説明

表示ドライバ及び電気光学装置

【課題】 ノイズの影響を受け難い表示ドライバ等を提供する。
【解決手段】 電気光学パネル512を駆動するための表示ドライバ10は、表示タイミングパラメータデータを保持するパラメータ保持回路30と、正常な値を有する表示タイミングパラメータデータを出力する固定値出力回路31と、前記パラメータ保持回路30に保持される前記表示タイミングパラメータデータが異常な値を有するか否かを検出する異常検出回路32と、前記異常検出回路32の検出結果に基づいて、前記パラメータ保持回路30内の前記表示タイミングパラメータデータ又は前記固定値出力回路31からの前記表示タイミングパラメータデータを選択するセレクタ回路33と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本発明は、表示ドライバ及び電気光学装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
電気光学装置は、表示ドライバを含むことができる(例えば、特許文献1、特許文献2)。例えば、表示ドライバに保持される表示タイミングパラメータデータがノイズの影響を受ける場合、表示ドライバは、誤動作することもある。
【0003】
【特許文献1】特開2005−182080号公報
【特許文献2】特開2005−195746号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の幾つかの態様によれば、ノイズの影響を受け難い表示ドライバ及び電気光学装置を提供できる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下に、本発明に従う複数の態様を例示する。以下に例示される複数の態様は、本発明を容易に理解するために用いられている。したがって、当業者は、本発明が、以下に例示される複数の態様によって不当に限定されないことを留意すべきである。
【0006】
本発明の一態様は、電気光学パネルを駆動するための表示ドライバであって、
表示タイミングパラメータデータを保持するパラメータ保持回路と、
正常な値を有する表示タイミングパラメータデータを出力する固定値出力回路と、
前記パラメータ保持回路に保持される前記表示タイミングパラメータデータが異常な値を有するか否かを検出する異常検出回路と、
前記異常検出回路の検出結果に基づいて、前記パラメータ保持回路内の前記表示タイミングパラメータデータ又は前記固定値出力回路からの前記表示タイミングパラメータデータを選択するセレクタ回路と、
を含む表示ドライバに関係する。
【0007】
パラメータ保持回路内の表示タイミングパラメータデータが異常な値を有する場合であっても、表示ドライバは、固定値出力回路からの表示タイミングパラメータデータを使用することができる。言い換えれば、パラメータ保持回路内の異常な値を有する表示タイミングパラメータデータがリフレッシュされない場合であっても、表示ドライバに駆動される電気光学パネルは、表示動作を保つことができる。このように、表示ドライバは、ノイズの影響を受け難い。
【0008】
また本発明の一態様では、前記パラメータ保持回路は、前記表示タイミングパラメータデータとして、基準開始タイミングから基準終了タイミングまでの第1の期間を表す1水平走査期間の長さを保持してもよく、
前記固定値出力回路は、前記表示タイミングパラメータデータとして、正常な値を有する1水平走査期間の長さの最小を出力してもよく、
前記パラメータ保持回路内の前記1水平走査期間の長さが前記固定値出力回路からの前記1水平走査期間の長さの前記最小よりも小さい場合、前記セレクタ回路は、前記固定値出力回路からの前記1水平走査期間の長さの前記最小を選択してもよい。
【0009】
また本発明の一態様では、前記パラメータ保持回路は、前記表示タイミングパラメータデータとして、基準開始タイミングから基準終了タイミングまでの第1の期間を表す1水平走査期間の長さを保持してもよく、
前記固定値出力回路は、前記表示タイミングパラメータデータとして、正常な値を有する1水平走査期間の長さの最大を出力してもよく、
前記パラメータ保持回路内の前記1水平走査期間の長さが前記固定値出力回路からの前記1水平走査期間の長さの前記最大よりも大きい場合、前記セレクタ回路は、前記固定値出力回路からの前記1水平走査期間の長さの前記最大を選択してもよい。
【0010】
また本発明の一態様では、前記パラメータ保持回路は、前記表示タイミングパラメータデータとして、データ線駆動期間の開始タイミング及び終了タイミングを保持してもよく、
前記固定値出力回路は、前記表示タイミングパラメータデータとして、正常な値を有するデータ線駆動期間の開始タイミング及び終了タイミングを出力してもよく、
基準開始タイミングから前記パラメータ保持回路内の前記データ線駆動期間の前記開始タイミングまでの第2の期間の長さが、前記基準開始タイミングから前記パラメータ保持回路内の前記データ線駆動期間の前記終了タイミングまでの第3の期間の長さと等しい又は該第3の期間の長さよりも大きい場合、前記セレクタ回路は、前記固定値出力回路からの前記データ線駆動期間の前記開始タイミング及び前記終了タイミングを選択してもよい。
【0011】
また本発明の一態様では、前記パラメータ保持回路は、前記表示タイミングパラメータデータとして、前記基準開始タイミングから基準終了タイミングまでの第1の期間を表す1水平走査期間の長さを保持してもよく、
前記基準開始タイミングから前記パラメータ保持回路内の前記データ線駆動期間の前記開始タイミングまでの前記第2の期間の長さが、前記パラメータ保持回路内の前記1水平走査期間の長さと等しい又は該1水平走査期間の長さよりも大きい場合、前記セレクタ回路は、前記固定値出力回路からの前記データ線駆動期間の前記開始タイミング及び前記終了タイミングを選択してもよい。
【0012】
また本発明の一態様では、前記パラメータ保持回路は、前記表示タイミングパラメータデータとして、前記基準開始タイミングから基準終了タイミングまでの第1の期間を表す1水平走査期間の長さを保持してもよく、
前記基準開始タイミングから前記パラメータ保持回路内の前記データ線駆動期間の前記終了タイミングまでの前記第3の期間の長さが、前記パラメータ保持回路内の前記1水平走査期間の長さと等しい又は該1水平走査期間の長さよりも大きい場合、前記セレクタ回路は、前記固定値出力回路からの前記データ線駆動期間の前記開始タイミング及び前記終了タイミングを選択してもよい。
【0013】
また本発明の一態様では、前記固定値出力回路は、前記表示タイミングパラメータデータとして、正常な値を有する1水平走査期間の長さの最大及び最小を出力してもよく、
前記固定値出力回路は、前記表示タイミングパラメータデータとして、正常な値を有し、且つ1水平走査期間の範囲に関連付けされる複数の組のデータ線駆動期間の開始タイミング及び終了タイミングを出力してよく、
前記パラメータ保持回路内の前記1水平走査期間の長さが、前記固定値出力回路からの前記1水平走査期間の長さの前記最大と等しい又は該最大よりも小さく、且つ、前記パラメータ保持回路内の前記1水平走査期間の長さが、前記固定値出力回路からの前記1水平走査期間の長さの前記最小と等しい又は該最小よりも大きい場合、前記セレクタ回路は、前記パラメータ保持回路内の前記1水平走査期間の長さに基づき、前記固定値出力回路からの前記複数の組のうちの対応する1組のデータ線駆動期間の開始タイミング及び終了タイミングを選択してもよい。
【0014】
また本発明の一態様では、前記パラメータ保持回路は、前記表示タイミングパラメータデータとして、走査線駆動期間の開始タイミング及び終了タイミングを保持してもよく、
前記固定値出力回路は、前記表示タイミングパラメータデータとして、正常な値を有する走査線駆動期間の開始タイミング及び終了タイミングを出力してもよく、
