説明

融合ヘテロビシクロ置換フェニル代謝型グルタミン酸−5修飾因子

融合ヘテロビシクロ部分で置換されているフェニル化合物は、精神医学的および気分障害、例えば、分裂病、不安、うつ病、およびパニックの治療に加えて、疼痛および他の疾患の治療において有用であるmGluR5修飾因子である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の背景)
本発明は融合ヘテロビシクロ部分で置換されているフェニル化合物に関する。特には、本発明は、精神医学的および気分障害、例えば、分裂病、不安、うつ病、およびパニックの治療に加えて、疼痛、パーキンソン病、認知障害、てんかん、薬物中毒、薬物乱用、薬物禁断および他の疾患の治療において有用である代謝型グルタミン酸受容体−サブタイプ5(「mGluR5」)修飾因子である融合ヘテロビシクロ部分で置換されているフェニル化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
哺乳動物神経系における主要興奮性神経伝達物質はグルタミン酸分子であり、これはニューロンに結合し、それにより細胞表面受容体を活性化する。そのような表面受容体はイオンチャンネル型または代謝型グルタミン酸受容体のいずれかとして特徴付けられる。代謝型グルタミン酸受容体(「mGluR」)はGプロテイン結合受容体であり、これは、グルタミン酸に結合するとき、細胞内第2伝令系を活性化する。mGluRの活性化は様々な細胞応答を生じる。特に、mGluR1およびmGluR5はホスホリパーゼCを活性化し、それに続いて細胞内カルシウムが流動化される。
【0003】
代謝型グルタミン酸受容体サブタイプ5(mGluR5)の修飾は神経系に影響を及ぼす疾患の治療において有用である(例えば、W.P.J.M Spoorenら.,Trends Pharmacol.Sci.,22:331−337 (2001)およびそこで引用される参考文献)。例えば、最近の証拠は侵害プロセスにおけるmGluR5の関与を示し、mGluR5選択的化合物を用いるmGluR5の修飾が急性、持続性および慢性疼痛[K Walkerら.,Neuropharmacology,40:1−9 (2001);F.Bordi,A.Ugolini Brain Res.,871:223−233 (2001)]、炎症性疼痛[K Walkerら.,Neuropharmacology,40:10−19 (2001);Bhaveら.Nature Neurosci.:417−423 (2001)]および神経障害性疼痛[Dogrulら.Neurosci.Lett.292:115−118 (2000)]を含む様々な疼痛状態の治療において有用であることを示す。
【0004】
さらなる証拠は精神医学的および神経学的障害の治療におけるmGluR5の修飾因子の使用を支持する。例えば、2−メチル−6−(フェニルエチニル)−ピリジン(「MPEP」)のようなmGluR5選択的化合物は、不安およびうつ病を含む、気分障害の動物モデルにおいて有効である[W.P.J.M Spoorenら.,J.Pharmacol.Exp.Ther.,295:1267−1275 (2000);E.Tatarczynskaら,Brit.J.Pharmacol.,132:1423−1430 (2001);A.Klodzynskaら,Pol.J.Pharmacol.,132:1423−1430 (2001)]。ヒトからの遺伝子発現データは、mGluR5の修飾が分裂病の治療に有用であり得ることを示す[T.Ohnumaら,Mol.Brain.Res.,56:207−217 (1998);ibid,Mol.Brain.Res.,85:24−31 (2000)]。複数の研究がパーキンソン病のような運動障害の治療におけるmGluR5の役割、およびmGluR5修飾性化合物の潜在的有用性も示している[W.P.J.M Spoorenら.,Europ.J.Pharmacol.406:403−410 (2000);H.Awadら.,J.Newosci.20:7871−7879 (2000);K.Ossawaら.Neuropharmacol.41:413−420 (2001)]。他の研究は認知機能障害[G.Riedelら,Neuropharmacol.39:1943−1951 (2000)]、てんかん[A.Chapmanら,Neuropharmacol.39:1567−1574 (2000)]および神経保護[V.Brunoら,Neuropharmacol.39:2223−2230 (2000)]の治療におけるmGluR5修飾の役割を支持する。mGluR5ノックアウトマウスおよびMPEPを用いる研究も、これらの受容体の修飾が薬物中毒、薬物乱用および薬物禁断の治療において有用であり得ることを示唆する[C.Chiamuleraら.Nature Neurosci.:873−874 (2001)]。
【0005】
国際特許公開WO 01/12627およびWO 99/26927はヘテロ多環式化合物および代謝型グルタミン酸受容体アンタゴニストとしてのそれらの使用を記載する。
【0006】
米国特許第3,647,809号はピリジル−1,2,4−オキサジアゾール誘導体を記載する。米国特許第4,022,901号は3−ピリジル−5−イソチオシアノフェニルオキサジアゾールを記載する。国際特許公開WO 98/17652はオキサジアゾールを記載し、WO 97/03967は様々な置換芳香族化合物を記載し、およびWO 94/22846は様々な複素環式化合物を記載する。
【0007】
環状系を含む化合物は様々な研究者によって様々な治療および用途に有効であるものと記載されている。例えば、国際特許公開WO 98/25883はカルパイン阻害剤としてのケトベンズアミドを記載する。欧州特許公開EP 811610並びに米国特許第5,679,712号、第5,693,672号および第5,747,541号はベンゾイルグアニジン・ナトリウムチャンネルブロッカーを記載し、米国特許第5,736,297号は感光性組成物として有用な環系を記載する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、最小限の副作用でmGluR5を治療的に阻害する新規化合物および組成物に対する必要性が残っている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(発明の要約)
本発明は、精神医学的および気分障害、例えば、分裂病、不安、うつ病、およびパニックの治療に加えて、疼痛、パーキンソン病、認知機能障害、てんかん、薬物中毒、薬物乱用、薬物禁断および他の疾患の治療において有用であるmGluR5修飾因子である、融合ヘテロビシクロ部分で置換されている新規フェニル化合物に関する。本発明は、有効量の、融合ヘテロビシクロ部分で置換されているフェニル化合物および医薬適合性の担体を含む医薬組成物も提供する。
【0010】
本発明は、さらに、精神医学的および気分障害、例えば、分裂病、不安、うつ病およびパニックの治療方法に加えて、疼痛、パーキンソン病、認知機能障害、てんかん、薬物中毒、薬物乱用および薬物禁断の治療方法であって、有効量の、融合ヘテロビシクロ部分で置換されているフェニル化合物を投与することによる方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の化合物は式(I):
【0012】
【化3】

