表面洗浄方法及び装置
【課題】 巨大な音エネルギーだけでは気泡発生が効率的でない。
【解決手段】 この発明は過渡的なキャビテーションを生成するための方法に関し、液体中にさまざまな気泡サイズを持っている気泡を生成するステップと、音場を生成するステップと、および液体を音場にさらすステップとを備え、気泡サイズの範囲、および/または、音場の特性が互いにそれらを調整するように選択され、それにより、選択された範囲の気泡サイズにおいて過渡的なキャビテーションを制御することを特徴とする。この発明はこの方法を実行するのに適した装置にも関する。
【解決手段】 この発明は過渡的なキャビテーションを生成するための方法に関し、液体中にさまざまな気泡サイズを持っている気泡を生成するステップと、音場を生成するステップと、および液体を音場にさらすステップとを備え、気泡サイズの範囲、および/または、音場の特性が互いにそれらを調整するように選択され、それにより、選択された範囲の気泡サイズにおいて過渡的なキャビテーションを制御することを特徴とする。この発明はこの方法を実行するのに適した装置にも関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は液体内の過渡的なキャビテーション(空洞化)を引き起こして、制御するための方法に関する。その方法は、例えば、医療器具の掃除、半導体産業におけるウエハースなどの平坦な基板の掃除などの掃除を含む広範囲のアプリケーションで適用されるかもしれない。
【0002】
また、それは、液体内での過渡的なキャビテーションを引き起こして、制御するのに適したアプリケーション、特に洗浄器に関する。
【背景技術】
【0003】
キャビテーションは、液体中の気泡の挙動として一般に知られ、定義されている。この気泡の挙動は、気泡の成長、脈動または崩壊を含む。気泡の脈動は安定したキャビテーションとして知られているが、気泡の崩壊は過渡的なキャビテーションとして知られている。後者は、熱、衝撃波などで多量のエネルギーを周囲に放出する。
【0004】
過渡的なキャビテーションは多くの技術分野で適用されている。音波化学では、超音波分野で気泡の崩壊は、化学反応に触媒作用の影響を与える。医療のアプリケーションでも、キャビテーションは例えば、超音波診断でコントラストの強化として使用される。たぶんキャビテーションの最もよく知られているアプリケーションは、基板の表面からの粒子の除去である。
【0005】
これらの様々なアプリケーションにおける一般的な問題は、崩壊の位置と外観に関して制御された一定の方法で機能するように、その過渡的なキャビテーション現象をいかに制御するかということである。
【0006】
例えば、今日の洗浄技術における一般的な問題は、基板の表面からの粒子の不均等な除去である。重い崩壊で基板を損傷せずに、他方、一様な洗浄面を維持した状態で粒子が除去されなくてはならない。
【0007】
粒子除去の機構は、より早く、酸素、窒素、アルゴン、キセノン、二酸化炭素などのようなガスでガス化するか、超純粋なウエハースを手に入れるために液体をガス化し、そして次に、気泡を潰すことによって発生する音ルミネセンス(SL)信号および粒子除去効果を見ることによって、研究されている。
【0008】
図1では液体の中のガスの存在が、高い粒子除去効率(PRE)を達成するのに必要であることが示される。図2では、SL信号が、ガス化および非ガス化の液体に対してプロットされる。ガス化された液体では、気泡が崩壊することによって発生するSL信号は、非ガス化の液体とは逆に検出することができる。過渡的なキャビテーションを示す両方の数字の組み合わせは、粒子除去機構の基本である。
【0009】
図3では、Neppiras(音のキャビテーション、1980)は、音場の駆動圧および周波数に依存して、および気泡半径に依存して、気泡が、成長し(ゾーンY)、そして次に、領域Zに入るとき崩壊するか、または、ゾーンXに入ることができるくらい小さいなら再び溶けることを示す。
【0010】
US 6048405 では、Skrovanは、液体内で上げ、そして、その表面を、巨大な音波エネルギーを発している特定の領域に浸した時に、気泡が表面を横切って通過するように、基板の表面下に気泡を導入するマイクロエレクトロニクス産業のための洗浄法を教示している。
【特許文献1】US 6048405
【非特許文献1】Neppiras(音のキャビテーション、1980)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、Skrovanは、過渡的なキャビテーションからの衝撃波によってではなく、巨大な音場からの衝撃波によって表面から粒子が放出されると主張している。しかしながら、巨大な音エネルギーと組み合わせてガス化している液体と比較して、巨大な音エネルギーだけの使用が全く効率的でないことを図1が証明している。そのうえ、そのドキュメントは、過渡的なキャビテーションをどのように制御するかを教示せず、そして、この方法を適用したとき、不均等な洗浄が得られるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
第1の態様では、この発明は、過渡的なキャビテーションを生成するための方法を提供し、
液体中にさまざまな気泡サイズを持っている気泡を生成するステップと、
音場を生成するステップと、および
液体を音場にさらすステップとを備え、
気泡サイズの範囲、および/または、音場の特性が互いにそれらを調整するように選択され、それにより、選択された範囲の気泡サイズにおいて過渡的なキャビテーションを制御する。
【0013】
その液体は、水溶液、有機質、無機質、有極性または無極性の溶剤、化学物質の化合物または、ガスを溶かすか、または注入できるいずれかの流体のいずれか、またはそれらの混合物であってもよい。その方法は、例えば、医療機器に対し、または半導体産業におけるウエハースに対するいずれの洗浄のアウプリケーションにも使用することができる。
【0014】
選択されるべき音場の特性は、がいずれでもあるかもしれない、どんな組み合わせ、周波数、強度、一つまたは複数の振動子の位置、または音場に影響するいずれかのパラメータのいずれか、またはそれらのいずれかの組み合わせであってもよい。
【0015】
この発明の一つの実施例では、 音場の特性の選択の後に、およびそれに依存して、気泡サイズの範囲は選択されてもよい。音場の特性が固定されているか、またはそれの選択が制限されるなら、気泡サイズの範囲が調整されてもよい。
【0016】
この発明の別の実施例では、音場の特性は、選択されたその後の、そして、選択された気泡サイズの範囲の後で、およびそれに依存して選択されてもよい。気泡サイズの範囲が固定されているか、またはそれの選択が制限されるなら、音場の特性が調整されてもよい。
【0017】
この発明の一つの実施例では、選択された範囲の気泡サイズを持っている気泡を生成するステップは、ガス化ユニットまたは、ガスを溶解するいずれかの他の手段によって液体中にガスを溶かすことを備えるかもしれない。
【0018】
この発明の一つの実施例では、選択された範囲の気泡サイズを持っている気泡を生成するステップは、噴水式のシステム、毛細管、ノズル、薄膜の接触器または液体に気泡を注入するいずれかの手段により、液体中へガスの注入を備えてもよい。
【0019】
この発明の一つの実施例では、選択された範囲の気泡サイズを持っている気泡を生成するステップは、圧力低下、望ましくは急速な圧力低下を適用すること、または、または1回以上の圧縮/減圧サイクルを適用することを備える。
【0020】
この発明の一つの実施例では、選択された範囲の気泡サイズを持っている気泡を生成するステップは、液体の温度の上昇を備えるか、加熱/冷却の複数サイクルを備える。
【0021】
この発明の一つの実施例では、選択された範囲の気泡サイズを持っている気泡を生成するステップは、液体を追加的な音場にさらすステップを備えてもよい。
【0022】
この発明の一つの実施例では、選択された範囲の気泡サイズを持っている気泡を生成するステップは、液体の中に2つ以上の異なったガスを溶解するか注入することを備える。
【0023】
この発明の一つの実施例では、選択された範囲の気泡サイズを持っている気泡を生成するステップは、液体に表面活性剤を加えることを備えてもよい。
【0024】
この発明の一つの実施例では、気泡サイズの範囲は時間がたつにつれて、変更されてもよい。
【0025】
この発明の一つの実施例では、前記音場は一つ以上の周波数を備えてもよい。
【0026】
この発明の実施例はさらに気泡サイズの範囲を測定するステップを備えることができる。
