説明

菜食マイクロカプセル

動物副産物でないシェルがあるマイクロカプセル、およびこのようなマイクロカプセルを調製して使用する方法が開示される。本明細書で具現化され大まかに述べられる、開示される材料、化合物、組成物、物品、および方法の目的に従って、開示される主題は、一態様では、組成物およびこのような組成物を調製して使用する方法に関する。さらなる態様では、開示される主題は、動物副産物でないシェルがあるマイクロカプセル、およびこのようなマイクロカプセルを調製して使用する方法に関する。さらに別の態様では、開示される主題は、逆に帯電したタンパク質から調製されるシェルがあるマイクロカプセルに関する。開示されるマイクロカプセルを作製して、使用する方法もまた開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本明細書は、どちらもその内容全体を参照によって本明細書に援用する、2007年1月10日に出願された米国仮特許出願第60/879,636号明細書および2007年1月10日に出願された米国仮特許出願第60/879,759号明細書の優先権の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
多くのマイクロカプセルは、蜜ろう、デンプン、ゼラチン、またはポリアクリル酸などのシェル材料の薄いコーティング内部の固形物の小型粒子または液体の小滴である。それらは例えば液体を易流動性粉末または圧縮固形物として調製し、反応性物質を隔離し、毒性を低下させ、酸化から保護しおよび/または酵素、香料、栄養素、薬物などの物質の放出速度を調節するのに使用される。
【0003】
従来、研究は、各マイクロカプセルが、装填物を含有する1つのコアを有するマイクロカプセルに集中していた。しかし単一コアマイクロカプセルの問題の1つは、それらが破裂しやすいことである。したがって、このようなマイクロカプセルの強度および/または不透過性を増大させるために、マイクロカプセル壁の厚さを増大させることを試みている人々もいる。しかしこの慣習は、マイクロカプセルの装填能力の減少をもたらすことがある。
【0004】
マイクロカプセルを改善する別のアプローチは、それぞれが装填物を含有する複数チャンバーを各マイクロカプセルが有する、マイクロカプセルを作り出すことである。例えば特許文献1は、シェル材料としてゼラチンを有する「複数コア」マイクロカプセルを開示する。これらのマイクロカプセルは油またはカロテノイド粒子の水性エマルジョンの噴霧冷却によって形成され、油またはカロテノイド粒子「コア」周囲にゼラチンが硬化する。Yoshidaら(非特許文献1または特許文献2)は、ゼラチンおよびパラフィンワックスのエマルジョンがアラビアゴム溶液に添加され、次に界面活性剤と混合されて、「複数コア」マイクロカプセルを形成する、マイクロカプセル製造のための複合コアセルベーション工程を開示する。Ijichiら(非特許文献2)は、複合コアセルベーション工程を使用してビフェニルの大型小滴をマイクロカプセル化し、多層マイクロカプセルを形成した。特許文献3および特許文献4は、感圧コピー用紙および感熱記録紙で使用するための油小滴サイズが1〜10μmで、平均直径3〜20μmを有する「多核」油含有マイクロカプセルを開示する。特許文献5および特許文献6は、魚油などの様々な装填物を対象に送達するための多核油含有マイクロカプセルを開示する。
【0005】
典型的に、このような単一および複数コアマイクロカプセルを調製するのに使用されるシェル材料は動物副産物である。例えばマイクロカプセルのシェル材料として使用されているゼラチンは、魚、ブタ、および/または畜牛の骨、皮、および軟骨に由来することが多い。ゼラチンおよびその他の動物副産物は、多くの目的に適したマイクロカプセルシェル材料である一方、宗教上または食餌療法上の理由などのために、このような動物副産物を含まないマイクロカプセルが所望される場合は、それらは適切でない。したがって当該技術分野において、高装填量を有して、構造的に強固であり、動物副産物でないシェル材料からできたマイクロカプセルに対する必要性がある。本明細書では、これらのおよびその他の要求を満たす組成物および方法が開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第5,780,056号明細書
【特許文献2】特開平1−148338号公報
【特許文献3】米国特許第4,219,439号明細書
【特許文献4】米国特許第4,222,891明細書
【特許文献5】米国特許第6,974,592号明細書
【特許文献6】米国特許第6,969,530号明細書
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Chemical Abstract 1990:140735
【非特許文献2】J.Chem.Eng.Jpn.(1997)30(5):793−798
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本明細書で具現化され大まかに述べられる、開示される材料、化合物、組成物、物品、および方法の目的に従って、開示される主題は、一態様では、組成物およびこのような組成物を調製して使用する方法に関する。さらなる態様では、開示される主題は、動物副産物でないシェルがあるマイクロカプセル、およびこのようなマイクロカプセルを調製して使用する方法に関する。さらに別の態様では、開示される主題は、逆に帯電したタンパク質から調製されるシェルがあるマイクロカプセルに関する。開示されるマイクロカプセルを作製して、使用する方法もまた開示される。
【0009】
追加的利点については、ある程度は以下の説明中で述べられ、ある程度は説明から明らかであり、または下述の態様の実施によって分かる。下述の利点は、添付の特許請求の範囲で特に指摘される要素および組み合わせによって、実現され得られる。前述の概要および続く詳細な説明はどちらも例示的で、あくまでも説明を目的とし、限定的なものではないと理解される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書で述べられる材料、化合物、組成物、および方法は、続く開示される主題の特定の態様の詳細な説明、およびそこに含まれる実施例を参照してより容易く理解されてもよい。
【0011】
本材料、化合物、組成物、および方法を開示して述べる前に、下述の態様は、特定合成方法または特定試薬に限定されるものではないと理解され、したがって、当然、変動してもよい。ここで使用される用語法はまた、特定の態様について述べることのみを目的とし、限定は意図されないものと理解される。
【0012】
また本明細書の全体を通じて、様々な出版物が参照される。これらの出版物の開示は、開示される事柄が関連する従来技術についてより完全に述べるために、その全体を参照によって本明細書に援用する。開示される参考文献は、引用される文中で論じられるそれらに含まれる材料について、ここで個々に具体的に参照によって援用する。
【0013】
一般定義
明細書および続く特許請求の範囲においていくつかの用語に言及し、それらは次の意味を有するものと定義される。
明細書および特許請求の範囲全体を通じて、「含んでなる(comprise)」という語および「含んでなる(comprising)」および「含んでなる(comprises)」などの語のその他の形態は、「〜を含むが限定されるものではない」ことを意味し、例えばその他の添加剤、構成要素、整数、またはステップを除外することは意図されない。
【0014】
明細書および添付の特許請求の範囲での用法では、単数形「a」「an」および「the」は、特に断りのない限り複数の指示対象を含む。したがって例えば「化合物」への言及は、2つ以上のこのような化合物の混合物を含み、「ω3脂肪酸」への言及は2つ以上のこのような脂肪酸の混合物を含み、「マイクロカプセルへの言及」は2つ以上のこのようなマイクロカプセルの混合物を含むなどである。
【0015】
「任意の」または「任意に」とは、引き続いて述べられている事象または状況が起きる場合と起きない場合があり、説明は事象または状況が起きる場合、およびそれが起きない場合を含むことを意味する。例えば「装填物、第2のポリマー構成要素、および任意に組成物をエマルジョンに添加する」という語句は、組成物がエマルジョンに添加される場合、および組成物がエマルジョンに添加されない場合を含む。
【0016】
範囲はここで「およそ」1つの特定値から、および/または「およそ」別の特定値までとして表現できる。このような範囲を表現する場合、別の態様は、特定値からおよび/または別の特定値までを含む。同様に値が近似として表現される場合、先行する「およそ」の使用によって、特定値は別の態様を形成するものと理解される。各範囲の終点は、その他の終点との関係で、またその他の終点とは独立して、顕著であるとさらに理解される。またここで開示されるいくつかの値があり、各値はまたここで、特定値それ自体に加えて「およそ」の値として開示されるものと理解される。例えば値「10」が開示される場合、「約10」もまた開示される。また必要に応じて当業者によって理解されるように、ある値が開示される場合、その値「以下」、「その値以上」、そして値間の可能な範囲もまた開示されるものと理解される。例えば値「10」が開示される場合、「10以下」ならびに「10以上」もまた開示される。また明細書全体を通じてデータがいくつかの異なる様式で提供され、これらのデータは、終点および出発点、およびデータ点の任意の組み合わせの範囲に相当するものと理解される。例えば特定データ点「10」および特定データ点「15」が開示される場合、10および15を超え、以上、未満、以下、および等しいことが開示されるものと見なされ、10〜15の間も同様であると理解される。2つの特定単位間の各単位もまた、開示されるものと理解される。例えば10および15が開示される場合、11、12、13、および14もまた開示される。
【0017】
明細書および末尾の特許請求の範囲における組成物中の特定構成要素の重量部に関する言及は、重量部で表される組成物中の構成要素とあらゆるその他の構成要素との重量関係を示す。したがって2重量部の構成要素Xおよび5重量部の構成要素Yを含有する化合物中で、XおよびYは2:5の重量比で存在し、追加的構成要素が化合物に含有されるかどうかにかかわらず、このような比率で存在する。
【0018】
構成要素の重量%(wt.%)は、特に断りのない限り、その中に構成要素が含まれる製剤または組成物の総重量を基準にする。
【0019】
「対象」とは、ここでの用法では個体を意味する。一態様では対象は霊長類などの哺乳類であり、別の態様では対象はヒトである。「対象」という用語はまた、飼いならされた動物(例えばネコ、イヌなど)、家畜(例えば畜牛、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギなど)、および実験動物(例えばマウス、ウサギ、ラット、モルモット、ミバエなど)も含む。
【0020】
ここで「動物副産物」に関する言及は、1つ以上の動物身体部位(例えば骨、皮、組織、肉、軟骨、角、蹄など)に由来し、それから単離され、またはそれから精製される化合物および材料を含むことが意図される。それはまた、1つ以上の動物副産物を加工して調製される組成物を含むことも意図する(例えば誘導体化、官能性付与、または別の方法で化学的にまたは物理的に変性された動物副産物)。しかしここでの用法では、「動物副産物」は、生きている動物から採取される乳、または動物乳に由来するかまたはそれから単離される化合物を含むことは意図しない。さらに「動物副産物」は、卵、または卵に由来するかまたはそれから単離される組成物を含むことは意図しない。「動物副産物」という用語はまた、合成材料、または植物、細菌、真菌、または藻類原料に由来するまたはそれから単離される材料を含むことも意図しない。
【0021】
「菜食」という用語は、一般に肉および/または動物副産物を欠いた食餌を指す。様々なタイプの菜食があることが認識される。例えば厳格菜食(vegan)または完全菜食(total vegetarian)は、植物からの食物(例えば果実、野菜、豆類、穀物、種子、およびナッツ)のみを含む。乳菜食は、植物からの食物と、乳、チーズ、およびその他の乳製品を含む。卵乳菜食(または乳卵菜食)は、植物からの食物、乳、チーズ、およびその他の乳製品、および卵を含む。半菜食は赤肉を除外するが、植物からの食物、乳、チーズ、およびその他の乳製品、および卵に加えて鶏肉および魚を含む(USDA Dietary Guidelines for Americans,2005)。特に断りのない限り、「菜食」という一般用語は、ここでの用法では上述の各特定タイプの「菜食」を含む。また「特定菜食に適する」という語句は、特定のシェル材料またはそれから調製されたマイクロカプセルが、特定の菜食について許容可能であることを意味する。例えば卵から得られる材料は、卵乳菜食に適する(そして半菜食にも適するが、乳菜食または厳格菜食には適さない)。別の例としては、乳に由来する材料は乳菜食に適する(そして卵乳菜食および半菜食にも適するが、厳格菜食には適さない)。さらに別の例として、動物副産物、乳、または卵に由来しない材料は厳格菜食に適し、ついでに言えば乳菜食、卵乳菜食、および半菜食にも適する。さらに別の例では、例えば魚に由来する材料は、半菜食に適する(が、乳菜食、卵乳菜食、または厳格菜食には適さない)。
【0022】
ここで開示される材料、化合物、組成物、物品、および方法の特定の態様について詳細に述べ、その例は添付の実施例において例示される。
【0023】
材料と組成物
ここで開示されるのは、開示される方法および組成物の生成物のために使用でき、それと併せて使用でき、その調製で使用でき、またはそれ自体である、材料、化合物、組成物、および構成要素である。これらおよびその他の材料がここで開示され、これらの材料の組み合わせ、サブセット、相互作用、グループなどが開示される場合、これらの化合物の様々な各個体および集合的組み合わせおよび置換群への特定の言及は明示的に開示されないかもしれないが、それぞれがここで具体的に考察され既述されるものと理解される。例えば化合物が開示され、化合物のいくつかの構成要素または残基に加えることができるいくつかの変性が考察される場合、特に断りのない限り、可能であるそれぞれのおよび全ての組み合わせおよび置換群が具体的に考察される。したがって構成要素クラスA、B、およびC、ならびに構成要素クラスD、E、およびFが開示されて、組み合わせ組成物A−Dの例が開示される場合、それぞれが個々に列挙されなくとも、それぞれが個々に集合的に考察される。したがって本例では、組み合わせA−E、A−F、B−D、B−E、B−F、C−D、C−E、およびC−Fのそれぞれが具体的に考察され、A、B、およびC;D、E、およびFの開示、および組み合わせA−Dの例から開示されていると見なされるべきである。同様に、これらのあらゆるサブセットまたは組み合わせもまた、具体的に考察され開示される。したがって例えば下位集団A−E、B−F、およびC−Eは具体的に考察され、A、B、およびC、D、E、およびFの開示、および組み合わせ例A−Dから開示されていると見なされるべきである。この概念は、開示される組成物を作製して使用する方法のステップをはじめとするが、これに限定されるものではない本開示の全態様に適用される。したがって実施できる多様な追加的ステップがある場合、これらの各追加的ステップは開示される方法のあらゆる特定の態様または態様の組み合わせと共に実施でき、このような各組み合わせは具体的に考察されるものと理解され、開示されていると見なされるべきである。
【0024】
マイクロカプセル
特定例において、一次マイクロカプセルと装填物との凝集を含んでなるマイクロカプセルが開示され、個々の各一次マイクロカプセルは一次シェルを有し、装填物は一次シェルによってカプセル化され、凝集は外側シェルによってカプセル化され、一次シェルおよび外側シェルは動物副産物でない。これらのマイクロカプセルはここで「マルチコアマイクロカプセル」と称される。コアを含んでなる「単一コア」マイクロカプセルもまた開示され、コアは装填物を含んでなり、一次シェルはコアを取り囲み、外側シェルは一次シェルを取り囲み、一次シェルおよび外側シェルは動物副産物でない。特に断りのない限り、「マイクロカプセル」という用語はここで、マルチコア、単一コア、またはマルチコアおよび単一コアマイクロカプセルの混合物を指すのに使用される。これらのマイクロカプセル(およびここで開示されるその他のもの)においては、一次および外側シェルはここで定義されるように非動物副産物を含んでなる。なおもさらに、装填物とポリマー構成要素を含んでなるマイクロカプセルが開示され、装填物はポリマー構成要素で取り囲まれ、装填物は長鎖多価不飽和脂肪酸を含んでなり、ポリマー構成要素は動物副産物でない。
【0025】
またここで、一次マイクロカプセルと装填物との凝集を含んでなるマイクロカプセルも開示され、個々の各一次マイクロカプセルは一次シェルを有し、装填物は一次シェルによってカプセル化され、凝集は外側シェルによってカプセル化され、一次シェルおよび外側シェルは、次の1つ以上に適する。厳格菜食(例えばシェルは動物副産物、乳、または卵から得られない)、乳菜食(例えばシェルは動物副産物または卵から得られないが乳から得ることができる)、または卵乳菜食(例えばシェルは動物副産物から得られないが乳または卵から得てもよい)。その他の実施例では、一次および外側シェルは半菜食に適する(例えばシェルは魚から得られる)。
【0026】
さらにここで、2つの逆に帯電したタンパク質からできたシェルを含んでなるマイクロカプセルが開示される。すなわち開示されるマイクロカプセル中で、シェル材料は2つ以上の逆に帯電したポリマーから形成される複合コアセルベートであることができる。特定例においては、逆に帯電したポリマーはどちらもタンパク質である。例えばここで、シェル材料(一次および/または外側シェル)が、ポリアニオンポリマー様ガムアラビアゴムではなく、正に帯電したタンパク質(乳清、エンドウマメ、またはダイズタンパク質単離物または濃縮物など)と、負に帯電したタンパク質(カゼイネートなど)とから形成される複合コアセルベートであるマイクロカプセルが開示される。
【0027】
「残基」という用語は、ここでの用法では、部分が実際に特定化学種から得られたかどうかにかかわらず、特定の反応スキーム中の特定化学種の最終生成物である部分、またはその後の製剤または化学製品を指す。例えば「アミノ酸残基」は、アミノ酸が特定の反応に関与した際に生じる部分を指す(例えば残基は、トランスグルタミナーゼが触媒する別のアミノ酸と架橋反応されたアミノ酸生成物であることができる)。この場合、アミノ酸残基はアミノ酸に「由来する」。この部分は特定アミノ酸以外の化学種との反応によって、例えばアミノ酸を含有するタンパク質またはペプチドなどとの反応によって、得ることができると理解される。この概念は、タンパク質、キトサンと乳糖とスクロースなどの糖類、およびワックスなどのここで開示されるその他の化学種に当てはまる。したがってこのような化学種が特定の反応または処理される場合(例えば酸/塩基反応、その他の化学種との架橋反応、および官能基変換)、それらはここで対応する化学種の残基と称される。
【0028】
1つ以上の追加的シェル層をマイクロカプセルの外側シェル上に配置できることもまた考察される。参照によってその全体を援用する、国際公開第2004/041251 A1号パンフレットで述べられている技術を使用して、追加的シェル層をマイクロカプセルに追加できる。しかし追加的シェル材料は動物副産物でないものと理解される。
【0029】
シェル材料
いくつかの異なるポリマーを使用して、開示される単一コアおよびマルチコアマイクロカプセルのシェル層を製造できる。例えば開示されるマイクロカプセルの一次シェルおよび/または外側シェル材料は、タンパク質、ポリリン酸塩、多糖類、またはそれらの混合物を含んでなることができ、それは動物副産物でない。開示されるマイクロカプセルは、2つの逆に帯電したポリマーのコアセルベートであるシェルを含有できる。例えばカチオン性であるかまたはpH調節によってカチオン性にできるポリマーを、アニオン性であるかまたはpH調節によってアニオン性にできるポリマーと組み合わせて、コアセルベートシェルを形成できる。特定例では、カチオン性ポリマーおよびアニオン性ポリマーはどちらもタンパク質である。
【0030】
