説明

複合半導体装置

【目的】降圧型と昇圧型の超小型DC−DCコンバータやフィルタ機能を併せ持つパワ−ライン用スイッチに用いることができる複合半導体装置を提供する。
【解決手段】この発明によれば、インダクタ10とpチャネルMOSFET1およびnチャネルMOSFET5とで構成される複合半導体装置100において、インダクタ10を磁性絶縁基板12に形成し、磁性絶縁基板12上に設けられた半導体チップ11にpチャネルMOSFET1およびnチャネルMOSFET5を形成し、pチャネルMOSFET1のソース2と入力端子であるSW1端子を接続し、インダクタ10の一端をドレイン3とnチャネルMOSFET5のドレイン6の接続点9に接続し、他端を出力端子であるL端子に接続する。SW1端子をDC−DCコンバータの入力コンデンサCinに接続し、L端子を出力コンデンサCoutに接続することで降圧型のDC−DCコンバータを形成でき、SW1端子とL端子を入れ替えることで昇圧型のDC−DCコンバータを形成できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、携帯機器向けPOL(Point Of Load)電源を含む汎用電子機器向け降圧型および昇圧型の超小型DC−DCコンバータへ共通デバイスとして適用できることを特徴とし、かつフィルタ機能を併せ持つパワーライン用スイッチとしても使用可能な複合半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話などポ−タブル機器は、ダウンサイジングと軽量化の要求が強く、内部のプリント基板上の占有スペ−スをできるだけ小さく、かつ薄く構成できることが求められている。このサイズダウンを阻害する部品は電源回路を構成するインダクタやキャパシタが該当することが多い。
従来は、電源IC、インダクタおよびキャパシタという個別の部品をプリント基板上に配置してPOL電源を構成し、スイッチング周波数の高周波化によりインダクタとキャパシタの部品サイズを小型化して対応しているが、最近ではLSI1個で2電源,3電源が必要となることも多いことから、個別部品構成の方法ではプリント基板スペ−スがさらに厳しく、かつ低電圧電源をLSI近傍に配置することが困難な状況になる。同時に、部品点数が多いことでプリント基板上にレイアウトする際の配線の仕方などに制約事項がつきやすく、本来の性能を発揮することができないレイアウトとなったり、また長い配線によるノイズ増大を招き、その結果、セットの性能劣化の要因になる。
【0003】
電源ICとインダクタを一体化構成にしたマイクロ電源モジュールは、部品点数を軽減することができるため、小型化指向に対しては有望である。さらに、部品点数が少ないことでプリント基板上のレイアウトでの制約がつきにくく、POL電源本来の性能を発揮することが可能となる。
しかし、その反面マイクロ電源モジュールは降圧型もしくは昇圧型の一方の用途に限定され、両方に共通で使用できない。既に提案されているマイクロ電源モジュールに関する特許文献1でも、降圧型の超小型DC−DCコンバータのみ記載されている。また、分割インダクタとICチップ上に形成した受動キャパシタ(Poly−Polyキャパシタ)の複合フィルタ構成に関しても、特願2007−203730で提案されているが、これも降圧型の超小型DC−DCコンバータに特化している。セットによっては、降圧型と昇圧型の超小型DC−DCコンバータを必要とし、できるだけ部品の共通化を図りたい要求もある。例えば、DC−DCコンバータの構成要素として、素子が2個入った(2ch)パワースイッチデバイス(2個(2ch)のMOSFETあるいは、1個(1ch)のFETと1個(1ch)のSBD)は既に市販されているが、超小型DC−DCコンバータに適した大きさのものではない。
【0004】
したがって、超小型DC−DCコンバータ構成要素とすることができ、さらにはパワーラインに汎用的に用いられる部品(ON/OFFスイッチだけでなく、ノイズ対策部品)にも兼用させることのできる複合半導体装置を提供して、使い勝手と性能向上に寄与できれば携帯機器・民生機器・産業機器の広い範囲で使用されることが期待できる。
また、特許文献2および特許文献3においては、複数のスイッチング素子を有するパワーモジュールを用いたDC−DCコンバータが開示されている。
