表示装置
【課題】フラットな液晶表示パネルを湾曲することによって形成される円筒型液晶表示装置において、液晶表示パネルの端部の突き合わせ部における段差をなくする。
【解決手段】研磨によって薄くした液晶表示パネルを湾曲させて円筒型の表示装置を形成する。液晶表示パネルの端部どうしが突き合わされる部分には線Lが形成される。線Lにおける段差を小さくするために、カラーフィルタ基板20の端部E2における板厚TC2を、液晶表示パネルの他の端部E1におけるTFT基板10の板厚TT1およびカラーフィルタ基板20の板厚TC1の合計よりも大きくする。
【解決手段】研磨によって薄くした液晶表示パネルを湾曲させて円筒型の表示装置を形成する。液晶表示パネルの端部どうしが突き合わされる部分には線Lが形成される。線Lにおける段差を小さくするために、カラーフィルタ基板20の端部E2における板厚TC2を、液晶表示パネルの他の端部E1におけるTFT基板10の板厚TT1およびカラーフィルタ基板20の板厚TC1の合計よりも大きくする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示装置に係り、特に表示画面が360度全周から見ることが出来る液晶表示装置、あるいは有機EL表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、ディスプレイ装置を薄くできること、重量が大きくならないこと等から、コンピュータ用ディスプレイ、携帯電話用端末等からTV等にいたるまで、需要が拡大している。液晶表示装置はまた、画面が平面であることも特徴の一つとなっている。有機EL表示装置も同様な特徴を有している。
【0003】
液晶表示装置あるいは有機EL表示装置は基板を薄くして湾曲させることによって曲面ディスプレイを実現することが出来る。「特許文献1」には、薄くしたガラスの基板の上にTFT(薄膜トランジスタ)等を有する画素をマトリクス状に形成し、このガラス基板をプラスチック基板に貼り付けることによって機械的強度を確保した曲面ディスプレイが記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開2003−280548号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
液晶表示装置は、本来はフラットディスプレイとして開発されたものであるが、ガラス基板等を薄くすると曲面を持たせることが出来る。展示場、駅等、大勢の人が見る場所では、例えば、円筒のディスプレイとして360度どこからでも視認できるディスプレイが要望されている。
【0006】
このようなディスプレイは完全なフレキシブルなディスプレイである必要はなく、液晶表示パネルを一方向に湾曲できれば良い。液晶表示パネルを構成するガラス基板は研磨によって薄くすると湾曲させることが出来る。この性質を利用して、ガラスを所定の厚さまで薄くすると、円筒のディスプレイとすることが可能である。
【0007】
図12は液晶表示パネル100の断面図である。液晶表示パネルは、薄膜トランジスタ(TFT)や画素電極を含む画素がマトリクス状に形成されたTFT基板10とカラーフィルタが形成されたカラーフィルタ基板20の周辺を封止材によって封止し、内部に液晶を封入して構成される。TFT基板10はカラーフィルタ基板20よりも大きく形成されており、TFT基板10がカラーフィルタ基板20よりも大きく形成された部分にフレキシブル配線基板30が接続されて外部から映像信号、走査信号、電源等が供給される。
【0008】
液晶表示パネル100を構成するTFT基板10とカラーフィルタ基板20はガラスで形成されているが、ガラスの板厚を所定の値よりも小さくすると、ガラスを所定の曲率で湾曲させることが出来る。図12に示すように、研磨によって板厚を薄くした液晶表示パネル100を矢印のように湾曲させて円筒形のディスプレイを形成することが出来る。
【0009】
図13はこのようにして形成した円筒形のディスプレイである。図13(a)は円筒形のディスプレイの模式図である。図12のような平面ディスプレイを円筒形のディスプレイにすると、図13(a)に示すようにカラーフィルタ基板の突き合わせ部を示す線Lが生ずる。突き合わせ部の断面形状を示す、図13(a)のA−A断面が図13(b)である。
【0010】
円筒に湾曲させる前の図12に示す平面ディスプレイはTFT基板10もカラーフィルタ基板20もディスプレイ全体にわたって同じ板厚である。そうすると、このディスプレイを円筒に湾曲させた際の突合せ部の線Lにおいては、その断面には、図13(b)に示すように、段差dが生ずる。このような段差が生ずると、段差部において、視認性を劣化させる。また、ディスプレイの取扱い上も、段部において、ガラス基板が欠けやすい、汚れが付着しやすい等の問題を生ずる。
【0011】
本発明の課題は、このような、円筒型ディスプレイにおいて、図13(a)に示すような接続線Lにおける、図13(b)に示すようなガラス基板の段差が生じない、あるいは段差を軽減することが出来る円筒型ディスプレイを実現することである。本発明の課題を液晶表示装置を例にとって説明したが、有機EL表示装置においても円筒型表示装置を実現しようとすると、同様な課題を有している。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は以上のような課題を解決するものであり、具体的な手段は次のとおりである。
【0013】
(1)画素電極およびTFTが形成されたTFT基板と、カラーフィルタが形成されたカラーフィルタ基板と、前記カラーフィルタ基板と前記TFT基板との間に液晶が挟持され、前記TFT基板には端子部が形成されている液晶表示パネルを、前記カラーフィルタ基板側を外面として湾曲させた円筒型表示面を有する液晶表示装置であって、前記液晶表示パネルの前記端子部側における前記カラーフィルタ基板の板厚は、前記端子部側とは逆側の前記カラーフィルタ基板の板厚と前記端子部側とは逆側の前記TFT基板の板厚の合計と同じがそれよりも大きいことを特徴とする液晶表示装置。
【0014】
(2)前記TFT基板の前記端子部には、フレキシブル配線基板が設置されており、前記液晶表示パネルの前記端子部側における前記カラーフィルタ基板の板厚は、前記端子部側とは逆側の前記カラーフィルタ基板の板厚と前記端子部側とは逆側の前記TFT基板の板厚と前記フレキシブル配線基板の板厚の合計よりも大きいことを特徴とする(1)に記載の液晶表示装置。
【0015】
(3)前記TFT基板の板厚は一定であることを特徴とする(1)に記載の液晶表示装置。
【0016】
(4)前記TFT基板の板厚は、前記端子部側で、前記端子部側とは逆のTFT基板の端部の板厚よりも大きいことを特徴とする(1)に記載の液晶表示装置。
【0017】
(5)前記円筒型表示面の内側にはバックライトが形成されていることを特徴とする(1)に記載の液晶表示装置。
【0018】
(6)画素電極およびTFTが形成されたTFT基板と、カラーフィルタが形成されたカラーフィルタ基板と、前記カラーフィルタ基板と前記TFT基板との間に液晶が挟持され、前記TFT基板には端子部が形成されている液晶表示パネルを、前記カラーフィルタ基板側を外面として湾曲させた円筒型表示面を有する液晶表示装置であって、前記液晶表示パネルの前記端子部側において前記カラーフィルタ基板は第1の端部を有し、前記カラーフィルタ基板は前記第1の端部とは反対側に第2の端部を有し、前記液晶表示パネルを湾曲させて、前記カラーフィルタ基板の前記第1の端部と前記第2の端部の突き合わせ部を形成することによって円筒型表示装置を形成し、前記カラーフィルタ基板の前記第1の端部の板厚は、前記カラーフィルタ基板の前記第2の端部の板厚と前記第2の端部に対応する前記TFT基板の板厚の合計と同じかそれよりも大きく、前記突き合わせ部付近において、前記カラーフィルタ基板を通過する光を前記突き合わせ部に集めるような部材が設置されていることを特徴とする液晶表示装置。
【0019】
(7)前記カラーフィルタ基板を通過する光を前記突き合わせ部に集めるような部材はプリズムシートであることを特徴とする(6)に記載の液晶表示装置。
【0020】
(8)前記プリズムシートのプリズムは前記突合せ部付近にのみ形成され、前記突き合わせ部の反対側の前記円筒面には形成されていないことを特徴とする(7)に記載の液晶表示装置。
【0021】
(9)有機EL素子およびTFTが形成された素子基板と、前記有機EL素子を保護する封止基板とを有し、前記素子基板には端子部が形成された有機EL表示パネルを、前記封止基板側を外面として湾曲させた円筒型表示面を有するトップエミッション型有機EL表示装置であって、前記有機EL表示パネルの前記端子部側における前記封止基板の板厚は、前記端子部側とは逆側における前記封止基板の端部の板厚と前記端子部側とは逆側における前記素子基板の端部の板厚の合計と同じかそれよりも大きいことを特徴とする有機EL表示装置。
【0022】
(10)前記TFT基板の厚さは一定であることを特徴とする(9)に記載の有機EL表示装置。
【0023】
(11)前記TFT基板の板厚は、前記端子部側で、前記端子部側とは逆のTFT基板の端部の板厚よりも大きいことを特徴とする(9)に記載の有機EL表示装置。
【0024】
(12)有機EL素子およびTFTが形成された素子基板と、前記有機EL素子を保護する封止基板とを有し、前記素子基板には端子部が形成された有機EL表示パネルを、前記封止基板側を外面として湾曲させた円筒型表示面を有するトップエミッション型有機EL表示装置であって、前記有機EL表示パネルの前記端子部側において前記封止基板は第1の端部を有し、前記封止基板は前記第1の端部とは反対側に第2の端部を有し、前記有機EL表示パネルを湾曲させて、前記封止基板の前記第1の端部と前記第2の端部の突き合わせ部を形成することによって円筒型表示装置を形成し、前記封止基板の前記第1の端部の板厚は、前記封止基板の前記第2の端部の板厚と前記第2の端部に対応する前記素子基板の板厚の合計と同じかそれよりも大きく、前記突き合わせ部付近において、前記封止基板を通過する光を前記突き合わせ部に集めるような部材が設置されていることを特徴とする有機EL表示装置。
【0025】
(13)前記カラーフィルタ基板を通過する光を前記突き合わせ部に集めるような部材はプリズムシートであることを特徴とする(12)に記載の有機EL表示装置。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、液晶表示パネルを湾曲させ、液晶表示パネルの両端部を突き合わせることによって形成される円筒型表示面を有する液晶表示装置において、前記突き合わせ面における段差を解消、あるいは軽減することが出来るので、スムースな表示画面を有する円筒型液晶表示装置を実現することが出来る。
