説明

蓄電デバイス、および蓄電デバイスの接続方法

【課題】高い安全性を有する蓄電デバイスを提供する。
【解決手段】蓄電デバイス100は、正極端子および負極端子16を有する蓄電セル10と、正極端子および負極端子16の一方の電極端子と、出力端子部30と、を電気的に分離および接続可能なスイッチ部40と、を含む。スイッチ部40は端子16と電気的に接続された導電部材50と、導電部材50と出力端子部30との間に出し入れ可能に配置された絶縁部材80を有し、絶縁部材80が導電部材50と出力端子部30との間に挿入されて電気的に分離される。また、絶縁部材80が外されることにより電気的に接続される。さらに。スイッチ部40は導電部材及び出力端子部30を貫通するネジ部72を有し、ネジ部72の締め付けにより導電部材50は出力端子部30に接触される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電デバイス、および蓄電デバイスの接続方法に関する。
【背景技術】
【0002】
正極および負極を備えた電極積層体を、電解液とともに外装体の内部に収容して密閉した構造の密閉型蓄電セルが知られている。このような蓄電セルの形態として、例えば、高電圧を有するリチウムイオンキャパシタが知られている。
【0003】
近年、このような蓄電セルの更なる高出力化・高電圧化を図るため、複数の蓄電セルを直列に接続した積層型の形態が知られている。例えば、特許文献1には、ラミネートフィルムを外装体として備えた蓄電セルを、積層させた形態が開示されている。特許文献2には、角形の外装缶を外装体として備えた蓄電セルを、積層させた形態が開示されている。特許文献3には、蓄電セル(単電池)同士を導通させてなる組電池において、蓄電セルを積層後に導通ワッシャーを回転させることにより、組電池内の複数の蓄電セルを一度に接続できることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−236605号公報
【特許文献2】特開2008−166191号公報
【特許文献3】特開2005−116444号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような蓄電セルを備えた蓄電デバイスを、電圧を印加する対象となる被接続部に電気的に接続する際に、例えば、蓄電デバイスの出力端子と、被接続部の端子と、を接続させると同時に被接続部に電圧が印加される場合がある。蓄電デバイスを被接続部に電気的に接続させる際には、作業者が蓄電デバイスや被接続部の端子に触れてしまう場合もある。上記のように蓄電セルは、高出力化・高電圧化が図られているため、高い安全性を有する蓄電デバイスが要求されている。特に、直列に接続された蓄電セルを備えた蓄電デバイスを、電圧を印加する対象となる被接続部に電気的に接続する場合は、蓄電セル間での電圧と比べて非常に高い電圧が蓄電デバイスにかかっており、より高い安全性が要求される。
【0006】
本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、高い安全性を有する蓄電デバイスを提供することにある。また、本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、高い安全性を有する蓄電デバイスの接続方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することができる。
【0008】
[適用例1]
本発明に係る蓄電デバイスの一態様は、
正極端子および負極端子を有する蓄電セルと、
前記正極端子および前記負極端子の一方の電極端子と、出力端子部と、を電気的に分離および接続可能なスイッチ部と、
を含む。
【0009】
なお、本発明に係る記載では、「電気的に接続」という文言を、例えば、「特定の部材(以下「A部材」という)に「電気的に接続」された他の特定の部材(以下「B部材」という)」などと用いている。本発明に係る記載では、この例のような場合に、A部材とB部材とが、直接接して電気的に接続されているような場合と、A部材とB部材とが、他の部材を介して電気的に接続されているような場合とが含まれるものとして、「電気的に接続」という文言を用いている。
【0010】
[適用例2]
適用例1において、
前記スイッチ部は、
前記電極端子と電気的に接続された導電部材と、
前記導電部材と前記出力端子部との間に出し入れ可能に配置された絶縁部材と、
を有し、
前記絶縁部材が前記導電部材と前記出力端子部との間に挿入された第1状態で、前記電極端子は、前記出力端子部と電気的に分離され、
前記絶縁部材が前記導電部材と前記出力端子部との間から外された第2状態で、前記電極端子は、前記出力端子部と電気的に接続されてもよい。
【0011】
[適用例3]
適用例2において、
前記スイッチ部は、
前記導電部材および前記出力端子部を貫通するネジ部を、さらに有し、
前記導電部材は、絶縁性のネジホルダー部を介して、前記ネジ部に固定され、
前記第2状態において、前記ネジ部を締めることにより、前記導電部材は、前記出力端子部に接触されてもよい。
【0012】
[適用例4]
適用例1において、
前記スイッチ部は、
前記電極端子と電気的に接続された導電部材と、
前記導電部材および前記出力端子部を貫通する絶縁部材と、
前記絶縁部材を載置する載置部と、
を有し、
前記載置部は、第1凹凸部を有し、
前記絶縁部材は、第2凹凸部を有し、
前記第1凹凸部の凸部と前記第2凹凸部の凸部とが接触された第1状態で、前記導電部材は、前記出力端子部と離間され、
前記第1凹凸部の凸部と前記第2凹凸部の凹部とが接触された第2状態で、前記導電部材は、前記出力端子部と接触されてもよい。
【0013】
[適用例5]
適用例4において、
前記スイッチ部は、
前記絶縁部材および前記載置部を貫通するネジ部を、さらに有し、
前記第2状態において、前記ネジ部を締めることにより、前記導電部材は、前記出力端子部に接触されてもよい。
【0014】
[適用例6]
適用例1において、
前記スイッチ部は、
前記出力端子部と電気的に接続された、導電性を有する第1弾性部と、
前記電極端子と電気的に接続され、前記第1弾性部と離間された、導電性を有する第2弾性部と、
前記第1弾性部と前記第2弾性部との間に、出し入れ可能に配置された第1導電部と、
を有し、
前記第1導電部が前記第1弾性部と前記第2弾性部との間に挿入された状態で、前記第1弾性部と前記第2弾性部とは、電気的に接続されてもよい。
【0015】
[適用例7]
適用例6において、
前記電極端子に接続された、導電性を有する端子接続部材を、さらに有し、
前記第1弾性部は、前記出力端子部の第1支持部に支持され、
前記第2弾性部は、前記端子接続部材の第2支持部に支持され、
前記第1支持部および前記第2支持部は、互いに対向配置されていてもよい。
【0016】
[適用例8]
適用例7において、
前記スイッチ部は、
前記第1支持部の前記第1弾性部とは反対側に支持された、導電性を有する第3弾性部と、
前記第2支持部の前記第2弾性部とは反対側に支持された、導電性を有する第4弾性部と、
前記第1導電部と電気的に接続された第2導電部および第3導電部と、
を、さらに有し、
前記第2導電部は、前記挿入された状態において、前記第3弾性部と接触し、
前記第3導電部は、前記挿入された状態において、前記第4弾性部と接触してもよい。
【0017】
[適用例9]
適用例1ないし8のいずれか1例において、
前記スイッチ部は、前記負極端子と電気的に接続されていてもよい。
【0018】
[適用例10]
適用例1ないし9のいずれか1例において、
前記蓄電セルは、複数設けられ、
複数の前記蓄電セルは、直列に接続されていてもよい。
【0019】
[適用例11]
適用例1ないし10のいずれか1例において、
前記蓄電セルは、リチウムイオンキャパシタであってもよい。
【0020】
[適用例12]
本発明に係る蓄電デバイスの接続方法の一態様は、
正極端子および負極端子を有する蓄電セルと出力端子部とを備えた蓄電デバイスを、被接続部と電気的に接続させる蓄電デバイスの接続方法であって、
前記正極端子および前記負極端子の一方の電極端子と、前記出力端子部と、を電気的に分離させた状態で、前記出力端子部と前記被接続部とを電気的に接続する第1工程と、
前記第1工程の後に、前記電極端子と前記出力端子部とを電気的に接続する第2工程と、
を含み、
前記電極端子と前記出力端子部との電気的な分離および接続は、スイッチ部によって行われる。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る蓄電デバイスによれば、正極端子および負極端子の一方の電極端子と、出力端子部と、を電気的に分離および接続可能なスイッチ部を有する。これにより、まず、電極端子と出力端子部とを電気的に分離させた状態で、出力端子部と被接続部とを電気的に接続することができる。その後、電極端子と出力端子部とを電気的に接続することができる。したがって、本発明に係る蓄電デバイスでは、出力端子部と、被接続部の端子と、を接続させると同時に被接続部に電圧が印加されることがなく、高い安全性を有することができる。例えば、蓄電デバイスの出力端子と、被接続部の端子と、を接続する際に作業者が端子に触れてしまう場合があり、蓄電デバイスの出力端子と、被接続部の端子と、を接続させると同時に被接続部に電圧が印加されると、安全性が低下してしまう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】第1の実施形態に係る蓄電デバイスを模式的に示す斜視図。
【図2】第1の実施形態に係る蓄電デバイスを模式的に示す断面図。
【図3】第1の実施形態に係る蓄電デバイスのスイッチ部近傍を模式的に示す断面図。
【図4】第1の実施形態に係る蓄電デバイスのスイッチ部近傍を模式的に示す断面図。
【図5】第1の実施形態に係る蓄電デバイスのスイッチ部近傍を模式的に示す斜視図。
【図6】第1の実施形態に係る蓄電デバイスのスイッチ部近傍を模式的に示す断面図。
【図7】第1の実施形態に係る蓄電デバイスのスイッチ部近傍を模式的に示す断面図。
【図8】第1の実施形態に係る蓄電デバイスのスイッチ部近傍を模式的に示す斜視図。
【図9】第1の実施形態に係る蓄電デバイスの絶縁部材を模式的に示す平面図。
【図10】第1の実施形態に係る蓄電デバイスの蓄電セルを模式的に示す断面図。
【図11】第1の実施形態の変形例に係る蓄電デバイスを模式的に示す断面図。
【図12】第2の実施形態に係る蓄電デバイスを模式的に示す斜視図。
【図13】第2の実施形態に係る蓄電デバイスを模式的に示す平面図。
【図14】第2の実施形態に係る蓄電デバイスのスイッチ部近傍を模式的に示す断面図。
【図15】第2の実施形態に係る蓄電デバイスのスイッチ部近傍を模式的に示す断面斜視図。
【図16】第2の実施形態に係る蓄電デバイスのスイッチ部近傍を模式的に示す断面図。
【図17】第2の実施形態に係る蓄電デバイスのスイッチ部近傍を模式的に示す断面斜視図。
