説明

表面処理装置及び薄膜作製装置及び表面処理方法及び薄膜作製方法

【課題】 後処理の工程を経ることなくClの影響をなくして不純物層等が形成されることがない薄膜作製装置とする。
【解決手段】 Cuの薄膜を形成した後、Cl2ガス21の供給を停止すると同時にガスノズル18からHeガス22を供給し、バイアス電源31をオン状態にして基板3にバイアスを印加し、バイアスが印加された基板3にHeイオンを引き込みイオン衝撃を与え、基板3の温度を低く保ったまま基板3にエネルギーを与えてCu薄膜中に残留するClを離脱させ、Clの影響をなくして不純物層等が形成されることがない薄膜作製装置とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板の表面に金属薄膜を作製する際の表面処理装置及び表面処理方法に関する。
また、本発明は、基板の表面に金属薄膜を作製する薄膜作製装置及び薄膜作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、半導体等の製造においては、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)装置を用いた成膜が知られている。プラズマCVD装置とは、チャンバ内に導入した膜の材料となる有機金属錯体等のガスを、高周波アンテナから入射する高周波によりプラズマ状態にし、プラズマ中の活性な励起原子によって基板表面の化学的な反応を促進して金属薄膜等を成膜する装置である。
【0003】
これに対し、本発明者等は、高蒸気圧ハロゲン化物を作る金属成分であって、成膜を望む金属成分からなる被エッチング部材をチャンバに設置し、前記被エッチング部材をハロゲンガスのプラズマによりエッチングすることで金属成分のハロゲン化物である前駆体を生成させるとともに、前駆体の金属成分のみを基板上に成膜するプラズマCVD装置(以下、新方式のプラズマCVD装置という)および成膜方法を開発した(例えば、下記、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】特開2003−147534号公報
【0005】
上記新方式のプラズマCVD装置では、成膜される金属源となる被エッチング部材の温度に対して基板の温度が低くなるように制御して基板に当該金属膜を成膜している。例えば、被エッチング部材の金属をM、ハロゲンガスをCl2とした場合、被エッチング部材を高温(例えば300°C〜700°C)に、また基板を低温(例えば200°C程度)に制御することにより、前記基板にM薄膜を形成することができる。これは、次のような反応によるものと考えられる。
【0006】
(1)プラズマの解離反応;Cl2→2Cl*
(2)エッチング反応;M+Cl*→MCl(g)
(3)基板への吸着反応;MCl(g)→MCl(ad)
(4)成膜反応;MCl(ad)+Cl*→M+Cl2
ここで、Cl*はClのラジカルであることを、(g)はガス状態であることを、(ad)は吸着状態であることをそれぞれ表している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記新方式のCVD装置においては、不純物の少ない金属薄膜を均一にしかも高速に作製することができる。新方式のCVD装置では、基板にM薄膜を形成した後プラズマを停止させてM薄膜が形成された基板を搬出すると共に新たな基板を搬入するようにしている。プラズマを停止させた直後はCl2ガスが残留しているため、基板の温度が低下しきらない状態でCl*と金属Mが再反応(塩化)して不純物層(コンタミ層)が形成されていた。また、残留するCl2ガスにより微粒子の汚染物質(パーティクル)が発生し基板の表面に付着することが生じていた。このため、M薄膜が形成された基板は後処理工程によりコンタミ層やパーティクルを除去していた。従って、後処理のための装置が必要となり後処理工程のためのコストが嵩んでいるのが現状であった。
【0008】
このような問題は、還元ガスプラズマによって還元作用により基板の表面に所望の薄膜を作製するときにも発生している問題である。
【0009】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、還元成分の影響をなくして不純物層等が形成されることがない表面処理装置及び表面処理法方を提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、後処理の工程を経ることなく還元成分の影響をなくして不純物層等が形成されることがない薄膜作製装置及び薄膜作製方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するための請求項1に係る本発明の表面処理装置は、