【0027】
気泡サイズの測定後に、および、前記測定に依存して、音場の特性を制御するステップを更に備えることができる。
【0028】
気泡サイズの測定後に、および、前記測定に依存して、気泡サイズの範囲を制御するステップを更に備えることができる。
【0029】
第2の態様では、この発明は装置を提供し、これは、
液体中にさまざまな気泡サイズを持つ気泡を生成するための手段と、
音場を生成するための手段と、および
液体を音場にさらすための手段とを備え、
液体中にさまざまな気泡サイズを持つ気泡を生成するための手段、および/または、音場を生成するための手段は、気泡サイズの範囲および音場の特性を互いに調整するために適応され、これにより、選択された気泡サイズの範囲内で過渡的なキャビテーションを制御する。
【0030】
この発明による装置では、さまざまな気泡サイズを持っている気泡を生成する手段は、ガス化ユニットまたは、液体中にガスを溶かすためのいずれかの手段を備えてもよい。
【0031】
この発明による装置では、さまざまな気泡サイズを持っている気泡を生成する手段は、バルブ、ノズル、薄膜の接触器または液体中に気泡を注ぐいずれかの手段を備える。
【0032】
この発明による装置では、選択された範囲の気泡サイズを持っている気泡を生成する手段は、熱交換システムまたは液体を加熱/冷却するためのいずれかの手段を備える。
【0033】
この発明による装置では、さまざまな気泡サイズを持っている気泡を生成する手段は、圧力低下を発生させるか、または、1回以上の圧縮/減圧サイクルを発生させるためのいずれかの手段を備える。
【0034】
この発明による装置では、さまざまな気泡サイズを持っている気泡を生成する手段は、追加的な音場を生成し、そして、液体を追加的な音場にさらすための手段を備える。
【0035】
この発明による装置では、さまざまな気泡サイズを持っている気泡を生成する手段は、2つ以上の異なるガスを液体中に溶解するか注入するための手段を備えてもよい。
【0036】
この発明による装置では、さまざまな気泡サイズを持っている気泡を生成する手段は、液体に表面活性剤を加えるための手段を備えてもよい。
【0037】
この発明による装置では、音場を生成するための手段は、一つ以上の周波数を発生できる。
【0038】
この発明による装置では、さらに気泡サイズの範囲を測定するための測定ユニットを更に備えることができる。
【0039】
この発明による装置では、さまざまな気泡サイズを持っている気泡を生成するための手段を制御し、そして/または、音場を生成するための手段を制御する制御ユニットを更に備えることができる。
【発明の効果】
【0040】
過渡的なキャビテーションの発生を制御することにより、選択された範囲の気泡サイズを持っている気泡や、さまざまな気泡サイズを持っている気泡を生成する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】液体中の粒子サイズおよびガス濃度に対するPRE
【図2】時間および液体中のガス濃度に対するSL信号
【図3】音場特性および気泡サイズに対する液体中の気泡の挙動
【図4】気泡サイズおよび音場関数に対する崩壊
【図5】周波数に対する崩壊の間の最大の温度および圧力
【図6】この発明と共に使用することができる2つの複数振動子の設定
【図7】この発明と共に使用することができる特定の設定に対する処理フロー
【図8】スプレーノズルの概略図
【図9】1.8 MHz, 5 W/cm2, 2.5 バールの過度の圧力, 18 ppm酸素に対するPRE
【図10】1.8 MHz, 5 W/cm2, 2.5 バールの過度の圧力, 108 ppm酸素に対するPRE
【図11】飽和レベルに対する気泡の合計
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
この発明は液体中で過渡的なキャビテーションを引き起こすための方法と装置に関する。例えば、消毒が必要である医療のアプリケーション、または半導体産業でのウエハースの洗浄するため洗浄目的のために、そのような方法と装置を使用することができる。この発明は、ある具体化および関連するある図面を用いて説明されるが、これらは説明目的だけのためのものである。
【0043】
過渡的なキャビテーションは、液体中における主な活動が気泡崩壊であるキャビテーションの形態である。この崩壊は熱、衝撃波などで多量のエネルギーを周囲に向かって放出する。
【0044】
液体中の過渡的なキャビテーションを制御して、そして過渡的なキャビテーションの不均一な性質の問題を解決するために、特定の気泡の分布を発生させ、これらの気泡を特定の音場に取り入れるために、方法が開示される。
【0045】
この方法は3つのステップ:液体中にさまざまな気泡サイズを持っている気泡を生成するステップと、音場を生成するステップと、および液体を音場にさらすステップとを備え、気泡サイズの範囲、および/または、音場の特性が互いにそれらを調整するように選択され、それにより、選択された範囲の気泡サイズにおいて過渡的なキャビテーションを制御する。
【0046】
液体中に気泡を生成することは別の方法で実施できる。まず、液体へのガスの追加が必要である。液体に、窒素、酸素、二酸化炭素、アルゴン、ヘリウム、Xenonなどのようなガスをガス化ユニット(例えば、膜の接触器)により加えることができる。液体の周囲圧力、液体の静水圧、ガスの蒸気圧、液体流動、液温、および、ガスと液体との間の接触域は、液体中に溶かされたガスの量を制御する主なパラメータである。ガスの大部分は溶解した状態で存在するであろう。液体の圧力が高い程、また、温度が低い程、液体の中により多くのガスを溶かすことができる。溶解したガスの量および飽和レベルは、気泡形成に影響するであろう。
【0047】
1回以上の圧縮と減圧サイクルで溶解したガスからの気泡の形成を得ることができる。これは、圧縮の後にタンク内の圧力降下を得るために排気弁を使用することによって、実行できる。また、一方が他方より圧力の高い2つのタンクコンパートメントの間のバルブ、オリフィスまたは膜は、圧力降下を供給することができ、それにより、第2のコンパートメント内に気泡を発生できる。圧力差をおよび、任意に圧縮/減圧のサイクルの速度を制御することは、気泡の量とサイズを制御する一つの方法である。溶けたガスから気泡を生成する別の方法は、熱交換システムにより、温度の上昇である。その時、温度シフトは気泡のサイズを決定する主なパラメータである。
【0048】
また、音のエネルギー波が圧縮/減圧サイクルをもたらす圧縮波であるので、音のエネルギーは、溶解ガスから液体中の気泡を生成することができる。
【0049】
溶解ガスから気泡を形成することに替えて、液体中の気泡の即座の注入を適用することができる。噴水式システム、毛細管、ノズルなどは液体中に気泡を注入することができる。また、専用の孔径を備え、供給されたガスから液体を分離する膜の接触器を使用することができる。
【0050】
一般に、ハードウェアの設計、存在するガスの量、減圧速度、温度シフト、界面活性剤(例えば、表面活性剤)の存在などは、液体中に存在する気泡の最終的なサイズを決定するであろう。油溶性ガスと、より大きい気泡が成長するとき、最小の気泡は溶解ガスとして消失し、そして、より大きな気泡が成長する。成長か消滅のどちらかを決定する臨界サイズは、液体中の蒸気圧、液体の周囲圧力、および表面張力によって影響されるであろう。
【0051】
気泡サイズを測定するいくつかの技術は例えば、光分散および音拡散のために利用できる。
【0052】
光分散させる方法では、レーザー光線と直交する向きに連続した状態で、気泡を含む液体が流れているセルを通じてレーザー光線が指向される。レーザー光線が横切った気泡は、光分散を生じさせ、それは、オシロスコープに接続されたフォトダイオードによって検出される。レーザー光線自体は、セルを横切った後に、光線ストッパーによって阻止される。光分散信号の強度は、気泡サイズのための測定であり、ラテックス球の等価サイズによって較正される。任意に、この方法は音場に適用できる。
【0053】
音拡散方法では、送信機は、気泡を含む液状媒体内の信号受信機に向かって信号を送信する。液体内に存在する気泡は、信号の減衰およびグループ速度を与える。気泡の気泡サイズと数のための測定としてこれらの2つのパラメータを較正することができる。しかしながら、信号への音波の影響のためにこの方法は、音場には適用できない。
【0054】
