説明

薬効成分送達システム、施術用カップ及び薬効成分含有組成物

【課題】薬効成分を皮膚内部に浸透させる薬効成分送達システムにおいて皮膚を押圧すると同時に密着状態を維持できる施術用カップ並びにカプセル化金粒子を含む薬効成分含有組成物を提供する。
【解決手段】薬効成分含有組成物を皮膚の内部に浸透させる薬効成分送達システムであって吐出機能を具備する第1ポンプ(16)と吸引機能を具備する第2ポンプ(17)と施術用カップ(1)とを備え、施術用カップはドーム状の内カップ(2)と、内カップの外面との間に間隙を設けて内カップを覆うドーム状の外カップ(3)とを具備し各々の開口(2b,3b)は略同一面上に位置し内カップの内部空間(2c)は内カップの壁部に設けた第1接続部(2d)を介して第1ポンプに連結され内カップと外カップの間の間隙空間(3c)は外カップの壁部に設けた第2接続部(3d)を介して第2ポンプに連結される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬効成分をもつ物質を皮膚の内部に浸透させるための薬効成分送達システム、このシステムで用いられる施術用カップ及び薬効成分含有組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、金が人間の皮膚に対して美容的な効果を奏することが知られている。例えば、皮膚再生、しわやしみの除去等であり、化粧品の成分にも用いられている(特許文献1等)。その施術は、極細の金の糸を皮膚内部に縫い込むという外科的手法が採られていた。これは明らかに医療行為であるため医者しか施術できず、費用も高額で痛みや張りを伴うものであった。このため、外科的手法によらず皮膚内部に金を浸透させる手段が要望されている。
【0003】
例えば、金粒子を皮膚の表面から内部に効果的に浸透させるには、金粒子が細胞の間を通過可能でなければならない。人間の上皮細胞の細胞間隔は約250nm程度であり、金粒子を円滑に通過させるには、その平均粒子径を70nm以下とする必要があるといわれている。
【0004】
昨今、電子部品や化学触媒等の分野では金微粒子の工業的な製造技術が進歩し、例えば特許文献2では、金イオンを含む水溶液に、還元剤と、水と相溶しない有機溶媒に分散させた保護コロイドとを添加し、得られた溶液系を攪拌して有機溶媒中に金微粒子を生成させる方法を開示し、数十nm〜数nmの平均粒子径の金粒子が得られている。その他にも多様な製造方法が公知となっており、現在では、平均粒子径70nm以下の金微粒子を入手することはさほど困難ではない。
【0005】
一方、美容分野では、従来、痩身や皮脂除去等のために皮膚表面にドーム状の施術用カップを当てて吸引ポンプにより皮膚表面を吸引する装置が知られている(特許文献3等)。
【特許文献1】特開2004−131484号公報
【特許文献2】特開2003−253310号公報
【特許文献3】特許第2651663号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように、平均粒子径70nm以下の金粒子は入手可能であるが、これを単に皮膚の表面に塗布しただけでは皮膚内部に浸透させることはできない。そこで、特許文献3における美容分野で用いられている吸引装置の吸引ポンプを、吐出ポンプに置き換えれば、皮膚表面に塗布された物質を皮膚内部に押し込む効果があることが予想される。
【0007】
しかしながら、ドーム状のカップを吐出ポンプに連結しても、吸引ポンプの場合とは異なり施術用カップの内部空間が加圧状態となるため、施術用カップを皮膚に密着させておくことができないという問題点がある。
【0008】
また、別の問題点として、金粒子は人体にとって異物であるから拒絶反応があるために浸透し難く、浸透したとしても皮膚内部に定着され難いということがある。
【0009】
以上の現状に鑑み、本発明は、ナノメートルレベルの金粒子を皮膚の内部に浸透させるための薬効成分送達システムを提供することを目的とする。特に、吐出ポンプにより皮膚を押圧すると同時に皮膚に対する密着状態を維持できる施術用カップ、並びにこのような施術用カップを備えた薬効成分送達システムを提供することを目的とする。
さらに、本発明は、金粒子を薬効成分として含有しかつ拒絶反応を起こし難い、皮膚親和性の高い薬効成分含有組成物、並びにこのような薬効成分含有組成物を皮膚内部に浸透させる薬効成分送達システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以上の目的を達成するべく、本発明は、以下の各構成を提供する。括弧内の数字は、後述する実施例を示す図面中の符号であり、参考のために記す。