によって表され、またはそれらの医薬適合性の塩であり、ここで、X、X、X、およびXは独立にC、N、SまたはOであり;XおよびXは独立にCまたはNであり;ここで、少なくとも1つのX、X、X、X、X、およびXはNであり;多くとも1つのX、X、X、およびXはSまたはOであり;YはC0−4アルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;RおよびRは独立にハロゲン、C0−4アルキル、またはピリジルであり;並びに、nおよびnは独立に0または1である。
【0013】
一側面において、本発明の化合物は、X、X、X、およびXが独立にC、N、SまたはOであり;XがNであり;多くとも1つのX、X、X、およびXがSまたはOであり;XがCまたはNであり;YがC0−4アルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;RおよびRが独立にハロゲン、C0−4アルキル、またはピリジルであり;並びに、nおよびnが独立に0または1である式(I)によって表され、またはそれらの医薬適合性の塩である。
【0014】
この一側面の一実施態様において、本発明の化合物は、X、X、X、X、およびXがCであり;XがNであり;YがC0−4アルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;RおよびRが独立にハロゲン、C0−4アルキル、またはピリジルであり;並びに、nおよびnが独立に0または1である式(1)によって表され、またはそれらの医薬適合性の塩である。
【0015】
この一側面の別の実施態様において、本発明の化合物は、XおよびXがCであり;X、X、およびXのうちの1つがNであって、残りがCであり;XがNであり;YがC0−4アルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;RおよびRが独立にハロゲン、C0−4アルキル、またはピリジルであり;並びに、nおよびnが独立に0または1である式(I)によって表され、またはそれらの医薬適合性の塩である。
【0016】
この一側面のさらに別の実施態様において、本発明の化合物は、XおよびXがCであり;X、X、およびXのうちの2つがNであって、残りがCであり;XがNであり;YがC0−4アルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;RおよびRが独立にハロゲン、C0−4アルキル、またはピリジルであり;並びにnおよびnが独立に0または1である式(I)によって表され、またはそれらの医薬適合性の塩である。
【0017】
この一側面のさらに別の実施態様において、本発明は、XがSであり;XがCであり;X、X、およびXのうちの1つがNであって、残りがCであり;XがNであり;YがC0−4アルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;RおよびRが独立にハロゲン、C0−4アルキル、またはピリジルであり;並びにnおよびnが独立に0または1である式(I)によって表され、またはそれらの医薬適合性の塩である。
【0018】
この一実施態様のさらに別の実施態様において、本発明の化合物は、XがSであり;XがNであり;X、X、およびXのうちの1つがNであって、残りがCであり;XがNであり;YがC0−4アルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;RおよびRが独立にハロゲン、C0−4アルキル、またはピリジルであり;並びに、nおよびnが独立に0または1である式(I)によって表され、またはそれらの医薬適合性の塩である。
【0019】
第2の側面において、本発明の化合物は、X、X、X、およびXが独立にC、N、SまたはOであり;XがCであり;XがCまたはNであり;ここで、少なくとも1つのX、X、X、X、X、およびXはNであり;多くとも1つのX、X、X、およびXはSまたはOであり;YがC0−4アルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;RおよびRが独立にハロゲン、C0−4アルキル、またはピリジルであり;並びに、nおよびnが独立に0または1である式(I)によって表され、またはそれらの医薬適合性の塩である。
【0020】
第2側面の一実施態様において、本発明の化合物は、XおよびXがCであり;XがCであり;X、X、およびXのうちの2つがNであって、残りがCであり;YがC0−4アルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;RおよびRが独立にハロゲン、C0−4アルキル、またはピリジルであり;並びに、nおよびnが独立に0または1である式(I)によって表され、またはそれらの医薬適合性の塩である。
【0021】
第2側面の一実施態様において、本発明は、XおよびXがCであり;XがCであり;X、X、およびXがNであり;YがC0−4アルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;RおよびRが独立にハロゲン、C0−4アルキル、またはピリジルであり;並びにnおよびnが独立に0または1である式(I)によって表され、またはそれらの医薬適合性の塩である。
【0022】
ここで用いられる場合、「アルキル」に加えて前置詞「アルク(alk)」を有する他の基、例えば、アルコキシ、アルカノイル、アルケニル、アルキニル等は、直鎖もしくは分岐鎖またはそれらの組合せであり得る炭素鎖を意味する。アルキル基の例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−およびtert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル等が含まれる。「アルケニル」、「アルキニル」および他の同様の用語は少なくとも1つの不飽和C−C結合を含有する炭素鎖を含む。
【0023】
「シクロアルキル」という用語はヘテロ原子を含まない炭素環を意味し、一、二および三環式飽和炭素環に加えて融合環系を含む。そのような融合環系は、部分的に、または完全に不飽和である1つの環、例えば、ベンゼン環を含んで融合環系、例えば、ベンゾ融合炭素環を形成することができる。シクロアルキルはそのような融合環系をスピロ融合環系として含む。シクロアルキルの例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、デカヒドロナフタレン、アダマンタン、インダニル、インデニル、フルオレニル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン等が含まれる。同様に、「シクロアルケニル」はヘテロ原子を含まず、かつ少なくとも1つの非芳香族C−C二重結合を含む炭素環を意味し、一、二および三環式の部分的に飽和の炭素環に加えて、ベンゾ融合シクロアルケンを含む、シクロアルケニルの例には、シクロヘキセニル、インデニル等が含まれる。
【0024】
「アリール」という用語は、単環または互いに融合する複数の環である芳香族置換基を意味する。複数の環で形成されるとき、構成環の少なくとも1つは芳香族である。好ましいアリール置換基はフェニルおよびナフチル基である。
【0025】
「シクロアルキルオキシ」という用語は、他に具体的に明言されない限り、短C1−2アルキル長によってオキシ接続原子に接続するシクロアルキル基を含む。
【0026】
「C0−6アルキル」という用語は6、5、4、3、2、1または0個の炭素原子を含有するアルキルを含む。炭素原子を含まないアルキルは、そのアルキルが末端基であるときは水素原子置換基であり、そのアルキルが架橋基であるときは直接結合である。
【0027】
「ヘテロ」という用語は、他に具体的に明言されない限り、1個以上のO、S、またはN原子を含む。例えば、ヘテロシクロアルキルおよびヘテロアリールは、1個以上のO、S、またはN原子(そのような原子の混合物を含む)を環内に含有する環系を含む。ヘテロ原子は環炭素原子を置換する。したがって、例えば、ヘテロシクロCアルキルは4から0個の炭素原子を含む5員環である。ヘテロアリールの例には、ピリジニル、キノリニル、イソキノリニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、キノキサリニル、フリル、ベンゾフリル、ジベンゾフリル、チエニル、ベンズチエニル、ピロリル、インドリル、ピラゾリル、インダゾリル、オキサゾリル、ベンゾキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、およびテトラゾリルが含まれる。ヘテロシクロアルキルの例には、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、イミダゾリニル、ピロリジン−2−オン、ピペリジン−2−オン、およびチオモルホリニルが含まれる。
【0028】
「ヘテロC0−4アルキル」という用語は、3、2、1、または0個の炭素原子を含むヘテロアルキルを意味する。しかしながら、少なくとも1個のヘテロ原子が存在しなければならない。したがって、例として、炭素原子は有さないが1個のN原子を有するヘテロC0−4アルキルは、架橋基の場合には−NH−であり、末端基の場合には−NHである。類似の架橋または末端基がOまたはSヘテロ原子について明確である。
【0029】
「アミン」という用語は、他に具体的に明言されない限り、C0−6アルキルで置換されている一級、二級および三級アミンを含む。
【0030】
「カルボニル」という用語は、他に具体的に明言されない限り、そのカルボニルが末端であるときにC0−6アルキル置換基を含む。
【0031】
「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素原子を含む。
【0032】
「場合により置換されている」という用語は、置換体および非置換体の両者を含むことが意図される。したがって、例えば、場合により置換されているアリールはペンタフルオロフェニルまたはフェニル環を表し得る。さらに、場合により置換されている複数の部分、例えば、アルキルアリールは、アリールおよびアリール基が場合により置換されていることを意味することが意図される。複数の部分の1つだけが場合により置換されている場合、「アルキルアリール、該アリールはハロゲンまたはヒドロキシルで場合により置換されている」のように具体的に列挙される。
【0033】
ここで説明される化合物は1つ以上の二重結合を含み、したがって、シス/トランス異性体の他に他の立体配座異性体を生じ得る。本発明はそのような可能な異性体の全てに加えて、そのような異性体の混合物を含む。
【0034】
ここで説明される化合物は1つ以上の非対称中心を含むことができ、したがって、ジアステレオマーおよび光学異性体を生じ得る。本発明はそのような可能なジアステレオマーの全てに加えて、それらのラセミ混合物、それらの実質的に純粋な分解鏡像異性体、全ての可能な幾何異性体、およびそれらの医薬適合性の塩を含む。上記式Iは特定の位置での最終的な立体化学なしに示されている。本発明は式Iの全ての立体異性体およびそれらの医薬適合性の塩を含む。さらに、立体異性体の混合物に加えて、単離された特定の立体異性体も含まれる。そのような化合物の調製に用いられる合成手順の過程で、または当業者に公知のラセミ化もしくはエピマー化手順の使用において、そのような手順の生成物は立体異性体の混合物であり得る。
【0035】
「医薬適合性の塩」という用語は医薬適合性の非毒性塩基または酸から調製される塩を指す。本発明の化合物が酸性であるとき、その対応する塩は、無機塩基および有機塩基を含む医薬適合性の非毒性塩基から都合よく調製することができる。そのような無機塩基から誘導される塩には、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅(第二および第一)、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、マンガン(第二および第一)、カリウム、ナトリウム、亜鉛等の塩が含まれる。特に好ましいものはアンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウムおよびナトリウム塩である。医薬適合性の有機非毒性塩基から誘導される塩には一級、二級、および三級アミンに加えて環状アミンおよび置換アミン、例えば、天然及び合成置換アミンの塩が含まれる。塩を形成することができる他の医薬適合性の有機非毒性塩基には、イオン交換樹脂、例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミン等が含まれる。
【0036】
