説明

表示装置および携帯電子機器

【課題】表示品位を低下させずに、焼付きを防止した自発光型の表示装置および携帯電子機器を提供する。
【解決手段】電池残量が十分の場合には、通常のユーザインターフェイスUI1で表示し(ステップ502)、また、電池残量が低下した場合には、UI1より階調を落とした中間調のユーザインターフェイスUI2で表示し(ステップ504)、さらに電池残量が低下した場合には、黒基調のユーザインターフェイスUI3で表示する(ステップ506)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自発光型の表示装置、たとえば、携帯電子機器に用いられる自発光型の表示装置および携帯電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機等の携帯電子機器で用いられる表示装置としては、薄い、応答速度が早い、広視野角、高コントラスト、色再現性が良い等の利点を有する有機EL(OLED:Organic Light Emitting Diode)等の自発光型が用いられ始められている。
【0003】
自発光型の表示装置たとえばOLEDにおいては、液晶表示装置(LCD)に比較して次のような特徴を有する。
1)図1に示すように、白表示は黒表示よりも消費電力が大きい。
2)各画素に流れる電流が異なり、画素単位で劣化にばらつきが生じやすい。
3)特定の色を偏って表示させ続けると、その色の画素の劣化が進んでしまい、焼き付き現象が発生しやすい。
このことからOLEDを搭載した携帯端末のユーザインターフェイス(UI)の多くは黒基調であった。
【0004】
尚、図1において、(a)はOLEDの階調と消費電力の関係を示し、(b)はLCDの階調と消費電力の関係を示す。
【0005】
ここで、階調とは、色の濃淡の変化のこと、または濃淡変化の滑らかさのことである。コンピュータにおける画素表現の細かさを表す尺度として用いられることが多い。
階調はある色について用意された濃淡の段階の数によって数値化される。階調が多ければ多いほど、色彩は滑らかに表現できる。
【0006】
例えば2階調で表現された画像は白と黒の2段階しか濃淡がなく、モノクロとなる。白黒の間に中間色としてグレーが1段階用意された場合には、階調は3となる。一般的に、パソコンのカラーディスプレイは表示をRGBの色空間で扱っている。
このとき、R(赤)、G(緑)、B(青)の色がそれぞれ2階調ずつあれば、表現可能な色の組み合わせは2の3乗、すなわち8色となる。
普通のパーソナルコンピュータ(パソコン)はRGBの各色を256階調ずつ表現できるようになっている場合が多い。この場合に表示可能な、256の3乗すなわち1677万7216色が、現在では便宜的にではあるがフルカラーと呼ばれている。
【0007】
上述の特徴を解消する第1の従来の自発光型の表示装置を有する携帯電子機器(参照:特許文献1)においては、電池残量が少ない場合に、文字を白表示、背景色を黒表示に補正して消費電力を低減している。
【0008】
第2の従来の自発光型の表示装置を有する携帯電子機器(参照:非特許文献2)においては、待ち受け状態に、輝度を低下させて消費電力を低減している。
尚、輝度とは、ディスプレイなどの画面の明るさの度合いのことである。単位にはカンデラ(cd)を用い、1平方メートルあたりに照射される光量を基準とするので「cd/m」(カンデラ/平方メートル)と表される。
屋外で視認可能であるにはおよそ300 cd/m の光が最低限必要とされる。パソコンの液晶ディスプレイは250〜300 cd/m程度のものが多い。
【0009】
第3の自発光型の表示装置を存する携帯電子機器(参照:特許文献3)においては、電池残量が少ない場合に、階調を画像の全領域に亘って一律に変更して消費電力を低減している。
【特許文献1】特開2002−199078号公報
【特許文献2】特開2002−341828号公報
【特許文献3】特開2005−345678号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述の第1の従来の自発光型の表示装置を有する携帯表示機器においては、文字と背景の階調を反転、補正させるために、結局黒基調の画面となってしまう。また、補正後は文字が白、背景が黒になり、文字部分の劣化が進みやすくなり、焼き付きが発生する可能性がある。
【0011】