【図18】第2の実施形態に係る蓄電デバイスの基部を模式的に示す平面図。
【図19】第2の実施形態に係る蓄電デバイスの絶縁部材を模式的に示す平面図。
【図20】第2の実施形態の変形例に係る蓄電デバイスを模式的に示す平面図。
【図21】第3の実施形態に係る蓄電デバイスを模式的に示す平面図。
【図22】第3の実施形態に係る蓄電デバイスを模式的に示す平面図。
【図23】第3の実施形態に係る蓄電デバイスを模式的に示す斜視図。
【図24】第3の実施形態に係る蓄電デバイスを模式的に示す平面図。
【図25】第3の実施形態に係る蓄電デバイスを模式的に示す断面図。
【図26】第3の実施形態に係る蓄電デバイスの第1弾性部材を模式的に示す斜視図。
【図27】第3の実施形態に係る蓄電デバイスのプラグ部を模式的に示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0024】
1. 第1の実施形態
1.1. 第1の実施形態に係る蓄電デバイス
まず、第1の実施形態に係る蓄電デバイスについて、図面を参照しなら説明する。図1は、第1の実施形態に係る蓄電デバイス100を模式的に示す斜視図である。図2は、第1の実施形態に係る蓄電デバイス100を模式的に示す図1のA−A線断面図である。
【0025】
蓄電デバイス100は、図1および図2に示すように、蓄電セル10と、基体20と、蓋体29と、出力端子部30と、スイッチ部40と、を含むことができる。なお、図2では、便宜上、出力端子部30の図示を省略し、スイッチ部40を簡略化して図示している。
【0026】
蓄電セル10の形態としては、リチウムイオンキャパシタ、二次電池などを例示することができる。蓄電セル10は、外装体12と、正極端子14と、負極端子16と、を有することができる。
【0027】
外装体12は、正極、負極、および電解液を収容している。外装体12の形状は、正極、負極、および電解液を収容することができれば特に限定されないが、図2に示す例では、2枚のラミネートフィルムを張り合わせたラミネート型である。なお、図2では、便宜上、外装体12内に収容される正極や負極等を省略して図示している。
【0028】
ラミネートフィルムとしては、例えば、アルミニウム箔や銅箔などの金属箔を、ポリプロピレンやナイロンなどの合成樹脂で挟んだものを用いることができる。このようなフィルム状の外装体12を用いることにより、例えば、金属等からなる硬質の外装体(金属缶等)を用いる場合に比べて、蓄電セル10の小型化や軽量化を図ることができる。
【0029】
正極端子14および負極端子16は、図2に示すように、外装体12から延出して(突出して)設けられている。より具体的には、正極端子14および負極端子16は、外装体12の密閉性を保持した状態で、外装体12の内側から外側まで延出している。正極端子14および負極端子16は、例えば、外装体12から互いに反対方向に延出している。図2に示す例では、正極端子14は、+Y軸側に延出し、負極端子16は、−Y軸側に延出している。端子14,16の少なくとも一部は、蓋体29から露出している。
【0030】
正極端子14は、外装体12内の正極と電気的に接続されている。負極端子16は、外装体12内の負極と電気的に接続されている。正極端子16の材質としては、例えば、アルミニウムが挙げられる。負極端子16の材質としては、例えば、銅、ニッケルが挙げられる。なお、外装体12の内部構造については、後述する。
【0031】
基体20は、蓄電セル10を支持している。基体20の形状は、蓄電セル10を支持できれば、特に限定されない。基体20の材質としては、絶縁性であれば特に限定されないが、例えば、プラスチック等の樹脂が挙げられる。
【0032】
蓋体29は、蓄電セル10を覆っている。蓋体29の形状は、蓄電セル10を覆うことができれば、特に限定されない。蓋体29の材質としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅等の金属や、樹脂などが挙げられるが、蓄電セル10の放熱性を考慮すると、金属が好ましい。蓋体29は、基体20に固定されていてもよい。蓋体29および基体20によって、蓄電セル10は挟持されていてもよい。図示の例では、蓋体29および基体20は、蓄電セル10をZ軸方向において挟持している。
【0033】
スイッチ部40は、正極端子14および負極端子16の一方の電極端子と電気的に接続されている。図示の例では、スイッチ部40は、負極端子16と電気的に接続されているが、正極端子14と電気的に接続されていてもよい。また、スイッチ部40は、2つ設けられ、正極端子14および負極端子16の両端子と電気的に接続されていてもよい。
【0034】
以下、スイッチ部40および出力端子部30の構成等について、図面を参照しながら説明する。図3は、第1の実施形態に係る蓄電デバイス100のスイッチ部40近傍を模式的に示す断面図である。図4は、図3に示すスイッチ部40の挿入部83近傍を模式的に示す断面図である。図5は、第1の実施形態に係る蓄電デバイス100のスイッチ部40近傍を模式的に示す斜視図である。図6は、第1の実施形態に係る蓄電デバイス100のスイッチ部40近傍を模式的に示す断面図である。図7は、図6に示すスイッチ部40の挿入部83近傍を模式的に示す断面図である。図8は、第1の実施形態に係る蓄電デバイス100のスイッチ部40近傍を模式的に示す斜視図である。なお、図5および図8では、便宜上、基体20および蓋体29の図示を省略している。
【0035】
スイッチ部40は、正極端子14および負極端子16の一方の電極端子と、出力端子部30と、を電気的に分離および接続することができる。図3〜図5は、負極端子16と出力端子部30とが電気的に分離された状態を示している。図6〜図8は、負極端子16と出力端子部30とが電気的に接続された状態を示している。
【0036】
出力端子部30は、例えば、蓋体29から露出した状態で、基体20に支持されている。出力端子部30の形状は、特に限定されないが、図示の例では、出力端子部30は、基体20に形成された開口部22内に配置された第1部分31と、スイッチ部40の導電部材50に接触可能な第2部分32と、被接触部1000と接続される第3部分33と、を有している。
【0037】
ここで、被接続部1000は、例えば、蓄電デバイス100の電圧を印加する対象物であり、その形態は、特に限定されない。図示はしないが、より具体的には、被接続部1000の一方の端子を出力端子部30と接続させ、被接続部1000の他方の端子を正極端子14と接続させることにより、蓄電デバイス100の電圧を被接続部1000に印加することができる。例えば、蓄電デバイス100と被接続部1000とを電気的に接続させることにより、蓄電デバイス100を充電させることができてもよい。なお、図1,2,5,8では、便宜上、被接続部1000の図示を省略している。
【0038】
第1部分31は、図3および図6に示すように、例えば、Z軸に沿って延在し、基板20に形成された開口部22に引っ掛かる形状を有している。第2部分32は、例えば、第1部分31と連続し、Y軸に沿って延在している。第2部分32には、図3および図6に示すように、開口部34,35が形成されていてもよい。開口部34,35は、第2部分32をZ軸に沿って貫通している。開口部34内には、ネジ部72およびネジホルダー部60が配置されている。開口部35内には、基体20の突出部24が配置されている。開口部35内に基板20の突出部24が配置され、出力端子部30の第1部分31が開口部22内に配置されることにより、出力端子部30は、基体20に支持されることができる。
【0039】
第3部分33は、例えば、第2部分32と連続し、Z軸に沿って延在している。第3部分33には、開口部36が形成されている。開口部36は、例えば、第3部分33をY軸に沿って貫通している。開口部36によって、第3部分33は、被接続部1000と接続されることができる。図示はしないが、より具体的には、被接続部1000の端子を開口部36に通してネジ留めすることにより、被接続部1000を第3部分33に接続させることができる。
【0040】
出力端子部30の材質は、導電性であれば特に限定されないが、例えば、アルミニウム、銅が挙げられる。
【0041】
スイッチ部40は、例えば、蓋体29から露出した状態で、基体20に支持されている。スイッチ部40は、図3〜図8に示すように、導電部材50と、押え部58と、ネジホルダー部60と、ネジ部70,72と、絶縁部材80と、を有することができる。
【0042】
導電部材50は、負極端子16と電気的に接続されている。導電部材50は、負極端子16と接触する電極端子接触部51を有することができる。電極端子接触部51は、図3および図6に示すように、例えば、Z軸に沿って延在している。図示の例では、負極端子16は、電極端子接触部51と押え部58とによって挟持される被挟持部17を有している。被挟持部17は、例えば、Z軸に沿って延在している。図示のように、被挟持部17を電極端子接触部51と押え部58とによって挟持した状態で、電極端子接触部51、被挟持部17、および押え部58にネジ部70を通して固定することにより、より確実に、電極端子接触部51と被挟持部17とを接触させることができる。
【0043】
導電部材50の材質は、導電性であれば特に限定されず、例えば、アルミニウム、銅等が挙げられる。押え部50の材質は、特に限定されず、導電性であっても、絶縁性であってもよい。
【0044】
導電部材50は、さらに、電極端子接触部51と連続し湾曲した形状の湾曲部52と、湾曲部52と連続しZ軸に沿って延在する延在部53と、延在部53と連続し出力端子部30と接触可能な出力端子接触部54と、を有することができる。
【0045】
湾曲部52には、図5および図8に示すように、スリット部55が形成されていてもよい。これにより、導電部材50は、ばね性を有することができ、ネジ部72の締緩に従って、容易にZ軸に沿って移動することができる。
【0046】
出力端子接触部54は、図3および図6に示すように、例えばY軸に沿って延在し、出力端子部30の第2部分32の上方(+Z軸側)に配置されている。図3および図4に示す例では、出力端子接触部54は、第2部分32と、絶縁部材80の挿入部83を介して、対向配置されている。図6および図7に示す例では、出力端子接触部54は、第2部分32と接触している。
【0047】
出力端子接触部54には、図4および図6に示すように、開口部56が形成されている。開口部56は、出力端子接触部54をZ軸に沿って貫通している。開口部56内には、ネジホルダー部60およびネジ部72が配置されている。
【0048】
なお、導電部材50の形状は、図示の例に限定されず、例えば、導電部材50は、負極端子16と一体的に形成されていてもよく、溶接などで接続されていてもよい。
【0049】
ネジホルダー部60は、例えば、導電部材50の出力端子接触部54の上面(+Z軸側の面)および開口部56内に配置されている。出力端子接触部54は、ネジホルダー部60に固定されていてもよい。これにより、ネジ部72の締緩に従ってネジホルダー部60がZ軸に沿って移動する際に、ネジホルダー部60の移動に伴って、出力端子接触部54も移動することができる。すなわち、導電部材50は、ネジホルダー部60を介して、ネジ部72に固定されているといえる。
