説明

表示システム

【課題】レーザポインタを用いた指示入力をするだけで、表示画面の位置の指示と、認証処理や指示入力に基づく特定の表示制御機能とを容易に行うことを課題とする。
【解決手段】表示装置が、表示画面に情報を表示する表示部と、表示画面の近傍に、表示画面に照射されたレーザ光を検出するための複数の光センサを配置したレーザ検出部とを備え、レーザ出射装置が、表示情報に対する指示を入力する指示入力部と、入力された指示に対応する出力情報を含むレーザ光を出力するレーザ出力部とを備え、表示制御装置が、レーザ光を検出した光センサの位置からレーザ光が照射された表示画面の位置を算出する位置算出部と、光センサが検出したレーザ光に含まれる出力情報を取得する受信情報取得部と、位置算出部によって算出された位置と、取得された出力情報とに基づいて、表示される情報の表示を制御する表示制御部とを備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、表示システムに関し、特に、表示画面上の位置の指示と認証情報等の情報入力とが可能な表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、多人数の出席者のもとで行う会議やプレゼンテーション等では、資料の説明のためにOHP(オーバヘッドプロジェクタ)を利用したり、パソコン等に保存されたファイルをプロジェクタを介してスクリーン上に投影することが行われている。
また、スクリーン上に表示された資料についてより効果的な指示や説明ができるようにするために、説明資料を投影したスクリーンに、レーザ光を感知するセンサをマトリクス状に設置し、レーザポインタから放射されたレーザ光が当たったスクリーン上の座標位置を、センサによって検出する画像表示装置が提案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平4−371063号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のような画像表示装置やプロジェクタを利用する会議では、資料を投影するスクリーンは大画面で、画像表示装置等は説明者の位置とは離れたところに設置されることが多い。
上記特許文献1に記載のものでは、説明者がレーザポインタから放射されたレーザ光によって、スクリーン上の特定の位置をポイントすることにより、ポイントされた位置の座標が検出され、そのポイント位置に矢印のシンボルMが表示されるので、説明者が説明しようとする箇所を効果的に指示することができる。
【0004】
しかし、説明資料が複数枚ある場合、次の資料を表示させるために、スクリーンとは別のパソコン等の画面を見ながらマウス等を使ってページを切り替える操作をすることが必要である。
また、次の資料がパソコン上の別のファイルとして保存されている場合、そのファイルを検索等してパソコン上で開く操作をする必要がある場合もある。
【0005】
さらに、今日では、ファイルの不正アクセスなどを防止する観点から、そのファイルのアクセス可能な者を特定し、たとえばファイルごとにパスワード等を設けて、正しいパスワードを入力した場合のみそのファイルを読み出したり、書き換えたりできるようにするための認証処理が行われる。認証処理では、一般的に、説明者が、パスワードの入力の他に、個人を特定するIDコードを入力するなどの特別の入力操作が必要となる。
【0006】
しかし、会議やプレゼンテーションにおいて、別のファイルを読み出す際に、このような認証処理をその都度行っていたのでは、スピーディーな会議の進行ができない。
また、プレゼンテーションの円滑な進行のためには、スクリーン上に表示させる説明資料についてセキュリティがかけられた多数のファイルをすぐに読み出せるようにする必要があるが、パスワードによる認証が不要となるようなセキュリティ解除処理を予めしておくなど、説明者は事前に特別な準備作業をすることが必要となる。
【0007】
また、スクリーン上に表示された説明資料について、説明をしているときに、資料の中の重要項目を強調したり、新たな書き込みをしようとする場合、レーザポインタを用いたスクリーンに対する指示操作とは別に、パソコン等に表示された同じ説明資料の画面に対して、マウスやキーボード等を用いて強調や書込み処理をする必要があった。
したがって、会議やプレゼンテーションにおいて、スクリーンに対する指示操作の他に、新たなファイルを開くための認証操作や、説明のための特別な入力操作が必要となる場合があり、説明者の操作負担が大きく、プレゼンテーションの円滑な進行に支障をきたす場合があった。
【0008】
そこで、この発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであり、説明者がレーザポインタを用いて指示入力をするだけで、スクリーン上の表示位置の指示と、認証処理等のための情報入力とが可能な表示システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、表示装置と表示制御装置と光出射装置とからなる表示システムにおいて、表示装置が、表示画面に情報を表示する表示部と、前記表示部の表示画面の近傍に、表示画面に照射されたレーザ光を検出するための複数の光センサを配置したレーザ検出部とを備え、レーザ出射装置が、表示された情報に対する指示を入力する指示入力部と、入力された指示に対応する出力情報を含むレーザ光を出力するレーザ出力部とを備え、表示制御装置が、レーザ光を検出した光センサの位置からレーザ光が照射された表示画面の位置を算出する位置算出部と、前記光センサが検出したレーザ光に含まれる出力情報を取得する受信情報取得部と、前記位置算出部によって算出された位置と、前記取得された出力情報とに基づいて、前記表示部に表示される情報の表示を制御する表示制御部とを備えたことを特徴とする表示システムを提供するものである。
【0010】
これによれば、表示画面に照射されるレーザ光に出力情報を含めて出力しているので、利用者は、表示画面を見たままの状態で、レーザ光を照射するレーザ出射装置を操作するだけで容易に表示情報に対する表示制御をすることができ、レーザ光の照射操作とは別に表示制御のための操作をするシステムよりも利用者の操作負担を軽減でき、会議等における利用者の操作性を向上でき、会議等をスムーズに進行することができる。
【0011】
また、この発明は、前記レーザ光に含まれる出力情報が、利用者を特定する識別情報であり、前記表示制御装置が、利用可能な者を特定する利用者情報を予め記憶した記憶部と、前記受信情報取得部によって取得された出力情報と、前記予め記憶された利用者情報とを比較することにより、利用者の認証を行う認証部とを、さらに備えたことを特徴とする表示システムを提供する。
これによれば、レーザ光に利用者を特定する識別情報を含めているので、利用者が利用を許可された者であるかを確かめるために、特別な操作を伴う認証処理を別に行うことなく、利用者はレーザ光を照射するレーザ出射装置を操作するだけで、利用者の認証処理を容易かつ迅速に行うことができる。
【0012】
また、前記指示入力部が複数の押下キーからなり、前記レーザ光に含まれる出力情報が、各押下キーに対応づけられた機能に相当する指示情報であり、前記いずれかの押下キーが押下げられたとき、前記レーザ出力部は、その押下キーに対応づけられた指示情報を含むレーザ光を出力することを特徴とする。
これによれば、レーザ光に、押下キーに対応づけられた機能に相当する指示情報を含ませて出力するので、表示画面を見たままの状態で、レーザ光の照射とレーザ出射装置に備えられた押下キーの操作をするだけでよく、利用者の操作負担を軽減することができる。
【0013】
また、利用者を特定する識別情報RIDを予め記憶したICカードをさらに備え、前記レーザ出射装置が、前記ICカードと通信を行うことにより、ICカードに記憶された前記識別情報RIDを読み出す通信部を備え、前記レーザ光に含まれる出力情報に、ICカードから読み出された識別情報RIDが用いられることを特徴とする。
これによれば、レーザ出射装置に予め識別情報を記憶させる必要はなく、この発明のシステムの利用許可を受けた利用者であれば、ICカードを持参し、ICカードと通信部の間で所定の通信を行わせることにより、容易にこの発明の表示システムを利用できる。
【0014】
ここで、前記ICカードとして、前記通信部と無線通信を行う非接触タイプのカードを利用してもよい。
これによれば、無線通信により、識別情報をICカードからレーザ出射装置へ送信するので、ICカードをレーザ出射装置に接近させるだけで、より容易かつ迅速に、この発明の表示システムが利用可能となる。
また、セキュリティ上重要な識別情報をレーザ出射装置に予め記憶しないので、レーザ出射装置の紛失や盗難があっても十分なセキュリティを確保でき、利用者は自らのICカードの管理を十分にするだけで、セキュリティを向上できる。
【0015】
また、この発明は、前記出力情報が、利用者を特定する識別情報と、前記指示入力部によって入力された指示内容に相当する指示情報とを含み、前記表示制御装置が、利用可能な者を特定する利用者情報を予め記憶した記憶部と、前記受信情報取得部によって取得された出力情報のうち、利用者を特定する識別情報と、前記予め記憶された利用者情報とを比較することにより、利用者の認証を行う認証部とをさらに備え、前記表示制御部が、前記位置算出部によって算出された位置と、前記取得された出力情報のうち指示情報とに基づいて表示部に表示される情報の表示を制御することを特徴とする表示システムを提供するものである。
【0016】
これによれば、レーザ光に識別情報と指示情報とを含ませているので、利用者は、表示画面を見たままの状態でレーザ光の照射操作をするだけで、認証処理と、指示情報に基づく表示制御処理とを、容易かつ迅速にすることができる。
また、不特定多数の守秘義務のない者が参加する会議等において、参加者に見せる情報のセキュリティを十分に確認した上で、会議やプレゼンテーションの進行をスムーズにすることができる。
【0017】