基準開始タイミングから前記パラメータ保持回路内の前記走査線駆動期間の前記開始タイミングまでの第4の期間の長さが、前記基準開始タイミングから前記パラメータ保持回路内の前記走査線駆動期間の前記終了タイミングまでの第5の期間の長さと等しい又は該第5の期間の長さよりも大きい場合、前記セレクタ回路は、前記固定値出力回路からの前記走査線駆動期間の前記開始タイミング及び前記終了タイミングを選択してもよい。
【0015】
また本発明の一態様では、前記パラメータ保持回路は、前記表示タイミングパラメータデータとして、データ線駆動期間の開始タイミング及び終了タイミングを出力してもよく、
前記基準開始タイミングから前記パラメータ保持回路内の前記データ線駆動期間の前記開始タイミングまでの第2の期間の長さが、前記基準開始タイミングから前記パラメータ保持回路内の前記走査線駆動期間の前記開始タイミングまでの前記第4の期間の長さと等しい又は該第4の期間の長さよりも大きい場合、前記セレクタ回路は、前記固定値出力回路からの前記走査線駆動期間の前記開始タイミング及び前記終了タイミングを選択してもよい。
【0016】
また本発明の一態様では、前記パラメータ保持回路は、前記表示タイミングパラメータデータとして、データ線駆動期間の開始タイミング及び終了タイミングを保持してもよく、
前記基準開始タイミングから前記パラメータ保持回路内の前記走査線駆動期間の前記終了タイミングまでの前記第5の期間の長さが、前記基準開始タイミングから前記パラメータ保持回路内の前記データ線駆動期間の前記終了タイミングまでの第3の期間の長さと等しい又は該第3の期間の長さよりも大きい場合、前記セレクタ回路は、前記固定値出力回路からの前記走査線駆動期間の前記開始タイミング及び前記終了タイミングを選択してもよい。
【0017】
また本発明の一態様では、前記固定値出力回路は、前記表示タイミングパラメータデータとして、正常な値を有する1水平走査期間の長さの最大及び最小を出力してもよく、
前記固定値出力回路は、前記表示タイミングパラメータデータとして、正常な値を有し、且つ1水平走査期間の範囲に関連付けされる複数の組の走査線駆動期間の開始タイミング及び終了タイミングを出力してもよく、
前記パラメータ保持回路内の前記1水平走査期間の長さが、前記固定値出力回路からの前記1水平走査期間の長さの前記最大と等しい又は該最大よりも小さく、且つ、前記パラメータ保持回路内の前記1水平走査期間の長さが、前記固定値出力回路からの前記1水平走査期間の長さの前記最小と等しい又は該最小よりも大きい場合、前記セレクタ回路は、前記パラメータ保持回路内の前記1水平走査期間の長さに基づき、前記複数の組のうちの対応する1組の走査線駆動期間の開始タイミング及び終了タイミングを選択してもよい。
【0018】
また本発明の一態様では、前記検出回路は、検出結果を表す異常信号を処理装置及び前記セレクタ回路に出力してもよい。
【0019】
処理装置は、異常信号に基づき、パラメータ保持回路内の異常な値を有する表示タイミングパラメータデータをリフレッシュすることができる。表示ドライバは、早期に正常動作を実施することができる。
【0020】
また本発明の一態様では、テストモードにおいて、前記セレクタ回路は、前記パラメータ保持回路内の前記表示タイミングパラメータデータを常に選択してもよい。
【0021】
表示ドライバは、テストモードを忠実に実行することができる。言い換えれば、表示ドライバを適切に評価することができる。
【0022】
また本発明の他の態様は、上記の何れかに記載の前記表示ドライバを含む電気光学装置に関係する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の好適な実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0024】
1.電気光学装置
図1に、本実施形態の電気光学装置の構成例を示す。電気光学装置は、例えば、図1に示される表示ドライバ10と電気光学パネル512と処置装置130とを含む。電気光学装置は、表示ドライバ10の外部に位置する外部不揮発性メモリ134を含んでもよい。外部不揮発性メモリ134は、表示ドライバ10の内部に含まれる内部不揮発性メモリであってもよい。電気光学パネル512は、表示ドライバ10により駆動される。電気光学装置の範囲は、例えば、車載用表示ユニットを含む。なお、表示ドライバ10は、図1に示される複数の回路の一部を省略してもよい。また、表示ドライバ10は、図1に示されない回路を含んでもよい。さらに、表示ドライバ10内の各回路は、複数の機能の一部を省略してもよく、他の機能を含んでもよい。表示ドライバ10、処置装置130、及び外部不揮発性メモリ134の一部又は全部を、電気光学パネル512の上に形成してもよい。
【0025】
図1において、電気光学パネル512は、複数のデータ線(ソース線)と、複数の走査線(ゲート線)と、各画素が複数のデータ線の何れかのデータ線及び複数の走査線の何れかの走査線により特定される複数の画素とを有する。そして各画素領域における電気光学素子(例えば、液晶素子)の光学特性を変化させることで、表示動作を実現する。図1において、1×2画素が示されているが、複数の画素の数は、2に限定されるものではない。電気光学パネル512は、例えば320×320画素を有する。また、電気光学パネル512は、TFT(Thin Film Transistor)、TFD(Thin Film Diode)などのスイッチング素子を用いたアクティブマトリクス方式のパネルにより構成できる。なお、電気光学パネル512は、アクティブマトリクス方式以外のパネル(例えば、単純マトリックス方式のパネル)であってもよいし、液晶パネル以外のパネル(例えば、有機EL(Electro Luminescence)パネル)であってもよい。
【0026】
より具体的には、液晶パネルは、例えばガラス基板からなるパネル基板上に形成される。パネル基板には、複数の走査線と、複数のデータ線とが配置されている。複数の走査線の何れかの走査線と複数のデータ線の何れかのデータ線との交差点に対応する位置に画素が設けられている。各画素は、例えばアモルファスSi−TFTからなるスイッチング素子と、画素電極とを有する。
【0027】
TFTのゲート電極は、複数の走査線の何れかの走査線に接続される。TFTのソース電極は、複数のデータ線の何れかのデータ線に接続される。TFTのドレイン電極は、複数の画素電極の何れかの画素電極に接続される。画素電極と、該画素電極と液晶素子(広義には電気光学物質)を介して対向する対向電極(コモン電極)との間には、液晶容量(広義には素子容量)が形成されている。なお、液晶容量と並列に、保持容量を形成するようにしても良い。液晶パネルでは、画素電極と対向電極との間の電圧に応じて、画素の透過率が変化するようになっている。対向電極に供給される対向電極電圧VCOMは、電源回路590により生成される。このような液晶パネルは、例えば画素電極及びTFTが形成された第1の基板と、対向電極が形成された第2の基板とを貼り合わせ、両基板の間に電気光学材料としての液晶を封入させることで形成される。素子容量の範囲は、液晶素子に形成される液晶容量や、無機EL素子等のEL素子に形成される容量を含む。
【0028】