本発明の化合物が塩基性であるとき、その対応する塩は、無機および有機酸を含む医薬適合性の非毒性酸から都合よく調製することができる。そのような酸には、例えば、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、ショウノウスルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムチン酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸等が含まれる。特に好ましいものは、クエン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、硫酸、および酒石酸である。
【0037】
本発明の医薬組成物は、活性成分としての式Iによって表される化合物(またはそれらの医薬適合性の塩)、医薬適合性の担体および、場合により、他の治療用成分または補助剤を含有する。そのようなさらなる治療用成分には、例えば、i)オピエートアゴニストまたはアンタゴニスト、ii)カルシウムチャンネルアンタゴニスト、iii)5HT受容体アゴニストまたはアンタゴニスト、iv)ナトリウムチャンネルアンタゴニスト、v)NMDA受容体アゴニストまたはアンタゴニスト、vi)COX−2選択的阻害剤、vii)NK1アンタゴニスト、viii)非ステロイド性抗炎症剤(「NSAID」)、ix)GABA−A受容体修飾因子、x)ドーパミンアゴニストまたはアンタゴニスト、xi)選択的セロトニン再取込阻害剤(「SSRI」)並びに/または選択的セロトニンおよびノルエピネフリン再取込阻害剤(「SSNRI」)、xii)三環式抗うつ剤、xiv)ノルエピネフリン修飾因子、xv)L−DOPA、xvi)ブスピロン、xvii)リチウム、xviii)バルプロエート、ixx)ニューロンチン(ガバペンチン)、xx)オランザピン、xxi)ニコチンを含むニコチン性アゴニストまたはアンタゴニスト、xxii)ムスカリン性アゴニストまたはアンタゴニスト、xxiii)ヘロイン置換薬、例えば、メタドン、レボ−アルファ−アセチルメタドール、ブプレノルフィンおよびナルトレキソン、並びにxxiv)ジスルフィラムおよびアカムプロセートが含まれる。これらの組成物には、いかなる所定の場合においても最も適する経路はその宿主、並びに活性成分を投与する状態の性質および重篤性に依存するものの、経口、直腸、局所、および非経口(皮下、筋肉内、および腹腔内を含む)投与に適する組成物が含まれる。これらの医薬組成物は単位投薬形態で都合よく提示することができ、薬学技術分野において公知のいずれの方法によっても調製することができる。
【0038】
式Iの化合物を含有するクリーム、軟膏、ゼリー、溶液、または懸濁液を局所用途に用いることができる。本発明の目的上、マウスウォッシュおよびうがい薬が局所用途の範囲に含まれる。
【0039】
毎日約0.01mg/体重kgから約140mg/kg、またはその代わりに、毎日患者当たり約0.5mgから約7gの投薬量レベルが精神医学的および気分障害、例えば、分裂病、不安、うつ病、およびパニックの治療において有用であることに加えて、mGluR5阻害に応答性である疼痛の治療において有用である。例えば、毎日体重キログラム当たり約0.01mgから75mgの化合物、またはその代わりに、毎日患者当たり約0.5mgから約3.5gを投与することにより、分裂病、不安、うつ病、およびパニックを有効に治療することができる。疼痛は毎日体重キログラム当たり約0.01mgから125mgの化合物、またはその代わりに、毎日患者当たり約0.5mgから約5.5gを投与することによって有効に治療することができる。さらに、本発明のmGluR5阻害性化合物を予防的に有効な投薬量で投与して上記状態を予防できることが理解される。
【0040】
担体材料と組み合わせて単一投薬形態を生成することができる活性成分の量は、治療を受ける宿主および投与様式に依存して変化する。例えば、ヒトへの経口投与を目的とする配合物は約0.5mgから約5gの活性薬剤を都合よく含有することができ、これは全組成物の約5から約95パーセントを変化し得る適切かつ好都合な量の担体材料と配合される。単位投薬形態は、一般には約1mgから約1000mgの活性成分、典型的には25mg、50mg、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、800mgまたは1000mgを含有する。
【0041】
しかしながら、いかなる特定の患者の具体的な用量レベルも、年齢、体重、一般的な健康、性別、食事、投与時間、投与経路、排泄速度、薬物の組合せおよび治療を行っている疾患の重篤性を含む様々な要素に依存することは理解される。
【0042】
実際には、本発明の式Iによって表される化合物、またはそれらの医薬適合性の塩を、活性成分として接触混合で、医薬担体と通常の医薬配合技術によって組み合わせることができる。この担体は、投与、例えば、経口または非経口(静脈内を含む)に望ましい調製品の形態に依存して広範囲の形態を取ることができる。したがって、本発明の医薬組成物は、経口投与に適する別個の単位、例えば、所定の量の活性成分を含有するカプセル、カシューまたは錠剤として提示することができる。さらに、これらの組成物は、粉末として、顆粒として、溶液として、水性液体中の溶液として、非水性液体として、水中油エマルジョンとして、または油中水エマルジョンとして提示することができる。上述の通常の投薬形態に加えて、式Iによって表される化合物、またはそれらの医薬適合性の塩は、制御放出手段および/または送達装置によって投与することもできる。これらの組成物は、薬学の方法のいずれかによって調製することができる。一般には、そのような方法は、1種類以上の必要成分を構成する担体と活性成分を会合させる工程を含む。一般には、これらの組成物は、活性成分を液体担体もしくは微細化固体担体または両者と均一かつ緊密に混合することによって調製する。その後、その生成物を所望の呈示に都合よく成形することができる。
【0043】
したがって、本発明の医薬組成物は医薬適合性の担体および式Iの化合物または医薬適合性の塩を含むことができる。式Iの化合物、またはそれらの医薬適合性の塩は、1種類以上の他の治療上活性の化合物と組み合わせて医薬組成物中に含めることもできる。
【0044】
用いられる医薬担体は、例えば、固体、液体、または気体であり得る。固体担体の例にはラクトース、石膏、スクロース、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アラビアゴム、ステアリン酸マグネシウム、およびステアリン酸が含まれる。液体担体の例はシュガーシロップ、ラッカセイ油、オリーブ油、および水である。気体状担体の例には二酸化炭素および窒素が含まれる。
【0045】
経口投薬形態のための組成物の調製において、あらゆる通常の医薬媒体を用いることができる。例えば、水、グリコール、油、アルコール、香味料、保存剤、着色料等を用いて経口液体調製品、例えば、懸濁液、エリキシルおよび溶液を形成することができ;一方、デンプン、糖、微結晶セルロース、希釈剤、顆粒化剤、潤滑剤、結合剤、崩壊剤等を用いて経口固体調製品、例えば、粉末、カプセルおよび錠剤を形成することができる。投与の容易さのため、固体医薬担体が用いられる錠剤およびカプセルが好ましい経口投薬単位である。場合により、錠剤は標準水性または非水性技術によってコートすることができる。
【0046】
本発明の組成物を含有する錠剤は圧縮または成型により、場合により1種類以上の補助成分または補助剤と共に調製することができる。圧縮錠は、適切な機械内で、自由流動形態、例えば、粉末または顆粒であり、場合により結合剤、潤滑剤、不活性希釈剤、表面活性剤または分散剤と混合されている活性成分を圧縮することによって調製することができる。成型錠は、適切な機械内で。不活性液体希釈剤で加湿されている粉末化化合物の混合物を成型することによって製造することができる。各々の錠剤は、好ましくは、約0.1mgから約500mgの活性成分を含有し、各々のカシューまたはカプセルは、好ましくは、約0.1mgから約500mgの活性成分を含有する。したがって、錠剤、カシュー、またはカプセルは0.1mg、1mg、5mg、25mg、50mg、100mg、200mg、300mg、400mg、または500mgの活性成分を都合よく含有し、1日1、2、または3回、1または2個の錠剤、カシュー、またはカプセルが摂取される。
【0047】
非経口投与に適する本発明の医薬組成物は水中の活性化合物の溶液または懸濁液として調製することができる。適切な表面活性剤、例えば、ヒドロキシプロピルセルロースを含めることができる。分散液を油中のグリセロール、液体ポリエチレングリコール、およびそれらの混合液中に調製することもできる。さらに、保存剤を含めて微生物の有害成長を阻止することができる。
【0048】
注射用途に適する本発明の医薬組成物には無菌水性溶液または分散液が含まれる。さらに、これらの組成物は、そのような無菌注射用溶液または分散液を即時調製するための無菌粉末の形態であってもよい。すべての場合において、最終注射用形態は無菌でなければならず、かつ安易なシリンジ操作性に有効な流動性でなければならない。これらの医薬組成物は製造および保存の条件下で安定でなければならない;したがって、好ましくは、細菌および真菌のような微生物の汚染作用に対して保護されるべきである。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコールおよび液体ポリエチレングリコール)、植物油、および適切なそれらの混合物を含む溶媒または分散媒体であり得る。
【0049】
本発明の医薬組成物は局所用途に適する形態、例えば、エアロゾル、クリーム、軟膏、ローション、粉剤等であり得る。さらに、これらの組成物は経皮装置における使用に適する形態であり得る。これらの処方は、本発明の式Iによって表される化合物、またはそれらの医薬適合性の塩を用いて、通常の処理方法によって調製することができる。例として、クリームまたは軟膏は、親水性材料および水を約5wt%から約10wt%の化合物と共に混合して所望の硬度を有するクリームまたは軟膏を生成することによって調製する。
【0050】
本発明の医薬組成物は直腸投与に適する形態であってもよく、ここで、担体は固体である。混合物が単位用量座剤を形成することが好ましい。適切な担体にはカカオ脂および当該技術分野において通常用いられる他の材料が含まれる。座剤は、まず組成物を軟化または溶融担体(1種類以上)と混合し、次いで型内で冷却および成形することによって都合よく形成することができる。
【0051】
前述の担体成分に加えて、上述の医薬処方は、適切であるとき、1種類以上のさらなる担体成分、例えば、希釈剤、緩衝剤、香味料、結合剤、表面活性剤、濃厚剤、潤滑剤、保存剤(酸化防止剤を含む)等を含むことができる。さらに、他の補助剤を含めてその処方を目的とするレシピエントの血液と等張にすることができる。式Iによって説明される化合物、またはそれらの医薬適合性の塩を含有する組成物は粉末または液体濃縮物形態で調製することもできる。
【0052】
本発明の化合物および医薬組成物はmGluR5阻害剤として生物学的活性を示すことが見出されている。したがって、本発明の別の側面は、有効量の本発明の化合物を投与することによる、哺乳動物における、例えば、分裂病、不安、うつ病、およびパニック、疼痛、パーキンソン病、認知機能障害、てんかん、薬物中毒、薬物乱用および薬物禁断−mGluR5の阻害による緩和に従う疾患−の治療である。「哺乳動物」という用語はヒトの他に他の動物、例えば、イヌ、ネコ、ウマ、ブタ、およびウシを含む。したがって、ヒト以外の哺乳動物の治療は、ヒトの苦痛である上記例に相関する臨床的苦痛の治療である。
【0053】
さらに、上述のように、本発明の化合物は他の治療用化合物と組み合わせて用いることができる。特に、本発明のmGluR5阻害性化合物の組合せは、i)オピエートアゴニストまたはアンタゴニスト、ii)カルシウムチャンネルアンタゴニスト、iii)5HT受容体アゴニストまたはアンタゴニスト、iv)ナトリウムチャンネルアンタゴニスト、v)NMDA受容体アゴニストまたはアンタゴニスト、vi)COX−2選択的阻害剤、vii)NK1アンタゴニスト、viii)非ステロイド性抗炎症剤(「NSAID」)、ix)GABA−A受容体修飾因子、x)ドーパミンアゴニストまたはアンタゴニスト、xi)選択的セロトニン再取込阻害剤(「SSRI」)並びに/または選択的セロトニンおよびノルエピネフリン再取込阻害剤(「SSNRI」)、xii)三環式抗うつ剤、xiii)ノルエピネフリン修飾因子、xiv)L−DOPA、xv)ブスピロン、xvi)リチウム、xvii)バルプロエート、xviii)ニューロンチン(ガバペンチン)、xix)オランザピン、xx)ニコチンを含むニコチン性アゴニストまたはアンタゴニスト、xxi)ムスカリン性アゴニストまたはアンタゴニスト、xxii)ヘロイン置換薬、例えば、メタドン、レボ−アルファ−アセチルメタドール、ブプレノルフィンおよびナルトレキソン、並びにxxiii)ジスルフィラムおよびアカムプロセートとの組合せで有利に用いることができる。
【0054】
ここで用いられる略語は以下の作表された意味を有する。以下の表に掲載されていない略語は、他に具体的に明言されない限り、通常用いられるそれらの意味を有する。
【0055】
【表1】