(1)請求項1に記載の薬効成分送達システムは、皮膚の表面に塗布された薬効成分含有組成物を前記皮膚の内部に浸透させるための薬効成分送達システムであって、少なくとも吐出機能を具備する第1ポンプ(16)と、少なくとも吸引機能を具備する第2ポンプ(17)と、前記皮膚の表面に当てるための施術用カップ(1)とを備え、前記施術用カップは、ドーム状の内カップ(2)と、前記内カップの外面との間に間隙を設けて該内カップを覆うドーム状の外カップ(3)とを具備し、前記内カップと前記外カップの各々の開口(2b,3b)は略同一面上に位置し、前記内カップの内部空間(2c)は該内カップの壁部に設けた第1接続部(2d)を介して前記第1ポンプに連結され、前記内カップと前記外カップの間の間隙空間(3c)は該外カップの壁部に設けた第2接続部(3d)を介して前記第2ポンプに連結されたことを特徴とする。
【0011】
(2)請求項2に記載の薬効成分送達システムは、請求項1において、前記第1ポンプ(16)が吐出機能に加えて吸引機能を具備することを特徴とする。
【0012】
(3)請求項3に記載の薬効成分送達システムは、請求項1または2において、前記内カップの内部空間(2c)と前記第1ポンプ(16)の間を連結する流路の途上にオゾン発生器を挿入設置したことを特徴とする。
【0013】
(4)請求項4に記載の薬効成分送達システムは、請求項1〜3のいずれかにおいて、前記内カップの内部空間(2c)において、超音波振動面を開口側へ向けて超音波振動モジュールを設置したことを特徴とする。
【0014】
(5)請求項5に記載の薬効成分送達システムは、請求項1〜4のいずれかにおいて、前記薬効成分含有組成物が、カプセル化金粒子とバインダー液とを含み、前記カプセル化金粒子は、平均粒子径70nm以下の金粒子と前記金粒子を被覆する皮膚親和性をもつ外装被膜とから形成されたことを特徴とする。
【0015】
(6)請求項6に記載の薬効成分送達システムは、請求項5において、前記外装被膜がリン脂質を含むことを特徴とする。
【0016】
(7)請求項6に記載の薬効成分送達システムは、請求項5または6において、前記バインダー液がアスコルビン酸を含むことを特徴とする。
【0017】
(8)請求項8に記載の施術用カップは、皮膚の表面に当てて吸引または押圧を行うための施術用カップであって、ドーム状の内カップ(2)と、前記内カップの外面との間に間隙を設けて該内カップを覆うドーム状の外カップ(3)とを具備し、前記内カップと前記外カップの各々の開口(2b,3b)は略同一面上に位置するとともに、前記内カップの内部空間(2c)を外部のポンプに連結するべく該内カップの壁部に設けた第1接続部(2d)と、前記内カップと前記外カップの間の間隙空間(3c)を外部の別のポンプに連結するべく該外カップの壁部に設けた第2接続部(3d)とを具備することを特徴とする。
【0018】
(9)請求項9に記載の薬効成分含有組成物は、皮膚の表面に塗布し該皮膚の内部に浸透させる薬効成分含有組成物であって、カプセル化金粒子とバインダー液とを含み、前記カプセル化金粒子は、平均粒子径70nm以下の金粒子と前記金粒子を被覆する皮膚親和性をもつ外装被膜とから形成されたことを特徴とする。
【0019】
(10)請求項10に記載の薬効成分含有組成物は、請求項9において、前記外装被膜がリン脂質を含むことを特徴とする。
【0020】
(11)請求項11に記載の薬効成分含有組成物は、請求項8または9において、前記バインダー液がアスコルビン酸を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
(A)本発明による薬効成分送達システムは、皮膚の表面に塗布された薬効成分含有組成物を皮膚の内部に浸透させるために複数の構成要素を組み合わせたシステムである。複数の構成要素として、少なくとも吐出機能を具備する第1ポンプと、少なくとも吸引機能を具備する第2ポンプと、皮膚の表面に当てるための施術用カップとを備える。施術用カップは、ドーム状の内カップと外カップの二重構造となっており、内カップの外面と外カップの内面の間には間隙による空間が設けられる。また、内カップと外カップの各々の開口は略同一面上に位置する。そして内カップの内部空間は、内カップの壁部に設けた第1接続部を介し第1ポンプに連結され、内カップと外カップの間の間隙空間は外カップの壁部に設けた第2接続部を介して第2ポンプに連結されている。
【0022】
斯かる構成を有するので、第1ポンプの吐出機能を駆動すれば内カップの内部空間へ向かって気体が送出されその開口部分(施術用カップの開口の中央部分に相当する)から吐出され、同時に第2ポンプの吸引機能を駆動すれば内カップと外カップの間の間隙空間の開口部分(施術用カップの開口の周囲部分に相当する)から気体が吸引される。施術用カップを皮膚の表面に当てた状態でこのように第1ポンプと第2ポンプを駆動すると、内カップと外カップの間の間隙空間は減圧状態となって皮膚の表面を吸引して間隙空間の開口周縁に密着させる。従って、施術用カップを皮膚表面に固定するためのバンド等を用いる必要はない。同時に、内カップの内部空間は加圧状態となって皮膚の表面を押圧する。この結果、施術用カップの周囲部分で皮膚の表面に対する密着状態を確保しつつ、中央部分で皮膚の表面を押圧することを実現できる。