ここで定義される動物副産物でない特に適切なシェル材料は、乳清タンパク質である。乳清タンパク質は、典型的に単離物と濃縮物との2つの主要形態で提供される。特に断りのない限り乳清タンパク質単離物および乳清タンパク質濃縮物という用語は、「乳清タンパク質」という用語の意味に含まれる。乳清タンパク質濃縮物は、脂肪、乳糖、炭水化物、および生理活性化合物を含有する。乳清タンパク質単離物は処理されて脂肪、乳糖、および炭水化物が除去されているが、通常、生理活性化合物がより少ない。一般的に言えば、乳清タンパク質単離物(WPI)は、典型的に牛乳から製造されるチーズの副産物である乳清から単離された、球形タンパク質の集合である。この意味では、乳清タンパク質(単離物および濃縮物)は乳菜食、卵乳菜食、および半菜食に適する。WPIは、天然形態でpHに関係なく可溶性である、β−ラクトグロブリン(約65%)、α−ラクトグロブリン(約25%)、および血清アルブミン(約8%)の混合物である。WPIは、重量基準でほぼ90%タンパク質であることができる。WPIはまた、痕跡量の免疫グロブリンIgG、IgAおよびIgM、グリコマクロペプチド、ラクトフェリン、ラクトペルオキシダーゼ、および/またはリゾチームを含むことができる。WPIは、Nealanders International Inc.(Rocky River,OH)からのNZMP ALACEN895TMなどの商業的供給元から得ることができる。
【0031】
ここで定義される動物副産物でない別の適切なシェル材料は、ダイズタンパク質濃縮物および単離物をはじめとするダイズタンパク質である。ダイズタンパク質単離物(SPI)は、高度に精製または純化された形態のダイズタンパク質であり、最小タンパク質含量は乾燥ベースで約90%である。これは非タンパク質構成要素、脂肪、および炭水化物のほとんどが除去された脱脂ダイズ粉から作られる。生育のための必須アミノ酸を全て含有する完全な野菜であることから、これは典型的に健康食品として使用される。またそれは肉または乳などの動物起源タンパク質と比較して、非常に低い脂肪含量も有する。SPIは、ADM Protein Specialties Division(Decatur,IL)からのPRO FAM781TMなどの商業的供給元から得ることができる。ダイズタンパク質(単離物および濃縮物)は、厳格菜食、乳菜食、卵乳菜食、および半菜食に適することができる。
【0032】
ここで定義される動物副産物でないさらに別の適切なシェル材料は、エンドウマメタンパク質濃縮物および単離物をはじめとするエンドウマメタンパク質である。エンドウマメタンパク質は、多様な種類のエンドウ豆から得ることができる。エンドウマメタンパク質単離物および濃縮物は、Roquette America,Inc.,(Keokuk,IA)およびKirkman(Lake Oswego,OR)などの商業的供給元から得ることができる。エンドウマメタンパク質は、厳格菜食、乳菜食、卵乳菜食、および半菜食に適することができる。
【0033】
カゼインは、動物副産物でない適切なシェル材料のさらなる例である。カゼインは、牛乳中の総タンパク量の約80%を占め、一方乳清タンパク質は残りのおよそ20%を占める。カゼインは、pH約4.6の酸またはレンネット酵素のどちらかによる沈殿、および沈殿物の引き続く乾燥によって生成される。カゼインは典型的に熱凝固せず、変性せず、比較的疎水性である。カゼイネートは、アルカリ性物質との反応によって生成する可溶化形態のカゼインである。一般的なカゼイネートとしては、カゼイン酸ナトリウム、カゼイン酸カルシウム、カリウムカゼイネート、およびアンモニウムカゼイネートが挙げられる。「カゼイネート」はここで一般に、これらおよびその他のカゼイネートを指すために使用される。カゼイン酸ナトリウムは高度に可溶性であり、コーヒーホワイトナー、カテージチーズ、クリームリキュール、ヨーグルト、プロセスチーズ、およびいくつかの肉製品中で乳化剤として使用される。カゼインおよびカゼイネートは市販され、乳菜食、卵乳菜食、および半菜食に適する。
【0034】
ここで定義される動物副産物でない適切なシェル材料である卵白タンパク質は、アルブミンとも称され、水溶性で、アルコールまたはエーテル不溶性であり、気泡およびゲル化のための食品系中で使用される。卵白タンパク質の水溶液を約75℃に加熱すると、それは凝固する。卵白タンパク質は、卵乳菜食および半菜食に適することができる。
【0035】
穀物プロラミンタンパク質は、ここで定義される動物副産物でないシェル材料のさらに別の例である。穀物プロラミンタンパク質は、水および無水アルコール不溶性であり、両者の混合物に可溶性である。トウモロコシに見られるゼインは、最も良く理解された植物タンパク質の1つである。これは透明、無臭、無味、硬質、水不溶性で食用であり、キャンディ、ナッツ、フルーツ、ピル、およびその他のカプセル化食品および薬物のコーティングとして使用され、「製菓用グレーズ」または「植物タンパク質」と標識され、非常に良好な水バリアであり、特に高湿高温条件下で貯蔵寿命の延長を提供する。穀物プロラミンタンパク質は、厳格菜食、乳菜食、卵乳菜食、および半菜食に適することができる。
【0036】
ここで定義される動物副産物でないさらに別の適切なシェル材料は、寒天である。寒天はガラクトースのサブユニットで構成されるポリマーである。これは藻類細胞壁の構成要素である。これはゼラチンの菜食代替え品であり、ゼラチンよりもより堅固でより強力でさえある。寒天は32〜40℃前後でゲル化して、約85℃まで固まったままである。その主要な用途は微生物学的研究のための培地であるが、別の用途は緩下剤である。寒天はポリアニオンとして、複合コアセルベートでうまく機能する。寒天は、TIC Gums(Belcamp,MD)からのAGAR RS−100TMなどの商業的供給元から得ることができる。寒天は、厳格菜食、乳菜食、卵乳菜食、および半菜食に適することができる。
【0037】
ジェランガムは、ここで定義される動物副産物でない別の適切なシェル材料であり、ここで開示される組成物および方法において使用できる。ジェランガムは菜食ゼラチン代替え品であり、細菌スフィンゴモナス・エロディア(Sphingomonas elodea)によって生成される水溶性多糖類である。これは主に寒天の代案として、微生物学的培養中でゲル化剤として使用される。ジェランガムはより良い視覚的透明度と強度を有し、約120℃の温度に耐えることができ、したがって噴霧乾燥工程中に安全であることから、特定用途では、それは寒天よりも望ましいことがある。また正確なテクスチャと品質は存在する二価のカチオン濃度に左右されるが、等しいゲル強度に達するために、寒天のおよそ半量のジェランガムのみが必要である。食品添加剤としてはジェランガムは、増粘剤、乳化剤、および安定剤として使用される。ジェランガムは、C.P.Kelco(San Diego,CA)からのKELCOGEL FTMなどの商業的供給元から得ることができる。ジェランガムは、厳格菜食、乳菜食、卵乳菜食、および半菜食に適することができる。
【0038】
アラビアゴムは、ここで定義される動物副産物でないさらに別の適切なシェル材料であり、ここで開示される組成物および方法において使用できる。アラビアゴムは、アカシア木の2種のサハラ以南種、アカシア・セネガル(Acacia senegal)およびアカシア・セイアル(Acacia seyal)から採取される物質である。これは主に食品工業で安定剤として使用されるが、過去にはインクの粘度調節をはじめとするより多様な用途があった。そのE番号はE−414である。アラビアゴムは糖類および糖タンパク質の複合混合物であり、食用である。それは清涼飲料シロップ、ガムドロップなどの「硬質」グミ、マシュマロ、および最も顕著にはチューインガムの成分である。画家にとっては、それは水彩絵の具中で使用される伝統的バインダーであり、写真術においてゴム印画のために使用された。医薬品および化粧品もまたアラビアゴムを使用する。アラビアゴムは、TIC gums(Belcamp,MD)などの商業的供給元から得ることができる。
【0039】
キサンタンガムは、ここで定義される動物副産物でないさらに別の適切なシェル材料である。キサンタンガムは、食品添加剤としての天然ガム多糖類であり、レオロジー調節剤である。それはキサントモナス・カンペストリス(Xanthomonas campestris)によるグルコースまたはスクロースの発酵を伴う、生物工学的過程によって生成される。キサンタンガムの特性の一つは、非常に少量(例えば1%程度)のガムを添加することで、粘度に大きな増大を生じるその能力である。ほとんどの食物において、これは0.5%でまたは0.05%程度の低い濃度で使用される。剪断速度が高くなるとキサンタンガム溶液の粘度は低下する。その他のガムと同様、これは広範な温度およびpH下で非常に安定している。キサンタンガムは市販される。キサンタンガムは、厳格菜食、乳菜食、卵乳菜食、および半菜食に適することができる。
【0040】
ペクチンは、ここで定義される動物副産物でないさらに別の適切なシェル材料である。ペクチンは、果物および野菜に見られる酸性構造多糖類の集団であり、主にかんきつ果皮廃棄物およびリンゴ絞りかすから調製される。ペクチンは豊富で比較的安価であることから、シェル材料として使用されているポリリン酸塩の代替物質として使用できる。アミド化ペクチンはまた、ゼラチンで使用されるのと類似した機序で架橋できるアミン部分もその構造に有するので、適切なゼラチン代替物質または補助剤である。これにより、新技術を開発しまたは現行技術を修正するのに比べて、より迅速な開発サイクルが可能になる。低メトキシル−ペクチンもまた、適切なシェル材料である。ペクチンおよび低メトキシルペクチンは、厳格菜食、乳菜食、卵乳菜食、および半菜食に適することができる。
【0041】
適切なシェル材料のさらなる例としては、ポリリン酸塩、アルギン酸塩、キトサン、カラゲナン、デンプン、加工デンプン、オリゴフルクタン、コンニャク、α−ラクトアルブミン、β−ラクトグロブリン、オボアルブミン、ポリソルビタン、マルトデキストリン(DE18、DE21、DE40など)、シクロデキストリン(α−、β−およびγ−シクロデキストリン)、セルロース、セルロースエーテル、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、乳タンパク質、カノーラタンパク質、アルブミン、キチン、ポリラクチド、ポリ−ラクチド−コ−グリコリド、誘導体化キチン、ポリ−リジン、ディリュータンガム(dilutan gum)、ローカストビーンガム、ウェランガム、およびキサンタンガム、それらの組み合わせおよび混合物が挙げられるが、これに限定されるものではない。これらのポリマーの誘導体も同様に使用できることもまた考察される。
【0042】
シェル材料は、異なるタイプのポリマー構成要素の混合物からできた二成分系であることができ、組成物が系に添加されて不透過性が改善されている。その他の例では、シェル材料は2つ以上のポリマー構成要素(例えば乳清またはダイズタンパク質単離物および寒天)の間の複合コアセルベートであることができる。構成要素Aは乳清またはダイズタンパク質単離物であることができるが、シェル材料について上述したようなその他のポリマーもまた構成要素Aとして考察される。構成要素Bは、寒天、ジェランガム、ペクチン、低メトキシルペクチン、アラビアゴム、アルギン酸塩、キトサン、カラゲナン、カルボキシメチル−セルロースまたはその混合物であることができる。この場合もまた、シェル材料について上で開示されるようなその他のポリマーも構成要素Bとして考察される。使用される構成要素A:構成要素Bのモル比は構成要素のタイプに左右されるが、典型的に約1:5〜約15:1である。例えば乳清またはダイズタンパク質単離物および寒天がそれぞれ構成要素AおよびBとして使用される場合、構成要素A:構成要素Bのモル比は約8:1〜約12:1であることができ、乳清またはダイズタンパク質単離物およびジェランガムがそれぞれ構成要素AおよびBとして使用される場合、構成要素A:構成要素Bのモル比は約2:1〜約1:2であることができ、乳清またはダイズタンパク質単離物および低メトキシルペクチンがそれぞれ構成要素AおよびBとして使用される場合、構成要素A:構成要素Bのモル比は約3:1〜約5:1であることができる。開示されたマイクロカプセルの多くでは、一次シェルおよび/または外側シェルは複合コアセルベートを含んでなることができる。例えば一次シェルおよび/または外側シェルは、乳清、エンドウマメ、またはダイズタンパク質単離物および寒天および/またはジェランガムの複合コアセルベートを含んでなることができる。その他の例では、一次および/または外側シェルは、乳清、エンドウマメ、またはダイズタンパク質単離物およびカゼイネート(例えばナトリウム、カルシウム、カリウム、またはアンモニウムカゼイネート)の複合コアセルベートを含んでなることができる。
【0043】
特定例では、WPI、PPI、またはSPIおよび寒天を使用して一次マイクロカプセルを調製し、ジェランガムを一次マイクロカプセル表面に付着させて外側シェルを形成することは、いかなるトランスグルタミナーゼ架橋も必要とせず、安定した非ゼラチンまたは菜食マイクロカプセルをもたらす。同様に、WPI、PPI、またはSPIおよびアラビアゴムまたはカゼイネートの使用は、誘導期の長いコンパクトなマイクロカプセルをもたらすことができる。さらにトランスグルタミナーゼは高価であり、長い製造時間を要するため、このようなシェル材料の使用はコストを顕著に低下できる。
【0044】
開示されるマイクロカプセルでは、外側シェルは約1μm〜約2,000μm、約20μm〜約1,000μm、または約30μm〜約80μmの平均直径を有することができる。さらなる例では、外側シェルの平均直径は、約1、10、20、30、40、50、60、70、80、90、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、または2000μmであることができ、述べられた値のいずれでも適宜、上端または下端点を形成できる。
【0045】
開示されるマイクロカプセルの一次シェルは、約40nm〜約10μmまたは約0.1μm〜約5μmの平均直径を有することができる。さらなる例では、一次シェルの平均直径は、約40nm、50nm、60nm、70nm、80nm、90nm、100nm、200nm、300nm、400nm、500nm、600nm、700nm、800nm、900nm、1000nm、2μm、3μm、4μm、5μm、6μm、7μm、8μm、9μm、10μmであることができ、述べられた値のいずれでも適宜、上端または下端点を形成できる。粒度は、例えばCoulterTM Ls230 Particle Size Analyzer,Miami,Florida,USAなどの当該技術分野で知られているあらゆる典型的な機器を使用して測定できる。
【0046】
装填物
開示されるマイクロカプセルにおいて、装填物はマイクロカプセル化が所望されるあらゆる物質であることができる(例えば対象に送達することが所望される物質)。多くの例で、適切な装填物は水性混合物に完全に可溶性でない。装填物は、固体、疎水性液体、または固体と疎水性液体の混合物であることができる。ここでの例の多くで、装填物は長鎖多価不飽和脂肪酸を含んでなることができ、その具体例を下に挙げる。さらに装填物は、生物学的活性物質、栄養補給剤などの栄養素、矯味剤、ω3脂肪酸のような多価不飽和脂肪酸、ビタミン、ミネラル、炭水化物、ステロイド、微量元素、および/またはタンパク質など、およびそれらの混合物および組み合わせを含んでなることができる。その他の例では、装填物は、微生物油、藻類油(例えばクリプテコジニウム・コーニイ(Crypthecodinium cohnii)などの渦鞭毛藻類からの油)、真菌油(例えばスラウストキトリウム(Thraustochytrium)、シゾキトリウム(Schizochytrium)からの油、またはその混合物)、および/または植物油(例えば亜麻、野菜)、それらの混合物および組み合わせを含んでなることができる。その他の例では、装填物は医薬組成物(例えば薬物および/または酵素)または香料であることができる。装填物はまた、グリース、油またはその混合物などの疎水性液体であることができる。典型的な油は、魚油、植物油(例えばカノーラ、オリブ、コーン、ナタネ)、鉱物油、それらの誘導体そのまたは混合物であることができる。装填物は、脂肪酸、トリグリセリド、またはその混合物などの精製されたまたは部分的に精製された油性物質を含んでなることができる。
【0047】
なおもその他の例では、適切な装填物は、天然および精製および濃縮魚油などの海産油を含んでなることができる。適切な魚油の例としては、大西洋魚油、太平洋魚油、地中海魚油、軽質圧搾魚油、アルカリ処理魚油、加熱処理魚油、軽質および重質褐色魚油、カツオ油、マイワシ油、マグロ油、スズキ油、オヒョウ油、フウライカジキ油、カマス油、タラ油、メンハーデン油、イワシ油、カタクチイワシ油、カラフトシシャモ油、大西洋タラ油、大西洋ニシン油、大西洋サバ油、大西洋メンハーデン油、サケ類油、およびサメ油、それらの混合物および組み合わせが挙げられるが、これに限定されるものではない。非アルカリ処理魚油もまた、適切な装填物である。ここでの使用に適したその他の海産油としては、イカ油、コウイカ油、タコ油、オキアミ油、アザラシ油、クジラ油など、それらの混合物および組み合わせが挙げられるが、これに限定されるものではない。あらゆる海産油および海産油の組み合わせが、開示される送達装置および開示される食品および方法において使用できる。
【0048】
ここで開示される微生物、藻類、真菌、植物、および海産油の多くは、ω3脂肪酸を含有する。したがって、ここで開示される特定の送達装置は、ω3脂肪酸、ω3脂肪酸のアルキルエステル、ω3脂肪酸のトリグリセリドエステル、ω3脂肪酸の植物ステロールエステル、および/またはそれらの混合物および組み合わせを含んでなる装填物を含有できる。ω3脂肪酸は、その末端にCH−CH−CH=CH−を含有する不飽和脂肪酸である。一般に、ω3脂肪酸は次の式、
【化1】


(式中、
ここでRは少なくとも1つの二重結合を含んでなるC〜C40アルキルまたはアルケニル基であり、RはHまたはアルキル基である)を有する。「アルカン」または「アルキル」という用語は、ここでの用法では飽和炭化水素基である(例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、s−ペンチル、ネオフェニル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、エイコシル、テトラコシルなど)。「アルケン」または「アルケニル」という用語は、ここでの用法では、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含有する炭化水素基である。(AB)C=C(CD)などの非対称性構造は、EおよびZ異性体(cisおよびtrans)の双方を含むことが意図される。さらなる例では、Rは、C〜C38、C〜C36、C〜C34、C10〜C32、C12〜C30、C14〜C28、C16〜C26、またはC18〜C24アルケニル基であることができる。さらに別の例では、Rのアルケニル基は、2〜6、3〜6、4〜6、または5〜6の二重結合を有することができる。なおもさらに、Rのアルケニル基は、1、2、3、4、5、または6個の二重結合を有することができ、述べられた値のいずれでも必要に応じて上端または下端点を形成できる。
【0049】
開示される送達装置で使用できる適切な装填物であるω3脂肪酸の具体例としては、α−リノレン酸(18:3ω3)、オクタデカテトラエン酸(18:4ω3)、エイコサペンタエン酸(20:5ω3)(EPA)、エイコサテトラエン酸(20:4ω3)、ヘンイコサペンタエン酸(21:5ω3)、ドコサヘキサエン酸(22:6ω3)(DHA)、ドコサペンタエン酸(22:5ω3)(DPA)、それらの誘導体および混合物が挙げられるが、これに限定されるものではない。多くのタイプの脂肪酸誘導体が当業者によく知られている。適切な誘導体の例は、植物ステロールエステル、フラノイドエステル、分枝または非分岐C〜C30アルキルエステル、分枝または非分岐C〜C30アルケニルエステルまたは分枝または非分岐C〜C30シクロアルキルエステル、特に植物ステロールエステルおよびC〜Cアルキルエステルなどのエステルである。さらなる例では装填物は、ドコサヘキサエン酸および/またはエイコサペンタエン酸の植物ステロールエステル、ドコサヘキサエン酸および/またはエイコサペンタエン酸のC〜Cアルキルエステル、ドコサヘキサエン酸および/またはエイコサペンタエン酸のトリグリセリドエステル、および/またはその混合物であることができる。
【0050】
開示される送達装置中に存在できる適切な装填物のその他の例は、少なくとも4、少なくとも6、少なくとも8、少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、または少なくとも20個の炭素原子を含んでなる。いくつかのその他の例では、装填物は、約8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、または45個の炭素原子を含有でき、述べられた値のいずれでも必要に応じて上端または下端点を形成できる。なおもその他の例では装填物は、一連の炭素原子を有する脂肪酸混合物(その誘導体を含む)を含んでなることができる。例えば装填物は、約8〜約40、約10〜約38、約12〜約36、約14〜約34、約16〜約32、約18〜約30、または約20〜約28個の炭素原子を含んでなることができる。
【0051】
