39時間乾燥させ、化合物7である暗紫色固体生成物36.37gを得た。構造をNMRによって確認し、マススペクトル(ESI+)のm/z465.2[M+H]が、4,6−ジクロロ−2−[2−((6−BOC−アミノ)ヘキシル−4−ピリジニオ)ビニル]フェノラートと一致した。
【0032】
次いで、10.02gの化合物7をトリフルオロ酢酸とクロロホルムとの1:1混合物100mlに溶かし、反応溶液を室温で持続的に攪拌した。4.5時間後、反応を完了し、溶液を濃縮して、透明な琥珀色油状物を得た。この油状物を、クロロホルムの100mlアリコートを用いて3回連続で共沸させ、続いて酢酸エチルの150mlアリコートを用いて3回連続で共沸させ、明るい黄色固体生成物を得た。次いで、この生成物を酢酸エチル150mlに溶かし、勢いよく振とうし、微細な黄色固体生成物をろ過によって収集した。ろ過ケーキを、25ml量の酢酸エチルを用いて3回連続ですすぎ、約1mmHgの圧力で、50℃にて4時間乾燥させた。その結果、化合物8の4,6−ジクロロ−2−[2−((6−アミノ)ヘキシル−4−ピリジニオ)ビニル]フェノラートジ(トリフルオロ酢酸)塩である明るい黄色固体生成物、10.73gを得た。構造をNMRによって確認し、マススペクトル(ESI+)のm/z365.1[M]および183.1[M+H]2+が、化合物8の陽イオン部分と一致した。
【0033】
次いで、この生成物7.07gをジメチルホルムアミド200mlに溶かし、これに、DMF71.1ml中9.27mg/mlの2,6−ジ−tert−ブチル4−メチルフェノール溶液5mlを加えた。次いで、トリエチルアミン10mlを加えることによって、溶液は暗紫色になった。次いで、アルゴンパージ下で攪拌しながら、溶液を約5℃に冷却した。クロロホルム25ml中、化合物9である塩化アクリロイル3.37ml量を、この溶液に約15分間かけて滴下することによって、溶液は透明な淡褐色になった。滴下完了後、反応溶液を、シリカゲルF254プレートおよび移動相にクロロホルム:メタノール2:1を使用する薄層クロマトグラフィー(TLC)によって評価した。少量の塩化アクリロイル、約0.24mlを反応溶液に加え、後で溶液をTLCによって再評価した。結果は、生成物10である1−アクリロイル−4,6−ジクロロ−2−[2−(1−アクリルアミドヘキシル−4−ピリジニオ)ビニル]フェノラートの塩化物塩であると考えられる。
【0034】
化合物10を水酸化アンモニウム15mlで処理して、最終生成物を形成した。処理後、急速に攪拌しながら、エチルエーテル2Lを生成物に加えることによって、暗紫色の粘性固体が形成された。暗紫色の上清を粘性固体からデカンテーションし、次いでこれをエチルエーテル1Lに溶かし、これから無色透明の上清をデカンテーションした。固体をエタノール100mlにほとんど溶かし、急速に攪拌しながら、エチルエーテル1Lをそれに加えた。約30分後、褐紫色固体をろ過によって収集し、ろ過ケーキをエチルエーテルですすいだ。次いで、高真空下で約2時間乾燥させた。次いで、生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにかけ、クロロホルム:メタノール10:1〜1:1移動相溶液を用いることによって精製した。次いで、単離された画分を合わせて濃縮し、黄色/橙色色素を得た。次いで、これをエチルエーテルで洗浄し、ろ過によって収集し、高真空下で一晩乾燥させて、黄色固体を得た。固体をメタノール150mLに溶かし、急速に攪拌しながら、エチルエーテル1.5Lをゆっくり加えた。30分後、淡緑色沈殿物をろ過によって収集し、エチルエーテル100mLの2回連続分を用いてすすいだ。それを高真空下で一晩乾燥させて、1.085gの淡緑黄色固体、化合物11を得た。化合物11の構造をNMRによって確認し、マススペクトル(ESI+)の419[M+H]のm/zピークが化合物11と一致した。
【0035】
しかし、この生成物は、ソルバトクロミック活性を享受していなかった。これは、隣接分子とその部分との間のイオン性および疎水性の相互作用によって引き起こされる隙間のない構造の中で、分子が積み重なり、層をなしているためであったと考えられる。したがって、その色素活性を元に戻すために、生成物を塩基性にした。
【0036】
そこで、生成物を塩基性にするには、0.8gの化合物11をメタノール20mlに溶かし、これに1M NaOH2.00mlを加え、生成物を溶かし、暗紫色を形成させた。10分間攪拌した後、溶液を30℃でロータリーエバポレーションによって濃縮して、暗色固体を得た。これをメタノール20mlに再度溶かし、再濃縮した。次いで、クロロホルム25mlのアリコートを用いて3回連続で共沸させた。次いで、得られた生成物をメタノール5mlに溶かし、攪拌しながらエチルエーテル100mlを滴下することによって再結晶した。約30分後、微細な暗紫色固体生成物が溶液から沈殿した。これをろ過によって収集し、エチルエーテルで洗浄し、高真空下で11時間乾燥させた。その結果、微細な暗褐紫色固体0.81gが得られた。他の塩基を使用してもよく、これには少なくとも、アルカリ金属、アルカリ土類およびアンモニウムのヒドロキシル化合物、すなわち水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化アンモニウムおよび実質的には任意の他の強塩基性水酸化化合物が含まれる。
【0037】
結果として生じた4,6−ジクロロ−2−[2−(1−アクリルアミドヘキシル−4−ピリジニオ)ビニル]−フェノラートを、本出願において他所に論じられているラジカル重合可能なアクリル樹脂に、0.1%から0.5%までの範囲の濃度で溶かした。次いで、320〜350nmのUVを0.8J/cmから1.8J/cmまで範囲の線量で照射することによって、樹脂を硬化した。その結果、青紫色を有するソルバトクロミックフィルムを得た。イソプロピルアルコールでぬぐうと、フィルムはピンク色に変化し、次いで乾燥した後、青色に戻った。
【0038】
以上の記載は正確であるが、方法および得られた最終生成物に対して、多くの改変が行われることは明らかである。例えば、ソルバトクロミック色素を得るために水酸化ナトリウムを使用したが、同じ目的のために他の塩基、カリウムまたはナトリウムなどの少なくとも1価の塩基を使用してもよい。カルシウムまたはマグネシウムの水酸化物などの2価の塩基も適しており、功を奏する。塩基性色素を製造する、より重要な態様は、使用される特定の陽イオンおよび塩基、例えば、NaOH、NHOH、KOH、Mg(OH)、Ca(OH)、Ba(OH)など、特にアルカリ金属およびアルカリ土類金属で作製される塩基よりもむしろ、分子層の分離であると考えられる。
【0039】
特定のいずれの理論にも制限されることなく、ソルバトクロミック活性は、少なくとも一つには、フェノラート環とピリジン環との間の分子部分によるものと考えられている。それ故に、アクリルアミド基を水素原子で置換することは、色素のソルバトクロミック活性に悪影響を及ぼさないことが見出された。この分子、4,6−ジクロロ−2−[2−(6−アミノヘキシル−4−ピリジニオ)ビニル]フェノラート、化合物12の構造は、以下に示されており、以上に論じた化合物8を中和後、トリフルオロ酢酸対イオンを除去したものである。ある意味で、以下の化合物12は、アクリル基を水素置換した化合物11である。
【0040】
【化10】