生成された気泡またはそれの少なくとも一部は、典型的な音圧および典型的な周波数での音場に供され、特定の気泡の活動:気泡の成長、波動または崩壊を生じる。すべての気泡がアクティブになるが、それらのすべてが崩壊しないであろう。気泡サイズの特定の分布がある気泡だけが、過渡的なキャビテーションをもたらしながら、崩壊するであろう。これはレイリー-プレセットモデルによって説明されている。以下の数式は液体中における気泡の断熱の崩壊を述べる。
【0055】
【数1】
【0056】
Rは気泡半径、ρは液体濃度、Pg は蒸気圧、Po は周囲の静水力学での圧力、Pa は駆動圧力に依存する時間、 c は液体中の音速、ηは液体の粘性、そして、σは液体の表面張力である。
【0057】
粒子除去の場合には、崩壊する気泡は、マイクロストリーミングおよび、表面上に存在する粒子上で引きずり力の生成をもたらす衝撃波を引き起こす。これらの力がVanderwaalsと静電気力に打ち勝つことができるなら、これらの粒子を取り除くことができる。液体中で最大のマイクロストリーミングと衝撃波を得るために、できるだけ、気泡は基板表面の近傍で崩壊させなければならない。理論上の計算と実験データは、特定の範囲の気泡サイズだけが特定の音場で崩壊することを示している。図4では、最小の気泡サイズより小さいか、または最大の気泡サイズより大きい気泡が、特定の強度および特定の周波数(この場合、1 MHz)の音場で崩壊しないことが示されている。図5では、気泡崩壊の間の最大圧力Pmおよび最高温度Tmは、音場の周波数に依存することが示される。特定の音場で適切な気泡サイズを発生させるとき、その結果、過渡的なキャビテーションを制御することができる。洗浄の場合には、激しく崩壊する気泡を制御することによって、一様な粒子除去を得て、そして、表面で損害量を低減させるために、プロセスの状態を最適化することができる。
【0058】
この発明の一般的な範囲では、音場が与えられる領域内の気泡サイズと音場の特性は、その領域で一定の過渡的なキャビテーションを持つために互いに適合しなければならない。したがって、一方で気泡サイズの有効範囲が特定の理由で制限されるなら、音場は、必要なキャビテーションを得ながら、調整されなければならない。他方では、特定の音場への制限は、気泡サイズの範囲と分布は調整されなければならないことを考慮されなければならない。
【0059】
タンク内の過渡的なキャビテーションの一定性を最適化する方法は、バルブ、オリフィス、膜接触器などの設計を調整することによって、タンク下部での気泡サイズの範囲を調整することである。気泡は、タンク内で上昇するのに応じて成長して、音場に入るとき、必要なサイズを持つであろう。そのうえ、発生した気泡の初期サイズ、発生深さ、タンクの深さ、および音場の位置を、この場合で変えることができる。液体の流速および方位は、タンク内の気泡のサイズと分布を変えることができて、かつ主要な影響を与える別のパラメータである。
【0060】
また、圧力変化が気泡を発生させるだけでなく、減圧か圧縮を繰り返すことにより、気泡サイズを増加するか、または減少させるので、圧縮と減圧のサイクルを適用することも役立つことができる。その上、より良い気泡分布を達成するために、ゆるやかな減圧、すなわち、数ステップでタンクにおける圧力を解放することで、タンク内の異なった深さで気泡を発生させることができる。
【0061】
別の方法は、時間がたつにつれて、気泡サイズの範囲を変えることである。その方法では、より小さい気泡が発生する期間は、よりわずかな深さで最終的に所望なサイズの範囲を提供するであろう。より大きい気泡が発生する期間は、より大きい深さで最終的に所望なサイズの範囲を提供するであろう。上昇するのに応じて、気泡は成長するが、このように一定の気泡分布が得られる。
【0062】
また、異なったガスを使用することができる。 異なった特性がある異なったガスは、また、最終的な気泡サイズの分布に影響を及ぼす。例えば、N2ガスはO2ガスより純粋なウエハース中でより低い飽和レベルを持つ。したがって、N2はO2より容易に気泡を提供するであろう。次に、O2よりわずかな深さでN2ガスを供給するなら、気泡がタンク内で上昇する時、両方のガスに対して気泡サイズがほとんど同じである領域が生成される。任意に、さらなる最適化のために2つ以上のガスを使用することができる。
【0063】
さらに、液体の表面張力を下げるために表面活性剤を使用することができる。気泡サイズはその時、増大するであろう。
【0064】
異なった周波数の数個の振動子を使用するとき、複数の周波数の場がタンク内に作成されるであろう。そのように、キャビテーションに関して、より広い範囲の気泡サイズを制御することができる。1MHzの巨大な音場は2MHzのものより大きい気泡に影響する。2MHzの音場よりわずかな深さで1MHzの巨大音場を供給するなら、より広い範囲の気泡サイズが同様に影響を受け、タンク内で一定の過渡的なキャビテーションを与える。
【0065】
必要な気泡サイズが達成されなければならない深さよりも深いところに、追加的な音場を供給することができる。そのように、正確な特性の追加的な音場は、特定の範囲の気泡を、最終的な範囲のサイズが望まれている領域に入る前に、崩壊できる。
【0066】
さらに、図6で示されるセットアップを使用することができる。タンク下部で同じ周波数の多くの振動子で発生された追加的な音場は、特定の範囲のサイズで気泡を生成するために使用される。タンク内のよりわずかな深さでは、成長した気泡が崩壊するように、同じ周波数の別の多数の振動子が位置する。下部の多数の振動子による単一の振動子と、よりわずかな深さの対応する多数の振動子による単一の振動子との間の液体の流れおよび固定された距離(d)のために、下部の多数の振動子による単一の振動子で発生した各気泡は、同じ量だけ成長し、そして、よりわずかな深さの対応する多数の振動子の音場により、崩壊する。
【0067】
図7は、この発明に基づく特定のセットアップのためにプロセスのフローを説明する。最初に、音場の特性が選択され、次いでレイリー・プレセットモデルに基づき、気泡サイズの範囲が選択される。 これは、逆であってもよい。この気泡サイズの範囲は、液体中にガスを溶かしそして気泡を生成することにより、または、液体中に気泡を直接に注入することにより、生成される。選択された音場が生成されるなら、選択された範囲の気泡サイズ内の気泡を伴う液体は、音場にさらされる。気泡を引き起こすか、または注入した後に、気泡サイズの範囲は、先に言及したような測定技術の1つによって測定される。測定の結果は、気泡の範囲および生成/注入、および/または、音場の特性および生成を制御するのに使用される。このように、フィードバックループのプロセスが生成され、液体中の過渡的なキャビテーションを制御する。
【0068】
この適用で開示されたような発明は、液体を含むタンク内で音場が発生されない場合にも使用することができる。例えば、半導体アプリケーションでは、いくつかのバッチと単一のウエハースの洗浄ツールが知られており、洗浄液が回転するウエハーに適用され、そして、音場がウエハーを通じて洗浄液を通過する。また、巨大音であるか超音波スプレーノズルによる供給の間、洗浄液が音場にさらされる単一ウエハース洗浄ツールは知られている。図8で示されるようにこのスプレーノズルを組み立てることができる。DIW供給(2)およびガス+DIW供給(3)はノズルに入る。振動子(4)は、ノズルの先端に、ガス+DIW供給を囲んで取り付けられる。このセットアップで、選択された範囲の気泡サイズを有する気泡を含んでいる、DIWとガスの混合物は、DIW+ガスの供給に入る前に、発生されなければならない。
【0069】
別の応用分野は音波化学であるかもしれない。そして、一定の反応速度をもたらす一定の触媒作用の効果を得るために、過渡的なキャビテーションからエネルギーを制御された方法で注入するためにこの発明に従った方法を使用することができる。
【0070】
超音波診断では、より良いコントラストをもたらす気泡による超音波の拡散を強めるために気泡サイズと音場を最適化することができる。
【0071】
[実施例1]
レイリー・プレセットモデルに基づくヤングの公式により、特定周波数に対する気泡の共振半径について計算することができる。
【0072】
【数2】
【0073】
周波数(Φr)=1.8MHz、ωr=2πΦr、酸素に対する断熱係数(γ)=1.4、DIWの密度(ρ)=1000kg/m3、そして、0.25mの深さでの静水圧(Po)=103800パスカルであるなら、共振半径は1.85μmである。これは、1.8MHzの音場において、非常に低い音圧(例えば、0.1W/cm2)でさえ、1.85μmの半径がある気泡が崩壊することを意味する。また、より高い音圧(例えば、10W/cm2)では、共振周波数に接近する気泡サイズが同様に崩壊するであろう。