また、第1の従来の自発光型の表示装置を有する携帯電子機器においては、輝度調整をすることで電池残量を長持ちさせようとしているが、輝度を減らすため、表示品位が低下し、見づらくなる。
【0012】
さらに、第3の従来の自発光型表示装置を有する携帯電子機器においては、階調数を単に間引いているため、全体的に暗くなり、表示品位が低下し、見づらくなる。
【0013】
尚、待ち受け画面等においては、文字を黒表示、背景色を白表示にする白基調状態は、文字を白表示、背景色を黒表示にする黒基調状態に比較して消費電力が大きくなる。このため、電池残量が閾値以上のときには、白基調状態とし、電池残量が閾値未満となったときには、白基調状態を黒基調状態に反転することが行われている。
【0014】
しかしながら、基本的にはユーザ選択の表示設定が優先される。従って、通常の設定で白基調状態が選択された場合には、できる限りユーザ選択の表示設定を優先させるために、上記の閾値を低く設定している。
この結果、ほとんどの場合、白基調状態となる。この場合、同一画素が同一階調の色を長時間発光させることになり、文字を表示する画素と背景色を表示する画素との間で劣化に差が発生し、焼き付くおそれがあり、長期間の使用に対して適さない。
【0015】
従って、本発明の目的は、表示品位を低下させずに、長期にわたって焼き付きが生じにくい自発光型の表示装置および携帯電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上述の課題を解決するために本発明に係る表示装置は、自発光型の表示部と、物理量を検出する検出部と、前記物理量の変化に応じて段階的に或いは連続的に、前記表示部の階調を変化させる制御部と、を備える。
【0017】
また、本発明第1の観点の表示装置は、前記表示部に電力を供給する電池部をさらに備え、前記検出部は、前記物理量として、前記電池部の電池残量を検出し、前記制御部は、検出された前記電池残量に応じて、段階的に或いは連続的に、前記表示部の階調を変化させることができる。
【0018】
また、本発明の表示装置において、前記制御部は、前記表示部の階調を、前記電池残量が減るにつれて、前記表示の背景色を表示する部位と前記背景色以外を表示する部位との階調差が小さくなるように、変化させることができる。
【0019】
また、本発明の表示装置は、アンテナをさらに備え、前記検出部は、前記物理量として、前記アンテナが受信する電波強度を検出し、前記制御部は、検出された前記電波強度に応じて、段階的に或いは連続的に、前記表示部の階調を変化させることができる。
【0020】
また、本発明の表示装置において、前記制御部は、前記表示部の階調を、前記アンテナの電波強度が減少するにつれて、前記表示の背景色を表示する部位と前記背景色以外を表示する部位との階調差が小さくなるように、変化させることができる。
【0021】
本発明の第2の観点は、表示装置を有する携帯電子機器であって、前記表示装置は、自発光型の表示部と、物理量を検出する検出部と、前記物理量の変化に応じて段階的に或いは連続的に、前記表示部の階調を変化させる制御部と、を含む。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、表示品位を低下させずに、長期にわたって焼き付きが生じにくい表示装置及び携帯電子機器が提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図2は、本発明の実施の形態に係る自発光型の表示装置を有する携帯電子機器の外観構造の一例を示す図である。ここでは、携帯電子機器の一例として、折り畳み型の携帯電話機100を想定している。
図2に示されるように、携帯電話機100は、上部筺体101と、下部筐体102と、ヒンジ部103とを有する。
【0024】
図2(a)は携帯電話100が開かれた状態(開状態)を示した図であり、図2(b)は携帯電話機100の折り畳まれた状態(閉状態)を示した図である。
図2(a)に示されるように、上部筐体101には、図2(b)に示す携帯電話機100の閉状態においては外部に露出しない一面に表示部14が配置されている。
また、図1(a)に示されるように、下部筐体102には、図2(b)に示す携帯電話機100の閉状態において外部には露出しない一面に操作部12が配置されている。
【0025】