化合物12は、塩としての取り扱いがより容易であり、かかる塩は、HCl、HBr、HF、リン酸塩、硫酸塩であってよく、種がカルボキシル化しない限り、他の多くの塩であってよい。この物質を作製するために、上記化合物番号8を、HCl/ジオキサン(Aldrichから入手可能)の混合物またはクロロホルムなどの他の相容性の有機溶媒に溶かしたHClで中和する。
【0041】
メタクリルアミド基を有し、同等に活性または電子求引性である同様の化合物も適しており、上記化合物8を変換するためのステップにおいて、塩化メタクリロイルを使用して得ることができる。アミン基の窒素原子上の他の置換基R1には、少なくともハロゲン、塩素、臭素、フッ素、ヨウ素およびアルキルメルカプトが含まれる。エチルメルカプトなどのアルキルメルカプト基および芳香族メルカプタンなどの屈曲しない芳香族架橋基も適している。C3〜C6などの、特にC3およびC6の少なくとも短鎖のアルコキシ誘導体は適している可能性もある。アミン基とピリジン環との間のヘキシル基が功を奏した。他の短鎖脂肪族分子が、これらのソルバトクロミック色素に使用されてもよく、かかる分子には、イソヘキシル、ペンチル、イソペンチル、ブチル、イソブチルおよびデシルならびに他の多くのC20までのもの、すなわちC〜C20脂肪族が含まれる。脂肪族種は必要であるとも考えられる。ソルバトクロミック色素として良好に機能する他の分子には、ピリジン環とベンゼン環との間のエテン基を、ブタジエン−C=C−C=C−またはヘキサトリエン−C=C−C=C−C=C−の共役二重結合で置換したものが含まれる。他の実施形態には、以下の構造13に示されているような、ベンゼン環上の置換物を含むことができる。R4、R6における塩素の一方または両方が、ヨウ素、臭素またはフッ素に置換されてよい。1位のO基は、代わりに塩素の間の5位に置かれることがありうる。ニトラート、−NO、メトキシ、エトキシなどのアルコキシも、ソルバトクロミック色素をもたらす可能性がありうる。ベンゼン環上の置換物の多くは、容易に入手できることに留意されたい。例えば、3、5位にハロゲン原子を有するいくつかのサリチルアルデヒド化合物は、Sigma−Aldrich、St.Louis、Missouri、USAなどの製造品から容易に入手できる。サリチルアルデヒド分子が、そのアルデヒド官能基で構造5におけるピリジン環に反応すると、サリチルアルデヒド分子における3、5位が、形成されたフェノール/フェノラート生成物における4、6位になる。言うまでもなく、R1は、アミンまたはアクリルアミドであってよく、R2は、C4〜C20脂肪族であり、R3は、エテン、ブタジエンまたはヘキサトリエンであり、R4およびR6は、以上に論じた通りであり、R5は水素およびOのうちの一方であってよく、R7は水素およびOのうちの他方であってよい。
【0042】
【化11】

ルアーアクセスデバイス(LAD)ハウジングに適用されうるコーティング、好ましくは透過性コーティング中に、色素を組み込むことは可能である。LADハウジングは、典型的にはポリカーボネート(PC)から作製されるが、アクリル(PMMAなど)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、メチルアクリロニトリルブタジエンスチレン(MABS)、ポリプロピレン(PP)、環状オレフィンコポリマー(COC)、ポリウレタン(PU)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ナイロンなどのエラストマーおよび他のプラスチックならびにポリ(エチレンテレフタレート)(PET)を含むポリエステルからも作製することができる。エポキシ、ポリエステルおよびアクリルを含む上記のプラスチックにしっかりと付着する多くのコーティングが存在する。医療用デバイスの一例として、血管アクセスデバイスが図1に見られる。ルアーアクセスデバイス10は、ハウジング12、雄ルアーコネクタスレッド14、縁16およびセプタム18を含む。縁16は多孔性であり、拭取りによって接近可能な色素を含み、この色素は点々の付いた表面16aとして示されている。縁16および縁表面16aは、抗菌化合物および色素が表面16aに結合するように処理されている。
【0043】
他の実施形態は、本出願と同日に出願され、本出願の譲受人に譲渡されている、関連出願のMEDICAL FLUID ACCESS DEVICE、代理人整理番号112713−1206、米国特許出願_____に記載されており、この全内容は、参照によって本明細書に組み込まれる。表面16aは、多孔性または透過性であり、表面が作製されるポリマーは、約1.25から約1.6までの屈折率を有することが好ましい。透過性表面は、典型的には不透明であり、少量の色素を組み込んでよい。約0.1%から約1%までなどの少量の色素は、表面に色を加えるかまたは表面を淡色または微色の半透明にするのに有効である。
【0044】
表面は多孔性であるため、IPAまたは70%IPA/30%水溶液などの、拭取り消毒溶液または防腐溶液は、表面を透過する。消毒溶液は、クロルヘキシジンなどの抗菌化合物を含むこともできる。拭取り溶液の屈折率、約1.34が、多孔性表面が作製されるポリマーの屈折率に一致するかまたは近い場合、表面は色素が存在しないならば透明になる。色素が存在する場合、色素が、第1のpHから第2の異なるpH、すなわち拭取り溶液のpHへと状態を変化させるにつれて、表面は変色する。IPAおよび水は最も一般的であるが、これら以外の溶液または拭取り化合物を使用することができる。例えば、エタノールは屈折率1.36を有する。拭取り溶液にクロルヘキシジンなどを加えることも屈折率を変化させるので、不透明から透明へと変化させようが、またはある色から別の色へと変化させようが、視覚的に明瞭な外観の変化を保証するために、使用者が拭取り溶液を調整することが可能である。
【0045】
図2は、ハウジング22および多孔性表面層24を有する医療用デバイス20を示す。細孔は、表面層24中の狭い通路25として示されている。多孔性表面層は、有効量の色素26を約0.1から約1.0重量%含むことができ、少量の抗菌化合物または微量作用化合物28も含むことができる。化合物を多孔性にするには多くのやり方があり、例えば、知られている細孔サイズおよび密度を有する膜を購入することによるやり方、よく知られているTIPS(熱転移相分離)法に溶媒を適用することによるやり方または表面に表面小割れまたは表面深割れを生じさせることによるやり方などである。調整された細孔サイズを有するポリカーボネート膜は、Osmonics Corp.、Minnetonka、MN、U.S.A.から購入することができ、ポリエチレン膜は、DSM Solutech、Eindhoven、The Netherlandsから購入することができる。細孔サイズは、1μm未満、好ましくは0.2μm未満から変化させてよい。この小さい細孔サイズおよびより小さい細孔サイズは、抗菌拭取り溶液に透過性を許すのに十分であるが、直径0.2μmを超える傾向がある多くの微生物による接近を防ぐのに十分大きい。これらの技術の多くは、それらのすべてが参照によって以前に組み込まれた上記関連特許出願に記載されている。
【0046】
ポリマー表面上への色素および菌剤の固定