【0023】
皮膚の表面に薬効成分含有組成物を塗布した状態で、本発明の薬効成分送達システムを適用すれば、第1ポンプにより生じた加圧状態によって薬効成分含有組成物が皮膚の内部へ向かう力を受け、皮膚の内部へ浸透させられることとなる。これにより、薬効成分含有組成物に含まれる薬効成分を皮膚の内部に効率的に取り込むことができる。
【0024】
(B)上記において、第1ポンプが吐出機能に加えて吸引機能を具備することにより、第1ポンプの吸引機能を駆動すれば、施術用カップの内カップの内部空間が減圧状態となり開口中央部分の皮膚の表面を吸引することができる。これを利用すれば、薬効成分含有組成物を塗布するに先立って皮膚の表面から皮脂や汚れ等を除去し清浄化することができる。
【0025】
(C)上記において、内カップの内部空間と第1ポンプの間を連結する流路の途上にオゾン発生器を挿入設置することにより、第1ポンプの吐出機能を駆動したときに内カップに送出される気体にオゾンを含ませることができる。オゾンを皮膚に送り込むことで酸化作用を活性化させ、細胞が静止状態から活動状態に移行するとき、細胞の生命活動電位を決めるプラスイオンとマイナスイオンが入れ替わり、脱分極が活発化し血液の機能が回復し、多くの酸素を供給可能となる。この結果、細胞の再生が活発となる。
【0026】
(D)上記において、内カップの内部空間に、超音波振動面を開口側に向けて超音波振動モジュールを設置することにより、施術用カップを皮膚の表面に置いたとき、超音波振動面が皮膚の表面に当たるように構成できる。超音波振動は、第1ポンプによる内部空間の圧力変化に比べて遙かに高周波微小振幅である。第1ポンプ及び超音波振動モジュールを同時に駆動すれば、第1ポンプによる内部空間の圧力変化に対して超音波振動が重畳されたものが皮膚の表面に適用される。
【0027】
超音波振動により、皮膚の表面から2〜3cmの深さまで細胞の温度が約1度上昇し、脂肪分が温熱効果で分解されやすい状態となる結果、細胞の物質代謝が盛んになる。また、毛細血管のない皮膚の表面近傍では、血液の替わりにリンパ液が細胞の隙間に入り込んで代謝を補っているが、第1ポンプの吐出駆動と組み合わせた場合は、超音波振動による温熱作用と第1ポンプによる押圧力が相俟って、リンパ液の流れを改善し、薬効成分を皮膚の基底層まで到達させ定着させることができる。この結果、皮膚の基底層において薬効成分の効能が発揮される。
【0028】
なお、超音波振動の重畳は、第1ポンプが吐出駆動、吸引駆動、または吐出/吸引繰り返し駆動のいずれの駆動状態の場合にも行うことができる。第1ポンプを吸引駆動と組み合わせた場合は、皮膚の表面の清浄化を効果的に行うことができる。超音波振動によるキャビテーション作用によって振動と泡(洗浄剤を用いた場合)の効果で良好な洗浄効果が得られる。
【0029】
(E)上記システムは、金粒子を薬効成分として含有する組成物に好適に適用される。前述の通り、金粒子は美容効果があるがそのままでは皮膚に浸透し難く定着し難い。本システムにより金粒子を含有する組成物を円滑に皮膚に浸透させ定着させることができる。特に好適な組成物は、カプセル化金粒子とバインダー液とを含み、カプセル化金粒子は、平均粒子径70nm以下の金粒子と、金粒子を被覆する皮膚親和性をもつ外装被膜とから形成されている。
【0030】
金粒子を皮膚親和性をもつ外装被膜で被覆してカプセル化することにより、拒絶反応を軽減し皮膚に浸透しやすくすることができる。このような外装被膜は、生体に対する安全性も確保する作用があり、また生体機能模倣による有効性向上にも寄与する。
【0031】
外装被膜としては、リン脂質を含むことが好適である。代表例として大豆由来のレシチンが挙げられる。リン脂質は、構造中にリン酸エステル部位をもつ脂質の総称である。リン脂質は、自己組織化によって脂質二重層を形成し、ナノメートルレベルの金粒子が存在する場合はこれを包み込み、脂質ベシクル(リポソーム)を形成する。脂質二重層は浸透性があり、柔軟で、流体のような特性をもつため、皮膚の内部を移動し易い。
【0032】
さらに、バインダー液としては、アスコルビン酸を含むことが好適である。アスコルビン酸は、無色の水溶性ビタミンで、いわゆるビタミンCである。アスコルビン酸は、還元性を有するため酸化防止剤として働き、メラニンの産生抑制やコラーゲン合成促進、抗酸化作用などの機能をもつ。この結果、バインダー液もまた皮膚の内部に浸透することにより美容効果の促進に寄与する。
【0033】
