説明

複合セラミック体およびその製造方法

本発明は、複合セラミック体およびその製造方法に関する。複合セラミック体は、炭素を含有する繊維強化された芯部領域と、SiCを含む表面領域とを有している。複合セラミック体の良好な長期挙動を得るために、芯部領域の内部を起点として表面領域の内部に至るまでSiCの割合が連続的または実質的に連続的に変化するように、複合セラミック体がSiCを含んでいることが提案される。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
本発明は、炭素を含有する繊維強化された芯部領域と、SiCを含む表面領域とを含んでいる、特にブレーキディスクのようなトライボロジー部品向けの用途に定められた複合セラミック体に関するものである。さらに本発明は、場合により所望の多孔度を備える繊維を含む炭素体を準備し、この炭素体に珪素を溶浸させ、化学反応を開始させることによってSiCを形成しながら炭素体をセラミック化する、特にブレーキディスクのようなトライボロジー部品向けの用途に定められた繊維強化複合セラミック体を製造する方法に関するものである。
【0002】
ドイツ特許第19834571号より、熱分解により繊維強化された前駆体に溶融シリコンを溶浸させる、多孔性の炭素マトリックスを有する繊維強化C/C前駆体から複合材料を製造する方法が公知である。この場合、小孔の中に液体シリコンが沈着することができ、それにより、このようにして製作されたCMC(セラミック基複合材料)体の表面層における所望の硬度を生成する。
【0003】
ドイツ特許第4438455号には、多孔性の炭素体に液体シリコンを溶浸させることによって摩擦ユニットを製造する方法が記載されており、この場合、多孔性の炭素体は、セラミック化の後も形状と大きさを維持する冷却および/または補強のためのキャビティおよび/または切欠きが、所定の内側領域および/または外側領域に形成されるように構造化されている。
【0004】
CMC材料からなるこのような成形体は、たとえばドイツ特許出願公開第4237655号や欧州特許出願公開第071214号に記載されているように、ブレーキディスクに用いることができる。
【0005】
特開平第03−199172号より被覆炭素繊維強化複合材料が公知であり、この場合、中央部分では炭素からなり表面領域ではカーバイドからなるマトリックスの中に炭素繊維が存在している。表面領域でのみ、内側から外側への移行が連続的またはほぼ連続的に推移している。
【0006】
ドイツ特許出願公開第19805868号は繊維複合材料を製造する方法を対象とするものであり、この場合、傾斜機能材料を得るために、外側から内側に向かって品質が向上していく繊維被覆が利用される。そのために、異なる被覆品質の成形材料を圧縮成形金型に入れ、外側の層を完全に炭化珪素で構成することができる。さらに、繊維品質と繊維長さをいずれも変化させることができる。使用される強化繊維そのものは、パイロカーボンからなる被覆を備える芯部と、熱分解によって炭素に変わる熱分解可能な結合剤からなる外側層とで構成されている。液体シリコンで溶浸を行うことができる。
【0007】
今日用いられるCMCブレーキディスクは、芯部領域(積層芯材)に加えて、ほぼモノリシックな外側のSiC層(表面領域)を有している。この表面層はトライボロジーの理由から必要とされる。それに対して芯部領域は、システム全体のいわば可延な破壊強さをできるだけ得るために、CFC特性を有しているのが望ましい。今日の開発水準では、層構造は、モノリシックな表面領域構造からCFC芯部領域への明瞭な層移行が生じるようになっている。そのことが原因で、機械特性や熱物理特性に関して著しい相違が生じる。このような層システムは、モノリシック層が多くの亀裂を生じているばかりでなく、使用時にもいっそうの亀裂を形成する傾向があるので視覚的に見分けることが可能である。
【0008】
本発明の課題は、冒頭に述べた種類の複合セラミック体およびその製造方法を改良して、複合セラミック体が良好な長期挙動を示すようにし、特に、表面における亀裂形成の傾向が減るようにすることである。ただしそれと同時に、摩擦に強い外側のモノリシックSiC層と、芯部領域の延性とに関わる公知の分離層構造の利点がほとんど維持されるのが望ましい。
【0009】