この項は、色素分子の直接結合のためのそのような表面を調製するために行われた実験研究を記載する。表面を調製するために使用される物質は、表面を反応させ、表面に色素を結合する官能基を加えることによって機能する。色素の例には、Reichardt色素および上記のソルバトクロミック色素が含まれる。上記にもあるように、色素は変色して注意を喚起し、ルアーアクセスデバイス(LAD)表面などの表面が拭き取られ、一瞬の間清潔であることを医療専門家に知らせる。この技術はまた、菌剤を表面に結合するのに有効である。例として、クロルヘキシジン化合物およびグルコン酸クロルヘキシジンなどの誘導体ならびにアミノアルキル基を有する他の抗菌剤が含まれる。例として、クロロキシフェノール、トリクロサン、トリクロカルバンおよびそれらの誘導体ならびに第4級アンモニウム化合物も含まれる。他の多くの抗菌物質または微量作用物質が結合されていてもよい。これらの化合物は、それらが適用されている表面上の有害な細菌もしくは他の微生物に対して殺菌作用があるかまたはそれらの増殖を少なくとも抑制し、患者に対して有益である。
【0047】
そのような微生物に抵抗する性質を有することで知られている材料は、米国特許第4,847,088号、米国特許第6,663,877号および米国特許第6,776,824号に記載および開示されており、これらはすべて、本特許に直接写されたかのように、本明細書によって、参照によって完全に組み込まれる。例えば、第4級アンモニウム化合物(有機側鎖またはケイ酸塩側鎖を有することが多い)は、ホウ酸ならびにクエン酸、安息香酸およびマレイン酸などの多くのカルボン酸と同様に、そのような性質でよく知られている。ピリジニウム塩およびホスホニウム塩が使用されてもよい。有機化合物の他に、ある特定の非有機材料および非有機化合物も、病原菌および有機体に対する抵抗性で知られている。抗菌化合物は、材料自体、例えば、ルアーアクセスデバイスまたは他の血管アクセスデバイスのハウジングに組み込まれる場合、低濃度で、典型的には約0.1%から約1%で使用される。抗菌化合物は、腹膜透析、血液透析または他の種類の透析治療に使用されるものなどの、カテーテル、透析用コネクタなどの他の多くの医療用デバイス上に使用されてもよい。それらは、薬物バイアル用スパイク、人工装具用デバイス、聴診器、内視鏡ならびに類似の診断用および治療用デバイスに適用されてもよく、注入ポンプならびに関連機器およびチューブに適用されてもよい。数ある中で、これらのデバイス上に抗菌化合物を使用することは、感染を防ぎ、感染の効力を弱めるのに役立つ可能性がある。
【0048】
金属、特に重金属ならびにイオン性化合物およびこれらの金属の塩は、非常に低濃度または低量でさえ、抗菌物質として有用であることで知られている。これらの物質は、微量作用効果を有すると言われており、微量作用であるとみなされている。金属には、銀、金、亜鉛、銅、セリウム、ガリウム、白金、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、オスミウム、ビスマスなどが含まれる。より低原子量を有する他の金属も、非常に低濃度で微生物の抑制効果または殺菌効果を有する。これらの金属には、数ある中で、アルミニウム、カルシウム、ナトリウム、リチウム、マグネシウム、カリウムおよびマンガンが含まれる。本目的のために、これらの金属はすべて微量作用金属であるとみなされており、それらの化合物およびイオン性物質は微量作用物質である。金属ならびにそれらの化合物およびイオン、例えば、酸化亜鉛、酢酸銀、硝酸銀、塩化銀、ヨウ化銀およびその他多数は、細菌、ウイルスまたは真菌などの微生物の増殖を抑制しうるか、またはそれらは細菌、ウイルスまたは真菌などの微生物に対して、より高濃度で殺菌効果を有することがある。これらの化合物および塩の多くは水溶性であるため、それらは溶液またはコーティング中に容易に入れることができ、次いで、ルアーアクセスデバイスなどの血管アクセスデバイスを被覆するために使用されうる。銀は、有効な抗菌金属であることで長い間知られており、現在では、Northern Nanotechnologies、Toronto、Ontario、CanadaおよびPurest Collids,Inc.、Westampton、NJ、U.S.A.などの企業から、ナノ粒子サイズで入手できる。他の微量作用金属および化合物も、これらの企業から入手できる。
【0049】
スルファニルアミドおよびセファロスポリン系などの他の材料は、それらの抵抗性でよく知られており、これには、クロルヘキシジンおよびその誘導体、エタノール、ベンジルアルコール、リソスタフィン、安息香酸類似体、リジン酵素および金属塩、バシトラシン、メチシリン、セファロスポリン、ポリミキシン、セファクロル、セファドロキシル、セファマンドールナファート、セファゾリン、セフィム(cefime)、セフィネタゾール(cefinetazole)、セフォニオイド、セフォペラゾン、セフォラニド、セフォタム(cefotanme)、セフォタキシム、セフォテタン、セフォキシチン、セフポドキシムプロキセチル、セフタキシジム、セフチゾミキシム(ceftizomxime)、セフトリキスゾン(ceftrixzone)、セフリアキソン、モキソラクタム(moxolactam)、セフロキシム、セファレキシン、セファロスポリンC、セファロスポリンCナトリウム塩、セファロチン、セファロチンナトリウム塩、セファピリン、セフラジン、セフロキシムアキセチル、ジヒドラセファロギン(dihydracephaloghin)、モキサラクタムまたはロラカルベフマファート(mafate)が含まれる。Microbanの「Additive B」である5−クロロ−2−(2,4−ジクロロ−フェノキシ)フェノールは、別のそのような材料である。
【0050】
官能基
以下の部分は、上記のソルバトクロミック色素および抗菌剤を結合させるための官能基をもたらすのに有効であると見出された多くの方法を論じている。官能基は、活性カルボキシ基、活性アミン基または活性アミド基を含むことができる。次いで、所望の色素または薬剤は直接結合されてよく、または所望の物質を結合させるために、中間基が使用されてよい。
【0051】
ナイロン表面
一例では、Whatmanナイロン−6,6膜、細孔サイズ0.2μm、47mm、Whatmanカタログ番号7402−004を、Whatman Inc.、Florham Park、NJ、USAから入手した。他のナイロンまたはポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン(PTFEまたはTeflon(登録商標))、ポリエステル、ポリカーボネート、セルロースおよびポリプロピレンを含む他の膜も、Whatmanから入手できる。最初に膜をジクロロメタン、アセトン、メタノールおよび水で逐次入念に洗浄した。次いで、膜を水で数回洗浄し、中性のpHを達成した。最後にそれらをメタノールで洗浄し、高真空下で乾燥させた。次いで、膜を3M HClで45℃にて4時間処理し、試料NM−1を得た。特定のいずれの理論によっても制限されることなく、この処理によって、膜表面上に多くのアミノ基が生み出されたと考えられる。未処理ナイロンの遊離アミン濃度は、6.37×10−7モル/cmと算出されたが、酸処理後の遊離アミン濃度は、13.28×10−7モル/cmと算出された。濃度は、Biotech Bioeng.、83巻(2号)、168〜173頁(2003年)に記載されているLinらの方法を使用して算出した。したがって、この処理は、表面上にあり結合に利用できる遊離アミンの濃度を2倍にするように思われた。