【0056】
【表2】

【0057】
生物学的活性を示すアッセイ
本発明の化合物をマウス線維芽Ltk細胞(hmGluR5a/L38−20細胞株)において安定に発現するhmGluR5a受容体に対して試験し、蛍光性Ca++感受性色素、fura−2を用いて測定される[Ca++の変化によって活性を検出した。InsPアッセイはhmGluR5aを安定に発現するマウス線維芽Ltk細胞(LM5a細胞株)において行った。国際特許公開WO 0116121に記載されるアッセイを用いることができる。
【0058】
カルシウム流アッセイ
化合物の活性をマウス線維芽Ltk細胞(hmGluR5a/L38細胞株)において安定に発現するhmGluR5a受容体に対して試験した。一般には、Daggettら.,Neuropharmacology 34:871−886 (1995)を参照のこと。受容体活性を、蛍光性カルシウム感受性色素、fura−2を用いて測定される細胞内カルシウム([Ca2+)の変化によって検出した。hmGluR5a/L38−20細胞を96ウェルプレート上で平板培養し、3μM fura−2を1時間導入した。取り込まれなかった色素を細胞から洗い流し、完全自動化プレート操作および液体搬送システムに組み込まれている96チャンネル蛍光定量計(SIBIA−SAIC、La Jolla、CA)に移した。細胞を、光学フィルターと組み合わされてるキセノン源を用いて350および385nmで励起した。放射光を二色ミラーおよび510nm干渉フィルターを通して試料から集め、冷却CCDカメラ(Princeton Instruments)に導いた。画像の対を約1秒ごとにキャプチャーし、バックグランドを差し引いた後にレシオ画像(ratio images)を生成した。20秒の基礎読み取りの後、EC80濃度のグルタミン酸(10μM)をウェルに添加し、さらに60秒間応答を評価した。スクリーニング化合物の存在下における[Caのグルタミン酸誘起増加をグルタミン酸単独(陽性対照)の応答と比較した。
【0059】
ホスファチジルイノシトール加水分解(PI)アッセイ
イノシトールホスフェートアッセイを、僅かな修正を加えて、Berridgeら.[Berridgeら,Biochem.J.206: 587−5950 (1982);および Nakajimaら.,J.Biol.Chem.267:2437−2442 (1992)]によって記載されるように行った。hmGluR5を発現するマウス線維芽LtK細胞(hmGluR5/L38−20細胞)を24ウェルプレート内に8×10細胞/ウェルの密度で播種した。1μCiの[H]−イノシトール(Amersham PT6−271;Arlington Heights、IIL;比活性=17.7Ci/mmol)を各ウェルに添加し、37℃で16時間インキュベートした。細胞を2回洗浄し、0.5mLの標準Hepes緩衝生理食塩バッファ(HBS;125mM NaCl、5mM KCl、0.62mM MgSO、1.8mM CaCl、20mM HEPES、6mMグルコース、pH7.4まで)中で45分間インキュベートした。それらの細胞を、10mM LiClを含有するHBSで洗浄し、400μLのバッファを各ウェルに添加した。細胞を37℃で20分間インキュベートした。試験するため、本発明の実施において用いられる、50μLの10×化合物(HBS/LiCl(100mM)中に作製)を添加し、10分間インキュベートした。10μMグルタミン酸を添加することによって細胞を活性化し、プレートを37℃で1時間放置した。1mL氷冷メタノールを各ウェルに添加することによってインキュベーションを停止させた。イノシトールホスフェート(IP)を単離するため、細胞をウェルから剥がし、ナンバリングしたガラス試験管に入れた。1mLのクロロホルムを各管に添加して管を混合し、遠心によって相を分離させた。IPをDowexアニオン交換カラム(AG 1−X8 100−200メッシュギ酸形態)で分離した。上部水層(750μL)をDowexカラムに添加し、それらのカラムを3mLの蒸留水で溶出した。溶離液を廃棄し、カラムを10mLの60mMギ酸アンモニウム/5mM Boraxで洗浄して、それも廃棄物として廃棄した。最後に、カラムを4mLの800mMギ酸アンモニウム/0.1Mギ酸で溶出し、それらの試料をシンチレーションバイアル内に集めた。シンチラントを各バイアルに添加し、バイアルを振盪して2時間後にシンチレーションカウンター内でカウントした。特定の例示化合物で処理した細胞におけるホスファチジルイノシトール加水分解を、化合物の不在下においてアゴニスト単独で処理した細胞におけるホスファチジルイノシトール加水分解と比較した。
【0060】
本願の化合物は、カルシウム流アッセイにおける5μM未満の値およびPIアッセイにおける100μM未満の値によって示されるようなmGluR5阻害活性を有する。好ましくは、これらの化合物はカルシウム流アッセイにおいて500nM未満の値およびPIアッセイにおいて10μM未満の値を有するはずである。より好ましくは、これらの化合物はカルシウム流アッセイにおいて50nM未満の値およびPIアッセイにおいて1μM未満の値を有するはずである。
【0061】
実施例1から16は、カルシウム流アッセイにおける5μM未満の値およびPIアッセイにおける100μM未満の値によって示されるようなmGluR5阻害活性を有する。
【0062】
以下の例は本発明の特定の好ましい実施態様であることが意図されており、本発明の限定を意味するものではない。
【0063】
他に具体的に明言されない限り、実験手順は以下の条件下で行った。全ての操作は室温または周囲温度−すなわち、18−25℃の範囲の温度で行った。溶媒の蒸発はロータリーエバポレーターを用いて減圧下((600−4000パスカル:4.5−30mm.Hg)で、60℃までの浴温度で行った。反応の経過は薄層クロマトグラフィー(TLC)によって追跡し、反応時間は説明のためのみに示した。融点は未修整であり、「d」は分解を示す。示される融点は記載されるように調製された物質について得られたものである。幾つかの調製品においては、異なる融点を有する物質の単離において多形が生じ得る。全ての最終生成物の構造および純度は以下の技術のうちの少なくとも1つによって確実なものとした:TLC、質量分析、核磁気共鳴(NMR)測定または微量分析データ。示されている場合、収量は説明のためのみである。示されている場合、NMRデータは、内部標準としてのテトラメチルシラン(TMS)に対する百万分率(ppm)で示され、指示される溶媒を用いて300MHz、400MHzまたは500MHzで決定された、主要診断プロトンについてのデルタ(δ)値の形態である。シグナル形状に用いられる通常の略語は:s.一重項;d.二重項;t.三重項;m.多重項;br.ブロード;等である。加えて、「Ar」は芳香族シグナルを意味する。化学記号はそれらの通常の意味を有する;以下の略語が用いられる:v(容積)、w(重量)、b.p.(沸点)、m.p.(融点)、L(リットル)、mL(ミリリットル)、g(グラム)、mg(ミリグラム)、mol(モル)、mmol(ミリモル)、eq(当量)。
【0064】
合成方法
本発明の化合物は以下の方法に従って調製することができる。他に定義されている場合を除いて、置換基は式Iにおけるものと同じである。
【0065】
本発明の他の実施態様に従い、上述のヘテロアリール置換テトラゾール化合物を調製するための方法が提供される。例えば、上述の多くの複素環式化合物は当該技術分野において公知の合成化学技術(Comprehensive Heterocyclic Chemistry,Katritzky,A.R.and Rees,C.W.eds.,Pergamon Press,Oxford,1984を参照)を用いて式(I)のヘテロアリール置換テトラゾールから調製することができる。
【0066】
【化4】

