説明

被送給物の送給装置及び送給方法

【課題】 被送給物を連続的に確実にスムーズに送給でき、被送給物を所定の押し固め状態にできると共に、押し固め部分の長さを短く設定でき、搬送・圧縮用ケーシング内で被送給物が詰まる虞がなく、被送給物をスムーズに繰り出せ、押し固めた被送給物を細かく解せ、構成簡素で、耐久性に優れ、取扱い容易で、作業性に優れ、量産に適し、低廉で、経済的な送給装置を提供する。
【解決手段】 搬送・圧縮用ケーシング10先端がわで被送給物を押し固め状態とし、これを繰り出す搬送・圧縮機構Bと、搬送・圧縮用ケーシング10の先端開口部分の一部或いは全部を開閉する開閉機構Cと、押し固め状態の被送給物を解し、搬送用エアーを送給する解し・エアー混入機構Dとを備え、搬送用エアーは、押し固めてある被送給物を通過することなく、搬送筒50内を移動して、解した被送給物を搬送できるよう構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、適宜撹拌装置で撹拌されたり、或いは、適宜破砕装置で細かく破砕されたりした適宜被送給物(例えば、土に肥料及び種子等を加えて撹拌した緑化用客土や、堆肥や、コンクリートや、モルタルや、細かく破砕された木片や、その他)を、適宜供給機構に貯蔵した(例えば、一時的に蓄えた)後に、これを搬送・圧縮機構に送り込み、更に、搬送・圧縮機構及び開閉機構を介して解し・エアー混入機構に送り込み、そして、搬送用エアー等の圧力を利用して適宜搬送筒内に適宜被送給物を連続的に送り込めるようにすると共に、かなり長尺な搬送筒内をその先端までスムーズに送給できるように工夫した被送給物の送給装置及び送給方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の送給手段としては、例えば、特許文献1に示すような吹き付け機が開示されている。
そして、この吹き付け機は、ホッパの下に、ホッパと連通して前後端が閉塞された円筒を設け、円筒内に設けたスクリュウコンベヤのスクリュウの終端から、スクリュウ軸を延出させて延出部を形成して、コンプレッサへ接続される噴気筒と、散布ホースを接続する、噴気筒の内径より大きい内径の排出筒とを、延出部の軸端付近で、スクリュウコンベヤの搬送方向と直交、かつ対向させて円筒に開口するとともに、両筒を連結ホースで接続し、両筒の前記開口部付近で延出部にほぐし翼を取付けて、ほぐし翼とスクリュウの終端との間で円筒に、搬送された吹き付け材を圧縮して円筒を閉塞可能な閉塞部を形成してなるものである。
【0003】
【特許文献1】特許第2729572号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述の如き吹き付け機にあっては、例えば、スクリュウコンベヤによって搬送された吹き付け材を最初に圧縮して円筒を閉塞可能な閉塞部を形成しようとするときに、比較的流動性の良い吹き付け材にあっては、これがスクリュウコンベヤの押出し力によって円筒内を比較的スムーズに移動してしまい、円筒を閉塞するような閉塞部がなかなか設けられない難点があった。
そこで、円筒内に於いてスクリュウが存在しない部分を長く形成すると、比較的流動性の良い吹き付け材であっても、閉塞部が確実に設けられるようになるが、閉塞部自体が比較的長く構成されるようになってしまい、スクリュウコンベヤの押出し力より円筒内の閉塞部の移動抵抗の方が大きくなって、スクリュウコンベヤの押出し力では、閉塞部の移動が行えず、円筒内が詰まった状態となってしまう問題点があった。すなわち、吹き付け材の搬送が停止してしまうだけでなく、円筒内で詰まった部分の吹き付け材を一旦解さなければ、送給を再開できない難点があった。
しかも、円筒内の閉塞部の移動抵抗力は、瞬時に増大するようになるため、閉塞部が円筒内で詰まった状態とならないように設定するのが(例えば、吹き付け材の流動性の設定や、円筒内に於いてスクリュウが存在しない部分の長さの設定等)、大変難しい難点等もあった。
また、スクリュウ軸を延出させた延出部にほぐし翼を取付けてあるため、ほぐし翼は、比較的低速回転となるスクリュウと共に回転することとなり、圧縮された吹き付け材を十分に解し難いと共に解すのに時間がかかる難点等もあった。更に、メンテナンス等も面倒であった。
加えて、ほぐし翼が設けてある部分と、吹き付け材が圧縮されている部分の円筒の内径が同じであるため、圧縮されている吹き付け材をほぐし翼で解した時に、解された吹き付け材は、全体の体積が急激に増すようになるため、ほぐし翼が設けてある部分の容積が十分に大きくないと、吹き付け材がスムーズに解れ難くなる難点もあった。
更に、ホッパからスクリュウコンベヤの円筒内に吹き付け材を送る際、例えば、吹き付け材が比較的軽いものであると、円筒内にスムーズに送り難い等の難点もあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、本発明は、前述の如き難点等を解消するのは勿論のこと、適宜被送給物(例えば、土に肥料及び種子等を加えて撹拌した緑化用客土や、堆肥や、コンクリートや、モルタルや、細かく破砕された木片や、その他等)を、略ホース状の適宜搬送筒内に連続的に送給でき、かなり長尺な搬送筒内を先端がわまで確実に且つスムーズに送給できるようにし、しかも、構成が簡素で、耐久性に優れ、取扱いが容易で、作業性に優れ、量産に適し、低廉に提供でき、経済的な送給装置を提供できるようにすべく創出されたものである。
しかして、請求項1記載の送給装置にあっては、緑化用客土や、堆肥や、細かく破砕された木片や、コンクリートや、モルタルや、その他の適宜被送給物を、搬送用エアーの圧力によって搬送筒50内に連続的に送り込めるようにすると共に、長尺な搬送筒50の先端まで搬送可能となるように構成された送給装置であって、適宜供給機構Aから供給される被送給物を、略円筒状の搬送・圧縮用ケーシング10の基端がわから先端に向って連続的に搬送して、搬送・圧縮用ケーシング10内先端がわで被送給物を所定の押し固め状態にできると共に、この押し固め状態の被送給物を搬送・圧縮用ケーシング10先端から繰り出せるように構成された搬送・圧縮機構Bと、搬送・圧縮用ケーシング10の先端開口部分の一部或いは全部を開閉できるように構成されると共に、被送給物を搬送・圧縮用ケーシング10内先端がわで最初に押し固める際に、搬送・圧縮用ケーシング10の先端開口部分の一部或いは全部を閉じておけるように構成された開閉機構Cと、搬送・圧縮用ケーシング10の先端がわに連設される解し・エアー混入用ケーシング40内で、搬送・圧縮用ケーシング10の先端から繰り出される押し固め状態にある被送給物を解すと共に、解し・エアー混入用ケーシング40内に適宜圧力の搬送用エアーを送給できるように構成された解し・エアー混入機構Dとを備え、解し・エアー混入用ケーシング40内に送給された適宜圧力の搬送用エアーは、搬送・圧縮用ケーシング10の先端部分で押し固められている被送給物を通過することなく、解し・エアー混入用ケーシング40に設けた吐出口46に接続される搬送筒50内を先端がわに向って移動すると共に、解し・エアー混入用ケーシング40内で解された被送給物を搬送できるように構成する手段を採用した。