【0050】
ネジホルダー部60には、例えば、開口部62が形成されている。開口部62は、例えば、ネジホルダー部60をZ軸に沿って貫通している。開口部62内には、ネジ部72が配置されている。ネジホルダー部60の形状は、開口部62内にネジ部72を保持できれば、特に限定されない。
【0051】
ネジホルダー部60の材質は、絶縁性であれば特に限定されず、例えば、フェノール樹脂やメラミン樹脂などの熱硬化性樹脂を挙げることができる。ネジホルダー部60として熱硬化性樹脂を用いることにより、仮に、電流を流すことにより導電部材50が発熱したとしても、安定してネジホルダー部60の形状を維持することができる。
【0052】
ネジ部72は、例えば、ネジホルダー部60に形成された開口部62、導電部材50に形成された開口部56、出力端子部30に形成された開口部34、および基体20に形成された開口部26内に配置されている。図3および図6に示す例では、ネジ部72は、ネジホルダー部60、導電部材50の出力端子接触部54、出力端子部30の第2部分32、および基体20を貫通し、ネジ部72の先端部74にナット76が装着されている。ネジ部72は、締緩によりZ軸に沿って移動することができる。
【0053】
絶縁部材80は、例えば、基体20に支持されている。絶縁部材80は、出力端子部30の第2部分32上(+Z軸側)に配置されていてもよい。絶縁部材80の材質は、絶縁性であれば特に限定されず、例えば、フェノール樹脂やメラミン樹脂などの熱硬化性樹脂を挙げることができる。絶縁部材部80として熱硬化性樹脂を用いることによって、仮に、電流を流すことにより出力端子部30および導電部材50が発熱したとしても、安定して絶縁部材80の形状を維持することができる。
【0054】
絶縁部材80は、筒状部81と、ノブ部82と、挿入部83と、を有することができる。筒状部81には、例えば、開口部84が形成されている。開口部84は、筒状部81を、Z軸に沿って貫通している。開口部84には、基体20の突出部24が挿入されている。突出部24は、Z軸に沿って延在している。絶縁部材80は、突出部24を軸として、回転することができる。
【0055】
ノブ部82は、筒状部81の上端部(+Z軸側)に装着されている。挿入部83は、筒状部81の下端部(−Z軸側)に装着されている。ここで、図9は、第1の実施形態に係る蓄電デバイス100の絶縁部材80を模式的に示す平面図であって、Z軸方向から見た図である。図9に示すようにZ軸方向から見て、ノブ部82と挿入部83とは、重なっていない。図示の例では、ノブ部82の延在方向と、挿入部83の延在方向とは、直交している。
【0056】
ノブ部82に力を加えて、絶縁部材80を、突出部24を軸として回転させることにより、挿入部83は、導電部材50の出力端子接触部54と、出力端子部30の第2部分32と、の間に出し入れ可能(挿抜可能)となる。図8および図9に示すように、挿入部83の側面83aは、テーパ形状を有していてもよい。これにより、導電部材50の出力端子接触部54と、出力端子部30の第2部分32と、の間に、容易に挿入部83を挿入することができる。
【0057】
図3〜図5に示すように、絶縁部材80の挿入部83が導電部材50と出力端子部30との間に挿入された第1状態で、負極端子16と出力端子部30とは、電気的に分離される。すなわち、第1状態では、絶縁部材80によって、導電部材50と出力端子部30とが接触することを防止している。
【0058】
図6〜図8に示すように、絶縁部材80の挿入部83が導電部材50と出力端子部30との間から外れた第2状態で、導電部材50と出力端子部30とは、接触されることができる。これにより、負極端子16と出力端子部30とは、電気的に接続されることができる。
【0059】
なお、絶縁部材80は、導電部材50の出力端子接触部54と、出力端子部30の第2部分32と、の間に出し入れ可能であれば、その形状や配置は特に限定されない。例えば、絶縁部材80は、回転可能に配置されておらず、Y軸に沿って移動可能に配置されていることによって、導電部材50の出力端子接触部54と、出力端子部30の第2部分32と、の間に出し入れ可能であってもよい。すなわち、絶縁部材80を、Y軸に沿ってスライドさせることにより、出力端子接触部54と第2部分32との間に挿入可能な形態であってもよい。
【0060】
次に、蓄電デバイス100を、被接続部1000と電気的に接続させる接続方法について説明する。
【0061】
まず、図3〜図5に示すように、負極端子16と出力端子部30とを電気的に分離させた状態(第1状態)で、出力端子部30と被接続部1000とを電気的に接続する(第1工程)。また、図示はしないが、正極端子14と被接続部1000と電気的に接続する。第1状態では、上述のように、導電部材50の出力端子接触部54と、出力端子部30の第2部分32と、の間には、絶縁部材80の挿入部83が挿入されている。第1状態において、ネジ部72を締めても、ネジ部72は、絶縁部材80の挿入部83により、Z軸方向(−Z軸方向)に移動しない。
【0062】
次に、図6〜図8に示すように、負極端子16と出力端子部30とを電気的に接続する(第2工程)。負極端子16と出力端子部30との電気的な接続は、スイッチ部40によって行われる。より具体的には、ノブ部82に力を加えて、絶縁部材80を、突出部24を軸として回転させて、導電部材50と出力端子部30との間から挿入部83を外した状態にする(第2状態)。これにより、導電部材50の出力端子接触部54と出力端子部30の第2部分32とを接触させることが可能となり、電気的接続が可能となる。その後、ネジ部72を締めて、ネジ部72をZ軸方向(−Z軸方向)に移動させる。ネジ部72の移動に伴って、ネジホルダー部60および導電部材50の出力端子接触部54は、Z軸方向(−Z軸方向)に移動する。これにより、より確実に、導電部材50の出力端子接触部54を、出力端子部30の第2部分32に接触させることができる。したがって、負極端子16と出力端子部30とを電気的に接続させることができ、その結果、蓄電セル10(蓄電デバイス100)と被接続部1000とを電気的に接続することができる。
【0063】
なお、図示はしないが、スイッチ部40は、ネジ部72を有さず、例えば、導電部材50と出力端子部30との間から挿入部83を外した後に、ばね部材等によって導電部材50出力端子接触部54をZ軸方向(−Z軸方向)に押して、導電部材50を出力端子部30に接触させてもよい。このように、導電部材50と出力端子部30との間から挿入部83を外した後に、出力端子接触部54をZ軸方向に移動させる機構は、特に限定されない。
【0064】
次に、蓄電デバイス100の蓄電セル10の内部構造について説明する。図10は、蓄電セル10を示す断面図あって、蓄電セル10の(外装体12の)内部構造を模式的に示す断面図である。以下では、一例として、蓄電セル10がリチウムイオンキャパシタである場合について説明する。
【0065】
蓄電セル10は、図10に示すように、外装体12に収容された電極積層体5および電解液(図示せず)を有することができる。図示の例では、電極積層体5および電解液は、第1ラミネートフィルム12aと第2ラミネートフィルム12bとからなる外装体12内に収容されている。
【0066】
電極積層体5は、電解液に浸漬されている。電極積層体5は、正極1と、負極2と、リチウム極3と、セパレータ4と、を有することができる。正極1、負極2、リチウム極3、およびセパレータ4は、シート状の形状を有することができる。図示の例では、電極積層体5は、第1ラミネートフィルム12a側から、リチウム極3、負極2、正極1、負極2、正極1、負極2、リチウム極3の順で積層され、極と極との間、および極とラミネートフィルムとの間にセパレータ4を介することによって構成されている。電極積層体5において、正極1および負極2は、並列に接続されている。
【0067】
なお、正極1および負極2の数は、特に限定されない。同様に、リチウム極3の数および設置場所も特に限定されない。また、電極積層体5の形態は、図示の例に限定されず、例えば、正極、負極、リチウム極、およびセパレータを重ねて積層シートを形成し、該積層シートを捲回させてなる捲回型でもよい。
【0068】
正極1は、正極集電体1aと、正極活物質層1bと、を有することができる。正極集電体1aとしては、多孔性の金属箔を用いることができる。正極集電体1aの材質としては、例えば、アルミニウム、ステンレスが挙げられる。正極集電体1aの厚みは、例えば、15μm以上50μm以下である。正極集電体1aは、正極リード6を介して、正極端子14に接続されている。正極リード6の材質は、例えば、正極集電体1aの材質と同じである。
【0069】
正極活物質層1bは、正極集電体1aに形成されている。図示の例では、正極活物質層1bは、正極集電体1aの両面に形成されているが、片面にのみ形成されていてもよい。正極活物質層1bの厚みは、例えば、60μm以上120μm以下である。
【0070】
正極活物質層1bは、正極活物質を含有している。正極活物質は、ヘキサフルオロホスフェート(PF)や、テトラフルオロボレート(BF)のようなアニオンを可逆的に担持できる物質である。より具体的には、正極活物質としては、活性炭、芳香族系縮合ポリマーの熱処理物であるポリアセン系物質(PAS)が挙げられる。
【0071】
正極活物質層1bの形成方法としては、まず、正極活物質粉末およびバインダーを、水系媒体または有機溶媒中に分散してスラリーを調整する。必要に応じて、導電性粉末を混入させてもよい。次に、調整したスラリーを正極集電体1aの表面に塗布して乾燥させる。このようにして、正極活物質層1bを得ることをできる。
【0072】
負極2は、負極集電体2aと、負極活物質層2bと、を有することができる。負極集電体2aとしては、多孔性の金属箔を用いることができる。負極集電体2aの材質としては、例えば、銅、ステンレス、ニッケルが挙げられる。負極集電体2aの厚みは、例えば、10μm以上50μm以下である。負極集電体2aは、負極リード7を介して、負極端子16に接続されている。負極リード7の材質は、例えば、負極集電体2aの材質と同じである。
【0073】
負極活物質層2bは、負極集電体2aに形成されている。図示の例では、負極活物質層2bは、負極集電体2aの両面に形成されているが、片面にのみ形成されていてもよい。負極活物質層2bの厚みは、例えば、20μm以上50μm以下である。
【0074】
負極活物質層2bは、負極活物質を含有している。負極活物質は、リチウムイオンを可逆的に吸蔵できる物質である。より具体的には、負極活物質としては、黒鉛(グラファイト)、難黒鉛化炭素(ハードカーボン)、もしくはそれらの粉砕品が挙げられる。
【0075】