本発明によればこの課題は、上に述べた種類の複合セラミック体において、複合体が繊維強化炭素体でできており、芯部領域の繊維は表面領域におけるよりも長く、表面領域の繊維は芯部領域におけるよりも少ないフィラメント数を有しており、および/または表面領域の炭素体が芯部領域におけるよりも高い多孔度を有しており、芯部領域の内部を起点として表面領域の内部に至るまでSiCの割合が連続的または実質的に連続的に変化するように複合セラミック体がSiCを含んでいることによって基本的に解決される。特にこの複合セラミック体はSiC割合に関して、芯部領域が可延特性を有するとともに表面領域はモノリシックなSiC層特性ないしSi/SiC層特性を有するように、連続的に傾斜化されている。
【0010】
この場合、表面領域は実質的に次のような割合を有しているのがよい:
− 約20重量%から約100重量%のSiC
− 約0重量%から約30重量%の遊離Si
− 約0重量%から約80重量%の炭素
− 約0重量%から約20重量%のSiおよび/または
− 約0重量%から約20重量%のB
それに対して芯部領域は次の割合を有しているのがよい:
− 約0重量%から約70重量%のSiC
− 約0重量%から約30重量%の遊離珪素
− 約20重量%から約100重量%の炭素および/または
− 約0重量%から約20重量%のBC。
【0011】
特に複合セラミック体は強化繊維として炭素繊維および/またはグラファイト繊維および/またはSiC繊維を含んでいるのがよく、炭素を含有する出発材料として織物、スクリム、フェルト、不織布、または紙を使用する場合には、約1mmから約60mmの長さ範囲の短繊維を含んでいるのがよい。
【0012】
炭素を含む、または炭素供与体が添加された複合繊維セラミックを製造するためのプリフォームを利用することもでき、このプリフォームは熱分解可能な結合剤で含浸されており、三次元または多次元のプリフォームやTFP技術(Taylored−Fibre−Placement)のプレフォームを、RTM法(Resin−Transfer−Molding、樹脂トランスファー成形)または圧縮成形法に利用することができる。「多次元」とは、3つを超える強化方向をもつプリフォームを意味している。
【0013】
本発明の別の態様では、複合セラミック体が繊維含有炭素体の熱分解とセラミック化によって製造されることが意図され、この場合、芯部領域の繊維は表面領域におけるよりも長い。さらに、表面領域の繊維は芯部領域におけるよりも少ないフィラメント数を有していてよい。
【0014】
表面領域の小孔容積が芯部領域におけるよりも多くなるように、炭素体が開放気孔を有していることが意図されていてもよい。特に、炭素体は異なる炭素収率を示す添加剤を有しており、表面領域の炭素収率は芯部領域におけるよりも低い。添加剤としては、ポリエチレンやプロピレンなどの熱可塑性樹脂、またはシリコンゴムなどのエラストマー、または低架橋エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、またはおが屑などの天然物質が考慮の対象となる。多孔度の調整は、炭素、グラファイト、SiC粉末、Si粉末、BC粉末などの使用される添加剤の粒度分布によっても行うことができる。
【0015】
本発明の思想により、SiC含有率が芯部領域から表面領域に向かって流れるように増加していく複合セラミックが提供される。SiC含有率ないしSi/SiC含有率の傾斜化が行われ、その結果、可延特性を有する芯部領域と、有利にはモノリシックなSiC層特性を有する表面領域との間の、従来技術では不連続であった移行が行われなくなる。その理由から、表面に亀裂形成を生じる傾向の低下、改良された長期挙動、およびこれに伴って改良された耐用寿命挙動を得ることができる。このとき複合セラミックの構成は、モノリシックまたはほぼモノリシックなSiC表面構造から複数の段階を経て、CFCが優位なCMC芯部構造へと至る移行が具体化されるように行われる。したがって、モノリシックまたはほぼモノリシックな組成から、繊維強化複合材料へと材料組成を変化させることになる。
【0016】
場合により所望の多孔度を備える繊維を含む炭素体を準備し、この炭素体にシリコンを溶浸させ、化学反応を開始させることによってSiCを形成しながら炭素体をセラミック化する、複合セラミック体を製造する方法は、炭素体をSiで溶浸する前に炭素体を異なる繊維長さおよび/または異なるフィラメント数の繊維および/または多孔度の的確な調整によって構造化し、複合セラミック体のSiC含有率が芯部領域の内側領域を起点として表面領域に至るまで連続的または実質的に連続的に増加するようにしたことを特徴としている。
【0017】
本発明によれば、炭素体の構造化は異なる繊維長さの選択および/または異なるフィラメント数の繊維および/または多孔度の的確な調整によって行われる。
【0018】