【0006】
また、請求項2記載の送給装置にあっては、前記解し・エアー混入用ケーシング40に於ける搬送・圧縮用ケーシング10先端がわ部分は、搬送・圧縮用ケーシング10の先端開口面積より大きな縦断面積を有するように構成する手段を採用した。
【0007】
更に、請求項3記載の送給装置にあっては、前記開閉機構Cは、搬送・圧縮用ケーシング10の先端開口部分の一部或いは全部を略観音開き状に開閉する一対の左右押え板20と、この左右押え板20が固着され、解し・エアー混入用ケーシング40に回転自在に装着されると共に、その一部が解し・エアー混入用ケーシング40外部に突出する一対の左右支軸21と、一方の支軸21に固定されるレバー22と、一対の左右支軸21を連繋せしめる連繋手段と、搬送・圧縮用ケーシング10内先端で押し固められる被送給物から、所定の圧迫力を受けた時に一対の左右押え板20による閉鎖状態を解除して、一対の左右押え板20が開くようにした閉鎖解除手段とを備えた構成とする手段を採用した。
【0008】
そして、請求項4記載の送給装置にあっては、前記開閉機構Cは、上下方向に揺動して搬送・圧縮用ケーシング10の先端開口部分の一部或いは全部を開閉する一つの押え板20と、この押え板20が固着され、解し・エアー混入用ケーシング40に回転自在に装着されると共に、その端部が解し・エアー混入用ケーシング40外部に突出する支軸21と、支軸21に固定されるレバー22と、搬送・圧縮用ケーシング10内先端で押し固められる被送給物から、所定の圧迫力を受けた時に押え板20による閉鎖状態を解除して、押え板20が開くようにした閉鎖解除手段とを備えた構成とする手段を採用した。
【0009】
次に、請求項5記載の送給装置にあっては、前記供給機構Aは、搬送・圧縮用ケーシング10の上方に配されるホッパー1と、このホッパー1内で駆動回転する回転羽根体3とを備え、ホッパー1には、搬送・圧縮用ケーシング10の投入口11に連通し、且つホッパー本体よりも少なくとも下方に突出している落し込み溝部2を形成し、回転羽根体3には、落し込み溝部2内を移動可能で、被送給物を投入口11から搬送・圧縮用ケーシング10内に強制送給する送込み用羽根体6を付設する手段を採用した。
【0010】
加えて、請求項6記載の送給方法にあっては、供給機構Aによって撹拌された緑化用客土や、堆肥や、コンクリートや、モルタルや、或いは細かく破砕された木片等の適宜被送給物を、搬送・圧縮機構Bの略円筒状の搬送・圧縮用ケーシング10内に、その基端がわから連続的に供給し、開閉機構Cによって、搬送・圧縮用ケーシング10の先端開口部分の一部或いは全部を閉じておき、搬送・圧縮機構Bによって、供給機構Aから供給される被送給物を、搬送・圧縮用ケーシング10内基端から先端に向って連続的に搬送して、搬送・圧縮用ケーシング10内先端がわで被送給物を所定の押し固め状態にし、この押し固め状態の被送給物が、搬送・圧縮用ケーシング10先端から繰り出されるようになったときの圧力によって開閉機構Cを作動せしめて、搬送・圧縮用ケーシング10の先端開口部分を開き、押し固め状態の被送給物を搬送・圧縮用ケーシング10先端から繰り出せるようにし、解し・エアー混入機構Dを作動せしめて、押し固められた被送給物を解すと共に、解し・エアー混入用ケーシング40内に適宜圧力の搬送用エアーを送給し、解された被送給物が、解し・エアー混入用ケーシング40に設けた吐出口46に接続される搬送筒50内を搬送用エアーの圧力によって先端がわに向って搬送する手段を採用した。
【発明の効果】
【0011】
従って、本発明の請求項1記載の送給装置によれば、適宜被送給物を、適宜搬送筒50内に連続的に送給でき、かなり長尺な搬送筒50内を先端がわまで確実に且つスムーズに送給できるようになる。
しかも、取扱いが容易で、作業性に優れ、メンテナンス等も容易で、構成が簡素で、耐久性に優れ、量産に適し、低廉に提供でき、経済的な送給装置となる。
【0012】
特に、開閉機構Cを設けたので、被送給物を搬送・圧縮用ケーシング10内先端がわで最初に押し固めるときに、開閉機構Cを作動せしめて、搬送・圧縮用ケーシング10の先端開口部分の一部或いは全部を確実に且つ簡単に閉じておけるようになり、比較的流動性の良い被送給物であっても、搬送・圧縮用ケーシング10の先端部分内でこれを確実に押し固められるようになる。すなわち、解し・エアー混入用ケーシング40内に送給された適宜圧力の搬送用エアーが、押し固め状態の被送給物を通過して、供給機構Aがわに逆流するようなことがないものとなる。
しかも、搬送・圧縮用ケーシング10の先端部分内の被送給物の押し固め部分の長さを短く設定できるようになり、搬送・圧縮機構Bでの押出し力より被送給物の押し固め部分の移動抵抗を小さくできて、搬送・圧縮用ケーシング10内が被送給物で詰まった状態となるような虞のないものとなる。すなわち、作業を一旦停止して、搬送・圧縮用ケーシング10内で詰まった被送給物を解す等の作業時間のロス等がないものとなる。
加えて、押し固められた被送給物が、搬送・圧縮用ケーシング10の先端から繰り出されるときには、開閉機構Cが開いて被送給物をスムーズに繰り出せるようになる。
すなわち、搬送・圧縮用ケーシング10内の被送給物の押し固め部分の移動抵抗力が、瞬時に増大する前に、開閉機構Cが開くように簡単に設定できるようになる。しかも、この設定を被送給物の流動性等に応じて容易に変更できるようになる。
【0013】
また、本発明の請求項2記載の送給装置によれば、搬送・圧縮用ケーシング10内に比べ解し・エアー混入用ケーシング40内が広い空間となり、押し固められて圧縮状態にある被送給物は、解し・エアー混入用ケーシング40内でスムーズに細かく分散された状態に解せるようになる。すなわち、押し固められて圧縮状態にある被送給物を、解し易くなると共に、短時間で解せるようになり、しかも、細かく解された被送給物を、解し・エアー混入用ケーシング40内に送給される搬送用エアーによって搬送筒50内によりスムーズに送り込めるようになる。
