説明

記録材の種類を判別する判別装置及び画像形成装置

【課題】記録材の種類の判別制度を維持しつつ、判別処理にかかる時間を短縮する判別装置を提供する。
【解決手段】記録材に光を照射する発光部と、複数の撮像素子を有し、記録材によって反射された光を該撮像素子で受光して記録材表面の画像を撮像するセンサ部と、撮像された画像を、所定方向に並んだ複数画素を有する画像データに変換する変換手段と、複数画素のうちの第1の画素と第2の画素の各々の濃度値の差を積算する演算手段とを有し、演算手段によって演算された濃度値の積算値に基づいて記録材の種類を判別する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録材の種類を判別する判別装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、記録材の種類を自動的に判別し、判別された記録材の種類に基づき、現像条件、転写条件、又は定着条件を変更させることが可能な複写機、レーザプリンタ等の電子写真方式の画像形成装置が知られている。
【0003】
記録材の種類を自動的に判別する方法としては、記録材の表面画像をCCDセンサによって撮像し、得られた表面画像をフラクタル次元情報に変換し、記録材の表面平滑度を求め、表面平滑度に基づき記録材の種類を判別する方法がある。例えば、特許文献1には次に示す方法が開示されている。まず、記録材の表面画像をCCDセンサ又はCMOSセンサによって撮像する。記録材表面には繊維等による凹凸があるため、記録材の種類によって異なる光量の濃淡分布画像が得られる。次いで、この濃淡分布画像に基づき当該記録材表面の粗度(表面平滑度)を求め、表面平滑度に基づき記録材の種類を判別する。
【0004】
しかし、記録材の種類を、記録材の表面平滑度に基づき判別する方法にあっては、例えば厚紙の表面平滑度と当該厚紙より薄い普通紙の表面平滑度とが同一である場合には、当該厚紙は厚紙と判別されず、普通紙と誤って判別される。そこで、この問題を解決するための方法として、画像形成に供される記録材の厚みを検出し、記録材の表面平滑度と記録材の厚みに基づき記録材の種類の判別を行う方法も提案されている。
【0005】
従来の画像形成装置における表面平滑度に基づいた記録材の判別手法においては、撮像用のセンサは、光源による光量むらを測定してしまう。従来の判別手法では、記録材の表面平滑度を判定するパラメータとして、撮像した画像データの濃度の最大値と最小値との差の値(Peak to Peak値)を用いていた。そのため、記録材の測定時に、表面平滑度の測定結果に光量むらに起因するずれが生じてしまう。この光量むらによる測定結果のずれは、記録材の判別性能を低下させる。従来技術ではこの問題を避けるために、次の処理を行っている。まず、記録材測定時に、記録材を移動させながら記録材を複数回撮影する。次いで、撮影結果を平均化処理することによって光量むらを取得する。つまり、複数回撮影した複数の画像データに基づきシェーディング処理を行って光量むらを得る。そして、最終的に判別に用いるために撮像した画像データから光量むらに相当する画像データを演算除去する。
【0006】
ここで図6、図8、図9を用いて従来方式の詳細について説明する。
【0007】
図6に示すように、画像40、41、42が記録材表面の映像であり、これをデジタル処理すると例えば43、44、45で示す画像が得られる。記録材Aのように表面の紙繊維がガサついている場合には、繊維の影が多く発生し明るい個所と暗い個所の差が大きく出るため、Peak to Peak値は大きくなる。また、記録材Cのように、繊維が十分圧縮され平滑度の高い記録材の表面の画像は、繊維の影が少なくPeak to Peak値は小さくなる。
【0008】
DmaxとDminから求まるPeak to Peak値は、デジタル処理した画像データのうちの1ライン毎(図6の43参照)に算出可能である。本実施形態の場合は撮像した1つの画像データが8画素×8画素のデータであり8ライン分のデータが得られる。したがって、CMOSエリアセンサ801によって複数ライン分のPeak to Peak値を求め、この値を平均処理又は積算処理することでエリア全域の記録材の検出結果が得られる。
【0009】
前述のように、1ライン中のPeak to Peak値を算出する方式の場合、1ライン中に光源の光量むら等が存在した場合は、このPeak to Peak値は光量むらの影響で数値がずれる場合がある。図8にその説明図を示す。図8は測定した2次元のCMOSエリアセンサ801の出力のうち、1ラインのみを取り出したデータである。普通紙と光沢紙でPeak to Peak値を求めると、両者に差はあるものの、光源の光量むらによって、実際の繊維による各画素の濃淡データよりも大きなデータの傾き(うねり)が光量むらとして生じており、これが測定誤差となる。
【0010】