記憶回路522(例えば、RAM(Random Access Memory))は、画像データを記憶する。記憶回路522は、複数のメモリセルを含み、少なくとも1フレーム(1画面)分の画像データ(表示データ)を記憶する。電気光学パネル512が320×320画素を有する場合、記憶回路522の記憶容量は、例えば、320×320×4ビットである。この場合、記憶回路522は、1フレーム分の4ビット(16階調)の画像データを記憶したり、2フレーム分の2ビット(4階調)の画像データを記憶したり、4フレーム分の1ビット(2階調)の画像データを記憶することができる。記憶回路522の記憶容量は、320×320×4ビットよりも大きくてもよく、記憶回路522は、複数フレーム分の4ビット(16階調)の画像データを記憶してもよい。記憶回路522に記憶される画像データは、例えば、書き込み回路526及び読み出し回路524によって、書き込まれたり、読み出されたりする。
【0029】
書き込み回路526は、処理装置130からの画像データを記憶回路522に書き込むが、書き込み回路526は、記憶回路522からの画像データを処理装置130に読み出す機能も有する書き込み/読み出し回路526であってもよい。読み出し回路524は、記憶回路522からの画像データをデータドライバ回路550に読み出す。書き込み回路526(書き込み/読み出し回路526)は、例えば、ページアドレスを制御するページアドレス制御回路とカラムアドレスを制御するカラムアドレス制御回路を有する。書き込み回路526(書き込み/読み出し回路526)は、画像データを一時的に記憶するバッファ回路を有してもよい。読み出し回路524は、例えば、ラインアドレスを制御するラインアドレス制御回路(及び必要に応じてカラムアドレスを制御するカラムアドレス制御回路)を有する。読み出し回路524は、画像データを一時的に保持するラッチ回路を有してもよい。
【0030】
制御ロジック回路542は、各種制御信号や各種制御データを生成したり、表示ドライバ10全体の制御を行う。制御ロジック回路542は、例えばゲートアレイ(G/A)などの自動配置配線により形成できる。また、制御ロジック回路542は、パラメータデータやコマンドデータを保持する。また、制御ロジック回路542は、階調電圧生成回路610(広義には、階調信号生成回路)に対して、階調特性(γ特性)を調整するための階調調整データ(γ補正データ)を出力したり、電源回路590に対して、各種の電圧を調整するための電圧設定データを出力する。また、制御ロジック回路542は、表示ドライバ10に接続される外部の不揮発性メモリ134(例えば、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM))に対してアクセス制御を行う。また、制御ロジック回路542は、処理装置130(例えば、MPU(Micro Processing Unit))との間で、信号やデータを送受信する。なお、制御ロジック回路542は、処理装置130から基準クロックを受け取ってもよく、表示ドライバ10は、基準クロックを生成する発振回路を含んでもよい。制御ロジック回路542は、処理装置130から垂直同期信号や水平同期信号を受け取ってもよく、表示ドライバ10は、垂直同期信号や水平同期信号を生成する回路を含んでもよい。
【0031】
表示タイミング制御回路544は、表示タイミングの制御信号を生成し、処理装置130から記憶回路522への画像データの書き込みタイミングを制御したり、記憶回路522からデータドライバ回路550への画像データの読み出しタイミングを制御する。また、表示タイミング制御回路544は、電気光学物質の印加電圧(広義には印加信号)の極性が反転するタイミングを指定する極性反転信号POLを生成し、データドライバ回路550、電源回路590、及び階調電圧生成回路610に送る。
【0032】
システムインターフェース回路548は、処理装置130から表示ドライバ10への信号やデータを受け取り、表示ドライバ10から処理装置130への信号やデータを送り出すインターフェースを実現する。システムインターフェース回路548は、処理装置130と記憶回路522との間の画像データの通信に、画像データを一時的に保持するバスホルダ回路を使用してもよい。システムインターフェース回路548は、パラレルインターフェース回路でもよく、シリアルインターフェース回路でもよく、パラレル/シリアルインターフェース回路でもよい。パラレルインターフェース回路548は、例えば、反転チップセレクト信号XCS、コマンド/データの識別信号A0、反転リード信号XRD、反転ライト信号XWR、及び8ビットのデータD7〜D0を取り扱う。シリアルインターフェース回路は、例えば、反転チップセレクト信号XCS、コマンド/データの識別信号A0、シリアルクロック信号SCL、及びシリアルデータSDを取り扱う。パラレル/シリアルインターフェース回路は、例えば、シリアル/パラレル選択信号IF、反転チップセレクト信号XCS、コマンド/データの識別信号A0、反転リード信号XRD、反転ライト信号XWR、8ビットのデータD7〜D0、シリアルクロック信号SCL、及びシリアルデータSDを取り扱う。
【0033】
シリアル/パラレル選択信号IFの「H(Highレベル)」及び「L(Lowレベル)」はそれぞれ、例えば、シリアル通信モード及びパラレル通信モードを示す。反転チップセレクト信号XCSの「L」は、例えば、処理装置130と表示ドライバ10との間の通信の許可を示す。コマンド/データの識別信号A0の「H」及び「L」はそれぞれ、例えば、画像データ又はパラメータデータの通信モード及びコマンドデータの通信モードを示す。パラレル通信モードにおける反転リード信号XRDの「L」は、例えば、表示ドライバ10から処理装置130へのデータの読み出しを示す。パラレル通信モードにおける反転ライト信号XWRの「L」は、例えば、処理装置130から表示ドライバ10へのデータの書き込みを示す。パラレル通信モードにおける8ビットのデータD7〜D0は、例えば、画像データ、パラメータデータ、又はコマンドデータを示す。シリアル通信モードにおけるシリアルクロック信号SCLは、処理装置130と表示ドライバ10との間の通信用のクロックを示す。シリアル通信モードにおけるシリアルデータSDは、例えば、画像データ、パラメータデータ、又はコマンドデータを示す。
【0034】
データドライバ回路550は、電気光学パネル512の複数のデータ線を駆動するためのデータ信号(データ線用の駆動信号)を生成する回路である。具体的にはデータドライバ回路550は、記憶回路522から画像データ(階調データ)を受け、階調電圧生成回路610から複数(例えば16段階、4段階、2段階など)の階調電圧(基準電圧)(広義には、階調信号)を受ける。そして、データドライバ回路550は、複数の階調電圧の中から、画像データに対応する階調電圧を選択する。選択された階調電圧は、データ信号として、電気光学パネル512の複数のデータ線のうちの対応するデータ線に出力される。
【0035】
データドライバ回路550は、電気光学物質の劣化を防止するために、電気光学物質の印加電圧(広義には印加信号)の極性を反転させる極性反転駆動を採用することができる。極性反転駆動は、1垂直走査期間単位で極性反転を行うフレーム反転駆動、1水平走査期間単位で極性反転を行うライン反転駆動、及び、1画素単位で極性反転を行うドット反転駆動をライン反転駆動に組み合わせた極性反転駆動などを有する。データドライバ回路550が極性反転駆動を採用する場合、データドライバ回路550は、極性反転信号POLに同期して、画像データ(階調データ)に対応する階調電圧を選択する。具体的には、データドライバ回路550は、極性反転信号POLに同期して、画像データ(階調データ)の各ビットを反転して、反転画像データ(反転階調データ)を生成する。データドライバ回路550は、極性反転信号POLに基づき、複数の階調電圧の中から、画像データ又は反転画像データに対応する階調電圧を選択する。
【0036】