【0067】
【化5】

【0068】
【化6】

【0069】
【化7】

【0070】
【化8】

【0071】
【化9】

【0072】
【化10】

【0073】
【化11】

【実施例1】
【0074】
塩酸3−(3−メトキシ−4−(ピリジン−2−イル)フェニル)イミダゾ[1,5−α]ピリジン
【0075】
【化12】

トリメチルシリルポリホスフェート(10mL)に2−(アミノメチル)ピリジン(0.41mL、4.0mmol)および3−メトキシ−4−(ピリジン−2−イル)安息香酸(460mg、2.0mmol)を添加した。その混合物を200℃で2時間加熱し、氷上に注いだ。その水溶液を1N NaOHで塩基性(pH10)とし、tert−ブチルメチルエーテル(1×200mL)、EtOAc(1×200mL)、CHCl(1×200mL)、およびEtOAc(1×200mL)で連続的に抽出した。有機層を合わせてブラインで洗浄し、乾燥(MgSO)させて濃縮した。その粗製生成物を、EtOAc:ヘキサン(0:1から1:1)で溶出するシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、遊離塩基をエーテル中に取り、HCl(エーテル中1N)をその溶液に添加した。生じる混合物を濃縮し、所望の塩酸3−(3−メトキシ−4−(ピリジン−2−イル)フェニル)イミダゾ[1,5−α]ピリジンを黄色固体として得た。H NMR(DMSO−d,300MHz)δ8.93(d,1H),8.73(d,1H),8.50(t,1H),8.29(s,1H),8.25(d,1H),8.00(d,1H),7.94(m,2H),7.86(s,1H),7.75(d,1H),7.28(dd,1H),7.18(t,1H),4.02(s,3H)ppm。MS(ESI)302(M)
【実施例2】
【0076】
塩酸2−(3−メトキシ−4−(ピリジン−2−イル)フェニル)−2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール
【0077】
【化13】

塩化チオニル(20mL)に3−メトキシ−4−(ピリジン−2−イル)安息香酸(500mg、2.2mmol)を添加した。その混合物を還流温度で3時間加熱し、rtに冷却して濃縮した。生じる酸塩化物を20mLのCHClに取り、その混合物を0℃に冷却した後、2−ニトロアニリン(301mg、2.2mmol)およびトリエチルアミン(0.3mL、2.2mmol)を添加し、その溶液をrtに一晩暖めた。その反応混合物をCHClで希釈して水、飽和NaCO、およびブラインで連続的に洗浄し、有機層を乾燥(MgSO)させて濃縮した。その粗製生成物を、EtOAc:ヘキサン(1:1から1:1)で溶出するシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、所望の3−メトキシ−4−(ピリジン−2−イル)−2’−ニトロベンズアニリドを黄色固体として得た。
【0078】
トルエン(1mL)に3−メトキシ−4−(ピリジン−2−イル)−2’−ニトロベンズアニリド(97mg、0.28mmol)および五塩化リン(56mg、0.27mmol)を添加し、その混合物を還流温度で1時間加熱した。生じる溶液をrtに冷却し、DMF(2mL)中のNaN(35mg、0.54mmol)の溶液に添加した。その混合物を90℃で1時間加熱してrtに冷却し、EtOAcおよび水に分配して有機層を濃縮した。その粗製生成物を、EtOAc:ヘキサン(0:1から1:1)で溶出するシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、2−{2−メトキシ−4−[1−(2−ニトロフェニル)−1H−テトラゾル−5−イル]フェニル}ピリジンを黄色固体として得た。
【0079】
2−{2−メトキシ−4−[1−(2−ニトロフェニル)−1H−テトラゾル−5−イル]フェニル}ピリジン(44mg、0.12mmol)を1mLのニトロベンゼンに溶解し、マイクロ波バイアル内に密封して220℃で5分間マイクロ波処理をした。その溶液をEtOAc:ヘキサン(0:1から1:1)で溶出するシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、その遊離塩基をエーテル中に取り、HCl(エーテル中1N)をその溶液に添加した。生じる混合物を濃縮し、所望の塩酸2−(3−メトキシ−4−(ピリジン−2−イル)フェニル)−2H−1,2,3−ベンゾトリアゾールを淡黄色固体として得た。H NMR(DMSO−d,500MHz)δ8.86(d,1H),8.33(t,1H),8.18(d,1H),8.13(s,1H),8.12(d,1H),8.09(d,1H),8.08(d,1H),8.01(d,1H),7.77(t,1H),7.58(d,1H),7.57(d,1H),4.05(s,3H)ppm。MS(ESI)303(M)
【実施例3】
【0080】
2−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)イミダゾロ[1−2α]ピリジン
【0081】
【化14】

無水THF(100mL)中の3−メトキシ−4−メチル安息香酸(3.32g、20mmol)の溶液を−78℃に冷却した。MeLiの溶液(25mLのジメチルエーテル中1.6M溶液、40mmol)をシリンジを介して10分にわたってその反応フラスコに徐々に添加した。冷却浴を取り外し、反応混合物をrtに暖め、rtで1時間攪拌した。その反応混合物を1N HCl(50mL)で失活させ、ジエチルエーテル(3×50mL)で抽出した。有機抽出物を合わせ、ブライン(50mL)で洗浄して乾燥させ(MgSO)、濃縮して3−メトキシ−4−メチルベンゾフェノンを無色の油として得た。
【0082】
臭素(380μL、7.3mmol)およびジオキサン(10mL)の溶液を、添加ロートを介して30分にわたって、3−メトキシ−4−メチルベンゾフェノン(1.0g、6.1mmol)およびジオキサン(20mL)の溶液にrtで添加した。その反応混合物をrtで30分間攪拌した。トリエチルアミン(17mL、12.2mmol)および2−アミノピリジン(860mg、9.2mmol)を反応物に添加し、その反応混合物を一晩攪拌した。反応混合物を水(100mL)に注ぎ入れ、tert−ブチルメチルエーテル(3×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥(MgSO)させて濃縮した。その粗製油を、EtOAc:ヘキサン(0:1から4:1)で溶出するシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、2−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)イミダゾロ[1−2α]ピリジンを黄色固体として得た。H NMR(CDCl,300MHz)δ8.04(d,1H),7.79(s,1H),7.61(d,1H),7.53(s,1H),7.35(dd,1H),7.16(d,1H),7.11(d,1H),6.72(t,1H),3.94(s,3H),2.26(s,3H)ppm。13C NMR(CDCl,75MHz)158.0,146.0,145.5,132.6,130.7,126.4,125.4,124.4,117.9,117.3,112.2,107.9,107.6,55.4,16.0ppm。MS(ESI)239(M)
【実施例4】
【0083】
2−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)イミダゾ[1,2−α]ピリジン
【0084】
【化15】