【0074】
特定のTechsonicウエハース洗浄タンク内では、1.8MHzと5W/cm2の音場が発生される。2.5バールの超過圧力で動作し、Mykrolis Phasor 2 ガス化ユニットの通過後に18ppmの酸素を含む、タンクの水およびガスの供給システムは、8SLMの流れを与え、そして、タンクを底から満たす(0.25m 深さ)。タンクの入り口で起こる、103800パスカルへの減圧ステップは、タンク下部で共振半径に近い気泡サイズ分布をもたらす。シリコン・ウエハー上の80nmのSiO2に対し、KLA-Tencor社のhaze チャンネルにより測定された粒子除去効率(PRE)の結果は、図9で与えられる。ウエハースの下部では、PREが99%であり、トップの部分ではPREが1%であるにすぎない。10ppmだけの酸素を含むタンクの下部で送水するとき、共振半径以下の気泡サイズが発生する。タンク内で上昇するのに従って、静水圧の変化および調整された拡散のために、共振半径に近接した気泡サイズの分布に達するまで、成長するであろう。この場合、 PREの結果は図10に与えられる。ウエハースの下部では、PREが僅かに1%であり、トップの部分ではPREが99%である。
【0075】
[実施例2]
単一ウエハースの巨大音洗浄ツール(Verteq Goldfinger)の洗浄性能を評価するために、34nmのSiO2粒子によって汚染された1組みのシリコン基板が使用された。
【0076】
過渡的なキャビテーションを得るのに必要な気泡の形成は、巨大な音場に先立ち、化学供給システム内で実施される。圧力降下を実現するために背圧調整器が使用され、これは、特定の気泡分布につながる、特定のガス(この場合はアルゴン)の制御された過飽和を生成する。この気泡分布を得るために、超純水を高圧(Pwater = 2.6バール)でガス化させることが必要である。加えられたアルゴンの量は、液体が2.6バールのレベルで飽和未満となるが、圧力降下後(Pwater ≒ 1バール) に20%の過飽和となるように選択される。過飽和のため、図11で示されるように、余分な量のアルゴンが供給システム内で典型的な気泡分布を生成する。発生している気泡分布は、2μmより大きい気泡を測定するように設計されたインラインの光拡散ツールによってモニターされる。
【0077】
アルゴン気泡を含む超純水は巨大な音場内に運ばれる。巨大な音場内のこれらの気泡の活動は、125Wの入力パワーで1分間処理後の34nmのSiO2粒子に対する粒子除去効率が80%であるのに対し、ガスが追加されない場合は0% で、そして、飽和レベルが100%を下まわる時は40% であった。
【符号の説明】
【0078】
1:スプレーノズル
2:DIW供給
3:ガス+DIW供給
4:振動子
【技術分野】
【0001】
この発明は液体内の過渡的なキャビテーション(空洞化)を引き起こして、制御するための方法に関する。その方法は、例えば、医療器具の掃除、半導体産業におけるウエハースなどの平坦な基板の掃除などの掃除を含む広範囲のアプリケーションで適用されるかもしれない。
【0002】
また、それは、液体内での過渡的なキャビテーションを引き起こして、制御するのに適したアプリケーション、特に洗浄器に関する。
【背景技術】
【0003】
キャビテーションは、液体中の気泡の挙動として一般に知られ、定義されている。この気泡の挙動は、気泡の成長、脈動または崩壊を含む。気泡の脈動は安定したキャビテーションとして知られているが、気泡の崩壊は過渡的なキャビテーションとして知られている。後者は、熱、衝撃波などで多量のエネルギーを周囲に放出する。
【0004】
過渡的なキャビテーションは多くの技術分野で適用されている。音波化学では、超音波分野で気泡の崩壊は、化学反応に触媒作用の影響を与える。医療のアプリケーションでも、キャビテーションは例えば、超音波診断でコントラストの強化として使用される。たぶんキャビテーションの最もよく知られているアプリケーションは、基板の表面からの粒子の除去である。
【0005】
これらの様々なアプリケーションにおける一般的な問題は、崩壊の位置と外観に関して制御された一定の方法で機能するように、その過渡的なキャビテーション現象をいかに制御するかということである。
【0006】
例えば、今日の洗浄技術における一般的な問題は、基板の表面からの粒子の不均等な除去である。重い崩壊で基板を損傷せずに、他方、一様な洗浄面を維持した状態で粒子が除去されなくてはならない。
【0007】
粒子除去の機構は、より早く、酸素、窒素、アルゴン、キセノン、二酸化炭素などのようなガスでガス化するか、超純粋なウエハースを手に入れるために液体をガス化し、そして次に、気泡を潰すことによって発生する音ルミネセンス(SL)信号および粒子除去効果を見ることによって、研究されている。
【0008】
図1では液体の中のガスの存在が、高い粒子除去効率(PRE)を達成するのに必要であることが示される。図2では、SL信号が、ガス化および非ガス化の液体に対してプロットされる。ガス化された液体では、気泡が崩壊することによって発生するSL信号は、非ガス化の液体とは逆に検出することができる。過渡的なキャビテーションを示す両方の数字の組み合わせは、粒子除去機構の基本である。
【0009】
図3では、Neppiras(音のキャビテーション、1980)は、音場の駆動圧および周波数に依存して、および気泡半径に依存して、気泡が、成長し(ゾーンY)、そして次に、領域Zに入るとき崩壊するか、または、ゾーンXに入ることができるくらい小さいなら再び溶けることを示す。
【0010】
US 6048405 では、Skrovanは、液体内で上げ、そして、その表面を、巨大な音波エネルギーを発している特定の領域に浸した時に、気泡が表面を横切って通過するように、基板の表面下に気泡を導入するマイクロエレクトロニクス産業のための洗浄法を教示している。
【特許文献1】US 6048405
【非特許文献1】Neppiras(音のキャビテーション、1980)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、Skrovanは、過渡的なキャビテーションからの衝撃波によってではなく、巨大な音場からの衝撃波によって表面から粒子が放出されると主張している。しかしながら、巨大な音エネルギーと組み合わせてガス化している液体と比較して、巨大な音エネルギーだけの使用が全く効率的でないことを図1が証明している。そのうえ、そのドキュメントは、過渡的なキャビテーションをどのように制御するかを教示せず、そして、この方法を適用したとき、不均等な洗浄が得られるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
第1の態様では、この発明は、過渡的なキャビテーションを生成するための方法を提供し、
液体中にさまざまな気泡サイズを持っている気泡を生成するステップと、
音場を生成するステップと、および
液体を音場にさらすステップとを備え、
気泡サイズの範囲、および/または、音場の特性が互いにそれらを調整するように選択され、それにより、選択された範囲の気泡サイズにおいて過渡的なキャビテーションを制御する。
【0013】
その液体は、水溶液、有機質、無機質、有極性または無極性の溶剤、化学物質の化合物または、ガスを溶かすか、または注入できるいずれかの流体のいずれか、またはそれらの混合物であってもよい。その方法は、例えば、医療機器に対し、または半導体産業におけるウエハースに対するいずれの洗浄のアウプリケーションにも使用することができる。
【0014】
選択されるべき音場の特性は、がいずれでもあるかもしれない、どんな組み合わせ、周波数、強度、一つまたは複数の振動子の位置、または音場に影響するいずれかのパラメータのいずれか、またはそれらのいずれかの組み合わせであってもよい。
【0015】
この発明の一つの実施例では、 音場の特性の選択の後に、およびそれに依存して、気泡サイズの範囲は選択されてもよい。音場の特性が固定されているか、またはそれの選択が制限されるなら、気泡サイズの範囲が調整されてもよい。
【0016】
この発明の別の実施例では、音場の特性は、選択されたその後の、そして、選択された気泡サイズの範囲の後で、およびそれに依存して選択されてもよい。気泡サイズの範囲が固定されているか、またはそれの選択が制限されるなら、音場の特性が調整されてもよい。
【0017】
この発明の一つの実施例では、選択された範囲の気泡サイズを持っている気泡を生成するステップは、ガス化ユニットまたは、ガスを溶解するいずれかの他の手段によって液体中にガスを溶かすことを備えるかもしれない。