【0014】
更に、本発明の請求項3記載の送給装置によれば、閉鎖解除手段により、搬送・圧縮用ケーシング10内先端で押し固められる被送給物から所定の圧迫力を受けた時に、一対の左右押え板20による閉鎖状態が確実に解除されて、一対の左右押え板20がスムーズに開くようになる。
特に、一方の支軸21に固定されるレバー22の操作だけで、連繋手段を介して一対の左右押え板20を揺動せしめられ、搬送・圧縮用ケーシング10の先端開口部分を簡単に且つ確実に閉鎖できるようになる。
しかも、構成が簡素で、耐久性に優れ、取扱い易い開閉機構Cとなる。
加えて、搬送・圧縮用ケーシング10内の被送給物の押し固め部分の移動抵抗力が、瞬時に増大する前に、開閉機構Cが開くように調節することが簡単に行えるようになると共に、その微調節も容易となる。
【0015】
そして、本発明の請求項4記載の送給装置によれば、閉鎖解除手段により、搬送・圧縮用ケーシング10内先端で押し固められる被送給物から所定の圧迫力を受けた時に、一つの押え板20による閉鎖状態が確実に解除されて、押え板20が上方にスムーズに揺動して、搬送・圧縮用ケーシング10先端部分が開くようになる。
特に、支軸21に固定されるレバー22により、押え板20を簡単に且つ確実に揺動せしめられ、搬送・圧縮用ケーシング10の先端開口部分を簡単に且つ確実に閉鎖できるようになる。
しかも、構成が簡素となり、製造が容易で、確実な動作が期待でき、気密性、耐久性に優れ、メンテナンスが容易で、取扱い易い開閉機構Cとなる。
加えて、搬送・圧縮用ケーシング10内の被送給物の押し固め部分の移動抵抗力が、瞬時に増大する前に、開閉機構Cが開くように調節することがより簡単に行えるようになると共に、その微調節もより容易となる。
【0016】
次に、本発明の請求項5記載の送給装置によれば、ホッパー1内の被送給物を落し込み溝部2内に送込み易くなると共に、落し込み溝部2内には、被送給物が常時蓄えられた状態となり、この被送給物を送込み用羽根6によって投入口11から搬送・圧縮用ケーシング10内に強制的に送給できるようになる。すなわち、供給機構A内の被送給物を、投入口11から搬送・圧縮用ケーシング10内に確実に、スムーズに、且つ連続的に送給できるようになる。
特に、被送給物が比較的軽いものであっても、搬送・圧縮機構Bの搬送・圧縮用ケーシング10内に確実に送給できるようになる。
【0017】
加えて、本発明の請求項6記載の送給方法によれば、適宜被送給物を、適宜搬送筒50内に連続的に送給でき、かなり長尺な搬送筒50内を先端がわまで確実に且つスムーズに送給できるようになる。
特に、開閉機構Cによって、搬送・圧縮用ケーシング10の先端開口部分の一部或いは全部を閉じておくことにより、例えば、比較的流動性の良い被送給物であっても、搬送・圧縮用ケーシング10の先端部分内でこれを確実に押し固められるようになる。すなわち、解し・エアー混入用ケーシング40内に送給される適宜圧力の搬送用エアーが、押し固め状態の被送給物を通過して、供給機構Aがわに逆流するようなことがないものとなる。
しかも、搬送・圧縮用ケーシング10の先端部分内の被送給物の押し固め部分の長さを短く設定できるようになり、搬送・圧縮機構Bでの押出し力より被送給物の押し固め部分の移動抵抗を小さくできて、搬送・圧縮用ケーシング10内が被送給物で詰まった状態となるような虞のないものとなる。
加えて、この押し固め状態の被送給物が、搬送・圧縮用ケーシング10先端から繰り出されるようになったときの圧力によって開閉機構Cを作動せしめて、搬送・圧縮用ケーシング10の先端開口部分を開き、押し固め状態の被送給物を搬送・圧縮用ケーシング10先端から繰り出せるようにするので、押し固められた被送給物が、搬送・圧縮用ケーシング10の先端からスムーズに繰り出されるようになる。
そして、解し・エアー混入機構Dを作動せしめて、押し固められた被送給物を解すと共に、解し・エアー混入用ケーシング40内に適宜圧力の搬送用エアーを送給し、解された被送給物が、解し・エアー混入用ケーシング40に設けた吐出口46に接続される搬送筒50内を搬送用エアーの圧力によって先端がわに向って搬送するので、適宜被送給物を、適宜搬送筒50内に連続的に且つ効率良く送給できるようになる。しかも、かなり長尺な搬送筒50であっても被送給物をその先端がわまで確実に且つスムーズに送給できるようになり、作業能率の優れた搬送方法となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を図示例に基づいて説明すると、次の通りである。
本発明の送給装置は、例えば、適宜ドラム内で適宜撹拌羽根が駆動回転可能となるように構成された適宜撹拌装置で撹拌された緑化用客土や、堆肥や、コンクリートや、モルタルや、適宜ケーシング内で適宜破砕体が駆動回転可能となるように構成された適宜破砕装置で細かく破砕された木片や、その他の適宜被送給物を、供給機構Aに投入して貯蔵し(例えば、一時的に蓄えた状態とし)、この供給機構A内の被送給物を、搬送・圧縮機構Bの搬送・圧縮用ケーシング10内に送給し、搬送・圧縮機構B及び開閉機構Cによって、搬送・圧縮用ケーシング10内先端がわで被送給物を所定の押し固め状態にできるようにすると共に、これを解し・エアー混入用ケーシング40内に繰り出し、解し・エアー混入機構Dによって、繰り出される押し固め状態にある被送給物を解すと共に、解し・エアー混入用ケーシング40内に送給される搬送用エアーの圧力で、解された被送給物を搬送筒50内に連続的に送り込み、これが搬送筒50内を先端がわまで僅かな力でスムーズに送給されるように構成したものである。
【0019】
そして、送給装置は、適宜供給機構Aと、この供給機構Aから供給される被送給物を、略円筒状の搬送・圧縮用ケーシング10の基端がわから先端に向って連続的に搬送して、搬送・圧縮用ケーシング10内先端がわで被送給物を所定の押し固め状態にできると共に、この押し固め状態の被送給物を搬送・圧縮用ケーシング10先端から繰り出せるように構成された搬送・圧縮機構Bと、搬送・圧縮用ケーシング10の先端開口部分の一部或いは全部を開閉できるように構成されると共に、被送給物を搬送・圧縮用ケーシング10内先端がわで最初に押し固める際に(或いは、中断状態から再開する時に、或いは、押し固め状態が不十分な時に)、搬送・圧縮用ケーシング10の先端開口部分の一部或いは全部を閉じておけるように構成された開閉機構Cと、搬送・圧縮用ケーシング10の先端がわに連設され且つ搬送・圧縮用ケーシング10の先端開口面積より大きな縦断面積を有する解し・エアー混入用ケーシング40内で、搬送・圧縮用ケーシング10の先端から繰り出される押し固め状態にある被送給物を解すと共に、解し・エアー混入用ケーシング40内に適宜圧力の搬送用エアーを送給できるように構成された解し・エアー混入機構Dとを備えている。
