説明

表示装置

【課題】駆動電圧の減少や光の透過率を向上させる表示装置を提供する。
【解決手段】本発明は表示装置に関する。本発明による表示装置は、第1基板と、前記第1基板に対向して配置された第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に配置された液晶層と、前記第1基板の上に形成された第1電極および第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との中でいずれ一つの電極の下に配置された突起とを含み、前記液晶層は電界が印加されない場合は等方性の状態で、電界が印可されると異方性の状態に変化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示装置に関し、より詳しくはブルー相の液晶を利用する表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置には様々な種類がある。その中で急速に発展している半導体技術により性能が向上され小型および軽量化された液晶表示(liquid crystal display,LCD)装置は、代表的な表示装置である。
液晶表示装置において、光の透過率は液晶層の整列状態により決定される。光透過率は液晶層の物理的な動きにより制御されるので、液晶表示装置には応答速度の問題が発生する。
【0003】
近来、応答速度が約3ミクロン程度で相対的に非常に速いブルー相(blue phase)液晶が開発されている。ブルー相の液晶は、作動温度の範囲が非常に狭くモノマを添加および重合してブルー相の液晶の結晶構造を安定化して使用する。
しかし、前述のブルー相の液晶を利用する表示装置は、駆動電圧が相対的に非常に高く、光の透過率が低下すぎる問題点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は前述の問題点を解決するためのものであり、駆動電圧の減少や光の透過率を向上させる表示装置に関する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するために、前記目的を達成するために、本願発明1は、
・第1基板と、
・前記第1基板に対向して配置されている第2基板と、
・前記第1基板と前記第2基板との間に配置されている液晶層と、
・前記第1基板の上に形成されている第1電極と、
・前記第1基板の上に形成されている第2電極と、
・前記第1電極と前記第2電極とのうちいずれ一つの電極の下に配置されている突起と、
を含み、
前記液晶層は、電界が印加されていないと等方性の状態であって、電界が印可されると異方性の状態に変化する表示装置を提供する。
【0006】
本願発明2は、本願発明1において、前記突起は前記第1基板と前記第2基板との間の平均間隔の1/6以上の高さを有する表示装置を提供する。
本願発明3は、本願発明2において、前記第1基板と前記第2基板との間隔は4.5ミクロン以上である表示装置を提供する。
本願発明4は、本願発明2におい前記突起は1ミクロン〜10ミクロンの幅を有する表示装置を提供する。
【0007】
本願発明5は、本願発明3において、前記第1電極と前記第2電極との間で発生する電界により液晶層の液晶が挙動し前記電界は前記第1基板および第2基板とほぼ平行な水平電界である表示装置を提供する。
本願発明6は、本願発明5において、前記液晶層は架橋されたブルー相の液晶である表示装置を提供する。
【0008】
本願発明7は、本願発明6において、前記液晶層は硬化されたポリマを更に含む表示装置を提供する。
本願発明8は、本願発明2において、前記第1電極と前記第2電極は其々に1ミクロン〜10ミクロンの幅を有する表示装置を提供する。
本願発明9は、本願発明8において、前記第1電極と前記第2電極は其々に3ミクロン〜6ミクロン離れて配置されている表示装置を提供する。
【0009】
本願発明10は、本願発明9において、前記第1電極と前記第2電極は其々にスリットパターンを有し、相互に噛合う扇骨の形状に形成されている表示装置を提供する。
本願発明11は、本願発明2において、前記第1基板の上に形成され、前記第1電極に接続された第1薄膜トランジスタと、前記第1基板の上に形成され、前記第2電極に接続された第2薄膜トランジスタと、を更に含む表示装置を提供する。
【0010】
本願発明12は、本願発明11において、前記第1基板の上に形成された複数のゲートラインを更に含み前記第1薄膜トランジスタと前記第2薄膜トランジスタは同一のゲートラインに接続されている表示装置を提供する。
本願発明13は、本願発明11において、前記第1基板の上に形成された複数のデータラインを更に含み、前記第1薄膜トランジスタと前記第2薄膜トランジスタは相異なるデータラインに接続されている表示装置を提供する。
【0011】