【0052】
次いで、NM−1膜を、ジメチルホルムアミド(DMF)に溶かしたポリ(N−スクシンイミジルアクリラート)(PNSA)と接触させた。これは、溶かしたPNSAの入ったフラスコに、膜を入れることによって行った。ポリアクリルアルデヒドまたはポリアクロレインなどの、アルデヒド基を含む他のポリマーとの処理も有効であると予想される。次いで、トリエタノールアミンをフラスコに加え、これを持続的アルゴンパージ下で約6時間、回転攪拌した。次いで、処理されたナイロン膜をDMFで入念に洗浄し、ナイロンの表面上にN−スクシンイミジルカルボキシラート基を生成させ、NM−2を形成した。4,6−ジクロロ−2−[2−(6−アミノ−ヘキシル−4−ピリジニオ)−ビニル]フェノラートのジ(トリフルオロ酢酸)塩をDMFに溶かし、トリフルオロ酢酸対イオンをトリエチルアミンで中和することによって変換した。前もって処理された膜を反応フラスコに加え、一晩回転攪拌した。結果として生じた、その表面上に4,6−ジクロロ−2−[2−(6−アミノ−ヘキシル−4−ピリジニオ)−ビニル]フェノラートの塩を有する膜、NM−3を、次いでDMFで入念に洗浄した。膜の表面は、乾燥すると淡紫色であった。同表面は、イソプロピルアルコールで拭き取ると暗紫色に変化し、水約30%を含むイソプロピルアルコールの混合物で拭き取ると鮭肉色に変化した。
【0053】
NM−3膜は、その表面上に過剰のN−スクシンイミジルカルボキシラートを有していたと考えられる。この過剰さが、フェノラート位で色素を加水分解し、プロトン化し、色素を無色にしたとも考えられる。カルボキシ基を安定化し、また種々のアミンの使用から、どのような色または他の性質が生じるのかを発見するために、多くのNM−3膜を種々のアミンで処理した。NM−4からNM−9の一連の膜を、種々のアミンで処理することによって、より安定な表面を有するが、わずかだけ異なる色を有する膜を得た。特定のアミンをメタノールに溶かし、膜を反応フラスコに加え、フラスコを一晩回転攪拌した。次いで、結果として生じた膜を、アセトンで洗浄し、真空下で乾燥させた。下記表1に、種々の使用されたアミンおよび結果として生じた性質をまとめる。これらの結果は、第1級アミン、水酸化アンモニウム、アミン(NH)−末端化合物およびポリマー、モルホリンならびに第1級芳香族アミンなどの、多くのアミノ化合物およびアンモニウム化合物が結合部位をもたらすのに使用することができることを示唆している。
【0054】
膜がおよそ0.2μmの細孔を有していた結果、拭き取られる時に急速に色が変化し、1、2分以内に乾燥時の色に戻ることにつながった。言及されているように、NM−3膜はその表面上に過剰のカルボキシラート基を有していたと考えられる。したがって、抗菌剤であるクロルヘキシジンを適用した。クロルヘキシジンをメタノールに溶かし、膜を反応フラスコに加え、フラスコを一晩回転攪拌した。膜を、アセトンで入念に洗浄し、真空下で乾燥させた。この膜NM−10には、その時抗菌剤および色素の両方が含まれていたと考えられる。膜を試験した。その乾燥時の色は、穏やかな紫色であり、イソプロピルアルコール(IPA)中で暗紫色に変化し、70%IPA中で穏やかな橙色/赤色に変化した。
【0055】
【表1】

ポリカーボネート表面
2番目の一連のプラスチック表面も試験した。DE1−1D Makrofol(登録商標)ポリカーボネートフィルム、厚さ0.005インチ、クリア−グロス/グロスを、Bayer Polymers Division、Bayer Films Americas、Berlin、CT、USAから入手した。フィルムを1cm角に切り、エチルエーテル中0.25Mクロロスルホン酸溶液4mlで処理した。この四角片および溶液をスクリューキャップバイアルに入れ、約5℃に冷却し、1時間回転攪拌した。結果として生じたクロロスルホン化フィルムをエチルエーテルで入念に洗浄して、膜PC−1を得た。4,6−ジクロロ−2−[2−(6−アミノ−ヘキシル−4−ピリジニオ)−ビニル]フェノラート色素上のアミノ末端基は、ポリカーボネート表面に結合されているクロロスルホニル基と反応すると考えられる。色素の溶液は、10mmolをエタノールに溶かし、トリエチルアミン0.22mmolで処理することによって調製した。結果として生じた色素溶液は、pH9.7を有していた。次いで、色素を含む回転フラスコにPC−1フィルムを加え、一晩回転攪拌し、次いで、メタノールで入念に洗浄して、フィルムPC−2を得た。乾燥フィルムは穏やかにピンクがかった/紫色を有していた。70%IPAで湿らすと、それは桃色に変化した。
【0056】
クロロスルホン酸で4時間処理すること以外は同じ方法で処理した他のフィルムは、色変化活性をまったく有していなかった。クロロスルホニル部分は、時間が経つとより安定な実体に変換される一時的な遷移生成物であるため、色素の結合に利用できないと考えられる。他の実験は、色素結合に関する、1日から5日までの時間の変化を含めた。より長い期間処理されたフィルムはまた、非常に濃い色の表面を有した。他の溶媒中のPCの溶解度のせいで、この実験にはエチルエーテルのみを使用した。非常に低い多孔度を有するポリカーボネートフィルムの色変化は、高く規則的な多孔度を有する膜の色変化と比べてかなり遅かった。ポリカーボネート表面をメタクリル酸またはアクリル酸で処理すると、表面にカルボキシル官能基が付加すると予想される。
【0057】
ポリエステル表面
ポリエステル表面も入手し、試験した。例えば、Milliporeポリエチレンテレフタレート(PET)膜は、Millipore Corp.、Billerica、MA、USAからカタログ番号T6PN1426を入手した。これらの膜は、直径47mm、厚さ0.013mmであり、公称直径1.0μmを有する細孔を有していた。膜を3cm×3cm角に切り、スクリューキャップ瓶中の水およびアセトンの溶液に加えた。メタクリル酸7.5mmol、続いてアセトン2ml中過酸化ベンゾイル0.090mmolを溶液に加えた。瓶を85℃で4時間回転攪拌した。結果として生じた膜を、熱水で続いてアセトンで数回入念に洗浄し、次いで真空下で乾燥させて、膜PET−1を得た。特定のいずれの理論にも制限されることなく、この処理によって、テレフタレート部分におけるベンゼン環の水素がアクリル官能性によって置換されると考えられる。膜を試験し、アクリル酸による処理は、50〜53%の重量増加につながった。後に続く過酸化ベンゾイルとの処理によって、ポリエステルまたはPET表面にカルボキシル基が結合することも考えられる。少なくともいくつかの結合は、モノマーの性質よりもむしろポリマーの性質を有する可能性がある、すなわち、その結合は、複数のカルボキシル末端を有する少なくとも短鎖である可能性がある。4,6−ジクロロ−2−[2−(6−アミノ−ヘキシル−4−ピリジニオ)ビニル]フェノラート色素または抗菌剤の末端アミン基は、次いで、水の脱離を伴って、カルボキシル基と結合することができる。
【0058】