負極活物質層2bの形成方法としては、まず、負極活物質粉末およびバインダーを、水系媒体または有機溶媒中に分散してスラリーを調整する。必要に応じて、導電性粉末を混入させてもよい。次に、調整したスラリーを負極集電体2aの表面に塗布して乾燥させる。このようにして、負極活物質層2bを得ることをできる。
【0076】
リチウム極3は、リチウム極集電体3aと、リチウム箔3bと、を有する。リチウム極集電体3aとしては、多孔性の金属箔を用いることができる。リチウム極集電体3aの材質としては、例えば、銅、ステンレスが挙げられる。リチウム極集電体3aの厚みは、例えば、10μm以上200μm以下である。
【0077】
リチウム箔3bは、例えば、リチウム極集電体3aの一方の面に圧着されている。リチウム箔3bの材質は、リチウムである。リチウム箔3bは、リチウムイオンの供給源として機能することができる。すなわち、リチウム極集電体3aと負極集電体2aとを負極リード7を介して接続させて短絡させることにより、リチウム箔3bは、電解液に溶解してリチウムイオンとなることができる。そして、リチウムイオンは、電気化学的に電解液を介して負極活物質層2bにドープ(「プレドープ」ともいえる)される。その結果、負極2の電位を下げることができる。これにより、エネルギー密度を大きくすることができる。リチウム箔3bの厚みは、例えば、50μm以上300μm以下である。
【0078】
なお、リチウム箔3bは、プレドープによって、例えば完全に電解液に溶解するが、図示の例では、便宜上、電解液の図示を省略し、電解液に溶解する前のリチウム箔3bを図示している。
【0079】
電解液としては、リチウム塩を電解質とする非プロトン性有機溶媒電解質溶液を用いることができる。非プロトン性有機溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、アセトニトリル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、塩化メチレン、スルホランなどが挙げられる。これらの溶媒は、単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。リチウム塩としては、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、Li(CSONなどが挙げられる。
【0080】
セパレータ4は、正極活物質、負極活物質、および電解質に対して耐久性がある多孔性材料を用いることができる。セパレータ4としては、セルロース、レーヨン、ポリエチレン、ポリプロピレン、アラミド樹脂、アミドイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリイミドなどからなる不織布や、多孔質のフィルムなどを用いることができる。セパレータ4の厚みは、例えば、20μm以上50μm以下である。セパレータは、正極1と負極2との間や、負極2とリチウム極3との間を、隔離することができる。さらに、セパレータ4は、電解質を浸潤することができる。
【0081】
第1の実施形態に係る蓄電デバイス100は、例えば、以下の特徴を有する。
【0082】
蓄電デバイス100によれば、正極端子14および負極端子16の一方の電極端子と、出力端子部30と、を電気的に分離および接続可能なスイッチ部40を有する。これにより、まず、例えば負極端子16と出力端子部30とを電気的に分離させた状態で、出力端子部30と被接続部1000とを電気的に接続することができる。その後、負極端子16と出力端子部30とを電気的に接続することができる。したがって、蓄電デバイス100では、出力端子部と、被接続部の端子と、を接続させると同時に被接続部に電圧が印加されることがなく、高い安全性を有することができる。すなわち、蓄電デバイス100では、例えば、出力端子部30と、被接続部1000の端子と、を接続する際に作業者が端子に触れてしまっても、出力端子部30と、被接続部1000の端子と、を接続させると同時に被接続部1000に電圧が印加されないので、高い安全性を有することができる。
【0083】
蓄電デバイス100によれば、スイッチ部40を負極端子16に接続することができる。負極端子16は、正極端子14に比べて電位が低いので、蓄電デバイス100と被接続部1000との電気的な接続を、より安全に行うことができる。
【0084】
1.2. 第1の実施形態の変形例
次に、第1の実施形態の変形例に係る蓄電デバイスについて、図面を参照しながら説明する。図11は、第1の実施形態の変形例に係る蓄電デバイス200を模式的に示す断面図であって、図2に対応している。以下、第1の実施形態の変形例に係る蓄電デバイス200において、第1の実施形態に係る蓄電デバイス100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0085】
なお、図11では、便宜上、スイッチ部40を簡略化して図示している。また、図11では、便宜上、出力端子部30、外装体12内に収容される正極や負極等、および被接続部1000の図示を省略している。
【0086】
蓄電デバイス100の例では、図2に示すように、1つの蓄電セル10を有していた。これに対し、蓄電デバイス200では、図11に示すように、複数の蓄電セル10を有している。
【0087】
図示の例では、蓄電セル10は、4つ設けられているが、その数は特に限定されず、蓄電セル200の用途に応じて任意に変更することができる。複数の蓄電セル10は、例えば、Z軸に沿って積層されおり、隣り合う蓄電セル10の間には、基体20および蓋体29が配置されている。隣り合う蓄電セル10の正極端子14および負極端子16は、複数の蓄電セル10が直列に接続されるように、電気的に接続されている。隣り合う蓄電セル10の正極端子14および負極端子16の接続方法は、特に限定されず、例えば、ネジ等(図示せず)を用いて接続することができる。
【0088】
蓄電デバイス200によれば、蓄電デバイス100に比べて、高出力化を図ることができる。このように高出力化を図ることができる蓄電デバイス200であっても、スイッチ部40によって、安全に、被接続部と電気的に接続させることができる。
【0089】
2. 第2の実施形態
2.1. 第2の実施形態に係る蓄電デバイス
次に、第2の実施形態に係る蓄電デバイスについて、図面を参照しなら説明する。図12は、第2の実施形態に係る蓄電デバイス300を模式的に示す斜視図である。図13は、第2の実施形態に係る蓄電デバイス300を模式的に示す平面図であって、Z軸方向から見た図である。
【0090】
蓄電デバイス300は、図12および図13に示すように、蓄電セル310と、出力端子部320と、スイッチ部330と、を含むことができる。
【0091】
蓄電セル310の形態としては、リチウムイオンキャパシタ、二次電池などを例示することができる。蓄電セル310は、外装体312と、正極端子316と、負極端子317と、を有することができる。
【0092】
外装体312は、正極、負極、および電解液を収容している。蓄電セル310がリチウムイオンキャパシタである場合、外装体312は、さらにリチウム極を収容している。さらに、外装体312は、セパレータを収容していてもよい。正極、負極、リチウム極、およびセパレータは、シート状の形状を有することできる。蓄電デバイス300は、蓄電デバイス100の例で記載したように、正極、負極、リチウム極、およびセパレータを積層することによって、積層型の電極積層体を構成していてもよい。また、電極積層体の形態は、例えば、正極、負極、リチウム極、およびセパレータを重ねて積層シートを形成し、該積層シートを捲回させてなる捲回型でもよい。蓄電デバイス300において、正極、負極、リチウム極、セパレータ、および電解液の材質や製造方法等は、上述した蓄電デバイス100の例の説明を適用することができる。
【0093】
外装体312の形状は、正極、負極、および電解液等を収容することができれば、特に限定されない。図示の例では、外装体312は、外装缶313と、封口板314と、を有している。
【0094】
外装缶313は、その厚み(例えばX軸に沿う長さ)を、横幅(例えばY軸に沿う長さ)および縦幅(例えばZ軸に沿う長さ)より小さくし、四隅の角部を面取りまたは湾曲した略箱型の形状を有することができる。外装缶313の材質としては、例えば、アルミニウム、ステンレス、鉄が挙げられる。図示はしないが、外装缶313は、円筒型でもよい。
【0095】
封口板314は、外装缶313の開口を封止することができる。これにより、正極、負極、および電解液等を外装体312内に密閉することができる。封口板314の形状は、外装缶313の開口を封止できれば、特に限定されない。封口板314の材質としては、例えば、アルミニウム、ステンレス、鉄が挙げられる。
【0096】
封口板314には、安全弁315が設けられている。図示の例では、安全弁315は、封口板314の中央に配置されている。安全弁315は、外装体312内の圧力が所定値以上に上昇した場合に開弁して、外装体312内のガスを放出することができる。安全弁315の開弁により、外装体312内の圧力上昇を抑制することができる。
【0097】
正極端子316は、封口板314に設けられている。正極端子316の形状は、特に限定されないが、図示の例では、ボルト形状である。正極端子316の材質としては、例えば、アルミニウムが挙げられる。正極端子315は、外装体312内の正極と電気的に接続されている。
【0098】
負極端子317は、封口板314に設けられている。負極端子317の形状は、特に限定されないが、図示の例では、ボルト形状である。負極端子317の材質としては、例えば、銅、ニッケルが挙げられる。負極端子317は、外装体312内の負極と電気的に接続されている。
【0099】
スイッチ部330は、正極端子316および負極端子317の一方の電極端子と電気的に接続されている。図示の例では、スイッチ部330は、負極端子317と電気的に接続されているが、正極端子316と電気的に接続されていてもよい。また、スイッチ部330は、2つ設けられ、正極端子316および負極端子317の両端子と電気的に接続されていてもよい。図示の例では、スイッチ部330は、負極端子317近傍の封口板314に支持されている。
【0100】
以下、スイッチ部330および出力端子部320の構成等について、図面を参照しながら説明する。図14は、第2の実施形態に係る蓄電デバイス300のスイッチ部330近傍を模式的に示す図13のB−B線断面図である。図15は、第2の実施形態に係る蓄電デバイス300のスイッチ部330近傍を模式的に示す断面斜視図である。図16は、第2の実施形態に係る蓄電デバイス300のスイッチ部330近傍を模式的に示す図13のB−B線断面図である。図17は、第2の実施形態に係る蓄電デバイス300のスイッチ部330近傍を模式的に示す断面斜視図である。
【0101】
スイッチ部330は、正極端子316および負極端子317の一方の電極端子と、出力端子部320と、を電気的に分離および接続することができる。図14および図15は、負極端子317と出力端子部320とが電気的に分離された状態をしていている。図16および図17は、負極端子317と出力端子部320とが電気的に接続された状態を示している。