本願発明14は、本願発明2において、前記突起は有機物質で形成されている表示装置を提供する。
本願発明15は、本願発明2において、前記突起は、前記第1基板及び前記第2基板の主面に垂直な方向に切断した縦断面が半円形状の縦断面と半楕円形状の縦断面とのうち少なくとも一つを含む表示装置を提供する。
【0012】
本願発明16は、本願発明2において、前記突起は、前記第1基板及び前記第2基板の主面に垂直な方向に切断した縦断面が三角形状の縦断面と台形の縦断面と多角形状の縦断面とのうち少なくとも一つを含む表示装置を提供する。
本願発明17は、本願発明2において、前記突起の高さは前記第一基板と前記第2基板との間の間隔と同一であり、前記突起は前記第1基板と前記第2基板との間に隔壁形状で形成されている表示装置を提供する。
【0013】
本願発明18は、本願発明17において、前記突起は前記第1基板に対向する面の面積が前記第2基板に対向する面の面積より大きく、前記突起は、前記第1基板及び前記第2基板の主面に垂直な方向に切断した縦断面が台形の縦断面を含む表示装置を提供する。
本願発明19は、本願発明1において、前記第1基板の上に形成された前記第1電極と第2電極とのうちで前記突起が配置されていない電極に向かい合うように、前記第2基板の上に形成された補助電極を更に含む表示装置を提供する。
【0014】
本願発明20は、本願発明19において、前記補助電極には前記第1電極と第2電極との中で相互に対向する電極と実質的に同一の電圧が印可されている表示装置を提供する。
本願発明21は、本願発明1において、前記第1電極と第2電極との下に絶縁して配置されている埋め込み電極を更に含む表示装置を提供する。
本願発明22は、本願発明21において、前記埋め込み電極は、前記第1電極と第2電極とのうちいずれか一つと同一の電圧が印可されている表示装置を提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、表示装置の駆動電圧を減少させ、光の透過率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について、本発明の属する技術分野で通常の知識を持つ者が容易に実施できるよう詳しく説明する。本発明は様々な形態に具現できることであって、ここで説明する実施形態に限られない。
また、図面は多様な層及び領域を明確に表現するために厚さが拡大して示されている。明細書の全体を通じて類似の部分に関しては、同一の図面番号が付けられている。層、膜、領域、板などの部分が他の部分の“上に”あると言う時、これは他の部分の“すぐ上に”ある場合だけではなくて、その間にまた他の部分がある場合も含む。反対に、ある部分が他の部分の“すぐ上に”あると言う場合はその間にまた他の部分がないことを意味する。
【0017】
添付図面には、実施形態として5枚マスク工程で形成された非晶質シリコン(a-Si)薄膜トランジスタ(thin film transistor, TFT)が使用された表示装置が概略的に示されている。また、添付図面では一つの画素に2つの薄膜トランジスタが使用されている。画素は画像を表示する最小単位である。しかし本発明の薄膜トランジスタは様々な相異なる形態に具現でき、ここで説明する実施形態に限られない。
【0018】
本発明を明確にするために、説明に直接に関係ない部分は省略し、明細書の全体を通じて同一あるいは類似の構成要素については同一の参照部号をつけることにする。
また、様々な実施形態において、同一の構成を持つ構成要素に関しては同一の部号をつけて代表的に第一実施形態で説明して、その他の実施形態では第一実施形態と相異なる構成に関してのみ説明する。
【0019】
「実施形態1」
図1及び図2を参照して本発明の第1実施形態を説明する。図1は、本発明の第一実施形態による表示装置の配置図である。図2は、図1のII-II線による断面図である。
図1と図2に示されているように、表示装置901は、第1表示板100と第2表示板200と液晶層300とを含む。ここで、第1表示板100は、第1基板110と、第1基板110の上に形成された第1電極181と、第1基板110の上に形成され第1電極181から離れた第2電極182と、第1電極181と第2電極182との中でいずれか一つの電極の下に配置された突起191とを含む。図1と図2では、突起191は第1電極181の下に配置される。しかし必ずしもこれに限られない。従って、突起191は第2電極182の下に配置されることもできる。また、液晶層300は、架橋されたブルー相(blue phase)の液晶である。すなわち、モノマが含まれ、含まれたモノマが硬化されてポリマ化されたブルー相の液晶である。ブルー相はコレステリック相と等方相との間の数Kの温度範囲で表す液晶相の一つである。
【0020】