従って、このような従来手法においては、複数枚の画像を撮影し、各画像データを画素ごとに平均化することで画像内の光量むらを測定するキャリブレーション処理を行っていた。そして測定した光量むらを除去する補正、すなわちシェーディング補正を行っていた。なお、複数の画像を撮影して測定する代わりに記録材の搬送中に撮影し、画素ごとの繊維粗さが測定されないように撮影する方法もある。図9を用いてシェーディング補正の説明を行う。最上段の図は測定した2次元のCMOSエリアセンサ801の出力のうち、1ラインのみを取り出した概念図である。光量データには、曲線で示した光量むらデータが含まれる。このような画像を複数枚撮影し、各画素の平均処理を行うと、光量むらに近い大きな傾き(うねり)のデータとして光量むらデータ(シェーディング処理用データ)を取得することができる。このデータを実際の撮影画像から減算すると、光量むらが除去された記録材の繊維による濃淡データ(シャーディング補正されたデータ)を得ることができる。
【0011】
【特許文献1】特開2002−182518号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかし、センサの光源の光量むらを除去するためにシェーディング処理を行う場合、記録材を移動させながらセンサによって記録材の表面を複数回撮影して光量むらを測定することになる。したがってシェーディング処理を行なうために記録材を撮影する時間が長くなる。記録材を撮影する時間が長いと、記録材の種類の判別処理の時間が増し、画像形成が開始されるのが遅くなる。ひいては、1枚目の印刷物の印刷完了が遅くなる。記録材の種類の判別処理による印刷の遅れは、1枚目の印刷物の印刷完了を遅らせるだけではなく、連続印刷のスピードも低下させる可能性がある。例えば1枚毎に記録剤の種類の検出のための判別処理を行う場合はスピードの低下が顕著となる。
【0013】
また、従来のように撮像した画像データの濃度の最大値と最小値との差の値(Peak to Prak値)を用いた判別方法では、記録材の判別を十分に出来ない場合もあった。例えば、ユーザが使用する記録材としては種々の表面状態を有するものが存在し、それらの記録材を従来の手法で判別すると普通紙であるかラフ紙であるかの判別が困難な場合もあった。
【0014】
そこで、本発明は、記録材の種類の判別制度を維持しつつ、判別処理にかかる時間を短縮することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の判別装置は、記録材の種類を判別する判別装置であって、記録材に光を照射する発光部と、複数の撮像素子を有し、記録材によって反射された光を該撮像素子で受光して記録材表面の画像を撮像するセンサ部と、撮像された画像を、所定方向に並んだ複数画素を有する画像データに変換する変換手段と、複数画素のうちの第1の画素と第2の画素の各々の濃度値の差を積算する演算手段とを有し、演算手段によって演算された濃度値の積算値に基づいて記録材の種類を判別することを特徴とする。
【0016】
本発明の画像形成装置は、記録材に画像を形成するための画像形成部と、記録材に光を照射する発光部と、複数の撮像素子を有し、記録材によって反射された光を該撮像素子で受光して記録材表面の画像を撮像するセンサ部と、撮像された画像を、所定方向に並んだ複数画素を有する画像データに変換する変換手段と、複数画素のうちの第1の画素と第2の画素の各々の濃度値の差を積算する演算手段とを有し、演算手段によって演算された濃度値の積算値に基づいて、画像形成部の画像形成条件を設定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、従来手法で行われていたシェーディング処理をせずに、光量むらの影響を受けることが少ない記録材の判別が可能となる。そのため、記録材の判別に要する時間は短くなり、印刷性能を向上させることができる。また、本発明によれば、記録材の判別精度を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下では、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0019】
なお、本発明における記録材の種類の判別とは、特に記録材の表面平滑度に基づく種類の判別である。
【0020】
<第1の実施形態>
本発明は、図1に示す一般的な画像形成装置に適用可能である。画像形成装置101は、用紙カセット102、給紙ローラ103、搬送ローラ124、トップセンサ125、転写ベルト駆動ローラ104を備える。さらに、画像形成装置101は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色用の転写ローラ110〜113及び、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色用のカートリッジ114〜117を備える。また、画像形成装置101は、画像形成部としての各色用の光学ユニット118〜121、各色用の感光ドラム106〜109、転写ベルト105、定着ローラを含む定着ユニット122を備える。
【0021】