【0027】
また、本発明の他の面によれば、前記突き合わせ部付近において、カラーフィルタ基板を通過する光を前記突き合わせ部に集める部材を設置するので、前記突き合わせ部における画像の不連続を軽減することが出来る。
【0028】
本発明は有機EL表示装置についても適用することが出来、特に、トップエミッション型の有機EL表示パネルを用いた円筒型表示面を有する有機EL表示装置についても同様な効果を得ることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
実施例にしたがって、本発明の詳細な内容を開示する。
【実施例1】
【0030】
図1は本発明の円筒型ディスプレイを実現するための、湾曲する前の平面ディスプレイの断面図である。図1に示すような平面ディスプレイを矢印の方向に湾曲させて円筒型ディスプレイを製作する。図1において、TFT、画素電極等が形成されたTFT基板10は一定の板厚T1である。この板厚は例えば、90μmである。このようなガラスは規格品としては存在していないので、後で述べるように研磨によって薄くしている。
【0031】
TFT基板10はカラーフィルタが形成されているカラーフィルタ基板20よりも大きく形成され、この部分に端子部12が形成され、外部から走査信号、映像信号、電源等を供給するためのフレキシブル配線基板30が接続される。TFT基板10の端子部12とフレキシブル配線基板30とは、接続部材40、例えば、ASC(Anisotropic Conductive Film)等によって接続されている。
【0032】
TFT基板10とカラーフィルタが形成されているカラーフィルタ基板20の間には液晶が挟持されている。液晶は、TFT基板10およびカラーフィルタ基板20の内側周辺に形成された封止材によって封止されている。液晶層の層厚は数μmなので、図1では液晶層は表示されていない。
【0033】
カラーフィルタ基板20の板厚は、端子部12側の端部E2では板厚TC2のように厚くなっており、逆側の端部E1においては、板厚TC1のように薄くなっている。TC2は例えば、240μm、TC1は例えば、90μmである。端部E1においては、TFT基板10とカラーフィルタ基板20とは同じ板厚となっている。この場合、中央付近における液晶表示パネル100の板厚、すなわち、TFT基板10とカラーフィルタ基板20の板厚の合計TLMは245μmとなっている。
【0034】
カラーフィルタ基板20はこのように、板厚に傾斜を設けているが、これは、楔状のスペーサを用いた機械研磨によって実現することが出来る。この研磨は、カラーフィルタ基板20とTFT基板10を接着後、内部に研磨液が入らないように封止して、カラーフィルタ基板20の外側を研磨する。
【0035】
ガラス基板は、板厚を薄くすると湾曲することが可能となるが、板厚と湾曲できる曲率との間には特定の関係があり、特定の曲率を超えて湾曲させようとすると、ガラスは破壊する。液晶表示パネル100はTFT基板10とカラーフィルタ基板20が接着したものであるから、液晶表示パネル100において、板厚と曲率半径の関係を考慮する場合は、TFT基板10とカラーフィルタ基板20の板厚の合計を考えなければならない。
【0036】
図4(a)は液晶表示パネル100の板厚とガラスを破壊せずに湾曲することが出来る範囲を示す図である。図4(b)は図4(a)のパラメータを示す図である。図4(b)に示すように、液晶表示パネル100はTFTや画素電極が形成されたTFT基板10と、カラーフィルタ等が形成されたカラーフィルタ基板20を有し、TFT基板10とカラーフィルタ基板20の間に液晶層200が挟持されている。そして液晶層200は封止材15によってシールされている。
【0037】
液晶表示パネル100を構成するガラス基板は例えば、0.7mm、あるいは0.5mmというように規格化されている。したがって、より曲率をつけるためにガラス基板を薄くする場合は、液晶表示パネル100を形成後、ガラス基板の外側を研磨して薄くする。研磨は機械研磨または化学研磨が用いられる。あるいは機械研磨と化学研磨が併用される場合もある。この場合、TFT基板10とカラーフィルタ基板20の両方を研磨する。液晶層200の厚さは数μmであり、液晶表示パネル100全体の厚さtを考えれば無視することが出来る。
【0038】
図4において、縦軸は液晶表示パネル100の曲率半径である。この曲率の定義は図4(b)に示すように、液晶表示パネル100内側の曲率半径である。図4(a)における横軸のガラス厚さとは液晶表示パネル100全体の厚さtを表す。すなわち、図4(a)において横軸が0.2mmのときは、TFT基板10とカラーフィルタ基板20の厚さが同じ場合は、TFT基板10またはカラーフィルタ基板20の厚さは0.1mmである。
【0039】
図4(a)における直線Gはガラスの破壊限界線を示す。すなわち、直線Gよりも下であると、ガラス基板が破壊し、この直線より上であればガラス基板が破壊することは無い。曲率半径をRとし、液晶表示パネル100の厚さをtとしたとき、直線GはR=400tの関係になる。すなわち、曲率半径Rが厚さの400倍以下になるとガラス基板が破壊することになる。しかしながら、ガラスにキズ等が存在すれば、直線Gよりわずかに上側でもガラスは破壊する。したがって、実際の製品では直線Gの2倍の裕度を持たせ、R=800tの直線上あるいはそれよりも上側の領域を使用することが望ましい。製品では、ガラス基板と曲率の関係では、図4(a)に示すように、直線Gよりも上側に余裕をもって設定される。
【0040】
本実施例においては、円筒ディスプレイの曲率半径Rは例えば、200mmである。このような曲率半径になるように、ガラスを余裕をもって湾曲することが出来る板厚は0.2mm〜0.3mmである。本実施例においては、液晶表示パネル100の板厚は一定ではない。すなわち、図1におけるE1では薄く、E2では厚い。この場合は、図4(a)における横軸の板厚は、図1の液晶表示パネル100の中点、TLMの厚さを取ればよい。図1におけるTLMの値は、0.245mmであり、図4(a)に示すように、曲率半径Rである200mmは余裕をもって設定することが出来る。このような液晶表示パネル100を湾曲させると、厳密には、場所によって曲率半径が異なることになるが、この曲率変化の違いは人間の目にはほとんどわからない。
【0041】
このようにして形成した液晶表示パネル100を湾曲させて円筒型ディスプレイとしたものを図2に示す。図2(a)は円筒型ディスプレイの外観図であり、図2(b)は図2(a)のA−A断面図である。図2(a)における線Lは、液晶表示パネル100を湾曲して円筒にしたときのつなぎ目、すなわち、カラーフィルタ基板の突合せ部である。
【0042】
図2(b)に示すように、本実施例においては、つなぎ目を示す線Lにおいて、画面はスムースな平面となっている。これは、図1に示すように、カラーフィルタ基板20の板厚に差をもたせ、カラーフィルタ基板20の端子部12付近の端部E2における板厚を、他の端部E1における板厚よりも大きくしているからである。図2(b)において、つなぎ目の部分の構成は次のようになっている。TFT基板10の端子部12にフレキシブル配線基板30が接続部材40を介して接続している。フレキシブル配線基板30を覆って、液晶表示パネル100の他の端部E1がカラーフィルタ基板20の端子側端部E2突き合わされている。
【0043】
カラーフィルタ基板20の端部E2の厚さは0.24mm、液晶表示パネル100の他の端部E1のカラーフィルタ基板20とTFT基板10はそれぞれ0.09mmである。また、TFT基板10の端子部12に接続している接続部材40の厚さおよびフレキシブル配線基板30の厚さは各々0.03mmである。したがって、カラーフィルタ基板20の端部E2の厚さと、液晶表示パネル100の他の端部E1の厚さ、フレキシブル配線基板30の厚さ、接続部材40の厚さの合計は等しい。この場合、接続部材40の厚さを除くと、カラーフィルタ基板20の端部E2の厚さは、液晶表示パネル100の他の端部E1の厚さとフレキシブル配線基板30の厚さの合計よりも厚いことになる。
【0044】
本実施例においては、カラーフィルタ基板20の端部E2の厚さと、液晶表示パネル100の他の端部E1の厚さ、フレキシブル配線基板30の厚さ、接続部材40の厚さの合計は等しいが、実際には厳密に等しくしなくとも良い。重要な点は、カラーフィルタ基板20の端子側端部の板厚TC2を液晶表示パネル100の他の端部E1におけるカラーフィルタ基板20とTFT基板10の板厚の合計よりも大きくすることである。
【0045】
なお、実施例1は液晶表示装置についてであるから、実際にはTFT基板10側に下偏光板11、カラーフィルタ基板20側には上偏光板21が貼り付けられる。したがって、円筒型ディスプレイにおける断面形状は図3に示すような形状となる。図3(a)は図2(a)と同じである。図3(b)において、カラーフィルタ基板20の上には上偏光板21が貼り付けられている。上偏光板21は、カラーフィルタ基板20と同様、図3の線Lにおいて、隙間なく突き合わされている。
【0046】
一方、TFT基板10側には下偏光板11が貼り付けられているが、TFT基板10の端子部12には張り付けられていない。端子部12には表示領域は形成されていないからである。偏光板の板厚は0.13mm程度あり、TFT基板10あるいはカラーフィルタ基板20に貼り付けられると液晶表示パネル100の強度の向上にもなる。この点からは、TFT基板10の端子部12にも偏光板を貼り付ける利点はある。ただし、この場合は、カラーフィルタ基板20の端子部12付近の端部E2の厚さと、液晶表示パネル100の他の端部E1における厚さの差を偏光板の板厚を加えた分だけ大きくする必要がある。
【0047】
このように、偏光板を貼り付ける場合も、本発明の構成は本質的には変わらない。したがって、以後の説明では、説明を単純化するために、偏光板を無視した構成について説明する。しかし、実際の液晶表示パネル100においては偏光板が存在する。
【実施例2】
【0048】
図5は本発明の第2の実施例における液晶表示パネル100の断面図である。図5においても上偏光板21および下偏光板11は省略されている。図5に示す矢印の方向に液晶表示パネル100を湾曲させて円筒型ディスプレイを製作する。実施例1では、TFT基板10は一定の厚さである。しかし、本実施例においては、TFT基板10も端子部12が形成されている端部E2側における板厚TC2を他の端部E1側の板厚TC1よりも大きくしている。
【0049】
