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表面加工用水溶性ペースト組成物
説明

表面加工用水溶性ペースト組成物

【課題】表示装置あるいは太陽電池のいずれの半導体素子の製造工程において幅広く利用されている塑型もしくは表面加工工程において、処理工程数が少なく、簡便で選択精度に優れ、製造コストを削減できる塑型もしくは表面加工工程に使用できる水溶性ペーストを提供すること。
【解決手段】(A)水溶性高分子、(B)界面活性剤並びに(C)無機物微粒子及び有機物微粒子からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する塑型または表面加工用水溶性ペースト組成物を用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面加工用水溶性ペースト組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示素子を始めとし、有機EL素子、分散型EL素子、電子ペーパー素子などの各種ディスプレイの電子デバイスにおいては、軽薄短小化の動きが加速し、また、表示装置とタッチパッドのような位置入力装置を組み合わせた電子部品(以下タッチパネルという)を搭載した高機能携帯電話が急速に普及している。
【0003】
また、エネルギー資源の枯渇の問題や大気中のCOの増加のような地球環境問題などからクリーンなエネルギー源の開発が望まれており、特に太陽電池を用いた太陽光発電が新しいエネルギー源として開発され実用化されるに至っている。
【0004】
前述の様々な機能性表示装置や太陽電池には、透明導電フィルムやフレキシブル配線基板が用いられる。これらの例としては、一般に、スパッタリングあるいはイオンプレーティング等の物理的成膜法を用いてインジウム錫酸化物(以下「ITO」と略称する)の透明導電層(以下「スパッタリングITO層」と略称する)を形成したプラスチックフィルム(以下「スパッタリングITOフィルム」と略称する)、あるいはプラスチックフィルムに金属薄膜を貼りあわせたフィルムが広く知られている。
【0005】
例えば、前記スパッタリングITOフィルムは、ベースフィルムとしてのポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等の透明プラスチックフィルムの上に、無機成分であるITO単独層を前記物理的気相蒸着法で厚みが20〜50nm程度となるように形成したものであり、これにより、表面抵抗値が100〜300Ω/□程度の低抵抗な透明導電層を得ることが可能となる。
【0006】
しかし、前記スパッタリングITO層は、無機成分の薄膜であって極めて脆いため、マイクロクラック(割れ)を生じやすいという問題がある。具体的には、ベースフィルムの厚みが50μm未満、例えば25μmのスパッタリングITOフィルムを前記フレキシブル機能性素子に適用する場合、ベースフィルムのフレキシビリティ(柔軟性)が高すぎて、ハンドリング中や機能性素子にした後にスパッタリングITO層に容易にクラックが生じ、膜の導電性を著しく損ねることがある。従って、高いフレキシビリティが要求されるフレキシブル機能性素子には実用化されていないのが現状であった。
【0007】
一方、フレキシブル配線基板の製造工程としては、例えばポリイミドフィルムと銅薄膜とを貼りあわせた銅張りポリイミドフィルムを、フォトレジストの層形成、露光、エッチング、洗浄という煩雑な工程経て、所望の目的に応じた回路にエッチングする手法が採られている。
【0008】
これら課題解決のため、例えば特許文献1〜5に記載された発明においてはベースフィルム面に透明導電層形成用塗布液を用いて透明導電層を形成する方法が提案されている。具体的には、導電性酸化物微粒子と樹脂バインダーを主成分とする透明導電層形成用塗布液をベースフィルム上に塗布、乾燥させて塗布層を形成し、次いで、金属ロールによる圧縮(圧延)処理を行った後、前記樹脂バインダー成分を硬化させて透明導電層を有する透明導電フィルムを製造する方法であった。そして、この方法では、金属ロールによる圧延処理により透明導電層中の導電性微粒子の充填密度が高められ、膜の電気(導電)特性、および光学特性を大幅に高めることができるという利点がある。
【0009】
更に、特許文献6〜8に記載された発明においては、前記特許文献1〜5と同様に透明導電層形成用塗布液を用い、かつ金属ロールによる圧縮(圧延)処理を施した透明導電フィルムであるが、ベースフィルムとの界面で剥離可能な微粘着層を有する裏打ちフィルムが透明導電フィルムのベースフィルム側に貼り合わされた極めて薄いベースフィルムを使用しながらハンドリング性も良好な透明導電フィルムが提案されている。
【0010】