【特許文献1】特開2004−72815号公報
【特許文献2】特開2008−54384号公報
【特許文献3】特開2005−328678号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、降圧型と昇圧型のどちらの超小型DC−DCコンバータにも使用できるインダクタを内蔵した複合半導体装置は未だ公開されていない。また特許文献2,3に開示されたパワーモジュールを用いたDC−DCコンバータは大容量であり、携帯電話などのポータブル機器に適用できる大きさのものではない。また、用いられるパワーモジュールは固有のコンバータ用のために特化されたものとなっている。
【0006】
この発明の目的は、前記のことを鑑みて、降圧型と昇圧型の超小型DC−DCコンバータやフィルタ機能を併せ持つパワーライン用スイッチに用いることができる複合半導体装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の目的を達成するために、特許請求の範囲の請求項1記載の発明であって、インダクタと、2個のパワースイッチとで構成される複合半導体装置であって、前記インダクタが磁性絶縁基板に形成され、該磁性絶縁基板上に設けられた半導体チップに前記2個のパワースイッチが形成され、前記2個のパワースイッチの内の第1のパワースイッチの第1主電極が第1主端子と接続し、前記第1のパワースイッチのゲート電極が第1ゲート端子と接続し、前記第1のパワースイッチの第2主電極が前記第2のパワースイッチの第1電極および前記インダクタの一端とそれぞれ接続し、前記第2のパワースイッチのゲート電極が第2ゲート端子と接続し、前記第2のパワースイッチの第2主電極が第2主端子と接続し、前記インダクタの他端がL端子と接続し、前記第1主端子、前記第2主端子、前記第1ゲート端子、前記第2ゲート端子および前記L端子が前記磁性絶縁基板の外周部に形成される構成とする。
【0008】
また、特許請求の範囲の請求項2記載の発明であって、請求項1記載の発明において、前記第1のパワースイッチがpチャネルMOSFETであり、前記第1のパワースイッチの前記第1主電極がソース電極であり、前記第1のパワースイッチの前記第2主電極がドレイン電極であり、前記第2のパワースイッチがnチャネルMOSFETであり、前記第2のパワースイッチの前記第1主電極がドレイン電極であり、前記第2のパワースイッチの前記第2主電極がソース電極である構成とする。
【0009】
また、特許請求の範囲の請求項3記載の発明であって、請求項1記載の発明において、前記第1のパワースイッチがnチャネルMOSFETであり、前記第1のパワースイッチの前記第1主電極がドレイン電極であり、前記第1のパワースイッチの前記第2主電極がソース電極であり、前記第2のパワースイッチがnチャネルMOSFETであり、前記第2のパワースイッチの前記第1主電極がドレイン電極であり、前記第2のパワースイッチの前記第2主電極がソース電極である構成とする。
【0010】
また、特許請求の範囲の請求項4記載の発明であって、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明において、前記インダクタの中間点が前記半導体チップに形成された集積コンデンサの一方の端子と接続し、前記集積コンデンサの他方の端子がC端子と接続し、該C端子が前記磁性絶縁基板の外周部に形成される構成とする。
また、特許請求の範囲の請求項5記載の発明であって、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明において、前記第1主端子がDC−DCコンバータ用の入力コンデンサの高電位側の端子と接続し、前記第2主端子が前記入力コンデンサのグランド側の端子と接続し、前記L端子が出力コンデンサの高電位側の端子と接続することで降圧型DC−DCコンバータが形成され、前記L端子が前記DC−DCコンバータ用の前記入力コンデンサの高電位側の端子と接続し、前記第2主端子が前記入力コンデンサのグランド側の端子と接続し、前記第1主端子が前記出力コンデンサの高電位側の端子と接続することで昇圧型DC−DCコンバータが形成される複合半導体装置とする。
【0011】