また、前記表示部に、1または複数の操作対象物に対応づけられたアイコンを表示している状態で、前記レーザ出力部からレーザ光が特定のアイコンに向けて照射された場合、前記特定のアイコンの表示領域と対応する位置に配置された光センサによってレーザ光が検出された後、前記位置算出部によって算出された光センサの位置からレーザ光が照射されたアイコンに対応する操作対象物を認識し、前記受信情報取得部によって取得された出力情報からその操作対象物に対する指示内容を認識し、前記表示制御部が、前記認識された操作対象物に対して、前記認識された指示内容に基づく表示制御を行うことを特徴とする表示システムを提供するものである。
【0018】
ここで、前記操作対象物とは、たとえば情報が記憶されたファイル,デバイス,あるいはアプリケーションプログラムのいずれかを意味する。ただしこれらに限られるものではない。
これによれば、利用者は、表示画面の特定の位置へのレーザ光の照射操作をするだけで、表示されたアイコンに対応づけられた操作対象物に対する表示制御を、容易にすることができる。
【0019】
また、前記レーザ光に含まれる指示情報が、所望の点画像を表示画面に追加するためのペンモード切替指示情報であり、前記受信情報取得部が、前記指示情報を含むレーザ光からペンモード切替指示情報を取得した場合に、前記表示制御部は、前記表示部の表示画面に照射されたレーザ光の照射位置に点画像を表示させることを特徴とする表示システムを提供するものである。
さらに、前記レーザ光に含まれる指示情報が、追加された点画像を消去するためのペンモード解除指示情報である場合、前記表示制御部は、表示画面に追加された点画像を消去することを特徴とする。
これによれば、利用者は、表示画面を見たままの状態で、レーザ出射装置を用いた操作をするだけで、容易に表示画面に対する追加点画像の表示あるいは表示解除をさせることができる。
【0020】
また、この発明は、前記レーザ出射装置が、そのレーザ出射装置が利用者に保持されたか否かを検出する保持検出部をさらに備え、保持検出部が保持されていない状態から保持された状態に変化したことを検出した場合、前記通信部が、前記ICカードに記憶された利用者を特定する識別情報RIDの送信要求をICカードへ送信することを特徴とする。
これにより、ICカードの識別情報RIDをより確実に取得することができるようになり、誤った識別情報RIDが取得されるのを防止することにより、利用者の参照できないファイルの表示がされてしまうことを防止できる。
【0021】
さらに、前記レーザ出射装置が、さらに振動素子を備え、前記ICカードとの通信により、ICカードに記憶された識別情報RIDが取得できなかった場合、前記振動素子を振動させることを特徴とする。
これにより、ICカードの識別情報RIDが取得されていないことを、利用者以外の者に知らせることなく、レーザ出射装置の利用者のみに知らせることが可能となる。
【発明の効果】
【0022】
この発明によれば、表示画面に照射されるレーザ光に出力情報を含めて出力しているので、利用者は、表示画面を見たままの状態で、レーザ光を照射するレーザ出射装置を操作するだけで容易に表示情報に対する表示制御をすることができ、レーザ光の照射操作とは別に表示制御のための操作をするシステムよりも、利用者の操作負担を軽減でき、会議等における利用者の操作性を向上でき、会議等をスムーズに進行することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図面を使用して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の実施例の記載によって、この発明が限定されるものではない。
<この発明の表示システムの構成>
図1に、この発明の表示システムの構成ブロック図を示す。
この発明の表示システムは、主として、表示装置1と、表示制御装置2と、光出射装置4と、ICカード5とから構成される。
表示装置1は、情報を表示する表示部11を備え、たとえば、LCD,PDPなどを用いることができる。また、スライドやプロジェクタから発せられた光の映像を投影するスクリーンを用いることもできる。表示される情報としては、たとえば、会議やプレゼンテーションで用いられる説明資料(文書,図面,グラフなど)である。また、表示装置1は、情報を表示する表示部11の他に、レーザ検出部12を備える。
【0024】
レーザ検出部12は、光出射装置4から出射されたレーザ光7を受光するセンサモジュールであり、レーザ光を電気信号に変換する光センサをマトリクス状に多数配置したものである。センサモジュール12は、表示部11の表示画面に近接して、平行に設けられる。
表示画面にレーザ光7が照射されると、レーザ光が当たった画面位置に対応して配置された光センサによって、レーザ光7が検出される。そして、レーザ光7が検出された光センサの位置を認識することにより、レーザ光が照射された表示画面上の座標(X座標,Y座標)が、後述する位置算出部23によって算出される。
【0025】
表示部11がたとえばLCDの場合、液晶層と、バックライト板との間に、センサモジュール12が設けられる。センサモジュール12は、X−Y座標平面上でマトリクス状に一定間隔で配置された複数の光センサから構成される。各光センサのX−Y座標平面上での位置は、レーザ光が照射されたときに発生するX座標を特定する電気信号Sxと、Y座標を特定する電気信号Syとから算出される。また、表示部11にLCDが用いられる場合は、バックライトからの光が、直接光センサに入射しないように、光センサとバックライトの間に微小な遮光層が形成される。
表示部11がスクリーンの場合は、そのスクリーン表面上にセンサモジュール12が設けられる。
【0026】
図1において、表示制御装置2は、主として、表示制御部21,出力情報生成部22,位置算出部23,受信情報取得部24,認証部25,ファイル検索部26,アプリ実行部27,記憶部30とから構成される。
表示制御装置2は、主としてCPU,ROM,RAM,I/Oコントローラ,タイマー,グラフィックコントローラ(LSI)等からなるマイクロコンピュータにより実現され、ROM等に記憶された制御プログラムに基づいて、CPUが各種ハードウェアを動作させることにより、表示制御装置2の種々の機能が実現される。
【0027】
表示制御部21は、表示させる情報を表示部11に出力する部分である。
出力情報生成部22は、表示部11に表示させる情報を生成する部分であり、たとえば、記憶部30に予め記憶されていたファイル情報31を読み出して、表示部11に表示できる形式のデータに変換し、その変換後のデータを表示制御部21に引き渡す部分である。
位置算出部23は、レーザ検出部(センサモジュール)12からの電気信号(Sx,Sy)を受信して、その電気信号からレーザ光が照射された表示画面上のX−Y座標を算出する部分である。
【0028】
受信情報取得部24は、光センサによって受信したレーザ光7に含まれる情報を抽出する部分である。たとえば、レーザ出力部41から出射されたレーザ光7に、利用者を特定する識別情報(RID)47が重畳されている場合、その重畳された部分の受光したレーザ光の振幅や周波数の変化あるいはONとOFFの変化の数やタイミングを検出することにより、識別情報(RID)47を抽出する。
【0029】
レーザ光7に含まれる情報には、識別情報(RID)47の他に、メニュー表示指示,ファイル選択指示,アプリケーションの実行指示,スクロール指示,ペン入力指示などの各種指示入力の情報が含まれる。
このような指示入力は、後述するように、光出射装置4に付属された特定の機能キーを押下げることにより行うことができる。
受信情報取得部24により取得された情報は、受信情報36として、記憶部30に記憶される。
【0030】
認証部25は、この表示システムを利用する者が正当な権限を有するか否かをチェックする部分である。たとえば、レーザ検出部12によって受信された受信情報36のうちの識別情報RID47と、記憶部30に予め記憶されている利用者情報MID34とが一致するか否かをチェックする部分である。一致した場合は、認証が成功したとみなされ、その後の処理(たとえば、ファイル選択処理)が実行される。
【0031】
また、認証部25は、後述するように、ファイルごとに付与された認証情報FID35と受信した識別情報RID47とが一致するか否かをチェックする。
ファイル検索部26は、記憶部30に予め記憶されているファイル情報31の中から、選択されたファイルを読み出す部分である。
アプリ実行部27は、選択されたアプリケーションプログラムを起動させる部分である。
たとえば、ファイル検索部26によって読み出されたファイルに対して、そのファイルに関係づけられたアプリケーションプログラムを起動させ、そのアプリケーションプログラムが読み出されたファイルを開き、そのファイルの内容を表示部11に表示させるような動作をする。
【0032】
記憶部30は、ハードディスク,不揮発性の半導体記録素子や記憶媒体等であり、この表示システムで利用される種々の情報を記憶しておく部分である。
記憶部30には、たとえば、ファイル情報31,表示データ32,アプリケーションプログラム33,利用者情報MID34,認証情報FID35,受信情報36などが記憶される。
ファイル情報31は、たとえばプレゼンテーション等の説明資料であり、文書,図面,グラフ,静止画像,動画などである。
【0033】
表示データ32は、表示部11に表示されるべきデータであり、たとえば、表示されるファイルを選択するためのメニュー一覧データ(ファイル一覧リスト)などが含まれる。
アプリケーションプログラム33は、たとえば、文書作成プログラムや、画像編集および再生プログラムなどを意味する。
利用者情報MID34は、この発明の表示システムを利用可能な者を特定する情報を意味し、認証部25で比較される一方の認証情報に相当する。たとえば、この発明の表示システムを所有する会社あるいは管理する部署の所属員のIDコードや、氏名等の個人情報が、利用者情報MID34に相当する。
【0034】
認証情報FID35は、個々のファイルごとに付与された情報であり、たとえば、そのファイルをアクセスすることが可能な者を特定する情報を意味する。
また、認証情報FID35は、認証部25が利用しようとするファイルの認証処理を行うときに比較される一方の情報であり、たとえば、ファイルの作成者を特定する情報や、そのファイルの読み出しが許可された者を特定する情報である。
【0035】
受信情報36は、受信情報取得部24によって取得された情報であり、レーザ検出部12によって検出されたレーザ光に含まれていた情報である。
たとえば、上記したように識別情報RID47は受信情報36の一つであり、認証部25によって比較される一方の情報である。