装填物のいくつかのさらなる例は、少なくとも1つの不飽和結合(すなわち炭素−炭素二重または三重結合)を含有するものである。例えば装填物は、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、または少なくとも8個の炭素−炭素二重結合、三重結合、またはその任意の組み合わせを含有できる。別の例では、装填物は1、2、3、4、5、6、7、または8個の不飽和結合を含んでなることができ、述べられた値のいずれでも必要に応じて上端または下端点を形成できる。
【0052】
不飽和脂肪酸である装填物のいくつかの具体例を下の表に示す。これらの脂肪酸の誘導体もまた適切であり、したがってここで考察される。
【0053】
【表1】

【0054】
メチレン中断不飽和結合の少なくとも1つのペアを含有する不飽和脂肪酸もまた、適切な装填物である。「メチレン中断不飽和結合」とは、1つの炭素−炭素結合または三重結合が、少なくとも1つのメチレン基(すなわちCH)によって、別の炭素−炭素結合または三重結合から隔てられることを意味する。このような装填物の具体例としては、9、12、15−16:3に由来するn−1ファミリーと、9、12、15−17:3、15:3、17:3、17:4、20:4に由来するn−2ファミリーと、9、12、15−18:3、15:2、15:3、15:4、16:3、16:4、18:3(α−リノレン酸)、18:4、18:5、20:2、20:3、20:4;、20:5(EPA)、21:5、22:3、22:5(DPA)、22:6(DHA)、24:3、24:4、24:5、24:6、26:5、26:6、28:7、30:5に由来するn−3ファミリーと、9,12−16:2、16:2、16:3、18:2、18:3に由来するn−4ファミリーと、9、12−17:2、15:2、17:2、17:3,19:2、19:4、20:3、20:4、21:4、21:5に由来するn−5ファミリーと、9、12−18:2、15:2,16:2,18:2(リノール酸)、18:3(γ−リノレン酸)、20:2、20:3、20:4(アラキドン酸)、22:2、22:3、22:4(アドレン酸)、22:5、24:2、24:4、25:2、26:2、30:4に由来するn−6ファミリーと、9−16:1、15:2、16:2、17:2、18:2、19:2に由来するn−7ファミリーと、9−17:1、15:2、16:2、17:2、18:2、19:2に由来するn−8ファミリーと、9−18:1、17:2、18:2、20:2、20:3、22:3、22:4に由来するn−9ファミリーと、n−11ファミリー19:2、およびn−12ファミリー20:2が挙げられるが、これに限定されるものではない。特定の一具体例では、装填物はアラキドン酸を含んでなることができる。
【0055】
上の段落で(そして全体を通じて)、化合物は最初に「n−xファミリー」を参照して同定され、xは第1の二重結合が始まる脂肪酸の位置である。番号付けスキームは脂肪酸末端に始まり、例えば末端CH基は1位と指定される。この意味では、n−3ファミリーは上述のω3脂肪酸である。次に番号は脂肪酸中の炭素原子総数を同定する。コロンの後の第3の数は、脂肪酸中の二重結合総数を指定する。したがって例えばn−1ファミリー16:3は、それぞれがメチレンによって隔てられる3個の二重結合がある炭素長16個の脂肪酸を指し、最初の二重結合は第1位、すなわち脂肪酸末端に始まる。別の例では、n−6ファミリー18:3は、6位、すなわち脂肪酸末端から6番目の炭素に始まる3個のメチレン分離二重結合がある炭素長18個の脂肪酸を指す。
【0056】
メチレン中断不飽和結合の少なくとも1つのペアを含有する装填物のさらなる例を表2に示す。
【0057】
【表2】

【0058】
共役不飽和結合を含有する適切な装填物の具体例としては、表3のものが挙げられるが、これに限定されるものではない。「共役不飽和結合」とは、炭素−炭素二重および/または三重結合の少なくとも1つのペアが、間のメチレン(CH)基なしに共に結合する(例えば−CH=CH−CH=CH−)ことを意味する。
【0059】
【表3】

【0060】
上の適切な装填物の例で、開示される装填物の誘導体もまた使用できる。「誘導体」とは、脂肪酸のエステル(例えばメチルおよびエチルエステル)、脂肪酸の塩(例えばナトリウムおよびカリウム塩)、およびトリグリセリド、ジグリセリド、およびモノグリセリド、ステロールエステル、抗酸化剤油抱合体(例えばパルミチン酸アスコルビル)、およびフラノイド脂肪酸誘導体などの天然誘導体を意味する。
【0061】
ここで開示される装填物はまた、ここで開示されるような起源からの粗製油、半精製油(アルカリ精製油とも称される)、または精製油であることができる。なおもさらに、開示される組成物および方法は、再エステル化トリグリセリドを含んでなる油を使用できる。
【0062】
開示される装填物の1つ以上を使用できることが、ここで考察される。例えば開示される送達装置は、2つ以上の異なる装填物を含有できる。さらに装填物は、マイクロカプセルの約1重量%〜約50重量%の量で存在できる。具体例では装填物は、マイクロカプセルの約1重量%〜約40重量%、約1重量%〜約30重量%、約1重量%〜約20重量%、約1重量%〜約15重量%、または約1重量%〜約10重量%の量で存在できる。
【0063】
一例では、装填物は脂肪酸抱合体でない。脂肪酸抱合体は、金属(例えばクロム)または補助因子(CoQ10)などの別の化学部分に共役する(例えば結合する)脂肪酸である。別の例では、装填物は低界面張力(IT)(すなわち約15ダイン/cm未満の界面張力を有する)の油でない。その他の例では装填物は、このような脂肪酸抱合体または低IT油である。
【0064】
一例では装填物は、抗酸化剤であることができ、またはそれを含有できる。抗酸化剤の適切な例としては、フェノール化合物、植物抽出物、またはイオウ含有化合物が挙げられるが、これに限定されるものではない。ここで開示される特定例では、抗酸化剤はアスコルビン酸、または例えばアスコルビン酸ナトリウムなどのその塩であることができる。その他の例では、抗酸化剤はクエン酸またはその塩であることができる。なおもその他の例では抗酸化剤は、ビタミンE、CoQ10、ルテイン、ゼアキサンタン、カロテン(例えばβ−カロテン)トコフェロール、脂肪酸アスコルビルエステルなどのより極性の抗酸化剤の脂質可溶性誘導体(例えばパルミチン酸アスコルビル)、植物抽出物(例えばローズマリー、セージおよびオレガノ油)、藻類抽出物、および合成抗酸化剤(例えばBHT、TBHQ,エトキシキン、アルキル没食子酸、ヒドロキノン、トコトリエノール)、またはそれらの混合物であることができる。
【0065】
開示される装填物はまた、ビタミンその他の微量元素(例えば亜鉛)、ミネラルなどのその他の栄養素であることができ、またはそれを含有できる。さらに装填物は、保存料、抗菌剤、抗酸化剤、キレート剤、増粘剤、香味料、希釈剤、乳化剤、分散助剤、またはバインダー、そのあらゆる混合物などのその他の構成要素を含んでなることができる。
【0066】
さらに装填物は、低い界面張力を有することができる。例えば適切な装填物は、約20未満、約15未満、約11未満、約9未満、約7未満、または約5ダイン/cm未満の界面張力を有することができる。その他の例では、装填物は、約0.1〜約20、約1〜約15、約2〜約9、約3〜約9、約4〜約9、約5〜約9、または約2〜約7ダイン/cmの界面張力を有することができる。さらに別の例では、装填物は、約0.1、0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、10.0、10.5、11.0、11.5、12.0、12.5、13.0、13.5、14.0、14.5、15.0、15.5、16.0、16.5、17.0、17.5、18.0、18.5、19.0、19.5、または20.0の界面張力を有することができ、述べられた値のいずれでも適宜、上端または下端点を形成できる。特定例では、装填物は、界面張力約0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、または1.0ダイン/cmの藻類油であることができる。装填物はまた、界面張力約3.0、3.1、3.2、3.3、または3.4ダイン/cmの真菌油であることができる。
【0067】
装填物の界面張力は、当該技術分野で知られている方法によって判定できる。例えばFisher Surface Tensiomatによって、装填物から標準ゼラチン溶液への、または装填物から蒸留水への界面張力を判定できる。一般に、標準ゼラチン溶液または蒸留水をTensiomatのサンプル台にのせたサンプル容器に注ぐことができる。次に装填物をサンプル容器に添加できる。Tensiomatのリングが装填物に浸されるように、サンプルを上昇できる。界面張力は、使用される実験装置がどれかにもよるが、リングが装填物と標準ゼラチン溶液との境界面、または装填物と蒸留水との境界面を通過する際に、それにかかる下向きの力の測定である。
【0068】
装填物についてここで開示される界面張力測定は、3.3%(w/w)の240ブルームコーシャ魚ゼラチン(例えばLAPI,Tuscany,Italyからの)、0.5%(w/w)アスコルビン酸ナトリウム、および0.33%(w/w)ポリリン酸塩溶液を含有し、蒸留水に溶解された標準ゼラチン溶液(50℃)を使用して、このように判定される値を指す。
【0069】
さらに開示されるマイクロカプセル中の装填物の装填量は、マイクロカプセルの約20重量%〜約90重量%、約50重量%〜約70重量%、または約60重量%であることができる。その他の例では、開示されるマイクロカプセルは、マイクロカプセルの約20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、または90重量%を含有できる、述べられた値のいずれでも適宜、上端または下端点を形成できる。
【0070】
具体例
シェル材料のいずれかおよび装填物のいずれかを含有するマイクロカプセルの具体例をここで開示する。いくつかの具体例としては、シェル材料が、例えば乳清タンパク質単離物および寒天、ジェランガム、アラビアゴム、カゼイネート、および/または低メトキシルペクチンのコアセルベートなどの複合コアセルベートであるマイクロカプセルが挙げられるが、これに限定されるものではない。別の例ではマイクロカプセルは、ダイズタンパク質単離物および寒天、ジェランガム、アラビアゴム、カゼイネート、および/または低メトキシルペクチンの複合コアセルベートであるシェル材料を有することができる。さらに別の例ではマイクロカプセルは、エンドウマメタンパク質単離物および寒天、ジェランガム、アラビアゴム、カゼイネート、および/または低メトキシルペクチンの複合コアセルベートであるシェル材料を有することができる。使用できる装填物としては、多くの場合、海産油(例えば魚油および藻類油)が挙げられる。EPAおよびDHAなどのω3脂肪酸を含んでなる装填物もまた、望ましくあり得る。さらにモノ−、ジ−、およびトリグリセリド、アルキルエステル、ステロールエステル、抗酸化剤エステル(例えばアスコルビルおよびシトリルエステル)、およびフラノイドエステルなどのω3脂肪酸の誘導体もまた、適切な装填物であり得る。
【0071】
いくつかの特に適切なマイクロカプセルとしては、魚油を含有するマイクロカプセルが挙げられる。このような魚油の例としては、イワシ、カタクチイワシ、カツオ、および/またはマグロ油が挙げられるが、これに限定されるものではない。魚油はまた、ここで油中に見られるEPAおよびDHA、またはその誘導体の近似比によって参照される。例えば18:12油は、一般に約18:12の比率でEPAとDHA(または例えばそれらのトリグリセリドエステル)を含んでなる。同様に5:25油は、一般に約5:25の比率でEPAとDHAを含んでなる。このようなマイクロカプセルは、一般に安全と認められる(Generally Regarded as Safe;GRAS)、コーシャ、および/またはハラールであることができる。さらにこのようなマイクロカプセルは、ω3脂肪酸を含んでなる藻類油を含有できる。この場合、マイクロカプセルは、特定のシェル材料およびこのような材料を分類する特定の基準次第で、有機栽培、菜食、および/または厳格菜食と見なすことができる。またこのようなマイクロカプセルは、1グラムの粉末あたり少なくとも約130mgのDHAまたは少なくとも約150mgのEPAおよびDHAを有することができる。さらにアスコルビン酸、クエン酸、および/またはリン酸(またはその塩)などの抗酸化剤もこのようなマイクロカプセル中に存在できる。
【0072】
エマルジョン
ここではまた、第1のポリマー構成要素および装填物を含んでなるエマルジョンも開示され、装填物は長鎖多価不飽和脂肪酸を含んでなり、第1のポリマー構成要素は動物副産物でない。ここで開示される装填物のいずれでも使用できる。例えば装填物はω3脂肪酸を含んでなることができる。装填物は海産油を含んでなることができる。装填物は魚油を含んでなることができる。また装填物は、藻類油を含んでなることができる。
【0073】
開示されるエマルジョンに適切なポリマー構成要素は、動物副産物でないここで開示されるもののいずれかであることができる。これらの多くの例については、本明細書の別項で言及される。
【0074】
マイクロカプセル作製方法
例えばシェル材料のタイプ、電荷密度、濃度、様々なシェル材料の比率、シェル材料の分子量(Mw)および分布、システムのpHおよび温度、およびミクロン濃度などのいくつかの変動要素が、マイクロカプセルの調製工程全般に影響する。ここで開示される方法では、シェル材料として非動物副産物が使用される。多くの適切な非動物副産物がここで開示され、マイクロカプセルの調製に使用された場合、それらは動物由来シェル材料と異なって挙動することが多い。例えばほとんどの植物タンパク質は球形であり、分子量、構造、アミノ酸組成物、電荷密度などの観点から動物由来ゼラチンと異なる。ゼラチンは、ゼラチン溶液が冷却されると、水素結合安定化三重らせんの形成を通じて熱可逆的ゲルを形成できるタンパク質である。ダイズタンパク質のような植物タンパク質はゼラチンと比較して構造がより硬質で、より熱安定性であり、特に85℃を超える長時間の加熱の下で変性する。それらのアミノ酸組成物もまた異なる。例えば表4を参照されたい。
【0075】
【表4】

【0076】
したがってダイズタンパク質は、複合コアセルベーションを通じてマイクロカプセルを形成するために、ゼラチンとは異なるpH、温度、濃度、ポリ電解質比率、およびミクロン濃度を必要とする。またダイズタンパク質は、ゼラチンよりも多くのグルタメートおよびリジン残基を含有するので、それらはグルタミニル残基と第一級アミンの間のアシル転移反応を触媒するトランスグルタミナーゼによる架橋反応について、ゼラチンよりも潜在的により活性である。したがって植物タンパク質マイクロカプセルは、約80℃まで加熱することで熱架橋できる。同様の考察はまた、動物副産物でない、ここで開示される、乳清またはエンドウマメタンパク質、寒天、アルギン酸塩、ジェランガム、アラビアゴム、キサンタンガム、カゼイン、およびその他のシェル材料を使用した際にも当てはまる。
【0077】
植物タンパク質は、典型的に低温硬化ゲル化剤ではないので、ペクチン、寒天、ジェランガム、アラビアゴム、およびアルギン酸塩などの菜食ゼラチン代替え品をアニオン性多糖類として使用して、ダイズタンパク質との複合コアセルベーション通じて、菜食マイクロカプセルシェルを調製できる。カゼイネートまたはその他のアニオン性タンパク質もまた、アニオン性多糖類の代わりに使用できる。これらの菜食ゼラチン代替え品もまた、電荷密度、分子量および分子量分布の観点から、ゼラチンマイクロカプセルの調製に使用されるポリアニオンとは異なる。したがってそれらは、植物タンパク質との複合コアセルベーション中に、異なる濃度、ミクロン濃度、pH、および温度を必要とする。
【0078】
ここで開示される方法によって調製されたマイクロカプセルは、典型的に、食品、栄養補給剤、製剤ビヒクル、およびここで開示される方法に適した、装填量および構造的強度の組み合わせを有する。一例ではその全体を参照によって援用する、米国特許第6,974,592号明細書および米国特許第6,969,530号明細書、および米国特許公開第2005−0019416−A1号で開示される方法を使用してマイクロカプセルを調製できる。単一コアまたはマルチコアマイクロカプセルの外側シェル上に、1つ以上の追加的シェル層をのせられることもまた考察される。一例ではその全体を参照によって援用する国際広報第2004/041251A1号で述べられている技術を使用して、単一コアおよび複数コアマイクロカプセルに追加的シェル層を追加できる。
【0079】
一般に、適切なマイクロカプセルは、第1のポリマー構成要素、装填物、および第2のポリマー構成要素を含んでなり、第1および第2のポリマー構成要素が動物副産物を含まない、エマルジョンを提供するステップと、pH、温度、濃度、混合速度、またはその組み合わせを調節して、第1および第2のポリマー構成要素を含んでなり装填物を取り囲む一次シェル材料を含んでなる水性混合物を形成するステップと、一次シェル材料が凝集を形成するまで、一次シェル材料のゲル点を超える温度に水性混合物を冷却するステップと、水性混合物をさらに冷却して凝集周囲に外側シェルを形成するステップとを含んでなる方法によって調製できる。さらなる例では、凝集を第3のポリマー構成要素と接触させて、pH、温度、濃度、混合速度、またはその組み合わせを調節して凝集周囲に追加的外側シェルを形成できる。この方法は二段法であることができ、すなわち第1のポリマー構成要素および装填物を乳化でき、次に第2のポリマー構成要素を添加できる。代案としては、この方法は一段法であることができ、すなわち第1および第2のポリマー構成要素および装填物を共に乳化できる。
【0080】
これらの方法では、第1のポリマー構成要素、第2のポリマー構成要素、および第3のポリマー構成要素は、ここで述べられる一次および外側シェル材料のいずれかと同じであることができる。すなわち第1、第2、および第3のポリマー構成要素は、マイクロカプセルを調製するための開示される方法において、一次および/または外側シェル材料になることができる。さらにここで述べられる装填物のいずれも、マイクロカプセルを調製するためのこれらの方法で使用できる。
【0081】
開示される方法では、装填物、シェル材料の第1のポリマー構成要素、およびシェル材料の第2のポリマー構成要素の水性混合物が形成される。水性混合物は機械的混合物、懸濁液、またはエマルジョンであることができる。液体装填物が使用される場合、特に疎水性液体では、水性混合物は装填物とポリマー構成要素のエマルジョンであることができる。別の例では第1のポリマー構成要素は、任意に抗酸化剤などの加工助剤を添加した水溶液で提供される。次に装填物を例えばホモジナイザーを使用して、水性混合物中に分散できる。装填物が疎水性液体であればエマルジョンが形成し、その中では第1のポリマー構成要素の画分が装填物の個々の小滴の周囲に付着し始めて、一次シェルの形成が始まる。装填物が固体粒子であれば懸濁液が形成し、その中では第1のポリマー構成要素の画分が個々の粒子の周囲に付着し始めて、一次シェルの形成が始まる。この時点で、水性混合物に第2のポリマー構成要素の別の水溶液を添加できる(または代案としては、水性混合物を第2のポリマー構成要素の水溶液に添加できる)。
【0082】
ここで開示されるマイクロカプセルを調製する方法において、第1のポリマー構成要素と装填物のエマルジョンを提供することは、例えば均質化および高圧/高剪断ポンプなどの当該技術分野で知られている方法および機器によって達成できる。例えば乳化は、約1,000〜約15,000rpmで乳化させることで生じさせられる。乳化ステップは、混合物サンプルを取り出して、それを鏡検法、光散乱、濁度などの方法の下で分析することによりモニターできる。一般に、乳化は、約1,000、750、500、100、または10nm未満の平均小滴径が得られるまで実施できる。理論による拘束は望まないが、乳化速度を変動させることで、単一または複数コアマイクロカプセルを生成できると考えられる。例えばより低い乳化速度(例えば1,000〜2,000rpm)を使用すると、装填物の小滴は単一粒子を形成するのに十分大きくなり、それはカプセル封入に際して単一コアマイクロカプセルを生じる。反対に高い乳化速度(例えば5,000〜15,000rpm)を使用すると、得られる装填物小滴は通常小型(例えば1〜10μm)である。これらの微小な小滴は、より高い表面エネルギーを有することができ、pHおよび/または温度を適宜に調節すると容易に凝集を形成でき、それはカプセル封入に際して複数コアマイクロカプセルの形成をもたらす。粒度は、例えばCOULTERTM LS230 Particle Size Analyzer,Miami,Fla.USAなどの当該技術分野で知られているあらゆる典型的な機器を使用して測定できる。
【0083】
乳化ステップは、例えば4、10、15、20、30、37、40、50、60、70、または80℃などの室温未満のまたはそれを超える温度で実施でき、述べられた値のいずれでも適宜、上端または下端点を形成できる。具体例としては、混合物を約10C〜約60Cまたは約30C〜約50℃で乳化することが挙げられる。