(F)本発明のシステムの構成要素の一つである施術用カップは、薬効成分送達以外の目的にも好適に利用できる。例えば、内カップと外カップの間の間隙空間を外部の吸引用ポンプに連結することで施術用カップを皮膚の表面に密着させておくことができる。そして、内カップの内部空間を吸引/吐出の両機能をもつ外部のポンプに連結することで、皮膚の表面に対して吸引力/押圧力を種々のパターンで付与することができる。この結果、皮膚に対するマッサージ効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本発明の実施例を示した図面を参照しつつ本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明による薬効成分送達システムの構成を模式的に示した構成図である。本システムの主要部は、人の皮膚に当てて使用する施術用カップ1と、システム駆動制御装置10である。システム駆動制御装置10は、例えば1つの装置ケースに格納されたユニット形態とすることが好適である。施術用カップ1とシステム駆動制御装置10とは、加圧または減圧された気体を移送可能なチューブ状の移送管4、5により接続され、あるいは必要に応じて電気的な接続ライン21によっても接続される。これらの気体移送管4、5または接続ラインはいずれもフレキシブルなものとし、その長さは、施術の利便性を考慮して適宜設定される。
【0035】
システム駆動制御装置10は、電気系統部11及びポンプ系統部15を備えている。ポンプ系統部15は、施術用カップ1に対して気体(基本的には空気)を吐出及び/または吸引する機能をもつ第1ポンプ16と第2ポンプ17の2つのポンプを具備する。第1ポンプ16は、少なくとも吐出機能を有し、第1ポンプ出力部16a及び第1移送管4を介して後述する施術用カップ1の内カップ2に連結される。第1ポンプ16は、さらに吸引機能を兼ね備えていることが好適である(詳細は後述する)。第2ポンプ17は、少なくとも吸引機能を有し、第2ポンプ出力部17a及び第2移送管5を介して後述する施術用カップ2の外カップ3に連結される。
【0036】
第1ポンプ16及び第2ポンプ17のポンプの種類は、特に限定しないが、人間の皮膚に対して加圧作用または減圧作用を及ぼすものであるから、人体に支障のない程度の圧力レベルのものでよい。本システムは、主として美容目的の使用を対象とする(但しこれに限られない)ため、滑らかな圧力変化が得られることが望ましい。この点から、ピストン方式よりもふいご(ベローズ)方式の方が摺動部がなく滑らかに吸排気できるため好適である。
【0037】
ポンプ系統部15の各ポンプの制御及び駆動電力の供給は、電気系統部11により行われる。ポンプ制御については、各ポンプの始動及び停止、吐出と吸引の切替、圧力の設定、圧力変化の振幅と周波数の調整、駆動時間の設定等を行う。
【0038】
電気系統部11の制御部13は、例えば、所定の制御用プログラムを書き込んだPIC(Peripheral Interface Controller:周辺機器接続制御用IC)マイコンを備え、図示しない操作パネル(設定条件等の入力装置)と併せて本システムの制御を行う。システムの制御には、上記のポンプ制御の他に、オゾン発生器20の始動及び停止等も含まれる。電源部12は、本システムの各構成要素に対して必要な電圧及び電流を生成し、供給する。例えば、外部のAC電源から必要な安定化直流電圧を生成し、制御部13へ供給する。また、ポンプ系統部15に対してポンプ駆動電力を供給する。さらに、オゾン発生器20を設けた場合には、オゾン発生に必要な交流電圧をライン21に出力する。また、図示しないが、システム駆動制御装置10は、本システムの稼働状況を表示する適宜の表示装置(画面やLED素子)等を備えることが好適である。
【0039】
好適には、図1に示すオゾン発生器20が、内カップ2の内部空間2cと第1ポンプ16の間を連結する流路の途上に挿入設置される。オゾン発生器20は、図示しないが、ケース内格納された2つの電極間に交流高電圧を印加して酸素中で放電させることによりオゾン(O)を発生させる。発生したオゾンは、移送管4中に放出されて第1ポンプ16により吐出される空気とともに内カップ2の内部空間2cへ送り込まれる。これにより、オゾンを皮膚表面に作用する。オゾンの作用により、皮膚細胞の活動における酸化作用を活性化させ、細胞が静止状態から活動状態に移行するとき、細胞の生命活動電位のプラスイオンとマイナスイオンが入れ替わり、脱分極が活発となり血液の機能回復を促進して酸素供給を増加させる。この結果、細胞の再生機能が高まる。また、薬効成分の送達を行う前に皮膚表面を清浄化する際に、オゾンにより殺菌を行ってもよい。さらに、消臭・美白効果も得られる。
【0040】
施術用カップ1は、内カップ2と外カップ3を備えた二重構造である。ドーム状の内カップ2は、図示の例では、内部空間2cをもつ半球殻形状のドーム体2aを具備し、一方の側に開口している。外カップ3は、内カップ2と略相似のドーム体3aを具備し、内カップ2全体を覆っている。内カップ2の外面と外カップ3の内面の間に所定の間隙を設けることにより間隙空間3cを形成している。