以上のような表示制御装置2の各機能ブロックの機能は、主としてCPUが、ROM等に予め記憶された制御プログラムに基づいて、各ハードウェアを有機的に動作させることにより実現される。
【0036】
光出射装置(レーザポインタ)4は、レーザ光7を出力する部分である。
利用者は、レーザポインタ4から出力されるレーザ光7を表示部11に向けて照射させレーザ光7が当たった表示画面上のスポットによって、表示部11に表示されている情報のうち特定の部分を指し示す。
レーザ光7のスポットによって示される位置にある光センサによって、レーザ光7が検出され、その位置を特定するX座標及びY座標の電気信号によって、利用者が指し示した位置が算出される。
【0037】
レーザポインタ4は、主として、レーザ出力部41,情報合成部42,指示入力部43,メモリ部46,情報抽出部44,通信部45から構成される。これらの機能ブロックは、主として、CPU,ROM,RAM,I/Oコントローラ,通信LSI,タイマーなどを有するマイクロコンピュータにより実現される。
レーザ出力部41は、レーザ光7を出射する部分であり、たとえばレーザダイオードが用いられる。
レーザ光7は、たとえば波長650nmあるいは532nmの光であり、情報合成部42で合成された情報を含ませるために、レーザ光は出射する際にレーザ出力部41によって変調される。
情報合成部42は、レーザ光に含ませる出力情報を合成し、その出力情報に対応した変調光が出力されるように、レーザ出力部41に出力指示信号を与える部分である。合成される出力情報には、指示入力部43によって入力された指示に対応する指示情報48や、メモリ部46に記憶された識別情報RID47が含まれる。
【0038】
指示入力部43は、表示制御装置2に与える指示を入力する部分であり、レーザポインタ4に設けられた機能キーに相当する。レーザポインタ4には、レーザ光の出力キー、ファイルなどのメニュー一覧表示キー,スクロールキーなどの複数の機能キーが設けられる(図6参照)。
たとえば、レーザ光の出力キーが押下げられると、指示入力部43がどのキーが押されたかを認識し、情報合成部42に対して、レーザ光を出力するための要求信号が伝えられる。
レーザ光の出力要求信号が与えられた情報合成部42は、メモリ部46に記憶された識別情報RID47を読み出し、出力されるレーザ光7に、識別情報RID47を合成するように出力指示信号を生成し、レーザ出力部41に与える。レーザ出力部41は、出力指示信号に基づいて、識別情報RID47を含めたような変調されたレーザ光7を出力する。
【0039】
また、スクロールキーが押下げられた場合は、スクロールキーが押されたことを示す信号が情報合成部42に与えられ、情報合成部42は、スクロールキーに対応する指示情報48をメモリ部46から読み出して、読み出された指示情報48をレーザ光7に合成するような出力指示信号を生成し、レーザ出力部41に与える。
【0040】
メモリ部46は、レーザポインタ4で利用する情報を記憶する部分であり、主として、識別情報RID47と指示情報48とを記憶する。
識別情報RID47は、ICカード5に予め記憶されている固有の情報であり、ICカード5との通信によってICカード5から取得される情報である。
【0041】
指示情報48は、レーザ光7に含められて表示制御装置2に送信される情報であり、指示入力部43から入力される指示に対応する情報である。
たとえば、レーザポインタ4に設けられる機能キーが7つあったとすると、各機能キーが押されたときに入力される指示にそれぞれ対応する7つの情報が指示情報48である。
指示情報48としては、たとえば、レーザ光出力指示,メニュー一覧表示指示,上方向スクロール指示,下方向スクロール指示,黒色ペンモード切替指示,赤色ペンモード切替指示,ペンモード解除(消去モード)指示,アプリ実行指示などがある。
【0042】
ここで、レーザ光出力指示とは、レーザ光に情報を含めずに、単にレーザ光7を出力する指示を意味し、レーザ光7の出力開始および出力停止のための指示情報である。
利用者が特定の機能キーを押下げ、レーザ光の出力開始を意味する出力指示がレーザ出力部41に与えられると、レーザ出力部41から、情報を含まないレーザ光7が出力させられる。
【0043】
あるいは、レーザ光の出力停止状態のときに、レーザ光7の出力開始を意味する出力指示をレーザ出力部41に与える場合は、メモリ部46に記憶された識別情報RID47を読み出して、出力指示に加えてこの識別情報RID47を含めたレーザ光7を出力するような出力指示信号をレーザ出力部41に与えてもよい。この場合には、表示制御装置2が最初にレーザ光7を受光した際に、レーザ光に含まれている識別情報RID47を用いた認証処理が実行される。
【0044】
また、レーザ光7の出力開始後は、停止指示があるまでレーザ光を常時出力するものとすると、レーザ光7は、表示部11に表示された資料の特定の個所を指し示すのに用いられる。
また、レーザ光の出力停止を示す指示情報がレーザ出力部41に与えられると、レーザ光7の出力を停止する。レーザ光の出力の開始と停止は、同じレーザ光出力キーの押下を行うたびに交互に切替えればよい。
【0045】
また、レーザ光7を常時出力するのではなく、特定のキーを押下げた後の数秒間あるいはキーを押下げている間だけレーザ光7を出力し、キーを離したときに出力を停止するようにした場合は、レーザ光の出力指示以外の指示(たとえば、メニュー一覧表示指示)を意味するキー入力だけがあった場合でも、その指示情報48を含めたレーザ光を出射するようにする。すなわち、レーザ光出力キーを押下げなくても、他のそれぞれの機能キーを押下げただけで、レーザ光を出射するようにレーザダイオード41を制御する。
また、すでにレーザ光が出射されている状態で、特定の機能キーを押下げた場合は、その機能キーに対応する指示情報を含めたレーザ光を一定時間出力するようにすればよい。
【0046】
通信部45は、ICカード5と通信する部分である。
ICカード5は、レーザポインタ4に挿入して通信する接触タイプのカードでもよいが、ユーザの利便性を高めるために、非接触タイプのカードを用いることが好ましい。
非接触タイプのICカードを用いる場合は、通信部45とICカード5との通信は、Bluetoothなどの近距離無線通信で行われる。
【0047】
情報抽出部44は、通信部45によって受信された無線信号から情報を抽出してメモリ部46に記憶する部分である。
たとえば、通信部45がICカード5に記憶されていた識別情報RIDを受信した場合、受信した識別情報RID47をメモリ部46に記憶する。
【0048】
ICカード5は、カード通信部51と識別情報RID記憶部52とを備え、レーザポインタ4の通信部45と通信を行う。
ICカード5が非接触タイプのカードの場合、カード通信部51が規定の通信プロトコルにより通信部45と無線通信6を行い、予め記憶された識別情報RIDなどを、レーザポインタ4へ送信する。
識別情報RID記憶部52には、ICカードの所有者を特定する情報が予め記憶される。たとえば、所有者固有のIDコード,所有者の氏名、住所、生年月日などが記憶される。
メモリ部46に記憶される識別情報RID47は、ICカードの識別情報記憶部52に予め記憶されていた情報であり、たとえば、カード所有者のIDコードを用いることができる。
この識別情報RID47は、表示制御装置2の記憶部30に予め記憶されている利用者情報MID34あるいは認証情報FID35と比較される情報である。
【0049】
<表示システムの利用形態の実施例>
図2に、この発明の表示システムの利用時における一実施例の概略説明図を示す。
図2において、利用者が自己の識別情報RIDが記憶されたICカード5をレーザポインタ4に近づけると、無線通信6により、自己の識別情報RID47がICカード5から読み出され、レーザポインタ4へ送信され、そのメモリ部46へ記憶される。
この後、レーザポインタ4を表示部11に向けた状態で利用者がレーザポインタ4の特定の機能キーを押下げると、その機能キーに対応した指示情報48がレーザ光7に合成され、指示情報48を含むレーザ光7が表示部11に向けて出力される。
たとえば、レーザ光7が出力停止状態のときにレーザ光の出力キーを押した場合、識別情報RID47を含んだレーザ光7が、レーザポインタ4から出力される。
【0050】
一方、表示装置1は、表示部11とセンサモジュール12とが対向配置された構造体であり、表示部11には、表示制御装置2の表示制御部21から与えられる表示信号により映像が表示される。
マトリクス状に配置された多数の光センサからなるセンサモジュール12は表示画面のすぐ近傍に設けられ、表示画面に向かって照射されたレーザ光7を検出する。
レーザ光7が当たった位置の光センサから電気信号(Sx,Sy)が出力され、位置算出部23と受信情報取得部24に与えられる。レーザ光7に指示情報48が含まれている場合は、出力された電気信号にその指示情報成分が含まれる。
電気信号は、光センサの位置を特定するためのX軸方向の位置を示す信号SxとY軸方向の位置を示す信号Syとからなる。位置算出部23がこの2つの信号(Sx,Sy)を認識することにより、どの位置の光センサによってレーザ光7が検出されたかがわかる。
【0051】
また、出力された電気信号に、レーザ光7に含まれていた指示情報48に対応した信号成分を含む場合は、受信情報取得部24は、この信号成分の振幅や周波数変化、あるいはONとOFFの繰り返し回数やタイミングを検出することにより、どのような指示情報が受信されたかを認識し、受信情報36として、記憶部30に記憶する。
【0052】
この後、受信した情報36の内容に基づいて、認証部25やアプリ実行部27などによって、利用者が機能キーを押下げたことによる指示入力に対応づけられた処理が実行される。
たとえば、受信した情報が識別情報RID47の場合、認証部25によって、受信した識別情報RID47と記憶部30に予め記憶されていた利用者情報MID34との比較が行われる。両情報(MIDとRID)が一致した場合には、レーザポインタ4の利用者は正当な使用権限を持つ者と判断され、利用者の操作により以後の処理が実行される。たとえば、次のようなファイル検索,表示処理が実行される。
【0053】