【0084】
それらについてもここで述べられている抗酸化剤および/または界面活性剤をエマルジョンおよび/または水性混合物に添加できることもさらに考察される。このような抗酸化剤および/または界面活性剤は、エマルジョンが提供される前、最中、および/または後に添加できる。さらに装填物、シェル材料、抗酸化剤、および追加的組成物が関与するシステム全体において、使用される抗酸化剤量が規定される場合、抗酸化能力は特定レベルにある。したがってここで開示されるマイクロカプセルを調製する方法において、乳化、混合、コアセルベーション、およびまたは冷却工程のいずれかまたは全部で、窒素などの不活性ガスでパージすることは、空気からの酸素による抗酸化剤の消費を防止して、保存中に装填物酸化を遅延させることができる。それはまた、マイクロカプセル封入工程中の酸化に起因する異臭化合物の形成も防止できる。
【0085】
エマルジョンおよび/または水性混合物に、キレート剤を添加できることもまた考察される。脂質の自己酸化は、金属イオン、特に鉄および銅イオンによって触媒される。したがって金属イオンのキレート化は酸化を遅らせるのに役立ち、その「ラグ相」を延長させることができ、したがってバルク油またはカプセル化油の貯蔵寿命を延長する。抗酸化剤と同様に、キレート剤もエマルジョンが提供される前、最中、および/または後に添加できる。適切なキレート剤の例としては、食品加工で最も頻繁に使用されるのキレート剤の1つであるエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、クエン酸、フィチン酸、リンゴ酸、酒石酸、シュウ酸、コハク酸、ポリリン酸などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0086】
水性混合物中で提供されるシェル材料の第1および第2のポリマー構成要素の量は、典型的に、マイクロカプセルの装填凝集の一次シェルおよび外側シェル双方を形成するのに十分である。装填物は、水性混合物の約1重量%〜約15重量%、約3重量%〜約8重量%、または約6重量%の量で提供できる。
【0087】
pH、温度、濃度、混合速度、またはその組み合わせを調節して一次シェル材料を含んでなる水性混合物を形成でき、一次シェル材料は第1および第2のポリマー構成要素を含んでなり装填物を取り囲む。2つ以上のタイプのポリマー構成要素がある(すなわち第1および第2のポリマー構成要素が異なるポリマーである)場合、複合コアセルベーションが構成要素間で起きてコアセルベートが形成し、それはさらに装填物周囲に付着してシェル材料の一次シェルを形成する。pH調節は、形成されるシェル材料タイプに左右される。例えばpHは、約3.5〜約5.0、または約4.0〜約5.0の値に調節してもよい。混合物のpHが所望範囲に始まれば、わずかまたは皆無のpH調節しか必要でない。一例ではpHは約3.5〜約4.1、約3.6〜約4.0、または約3.7〜約3.9に調節される。
【0088】
水性混合物の初期温度は、約4℃〜約60℃、または約10℃〜約50℃であることができる。
【0089】
混合は、形成中のマイクロカプセルを破壊することなく良好な混合があるように調節できる。特定の混合パラメーターは使用される機器のタイプに左右される。当該技術分野で知られている多様なタイプの混合機器のいずれを使用してもよい。一例ではLIGHTNINTM A310またはA510などの軸流羽根車が使用できる。
【0090】
ここで開示される多くの例では、開示されるマイクロカプセルの一次シェルおよび外側シェルは、複合コアセルベートを含んでなることができる。複合コアセルベートは、第1および第2のポリマー構成要素から形成できる。例えば一次シェルおよび外側シェルは、乳清タンパク質単離物および寒天の間の複合コアセルベートを含んでなることができる。複合コアセルベートおよび一次および外側シェルについて、第1および第2のポリマー構成要素の全ての組み合わせがここで考察される。
【0091】
次に制御された冷却速度および混合パラメーター下で、水性混合物を冷却して、一次シェルの凝集を可能にして一次シェルのカプセル化凝集を形成できる。理論による拘束は望まないが、カプセル化された凝集は離散した粒子それ自体である。シェル材料のゲル点を超える温度でカプセル化凝集の形成を制御して、過剰なシェル材料により厚い外側シェルを形成することは有利である。この段階で、外側シェルを肥厚させおよび/または異なる組成物の一次および外側シェルを有するマイクロカプセルを生成するために、より多くのポリマー(例えば第3のポリマー構成要素)を添加することもまた可能であり、ポリマーは使用されるシェル材料と同一であるかまたは異なっている。外側シェルは一次シェルの凝集をカプセル化して、マイクロカプセルの凝集を硬質カプセル化する。
【0092】
水性混合物の冷却は、当該技術分野で知られている方法(例えば冷却装置の使用)によって達成できる。冷却速度は、約1〜約100分あたり約1℃であることができる。例えば冷却速度は、約1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または100分あたり約1℃であることができ、述べられた値のいずれでも適宜、上端または下端点を形成できる。具体例では、冷却速度は約1℃/5分であることができる。冷却は混合物が例えば約5℃などの、約5℃〜約10℃の温度に達するまで行うことができる。
【0093】
加工助剤をシェル材料(例えば一次および/または外側シェル)に含めることができる。加工助剤は多様な理由のために使用できる。例えばそれらは一次マイクロカプセルの凝集を促進し、エマルジョン系を安定化して、外側シェルの特性を改善し、マイクロカプセル径を制御し、および/または抗酸化剤として作用させるために使用されてもよい。一態様では加工助剤は、乳化剤、脂肪酸、脂質、ワックス、微生物細胞(例えば酵母細胞系)、粘土、または無機化合物(例えば炭酸カルシウム)であることができる。理論による拘束は望まないが、これらの加工助剤はマイクロカプセルのバリア特性を改善できる。一態様では、1つ以上の抗酸化剤をシェル材料に添加できる。抗酸化剤特性は、製造中(例えばコアセルベーションおよび/または噴霧乾燥中)、およびそれらが形成された後のマイクロカプセル中(すなわち貯蔵寿命を延長するなど)の双方で有用である。好ましくは多数の機能を果たす少数の加工助剤が使用できる。一態様では抗酸化剤は、フェノール化合物、植物抽出物、またはイオウ含有アミノ酸であることができる。一態様では、アスコルビン酸またはクエン酸(またはアスコルビン酸ナトリウムまたはカリウム、またはクエン酸ナトリウムまたはカリウムなどのその塩)を使用して、一次マイクロカプセルの凝集を促進し、マイクロカプセル径を制御して、抗酸化剤として機能させることができる。抗酸化剤は、約100ppm〜約12,000ppm、または約1,000ppm〜約5,000ppmの量で使用できる。例えば金属キレート剤などのその他の加工助剤も使用できる。例えばエチレンジアミン四酢酸を使用して金属イオンを結合でき、それは装填物の触媒酸化を低下できる。
【0094】
開示されるマイクロカプセルでは、シェル材料はまた架橋できる。したがって開示される方法は、架橋剤の添加をさらに含むことができる。架橋剤を添加して、外面および一次シェルの双方において、シェル材料の架橋によってマイクロカプセルの剛性をさらに増大させ、シェルを水性および油性媒体の双方において不溶性にできる。一例ではマイクロカプセルの外側シェルが生成された後に架橋剤が添加される。あらゆる適切な架橋剤を使用でき、架橋剤の選択は、第1および第2のポリマー構成要素の選択次第で変動し得る。別の例では、架橋剤は酵素的架橋剤(例えばトランスグルタミナーゼ)、アルデヒド(例えばホルムアルデヒドまたはグルタルアルデヒド)、タンニン酸、ミョウバンまたはその混合物であることができる。別の態様では、架橋剤は植物抽出物またはフェノール類であることができる。架橋剤と共に、1つ以上の装填物(例えば抗酸化剤)を使用できることもまた考察される。マイクロカプセルが、生物に送達される製剤中で使用される場合、架橋剤は好ましくは無毒または十分に低毒性である。使用される架橋剤の量は選択される構成要素に左右され、必要に応じて多かれ少なかれ構造的な剛性を提供するように調節できる。一態様では使用できる架橋剤の量は、第1のポリマー構成要素の重量の約0.1%〜約5.0%、約0.5%〜約5.0%、約1.0%〜約5.0%、約2.0%〜約4.0%、または約2.5%の量である。一般に、当業者は簡単な実験によって、どのような場合でも所望の量を慣例的に判定できる。架橋剤は方法のあらゆる段階で添加できるが、それは典型的に冷却ステップの後に添加できる。
【0095】
さらに、用途によっては、マイクロカプセルを架橋するためのトランスグルタミナーゼの使用は所望されないかもしれない(例えば温度およびpHが低すぎる、および/またはトランスグルタミナーゼが高価である)。したがってここで開示されるマイクロカプセルを架橋するために、グルタルアルデヒドの使用を開示される方法に入れることが考察される。特定例では、アミノ酸またはタンパク質を含んでなる1つ以上の組成物の使用は、架橋反応からの完全にまたは部分的に未反応の残留グルタルアルデヒドと反応できる。すなわち、未反応のおよび半分反応したグルタルアルデヒド(すなわち1つのアルデヒド基がなおも反応性である)は、タンパク質上のリジンまたはその他のアミノ基のε−アミノ基によって中和され、最終製品をより安全にできる。この意味では、アミノ酸および/またはタンパク質を含んでなる組成物は、あらゆる孔を満たして、架橋反応からのグルタルアルデヒドを中和することで、マイクロカプセルシェルを改善できる。マイクロカプセルは本質的にグルタルアルデヒドを含まないので、このアプローチにより、架橋後にマイクロカプセルを洗浄する必要性もなくなる。架橋はまた、ゲニピンによって(例えばゲニピンおよびカルボキシルメチルキトサンによって)達成できる。
【0096】
開示されるマイクロカプセルを熱で架橋することもまた可能である。例えば30分にわたる約80℃での加熱、または5分間にわたる95℃での加熱は、開示されるマイクロカプセルを効果的に架橋できる。
【0097】
さらに開示されるマイクロカプセルを水で洗浄して、および/または乾燥して易流動性粉末を提供できる。したがってマイクロカプセルを調製する開示される方法は、マイクロカプセルのための乾燥ステップを含んでなることができる。乾燥は、例えば凍結乾燥法、エタノールでの乾燥、または噴霧乾燥などの当該技術分野で知られているいくつかの方法によって達成できる。一態様では、マイクロカプセルの乾燥のために噴霧乾燥が使用できる。噴霧乾燥技術は、少なくともその噴霧乾燥法教示についてその開示を参照によって本明細書に援用する、“Spray Drying Handbook”,K.Masters,5th edition,Longman Scientific Technical UK,1991で開示される。
【0098】
乾燥/固化防止剤を組み込んで粉末流動性を改善する
乾燥剤または固化防止剤を使用して、易流動性粉末を生成することを助けることができる。典型的に乾燥剤は高空隙率を有し、それは原料または脂質酸化に起因する、表面油および香料化合物を吸収するのを助けることができる。適切な乾燥剤および/または固化防止剤の例としては、HUBERSORBTMおよびZEOTHIXTM(J.M.Huber Corp;Harve de Grace,MD)およびCAPSULTM(National Starch & Chemical,Co.)およびVITACELTM(J.RettenmairUSA;Schoolcraft,MI)が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0099】
粉末中に抗酸化剤を組み込む
その他の例では、一次シェル、外側シェル、または一次と外側シェル材料の双方の中、および/またはその上に抗酸化剤を組み込む方法がここで開示される。開示される方法は、ここで開示されるマイクロカプセルを提供するステップと、ポリマー構成要素および抗酸化剤を含んでなるエマルジョンを提供するステップと、エマルジョンとマイクロカプセルとを合わせ、それによって抗酸化剤を含んでなるシェル材料があるマイクロカプセルを提供するステップとを含んでなる。次に得られた懸濁液を冷却でき、被覆されたマイクロカプセルを乾燥できる。多くの適切な例では、マイクロカプセルは抗酸化剤を含有するスラリー中に含まれることができ、スラリーは噴霧乾燥できる。適切な抗酸化剤としては、CoQ10、ルテイン、ゼアキサンタン、カロテン、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これに限定されるものではない。これらは、単独で、またはここで開示されるアミノ酸、タンパク質、糖類、またはワックスに加えて使用できる。
【0100】
製剤ビヒクル
ここで開示されるマイクロカプセルを含んでなる製剤ビヒクルもまたここで開示される。ここで述べられるマイクロカプセルのいずれでも製剤ビヒクルに組み込むことができる。製剤ビヒクルの例はここで提供され、食材、飲料、栄養補給食品製剤、医薬製剤、ローション、クリーム、またはスプレーが挙げられるが、これに限定されるものではない。その他のいくつかの具体例では、開示されるエマルジョンおよび/またはマイクロカプセルは、ジェル、ジェルカプセル、または錠剤中に組み込むことができる。その他のビヒクルとしては、粉末またはポリマー被覆粉末が挙げられる。このようなビヒクルは経口的に投与でき、または粉末の場合、例えば食物または飲料に振りかけることができる。
【0101】
栄養補給剤
ここで開示されるマイクロカプセルを含んでなる栄養補給剤もまたここで開示される。栄養補給剤は対象に投与され、または対象により服用されて、栄養素(例えばビタミン、ミネラル、必須微量元素、アミノ酸、ペプチド、核酸、オリゴヌクレオチド、脂質、コレステロール、ステロイド、炭水化物など)を提供、供給、または増大できる、あらゆる化合物または組成物である。例えば栄養補給剤は、ここで開示される1つ以上の装填物を含んでなる組成物を含んでなることができる。
【0102】
栄養補給剤は、あらゆる量のここで開示されるマイクロカプセルを含んでなることができるが、典型的に、対象に所望用量の装填物(例えばEPAおよび/またはDHA)を供給すると判定された量を含有する。栄養補給剤中で必要とされるマイクロカプセルの正確な量は、対象の生物種、年齢、体重および全身状態、処置されるあらゆる食餌性欠乏症の重篤性、特定の投与様式などに左右されて、対象毎に変動する。したがって全ての栄養補給剤について正確な量を特定することはできない。しかし当業者は、ここで教示される通例の実験法のみを使用して、適切な量を判定できる。
【0103】
栄養補給剤はまた、ビタミンその他の微量元素、ミネラルなどのその他の栄養素を含んでなることができる。さらに栄養補給剤は、保存料、抗菌剤、抗酸化剤、キレート剤、増粘剤、香味料、希釈剤、乳化剤、分散助剤、またはバインダーなどのその他の構成要素を含んでなることができる。
【0104】
栄養補給剤は一般に経口的摂取され、経口投与に適した形態であることができる。例えば栄養補給剤は、典型的に錠剤、ジェルキャップ、カプセル、液体、小袋またはシロップの形態であることができる。
【0105】
栄養補給剤は、特定個体のための推奨食餌摂取に基づいて、ヒトまたは動物のためにデザインできる。このような考察は一般に当業者に知られているまたは当業者が判定できる、上述のような生物種、年齢、および性別などの様々な要素に基づく。一例では開示される栄養補給剤は、家畜(例えばブタ、ニワトリ、雌牛、ヤギ、ウマなど)および飼育ペット(例えばネコ、イヌ、鳥など)などであるが、これに限定されるものではない動物の飼料構成要素として使用できる。
【0106】
医薬製剤
ここで開示されるマイクロカプセルを含んでなる医薬製剤もまた開示される。適切な医薬製剤は、開示される組成物のいずれかを薬学的に許容可能なキャリアと共に含んでなることができる。例えば医薬製剤は、開示されるマイクロカプセルの1つ以上、および薬学的に許容可能なキャリアを含んでなることができる。開示される医薬製剤は、治療的にまたは予防的に使用できる。
【0107】
「薬学的に許容可能な」とは、生物学的にまたはその他の点で有害でない材料を意味し、すなわち材料は、いかなる望ましくない生物学的効果も引き起こすことなく、またはそれが含有される医薬製剤のいかなるその他の構成要素とも有害な様式で相互作用せずに、対象に投与できる。当業者にはよく知られているように、キャリアは必然的に活性成分のあらゆる分解を最小化するように、また対象におけるあらゆる有害副作用を最小化するように選択される。
【0108】
薬学的キャリアは当業者に公知である。これらは最も典型的には、生理学的pHの滅菌水、食塩水、および緩衝液などの溶液をはじめとする、ヒトへの薬物投与のための標準キャリアである。適切なキャリアおよびそれらの製剤については、そのキャリアおよび医薬製剤の教示について、参照によってここに援用する、Remington:The Science and Practice of Pharmacy, 21st ed.,Lippincott Williams & Wilkins,Philidelphia,PA,2005で述べられている。典型的に、適切な量の薬学的に許容可能な塩が製剤中で使用されて、製剤を等張にする。薬学的に許容可能なキャリアの例としては、食塩水、リンゲル液およびデキストロース溶液が挙げられるが、これに限定されるものではない。溶液のpHは、約5〜約8(例えば約7〜約7.5)であることができる。さらなるキャリアとしては、開示される化合物を含有する固体疎水性ポリマーの半透性マトリックスなどの持効性製剤が挙げられ、そのマトリックスは例えばフィルム、リポソーム、微粒子、またはマイクロカプセルなどの造形品の形態である。例えば投与経路および投与される組成物の濃度次第で、特定のキャリアがより好ましいことは、当業者には明らかであろう。その他の化合物は当業者により使用される標準操作手順に従って投与できる。
【0109】
医薬製剤はここで開示される化合物に加えて、追加的キャリア、ならびに増粘剤、希釈剤、緩衝液、保存料、表面活性剤などを含むことができる。医薬製剤はまた、抗菌剤、抗炎症薬、麻酔剤などの1つ以上の追加的活性成分を含むことができる。
【0110】
医薬製剤は、局所性または全身性の処置が所望されるかどうか、そして処置する領域次第で、いくつかの方法で投与できる。投与は、局所性(点眼、膣内、直腸内、鼻的腔内をはじめとする)、経口的、吸入、または例えば静脈内点滴、皮下、腹腔内または筋肉内注射などによる非経口的であることができる。開示される化合物は、静脈内、腹腔内、筋肉内、皮下、腔内、または経皮的に投与できる。
【0111】
非経口投与のための調製品としては、無菌の水性または非水性溶液、懸濁液、およびエマルジョンが挙げられる。非水性溶剤の例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油などの植物油、海産油、およびオレイン酸エチルなどの注射用有機エステルである。水性キャリアとしては、食塩水および緩衝媒体をはじめとする、水、アルコール性/水性溶液、およびエマルジョンまたは懸濁液が挙げられる。非経口ビヒクルとしては、塩化ナトリウム溶液、リンゲルデキストロース、デキストロースおよび塩化ナトリウム、乳酸添加リンゲル、および不揮発性油が挙げられる。静脈内ビヒクルとしては、水分および栄養素補充液、電解質補充液(リンゲルデキストロースベースのものなど)などが挙げられる。例えば抗菌剤、抗酸化剤、キレート剤、および不活性ガスなどの、保存料およびその他の添加剤もまた存在してよい。
【0112】
局所投与のための医薬製剤としては、軟膏、ローション、クリーム、ジェル、ドロップ、坐薬、スプレー、液体、および粉末が挙げられる。従来の薬学的キャリア、水性、粉末または油性基剤、増粘剤などが望ましくあることができる。
【0113】
経口投与のための医薬製剤としては、粉末または顆粒、水または非水性媒体中の懸濁液または溶液、カプセル、小袋、または錠剤が挙げられるが、これに限定されるものではない。増粘剤、香味料、希釈剤、乳化剤、分散助剤、またはバインダーが望ましくあることができる。
【0114】
製剤のいくつかは、潜在的に、塩酸、臭化水素酸、過塩素酸、硝酸、チオシアン酸、硫酸、およびリン酸などの無機酸、およびギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、およびフマル酸などの有機酸との反応によって、または水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カリウムなどの有機塩基、およびモノ−、ジ−、トリアルキルおよびアリールアミンおよび置換されたエタノールアミンなどの有機塩基との反応によって形成される、薬学的に許容可能な酸−または塩基−付加塩として投与することができる。
【0115】