【0018】
この発明の一つの実施例では、選択された範囲の気泡サイズを持っている気泡を生成するステップは、噴水式のシステム、毛細管、ノズル、薄膜の接触器または液体に気泡を注入するいずれかの手段により、液体中へガスの注入を備えてもよい。
【0019】
この発明の一つの実施例では、選択された範囲の気泡サイズを持っている気泡を生成するステップは、圧力低下、望ましくは急速な圧力低下を適用すること、または、または1回以上の圧縮/減圧サイクルを適用することを備える。
【0020】
この発明の一つの実施例では、選択された範囲の気泡サイズを持っている気泡を生成するステップは、液体の温度の上昇を備えるか、加熱/冷却の複数サイクルを備える。
【0021】
この発明の一つの実施例では、選択された範囲の気泡サイズを持っている気泡を生成するステップは、液体を追加的な音場にさらすステップを備えてもよい。
【0022】
この発明の一つの実施例では、選択された範囲の気泡サイズを持っている気泡を生成するステップは、液体の中に2つ以上の異なったガスを溶解するか注入することを備える。
【0023】
この発明の一つの実施例では、選択された範囲の気泡サイズを持っている気泡を生成するステップは、液体に表面活性剤を加えることを備えてもよい。
【0024】
この発明の一つの実施例では、気泡サイズの範囲は時間がたつにつれて、変更されてもよい。
【0025】
この発明の一つの実施例では、前記音場は一つ以上の周波数を備えてもよい。
【0026】
この発明の実施例はさらに気泡サイズの範囲を測定するステップを備えることができる。
【0027】
気泡サイズの測定後に、および、前記測定に依存して、音場の特性を制御するステップを更に備えることができる。
【0028】
気泡サイズの測定後に、および、前記測定に依存して、気泡サイズの範囲を制御するステップを更に備えることができる。
【0029】
第2の態様では、この発明は装置を提供し、これは、
液体中にさまざまな気泡サイズを持つ気泡を生成するための手段と、
音場を生成するための手段と、および
液体を音場にさらすための手段とを備え、
液体中にさまざまな気泡サイズを持つ気泡を生成するための手段、および/または、音場を生成するための手段は、気泡サイズの範囲および音場の特性を互いに調整するために適応され、これにより、選択された気泡サイズの範囲内で過渡的なキャビテーションを制御する。
【0030】
この発明による装置では、さまざまな気泡サイズを持っている気泡を生成する手段は、ガス化ユニットまたは、液体中にガスを溶かすためのいずれかの手段を備えてもよい。
【0031】
この発明による装置では、さまざまな気泡サイズを持っている気泡を生成する手段は、バルブ、ノズル、薄膜の接触器または液体中に気泡を注ぐいずれかの手段を備える。
【0032】
この発明による装置では、選択された範囲の気泡サイズを持っている気泡を生成する手段は、熱交換システムまたは液体を加熱/冷却するためのいずれかの手段を備える。
【0033】
この発明による装置では、さまざまな気泡サイズを持っている気泡を生成する手段は、圧力低下を発生させるか、または、1回以上の圧縮/減圧サイクルを発生させるためのいずれかの手段を備える。
【0034】
この発明による装置では、さまざまな気泡サイズを持っている気泡を生成する手段は、追加的な音場を生成し、そして、液体を追加的な音場にさらすための手段を備える。
【0035】
この発明による装置では、さまざまな気泡サイズを持っている気泡を生成する手段は、2つ以上の異なるガスを液体中に溶解するか注入するための手段を備えてもよい。
【0036】
この発明による装置では、さまざまな気泡サイズを持っている気泡を生成する手段は、液体に表面活性剤を加えるための手段を備えてもよい。
【0037】
この発明による装置では、音場を生成するための手段は、一つ以上の周波数を発生できる。
【0038】
この発明による装置では、さらに気泡サイズの範囲を測定するための測定ユニットを更に備えることができる。
【0039】
この発明による装置では、さまざまな気泡サイズを持っている気泡を生成するための手段を制御し、そして/または、音場を生成するための手段を制御する制御ユニットを更に備えることができる。
【発明の効果】
【0040】
過渡的なキャビテーションの発生を制御することにより、選択された範囲の気泡サイズを持っている気泡や、さまざまな気泡サイズを持っている気泡を生成する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】液体中の粒子サイズおよびガス濃度に対するPRE
【図2】時間および液体中のガス濃度に対するSL信号
【図3】音場特性および気泡サイズに対する液体中の気泡の挙動
【図4】気泡サイズおよび音場関数に対する崩壊
【図5】周波数に対する崩壊の間の最大の温度および圧力
【図6】この発明と共に使用することができる2つの複数振動子の設定
【図7】この発明と共に使用することができる特定の設定に対する処理フロー
【図8】スプレーノズルの概略図
【図9】1.8 MHz, 5 W/cm2, 2.5 バールの過度の圧力, 18 ppm酸素に対するPRE
【図10】1.8 MHz, 5 W/cm2, 2.5 バールの過度の圧力, 108 ppm酸素に対するPRE
【図11】飽和レベルに対する気泡の合計
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
この発明は液体中で過渡的なキャビテーションを引き起こすための方法と装置に関する。例えば、消毒が必要である医療のアプリケーション、または半導体産業でのウエハースの洗浄するため洗浄目的のために、そのような方法と装置を使用することができる。この発明は、ある具体化および関連するある図面を用いて説明されるが、これらは説明目的だけのためのものである。
【0043】
過渡的なキャビテーションは、液体中における主な活動が気泡崩壊であるキャビテーションの形態である。この崩壊は熱、衝撃波などで多量のエネルギーを周囲に向かって放出する。
【0044】
液体中の過渡的なキャビテーションを制御して、そして過渡的なキャビテーションの不均一な性質の問題を解決するために、特定の気泡の分布を発生させ、これらの気泡を特定の音場に取り入れるために、方法が開示される。
【0045】
この方法は3つのステップ:液体中にさまざまな気泡サイズを持っている気泡を生成するステップと、音場を生成するステップと、および液体を音場にさらすステップとを備え、気泡サイズの範囲、および/または、音場の特性が互いにそれらを調整するように選択され、それにより、選択された範囲の気泡サイズにおいて過渡的なキャビテーションを制御する。
【0046】
液体中に気泡を生成することは別の方法で実施できる。まず、液体へのガスの追加が必要である。液体に、窒素、酸素、二酸化炭素、アルゴン、ヘリウム、Xenonなどのようなガスをガス化ユニット(例えば、膜の接触器)により加えることができる。液体の周囲圧力、液体の静水圧、ガスの蒸気圧、液体流動、液温、および、ガスと液体との間の接触域は、液体中に溶かされたガスの量を制御する主なパラメータである。ガスの大部分は溶解した状態で存在するであろう。液体の圧力が高い程、また、温度が低い程、液体の中により多くのガスを溶かすことができる。溶解したガスの量および飽和レベルは、気泡形成に影響するであろう。
【0047】
1回以上の圧縮と減圧サイクルで溶解したガスからの気泡の形成を得ることができる。これは、圧縮の後にタンク内の圧力降下を得るために排気弁を使用することによって、実行できる。また、一方が他方より圧力の高い2つのタンクコンパートメントの間のバルブ、オリフィスまたは膜は、圧力降下を供給することができ、それにより、第2のコンパートメント内に気泡を発生できる。圧力差をおよび、任意に圧縮/減圧のサイクルの速度を制御することは、気泡の量とサイズを制御する一つの方法である。溶けたガスから気泡を生成する別の方法は、熱交換システムにより、温度の上昇である。その時、温度シフトは気泡のサイズを決定する主なパラメータである。
【0048】
また、音のエネルギー波が圧縮/減圧サイクルをもたらす圧縮波であるので、音のエネルギーは、溶解ガスから液体中の気泡を生成することができる。
【0049】
溶解ガスから気泡を形成することに替えて、液体中の気泡の即座の注入を適用することができる。噴水式システム、毛細管、ノズルなどは液体中に気泡を注入することができる。また、専用の孔径を備え、供給されたガスから液体を分離する膜の接触器を使用することができる。
【0050】