ヒンジ部103は、上部筐体101と下部筐体102とを開閉し、図2(a)に示す携帯電話100の開状態と図2(b)に示す閉状態とを遷移可能とする回転軸を有するヒンジ機構である。なお、携帯電話100の開状態/閉状態は、後述する制御部17により監視されており、制御部17は携帯電話100の閉状態を検出することが可能である。
具体的には、例えば上部筐体101に配置した図示しない突起部により、下部筐体102の図示しない検出スイッチが押しているか否かを制御部17が監視することにより閉状態を検出している(すなわち検出スイッチが押下されていれば閉状態、そうでなければ開状態と判定)。なお、開閉検出は、スイッチに限らず、各種センサであってもよい。
【0026】
図3は図2の携帯電子機器の電気系統の内部構成を示すブロック図である。
【0027】
図3に示されるように、携帯電話機100は、制御部17を制御中枢とし、電源制御部10と、無線通信部11と、操作部12と、音声入出力部13と、表示部14と、撮像部15と、記憶部16と、制御部17のそれぞれが、アドレス、データ、コントロールのためのラインが複数本からなるシステムパス18に共通に接続され、構成される。
【0028】
電源制御部10は、例えば、図4にその内部構成の一例が示されるように、電源供給部31と、電流アンプ32から構成される。
【0029】
電源供給部31は、電池30に接続された電流監視抵抗(R)を介して得られる電流を、携帯電話100を構成する各構成ブロックに供給する。
また、電流監視抵抗(R)の両端に接続された電流アンプ32は、電流監視抵抗(R)による電圧降下を増幅して制御部17が内蔵するADコンバータ80に出力し、制御部17内において電流値に変換され消費電流測定が行われる。
【0030】
無線通信部11は、無線通信システムを捕捉し、通信ネットワークに接続される図示しない基地局との間で無線通信を行い、各種データの送受信を行う。各種データとは、音声通話時の音声データ、メール送受信時のメールデータ、ウェブ閲覧時のウェブページデータ等である。
操作部12は、例えば、電源キー、通話キー、数字キー、文字キー、方向キー、決定キー、発信キー、ファンクションキーなど、各種の機能が割り当てられたキーを有しており、これらのキーが操作者によって操作された場合に、その操作内容に対応する信号を発生し、これを操作者の指示として制御部17に出力する。
【0031】
音声入出力部13は、スピーカから出力される音声信号やマイクロフォンにおいて入力される音声信号の入出力処理を行う。
すなわち、音声入出力部13は、マイクロフォンから入力された音声を増幅し、アナログ/デジタル変換を行い、更に符号化等の信号処理を施し、デジタルの音声データに変換して制御部17に出力する。
また、音声入出力部13は、制御部17から供給される音声データに復号化、デジタル/アナログ変換、増幅等の信号処理を施し、アナログの音声信号に変換してスピーカに出力する。
【0032】
表示部14は、例えばOLEDを用いて構成されており、制御部17から供給される映像信号に応じた画像を表示する。
表示部14は、例えば、無線信号部11による無線発信時における発信先の電話番号、着信時における発信元の電話番号、受信メールや送信メールの内容、日付、時刻、電池残量、発信成否、待ち受け画面等を表示する。
【0033】
撮像部15は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の光電変換素子とその制御回路等により構成されるカメラである。
【0034】
記憶部16は、携帯電話機100の各種処理に利用される各種データを記憶する。例えば、制御部17が実行するコンピュータのプログラム、通信相手の電話番号や電子メールアドレス等の個人情報を管理するアドレス帳、着信音やアラーム音を再生するための音声ファイル、待ち受け画面用の画像ファイル、各種の設定データ、プログラムの処理過程で利用される一時的なデータが記憶される。
【0035】
なお、記憶部16は、例えば、不揮発性の記憶デバイス(不揮発性半導体メモリ、ハードディスク装置、光ディスク装置など)やランダムアクセス可能な記憶デバイス(例えばSRAM、DRAM)などによって構成される。
【0036】
制御部17は、携帯電話機100の全体的な動作を統括的に制御する。