食材
開示されるマイクロカプセルのいずれかを含んでなる食材もまたここで開示される。「食材」とは、対象が消費できる(例えば食べる、飲む、または摂取する)あらゆる物品を意味する。一例では開示される組成物は、栄食材に添加できる養補給剤として使用できる。例えば開示されるマイクロカプセルは、食物または飲料に添加できる。この意味では、開示される組成物を例えば粉末形態で調製し、開示される組成物を食物および飲料の上および中に注ぐまたは振りかけるのに使用できる、小袋または振り出し器などの物品中に含有できる。
【0116】
いくつかの例では、食材は焼き菓子、パスタ、肉製品、冷凍乳製品、酪農製品、チーズ製品、卵製品、薬味、スープミックス、スナック食品、ナッツ製品、植物タンパク質製品、ハードキャンディ、ソフトキャンディ、家禽製品、加工果汁、グラニュー糖(例えば白または赤砂糖)、ソース、グレービー、シロップ、栄養バー、飲料、乾燥粉末飲料、ジャムまたはゼリー、魚製品、またはペットフードである。その他の例では、食材は、パン、トルティーヤ、穀物、ソーセージ、鶏肉、アイスクリーム、ヨーグルト、乳、サラダドレッシング、米糠、果汁、乾燥粉末飲料、液体飲料、ロール、クッキー、クラッカー、フルーツパイ、またはケーキである。
【0117】
使用方法
開示されるマイクロカプセルはまた、多種多様な用途も有する。例えばここで開示されるマイクロカプセルを対象に投与することで、装填物を対象に送達する方法がここで開示される。また装填物を対象に送達する薬剤を調製するためのここで開示されるマイクロカプセルの使用も開示される。開示されるマイクロカプセルは、厳格菜食、乳菜食、卵乳菜食、および/または半菜食主義者に物質を送達するのに特に有用であることができる。
【0118】
マイクロカプセルの使用は、特定の組成物を酸化および分解から保護して、装填物を新鮮に保てる。またマイクロカプセルは、特定組成物の不快な臭気または味を隠すことができることから、ここで開示される方法は、不快な組成物を送達し、補給するのに特に有用であることができる。なおもさらにマイクロカプセルの使用は、さもなければ補給を受け入れにくい様々な食品に、装填物を添加できるようにする。例えばω3脂肪酸は空気中では分解または酸化することがあり、調理技術(例えばベーキング)に敏感であることがある。マイクロカプセル化ω3脂肪酸の使用によって、これらの組成物は、調理中に顕著な分解なしに食物に添加できる。
【0119】
特に適切なマイクロカプセルとしては、(食品の包装、輸送、および保存をはじめとする)食品の調製中に破裂に対して抵抗性のものが挙げられる。いくつかの例では、マイクロカプセルは、食品のテクスチャと構成を損ねない大きさと粘稠度であることができる。
【0120】
特定例では、開示されるマイクロカプセル(開示されるマイクロカプセルを含有する栄養補給剤、医薬製剤、送達装置、および食材をはじめとする)を脂肪酸(例えばω3脂肪酸)源として使用して、トリグリセリドを低下させ、糖尿病関連生化学に影響を与えられる。別の特定例では、装填物がω3脂肪酸を含んでなるここで開示される有効量のマイクロカプセルを投与することで、ω3脂肪酸を対象に補給する方法がここで開示される。別の例では、ここで開示される有効量のエマルジョンおよび/またはマイクロカプセルを投与することで、対象においてコレステロールレベル、トリグリセリドレベル、またはその組み合わせを低下させる方法がここで開示される。
【0121】
ω3脂肪酸は日常生活および機能に不可欠である。例えば血清トリグリセリドを低下させる、cis−5,8,11,14,17−エイコサペンタエン酸(EPA)およびcis−4,7,10,13,16,19−ドコサヘキサエン酸(DHA)のようなω3脂肪酸の有益な効果は確立されている。これらの化合物はまた、心不整脈を予防し、アテローム硬化性プラークを安定化し、血小板凝集を減少させ、血圧を低下させるなどのその他の心臓保護の利点でも知られている。例えばDyrberg et al.,In:Omega−3 Fatty Acids:Prevention and Treatment of Vascular Disease.Kristensen et al.,eds.,Bi & Gi Publ.,Verona−Springer−Verlag,London,pp.217−26,1995;O’Keefe and Harris,Am.J.Cardiology 2000,85:1239−41;Radack et al.,“The effects of low doses of omega−3 fatty acid supplementation on blood pressure in hypertensive subjects:a randomized controlled trial.”Arch.Intern.Med. 1991,151:1173−80;Harris,“Extending the cardiovascular benefits of omega−3 fatty acids.”Curr.Atheroscler.Rep.2005,7:375−80;Holub,“Clinical nutrition:4 omega−3 fatty acids in cardiovascular care.”CMAJ 2002,166(5):608−15を参照されたい。実際、アメリカ心臓協会(American Heart Association)も、ω3脂肪酸が心血管疾患および心疾患を低減し得ることを報告している。ω3脂肪酸の他の利点は、炎症疾患および神経変性疾患の予防および/または治療、ならびに認知発達の向上に関する利点である。例えばSuganoおよびMichihiro、“Balanced intake of polyunsaturated fatty acids for health benefits.”J.Oleo Sci.2001,50(5):305−11を参照されたい。
【0122】
脂肪酸EPAおよびDHAは、人体中でα−リノレン酸(18:3)から合成できる。しかしその前駆分子からの変換速度は限定的である(Muskiet et al.,“Is docosahexaenoic acid(DHA)essential?Lessons from DHA status regulation,our ancient diet,epidemiology and randomized controlled trials.”J. Nutr.2004,134(1):183−6)。したがって体内のEPAおよびDHAは、主として食事由来供給源(例えば脂の乗った魚)に由来する。魚油に富んだ食餌は、心疾患、癌、関節炎、アレルギー、およびその他の慢性疾患に対して、多くの有益な効果を有することが知られている。疫学的臨床試験は、魚または魚油栄養補給剤の形態でω3脂肪酸の食餌摂取を増大させることは、心血管疾患と関連付けられている様々な危険因子を低下させるかもしれないことを示している。例えばアメリカ心臓協会の科学的声明(The American Heart Association,Scientific Statement)、“Fish Consumption,Fish Oil,Omega−3 Fatty Acids and Cardiovascular Disease,”November 2002;Appel et al.,“Does supplementation of diet with’fish oil’reduce blood pressure?A meta−analysis of controlled clinical trials.”Arch. Intern.Med.1993,153(12):1429−1438;GISSI−Prevenzione Investigators.“Dietary supplementation with omega−3 polyunsaturated fatty acids and vitamin E after myocardial infarction:results of the GISSI−Prevenzione trial.”Lancet 1999,354:447−55を参照されたい。
【0123】
心血管疾患予防におけるEPAおよびDHAのようなω3脂肪酸の利点の強力なエビデンスにもかかわらず、提案される利点を与える一日摂取量0.65グラムと比較して、北米人のこれらの脂肪酸の平均一日摂取量は0.1〜0.2グラムの間と推定される(Webb,“Alternative sources of omega−3 fatty acids.”Natural Foods Merchandiser 2005,XXVI(8):40−4)。全人口の食習慣を変化させることは困難であり、多くの人々は魚を食べたがらないので、EPAおよびDHAの食餌補給はこの問題に対処する重要なアプローチである。不運にもω3脂肪酸の多くの栄養補給剤は酸化感受性であり、悪臭があり不快な味であることがある。さらに栄養補助食品投与計画の服薬遵守は規律を必要とし、それは往々にして欠けている。ω3脂肪酸の健康上の観点から、開示されるマイクロカプセルはω3脂肪酸を対象に送達するのに使用できる。
【0124】
開示される使用方法では、投与されるエマルジョンおよび/またはマイクロカプセルは、ここで開示される組成物のいずれかであることができる。例えば開示されるマイクロカプセルは、ここで開示される栄養補給剤のいずれかの形態で、開示される方法において使用できる。別の例では、開示されるマイクロカプセルは、ここで開示される医薬製剤のいずれかの形態で、開示される方法で使用できる。さらに別の例では、開示されるマイクロカプセルは、ここで開示される送達装置のいずれかに組み込んで、またはここで開示されるあらゆる食材に組み込んで、開示される方法で使用することができる。
【0125】
ここで開示される方法は、様々な形態の開示されるマイクロカプセルを投与することで達成できることが考察される。例えば医薬製剤のいずれかをここで開示される食材のいずれかと共に投与できる。別の例では、錠剤またはカプセルをここで開示される栄養補給剤のいずれかと共に投与できる。さらに別の例では、医薬製剤のいずれかをここで開示される送達装置および栄養補給剤などのいずれかと共に投与できる。
【0126】
投薬量
上述の方法またはその他の処理中で、またはここで開示される栄養補給剤、医薬製剤、送達装置、または食材中で使用される場合、開示されるマイクロカプセルの1つの「有効量」を純粋形態で、またはこのような形態が存在する場合は薬学的に許容可能な塩形態で、薬学的に許容可能な賦形剤、キャリア、またはその他の添加剤あり、またはなしで用いることができる。
【0127】
あらゆる特定の対象のための特定の効果的な用量レベルは、治療する障害および障害の重篤性、用いる特定組成物が何であるかとその活性、患者の年齢、体重、総体的な健康、性別および食餌、投与時間、投与経路、用いる特定組成物の排出速度、治療期間、用いる特定の組成物と組み合わせてまたは同時に使用される薬物などの医学技術分野でよく知られている要素をはじめとする多様な要素に左右される。例えば所望の治療効果を達成するのに必要とされるよりも低いレベルの組成物用量から開始して、所望の効果が達成されるまで徐々に投薬量を増大させることは十分に当該技術分野の技術の範囲内である。所望ならば、投与の目的で効果的な1日量を複数回投与に分割できる。したがって単回投与組成物はこのような量を含有し、またはその約数が1日量を構成できる。
【0128】
あらゆる禁忌の場合は、各医師または個人が投薬量を調節できる。投薬量は変動することがあり、毎日1回以上、1日または数日間にわたり投与できる。ガイダンスは、特定の医薬品クラスのための適切な投薬量に関する文献にある。
【0129】
さらにここで開示される栄養補給剤、医薬製剤、送達装置、および/または食材のいずれかを対象に投与することで、開示される組成物を対象に送達する方法も開示される。開示される組成物(栄養補給剤、送達装置、および医薬製剤をはじめとする)は、典型的に経口的に投与できる。
【実施例】
【0130】
開示される主題に従った方法および結果を例示するために、続く実施例を下に提供する。これらの実施例は、ここで開示される主題の全ての態様を包含することを意図せず、むしろ代表的な方法および結果を例示する。これらの実施例は、本発明の等価物および変形例を除外することを意図せず、それは当業者には明らかである。
【0131】
数(例えば量、温度、pHなど)に関して正確さを期するように努力したが、ある程度の誤差や偏差があることを勘案すべきである。特に断りのない限り、部は重量部、温度は℃または周囲温度であり、圧力は大気圧前後である。例えば構成要素濃度、温度、圧力、およびその他の反応範囲および条件など、述べられる工程から得られる製品の純度および収率を最適化するのに使用できる条件の変形例および組み合わせが多数ある。このような工程条件を最適化するのには、合理的な通例の実験法のみが必要とされる。
【0132】
ここで開示される特定の材料、化合物、組成物、および構成要素は、市販され、または当業者に一般に知られている技術を使用して容易に合成できる。例えば開示される組成物を調製するのに使用される出発原料および試薬は、Ocean Nutrition Canada,Ltd.(Dartmouth,NS,Canada)、Aldrich Chemical Co.,(Milwaukee,Wis.)、AcrosOrganics(Morris Plains,N.J.)、Fisher Scientific(Pittsburgh,Pa.)、またはSigma(St.Louis,Mo.)などの販売元から入手でき、またはFieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis,Volumes 1−17(John Wiley and Sons,1991);Rodd’s Chemistry of Carbon Compounds,Volumes 1−5 and Supplements(Elsevier Science Publishers,1989);Organic Reactions,Volumes 1−40(John Wiley and Sons,1991);March’s Advanced Organic Chemistry,(John Wiley and Sons,4th Edition);およびLarock’s Comprehensive Organic Transformations(VCH Publishers Inc.,1989)などの参考文献で述べられる手順に従って、当業者に知られている方法によって調製される。
【0133】
実施例1:WPI/寒天−WPI/ジェランガムを使用したマイクロカプセル封入
4.0gの寒天(TIC Gums;Belcamp,MDからのTIC試験済み寒天)を100.0gの沸騰水に添加して、水和し溶解した。次に得られた溶液を65℃に保たれた600.0gの脱イオン水と共に2L反応器に移した。次に1.0gのアスコルビン酸ナトリウムを反応器内の溶液に添加したところ、pHは約6.6と判定された。
【0134】
室温(25℃)で撹拌しながら、35.0gのWPI(乳清タンパク質単離物)(NZMP(USA)Inc.,Lemoyne,PAからのAlacen(登録商標)895)を90.0gの脱イオン水に添加した。次に溶解したWPIを10℃に冷却した。70.0gの魚油(Ocean Nutrition Canada,Ltd.;Dartmouth,NSからのXODHA)を冷WPI溶液に添加して、温度を10℃に保ちながら、得られた混合物をPOLYTRON PT 6100TMホモジナイザー(Kinematica AG,Lucerne,Switzerland)によって8000rpmで5分間乳化した。乳化後に得られたエマルジョンを顕微鏡下で調べて、油滴が小型(直径約1〜5μm)で均一であることを確認した。
【0135】
エマルジョンを寒反応器内の天溶液に添加した。得られた混合物のpH値は約6.4であった。次にpHを10%w/wリン酸で約5.0に調節して、約30μmの一次マイクロカプセルの凝集を形成した。
【0136】
4.0gの低アシルジェランガム(CPKELCO;San Diego,CAからのKelcogel F)および4.0gのWPIを約60℃の600.0gの脱イオン水に溶解した。最初は6.2であった溶液pHを10%w/wリン酸で5.0に調節した。この混合物を反応器内のマイクロカプセルに添加した。20.0gの蒸留水中の3.0gのCaCl溶液を調製し、これもマイクロカプセル懸濁液に添加した。得られたスラリーを迅速に20℃に冷却し、冷却中に撹拌速度を増大させてゲル化を避けた。完成したマイクロカプセル懸濁液は、即座に噴霧乾燥でき、易流動性粉末が生成した。このようなマイクロカプセは乳菜食、卵乳菜食、および半菜食に適するであろう。
【0137】
実施例2:乳清タンパク質および低メトキシルペクチンを使用したマイクロカプセル封入
29.3gの乳清タンパク質単離物(WPI;NZMP(USA)Inc.からのAlacen 895)を2L反応器内の322gの水に撹拌しながら溶解した。得られた溶液を30℃に保ち、次に7gのアスコルビン酸ナトリウムを添加した。次に15gの魚油(Ocean Nutrition Canada,Ltd.からのXO30TG)をWPI溶液に添加した。次に溶液をPOLYTRON PT 6100TMホモジナイザーによって10,000rpmで5分間乳化した。次に温度を30℃に保ちながら、972gの蒸留水を反応器内の得られたエマルジョンに添加した。TIC Gums(Belcamp,MD)からの14.6gの試験済みペクチンLM32TMを168.2gの蒸留水に溶解し、次に反応器内の希釈エマルジョンに添加した。懸濁液pHを10%リン酸(約50mL)で3.1に調節して、約10μmの一次マイクロカプセルの凝集を形成した。次に混合物を1分あたり1.3℃の平均加熱速度で、30℃から85℃に加熱した。粒度は30μmに増大し、混合物は室温に自然冷却され、一晩撹拌された。次に完成したマイクロカプセル懸濁液は、即座にコーティング工程で使用でき、または噴霧乾燥されて易流動性粉末が生成した。このようなマイクロカプセルは、乳菜食、卵乳菜食、および半菜食に適するであろう。
【0138】
実施例3:ゼラチンおよび低メトキシルペクチンを使用したマイクロカプセル封入
570gの脱イオン水を反応器に入れて約53℃に加熱した。8.0gの低メトキシルペクチン(C.P. Kelco;San Diego,CAからのLM−12CGTM)を約53℃の349gの水に溶解した。40.0gの魚ゼラチン(LAPI;Tuscany,Italyからの240ブルーム)を約53℃の293gの水に溶解した。ゼラチンが完全に溶解した後、6.1gのアスコルビン酸ナトリウムをゼラチン溶液に添加した。次に72.0gのDHA油(Ocean Nutrition Canada,Ltd.からのXODHA)をゼラチン溶液に添加して、得られた混合物をPOLYTRON PT 6100TMホモジナイザーによって7500rpmで4分間乳化した。次にエマルジョンを反応器内の水に添加して、溶液のpHを8.04に調節した。次にペクチン溶液を反応器に添加して、pH4.52までのクエン酸の添加によってコアセルベーションを開始させ、所望の粒度(約30μm)が達成された。スラリーを1分あたり5℃で4℃まで冷却した。ひとたびスラリーが4℃に達したら、2.6gのトランスグルタミナーゼ(Ajinomoto Co.Inc.、Tokyo、JPからのACTIVA TI)を添加して、pHを5.04に調節した。次に温度を30分以内に25℃に上昇させ、架橋のために25℃に12時間保った。次にマイクロカプセルのスラリーは、即座に食物で使用でき、または噴霧乾燥されて易流動性粉末が生成した。このようなマイクロカプセルは半菜食に適するであろう。
【0139】
実施例4:ゼラチン−アルギン酸塩を使用したマイクロカプセル封入(一段法)
44.8gの魚ゼラチン(LAPIからの240ブルーム)を254gの水に溶解した。次にこの溶液を40℃に加熱した。
【0140】
1179gの蒸留水を2Lの反応器に添加して、温度を40℃に保った。7.5gの量のアスコルビン酸を反応器に添加した。次に30mLの10%クエン酸を反応器に添加した。溶液のpHは3.3であった。次に10%の量のNaOH溶液を反応器に添加して、pHを4.8にした。
【0141】
72.0gの魚油(Ocean Nutrition Canada,Ltd.からのXO30TG)をゼラチン溶液に添加した。次に得られた溶液をPOLYTRON PT 6100TMホモジナイザーによって7500rpmで4分間乳化した。乳化後に得られたエマルジョンを顕微鏡下で調べて、油滴が小型(直径約1〜5μm)で均一であることを確認した。
【0142】
エマルジョンを反応器内の蒸留水に添加したところ、混合物のpHは4.9であった。次にNaOHを添加して、pHを5.4に増大させた。
【0143】