アセトバニロン(10g、0.06mol)、N−フェニルトリフルオロメタンスルホンイミド(21.5g、0.06mol)および炭酸セシウム(19.5g、0.06mol)をアセトニトリル(90mL)およびDMF(10mL)に溶解し、その溶液をrtで攪拌した。12時間後、反応混合物をジエチルエーテル(100mL)で希釈し、炭酸ナトリウムの飽和水溶液(100mL)およびブライン(100L)で連続的に洗浄した。有機層を乾燥(MgSO)させて濃縮し、EtOAc:ヘキサン(1:9から3:7)で溶出するシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して4−アセチル−2−メトキシフェニルトリフルオロメタンスルホネートを得た。
【0085】
THF(100mL)中の4−アセチル−2−メトキシフェニルトリフルオロメタンスルホネート(5.8g、19.5mmol)の溶液を、その溶液を通して15分間アルゴンを泡立てることによって脱気した後、臭化2−ピリジル亜鉛(39mLのTHF中0.5M、19.5mmol)およびPd(PPh(1.1g、0.97mmol)で処理した。生じる反応混合物を再度脱気し、アルゴン雰囲気下で加熱して12時間還流させた。その反応混合物をrtに冷却して濃縮し、EtOAc:ヘキサン(1:9から2:3)で溶出するシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して1−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)エタノンを得た。
【0086】
ベンゼン(6mL)および30%HBr/酢酸(6mL)中の1−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)エタノン(400mg、1.7mmol)の溶液を0℃に冷却し、ベンゼン(1mL)中の臭素(0.086mL、1.67mmol)の溶液で1時間にわたって処理した。その反応物をさらに30分間攪拌した後、氷冷飽和NaHCO水溶液(100mL)に注ぎ入れ、生成物を酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を乾燥させ(MgSO)、濃縮して2−ブロモ−1−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)エタノンを得た。
【0087】
エタノール(5mL)中の2−ブロモ−1−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)エタノン(130mg、0.42mmol)の溶液に2−アミノピリジン(40mg、0.42mmol)を添加した。生じる反応混合物を加熱して2時間還流させ、濃縮した。その残滓をCHCl(20mL)に溶解し、飽和NaHCO水溶液(3×10mL)で洗浄して乾燥させ(MgSO)、濃縮した。その残滓を、EtOAc:ヘキサン(1:1から1:0)で溶出するシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、2−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)イミダゾ[1,2−α]ピリジンを黄色固体として得た。H NMR(CDCl,300MHz)δ8.72(d,1H),8.13(d,1H),7.75(s,1H),7.91(d,1H),7.87(d,1H),7.75(s,1H),7.70(dd,1H),7.66(d,1H),7.57(dd,1H),7.20(m,2H),6.79(dd,1H),4.00(s,3H)ppm。MS(ESI)302(M)
【実施例5】
【0088】
2−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−α]ピリジン
【0089】
【化16】

メタノール(2mL)中の2−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)イミダゾ[1,2−α]ピリジン(40mg、0.13mmol)の溶液をPd/C(10%を8mg)で処理し、水素ガス雰囲気下で3日間激しく攪拌した。その反応混合物をセライトパッドを通して濾過し、濾液を濃縮して所望の2−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−α]ピリジンを黄色固体として得た。H NMR(CDOD,300MHz)δ8.88(d,1H),8.69(m,1H),8.35(d,1H),8.09(m,2H),7.86(m,1H),7.70(s,1H),7.60(d,1H),4.28(br s,2H),4.09(s,3H),3.17(br s,2H),2.15(br s,4H)ppm。MS(ESI)306(M)
【実施例6】
【0090】
2−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)インドリジン
【0091】
【化17】

アセトン(2mL)中の2−ブロモ−1−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)エタノン(0.44mmol)および2−ピコリン(41mg、0.44mmol)の溶液を加熱して3時間還流させ、CHCl(20mL)および水(10mL)で希釈した。水層を分離してCHCl(2×10mL)で抽出し、合わせた有機層を乾燥(MgSO)させて濃縮した。その残滓を、EtOAc:ヘキサン(1:19から1:2)で溶出するシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、2−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)インドリジンを得た。H NMR(CDCl,300MHz)δ8.75(m,1H),7.92(m,2 H),7.86(d,1H),7.73(dt,1H),7.65(br s,1H),7.41(dd,1H),7.38(d,1H),7.30(br s,1H),7.21(m,1H),6.77(s,1H),6.69(dd,1H),6.49(dt,1H),3.97(s,3 H)ppm。13C NMR(CDCl,75MHz)δ157.3,156.0,149.4,137.3,135.7,133.7,131.5,129.1,127.2,125.1,125.1,121.6,119.1,119.1,117.6,110.8,109.6,109.2,96.8,55.7ppm。MS(ESI)301(M)
【実施例7】
【0092】
2−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)−2H−インダゾール
【0093】
【化18】

THF(50mL)中の2−ブロモ−5−ニトロアニソール(5.8g、25mmol)の溶液を臭化2−ピリジル−亜鉛(50mLのTHF中0.5M溶液、25mmol)およびPd(PPh(1.44g、1.25mmol)で処理した。その反応混合物を、溶液を通してアルゴンを15分間泡立てることによって脱気した後、アルゴン雰囲気下に置きながら加熱して12時間還流させた。冷却した反応混合物を濃縮し、EtOAc:ヘキサン(1:19から2:3)で溶出するシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、所望の2−(2−メトキシ−4−ニトロフェニル)ピリジンを得た。
【0094】
MeOH(5mL)中のPd/C(10%を0.25g)の懸濁液をMeOH(5mL)中の2−(2−メトキシ−4−ニトロフェニル)ピリジン(0.5g、2.17mmol)の溶液と混合した。生じる反応混合物を水素雰囲気下で12時間激しく攪拌し、セライトパッドを通して濾過して濾液を濃縮し、EtOAc:ヘキサン(1:9から3:2)を伴うシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィによって精製して3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルアニリンを得た。
【0095】
トルエン(1mL)中の3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルアニリン(130mg、0.65mmol)および2−ニトロベンズアルデヒド(100mg、0.65mmol)の溶液を60℃に12時間加熱し、その反応混合物を濃縮して3−メトキシ−N−[2−ニトロフェニル]メチリデン]−4−ピリジン−2−イルアニリンを得た。3−メトキシ−N−[2−ニトロフェニル]メチリデン]−4−ピリジン−2−イルアニリンを新たに蒸留した亜リン酸トリエチル(1.1mL)に溶解し、窒素雰囲気下で110℃に5時間加熱した。その反応物を60℃に冷却し、亜リン酸トリエチルを留去して残滓を残し、それをEtOAc:ヘキサン(1:9から3:2)で溶出するシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して所望の2−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)−2H−インダゾールを得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ8.74(m,1H),8.50(s,1H),7.99.(d,1H),7.92(dt,1H),7.83(d,1H),7.75(m,3H),7.52(dd,1H),7.36(ddd,1H),7.25,ddd,1H),7.14(dd,1H),4.05(s,3H)ppm。13C NMR(CDCl,125MHz)δ157.9,154.9,149.7,149.5,141.6,135.7,132.0,128.4,127.0,125.1,122.8,122.5,121.9,120.6,120.4,117.8,112.4,104.7,56.0ppm。MS(ESI)302(M)
【実施例8】
【0096】
2−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)ピラゾロ[1,5−α]ピリジン
【0097】
【化19】

4−ヒドロキシ−3−メチルベンゾニトリル(5g、33.5mmol)、N−フェニルトリフルオロメタンスルホンイミド(12.0g、33.5mmol)および炭酸セシウム(10.9g、33.5mmol)をアセトニトリル(50mL)およびDMF(5mL)に溶解し、その溶液をrtで攪拌した。12時間後、その反応混合物をジエチルエーテル(100mL)で希釈し、炭酸ナトリウムの飽和水溶液(2×100mL)およびブライン(100mL)で連続的に希釈した。有機層を乾燥(MgSO)させて濃縮し、4−シアノ−2−メトキシフェニルトリフルオロメタンスルホネートを得た。
【0098】
2−(トリブチルスズ)ピリジン(純度80%を18g、39.2mmol)および4−シアノ−2−メトキシフェニルトリフルオロメタンスルホネート(9.2g、32.7mmol)の溶液をDMF(65mL)に溶解し、塩化リチウム(1.39g、32.7mmol)およびPd(PPh(1.9g、1.6mmol)で処理した後、溶液を通してアルゴンを15分間泡立てることによって脱気した。その反応混合物をアルゴン雰囲気下に置きながら100℃に12時間加熱した。冷却した反応混合物をジエチルエーテル(100mL)および水(100mL)で希釈した。有機層を分離して水酸化ナトリウムの1M溶液(50mL)およびブライン(50mL)で洗浄した後、乾燥(MgSO)させて濃縮した。その残滓を、EtOAc:ヘキサン(1:9から1:1)で溶出するシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルベンゾニトリルを得た。
【0099】
CHCl(10mL)中の3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルベンゾニトリル(600mg、2.64mmol)の溶液を−78℃に冷却し、水素化ジイソブチルアルミニウム(3.2mLのCHCl中1M、3.2mmol)で処理した。その反応混合物を−78℃で2時間攪拌した後、温度を−40℃に上昇させ、次にシリカゲル(6g)および水(2mL)の混合物で反応を停止させた後、rtに暖めた。その反応混合物を乾燥させ(KCOおよびMgSO)、濃縮した。その残滓を、EtOAc:ヘキサン(1:4から1:1)で溶出するシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルベンズアルデヒドを得た。
【0100】
エチル(トリフェニルホスホラニリデン)アセテート(550mg、1.6mmol)および3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルベンズアルデヒド(225mg、1.1mmol)をCHCl(5mL)に溶解し、rtで12時間攪拌した。その反応混合物を濃縮し、EtOAc:ヘキサン(1:9から2:3)で溶出するシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、所望のエチル(2E)−3−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)プロプ−2−エノエートを得た。
【0101】
DMF(1mL)中のエチル(2E)−3−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)プロプ−2−エノエート(55mg、0.2mmol)およびヨウ化1−アミノピリジニウム(86mg、0.4mmol)の溶液を、外気に開放して、rtで2日間攪拌した。その深紫の反応溶液をCHCl(25mL)で希釈し、チオ硫酸ナトリウムの飽和溶液(25mL)およびブライン(25mL)で洗浄した後、乾燥(MgSO)させて濃縮した。その残滓を、EtOAc:ヘキサン(1:9から3:2)で溶出するシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、所望のエチル2−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)ピラゾロ[1,5−α]ピリジン−3−カルボキシレートを白色固体として得た。
【0102】
エチル2−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)ピラゾロ[1,5−α]ピリジン−3−カルボキシレート(25mg、0.013mmol)を40%硫酸(1mL)で処理し、その反応混合物を100℃に12時間加熱した。冷却した反応混合物を飽和炭酸ナトリウム水溶液(25mL)で希釈し、生成物をCHCl(3×20mL)で抽出して乾燥させ(MgSO)、濃縮して2−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)ピラゾロ[1,5−α]ピリジンを得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ8.75(d,1H),8.52(d,1H),7.93(d,1H),7.91(d,1H),7.75(dt,1H),7.72(s,1H),7.66(d,1H),7.56(d,1H),7.24(m,1H),7.14(dd,1H),6.89(s,1H),6.79(t,1H),4.01(s,3H)ppm。MS(ESI)302(M)
【実施例9】
【0103】
2−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[1,5−α]ピリジン
【0104】
【化20】