多孔度は、炭素収率が異なる添加剤によって調整することができる。表面領域の炭素収率が芯部領域におけるよりも低い添加剤を使用することもできる。同じく添加剤の粒度分布によっても、表面領域ではモノリシックなSiC構造が生じて芯部領域ではCFCが優位な材料が生じるように、多孔度を所望の範囲内で調整することができる。
【0019】
熱分解のときの的確に調整可能な方法パラメータも、同様の可能性を提供する。
【0020】
本発明の思想により、特にブレーキディスク、ブレーキライニング、クラッチ、クラッチディスク、軸受材料、シールリングや摺動リング、炉やプラントを操業するための装入補助剤などに利用することができる複合セラミックが提供される。このとき複合セラミックは、SiC含有率が内部から外部に向かっていわば流れるように増加する層構造を有している。このような傾斜化はBCやSiに関しても設定することができる。
【0021】
本発明のその他の具体的事項、利点、構成要件は、特許請求の範囲やその中に読み取られるべき構成要件ばかりでなく、以下の実施例の説明からも明らかである。
【0022】
実施例1
傾斜構造をもつクラッチディスクの製造:
単位面積当り重量の少ない織物を用いる。30個の個別層を利用する。
【0023】
外側の4つの織物層を、吹付被覆により木屑とフェノール樹脂結合剤およびエタノールで被覆する。木屑、フェノール樹脂結合剤、およびエタノールの重量割合は、繊維の単位面積当り重量に対して20%である。次の4つの織物層にも同様にして15%の重量割合の被覆を施す。その次の4つの層には10%の重量割合、次の4つの層には7%の重量割合、次の4つの層には3%の重量割合で被覆を施す。内側の10個の層には処理を行わない。
【0024】
すべての層を傾斜の推移に応じてRTM金型に入れ、フェノール樹脂で溶浸し、硬化させる。引き続いて炭素化を行う。この半製品から余裕寸法をもつリングを加工し、引き続いてシリコナイジングする。シリコナイジングされた構成部品は、この成形加工の後、ほぼ流れるような傾斜(ほぼ流れるように変化するSiC割合)を有しており、表面領域は次のような組成を有している:8%のSi、75%のSiC、および17%のC。それに対して内側領域は次のような組成となっている:3%のSi、33%のSiC、および64%のC。
【0025】
急激な移行部はもはや判然としておらず、表面領域における亀裂形成はほぼ回避される。
【0026】
実施例2
傾斜構造をもつ産業用のブレーキライニングの製造:
製造には、3mm、6mm、9mm、12mmの長さの炭素短繊維を使用する。これらの繊維にそれぞれの長さで炭素含有フィラー、フェノール樹脂、およびエタノールを添加し、混合処理によりコンパウンドに加工する。この混合物は次のような組成を有している:40容積%のC繊維、30容積%の炭素フィラー、および30容量%のフェノール樹脂。
【0027】
ライニングを製造するため、乾燥させたコンパウンドを充填装置により次の順序で圧縮成形金型に装填する(ライニングの利用ケースや取付方法に応じて、傾斜化を中心軸に対して対称に行うことも非対称に行うこともできる):
10重量%−3mmのC繊維
5重量%−3mmと6mmのC繊維の50:50の混合物
5重量%−6mmのC繊維
5重量%−6mmと9mmのC繊維の50:50の混合物
5重量%−9mmのC繊維
5重量%−9mmと12mmのC繊維の50:50の混合物
15重量%−12mmのC繊維
15重量%−12mmのC繊維
5重量%−9mmと12mmのC繊維の50:50の混合物
5重量%−9mmのC繊維
5重量%−6mmと9mmのC繊維の50:50の混合物
5重量%−6mmのC繊維
5重量%−3mmと6mmのC繊維の50:50の混合物
10重量%−3mmのC繊維。
【0028】
炭素化とシリコナイジングの後、次のような傾斜を確認することができた:
表面に近い領域は85%のSiC、4%のSi、および11%のCで構成されているのに対して、内側領域は38%のSiC、3%のSi、および59%のCで構成されている。生じる傾斜は流れるように変化しており、ライニングは製造後、表面の領域に非常にわずかな亀裂しか示していない。
【0029】
その他の具体的事項、利点、および構成要件は、以下の説明から明らかである。
【0030】