走査ドライバ回路570は、電気光学パネル512の複数の走査線を駆動するための走査信号(走査線用の駆動信号)を生成する回路である。具体的には、内蔵するシフトレジスタにおいてスタートパルス信号を順次シフトし、このシフトされたスタートパルス信号をレベル変換する。レベル変換された信号は、走査信号(走査電圧)として、電気光学パネル512の複数の走査線うちの対応する走査線に出力される。なお走査ドライバ570に、走査アドレス生成回路やアドレスデコーダを含ませ、走査アドレス生成回路が走査アドレスを生成して出力し、アドレスデコーダが走査アドレスのデコード処理を行うことで、走査信号を生成してもよい。
【0037】
電源回路590は、各種の電圧(広義には電源信号)を生成する回路である。電源回路590は、入力電源電圧や内部電源電圧を、昇圧用キャパシタや昇圧用トランジスタを用いてチャージポンプ方式で昇圧し、昇圧電圧を生成する。昇圧電圧に基づき、走査ドライバ回路570や階調電圧生成回路610が使用する高電圧を生成できる。また電源回路590は、昇圧電圧のレベル調整を行う。また電源回路590は、電気光学パネル512の対向電極に供給する対向電極電圧VCOMも生成する。
【0038】
階調電圧生成回路(γ補正回路)610は、複数の階調電圧を生成する回路である。具体的には、階調電圧生成回路610は、電源回路590で生成された高電圧の電源電圧VDDH、VSSHに基づいて、選択用電圧VS1〜VS64(広義にはR個の選択用電圧)を出力する。階調電圧生成回路610は、直列に接続された複数の抵抗素子を有するラダー抵抗回路を含む。そしてVDDH、VSSHを、このラダー抵抗回路により分割した電圧を、選択用電圧VS1〜VS64として出力する。階調電圧生成回路610は、制御ロジック回路542からの階調特性の調整データに基づいて、選択用電圧VS1〜VS64の中から、例えば16階調の場合には16個(広義にはS個。R>S)の電圧を選択して、階調電圧V1〜V16として出力する。このようにすれば電気光学パネルに応じた最適な階調特性(γ補正特性)の階調電圧を生成できる。なお、極性反転駆動の場合には、階調電圧生成回路610は、正極性用のラダー抵抗回路と負極性用のラダー抵抗回路を含んでもよい。すなわち、階調電圧生成回路610は、極性反転信号POLに同期して、正極性用の複数(例えば16段階)の階調電圧V1〜V16又は負極性用の複数(例えば16段階)の階調電圧V1〜V16を出力してもよい。
【0039】
処理装置130は、制御ロジック回路542との間で、信号やデータを送受信する。処理装置130は、MPUやCPU(Central Prosessing Unit)により実現してもよいし、ASICであるコントローラ回路により実現してもよい。また、MPU130の機能を、電子機器(例えば、電気光学装置、携帯電話、ページャ、時計、液晶テレビ、車載用表示装置、カーナビゲーション装置、電卓、ワードプロセッサ、プロジェクタ又はPOS端末等)が有する処理部(MPU)により実現してもよい。
【0040】
処理装置130の主な動作は、制御ロジック回路542にコマンドデータを送信し、制御ロジック回路542は、そのコマンドデータに基づき表示ドライバ10を制御する。また、処理装置130は、必要に応じてコマンドデータに関連するパラメータデータを送信する。処理装置130の主な他の動作は、記憶回路522に画像データを送信する。具体的には、処理装置130は、記憶回路522の書き込み領域(例えば、1フレーム分の記憶領域)を制御ロジック回路542に指示するために、書き込み領域を設定するコマンドデータと、書き込み領域の内容(例えば、1フレーム分の記憶領域のスタートアドレス及びエンドアドレス)を表すパラメータデータとを制御ロジック回路542に送信する。その後、処理装置130は、記憶回路522への画像データ(例えば、1フレーム分の画像データ)の送信を開始し、これに応じて、制御ロジック回路542は、記憶回路522の設定された書き込み領域に画像データの書き込みを書き込み回路526を介して開始する。画像データ(例えば、1フレーム分の画像データ)の送信を開始する際、処理装置130は、画像データの書き込み開始を指示するコマンドデータを制御ロジック回路542に送信してもよい。
【0041】
外部不揮発性メモリ134は、電気光学装置を動作させるための種々の情報を記憶する。具体的には、外部不揮発性メモリ134は、表示特性制御パラメータデータ(フリッカ調整パラメータデータ、コントラスト調整パラメータデータ、表示制御パラメータデータ、階調制御パラメータデータ、電圧設定パラメータデータ等)を記憶する。外部不揮発性メモリ134は、表示特性制御パラメータデータ以外のパラメータデータ(リフレッシュ期間パラメータデータ、製造情報パラメータデータ等)も記憶する。外部不揮発性メモリ134に記憶された各種のパラメータデータは、例えば、電源投入時、システムリセット時、又はリフレッシュ時に、制御ロジック回路542によって読み出される。
【0042】
2.制御ロジック回路
図2に、図1の制御ロジック回路542の構成例を示す。制御ロジック回路542は、処理装置130からのコマンドデータをデコードするコマンドデコーダ回路514と、処理装置130からのパラメータデータを保持するパラメータレジスタ回路30(広義には、パラメータ保持回路)とを有する。また、制御ロジック回路542は、処理装置130からの画像データを受け、画像データを書き込み回路526に送る。図2において、システムインターフェース回路548は、反転チップセレクト信号XCS、コマンド/データの識別信号A0、反転リード信号XRD、反転ライト信号XWR、及び8ビットのデータD7〜D0を取り扱い、処理装置130に対してパラレルインターフェース回路の機能を表す。好ましくは、システムインターフェース回路548は、異常信号ERR及びテスト信号TCENを取り扱うことができる。
【0043】
制御ロジック回路542の主な動作は、処理装置130からの各種のコマンドデータを受信し、コマンドデータの内容に応じて、表示ドライバ10内の制御回路524、526、544、590、610を制御する。図2に示すように、制御ロジック回路542は、各種のコマンドデータが入力されたことを保持するコマンドレジスタ回路515(広義には、コマンド保持回路)を有してもよい。また、制御ロジック回路542は、処理装置130からの各種のパラメータデータを受信し、パラメータデータをパラメータレジスタ回路30に保持させる。図2に示すように、制御ロジック回路542は、コマンドデコーダ回路514のデコード結果に応じてコマンドデータに関連するパラメータデータをパラメータレジスタ回路30に保持させるレジスタ書き込み回路20を有してもよい。表示ドライバ10内の制御回路524、526、544、590、610は、パラメータレジスタ回路30に保持されるパラメータデータに基づき動作する。コマンドレジスタ回路515やパラメータレジスタ回路30のような制御レジスタ回路(広義には、制御保持回路)は、Dフリップフロップで実現してもよいし、RAMで実現してもよい。コマンドレジスタ回路515及びパラメータレジスタ回路30を制御レジスタ回路として統合し、制御レジスタ回路をコマンドデータ用の領域とパラメータデータ用の領域とに分けてもよい。
【0044】
好ましくは、制御ロジック回路542は、パラメータレジスタ回路30だけでなく、固定値出力回路31(正常値出力回路)を有することができる。固定値出力回路31の構成例は、図9において後述する。固定値出力回路31は、正常な値を有する表示タイミングパラメータデータを固定値として、出力する。固定値出力回路31からの表示タイミングパラメータデータを使用する表示ドライバ10に駆動される電気光学パネル512は、表示動作を保つことができる。制御ロジック回路542は、パラメータレジスタ回路30に保持される表示タイミングパラメータデータが異常な値を有するか否かを検出する異常検出回路32を有する。制御ロジック回路542は更に、異常検出回路32の検出結果に基づいて、パラメータレジスタ回路30内の表示タイミングパラメータデータ又は固定値出力回路31からの表示タイミングパラメータデータを選択するセレクタ回路33を有する。表示ドライバ10内の制御回路は、セレクタ回路33によって選択された表示タイミングパラメータデータに基づき動作する。