TFT基板10の端子部12には、接続部材40が設置されたり、フレキシブル配線基板30が接続されたりする。したがって、端子部12の機械的な強度が小さいと、この部分においてTFT基板10の欠けが生ずる危険が大きくなる。本実施例においては、TFT基板10も端子部12側での板厚を大きくしているので、端子部12の機械的な強度が増し、TFT基板10の欠け不良を防止することが出来る。
【0050】
図5における構造は、例えば、次のとおりである。液晶表示パネル100の他の端部E1におけるTFT基板10の板厚TT1は0.07mm、カラーフィルタ基板20の板厚TC1は0.07mm、液晶表示パネル100の端子側端部E2におけるカラーフィルタ基板20の板厚TC2は0.2mm、TFT基板10の板厚TT2は0.2mmである。このときの、液晶表示パネル100の中点における板厚TLMは0.27mmである。この場合、図2に示すように、液晶表示パネル100は半径200mmで問題なく湾曲させることが出来る。実施例2においても、図5における液晶表示パネル100を湾曲させると、厳密には、各板厚に応じて曲率半径が異なることになるが、この程度の曲率半径の差は人間の目にはほとんど認識することは出来ない。
【0051】
図6は図5における液晶表示パネル100を湾曲させて円筒型ディスプレイを形成した状態を示す。図6(a)は外観図であり、図6(b)は図6(a)のA−A断面図である。図6(a)において、カラーフィルタ基板20は線Lにおいて、隙間なく突き合わされている。
【0052】
図6(b)は図6(a)のA−A断面図である。図6(b)において、カラーフィルタ基板20の端部E2における板厚は0.2mmであり、カラーフィルタ基板20とTFT基板10の端部E1における合計板厚0.14mm、フレキシブル配線基板30の厚さ、0.03mm、接続部材40の厚さ0.03mmの層厚に等しい。すなわち、図6(b)において、カラーフィルタ基板20の表面は図6(a)の線Lにおいてもスムースな面となっている。
【0053】
本実施例においても、カラーフィルタ基板20の端部E2の厚さと、液晶表示パネル100の他の端部の厚さ、フレキシブル配線基板30の厚さ、接続部材40の厚さの合計は等しいが、実際には厳密に等しくしなくとも良い。重要な点は、カラーフィルタ基板20の端子側端部の板厚TC2を液晶表示パネル100の他の端部E1におけるカラーフィルタ基板20とTFT基板10の板厚の合計よりも大きくすることである。
【0054】
本実施例におけるもうひとつの特徴は、端子部12において、TFT基板10の端子部側E2の厚さTT2を他の端部E1における厚さTT1よりも厚くしていることである。TFT基板10の端子部12にはASC等の接続部材40を用いてフレキシブル配線基板30が接続される。このような接続作業は接続部材40を加熱圧着して行うが、TFT基板10の板厚が薄いと、TFT基板10の端子部12が作業によって欠ける場合がある。本実施例においては、TFT基板10の端子部12の板厚は厚くなっているので、このような、ガラス基板の欠けを防止することが出来る。
【実施例3】
【0055】
実施例1および実施例2においては、図1(a)あるいは図6(a)に示すような円筒型ディスプレイのつなぎ目の線Lにおける段差をなくしてスムースな平面とすることが出来る。しかし、このつなぎ目の部分においては、端子部12が形成されているので、この範囲は画像が形成されない領域となる。360度表示のディスプレイにおいては、このような領域を目立たなくすることが望ましい場合もある。
【0056】
図7はこのような課題を対策する、本発明の第3の実施例を示す図である。図7(a)は実施例2における図5に示すような液晶表示パネル100を湾曲させて円筒型ディスプレイとしたものである。図7(a)において、カラーフィルタ基板20は線Lにおいて、隙間なく突き合わされている。図7(a)においては、カラーフィルタ基板20の上に特殊なプリズムシート70が貼り付けられている。
【0057】
図7(b)は図7(a)のA−A断面図である。図7(b)において、端子部12付近におけるカラーフィルタ基板20の板厚、TFT基板10の板厚、フレキシブル配線基板30の板厚、接続部材40の厚さ等は実施例2にける図6(b)と同様である。図6(b)と異なるところは、カラーフィルタ基板20の上に特殊なプリズムシート70が設置されていることである。
【0058】
図7(b)において、領域Bには端子部12が形成されており、本来は画像が形成されない領域である。したがって、円筒型ディスプレイにおいては、この部分は、黒あるいは白のストライプ状となる領域である。本実施例においては、図7(b)に示すような特殊なプリズムシート70を使用して、領域Aあるいは、領域Cから光を領域Bに供給することによって、このような黒あるいは白のストライプを目立たなくするものである。
【0059】
図7(b)において、領域Aにおいては、山がB方向を向く、断面が鋸歯状のプリズムが形成されたプリズムアレイを形成しておく。このような鋸歯状のプリズムシート70は、TFT基板10側から入射する光を領域Bの方向に向ける働きを有する。一方、図7(b)の領域Cにおいても、山がB方向を向く、断面が鋸歯状のプリズムが形成されたプリズムアレイを形成しておく。このような鋸歯状のプリズムシート70は、TFT基板10側から入射する光を領域Bの方向に向ける働きを有する。
【0060】
プリズムシート70のプリズムの形状はA領域、C領域では、領域Bを挟んで対称な鋸歯形状としておく。ただし、A領域においても、C領域においても、プリズムは、画面全周にわたって形成する必要はなく、図7(a)における線L付近のみでよい。図7(a)における線Lから離れた場所にプリズムを形成しても線Lにおける黒あるいは白のストライプパターンを緩和することにはならないからである。
【0061】
図7(b)の領域Bにおけるプリズムシート70の断面は、ほぼ2等辺三角形の形状でよい。A領域あるいはC領域から集められた光を上側に放射させればよいからである。プリズムのピッチは、例えば、50μm程度とすることが出来る。ただし、プリズムシート70のピッチは必要に応じて色々な値をとることが出来る。このようなプリズムシート70はプレスによって形成することが出来る。
【0062】
以上の説明ではプリズムシート70を用いて図7(a)の線L付近における光を線L方向に集める構成について説明したが、これに限らず、例えば、図7(a)の線L付近において、屈折率を除々に変化させることによって光を線L方向に集めることも可能である。
【0063】
以上のように、本実施例によれば、A領域およびC領域からB領域に対してTFT基板10側からの光が供給されるので、B領域に形成される黒あるいは白のストライプを目立たなくすることが出来、自然な画面を有する円筒型ディスプレイを実現することが出来る。
【実施例4】
【0064】
実施例1〜実施例3では、液晶表示装置は透過型、反射型区別なく説明してきた。実施例1〜実施例3の発明は透過型、反射型のいずれの液晶表示装置についても適用することが出来るからである。本実施例はバックライトを有する円筒型液晶表示装置に本発明を適用した場合の構成を与えるものである。
【0065】
図8は本実施例を示す概略図である。本実施例においては、円筒型ディスプレイの中央にバックライトの光源50となる蛍光管が設置されている。蛍光管は冷陰極蛍光管(CCFL)あるいは熱陰極蛍光管(HCFL)のいずれを使用しても良い。本実施例においては、蛍光管の径は比較的大きくすることが出来るので、輝度を大きくすることが出来るHCFLが適している。
【0066】
本実施例における液晶表示パネル100は実施例1〜実施例3で説明したいずれの液晶表示パネル100を使用してもよい。図8(a)において、カラーフィルタ基板20が線Lにおいて、隙間なく突き合わされている。図8(a)におけるA−A断面は、実施例1〜実施例3の場合の図2、図6、図7のいずれの形状をとることもが出来る。
【0067】
図8(b)は図8(a)のディスプレイを上方向から見た概略平面図である。図8(b)において、液晶表示パネル100によって円筒状のディスプレイが形成されている。液晶表示パネル100は線Lにおいて、突き合わせされている。図8(b)において、中央に蛍光管が設置されている。蛍光管は周囲に均等に光を発するので、本実施例においては、蛍光管と円筒状に成形された液晶表示パネル100との間には拡散板60等の光学部品は設置されていない。このように、円筒型の液晶表示装置においては、バックライトは比較的単純な構成とすることが出来る。
【0068】
円筒型ディスプレイにおいて、問題は、端子部12におけるフレキシブル配線基板30の接続方法である。フレキシブル配線基板30を円筒状の液晶表示パネル100の内部に設置すると、蛍光管からの光を遮ってしまう。これを対策するための、本実施例におけるフレキシブル配線基板30の接続例を図9に示す。
【0069】
図9(a)は円筒型液晶表示装置の外観図である。図9において、カラーフィルタ基板20が線Lにおいて隙間なく、突き合わせされている。線L付近のカラーフィルタ基板20の裏側のTFT基板10には端子部12が形成されている。この端子部12に接続部材40を挟んで、幅の狭いフレキシブル配線基板30が接続している。円筒状の表示領域の外側において、フレキシブル配線基板30は幅が広くなっている。
【0070】
図9(b)は図9(a)のA部の拡大図である。カラーフィルタ基板20が突き合わされた付近の端子部12に幅の狭いフレキシブル配線基板30が配線されている様子を点線で示している。図9(b)において、幅の狭いフレキシブル配線基板30がTFT基板10に形成された端子部12を縦方向に延在している。
【0071】
図10は図9(b)のA−A断面図である。図10は図6(b)に示す断面とほぼ同じであるが、フレキシブル配線基板30の幅が端子部12の幅とほぼ同様となっている点が異なる。バックライトからの光を妨げないためである。図10に示すフレキシブル配線基板30は紙面垂直方向に延在している。幅の狭いフレキシブル配線基板30に多くの配線を形成するのは容易ではないが、多層配線を用いれば、可能である。
【実施例5】
【0072】
実施例4における円筒型液晶表示装置のバックライトには蛍光管1本のみが使用されている。蛍光管1本では輝度が十分とれない場合がある。このような場合は、蛍光管を複数使用する必要がある。図11はバックライトの光源50として蛍光管を4本使用した場合である。蛍光管はCCFLでもHCFLでもよい。
【0073】
図11(a)は本実施例における円筒型液晶表示装置の外観図である。図11(a)において、カラーフィルタ基板20が線Lにおいて、隙間なく突き合わされている。図11(a)におけるA−A断面は、実施例1〜実施例3の場合の図2、図6、図7のいずれの形状をとることもが出来る。
【0074】