【0020】
それから、解し・エアー混入用ケーシング40内に送給された適宜圧力の搬送用エアーは、搬送・圧縮用ケーシング10の先端部分で押し固められている被送給物を通過することなく(搬送・圧縮用ケーシング10内を逆流して、搬送用エアーが投入口11及びホッパー1を介して抜けることがないようにし)、解し・エアー混入用ケーシング40に設けた吐出口46に接続される搬送筒50内を先端がわに向って移動すると共に、解し・エアー混入用ケーシング40内で解された被送給物を搬送できるように構成されている。
【実施例】
【0021】
前記供給機構Aは、例えば、搬送・圧縮用ケーシング10の上方に配されるホッパー1(或いは、ドラム)と、このホッパー1内で駆動回転する適数の回転羽根体3と、この回転羽根体3を駆動回転せしめる適宜駆動手段(例えば、ギャードモーター)とで構成されており、ホッパー1内に投入された被送給物を、回転羽根体3の回転によって、搬送・圧縮用ケーシング10内に確実に且つ連続的に送給できるように構成されている。しかも、供給機構Aのホッパー1と駆動手段は、適宜架台55によって安定的に支持できるよう形成されている。
【0022】
前記ホッパー1は、例えば、被送給物を投入し易いように上部が開放された略容器状に形成され、その底壁部分は、適数配設される回転羽根体3に対応した湾曲状態に形成されている。すなわち、ホッパー1の下部がわに配される回転羽根体3の回転によって、搬送・圧縮用ケーシング10に設けた投入口11がわに被送給物がスムーズに移送できるように形成されている。
加えて、ホッパー1には、搬送・圧縮用ケーシング10の投入口11に連通し、且つホッパー本体よりも下方及び側方に突出している落し込み溝部2を形成することができる(図13、図14、図15、図16参照)。すなわち、回転羽根体3の回転によってホッパー1内の被送給物を落し込み溝部2内に送込み易くすると共に、落し込み溝部2内に被送給物が常時安定した状態で蓄えられるように形成される。ひいては、比較的軽い被送給物でも投入口11から搬送・圧縮用ケーシング10内に確実に且つ連続的に送給できるようにしてある。
【0023】
前記回転羽根体3は、例えば、ホッパー1の下部がわに略水平に軸架されると共に、適宜駆動手段によって駆動回転する回転軸4と、この回転軸4にアーム等を介して(或いは、アーム等を介さなくも良い)固着される略螺旋帯状の羽根片5とを有しており、この羽根片5は、ホッパー1の底壁内表面近傍を回転するように配することで、ホッパー1内の被送給物が搬送・圧縮用ケーシング10の投入口11がわに向ってスムーズに移送されるように形成してある。
【0024】
また、回転羽根体3は、搬送・圧縮用ケーシング10の投入口11に対応する部分に、適数の送込み用羽根6を付設して、投入口11がわに移送された被送給物を、投入口11から搬送・圧縮用ケーシング10内にスムーズに、確実に、且つ連続的に送給できるよう形成されている(図1、図2、図4、図5、図7、図9、図10、図13、図14、図15、図16参照)。尚、回転羽根体3は、図示例のように二つの回転羽根体3をホッパー1内下部に並列状態に配しても良いし、一つ回転羽根体3をホッパー1内中央に配しても良い(図示せず)。
【0025】
更に、前記送込み用羽根6は、例えば、回転軸4に固着されるアーム7と、このアーム7先端夫々に固着される羽根小片8とからなり、この羽根小片8は、投入口11近傍を移動するように形成されている。すなわち、被送給物を搬送・圧縮用ケーシング10内に強制的に送給できるように形成してある。
尚、この送込み用羽根6は、ホッパー1に落し込み溝部2が設けてあるような場合は、この落し込み溝部2内を羽根小片8が移動するように形成されており、落し込み溝部2内の被送給物を、投入口11から搬送・圧縮用ケーシング10内により確実に、スムーズに、且つ連続的に送給できるようにしてある。
ところで、供給機構Aは、搬送・圧縮機構Bの搬送・圧縮用ケーシング10に対してあらゆる水平向きに配することができる。例えば、図示例のように、回転羽根体3の回転軸4と、搬送・圧縮用回転羽根体12の回転軸13とが平行となるように配しても良いし、図9、図10に示すように、回転羽根体3の回転軸4と、搬送・圧縮用回転羽根体12の回転軸13とが平面から見て直交する(或いは、適宜角度で交差する)ように配しても良い。
【0026】
前記搬送・圧縮機構Bは、例えば、略円筒状の搬送・圧縮用ケーシング10と、この搬送・圧縮用ケーシング10内で回転して、供給機構Aから投入口11を介して搬送・圧縮用ケーシング10内に連続的に送給される被送給物を先端がわに搬送する搬送・圧縮用回転羽根体12と、この搬送・圧縮用回転羽根体12を駆動回転せしめる適宜駆動手段(例えば、ギャードモーター)とで構成されており、搬送・圧縮用ケーシング10や、搬送・圧縮用回転羽根体12や、適宜駆動手段は、適宜架台55によって安定的に支持できるよう形成されている。
【0027】
前記搬送・圧縮用ケーシング10は、例えば、供給機構Aのホッパー1の下方に略水平な状態で配置されており、その基端がわ上部に、ホッパー1に連通する投入口11が開口されている。
【0028】
前記搬送・圧縮用回転羽根体12は、例えば、搬送・圧縮用ケーシング10の筒芯上に配される回転軸13と、この回転軸13の外表面に固着される螺旋状羽根片14とからなり、回転軸13の基端部分は、搬送・圧縮用ケーシング10の外に突出すると共に、架台55に固定した複数のラジアル軸受15やスラスト軸受17等によって安定的に支えられている。しかも、回転軸13の基端部分にスプロケット16が固定され、適宜駆動手段の駆動力が、スプロケット16に伝達されて、回転軸13が回転できるように形成されている。
【0029】
前記螺旋状羽根片14は、例えば、回転軸13の先端部分(或いは、搬送・圧縮用ケーシング10の先端がわ部分)には設けられておらず、この螺旋状羽根片14が無い部分から搬送・圧縮用ケーシング10の先端開口までの間が被送給物が押し固められる圧縮部分となる。