【0045】
図2において、システムインターフェース回路548は、電源投入時又はシステムリセット時に例えば「L」を示す反転リセット信号XRESを取り扱うことができ、制御ロジック回路542は、反転リセット信号XRESに基づき外部不揮発性メモリ134に記憶されるパラメータデータのすべての読み出しを制御するメモリ制御回路518を有することができる。メモリ制御回路518は、読み出しの開始を制御する制御データを外部不揮発性メモリ134に送信する。なお、制御ロジック回路542がソフトウェアリセットを示すコマンドデータSWRESETやコマンドリフレッシュを示すコマンドデータCMRFを処理装置130から受信する場合、同様に、メモリ制御回路518は、コマンドデータSWRESETに基づき外部不揮発性メモリ134に記憶されるパラメータデータのすべての読み出しを制御することができる。
【0046】
システムインターフェース回路548は、例えば、外部不揮発性メモリ134用の反転チップセレクト信号XE2CS、シリアルクロック信号E2SCL、及びシリアル出力データE2SOを取り扱うことができる。反転チップセレクト信号XE2CSの「L」は、例えば、外部不揮発性メモリ134と表示ドライバ10との間の通信の許可を示す。シリアル通信モードにおけるシリアルクロック信号E2SCLは、外部不揮発性メモリ134と表示ドライバ10との間の通信用のクロックを示す。シリアル通信モードにおけるシリアル出力データE2SOは、表示ドライバ10から外部不揮発性メモリ134への制御データを示す。また、システムインターフェース回路548は、例えば、シリアル入力データE2SIを取り扱うことができる。シリアル通信モードにおけるシリアル入力データE2SOは、外部不揮発性メモリ134から表示ドライバ10へのパラメータデータ又は制御データを示す。
【0047】
外部不揮発性メモリ134は、読み出しの開始を制御する制御データをメモリ制御回路518から受信すると、外部不揮発性メモリ134に記憶されるパラメータデータのすべての読み出しを開始する。レジスタ書き込み回路20は、外部不揮発性メモリ134からのパラメータデータをパラメータレジスタ回路30に書き込むことができる。パラメータレジスタ回路30は、処理装置130によって設定されるパラメータデータと外部不揮発性メモリ134によって設定されるパラメータデータとを有することができる。
【0048】
このように、レジスタ書き込み回路20は、所与のタイミングで、外部不揮発性メモリ134に記憶されるパラメータデータのすべてを、表示ドライバ10のパラメータレジスタ回路30に書き込むことができる。所与のタイミングは、電源投入時やシステムリセット時やソフトウェアリセット時やコマンドリフレッシュ時以外のリフレッシュ時でもよい。外部メモリ制御回路518は、パラメータレジスタ回路30に保持されるリフレッシュ期間パラメータデータに基づき、読み出しの開始を制御する制御データを外部不揮発性メモリ134に定期的に送信してもよい。これに応じて、レジスタ書き込み回路20は、定期的なリフレッシュ時に、外部不揮発性メモリ134に記憶されるパラメータデータのすべてを、表示ドライバ10のパラメータレジスタ回路30に定期的に書き込むことができる。なお、レジスタ書き込み回路20は、所与のリフレッシュ時に、外部不揮発性メモリ134に記憶されるパラメータデータの一部(例えば、表示タイミングパラメータデータ)だけをパラメータレジスタ回路30に書き込んでもよい。
【0049】
3.異常検出動作
図3に、表示タイミングパラメータデータの構成例を示す。図3において、1水平走査期間の長さ、データ線駆動期間の開始タイミング及び終了タイミング、並びに走査線駆動期間の開始タイミング及び終了タイミングが、表示タイミングパラメータデータとして示されている。第1の期間(1水平走査期間)は、基準開始タイミングから基準終了タイミングまでを表す。第2の期間は、基準開始タイミングからデータ線駆動期間の開始タイミングまでを表す。第3の期間は、基準開始タイミングからデータ線駆動期間の終了タイミングまでを表す。第4の期間は、基準開始タイミングから走査線駆動期間の開始タイミングまでを表す。第5の期間は、基準開始タイミングから走査線駆動期間の終了タイミングまでを表す。
【0050】
パラメータレジスタ回路30は、表示制御パラメータデータ(広義には、表示特性制御パラメータデータ)として、(第1の)表示タイミングパラメータデータを保持する。また、固定値出力回路31は、(第2の)表示タイミングパラメータデータを出力する。固定値出力回路31から出力される表示タイミングパラメータデータは、パラメータレジスタ回路30内の表示タイミングパラメータデータの書き換えと同期して、書き換えられない。パラメータレジスタ回路30は、バックポーチライン数やフロントポーチライン数等の表示制御パラメータデータを保持することができる。
【0051】
固定値出力回路31は、表示タイミングパラメータデータとして、1水平走査期間の長さの最大及び最小、データ線駆動期間の開始タイミング及び終了タイミング、並びに走査線駆動期間の開始タイミング及び終了タイミングを出力する。なお、固定値出力回路31は、複数の組のデータ線駆動期間の開始タイミング及び終了タイミング、並びに走査線駆動期間の開始タイミング及び終了タイミングを出力してもよい。
【0052】
パラメータレジスタ回路30内の表示タイミングパラメータデータが異常な値を有しない場合、セレクタ回路33は、パラメータレジスタ回路30内の表示タイミングパラメータデータを選択する。パラメータレジスタ回路30内の表示タイミングパラメータデータが異常な値を有する場合、セレクタ回路33は、基本的に、固定値出力回路31からの表示タイミングパラメータデータを選択する。
【0053】
図4に、表示タイミングパラメータデータの設定例を示す。図4において、1水平走査期間の長さの最大(148)及び最小(32)、10組のデータ線駆動期間の開始タイミング及び終了タイミング((11、30);(11、30);(11、41);(11、41);(11、41);(11、41);(11、41);(11、41);(11、41);(11、41))、並びに10組の走査線駆動期間の開始タイミング及び終了タイミング((13、28);(13、28);(13、39);(13、39);(13、39);(13、39);(13、39);(13、39);(13、39);(13、39))が、表示タイミングパラメータデータとして示されている。複数の組のデータ線駆動期間の開始タイミング及び終了タイミング、並びに、走査線駆動期間の開始タイミング及び終了タイミングは、1水平走査期間の範囲((0〜31);(32〜47);(48〜63);(64〜79);(80〜95);(96〜111);(112〜127);(128〜143);(144〜148);(149〜))に関連付けされている。
【0054】
パラメータレジスタ回路30内の1水平走査期間の長さが固定値出力回路31からの1水平走査期間の長さの最小よりも小さい場合、セレクタ回路33は、固定値出力回路31からの1水平走査期間の長さの最小を選択する。1水平走査期間の長さの最小は、例えば、32基準クロックである。パラメータレジスタ回路30内の1水平走査期間の長さが固定値出力回路31からの1水平走査期間の長さの最大よりも大きい場合、セレクタ回路33は、固定値出力回路31からの1水平走査期間の長さの最大を選択する。1水平走査期間の長さの最大は、例えば、148基準クロックである。パラメータレジスタ回路30内の1水平走査期間の長さがノイズ等によって異常な値を有する場合であっても、表示ドライバ10は、固定値出力回路31からの正常な値を有する1水平走査期間の長さを使用することができる。