ブルー相の液晶は、第1基板110と第2基板210との上に配向膜を形成する必要がない。ブルー相の液晶は、電圧を印可しないと光学的に等方(isotrophic)状態で、印可される電圧が増加することにより電界方向に配列する方向子(director)が多くなり屈折率異方性を持つことになって入力された偏光状態を変化させる。ブルー相の液晶を使用する場合、表示装置901はノーマリブラックモード(Normally Black Mode)になる。すなわち、表示装置901は電圧が印可されていない状態でブラックを表示する。
【0021】
一方、ブルー相の液晶は動作温度範囲が広くないので、ブルー相が発現できる低分子の液晶に非液晶性のモノマを添加し、モノマの紫外線を加えて重合する。重合により結晶構造が安定化され架橋された液晶が製造される。架橋されたブルー相の液晶は、低分子の液晶の中で高分子の網状構造が形成されている形態である。
液晶層300は、第1電極181と第2電極182とが形成し、第1電極181と第2電極182と実質的に平行である水平電界(横電界)によって配向が変わって透過率を調整する。
【0022】
非液晶性のモノマとしては、熱あるいは紫外線によって重合が行われる物質で、アクリルレイト系モノマが使用できるが、これに限られない。他に、非液晶性のモノマとしては、ビニル基、アクリルロイル(acryloyl)基、フーマレイト(fumarate)基などの重合性基を含むものが使用できる。また、必要であれば、架橋剤とモノマとの重合が開始できる開始剤を使用することも可能である。開始剤としては、アセトフェノン、ベンゾフェノンなどが使用できる。また、液晶層300にカイラルネマチック相を発現させるためのカイラル不純物(chiral dopant)を添加することも可能である。
【0023】
低分子液晶としては、コレステリック相(カイラルネマチック相)と等方相との間にブルー相が発現できる物質を使用する。このような低分子液晶は、ビフェニル、シクロヘクシルなどの分子構造を含み、それ自身がキラリティを持つとか、カイラル不純物の添加によりコレステリック相が発現できる物質を使用する。
図3と図4とを参照し、本発明の実施形態による表示装置901に使用されたブルー相の液晶について、以下の通り詳しく説明する。
【0024】
図3に示されているように、ブルー相の液晶はポジティブ(positive)液晶にカイラル相を誘導し約1K領域でブルー相を形成する時、光硬化性ポリマを形成させて常温領域まで安定化して作られる。
ポリマにより更に広い範囲の温度で安定化されたブルー相は非常に大きいK定数を持っているので、電界印可により階調の表現が可能であり、電圧が印加されていない時に光学的に等方性を持つ特性がある。
【0025】
図4に示されているように、ブルー相の液晶は電界が印加されていない時に光学的の等方性を持ってブルー相を発現して複屈折性を持たない。ここで、電界が印可されるとブルー相の液晶は光学的異方性を持ち複屈折性を持つ。この時、ブルー相の液晶に印可される電界は水平方向、すなわち液晶層300を通過する光の方向に交差する方向に印可される。
【0026】
また、本発明による表示装置に使用されたブルー相の液晶はカイラルピッチ(chiral pitch)が300nm以下、好ましく200nm程度のカイラルピッチを持っていてもよい。ブルー相の液晶が持つカイラルピッチは、可視光線の波長領域に重ならないからである。可視光線の波長領域がおおよそ350nm〜650nm程度なので、ブルー相の液晶は300nm以下のカイラルピッチを持つことが好ましい。
【0027】
また、ブルー相の液晶は誘電率と屈折率が非常に大きく、ネマチック(nematic)状態を持つ。
図1と図2とを再び参照すると、第1表示板100は、第1基板110の上に形成された多数のゲートライン121、多数のデータライン161a、161b、および多数の薄膜トランジスタ101、102を更に含む。また、第1表示板100はカラーフィルタ175を更に含む。
【0028】
薄膜トランジスタ101、102は、一つの画素に二つずつ配置される。すなわち、一つの画素は、第1薄膜トランジスタ101と第2薄膜トランジスタ102とを持つ。第1薄膜トランジスタ101は第1電極181に電気的に接続され、第2薄膜トランジスタ102は第2電極182に電気的に接続される。第1薄膜トランジスタ101と第2薄膜トランジスタ102とは、同一のゲートライン121に接続される。また、第1薄膜トランジスタ101と第2薄膜トランジスタ102と相異なるデータライン161a、161bに其々に接続される。第1電極181と第2電極182とは相異なる電圧が印可され、第1電極181と第2電極182との間で発生する電界により液晶層300のブルー相の液晶が挙動される。
【0029】