【0041】
内カップ2及び外カップ3は、プラスチックまたはガラスを成形して作製することが好適である。金属製でもよいが、透明であることが内部の状況を視認できるので好ましい。内カップ2及び外カップ3は、第1ポンプ16及び第2ポンプ17による吐出または吸引による内部の加圧状態または減圧状態に対して変形しない強度を備えた素材を用いる。
【0042】
図2は、図1に示した施術用カップ1を詳細に示す図であり、(A)が正面図、(B)が正面からみた縦断面図、(C)が底面図である。内カップ2の開口と外カップ3の開口は略同一面上に位置する。使用する際は、これらの開口を皮膚の表面に向けて施術用カップ1を当てる。内カップ2の開口周縁2bにはシール材2eが取り付けられ、外カップ3の開口周縁3bにはシール材3eが取り付けられている。これらのシール材2e、3eは、弾性部材が好適であり、皮膚の表面との良好な密着性を確保するために設けられている。
【0043】
内カップ2の壁部には、内部空間2cと連通する管状の第1接続部2dが設けられ、外側へ延在している。第1接続部2dは、外カップ3の壁部も貫通しているため、内部空間2cと間隙空間3cとは互いに連通していない。第1接続部2dの端部に、図1に示した第1移送管4を接続することにより、内部空間2cと第1ポンプ16とが連結される。従って、第1ポンプ16が吐出駆動または吸引駆動されると、第1接続部2dを通して内部空間2cに空気が送り込まれたり、内部空間2cから空気が吸引されたりする。内部空間2c内の圧力分布をなるべく均等にするには、第1接続部2dがドーム体2aの頂部近傍に設けられることが好適である。
【0044】
外カップ3の壁部には、間隙空間3cと連通する管状の第2接続部3dが設けられ、外側へ延在している。第2接続部3dの端部に、図1に示した第2移送管5を接続することにより、間隙空間3cと第2ポンプ17とが連結される。従って、第2ポンプ17が吸引駆動されると、第2接続部3dを通して間隙空間3cから空気が吸引される。間隙空間3c内の圧力分布をなるべく均等にするには、第2接続部3dがドーム体3aの頂部近傍に設けられることが好適である。
【0045】
図3は、本システムの使用方法の幾つかの例を示す断面図である。施術用カップ1を、対象者の皮膚50の表面に当てて使用する。このとき、シール材2e、3dの全体が皮膚表面に当たるようにし、内部空間2cと間隙空間3cが密閉空間となるようにする。
【0046】
図3(A)は、図1に示した第1ポンプ16を吐出駆動し、第2ポンプ17を吸引駆動した場合の使用状況の断面図である。第2ポンプ17は、使用時には基本的に吸引駆動する。これにより、間隙空間3cが減圧状態となり、周囲部分の皮膚表面53が吸引されて膨出する。この場合、第1ポンプ16の吐出駆動により、内部空間2cは加圧状態となり、中央部分の皮膚表面52は押圧されて陥没する。第2ポンプ17の吸引により周囲部分の皮膚と施術用カップ1とが密着状態を保持できるため、第1ポンプ16の吐出により中央部分の皮膚が押圧されても、施術用カップ1が外れることはない。この状態を実現するように、第1ポンプ16及び第2ポンプ17の吐出圧力及び吸引圧力を適宜設定する。第1ポンプ16の吐出圧力は、一定圧力でもよいし、所定の振幅と周波数をもつ脈動でもよい。図3(A)のような使用方法は、薬効成分を含有する組成物を皮膚表面に塗布し、その薬効成分を皮膚の内部に浸透させるために用いることが有用である。
【0047】
図3(B)は、第1ポンプ17を吸引駆動した場合の使用状況の断面図である。図示の例では第2ポンプ17も吸引駆動しているが、この場合、第1ポンプ17の吸引駆動により、内部空間2cが減圧状態となり、中央部分の皮膚表面52が吸引されて膨出する。この場合は、第2ポンプ17の吸引駆動は必ずしも必要ではないが、施術の途中で第1ポンプの吐出と吸引の切替が頻繁に行われるような使用例では、第2ポンプ17を常時吸引駆動する方が制御が容易である。図3(B)のような使用方法は、皮膚表面の清浄化処理において埃や皮脂を吸引するために用いられる。その場合、皮膚の表面に予め洗浄剤の泡等を塗布したりしてもよい。また、図1には示していないが、第1ポンプ16により吸引して埃や皮脂等を洗浄剤と共に吸引する場合は、それらを回収する容器やフィルタ等を適宜設けて、第1ポンプ16の吸引機能に支障を来さないようにする。このような技術は公知である。
【0048】
図3(C)は、第1ポンプ17において吸引駆動と吐出駆動を繰り返した場合の使用状況の断面図である。この場合、第1ポンプ17の吐出駆動時には内部空間2cが加圧状態となるため、第2ポンプ16は常時吸引駆動して間隙空間3cを減圧状態とし周囲部分の皮膚表面53と施術用カップ1の密着状態を保持する。この使用例では、中央部分の皮膚表面52が第1ポンプ17の吐出/吸引に応じて陥没/膨出を繰り返す。これにより、例えば、皮膚表面のマッサージ効果が得られる。あるいは、皮膚表面の清浄化処理において皮膚を動かすことで埃や皮脂等が剥がれやすくなる効果もある。