3.2gのアルギン酸塩(FMC BIOPOLYMER;Philadelphia,PAからのPROTANAL LFR 5/60TM)を61gの蒸留水に溶解した。次にこのアルギン酸塩溶液を反応器内の希釈エマルジョンに添加した。反応器内の混合物はpH5.5を有し、油小滴は直径1〜3μmであった。次に一次マイクロカプセルの凝集を形成するために、懸濁液のpHを10%クエン酸で低下させた。12mLの酸の添加によってpHが5.0に低下した後、1分あたり5℃の制御された冷却によってスラリーを4℃に冷却した。
【0144】
10gの蒸留水に溶解した3.1gのトランスグルタミナーゼを4℃でマイクロカプセルに添加した。一晩(12時間)の架橋のために、温度を30分間で25℃に上昇させた。次に完成したマイクロカプセルの懸濁液は、即座に食物加工で使用でき、または噴霧乾燥されて易流動性粉末が生成した。このようなマイクロカプセルは半菜食に適するであろう。
【0145】
実施例5:ゼラチン−アルギン酸塩を使用したマイクロカプセル封入(二段法)
22.6gの魚ゼラチン(LAPIからの240ブルーム)を160gの水に溶解した。次に7.6gのアスコルビン酸ナトリウムを添加して、溶液を40℃に加熱した。10%のNaOH溶液を添加して、溶液のpHを6.0に調節した。
【0146】
1.4gのアルギン酸塩(FMC BIOPOLYMERからのPROTANAL LFR 5/60TM)を44gの蒸留水に溶解した。次にこのアルギン酸塩溶液をゼラチン溶液に添加した。
【0147】
569gの蒸留水を2Lの反応器に添加して温度を40℃に保った。69.0gの魚油(Ocean Nutrition Canada,Ltd.からのXO30TG)をゼラチンおよびアルギン酸塩溶液に添加して、次にPOLYTRON PT 6100TMホモジナイザーによって7500rpmで3分間乳化した。エマルジョンを乳化後に顕微鏡下で調べて、油小滴が小型(直径約1〜5μm)で均一であることを確認した。エマルジョンを反応器内の蒸留水に添加したところ、混合物のpH値は5.8であった。次に一次マイクロカプセルの凝集を形成するために、pH値を10%クエン酸によって低下させた。4.5mLの酸の添加によってpHを5.1に低下させた後、スラリーを37℃に冷却した。
【0148】
第2段階工程のために、ゼラチン溶液およびアルギン酸塩溶液を次のようにして調製した。18.6gの魚ゼラチン(LAPI)を251gの3.0gのアスコルビン酸ナトリウムと共に水に溶解した。次にこの溶液を37℃に加熱した。2.3gのアルギン酸塩を384gの蒸留水に溶解した。次に得られたアルギン酸塩溶液を37℃に加熱して、ゼラチン溶液と混合した。混合物は濁っており5.1のpHを有した。10%のNaOH溶液を混合物に添加して、pHを5.6まで上昇させた。溶液は少なくとも部分的に透明になった。撹拌を強めながら、混合物を反応器内のマイクロカプセルのスラリーに添加して、凝集するのを防止した。スラリーを1分あたり5℃で4℃に冷却した。
【0149】
10gの蒸留水に溶解した3.1gのトランスグルタミナーゼを4℃のスラリーに添加した。次に一晩(12時間)の架橋のために、温度を25℃に増大させた。次に完成したマイクロカプセルの懸濁液は、即座に食物加工で使用でき、または噴霧乾燥されて易流動性粉末が生成した。このようなマイクロカプセルは半菜食に適するであろう。
【0150】
実施例6:SPI/寒天−SPI/ジェランガムを使用したマイクロカプセル封入
4.0gの寒天を100.0gの沸騰水に添加して完全に水和した。次に溶液を65℃に保った600.0gの蒸留水と共に、2Lの反応器に移した。
【0151】
45.0gのダイズタンパク質単離物(SPI)(ICN Biomedicals,Inc.;Irving,CA)を300.0gの蒸留水に撹拌しながら添加して、65℃に加温して溶解した。60.0gの魚油(Ocean Nutrition Canada,LtdからのXODHA)をSPI溶液に添加した。次に得られた混合物をPOLYTRON PT 6100TMホモジナイザーによって8000rpmで8分間乳化した。エマルジョンを乳化後に顕微鏡下で調べ、油小滴が直径約5μmであることを確認した。次にエマルジョンを反応器内の寒天溶液に添加したところ、混合物のpHは約6.7であった。10%w/wリン酸によってpHを5.0に調節して、約30μmの一次マイクロカプセルの凝集を形成した。
【0152】
4.0gの低アシルジェランガムおよび8.0gのSPIを約60℃の400.0gの蒸留水に溶解した。10%w/wリン酸でpHを6.6から5.0に調節した。得られた混合物を反応器内のマイクロカプセルの懸濁液に添加した。次に10.0gの蒸留水中の1.5gのCaClを反応器に添加した。次に得られたスラリーを迅速に20℃に冷却して、冷却中に撹拌速度を増大させてゲル化を避けた。完成したマイクロカプセルの懸濁液は、即座に噴霧乾燥されて易流動性粉末が生成した。このようなマイクロカプセルは厳格菜食、乳菜食、卵乳菜食、および半菜食に適するであろう。
【0153】
実施例7:ARA油と共にSPI/寒天/ジェランガムを使用したマイクロカプセル封入
40.0gのダイズタンパク質単離物(ICN Biomedicals,Inc)を330.0gの蒸留水に溶解した。得られた溶液を60℃まで加熱して、pHを約11に調節した。
【0154】
60.0gのARA油(Wuhan Fuxing Biotechnology Pharmaceutical Co. Ltd., Wuhan, China)を50℃に加熱した。次にARA油をダイズタンパク質溶液に添加して8000rpmで5分間乳化した。エマルジョンを乳化後に顕微鏡下で調べ、油小滴が直径約1〜2μmであることを確認した。
【0155】
3.0gの寒天(TIC Gums;Belcamp,MDからのTIC試験済み寒天)を100.0gの沸騰蒸留水に溶解して、次に600.0g蒸留水および5.0gのアスコルビン酸ナトリウムと共に2Lの反応器に移した。温度を55℃に保ったところ、混合物は約7.0のpHを有した。
【0156】
次にエマルジョンを反応器に添加したところ、混合物のpHは約10.8であった。次に10%リン酸によってpH値を約5.7に調節して、約40μmの一次マイクロカプセルの凝集を形成した。
【0157】
10.0gの蒸留水中の3.2gのトランスグルタミナーゼを反応器に添加して、懸濁液を3時間にわたり50℃に保った後、44℃に冷却した。5.0gのジェランガム(CPKELCOからのKelcogel F)および2.0gのアスコルビン酸ナトリウムを65℃の400.0gの蒸留水に溶解して、次に50℃に冷却した。4.0gのSPIを50.0gの蒸留水に溶解して、pHを約9に調節した。次にSPI溶液をジェランガム溶液と混合し、pH値を約6.7に調節した。次に得られたSPI/ジェランガム溶液を44℃で反応器内の凝集した一次マイクロカプセルに添加した。
【0158】
10.0g蒸留水中の1.60gCaClを反応器に添加して、溶液が20℃に迅速に冷却するに従って撹拌速度を徐々に増大させた。完成したマイクロカプセルの懸濁液はコンパクトな構造およびシェルを有し、シェルは沸騰後も残った。このようなマイクロカプセルは厳格菜食、乳菜食、卵乳菜食、および半菜食に適するであろう。
【0159】
実施例8:藻類油と共にSPI/寒天/ジェランガムを使用したマイクロカプセル封入
26.67gのダイズタンパク質単離物(ICN Biomedicals,Inc.)を220.0gの蒸留水に溶解した。得られた溶液を60℃まで加熱して、pHを10.6に調節した。
【0160】
40.0gの藻類油(Martek Biosciences;Columbia,MDからのDHASCO−S)を50℃に加熱した。次に藻類油をダイズタンパク質溶液に添加して、8000rpmで5分間乳化した。エマルジョンを乳化後に顕微鏡下で調べ、油小滴が直径約1μmであることを確認した。
【0161】
2.0gの寒天(TICGums;Belcamp,MDからのTIC試験済み寒天)を66.7.0の沸騰蒸留水に溶解し、次に400.0gの蒸留水および3.33gのアスコルビン酸ナトリウムと共に2Lの反応器に移した。反応器内の温度を55℃に保ったところ、混合物は約7.0のpHを有した。
【0162】
藻類油エマルジョンを反応器内の蒸留水に添加したところ、混合物のpHは約10.2であった。次に10%w/wリン酸でpHを約5.7に調節して、約30μmの一次マイクロカプセルの凝集を形成した。
【0163】
次に10.0gの蒸留水中の2.1gのトランスグルタミナーゼを反応器に添加して、混合物を3時間にわたり50℃に保った後、44℃に冷却した。
【0164】
2.67gのジェランガム(Kelcogel F)および1.33gのアスコルビン酸ナトリウムを65℃の266.7gの蒸留水に溶解して、次に50℃に冷却した。2.6gのSPIを30.0gの蒸留水に溶解して、pHを約9に調節した。次にSPI溶液をジェランガム溶液と混合し、pHを約6.7に調節した。次に得られたSPI/ジェランガム溶液を44℃で反応器内の凝集した一次マイクロカプセルに添加した。
【0165】
5.0g蒸留水中の1.0gのCaClを反応器に添加して、溶液が20℃に迅速に冷却するに従って撹拌速度を徐々に増大させた。完成したマイクロカプセルの懸濁液はコンパクトな構造およびシェルを有し、シェルは沸騰を乗り切った。このようなマイクロカプセルは厳格菜食、乳菜食、卵乳菜食、および半菜食に適するであろう。
【0166】
実施例9:ω3油と共にSPI/寒天/ジェランガムを使用したマイクロカプセル封入
8.9gのダイズタンパク質単離物(ICN Biomedicals,Inc.)を73.3gの蒸留水に溶解した。得られた溶液を60℃に加熱して、pHを10.6に調節した。
【0167】
13.3gのω3油(Ocean Nutrition Canada Ltd.からのONC−T18)を70℃に加熱し、次にダイズタンパク質溶液に添加して、8000rpmで5分間乳化した。エマルジョンを乳化後に顕微鏡下で調べ、油小滴が直径約1〜2μmであることを確認した。
【0168】
0.67gの寒天(TICGums;Belcamp,MDからのTIC試験済み寒天)を22.2gの沸騰蒸留水に溶解して、133.3gの蒸留水および1.11gのアスコルビン酸ナトリウムと共に500mLの反応器に移した。温度を55℃に保ったところ、混合物は約7.0のpHを有した。次にω3油エマルジョンを反応器に添加したところ、混合物のpHは約10.8であった。次に10%リン酸によってpH値を約5.7に調節して、約30μmの一次マイクロカプセルの凝集を形成した。
【0169】
5.0gの蒸留水中の0.71gのトランスグルタミナーゼを反応器に添加して、温度を3時間50℃に保った後、44℃に冷却した。
【0170】
0.89gのジェランガム(CPKELCOからのKelcogel F)および0.44gのアスコルビン酸ナトリウムを65℃の89.0gの蒸留水に溶解し、次に50℃に冷却した。0.89gのSPIをpH約9の10.0gの蒸留水に溶解した。SPI溶液をジェランガム溶液と混合し、pHを約6.7に調節した。次にSPI/ジェランガム溶液を44℃の反応器内の凝集した一次マイクロカプセルに添加した。
【0171】
3.0gの蒸留水中の0.33gのCaClを反応器に添加して、溶液が20℃に迅速に冷却するに従って撹拌速度を徐々に増大させた。完成したマイクロカプセルの懸濁液はコンパクトな構造およびシェルを有し、シェルは沸騰後に変化しなかった。このようなマイクロカプセルは厳格菜食、乳菜食、卵乳菜食、および半菜食に適するであろう。
【0172】
実施例10:WPI/アラビアゴムを使用したマイクロカプセル封入
30.0gのWPI(乳清タンパク質単離物)(NZMP(USA)Inc.,Lemoyne,PAからのALACENTM895)および15.0gのアラビアゴム(TIC Gums;Belcamp,MD)を室温(25℃)で撹拌しながら130.0gの蒸留水に溶解した。
【0173】
67.0gの魚油(Ocean Nutrition Canada,Ltd.;Dartmouth,NSからのXODHA)を50℃に加熱して溶解し、次にWPI溶液に添加した。得られた混合物を10℃に冷却して、温度を10℃に保ちながら、POLYTRON PT 6100TMホモジナイザー(Kinematica AG,Lucerne,Switzerland)によって8000rpmで5分間乳化した。乳化後に得られたエマルジョンを顕微鏡下で調べて、油滴が小型(直径約1〜2μm)で均一であることを確認した。
【0174】
エマルジョンを1200.0gの蒸留水および6.7gのアスコルビン酸ナトリウムと共に、室温の1.5Lの反応器に添加した。得られた混合物のpH値は約6.4であった。次に10%w/wリン酸でpHを約3.9に調節し、約30μmの一次マイクロカプセルの凝集を形成した。
【0175】
得られた懸濁液を95℃に加熱して5分間保ち、次に室温に冷却した。完成したマイクロカプセルの懸濁液を噴霧乾燥して、コンパクトな構造の易流動性粉末を製造した。誘導期は65℃で90時間を超えた。このようなマイクロカプセルは、乳菜食、卵乳菜食、および半菜食に適するであろう。
【0176】
この実施例はまた、最初に魚油溶液およびWPIを乳化して、次にアラビアゴムを添加して実施された。しかし魚油をWPIおよびアラビアゴムの双方と共に乳化することで、よりコンパクトなコアセルベートが得られることが分かった。さらにより高いpH終点(4.2)を使用した。しかし3.9で、よりコンパクトなマイクロカプセルが得られることが分かった。またpH終点3.9で作られたマイクロカプセルの誘導期は、pH終点4.2で作られたものよりもはるかにより長かった(65℃で90時間対30時間)。さらに熱(80℃で30分間)および酵素架橋も使用した。しかし95℃で5分間にわたる単回熱架橋が、マイクロカプセルにとってより良い官能的品質を作り出すことが分かった。
【0177】
実施例11:SPI−カゼイン酸ナトリウムを使用したマイクロカプセル封入
40.0gのSPI(ICN Biomedicals,Inc.)を50℃の350.0gの蒸留水に溶解して、pHを9に調節した。次に75.0gの魚油(Ocean Nutrition Canada)を50℃に加熱して溶解し、次にSPI溶液に添加した。次に得られた溶液を9300rpmで5分間乳化した。エマルジョンを乳化後に顕微鏡下で調べ、油小滴が小型(直径2μm前後)であることを確認した。
【0178】
10.0gのカゼイン酸ナトリウム(NZMP ALANATE 180)を800.0gの蒸留水および6.3gのアスコルビン酸ナトリウムと共に、室温において1.5L反応器内で溶解した。反応器内の溶液はpH6前後を有した。SPIおよび魚油のエマルジョンを反応器内のカゼイン酸ナトリウム溶液に添加したところ、混合物のpHは9前後であった。
【0179】
次に20%w/wリン酸でpHを約5.0に調節して、約40μmの一次マイクロカプセルの凝集を形成した。懸濁液を95℃に加熱して10分間保ち、次に室温に冷却した。
【0180】
完成したマイクロカプセルの懸濁液はコンパクトな構造で、噴霧乾燥後に丸い粒子を提供する。このようなマイクロカプセルは、乳菜食、卵乳菜食、および半菜食に適するであろう。
【0181】
実施例12:エンドウマメタンパク質単離物−カゼイン酸ナトリウムを使用したマイクロカプセル封入
40.0gのエンドウマメタンパク質単離物(PPI)(Nutri-Pea Limited;Manitobe、Canada)を室温で180.0gの蒸留水に溶解した。75.0gの魚油(Ocean Nutrition Canada)を50℃に加熱して溶解し、次にPPI溶液に添加した。次に溶液を9300rpmで4分間乳化した。エマルジョンを乳化後に顕微鏡下で調べ、油小滴が小型(直径4μm前後)であることを確認した。
【0182】
10.0gのカゼイン酸ナトリウム(NZMP ALANATE 180)を957.0gの蒸留水および6.3gのアスコルビン酸ナトリウムと共に、室温において1.5L反応器内で溶解した。反応器内の溶液はpH6.4前後を有した。PPIおよび魚油エマルジョンを反応器内カゼイン酸ナトリウム溶液に添加したところ、混合物のpHは6.4前後であった。
【0183】
次に20%w/wリン酸でpHを約5.0に調節して、約30μmの一次マイクロカプセルの凝集を形成した。懸濁液を95℃に加熱して10分間保ち、次に室温に冷却した。
【0184】
完成したマイクロカプセルの懸濁液はコンパクトな構造で、噴霧乾燥後に丸い粒子を提供する。このようなマイクロカプセルは、乳菜食、卵乳菜食、および半菜食に適するであろう。
【0185】
実施例13:WPI−カゼイン酸ナトリウムを使用したマイクロカプセル封入
40.0gWPI(Davisco,Bipro)および10.0gのカゼイン酸ナトリウム(NZMP ALANATE 180)を室温で140.0gの蒸留水に溶解した。75.0gの魚油(Ocean Nutrition Canada)を50℃に加熱して溶解し、次に上の混合物に添加した。次に得られた混合物を6℃において9300rpmで5分間乳化した。エマルジョンを乳化後に顕微鏡下で調べ、油小滴が小型(直径2μm前後)であることを確認した。
【0186】
5.3gのアスコルビン酸ナトリウムを800.0gの蒸留水と共に、室温において1.5L反応器中で溶解した。反応器内の溶液はpH7.4前後を有した。次にWPI−カゼイン酸ナトリウム−魚油エマルジョンを反応器内のアスコルビン酸ナトリウム溶液に添加して、混合物をpH6.5前後に調節した。
【0187】
次に20%w/wリン酸でpH約4.7前後に調節して、約30μmの一次マイクロカプセルの凝集を形成した。懸濁液を90℃に加熱して20分間保ち、次に室温に冷却した。
【0188】
完成したマイクロカプセルの懸濁液はコンパクトな構造で、噴霧乾燥後に易流動性粉末を提供する。このようなマイクロカプセルは、乳菜食、卵乳菜食、および半菜食に適するであろう。
【0189】
実施例14:ゼラチン−カゼイン酸ナトリウムを使用したマイクロカプセル封入
40.0gのブタゼラチン(Nitta)および10.0gのカゼイン酸ナトリウム(NZMP ALANATE 180)を293.0g蒸留水に50℃で溶解した。75.0gの魚油(Ocean Nutrition Canada)を50℃に加熱し手溶解し、次にゼラチン溶液を添加した。次に混合物を9000rpmで4分間乳化した。エマルジョンを乳化後に顕微鏡下で調べ、油小滴が小型(直径1.3μm前後)であることを確認した。
【0190】
800.0g蒸留水が入った1.5Lの反応器内に6.3gのアスコルビン酸ナトリウムを添加して、温度を45℃に保った。反応器内の溶液はpH6.4前後を有した。次にゼラチン−魚油エマルジョンを反応器内のアスコルビン酸ナトリウム溶液添加したところ、混合物はpH5.8前後であった。
【0191】
次に20%w/wリン酸でpH約4.7に調節して、約20μmの一次マイクロカプセルの凝集を形成した。複合コアセルベートが提供された。このようなマイクロカプセルは乳菜食、卵乳菜食、および半菜食に適するであろう。
【0192】
本発明の範囲と趣旨を逸脱することなく、本発明に様々な修正および変形を加えることができるのは、当業者には明らかであろう。本発明のその他の実施態様は、ここで開示される本発明の明細書および実施を考察すれば、当業者には明らかであろう。明細書および実施例は例示のみを意図し、本発明の真の範囲と趣旨は続く特許請求の範囲によって示される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一次マイクロカプセルおよび装填物の凝集を含んでなり、個々の各一次マイクロカプセルが一次シェルを有し、装填物が一次シェルによってカプセル化され、凝集が外側シェルによってカプセル化され、一次シェルおよび外側シェルが動物副産物でない、マイクロカプセル。
【請求項2】
装填物を含んでなるコアと、コア周囲の一次シェルと、一次シェル周囲の外側シェルとを含んでなり、一次シェルおよび外側シェルが動物副産物でない、単一コアマイクロカプセル。
【請求項3】
マイクロカプセルが固化防止化合物をさらに含んでなる、請求項1または2に記載のマイクロカプセル。
【請求項4】
キレート剤をさらに含んでなる、請求項1〜3のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
【請求項5】
キレート剤が、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、クエン酸、フィチン酸、リンゴ酸、酒石酸、シュウ酸、コハク酸、ポリリン酸、またはそれらの混合物の1つ以上を含んでなる、請求項1〜4のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
【請求項6】
一次シェルまたは外側シェル、または一次および外側シェルの双方が、タンパク質、ポリリン酸塩、多糖類、またはそれらの混合物を含んでなる、請求項1〜5のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
【請求項7】
一次シェルまたは外側シェル、または一次および外側シェルの双方が複合コアセルベートを含んでなる、請求項1〜6のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