第1電極181と第2電極182とは其々にスリットパターンを持ち、図1に示されているように、相互に噛合う扇骨の形に形成されることも可能である。ここで、第1電極181の下には突起191が配置されるので、第1電極181と第2電極182との間に横電界が効果的に形成されることができる。すなわち、第2電極182は平面的に形成されるが、第1電極181は下に配置された突起191により平面的ではない高さを持つ形状に形成されるからである。第1電極181と第2電極182とは其々に1ミクロン〜10ミクロンの範囲の幅を持ち、第1電極181と第2電極182とは其々に3ミクロン〜6ミクロンの範囲の間隔を持つように配置される。第1電極181と第2電極182との間の間隔は小さいのが好ましい。しかし、実際の製作過程での工程上のマージンを考慮して、第1電極181と第2電極182との間の間隔を3ミクロン〜6ミクロンの範囲に限定することが好ましい。
【0030】
突起191は、電極181、182に比べて相対的に微細パターンを形成しがたい。したがって、第1電極181と第2電極182とのうちいずれか一つだけの下に突起191を配置することによって、前述のように電極181、182の間の間隔を適切に維持するとともに、突起191により第1電極181と第2電極182との間に横電界が効果的に形成できるようになる。
【0031】
第1電極181と第2電極182との間の間隔と、第1電極181と第2電極182との幅の関係において、第1電極181と第2電極182との間の間隔が第1電極181と第2電極182との幅より大きいと光の透過率の側面で有利であって、第1電極181と第2電極182との間の間隔が第1電極181と第2電極182との幅より小さいと駆動電圧の減少に有利である。ブルー相の液晶を利用する表示装置901は駆動電圧を減少させることが様々な側面で有利であるので、第1電極181と第2電極182との幅を第1電極181と第2電極182との間の間隔より小さく、あるいは同じくするのが好ましい。しかし本発明が必ずしもこれに限られるものではない。したがって、駆動電圧の減少より光の透過率を向上する時には、第1電極181と第2電極182との幅を第1電極181と第2電極182との間の間隔より大きくすることも可能である。
【0032】
また、第1基板110と第2基板210との間の平均間隔は、4.5ミクロン以上であることが好ましい。ここで、第1基板110と第2基板210との間の平均間隔とは、第1基板110と第2基板210との間で実質的に液晶層300で満たされる空間である。すなわち、実質的に第1基板110と第2基板210は均一ではなく4ミクロン〜12ミクロンの範囲の間隔を持つことが可能で、第1基板110と第2基板210との間の全体的の平均間隔は実質的に4.5ミクロン以上である。
【0033】
図5は、第1基板110と第2基板210との間の間隔と光の透過率の間の関係を示すグラフである。図5に示されているように、ブルー相の液晶を使用する表示装置901において第1基板110と第2基板210との間の平均間隔が実質的に4.5ミクロン以上である時、100%に近接の光の透過率を表している。一方、第1基板110と第2基板210との間の平均間隔が大きすぎると、両表示板100、200の間隔を安定的に均一に維持しがたい問題点がある。ただし、第1基板110と第2基板210との間に間隔の均一性は、ブルー相の液晶の場合あまり問題にならない。
【0034】
また、突起191は、第1基板110と第2基板210との間の平均間隔の1/6以上の高さを持つ。一例として、第1基板110と第2基板210との平均間隔、すなわち第1基板110と第2基板210との間に満たされる液晶層300の平均の高さが6ミクロンであると、突起191の高さは1ミクロン以上になる。表示装置901で一般的に適用される両表示板100、200の間の間隔を考慮すれば、突起191は1ミクロン〜6ミクロンの範囲内の高さを持つことができる。
【0035】
図6は、突起191の高さによる駆動電圧の分布状態を示している。図6に示されているように、突起の高さが高いほど駆動電圧が減少される効果が高くなる。図6に示されているように、最小限の駆動電圧の減少効果を達成するためには、突起191が第1基板110と第2基板210との間の平均間隔の1/6以上の高さ、具体的には1ミクロン〜6ミクロンの高さを持つことが好ましい。
【0036】
以下、図2を参照して、表示装置901の構造を、積層の順番と突起191の形状とを中心にして具体的に説明する。図2は、第1薄膜トランジスタ101を中心に図示している。以下で薄膜トランジスタとは、実際に第1薄膜トランジスタ101をいうが、第2薄膜トランジスタ102も第1薄膜トランジスタ101と実質的に同一の構造を持つ。
まず、第1表示板100の構造について説明する。
【0037】
第1基板110は、ガラス、石英、セラミックあるいはプラスチックなどの素材を含んで透明に形成される。
第1基板110の上には、多数のゲートライン121(図1に図示)と、ゲートライン121から分岐された多数のゲート電極124と、維持電極ライン128とが形成される。