画像形成装置101は、一般に電子写真プロセスを用いて記録材上にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像を重ねて転写し、定着ユニット122によって転写されたトナー画像を温度制御することにより熱定着させる。また、各色の光学ユニット118〜121は、各感光ドラム106〜109の表面をレーザビームによって露光走査して潜像を形成するように構成される。一連の画像形成動作は搬送される記録材上のあらかじめ決まった位置から画像が転写されるように同期がとられる。
【0022】
なお、カートリッジ114〜117のそれぞれは、感光ドラム106〜109、帯電ローラ126〜129、現像ローラ130〜133及びトナー容器134〜137を有している。感光ドラムの表面に潜像を形成する前に、帯電ローラによって感光ドラム表面の電位が均一に帯電される。帯電が行われる際には高圧電源ユニット219から所定の電圧が印加される。その後、レーザビームによって潜像が形成されて、形成された潜像に対して現像ローラによってトナーを供給して現像する。現像が行われる際には高圧電源ユニット219から所定の電圧が印加される。そして、現像されたトナー像は搬送される記録材に転写される。転写が行われる際には転写ローラ110〜113に所定の電圧が印加される。
【0023】
さらに、画像形成装置101は、記録材を給紙、搬送する給紙モータ(図示せず)を備える。給紙された記録材は、転写ベルト105、定着ローラへと搬送され、その表面に所望の画像が形成される。
【0024】
給紙された記録材は、予め設定された速度で搬送ローラ124によって搬送される。トップセンサ125が記録材の先端を検知してから所定時間経過後に記録材の搬送動作が一時停止する。そして記録材が一時停止している状態で画像読取センサ123は、記録材の表面画像を読み取る。
【0025】
画像読取センサ123は、転写ベルト105とイエローのカートリッジ114の感光ドラム106とで形成される画像形成部よりも、記録材の搬送方向の上流側に配置される。転写ベルト105に搬送される記録材の表面に照射された光の反射光を集光し結像させて、記録材表面の特定エリアの画像を読み出す。
【0026】
図4は図1の画像読取センサ123の構成を示す。画像読取センサ123は、記録材に対して光を照射する発光部と記録材から反射された光または記録材を透過した光を受光するセンサ部から構成される。発光部は、光源としての反射光用のLED301と、光源としての透過光用のLED302とから構成される。また光を受光するセンサ部としては、拡散板305と、レンズ303と、CMOSセンサ211から構成される。CMOSセンサ211は、複数の撮像素子を有するセンサである。撮像素子としては光電変換素子を用いる。この光電変換素子を複数列に配置した構造になっている。なおLED301は記録材表面の平滑度を検出するためのLEDであり、LED302は記録材の厚みを検出するためのLEDである。
【0027】
LED301は、記録材304が給紙されてセンサ123の位置に達したらその第1面(トナー像が転写される面)に対して所定の角度で光を照射する。LED302は、記録材304の第2面(第1面の裏面)に対して光を照射する。拡散板305は、LED302とレンズ303との間に配置され、LED302の照射光を拡散させて発光むらを低減させ、記録材304の第2面に均質に光が照射されるようにする。レンズ303は、記録材304の第1面からの反射光と、拡散板305及び記録材304を透過した透過光をCMOSセンサ211に集光する。
【0028】
なお、画像読取センサ123は、CMOSセンサ211に代えてCCDセンサを採用することができる。また、光源としてのLED301及びLED302に代えて、例えばキセノン管やハロゲンランプ等を採用することができる。
【0029】
図1及び図2を用いて、本発明の画像形成装置の一実施形態におけるCPUの動作について説明する。図2は、CPU210及びCPU210が制御する各ユニットの構成を示す図である。図2において、CPU210は、ASIC(特定用途向けIC)223を介して、CMOSセンサ211、ポリゴンミラー、モータおよびレーザを含む各色用の光学ユニット212〜215に接続される。CPU210は、感光ドラム面上にレーザを走査し、所望の潜像を描くために各色用の光学ユニット212〜215の制御を行う。また、CPU210は、給紙モータ216、給紙ソレノイド217、紙有無センサ218、高電圧電源ユニット219、ドラム駆動モータ220、ベルト駆動モータ221、定着ユニット122、低電圧電源ユニット222を制御する。給紙モータ216は、記録材を搬送する。給紙ソレノイド217は、記録材を給紙するための給紙ローラ103の駆動開始時に使用する。紙有無センサ218は、記録材が所定位置にセットされているか否かを検知する。CPU210は高電圧電源ユニット219から出力される電圧(以下バイアスと言う)を制御し、電子写真プロセスにおける1次帯電、現像、1次転写、2次転写の各バイアスを制御する。ドラム駆動モータ220は、感光ドラム106〜109および転写ローラ110〜113を駆動する。ベルト駆動モータ221は、転写ベルト105および定着ユニット122のローラを駆動する。さらに、CPU210は、サーミスタ(図示せず)により検出された温度をモニタし、定着温度を一定に保つ制御をする。
【0030】