唯一の図1には、特にトライボロジー部品向けに用途が定められた複合セラミック体を製造する本発明の方法が、純粋に模式的に示されている。図1では、1つまたは複数のプリフォーム10を直接、もしくは炭素含有フィラーならびに結合剤およびたとえばエタノール等を含む炭素繊維等の出発材料を混合14した後、RTMダイ等の金型に装填することができる(ステップ16)。織物層も含んでいる1つまたは複数のプリフォームを、金型への装填の前または後、結合剤で含浸することができる。これ以外の添加剤を加えることも可能である。さらに、外側領域がモノリシックまたはほぼモノリシックなSiC層の特性を有しているが芯部はCFCが優位なCMC構造を有するように、製造されるべきセラミック体の内部でほぼ流れるように、または多段階のSiC含有率の変化が生じるように出発物質が配置され、または添加剤が加えられる。
【0031】
次の方法ステップ18では所望の幾何学形状への圧縮成形が行われ、次いで方法ステップ20で、金型から取り出された成形体を熱分解させ、すなわち炭素化ないし黒鉛化する。
【0032】
炭素化は、500℃から1450℃の間、特に900℃から1200℃間の温度範囲で行うことができ、黒鉛化は1500℃から3000℃の間、特に1800℃から2500℃の間の温度範囲で行うことができる。引き続いて炭素体をシリコナイジングし、このときには炭素体を珪素で充填された容器に入れ、たとえば1時間から7時間にわたって約1450℃から1700℃の範囲の温度にさらす(方法ステップ22)。次いで、こうして製作された複合セラミック体を、所望の最終形態を得るために、場合により加工することができる(方法ステップ24)。代替的または追加的に、成形体をシリコナイジングの前に加工することも可能である。
【0033】
シリコナイジングは、上に説明した方法とは異なり、次のようにして実施することもできる。たとえば、約1450℃から約2000℃の間の温度で、シリコン溶融液に圧力/真空プロセスを行うことが可能である。また、事前に予備処理しておいた珪素含有スラリーでスラリー法を行うことも可能である。また、多孔性の芯材を、炭素体およびシリコンを充填した容器と接触させる吸上法または毛管法を適用することもできる。
【0034】
こうして製造された複合セラミック体は、芯部領域から表面領域の方向へほぼ流れるように変化するSiC含有率を実現可能であるという利点を備えており、芯部領域はCFCが優位な材料の特性を有しており、表面領域はモノリシックまたはほぼモノリシックなSiC構造を有している。
【0035】
以上に説明した、特に各実施例から読み取ることができる各方法ステップは、先行するステップとは切り離して権利保護が申請されるものである。また、掲げている数値はあくまでも一例であり、権利保護を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】複合セラミック体を製造する本発明の方法を示す純粋に模式的な図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素を含有する繊維強化された芯部領域と、SiCを含む表面領域とを含んでいる、特にブレーキディスクのようなトライボロジー部品向けの用途に定められた複合セラミック体であって、
複合体が繊維強化炭素体でできており、前記芯部領域の繊維は前記表面領域におけるよりも長く、前記表面領域の繊維は前記芯部領域におけるよりも少ないフィラメント数を有しており、および/または前記表面領域の炭素体は前記芯部領域におけるよりも高い多孔度を有しており、前記芯部領域の内部を起点として前記表面領域の内部に至るまでSiCの割合が連続的または実質的に連続的に変化するように複合セラミック体がSiCを含んでいることを特徴とする、複合セラミック体。
【請求項2】
前記芯部領域が可延特性を有していて前記表面領域がモノリシックなSiC層特性ないしSi/SiC層特性を有するように、前記複合セラミック体はSiC割合に関して流れるように傾斜化されている、請求項1に記載の複合セラミック体。
【請求項3】
多孔度を調整するために前記炭素体は炭素収率の異なる添加剤を含んでいる、請求項1に記載の複合セラミック体。
【請求項4】
前記添加剤は、炭素収率の異なる熱可塑性樹脂である、請求項3に記載の複合セラミック体。
【請求項5】
前記添加剤は、ポリエチレンやプロピレンなどの熱可塑性樹脂、および/またはシリコンゴムなどのエラストマー、および/または低架橋エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、および/またはおが屑などの天然物質である、請求項3または4に記載の複合セラミック体。
【請求項6】
前記多孔度は、炭素および/またはグラファイトおよび/またはSiC粉末および/またはSi粉末および/またはBC粉末などの使用される添加剤の粒度分布によって調整される、請求項3から5までの少なくとも1項に記載の複合セラミック体。