3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルベンゾニトリル(104mg、0.95mmol)および1−アミノピリジン−2(1H)−オン(198mg、0.95mmol)をカリウムt−ブトキシドの溶液(2mLのt−ブタノール中1M、2.0mmol)に溶解した。その反応混合物を115℃に1時間加熱し、冷却して濃縮した。その残滓を、MeOH:CHCl(1:19)で溶出するシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、所望の2−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)[1,2.4]トリアゾロ[1,5−α]ピリジンを得た。H NMR(CDCl,300MHz)δ8.75(m,1H),8.64(d,1H),8.06(dd,1H),7.97(s,1H),7.94(m,2H),7.81(d,1H),7.74(dt,1H),7.55(m,1H),7.25(m,1H),7.05(dt,1H),4.03(s,3H)ppm。13C NMR(CDCl,75MHz)δ163.8,157.2,155.5,151.7,149.4,135.7,132.2,131.5,130.6,129.6,128.3,125.2,121.9,120.0,116.4,113.8,110.0,55.8ppm。MS(ESI)303(M)
【実施例10】
【0105】
6−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)イミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール
【0106】
【化21】

エタノール(10mL)中の2−ブロモ−1−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)エタノン(520mg、1.7mmol)および2−アミノチアゾール(170mg、1.7mmol)の溶液を加熱して12時間還流させた後、濃縮した。その残滓を酢酸エチル(25mL)に溶解して重炭酸ナトリウム飽和水溶液(25mL)で洗浄した後、乾燥(MgSO)させて濃縮した。その残滓を、EtOAcからMeOH:EtOAc(1:19)で溶出するシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、6−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)イミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾールを得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ8.73(m,1H),7.92(d,1H),7.89(d,1H),7.86(s,1H),7.73(dt,1H),7.64(s,1H),7.48(s,1H),7.46(d,1H),7.22(m,1H),6.87(d,1H),4.04(s,3H)ppm。MS(ESI)308(M)
【実施例11】
【0107】
6−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール
【0108】
【化22】

エタノール(5mL)中の2−ブロモ−1−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)エタノン(200mg、0.65mmol)および2−アミノ−2−チアゾリン(67mg、0.65mmol)の溶液を加熱して2時間還流させた後、濃縮した。その残滓を酢酸エチル(25mL)に溶解して飽和重炭酸ナトリウム水溶液(10mL)およびブライン(10mL)で洗浄した後、乾燥(MgSO)させて濃縮した。その残滓を、EtOAc:ヘキサン(2:1)で溶出するシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、6−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾールを得た。H NMR(CDOD,300MHz)δ8.86(d,1H),8.67(t,1H),8.35(d,1H),8.17(s,1H),8.04(m,1H),7.84(m,1H),7.62(s,1H),7.54(m,1H),4.60(m,2H),4.26(m,2H),4.07(s,3H)ppm。MS(ESI)310(M)
【実施例12】
【0109】
6−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)−3−メチルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール
【0110】
【化23】

エタノール(5mL)中の2−ブロモ−1−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)エタノン(300mg、0.98mmol)および2−アミノ−4−メチルチアゾール(112mg、0.98mmol)の溶液を加熱して2時間還流させた後、濃縮した。その残滓を酢酸エチル(25mL)に溶解して飽和重炭酸ナトリウム水溶液(10mL)およびブライン(10mL)で洗浄した後、乾燥(MgSO)させて濃縮した。その残滓を、EtOAc:ヘキサン(2:1)で溶出するシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、6−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)−3−メチルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾールを得た。H NMR(CDOD,500MHz)δ8.91(d,1H),8.85(s,1H),8.74(t,1H),8.47(d,1H),8.11(t,1H),7.94(d,1H),7.78(s,1H),7.73(d,1H),7.33(s,1H),4.13(s,3H),2.68(s,3H)ppm。MS(ESI)322(M)
【実施例13】
【0111】
6−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)−5−メチルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール
【0112】
【化24】

THF(3mL)中の3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルベンズアルデヒド(150mg、0.7mmol)の溶液を0℃に冷却し、臭化エチルマグネシウム(0.9mLのTHF中1M溶液、0.9mmol)で処理した。その反応混合物を0℃に2時間保った後、水(5mL)で失活させた。その生成物をCHCl(3×10mL)で抽出し、乾燥(MgSO)させて濃縮した。その残滓を、EtOAc:ヘキサン(1:4から1:1)で溶出するシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、1−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)プロパン−1−オールを得た。
【0113】
1−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)プロパン−1−オール(134mg、0.55mmol)の溶液をCHCl(3mL)、DMSO(0.5mL)、EtN(0.5mL)に溶解し、0℃で12時間、三酸化イオウピリジン複合体(350mg、2.2mmol)で処理した。その反応混合物を水(10mL)で希釈し、生成物をCHCl(3×10mL)で抽出し、乾燥(MgSO)させて濃縮し、EtOAc:ヘキサン(1:9から1:1)で溶出するシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによって精製して1−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)プロパン−1−オンを得た。
【0114】
ベンゼン(1mL)および30%HBr/酢酸(1mL)中の1−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)プロパン−1−オン(120mg、0.5mmol)の溶液を0℃に冷却し、ベンゼン(0.5mL)中の臭素(0.024mL、0.5mmol)の溶液で1時間にわたって処理した。その反応物をさらに30分間攪拌した後、氷冷飽和NaHCO水溶液(100mL)に注ぎ入れ、生成物を酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を乾燥させ(MgSO)、濃縮して2−ブロモ−1−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)プロパン−1−オンを得た。
【0115】
エタノール(1mL)中の2−ブロモ−1−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)プロパン−1−オン(153mg、0.50mmol)および2−アミノチアゾール(50mg、0.50mmol)の溶液を加熱して12時間還流させた後、濃縮した。その残滓を酢酸エチル(25mL)に溶解し、飽和NaHCO水溶液(10mL)およびブライン(10mL)で洗浄した。有機層を乾燥(MgSO)させて濃縮し、EtOAc:ヘキサン(2:1から1:0)で溶出するシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して6−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)−5−メチルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾールを得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ8.73(m,1H),7.94(d,1H),7.88(d,1H),7.73(dt,1H),7.52(s,1H),7.35(dd,1H),7.34(dd,1H),7.22(m,1H),6.86(dd,1H),3.98(s,3H),2.66(s,3H)ppm。MS(ESI)322(M)
【実施例14】
【0116】
5−ブロモ−6−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)イミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール
【0117】
【化25】

CHCl(3mL)中の6−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)−イミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール(100mg、0.33mmol)の溶液を、0℃で1時間にわたり、CHCl(1mL)中の臭素(0.017mL、0.33mmol)の溶液で処理した。その反応混合物をCHCl(25mL)で希釈し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(25mL)で洗浄した。有機層を乾燥させ(MgSO)、濃縮して5−ブロモ−6−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)イミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾールを得た。H NMR(CDOD,500MHz)δ7.29(d,1H),7.12(dt,1H),6.82(d,1H),6.47(dd,1H),6.36(s,1H),6.35(dd,1H),6.27(m,2H),5.83(d,1H),2.49(s,3H)ppm。MS(ESI)388(M)
【実施例15】
【0118】
6−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)−5−ピリジン−4−イルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール
【0119】
【化26】