一方、太陽電池においては、その製造工程は単結晶または多結晶の一導電型シリコン基板の受光面に逆導型の不純物を拡散させてpn結合を形成し、そのシリコン基板の受光面と裏面とにそれぞれ電極を形成されたものが従来から主流となっている。また、一導電型シリコン基板に同じ電極型の不純部を高濃度に含む不純物層を形成することによって、裏面電界効果による高出力を図った太陽電池も一般的となっている。
【0011】
さらに、シリコン基板の受光面には電極を形成せずに、その裏面にpn接合を形成するいわゆる裏面接合型太陽電池も開発されている。裏面接合型太陽電池においては、一般的に受光面に電極を有しないので、電極によるシャドーロスがなく、シリコン基板の受光面と裏面にそれぞれ電極を有する太陽電池に比べて高い出力を得ることが期待されている。
【0012】
前述のような太陽電池の製造工程においては、支持材上に一主面にp+層領域とn+層領域を形成する場合にはフォトリソグラフィ工程を利用したり、またはレジストインクを利用している。
【0013】
以上のように塑型あるいは表面加工技術は太陽電池、表示装置のいずれの半導体素子や配線基板の製造工程において金属導電膜もしくは透明電極膜の電極もしくは半導体層のパターニングに幅広く使用されているものの、一般的なパターニング方法ではいずれもフォトレジストなどによるレジストのポジパターンの形成、露光、現像エッチングレジスト剥離、後処理と塑型もしくは表面加工の前工程及び後工程が多く、製造コストが高くなるという問題があった。
【0014】
これらの問題を解決するパターンニングよる透明電極層の形成方法としては、(1)予め所定のパターン形状に透明電極形成用塗布液を塗布した後に、金属ロール等の圧縮(圧延)処理を施す方法、(2)ベースフィルム全面に圧縮(圧延)処理された透明電極層を形成した後に、エッチング等でパターニングする方法、が考えられる。
【0015】
ところが、前者(1)の方法は、透明電極形成用塗布液をパターン塗布した後に圧縮(圧延)処理するため、金属ロール等の圧縮(圧延)処理設備を保有していない場合にはパターン透明電極層を得ることができず、誰もが任意のパターンの透明電極層を容易かつ低コストで得られるとは言い難い。一方、後者(2)の方法は、圧縮(圧延)処理された透明電極層が全面に形成された透明電極フィルムに対しパターニングを行うため、前記透明電極フィルムが入手できれば、塑型もしくは表面加工等のパターニング装置は低価格で広く用いられているため、誰もが容易にかつ低コストでパターン透明導電フィルムを得ることが可能である。
【0016】
さらに、透明電極形成用塗布液のベースフィルムに対する塗布に関しても、所定のパターン形状に印刷する方法よりも、ベースフィルム全面にロールツーロールでコーティングする方法の方が生産性が高く、かつ、パターニングを最後に行うことで製造工程でのベースフィルムの寸法変形による透明電極層のパターン精度(パターン位置、パターン形状・サイズの正確さ)の低下を抑制できるという面からも後者(2)の方法が望ましいと考えられる。
【0017】
これらのことから、ベースフィルム上に透明電極が全面に塗布された透明導電性フィルム、あるいは金属薄膜が貼りあわされた金属貼りフィルムの所望の印刷方式による精度の高いパターニングを行う際には、印刷方式に応じた、あるいは場合によっては同じ印刷方式であっても印刷装置ごとに印刷適性を容易に最適化できる塑型、表面加工用水溶性ペーストの提供が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】特開平4−237909号公報
【特許文献2】特開平5−036314号公報
【特許文献3】特開2001−321717号公報
【特許文献4】特開2002−36411号公報
【特許文献5】特開2002−42558号公報
【特許文献6】特開2006−202738号公報
【特許文献7】特開2006−202739号公報
【特許文献8】WO2007/039969号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明は上記したような問題を鑑み、表示装置あるいは太陽電池のいずれの半導体素子の製造工程において幅広く利用されている塑型もしくは表面加工工程において、処理工程数が少なく、簡便で選択精度に優れ、製造コストを削減できる塑型もしくは表面加工工程に使用できる水溶性ペーストを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明者らは、前期課題を解決すべく検討し、水溶性高分子等を含有する水溶性ペーストとすることで、前期課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
【0021】