色素の溶液を、PET膜用に、以下の通りに調製した。ジ(トリフルオロ酢酸)塩0.25mmolをDMF10mlに溶かし、これにトリエチルアミン0.51mmolを加えた。EEDQ(2−エトキシ−1−エトキシカルボニル−1,2ジヒドロキノリン)カップリング剤0.30mmolを加えた。PET−1膜をこの反応溶液に加え、一晩回転攪拌した。結果として生じた膜を、メタノールで入念に洗浄した。この膜は、淡橙色/赤色を有していた。カルボキシル残基は、色素のフェノラート部分をプロトン化し、色素を無色にしうると考えられる。したがって、膜を5%重炭酸ナトリウム溶液で表面処理して、残存する任意のカルボキシ基をナトリウム塩に変換した。次いで、膜を水で続いてメタノールで洗浄し、真空下で乾燥させて、PET−2膜を得た。乾燥フィルムは橙色/赤色であった。70%IPAで湿らすと、膜は淡鮭肉色になり、IPAのみで試験すると鮭肉色に変化した。さらなる実験では、色素溶液による膜の処理回数を増やすと、膜がより濃く呈色することが見出された。
【0059】
これらの試験の結果は、いくつかの基質がソルバトクロミック色素の結合に適しているかまたは色素が容易に結合するように処理することができることを実証している。試験された特定の材料に加えて、ウレタン膜およびウレタンフォームは、ウレタン中に内在するNHCOO官能基のために、恐らくいずれの処理もせずに使用することができる。これらの結果は、シートから切り取られたものなどの、別個の小さいリングまたは膜を使用することができることを実証している。実施形態に有用な他のポリマー表面には、薄いフィルム、キャストフィルム、鋳型成形もしくは成形された部分、または例えば、ルアーアクセスデバイスなどの血管アクセスデバイスなどの別の物体上への配置を目的とした薄いコーティングでさえ含まれる。
【0060】
以上に論じたように、アクリル膜またはコーティングは、少なくともReichardt色素用に処理することなく使用することができる。アクリルポリマー中のポリエステル様のRCOO基の存在は、最初から、それらをアミンを含む色素または抗菌物質および他の色素の結合に適したものにする。ウレタン膜またはウレタンフォームは、そのままで使用することができ、またはそれらを色素または抗菌剤の結合にさらにもっと適したものにするために処理することができる。ポリアミドは、それらが火炎処理もしくはプラズマ処理される場合またはポリイミドフォームが使用される場合に適している可能性がある。これらの材料のいずれかの混合物、コポリマーおよび複合物が有用でありうるのと同様に、メラミン、無水マレイン酸誘導体、混合物およびコポリマーも有用でありうる。しかし、シリコーンは処理の影響を受けることが少なく、シリコーンフォームが使用されうる。例えば、シリコーンを5〜10M NaOHで数時間処理すると、Si−OH(シラノール)基が形成され、次いでこれは、カルボキシ基または他の官能基の結合部位を形成するために使用することができる。
【0061】
ソルバトクロミック色素
上記の色素、Reichardt色素、4,6−ジクロロ−2−[2−(6−アクリルアミド−ヘキシル−4−ピリジニオ)ビニル]フェノラートおよび4,6−ジクロロ−2−[2−(6−アミノ−ヘキシル−4−ピリジニオ)ビニル]フェノラートは、これらの用途に使用されうる有用なソルバトクロミック色素の多くの例のうちのほんのわずかである。使用することができる他の多くのソルバトクロミック色素が存在する。以上に言及されているように、必要とされる主なものは、例えばIPAで拭き取られると色を可逆的に変化させる能力である。特定のいずれの理論にも制限されることなく、ピリジン環とベンゼン環との間の共役は、1つ、2つまたは3つであろうとその間にある二重結合とともに行われており、このことが新規な構造におけるソルバトクロミック活性を説明していると考えられる。これらの構造上の特徴はメロシアニン色素に存在するので、これらの色素の多くはまた、上記のアクリルのようにコーティング中に組み込まれるかまたは表面処理の一部として使用されるかどうかに関わらず、拭取り用のインジケータとして有効であると考えられる。言うまでもなく、メロシアニン色素は、典型的には、置換されたベンゼン環よりはむしろフェノキシド環を有する。フェノキシド環は芳香族供与体として機能し、ピリジン環またはピリジニウム環は受容体として機能する。言うまでもなく、新規な構造において、ベンゼン環は供与体であり、ピリジン環は受容体である。したがって、共役したピリジニウム−フェノキシド環(ピリジン−ベンゼン構造との共鳴を有する)を有するメロシアニン色素、下記構造14
【0062】
【化12】

も適していると考えられる。例として、1−メチル−4−(4’−ヒドロキシブチル)ピリジニウムベタインおよびBrookerメロシアニン色素、4’−ヒドロキシ−1−メチルスチルバゾリウムベタインが含まれる。
【0063】
これまでに知られている豊富な色素などの他のソルバトクロミック色素も使用することができ、これについては、通常環境からわずかに酸性の環境への小さな変化、IPAのpH範囲6〜7などが色変化を生み出す。下記表に、これらのいくつかの色素およびそれらの前後の色を掲載する。コーティングまたはLADハウジング材料の「前」環境は、コーティングの形成中の簡単な調整、表面を処理する方法または色素を結合するのに使用される種によって、それを塩基性にすることなどによって変化しうることに留意されたい。ソルバトクロミック色素の少数例を下記表2に示す。
【0064】
【表2】

これらのおよび他の多くのソルバトクロミック色素およびメロシアニン色素は、本出願による用途に使用することができる。他のソルバトクロミック色素には、ピレン、4−ジシアンメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン;6−プロピオニル−2−(ジメチルアミノ)ナフタレン;9−(ジエチルアミノ)−5H−ベンゾ[a]フェノキサジン−5−オン;フェノールブルー;スチルバゾリウム色素;クマリン色素;ケトシアニン色素、Reichardt色素;チモールブルー、コンゴレッド、メチルオレンジ、ブロモクレゾールグリーン、メチルレッド、ブロモクレゾールパープル、ブロモチモールブルー、クレゾールレッド、フェノールフタレイン、セミナフトフルオレセイン(SNAFL)色素、セミナフタローダフルオール(SNARF)色素、8−ヒドロキシピレン−1,3,6−トリスルホン酸、フルオレセインおよびその誘導体、オレゴングリーンならびにローダミン色素、スチリル色素、シアニン色素を含む、多くがレーザー色素として使用されている種々の色素および多種多様の他の色素が含まれるが、これらに限定されない。さらに他のソルバトクロミック色素には、インジゴ、4−ジシアンメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン(DCM);6−プロピオニル−2−(ジメチルアミノ)ナフタレン(PRODAN);9−(ジエチルアミノ)−5H−ベンゾ[a]フェノキサジン−5−オン(ナイルレッド);4−(ジシアノビニル)ジュロリジン(DCVJ);フェノールブルー;スチルバゾリウム色素;クマリン色素;ケトシアニン色素;N,N−ジメチル−4−ニトロアニリン(NDMNA)およびN−メチル−2−ニトロアニリン(NM2NA);ナイルブルー;1−アニリノナフタレン−8−スルホン酸(1,8−ANS)ならびにダポキシルブチルスルホンアミド(DBS)および他のダポキシル類似体を含むことができる。本開示に使用することができる他の適した色素には、4−[2−N−置換−(1,4−ヒドロピリジン−4−イリジン)エチリデン]シクロヘキサ−2,5−ジ−エン−1−オン、レッドピラゾロン色素、アゾメチン色素、インドアニリン色素およびそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