すなわち、制御部17は、携帯電話機100の各種処理(回線交換網を介して行われる音声通話、電子メールの作成と送受信、インターネットのWeb(World Wide Web)サイトの閲覧など)が操作部12の操作に応じて適切な手順で実行されるように、上述した各ブロックの動作(無線通信部11における信号の送受信、表示部14における画像の表示、撮像部15における撮像処理等)を制御する。
さらに、制御部17は、記憶部16に格納されるプログラム(オペレーティングシステム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行するコンピュータ(マイクロプロセッサ)を備えており、このプログラムにおいて指示された手順に従って上述した処理を実行する。
すなわち、制御部17は、記憶部16に格納されるオペレーティングシステムやアプリケーションプログラム等のプログラムから命令コードを順次受け取って処理を実行する。
【0037】
また、制御部17は、電池残量算出および受信電波強度算出の都度表示更新の有無を判定し、表示部14に表示させる電池残量および受信電波強度の表示を変化させる機能を有する。
【0038】
ところで、最近の携帯電話機100は、製造工程で様々な情報、および、調整された値を記憶している。例えば、製造工程で使用する電流計(製造設備)を用いることで、高精な制御を実現できる。
【0039】
また、制御部17は、後述する処理によって消費電流量Iが特定されると、その値の最新のもののみを記憶部16の、電源OFFされても消去されない領域に記憶し、電源ON中においては最新の情報に更新を続ける。
【0040】
図5は図2の制御部17の第1の動作を説明するためのフローチャートである。
【0041】
このフローチャートの前提として、電池残量が、たとえば、電流アンプ32の電流値を用いて一定時間毎に算出されて記憶部16に格納されているものとする。尚、電池残量の算出方法は種々あるが、いずれの方法でもよい。
また、電池が充電されない限り、電池残量は減少するものとする。
そして、表示部14に電池残量表示としてその残量に応じて電池3本、2本、1本が表示される(参照図10)。
【0042】
電池残量が十分あって、閾値1より大きい場合には、フローはステップ501からステップ502に進み、表示部14は、図6(a)に示す通常のユーザインターフェイスUI1で表示する。この場合、表示部14に電池残量表示として3本表示されている(参照図10)。
そして、電池残量が閾値1より大きい限り、フローはステップ503、505を介してステップ502に進み、ユーザインターフェイスUI1で表示し続ける。
【0043】
次に、電池残量が減少して例えば閾値1以下となると、フローはステップ502からステップ503を介してステップ504に進み、通常のユーザインターフェイスUI1より階調を落とした図6(b)に示す中間調のユーザインターフェイスUI2で表示する。この場合、表示部14に電池残量表示として2本表示されている(参照図10)。
そして、電池残量が閾値1以下閾値2(<閾値1)より大きい限り、フローはステップ503、504を繰り返してユーザインターフェイスUI2で表示し続ける。
【0044】
次に、電池残量がさらに減少して閾値2以下となると、フローはステップ505を介してステップ506に進み、図6(c)に示す黒基調のユーザインターフェイスUI3で表示する。この場合、表示部14に電池残量表示として1本表示されている(参照図10)。
【0045】
黒基調のユーザインターフェイスUI3で表示した場合には、ステップ507に進み、電池が充電されたか否かを判別する。
充電されていれば、ステップ508にて電池残量を判別し、電池残量が閾値1以下閾値2より大きくなった場合にはステップ504に進み、中間調のユーザインターフェイスUI2で表示する。
他の場合には、ステップ502に進み、通常のユーザインターフェイスUI1で表示する。他方、充電されていなければ、ステップ509に進み、電源をオフとする。
【0046】
このように第1の動作によれば、電池残量を見ながら随時階調を変えることにより、以下のような利点がある。
1)輝度の変更をすることなく消費電力を抑えることができるため、表示品位を保ちつつ使用時間の延長が可能となる。
2)背景と文字の階調差が少ない中間調を使用することで、背景と文字の画素の劣化の差が少なくなり、文字の焼き付きが起こりづらい。
【0047】
図7は図2の制御部17の第2の動作を説明するためのフローチャートである。
【0048】