【0049】
図4は、別の実施例における施術用カップ1A及びその接続部を示す概略断面図である。施術用カップ1Aは、上記の例と異なり、縦断面が釣り鐘状であり、
開口がやや外側にラッパ状の開いている。このように本システムで用いる施術用カップのドーム体は、半球状、釣り鐘状等の種々の変形形態があり得る。また、図4の施術用カップ1Aの接続部は、内部空間2cを第1ポンプへ連結する第1接続部2dと、間隙空間3cを第2ポンプへ連結する第2接続部3dが同軸の二重管で形成されている。この二重管接続部は、適宜の二重管用ジョイント7を介して、二重管ホース6と接続される。二重管ホース6の内管6aが、図1の第1移送管4に相当し、外管6bが第2移送管5に相当する。このように、施術用カップ1と第1ポンプ及び第2ポンプとの連結においては、種々の形態を採りうる。
【0050】
次に、本発明の薬効成分送達システムを用いて効果的に皮膚内部に浸透させることができる薬効成分含有組成物の典型例である金粒子含有組成物について説明する。金粒子含有組成物は、カプセル化金粒子とバインダー液とを含む。カプセル化金粒子は、平均粒子径70nm以下(さらに好適には50nm以下)の金粒子と、個々の金粒子を被覆する皮膚親和性をもつ外装被膜とから形成されている。皮膚にとって異物である金粒子は、ナノ粒子化しただけでは皮膚に浸透し難くかつ定着し難い。そこで、金粒子を皮膚親和性をもつ外装被膜で覆いカプセル化することで、異物として排除されることなく皮膚に容易に浸透し、皮膚の基底層に到達してからも定着することができる。
【0051】
外装被膜としては、リン脂質を含むことが好適である。リン脂質は被膜を形成しやすく、金粒子と混合することにより金粒子の周囲に吸着してリポソーム(小胞体)を形成する。リン脂質の被膜の厚さは、通常、数nm程度であるからカプセル化金粒子の大きさは、母体の金粒子の大きさとほぼ同程度である。
【0052】
リン脂質は、例えば大豆由来または卵由来のレシチンが入手し易い。リン脂質の濃度は、バインダー液に対し例えば2.5重量%以上とする。
【0053】
バインダー液は、基本的に水性であり、皮膚に塗布できる程度のペースト状の粘性をもつように調整する。バインダー液はアスコルビン酸を含むことが好適である。アスコルビン酸は還元作用があり酸化防止剤の役割を果たす。
【0054】
施術方法は次の通りである。上記の金粒子とバインダー液とを混練りすることにより、金粒子がリン脂質により被覆されてカプセル化され、金粒子含有組成物が得られる。施術にあたって、先ず、対象とする皮膚表面を十分に清浄化する。この清浄化過程においても、本システムの施術用カップで吸引することにより埃や皮脂を除去することができる。皮膚表面が清浄化された後、対象とする皮膚表面に金粒子含有組成物を塗布し、本システムの施術用カップで覆い、第2ポンプで周囲部分を吸引しつつ第1ポンプで中央部分を押圧することにより、金粒子含有組成物が皮膚内部に浸透していく。
【0055】
次に、図5は、本発明の薬効成分送達システムのさらに別の実施形態を示す図である。図5(A)は、施術用カップ1Bの断面図と高周波発信器32を示す。図5(B)は、(A)の施術用カップ1Bの使用状態を示す断面図である。
【0056】
図5(A)に示すように、施術用カップ1Bの内カップ2と外カップ3については、図2に示した実施例と同様である。本実施例では、内カップ2の内部空間の天井部から超音波振動モジュール30の取付用支持体36a、36b(円筒壁の一部をなす形状)が垂下し、その下端に設けた係止溝36a1、36b1が超音波振動モジュール30の円柱形状のスプリングケース35に設けた係止突起35a、35bとそれぞれ嵌合し、超音波振動モジュール30を着脱可能に支持する。取付用支持体35a、35bは、適度の弾性を有しているため外側に若干湾曲変形することができるため、係止突起36a1、36b1を係止溝35a1、35b1に対し押し込みまたは引き抜くことができる。なお、図示の超音波振動モジュール30の支持方式は一例であり、これに限定されず、ネジ込み方式でもよい。
【0057】
超音波振動モジュール30の先端部には、超音波振動体31が設けられ、超音波振動体31の内部には圧電素子である超音波振動子31aが配置されている。超音波振動子31aにより発生した超音波振動は、超音波振動体31の下面から発せられる。なお、超音波振動体31の下面には、複数の突起状のスペーサ32が設けられているが、これは、超音波振動体31の下面と皮膚表面の間に空間を形成してその空間にも内部空間2cと同じ圧力を及ぼすためである。
【0058】