また、特許請求の範囲の請求項6記載の発明であって、請求項4記載の発明において、前記第1主端子がDC−DCコンバータ用の入力コンデンサの高電位側の端子と接続し、前記第2主端子および前記C端子がそれぞれ前記入力コンデンサのグランド側の端子と接続し、前記L端子が前記出力コンデンサの高電位側の端子に接続することで降圧型DC−DCコンバータが形成され、前記L端子が前記DC−DCコンバータ用の前記入力コンデンサの高電位側の端子と接続し、前記第2主端子および前記C端子がそれぞれ前記入力コンデンサのグランド側の端子と接続し、前記第1主端子が前記出力コンデンサの高電位側の端子と接続することで昇圧型DC−DCコンバータが形成される複合半導体装置とする。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、インダクタと、2個のパワースイッチとで構成される複合半導体装置において、インダクタを磁性絶縁基板に形成し、磁性絶縁基板上に設けられた半導体チップに2個のパワースイッチを形成する。そして2個のパワースイッチの内の第1のパワースイッチの第1主電極を第1主端子に接続し、第1のパワースイッチのゲート電極を第1ゲート端子に接続し、第1のパワースイッチの第2主電極を第2のパワースイッチの第1電極およびインダクタの一端にそれぞれ接続する。さらに第2のパワースイッチのゲート電極を第2ゲート端子に接続し、第2のパワースイッチの第2主電極を第2主端子に接続し、インダクタの他端をL端子に接続する複合半導体装置とすることによって、DC−DCコンバータの入力コンデンサの高電位側に接続する端子を第1主端子にするかL端子にすることによって、降圧型または昇圧型の超小型DC−DCコンバータが形成できる複合半導体装置を提供することができる。
【0013】
また、この複合半導体装置は、電圧切り替えスイッチや突入電流防止ホットスワップスイッチとしても利用ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
実施の形態を以下の実施例で説明する。
【実施例1】
【0015】
図1および図2は、この発明の第1実施例の複合半導体装置の構成図であり、図1は回路図、図2(a)は要部平面図、図2(b)は図2(a)を矢印の方向から見た要部側面図である。
この複合半導体装置100は、インダクタ10と2個のパワースイッチ(pチャネルMOSFET1とnチャネルMOSFET5)を一体化することで、降圧型と昇圧型の超小型DC−DCコンバータに適用できること、あるいはフィルタ機能を備えたパワーラインスイッチとして適用でき、いずれに対しても共通部品として使用できる。
【0016】
図1および図2の複合半導体装置100について説明する。パワースイッチとしてのpチャネルMOSFET1のソース2をSW1端子に接続し、ゲート4をg1端子に接続し、ドレイン3をパワースイッチとしてのnチャネルMOSFET5のドレイン6と接続し、この接続点9をインダクタ10の一端に接続し、インダクタ10の他端をL端子に接続する。nチャネルMOSFET5のゲート8をg2端子に接続し、nチャネルMOSFET5のソース7をSW2端子に接続する。インダクタ10を形成した、例えば、フェライト基板のような磁性絶縁基板12上にpチャネルMOSFET1とnチャネルMOSFET5を形成した半導体チップ11を固着する。
【0017】
この図では、パワースイッチであるMOSFETはpチャネル型とnチャネル型を用いたが、両方ともnチャネル型で回路を構成しても構わない。その場合はpチャネルMOSFET1のソース2の位置にはpチャネルMOSFET1に置き換わるnチャネルMOSFETのドレインが来て、pチャネルMOSFET1のドレイン3の位置には当該nチャネルMOSFETのソースが来る。
【0018】
半導体チップ11はパワースイッチ専用となるため、半導体チップ11に制御回路などのICが形成されている場合と異なり、可能な限りオン抵抗が低減できるような設計ができる。図2(a)および図2(b)の構造は、特許文献1で既に報告されているマイクロ電源モジュールの構造と類似しており、磁性絶縁基板12(インダクタフェライト)上に半導体チップ11を搭載して、ワイヤボンディングを用いて半導体チップ11の端子と磁性絶縁基板12の外周部に形成した各端子とを接続している。
【0019】