図11(a)において、バックライトの光源50として蛍光管が4本使用されている。このように蛍光管が複数使用されると、周囲への輝度分布は均一とならず、画面には輝度むらが生ずる。本実施例においては、輝度ムラの問題を解決するために、円筒状の液晶表示パネル100の内側に円筒状の拡散板60を設置している。
【0075】
図11(b)は図11(a)のディスプレイを上方向から見た概略平面図である。図11(b)において、液晶表示パネル100によって円筒状のディスプレイが形成されている。液晶表示パネル100は線Lにおいて、突き合わせされている。図11(b)において、円筒の中心を挟んで蛍光管が4本配置されている。蛍光管と円筒状の液晶表示パネル100の間に何も存在していないと、蛍光管の直下が明るくなって画面に輝度ムラが生ずる。これを回避するために、本実施例においては、円筒状の液晶表示パネル100の内側に円筒状の拡散板60を設置している。
【0076】
拡散板60はポリカーボネート、あるいは、アクリル等の樹脂で形成される。拡散板60としての効果を上げるためには、拡散板60の板厚をある程度厚くしておく必要がある。本実施例では2mmである。拡散板60は樹脂で形成されているので、板厚が比較的大きくても湾曲させることは可能である。また、樹脂であるから、プレスによってあらかじめ曲面を形成しておくことも出来る。
【0077】
このようにして形成された拡散板60を円筒に湾曲させて特定の場所で突き合わせる。図11(b)においては、拡散板60の突き合わせの場所は、円筒状の液晶表示パネル100の突き合わせの場所と一致させているが、拡散板60の突き合わせの場所はこれに限る必要は無い。拡散板60は、光を拡散するだけの役割を持つので、拡散板60の突き合わせの場所が画質に対して重大な影響を与えることは無い。
【0078】
なお、拡散板60の拡散効果が十分で無い場合は、拡散シートを併用することが出来る。拡散シートは厚さが約50μm程度のアクリルのシートであって、表面に細かな凹凸が形成されていいて、この凹凸が光を拡散する。拡散シートは厚さが50μmと薄いために、拡散板60あるいは液晶表示パネル100に沿って湾曲させることが出来る。拡散シートは、液晶表示パネル100を拡散板60の間に設置する場合が多い。また、拡散シートは必要に応じて複数使用することが出来る。
【0079】
以上の説明では、ディスプレイは液晶表示装置であるとして説明してきた。しかし、実施例1〜実施例3の構成は液晶表示装置に限らず、有機EL表示装置にも適用することが出来る。有機EL表示装置は走査線、映像信号線、電源線、TFT、有機EL素子等が形成された素子基板に対し、有機EL素子を水分等から保護するための封止基板を周辺に形成する封止材によって接着している。
【0080】
有機EL表示装置は、素子基板側から画像を形成する光を取り出すボトムエミッション方式と、封止基板側から画像を形成する光を取り出すトップエミッション方式とがある。トップエミッション方式は、駆動TFTの上にも有機EL層を形成することが出来るので、輝度の点からは有利である。
【0081】
特に、トップエミッション方式の有機EL表示装置によって円筒型のディスプレイを製作する場合は、実施例1における図1あるいは図5のような形状とすることが出来る。すなわち、図1および図5におけるTFT基板10を有機EL表示装置における素子基板とし、図1および図5におけるカラーフィルタ基板20を有機EL表示装置における封止基板とすれば、実施例1および実施例2で説明した構成を有機EL表示装置にも適用することが出来る。また、実施例3におけるプリズムシート70も有機EL表示装置においては、封止基板の上に貼り付けることによって同様な効果を得ることが出来る。
【0082】
以上はTFT基板あるいは素子基板、カラーフィルタ基板あるいは封止基板をガラスによって製造する場合を説明した。TFT等は現時点ではガラス基板以外の基板に製作することが困難ではあるが、将来、これらの素子を透明プラスチック基板に形成することが可能となれば、本発明をプラスチック基板を用いた液晶表示装置あるいは有機EL表示装置に適用することが出来ることはいうまでも無い。
【0083】
以上説明したように、本発明を用いることによってスムースな画面を有する円筒型ディスプレイを液晶表示装置あるいは有機EL表示装置を用いて実現することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】実施例1の液晶表示パネルの断面図である。
【図2】実施例1の液晶表示装置の外観図と断面図である。
【図3】実施例1の液晶表示装置の他の外観図と断面図である。
【図4】ガラスの曲率と厚さの関係を示すグラフである。
【図5】実施例2の液晶表示パネルの断面図である。
【図6】実施例2の液晶表示装置の外観図と断面図である。
【図7】実施例3の液晶表示装置の外観図と断面図である。
【図8】実施例4の液晶表示装置の外観図と平面図である。
【図9】実施例4の液晶表示装置の他の外観図である。
【図10】実施例4の液晶表示装置の一部断面図である。
【図11】実施例5の液晶表示装置の外観図と平面図である。
【図12】比較例の液晶表示パネルの断面図である。
【図13】比較例の液晶表示装置の外観図と断面図である。
【符号の説明】
【0085】
10…TFT基板、11…下偏光板、12…端子部、 15…封止材、 20…カラーフィルタ基板、 21…上偏光板、 30…フレキシブル配線基板、 40…接続部材、 50…光源、 60…拡散板、 70…プリズムシート、 100…液晶表示パネル、 200…液晶層。
【技術分野】
【0001】
本発明は表示装置に係り、特に表示画面が360度全周から見ることが出来る液晶表示装置、あるいは有機EL表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、ディスプレイ装置を薄くできること、重量が大きくならないこと等から、コンピュータ用ディスプレイ、携帯電話用端末等からTV等にいたるまで、需要が拡大している。液晶表示装置はまた、画面が平面であることも特徴の一つとなっている。有機EL表示装置も同様な特徴を有している。
【0003】
液晶表示装置あるいは有機EL表示装置は基板を薄くして湾曲させることによって曲面ディスプレイを実現することが出来る。「特許文献1」には、薄くしたガラスの基板の上にTFT(薄膜トランジスタ)等を有する画素をマトリクス状に形成し、このガラス基板をプラスチック基板に貼り付けることによって機械的強度を確保した曲面ディスプレイが記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開2003−280548号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
液晶表示装置は、本来はフラットディスプレイとして開発されたものであるが、ガラス基板等を薄くすると曲面を持たせることが出来る。展示場、駅等、大勢の人が見る場所では、例えば、円筒のディスプレイとして360度どこからでも視認できるディスプレイが要望されている。
【0006】
このようなディスプレイは完全なフレキシブルなディスプレイである必要はなく、液晶表示パネルを一方向に湾曲できれば良い。液晶表示パネルを構成するガラス基板は研磨によって薄くすると湾曲させることが出来る。この性質を利用して、ガラスを所定の厚さまで薄くすると、円筒のディスプレイとすることが可能である。
【0007】
図12は液晶表示パネル100の断面図である。液晶表示パネルは、薄膜トランジスタ(TFT)や画素電極を含む画素がマトリクス状に形成されたTFT基板10とカラーフィルタが形成されたカラーフィルタ基板20の周辺を封止材によって封止し、内部に液晶を封入して構成される。TFT基板10はカラーフィルタ基板20よりも大きく形成されており、TFT基板10がカラーフィルタ基板20よりも大きく形成された部分にフレキシブル配線基板30が接続されて外部から映像信号、走査信号、電源等が供給される。
【0008】
液晶表示パネル100を構成するTFT基板10とカラーフィルタ基板20はガラスで形成されているが、ガラスの板厚を所定の値よりも小さくすると、ガラスを所定の曲率で湾曲させることが出来る。図12に示すように、研磨によって板厚を薄くした液晶表示パネル100を矢印のように湾曲させて円筒形のディスプレイを形成することが出来る。
【0009】
図13はこのようにして形成した円筒形のディスプレイである。図13(a)は円筒形のディスプレイの模式図である。図12のような平面ディスプレイを円筒形のディスプレイにすると、図13(a)に示すようにカラーフィルタ基板の突き合わせ部を示す線Lが生ずる。突き合わせ部の断面形状を示す、図13(a)のA−A断面が図13(b)である。
【0010】
円筒に湾曲させる前の図12に示す平面ディスプレイはTFT基板10もカラーフィルタ基板20もディスプレイ全体にわたって同じ板厚である。そうすると、このディスプレイを円筒に湾曲させた際の突合せ部の線Lにおいては、その断面には、図13(b)に示すように、段差dが生ずる。このような段差が生ずると、段差部において、視認性を劣化させる。また、ディスプレイの取扱い上も、段部において、ガラス基板が欠けやすい、汚れが付着しやすい等の問題を生ずる。
【0011】
本発明の課題は、このような、円筒型ディスプレイにおいて、図13(a)に示すような接続線Lにおける、図13(b)に示すようなガラス基板の段差が生じない、あるいは段差を軽減することが出来る円筒型ディスプレイを実現することである。本発明の課題を液晶表示装置を例にとって説明したが、有機EL表示装置においても円筒型表示装置を実現しようとすると、同様な課題を有している。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は以上のような課題を解決するものであり、具体的な手段は次のとおりである。
【0013】
(1)画素電極およびTFTが形成されたTFT基板と、カラーフィルタが形成されたカラーフィルタ基板と、前記カラーフィルタ基板と前記TFT基板との間に液晶が挟持され、前記TFT基板には端子部が形成されている液晶表示パネルを、前記カラーフィルタ基板側を外面として湾曲させた円筒型表示面を有する液晶表示装置であって、前記液晶表示パネルの前記端子部側における前記カラーフィルタ基板の板厚は、前記端子部側とは逆側の前記カラーフィルタ基板の板厚と前記端子部側とは逆側の前記TFT基板の板厚の合計と同じがそれよりも大きいことを特徴とする液晶表示装置。
【0014】