【請求項7】
前記複合セラミック体の前記表面領域は、約20重量%から約100重量%のSiC、約0重量%から約30重量%の遊離Si、約0重量%から約80重量%の炭素、約0重量%から約20重量%のSi、および/または約0重量%から約20重量%のBCを含んでいる、少なくとも請求項1に記載の複合セラミック体。
【請求項8】
前記複合セラミック体の前記芯部領域は、約0重量%から約70重量%のSiC、約0重量%から約30重量%の遊離Si、約20重量%から約100重量%の炭素、および/または約0重量%から約20重量%のBCを含んでいる、少なくとも請求項1に記載の複合セラミック体。
【請求項9】
場合により所望の多孔度を備える繊維を含む炭素体を準備し、この炭素体にシリコンを溶浸させ、化学反応を開始させることによってSiCを形成しながら前記炭素体をセラミック化する、特にブレーキディスクのようなトライボロジー部品向けの用途に定められた複合セラミック体を製造する方法であって、
前記炭素体をSiで溶浸する前に炭素体を異なる繊維長さおよび/または異なるフィラメント数の繊維および/または多孔度の的確な調整によって構造化し、前記複合セラミック体のSiC含有率が芯部領域の内側領域を起点として表面領域に至るまで連続的または実質的に連続的に増加するようにしたことを特徴とする方法。
【請求項10】
前記芯部領域で前記表面領域よりも大きい長さをもつ繊維を使用する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記表面領域で前記芯部領域よりも少ないフィラメント数をもつ繊維を使用する、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
炭素収率が異なる添加剤によって前記多孔度を調整する、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記芯部領域におけるよりも炭素収率が低い添加剤を前記表面領域で使用する、請求項9または12に記載の方法。
【請求項14】
前記添加剤の粒度分布によって前記多孔度を調整する、請求項9、12または13のうち少なくとも1項に記載の方法。
【請求項15】
前記添加剤として、ポリエチレンやプロピレンなどの熱可塑性樹脂、および/またはシリコンゴムなどのエラストマー、および/または低架橋エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、および/またはおが屑などの天然物質を使用する、請求項9、12、13または14のうち少なくとも1項に記載の方法。
【請求項16】
前記添加剤として、炭素および/またはグラファイトおよび/またはSiC粉末および/またはSi粉末および/またはBC粉末などの粒度分布が異なる添加剤を使用する、請求項9、12、13、14または15のうち少なくとも1項に記載の方法。
【請求項17】
個別層からなる織物を使用し、外側の織物層を、木材等の再び生える原料の屑と結合剤とからなる吹付被覆により被覆し、以後の織物層を同様に吹付被覆し、このとき一緒に吹付被覆される織物層の、吹付被覆によって塗布される材料の重量割合は外側から内側に向かって減少していく、請求項9から16までの少なくとも1項に記載の、特にクラッチディスクの形態のトライボロジー部品を製造する方法。
【請求項18】
前記層を、吹付被覆により得られた傾斜の推移に応じてRTMダイ等の金型に入れ、樹脂で溶浸してから硬化させる、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
硬化後に炭素化を行ってから加工を行い、最後にシリコナイジングを行う、請求項17または18に記載の方法。
【請求項20】
前記複合セラミック体を製造するために1つまたは複数のプリフォームを使用する、請求項9から20までの少なくとも1項に記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2006−511417(P2006−511417A)
【公表日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−578299(P2003−578299)
【出願日】平成15年3月24日(2003.3.24)
【国際出願番号】PCT/EP2003/003041
【国際公開番号】WO2003/080538
【国際公開日】平成15年10月2日(2003.10.2)
【出願人】(594141406)シュンク・コーレンストッフテヒニーク・ゲーエムベーハー (9)
【Fターム(参考)】