また、CPU210は、バス等を介してメモリ224に接続されている。メモリ224には、以上の制御および本明細書に記載される各実施形態においてCPU210が行う処理の全て又は一部を実行するためのプログラムおよびデータが格納される。すなわち、CPU210は、メモリ224に格納されたプログラムおよびデータを用いて本発明の各実施形態の動作を制御する。
【0031】
ASIC223は、CPU210からの指示に基づき、CMOSセンサ211の動作制御、光学ユニット212〜215内部のモータ速度制御、給紙モータ216の速度制御を行うハードウエア回路である。モータの速度制御は、モータ(図示せず)からのタック信号を検出して、タック信号の間隔が所定の時間となるようにモータに対して加速信号または減速信号を出力して速度制御を行う。複数のモータの速度制御は、ソフトウエアで制御を行うよりもASIC223等のハードウエアによって制御する方がCPU210の制御負荷の低減が図れるメリットがある。
【0032】
CPU210は、ホストコンピュータ(図示せず)からプリントコマンドを受信すると、紙有無センサ218を用いて記録材の有無を判断する。記録材が有る場合は、CPU210は、給紙モータ216、ドラム駆動モータ220、ベルト駆動モータ221、給紙ソレノイド217を駆動して記録材を所定位置まで搬送する。
【0033】
記録材の先端がトップセンサ125で検知されてから所定時間経過後に、記録材がセンサ123の設置位置まで搬送されると、CPU210は、ASIC223に対して撮像指示を行う。当該指示を受けたASIC223は、CMOSセンサ211を用いて記録材の表面画像を撮像する。ASIC223は、Sl_selectをアクティブとした後、所定のタイミングで所定パルスのSYSCLKを出力し、CMOSセンサ211からSl_outを経由して出力される撮像データを取り込む。
【0034】
一方、CPU210が所定の値をASIC223内部のレジスタにセットすると、ASIC223は、Sl_selectをアクティブにし、所定のタイミングで所定パルスのSYSCLKを出力し、Sl_inを介してCMOSセンサ211のゲインを設定する。
【0035】
ASIC223は、後述する制御回路を内部に備え、記録材の種類を判別するための演算の演算結果は、制御回路内部のレジスタに格納される。そして、CPU210は、制御回路内部のレジスタに格納された記録材の種類を判別するための演算結果を読み込み、給紙された記録材の種類を判別し、その結果に応じて画像形成条件を変更するよう制御する。
【0036】
CPU210が実行する各種の画像形成条件の制御としては、以下のようなものが挙げられる。例えば、記録材の表面繊維が粗い、いわゆるラフ紙の場合は、普通紙の場合よりも現像ローラによる現像時の電圧を下げ、記録材の表面に付着するトナー量を抑えてトナーの飛び散りを防止する制御を行う。これは、特にラフ紙の場合、記録材の表面に付着するトナー量が多いために、紙繊維によるトナーが飛び散って画質が劣化する問題を解消するためである。
【0037】
また、CPU210は、給紙された記録材の種類を判別し、その結果に応じて定着ユニット22の温度条件を可変制御する。光沢紙の場合は、現像時の電圧は普通紙の場合と同様であるが、定着装置における定着温度を普通紙の場合より高く設定する。これは光沢紙の表面繊維が普通しに比べて高密度になっており、よりトナー像の定着性をあげる必要があるからである。
【0038】
また、CPU210は、給紙された記録材の種類を判別し、その結果に応じて記録材の搬送速度、特に定着装置における搬送速度を可変制御する。例えば、光沢紙の場合は普通紙の搬送速度よりも速度を遅くして定着性を向上させる。この搬送速度の制御は、CPU210が速度制御を行なうASIC223の速度制御レジスタ値を設定することによっておこなわれる。
【0039】
現像時の電圧、定着温度、搬送速度を挙げて一例を説明したが、これらの現像時の電圧、定着装置の温度、搬送速度のパラメータや転写時の電圧等のパラメータは記録材の種類に応じて適宜変更することが可能である。
【0040】
このように本実施形態では、ASIC223は、CMOSセンサ211によって撮像した記録材の表面画像から記録材の種類を判別するための演算を行い、その結果をASIC223の内部のレジスタに格納する。次いで、CPU210は、ASIC223の内部のレジスタに格納された演算結果を読み込み、記録材の種類を判別し、その種類に応じて、高電圧圧電源の現像時の電圧条件、定着装置の定着温度、記録材の搬送速度等を変更する制御を行う。
【0041】
なお、演算結果に応じて現像時の電圧条件、定着ユニットの定着温度、記録材の搬送速度等を変更するようにしても良く、この場合は種類の判別処理を行う工程を省略できる。
【0042】
図3は、図1のASIC223内の制御回路702の構成を示す。
【0043】