(2)前記TFT基板の前記端子部には、フレキシブル配線基板が設置されており、前記液晶表示パネルの前記端子部側における前記カラーフィルタ基板の板厚は、前記端子部側とは逆側の前記カラーフィルタ基板の板厚と前記端子部側とは逆側の前記TFT基板の板厚と前記フレキシブル配線基板の板厚の合計よりも大きいことを特徴とする(1)に記載の液晶表示装置。
【0015】
(3)前記TFT基板の板厚は一定であることを特徴とする(1)に記載の液晶表示装置。
【0016】
(4)前記TFT基板の板厚は、前記端子部側で、前記端子部側とは逆のTFT基板の端部の板厚よりも大きいことを特徴とする(1)に記載の液晶表示装置。
【0017】
(5)前記円筒型表示面の内側にはバックライトが形成されていることを特徴とする(1)に記載の液晶表示装置。
【0018】
(6)画素電極およびTFTが形成されたTFT基板と、カラーフィルタが形成されたカラーフィルタ基板と、前記カラーフィルタ基板と前記TFT基板との間に液晶が挟持され、前記TFT基板には端子部が形成されている液晶表示パネルを、前記カラーフィルタ基板側を外面として湾曲させた円筒型表示面を有する液晶表示装置であって、前記液晶表示パネルの前記端子部側において前記カラーフィルタ基板は第1の端部を有し、前記カラーフィルタ基板は前記第1の端部とは反対側に第2の端部を有し、前記液晶表示パネルを湾曲させて、前記カラーフィルタ基板の前記第1の端部と前記第2の端部の突き合わせ部を形成することによって円筒型表示装置を形成し、前記カラーフィルタ基板の前記第1の端部の板厚は、前記カラーフィルタ基板の前記第2の端部の板厚と前記第2の端部に対応する前記TFT基板の板厚の合計と同じかそれよりも大きく、前記突き合わせ部付近において、前記カラーフィルタ基板を通過する光を前記突き合わせ部に集めるような部材が設置されていることを特徴とする液晶表示装置。
【0019】
(7)前記カラーフィルタ基板を通過する光を前記突き合わせ部に集めるような部材はプリズムシートであることを特徴とする(6)に記載の液晶表示装置。
【0020】
(8)前記プリズムシートのプリズムは前記突合せ部付近にのみ形成され、前記突き合わせ部の反対側の前記円筒面には形成されていないことを特徴とする(7)に記載の液晶表示装置。
【0021】
(9)有機EL素子およびTFTが形成された素子基板と、前記有機EL素子を保護する封止基板とを有し、前記素子基板には端子部が形成された有機EL表示パネルを、前記封止基板側を外面として湾曲させた円筒型表示面を有するトップエミッション型有機EL表示装置であって、前記有機EL表示パネルの前記端子部側における前記封止基板の板厚は、前記端子部側とは逆側における前記封止基板の端部の板厚と前記端子部側とは逆側における前記素子基板の端部の板厚の合計と同じかそれよりも大きいことを特徴とする有機EL表示装置。
【0022】
(10)前記TFT基板の厚さは一定であることを特徴とする(9)に記載の有機EL表示装置。
【0023】
(11)前記TFT基板の板厚は、前記端子部側で、前記端子部側とは逆のTFT基板の端部の板厚よりも大きいことを特徴とする(9)に記載の有機EL表示装置。
【0024】
(12)有機EL素子およびTFTが形成された素子基板と、前記有機EL素子を保護する封止基板とを有し、前記素子基板には端子部が形成された有機EL表示パネルを、前記封止基板側を外面として湾曲させた円筒型表示面を有するトップエミッション型有機EL表示装置であって、前記有機EL表示パネルの前記端子部側において前記封止基板は第1の端部を有し、前記封止基板は前記第1の端部とは反対側に第2の端部を有し、前記有機EL表示パネルを湾曲させて、前記封止基板の前記第1の端部と前記第2の端部の突き合わせ部を形成することによって円筒型表示装置を形成し、前記封止基板の前記第1の端部の板厚は、前記封止基板の前記第2の端部の板厚と前記第2の端部に対応する前記素子基板の板厚の合計と同じかそれよりも大きく、前記突き合わせ部付近において、前記封止基板を通過する光を前記突き合わせ部に集めるような部材が設置されていることを特徴とする有機EL表示装置。
【0025】
(13)前記カラーフィルタ基板を通過する光を前記突き合わせ部に集めるような部材はプリズムシートであることを特徴とする(12)に記載の有機EL表示装置。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、液晶表示パネルを湾曲させ、液晶表示パネルの両端部を突き合わせることによって形成される円筒型表示面を有する液晶表示装置において、前記突き合わせ面における段差を解消、あるいは軽減することが出来るので、スムースな表示画面を有する円筒型液晶表示装置を実現することが出来る。
【0027】
また、本発明の他の面によれば、前記突き合わせ部付近において、カラーフィルタ基板を通過する光を前記突き合わせ部に集める部材を設置するので、前記突き合わせ部における画像の不連続を軽減することが出来る。
【0028】
本発明は有機EL表示装置についても適用することが出来、特に、トップエミッション型の有機EL表示パネルを用いた円筒型表示面を有する有機EL表示装置についても同様な効果を得ることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
実施例にしたがって、本発明の詳細な内容を開示する。
【実施例1】
【0030】
図1は本発明の円筒型ディスプレイを実現するための、湾曲する前の平面ディスプレイの断面図である。図1に示すような平面ディスプレイを矢印の方向に湾曲させて円筒型ディスプレイを製作する。図1において、TFT、画素電極等が形成されたTFT基板10は一定の板厚T1である。この板厚は例えば、90μmである。このようなガラスは規格品としては存在していないので、後で述べるように研磨によって薄くしている。
【0031】
TFT基板10はカラーフィルタが形成されているカラーフィルタ基板20よりも大きく形成され、この部分に端子部12が形成され、外部から走査信号、映像信号、電源等を供給するためのフレキシブル配線基板30が接続される。TFT基板10の端子部12とフレキシブル配線基板30とは、接続部材40、例えば、ASC(Anisotropic Conductive Film)等によって接続されている。
【0032】
TFT基板10とカラーフィルタが形成されているカラーフィルタ基板20の間には液晶が挟持されている。液晶は、TFT基板10およびカラーフィルタ基板20の内側周辺に形成された封止材によって封止されている。液晶層の層厚は数μmなので、図1では液晶層は表示されていない。
【0033】
カラーフィルタ基板20の板厚は、端子部12側の端部E2では板厚TC2のように厚くなっており、逆側の端部E1においては、板厚TC1のように薄くなっている。TC2は例えば、240μm、TC1は例えば、90μmである。端部E1においては、TFT基板10とカラーフィルタ基板20とは同じ板厚となっている。この場合、中央付近における液晶表示パネル100の板厚、すなわち、TFT基板10とカラーフィルタ基板20の板厚の合計TLMは245μmとなっている。
【0034】
カラーフィルタ基板20はこのように、板厚に傾斜を設けているが、これは、楔状のスペーサを用いた機械研磨によって実現することが出来る。この研磨は、カラーフィルタ基板20とTFT基板10を接着後、内部に研磨液が入らないように封止して、カラーフィルタ基板20の外側を研磨する。
【0035】
ガラス基板は、板厚を薄くすると湾曲することが可能となるが、板厚と湾曲できる曲率との間には特定の関係があり、特定の曲率を超えて湾曲させようとすると、ガラスは破壊する。液晶表示パネル100はTFT基板10とカラーフィルタ基板20が接着したものであるから、液晶表示パネル100において、板厚と曲率半径の関係を考慮する場合は、TFT基板10とカラーフィルタ基板20の板厚の合計を考えなければならない。
【0036】
図4(a)は液晶表示パネル100の板厚とガラスを破壊せずに湾曲することが出来る範囲を示す図である。図4(b)は図4(a)のパラメータを示す図である。図4(b)に示すように、液晶表示パネル100はTFTや画素電極が形成されたTFT基板10と、カラーフィルタ等が形成されたカラーフィルタ基板20を有し、TFT基板10とカラーフィルタ基板20の間に液晶層200が挟持されている。そして液晶層200は封止材15によってシールされている。
【0037】
液晶表示パネル100を構成するガラス基板は例えば、0.7mm、あるいは0.5mmというように規格化されている。したがって、より曲率をつけるためにガラス基板を薄くする場合は、液晶表示パネル100を形成後、ガラス基板の外側を研磨して薄くする。研磨は機械研磨または化学研磨が用いられる。あるいは機械研磨と化学研磨が併用される場合もある。この場合、TFT基板10とカラーフィルタ基板20の両方を研磨する。液晶層200の厚さは数μmであり、液晶表示パネル100全体の厚さtを考えれば無視することが出来る。
【0038】
図4において、縦軸は液晶表示パネル100の曲率半径である。この曲率の定義は図4(b)に示すように、液晶表示パネル100内側の曲率半径である。図4(a)における横軸のガラス厚さとは液晶表示パネル100全体の厚さtを表す。すなわち、図4(a)において横軸が0.2mmのときは、TFT基板10とカラーフィルタ基板20の厚さが同じ場合は、TFT基板10またはカラーフィルタ基板20の厚さは0.1mmである。
【0039】
図4(a)における直線Gはガラスの破壊限界線を示す。すなわち、直線Gよりも下であると、ガラス基板が破壊し、この直線より上であればガラス基板が破壊することは無い。曲率半径をRとし、液晶表示パネル100の厚さをtとしたとき、直線GはR=400tの関係になる。すなわち、曲率半径Rが厚さの400倍以下になるとガラス基板が破壊することになる。しかしながら、ガラスにキズ等が存在すれば、直線Gよりわずかに上側でもガラスは破壊する。したがって、実際の製品では直線Gの2倍の裕度を持たせ、R=800tの直線上あるいはそれよりも上側の領域を使用することが望ましい。製品では、ガラス基板と曲率の関係では、図4(a)に示すように、直線Gよりも上側に余裕をもって設定される。
【0040】
本実施例においては、円筒ディスプレイの曲率半径Rは例えば、200mmである。このような曲率半径になるように、ガラスを余裕をもって湾曲することが出来る板厚は0.2mm〜0.3mmである。本実施例においては、液晶表示パネル100の板厚は一定ではない。すなわち、図1におけるE1では薄く、E2では厚い。この場合は、図4(a)における横軸の板厚は、図1の液晶表示パネル100の中点、TLMの厚さを取ればよい。図1におけるTLMの値は、0.245mmであり、図4(a)に示すように、曲率半径Rである200mmは余裕をもって設定することが出来る。このような液晶表示パネル100を湾曲させると、厳密には、場所によって曲率半径が異なることになるが、この曲率変化の違いは人間の目にはほとんどわからない。