すなわち、本発明は、(A)水溶性高分子、(B)界面活性剤並びに(C)無機物微粒子及び有機物微粒子からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する塑型または表面加工用水溶性ペースト組成物に関する。
【発明の効果】
【0022】
本発明の水溶性ペーストを用いれば、ベースフィルム上にメッキ法、スパッタリング法、張り合わせ法で形成された金属導電薄膜もしくは、塗布法によって形成された導電性酸化物微粒子と樹脂バインダーマトリックスを主成分とする透明導電層上に、金属薄膜もしくは該樹脂バインダーマトリックスを劣化させる塑型もしくは表面加工に必須な酸あるいはアルカリ成分、増粘剤、及び溶媒を少なくとも含有する水溶性の塑型もしくは表面加工用水溶性ペーストをパターン塗布した後、前記水溶性ペーストを透明導電層ごと洗い流して除去することのできる簡便な方法を提供する。したがって、液晶表示素子、有機エレクトロルミネッセンス素子、電子ペーパー素子、分散型エレクトロルミネッセンス素子、太陽電池、タッチパネル等の各種フレキシブル機能性素子のパターンを要する透明電極の製造工程に適用できるので工業的に有用である。
【0023】
さらに、上記塑型、表面加工用水溶性ペーストは、塑型もしくは表面加工される素材に対し、所望の印刷方法(インクジェット印刷法、グラビア印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法、ディスペンサ印刷法)を用いて印刷する際の印刷適性を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の塑型または表面加工用水溶性ペースト(以後、単に水溶性ペーストということがある)は、(A)水溶性高分子(以下、(A)成分という)、(B)界面活性剤(以下、(B)成分という)並びに(C)無機物微粒子及び有機物微粒子からなる群より選ばれる少なくとも1種(以下、(C)成分という)を含有することを特徴とする。
【0025】
(A)成分としては水溶性の高分子であれば特に限定されず、公知のものを使用することができる。(A)成分の分子量は通常は、500〜100,000が好ましく、2,000〜50,000とすることが特に好ましい。
【0026】
(A)成分としては、非天然物のもの、天然物由来のもののいずれでも使用することができる。非天念物水溶性高分子の具体例としては、酸性モノマー、(メタ)アクリルアミド及びビニルアルコールからなる群より選ばれる少なくとも1種をモノマー成分とする重合物が挙げられる。酸性モノマーとしては、分子中に酸性官能基を有するものであれば特に限定されず公知のものを使用することができる。酸性官能基としては、例えば、カルボキシル基、ホスホン酸基、スルホン酸基等を挙げることができる。具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、フマル酸、(無水)マレイン酸、(無水)ハイミック酸、アセチレンジカルボン酸、アリルマロン酸、p−ヒドロキシケイ皮酸、(メタ)アリルスルホン酸などが挙げられる。なお、ビニルアルコール単位を導入する際には、通常は酢酸ビニルを重合した後に加水分解すればよい。これらのモノマーは単独で用いてもよいが、2種以上を混合して用いてもよい。(A)成分が水溶性となるのであれば、酸性モノマー、(メタ)アクリルアミド及びビニルアルコールからなる群より選ばれる少なくとも1種以外にこれらと共重合し得るモノマーを用いてもよい。共重合し得るモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、スチレン類、(メタ)アクリロニトリル、塩化ビニル等を挙げることができる。(メタ)アクリル酸エステル類としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニルなどが挙げられる。スチレン類としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等が挙げられる。
【0027】
非天然物水溶性高分子は市販のものを使用してもよい。