【0055】
図5に、異常な値を有するデータ線駆動期間の構成例を示す。図5(A)において、基準開始タイミングからデータ線駆動期間の開始タイミングまでの第2の期間の長さは、基準開始タイミングからデータ線駆動期間の終了タイミングまでの第3の期間の長さよりも大きい。第2の期間の長さが第3の期間の長さと等しい場合、図5(A)と同様に、データ線駆動期間は、異常の値を有する。図5(B)において、基準開始タイミングからデータ線駆動期間の開始タイミングまでの第2の期間の長さは、1水平走査期間(基準開始タイミングから基準終了タイミングまでの第1の期間)の長さよりも大きい。第2の期間の長さが1水平走査期間の長さと等しい場合、図5(B)と同様に、データ線駆動期間は、異常の値を有する。図5(C)において、基準開始タイミングからデータ線駆動期間の終了タイミングまでの第3の期間の長さは、1水平走査期間の長さよりも大きい。第3の期間の長さが1水平走査期間の長さと等しい場合、図5(C)と同様に、データ線駆動期間は、異常の値を有する。このような場合、セレクタ回路33は、固定値出力回路31からのデータ線駆動期間の開始タイミング及び終了タイミングを選択する。固定値出力回路31からのデータ線駆動期間の開始タイミングは、例えば、11基準クロックである。固定値出力回路31からのデータ線駆動期間の終了タイミングは、例えば、30基準クロックである。
【0056】
固定値出力回路31が1水平走査期間の範囲に関連付けされる複数の組のデータ線駆動期間の開始タイミング及び終了タイミングを出力する場合、セレクタ回路33は、パラメータレジスタ回路30内の1水平走査期間の長さに基づき、固定値出力回路31からの複数の組のうちの対応する1組のデータ線駆動期間の開始タイミング及び終了タイミングを選択する。
【0057】
パラメータレジスタ回路30内の1水平走査期間の長さが、例えば、35基準クロックであり、35基準クロックが、例えば32基準クロック以上47基準クロック以下の範囲に属する場合、セレクタ回路33は、パラメータレジスタ回路30内の1水平走査期間の長さ(35基準クロック)を選択し、さらに、固定値出力回路31からの対応する1組のデータ線駆動期間の開始タイミング(例えば、11基準クロック)及び終了タイミング(例えば、30基準クロック)を選択する。なお、パラメータレジスタ回路30内の1水平走査期間の長さが8ビットである場合、8ビットのうちの上位4ビットが「0010」を示すことは、パラメータレジスタ回路30内の1水平走査期間の長さが32基準クロック以上47基準クロック以下の範囲に属することを意味する。
【0058】
パラメータレジスタ回路30内の1水平走査期間の長さが、例えば、15基準クロックであり、15基準クロックが、例えば31基準クロック以下の範囲に属する場合、セレクタ回路33は、固定値出力回路31からの1水平走査期間の長さの最小(32基準クロック)を選択し、さらに、固定値出力回路31からの対応する1組のデータ線駆動期間の開始タイミング(例えば、11基準クロック)及び終了タイミング(例えば、30基準クロック)を選択する。
【0059】
図6に、異常な値を有する走査線駆動期間の構成例を示す。図6(A)において、基準開始タイミングから走査線駆動期間の開始タイミングまでの第4の期間の長さは、基準開始タイミングから走査線駆動期間の終了タイミングまでの第5の期間の長さよりも大きい。第4の期間の長さが第5の期間の長さと等しい場合、図6(A)と同様に、走査線駆動期間は、異常の値を有する。図6(B)において、基準開始タイミングからデータ線駆動期間の開始タイミングまでの第2の期間の長さは、基準開始タイミングから走査線駆動期間の開始タイミングまでの第4の期間の長さよりも大きい。第2の期間の長さが第3の期間の長さと等しい場合、図6(B)と同様に、走査線駆動期間は、異常の値を有する。図6(C)において、基準開始タイミングから走査線駆動期間の終了タイミングまでの第5の期間の長さは、基準開始タイミングからデータ線駆動期間の終了タイミングまでの第3の期間の長さよりも大きい。第5の期間の長さが第3の期間の長さと等しい場合、図6(C)と同様に、走査線駆動期間は、異常の値を有する。このような場合、セレクタ回路33は、固定値出力回路31からの走査線駆動期間の開始タイミング及び終了タイミングを選択する。固定値出力回路31からの走査線駆動期間の開始タイミングは、例えば、13基準クロックである。固定値出力回路31からのデータ線駆動期間の終了タイミングは、例えば、28基準クロックである。
【0060】
固定値出力回路31が1水平走査期間の範囲に関連付けされる複数の組の走査線駆動期間の開始タイミング及び終了タイミングを出力する場合、セレクタ回路33は、パラメータレジスタ回路30内の1水平走査期間の長さに基づき、固定値出力回路31からの複数の組のうちの対応する1組の走査線駆動期間の開始タイミング及び終了タイミングを選択する。
【0061】
パラメータレジスタ回路30内の1水平走査期間の長さが、例えば、145基準クロックであり、145基準クロックが、例えば144基準クロック以上148基準クロック以下の範囲に属する場合、セレクタ回路33は、パラメータレジスタ回路30内の1水平走査期間の長さ(145基準クロック)を選択し、さらに、固定値出力回路31からの対応する1組の走査線駆動期間の開始タイミング(例えば、11基準クロック)及び終了タイミング(例えば、41基準クロック)を選択する。なお、パラメータレジスタ回路30内の1水平走査期間の長さが8ビットである場合、8ビットのうちの上位4ビットが「1001」を示し、且つ8ビットが「10010101」より小さいことを示すことは、パラメータレジスタ回路30内の1水平走査期間の長さが144基準クロック以上148基準クロック以下の範囲に属することを意味する。
【0062】
パラメータレジスタ回路30内の1水平走査期間の長さが、例えば、150基準クロックであり、150基準クロックが、例えば149基準クロック以上の範囲に属する場合、セレクタ回路33は、固定値出力回路31からの1水平走査期間の長さの最大(148基準クロック)を選択し、さらに、固定値出力回路31からの対応する1組のデータ線駆動期間の開始タイミング(例えば、13基準クロック)及び終了タイミング(例えば、39基準クロック)を選択する。
【0063】
図7に、異常検出動作のフローチャート例を示す。異常検出回路32は、最初に、パラメータレジスタ回路30に保持される1水平走査期間の長さが異常な値を有するか否かを検出する。より詳細には、パラメータレジスタ回路30内の1水平走査期間の長さが、固定値出力回路31からの1水平走査期間の長さの最大よりも大きい場合、又は、パラメータレジスタ回路30内の1水平走査期間の長さが、固定値出力回路31からの1水平走査期間の長さの最小よりも小さい場合、異常検出回路32の検出結果は、パラメータレジスタ回路30に保持される1水平走査期間の長さが異常な値を有することを示す。一方、パラメータレジスタ回路30内の1水平走査期間の長さが、固定値出力回路31からの1水平走査期間の長さの最大と等しい又は最大よりも小さく、且つ、パラメータレジスタ回路30内の1水平走査期間の長さが、固定値出力回路31からの1水平走査期間の長さの最小と等しい又は該最小よりも大きい場合、異常検出回路32の検出結果は、パラメータレジスタ回路30に保持される1水平走査期間の長さが異常な値を有しないことを示す。
【0064】