【0038】
ゲート配線121、124、128は、Al、Ag、Cr、Ti、Ta、Mo、Cuなどの金属、あるいはこれらを含む合金で作られる。図2において、ゲート配線121、124、128は単一層で示されているが、ゲート配線121、124、128は物理的および化学的特性が優秀なCr、Mo、Ti、Ta、あるいはこれらを含む合金の金属層と比抵抗が小さいAl系やAg系の金属層を含む多重層で形成されることも可能である。他にも様々な金属あるいは導電体でゲート配線121、124、128を作ることも可能であり、同一の食刻の条件でパターニングができる多層膜であるのが好ましい。
【0039】
ゲート配線121、124、128の上には、窒化硅素(SiNx)などで形成されたゲート絶縁膜130が形成される。
ゲート絶縁膜130の上には、ゲートライン121に交差する多数のデータライン161a、161b(図1に図示)と、データライン161a、161bから分岐された多数のソース電極165と、ソース電極165から離れた多数のドレイン電極166を含むデータ配とが形成される。
【0040】
データ配線161a、161b、165、166もゲート配線121、124、128と同じくクロム、モリブデン、アルミニウム、銅あるいはこれらを含む合金などの導電物質で作られ、単一層や多重層で形成される。
そしてゲート電極124の上のゲート絶縁膜130の上とソース電極165およびドレイン電極166の下を含む一領域には、半導体層140が形成される。具体的には、半導体層140は少なくとも一部がゲート電極124、ソース電極165およびドレイン電極166に重なる。ここで、ゲート電極124とソース電極165とドレイン電極166とは薄膜トランジスタ101の三電極になる。ソース電極165とドレイン電極166と間の半導体層140が薄膜トランジスタ101のチャンネル領域になる。
【0041】
また、半導体層140とソース電極165とドレイン電極166と間には、これらの間の接触抵抗を其々に低減するための抵抗性接触部材(ohmic contact)155、156が形成される。抵抗性接触部材155、156は、シリサイドやn型不純物が高濃度にドッピングされた非晶質硅素などで作られる。
データ配線161a、161b、165、166の上には、プラズマ化学気上蒸着(plasma enhanced chemical vapor deposition, PECVD)で形成されるa-Si:C:O、a-Si:C:Fなどの底誘電率の絶縁物質、窒化硅素や酸化硅素などの無機絶縁物質、あるいは有機絶縁物質などからなる保護膜(passivation layer)170が形成される。
【0042】
保護膜170の上には、三原色を持つカラーフィルタ175が順番に配置される。ここで、カラーフィルタ175の色は、必ずしも三原色に限られることではなく、一つ以上の色で様々な構成が可能である。カラーフィルタ175は、表示装置901を通過する光に色を与える役割を果たす。
カラーフィルタ175は保護膜170の上に形成されるが、本発明は必ずしもこれに限られない。したがって、カラーフィルタ175が保護膜170とデータ配線161a、161b、165、166との間に形成されることも可能である。また、カラーフィルタ175は第1表示板100ではなく第2表示板200に形成されることも可能である。
【0043】
カラーフィルタ175の上には、キャッピングレイヤ(capping layer)179が形成される。キャッピングレイヤ179は、カラーフィルタ175を含む有機膜を保護する。キャッピングレイヤ179は必ずしも必要なものではなく、必要に応じて省略できる。キャッピングレイヤ179は、保護膜170と類似な物質を含む無機膜などの様々な物質でつくられる。
【0044】
キャッピングレイヤ179の上には、突起191及び第1保護部材190が形成される。突起191は画素領域に形成され、第1保護部材190は薄膜トランジスタ領域に形成される。
突起191は、露光現象工程により感光性有機物質から形成することができる。しかし本発明は必ずしもこれに限られるものではなく、他の様々な物質で形成することも可能である。
【0045】
突起191は、半円形状あるいは半楕円形状の断面を含む。また、突起191は1ミクロン〜10ミクロンの範囲の幅を持つ。また、突起191は第1基板110と第2基板210との間の平均間隔の1/6以上の高さを持つ。