表示部11の画面上に複数のファイルのアイコンが表示されている場合、利用者が、開きたいファイルF01のアイコンに向かってレーザ光7のスポットが当たるようにレーザポインタ4を操作し、さらに、そのファイルF01の内容の表示要求を意味する実行キーを押し下げたとすると、ファイルの表示要求を意味する指示情報48がレーザ光7に合成され、レーザポインタ4から出力される。
位置算出部23は、このレーザ光7を検出した光センサの位置を算出すると、その検出位置の画面上に表示されているファイルが何であるかは予めわかっているので、その検出位置がファイルF01の表示位置であることが認識される。また、受信情報取得部24によって受信された情報がファイルの表示要求を意味する指示情報であると認識されると、レーザポインタで指示された位置がファイルF01であることと合わせて、記憶部30からファイルF01を検索し、表示させる処理が実行される。
【0054】
一方、両情報(MIDとRID)が一致しなかった場合は、レーザポインタ4の利用者は正当な使用権限を持つ者でないと判断され、以後の処理は実行されない。たとえばアプリ実行処理のための指示入力操作をしたとしても、その指示入力は受け付けられない。
【0055】
このように、利用者は、表示画面上に表示された映像を見ながら、レーザポインタ4を操作し、レーザポインタから出力されたレーザ光7を、その映像の中の特定の位置に向けて照射させた後、表示映像を見ている状態でその位置にあるファイルの内容を表示させることを意味する機能キーの押下操作をする。これにより利用者が所望するファイルの内容を表示画面上に表示させることができる。
すなわち、利用者は、映像が表示されている画面とは異なるパソコン上の画面を見て、パソコンでの特別なキー操作をすることなく、表示画面を見たままの状態でレーザポインタによるレーザ光の照射と機能キーの押下という操作をするだけで、容易かつ迅速に所望のファイル表示をさせることができる。
また、機能キーを押下た後に出力されるレーザ光7に、指示情報48や認証情報47を含めて出力するので、利用者は映像を見たままの状態で、キー押下以外の特別な操作をすることなく、容易に利用者認証や指示入力を、ほぼ同時にすることができる。
したがって、会議やプレゼンテーションにおける利用者(説明者)の操作負担を軽減でき、会議等を円滑に進めることが可能となる。
【0056】
<センサモジュール及び電気信号等の説明>
図3に、この発明のセンサモジュールの一実施例の説明図を示す。
センサモジュール12は、光センサPxyをマトリクス状に配置したものである。
図3では、X軸(横軸)方向にn個の光センサを配列し、Y軸(縦軸)方向にm個の光センサを配列している。光センサPxyに光が当たると、電気信号(Sx,Sy)が生成される。
たとえば、X座標Xi,Y座標Yjで示される位置(Xi,Yj)にある光センサPijに、レーザ光7が当たると電気信号(Sxi,Syj)が生成される。電気信号は、X座標信号SxiとY座標信号Syiとからなり、位置算出部23と受信情報取得部24に出力される。
【0057】
図4に、表示装置1が液晶表示装置(LCD)の場合の概略説明図を示す。
図4は断面図で、LCDの一部分を示している。
LCD1は、主として液晶層92と、バックライト94と、光センサ91と、遮光層93とから構成される。
LCD1の表示画面13の近傍に液晶層92が設けられ、液晶層92とバックライト94との間に、微小な光センサ91が配置される。
光センサ91とバックライト94との間に、バックライトの光が光センサ91に受光されないようにするために、遮光層93を設ける。
【0058】
レーザ光7は、図4に示すように、図の上方の表示画面外から入射し、液晶層92を透過して、光センサ91に受光される。
レーザ光7は、十分な出力があるので、液晶層92の状態がどのような状態でも、液晶層を透過し、光センサの配置されたセンサモジュールまで到達する。
【0059】
図5に、図3に示した光センサから出力される電気信号の一実施例の説明図を示す。
ここで、横軸を時間とし、縦軸を電気信号の大きさとする。
図5(a)は、受光したレーザ光7に情報が含まれず、変調されていない場合に出力される電気信号を示している。
この場合、一定時間または連続的に、一定振幅のON状態の電気信号が出力される。利用者が表示画面に表示された映像を単にレーザ光で指し示す場合は、情報を含まないレーザ光が出射され、図5(a)のような電気信号(Sx,Sy)が検出される。
【0060】
図5(b)は、受光したレーザ光7に、識別情報RID47を含む場合の電気信号の一実施例を示している。
この場合、電気信号は、識別情報RID47に対応したON状態とOFF状態の繰り返し信号として検出される。
受信情報取得部24は、このON状態とOFF状態の変化の様子を検出することにより、もとの識別情報RID47を再生する。
【0061】
図5(c)は、受光したレーザ光7に、識別情報RID47と指示情報48の両方を含む場合を示している。
図5(c)では、ONとOFFの状態変化の前半部分が識別情報RID47であり、後半部分が指示情報48の場合を示している。
レーザ光に合成される情報の合成規則、すなわちON状態とOFF状態の変化の規則を予め定めておき、その合成規則を表示制御装置に記憶し、記憶された合成規則と、出力された電気信号とを比較することにより、これらの2つの情報(47,48)を取り出すことができる。
【0062】
図5(c)では、2つの情報をレーザ光7に含めた場合の電気信号の例を示したが、これに限るものではない。
3つ以上の情報を含めることもでき、またそれらの情報を含める順序も問わない。
また、前記したように、指示情報48には複数種類の情報があるが、受信される可能性のあるすべての指示情報について、ON状態とOFF状態の変化のパターンを記憶部30に予め記憶しておき、この変化パターンと、受信した電気信号の変化パターンとを比較することにより、どの指示情報48が受信されたかを認識することができる。
【0063】
図6に、この発明のレーザポインタ4に備えられる機能キーの一実施例を示す。
図6では、8つのキー(K0〜K7)を示しているが、これに限るものではなく、キーの数,配置,形状などは種々のものが考えられる。
キーK0:レーザ光出力キー
キーK1:実行キー
キーK2:メニューキー(メニュー一覧表示)
キーK3:上方向スクロールキー
キーK4:下方向スクロールキー
キーK5:黒ペン入力モードキー
キーK6:赤ペン入力モードキー
キーK7:入力消去キー
【0064】
レーザ光出力キーK0は、レーザ光7の出力開始および停止の指示をするためのキーである。レーザ光7をすでに出力している状態でこのキーK0を押下げると、レーザ光7の出力を停止させる。また、レーザ光の出力停止状態でこのキーK0を押下ると、レーザ光7の出力を開始させる。
ただし、キーK1〜K7を押下げることによりレーザ光の出力開始を兼ねている場合は、レーザ光出力キーK0はなくてもよい。また、レーザ光出力開始キーと、レーザ光出力停止キーとを別々に設けてもよい。
キーK1は、選択された機能項目の機能を実行させるためのキーである。たとえば、レーザ光7が照射されている表示画面上の位置に、ファイルFL001が表示されている場合に、キーK1を押下げると、その押下操作をそのファイルFL001を開く指示であると判断し、ファイルFL001の検索および表示処理を実行させる。
【0065】
キーK2は、利用者が利用できる機能項目(メニュー)を一覧表示させるキーであり、たとえば、一般的によく利用されているマウスの右ボタンに相当するキーである。
たとえば、キーK2を押下げると、利用できる機能項目のリストを表示させる。
利用者がキーK2を押下げ、機能項目を表示させた状態で、スクロールキー(K3またはK4)を用いて、カーソル表示を移動させ所望の機能項目を選択し、実行キーK1を押下げることにより、その選択された機能項目の機能が実行される。
この場合、キーK2,キーK3,K4あるいはK1を押下げるごとに、それぞれのキーに対応づけられた指示情報48が、レーザ光7に合成されて出力される。
キーK5,K6およびK7は、後述するように、表示画面上の映像に重ねて、レーザ光7を利用して文字や図形等を入力するモードに切替えるときに利用するキーである。
キーK5あるいはK6が押下げられたとき、ペンモード切替指示情報がレーザ光に合成されて出力され、レーザ光の照射位置に点画像が表示される。
【0066】
図7に、記憶部30に記憶される情報の一実施例の説明図を示す。
記憶部30は、ハードディスクなどの不揮発性の記録装置や記録媒体が用いられる。
ここで、ファイル情報31は、主として、ファイル名FN,認証情報FID35,アプリ名APN,ファイルの内容とから構成される。
認証情報FID35は、ファイルごとに付与される情報であり、たとえば、そのファイルの作成者のID番号などである。
アプリ名APNは、ファイルごとに付与される情報であり、そのファイルが作成されたアプリケーションプログラムの名前である。
ファイルを開く処理をした場合に、このアプリ名APNを手がかりとして、起動するアプリケーションプログラムが選択される。ファイル内容は、そのファイル名FNで特定される実体(文書,画像など)を意味する。
【0067】
図7において、たとえば、ファイル名FNが「FL001」のファイルは、アプリ名APNが「APR−aaa」のアプリケーションプログラムによって作成され、認証情報FID35として「FID1111」が付与されている。
認証情報FID35は、そのファイルを開く指示を受信したときに行われる認証処理において、受信した識別情報RID47と比較される情報である。
また、図7に示すように記憶部30には、アプリケーションプログラム33の実体(APR-aaa, APR-bbbなど)も保存される。
あるファイルを開く際には、CPUが、まずそのファイルに対応づけられたアプリケーションプログラム33を読み出して主記憶に展開した後、そのアプリケーションプログラムの動作によりそのファイルを読み出して表示等の処理を行う。
【0068】
図7において、利用者情報MID34として、「ID1111」が記憶されている場合を示している。この利用者情報MIDは1つに限られることはなく、この表示システムの利用を許可した者全員の複数の利用者情報MIDを記憶してもよい。複数の利用者情報MIDを記憶した場合は、受信した識別情報RID47が、そのいずれかの利用者情報MID34と一致すれば、この表示システムのその後の利用を可能とする。
【0069】