このフローチャートの前提として、無線通信部11を介して受信した周辺の基地局からの無線信号の電界強度は一定時間毎に記憶部16に格納されているものとする。そして、表示部14に電波状況表示として電波状況に応じてアンテナ3本、2本、1本が表示される(参照図10)。
【0049】
受信信号の電界強度が十分であって、閾値1´より大きい場合には、フローはステップ701からステップ702に進み、図8(a)に示す通常のユーザインターフェイスUI1´で表示する。
この場合、表示部14に電波状況表示としてアンテナ3本表示されている(参照図10)、そして電界強度が閾値1´より大きい限り、フローはステップ703、705を介してステップ702に進み、ユーザインターフェイスUI1´で表示し続ける。
【0050】
次に、受信信号の電界強度が減少して閾値1´以下となると、フローはステップ702からステップ703を介してステップ704に進み、通常のユーザインターフェイスUI1´より階調を落とした図8(b)に示す中間調のユーザインターフェイスUI2´で表示する。
この場合、表示部14に電波状況表示としてアンテナ2本表示されている(参照図10)。そして、電界強度が閾値1´以下閾値2´(<閾値1´)より大きい限り、フローはステップ703,704を繰り返してユーザインターフェイスUI2´で表示し続ける。
【0051】
次に、受信信号の電界強度がさらに減少して閾値2´以下となると、フローはステップ705を介してステップ706に進み、図8(c)に示す黒基調のユーザインターフェイスUI3´で表示する。
この場合、表示部14に電波状況表示としてアンテナ1本表示されている(参照図10)。
【0052】
黒基調のユーザインターフェイスUI3´で表示した場合には、ステップ701に進み、上述の動作を繰り返す。
【0053】
このように第2の動作によれば、電波状況を見ながら随時階調を変えることにより、以下のような利点がある。
1)輝度の変更をすることなく消費電力を抑えることができるため、表示品位を保ちつつ使用時間の延長が可能となる。
2)背景と文字の階調差が少ない中間調を使用することで、背景と文字の画素の劣化の差が少なくなり、文字の焼き付きが起こりづらい。
【0054】
図9は図2の制御部17の第3の動作を説明するためのフローチャートである。
【0055】
このフローチャートの前提として、電池残量が、たとえば、電流アンプ32の電流値を用いて一定時間毎に算出されて記憶部16に格納されているものとする。尚、電池残量の算出方法は種々あるが、いずれの方法でもよい。
また、電池が充電されない限り、電池残量は減少するものとする。そして、表示部14に電池残量表示としてその残量に応じて電池3本、2本、1本が表示される(参照図10)。
さらに、無線通信部11を介して受信した周辺の地局からの無線信号の電界強度は一定時間毎に記憶部16に格納されているものとする。
そして、表示部14に電波状況表示として電波状況に応じてアンテナ3本、2本、1本、圏外(X)が表示される(参照図10)。つまり、電界強度が3つの閾値と比較され、電波状況が、良好、中程度、悪い、最悪と判別され、これに応じてアンテナ3本、2本、1本、Xが表示される。
【0056】
電池残量が十分あって、閾値1より大きい場合には、フローはステップ501からステップ901−1、901−2、901−3を介してステップ502−1、502−2、502−3、503−4に進む。
【0057】
ステップ901−1では、電波状況が良好な状態(アンテナ3本表示状態)か否かを判別し、ステップ901−2では、電波状況が中程度の状態(アンテナ2本表示状態)か否かを判別し、ステップ901−3では、電波状況が悪い状態(アンテナ1本表示状態)か否かを判別する。
この結果、アンテナ3本表示状態であれば、ステップ502−1にて図10に示すモノクロ用ユーザインターフェイスUI1−1で表示し、アンテナ2本表示状態であれば、ステップ502−2にて図10に示すグリーン(G)用ユーザインターフェイスUI2−1で表示する。
アンテナ1本表示状態であれば、ステップ502−3にて図10に示すレッド(R)用ユーザインターフェイスUI3−1で表示する。
圏外であれば、ステップ502−4にて図10に示すブルー(B)用ユーザインターフェイスUI4−1で表示する。
電池残量が閾値1より大きい限り、フローはステップ503、505を介してステップ901−1、901−2、901−3に進み、通常のユーザインターフェイスUI1−1、UI2−1、UI3−1、UI4−1で表示し続ける。