一般に、ハードウェアの設計、存在するガスの量、減圧速度、温度シフト、界面活性剤(例えば、表面活性剤)の存在などは、液体中に存在する気泡の最終的なサイズを決定するであろう。油溶性ガスと、より大きい気泡が成長するとき、最小の気泡は溶解ガスとして消失し、そして、より大きな気泡が成長する。成長か消滅のどちらかを決定する臨界サイズは、液体中の蒸気圧、液体の周囲圧力、および表面張力によって影響されるであろう。
【0051】
気泡サイズを測定するいくつかの技術は例えば、光分散および音拡散のために利用できる。
【0052】
光分散させる方法では、レーザー光線と直交する向きに連続した状態で、気泡を含む液体が流れているセルを通じてレーザー光線が指向される。レーザー光線が横切った気泡は、光分散を生じさせ、それは、オシロスコープに接続されたフォトダイオードによって検出される。レーザー光線自体は、セルを横切った後に、光線ストッパーによって阻止される。光分散信号の強度は、気泡サイズのための測定であり、ラテックス球の等価サイズによって較正される。任意に、この方法は音場に適用できる。
【0053】
音拡散方法では、送信機は、気泡を含む液状媒体内の信号受信機に向かって信号を送信する。液体内に存在する気泡は、信号の減衰およびグループ速度を与える。気泡の気泡サイズと数のための測定としてこれらの2つのパラメータを較正することができる。しかしながら、信号への音波の影響のためにこの方法は、音場には適用できない。
【0054】
生成された気泡またはそれの少なくとも一部は、典型的な音圧および典型的な周波数での音場に供され、特定の気泡の活動:気泡の成長、波動または崩壊を生じる。すべての気泡がアクティブになるが、それらのすべてが崩壊しないであろう。気泡サイズの特定の分布がある気泡だけが、過渡的なキャビテーションをもたらしながら、崩壊するであろう。これはレイリー-プレセットモデルによって説明されている。以下の数式は液体中における気泡の断熱の崩壊を述べる。
【0055】
【数1】
【0056】
Rは気泡半径、ρは液体濃度、Pg は蒸気圧、Po は周囲の静水力学での圧力、Pa は駆動圧力に依存する時間、 c は液体中の音速、ηは液体の粘性、そして、σは液体の表面張力である。
【0057】
粒子除去の場合には、崩壊する気泡は、マイクロストリーミングおよび、表面上に存在する粒子上で引きずり力の生成をもたらす衝撃波を引き起こす。これらの力がVanderwaalsと静電気力に打ち勝つことができるなら、これらの粒子を取り除くことができる。液体中で最大のマイクロストリーミングと衝撃波を得るために、できるだけ、気泡は基板表面の近傍で崩壊させなければならない。理論上の計算と実験データは、特定の範囲の気泡サイズだけが特定の音場で崩壊することを示している。図4では、最小の気泡サイズより小さいか、または最大の気泡サイズより大きい気泡が、特定の強度および特定の周波数(この場合、1 MHz)の音場で崩壊しないことが示されている。図5では、気泡崩壊の間の最大圧力Pmおよび最高温度Tmは、音場の周波数に依存することが示される。特定の音場で適切な気泡サイズを発生させるとき、その結果、過渡的なキャビテーションを制御することができる。洗浄の場合には、激しく崩壊する気泡を制御することによって、一様な粒子除去を得て、そして、表面で損害量を低減させるために、プロセスの状態を最適化することができる。
【0058】
この発明の一般的な範囲では、音場が与えられる領域内の気泡サイズと音場の特性は、その領域で一定の過渡的なキャビテーションを持つために互いに適合しなければならない。したがって、一方で気泡サイズの有効範囲が特定の理由で制限されるなら、音場は、必要なキャビテーションを得ながら、調整されなければならない。他方では、特定の音場への制限は、気泡サイズの範囲と分布は調整されなければならないことを考慮されなければならない。
【0059】
タンク内の過渡的なキャビテーションの一定性を最適化する方法は、バルブ、オリフィス、膜接触器などの設計を調整することによって、タンク下部での気泡サイズの範囲を調整することである。気泡は、タンク内で上昇するのに応じて成長して、音場に入るとき、必要なサイズを持つであろう。そのうえ、発生した気泡の初期サイズ、発生深さ、タンクの深さ、および音場の位置を、この場合で変えることができる。液体の流速および方位は、タンク内の気泡のサイズと分布を変えることができて、かつ主要な影響を与える別のパラメータである。
【0060】
また、圧力変化が気泡を発生させるだけでなく、減圧か圧縮を繰り返すことにより、気泡サイズを増加するか、または減少させるので、圧縮と減圧のサイクルを適用することも役立つことができる。その上、より良い気泡分布を達成するために、ゆるやかな減圧、すなわち、数ステップでタンクにおける圧力を解放することで、タンク内の異なった深さで気泡を発生させることができる。
【0061】
別の方法は、時間がたつにつれて、気泡サイズの範囲を変えることである。その方法では、より小さい気泡が発生する期間は、よりわずかな深さで最終的に所望なサイズの範囲を提供するであろう。より大きい気泡が発生する期間は、より大きい深さで最終的に所望なサイズの範囲を提供するであろう。上昇するのに応じて、気泡は成長するが、このように一定の気泡分布が得られる。
【0062】
また、異なったガスを使用することができる。 異なった特性がある異なったガスは、また、最終的な気泡サイズの分布に影響を及ぼす。例えば、N2ガスはO2ガスより純粋なウエハース中でより低い飽和レベルを持つ。したがって、N2はO2より容易に気泡を提供するであろう。次に、O2よりわずかな深さでN2ガスを供給するなら、気泡がタンク内で上昇する時、両方のガスに対して気泡サイズがほとんど同じである領域が生成される。任意に、さらなる最適化のために2つ以上のガスを使用することができる。
【0063】
さらに、液体の表面張力を下げるために表面活性剤を使用することができる。気泡サイズはその時、増大するであろう。
【0064】
異なった周波数の数個の振動子を使用するとき、複数の周波数の場がタンク内に作成されるであろう。そのように、キャビテーションに関して、より広い範囲の気泡サイズを制御することができる。1MHzの巨大な音場は2MHzのものより大きい気泡に影響する。2MHzの音場よりわずかな深さで1MHzの巨大音場を供給するなら、より広い範囲の気泡サイズが同様に影響を受け、タンク内で一定の過渡的なキャビテーションを与える。
【0065】
必要な気泡サイズが達成されなければならない深さよりも深いところに、追加的な音場を供給することができる。そのように、正確な特性の追加的な音場は、特定の範囲の気泡を、最終的な範囲のサイズが望まれている領域に入る前に、崩壊できる。
【0066】
さらに、図6で示されるセットアップを使用することができる。タンク下部で同じ周波数の多くの振動子で発生された追加的な音場は、特定の範囲のサイズで気泡を生成するために使用される。タンク内のよりわずかな深さでは、成長した気泡が崩壊するように、同じ周波数の別の多数の振動子が位置する。下部の多数の振動子による単一の振動子と、よりわずかな深さの対応する多数の振動子による単一の振動子との間の液体の流れおよび固定された距離(d)のために、下部の多数の振動子による単一の振動子で発生した各気泡は、同じ量だけ成長し、そして、よりわずかな深さの対応する多数の振動子の音場により、崩壊する。
【0067】
図7は、この発明に基づく特定のセットアップのためにプロセスのフローを説明する。最初に、音場の特性が選択され、次いでレイリー・プレセットモデルに基づき、気泡サイズの範囲が選択される。 これは、逆であってもよい。この気泡サイズの範囲は、液体中にガスを溶かしそして気泡を生成することにより、または、液体中に気泡を直接に注入することにより、生成される。選択された音場が生成されるなら、選択された範囲の気泡サイズ内の気泡を伴う液体は、音場にさらされる。気泡を引き起こすか、または注入した後に、気泡サイズの範囲は、先に言及したような測定技術の1つによって測定される。測定の結果は、気泡の範囲および生成/注入、および/または、音場の特性および生成を制御するのに使用される。このように、フィードバックループのプロセスが生成され、液体中の過渡的なキャビテーションを制御する。
【0068】