具体的には、例えば、デンカブチラール(電気化学工業(株)製)、エスレックSV、エスレックB・K、PVC−HA、PVC−TG(積水化学工業(株)製)、SNシックナー601、SNシックナー603、SNシックナー612、SNシックナー613、SNシックナー615、SNシックナー618、SNシックナー621N、SNシックナー630、SNシックナー634、SNシックナー636、SNシックナー4050、SNデルスパーサント5020、SNデルスパーサント5040(サンノプコ(株)製)、BYK−420、BYK−425(ビッグケミー(株)製)、ポリストロン117、ポリストロン370K、ポロストロン372、ポリストロン504、ポリストロン705、ポリストロン1810、ポリストロン1401、ポリストロン1280、ポリストロン1264、ポリストロン1228、アラフィックス100、アラフィックス251S、アラフィックス255、アラフィックス255LOX、ポリマジェット902、ポリマジェット903、ポリマセット305、ポリマセット500、ポリマセット512、ポリマセットHP−710、ポリマロン351T、ポリマロン356−25、ポリマロン385、ポリマロン482S、ポリマロン1308S、ポリマロンE−100、ポリマロンE−110、ポリマロン360、ポリマロン1383、ポリマロン1329、タマノリG−36、タマノリG−37、アラスター700、アラスター703S、マルキードNo.1〜No.8、マルキード32−30WS、マルキード3002(荒川化学工業(株)製)などが挙げられる。
【0028】
天然物由来の水溶性高分子としては、微生物、植物、海藻から得られる多糖類、ポリアミノ酸などが挙げられる。多糖類としては、例えば、キサンタンガム、アルギン酸、セルロースガム、マンナン、ローカストビーンガム、グアーガム、アガロース、ヒアルロン酸、カードラン、ペクチン、ジェランガム、アラビアガム、タラガム、グルコマンナン、カラギーナンシクロデキストリン等が挙げられる。
【0029】
ポリアミノ酸としては、グリシン、アラニン、ロイシン、バリン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、リジン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸等のアミノ酸の重合体が挙げられ、各種アミノ酸のコポリマーであってもよい。ゼラチンのようなタンパク質でもよい。
【0030】
天然物由来の水溶性高分子は市販のものを使用してもよい。具体的には、例えば、アクファジーマックス(一光化学(株)製)、ソアギーナ、ソアエース、ソアローカスト、タラガム、グアーガム、タマリンドシートガム、サイリウムシードガム、ソアキサン、ヒアルロン酸(MRCポリサッカライド株式会社製)、アミノピジェール(東洋紡績(株)製)、などが挙げられる。
【0031】
本発明の水溶性ペーストに用いられる(B)成分としては、界面活性能を有するものであれば特に限定されずに公知のものを使用することができる。(B)成分を用いることにより、所望の印刷方法(インクジェット印刷法、グラビア印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法、ディスペンサ印刷法)に応じてさらに最適な印刷適性を付与することができる。(B)成分としては、両性界面活性剤、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤が挙げられる。これらは1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0032】
両性界面活性剤としては、カチオン性官能基とアニオン性官能基を有する界面活性剤であれば特に限定されず公知のものを使用することができる。具体的には、例えば、アルキルベタイン、アルキルアミンオキサイド、などが挙げられる。陰イオン性界面活性剤としては、アニオン性官能基を有する界面活性剤であれば特に限定されず公知のものを使用することができる。例えばアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、脂肪酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物の塩、ポリカルボン酸型高分子界面活性剤、アルケニルコハク酸塩、アルカンスルホン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルのリン酸エステル及びその塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルのリン酸エステル及びその塩、等が挙げられる。陽イオン性界面活性剤としては、カチオン性官能基を有する界面活性剤であれば特に限定されず公知のものを使用することができる。例えばアルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩等が挙げられる。非イオン界面活性剤としては、カチオン性官能基とアニオン性官能基を有さずに界面活性剤であれば特に限定されず公知のものを使用することができる。例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシアルキルアルキレンアミン、アルキルアルカノールアミド等が挙げられる。(B)成分の使用量は特に限定されないが、通常は、(A)成分100質量部に対し、(B)成分を0.01〜3.0質量部程度用いることが好ましく、特に0.05〜2.0質量部用いることが印刷適性の点から好ましい。