この3部品(pチャネルMOSFET1とnチャネルMOSFET5の2個のパワースイッチとインダクタ10)の一体化により、個別に構成する場合に比べて、部品点数の低減に寄与できる。
図3は、降圧型の超小型DC−DCコンバータに図1および図2の複合半導体装置100を適用した場合であり、図3(a)は回路図、図3(b)はプリント基板上の実装図である。
【0020】
図3(a)において、入力コンデンサCinの高電位側端子にSW1端子が接続し、L端子に出力コンデンサCoutの高電位側端子が接続している。SW2端子はグランドGNDに接続し、g1端子とg2端子は制御回路Contに接続している。電源の高電位側電位VinとCinの高電位側端子を接続する配線がVin配線であり、出力の高電位側電位VoutとCoutの高電位側端子を接続する配線がVout配線である。また、SW2端子、Cinの低電位側端子およびCoutの低電位側端子をグランドGNDの接続点Pgndに接続する配線がPgnd配線である。
【0021】
図3(b)において、Pgnd配線,Vin配線およびVout配線はプリント基板に形成された配線である。また、図3(a)で示す回路上では便宜的にPgndは接続点を示すが、図3(b)で示す実装上ではPgndとPgnd配線は同一箇所である。
図4は、昇圧型の超小型DC−DCコンバータに図1および図2の複合半導体装置100を適用した場合であり、図4(a)は回路図、図4(b)はプリント基板上の実装図である。
【0022】
入力コンデンサCinの高電位側端子にL端子が接続し、SW1端子に出力コンデンサCoutの高電位側端子が接続している。SW2端子はPgnd配線でグランドGNDに接続し、g1端子とg2端子は制御回路Coutに接続している。
図3および図4の降圧型DC−DCコンバータと昇圧型DC−DCコンバータは複合半導体装置100のSW1(入力側)とL端子(出力側)の入れ替えを行うことで、図1および図2の複合半導体装置100が共通して使用できることがわかる。
【0023】
また、複合半導体装置100には超小型DC−DCコンバータの主回路を構成するハイサイドスイッチ(pチャネルMOSFET1),ロ−サイドスイッチ(nチャネルMOSFET5)とインダクタ10が内蔵されている。そのため、入力コンデンサCinと出力コンデンサCoutを最適にレイアウトできる端子配置(デバイスピンアサイン)とすることで、配線長(スイッチングル−プ)を最短化でき、超小型DC−DCコンバータとしてのノイズ性能が向上できる。
【0024】
図5は、図3の降圧型DC−DCコンバータのスイッチングノイズの減衰特性を示す図である。100MHz程度の高周波領域での減衰量は飽和しているものの、個別部品で構成した降圧型DC−DCコンバータの減衰量と比べて大きな減衰量が得られる特性となっている。
本構造は、スイッチング素子であるpチャネルMOSFET1とnチャネルMOSFET5およびインダクタ10の接続点9(ノード)が磁性絶縁基板12上に配置され一体化されることで、個別部品で構成した場合に比べて、プリント基板配線へ影響を与えにくい特徴も備えている。
【0025】
つぎに、図1および図2の複合半導体装置100を他の変換装置に適用した例を挙げる。
図6はその例であり、図6(a)は2電源を切り替える回路図、図6(b)は突入電流防止ホットスワップスイッチの回路図である。
図6(a)に示す2電源を切り替える例では。例えば、マスタ機器からスレーブ機器に3.3V電源を供給する場合に、5Vもしくは3.3Vを選択して供給できる。すなわち、ケーブル長が長い場合は供給側の電圧Vcc1から受け側の電圧Vcc2に至るまでに減衰するので、5V電圧で供給し、受け側で3.3Vに変換することが望ましく、逆にケーブル長が短い場合は、3.3Vでダイレクトに供給する方法とすることができる。
【0026】
また、図6(a)では、nチャネルMOSFET5のドレイン6とソース7の位置が入れ替わっているが、これは電流の流れ方に沿ってどちらがソースでどちらがドレインかを見直して名前を変えただけであり、新たな複合半導体装置100を設けたわけではない。