図7において、受信情報36の例として、識別情報RID47(ID1111)と、指示情報48(RQK02)を示している。
この例では、2つの情報を受信した場合を示しており、識別情報RID47である「ID1111」は、認証処理で利用される。受信した指示情報48(RQK02)は、指示内容を特定するのに利用される。
【0070】
図8に、記憶部に予め記録される指示情報の登録データを示す。この登録データと一致する指示情報48を受信したとき、対応する指示内容の機能を実行する。
図8において、指示情報RQK01は、アプリ実行指示を意味する。たとえば、レーザ光の出力状態で、表示画面に表示されているファイルFL001のアイコンにレーザ光が照射されている場合に、指示情報48としてRQK01が受信されたとき、レーザ光の照射により指示されているファイルを開く処理を意図する操作を利用者がしたと考え、そのファイルFL001の検索および表示のために、対応するアプリケーションプログラムの実行をする。キーK1が押下げられた場合、この指示情報RQK01に対応する情報が、レーザ光に含められて出力される。
【0071】
また、RQK02は、メニュー一覧表示指示を意味する。RQK02を受信した場合、表示部に現在利用できる機能項目を一覧表示する。キーK2が押下げられた場合、この指示情報RQK02に対応する情報がレーザ光に含められる。
RQK03およびRQK04は、表示部に表示されているカーソルの上方向または下方向への移動指示を意味する。たとえば、機能項目を一覧表示させている状態で、キーK3が押下げられた場合、指示情報48としてRQK03がレーザポインタ4から送信される。このとき、RQK03が受信されると、一覧表示された機能項目リストについて上方向へのスクロールの指示入力が行われたと判断し、カーソルを1項目分だけ上方向へ移動させる。RQK04を受信したときは、キーK4により下方向へのスクロール指示が入力されたと判断し、カーソルを1項目分だけ下方向へ移動させる。
【0072】
RQK05,06および07は、それぞれキーK5,K6およびK7が押下げられたときに受信される指示情報48であり、これらの指示情報が受信されたとき、ペン入力モードにおけるそれぞれのキーに対応づけられた機能を実行する。
図8では、指示情報とキー(K1〜K7)に対応した指示内容を示したが、これらのデータは一実施例であり、これに限るものではない。
たとえば、マウスのダブルクリックに相当するようなキーの2度押しや、キーの長押しなどに対応した指示情報を予め定義してもよく、また、利用者がよく利用する機能の指示情報を、キー操作に対応づけて、利用者が定義できるようにしてもよい。
【0073】
<この発明の一実施例の操作の概要説明>
ここでは、プレゼンテーションにおける利用者のファイル操作を、一実施例として説明する。ファイル操作とは、表示画面に表示された複数のファイルのアイコンのうちいずれかを選択して、選択されたファイルの内容を表示画面に表示させる操作を意味する。
図9に、表示部の表示画面に、7つのファイル(プレゼンテーション資料)に対応するアイコン(プレゼン1〜7)を表示した状態を示す。表示するアイコンは、7つに限るものではなく、用意した資料の数(1または複数個)だけ表示すればよい。
この状態において、各アイコンの表示位置は予め決められているものとし、1つのアイコンの表示領域に対応する位置に配置された光センサも予めわかっているものとする。
たとえば、プレゼン5のアイコンの表示領域に対応する位置に光センサが100個配置されていたとすると、その100個の光センサのうち、いずれかの光センサがレーザ光を検出した場合、プレゼン5のファイルが、レーザポインタ4で選択されたものとする。
【0074】
まず、利用者は、図2に示したように、ICカード5を、レーザポインタ4に接近させる。この操作により、ICカード5とレーザポインタ4との間で無線通信6が行われ、ICカード5に記憶されている識別情報RID47がレーザポインタ4に送信され、そのメモリ部46に記憶される。
【0075】
次に、利用者は、レーザポインタ4のレーザ出力部41を表示画面方向に向け、レーザ光出力キーK0を押下げる。
この操作により、指示入力部43がレーザ光の出力指示がされたと認識すると、情報合成部42は、メモリ部46から識別情報RID47を読み出し、レーザ光7に識別情報RID47を含めた出力信号をレーザ出力部41に与える。
その後、レーザ出力部41から、識別情報RID47を重畳したようなレーザ光7が出力される。
【0076】
このようなレーザ光7が表示画面に照射されると、その照射位置の光センサによって検出され、この場合は、図5(b)に示したような電気信号が、レーザ検出部12から出力される。
受信情報取得部24は、この電気信号から識別情報RID47を抽出し、記憶部30に記憶する。
認証部25は、抽出された識別情報RID47と、予め記憶されている利用者情報MID34とを比較し、認証処理を行う。この認証処理において、両情報(RID,MID)が一致した場合には、利用者認証が成功したと判断し、その後の処理を受け付けるようにする。一方、一致しなかった場合は、その後に指示情報48を受信したとしても、その指示に対応する処理を実行しないようにする。
【0077】
利用者認証が成功した後、利用者は表示画面を見たままの状態で、レーザポインタ4を操作して、レーザ光7が所望のファイルのアイコン(たとえば、プレゼン2)に照射するようにし、キーK1(実行キー)を押下げる。
キーK1を押下げる操作は、利用者がレーザ光が照射された位置に表示されたファイルの内容を表示画面に表示させることを意図する操作である。図9の場合は、プレゼン2のファイルを表示させることを意図する操作である。
この操作により、情報合成部42は、図8に示す指示情報RQK01(48)をメモリ部46から読み出して、レーザ光7に指示情報RQK01(48)を含める。そして、レーザ出力部41から、指示情報RQK01(48)を含んだレーザ光7が出力される。このとき、レーザ光に、指示情報RQK01に加えて、識別情報RID47を含めてもよい。
【0078】
このようなレーザ光7が表示画面に照射されると、照射された位置の光センサから電気信号が出力され、位置算出部23と、受信情報取得部24に与えられる。位置算出部23は、出力された電気信号を用いて、電気信号を出力した光センサのX座標とY座標を算出し、表示画面のどの部分にレーザ光が照射されたかを認識する。
また、光センサの位置とファイルのアイコンの表示領域との位置関係は予めわかっているので、電気信号を出力した光センサの位置が、表示画面上に表示されたファイルのアイコンの表示領域のうち、どの表示領域に含まれるかを認識する。
これにより、利用者がどのファイルを選択指示したかを認識する。
このとき、図10に示すように、ファイルが選択されたことを利用者に知らせるために、認識したファイルの表示アイコン(プレゼン2)の部分を色を変えて表示したり、点滅表示をしてもよい。
【0079】
一方、受信情報取得部24は、電気信号に含まれる指示情報48(RQK01)を抽出し、その指示情報48が図8に示した指示内容のうちどれに一致するかを確認する。
ここで、RQK01を受信したと認識したとすると、アプリ実行の指示入力がされたと判断する。
そして、ファイル検索部26が、レーザ光7の照射位置から認識したファイルを検索し、ファイル情報を読み出す。その後、アプリ実行部27が読み出されたファイル情報31の中のアプリ名APNに基づいて、対応づけられたアプリケーションプログラムを起動させ、読み出されたファイルを、表示画面に表示させる処理をする。
このような一連の処理により、図11に示すように、プレゼン2に対応するファイルが、表示画面に表示される。
【0080】
<実施例1>
図12に、この発明の実施例1の表示制御処理のフローチャートを示す。
このフローチャートは主として、表示制御装置2の動作を示している。
ここでも、図9のような複数のファイルのアイコンの表示をした状態で、利用者がレーザポインタ4でファイルを選択する操作をしたとき、そのファイルを開く処理をする場合について説明する。
まず、ステップS1において、表示画面に、図9のようなファイルのアイコン表示を行う。このようなファイルのアイコンの表示は、出力情報生成部22が、予め表示データ32として記憶されたアイコン情報を読み出して、表示部11に表示できる形式の情報を生成し、表示制御部21が、生成された情報を表示部11に与えることにより行う。
【0081】
ステップS2において、このような表示状態において、レーザポインタ4からのレーザ光7が検出されるか否かチェックする。これは、たとえば、位置検出部23が、レーザ光検出部12(センサモジュール)の光センサから電気信号が受信されたか否かにより行うことができる。
レーザ光7が表示画面上に照射され、その照射位置の光センサによってレーザ光が検出されると、電気信号が出力されるので、ステップS2において、電気信号があればステップS3へ進み、そうでない場合は、ステップS2を繰り返す。
出力された電気信号は、位置算出部23と、受信情報取得部24に与えられる。
【0082】
ステップS3において、位置算出部23が受信した電気信号を用いて、検出した光センサの表示画面に対する位置を算出する。
前記したように、マトリクス配置された光センサから出力される電気信号(Sx、Sy)を確認することにより、光センサの位置を算出する。算出した位置情報は、受信情報36として、記憶部30に記憶される。
【0083】
ステップS4において、受信情報取得部24が、受信した電気信号の成分を解析することにより、レーザ光に含められた識別情報等を取得する。
たとえば、受信した電気信号の中に、予め定義された識別情報47に対応する信号パターンが存在する場合には、それを抽出し、受信情報36として記憶部36に記憶する。
また、所定の指示情報48に対応する信号パターンがあれば、それを抽出し、受信情報36として記憶部30に記憶する。
【0084】
ステップS5において、受信情報36を用いて、利用者の認証処理を行う。ここでは、受光したレーザ光の中に、予め利用を許可した者の利用者の識別情報RID47が含まれているか否か、チェックする。
具体的には、記憶部30の利用者情報MID34の中に、受信した識別情報RID47が含まれているか、あるいは利用者情報MID34と、受信した識別情報RID47とが一致するか否か、チェックする。
【0085】