還元ガスのラジカルによる還元作用により基板の表面に処理が施される表面処理装置において、
基板の表面に処理を施した後に基板にバイアスを印加するバイアス印加手段と、
バイアス印加手段により基板にバイアスを印加することで不活性ガスのイオンを基板に引き込み、イオン衝撃により処理表面の不純物を除去する処理表面清浄化手段と
を備えたことを特徴とする。
【0012】
上記目的を達成するための請求項2に係る本発明の薄膜作製装置は、
基板が収容されるチャンバと、
基板が対向する位置におけるチャンバに設けられる金属製の被エッチング部材と、
チャンバの内部にハロゲンを含有する原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、
チャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチング部材に含まれる金属成分と原料ガスとの前駆体を生成するプラズマ発生手段と、
基板側の温度を被エッチング部材の温度よりも低くすることにより前駆体の金属成分を基板に成膜させる温度制御手段と、
金属成分を成膜させた後にチャンバの内部に不活性ガスを供給するガス供給手段と、
金属成分を成膜させた後に基板にバイアスを印加するバイアス印加手段と、
チャンバの内部をプラズマ化して不活性ガスプラズマを発生させ、バイアス印加手段によりバイアスが印加された基板に不活性ガスイオンを引き込み、イオン衝撃により処理表面の原料ガス成分の不純物を除去する処理表面清浄化手段と
を備えたことを特徴とする。
【0013】
そして、請求項3に係る本発明は、
請求項2に記載の薄膜作製装置において、
ハロゲンを含有する原料ガスは、塩素を含有する原料ガスである
ことを特徴とする。
【0014】
また、請求項4に係る本発明は、
請求項2もしくは請求項3に記載の薄膜作製装置において、
ガス供給手段から供給される不活性ガスは、原料ガス供給手段で供給される原料ガスにおけるハロゲンを希釈する不活性ガスであることを特徴とする。
【0015】
上記目的を達成するための請求項5に係る本発明の表面処理方法は、
還元ガスのラジカルによる還元作用により基板の表面に処理が施される表面処理方法において、基板の表面に処理を施した後に基板にバイアスを印加し、不活性ガスのイオンを基板に引き込み、イオン衝撃により処理表面の不純物を除去することを特徴とする。
【0016】
上記目的を達成するための請求項6に係る本発明の薄膜作製方法は、
基板と金属製の被エッチング部材が備えられたチャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを供給し、
チャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチング部材に含まれる金属成分と原料ガスとの前駆体を生成し、
基板側の温度を被エッチング部材の温度よりも低くすることにより前駆体の金属成分を基板に成膜させ、
金属成分を成膜させた後にチャンバの内部に不活性ガスを供給すると共に基板にバイアスを印加し、
チャンバの内部をプラズマ化して不活性ガスプラズマを発生させ、不活性ガスのイオンを基板に引き込んでイオン衝撃により処理表面の不純物を除去する
ことを特徴とする。
【0017】
そして、請求項7に係る本発明は、
請求項6に記載の薄膜作製方法において、
ハロゲンを含有する原料ガスは、塩素を含有する原料ガスである
ことを特徴とする。
【0018】
また、請求項8に係る本発明は、
請求項6もしくは請求項7に記載の薄膜作製方法において、
金属成分を成膜させた後に供給される不活性ガスは、原料ガスにおけるハロゲンを希釈する不活性ガスであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
請求項1の本発明では、イオン衝撃によって膜中に残留する還元ガス成分を離脱させることができる。このため、還元成分の影響をなくして不純物層等が形成されることがない表面処理装置とすることが可能になる。
【0020】
請求項2の本発明では、成膜の終了時に基板を加熱することなく膜中に残留する還元ガス成分をイオン衝撃によって離脱させることができる。このため、均一にしかも高速に薄膜が作製でき、後処理の工程を経ることなく還元成分の影響をなくして不純物層等が形成されることがない薄膜作製装置とすることが可能になる。
【0021】