【0065】
他のメロシアニン色素は、含むがこれらに限定されない。メロシアニン色素(例えば、モノ−、ジ−およびトリ−メロシアニン)は、本開示に用いることができるソルバトクロミック色素の種類の一例である。メロシアニン540などのメロシアニン色素は、「Colour and Constitution of Organic Molecules」Academic Press、London(1976年)に論じられているような、Griffithの供与体−単一受容体色原体分類に含まれる。より具体的には、メロシアニン色素は、偶数のメチン炭素を有する共役鎖によって分離された塩基性核および酸性核を有する。そのような色素は、電子受容体部分として働くカルボニル基を有する。電子受容体は、ヒドロキシル基またはアミノ基などの電子供与基に共役する。メロシアニン色素は、環状または非環状(例えば、環状メロシアニン色素のビニルアロガス(vinylalogous)アミド)であってよい。例えば、環状メロシアニン色素は、一般的に、上記構造14に関連する以下の構造15を有する。
【0066】
【化13】

式中、nは、0を含む整数である。一般構造14および15によって以上に示されるように、メロシアニン色素は、典型的には、電荷分離した(すなわち「双性イオンの」)共鳴形を有する。双性イオン色素は、正電荷および負電荷の両方を含むものであり、正味中性であるが、高度に荷電されている。理論によって限定されることを意図せず、双性イオンの形は、色素の基底状態に著しく寄与すると考えられている。したがって、そのような色素によって生成される色は、色素の基底状態と励起状態との間の分子の極性差によって決まる。励起状態に比べて極性が高い基底状態を有するメロシアニン色素の特定例の1つは、構造14および15として以上に記述されている。
【0067】
電荷分離した左側の極限構造14は、基底状態に主に寄与するものであり、一方、右側の極限構造15は、第1励起状態に主に寄与するものである。適したメロシアニン色素のさらに他の例は、下記構造19〜29において、以下に記述されている。式中、「R」は、メチル、アルキル、アリール、フェニルなどの基である。下記構造19〜29を参照のこと。
【0068】
【化14】

【0069】
【化15】

【0070】
【化16】

【0071】
【化17】

色素および抗菌化合物に加えて、本明細書に論じられている調製物は、アミノアルキル基を含む他の化合物または物質を所望の表面に結合させるために使用することができる。これらの種類の化合物の例には、アミノアルキル基を含むポリ(エチレングリコール)(PEG)、抗菌ペプチドを含むペプチド、タンパク質、第VIII因子、アミノアルキル基を含む、ヘパリン、キトサン、ヒアルロン酸誘導体などの多糖およびアミノアルキル基を含むコンドロイチン硫酸誘導体が含まれる。タンパク質の一例はアルブミンであり、ペプチドの例はポリミキシンである。これらの化合物が共通して有する1つのものは、新規な色素である4,6−ジクロロ−2−[2−(6−アミノヘキシル−4−ピリジニオ)ビニル]フェノラートにおいて、以上に論じられたアミノアルキル基などのアミノアルキル基である。
【0072】
表面調製についての上記論考によると、アルキルアミノ基を含む色素および抗菌化合物を結合させるために使用される同調製物は、これらの追加の化合物に適している。アミノアルキル基は、N−スクシンイミジルカルボキシラート基に結合する。これらの基を処理する1つの技術は、表面を洗浄すること、続いて高温にて酸で処理すること、次いで表面をポリ(N−スクシンイミジル)アクリラート(PNSA)と接触させることである。このことが、ナイロン表面上に、アミノアルキル基に結合するのに適したカルボキシラート基を生じさせると考えられる。他の方法も記載されている。ポリカーボネート表面については、クロロスルホン酸で処理し、続いて洗浄することが、クロロスルホニル基を生じさせると考えられる。これらはアミノアルキル基による結合に適している。PET表面の上記処理は、表面へのカルボキシル基の結合をもたらすと考えられ、これらをアミノアルキル基の結合に適したものにしている。
【0073】
したがって、上記のようなポリマー表面も、ペプチド、タンパク質、第VIII因子または他の抗凝固因子、多糖、ポリミキシン、ヒアルロン酸、ヘパリン、キトサン、コンドロイチン硫酸およびこれらの各誘導体の結合に使用することができる。
【0074】
本明細書に記載されている現在好ましい実施形態に対して、種々の変更および改変が当業者には明らかであることを理解されるべきである。そのような変更および改変は、本主題の精神および範囲から逸脱することなく、かつその意図された利点を損なうことなく行われうる。したがって、そのような変更および改変は、添付の特許請求の範囲によって保護されることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面を被覆する方法であって、
多孔性ポリマー表面を有する医療用デバイスを提供することと、
前記医療用デバイスの前記表面を洗浄することと、
前記表面上に複数の官能基をもたらすことと、
前記官能基に架橋基を結合させることと、
前記官能基または前記架橋基にソルバトクロミック色素または前記ソルバトクロミック色素の誘導体を結合させることと
を含む方法。
【請求項2】
前記官能基または前記架橋基に有効量の抗菌剤を結合させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記表面上の前記官能基が、前記表面を酸と反応させ、洗浄し、乾燥させることによってもたらされる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記架橋基が、ポリ(N−スクシンイミジルアクリラート)(PNSA)またはアルデヒド官能基を有するポリマーによってもたらされる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ポリマー表面を遮蔽することと、少なくとも前記ソルバトクロミック色素または前記色素の前記誘導体を前記多孔性表面上の所望の位置に配向することとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記多孔性ポリマー表面を消毒溶液で拭き取ると、前記表面の色または外観が可逆的に変化することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記消毒溶液を蒸発させると、前記多孔性ポリマー表面の前記色または前記外観が、拭き取る前に存在した前記色または前記外観に戻ることをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記多孔性ポリマー表面が、膜またはコーティングである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記多孔性ポリマー表面が、約1.25から約1.6までの屈折率を有するポリマーから作製される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
ヘパリン、タンパク質、キトサン、第VIII因子または他の抗凝固因子、多糖、ペプチド、ポリミキシン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸およびこれらの各誘導体からなる群から選択される有効量のアルキル−アミノ含有化合物を結合させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