一致した場合あるいは含まれている場合は、利用者認証が成功したことを意味し、ステップS6の判断において、ステップS7へ進む。
一方、一致しなかった場合、あるいは含まれていなかった場合、利用者認証に失敗したことを意味するので、ステップS9へ進む。
ステップS9では、利用者に、利用者認証に失敗したためこの装置を利用できないことなどを示すエラー表示を行い、ステップS2へ戻る。
【0086】
ステップS7において、ファイル検索処理を行う。ここでは、ファイル検索部26がステップS3で算出された位置情報に基づいて、その位置と対応付けられたファイルを認識し、そのファイルに関するファイル情報31を記憶部30から読み出す。
【0087】
図7には示していないが、ファイル名FNと、そのファイルのアイコンを表示する表示画面上の領域の座標データとを対にして予め記憶しておき、検出された光センサの位置座標が含まれる領域を見つけ出すことにより、位置情報と対応するファイルのファイル名FNを認識することができる。
ファイル検索処理(ステップS7)により、図7に示すようなファイル情報31(FN,FID,APN,ファイル内容)が読み出される。
【0088】
ステップS8において、読み出されたファイル情報31に基づいて、アプリケーションの起動等の処理が実行される。
たとえば、図7のファイル名FNが「FL002」の情報が読み出されたとすると、それに含まれるアプリ名APN(APR-bbb)に基づいて、対応するアプリケーションプログラム(APR-bbb)が起動させられる。
そして、そのアプリケーションプログラムによって、目的のファイル(FL002)が開かれ、表示部の表示画面に表示させる。
以上の処理により、レーザポインタを用いた利用者の指示操作によって、所定の認証処理を行うとともに、所望のファイルの選択と表示処理が実行される。すなわち、利用者は表示画面を見たままの状態で、レーザポインタ4を指示操作するだけで、セキュリティを考慮して容易に利用者の意図したファイルを表示させることができる。
【0089】
上記説明では、レーザ光を検出した後、利用者認証をしただけでファイルを開く処理をする実施例を説明したが、利用者による明確なアプリ実行指示入力があった場合にのみ、ファイルを開く処理を実行するようにしてもよい。これにより、開くべきファイルはまだ選択していないのに、利用者の認操作、たとえば単なるレーザ出力指示をしただけで、ファイルが開かれてしまうのを防止できる。
ここで、アプリ実行指示が入力されたとは、たとえば、レーザポインタ4の実行キーK1が押下げられたことにより、指示情報RQK01が受信されたことを意味する。
【0090】
図13に、実施例1において、利用者のアプリ実行指示入力を確認する場合のフローチャートを示す。
図13において、図12と同じステップには同じステップ番号を付与している。
図13では、ステップS11が追加される点のみが、図12の処理と異なる。
ステップS11において、アプリ実行指示入力があったか否か確認する。入力があったことが確認できた場合は、ステップS7,S8の処理を実行し、その入力が確認できない場合は、ステップS2へ戻る。
【0091】
利用者が、レーザポインタ4の実行キーK1を押し下げた場合、これに対応する指示情報RQK01が読み出され、この指示情報48を含めたレーザ光7が出力される。このレーザ光7が光センサで検出されると、受信された電気信号には、指示情報48(RQK01)に対応する信号パターンが含まれているので、ステップS4において、受信情報取得部24が、この信号パターンから指示情報48(RQK01)を取得する。
【0092】
そこで、ステップS11では、取得された指示情報48が、図8に示した情報の中に含まれているか否か確認する。受信した指示情報48が、図8の情報の中のRQK01と一致する場合は、アプリ実行指示があったと判断する。
以上のように、ステップS11を設けることにより、利用者の明確な意思入力があった時のみ、ファイルを開くためのアプリ実行が行われるようになる。したがって、利用者の誤操作を防止でき、実行キーを入力する操作が必要となるが、明確な意思入力をすることによりかえって利用者の操作負担を軽減できる。
【0093】
<実施例2>
ここでは、記憶部3に記憶されたファイル情報31に、ファイルごとの認証情報FID35が付与されている場合について説明する。
図7に示したように、ファイルに秘密情報が含まれている場合は、そのファイルを開くことのできる者を限定するために、ファイルごとに認証情報FID35が付与される。たとえば、ファイル作成あるいは保存時に、そのファイルを作成した者のIDを入力してもらい、このIDを認証情報FID35とするファイル情報31を作成する。そして、ファイルを開く処理をしたときに、そのファイルの認証情報FID35の入力を要求し、この情報FID35と一致する入力がなければそのファイルを開けないようにする。
【0094】
しかし、この要求された入力をその都度利用者が手入力していたのでは、利用者の負担が大きくスムーズな会議の進行がそこなわれるなどの問題がある。
そこで、この発明では、認証情報FID35と一致する情報の入力は手入力では行わず、レーザ光に含まれて送られてくる識別情報RID47とファイルごとに付与された認証情報FID35との比較を行い、両者が一致した場合に、ファイル認証が成功し、正しい認証情報が入力されたものとみなす。
すなわち、実施例2では、ファイル認証処理を、利用者の手入力で行うのではなく、レーザ光に含まれて送られる識別情報RID47を用いて、自動的に行う。
【0095】
図14に、この発明の実施例2の表示制御処理のフローチャートを示す。
図12と同じ処理内容については、同じステップ番号を付与している。
図14のフローチャートでは、ステップS21でファイル認証処理を行い、ステップS22で、ファイル認証が成功したか否かを判断する処理が、図12のフローと異なる。
【0096】
ステップS21におけるファイル認証処理では、ステップS4で取得した受信情報の中の識別情報RID47と、ファイル作成時等にすでに記憶されていたそのファイルのファイル情報31の中の認証情報FID35との比較を行う。この両情報(RIDとFID)が一致した場合は、ファイル認証が成功し、そのファイルを開く処理をしてもよいと判断し、ステップS7へ進み、そのファイルを表示画面に表示させる処理をする。
一方、両情報(RIDとFID)が一致しなかった場合はファイル認証に失敗したので、ステップS9へ進み、ファイルを開くことができない旨などのエラー表示を行う。
【0097】
このようなファイル認証を行うことにより、ファイルごとに秘密情報の漏洩を防止して、よりセキュリティを高めることができる。
また、ファイル認証は、利用者による特別な手入力操作で行うのではなく、利用者がレーザポインタの操作を行った結果行われるので、利用者の操作負担を軽減でき、操作性を向上できる。また、会議等で表示画面に表示された資料を説明しているときに、レーザポインタの操作という一般的に行われる操作とともにファイル認証処理が行われるので、会議の進行を止めることなく、スムーズに行うことができる。
【0098】
<実施例3>
上記実施例では、表示画面にファイルのアイコンを表示して、利用者がファイル操作をする場合について説明した。しかし、表示画面に表示するアイコンは、ファイルに対応するものに限るものではなく、この表示制御装置2に接続されたデバイスに対応するものでもよい。
デバイスとは、たとえば、LAN等のネットワークを介して接続されたクライアントパソコン(PC)や、NAS(Network Attached Storage),画像形成装置MFP,プリンタなどの周辺機器をいう。
図15に、デバイス情報の一実施例を示す。これは、ファイル情報31に対応するものであり、複数のデバイス情報のうち、表示されたアイコンをレーザポインタで指示することにより選択されたデバイスのデバイス情報が読み出され、そのデバイス情報に対応するデバイスの起動,デバイスを操作するための設定画面や操作画面の表示などが行われる。
【0099】
図16に、表示画面にデバイスのアイコンを表示した実施例の説明図を示す。
図9に示したファイル操作と同様に、利用者がレーザポインタ4で、表示されたアイコンのうちいずれかのアイコンを選択操作することにより、所望のデバイスが選択される。
図16では、パソコンPC1が、レーザポインタ4によって選択された状態を示している。この実施例3のフローは、図12から図14のいずれかに示したものと同様のものを用いることができる。
すなわち、利用者がレーザポインタ4で、いずれかのデバイスのアイコンを指示する操作をすることにより、識別情報RID47がレーザ光に含まれて送信されるので、利用者認証(ステップS5)が行われる。利用者認証に成功した場合にのみ、デバイスに対する以後の処理が実行される。
【0100】
また、レーザ光にアプリ実行を意味する指示情報48が含まれている場合は、選択されたデバイスに対する処理、たとえば、そのデバイスの操作画面を表示する処理を行う。たとえば、デバイスとしてパソコンやNASが指示された場合、パソコン等に記憶されているファイルやフォルダの情報を表示画面に表示し、さらに、レーザポインタを使ってその表示されたファイル等にアクセスできるような状態とする。
また、選択されたデバイスがMFPの場合は、印刷指示などの設定画面を表示させ、さらにレーザポインタを使って印刷項目の詳細な設定が可能な状態とする。
以上のように、利用者は、表示画面を見たままの状態で、レーザポインタによる指示入力をするだけで、利用者認証と複数のデバイスに対する指示入力とを容易にすることができ、利用者の操作負担を軽減することができる。
【0101】
また、その他、表示されるアイコンに対応づけられる対象として、アプリケーションプログラムを用いることもできる。すなわち、利用者が利用する複数のアプリケーションプログラムが存在する場合、それらのアプリケーションプログラムに対応するアイコンを図9に示したように表示画面に表示し、利用者がレーザポインタ4で、いずれかの表示アイコンを指示入力操作することにより、起動すべきアプリケーションを選択してもよい。
また、アプリケーションプログラムごとに予め認証情報35を設定しておくことにより、この認証情報35に一致する識別情報RID47を有する利用者のみが、アプリケーションプログラムを利用することができるようにすることができる。