請求項3の本発明では、ハロゲンガスを含有する原料ガスとして塩素を含有するガスを適用したので、安価な塩素ガスによりコストダウンを図ることができる。又、プロセス上、100%の塩素ガスを用いることはなく、不活性ガス等により希釈して用いるので、更にコストダウンを図ることが可能となる。加えて、希釈用の不活性ガスとして、希ガスを用いれば、反応性の高い塩素ガスと希釈用ガスが互いに反応することはなく、主反応を安定的に実施可能となり、かつ、希ガス自身のバイアス効果も用いることができる。
【0022】
請求項4の本発明では、ハロゲンを希釈する不活性ガスを用いてイオン衝撃を与えるので、イオン衝撃を与えるためのガス供給手段を専用に設ける必要がなく、コストを抑制することができる。
【0023】
請求項5の本発明では、イオン衝撃によって膜中に残留する還元ガス成分を離脱させることができる。このため、還元成分の影響をなくして不純物層等が形成されることがない表面処理方法とすることが可能になる。
【0024】
請求項6の本発明では、成膜の終了時に基板を加熱することなく膜中に残留する還元ガス成分をイオン衝撃によって離脱させることができる。このため、均一にしかも高速に薄膜が作製でき、後処理の工程を経ることなく還元成分の影響をなくして不純物層等が形成されることがない薄膜作製方法とすることが可能になる。
【0025】
請求項7の本発明では、ハロゲンガスを含有する原料ガスとして塩素を含有するガスを適用したので、安価な塩素ガスを用いて後処理の工程を経ることなく還元成分の影響をなくして不純物層等が形成されることがない薄膜作製方法とすることが可能になる。
【0026】
請求項8の本発明では、ハロゲンを希釈する不活性ガスを用いてイオン衝撃を与えるので、イオン衝撃を与えるために専用の不活性ガスを供給する必要がなく、コストを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0028】
図1には本発明の一実施形態例に係る薄膜作製装置の概略側面、図2には薄膜表面の状況説明を示してある。
【0029】
図1に示すように、円筒状に形成された、例えば、セラミックス製(絶縁材製)のチャンバ1の底部近傍には支持台2が設けられ、支持台2には基板3が載置される。支持台2にはヒータ4及び冷媒流通手段5を備えた温度制御手段6が設けられ、支持台2は温度制御手段6により所定温度(例えば、基板3が100℃から300℃に維持される温度)に制御される。
【0030】
チャンバ1の上面は開口部とされ、開口部は絶縁材料製(例えば、セラミックス製)の板状の天井板7によって塞がれている。天井板7の上方にはチャンバ1の内部をプラズマ化するためのプラズマアンテナ8が設けられ、プラズマアンテナ8は天井板7の面と平行な平面リング状に形成されている。プラズマアンテナ8には整合器9及び電源10が接続されて高周波が供給される。プラズマアンテナ8、整合器9及び電源10によりプラズマ発生手段が構成されている。
【0031】
チャンバ1には金属製としてCu製の被エッチング部材11が保持され、被エッチング部材11はプラズマアンテナ8の電気の流れに対して基板3と天井板7の間に不連続状態で配置されている。例えば、被エッチング部材11は、棒状の突起部12とリング部13とからなり、突起部12がチャンバ1の中心側に延びるようにリング部13が設けられている。これにより、被エッチング部材11はプラズマアンテナ8の電気の流れ方向である周方向に対して構造的に不連続な状態とされている。
【0032】
尚、プラズマアンテナ8の電気の流れに対して不連続状態にする構成としては、被エッチング部材を格子状に形成したり網目状に構成する等とすることも可能である。
【0033】
チャンバ1の筒部の周囲にはチャンバ1の内部にハロゲンとしての塩素を含有する原料ガス(不活性ガスであるHeガスで塩素が希釈されたCl2ガス)21を供給する原料ガス供給手段としてのノズル14が周方向に等間隔で複数(例えば8箇所:図には2箇所を示してある)接続されている。ノズル14には流量制御器15を介してCl2ガス21が送られる。成膜に関与しないガス等は排気口16から排気される。天井板7によって塞がれたチャンバ1の内部は真空装置17によって所定の圧力に維持される。
【0034】
尚、原料ガスに含有されるハロゲンとしては、フッ素、臭素及びヨウ素等を適用することが可能である。
【0035】
一方、チャンバ1の筒部にはチャンバ1の内部に不活性ガスとしてのヘリウムガス(Heガス)を供給するガス供給手段としてのガスノズル18が接続されている。ガスノズル18には流量制御器19を介してHeガス22が送られる。成膜後、プラズマ発生手段によりHeガスプラズマが発生して、後述する基板3へのバイアスの印加によりHeイオンが基板3に引き込まれる(処理表面清浄化手段)。