表面を被覆する方法であって、
ポリマーから作製された医療用デバイスの多孔性表面を洗浄することと、
前記表面を強酸で処理して、前記表面上に複数の官能基をもたらすことと、
前記官能基を、ポリ(N−スクシンイミジルアクリラート)(PNSA)およびアルデヒド官能基を有するポリマーからなる群から選択される架橋剤と反応させて結合部位を形成することと、
ソルバトクロミック色素、抗菌剤またはペプチド、タンパク質、第VIII因子もしくは他の抗凝固因子、多糖、ポリミキシン、ヒアルロン酸、ヘパリン、キトサンおよびこれらの各誘導体からなる群から選択されるアルキル−アミノ含有化合物を前記結合部位に結合させることと
を含む方法。
【請求項12】
前記ポリマーが、約1.25から約1.6までの屈折率を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記表面を処理して、アミン官能基を生じさせることをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記ソルバトクロミック色素が、4,6−ジクロロ−2−[2−(6−アミノヘキシル−4−ピリジニオ)−ビニル]フェノラートおよび誘導体、Reichardt色素、その塩およびその誘導体ならびにメロシアニン色素およびそれらの誘導体からなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
未反応のカルボキシ結合部位を塩に変換することによって、前記表面を安定化することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記表面が、前記医療用デバイスに結合するための膜またはコーティングを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
ナイロン表面を強酸で処理してアミノ結合部位を生じさせ、ポリカーボネート表面をクロロスルホン酸で処理してスルホニルクロリド結合部位を生じさせ、ポリエステル表面またはポリカーボネート表面をアクリル酸またはメタクリル酸で処理してカルボキシ結合部位を生じさせる、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
ポリマー製医療用デバイスのハウジングと、
前記医療用デバイス上の多孔性ポリマー表面と、
前記多孔性上部ポリマー表面上の複数の結合部位と、
場合によって、前記結合部位に結合された複数の官能基と、
前記結合部位または前記官能基に結合された、i.ソルバトクロミック色素または前記ソルバトクロミック色素の誘導体;およびii.抗菌化合物のうちの少なくとも1つと
を含み、前記多孔性ポリマー表面が消毒溶液で拭き取られると、前記表面は第1の外観から第2の外観に可逆的に変化するように形成される、ポリマー製医療用デバイス。
【請求項19】
前記ポリマー表面が、約1.25から約1.6までの屈折率を有するポリマーから作製される、請求項18に記載の医療用デバイス。
【請求項20】
前記多孔性上部ポリマー表面が、シートから切り取られた別個の膜、フォーム物品、薄いフィルム、鋳造物、鋳型成形物またはコーティングである、請求項18に記載の医療用デバイス。
【請求項21】
前記抗菌化合物が、クロルヘキシジン、その塩およびその誘導体、アミノアルキル基を有する抗菌剤、クロロキシフェノール、トリクロサンならびにトリクロカルバンおよび誘導体ならびに第4級アンモニウム化合物からなる群から選択される有効量の化合物を含む、請求項18に記載の医療用デバイス。
【請求項22】
前記ハウジングが、有効量の微量作用化合物または抗菌化合物をさらに含む、請求項18に記載の医療用デバイス表面。
【請求項23】
ポリマーから作製された多孔性表面を有する医療用デバイスと、
前記医療用デバイスの前記表面上の複数の結合部位と、
場合によって、前記結合部位に結合された複数の官能基と、
前記結合部位または前記官能基に結合された抗菌化合物と
を含み、前記抗菌化合物が、前記デバイスの前記表面上の微生物に対して殺菌作用があるかまたは微生物の増殖に抵抗するように形成される医療用デバイス。
【請求項24】
カテーテル、薬物バイアル用スパイク、コネクタ、血管アクセスデバイス、ルアーアクセスデバイス、アクセスポート、医薬品ポート、ピグテールコネクタ、人工装具、内視鏡、気管支鏡、聴診器および注入ポンプからなる群から選択される、請求項23に記載の医療用デバイス。
【請求項25】
前記多孔性表面が、約1.25から約1.6までの屈折率を有するポリマーから作製され、前記表面が消毒液で拭き取られると、色または外観を変化させるように形成される、請求項23に記載の医療用デバイス。
【請求項26】
前記多孔性表面が、ソルバトクロミック色素またはその塩もしくはその誘導体を、前記多孔性表面の重量の約0.1%から約0.5%までの量でさらに含む、請求項23に記載の医療用デバイス。
【請求項27】
前記ポリマーが、エラストマー、アクリル、COC、ナイロン、メタクリル、エラストマー、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエステルおよびビニル−エステルからなる群から選択される、請求項23に記載の医療用デバイス。
【請求項28】
前記結合部位が、カルボキシ基、アミン基およびアミド基のうちの1つを含む、請求項23に記載の医療用デバイス。
【請求項29】
前記表面が、シートから切り取られた別個の膜、フォーム物品、薄いフィルム、鋳造物、鋳型成形物またはコーティングを含む、請求項23に記載の医療用デバイス。
【請求項30】
前記抗菌化合物が、クロルヘキシジン、その塩およびその誘導体、アミノアルキル基を有する抗菌剤、クロロキシフェノール、トリクロサンならびにトリクロカルバンおよび誘導体ならびに第4級アンモニウム化合物からなる群から選択される有効量の化合物を含む、請求項23に記載の医療用デバイス。
【請求項31】
前記表面が、有効量の微量作用材料または抗菌材料をさらに含む、請求項23に記載の医療用デバイス。
【請求項32】
ポリマーから作製された多孔性表面を有する医療用デバイスと、
前記医療用デバイスの表面上の複数の結合部位と、
場合によって、前記結合部位に結合された複数の官能基と、
前記結合部位に、ペプチド、タンパク質、第VIII因子または他の抗凝固因子、多糖、ポリミキシン、ヒアルロン酸、ヘパリン、コンドロイチン硫酸、キトサンおよびこれらの各誘導体からなる群から選択されるアルキル−アミノ含有化合物と
を含む医療用デバイス。
【請求項33】
前記結合部位または前記官能基に結合された抗菌化合物をさらに含み、前記抗菌化合物が、前記デバイスの前記表面上の微生物に対して殺菌作用があるかまたは微生物の増殖に抵抗するように形成される、請求項32に記載の医療用デバイス。
【請求項34】
前記結合部位または前記官能基に結合されたソルバトクロミック色素または前記ソルバトクロミック色素の誘導体をさらに含む、請求項32に記載の医療用デバイス。
【請求項35】
カテーテル、薬物バイアル用スパイク、コネクタ、血管アクセスデバイス、ルアーアクセスデバイス、アクセスポート、医薬品ポート、ピグテールコネクタ、人工装具、内視鏡、気管支鏡、聴診器および注入ポンプからなる群から選択される、請求項32に記載の医療用デバイス。