突起191とキャッピングレイヤ179との上には、第1電極181と第2電極182と第2保護部材180とが形成される。図2では、第1電極181が突起191の上に、第2電極182がキャッピングレイヤ179のすぐ上に形成される。また、第2保護部材180は第1保護部材190の上に形成される。第1電極181は第1薄膜トランジスタ101に接続され、第2電極182は第2薄膜トランジスタ102(図1に図示)に接続される。第1電極181と第2電極182とは、ITO(indium tin oxide)やIZO(indium zinc oxide)などのような透明導電体などを含んで作られる。具体的には、第1電極181は突起の上に形成される電極部1812と、電極部1812と薄膜トランジスタ101とを接続させる連結部1811とを含む。また、第1電極181と第2電極182との中でいずれか一つの一部1815はゲート配線の第1維持電極ライン128に重なって保持電気容量を形成する。
【0046】
また、保護膜170とカラーフィルタ175とは、ドレイン電極166の一部を露出する多数の接触孔171、172を持つ。第1電極181と第2電極182とは、其々に接触孔171、172を通じて第1薄膜トランジスタ101と第2薄膜トランジスタ102とのドレイン電極166に電気的に接続される。また、カラーフィルタ175は、第1維持電極ライン128の上に形成された開口部174を更に含む。
【0047】
液晶層300では、第1電極181と第2電極182との間に発生する横電界によりブルー相の液晶の配列状態が変わり、これにより光の透過率が調節される。
次に、第2表示板200の構造について説明する。
第2表示板200は第2基板210を含む。第2基板210は、第1基板110と同じく、ガラス、石英、セラミックあるいはプラスチックなどの素材を含んで透明に形成される。
【0048】
しかし、第2基板210は重さと厚さとを低減するためにプラスチックからなることもできる。プラスチックはこれに限られないが、ポリカーボネイト(polycarbonate)、ポリイミド(polyimide)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリアリレート(PAR)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などである。
また、第1表示板100と第2表示板200とは上述の構造に限られるものではない。したがって、図1と図2とに図示されている表示装置901の構造以外の様々な構造に、本発明の表示装置901に適用できる。
【0049】
このような構成により、本発明の第1実施形態による表示装置901の駆動電圧の減少や光の透過率の向上が可能である。また、突起191と第1及び第2画素電極181、182を形成する時形成された第1及び第2保護部材180、190によって薄膜トランジスタが保護される。
「実施形態2」
図7を参照して本発明の第2実施形態を説明する。図7は本発明の第2実施形態による表示装置902の断面図である。
【0050】
図7に示されているように、表示装置902は実質的に多角形状の断面を含む突起192を持つ。突起192の側面の傾斜角度が急勾配であるほど、すなわち突起192の側面が第1基板110と第2基板210との板面に対して垂直、すなわち90度に近いほど、突起192の上に形成された第1電極100と第2電極210との間で横電界が更に効果的に発生する。
【0051】
したがって、本発明の第2実施形態による表示装置902の駆動電圧の減少や光の透過率の向上が可能である。
「実施形態3」
図8を参照して本発明の第3実施形態を説明する。図8は、本発明の第3実施形態による表示装置903の断面図である。
【0052】
図8に示されているように、突起193の高さは、第1基板110と第2基板210との間の平均間隔と実質的に同一に形成される。ここで、第1基板110と第2基板210との間の平均間隔とは、第1基板110と第2基板210との間で実質的に液晶で満たされる空間である。突起193は、第1基板110と第2基板210との間に隔壁形で形成される。また、突起193は、第1基板110に対向する面の面積が第2基板210に対向する面の面積より大きい。また、突起193は台形の断面を含むこともできる。しかし本発明は必ずしもこれに限られない。したがって、突起193は楕円形状や三角形状を含む多角形状などの様々な形状を含むことができる。すなわち、突起193の高さに第1電極181の厚さを合わせた高さは、第1基板110と第2基板210との間に満たされる液晶層300の平均な高さに実質的に一致する。
【0053】
したがって、突起193は、第1電極181と第2電極182との下に配置され第1電極181と第2電極182との間で更に効果的に水平電界が発生できるように寄与するだけではなく、第1基板110と第2基板210との間の間隔を安定的に保持する役割をともに果たすことができる。
この構成により、本発明の第3実施形態による表示装置903の駆動電圧の減少や、光の透過率の向上が可能である。
【0054】
「実施形態4」
図9を参照して本発明の第4実施形態を説明する。図9は、本発明の第4実施形態による表示装置904の断面図である。