【0036】
尚、ガスノズル18から供給する不活性ガスは、Arガス等他の不活性ガスを適用することも可能である。また、ガス供給手段として、ガスノズル18を設けずに、塩素を希釈するHeガスをノズル14から供給することも可能である。この場合、ノズル14が原料ガス供給手段及びガス供給手段となる。つまり、図1において、ガスノズル18が不要になる。
【0037】
一方、支持台2にはバイアス電源31が接続され、バイアス電源31をオン状態にして基板3にバイアスを印加することにより、Heイオンが基板3に引き込まれる。Heイオンを基板3に引き込んでイオン衝撃を与えることで、基板3を加熱することなく、後述する膜中に残留するClを離脱させることができる。
【0038】
上述した薄膜作製装置では、チャンバ1の内部にノズル14からCl2ガス21を供給する。プラズマアンテナ8から電磁波をチャンバ1の内部に入射することで、Cl2ガス21をイオン化してCl2ガスプラズマを発生させる。プラズマは、ガスプラズマ20で図示する領域に発生する。この時の反応は、次式で表すことができる。
Cl2→2Cl* ・・・・(1)
ここで、Cl*は塩素ラジカルを表す。
【0039】
ガスプラズマ20がCu製の被エッチング部材11に作用することにより、被エッチング部材11が加熱されると共に、Cuにエッチング反応が生じる。この時の反応は、例えば、次式で表される。
Cu(s)+Cl*→CuCl(g) ・・・・(2)
ここで、sは固体状態、gはガス状態を表す。式(2)は、Cuがガスプラズマ20によりエッチングされ、前駆体23とされた状態である。
【0040】
ガスプラズマ20を発生させることにより被エッチング部材11を加熱し(例えば、300℃〜700℃)、更に、温度制御手段6により基板3の温度を被エッチング部材11の温度よりも低い温度(例えば、100℃〜300℃)に設定する。この結果、前駆体23は基板3に吸着(成膜)される。この時の反応は、例えば、次式で表される。
CuCl(g)→CuCl(ad) ・・・・(3)
【0041】
基板3に吸着したCuClは、塩素ラジカルCl*により還元されてCu成分となることでCu薄膜が作製される。この時の反応は、例えば、次式で表される。
CuCl(ad)+Cl*→Cu(s)+Cl2↑ ・・・・(4)
【0042】
更に、上式(2)において発生したガス化したCuCl(g)の一部は、基板3に吸着する(上式(3)参照)前に、塩素ラジカルCl*により還元されてガス状態のCuとなる。この時の反応は、例えば、次式で表される。
CuCl(g)+Cl*→Cu(g)+Cl2↑ ・・・・(5)
この後、ガス状態のCu成分は、基板3に成膜されてCu薄膜が作製される。
【0043】
Cu薄膜が作製された場合、膜中にClが残留する。残留するClを離脱させるには基板3を加熱することが効果的であるが、上述した薄膜作製装置では、基板3の温度を被エッチング部材11の温度よりも低い温度に保って前駆体23を基板3に吸着させている。このため、基板3を加熱することなく残留するClを離脱させる必要がある。本実施形態例では、Cu薄膜が作製された後、以下の作用によって残留するClを離脱させる。
【0044】
Cuの薄膜が形成されると(図2(a)の状態)、Cl2ガス21の供給を停止すると同時に、ガスノズル18からHeガス22を供給する。この時、プラズマを発生させたままとし、バイアス電源31をオン状態にして基板3にバイアスを印加する。ガスノズル18から供給されたHeガスはHeイオンとされ、Heイオンはバイアスが印加された基板3に引き込まれる(図2(b)の状態)。基板3にイオンが引き込まれることによりイオン衝撃が与えられ、基板3の温度を低く保ったまま基板3にエネルギーが与えられる。これにより、Cu薄膜中に残留するClを離脱させることができる(図2(b)の状態)。
【0045】
従って、均一にしかも高速にCu薄膜が作製でき、後処理の工程を経ることなく残留するClを離脱させ、Clの影響をなくして不純物層等が形成されることがない薄膜作製装置とすることが可能になる。
【0046】
尚、上述した表面処理方法を適用する薄膜作製装置は、上述した実施形態例における薄膜作製装置に限定されるものではなく、場合によっては、スパッタ装置等の薄膜作製装置に適用することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は薄膜を作製する産業分野で利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の一実施形態例に係る薄膜作製装置の概略側面である。