トルエン(1mL)、エタノール(0.5mL)およびNaHCOの飽和溶液(0.5mL)中の5−ブロモ−6−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)イミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾールの溶液を、溶液を通して15分間窒素を泡立てることによって脱気した。その溶液をPd(PPh(6mg、0.005mmol)で処理して再度脱気し、窒素雰囲気下で一晩、90℃に加熱した。冷却した反応混合物をCHCl(10mL)および水(10mL)で希釈した。有機層を分離してブラインで洗浄し、乾燥(MgSO)させて濃縮した。その残滓を、EtOAc:ヘキサン(1:1から1:0)で溶出するシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、6−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)−5−ピリジン−4−イルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾールを得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ8.71(m,3H),7.88(d,1H),7.73(m,2H),7.55(d,1H),7.43(dt,2H),7.37(d,1H),7.22(m,2H),6.96(d,1H),3.83(s,3H)ppm。
【実施例16】
【0120】
6−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)イミダゾ[2,1−b][1,3,4]チアジアゾール
【0121】
【化27】

エタノール(3mL)中の2−ブロモ−1−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)エタノン(150mg、0.49mmol)および2−アミノ−1,3,4−チアジアゾール(49mg、0.49mmol)の溶液を加熱して2時間還流させた後、濃縮した。その残滓を酢酸エチル(25mL)に溶解して飽和NaHCO水溶液(10mL)、ブライン(10mL)で洗浄し、乾燥(MgSO)させて濃縮した。その残滓を、EtOAc:ヘキサン(2:1)で溶出するシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、6−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)イミダゾ[2,1−b][1,3,4]チアジアゾールを得た。H NMR(CDOD,300MHz)δ9.28(s,1H),8.91(s,1H),8.84(d,1H),8.68(dt,1H),8.37(d,1H),8.05(ddd,1H),7.85(d,1H),7.81(br s,1H),7.72(dd,1H),4.09(s,3H)ppm。MS(ESI)309(M)
【0122】
当業者に明らかな他の変形または変更が本発明の範囲および教示のうちにある。本発明は、以下の請求の範囲に記載されるものを除いて、限定されるものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

(ここで、X、X、X、およびXは独立にC、N、SまたはOであり;XおよびXは独立にCまたはNであり;ここで、X、X、X、X、X、およびXのうちの少なくとも1つはNであり;X、X、X、およびXのうちの多くとも1つはSまたはOであり;YはC0−4アルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;RおよびRは独立にハロゲン、C0−4アルキル、またはピリジルであり;並びに、nおよびnは独立に0または1である)
によって表される化合物またはそれらの医薬適合性の塩。
【請求項2】
がNである請求項1に記載の化合物、またはそれらの医薬適合性の塩。
【請求項3】
、X、X、X、およびXがCである、請求項2に記載の化合物、またはそれらの医薬適合性の塩。
【請求項4】
、XおよびXのうちの1つがNであって残りがCであり;並びにXおよびXがCである、請求項2に記載の化合物、またはそれらの医薬適合性の塩。
【請求項5】
、XおよびXのうちの2つがNであって残りがCであり;並びにXおよびXがCである、請求項2に記載の化合物、またはそれらの医薬適合性の塩。
【請求項6】
、XおよびXのうちの1つがNであって残りがCであり;XがSであり;並びにXがCである、請求項2に記載の化合物、またはそれらの医薬適合性の塩。
【請求項7】
、XおよびXのうちの1つがNであって残りがCであり;XがSであり;並びにXがNである、請求項2に記載の化合物、またはそれらの医薬適合性の塩。
【請求項8】
がCである請求項1に記載の化合物、またはそれらの医薬適合性の塩。
【請求項9】
、XおよびXのうちの2つがNであって残りがCであり;並びにXおよびXがCである、請求項8に記載の化合物、またはそれらの医薬適合性の塩。
【請求項10】
、XおよびXがNであり;並びにXおよびXがCである、請求項8に記載の化合物、またはそれらの医薬適合性の塩。
【請求項11】
以下によって表される化合物、またはそれらの医薬適合性の塩。
【化2】


【請求項12】
治療上有効な量の請求項1に記載の化合物、またはそれらの医薬適合性の塩;および医薬適合性の担体を含有する医薬組成物。
【請求項13】
i)オピエートアゴニスト、ii)オピエートアンタゴニスト、iii)カルシウムチャンネルアンタゴニスト、iv)5HT受容体アゴニスト、v)5HT受容体アンタゴニスト、vi)ナトリウムチャンネルアンタゴニスト、vii)NMDA受容体アゴニスト、viii)NMDA受容体アンタゴニスト、ix)COX−2選択的阻害剤、x)NK1アンタゴニスト、xi)非ステロイド性抗炎症剤、xii)GABA−A受容体修飾因子、xiii)ドーパミンアゴニスト、xiv)ドーパミンアンタゴニスト、xv)選択的セロトニン再取込阻害剤、xvi)三環式抗うつ剤、xvii)ノルエピネフリン修飾因子、xviii)L−DOPA、xix)ブスピロン、xx)リチウム塩、xxi)バルプロエート、xxii)ニューロンチン、xxiii)オランザピン、xxiv)ニコチン性アゴニスト、xxv)ニコチン性アンタゴニスト、xxvi)ムスカリン性アゴニスト、xxvii)ムスカリン性アンタゴニスト、xxviii)選択的セロトニンおよびノルエピネフリン再取込阻害剤(SSNRI)、xxix)ヘロイン置換薬、xxx)ジスルフィラム、またはxxxi)アカムプロセートをさらに含有する請求項12による医薬組成物。
【請求項14】
前記ヘロイン置換薬がメタドン、レボ−アルファ−アセチルメタドール、ブプレノルフィンまたはナルトレキソンである請求項13による医薬組成物。
【請求項15】
治療上有効な量、または予防上有効な量の、請求項1に記載の化合物またはそれらの医薬適合性の塩を投与する工程を含む疼痛の治療または予防方法。
【請求項16】
該疼痛障害が急性疼痛、持続性疼痛、慢性疼痛、炎症性疼痛、または神経障害性疼痛であり、治療上有効な量、または予防上有効な量の、請求項1に記載の化合物またはそれらの医薬適合性の塩を投与する工程を含む疼痛障害の治療または予防方法。
【請求項17】
治療上有効な量、または予防上有効な量の、請求項1に記載の化合物またはそれらの医薬適合性の塩を投与する工程を含む不安、うつ病、双極性障害、精神病、薬物禁断、タバコ禁断、記憶喪失、認知機能障害、痴呆、アルツハイマー病、精神分裂病またはパニックの治療または予防方法。
【請求項18】
治療上有効な量、または予防上有効な量の、請求項1に記載の化合物またはそれらの医薬適合性の塩を投与する工程を含む錐体外路運動機能の障害の治療または予防方法。
【請求項19】
前記錐体外路運動機能の障害がパーキンソン病、進行性上筋肉麻痺(progressive supramuscular palsy)、ハンチントン病、Gilles de la Tourette症候群、または遅発性ジスキネジアである、請求項18の方法。
【請求項20】
治療上有効な量、または予防上有効な量の、請求項1に記載の化合物またはそれらの医薬適合性の塩を投与する工程を含む不安障害の治療または予防方法。
【請求項21】
前記不安障害がパニック攻撃、広場恐怖症もしくは特定の恐怖症、強迫性障害、傷害後ストレス障害、急性ストレス障害、全身性不安障害、摂食障害、物質誘導性不安障害、または特定されない不安障害である、請求項20の方法。
【請求項22】
治療上有効な量、または予防上有効な量の、請求項1に記載の化合物またはそれらの医薬適合性の塩を投与する工程を含む神経障害性疼痛の治療または予防方法。
【請求項23】
治療上有効な量、または予防上有効な量の、請求項1に記載の化合物またはそれらの医薬適合性の塩を投与する工程を含むパーキンソン病の治療または予防方法。
【請求項24】
治療上有効な量、または予防上有効な量の請求項1に記載の化合物またはそれらの医薬適合性の塩を投与する工程を含むうつ病の治療または予防方法。
【請求項25】
治療上有効な量、または予防上有効な量の、請求項1に記載の化合物またはそれらの医薬適合性の塩を投与する工程を含むてんかんの治療または予防方法。
【請求項26】
治療上有効な量、または予防上有効な量の、請求項1に記載の化合物またはそれらの医薬適合性の塩を投与する工程を含む炎症性疼痛の治療または予防方法。
【請求項27】
治療上有効な量、または予防上有効な量の、請求項1に記載の化合物またはそれらの医薬適合性の塩を投与する工程を含む認知機能障害の治療または予防方法。
【請求項28】
治療上有効な量、または予防上有効な量の、請求項1に記載の化合物またはそれらの医薬適合性の塩を投与する工程を含む薬物中毒、薬物乱用および薬物禁断の治療または予防方法。

【公表番号】特表2006−503038(P2006−503038A)
【公表日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−536428(P2004−536428)
【出願日】平成15年9月9日(2003.9.9)
【国際出願番号】PCT/US2003/028344
【国際公開番号】WO2004/024074
【国際公開日】平成16年3月25日(2004.3.25)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【Fターム(参考)】