【0102】
スイッチ部330は、図12〜図17に示すように、導電部材340と、基部350と、絶縁部材360と、ノブ部370と、ネジ部380と、を有することができる。なお、図15および図17では、便宜上、導電部材340の図示を省略している。
【0103】
導電部材340は、図14および図16に示すように、例えば、封口板314に支持されている。導電部材340の材質は、導電性であれば特に限定されず、例えば、アルミニウム、銅を挙げることができる。導電部材340は、図12および図13に示すように、負極端子317と接続される電極接続部341を有することができる。図示の例では、電極接続部341を封口板314に配置したのち、負極端子317のナットを締めることによって、電極接続部314と負極端子317とを電気的に接続している。図示はしないが、電極接続部314は、負極端子317に溶接されていてもよい。
【0104】
導電部材340は、図14および図16に示すように、さらに、電極接続部341に電気的に接続された支持部342と、支持部342と連続しZ軸に沿って延在する延在部343と、延在部343と連続し出力端子部320と接触可能な出力端子接触部344と、を有することができる。
【0105】
図14および図16に示す例では、支持部342は、X軸に沿って延在している。支持部342は、配線部346を介して、電極接続部341に接続されていてもよい。支持部342は、例えば、溶接やネジ留め等によって、配線部346に接続されていてもよい。支持部342、電極接続部341、および配線部346は、一体的に形成されていてもよい。また、延在部343は、図13に示すように、電極接続部341と接続されていてもよい。
【0106】
図14および図16に示す例では、出力端子接触部344は、X軸に沿って延在している。出力端子接触部344と支持部342は、基部350を介して、対向配置されていてもよい。出力端子接触部344は、絶縁部材360の回転によって、出力端子部320と、離間したり(図14参照)接触したり(図16参照)することができる。出力端子接触部344には、例えば、開口部345が形成されている。開口部345内には、絶縁部材360およびネジ部380が配置されている。
【0107】
基部350は、出力端子部320および絶縁部材360を支持することができる。図14および図16に示すように、基部350の一部は、導電部材340の出力端子接触部344と支持部342とによって挟持されていてもよい。出力端子接触部344は、例えば、ネジ等(図示せず)によって、基部350に固定されていてもよい。
【0108】
基部350には、図14〜図17に示すように、被接続部3000の端子(図示せず)が収容される収容部351が設けられていてもよい。より具体的には、収容部351は、出力端子部320に形成された開口部325を貫通した被接続部3000の端子を、収容することができる。
【0109】
ここで、被接続部3000は、例えば、蓄電デバイス300の電圧を印加する対象物であり、その形態は、特に限定されない。図示はしないが、より具体的には、被接続部3000の一方の端子を出力端子部320と接続させ、被接続部3000の他方の端子を正極端子316と接続させることにより、蓄電デバイス300の電圧を被接続部3000に印加することができる。例えば、蓄電デバイス300と被接続部3000とを電気的に接続させることにより、蓄電デバイス300を充電させることができてもよい。なお、図12,13,15,17では、便宜上、被接続部3000の図示を省略している。
【0110】
基部350には、図14および図16に示すように、開口部352が形成されていてもよい。開口部352は、例えば、基部350をZ軸に沿って貫通している。開口部352内には、出力端子部320の第3部分323が収容される。開口部352の形状は、第3部分323が引っ掛かるような形状である。これにより、基部350は、出力端子部320を支持することができる。
【0111】
基部350には、さらに、開口部353が形成されていてもよい。開口部353は、例えば、基部350をZ軸に沿って貫通している。開口部353は、例えば、導電部材340に形成された開口部345と連通している。開口部353内には、ネジ部380が配置されている。
【0112】
基部350は、載置部354を有することができる。載置部354は、図15および図17に示すように、凹部355aと凸部355bとから構成される第1凹凸部355を有することができる。ここで、図18は、基部350の載置部354近傍を模式的に示す平面図であって、Z軸方向から見た図である。図18に示すように、載置部354は、円形の開口部353の周囲に形成されている。図18に示す例では、載置部354の第1凹凸部355は、2つの凹部355aと、2つの凸部355bと、によって構成されているが、凹部355aおよび凸部355bの数は、特に限定されない。載置部354は、絶縁部材360を載置することができる。
【0113】
基部350の材質は、絶縁性であれば特に限定されず、例えば、フェノール樹脂やメラミン樹脂などの熱硬化性樹脂を挙げることができる。基部350として熱硬化性樹脂を用いることにより、仮に、電流を流すことにより導電部材340や出力端子部320が発熱したとしても、安定して基部350の形状を維持することができる。
【0114】
絶縁部材360は、図14〜図17に示すように、基部350の載置部354に載置されている。絶縁部材360には、図14および図16に示すように、開口部361が形成されていてもよい。開口部361内には、ネジ部380が配置され、絶縁部材360は、ネジ部380を軸として回転可能に配置されている。絶縁部材360は、ネジ部380に対して、回転可能に取り付けられているともいえる。
【0115】
絶縁部材360は、図15および図17に示すように、凹部362aと凸部362bとから構成される第2凹凸部362を有することができる。第2凹凸部362は、絶縁部材360の、載置部354と接する下端部に設けられている。ここで、図19は、絶縁部材360を模式的に示す平面図であって、Z軸方向から見た図である。図19に示すように、円形の開口部361の周囲に形成されている。絶縁部材360の第2凹凸部362は、載置部354の第1凹凸部355と、係合可能な形状を有することができる。すなわち、第2凹凸部362の凹部362aの数は、第1凹凸部355の凹部355aの数と同じであり、第2凹凸部362の凸部362bの数は、第1凹凸部355の凸部355bの数と同じである。図19に示す例では、第2凹凸部362は、2つの凹部362aと、2つの凸部362bと、によって構成されている。
【0116】
図14および図15は、第1凹凸部355の凸部355bと第2凹凸部362の凸部362bとが接触された状態である(第1状態)。図16および図17は、第1凹凸部355の凸部355bと第2凹凸部362の凹部362aとが接触し、かつ第1凹凸部355の凹部355aと第2凹凸部362の凸部362bとが接触した状態である(第2状態)。上述のように、絶縁部材360がネジ部380を軸として回転することによって、第1状態から第2状態へ移行することができ、また、第2状態から第1状態へ移行することもできる。
【0117】
絶縁部材360は、図14および図16に示すように、段差部363を有することができる。段差部363は、略筒状を有する絶縁部材360の外側面に沿って、形成されていてもよい。段差部363は、図14に示すように第1状態において、導電部材340と出力端子部320とが離間するように、出力端子部320を支持することができる。段差部363は、出力端子部320に対して絶縁部材360が回転可能となるように、出力端子部320を支持している。すなわち、例えば、絶縁部材360が回転しても、出力端子部320は、回転しない。
【0118】
ノブ部370は、絶縁部材360に固定されている。図14〜図17に示す例では、ノブ部370は、絶縁部材360の、第2凹凸部362が設けられた下端部とは反対側の上端部に固定されている。ノブ部370には、図14および図17に示すように、開口部371が形成され、開口部371内に絶縁部材360およびネジ部380が配置される。ノブ部370は、ネジ部380を軸として回転可能に配置されている。すなわち、ノブ部370に力を加えることにより、ノブ部370に固定された絶縁部材360を回転させることができる。
【0119】
絶縁部材360およびノブ部370の材質は、絶縁性であれば特に限定されが、例えば、フェノール樹脂やメラミン樹脂などの熱硬化性樹脂を挙げることができる。これにより、仮に、電流によって出力端子部320が発熱したとしても、安定して絶縁部材360およびノブ部370の形状を維持することができる。
【0120】
ネジ部380は、例えば、絶縁部材360に形成された開口部361、および基体350に形成された開口部353内に配置されている。図14および図16に示す例では、ネジ部380は、ノブ部370、絶縁部材360、出力端子部320の第1部分321、導電部材340の出力端子接触部344、および載置部354を貫通し、ネジ部380の先端部382に、ナット384が装着されている。
【0121】
出力端子部320は、絶縁部材360および基部350に支持されている。出力端子部320の形状は、特に限定されないが、図示の例では、出力端子部320は、絶縁部材360に支持された第1部分321と、第1部分321と連続し被接続部3000と電気的に接続される第2部分322と、第2部分322と連続し基部350に支持された第3部分323と、を有している。
【0122】
第1部分321は、絶縁部材360の段差部363に支持されている。図16に示す例では、第1部分321は、X軸に沿って延在している。第1部分321には、例えば、開口部324が形成されている。開口部324内には、絶縁部材360およびネジ部380が配置されている。第1部分321は、図16および図17に示すように、導電部材340の出力端子接触部344と接触することができる。より具体的には、第1部分321の下面(−Z軸側の面)が出力端子接触部344の上面(+Z軸側の面)と接触することができる。第1部分321の上面(+Z軸側の面)には、ノブ部370が配置されていてもよい。
【0123】
なお、図示はしないが、第1部分321の上面には、絶縁シートが形成されていてもよい。これにより、ノブ部370に力を加えて、ノブ部370および絶縁部材360を回転させる際の、安全性を高めることができる。絶縁シートの材質としては、例えば、ポリプロピレン、エポキシ樹脂、ポリイミドが挙げられる。
【0124】
第2部分322には、開口部325が形成されている。開口部325によって、第2部分322は、被接続部3000と電気的に接続されることができる。図示はしないが、より具体的には、被接続部3000の端子を開口部325に通してネジ留めすることにより、被接続部3000を第2部分322に接続させることができる。図16に示す例では、第2部分322は、X軸に沿って延在している。第2部分322は、図16に示すように、第1部分321より+Z軸側に位置している。