【請求項36】
構造
【化18】

を有する化合物およびその誘導体[式中、R1はアクリロイル、メタクリロイルまたは水素であり、R2はC4〜C10アルキルであり、R3はエテンであり、R4およびR6は、臭素、塩素、フッ素、ヨウ素およびそれらの混合物であり、R5は水素またはOのうちの一方であり、R7は水素およびOのうちの他方である]
を含む色素。
【請求項37】
R1がアクリロイルである場合、前記誘導体は、水酸化アンモニウム、アルカリ塩およびアルカリ土類塩ならびにそれらの混合物を含み、R1が水素である場合、前記誘導体は、臭化水素酸塩、塩酸塩、フッ化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩およびそれらの混合物を含む、請求項36に記載の色素。
【請求項38】
R1が水素であり、R2がn−ヘキシルであり、R4およびR6が塩素であり、R5が水素であり、R7がOである、請求項36に記載の色素。
【請求項39】
医療用アクセスデバイスにおいて、前記色素が多孔性ポリマー中に、拭取りインジケータとして約0.1から約0.5%で存在することをさらに含む、請求項36に記載の色素。
【請求項40】
構造
【化19】

を有する化合物およびその誘導体[式中、R1はアクリロイル、メタクリロイル、水素、ハロゲン、アルコキシ、アルキルメルカプトまたは芳香族メルカプタンであり、R2はC4〜C10アルキルであり、R3はエテン、ブタジエンまたはヘキサトリエンであり、R4およびR6は、臭素、塩素、フッ素、ヨウ素、アルコキシ、ニトラートおよびそれらの混合物であり、R5は水素またはOのうちの一方であり、R7は水素およびOのうちの他方である]
を含む色素。
【請求項41】
医療用アクセスデバイスにおいて、前記色素が前記デバイスの多孔性表面上または多孔性コーティング中に、拭取りインジケータとして約0.1%から約0.5%で存在することをさらに含む、請求項40に記載の色素。
【請求項42】
医療用アクセスデバイスにおいて、前記色素が前記デバイス上に、前記デバイスに結合された多孔性膜中または前記デバイスの多孔性表面の一部として存在することをさらに含む、請求項40に記載の色素。
【請求項43】
t−ブチル−オキシカルボニル(BOC)アミノ脂肪族アルコールをハロゲン化スルホニルと反応させて、BOC−アミノ−脂肪族−スルホナートを得ることと、
前記BOC−アミノ−脂肪族−スルホナートを4−ピコリンと反応させて、ピリジニウムスルホナートを形成することと、
前記ピリジニウムスルホナートを置換されているサリチルアルデヒド化合物と反応させて、メロシアニン色素官能性を有する化合物を形成することと
を含み、前記メロシアニン色素は、
【化20】

[式中、R’はt−ブチル−オキシカルボニルであり、nは1、2または3であり、Xは臭素、塩素、フッ素、ヨウ素、アルコキシ、ニトラートおよびそれらの混合物であり、両方がメタ位にあり、Oはオルト位またはパラ位にある]
の一般構造を有する、色素を製造する方法。
【請求項44】
前記メロシアニン色素を酸に溶かして塩を形成することをさらに含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記BOCアミノ脂肪族アルコールが6−(BOC−アミノ)−1−ヘキサノールである、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
前記BOCアミノ脂肪族アルコールが、4から20個までの炭素原子を有し、一端にアルコール官能基を有し、反対端にBOC−アミノ官能基を有する飽和脂肪族アルコールである、請求項43に記載の方法。
【請求項47】
前記ハロゲン化スルホニルが、p−トルエンスルホニルクロリドおよびp−トルエンスルホニルブロミドからなる群から選択される、請求項43に記載の方法。
【請求項48】
前記ピリジニウムスルホナートが1−(6−BOC−アミノ)ヘキシル−4−メチル−ピリジニウムモノトシラートを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項49】
前記サリチルアルデヒドが、前記サリチルアルデヒド上のアルデヒド官能基の位置から3、5位において2個のハロゲン原子を含む、請求項43に記載の方法。
【請求項50】
請求項43において形成された化合物を、塩化アクリロイルまたは塩化メタクリロイルと反応させて、構造
【化21】

[式中、R”は水素またはメチルである]を形成することをさらに含む、請求項43に記載の方法。
【請求項51】
請求項50において形成された化合物を強塩基で加水分解して、塩を形成することをさらに含む、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記化合物をプラスチック調合物と混合することをさらに含む、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記化合物をプラスチック調合物と、約0.1重量%から約0.5重量%までの量で混合することをさらに含む、請求項51に記載の方法。
【請求項54】
第1級アルコールおよびハロゲン化スルホニルからBOC−アミノ−脂肪族−スルホナートを形成することと、
前記BOC−アミノ−脂肪族−スルホナートを4−ピコリンと反応させて、ピリジウムスルホナートを形成することと、
前記ピリジニウムスルホナートを置換されているサリチルアルデヒドと反応させて、モノメロシアニン官能性を有するフェノラートを形成することと、
前記フェノラートを酸に溶かして、第1の塩を形成することと
を含む、色素を製造する方法。
【請求項55】
前記塩を溶かすことと、混合物を塩化アクリロイルまたは塩化メタクリロイルと反応させることと、溶液を強塩基中で加水分解して第2の塩を形成することとをさらに含む、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記塩をプラスチック調合物と、約0.1重量%から約0.5重量%までの量で混合することをさらに含む、請求項54に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−534089(P2010−534089A)
【公表日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−517175(P2010−517175)
【出願日】平成20年7月18日(2008.7.18)
【国際出願番号】PCT/US2008/070410
【国際公開番号】WO2009/014997
【国際公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【出願人】(591013229)バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド (448)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
【出願人】(501453189)バクスター・ヘルスケヤー・ソシエテ・アノニム (289)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER HEALTHCARE S.A.
【Fターム(参考)】