【請求項8】
一次シェルまたは外側シェル、または一次および外側シェルの双方が、乳清タンパク質単離物を含んでなる、請求項1〜7のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
【請求項9】
一次シェルまたは外側シェル、または一次および外側シェルの双方がダイズタンパク質単離物を含んでなる、請求項1〜8のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
【請求項10】
一次シェルまたは外側シェル、または一次および外側シェルの双方がカゼインを含んでなる、請求項1〜9のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
【請求項11】
一次シェルまたは外側シェル、または一次および外側シェルの双方がカゼイネートを含んでなる、請求項1〜10のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
【請求項12】
一次シェルまたは外側シェル、または一次および外側シェルの双方が卵白タンパク質を含んでなる、請求項1〜11のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
【請求項13】
一次シェルまたは外側シェル、または一次および外側シェルの双方が穀物プロラミンタンパク質を含んでなる、請求項1〜12のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
【請求項14】
一次シェルまたは外側シェル、または一次および外側シェルの双方が寒天を含んでなる、請求項1〜13のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
【請求項15】
一次シェルまたは外側シェル、または一次および外側シェルの双方がジェランガムを含んでなる、請求項1〜14のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
【請求項16】
一次シェルまたは外側シェル、または一次および外側シェルの双方がアラビアゴムを含んでなる、請求項1〜15のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
【請求項17】
一次シェルまたは外側シェル、または一次および外側シェルの双方がキサンタンガムを含んでなる、請求項1〜16のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
【請求項18】
一次シェルまたは外側シェル、または一次および外側シェルの双方が、ペクチンまたは低メトキシルペクチンの1つ以上を含んでなる、請求項1〜17のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
【請求項19】
一次シェルまたは外側シェル、または一次および外側シェルの双方が、ポリリン酸塩、アルギン酸塩、キトサン、カラゲナン、デンプン、加工デンプン、オリゴフルクタン、コンニャク、α−ラクトアルブミン、β−ラクトグロブリン、オボアルブミン、ポリソルビタン、マルトデキストリン、シクロデキストリン、セルロース、セルロースエーテル、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、乳タンパク質、カノーラタンパク質、アルブミン、キチン、ポリラクチド、ポリ−ラクチド−コ−グリコリド、誘導体化キチン、ポリ−リジン、ディリュータンガム、ローカストビーンガム、ウェランガム、キサンタンガム、またはその任意の組み合わせを含んでなる、請求項1〜18のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
【請求項20】
一次シェルまたは外側シェル、または一次および外側シェルの双方が、乳清タンパク質単離物と寒天の複合コアセルベートを含んでなる、請求項1〜19のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
【請求項21】
一次シェルまたは外側シェル、または一次および外側シェルの双方が、乳清タンパク質単離物とジェランガムの複合コアセルベートを含んでなる、請求項1〜20のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
【請求項22】
一次シェルまたは外側シェル、または一次および外側シェルの双方が、乳清タンパク質単離物とアラビアゴムの複合コアセルベートを含んでなる、請求項1〜21のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
【請求項23】
一次シェルまたは外側シェル、または一次および外側シェルの双方が、乳清タンパク質単離物とカゼイネートの複合コアセルベートを含んでなる、請求項1〜22のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
【請求項24】
一次シェルまたは外側シェル、または一次および外側シェルの双方が、ダイズタンパク質単離物と寒天の複合コアセルベートを含んでなる、請求項1〜23のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
【請求項25】
一次シェルまたは外側シェル、または一次および外側シェルの双方が、ダイズタンパク質単離物とジェランガムの複合コアセルベートを含んでなる、請求項1〜24のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
【請求項26】
一次シェルまたは外側シェル、または一次および外側シェルの双方が、ダイズタンパク質単離物とカゼイネートの複合コアセルベートを含んでなる、請求項1〜25のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
【請求項27】
一次シェルまたは外側シェル、または一次および外側シェルの双方が、エンドウマメタンパク質単離物とカゼイネートの複合コアセルベートを含んでなる、請求項1〜26のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
【請求項28】
一次シェルまたは外側シェル、または一次および外側シェルの双方が、乳清タンパク質単離物と低メトキシルペクチンの複合コアセルベートを含んでなる、請求項1〜27のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
【請求項29】
一次シェルまたは外側シェル、または一次および外側シェルの双方が厳格菜食に適する、請求項1〜28のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
【請求項30】
一次シェルまたは外側シェル、または一次および外側シェルの双方が乳菜食に適する、請求項1〜29のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
【請求項31】
一次シェルまたは外側シェル、または一次および外側シェルの双方が卵乳菜食に適する、請求項1〜30のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
【請求項32】
一次シェルまたは外側シェル、または一次および外側シェルの双方が、半菜食に適する請求項1〜31のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
【請求項33】
装填物が生物学的活性物質を含んでなる、請求項1〜32のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
【請求項34】
装填物が栄養補給剤を含んでなる、請求項1〜33のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
【請求項35】
装填物が微生物油を含んでなる、請求項1〜34のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
【請求項36】
装填物が海産油を含んでなる、請求項1〜35のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
【請求項37】
装填物が藻類油を含んでなる、請求項1〜36のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
【請求項38】
装填物が渦鞭毛藻類からの油を含んでなる、請求項1〜37のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
【請求項39】
装填物がクリプテコジニウム・コーニイ(Crypthecodinium cohnii)からの油を含んでなる、請求項1〜38のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
【請求項40】
装填物が真菌油を含んでなる、請求項1〜39のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
【請求項41】
装填物がスラウストキトリウム(Thraustochytrium)、シゾキトリウム(Schizochytrium)からの油、またはその混合物を含んでなる、請求項1〜40のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
【請求項42】
装填物が植物油を含んでなる、請求項1〜41のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
【請求項43】
装填物が魚油を含んでなる、請求項1〜42のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
【請求項44】
装填物が、大西洋魚油、太平洋魚油、地中海魚油、軽質圧搾魚油、アルカリ処理魚油、加熱処理魚油、軽質および重質褐色魚油、カツオ油、マイワシ油、マグロ油、スズキ油、オヒョウ油、フウライカジキ油、カマス油、タラ油、メンハーデン油、イワシ油、カタクチイワシ油、カラフトシシャモ油、大西洋タラ油、大西洋ニシン油、大西洋サバ油、大西洋メンハーデン油、サケ類油、またはサメ油を含んでなる、請求項1〜43のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
【請求項45】
装填物が非アルカリ処理魚油を含んでなる、請求項1〜44のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
【請求項46】
装填物がアラキドン酸を含んでなる、請求項1〜45のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
【請求項47】
装填物が、ω3脂肪酸、ω3脂肪酸のアルキルエステル、ω3脂肪酸のトリグリセリドエステル、ω3脂肪酸の植物ステロールエステル、および/またはその混合物を含んでなる、請求項1〜46のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
【請求項48】
装填物が、ドコサヘキサエン酸および/またはエイコサペンタエン酸、そのC〜Cアルキルエステル、そのトリグリセリドエステル、その植物ステロールエステル、および/またはその混合物を含んでなる、請求項1〜47のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
【請求項49】
外側シェルが約1μm〜約2,000μmの平均直径を有する、請求項1〜48のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
【請求項50】
外側シェルが約20μm〜約1,000μmの平均直径を有する、請求項1〜49のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
【請求項51】
外側シェルが約30μm〜約80μmの平均直径を有する、請求項1〜50のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
【請求項52】
一次シェルが約40nm〜約10μmの平均直径を有する、請求項1〜51のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
【請求項53】
一次シェルが約0.1μm〜約5μmの平均直径を有する、請求項1〜52のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
【請求項54】
装填物がマイクロカプセルの約20重量%〜約90重量%である、請求項1〜53のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
【請求項55】
装填物がマイクロカプセルの約50重量%〜約70重量%である、請求項1〜54のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
【請求項56】
装填物およびポリマー構成要素を含んでなり、装填物がポリマー構成要素で取り囲まれ、装填物が長鎖多価不飽和脂肪酸を含んでなり、ポリマー構成要素が動物副産物でない、マイクロカプセル。
【請求項57】
装填物がω3脂肪酸を含んでなる、請求項56に記載のマイクロカプセル。
【請求項58】
装填物が海産油を含んでなる、請求項56または57に記載のマイクロカプセル。
【請求項59】
装填物が魚油を含んでなる、請求項56〜58のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
【請求項60】
装填物が藻類油を含んでなる、請求項56〜59のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
【請求項61】
第1のポリマー構成要素および装填物を含んでなり、装填物が長鎖多価不飽和脂肪酸を含んでなり、第1のポリマー構成要素が動物副産物でない、エマルジョン。
【請求項62】
装填物がω3脂肪酸を含んでなる、請求項61に記載のエマルジョン。
【請求項63】
装填物が海産油を含んでなる、請求項61または62に記載のエマルジョン。
【請求項64】
装填物が魚油を含んでなる、請求項61〜63のいずれか一項に記載のエマルジョン。
【請求項65】
装填物が藻類油を含んでなる、請求項61〜64のいずれか一項に記載のエマルジョン。
【請求項66】
a.第1のポリマー構成要素、装填物、および第2のポリマー構成要素を含んでなり、第1および第2のポリマー構成要素が動物副産物でない、エマルジョンを提供するステップと、
b.pH、温度、濃度、混合速度、またはその組み合わせを調節して、第1および第2のポリマー構成要素を含んでなり装填物を取り囲む一次シェル材料を含んでなる水性混合物を形成するステップと、
c.一次シェル材料が凝集を形成するまで、一次シェル材料のゲル点を超える温度に水性混合物を冷却するステップと、
d.水性混合物をさらに冷却して凝集周囲に外側シェルを形成するステップと
を含んでなる、マイクロカプセルを調製する方法。
【請求項67】
ステップ(a)〜(d)のいずれかまたは全てが窒素雰囲気下で行われる、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
(e)マイクロカプセルを乾燥するステップをさらに含んでなる、請求項66または67に記載の方法。
【請求項69】
マイクロカプセルが噴霧乾燥される、請求項66〜68のいずれか一項に記載の方法。
【請求項70】
固化防止化合物を乾燥の前、最中、または後にマイクロカプセルに添加する、請求項66〜69のいずれか一項に記載の方法。
【請求項71】
抗酸化剤をエマルジョンおよび/または水性混合物に添加する、請求項66〜70のいずれか一項に記載の方法。
【請求項72】
抗酸化剤が、フェノール化合物、植物抽出物、イオウ含有化合物、またはアスコルビン酸またはその塩の1つ以上を含んでなる、請求項66〜71のいずれか一項に記載の方法。
【請求項73】
キレート剤をエマルジョンおよび/または水性混合物に添加する、請求項66〜72のいずれか一項に記載の方法。
【請求項74】
キレート剤が、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、クエン酸、フィチン酸、リンゴ酸、酒石酸、シュウ酸、コハク酸、ポリリン酸、またはその混合物の1つ以上を含んでなる、請求項66〜73のいずれか一項に記載の方法。
【請求項75】
エマルジョンが約1,000〜約15,000rpmでの乳化によって調製される、請求項66〜74のいずれか一項に記載の方法。
【請求項76】
第1のポリマー構成要素、第2のポリマー構成要素、または第1および第2のポリマー構成要素の双方が、タンパク質、ポリリン酸塩、多糖類、またはそれらの混合物を含んでなる、請求項66〜75のいずれか一項に記載の方法。
【請求項77】
第1のポリマー構成要素、第2のポリマー構成要素、または第1および第2のポリマー構成要素の双方が乳清タンパク質単離物を含んでなる、請求項66〜76のいずれか一項に記載の方法。
【請求項78】
第1のポリマー構成要素、第2のポリマー構成要素、または第1および第2のポリマー構成要素の双方がダイズタンパク質単離物を含んでなる、請求項66〜77のいずれか一項に記載の方法。
【請求項79】
第1のポリマー構成要素、第2のポリマー構成要素、または第1および第2のポリマー構成要素の双方がカゼインを含んでなる、請求項66〜78のいずれか一項に記載の方法。
【請求項80】
第1のポリマー構成要素、第2のポリマー構成要素、または第1および第2のポリマー構成要素の双方がカゼイネートを含んでなる、請求項66〜79のいずれか一項に記載の方法。
【請求項81】
第1のポリマー構成要素、第2のポリマー構成要素、または第1および第2のポリマー構成要素の双方が卵白タンパク質を含んでなる、請求項66〜80のいずれか一項に記載の方法。
【請求項82】
第1のポリマー構成要素、第2のポリマー構成要素、または第1および第2のポリマー構成要素の双方が穀物プロラミンタンパク質を含んでなる、請求項66〜81のいずれか一項に記載の方法。
【請求項83】
第1のポリマー構成要素、第2のポリマー構成要素、または第1および第2のポリマー構成要素の双方が寒天を含んでなる、請求項66〜82のいずれか一項に記載の方法。
【請求項84】
第1のポリマー構成要素、第2のポリマー構成要素、または第1および第2のポリマー構成要素の双方がジェランガムを含んでなる、請求項66〜83のいずれか一項に記載の方法。
【請求項85】
第1のポリマー構成要素、第2のポリマー構成要素、または第1および第2のポリマー構成要素の双方がアラビアゴムを含んでなる、請求項66〜84のいずれか一項に記載の方法。
【請求項86】
第1のポリマー構成要素、第2のポリマー構成要素、または第1および第2のポリマー構成要素の双方がキサンタンガムを含んでなる、請求項66〜85のいずれか一項に記載の方法。
【請求項87】
第1のポリマー構成要素、第2のポリマー構成要素、または第1および第2のポリマー構成要素の双方が、ペクチンまたは低メトキシルペクチンの1つ以上を含んでなる、請求項66〜86のいずれか一項に記載の方法。
【請求項88】
第1のポリマー構成要素、第2のポリマー構成要素、または第1および第2のポリマー構成要素の双方が、ポリリン酸塩、アルギン酸塩、キトサン、カラゲナン、デンプン、加工デンプン、オリゴフルクタン、コンニャク、α−ラクトアルブミン、β−ラクトグロブリン、オボアルブミン、ポリソルビタン、マルトデキストリン、シクロデキストリン、セルロース、セルロースエーテル、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、乳タンパク質、カノーラタンパク質、アルブミン、キチン、ポリラクチド、ポリ−ラクチド−コ−グリコリド、誘導体化キチン、ポリ−リジン、ディリュータンガム、ローカストビーンガム、ウェランガム、キサンタンガム、またはその任意の組み合わせを含んでなる、請求項66〜87のいずれか一項に記載の方法。
【請求項89】
一次シェルまたは外側シェル、または一次および外側シェルの双方が、複合コアセルベートを含んでなる、請求項66〜88のいずれか一項に記載の方法。
【請求項90】
一次シェルまたは外側シェル、または一次および外側シェルの双方が、乳清タンパク質単離物と寒天の複合コアセルベートを含んでなる、請求項66〜89のいずれか一項に記載の方法。
【請求項91】
一次シェルまたは外側シェル、または一次および外側シェルの双方が、乳清タンパク質単離物とジェランガムの複合コアセルベートを含んでなる、請求項66〜90のいずれか一項に記載の方法。
【請求項92】
一次シェルまたは外側シェル、または一次および外側シェルの双方が、乳清タンパク質単離物とアラビアゴムの複合コアセルベートを含んでなる、請求項66〜91のいずれか一項に記載の方法。