尚、螺旋状羽根片14が設けられていない回転軸13の先端部分は、これを切り落すように形成してあっても良いし(図15参照)、先端がわに行くに従って漸次細径となるようなテーパー状に形成してあっても良い(図1、図4、図7、図10、図16参照)。すなわち、搬送・圧縮用ケーシング10内先端部分で被送給物がスムーズに押し固められると共に、これをスムーズに繰り出せるように構成されているものであれば良い。
【0030】
ところで、搬送・圧縮用ケーシング10の先端開口部分の内表面底部に、適宜摩擦抵抗が高くなるようなシート材等を接着したり、或いは、搬送・圧縮用ケーシング10の先端開口部分の底部を若干上向きに変形せしめておいたりして、被送給物がある程度搬送・圧縮用ケーシング10先端部分に留まるように形成しておいても良い。すなわち、搬送・圧縮用ケーシング10内先端部分で被送給物がスムーズに押し固められると共に、これをスムーズに繰り出せるように構成されているものであれば良い。
【0031】
前記開閉機構Cは、例えば、搬送・圧縮用ケーシング10の先端開口部分の一部或いは全部を略観音開き状に開閉する一対の左右押え板20と、この左右押え板20が固着され、解し・エアー混入用ケーシング40に正逆回転自在に装着されると共に、その上部が解し・エアー混入用ケーシング40上方に突出する一対の左右支軸21と、一方の支軸21上端に固定されるレバー22と、一対の左右支軸21を連繋せしめる一対の連繋板23と、搬送・圧縮用ケーシング10内先端で押し固められる被送給物から、所定の圧迫力を受けた時に一対の左右押え板20による閉鎖状態を解除して、一対の左右押え板20が開くようにした閉鎖解除手段とを備えた構成となっている(図1〜図3参照)。
【0032】
そして、一対の左右押え板20は、例えば、搬送・圧縮用ケーシング10の先端開口部分の全部を略観音開き状に開閉できるような形状としたり、或いは、搬送・圧縮用ケーシング10の先端開口部分の上部及び下部を残すような略観音開き状に開閉できるような形状としたり(図3参照)、或いは、搬送・圧縮用ケーシング10の先端開口部分の下部を残すような略観音開き状に開閉できるような形状としたり、その他適宜自由な形状に設定できるものである。
【0033】
また、一対の左右支軸21は、例えば、解し・エアー混入用ケーシング40の適宜位置に装着され、その下部に押え板20が夫々固着され、その上部に連繋板23が夫々固着され、一方の支軸21上端にレバー22が固着されている。
【0034】
前記一対の連繋板23は、例えば、略扇板状を呈し、その円弧部分には適宜歯が設けてあり、一対の連繋板23の歯が歯合状態となるように配されて、レバー22の操作により、一方の支軸21を回転せしめると、連繋板23を介して他方の支軸21も対称的に回転するように構成されている。尚、一対の左右押え板20の連繋手段は、この連繋板23以外のものを利用しても良い。
【0035】
前記閉鎖解除手段は、例えば、一方の連繋板23の下面に突設したストッパー25と、解し・エアー混入用ケーシング40の外表面上部に設けられると共に上下方向に移動可能に設けられる係止突起26と、係止突起26を常時上方に押圧する弾発スプリング27とからなり、係止突起26に当接しているストッパー25に所定の力が加えられると、ストッパー25が弾発スプリング27の弾発力に抗して係止突起26を下方に押し下げて、ストッパー25と係止突起26との係止状態が自動的に解除できるように構成したものである(図11参照)。すなわち、搬送・圧縮用ケーシング10内で押し固められた被送給物が先端がわに移動しようとするときに、所定の圧迫力が一対の左右押え板20に加えられると、閉鎖解除手段が自動的に作動して、一対の左右押え板20が開くように(或いは、一対の左右押え板20を閉ざしていた力が開放されるように)構成されている。
【0036】
また、開閉機構Cは、例えば、搬送・圧縮用ケーシング10の先端開口部分の一部或いは全部を略観音開き状に開閉する一対の左右押え板20と、この左右押え板20が固着され、解し・エアー混入用ケーシング40に正逆回転自在に装着されると共に、その上部が解し・エアー混入用ケーシング40上方に突出する一対の左右支軸21と、一対の左右支軸21に連結されるロータリーアクチュエーター35と、搬送・圧縮用ケーシング10内先端で押し固められる被送給物から、所定の圧迫力を受けた時に一対の左右押え板20による閉鎖状態を解除して、一対の左右押え板20が開くようにした閉鎖解除手段とを備えた構成であっても良い。すなわち、ロータリーアクチュエーター35の作動によって一対の左右押え板20を任意に開閉できるように構成しても良い(図4〜図10参照)。
【0037】
尚、ロータリーアクチュエーター35を利用した場合の閉鎖解除手段は、例えば、一方の押え板20に設けられる感圧センサー30が利用される。この感圧センサー30は、例えば、押え板20の一部に孔を設け、この孔を内がわから塞ぐようにダイヤフラムとなる弾性シート材31を接着し、この弾性シート材31の外がわにスプリング32とスイッチ33とを配して構成されている(図12参照)。すなわち、搬送・圧縮用ケーシング10内で押し固められた被送給物が先端がわに移動しようとするときに、所定の圧迫力がスプリング32に抗して弾性シート材31を押圧し、スイッチ33に接触したときにロータリーアクチュエーター35が作動して、一対の左右押え板20が開くように(或いは、一対の左右押え板20を閉ざしていた力が開放されるように)構成されている。
【0038】
更に、図15〜図18に示す開閉機構Cは、例えば、上下方向に揺動して搬送・圧縮用ケーシング10の先端開口部分の一部或いは全部を開閉する一つの押え板20と、この押え板20が固着される(或いは、適宜腕杆を介して固定される)と共に、解し・エアー混入用ケーシング40上部に正逆回転自在に横架配設される支軸21と、解し・エアー混入用ケーシング40外部に突出する支軸21の一端部に固定されるレバー22と、搬送・圧縮用ケーシング10内先端で押し固められる被送給物から、所定の圧迫力を受けた時に押え板20による閉鎖状態を解除して、押え板20が開くようにした閉鎖解除手段とを備えた構成となっている。
【0039】