図9に示されているように、表示装置904は第1電極181と第2電極182とのうちいずれか一つだけの下に配置された突起191を含む。すなわち、第1電極181と第2電極182とのうちいずれか一つは突起191の上に形成され、他の一つは突起191のなく形成される。図9には第1電極181が突起191の上に形成されたことが示されているが、本発明が必ずしもこれに限られるものではない。したがって、第2電極182が突起191の上に形成されることもできる。
【0055】
また、表示装置904は第1電極181と第2電極182と中で突起191の上に形成されていない電極に対向するよう第2基板210の上に形成された補助電極183を更に含む。図9には第1電極181が突起191の上に形成されていて、補助電極183は第2電極182に対向するように配置される。ここで、補助電極183には第2電極182、すなわち対向の電極と実質的に同一の電圧が印可される。
【0056】
すなわち、第1基板110の上で突起191の上に形成された第1電極181と、第1基板110の上で突起191の上に形成されていない第2電極182と、第2基板210の上で第2電極182に対向するように配置された補助電極183との間に水平電界が形成される。
したがって、本発明の第4実施形態による表示装置904の駆動電圧は減少され、光の透過率の向上が可能である。
【0057】
「実施形態5」
図10を参照して本発明の第5実施形態を説明する。図10は、本発明の第5実施形態による表示装置905の断面図である。
図10に示されているように、表示装置905は第1電極181と第2電極182と中でいずれか一つだけの下に配置された突起191を含む。すなわち、第1電極181と第2電極182とのうちいずれか一つは突起191の上に形成され、他の一つは突起191の上には形成されない。図10では、第1電極181が突起191の上に形成されていることが示されているが、本発明は必ずしもこれに限られはない。したがって、第2電極182が、突起191の上に形成されることもできる。
【0058】
また、表示装置905は、第1電極181と第2電極182と下に絶縁して配置された埋め込み電極184を更に含む。埋め込み電極184は、第1電極181と第2電極182との中でいずれか一つと実質的に同一の電圧が印可される。埋め込み電極184は、第1電極181と第2電極182との間に電界が効果的に形成できるよう寄与する。
これによって、本発明の第5実施形態による表示装置905の駆動電圧の減少や、光の透過率の向上が可能である。
【0059】
前述のように本発明を様々な実施形態で説明したが、本発明の特許請求の範囲の概念と範囲から逸脱しない限り、様々な修正および変形が可能であることは、本発明の属する技術分野に従事する者には明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態による表示装置の配置図である。
【図2】図2は、図1のII-II線による断面図である。
【図3】図3は、図1の表示装置に適用されたブルー相の液晶を安定化させる過程を示す図面である。
【図4】図4は、図1の表示装置に適用されたブルー相の液晶に対する電界の印可の可否によって変化する特性を示す図面である。
【図5】図5は、第1基板と第2基板との間の間隔と光の透過率との関係を示すグラフである。
【図6】図6は、突起の高さによる駆動電圧の分布状態を示すグラフである。
【図7】図7は、本発明の第2実施形態による表示装置の断面図である。
【図8】図8は、本発明の第3実施形態による表示装置の断面図である。
【図9】図9は、本発明の第4実施形態による表示装置の断面図である。
【図10】図10は、本発明の第5実施形態による表示装置の断面図である。
【符号の説明】
【0061】
100:第1表示板
101:第1薄膜トランジスタ
102:第2薄膜トランジスタ
110:第1基板
121:ゲートライン
124:ゲート電極
128:維持電極ライン
130:ゲート絶縁膜
140:半導体層
165:ソース電極
166:ドレイン電極
170:保護膜
175:カラーフィルタ
179:キャッピングレイヤ
181:第1電極
182:第2電極
191:突起
200:第2表示板
210:第2基板
300:液晶層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板と、
前記第1基板に対向して配置されている第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に配置されている液晶層と、
前記第1基板の上に形成されている第1電極と、
前記第1基板の上に形成されている第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極とのうちいずれ一つの電極の下に配置されている突起と、
を含み、