制御回路702は、インタフェース制御回路704、演算回路705、レジスタA706、レジスタB707、制御レジスタ708を備える。CPU210が、制御レジスタ708に対して、CMOSセンサ211の動作指示を与えると、CMOSセンサ211に電荷が蓄積される。その後、インタフェース制御回路704は、Sl_select信号を出力することによってCMOSセンサ211を選択する。また、インタフェース制御回路704は、所定のタイミングで生成されたシステムクロックSYSCLKをCMOSセンサ211に出力する。CMOSセンサ211は、撮像したデジタル画像データをシステムクロックSYSCLKに同期させてSl_out信号としてインタフェース制御回路704に出力する。
【0044】
制御回路702は、デジタル画像データに基づき記録材表面の凹凸量と記録材表面の凹凸エッジ量を演算し、記録材表面の凹凸量をレジスタA706に格納し、記録材表面の凹凸エッジ量をレジスタB707に格納する。
【0045】
図5は、図2のCMOSセンサ211の構成を示す。
【0046】
セレクト信号であるSl_select信号813がアクティブになると、複数画素を撮像できるCMOSエリアセンサ801によって受光された光が光電変換されて電荷が蓄積される。本実施例においては、8×8=64画素分の光電変換素子を有するCMOSエリアセンサを用いた。図5に示すようにCMOSエリアセンサは8×8=64個の光電変換素子A(1〜64)を有している。ついで、垂直方向シフトレジスタ802、803から読み出される画素の列が、タイミングジェネレータ807により、システムクロックであるSYSCLK806に同期して、順次選択され、読み出されたデータが、出力バッファ804に順次格納される。出力バッファ804のデータは、水平方向シフトレジスタ805によって、A/Dコンバータ808に転送され、デジタル画素データに変換される。すなわち、垂直方向シフトレジスタ802、803と水平方向シフトレジスタ805によって、撮像された画像は、所定方向に並んだ複数画素を有する二次元のデジタル画素データに変換される。そのデジタル画素データは、Sl_select信号813がアクティブである間に、出力インタフェース回路809から所定のタイミングで出力信号としてのSl_out信号810として出力される。
【0047】
そして、最良の画像コントラストを得るため、CPU210からA/D変換ゲインの変更要求があると、ASIC223内の制御回路702は、Sl_select信号813をアクティブにする。次いで、制御回路702は、所定のタイミングでシステムクロックSYSCLK806をCMOSセンサ211に出力する。また、制御回路702は、Sl_in信号812をCMOSセンサ211に出力する。Sl_in信号812を入力したCMOSセンサ211内の制御回路811は、A/Dコンバータ808のA/D変換ゲインを変更する。
【0048】
(記録材の種類を判別する判別部)
異なる種類の記録材A、B、Cに対して、記録材の第1面をLED301により照射し、当該記録材の第1面の表面画像をCMOSセンサ211により撮像すると、例えば図6の40、41、42に示す画像が得られる。図6では、画像を拡大して示す。記録材Aは、表面の紙の繊維が比較的がさついている、いわゆるラフ紙である。記録材Bは、一般に使用されるいわゆる普通紙である(ラフ紙よりもがさつきが少ない、即ちラフ紙よりも平滑度が高い紙)。記録材Cは、紙の繊維の圧縮が十分になされている光沢紙(普通紙よりも平価都度が高い紙)である。画像40は、記録材Aの画像であり、画像41は、記録材Bの画像であり、画像42は、記録材Cの画像である。これらの画像からわかるように、記録材は、主に記録材の表面における繊維の状態が種類によって異なるため、撮像した表面画像も記録材の種類によって異なる。
【0049】
従来手法による記録材表面の繊維の状態に基づく記録材の判別は、前述したように次のプロセスにより行われる。まず、記録材の表面画像を撮像し、得られた各画像において、最大濃度となる画素の濃度Dmaxと、最低濃度となる画素の濃度Dminとを検出する。次いで、記録材ごとに、Dmax−Dminの値をPeak to Peak値として算出する。次いで、Peak to Peak値の大きな記録材はラフ紙と判断し、Peak to Peak値の小さい記録材は光沢紙と判断し、その中間のPeak to Peak値を示す記録材は普通紙と判断する。このように、撮像された画像の画素濃度に基づき、記録材の材質(平滑度)、すなわち記録材の種類を判定する。
【0050】
従来手法においては、実際に判別用の画像を撮影する前にシェーディング補正を実施しなければならないため検知及び処理に時間がかかり、印刷速度が遅くなるという課題があった。
【0051】
従って、本実施形態ではシェーディング補正を行わずとも光量むらの影響を受けず、かつ、検出精度の低下を抑制することができる記録材判別の手法を提案する。本実施形態の手法を用いれば、結果として印刷速度の低下を防ぐことが可能となり、高速な画像形成装置を実現できる。
【0052】
以下に、シェーディング補正を行わない場合の具体的な検知方法を説明する。
【0053】
図7は、8×8ピクセルのCMOSセンサ部801により読み取った記録材304の表面の画像の一例を拡大した模式図である。このような8×8=64画素の画像データに基づき以下に説明する処理を実行することによって記録材の表面平滑度を判別する。
【0054】