【0125】
第3部分323は、基部350に形成された開口部352に、引っ掛かるような形状を有している。絶縁部材360を回転させることにより、第3部分323を支点として、第1部分321をZ軸に沿って(ほぼZ軸に沿って)変位させることができる。これにより、第1部分321を、導電部材340の出力端子接触部344と、離間させたり接触させたりすることができる。
【0126】
出力端子部320の材質は、導電性であれば特に限定されないが、例えば、アルミニウム、銅を挙げることができる。
【0127】
次に、蓄電デバイス300を、被接続部3000と電気的に接続させる接続方法について説明する。
【0128】
まず、図14および図15に示すように、負極端子317と出力端子部320とを電気的に分離させた状態(第1状態)で、出力端子部320と被接続部3000とを電気的に接続する(第1工程)。また、図示はしないが、正極端子316と被接続部3000と電気的に接続する。第1状態では、上述のように、第1凹凸部355の凸部355bと第2凹凸部362の凸部362bとが接触されている。そのため、出力端子部320は、導電部材340と離間されている。
【0129】
次に、図16および図17に示すように、負極端子317と出力端子部320とを電気的に接続する(第2工程)。負極端子317と出力端子部320との電気的な接続は、スイッチ部330によって行われる。より具体的には、ノブ部370に力を加えて絶縁部材360を、ネジ部380を軸として回転させる。そして、第1凹凸部355の凸部355bと第2凹凸部362の凹部362aとを接触させ、かつ第1凹凸部355の凹部355aと第2凹凸部362の凸部362bとを接触させた状態とする(第2状態)。これにより、出力端子部320の第1部分321を、導電部材340の出力端子接触部344側に(−Z軸側に)変位させ、出力端子部320と導電部材340とを接触させることができる。したがって、負極端子317と出力端子部320とを電気的に接続させることができ、その結果、蓄電セル310(蓄電デバイス300)と被接続部3000とを電気的に接続することができる。さらに、ネジ部380によって、導電部材340の出力端子接触部344と、出力端子部320の第1部分321と、の接触をより確実に行うことができる。
【0130】
第2の実施形態に係る蓄電デバイス300は、例えば、以下の特徴を有する。
【0131】
蓄電デバイス300によれば、正極端子316および負極端子317の一方の電極端子と、出力端子部320と、を電気的に分離および接続可能なスイッチ部330を有する。これにより、まず、例えば負極端子317と出力端子部320とを電気的に分離させた状態で、出力端子部320と被接続部3000とを電気的に接続することができる。その後、負極端子317と出力端子部320とを電気的に接続することができる。したがって、蓄電デバイス300では、出力端子部と、被接続部の端子と、を接続させると同時に被接続部に電圧が印加されることがなく、高い安全性を有することができる。すなわち、蓄電デバイス300では、例えば、出力端子部320と、被接続部3000の端子と、を接続する際に作業者が端子に触れてしまっても、出力端子部320と、被接続部3000の端子と、を接続させると同時に被接続部3000に電圧が印加されないので、高い安全性を有することができる。
【0132】
蓄電デバイス300によれば、スイッチ部330を負極端子317に接続することができる。負極端子317は、正極端子316に比べて電位が低いので、蓄電デバイス300と被接続部3000との電気的な接続を、より安全に行うことができる。
【0133】
2.2. 第2の実施形態の変形例
次に、第2の実施形態の変形例に係る蓄電デバイスについて、図面を参照しながら説明する。図20は、第2の実施形態の変形例に係る蓄電デバイス400を模式的に示す断面図であって、図13に対応している。以下、第2の実施形態の変形例に係る蓄電デバイス400において、第2の実施形態に係る蓄電デバイス300の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。なお、図20では、便宜上、被接続部3000の図示を省略している。
【0134】
蓄電デバイス300の例では、図13に示すように、1つの蓄電セル310を有していた。これに対し、蓄電デバイス400では、図20に示すように、複数の蓄電セル310を有している。
【0135】
図示の例では、蓄電セル310は、4つ設けられているが、その数は特に限定されず、蓄電セル400の用途に応じて任意に変更することができる。複数の蓄電セル310は、例えば、X軸に沿って積層されおり、隣り合う蓄電セル10の間には、セパレータ410が配置されている。セパレータ410の材質としては、例えば、プラスチック等の樹脂が挙げられる。セパレータ410は、隣り合う蓄電セル310を、電気的および熱的に絶縁することができる。
【0136】
隣り合う蓄電セル310の正極端子316および負極端子317は、複数の蓄電セル310が直列に接続されるように、バスバー420によって電気的に接続されている。バスバー420の材質としては、例えば、銅、アルミニウムが挙げられる。
【0137】
蓄電デバイス400によれば、蓄電デバイス300に比べて、高出力化を図ることができる。このように高出力化を図ることができる蓄電デバイス400であっても、スイッチ部320によって、安全に、被接続部と電気的に接続させることができる。
【0138】
3. 第3の実施形態
次に、第3の実施形態に係る蓄電デバイスについて、図面を参照しなら説明する。図21および図22は、第3の実施形態に係る蓄電デバイス500を模式的に示す平面図である。図23は、第3の実施形態に係る蓄電デバイス500を模式的に示す斜視図である。以下、第3の実施形態に係る蓄電デバイス500において、第2の実施形態に係る蓄電デバイス300、第2の実施形態の変形例に係る蓄電デバイス400の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0139】
蓄電デバイス500は、図21〜図23に示すように、蓄電セル310と、筐体510と、正極出力端子516を含む出力端子部520と、負極出力端子517と、スイッチ部530と、端子接続部材550と、を含むことができる。
【0140】
なお、便宜上、図22および図23では、筐体510の図示を省略している。また、図23では、負極出力端子517の図示を省略している。また、図21および図22では、図中の(a)において、正極出力端子516と蓄電セル310の正極端子316とが電気的に分離された第1状態(スイッチ部530がOFFの状態、すなわちスイッチ部530のプラグ部580が外された状態)を示し、図中の(b)において、正極出力端子516と正極端子316とが電気的に接続された第2状態(スイッチ部530がONの状態、すなわちプラグ部580が挿入された状態)を示している。図23は、プラグ部580が外された第1状態を示している。
【0141】
筐体510は、蓄電セル310を収容することができる。筐体510の形状は、蓄電セル310を収容することができれば、特に限定されない。筐体510の材質としては、電気的絶縁が可能な樹脂が挙げられる。
【0142】
蓄電セル310は、図23に示すように、複数設けられ、複数の蓄電セル310は、直列に接続されている。図示の例では、複数の蓄電セル310は、X軸に沿って積層されている。なお、蓄電セル310の数は、特に限定されない。
【0143】
正極出力端子516は、図21に示すように、筐体510から露出して設けられている。正極出力端子516は、蓄電セル310の正極端子316と、スイッチ部530を介して電気的に接続されることができる。より具体的には、正極出力端子516を含む出力端子部520は、積層された蓄電セル310のうち最も+X軸側に設けられた蓄電セル310の正極端子316と、スイッチ部530および端子接続部材550を介して接続されることができる。正極出力端子516の材質としては、例えば、アルミニウム、銅が挙げられる。
【0144】
負極出力端子517は、図21に示すように、筐体510から露出して設けられている。負極出力端子517は、蓄電セル310の負極端子317と電気的に接続されている。より具体的には、負極出力端子517は、積層された蓄電セル310のうち最も−X軸側に設けられた蓄電セル310の負極端子317と、電気的に接続されている。負極出力端子517は、図21に示すように、筐体510の、正極出力端子516が露出している面と同じ面から露出していてもよい。この場合、負極出力端子517は、積層された蓄電セル310のうち最も−X軸側に設けられた蓄電セル310の負極端子317と、図示せぬ配線を介して接続されていてもよい。負極出力端子517の材質としては、例えば、銅、ニッケルが挙げられる。
【0145】
ここで、図23に示す被接続部5000は、例えば、蓄電デバイス500の電圧を印加する対象物であり、その形態は、特に限定されない。より具体的には、被接続部5000の一方の端子を正極出力端子516と接続させ、被接続部5000の他方の端子を負極出力端子517と接続させることにより(図示せず)、蓄電デバイス500の電圧を被接続部5000に印加することができる。例えば、蓄電デバイス500と被接続部5000とを電気的に接続させることにより、蓄電デバイス500を充電させることができてもよい。なお、便宜上、図21および図22では、被接続部5000の図示を省略している。
【0146】
スイッチ部530は、蓄電セル310の正極端子316および負極端子317の一方の電極端子と電気的に接続されている。図示の例では、スイッチ部530は、正極端子316と電気的に接続されているが、負極端子317と電気的に接続されていてもよい。この場合、負極端子317は、正極端子316に比べて電位が低いので、蓄電デバイス500と被接続部5000との電気的な接続を、より安全に行うことができる。また、スイッチ部530は、2つ設けられ、正極端子316および負極端子317の両端子と電気的に接続されていてもよい。
【0147】
以下、スイッチ部530の構成等について、図面を参照しながら説明する。図24は、第3の実施形態に係る蓄電デバイス500を模式的に示す平面図であって、図22に示す破線で囲んだ領域Aの拡大図である。図25は、第3の実施形態に係る蓄電デバイス500を模式的に示す図22のC−C線断面である。なお、便宜上、図24および図25では、蓄電セル310の図示を省略している。また、図25では、図中の(a)において、プラグ部580が外された第1状態を示し、図中の(b)において、プラグ部580が挿入された第2状態を示している。
【0148】