圧電素子である超音波振動子31aは、適宜の高周波電圧(例えば、1MHz)を印加することにより超音波を発生する。従って、超音波振動子31aの両端電極に高周波電圧を供給するライン37が内カップ2及び外カップ3の壁部を貫通して(但し、各空間の密閉状態は確保されている)、外部の高周波発振器38へ接続されている。高周波発振器38は、例えば、図1に示したシステム駆動制御装置10に格納してもよい。
【0059】
さらに、超音波振動体31の上面から可動支持ロッド33が上方に延び、可動支持ロッド33の上端はスプリングケース35により支持されている。スプリングケース35内には、可動支持ロッド33が貫通するようにスプリング34が配設されている。スプリング34は、可動支持ロッド33を下方に付勢している。超音波振動体31の下面は、施術用カップ1Bを使用していないときにはその開口面より突出した位置となるように設定されている。
【0060】
図5(B)の使用状態では、施術用カップ1Bを皮膚表面に押し当てることにより、超音波振動体31が上方に押されて可動支持ロッド33はスプリング34に抗してこれを圧縮し、超音波振動体31は上方に移動する。このとき圧縮されたスプリング34の弾性力により超音波振動体31が皮膚表面を押圧するため、超音波振動体31が皮膚に密着する。施術中の内カップ2及び外カップ3の圧力制御(白矢印参照)は、上述の実施形態と同様に行われる。本実施例では、さらに超音波による効果が加わる。
【0061】
超音波振動を併用することにより、カプセル化金粒子を皮膚の基底層にさらに効果的に送達させることができる。超音波の効果により、皮膚の2〜3cmの深さまで細胞の温度が約1度上昇し、温熱効果により脂肪分が分解されやすい状態となり、細胞の物質代謝が活発となる。毛細血管のほとんどない皮膚の表面近傍では、血液の替わりにリンパ液が細胞の隙間に入り込んで代謝の働きを補っているが、超音波振動によって温熱作用を押圧作用が相俟ってリンパ液の流れを改善し、その結果、カプセル化金粒子の基底層への到達が促進される。
【0062】
また、内部空間2cを吸引する場合にも超音波振動を併用することが有効である。例えば、皮膚表面を清浄化するとき、キャビテーション作用により振動と洗浄剤の泡の効果で洗浄効果が高まる。
【0063】
最後に、図6は、上述の本システムの施術用カップの内部空間(中央部分)及び間隙空間(周囲部分)の圧力制御方法の幾つかの例を示したグラフである。横軸は時間であり、縦軸の正方向は吸引力(減圧状態)を示し負方向は押圧力(加圧状態)を示す。
【0064】
図6(A)では、第1ポンプを吐出駆動し、第2ポンプを吸引駆動し、超音波振動は発生していない。第2ポンプは一定の圧力で吸引を持続することにより施術用カップと皮膚表面との密着状態を保持する。第1ポンプは、押圧力が一定の振幅と一定の周波数(例えば、毎分200回程度)となるように吐出圧力を制御する。
【0065】
図6(B)では、第1ポンプ及び第2ポンプは、(A)と同様に制御し、超音波振動を発生させている。超音波振動は、第1ポンプの圧力変化に比べて振幅は遙かに小さく周波数は遙かに高周波(例えば、1MHz)である。よって、図示のように第1ポンプの圧力変化の脈動に対して細かい超音波振動が重畳したものとなる。
【0066】
図6(C)では、第1ポンプ及び第2ポンプともに吸引駆動している。第2ポンプは一定の圧力で吸引を持続し、第1ポンプは一定の振幅と一定の周波数で吸引圧力を制御されている。
【0067】
図6(D)では、第2ポンプは一定の圧力で吸引を持続し、第1ポンプは、一定の振幅と一定の周波数で吸引と吐出を繰り返すように制御されている。
【0068】
以上、本発明による薬効成分送達システムの構成及び制御方法を説明したが、本システムの原理に従う限りにおいて、構成及び制御方法には多様な変形形態があり得る。それらの変形形態もまた本発明の範囲に含まれる。本システム及びその施術用カップは、特にカプセル化金粒子を皮膚基底部に送達する薬効成分送達システムとして好適であるが他の薬効成分の皮膚内部への送達にも利用できる。また薬効成分送達の施術と併用してまたは単独で、皮膚表面の清浄用やマッサージ用としても用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明による薬効成分送達システムの構成を模式的に示した構成図である。
【図2】図1に示した施術用カップを詳細に示す図であり、(A)が正面図、(B)が正面からみた縦断面図、(C)が底面図である。
【図3】(A)〜(C)は、本システムの使用方法の幾つかの例を示す断面図である。
【図4】別の実施例における施術用カップ1A及びその接続部を示す概略断面図である。
【図5】本発明の薬効成分送達システムのさらに別の実施形態を示す図である。(A)は、施術用カップ1Bの断面図と高周波発信器32を示す。(B)は、(A)の施術用カップ1Bの使用状態を示す断面図である。