また、図6(b)に示す突入電流防止ホットスワップスイッチの例では、USB(Universal Serial Bus)など電源投入状態でケーブルを抜き差しするホットスワップ(活線挿抜)用途で、突入電流を軽減し、電源供給元の機器の電圧低下に伴うリセットダウンを招かないパワースイッチとして機能する。すなわち、差し込んだ直後の突入電流はSW1のルート(制限抵抗R1)を通すことにより軽減させ、差し込んで所定時間(R1とC1の時定数)が経過すると、SW2(低抵抗)のルートで電源を供給することができる。
【0027】
また、図6(b)でも、nチャネルMOSFET5のソース7とドレイン6の位置が入れ替わっているが、図6(a)と同様に端子の名前を見直しただけで、実際の構成に変化はない。
尚、前記の図6(a),(b)において、インダクタ10が電流の急激な変化を阻止するのでインダクタ10のみでもノイズ除去フィルタの機能をもつが、インダクタ10の後段にさらにコンデンサC1またはC2を付加してローパスフィルタを構成することにより、ノイズ対策機能を強化している。
【実施例2】
【0028】
図7および図8は、この発明の第2実施例の複合半導体装置200の構成図であり、図7は回路図、図8(a)は要部平面図、図8(b)は図8(a)を矢印の方向から見た要部側面図である。
この複合半導体装置200と図1および図2で示す複合半導体装置100との違いは、複合半導体装置100を構成する半導体チップ11に、集積コンデンサ13を形成し、一端を分割インダクタ10aの中間点(中間タップ14)と接続し、他端をC端子に接続した点である。図3,4の複合半導体装置100をこの複合半導体装置200に置き換えることにより、図3や図4に相当した降圧型や昇圧型の超小型DC−DCコンバータを製作できる。
【0029】
図9は、図7および図8の複合半導体装置200を用いた降圧型の超小型DC−DCコンバータの回路図である。分割インダクタ10aの中間点(中間タップ14)は分割インダクタ10aのインダクタンスがL1:L2に分割される位置である。ここでは降圧型を例として挙げたがSW1端子とL端子を入れ替えることで昇圧型も製作できる。
図10は、図9の降圧型の超小型DC−DCコンバータにおいて、分割インダクタ10aの分割比をL1:L2=8:2、集積コンデンサ13の容量Cmを100pFとした場合のスイッチングノイズの減衰特性を示す図である。図中のLgnd1,Lgnd2は、それぞれCinの低電位側電極からPgndまでとPgndからCoutの低電位側電極までのグランド配線(いずれもPgnd配線)のインダクタンスである。
【0030】
図10に示すように、複合半導体装置200を用いることにより100MHz程度以上の高周波領域で減衰量を大きくすることができる。つまり、図1および図2の複合半導体装置100を用いる場合(図5)より高周波ノイズの減衰特性を大きく向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】この発明の第1実施例の複合半導体装置の回路図
【図2】この発明の第1実施例の複合半導体装置の構成図であり、(a)は要部平面図、(b)は(a)を矢印の方向から見た要部側面図
【図3】降圧型の超小型DC−DCコンバータに図1および図2の複合半導体装置100を適用した場合であり、(a)は回路図、(b)はプリント基板上の実装図
【図4】昇圧型の超小型DC−DCコンバータに図1および図2の複合半導体装置100を適用した場合であり、(a)は回路図、(b)はプリント基板上の実装図。
【図5】図3の降圧型DC−DCコンバータのスイッチングノイズの減衰特性を示す図
【図6】図1および図2の複合半導体装置100の適用例であり、(a)は2電源を切り替える回路図、(b)は突入電流防止ホットスワップスイッチの回路図
【図7】この発明の第2実施例の複合半導体装置の回路図
【図8】この発明の第2実施例の複合半導体装置の構成図であり、(a)は要部平面図、(b)は(a)を矢印の方向から見た要部側面図
【図9】図7および図8の複合半導体装置200を用いた降圧型の超小型DC−DCコンバータの回路図
【図10】図9の降圧型の超小型DC−DCコンバータのスイッチングノイズの減衰特性を示す図
【符号の説明】
【0032】
1 pチャネルMOSFET
2 ソース
3 ドレイン
4 ゲート
5 nチャネルMOSFET
6 ドレイン
7 ソース
8 ゲート
9 接続点
10 インダクタ
10a 分割インダクタ
11 半導体チップ
12 磁性絶縁基板
13 集積コンデンサ
14 中間タップ