パラメータレジスタ回路30に保持される1水平走査期間の長さが異常な値を有しない場合、異常検出回路32は、パラメータレジスタ回路30に保持されるデータ線駆動期間の開始タイミング及び終了タイミング、並びに、パラメータレジスタ回路30に保持される走査線駆動期間の開始タイミング及び終了タイミングが異常な値を有するか否かを検出する。より詳細には、以下の(1)〜(6)の場合のうちの少なくとも1つの場合、異常検出回路32の検出結果は、パラメータレジスタ回路30に保持されるデータ線駆動期間の開始タイミング及び終了タイミング、並びに、パラメータレジスタ回路30に保持される走査線駆動期間の開始タイミング及び終了タイミングが異常な値を有することを示す。
【0065】
(1)基準開始タイミングからパラメータレジスタ回路30内のデータ線駆動期間の開始タイミングまでの第2の期間の長さが、基準開始タイミングからパラメータレジスタ回路30内のデータ線駆動期間の終了タイミングまでの第3の期間の長さと等しい又は該第3の期間の長さよりも大きい。(2)基準開始タイミングからパラメータレジスタ回路30内のデータ線駆動期間の開始タイミングまでの第2の期間の長さが、パラメータレジスタ回路30内の1水平走査期間の長さと等しい又は該1水平走査期間の長さよりも大きい。(3)基準開始タイミングからパラメータレジスタ回路30内のデータ線駆動期間の終了タイミングまでの第3の期間の長さが、パラメータレジスタ回路30内の1水平走査期間の長さと等しい又は該1水平走査期間の長さよりも大きい。(4)基準開始タイミングからパラメータレジスタ回路30内の走査線駆動期間の開始タイミングまでの第4の期間の長さが、基準開始タイミングからパラメータレジスタ回路30内の走査線駆動期間の終了タイミングまでの第5の期間の長さと等しい又は該第5の期間の長さよりも大きい。(5)基準開始タイミングからパラメータレジスタ回路30内のデータ線駆動期間の開始タイミングまでの第2の期間の長さが、基準開始タイミングからパラメータレジスタ回路30内の走査線駆動期間の開始タイミングまでの第4の期間の長さと等しい又は該第4の期間の長さよりも大きい。(6)基準開始タイミングからパラメータレジスタ回路30内の走査線駆動期間の終了タイミングまでの第5の期間の長さが、基準開始タイミングからパラメータレジスタ回路30内のデータ線駆動期間の終了タイミングまでの第3の期間の長さと等しい又は該第3の期間の長さよりも大きい。
【0066】
検出回路32が異常を検出する場合、検出回路32は、異常時に例えば「H」を示す異常信号ERRを生成し、セレクタ回路33に出力する。検出回路32は更に、例えばシステムインターフェース回路548を介して、異常信号ERRを処理装置130に出力することもできる。セレクタ回路33は、異常信号ERRに基づき、パラメータレジスタ回路30内の表示タイミングパラメータデータ又は固定値出力回路31からの表示タイミングパラメータデータの選択を決定する。処理装置130は、異常信号ERRに基づき、コマンドリフレッシュを示すコマンドデータCMRFの送信を決定する。
【0067】
図8に、表示タイミングパラメータデータが異常な値を有するタイミング例を示す。図8(A)に示されるように、定期的なリフレッシュタイミングの後に検出回路32が異常を検出する場合、次の定期的なリフレッシュタイミングまでの間、表示ドライバ10に駆動される電気光学パネル512は、表示動作を保つことができる。図8(B)に示されるように、検出回路32が異常信号ERRを処理装置130に出力する表示ドライバ10に駆動される電気光学パネル512は、早期に正常動作することができる。なお、図8(B)のコマンドリフレッシュ後の定期リフレッシュは、図8(A)のように予定されていた定期的なリフレッシュでもよく、コマンドリフレッシュからリフレッシュ期間パラメータデータに基づく所与のタイミング後の定期的なリフレッシュでもよい。
【0068】
処理装置130は、例えばシステムインターフェース回路548を介して、テストモード時に例えば「H」を示すテスト信号TCENを表示ドライバ10に送信することもできる。テストモードにおいて、セレクタ回路33は、異常信号ERRを無視し、パラメータレジスタ回路30内の表示タイミングパラメータデータを常に選択することができる。
【0069】
図9に、図2の固定値出力回路31の構成例を示す。固定値出力回路31内の表示タイミングパラメータデータが例えば8ビットで表される「00001011」を示す場合、図9に示すように、1(H)は、プルアップで設定され、0(L)は、プルダウンで設定される。各ビットの固定値は、ヒューズ等によって選択されてもよい。なお、固定値出力回路31は、ノイズの影響を受け難い不揮発性メモリ回路(例えば、マルチタイムPROM(Multi Time Programmable ROM)、EEPROM)で実現してもよい。また、固定値出力回路31は、パラメータレジスタ回路30の耐ノイズ性よりも高い耐ノイズ性を持つ保持回路でもよい。
【0070】
当業者は、上述した本実施形態が、本発明の精神を逸脱することなく、(場合によって技術常識を参照することによって、)変形され得ることを容易に理解できるであろう。本発明の範囲は、本実施形態の全部または一部およびそれらの変形を含み、特許請求の範囲およびその均等な範囲によって定められる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本実施形態の電気光学装置の構成例。
【図2】図1の制御ロジック回路の構成例。
【図3】表示タイミングパラメータデータの構成例。
【図4】表示タイミングパラメータデータの設定例。
【図5】図5(A)、図5(B)、図5(C)は、異常な値を有するデータ線駆動期間の構成例。
【図6】図6(A)、図6(B)、図6(C)は、異常な値を有する走査線駆動期間の構成例。
【図7】異常検出動作のフローチャート例。
【図8】図8(A)、図8(B)は、表示タイミングパラメータデータが異常な値を有するタイミング例。
【図9】図2の固定値出力回路の構成例。
【符号の説明】
【0072】
10 表示ドライバ、20 レジスタ書き込み回路、30 パラメータレジスタ回路、
31 固定値出力回路、32 異常検出回路、33 セレクタ回路、
130 処理装置、134 外部不揮発性メモリ、512 電気光学パネル、
514 コマンドデコーダ回路、515 コマンドレジスタ回路、
518 メモリ制御回路、522 記憶回路、524 読み出し回路、
526 書き込み回路、542 制御ロジック回路、544 表示タイミング制御回路、548 システムインターフェース回路、550 データドライバ回路、
570 走査ドライバ回路、590 電源回路、610 階調電圧生成回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気光学パネルを駆動するための表示ドライバであって、
表示タイミングパラメータデータを保持するパラメータ保持回路と、
正常な値を有する表示タイミングパラメータデータを出力する固定値出力回路と、
前記パラメータ保持回路に保持される前記表示タイミングパラメータデータが異常な値を有するか否かを検出する異常検出回路と、
前記異常検出回路の検出結果に基づいて、前記パラメータ保持回路内の前記表示タイミングパラメータデータ又は前記固定値出力回路からの前記表示タイミングパラメータデータを選択するセレクタ回路と、
を含む表示ドライバ。
【請求項2】
請求項1において、
前記パラメータ保持回路は、前記表示タイミングパラメータデータとして、基準開始タイミングから基準終了タイミングまでの第1の期間を表す1水平走査期間の長さを保持し、
前記固定値出力回路は、前記表示タイミングパラメータデータとして、正常な値を有する1水平走査期間の長さの最小を出力し、
前記パラメータ保持回路内の前記1水平走査期間の長さが前記固定値出力回路からの前記1水平走査期間の長さの前記最小よりも小さい場合、前記セレクタ回路は、前記固定値出力回路からの前記1水平走査期間の長さの前記最小を選択する、表示ドライバ。