【請求項93】
一次シェルまたは外側シェル、または一次および外側シェルの双方が、乳清タンパク質単離物とカゼイネートの複合コアセルベートを含んでなる、請求項66〜92のいずれか一項に記載の方法。
【請求項94】
一次シェルまたは外側シェル、または一次および外側シェルの双方が、ダイズタンパク質単離物と寒天の複合コアセルベートを含んでなる、請求項66〜93のいずれか一項に記載の方法。
【請求項95】
一次シェルまたは外側シェル、または一次および外側シェルの双方が、ダイズタンパク質単離物とジェランガムの複合コアセルベートを含んでなる、請求項66〜94のいずれか一項に記載の方法。
【請求項96】
一次シェルまたは外側シェル、または一次および外側シェルの双方が、ダイズタンパク質単離物とカゼイネートの複合コアセルベートを含んでなる、請求項66〜95のいずれか一項に記載の方法。
【請求項97】
一次シェルまたは外側シェル、または一次および外側シェルの双方が、エンドウマメタンパク質単離物とカゼイネートの複合コアセルベートを含んでなる、請求項66〜96のいずれか一項に記載の方法。
【請求項98】
一次シェルまたは外側シェル、または一次および外側シェルの双方が、乳清タンパク質単離物と低メトキシルペクチンの複合コアセルベートを含んでなる、請求項66〜97のいずれか一項に記載の方法。
【請求項99】
一次シェルまたは外側シェル、または一次および外側シェルの双方が厳格菜食に適する、請求項66〜98のいずれか一項に記載の方法。
【請求項100】
一次シェルまたは外側シェル、または一次および外側シェルの双方が乳菜食に適する、請求項66〜99のいずれか一項に記載の方法。
【請求項101】
一次シェルまたは外側シェル、または一次および外側シェルの双方が卵乳菜食に適する、請求項66〜100のいずれか一項に記載の方法。
【請求項102】
一次シェルまたは外側シェル、または一次および外側シェルの双方が半菜食に適する、請求項66〜101のいずれか一項に記載の方法。
【請求項103】
装填物が生物学的活性物質を含んでなる、請求項66〜102のいずれか一項に記載の方法。
【請求項104】
装填物が栄養補給剤を含んでなる、請求項66〜103のいずれか一項に記載の方法。
【請求項105】
装填物が微生物油を含んでなる、請求項66〜104のいずれか一項に記載の方法。
【請求項106】
装填物が海産油を含んでなる、請求項66〜105のいずれか一項に記載の方法。
【請求項107】
装填物が藻類油を含んでなる、請求項66〜106のいずれか一項に記載の方法。
【請求項108】
装填物が渦鞭毛藻類からの油を含んでなる、請求項66〜107のいずれか一項に記載の方法。
【請求項109】
装填物がクリプテコジニウム・コーニイ(Crypthecodinium cohnii)からの油を含んでなる、請求項66〜108のいずれか一項に記載の方法。
【請求項110】
装填物が真菌油を含んでなる、請求項66〜109のいずれか一項に記載の方法。
【請求項111】
装填物が、スラウストキトリウム(Thraustochytrium)、シゾキトリウム(Schizochytrium)からの油、またはその混合物を含んでなる、請求項66〜110のいずれか一項に記載の方法。
【請求項112】
装填物が植物油を含んでなる、請求項66〜111のいずれか一項に記載の方法。
【請求項113】
装填物が魚油を含んでなる、請求項66〜112のいずれか一項に記載の方法。
【請求項114】
装填物が、大西洋魚油、太平洋魚油、地中海魚油、軽質圧搾魚油、アルカリ処理魚油、加熱処理魚油、軽質および重質褐色魚油、カツオ油、マイワシ油、マグロ油、スズキ油、オヒョウ油、フウライカジキ油、カマス油、タラ油、メンハーデン油、イワシ油、カタクチイワシ油、カラフトシシャモ油、大西洋タラ油、大西洋ニシン油、大西洋サバ油、大西洋メンハーデン油、サケ類油、またはサメ油を含んでなる、請求項66〜113のいずれか一項に記載の方法。
【請求項115】
装填物が非アルカリ処理魚油を含んでなる、請求項66〜114のいずれか一項に記載の方法。
【請求項116】
装填物がアラキドン酸を含んでなる、請求項66〜115のいずれか一項に記載の方法。
【請求項117】
装填物が、ω3脂肪酸、ω3脂肪酸のアルキルエステル、ω3脂肪酸のトリグリセリドエステル、ω3脂肪酸の植物ステロールエステル、および/またはその混合物を含んでなる、請求項66〜116のいずれか一項に記載の方法。
【請求項118】
装填物が、ドコサヘキサエン酸および/またはエイコサペンタエン酸、そのC〜Cアルキルエステル、そのトリグリセリドエステル、その植物ステロールエステル、および/またはその混合物を含んでなる、請求項66〜117のいずれか一項に記載の方法。
【請求項119】
装填物が水性混合物の約1重量%〜約50重量%の量で提供される、請求項66〜118のいずれか一項に記載の方法。
【請求項120】
冷却が約1〜約100分あたり約1℃の速度である、請求項66〜119のいずれか一項に記載の方法。
【請求項121】
冷却が約1℃/5分の速度である、請求項66〜120のいずれか一項に記載の方法。
【請求項122】
混合物が約5℃〜約10℃の温度に達するまで冷却される、請求項66〜121のいずれか一項に記載の方法。
【請求項123】
混合物が約5℃の温度に達するまで冷却される、請求項66〜122のいずれか一項に記載の方法。
【請求項124】
外側シェルが約1μm〜約2,000μmの平均直径を有する、請求項66〜123のいずれか一項に記載の方法。
【請求項125】
外側シェルが約20μm〜約1,000μmの平均直径を有する、請求項66〜124のいずれか一項に記載の方法。
【請求項126】
外側シェルが約30μm〜約80μmの平均直径を有する、請求項66〜125のいずれか一項に記載の方法。
【請求項127】
一次シェルが約40nm〜約10μmの平均直径を有する、請求項66〜126のいずれか一項に記載の方法。
【請求項128】
一次シェルが約0.1μm〜約5μmの平均直径を有する、請求項66〜127のいずれか一項に記載の方法。
【請求項129】
装填物がマイクロカプセルの20重量%〜90重量%である、請求項66〜128のいずれか一項に記載の方法。
【請求項130】
装填物がマイクロカプセルの50重量%〜70重量%である、請求項66〜129のいずれか一項に記載の方法。
【請求項131】
請求項66〜130のいずれか一項に記載の方法に従って調製されるマイクロカプセル。
【請求項132】
a.第1のポリマー構成要素、装填物、および第2のポリマー構成要素を含んでなり、第1および第2のポリマー構成要素が動物副産物でない、エマルジョンを提供するステップと、
b.pH、温度、濃度、混合速度、またはその組み合わせを調節して、第1および第2のポリマー構成要素を含んでなり装填物を取り囲む一次シェル材料を含んでなる水性混合物を形成するステップと、
c.一次シェル材料が凝集を形成するまで、一次シェル材料のゲル点を超える温度に水性混合物を冷却するステップと、
d.水性混合物をさらに冷却して凝集周囲に外側シェルを形成するステップと、
e.動物副産物でない第3のポリマー構成要素と凝集とを接触させるステップと、
f.pH、温度、濃度、混合速度、またはその組み合わせを調節して凝集の周囲に追加的外側シェルを形成するステップと
を含んでなる、マイクロカプセルを調製する方法。
【請求項133】
ステップ(a)〜(f)のいずれかまたは全てが窒素雰囲気下で行われる、請求項132に記載の方法。
【請求項134】
(g)マイクロカプセルを乾燥するステップをさらに含んでなる、請求項132または133に記載の方法。
【請求項135】
マイクロカプセルを噴霧乾燥する、請求項132〜134のいずれか一項に記載の方法。
【請求項136】
固化防止化合物を乾燥の前、最中、または後にマイクロカプセルに添加する、請求項132〜135のいずれか一項に記載の方法。
【請求項137】
抗酸化剤をエマルジョンおよび/または水性混合物に添加する、請求項132〜136のいずれか一項に記載の方法。
【請求項138】
抗酸化剤が、フェノール化合物、植物抽出物、イオウ含有化合物、またはアスコルビン酸またはその塩の1つ以上を含んでなる、請求項132〜137のいずれか一項に記載の方法。
【請求項139】
キレート剤をエマルジョンおよび/または水性混合物に添加する、請求項132〜138のいずれか一項に記載の方法。
【請求項140】
キレート剤が、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、クエン酸、フィチン酸、リンゴ酸、酒石酸、シュウ酸、コハク酸、ポリリン酸、またはその混合物の1つ以上を含んでなる、請求項132〜139のいずれか一項に記載の方法。
【請求項141】
エマルジョンが約1,000〜約15,000rpmでの乳化によって調製される、請求項132〜140のいずれか一項に記載の方法。
【請求項142】
第1のポリマー構成要素、第2のポリマー構成要素、および第3のポリマー構成要素の1つ以上が、タンパク質、ポリリン酸塩、多糖類、またはそれらの混合物を含んでなる、請求項132〜141のいずれか一項に記載の方法。
【請求項143】
第1のポリマー構成要素、第2のポリマー構成要素、および第3のポリマー構成要素の1つ以上が乳清タンパク質単離物を含んでなる、請求項132〜142のいずれか一項に記載の方法。
【請求項144】
第1のポリマー構成要素、第2のポリマー構成要素、および第3のポリマー構成要素の1つ以上がダイズタンパク質単離物を含んでなる、請求項132〜143のいずれか一項に記載の方法。
【請求項145】
第1のポリマー構成要素、第2のポリマー構成要素、および第3のポリマー構成要素の1つ以上がカゼインを含んでなる、請求項132〜144のいずれか一項に記載の方法。
【請求項146】
第1のポリマー構成要素、第2のポリマー構成要素、および第3のポリマー構成要素の1つ以上がカゼイネートを含んでなる、請求項132〜145のいずれか一項に記載の方法。
【請求項147】
第1のポリマー構成要素、第2のポリマー構成要素、および第3のポリマー構成要素の1つ以上が卵白タンパク質を含んでなる、請求項132〜146のいずれか一項に記載の方法。
【請求項148】
第1のポリマー構成要素、第2のポリマー構成要素、および第3のポリマー構成要素の1つ以上が穀物プロラミンタンパク質を含んでなる、請求項132〜147のいずれか一項に記載の方法。
【請求項149】
第1のポリマー構成要素、第2のポリマー構成要素、および第3のポリマー構成要素の1つ以上が寒天を含んでなる、請求項132〜148のいずれか一項に記載の方法。
【請求項150】
第1のポリマー構成要素、第2のポリマー構成要素、および第3のポリマー構成要素の1つ以上がジェランガムを含んでなる、請求項132〜149のいずれか一項に記載の方法。
【請求項151】
第1のポリマー構成要素、第2のポリマー構成要素、および第3のポリマー構成要素の1つ以上がアラビアゴムを含んでなる、請求項132〜150のいずれか一項に記載の方法。
【請求項152】
第1のポリマー構成要素、第2のポリマー構成要素、および第3のポリマー構成要素の1つ以上がキサンタンガムを含んでなる、請求項132〜151のいずれか一項に記載の方法。
【請求項153】
第1のポリマー構成要素、第2のポリマー構成要素、および第3のポリマー構成要素の1つ以上が、ペクチンまたは低メトキシルペクチンの1つ以上を含んでなる、請求項132〜152のいずれか一項に記載の方法。
【請求項154】
第1のポリマー構成要素、第2のポリマー構成要素、および第3のポリマー構成要素の1つ以上が、ポリリン酸塩、アルギン酸塩、キトサン、カラゲナン、デンプン、加工デンプン、オリゴフルクタン、コンニャク、α−ラクトアルブミン、β−ラクトグロブリン、オボアルブミン、ポリソルビタン、マルトデキストリン、シクロデキストリン、セルロース、セルロースエーテル、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、乳タンパク質、カノーラタンパク質、アルブミン、キチン、ポリラクチド、ポリ−ラクチド−コ−グリコリド、誘導体化キチン、ポリ−リジン、ディリュータンガム、ローカストビーンガム、ウェランガム、キサンタンガム、またはその任意の組み合わせを含んでなる、請求項132〜153のいずれか一項に記載の方法。
【請求項155】
一次シェル、外側シェル、および追加的外側シェルの1つ以上が複合コアセルベートを含んでなる、請求項132〜154のいずれか一項に記載の方法。
【請求項156】
一次シェル、外側シェル、および追加的外側シェルの1つ以上が、乳清タンパク質単離物と寒天の複合コアセルベートを含んでなる、請求項132〜155のいずれか一項に記載の方法。
【請求項157】
一次シェル、外側シェル、および追加的外側シェルの1つ以上が、乳清タンパク質単離物とジェランガムの複合コアセルベートを含んでなる、請求項132〜156のいずれか一項に記載の方法。
【請求項158】
一次シェル、外側シェル、および追加的外側シェルの1つ以上が、乳清タンパク質単離物とアラビアゴムの複合コアセルベートを含んでなる、請求項132〜157のいずれか一項に記載の方法。
【請求項159】
一次シェル、外側シェル、および追加的外側シェルの1つ以上が、乳清タンパク質単離物とカゼイネートの複合コアセルベートを含んでなる、請求項132〜158のいずれか一項に記載の方法。
【請求項160】
一次シェル、外側シェル、および追加的外側シェルの1つ以上が、ダイズタンパク質単離物と寒天の複合コアセルベートを含んでなる、請求項132〜159のいずれか一項に記載の方法。
【請求項161】
一次シェル、外側シェル、および追加的外側シェルの1つ以上が、ダイズタンパク質単離物とジェランガムの複合コアセルベートを含んでなる、請求項132〜160のいずれか一項に記載の方法。
【請求項162】
一次シェル、外側シェル、および追加的外側シェルの1つ以上が、ダイズタンパク質単離物とカゼイネートの複合コアセルベートを含んでなる、請求項132〜161のいずれか一項に記載の方法。
【請求項163】
一次シェル、外側シェル、および追加的外側シェルの1つ以上が、エンドウマメタンパク質単離物とカゼイネートの複合コアセルベートを含んでなる、請求項132〜162のいずれか一項に記載の方法。
【請求項164】
一次シェル、外側シェル、および追加的外側シェルの1つ以上が、乳清タンパク質単離物と低メトキシルペクチンの複合コアセルベートを含んでなる、請求項132〜163のいずれか一項に記載の方法。
【請求項165】
装填物が生物学的活性物質を含んでなる、請求項132〜164のいずれか一項に記載の方法。
【請求項166】
装填物が栄養補給剤を含んでなる、請求項132〜165のいずれか一項に記載の方法。
【請求項167】
装填物が微生物油を含んでなる、請求項132〜166のいずれか一項に記載の方法。
【請求項168】
装填物が海産油を含んでなる、請求項132〜167のいずれか一項に記載の方法。
【請求項169】
装填物が藻類油を含んでなる、請求項132〜168のいずれか一項に記載の方法。
【請求項170】
装填物が渦鞭毛藻類からの油を含んでなる、請求項132〜169のいずれか一項に記載の方法。
【請求項171】
装填物がクリプテコジニウム・コーニイ(Crypthecodinium cohnii)からの油を含んでなる、請求項132〜170のいずれか一項に記載の方法。
【請求項172】
装填物が真菌油を含んでなる、請求項132〜171のいずれか一項に記載の方法。
【請求項173】
装填物が、スラウストキトリウム(Thraustochytrium)、シゾキトリウム(Schizochytrium)からの油、またはその混合物を含んでなる、請求項132〜172のいずれか一項に記載の方法。
【請求項174】
装填物が植物油を含んでなる、請求項132〜173のいずれか一項に記載の方法。
【請求項175】
装填物が魚油を含んでなる、請求項132〜174のいずれか一項に記載の方法。
【請求項176】
装填物が、大西洋魚油、太平洋魚油、地中海魚油、軽質圧搾魚油、アルカリ処理魚油、加熱処理魚油、軽質および重質褐色魚油、カツオ油、マイワシ油、マグロ油、スズキ油、オヒョウ油、フウライカジキ油、カマス油、タラ油、メンハーデン油、イワシ油、カタクチイワシ油、カラフトシシャモ油、大西洋タラ油、大西洋ニシン油、大西洋サバ油、大西洋メンハーデン油、サケ類油、またはサメ油を含んでなる、請求項132〜175のいずれか一項に記載の方法。
【請求項177】
装填物が非アルカリ処理魚油を含んでなる、請求項132〜176のいずれか一項に記載の方法。
【請求項178】
装填物がアラキドン酸を含んでなる、請求項132〜177のいずれか一項に記載の方法。
【請求項179】
装填物が、ω3脂肪酸、ω3脂肪酸のアルキルエステル、ω3脂肪酸のトリグリセリドエステル、ω3脂肪酸の植物ステロールエステル、および/またはその混合物を含んでなる、請求項132〜178のいずれか一項に記載の方法。
【請求項180】
装填物が、ドコサヘキサエン酸および/またはエイコサペンタエン酸、そのC〜Cアルキルエステル、そのトリグリセリドエステル、その植物ステロールエステル、および/またはその混合物を含んでなる、請求項132〜179のいずれか一項に記載の方法。
【請求項181】
装填物が水性混合物の約1重量%〜約50重量%の量で提供される、請求項132〜180のいずれか一項に記載の方法。
【請求項182】
冷却が約1〜約100分あたり約1℃の速度である、請求項132〜181のいずれか一項に記載の方法。
【請求項183】
冷却が約1℃/5分の速度である、請求項132〜182のいずれか一項に記載の方法。
【請求項184】
混合物が約5℃〜約10℃の温度に達するまで冷却される、請求項132〜183のいずれか一項に記載の方法。
【請求項185】
混合物が約5℃の温度に達するまで冷却される、請求項132〜184のいずれか一項に記載の方法。
【請求項186】
外側シェルが約1μm〜約2,000μmの平均直径を有する、請求項132〜185のいずれか一項に記載の方法。
【請求項187】
外側シェルが約20μm〜約1,000μmの平均直径を有する、請求項132〜186のいずれか一項に記載の方法。
【請求項188】
外側シェルが約30μm〜約80μmの平均直径を有する、請求項132〜187のいずれか一項に記載の方法。
【請求項189】
一次シェルが約40nm〜約10μmの平均直径を有する、請求項132〜188のいずれか一項に記載の方法。
【請求項190】
一次シェルが約0.1μm〜約5μmの平均直径を有する、請求項132〜189のいずれか一項に記載の方法。
【請求項191】
装填物がマイクロカプセルの20重量%〜90重量%である、請求項132〜190のいずれか一項に記載の方法。
【請求項192】
装填物がマイクロカプセルの50重量%〜70重量%である、請求項132〜191のいずれか一項に記載の方法。
【請求項193】
請求項132〜192のいずれか一項に記載の方法に従って調製されるマイクロカプセル。
【請求項194】
請求項1〜60、131、および193のいずれか一項に記載のマイクロカプセル、または請求項61〜65のいずれか一項に記載のエマルジョンを含んでなる、製剤ビヒクル。
【請求項195】
製剤ビヒクルが食材、飲料、栄養補給食品製剤、または医薬製剤である、請求項194に記載の製剤ビヒクル。
【請求項196】
請求項1〜60、131、および193のいずれか一項に記載のマイクロカプセルを含んでなる小袋。
【請求項197】
請求項1〜60、131、および193のいずれか一項に記載のマイクロカプセル、請求項61〜65のいずれか一項に記載のエマルジョン、または請求項194または195に記載の製剤ビヒクルを対象に投与するステップを含んでなる、装填物を対象に送達する方法。
【請求項198】
対象が哺乳類である、請求項197に記載の方法。
【請求項199】
対象がヒトである、請求項197に記載の方法。
【請求項200】
装填物がω3脂肪酸、ω3脂肪酸のアルキルエステル、ω3脂肪酸のトリグリセリドエステル、ω3脂肪酸の植物ステロールエステル、および/またはその混合物を含んでなる、請求項197に記載の方法。
【請求項201】
装填物を対象に送達する薬剤を調製するための請求項1〜60、131、および193のいずれか一項に記載のマイクロカプセルの使用。

【公表番号】特表2010−515455(P2010−515455A)
【公表日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−545586(P2009−545586)
【出願日】平成20年1月9日(2008.1.9)
【国際出願番号】PCT/US2008/000301
【国際公開番号】WO2008/085997
【国際公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【出願人】(505113791)オーシャン ニュートリッション カナダ リミテッド (5)
【Fターム(参考)】