そして、前記一つの押え板20は、例えば、搬送・圧縮用ケーシング10の先端開口部分の全部を開閉できるような形状としたり、或いは、搬送・圧縮用ケーシング10の先端開口部分の上部及び下部を残すように開閉できるような形状としたり、或いは、搬送・圧縮用ケーシング10の先端開口部分の下部を残すように開閉できるような形状としたり(図15〜図18参照)、その他適宜自由な形状に設定できるものである。
【0040】
また、支軸21は、例えば、搬送・圧縮用ケーシング10の先端部分上方に配されると共に、解し・エアー混入用ケーシング40を略水平に貫通するように配されており、支軸21の左右端部は、解し・エアー混入用ケーシング40に設けた軸受部によって、安定的に且つエアー漏れが生じないよう正逆回転自在に支持されている(図18参照)。尚、支軸21は片持ち状態で支持できるようにしたものであっても良いし(図示せず)、或いは、解し・エアー混入用ケーシング40内上部にブラケット等を介して支持されるように形成しても良い(図示せず)。
【0041】
レバー22は、例えば、略L字状に形成され、レバー22の基端部分が支軸21の一端部分に固定され、レバー22の中央部分には、閉鎖解除手段の係止突起26に係止可能なストッパー25が連設され、レバー22の先端部分には、適宜錘等の下方に向って作用するような負荷が加えられている(図17参照)。すなわち、レバー22の先端部分には、閉鎖解除手段の係止突起26をストッパー25が乗り越えた時に、押え板20を上方に揺動せしめると共に、この揺動状態を維持できるような負荷が加えられるように構成されている。尚、この負荷は、スプリング等の弾発力を利用したものや、その他の適宜手段を利用できるものである。
【0042】
図17及び図18に示す閉鎖解除手段は、例えば、レバー22の中央部分に突設したストッパー25と、搬送・圧縮用ケーシング10(或いは、解し・エアー混入用ケーシング40)の外表面に設けられると共に、左右側方に移動可能に設けられる係止突起26と、係止突起26を常時側方に突出するように押圧する弾発スプリング27とを備え、係止突起26に当接しているストッパー25に所定の力が加えられると(例えば、搬送・圧縮用ケーシング10内先端部分で押し固められた被送給物が押え板20を押圧して、押え板20を上方に揺動させる力や、レバー22先端を下方に移動させるよう加えられた負荷等)、ストッパー25が弾発スプリング27の弾発力に抗して係止突起26を押し戻して、ストッパー25と係止突起26との係止状態が自動的に解除できるように構成したものである。すなわち、搬送・圧縮用ケーシング10内で押し固められた被送給物が先端がわに移動しようとするときに、所定の圧迫力が押え板20に加えられると、閉鎖解除手段が自動的に作動して、押え板20が開くように(或いは、押え板20を閉ざしていた力が開放されるように)構成されている。
【0043】
前記解し・エアー混入機構Dは、例えば、搬送・圧縮用ケーシング10の開口径より大径となる(或いは、搬送・圧縮用ケーシング10の開口径と同径となる)略短円筒状の解し・エアー混入用ケーシング40と、この解し・エアー混入用ケーシング40内で回転して、搬送・圧縮用ケーシング10の先端開口部分から繰り出される押し固められた被送給物を細かく解せるように形成されている解し用回転羽根体41と、この解し用回転羽根体41を駆動回転せしめる適宜駆動手段(例えば、ギャードモーター44)とで構成されており、解し・エアー混入用ケーシング40は、搬送・圧縮用ケーシング10の先端部分に固着され、適宜駆動手段は、解し・エアー混入用ケーシング40に固定されている。尚、解し・エアー混入用ケーシング40や、適宜駆動手段は、適宜架台55に安定的に支持できるように形成しても良い。
【0044】
また、図7、図8、図15〜図18に示すような解し・エアー混入機構Dは、例えば、搬送・圧縮用ケーシング10の開口部分から下方に大きく突出しているような解し・エアー混入用ケーシング40と、この解し・エアー混入用ケーシング40内下部で回転して、搬送・圧縮用ケーシング10の先端開口部分から繰り出される押し固められた被送給物を細かく解せるように形成されている解し用回転羽根体41と、この解し用回転羽根体41を駆動回転せしめる適宜駆動手段(例えば、ギャードモーター44等)とで構成されており、解し・エアー混入用ケーシング40は、搬送・圧縮用ケーシング10の先端部分に固着され、適宜駆動手段は、解し・エアー混入用ケーシング40に固定されたり、或いは、架台55に安定的に支持される。
【0045】
更に、解し・エアー混入用ケーシング40は、例えば、その一部が接続分離自在に構成されていたり、点検窓が設けられたりして、その洗浄処理や、メンテナンス等が簡単に行えるように形成してある。
【0046】
そして、解し・エアー混入用ケーシング40の上部(或いは、上部以外でも良い)にはエアー送給口45が設けられ、下部には搬送筒50が接続される吐出口46が設けられている。すなわち、細かく解された被送給物を、搬送用エアーの圧力を利用して、搬送筒50内を先端がわまでスムーズに送給できるよう構成されている。尚、エアー送給口45には、加圧弁47が連設され、更に、解し・エアー混入用ケーシング40上部(或いは、上部以外でも良い)には、排気弁48や、安全弁49等が設けられており、例えば、トラブル等によって解し・エアー混入用ケーシング40内の圧力が高くなったときに安全弁49が自動的に作動して、その安全性が高められるように構成されている。
尚、エアー送給口45には、コンプレッサーからの高圧のエアーを送給するように構成しても良い。
【0047】
前記解し用回転羽根体41は、解し・エアー混入用ケーシング40に回転自在に支持される回転軸42と、この回転軸42に装着される羽根片43とからなり、回転軸42の基端部分に連結されたギャードモーター44によって任意の速度及びタイミングで駆動回転できるように構成されている。
【0048】
尚、図15、図16に示すように、搬送・圧縮機構Bの搬送・圧縮用ケーシング10と、解し・エアー混入機構Dの解し・エアー混入用ケーシング40を、供給機構Aのホッパー1の下方に収まるように配し、更に、搬送・圧縮用ケーシング10の下方に、搬送・圧縮機構Bの搬送・圧縮用回転羽根体12の駆動手段(モーター)と、解し・エアー混入機構Dの解し用回転羽根体41の駆動手段(ギャードモーター44或いはモーター)とを配するようにして、送給装置全体の小型・コンパクト化が図れるように構成することもできる。ひいては、車に載せて使用するのに最適となるように構成できる。
【0049】