【図6】(A)〜(D)は、上述の本システムの施術用カップの内部空間(中央部分)及び間隙空間(周囲部分)の圧力制御方法の幾つかの例を示したグラフである。
【符号の説明】
【0070】
1、1A、1B 施術用カップ
2 内カップ
2a カップ壁部
2b 開口周縁部
2c 内部空間
2d 第1接続部
2e シール材
3 外カップ
3a カップ壁部
3b 開口周縁部
3c 間隙空間
3d 第2接続部
3e シール材
4 第1移送管
5 第2移送管
6 二重管ホース
7 二重管用ジョイント
10 システム駆動制御装置
14 出力端子
16 第1ポンプ
16a 第1ポンプ出力口
17 第2ポンプ
17a 第2ポンプ出力口
20 オゾン発生器
21 電圧供給ライン
31 超音波振動モジュール
32 超音波振動体
33 スペーサ
34 可動支持ロッド
35 スプリング
36 スプリングケース
38 高周波発振器
50、52、53 皮膚

【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚の表面に塗布された薬効成分含有組成物を前記皮膚の内部に浸透させるための薬効成分送達システムであって、
少なくとも吐出機能を具備する第1ポンプ(16)と、少なくとも吸引機能を具備する第2ポンプ(17)と、前記皮膚の表面に当てるための施術用カップ(1)とを備え、
前記施術用カップは、ドーム状の内カップ(2)と、前記内カップの外面との間に間隙を設けて該内カップを覆うドーム状の外カップ(3)とを具備し、
前記内カップと前記外カップの各々の開口(2b,3b)は略同一面上に位置し、前記内カップの内部空間(2c)は該内カップの壁部に設けた第1接続部(2d)を介して前記第1ポンプに連結され、前記内カップと前記外カップの間の間隙空間(3c)は該外カップの壁部に設けた第2接続部(3d)を介して前記第2ポンプに連結されたことを特徴とする薬効成分送達システム。
【請求項2】
前記第1ポンプ(16)が吐出機能に加えて吸引機能を具備することを特徴とする請求項1に記載の薬効成分送達システム。
【請求項3】
前記内カップの内部空間(2c)と前記第1ポンプ(16)の間を連結する流路の途上にオゾン発生器を挿入設置したことを特徴とする請求項1または2に記載の薬効成分送達システム。
【請求項4】
前記内カップの内部空間(2c)において、超音波振動面を開口側へ向けて超音波振動モジュールを設置したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の薬効成分送達システム。
【請求項5】
前記薬効成分含有組成物が、カプセル化金粒子とバインダー液とを含み、前記カプセル化金粒子は、平均粒子径70nm以下の金粒子と前記金粒子を被覆する皮膚親和性をもつ外装被膜とから形成されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の薬効成分送達システム。
【請求項6】
前記外装被膜がリン脂質を含むことを特徴とする請求項5に記載の薬効成分送達システム。
【請求項7】
前記バインダー液がアスコルビン酸を含むことを特徴とする請求項5または6に記載の薬効成分送達システム。
【請求項8】
皮膚の表面に当てて吸引または押圧を行うための施術用カップであって、
ドーム状の内カップ(2)と、前記内カップの外面との間に間隙を設けて該内カップを覆うドーム状の外カップ(3)とを具備し、前記内カップと前記外カップの各々の開口(2b,3b)は略同一面上に位置するとともに、
前記内カップの内部空間(2c)を外部のポンプに連結するべく該内カップの壁部に設けた第1接続部(2d)と、
前記内カップと前記外カップの間の間隙空間(3c)を外部の別のポンプに連結するべく該外カップの壁部に設けた第2接続部(3d)とを具備することを特徴とする施術用カップ。
【請求項9】
皮膚の表面に塗布し該皮膚の内部に浸透させる薬効成分含有組成物であって、
カプセル化金粒子とバインダー液とを含み、前記カプセル化金粒子は、平均粒子径70nm以下の金粒子と前記金粒子を被覆する皮膚親和性をもつ外装被膜とから形成されたことを特徴とする薬効成分含有組成物。
【請求項10】
前記外装被膜がリン脂質を含むことを特徴とする請求項9に記載の薬効成分含有組成物。
【請求項11】
前記バインダー液がアスコルビン酸を含むことを特徴とする請求項9または10に記載の薬効成分含有組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−125577(P2008−125577A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−311023(P2006−311023)
【出願日】平成18年11月17日(2006.11.17)
【出願人】(506385298)
【出願人】(506385287)
【Fターム(参考)】