図10は、測定したCMOSエリアセンサ801から出力される画像データのうち、1ライン分の出力を取り出したデータである。普通紙と光沢紙の表面性検出データには、大きな光量むらによる全体的な傾き変動と、各画素の濃度(=光量)が上下に変化する細かい変動がある。前述のPeak to Peak値による判別する従来の方式では光量むらによる全体的な傾きの影響を大きく受ける。本実施形態では光量むらの影響を低減するために各画素の上下変動の変化量を積算する。つまり、各画素間の濃度値の差(例えば、第1の画素と第2の画素の各々の濃度値の差)を積算する。この方式を用いれば、光量むらによる全体的な傾き変動が存在したとしても、各画素間の濃度値の差の積算値はその光量むらよりも大幅に大きな値を示す。従って相対的に光量むらによる影響を減じることができる。なお、図10の折れ線の各頂点が各画素の濃度値(=光量データ値)を示している。
【0055】
図14を用いて、本実施形態における濃度値の差の積算処理について説明する。CMOSセンサ211を用いた基本的な制御は前述の図3で行った説明と同じである。CMOSセンサ211から読み取った撮像画像データはASIC223の演算回路705内におけるFIFOメモリ704に書き込まれる。次いで、差分演算部707は、撮像画像の隣り合う画素データの濃度値の差分を演算する。差分値は絶対値変換部708によって絶対値に変換され、積算演算部709で積算される。積算結果はレジスタ706に格納されて、所定の画像取得が終了したことをもって、CPU210はレジスタ706を参照する。一方、メモリ224には記録材毎の所定の判別しきい値が格納されており、CPU210はこの判別しきい値と検出結果とを比較することで記録材を判別する。このしきい値とは、記録材が普通紙であるかラフ紙であるかを判別するための値α、普通紙であるか光沢紙であるかを判別するための値βとして示すことができ、α>βの関係である。
【0056】
図11は、普通紙、光沢紙、ラフ紙、それぞれの記録材を64×64ピクセルを有するCMOSセンサで撮影して得られた1ライン分の画像データである。データは光量に応じたアナログ電圧圧をA/D変換した値である。この1ライン分のデータで比較すると、ラフ紙が最もデータの上下変化量が大きく、次いで普通紙の上下変化量が大きい。光沢紙はこれら3種の記録材の中では最も上下変化量が小さい。これらデータの変化量を示すパラメータとして演算部において上述した積算処理を行った結果に基づいて記録材の種類を判別する。
【0057】
なお、8×8ピクセル、64×64ピクセルのデータを示しているが、CMOSセンサとしては画素数を多くして撮像する領域を増やせば得られるデータ量が多くなりより精度を向上できる可能性がある。CMOSセンサの画素数は得られるデータ量やデータ処理能力、コストの観点から適宜選択することができる。
【0058】
図12は図11で示したデータから従来通りのPeak to Peak値に基づく判別方式と、本実施例の差分データを積算処理して得られた値に基づく方式とを比較したグラフである。Peak to Peak値の3種類の記録材(光沢紙、普通紙、ラフ紙)では絶対値が小さく近接しており種類を判別しにくいデータとなっている。一方、差分データを積算処理して求めた場合は、画素間の凹凸による変化量を積算しているため3種類の記録材のそれぞれで絶対値も大きく記録材の種類の違いが判別しやすい。この絶対値が大きいことは測定のダイナミックレンジを広げるため、精度向上に対しても非常に有利である。
【0059】
図13は、Peak to Peak値に基づく判別方式と、差分データを積算処理した値に基づく判別方式とを、普通紙を1として正規化したグラフである。これより、差分データを積算処理して求める方が、データ比が大きくなるため、判別性能に対して有利であることが分かる。数値を表1に示す。
【0060】
【表1】

【0061】
以上のようにLEDの光量むらの影響を受け易いPeak to Peak値に基づく判別方式よりも、差分データを積算処理して得られた値に基づく判別方式の方が好ましい方式であることがわかる。つまり、複数の画素間の差分データを積算した場合の方が、Peak to Peak値(濃度の最大値と最小値との差)よりも大きな値になるため、同じ程度の光量むらがデータに含まれる場合には影響が少なく精度が出る。
【0062】
本実施例では1ライン分の画像データの処理について詳細に説明したが、複数ライン分の画像データを同様の手順で積算処理した値を用いても良いし、1ライン毎に咳宣した値を複数ライン分で平均化した結果を用いることもできる。
【0063】
また、図中の画像データの横方向の1ライン分のデータを処理したが、これに限らず、画像データの縦方向の1列のデータを処理しても良い。
【0064】
なお、普通紙、ラフ紙、光沢紙の種類を判別して、その結果に応じて電子写真プロセスにおける画像形成条件を制御することが可能である。画像形成条件としては、上述したように現像時の電圧、定着温度、搬送速度を制御することができるし、その他、1次帯電の電圧、1次転写の電圧、2次転写の電圧を制御することも可能である。
【0065】
(透過光による検出)