この適用で開示されたような発明は、液体を含むタンク内で音場が発生されない場合にも使用することができる。例えば、半導体アプリケーションでは、いくつかのバッチと単一のウエハースの洗浄ツールが知られており、洗浄液が回転するウエハーに適用され、そして、音場がウエハーを通じて洗浄液を通過する。また、巨大音であるか超音波スプレーノズルによる供給の間、洗浄液が音場にさらされる単一ウエハース洗浄ツールは知られている。図8で示されるようにこのスプレーノズルを組み立てることができる。DIW供給(2)およびガス+DIW供給(3)はノズルに入る。振動子(4)は、ノズルの先端に、ガス+DIW供給を囲んで取り付けられる。このセットアップで、選択された範囲の気泡サイズを有する気泡を含んでいる、DIWとガスの混合物は、DIW+ガスの供給に入る前に、発生されなければならない。
【0069】
別の応用分野は音波化学であるかもしれない。そして、一定の反応速度をもたらす一定の触媒作用の効果を得るために、過渡的なキャビテーションからエネルギーを制御された方法で注入するためにこの発明に従った方法を使用することができる。
【0070】
超音波診断では、より良いコントラストをもたらす気泡による超音波の拡散を強めるために気泡サイズと音場を最適化することができる。
【0071】
[実施例1]
レイリー・プレセットモデルに基づくヤングの公式により、特定周波数に対する気泡の共振半径について計算することができる。
【0072】
【数2】
【0073】
周波数(Φr)=1.8MHz、ωr=2πΦr、酸素に対する断熱係数(γ)=1.4、DIWの密度(ρ)=1000kg/m3、そして、0.25mの深さでの静水圧(Po)=103800パスカルであるなら、共振半径は1.85μmである。これは、1.8MHzの音場において、非常に低い音圧(例えば、0.1W/cm2)でさえ、1.85μmの半径がある気泡が崩壊することを意味する。また、より高い音圧(例えば、10W/cm2)では、共振周波数に接近する気泡サイズが同様に崩壊するであろう。
【0074】
特定のTechsonicウエハース洗浄タンク内では、1.8MHzと5W/cm2の音場が発生される。2.5バールの超過圧力で動作し、Mykrolis Phasor 2 ガス化ユニットの通過後に18ppmの酸素を含む、タンクの水およびガスの供給システムは、8SLMの流れを与え、そして、タンクを底から満たす(0.25m 深さ)。タンクの入り口で起こる、103800パスカルへの減圧ステップは、タンク下部で共振半径に近い気泡サイズ分布をもたらす。シリコン・ウエハー上の80nmのSiO2に対し、KLA-Tencor社のhaze チャンネルにより測定された粒子除去効率(PRE)の結果は、図9で与えられる。ウエハースの下部では、PREが99%であり、トップの部分ではPREが1%であるにすぎない。10ppmだけの酸素を含むタンクの下部で送水するとき、共振半径以下の気泡サイズが発生する。タンク内で上昇するのに従って、静水圧の変化および調整された拡散のために、共振半径に近接した気泡サイズの分布に達するまで、成長するであろう。この場合、 PREの結果は図10に与えられる。ウエハースの下部では、PREが僅かに1%であり、トップの部分ではPREが99%である。
【0075】
[実施例2]
単一ウエハースの巨大音洗浄ツール(Verteq Goldfinger)の洗浄性能を評価するために、34nmのSiO2粒子によって汚染された1組みのシリコン基板が使用された。
【0076】
過渡的なキャビテーションを得るのに必要な気泡の形成は、巨大な音場に先立ち、化学供給システム内で実施される。圧力降下を実現するために背圧調整器が使用され、これは、特定の気泡分布につながる、特定のガス(この場合はアルゴン)の制御された過飽和を生成する。この気泡分布を得るために、超純水を高圧(Pwater = 2.6バール)でガス化させることが必要である。加えられたアルゴンの量は、液体が2.6バールのレベルで飽和未満となるが、圧力降下後(Pwater ≒ 1バール) に20%の過飽和となるように選択される。過飽和のため、図11で示されるように、余分な量のアルゴンが供給システム内で典型的な気泡分布を生成する。発生している気泡分布は、2μmより大きい気泡を測定するように設計されたインラインの光拡散ツールによってモニターされる。
【0077】
アルゴン気泡を含む超純水は巨大な音場内に運ばれる。巨大な音場内のこれらの気泡の活動は、125Wの入力パワーで1分間処理後の34nmのSiO2粒子に対する粒子除去効率が80%であるのに対し、ガスが追加されない場合は0% で、そして、飽和レベルが100%を下まわる時は40% であった。
【符号の説明】
【0078】
1:スプレーノズル
2:DIW供給
3:ガス+DIW供給
4:振動子
【特許請求の範囲】
【請求項1】
過渡的なキャビテーションを生成するための方法であり、
液体中にさまざまな気泡サイズを持っている気泡を生成するステップと、
音場を生成するステップと、および
液体を音場にさらすステップとを備え、
気泡サイズの範囲、および/または、音場の特性が互いにそれらを調整するように選択され、それにより、選択された範囲の気泡サイズにおいて過渡的なキャビテーションを制御することを特徴とする方法。
【請求項2】
音場の特性の選択の後に、およびそれに依存して、気泡サイズの範囲が選択される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
音場の特性は、選択されたその後の、そして、選択された気泡サイズの範囲の後で、およびそれに依存して選択される請求項1に記載の方法。
【請求項4】
選択された範囲の気泡サイズを持っている気泡を生成するステップは、ガス化ユニットまたは、ガスを溶解するいずれかの他の手段によって液体中にガスを溶解することを備える請求項1に記載の方法。
【請求項5】
選択された範囲の気泡サイズを持っている気泡を生成するステップは、噴水式のシステム、毛細管、ノズル、薄膜の接触器または液体に気泡を注入するいずれかの手段により、液体中へガスの注入を備える請求項1に記載の方法。
【請求項6】
選択された範囲の気泡サイズを持っている気泡を生成するステップは、圧力低下、望ましくは急速な圧力低下を適用すること、または、または1回以上の圧縮/減圧サイクルを適用することを備える請求項1に記載の方法。
【請求項7】
選択された範囲の気泡サイズを持っている気泡を生成するステップは、液体の温度の上昇を備えるか、加熱/冷却の複数サイクルを備える請求項1に記載の方法。
【請求項8】
選択された範囲の気泡サイズを持っている気泡を生成するステップは、液体を追加的な音場にさらすステップを備える請求項1に記載の方法。
【請求項9】
選択された範囲の気泡サイズを持っている気泡を生成するステップは、液体中に2つ以上の異なったガスを溶解するか注入することを備える請求項1に記載の方法。
【請求項10】
選択された範囲の気泡サイズを持っている気泡を生成するステップは、液体に表面活性剤を加えることを備える請求項1に記載の方法。
【請求項11】
気泡サイズの範囲は時間がたつにつれて、変更される請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記音場は一つ以上の周波数を備える請求項1に記載の方法。
【請求項13】
さらに気泡サイズの範囲を測定するステップを備える請求項1に記載の方法。
【請求項14】
気泡サイズの測定後に、および、前記測定に依存して、音場の特性を制御するステップを更に備える請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記測定後に、および、前記測定に依存して、気泡サイズの範囲を制御するためのステップを更に備える請求項13に記載の方法。
【請求項16】
半導体基板の洗浄のために使用される請求項1〜15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
液体中にさまざまな気泡サイズを持つ気泡を生成するための手段と、
音場を生成するための手段と、および
液体を音場にさらすための手段とを備え、
液体中にさまざまな気泡サイズを持つ気泡を生成するための手段、および/または、音場を生成するための手段は、気泡サイズの範囲および音場の特性を互いに調整するために適応され、これにより、選択された気泡サイズの範囲内で過渡的なキャビテーションを制御することを特徴とする装置。
【請求項18】
さまざまな気泡サイズを持っている気泡を生成する手段は、ガス化ユニットまたは、液体中にガスを溶解するためのいずれかの手段を備える請求項17に記載の装置。
【請求項19】
さまざまな気泡サイズを持っている気泡を生成する手段は、バルブ、ノズル、薄膜の接触器または液体中に気泡を注入するいずれかの手段を備える請求項17に記載の装置。
【請求項20】
選択された範囲の気泡サイズを持っている気泡を生成する手段は、熱交換システムまたは液体を加熱/冷却するためのいずれかの手段を備える請求項17に記載の装置。