【0041】
このようにして形成した液晶表示パネル100を湾曲させて円筒型ディスプレイとしたものを図2に示す。図2(a)は円筒型ディスプレイの外観図であり、図2(b)は図2(a)のA−A断面図である。図2(a)における線Lは、液晶表示パネル100を湾曲して円筒にしたときのつなぎ目、すなわち、カラーフィルタ基板の突合せ部である。
【0042】
図2(b)に示すように、本実施例においては、つなぎ目を示す線Lにおいて、画面はスムースな平面となっている。これは、図1に示すように、カラーフィルタ基板20の板厚に差をもたせ、カラーフィルタ基板20の端子部12付近の端部E2における板厚を、他の端部E1における板厚よりも大きくしているからである。図2(b)において、つなぎ目の部分の構成は次のようになっている。TFT基板10の端子部12にフレキシブル配線基板30が接続部材40を介して接続している。フレキシブル配線基板30を覆って、液晶表示パネル100の他の端部E1がカラーフィルタ基板20の端子側端部E2突き合わされている。
【0043】
カラーフィルタ基板20の端部E2の厚さは0.24mm、液晶表示パネル100の他の端部E1のカラーフィルタ基板20とTFT基板10はそれぞれ0.09mmである。また、TFT基板10の端子部12に接続している接続部材40の厚さおよびフレキシブル配線基板30の厚さは各々0.03mmである。したがって、カラーフィルタ基板20の端部E2の厚さと、液晶表示パネル100の他の端部E1の厚さ、フレキシブル配線基板30の厚さ、接続部材40の厚さの合計は等しい。この場合、接続部材40の厚さを除くと、カラーフィルタ基板20の端部E2の厚さは、液晶表示パネル100の他の端部E1の厚さとフレキシブル配線基板30の厚さの合計よりも厚いことになる。
【0044】
本実施例においては、カラーフィルタ基板20の端部E2の厚さと、液晶表示パネル100の他の端部E1の厚さ、フレキシブル配線基板30の厚さ、接続部材40の厚さの合計は等しいが、実際には厳密に等しくしなくとも良い。重要な点は、カラーフィルタ基板20の端子側端部の板厚TC2を液晶表示パネル100の他の端部E1におけるカラーフィルタ基板20とTFT基板10の板厚の合計よりも大きくすることである。
【0045】
なお、実施例1は液晶表示装置についてであるから、実際にはTFT基板10側に下偏光板11、カラーフィルタ基板20側には上偏光板21が貼り付けられる。したがって、円筒型ディスプレイにおける断面形状は図3に示すような形状となる。図3(a)は図2(a)と同じである。図3(b)において、カラーフィルタ基板20の上には上偏光板21が貼り付けられている。上偏光板21は、カラーフィルタ基板20と同様、図3の線Lにおいて、隙間なく突き合わされている。
【0046】
一方、TFT基板10側には下偏光板11が貼り付けられているが、TFT基板10の端子部12には張り付けられていない。端子部12には表示領域は形成されていないからである。偏光板の板厚は0.13mm程度あり、TFT基板10あるいはカラーフィルタ基板20に貼り付けられると液晶表示パネル100の強度の向上にもなる。この点からは、TFT基板10の端子部12にも偏光板を貼り付ける利点はある。ただし、この場合は、カラーフィルタ基板20の端子部12付近の端部E2の厚さと、液晶表示パネル100の他の端部E1における厚さの差を偏光板の板厚を加えた分だけ大きくする必要がある。
【0047】
このように、偏光板を貼り付ける場合も、本発明の構成は本質的には変わらない。したがって、以後の説明では、説明を単純化するために、偏光板を無視した構成について説明する。しかし、実際の液晶表示パネル100においては偏光板が存在する。
【実施例2】
【0048】
図5は本発明の第2の実施例における液晶表示パネル100の断面図である。図5においても上偏光板21および下偏光板11は省略されている。図5に示す矢印の方向に液晶表示パネル100を湾曲させて円筒型ディスプレイを製作する。実施例1では、TFT基板10は一定の厚さである。しかし、本実施例においては、TFT基板10も端子部12が形成されている端部E2側における板厚TC2を他の端部E1側の板厚TC1よりも大きくしている。
【0049】
TFT基板10の端子部12には、接続部材40が設置されたり、フレキシブル配線基板30が接続されたりする。したがって、端子部12の機械的な強度が小さいと、この部分においてTFT基板10の欠けが生ずる危険が大きくなる。本実施例においては、TFT基板10も端子部12側での板厚を大きくしているので、端子部12の機械的な強度が増し、TFT基板10の欠け不良を防止することが出来る。
【0050】
図5における構造は、例えば、次のとおりである。液晶表示パネル100の他の端部E1におけるTFT基板10の板厚TT1は0.07mm、カラーフィルタ基板20の板厚TC1は0.07mm、液晶表示パネル100の端子側端部E2におけるカラーフィルタ基板20の板厚TC2は0.2mm、TFT基板10の板厚TT2は0.2mmである。このときの、液晶表示パネル100の中点における板厚TLMは0.27mmである。この場合、図2に示すように、液晶表示パネル100は半径200mmで問題なく湾曲させることが出来る。実施例2においても、図5における液晶表示パネル100を湾曲させると、厳密には、各板厚に応じて曲率半径が異なることになるが、この程度の曲率半径の差は人間の目にはほとんど認識することは出来ない。
【0051】
図6は図5における液晶表示パネル100を湾曲させて円筒型ディスプレイを形成した状態を示す。図6(a)は外観図であり、図6(b)は図6(a)のA−A断面図である。図6(a)において、カラーフィルタ基板20は線Lにおいて、隙間なく突き合わされている。
【0052】
図6(b)は図6(a)のA−A断面図である。図6(b)において、カラーフィルタ基板20の端部E2における板厚は0.2mmであり、カラーフィルタ基板20とTFT基板10の端部E1における合計板厚0.14mm、フレキシブル配線基板30の厚さ、0.03mm、接続部材40の厚さ0.03mmの層厚に等しい。すなわち、図6(b)において、カラーフィルタ基板20の表面は図6(a)の線Lにおいてもスムースな面となっている。
【0053】
本実施例においても、カラーフィルタ基板20の端部E2の厚さと、液晶表示パネル100の他の端部の厚さ、フレキシブル配線基板30の厚さ、接続部材40の厚さの合計は等しいが、実際には厳密に等しくしなくとも良い。重要な点は、カラーフィルタ基板20の端子側端部の板厚TC2を液晶表示パネル100の他の端部E1におけるカラーフィルタ基板20とTFT基板10の板厚の合計よりも大きくすることである。
【0054】
本実施例におけるもうひとつの特徴は、端子部12において、TFT基板10の端子部側E2の厚さTT2を他の端部E1における厚さTT1よりも厚くしていることである。TFT基板10の端子部12にはASC等の接続部材40を用いてフレキシブル配線基板30が接続される。このような接続作業は接続部材40を加熱圧着して行うが、TFT基板10の板厚が薄いと、TFT基板10の端子部12が作業によって欠ける場合がある。本実施例においては、TFT基板10の端子部12の板厚は厚くなっているので、このような、ガラス基板の欠けを防止することが出来る。
【実施例3】
【0055】
実施例1および実施例2においては、図1(a)あるいは図6(a)に示すような円筒型ディスプレイのつなぎ目の線Lにおける段差をなくしてスムースな平面とすることが出来る。しかし、このつなぎ目の部分においては、端子部12が形成されているので、この範囲は画像が形成されない領域となる。360度表示のディスプレイにおいては、このような領域を目立たなくすることが望ましい場合もある。
【0056】
図7はこのような課題を対策する、本発明の第3の実施例を示す図である。図7(a)は実施例2における図5に示すような液晶表示パネル100を湾曲させて円筒型ディスプレイとしたものである。図7(a)において、カラーフィルタ基板20は線Lにおいて、隙間なく突き合わされている。図7(a)においては、カラーフィルタ基板20の上に特殊なプリズムシート70が貼り付けられている。
【0057】
図7(b)は図7(a)のA−A断面図である。図7(b)において、端子部12付近におけるカラーフィルタ基板20の板厚、TFT基板10の板厚、フレキシブル配線基板30の板厚、接続部材40の厚さ等は実施例2にける図6(b)と同様である。図6(b)と異なるところは、カラーフィルタ基板20の上に特殊なプリズムシート70が設置されていることである。
【0058】
図7(b)において、領域Bには端子部12が形成されており、本来は画像が形成されない領域である。したがって、円筒型ディスプレイにおいては、この部分は、黒あるいは白のストライプ状となる領域である。本実施例においては、図7(b)に示すような特殊なプリズムシート70を使用して、領域Aあるいは、領域Cから光を領域Bに供給することによって、このような黒あるいは白のストライプを目立たなくするものである。
【0059】
図7(b)において、領域Aにおいては、山がB方向を向く、断面が鋸歯状のプリズムが形成されたプリズムアレイを形成しておく。このような鋸歯状のプリズムシート70は、TFT基板10側から入射する光を領域Bの方向に向ける働きを有する。一方、図7(b)の領域Cにおいても、山がB方向を向く、断面が鋸歯状のプリズムが形成されたプリズムアレイを形成しておく。このような鋸歯状のプリズムシート70は、TFT基板10側から入射する光を領域Bの方向に向ける働きを有する。
【0060】
プリズムシート70のプリズムの形状はA領域、C領域では、領域Bを挟んで対称な鋸歯形状としておく。ただし、A領域においても、C領域においても、プリズムは、画面全周にわたって形成する必要はなく、図7(a)における線L付近のみでよい。図7(a)における線Lから離れた場所にプリズムを形成しても線Lにおける黒あるいは白のストライプパターンを緩和することにはならないからである。
【0061】
図7(b)の領域Bにおけるプリズムシート70の断面は、ほぼ2等辺三角形の形状でよい。A領域あるいはC領域から集められた光を上側に放射させればよいからである。プリズムのピッチは、例えば、50μm程度とすることが出来る。ただし、プリズムシート70のピッチは必要に応じて色々な値をとることが出来る。このようなプリズムシート70はプレスによって形成することが出来る。
【0062】