記録材ごとに、透過用LED302からの光を拡散板305で拡散してから記録材の第2面を照射し、当該記録材の第2面をCMOSセンサ211により撮像すると、例えば図6の46、47、48で示すような異なる画像が得られる。図6では、画像を拡大して示す。
【0066】
画像46は薄紙である記録材Dの画像である。画像47は普通紙である記録材Eの画像である。画像48は厚紙である記録材Fの画像である。このように記録材の種類によって、主に記録材の表面における繊維の状態と繊維の密度または圧縮状態が異なるため、得られる画像が異なる。
【0067】
8×8ピクセルのCMOSセンサエリア801により読み取った記録材304を透過して得られた画像は、画像46、47、48をデジタル処理して得られた画像は、それぞれ、図6において49、50、51で示すような画像になる。
【0068】
通常は、CMOSセンサエリア801のエリア全体、もしくは所定の範囲において各画素に入射された光量の合計値もしくは平均値を透過光量とする。記録材の坪量と透過光は、厚紙のように坪量の大きい記録材ほど透過光量が少なく、薄紙のような坪量の小さい記録材ほど透過光量が多くなるという関係を有する。したがって、この透過光量に基づき、記録材の厚みを判別することができる。
【0069】
次に、次に示すような7つの記録材を判別する方法を説明する。
(1)薄紙(坪量:〜64g/m2)
(2)普通紙(坪量:65〜105g/m2)
(3)厚紙1(坪量:106〜135g/m2)
(4)厚紙2(坪量:136/m2〜)
(5)光沢紙
(6)光沢フィルム
(7)OHT
まず、上記7つの記録材のうちOHTは、透明で光の透過率が高い。したがって、前述の記録材表面性を検出した場合、OHTについては光沢度が非常に高い結果が得られる。よって、上記7つの記録材から、OHTと、OHTを除く第1グループと、を容易に区別することができる。第1グループとは、薄紙、普通紙、厚紙1、厚紙2、光沢紙、及び光沢フィルムにより構成されるグループをいう。
【0070】
次に、記録材からの反射光による画像の濃淡比に基づき、第1グループから、第2グループと、光沢紙と、光沢フィルムとを区別することができる。第2グループとは薄紙、普通紙、厚紙1、及び厚紙2により構成されるグループをいう。
【0071】
さらに、第2グループにおいて、透過光量については、薄紙>普通紙>厚紙1>厚紙2の関係があるから、記録材の透過光量に基づき、第2グループから、薄紙と普通紙と厚紙1と厚紙2とを区別することができる。
【0072】
なお、厚みの異なる記録材に対し、記録材は厚みが増すほど熱容量が大きいので、記録材の定着装置における搬送速度を遅くし記録材に与える単位時間あたりの熱量を多くするか、または、定着温度を高くする制御を行う。また、この制御をOHTの場合に適用すると、記録材の表面に付着するトナーの定着性が良くないとOHTの透過性が低下するといった問題に対しても効果がある。例えば、OHT等の透過性の記録材に対しては定着温度条件を変え、透過性を上げる為に定着温度を上げるよう制御する。または記録材の種類が透過型のものか否かによって、記録材搬送速度を変えるように制御してもよい。この定着条件は前述した厚みのある記録材の条件と異なる印刷制御となる場合もあるので印刷モードとしては異なる設定を備えるのが良い。
【0073】
以上、記録材表面平滑度の検出に基づく記録材の判別と、透過光の検出に基づく記録材の判別とを行って両方の結果を用いて記録材の種類の判別を行う。これにより、薄紙、普通紙、厚紙1、厚紙2、光沢紙、光沢フィルム、OHT等の多くの記録材の種類を判別することができる。
【0074】
<第2の実施形態>
本実施形態は、第1の実施の形態と比較して、ASIC223の演算回路705における演算処理が異なる。本実施形態の目的は、撮像された画像データに含まれる光量むら成分をできるだけ除去する工夫を追加し、さらなる判別精度向上を実現した実施形態である。本実施形態は記録材表面を撮像する部分における演算処理のみが第1の実施の形態と異なる部分である。従って、透過光量の検出及び、その他の画像形成装置の動作概説については説明を省略する。
【0075】
図15は、撮像された画像データに含まれる光量むら成分の除去を説明するための図である。図15はCMOSセンサ211によって測定した2次元の出力データのうち、1ラインのみを取り出したデータである。図15左図において画像データ内における光量むら成分によって、左側のデータが右側のデータに対して大きい光量値を示している。右図に示すように本実施形態ではこのデータの左右差に注目し、1ラインにおけるデータの左右傾きを求める。1ライン中のデータを移動平均等の処理によってデータ全体傾きを求め、図15左図に示すようにデータ中に含まれる光量むら成分を抽出する。本実施形態では4画素ごとに移動平均演算を行い、1ライン中の移動平均処理後の傾き成分データの[最大値―最小値]の値を光量むらによる1ライン中の傾き成分として用いた。抽出された光量むら成分の値は、実施形態1で説明した画像データの変化量の積算値から減算される。
【0076】