【図2】薄膜表面の状況説明図である。
【符号の説明】
【0049】
1 チャンバ
2 支持台
3 基板
4 ヒータ
5 冷媒流通手段
6 温度制御手段
7 天井板
8 プラズマアンテナ
9 整合器
10 電源
11 被エッチング部材
12 突起部
13 リング部
14 ノズル
15 流量制御器
16 排気口
17 真空装置
18 ガスノズル
20 ガスプラズマ
21 原料ガス
22 Heガス
23 前駆体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
還元ガスのラジカルによる還元作用により基板の表面に処理が施される表面処理装置において、
基板の表面に処理を施した後に基板にバイアスを印加するバイアス印加手段と、
バイアス印加手段により基板にバイアスを印加することで不活性ガスのイオンを基板に引き込み、イオン衝撃により処理表面の不純物を除去する処理表面清浄化手段と
を備えたことを特徴とする表面処理装置。
【請求項2】
基板が収容されるチャンバと、
基板が対向する位置におけるチャンバに設けられる金属製の被エッチング部材と、
チャンバの内部にハロゲンを含有する原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、
チャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチング部材に含まれる金属成分と原料ガスとの前駆体を生成するプラズマ発生手段と、
基板側の温度を被エッチング部材の温度よりも低くすることにより前駆体の金属成分を基板に成膜させる温度制御手段と、
金属成分を成膜させた後にチャンバの内部に不活性ガスを供給するガス供給手段と、
金属成分を成膜させた後に基板にバイアスを印加するバイアス印加手段と、
チャンバの内部をプラズマ化して不活性ガスプラズマを発生させ、バイアス印加手段によりバイアスが印加された基板に不活性ガスイオンを引き込み、イオン衝撃により処理表面の原料ガス成分の不純物を除去する処理表面清浄化手段と
を備えたことを特徴とする薄膜作製装置。
【請求項3】
請求項2に記載の薄膜作製装置において、
ハロゲンを含有する原料ガスは、塩素を含有する原料ガスである
ことを特徴とする薄膜作製装置。
【請求項4】
請求項2もしくは請求項3に記載の薄膜作製装置において、
ガス供給手段から供給される不活性ガスは、原料ガス供給手段で供給される原料ガスにおけるハロゲンを希釈する不活性ガスであることを特徴とする薄膜作製装置。
【請求項5】
還元ガスのラジカルによる還元作用により基板の表面に処理が施される表面処理方法において、基板の表面に処理を施した後に基板にバイアスを印加し、不活性ガスのイオンを基板に引き込み、イオン衝撃により処理表面の不純物を除去することを特徴とする表面処理方法。
【請求項6】
基板と金属製の被エッチング部材が備えられたチャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを供給し、
チャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチング部材に含まれる金属成分と原料ガスとの前駆体を生成し、
基板側の温度を被エッチング部材の温度よりも低くすることにより前駆体の金属成分を基板に成膜させ、
金属成分を成膜させた後にチャンバの内部に不活性ガスを供給すると共に基板にバイアスを印加し、
チャンバの内部をプラズマ化して不活性ガスプラズマを発生させ、不活性ガスのイオンを基板に引き込んでイオン衝撃により処理表面の不純物を除去する
ことを特徴とする薄膜作製方法。
【請求項7】
請求項6に記載の薄膜作製方法において、
ハロゲンを含有する原料ガスは、塩素を含有する原料ガスである
ことを特徴とする薄膜作製方法。
【請求項8】
請求項6もしくは請求項7に記載の薄膜作製方法において、
金属成分を成膜させた後に供給される不活性ガスは、原料ガスにおけるハロゲンを希釈する不活性ガスであることを特徴とする薄膜作製方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−200025(P2006−200025A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−15107(P2005−15107)
【出願日】平成17年1月24日(2005.1.24)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】