以上の説明ではプリズムシート70を用いて図7(a)の線L付近における光を線L方向に集める構成について説明したが、これに限らず、例えば、図7(a)の線L付近において、屈折率を除々に変化させることによって光を線L方向に集めることも可能である。
【0063】
以上のように、本実施例によれば、A領域およびC領域からB領域に対してTFT基板10側からの光が供給されるので、B領域に形成される黒あるいは白のストライプを目立たなくすることが出来、自然な画面を有する円筒型ディスプレイを実現することが出来る。
【実施例4】
【0064】
実施例1〜実施例3では、液晶表示装置は透過型、反射型区別なく説明してきた。実施例1〜実施例3の発明は透過型、反射型のいずれの液晶表示装置についても適用することが出来るからである。本実施例はバックライトを有する円筒型液晶表示装置に本発明を適用した場合の構成を与えるものである。
【0065】
図8は本実施例を示す概略図である。本実施例においては、円筒型ディスプレイの中央にバックライトの光源50となる蛍光管が設置されている。蛍光管は冷陰極蛍光管(CCFL)あるいは熱陰極蛍光管(HCFL)のいずれを使用しても良い。本実施例においては、蛍光管の径は比較的大きくすることが出来るので、輝度を大きくすることが出来るHCFLが適している。
【0066】
本実施例における液晶表示パネル100は実施例1〜実施例3で説明したいずれの液晶表示パネル100を使用してもよい。図8(a)において、カラーフィルタ基板20が線Lにおいて、隙間なく突き合わされている。図8(a)におけるA−A断面は、実施例1〜実施例3の場合の図2、図6、図7のいずれの形状をとることもが出来る。
【0067】
図8(b)は図8(a)のディスプレイを上方向から見た概略平面図である。図8(b)において、液晶表示パネル100によって円筒状のディスプレイが形成されている。液晶表示パネル100は線Lにおいて、突き合わせされている。図8(b)において、中央に蛍光管が設置されている。蛍光管は周囲に均等に光を発するので、本実施例においては、蛍光管と円筒状に成形された液晶表示パネル100との間には拡散板60等の光学部品は設置されていない。このように、円筒型の液晶表示装置においては、バックライトは比較的単純な構成とすることが出来る。
【0068】
円筒型ディスプレイにおいて、問題は、端子部12におけるフレキシブル配線基板30の接続方法である。フレキシブル配線基板30を円筒状の液晶表示パネル100の内部に設置すると、蛍光管からの光を遮ってしまう。これを対策するための、本実施例におけるフレキシブル配線基板30の接続例を図9に示す。
【0069】
図9(a)は円筒型液晶表示装置の外観図である。図9において、カラーフィルタ基板20が線Lにおいて隙間なく、突き合わせされている。線L付近のカラーフィルタ基板20の裏側のTFT基板10には端子部12が形成されている。この端子部12に接続部材40を挟んで、幅の狭いフレキシブル配線基板30が接続している。円筒状の表示領域の外側において、フレキシブル配線基板30は幅が広くなっている。
【0070】
図9(b)は図9(a)のA部の拡大図である。カラーフィルタ基板20が突き合わされた付近の端子部12に幅の狭いフレキシブル配線基板30が配線されている様子を点線で示している。図9(b)において、幅の狭いフレキシブル配線基板30がTFT基板10に形成された端子部12を縦方向に延在している。
【0071】
図10は図9(b)のA−A断面図である。図10は図6(b)に示す断面とほぼ同じであるが、フレキシブル配線基板30の幅が端子部12の幅とほぼ同様となっている点が異なる。バックライトからの光を妨げないためである。図10に示すフレキシブル配線基板30は紙面垂直方向に延在している。幅の狭いフレキシブル配線基板30に多くの配線を形成するのは容易ではないが、多層配線を用いれば、可能である。
【実施例5】
【0072】
実施例4における円筒型液晶表示装置のバックライトには蛍光管1本のみが使用されている。蛍光管1本では輝度が十分とれない場合がある。このような場合は、蛍光管を複数使用する必要がある。図11はバックライトの光源50として蛍光管を4本使用した場合である。蛍光管はCCFLでもHCFLでもよい。
【0073】
図11(a)は本実施例における円筒型液晶表示装置の外観図である。図11(a)において、カラーフィルタ基板20が線Lにおいて、隙間なく突き合わされている。図11(a)におけるA−A断面は、実施例1〜実施例3の場合の図2、図6、図7のいずれの形状をとることもが出来る。
【0074】
図11(a)において、バックライトの光源50として蛍光管が4本使用されている。このように蛍光管が複数使用されると、周囲への輝度分布は均一とならず、画面には輝度むらが生ずる。本実施例においては、輝度ムラの問題を解決するために、円筒状の液晶表示パネル100の内側に円筒状の拡散板60を設置している。
【0075】
図11(b)は図11(a)のディスプレイを上方向から見た概略平面図である。図11(b)において、液晶表示パネル100によって円筒状のディスプレイが形成されている。液晶表示パネル100は線Lにおいて、突き合わせされている。図11(b)において、円筒の中心を挟んで蛍光管が4本配置されている。蛍光管と円筒状の液晶表示パネル100の間に何も存在していないと、蛍光管の直下が明るくなって画面に輝度ムラが生ずる。これを回避するために、本実施例においては、円筒状の液晶表示パネル100の内側に円筒状の拡散板60を設置している。
【0076】
拡散板60はポリカーボネート、あるいは、アクリル等の樹脂で形成される。拡散板60としての効果を上げるためには、拡散板60の板厚をある程度厚くしておく必要がある。本実施例では2mmである。拡散板60は樹脂で形成されているので、板厚が比較的大きくても湾曲させることは可能である。また、樹脂であるから、プレスによってあらかじめ曲面を形成しておくことも出来る。
【0077】
このようにして形成された拡散板60を円筒に湾曲させて特定の場所で突き合わせる。図11(b)においては、拡散板60の突き合わせの場所は、円筒状の液晶表示パネル100の突き合わせの場所と一致させているが、拡散板60の突き合わせの場所はこれに限る必要は無い。拡散板60は、光を拡散するだけの役割を持つので、拡散板60の突き合わせの場所が画質に対して重大な影響を与えることは無い。
【0078】
なお、拡散板60の拡散効果が十分で無い場合は、拡散シートを併用することが出来る。拡散シートは厚さが約50μm程度のアクリルのシートであって、表面に細かな凹凸が形成されていいて、この凹凸が光を拡散する。拡散シートは厚さが50μmと薄いために、拡散板60あるいは液晶表示パネル100に沿って湾曲させることが出来る。拡散シートは、液晶表示パネル100を拡散板60の間に設置する場合が多い。また、拡散シートは必要に応じて複数使用することが出来る。
【0079】
以上の説明では、ディスプレイは液晶表示装置であるとして説明してきた。しかし、実施例1〜実施例3の構成は液晶表示装置に限らず、有機EL表示装置にも適用することが出来る。有機EL表示装置は走査線、映像信号線、電源線、TFT、有機EL素子等が形成された素子基板に対し、有機EL素子を水分等から保護するための封止基板を周辺に形成する封止材によって接着している。
【0080】
有機EL表示装置は、素子基板側から画像を形成する光を取り出すボトムエミッション方式と、封止基板側から画像を形成する光を取り出すトップエミッション方式とがある。トップエミッション方式は、駆動TFTの上にも有機EL層を形成することが出来るので、輝度の点からは有利である。
【0081】
特に、トップエミッション方式の有機EL表示装置によって円筒型のディスプレイを製作する場合は、実施例1における図1あるいは図5のような形状とすることが出来る。すなわち、図1および図5におけるTFT基板10を有機EL表示装置における素子基板とし、図1および図5におけるカラーフィルタ基板20を有機EL表示装置における封止基板とすれば、実施例1および実施例2で説明した構成を有機EL表示装置にも適用することが出来る。また、実施例3におけるプリズムシート70も有機EL表示装置においては、封止基板の上に貼り付けることによって同様な効果を得ることが出来る。
【0082】
以上はTFT基板あるいは素子基板、カラーフィルタ基板あるいは封止基板をガラスによって製造する場合を説明した。TFT等は現時点ではガラス基板以外の基板に製作することが困難ではあるが、将来、これらの素子を透明プラスチック基板に形成することが可能となれば、本発明をプラスチック基板を用いた液晶表示装置あるいは有機EL表示装置に適用することが出来ることはいうまでも無い。
【0083】
以上説明したように、本発明を用いることによってスムースな画面を有する円筒型ディスプレイを液晶表示装置あるいは有機EL表示装置を用いて実現することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】実施例1の液晶表示パネルの断面図である。
【図2】実施例1の液晶表示装置の外観図と断面図である。
【図3】実施例1の液晶表示装置の他の外観図と断面図である。
【図4】ガラスの曲率と厚さの関係を示すグラフである。
【図5】実施例2の液晶表示パネルの断面図である。
【図6】実施例2の液晶表示装置の外観図と断面図である。
【図7】実施例3の液晶表示装置の外観図と断面図である。
【図8】実施例4の液晶表示装置の外観図と平面図である。
【図9】実施例4の液晶表示装置の他の外観図である。
【図10】実施例4の液晶表示装置の一部断面図である。
【図11】実施例5の液晶表示装置の外観図と平面図である。
【図12】比較例の液晶表示パネルの断面図である。
【図13】比較例の液晶表示装置の外観図と断面図である。
【符号の説明】
【0085】
10…TFT基板、11…下偏光板、12…端子部、 15…封止材、 20…カラーフィルタ基板、 21…上偏光板、 30…フレキシブル配線基板、 40…接続部材、 50…光源、 60…拡散板、 70…プリズムシート、 100…液晶表示パネル、 200…液晶層。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画素電極およびTFTが形成されたTFT基板と、カラーフィルタが形成されたカラーフィルタ基板と、前記カラーフィルタ基板と前記TFT基板との間に液晶が挟持され、前記TFT基板には端子部が形成されている液晶表示パネルを、前記カラーフィルタ基板側を外面として湾曲させた円筒型表示面を有する液晶表示装置であって、