ところで、送給装置の具体的構成、形状、寸法、供給機構Aの具体的構成、形状、寸法、配設位置、搬送・圧縮機構Bの具体的構成、形状、寸法、配設位置、開閉機構Cの具体的構成、形状、寸法、配設位置、解し・エアー混入機構Dの具体的構成、形状、寸法、配設位置、ホッパー1の具体的構成、形状、寸法、材質、配設位置、落し込み溝部2の具体的構成、形状、寸法、配設位置、回転羽根体3の具体的構成、形状、寸法、材質、数、配設位置、回転軸4の具体的構成、形状、寸法、材質、羽根片5の具体的構成、形状、寸法、材質、送込み用羽根6の具体的構成、形状、寸法、材質、数、配設位置、アーム7の具体的構成、形状、寸法、材質、数、配設位置、羽根小片8の具体的構成、形状、寸法、材質、配設位置、搬送・圧縮用ケーシング10の具体的構成、形状、寸法、材質、配設位置、投入口11の具体的構成、形状、寸法、数、配設位置、搬送・圧縮用回転羽根体12の具体的構成、形状、寸法、材質、配設位置、回転軸13の具体的構成、形状、寸法、材質、螺旋状羽根片14の具体的構成、形状、寸法、材質、配設位置、軸受15の具体的構成、形状、寸法、材質、数、配設位置、スプロケット16の具体的構成、形状、寸法、材質、数、配設位置、スラスト軸受17の具体的構成、形状、寸法、材質、配設位置、押え板20の具体的構成、形状、寸法、材質、数、配設位置、支軸21の具体的構成、形状、寸法、材質、数、配設位置、レバー22の具体的構成、形状、寸法、材質、数、配設位置、連繋板23の具体的構成、形状、寸法、材質、数、配設位置、閉鎖解除手段の具体的構成、形状、配設位置、数、ストッパー25の具体的構成、形状、寸法、材質、配設位置、係止突起26の具体的構成、形状、寸法、材質、配設位置、数、弾発スプリング27の具体的構成、形状、寸法、材質、配設位置、数、感圧センサー30の具体的構成、形状、寸法、配設位置、数、弾性シート材31の具体的構成、形状、寸法、材質、配設位置、スプリング32の具体的構成、形状、寸法、材質、配設位置、数、スイッチ33の具体的構成、形状、寸法、配設位置、数、ロータリーアクチュエーター35の具体的構成、形状、寸法、配設位置、解し・エアー混入用ケーシング40の具体的構成、形状、寸法、材質、配設位置、解し用回転羽根体41の具体的構成、形状、寸法、材質、配設位置、回転軸42の具体的構成、形状、寸法、材質、配設位置、数、羽根片43の具体的構成、形状、寸法、材質、配設位置、数、ギャードモーター44の具体的構成、形状、寸法、配設位置、数、エアー送給口45の具体的構成、形状、寸法、配設位置、数、吐出口46の具体的構成、形状、寸法、配設位置、数、加圧弁47の具体的構成、形状、寸法、配設位置、数、排気弁48の具体的構成、形状、寸法、配設位置、数、安全弁49の具体的構成、形状、寸法、配設位置、数、搬送筒50の具体的構成、形状、寸法、材質、架台55の具体的構成、形状、寸法、材質、配設位置等は、図示例のもの等に限定されることなく適宜自由に設定、変更できるものである。
【0050】
また、本発明の送給装置は、前述の如く構成されており、次に、この送給装置を利用した本発明の送給方法について説明すると、先ず、撹拌された緑化用客土や、堆肥や、コンクリートや、モルタルや、或いは細かく破砕された木片等の適宜被送給物を、供給機構Aのホッパー1に投入した後、被送給物を供給機構Aから搬送・圧縮機構Bの略円筒状の搬送・圧縮用ケーシング10内に、その基端がわの投入口11から連続的に供給する。
このとき、開閉機構Cによって、搬送・圧縮用ケーシング10の先端開口部分の一部或いは全部を閉じておく。
【0051】
そして、搬送・圧縮機構Bによって、供給機構Aから供給される被送給物を、搬送・圧縮用ケーシング10内基端から先端に向って連続的に搬送して、搬送・圧縮用ケーシング10内先端がわで被送給物を所定の押し固め状態にする。
【0052】
更に、この押し固め状態の被送給物が、搬送・圧縮用ケーシング10先端から外方に繰り出されるようになり、このときの繰り出し圧力が所定圧力となったときに、開閉機構Cがこれを検知すると共に作動して、搬送・圧縮用ケーシング10の先端開口部分を開き、押し固め状態の被送給物を搬送・圧縮用ケーシング10先端から外方に繰り出せるようにする。
【0053】
次に、解し・エアー混入機構Dを作動せしめて、押し固められた被送給物を解すと共に、解し・エアー混入用ケーシング40内に適宜圧力の搬送用エアーを送給し、解された被送給物が、解し・エアー混入用ケーシング40に設けた吐出口46に接続される搬送筒50内を搬送用エアーの圧力によって先端がわに向って搬送する。
尚、作業が一旦終了したとき等は、排気弁48を作動せしめて、解し・エアー混入用ケーシング40内の圧力を下げるようにする。また、トラブル等により、解し・エアー混入用ケーシング40内の圧力が高くなったときには、安全弁49が自動的に作動して、その安全性が確保できるようにする。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の送給装置を例示する一部切欠正面図である。
【図2】本発明の送給装置を例示する一部切欠平面図である。
【図3】本発明の送給装置を例示する一部切欠部分側面図である。
【図4】本発明の他の送給装置を例示する一部切欠正面図である。
【図5】本発明の他の送給装置を例示する一部切欠平面図である。
【図6】本発明の他の送給装置を例示する一部切欠部分側面図である。
【図7】本発明の他の送給装置を例示する一部切欠正面図である。
【図8】本発明の他の送給装置を例示する一部切欠部分側面図である。
【図9】本発明の他の送給装置を例示する一部切欠平面図である。
【図10】本発明の他の送給装置を例示する一部切欠正面図である。
【図11】本発明の送給装置で採用される開閉機構の一部を例示する一部切欠正面図である。
【図12】本発明の送給装置で採用される他の開閉機構の一部を例示する一部切欠正面図である。
【図13】本発明の送給装置の供給機構部分を例示する一部切欠正面図である。
【図14】本発明の送給装置の供給機構部分を例示する一部切欠側面図である。
【図15】本発明の他の送給装置を例示する一部切欠正面図である。
【図16】本発明の他の送給装置を例示する一部切欠正面図である。
【図17】本発明の他の送給装置で採用される他の開閉機構部分を例示する一部切欠部分正面図である。
【図18】本発明の他の送給装置で採用される他の開閉機構部分を例示する一部切欠部分側面図である。
【符号の説明】
【0055】
A 供給機構
B 搬送・圧縮機構
C 開閉機構
D 解し・エアー混入機構
1 ホッパー