【請求項3】
請求項1において、
前記パラメータ保持回路は、前記表示タイミングパラメータデータとして、基準開始タイミングから基準終了タイミングまでの第1の期間を表す1水平走査期間の長さを保持し、
前記固定値出力回路は、前記表示タイミングパラメータデータとして、正常な値を有する1水平走査期間の長さの最大を出力し、
前記パラメータ保持回路内の前記1水平走査期間の長さが前記固定値出力回路からの前記1水平走査期間の長さの前記最大よりも大きい場合、前記セレクタ回路は、前記固定値出力回路からの前記1水平走査期間の長さの前記最大を選択する、表示ドライバ。
【請求項4】
請求項1において、
前記パラメータ保持回路は、前記表示タイミングパラメータデータとして、データ線駆動期間の開始タイミング及び終了タイミングを保持し、
前記固定値出力回路は、前記表示タイミングパラメータデータとして、正常な値を有するデータ線駆動期間の開始タイミング及び終了タイミングを出力し、
基準開始タイミングから前記パラメータ保持回路内の前記データ線駆動期間の前記開始タイミングまでの第2の期間の長さが、前記基準開始タイミングから前記パラメータ保持回路内の前記データ線駆動期間の前記終了タイミングまでの第3の期間の長さと等しい又は該第3の期間の長さよりも大きい場合、前記セレクタ回路は、前記固定値出力回路からの前記データ線駆動期間の前記開始タイミング及び前記終了タイミングを選択する、表示ドライバ。
【請求項5】
請求項4において、
前記パラメータ保持回路は、前記表示タイミングパラメータデータとして、前記基準開始タイミングから基準終了タイミングまでの第1の期間を表す1水平走査期間の長さを保持し、
前記基準開始タイミングから前記パラメータ保持回路内の前記データ線駆動期間の前記開始タイミングまでの前記第2の期間の長さが、前記パラメータ保持回路内の前記1水平走査期間の長さと等しい又は該1水平走査期間の長さよりも大きい場合、前記セレクタ回路は、前記固定値出力回路からの前記データ線駆動期間の前記開始タイミング及び前記終了タイミングを選択する、表示ドライバ。
【請求項6】
請求項4において、
前記パラメータ保持回路は、前記表示タイミングパラメータデータとして、前記基準開始タイミングから基準終了タイミングまでの第1の期間を表す1水平走査期間の長さを保持し、
前記基準開始タイミングから前記パラメータ保持回路内の前記データ線駆動期間の前記終了タイミングまでの前記第3の期間の長さが、前記パラメータ保持回路内の前記1水平走査期間の長さと等しい又は該1水平走査期間の長さよりも大きい場合、前記セレクタ回路は、前記固定値出力回路からの前記データ線駆動期間の前記開始タイミング及び前記終了タイミングを選択する、表示ドライバ。
【請求項7】
請求項5又は6において、
前記固定値出力回路は、前記表示タイミングパラメータデータとして、正常な値を有する1水平走査期間の長さの最大及び最小を出力し、
前記固定値出力回路は、前記表示タイミングパラメータデータとして、正常な値を有し、且つ1水平走査期間の範囲に関連付けされる複数の組のデータ線駆動期間の開始タイミング及び終了タイミングを出力し、
前記パラメータ保持回路内の前記1水平走査期間の長さが、前記固定値出力回路からの前記1水平走査期間の長さの前記最大と等しい又は該最大よりも小さく、且つ、前記パラメータ保持回路内の前記1水平走査期間の長さが、前記固定値出力回路からの前記1水平走査期間の長さの前記最小と等しい又は該最小よりも大きい場合、前記セレクタ回路は、前記パラメータ保持回路内の前記1水平走査期間の長さに基づき、前記固定値出力回路からの前記複数の組のうちの対応する1組のデータ線駆動期間の開始タイミング及び終了タイミングを選択する、表示ドライバ。
【請求項8】
請求項1において、
前記パラメータ保持回路は、前記表示タイミングパラメータデータとして、走査線駆動期間の開始タイミング及び終了タイミングを保持し、
前記固定値出力回路は、前記表示タイミングパラメータデータとして、正常な値を有する走査線駆動期間の開始タイミング及び終了タイミングを出力し、
基準開始タイミングから前記パラメータ保持回路内の前記走査線駆動期間の前記開始タイミングまでの第4の期間の長さが、前記基準開始タイミングから前記パラメータ保持回路内の前記走査線駆動期間の前記終了タイミングまでの第5の期間の長さと等しい又は該第5の期間の長さよりも大きい場合、前記セレクタ回路は、前記固定値出力回路からの前記走査線駆動期間の前記開始タイミング及び前記終了タイミングを選択する、表示ドライバ。
【請求項9】
請求項8において、
前記パラメータ保持回路は、前記表示タイミングパラメータデータとして、データ線駆動期間の開始タイミング及び終了タイミングを保持し、
前記基準開始タイミングから前記パラメータ保持回路内の前記データ線駆動期間の前記開始タイミングまでの第2の期間の長さが、前記基準開始タイミングから前記パラメータ保持回路内の前記走査線駆動期間の前記開始タイミングまでの前記第4の期間の長さと等しい又は該第4の期間の長さよりも大きい場合、前記セレクタ回路は、前記固定値出力回路からの前記走査線駆動期間の前記開始タイミング及び前記終了タイミングを選択する、表示ドライバ。
【請求項10】
請求項8において、
前記パラメータ保持回路は、前記表示タイミングパラメータデータとして、データ線駆動期間の開始タイミング及び終了タイミングを保持し、
前記基準開始タイミングから前記パラメータ保持回路内の前記走査線駆動期間の前記終了タイミングまでの前記第5の期間の長さが、前記基準開始タイミングから前記パラメータ保持回路内の前記データ線駆動期間の前記終了タイミングまでの第3の期間の長さと等しい又は該第3の期間の長さよりも大きい場合、前記セレクタ回路は、前記固定値出力回路からの前記走査線駆動期間の前記開始タイミング及び前記終了タイミングを選択する、表示ドライバ。
【請求項11】
請求項9又は10において、
前記固定値出力回路は、前記表示タイミングパラメータデータとして、正常な値を有する1水平走査期間の長さの最大及び最小を出力し、
前記固定値出力回路は、前記表示タイミングパラメータデータとして、正常な値を有し、且つ1水平走査期間の範囲に関連付けされる複数の組の走査線駆動期間の開始タイミング及び終了タイミングを出力し、
前記パラメータ保持回路内の前記1水平走査期間の長さが、前記固定値出力回路からの前記1水平走査期間の長さの前記最大と等しい又は該最大よりも小さく、且つ、前記パラメータ保持回路内の前記1水平走査期間の長さが、前記固定値出力回路からの前記1水平走査期間の長さの前記最小と等しい又は該最小よりも大きい場合、前記セレクタ回路は、前記パラメータ保持回路内の前記1水平走査期間の長さに基づき、前記複数の組のうちの対応する1組の走査線駆動期間の開始タイミング及び終了タイミングを選択する、表示ドライバ。
【請求項12】
請求項1乃至11の何れかにおいて、
前記検出回路は、検出結果を表す異常信号を処理装置及び前記セレクタ回路に出力する、表示ドライバ。
【請求項13】
請求項1乃至12の何れかにおいて、
テストモードにおいて、前記セレクタ回路は、前記パラメータ保持回路内の前記表示タイミングパラメータデータを常に選択する、表示ドライバ。
【請求項14】
請求項1乃至13の何れかに記載の前記表示ドライバを含む電気光学装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−117506(P2010−117506A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−290024(P2008−290024)
【出願日】平成20年11月12日(2008.11.12)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】