この場合も、利用者は、レーザポインタ4による指示操作をするだけで、利用者認証処理と、アプリケーションプログラムの選択および起動処理とを、容易にすることができる。
【0102】
<実施例4>
ここでは、表示画面に表示されたファイル等の表示内容の中に重ねて、利用者がレーザポインタを用いて、文字や図形等の追加書込みをする実施例について説明する。
文字等の書込み指示のために、レーザポインタ4に備えられたキーK5,K6,K7を利用する。書込まれる文字等は、レーザポインタの照射位置に表示される複数の点画像の集まりとして表される。
たとえば、キーK5を押下げた場合、レーザ光7に、黒色ペンで文字等の書き込むことを意味する「黒色ペンモード切替指示」の指示情報48(RQK05)を含めて、レーザ光を出力する。また、キーK6を押下げた場合、「赤色ペンモード切替指示」の指示情報48(RQK06)を含めて、レーザ光を出力する。この黒色又は赤色のモード切替指示入力があったことを認識した場合、その後、レーザポインタ4で指示された表示画面の位置に黒色または赤色の点画像を表示する。表示画面にファイルなどがすでに表示されている場合は、点画像をそのファイルに合成して表示する。すなわち点画像を表示画面に追加表示する。
【0103】
さらにレーザポインタ4のスポットが移動されれば、その移動に伴って、すでに表示した点画像はそのままでさらに点画像を表示させる。すなわち、レーザポインタ4を移動した位置まで、複数の点画像からなる描画像(直線など)を表示させる。これにより、所望の文字や図形を、すでに表示されている映像に追加して表示させることができる。
また、キーK7を押下げた場合、それまでに描かれた点画像をすべて消去する。あるいは、現在レーザポインタ4で指示されている位置の点画像のみを消去するようにしてもよい。キーK7を押下げた場合は、レーザ光に、「ペンモード解除指示」の指示情報48(RQK07)を含めて出力する。
【0104】
図17に、実施例4のモード切替処理の一実施例のフローチャートを示す。
ここで、図12に示したフローと同じ処理には同じステップ番号を付与している。ステップS30からS35の処理が、図12と異なる処理である。
まず、ステップS30において、表示画面に、ファイル等の画像を表示する。
ステップS30は必須ではないが、すでに表示されている画像に対して文字等を書込む処理について説明するので、何らかの画像が表示されていることを示すために、ステップS30を行う。たとえば、図9のファイルアイコンの表示画面において、レーザポインタを用いてアイコンが選択されたとすると、図11に示すような画像が、表示画面に表示される。
【0105】
その後、利用者は、レーザポインタ4から出力されているレーザ光を、表示画面の所定の位置(PTa)へ移動させ、その所定の位置PTaにレーザ光が照射されたとき、レーザポインタのモード切替キー(K5またはK6)を押下げたとする。すなわち、利用者は、所定の位置PTaに点画像を表示するために、意図的に、書込み入力の指示入力(キーの押下)をしたとする。
【0106】
たとえば、指示入力部43が、キーK5が押下げられたことを認識したとすると、キーK5に対応する指示情報48がメモリ部46から読み出される。ここでは、「黒色ペンモード切替指示(RQK05)」の指示情報48が読み出される。
そして、情報合成部42が、レーザ光7にこの指示情報48(RQK05)を含めることを示す出力信号をレーザ出力部41へ送る。レーザ出力部41は、レーザ光に指示情報(RQK05)48を重畳したようなレーザ光7を出力する。ただし、セキュリティ向上のために、指示情報48だけでなく、図5(c)に示すような電気信号が出力されるように、利用者の識別情報RID47をレーザ光に含めることが好ましい。
【0107】
出力されたレーザ光7は、レーザ検出部12によって検出される。この場合上記所定の位置PTaに対応する位置にある光センサによって、識別情報47と指示情報(RQK05)を含むレーザ光が検出され、対応する電気信号が、位置算出部23と受信情報取得部24へ送られる。
【0108】
このように、ステップS2において、レーザ光が検出されると、図12などの処理と同様に、検出位置算出処理(ステップS3),受信情報取得処理(ステップS4),認証処理(ステップS5)を行う。
認証処理では、受信した識別情報RID47と利用者情報MID34とが一致するか否かチェックされ、ステップS6において、一致した場合に、利用者認証が成功したとみなし、ステップS31へ進む。
利用者認証が失敗した場合は、ステップS9へ進み、利用者認証に失敗した旨を表示して、利用者に知らせる。
【0109】
ステップS31において、受信情報取得部24によって取得された指示情報48が、黒色モード切替指示入力(RQK05)か否か、チェックする。
黒色モード切替指示(RQK05)が受信された場合、ステップS32へ進み、黒色の点画像の表示を行う。
ここでは、検出位置算出処理で求められた上記所定の位置PTaに、黒色の点画像を、すでに表示されている画像に合成させて、表示する。その後、ステップS2へ戻り、次の指示入力を待つ。
また、ステップS33において、取得された指示情報48が、赤色モード切替指示(RQK06)であると判断した場合は、ステップS34へ進み、赤色の点画像の表示を行う。その後、ステップS2へ戻る。
【0110】
また、ステップS33において、取得された指示情報48が、ペンモード解除指示(RQK07)である場合は、ステップS35へ進み、ペンモード解除処理を行う。
ペンモード解除処理では、たとえばすでに表示された点画像のうち、ステップS3で算出された所定の位置PTaに表示された点画像のみを消去する。あるいは、すでに表示されていた点画像をすべて消去するようにしてもよい。また、キーK7がダブルクリックされ、ペンモード解除指示(RQK07)を所定時間内に連続して2回以上受信したとき、すべての点画像を消去するようにしてもよい。
【0111】
図17のフローでは、説明のために、ステップS31,S33において、書込みに関する3つの指示情報48のみの判定を行う場合を示したが、これに限るものではなく、ステップS31において、すべての指示情報48(RQK01〜07)のいずれが受信されたかを判断し、以後受信したそれぞれの指示情報48に対応した処理を行うようにしてもよい。
【0112】
また、レーザポインタ4のキーK05を押したまま、レーザ光の照射位置を移動させた場合、レーザ光の軌跡に対応した位置に黒色点画像を表示させる。その後、キーK05を押すのをやめた場合に、点画像の表示を中止させる。これにより、利用者は表示画面上にすでに表示されている画像に重ねて、文字,記号あるいは図形を表示させることができる。
あるいは、キーK05を押したままにするのではなく、一度キーK05を押した後は、レーザ光の移動軌跡どおりに黒色点画像を表示し、キーK07が押された時に点画像の書込みを中止したと判断し、それ以後レーザ光が照射されていたとしても黒色点画像の表示をしないようにしてもよい。
【0113】
この実施例4において、レーザ光にキー入力操作に対応した指示情報と識別情報とを含めて出力しているので、レーザポインタ4に付属している特定のキー入力操作をするだけで、利用者認証に加えて、表示画面上への文字等の書込み処理を容易にすることができる。
なお、書込み処理をする場合は、最初に一度利用者認証処理(ステップS5,S6)をして認証に成功した場合は、その後の書込み処理では、点画像の表示ごとに毎回認証処理をするのではなく、ステップS5とS6の認証処理を省略してもよい。
【0114】
<実施例5>
ここでは、利用者がレーザポインタ4を保持したことを検出し、保持されていない状態から保持された状態に変化した場合に、ICカードとレーザポインタとの間の通信を実行し、レーザポインタ4が、ICカード5に記憶されている識別情報RIDを取得する実施例について説明する。
図2などに示した実施例では、ICカード5をレーザポインタ4に近づけたときに、識別情報RID47が、レーザポインタ4へ送信され、レーザポインタのメモリ部46へ記憶される。その後、この記憶された識別情報RID47がレーザ光7に含められて、認証処理が行われる。
しかし、ICカードから識別情報RID47を取得する機会を、ICカードを近づけたときのみとすると、取得できない場合や誤った識別情報が取得される場合もあり得る。もし、誤った識別情報RID47が取得されてしまった場合、その誤った識別情報RIDを用いて、意図しない認証処理が行われることになる。
【0115】
したがって、意図しない認証処理が成功した場合、本来レーザポインタの利用者が参照できないようなファイルが表示画面に表示されてしまうこともあり、十分な安全性が確保されない場合もある。そこで、できるだけICカードから誤った識別情報RID47が取得されないようにするために、識別情報RID47を取得する機会を増やすことが好ましい。
識別情報RID47を取得する機会として、ここでは、利用者がレーザポインタを保持したとき、すなわち利用者の手がレーザポインタに接触したときを利用する。すなわち、レーザポインタ4に、利用者がレーザポインタを保持したことの有無を検出する保持検出部を備える。そして、保持検出部が、利用者の手がレーザポインタに接触していないことを示す状態Aから、レーザポインタに接触したことを示す状態Bに変化したことを検出した場合、通信部45が、ICカード5に対して、識別情報RID47の送信要求を送信する。
【0116】
この送信要求を受信したICカード5は、その記憶部52に記憶されていた識別情報RIDを、レーザポインタ4に対して送信する。
保持検出部は、レーザポインタ4の筐体を形成する導電性の金属などの導電性材料と、導電性材料に接続された検出回路であって、導電性材料に人体の一部(たとえば手)が接触したときに、人体の周囲に存在する微弱電波を検出する検出回路とから構成される。
利用者がレーザポインタ4を手で持ち、外周表面の導電性材料に接触したとすると、人体周囲に存在する微弱電波が、人体の手を介して導電性材料に伝達される。その微弱電波は、導電性材料から検出回路に送られる。
検出回路では、微弱電波を増幅した後、増幅信号の大きさが一定時間以上予め定められたしきい値以上になっている場合は、利用者がレーザポインタ4を保持している状態Bであると判断する。
【0117】
逆に、上記一定の大きさの増幅信号が一定時間以上検出されなかったときは、レーザポインタ4は保持されていない状態Aと判断できる。