100,200 複合半導体装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インダクタと、2個のパワースイッチとで構成される複合半導体装置であって、前記インダクタが磁性絶縁基板に形成され、該磁性絶縁基板上に設けられた半導体チップに前記2個のパワースイッチが形成され、前記2個のパワースイッチの内の第1のパワースイッチの第1主電極が第1主端子と接続し、前記第1のパワースイッチのゲート電極が第1ゲート端子と接続し、前記第1のパワースイッチの第2主電極が前記第2のパワースイッチの第1電極および前記インダクタの一端とそれぞれ接続し、前記第2のパワースイッチのゲート電極が第2ゲート端子と接続し、前記第2のパワースイッチの第2主電極が第2主端子と接続し、前記インダクタの他端がL端子と接続し、前記第1主端子、前記第2主端子、前記第1ゲート端子、前記第2ゲート端子および前記L端子が前記磁性絶縁基板の外周部に形成されることを特徴とする複合半導体装置。
【請求項2】
前記第1のパワースイッチがpチャネルMOSFETであり、前記第1のパワースイッチの前記第1主電極がソース電極であり、前記第1のパワースイッチの前記第2主電極がドレイン電極であり、前記第2のパワースイッチがnチャネルMOSFETであり、前記第2のパワースイッチの前記第1主電極がドレイン電極であり、前記第2のパワースイッチの前記第2主電極がソース電極であることを特徴とする請求項1に記載の複合半導体装置。
【請求項3】
前記第1のパワースイッチがnチャネルMOSFETであり、前記第1のパワースイッチの前記第1主電極がドレイン電極であり、前記第1のパワースイッチの前記第2主電極がソース電極であり、前記第2のパワースイッチがnチャネルMOSFETであり、前記第2のパワースイッチの前記第1主電極がドレイン電極であり、前記第2のパワースイッチの前記第2主電極がソース電極であることを特徴とする請求項1に記載の複合半導体装置。
【請求項4】
前記インダクタの中間点が前記半導体チップに形成された集積コンデンサの一方の端子と接続し、前記集積コンデンサの他方の端子がC端子と接続し、該C端子が前記磁性絶縁基板の外周部に形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の複合半導体装置。
【請求項5】
前記第1主端子がDC−DCコンバータ用の入力コンデンサの高電位側の端子と接続し、前記第2主端子が前記入力コンデンサのグランド側の端子と接続し、前記L端子が出力コンデンサの高電位側の端子と接続することで降圧型DC−DCコンバータが形成され、前記L端子が前記DC−DCコンバータ用の前記入力コンデンサの高電位側の端子と接続し、前記第2主端子が前記入力コンデンサのグランド側の端子と接続し、前記第1主端子が前記出力コンデンサの高電位側の端子と接続することで昇圧型DC−DCコンバータが形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の複合半導体装置。
【請求項6】
前記第1主端子がDC−DCコンバータ用の入力コンデンサの高電位側の端子と接続し、前記第2主端子および前記C端子がそれぞれ前記入力コンデンサのグランド側の端子と接続し、前記L端子が前記出力コンデンサの高電位側の端子に接続することで降圧型DC−DCコンバータが形成され、前記L端子が前記DC−DCコンバータ用の前記入力コンデンサの高電位側の端子と接続し、前記第2主端子および前記C端子がそれぞれ前記入力コンデンサのグランド側の端子と接続し、前記第1主端子が前記出力コンデンサの高電位側の端子と接続することで昇圧型DC−DCコンバータが形成されることを特徴とする請求項4に記載の複合半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−148218(P2010−148218A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−321735(P2008−321735)
【出願日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(591083244)富士電機システムズ株式会社 (1,717)
【Fターム(参考)】