前記液晶表示パネルの前記端子部側における前記カラーフィルタ基板の板厚は、前記端子部側とは逆側の前記カラーフィルタ基板の板厚と前記端子部側とは逆側の前記TFT基板の板厚の合計と同じかそれよりも大きいことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記TFT基板の前記端子部には、フレキシブル配線基板が設置されており、前記液晶表示パネルの前記端子部側における前記カラーフィルタ基板の板厚は、前記端子部側とは逆側の前記カラーフィルタ基板の板厚と前記端子部側とは逆側の前記TFT基板の板厚と前記フレキシブル配線基板の板厚の合計よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記TFT基板の板厚は一定であることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記TFT基板の板厚は、前記端子部側で、前記端子部側とは逆のTFT基板の端部の板厚よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記円筒型表示面の内側にはバックライトが形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
画素電極およびTFTが形成されたTFT基板と、カラーフィルタが形成されたカラーフィルタ基板と、前記カラーフィルタ基板と前記TFT基板との間に液晶が挟持され、前記TFT基板には端子部が形成されている液晶表示パネルを、前記カラーフィルタ基板側を外面として湾曲させた円筒型表示面を有する液晶表示装置であって、
前記液晶表示パネルの前記端子部側において前記カラーフィルタ基板は第1の端部を有し、前記カラーフィルタ基板は前記第1の端部とは反対側に第2の端部を有し、前記液晶表示パネルを湾曲させて、前記カラーフィルタ基板の前記第1の端部と前記第2の端部の突き合わせ部を形成することによって円筒型表示装置を形成し、
前記カラーフィルタ基板の前記第1の端部の板厚は、前記カラーフィルタ基板の前記第2の端部の板厚と前記第2の端部に対応する前記TFT基板の板厚の合計と同じかそれよりも大きく、
前記突き合わせ部付近において、前記カラーフィルタ基板を通過する光を前記突き合わせ部に集めるような部材が設置されていることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項7】
前記カラーフィルタ基板を通過する光を前記突き合わせ部に集めるような部材はプリズムシートであることを特徴とする請求項6に記載の液晶表示装置。
【請求項8】
前記プリズムシートのプリズムは前記突合せ部付近にのみ形成され、前記突き合わせ部の反対側の前記円筒面には形成されていないことを特徴とする請求項7に記載の液晶表示装置。
【請求項9】
有機EL素子およびTFTが形成された素子基板と、前記有機EL素子を保護する封止基板とを有し、前記素子基板には端子部が形成された有機EL表示パネルを、前記封止基板側を外面として湾曲させた円筒型表示面を有するトップエミッション型有機EL表示装置であって、
前記有機EL表示パネルの前記端子部側における前記封止基板の板厚は、前記端子部側とは逆側における前記封止基板の端部の板厚と前記端子部側とは逆側における前記素子基板の端部の板厚の合計と同じかそれよりも大きいことを特徴とする有機EL表示装置。
【請求項10】
前記TFT基板の厚さは一定であることを特徴とする請求項9に記載の有機EL表示装置。
【請求項11】
前記TFT基板の板厚は、前記端子部側で、前記端子部側とは逆のTFT基板の端部の板厚よりも大きいことを特徴とする請求項9に記載の有機EL表示装置。
【請求項12】
有機EL素子およびTFTが形成された素子基板と、前記有機EL素子を保護する封止基板とを有し、前記素子基板には端子部が形成された有機EL表示パネルを、前記封止基板側を外面として湾曲させた円筒型表示面を有するトップエミッション型有機EL表示装置であって、
前記有機EL表示パネルの前記端子部側において前記封止基板は第1の端部を有し、前記封止基板は前記第1の端部とは反対側に第2の端部を有し、前記有機EL表示パネルを湾曲させて、前記封止基板の前記第1の端部と前記第2の端部の突き合わせ部を形成することによって円筒型表示装置を形成し、
前記封止基板の前記第1の端部の板厚は、前記封止基板の前記第2の端部の板厚と前記第2の端部に対応する前記素子基板の板厚の合計と同じかそれよりもよりも大きく、
前記突き合わせ部付近において、前記封止基板を通過する光を前記突き合わせ部に集めるような部材が設置されていることを特徴とする有機EL表示装置。
【請求項13】
前記カラーフィルタ基板を通過する光を前記突き合わせ部に集めるような部材はプリズムシートであることを特徴とする請求項12に記載の有機EL表示装置。
【請求項1】
画素電極およびTFTが形成されたTFT基板と、カラーフィルタが形成されたカラーフィルタ基板と、前記カラーフィルタ基板と前記TFT基板との間に液晶が挟持され、前記TFT基板には端子部が形成されている液晶表示パネルを、前記カラーフィルタ基板側を外面として湾曲させた円筒型表示面を有する液晶表示装置であって、
前記液晶表示パネルの前記端子部側における前記カラーフィルタ基板の板厚は、前記端子部側とは逆側の前記カラーフィルタ基板の板厚と前記端子部側とは逆側の前記TFT基板の板厚の合計と同じかそれよりも大きいことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記TFT基板の前記端子部には、フレキシブル配線基板が設置されており、前記液晶表示パネルの前記端子部側における前記カラーフィルタ基板の板厚は、前記端子部側とは逆側の前記カラーフィルタ基板の板厚と前記端子部側とは逆側の前記TFT基板の板厚と前記フレキシブル配線基板の板厚の合計よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記TFT基板の板厚は一定であることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記TFT基板の板厚は、前記端子部側で、前記端子部側とは逆のTFT基板の端部の板厚よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記円筒型表示面の内側にはバックライトが形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
画素電極およびTFTが形成されたTFT基板と、カラーフィルタが形成されたカラーフィルタ基板と、前記カラーフィルタ基板と前記TFT基板との間に液晶が挟持され、前記TFT基板には端子部が形成されている液晶表示パネルを、前記カラーフィルタ基板側を外面として湾曲させた円筒型表示面を有する液晶表示装置であって、
前記液晶表示パネルの前記端子部側において前記カラーフィルタ基板は第1の端部を有し、前記カラーフィルタ基板は前記第1の端部とは反対側に第2の端部を有し、前記液晶表示パネルを湾曲させて、前記カラーフィルタ基板の前記第1の端部と前記第2の端部の突き合わせ部を形成することによって円筒型表示装置を形成し、
前記カラーフィルタ基板の前記第1の端部の板厚は、前記カラーフィルタ基板の前記第2の端部の板厚と前記第2の端部に対応する前記TFT基板の板厚の合計と同じかそれよりも大きく、
前記突き合わせ部付近において、前記カラーフィルタ基板を通過する光を前記突き合わせ部に集めるような部材が設置されていることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項7】
前記カラーフィルタ基板を通過する光を前記突き合わせ部に集めるような部材はプリズムシートであることを特徴とする請求項6に記載の液晶表示装置。
【請求項8】
前記プリズムシートのプリズムは前記突合せ部付近にのみ形成され、前記突き合わせ部の反対側の前記円筒面には形成されていないことを特徴とする請求項7に記載の液晶表示装置。
【請求項9】
有機EL素子およびTFTが形成された素子基板と、前記有機EL素子を保護する封止基板とを有し、前記素子基板には端子部が形成された有機EL表示パネルを、前記封止基板側を外面として湾曲させた円筒型表示面を有するトップエミッション型有機EL表示装置であって、
前記有機EL表示パネルの前記端子部側における前記封止基板の板厚は、前記端子部側とは逆側における前記封止基板の端部の板厚と前記端子部側とは逆側における前記素子基板の端部の板厚の合計と同じかそれよりも大きいことを特徴とする有機EL表示装置。
【請求項10】
前記TFT基板の厚さは一定であることを特徴とする請求項9に記載の有機EL表示装置。
【請求項11】
前記TFT基板の板厚は、前記端子部側で、前記端子部側とは逆のTFT基板の端部の板厚よりも大きいことを特徴とする請求項9に記載の有機EL表示装置。
【請求項12】
有機EL素子およびTFTが形成された素子基板と、前記有機EL素子を保護する封止基板とを有し、前記素子基板には端子部が形成された有機EL表示パネルを、前記封止基板側を外面として湾曲させた円筒型表示面を有するトップエミッション型有機EL表示装置であって、
前記有機EL表示パネルの前記端子部側において前記封止基板は第1の端部を有し、前記封止基板は前記第1の端部とは反対側に第2の端部を有し、前記有機EL表示パネルを湾曲させて、前記封止基板の前記第1の端部と前記第2の端部の突き合わせ部を形成することによって円筒型表示装置を形成し、
前記封止基板の前記第1の端部の板厚は、前記封止基板の前記第2の端部の板厚と前記第2の端部に対応する前記素子基板の板厚の合計と同じかそれよりもよりも大きく、
前記突き合わせ部付近において、前記封止基板を通過する光を前記突き合わせ部に集めるような部材が設置されていることを特徴とする有機EL表示装置。
【請求項13】
前記カラーフィルタ基板を通過する光を前記突き合わせ部に集めるような部材はプリズムシートであることを特徴とする請求項12に記載の有機EL表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−8480(P2010−8480A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−164471(P2008−164471)
【出願日】平成20年6月24日(2008.6.24)
【出願人】(502356528)株式会社 日立ディスプレイズ (2,552)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月24日(2008.6.24)
【出願人】(502356528)株式会社 日立ディスプレイズ (2,552)
【Fターム(参考)】
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