前記液晶層は、電界が印加されていないと等方性の状態であって、電界が印可されると異方性の状態に変化する表示装置。
【請求項2】
前記突起は前記第1基板と前記第2基板との間の平均間隔の1/6以上の高さを有する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1基板と前記第2基板との間隔は4.5ミクロン以上である、請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記突起は1ミクロン〜10ミクロンの幅を有する、請求項2に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第1電極と前記第2電極との間で発生する電界により液晶層の液晶が挙動して、
前記電界は前記第1基板および第2基板とほぼ平行な水平電界である、請求項3に記載の表示装置。
【請求項6】
前記液晶層は架橋されたブルー相の液晶である、請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記液晶層は硬化されたポリマを更に含む、請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第1電極と前記第2電極は其々に1ミクロン〜10ミクロンの幅を有する、請求項2に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第1電極と前記第2電極は其々に3ミクロン〜6ミクロン離れて配置されている、請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第1電極と前記第2電極は其々にスリットパターンを有し、相互に噛合う扇骨の形状に形成されている、請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
前記第1基板の上に形成され、前記第1電極に接続された第1薄膜トランジスタと、
前記第1基板の上に形成され、前記第2電極に接続された第2薄膜トランジスタと、を更に含む、請求項2に記載の表示装置。
【請求項12】
前記第1基板の上に形成された複数のゲートラインを更に含み、
前記第1薄膜トランジスタと前記第2薄膜トランジスタは同一のゲートラインに接続されている、請求項11に記載の表示装置。
【請求項13】
前記第1基板の上に形成された複数のデータラインを更に含み、
前記第1薄膜トランジスタと前記第2薄膜トランジスタは相異なるデータラインに接続されている、請求項11に記載の表示装置。
【請求項14】
前記突起は有機物質で形成されている、請求項2に記載の表示装置。
【請求項15】
前記突起は、前記第1基板及び前記第2基板の主面に垂直な方向に切断した縦断面が半円形状の縦断面と半楕円形状の縦断面とのうち少なくとも一つを含む、請求項2に記載の表示装置。
【請求項16】
前記突起は、前記第1基板及び前記第2基板の主面に垂直な方向に切断した縦断面が三角形状の縦断面と台形の縦断面と多角形状の縦断面とのうち少なくとも一つを含む、請求項2に記載の表示装置。
【請求項17】
前記突起の高さは前記第1基板と前記第2基板との間の間隔と同一であり、
前記突起は前記第1基板と前記第2基板との間に隔壁形状で形成されている、請求項2に記載の表示装置。
【請求項18】
前記突起は前記第1基板に対向する面の面積が前記第2基板に対向する面の面積より大きく、
前記突起は、前記第1基板及び前記第2基板の主面に垂直な方向に切断した縦断面が台形の縦断面を含む、請求項17に記載の表示装置。
【請求項19】
前記第1基板の上に形成された前記第1電極と第2電極とのうちで前記突起が配置されていない電極に向かい合うように、前記第2基板の上に形成された補助電極を更に含む、請求項1に記載の表示装置。
【請求項20】
前記補助電極には前記第1電極と第2電極との中で相互に対向する電極と実質的に同一の電圧が印可されている、請求項19に記載の表示装置。
【請求項21】
前記第1電極と第2電極との下に絶縁して配置されている埋め込み電極を更に含む、請求項1に記載の表示装置。
【請求項22】
前記埋め込み電極は、前記第1電極と第2電極とのうちいずれか一つと同一の電圧が印可されている、請求項21に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−145865(P2009−145865A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−194451(P2008−194451)
【出願日】平成20年7月29日(2008.7.29)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do 442−742(KR)
【Fターム(参考)】