【0033】
本発明の水溶性ペースト組成物では、(C)成分を必須使用する。(C)成分としては、無機物微粒子でも有機物微粒子でもよい。
無機微粒子としては、リン酸水素カルシウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、ケイ酸カルシウム、ベントナイト、シリカ、水酸化マグネシウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、アルミナ、酸化スズなどが挙げられる。これらを使用する場合、平均粒子径は10nm〜50μmが好ましく、50nm〜30μmがより好ましい。
【0034】
有機物微粒子としては、ロジン、ロジンの金属塩、安息香酸等の芳香族カルボン酸の金属塩、ステアリン酸等の脂肪族カルボン酸の金属塩、アクリル酸エステル誘導体の重合物であるアクリル樹脂、シリコーン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、四フッ化エチレン樹脂やポリフッ化ビニルのようなフッ素樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスチレン樹脂が好適に用いられる。金属塩の金属としては特に限定されないが、通常は、アルミニウム、カルシウム、チタン、ジルコニウム、マグネシウムなどが挙げられる。
【0035】
有機物微粒子としては市販のものを使用してもよい。具体的には、例えば、ケミスノーMR、ケミスノーMX、ケミスノーMP、ケミスノーSX(綜研化学(株)製)が挙げられる。前記無機微粒子は平均粒子径を最適化して使用すれば市販のものでもよい。
【0036】
(C)成分の使用量は特に限定されないが、通常は、(A)成分100質量部に対し、(C)成分を0.05〜5.0質量部程度用いることが好ましく、特に0.1〜2.0質量部用いることが印刷特性の最適化の点から好ましい。
【0037】
本発明の水溶性ペーストには、塑型もしくは表面加工の目的に応じて、酸成分、無機アルカリ成分、有機アルカリ成分(以下、無機アルカリ成分、有機アルカリ成分をまとめて単にアルカリ成分ということがある)を使用することが好ましい。酸成分としてはリン酸、フッ化水素、フッ化アンモニウム、フッ化水素アンモニウムから選択された少なくとも1種を用いることができる。無機アルカリ成分としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化リチウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、アンモニア等が挙げられる。有機アルカリ成分としては、エタノールアミン、エチレンジアミン等のアミン類、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等のテトラアルキルアンモニウムヒドロキシ等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、数種を混合して用いてもよい。酸もしくはアルカリ成分の配合量は、塑型もしくは表面加工される素材の種類によってことなるが、1〜40%質量%、好ましくは5〜30%質量%が好ましい。
【0038】
本発明の水溶性ペーストには、通常水を含有する。水の含有量は、特に限定されないが、通常、(A)成分100質量部に対し、10〜95質量部程度、好ましくは30〜90質量部である。
【0039】
本発明の水溶性ペーストを、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法、グラビア印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法、ディスペンサ印刷法のいずれかを用いてパターン塗布する際には必要に応じて有機溶媒を使用することができる。使用する有機溶媒としては、イソプロピルアルコール、ジエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール等のアルコール類、ポリビニルピロリドン、ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒が挙げられる。
【0040】
なお、酸成分、アルカリ成分を用いることにより、増粘する等、保存安定性に影響がある場合には、酸もしくはアルカリ成分のみからなる前駆ペーストと他の成分からなる前駆ペーストを調整し、使用直前に混合して使用してする2液混合系とすることで解決することができる。これらの前駆ペーストは本発明の水溶性ペーストの印刷適性を損なわない量の有機溶媒を使用しても構わない。
【0041】