以下では、スイッチ部530が、正極端子316と、正極出力端子516を含む出力端子部520と、を電気的に分離および接続する例について説明する。より具体的には、 スイッチ部530は、出力端子部520と、正極端子316に接続された端子接続部550と、を電気的に分離および接続することができる。
【0149】
出力端子部520は、図23に示すように、正極出力端子516と、第1支持部522と、正極出力端子516と第1支持部522とを連結する連結部524と、を有することができる。連結部524は、蓄電セル10の外装缶313に沿って(Y軸に沿って)延在した形状を有している。正極出力端子516は、連結部524から+X軸方向に延在され、上述のとおり、非接続部5000と接続されることができる。第1支持部522は、連結部524から+X軸方向に延在され、板状の形状を有することができる。第1支持部522は、スイッチ部530の第1弾性部材560を支持することができる。
【0150】
正極出力端子516、第1支持部522、および連結部524は、出力端子部520として一体的に形成されている。出力端子部520の材質としては、例えば、アルミニウム、銅、ステンレスが挙げられる。
【0151】
端子接続部材550は、図23に示すように、第2支持部552と、接続部554と、を有することができる。接続部554は、正極端子316と接続されている。接続部554は、溶接によって正極端子316と接続されていてもよい。第2支持部552は、接続部554から+X軸方向延在され、板状の形状を有することができる。第1支持部522および第2支持部554は、図25に示すように、互いに対向配置されている。
【0152】
第2支持部552および接続部554は、端子接続部材550として一体的に形成されている。端子接続部材550の材質としては、例えば、アルミニウム、銅、ステンレスが挙げられる。第2支持部552は、スイッチ部530の第2弾性部材570を支持することができる。
【0153】
スイッチ部530は、図24および図25に示すように、第1弾性部材560と、第2弾性部材570と、プラグ部580と、を含むことができる。
【0154】
第1弾性部材560は、出力端子部520に接続されている。より具体的には、第1弾性部材560は、出力端子部520の第1支持部522に支持されている。ここで、図26は、第1弾性部材560を模式的に示す斜視図である。図26では、図中の(a)および(b)において、互いに異なる角度から見た第1弾性部材560を示している。第1弾性部材560は、図24〜図26に示すように、第1弾性部562と、第3弾性部564と、固定部566と、を有することができる。
【0155】
第1弾性部562は、図25に示すように、第1支持部522の第2支持部552側(+Z軸側)に支持されている。第3弾性部564は、第1支持部522の第1弾性部562とは反対側(−Z軸側)に支持されている。
【0156】
第1弾性部562および第3弾性部564は、一方の端部を固定部566に固定された固定端とし、他方の端部を自由端とした形状を有している。第1弾性部562は、図25(a)に示すように、プラグ580が外された第1状態において、+Z軸側に湾曲した形状を有している。第3弾性部564は、第1状態において、−Z軸側に湾曲した形状を有している。第1弾性部562の固定端から自由端までの長さは、例えば、第3弾性部564の固定端から自由端までの長さより大きい。第1弾性部562および第3弾性部564の数は、特に限定されないが、図24および図26に示す例では、第1弾性部562は、4つ設けられ、第3弾性部564は、7つ設けられている。
【0157】
固定部566は、図25に示すように、第1支持部522に固定されている。固定部566は、溶接によって第1支持部522に固定されていてもよい。
【0158】
第2弾性部材570は、端子接続部材550に接続されている。より具体的には、第2弾性部材570は、端子接続部材550の第2支持部552に支持されている。第2弾性部材570は、第2弾性部572と、第4弾性部574と、固定部576と、を有することができる。
【0159】
第2弾性部572は、図25に示すように、第2支持部552の第1支持部522側(−Z軸側)に支持されている。第4弾性部574は、第1支持部522の第2弾性部572とは反対側(+Z軸側)に支持されている。
【0160】
第2弾性部572および第4弾性部574は、一方の端部を固定部576に固定された固定端とし、他方の端部を自由端とした形状を有している。第2弾性部572は、図25(a)に示すように、プラグ580が外された第1状態において、−Z軸側に湾曲した形状を有している。第4弾性部574は、第1状態において、+Z軸側に湾曲した形状を有している。第2弾性部572の固定端から自由端までの長さは、例えば、第4弾性部574の固定端から自由端までの長さより大きい。第2弾性部572および第4弾性部574の数は、特に限定されないが、図示の例では、第2弾性部572は、4つ設けられ、第4弾性部574は、7つ設けられている。
【0161】
第2弾性部572は、第1弾性部562と離間して設けられている。第2弾性部572は、図25(a)に示すように、プラグ580が外された第1状態において、第1弾性部562よりも+Z軸側に位置している部分を有することができる。第1弾性部562および第2弾性部572は、図24に示すように、Y軸に沿って交互に配置されている。
【0162】
固定部576は、図25に示すように、第2支持部552に固定されている。固定部576は、溶接によって第2支持部552に固定されていてもよい。
【0163】
第2弾性部材570は、第1弾性部材560と同じ形状を有することができる。より具体的には、第2弾性部材570の形状は、第1弾性部材560をX軸回りに180度回転させた形状である。
【0164】
弾性部562,564および固定部566は、第1弾性部材560として一体的に形成され、出力端子部20と電気的に接続されていうる。弾性部572,574および固定部576は、第2弾性部材570として一体的に形成され、端子接続部材550と電気的に接続されている。
【0165】
第1弾性部材560および第2弾性部材570の材質としては、例えば、アルミニウム、銅、ステンレスが挙げられる。第1弾性部材560の材質は、出力端子部520の材質と同じであってもよいし異なってもよいが、接触抵抗を小さくする観点から、同じであることが好ましい。同様に、第2弾性部材570の材質は、端子接続部材550の材質と同じであってもよいし異なってもよいが、接触抵抗を小さくする観点から、同じであることが好ましい。また、より接触抵抗を小さくする手段として、金メッキやスズメッキ等が施されたアルミニウムや銅を、弾性部材560,570として用いることが好ましい。
【0166】
第1弾性部材560および第2弾性部材570は、図21(a)に示すように、プラグ部580が外れた第1状態では、筐体510から露出して設けられている。
【0167】
プラグ部580は、第1弾性部562と第2弾性部572との間に、出し入れ可能な形状を有している。ここで、図27は、プラグ部580を模式的に示す斜視図である。図27では、図中の(a)および(b)において、互いに異なる角度から見たプラグ部580を示している。
【0168】
プラグ部580は、図25および図27に示すように、導電部材582と、絶縁部材589と、を有することができる。導電部材582は、第1導電部584と、第2導電部586と、第3導電部588と、を有することができる。
【0169】
第1導電部584は、例えば、板状の形状を有している。第1導電部584は、第1弾性部562と第2弾性部572との間に出し入れ可能である。図25(b)に示すように、第1導電部584が(プラグ部580が)第1弾性部562と第2弾性部572との間に挿入された第2状態で、第1弾性部562と第2弾性部572とは、電気的に接続される。すなわち、第1弾性部562と第2弾性部572とは、第1導電部584を介して接続される。第2状態において、第1弾性部562は、第1導電部584の−Z軸側に位置し、第2弾性部572は、第1導電部584の+Z軸側に位置している。第1導電部材584は、第2状態において、第1弾性部562および第2弾性部572と接触される。第1導電部584は、第2状態において、第1弾性部562によって+Z軸方向に付勢され、第2弾性部572によって−Z軸方向に付勢される。
【0170】
第2導電部586は、第1導電部584と電気的に接続されている。第2導電部586は、例えば、板状の形状を有している。図25(b)に示す例では、第2導電部586は、第2状態において、第1導電部584の−Z軸方向側に位置している。より具体的には、第2導電部586は、第3弾性部564の−Z軸方向側に位置している。第2導電部586は、第2状態において、第3弾性部564と接触される。第2導電部586は、第2状態において、第3弾性部564によって−Z軸方向に付勢される。
【0171】
第3導電部588は、第1導電部584と電気的に接続されている。第3導電部588は、例えば、板状の形状を有している。図25(b)に示す例では、第3導電部588は、第2状態において、第1導電部584の+Z軸側に位置している。より具体的には、第3導電部588は、第2状態において、第4弾性部574の+Z軸側に位置している。第3導電部588は、第2状態において、第4弾性部574と接触される。第3導電部588は、第2状態において、第4弾性部574によって+Z軸方向に付勢される。
【0172】
導電部584,586,588は、導電部材582として一体的に形成されている。導電部材582の材質としては、例えば、アルミニウム、銅、ステンレスが挙げられる。
【0173】
絶縁部材589は、導電部材582を支持している。絶縁部材589の形状は、導電部材582を支持できれば、特に限定されない。絶縁部589の材質としては、例えば、樹脂が挙げられる。
【0174】
次に、蓄電デバイス500を、被接続部5000と電気的に接続させる接続方法について説明する。
【0175】
まず、図23に示すように、正極端子316と出力端子部520とを電気的に分離させた状態(第1状態)で、出力端子部520と被接続部5000とを電気的に接続する(第1工程)。また、図示はしないが、負極出力端子517と被接続部5000とを電気的に接続する。
【0176】
次に、図25(b)に示すように、正極端子316と出力端子部520とを電気的に接続する(第2工程)。正極端子316と出力端子部520との電気的な接続は、スイッチ部530によって行われる。より具体的には、第1導電部584を、第1弾性部562と第2弾性部572との間に挿入し、第1導電部584と弾性部562,572とを接触させる。同時に、第2導電部586と第3弾性部564とを接触させ、第3導電部588と第4導電部574とを接触させる。これにより、正極端子316と出力端子部520とを電気的に接続させることができ、その結果、蓄電デバイス500と被接続部5000とを電気的に接続することができる。
【0177】
第3の実施形態に係る蓄電デバイス500は、例えば、以下の特徴を有する。
【0178】