【0058】
次に、電子残量が減少して、閾値1以下となると、フローはステップ503からステップ902−1、902−2、902−3を介してステップ504−1、504−2、504−3、504−4に進む。
【0059】
ステップ902−1では、電波状況が良好な状態(アンテナ3本表示状態)か否かを判別し、ステップ902−2では、電波状況が中程度の状態(アンテナ2本表示状態)か否かを判別し、ステップ902−3では、電波状態が悪い状態(アンテナ1本表示状態)か否かを判別する。
この結果、アンテナ3本表示状態であれば、ステップ504−1にてUI1−1より階調を落とした図10に示すモノクロ用ユーザインターフェイスUI1−2で表示する。
アンテナ2本表示状態であれば、ステップ504−2にてUI2−1より階調を落とした図10に示すグリーン(G)用ユーザインターフェイスUI2−2で表示する。
アンテナ1本表示状態であれば、ステップ504−3にてUI3−1より階調を落とした図10に示すレッド(R)用ユーザインターフェイスUI3−2で表示する。
圏外であれば、ステップ504−4にてUI4−1より階調を落とした図10に示すブルー(B)用ユーザインターフェイスUI4−2で表示する。
電池残量が閾値1以下で閾値2よりより大きい限り、フローはステップ503、505を介してステップ902−1、902−2、902−3に進む、中間調のユーザインターフェイスUI1−2、UI2−2、UI3−2、UI4−2で表示し続ける。
【0060】
次に、電池残量が減少して、閾値2以下となると、フローはステップ505からステップ903−1、903−2、903−3を介して506−1、506−2、506−3、506−4に進む。
【0061】
ステップ903−1では、電波状況が良好な状態(アンテナ3本表示状態)か否かを判別し、ステップ903−2では、電波状況が中程度の状態(アンテナ2本表示状態)か否かを判別し、ステップ903−3では、電波状況が悪い状態(アンテナ1本表示状態)か否かを判別する。
この結果、アンテナ3本表示状態であれば、ステップ506−4にてUI1−2より階調を落とした図10に示すモノクロ用ユーザインターフェイスUI1−3で表示する。
アンテナ2本表示状態であれば、ステップ506−2にてUI2−2より階調を落とした図10に示すグリーン(G)用ユーザインターフェイスUI2−3で表示する。
アンテナ1本表示状態であれば、ステップ506−3にてUI3−2より階調を落とした図10に示すレッド(R)用ユーザインターフェイスUI3−3で表示する。
圏外であれば、ステップ506−4にてUI4−2より階調を落とした図10に示すブルー(B)用ユーザインターフェイスUI4−3で表示する。
【0062】
黒基調のユーザインターフェイスUI1−3、UI2−3、UI3−3で表示した場合には、ステップ507に進み、電池が充電されたか否かを判別する。
充電されていれば、ステップ508にて電池残量を判別し、電池残量が閾値1以下閾値2より大きくなった場合にはステップ902−1、902−2、902−3に進み、中間調のユーザインターフェイスUI1−2、UI2−2、UI3−2で表示する。
他の場合には、ステップ901−1、901−2、901−3に進み、通常のユーザインターフェイスUI1−1、UI2−1、UI3−1、UI4−1で表示する。他方、充電されていなければ、ステップ509に進み、電源をオフとする。
【0063】
このように第3の動作によれば、電池残量及び電波状況を見ながら随時階調を変えることにより、以下のような利点がある。
1)輝度の変更をすることなく消費電力を抑えることができるため、表示品位を保ちつつ使用時間の延長が可能となる。
2)背景と文字の階調差が少ない中間調を使用することで、背景と文字の画素の劣化の差が少なくなり、文字の焼き付きが起こりづらい。
【0064】
上述の第3の動作においてはRGBを用いたが、もちろん組み合わせて他の色を使用しても問題ない。
また、各色の順番をGRBにした理由としては、各色の寿命特性を検討した結果、G>R>Bの順番で寿命の特性が良かったためである。但し、使用する材料等により寿命特性の順番が変動することが考えられるので、使用するモジュールの特性を考慮してRGBの順番を変えればよい。
【0065】