本発明の水溶性ペーストは各成分を混合し、均一に溶解させるための処理(均一化処理)を施した後、必要に応じてろ過による精製処理を行って調製される。ろ過による精製を施すことで、パターン印刷した際の微細性を向上させることができる。均一化処理方法としては、超音波処理、ホモジナイザー、3ロールミル、遊星ミルなどの汎用の方法を適用することができる。
【0042】
本発明の水溶性ペーストのパターン塗布は、所望の印刷精度を達成できる前述の印刷方法から選択されるが、水溶性ペーストの粘度、チクソ性、レオロジー特性など印刷適性の最適化という点からスクリーン印刷が好ましい。スクリーン印刷の場合、水溶性ペーストの粘度は300〜90000mPa・s、このましくは、1500〜40000mPa.sとなるように調製することが好ましい。粘度が300mPa・s以下であれば、塑型、表面加工用水溶性ペーストの流動性が高くなり、印刷パターン自体の精度が低下する。粘度が100000mPa・s以上であれば粘度が高すぎて塑型、表面加工用水溶性ペーストのろ過や均一化処理などが困難となり、印刷適性も悪化する。
【実施例】
【0043】
以下本発明の実施例を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0044】
実施例1
蒸留水200g、N−メチルピロリドン209g、プロピレングリコール1.1g、を混合し十分に攪拌後しながら、85%リン酸437g、ケミススノーMP(綜研化学(株)製)10g、BYK(ビッグケミー(株)社製)410を0.9g加えた。1時間攪拌後、デンカブチラール(♯3000−1)を加えながら、粘度を1050mPa・sに調整し、水溶性ペーストを得た。この水溶性ペーストを280メッシュのステンレス鋼織物スクリーンを使用してウエハー面に印刷したところ、優れた印刷性を示した。
【0045】
実施例2
蒸留水150gに水酸化カリウム20g溶解した(A液)。別途、蒸留水100gにさらに水溶性高分子であるアラフィックス100(荒川化学工業(株)社製)を1g、ジェランガム0.2gを加え溶解後、ケミスノーMP(綜研化学(株)製)3gを加えさらに1時間攪拌した(B液)。次いで、A液とB液を全量混合し、蒸留水を加えながら粘度を980mPa・sに調整し、水溶性ペーストを得た。これ以降は実施例1と同様な操作を行ったところ、優れた印刷性を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)水溶性高分子、(B)界面活性剤並びに(C)無機物微粒子及び有機物微粒子からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する塑型または表面加工用水溶性ペースト組成物。
【請求項2】
(A)水溶性高分子が、酸性モノマー、(メタ)アクリルアミド及びビニルアルコールからなる群より選ばれる少なくとも1種をモノマー成分とする重合物、多糖類、ポリアミノ酸である請求項1に記載の塑型または表面加工用水溶性ペースト組成物。
【請求項3】
(B)界面活性剤が両性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤または非イオン性界面活性剤である請求項1または2に記載の塑型または表面加工用水溶性ペースト組成物。
【請求項4】
無機物微粒子が、リン酸水素カルシウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、ケイ酸カルシウム、ベントナイト、シリカ、水酸化マグネシウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、アルミナ及び酸化スズからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3のいずれかに記載の塑型または表面加工用水溶性ペースト組成物。
【請求項5】
有機物微粒子が、ロジン酸、ロジン酸の金属塩、芳香族カルボン酸の金属塩、脂肪族カルボン酸の金属塩、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、フッ素樹脂、ウレタン樹脂およびポリスチレン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1〜5の塑型または表面加工用水溶性ペースト組成物。

【公開番号】特開2013−108047(P2013−108047A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−267330(P2011−267330)
【出願日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【出願人】(591153983)ペルノックス株式会社 (5)
【Fターム(参考)】