蓄電デバイス500によれば、正極端子316および負極端子317の一方の電極端子と、出力端子部520と、を電気的に分離および接続可能なスイッチ部530を有する。これにより、まず、例えば正極端子316と出力端子部520とを電気的に分離させた状態で、出力端子部520と被接続部5000とを電気的に接続することができる。その後、正極端子316と出力端子部520とを電気的に接続することができる。したがって、蓄電デバイス500では、出力端子部と、被接続部の端子と、を接続させると同時に被接続部に電圧が印加されることがなく、高い安全性を有することができる。すなわち、蓄電デバイス500では、例えば、出力端子部520と、被接続部5000の端子と、を接続する際に作業者が端子に触れてしまっても、出力端子部520と、被接続部5000の端子と、を接続させると同時に被接続部5000に電圧が印加されないので、高い安全性を有することができる。
【0179】
蓄電デバイス500によれば、第1導電部584が第1弾性部562と第2弾性部572との間に挿入された第2状態で、第1弾性部562と第2弾性部572とは、電気的に接続される。そのため、第1導電部材584と弾性部562,564との接触抵抗が変化することを抑制できる。さらに、例えば、第1導電部584と弾性部562,572との確実な電気的接続を、確保することができる。
【0180】
蓄電デバイス500によれば、第2状態において、第2導電部586は、第3弾性部564と接触し、第3導電部588は、第4弾性部574と接触する。そのため、蓄電デバイス500では、プラグ部580の導電部材582と弾性部材560,570との接触面積を大きくすることができる。これにより、例えば、第2状態における蓄電デバイス500の耐震性を向上させることができ、信頼性を向上させることができる。さらに、導電部582と弾性構造体560,570との接触抵抗を小さくすることができる。
【0181】
蓄電デバイス500によれば、例えば、複数の蓄電デバイス500を直列に接続する場合に、隣り合う一方の蓄電デバイス500の正極出力端子516と、他方の蓄電デバイス500の負極出力端子517と、を接続させた状態で、一方の蓄電デバイス500の蓄電セル310と、他方の蓄電デバイス500の蓄電セル310と、をスイッチ部530により電気的に分離させることができる。そのため、複数の蓄電デバイス500を直列に接続する際に、作業者が誤って複数の蓄電デバイス500を短絡させることを抑制できる。そのため、蓄電セル310が劣化することを抑制できる。
【0182】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。本発明は、上述した各実施形態および各変形例を適宜組み合わせることも可能である。例えば、第1実施形態に係る蓄電デバイス100のスイッチ部40を、第2実施形態に係る蓄電デバイス300の蓄電セル310に接続させてもよいし、逆に、第2実施形態に係る蓄電デバイス300のスイッチ部330を、第1実施形態に係る蓄電デバイス100の蓄電セル10に接続させてもよい。また、第1実施形態に係る蓄電デバイス100のスイッチ部40を、第3実施形態に係る蓄電デバイス500の蓄電セル310に接続させてもよいし、逆に、第3実施形態に係る蓄電デバイス500のスイッチ部530を、第1実施形態に係る蓄電デバイス100の蓄電セル10に接続させてもよい。
【0183】
また、本発明は、例えば、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【符号の説明】
【0184】
1…正極、1a…正極集電体、1b…正極活物質層、2…負極、2a…負極集電体、2b…負極活物質層、3…リチウム極、3a…リチウム極集電体、3b…リチウム箔、4…セパレータ、5…電極積層体、6…正極リード、7…負極リード、10…蓄電セル、12 …外装体、12a…第1ラミネートフィルム、12b…第2ラミネートフィルム、14…正極端子、16…負極端子、17…被挟持部、20…基体、22…開口部、24…突出部、26…開口部、29…蓋体、30…出力端子部、31…第1部分、32…第2部分、33…第3部分、34…開口部、35…開口部、36…開口部、40…スイッチ部、50…導電部材、51…電極端子接触部、52…湾曲部、53…延在部、54…出力端子接触部、55…スリット部、56…開口部、60…ネジホルダー部、62…開口部、70…ネジ部、72…ネジ部、74…先端部、76…ナット、80…絶縁部材、81…筒状部、82…ノブ部、83…挿入部、83a…側面、100…デバイス、200…デバイス、300…蓄電デバイス、310…蓄電セル、312…外装体、313…外装缶、314…封口板、315…安全弁、316…正極端子、317…負極端子、320…出力端子部、321…第1部分、322…第2部分、323…第3部分、324…開口部、325…開口部、330…スイッチ部、340…導電部材、341…電極接続部、342…支持部、343…延在部、344…出力端子接触部、345…開口部、346…配線部、350…基部、351…収容部、352…開口部、353…開口部、354…載置部、355…第1凹凸部、355a…凹部、355b…凸部、360…絶縁部材、361…開口部、362…第2凹凸部、362a…凹部、362b…凸部、363…段差部、370…ノブ部、371…開口部、380…ネジ部、382…先端部、384…ナット、400…蓄電デバイス、410…セパレータ、420…バスバー、500…蓄電デバイス、510…筐体、520…出力端子部、522…第1支持部、524…連結部、530…スイッチ部、550…端子接続部材、552…第2支持部、554…接続部、560…第1弾性部材、562…第1弾性部、564…第3弾性部、570…第2弾性部材、572…第2弾性部、574…第4弾性部、580…プラグ部、582…導電部材、584…第1導電部、586…第2導電部、588…第3導電部、589…絶縁部材、1000…被接続部、3000…被接続部、5000…被接続部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極端子および負極端子を有する蓄電セルと、
前記正極端子および前記負極端子の一方の電極端子と、出力端子部と、を電気的に分離および接続可能なスイッチ部と、
を含む、蓄電デバイス。
【請求項2】
請求項1において、
前記スイッチ部は、
前記電極端子と電気的に接続された導電部材と、
前記導電部材と前記出力端子部との間に出し入れ可能に配置された絶縁部材と、
を有し、
前記絶縁部材が前記導電部材と前記出力端子部との間に挿入された第1状態で、前記電極端子は、前記出力端子部と電気的に分離され、
前記絶縁部材が前記導電部材と前記出力端子部との間から外された第2状態で、前記電極端子は、前記出力端子部と電気的に接続される、蓄電デバイス。
【請求項3】
請求項2において、
前記スイッチ部は、
前記導電部材および前記出力端子部を貫通するネジ部を、さらに有し、
前記導電部材は、絶縁性のネジホルダー部を介して、前記ネジ部に固定され、
前記第2状態において、前記ネジ部を締めることにより、前記導電部材は、前記出力端子部に接触される、蓄電デバイス。
【請求項4】
請求項1において、
前記スイッチ部は、
前記電極端子と電気的に接続された導電部材と、
前記導電部材および前記出力端子部を貫通する絶縁部材と、
前記絶縁部材を載置する載置部と、
を有し、
前記載置部は、第1凹凸部を有し、
前記絶縁部材は、第2凹凸部を有し、
前記第1凹凸部の凸部と前記第2凹凸部の凸部とが接触された第1状態で、前記導電部材は、前記出力端子部と離間され、
前記第1凹凸部の凸部と前記第2凹凸部の凹部とが接触された第2状態で、前記導電部材は、前記出力端子部と接触される、蓄電デバイス。
【請求項5】
請求項4において、
前記スイッチ部は、
前記絶縁部材および前記載置部を貫通するネジ部を、さらに有し、
前記第2状態において、前記ネジ部を締めることにより、前記導電部材は、前記出力端子部に接触される、蓄電デバイス。
【請求項6】
請求項1において、
前記スイッチ部は、
前記出力端子部と電気的に接続された、導電性を有する第1弾性部と、
前記電極端子と電気的に接続され、前記第1弾性部と離間された、導電性を有する第2弾性部と、
前記第1弾性部と前記第2弾性部との間に、出し入れ可能に配置された第1導電部と、
を有し、
前記第1導電部が前記第1弾性部と前記第2弾性部との間に挿入された状態で、前記第1弾性部と前記第2弾性部とは、電気的に接続される、蓄電デバイス。
【請求項7】
請求項6において、
前記電極端子に接続された、導電性を有する端子接続部材を、さらに含み、
前記第1弾性部は、前記出力端子部の第1支持部に支持され、
前記第2弾性部は、前記端子接続部材の第2支持部に支持され、
前記第1支持部および前記第2支持部は、互いに対向配置されている、蓄電デバイス。
【請求項8】
請求項7において、
前記スイッチ部は、
前記第1支持部の前記第1弾性部とは反対側に支持された、導電性を有する第3弾性部と、
前記第2支持部の前記第2弾性部とは反対側に支持された、導電性を有する第4弾性部と、
前記第1導電部と電気的に接続された第2導電部および第3導電部と、
を、さらに有し、
前記第2導電部は、前記挿入された状態において、前記第3弾性部と接触し、
前記第3導電部は、前記挿入された状態において、前記第4弾性部と接触する、蓄電デバイス。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれか1項において、
前記スイッチ部は、前記負極端子と電気的に接続されている、蓄電デバイス。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれか1項において、
前記蓄電セルは、複数設けられ、
複数の前記蓄電セルは、直列に接続されている、蓄電デバイス。
【請求項11】
請求項1ないし10のいずれか1項において、
前記蓄電セルは、リチウムイオンキャパシタである、蓄電デバイス。
【請求項12】
正極端子および負極端子を有する蓄電セルと出力端子部とを備えた蓄電デバイスを、被接続部と電気的に接続させる蓄電デバイスの接続方法であって、
前記正極端子および前記負極端子の一方の電極端子と、前記出力端子部と、を電気的に分離させた状態で、前記出力端子部と前記被接続部とを電気的に接続する第1工程と、
前記第1工程の後に、前記電極端子と前記出力端子部とを電気的に接続する第2工程と、
を含み、
前記電極端子と前記出力端子部との電気的な分離および接続は、スイッチ部によって行われる、蓄電デバイスの接続方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2013−58466(P2013−58466A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−42060(P2012−42060)
【出願日】平成24年2月28日(2012.2.28)
【出願人】(307037543)JMエナジー株式会社 (57)
【Fターム(参考)】