このように、保持検出部によって、利用者によるレーザポインタの保持していない状態Aから、保持状態Bに変化したことが検出されたときにも、ICカードから識別情報RID47を取得するようにすれば、この識別情報RIDを取得する機会が増加するので、誤った識別情報RIDが取得されることを減らすことができる。
したがって、誤った識別情報RIDが取得されるのを防止することにより、レーザポインタの利用者が本来参照することのできないファイルが表示されてしまうことを防止し、よりセキュリティを向上できる。
【0118】
<実施例6>
ここでは、ICカードの識別情報RIDが取得できなかったことを、レーザポインタの利用者のみに知らせるために、レーザポインタに振動素子を設けた実施例について説明する。
ICカードの識別情報RIDは、認証処理で利用される重要な情報であるので、確実にレーザポインタに送信される必要がある。
実施例5において、利用者がレーザポインタを手に持ったとき、識別情報RID47がICカードから取得されるが、もしICカードとの通信が失敗し、レーザポインタが識別情報RIDを取得できなかった場合、利用者に、識別情報RIDが取得できなかったことを報知する必要がある。たとえば、ブザーを鳴らしたり、認識情報が取得できなかったので再入力してほしい旨を音声で利用者に報知することが考えられる。
【0119】
しかし、このような音による報知では、利用者以外の者、たとえば、会議への参加者にも報知してしまうことになり、会議の円滑な進行をさまたげることになる。したがって、会議の円滑な進行をさまたげないように、レーザポインタの利用者以外の者にはわからないような報知をすることが好ましい。
そこで、レーザポインタに振動素子を設ける。そして、通信部45が、ICカードとの通信により識別情報RIDが取得できなかった場合、振動素子を振動させて、レーザポインタの利用者のみに、識別情報47の取得エラーを知らせる。
【0120】
振動素子の振動により、識別情報47の取得エラーを知った利用者は、プレゼンテーションの説明を完全に中断してしまうことはなく、レーザポインタを手から離して一度机上等に置き、再度レーザポインタを握り直す。この操作により、実施例5で示したようなレーザポインタとICカードとの通信が行われ、再度、識別情報RID47の取得が行われる。
このような識別情報RID47の再送により正常に識別情報RID47が取得されれば、利用者は、大きな中断をすることなく以後のプレゼンテーションを円滑に進行することができる。
なお、振動素子としては、携帯電話等の情報機器で従来から用いられているものを利用すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】この発明の表示システムの一実施例の構成ブロック図である。
【図2】この発明の表示システムの一実施例の利用形態の説明図である。
【図3】この発明の表示装置のセンサモジュールの説明図である。
【図4】この発明の表示装置の構造の一実施例の説明図である。
【図5】この発明の光センサから出力される電気信号の一実施例の説明図である。
【図6】この発明のレーザポインタの一実施例の説明図である。
【図7】この発明のファイル情報等の一実施例の説明図である。
【図8】この発明で利用される指示情報の一実施例の説明図である。
【図9】この発明の表示画面に表示されるアイコンの一実施例の説明図である。
【図10】この発明の表示画面に表示されるアイコンの一実施例の説明図である。
【図11】この発明の表示画面に表示されるファイル内容の一実施例の説明図である。
【図12】この発明の実施例1の表示制御処理の第1のフローチャートである。
【図13】この発明の実施例1の表示制御処理の第2のフローチャートである。
【図14】この発明の実施例2の表示制御処理のフローチャートである。
【図15】この発明のデバイス情報の一実施例の説明図である。
【図16】この発明の表示画面に表示されるアイコンの一実施例の説明図である。
【図17】この発明の実施例4のモード切替処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0122】
1 表示装置
2 表示制御装置
4 レーザポインタ(光出射装置)
5 ICカード
6 無線通信
7 レーザ光
11 表示部
12 レーザ検出部(センサモジュール)
21 表示制御部
22 出力情報生成部
23 位置算出部
24 受信情報取得部
25 認証部
26 ファイル検索部
27 アプリ実行部
30 記憶部
31 ファイル情報
32 表示データ
33 アプリケーションプログラム
34 利用者情報MID
35 認証情報FID
36 受信情報
41 レーザ出力部
42 情報合成部
43 指示入力部
44 情報抽出部
45 通信部
46 メモリ部
47 識別情報RID
48 指示情報
51 カード通信部
52 識別情報RID記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置と表示制御装置と光出射装置とからなる表示システムにおいて、
表示装置が、表示画面に情報を表示する表示部と、前記表示部の表示画面の近傍に、表示画面に照射されたレーザ光を検出するための複数の光センサを配置したレーザ検出部とを備え、
レーザ出射装置が、表示された情報に対する指示を入力する指示入力部と、入力された指示に対応する出力情報を含むレーザ光を出力するレーザ出力部とを備え、
表示制御装置が、レーザ光を検出した光センサの位置からレーザ光が照射された表示画面の位置を算出する位置算出部と、前記光センサが検出したレーザ光に含まれる出力情報を取得する受信情報取得部と、前記位置算出部によって算出された位置と、前記取得された出力情報とに基づいて、前記表示部に表示される情報の表示を制御する表示制御部とを備えたことを特徴とする表示システム。
【請求項2】
前記レーザ光に含まれる出力情報が、利用者を特定する識別情報であり、
前記表示制御装置が、利用可能な者を特定する利用者情報を予め記憶した記憶部と、前記受信情報取得部によって取得された出力情報と、前記予め記憶された利用者情報とを比較することにより、利用者の認証を行う認証部とを、さらに備えたことを特徴とする請求項1の表示システム。
【請求項3】
前記指示入力部が複数の押下キーからなり、前記レーザ光に含まれる出力情報が、各押下キーに対応づけられた機能に相当する指示情報であり、前記いずれかの押下キーが押下げられたとき、前記レーザ出力部は、その押下キーに対応づけられた指示情報を含むレーザ光を出力することを特徴とする請求項1の表示システム。
【請求項4】
利用者を特定する識別情報RIDを予め記憶したICカードをさらに備え、
前記レーザ出射装置が、前記ICカードと通信を行うことにより、ICカードに記憶された前記識別情報RIDを読み出す通信部を備え、
前記レーザ光に含まれる出力情報に、ICカードから読み出された識別情報RIDが用いられることを特徴とする請求項2の表示システム。
【請求項5】
前記ICカードが、前記通信部と無線通信を行う非接触タイプのカードであることを特徴とする請求項4の表示システム。
【請求項6】
前記出力情報が、利用者を特定する識別情報と、前記指示入力部によって入力された指示内容に相当する指示情報とを含み、
前記表示制御装置が、利用可能な者を特定する利用者情報を予め記憶した記憶部と、
前記受信情報取得部によって取得された出力情報のうち、利用者を特定する識別情報と、前記予め記憶された利用者情報とを比較することにより、利用者の認証を行う認証部とをさらに備え、
前記表示制御部が、前記位置算出部によって算出された位置と、前記取得された出力情報のうち指示情報とに基づいて表示部に表示される情報の表示を制御することを特徴とする請求項1の表示システム。
【請求項7】
前記表示部に、1または複数の操作対象物に対応づけられたアイコンを表示している状態で、前記レーザ出力部からレーザ光が特定のアイコンに向けて照射された場合、
前記特定のアイコンの表示領域と対応する位置に配置された光センサによってレーザ光が検出された後、前記位置算出部によって算出された光センサの位置からレーザ光が照射されたアイコンに対応する操作対象物を認識し、
前記受信情報取得部によって取得された出力情報からその操作対象物に対する指示内容を認識し、前記表示制御部が、前記認識された操作対象物に対して、前記認識された指示内容に基づく表示制御を行うことを特徴とする請求項1の表示システム。
【請求項8】
前記操作対象物が、情報が記憶されたファイル,デバイス,あるいはアプリケーションプログラムのいずれかであることを特徴とする請求項7の表示システム。
【請求項9】
前記レーザ光に含まれる指示情報が、所望の点画像を表示画面に追加するためのペンモード切替指示情報であり、
前記受信情報取得部が、前記指示情報を含むレーザ光からペンモード切替指示情報を取得した場合に、前記表示制御部は、前記表示部の表示画面に照射されたレーザ光の照射位置に点画像を表示させることを特徴とする請求項3の表示システム。
【請求項10】
前記レーザ光に含まれる指示情報が、追加された点画像を消去するためのペンモード解除指示情報である場合、前記表示制御部は、表示画面に追加された点画像を消去することを特徴とする請求項9の表示システム。
【請求項11】
前記レーザ出射装置が、そのレーザ出射装置が利用者に保持されたか否かを検出する保持検出部をさらに備え、保持検出部が保持されていない状態から保持された状態に変化したことを検出した場合、前記通信部が、前記ICカードに記憶された利用者を特定する識別情報RIDの送信要求をICカードへ送信することを特徴とする請求項4の表示システム。
【請求項12】
前記レーザ出射装置が、振動素子をさらに備え、前記ICカードとの通信により、ICカードに記憶された識別情報RIDが取得できなかった場合、前記振動素子を振動させることを特徴とする請求項4または11の表示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−70155(P2009−70155A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−238138(P2007−238138)
【出願日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】