尚、上述の実施の形態においては、表示部の階調を段階的に変化させているが、図11に示すような階調を連続的に変化させてもよい。
【0066】
また、階調の変化により、アンテナの電波状況や電池残量が、認識できる場合、それぞれのピクト表示をなくしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】自発光型の表示装置の消費電力を説明する図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る表示装置を有する携帯電子機器の外観構造の一例を示す図である。
【図3】図2の携帯電子機器の電気系統の内部構成を示すブロック図である。
【図4】図2の電源制御部の詳細を示すブロック図である。
【図5】図2の制御部の第1の動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】図5における画像の例を示す図である。
【図7】図2の制御部の第2の動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】図7における画像の例を示す図である。
【図9】図2の制御部の第3の動作を説明するためのフローチャートである。
【図10】図9における画像の例を示す図である。
【図11】連続的な階調変化を説明する図である。
【符号の説明】
【0068】
10…電源制御部、11…無線通信部、12…操作部、13…音声入出力部、14…表示部、15…撮像部、16…記憶部、17…制御部、18…システムバス、20…携帯電話機本体、30…電池、31…電源供給部、32…電流アンプ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自発光型の表示部と、
物理量を検出する検出部と、
前記物理量の変化に応じて段階的に或いは連続的に、前記表示部の階調を変化させる制御部と、
を備えた表示装置。
【請求項2】
前記表示部に電力を供給する電池部をさらに備え、
前記検出部は、前記物理量として、前記電池部の電池残量を検出し、
前記制御部は、検出された前記電池残量に応じて、段階的に或いは連続的に、前記表示部の階調を変化させる
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記表示部の階調を、
前記電池残量が減るにつれて、前記表示の背景色を表示する部位と前記背景色以外を表示する部位との階調差が小さくなるように、変化させる
請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
アンテナをさらに備え、
前記検出部は、前記物理量として、前記アンテナが受信する電波強度を検出し、
前記制御部は、検出された前記電波強度に応じて、段階的に或いは連続的に、前記表示部の階調を変化させる
請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記表示部の階調を、
前記アンテナの電波強度が減少するにつれて、前記表示の背景色を表示する部位と前記背景色以外を表示する部位との階調差が小さくなるように、変化させる
請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
表示装置を有する携帯電子機器であって、
前記表示装置は、
自発光型の表示部と、
物理量を検出する検出部と、
前記物理量の変化に応じて段階的に或いは連続的に、前記表示部の階調を変化させる制御部と、を含む
携帯電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図9】
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【図6】
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【図8】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−204705(P2009−204705A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−44586(P2008−44586)
【出願日】平成20年2月26日(2008.2.26)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】