【請求項21】
さまざまな気泡サイズを持っている気泡を生成する手段は、圧力低下を発生させるか、または、1回以上の圧縮/減圧サイクルを発生させるためのいずれかの手段を備える請求項17に記載の装置。
【請求項22】
さまざまな気泡サイズを持っている気泡を生成する手段は、追加的な音場を生成し、そして、液体を追加的な音場にさらすための手段を備える請求項17に記載の装置。
【請求項23】
さまざまな気泡サイズを持っている気泡を生成する手段は、液体中に2つ以上の異なったガスを溶解するか注入するための手段を備える請求項17に記載の装置。
【請求項24】
さまざまな気泡サイズを持っている気泡を生成する手段は、液体に表面活性剤を加えるための手段を備える請求項17に記載の装置。
【請求項25】
音場を生成するための手段は、一つ以上の周波数を発生できる請求項17に記載の装置。
【請求項26】
さらに気泡サイズの範囲を測定するための測定ユニットを更に備える請求項17に記載の装置。
【請求項27】
さまざまな気泡サイズを持っている気泡を生成するための手段を制御し、そして/または、音場を生成するための手段を制御する制御ユニットを更に備える請求項17に記載の装置。
【請求項28】
半導体基板の洗浄のために使用される請求項17〜27のいずれかに記載の装置。
【請求項1】
過渡的なキャビテーションを生成するための方法であり、
液体中にさまざまな気泡サイズを持っている気泡を生成するステップと、
音場を生成するステップと、および
液体を音場にさらすステップとを備え、
気泡サイズの範囲、および/または、音場の特性が互いにそれらを調整するように選択され、それにより、選択された範囲の気泡サイズにおいて過渡的なキャビテーションを制御することを特徴とする方法。
【請求項2】
音場の特性の選択の後に、およびそれに依存して、気泡サイズの範囲が選択される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
音場の特性は、選択されたその後の、そして、選択された気泡サイズの範囲の後で、およびそれに依存して選択される請求項1に記載の方法。
【請求項4】
選択された範囲の気泡サイズを持っている気泡を生成するステップは、ガス化ユニットまたは、ガスを溶解するいずれかの他の手段によって液体中にガスを溶解することを備える請求項1に記載の方法。
【請求項5】
選択された範囲の気泡サイズを持っている気泡を生成するステップは、噴水式のシステム、毛細管、ノズル、薄膜の接触器または液体に気泡を注入するいずれかの手段により、液体中へガスの注入を備える請求項1に記載の方法。
【請求項6】
選択された範囲の気泡サイズを持っている気泡を生成するステップは、圧力低下、望ましくは急速な圧力低下を適用すること、または、または1回以上の圧縮/減圧サイクルを適用することを備える請求項1に記載の方法。
【請求項7】
選択された範囲の気泡サイズを持っている気泡を生成するステップは、液体の温度の上昇を備えるか、加熱/冷却の複数サイクルを備える請求項1に記載の方法。
【請求項8】
選択された範囲の気泡サイズを持っている気泡を生成するステップは、液体を追加的な音場にさらすステップを備える請求項1に記載の方法。
【請求項9】
選択された範囲の気泡サイズを持っている気泡を生成するステップは、液体中に2つ以上の異なったガスを溶解するか注入することを備える請求項1に記載の方法。
【請求項10】
選択された範囲の気泡サイズを持っている気泡を生成するステップは、液体に表面活性剤を加えることを備える請求項1に記載の方法。
【請求項11】
気泡サイズの範囲は時間がたつにつれて、変更される請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記音場は一つ以上の周波数を備える請求項1に記載の方法。
【請求項13】
さらに気泡サイズの範囲を測定するステップを備える請求項1に記載の方法。
【請求項14】
気泡サイズの測定後に、および、前記測定に依存して、音場の特性を制御するステップを更に備える請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記測定後に、および、前記測定に依存して、気泡サイズの範囲を制御するためのステップを更に備える請求項13に記載の方法。
【請求項16】
半導体基板の洗浄のために使用される請求項1〜15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
液体中にさまざまな気泡サイズを持つ気泡を生成するための手段と、
音場を生成するための手段と、および
液体を音場にさらすための手段とを備え、
液体中にさまざまな気泡サイズを持つ気泡を生成するための手段、および/または、音場を生成するための手段は、気泡サイズの範囲および音場の特性を互いに調整するために適応され、これにより、選択された気泡サイズの範囲内で過渡的なキャビテーションを制御することを特徴とする装置。
【請求項18】
さまざまな気泡サイズを持っている気泡を生成する手段は、ガス化ユニットまたは、液体中にガスを溶解するためのいずれかの手段を備える請求項17に記載の装置。
【請求項19】
さまざまな気泡サイズを持っている気泡を生成する手段は、バルブ、ノズル、薄膜の接触器または液体中に気泡を注入するいずれかの手段を備える請求項17に記載の装置。
【請求項20】
選択された範囲の気泡サイズを持っている気泡を生成する手段は、熱交換システムまたは液体を加熱/冷却するためのいずれかの手段を備える請求項17に記載の装置。
【請求項21】
さまざまな気泡サイズを持っている気泡を生成する手段は、圧力低下を発生させるか、または、1回以上の圧縮/減圧サイクルを発生させるためのいずれかの手段を備える請求項17に記載の装置。
【請求項22】
さまざまな気泡サイズを持っている気泡を生成する手段は、追加的な音場を生成し、そして、液体を追加的な音場にさらすための手段を備える請求項17に記載の装置。
【請求項23】
さまざまな気泡サイズを持っている気泡を生成する手段は、液体中に2つ以上の異なったガスを溶解するか注入するための手段を備える請求項17に記載の装置。
【請求項24】
さまざまな気泡サイズを持っている気泡を生成する手段は、液体に表面活性剤を加えるための手段を備える請求項17に記載の装置。
【請求項25】
音場を生成するための手段は、一つ以上の周波数を発生できる請求項17に記載の装置。
【請求項26】
さらに気泡サイズの範囲を測定するための測定ユニットを更に備える請求項17に記載の装置。
【請求項27】
さまざまな気泡サイズを持っている気泡を生成するための手段を制御し、そして/または、音場を生成するための手段を制御する制御ユニットを更に備える請求項17に記載の装置。
【請求項28】
半導体基板の洗浄のために使用される請求項17〜27のいずれかに記載の装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図11】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図11】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2011−115793(P2011−115793A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−37788(P2011−37788)
【出願日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【分割の表示】特願2005−274747(P2005−274747)の分割
【原出願日】平成17年9月21日(2005.9.21)
【出願人】(591060898)アイメック (302)
【氏名又は名称原語表記】IMEC
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−37788(P2011−37788)
【出願日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【分割の表示】特願2005−274747(P2005−274747)の分割
【原出願日】平成17年9月21日(2005.9.21)
【出願人】(591060898)アイメック (302)
【氏名又は名称原語表記】IMEC
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】
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