2 落し込み溝部
3 回転羽根体
4 回転軸
5 羽根片
6 送込み用羽根
7 アーム
8 羽根小片
10 搬送・圧縮用ケーシング
11 投入口
12 搬送・圧縮用回転羽根体
13 回転軸
14 螺旋状羽根片
15 軸受
16 スプロケット
17 スラスト軸受
20 押え板
21 支軸
22 レバー
23 連繋板
25 ストッパー
26 係止突起
27 弾発スプリング
30 感圧センサー
31 弾性シート材
32 スプリング
33 スイッチ
35 ロータリーアクチュエーター
40 解し・エアー混入用ケーシング
41 解し用回転羽根体
42 回転軸
43 羽根片
44 ギャードモーター
45 エアー送給口
46 吐出口
47 加圧弁
48 排気弁
49 安全弁
50 搬送筒
55 架台

【特許請求の範囲】
【請求項1】
緑化用客土や、堆肥や、細かく破砕された木片や、コンクリートや、モルタルや、その他の適宜被送給物を、搬送用エアーの圧力によって搬送筒内に連続的に送り込めるようにすると共に、長尺な搬送筒の先端まで搬送可能となるように構成された送給装置であって、適宜供給機構から供給される被送給物を、略円筒状の搬送・圧縮用ケーシングの基端がわから先端に向って連続的に搬送して、搬送・圧縮用ケーシング内先端がわで被送給物を所定の押し固め状態にできると共に、この押し固め状態の被送給物を搬送・圧縮用ケーシング先端から繰り出せるように構成された搬送・圧縮機構と、搬送・圧縮用ケーシングの先端開口部分の一部或いは全部を開閉できるように構成されると共に、被送給物を搬送・圧縮用ケーシング内先端がわで最初に押し固める際に、搬送・圧縮用ケーシングの先端開口部分の一部或いは全部を閉じておけるように構成された開閉機構と、搬送・圧縮用ケーシングの先端がわに連設される解し・エアー混入用ケーシング内で、搬送・圧縮用ケーシングの先端から繰り出される押し固め状態にある被送給物を解すと共に、解し・エアー混入用ケーシング内に適宜圧力の搬送用エアーを送給できるように構成された解し・エアー混入機構とを備え、解し・エアー混入用ケーシング内に送給された適宜圧力の搬送用エアーは、搬送・圧縮用ケーシングの先端部分で押し固められている被送給物を通過することなく、解し・エアー混入用ケーシングに設けた吐出口に接続される搬送筒内を先端がわに向って移動すると共に、解し・エアー混入用ケーシング内で解された被送給物を搬送できるように構成したことを特徴とする被送給物の送給装置。
【請求項2】
前記解し・エアー混入用ケーシングに於ける搬送・圧縮用ケーシング先端がわ部分は、搬送・圧縮用ケーシングの先端開口面積より大きな縦断面積を有するように構成したこと特徴とする請求項1記載の被送給物の送給装置。
【請求項3】
前記開閉機構は、搬送・圧縮用ケーシングの先端開口部分の一部或いは全部を略観音開き状に開閉する一対の左右押え板と、この左右押え板が固着され、解し・エアー混入用ケーシングに回転自在に装着されると共に、その一部が解し・エアー混入用ケーシング外部に突出する一対の左右支軸と、一方の支軸に固定されるレバーと、一対の左右支軸を連繋せしめる連繋手段と、搬送・圧縮用ケーシング内先端で押し固められる被送給物から、所定の圧迫力を受けた時に一対の左右押え板による閉鎖状態を解除して、一対の左右押え板が開くようにした閉鎖解除手段とを備えた構成としたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の被送給物の送給装置。
【請求項4】
前記開閉機構は、上下方向に揺動して搬送・圧縮用ケーシングの先端開口部分の一部或いは全部を開閉する一つの押え板と、この押え板が固着され、解し・エアー混入用ケーシングに回転自在に装着されると共に、その端部が解し・エアー混入用ケーシング外部に突出する支軸と、支軸に固定されるレバーと、搬送・圧縮用ケーシング内先端で押し固められる被送給物から、所定の圧迫力を受けた時に押え板による閉鎖状態を解除して、押え板が開くようにした閉鎖解除手段とを備えた構成としたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の被送給物の送給装置。
【請求項5】
前記供給機構は、搬送・圧縮用ケーシングの上方に配されるホッパーと、このホッパー内で駆動回転する回転羽根体とを備え、ホッパーには、搬送・圧縮用ケーシングの投入口に連通し、且つホッパー本体よりも少なくとも下方に突出している落し込み溝部を形成し、回転羽根体には、落し込み溝部内を移動可能で、被送給物を投入口から搬送・圧縮用ケーシング内に強制送給する送込み用羽根体を付設したことを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3または請求項4記載の被送給物の送給装置。
【請求項6】
供給機構Aによって撹拌された緑化用客土や、堆肥や、コンクリートや、モルタルや、或いは細かく破砕された木片等の適宜被送給物を、搬送・圧縮機構の略円筒状の搬送・圧縮用ケーシング内に、その基端がわから連続的に供給し、開閉機構によって、搬送・圧縮用ケーシングの先端開口部分の一部或いは全部を閉じておき、搬送・圧縮機構によって、供給機構から供給される被送給物を、搬送・圧縮用ケーシング内基端から先端に向って連続的に搬送して、搬送・圧縮用ケーシング内先端がわで被送給物を所定の押し固め状態にし、この押し固め状態の被送給物が、搬送・圧縮用ケーシング先端から繰り出されるようになったときの圧力によって開閉機構を作動せしめて、搬送・圧縮用ケーシングの先端開口部分を開き、押し固め状態の被送給物を搬送・圧縮用ケーシング先端から繰り出せるようにし、解し・エアー混入機構を作動せしめて、押し固められた被送給物を解すと共に、解し・エアー混入用ケーシング内に適宜圧力の搬送用エアーを送給し、解された被送給物が、解し・エアー混入用ケーシングに設けた吐出口に接続される搬送筒内を搬送用エアーの圧力によって先端がわに向って搬送することを特徴とした被送給物の送給方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2007−161356(P2007−161356A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−356263(P2005−356263)
【出願日】平成17年12月9日(2005.12.9)
【出願人】(000177483)三和産業株式会社 (14)
【Fターム(参考)】