図16を用いて、本実施形態における変化量の積算処理について説明する。CMOSセンサ211を用いた基本的な制御は前述の図3で行った説明と同じである。CMOSセンサ211から読み取った撮像画像データはASICの演算回路705内におけるFIFOメモリ704に書き込まれる。次いで、差分演算部707は、撮像画像データの各画素間の濃度値の差分を演算する。差分値は絶対値変換部708によって絶対値に変換され、積算演算部709で積算される。一方、撮像画像データは、移動平均演算部710へ送られ、1ライン中の各画素の移動平均データが生成される。移動平均演算部710の出力結果は、計算部711によってその1ライン中の傾き量が計算される。1ライン中の傾き量の計算結果と、積算演算部709で求められたデータ変動量の積算値は、光量むら補正部712においてその差分(積算値−傾き量)が演算され、最終的な記録材に対する検出結果としてレジスタ706に格納される。本実施形態ではこのデータの傾き量は簡単のため[最大値―最小値]データを用いることで実現したがデータの変化は最小2乗法等を用いて近似して求めてもよい。
【0077】
レジスタ706内の検出結果は、所定の画像取得が終了すると、CPU210によって参照される。一方、メモリ224には記録材毎の所定の判別しきい値が格納されており、CPU210はこの判別しきい値と検出結果とを比較することで記録材を判別する。
【0078】
表2に実施形態1の前後差データの変化量の積算のみに基づく検出結果と、実施形態2の演算方法に基づく検出結果を示す。計算は図11で説明した普通紙のデータを1.0として正規化してある。普通紙に比較して実施形態2の演算結果の方が、光沢紙はより小さい値を示し、ラフ紙はより大きい値を示している。
【0079】
【表2】

【0080】
以上の演算処理方法を実現することにより、実施形態1で説明した記録材の表面性を検出する方式において、光量むらの影響をより低減することができる。従って、さらに精度の高い記録材の種類の検知が可能となるシステムを提供することができる。また本実施形態2で示した構成は、ASIC等で容易に実現することができるため低いコストでシステムを構築できる。
【0081】
また、上述の実施形態によれば、判別された記録材の種類に応じて所望の印刷制御を行うことができる。所望の印刷制御とは、例えば、記録材が光沢紙として検出された場合は、記録材に現像剤が適切に定着されるように記録材の搬送速度や定着時の温度、圧力等の条件、現像剤の現像濃度を変更して光沢紙に最適な印刷がされるように制御することである。また、表面の粗いラフ紙と呼ばれる記録材においても、定着装置の温度等を変えることで現像剤の定着性能を向上させることができる。
【0082】
なお、記録材の種類の判別を行わずに、演算結果に応じて現像バイアス条件、定着ユニットの定着温度、記録材の搬送速度等を変更するようにしても良く、この場合は種類の判別処理を行う工程を省略できる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の画像形成装置の構造を示す断面図である。
【図2】本実施形態の基本構成を説明する図である。
【図3】制御回路702の構成を示すブロック図である。
【図4】図1の画像読取センサ123の構成の一例を示す図である。
【図5】図1のCMOSセンサ211の構成を示すブロック図である。
【図6】記録材の表面画像と、CMOSセンサ211により読み取られデジタル化された画像とを対応させて示す図である。
【図7】8×8ピクセルのCMOSセンサ部801により読み取った記録材304の表面の画像の一例を示す模式図である。
【図8】普通紙と光沢紙の場合のPeak to Peak値のグラフを示す図である。
【図9】シェーディング補正の説明図である。
【図10】普通紙と光沢紙におけるデータ変化量差の説明図である。
【図11】普通紙と光沢紙とラフ紙における1ライン分の測定データのグラフを示す図である。
【図12】従来方式による演算結果と本実施形態による演算結果を比較するためのグラフを示す図である。
【図13】従来方式による演算結果と本実施形態による演算結果を比較するためのグラフを示す図である。
【図14】実施形態1の構成を示すブロック図である。
【図15】実施形態2を説明するための図である。
【図16】実施形態2の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0084】
210 CPU
211 CMOSセンサ
224 メモリ
704 FIFOメモリ
705 演算回路
706 レジスタ
707 差分演算部
708 絶対値変換部
709 積算演算部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録材に光を照射する発光部と、
複数の撮像素子を有し、記録材によって反射された光を該撮像素子で受光して記録材表面の画像を撮像するセンサ部と、
撮像された前記画像を、所定方向に並んだ複数画素を有する画像データに変換する変換手段と、
前記複数画素のうちの第1の画素と第2の画素の各々の濃度値の差を積算する演算手段を備え、
前記演算手段によって演算された濃度値の積算値に基づいて記録材の種類を判別することを特徴とする判別装置。
【請求項2】
前記画像データは、第1の方向に並んだ複数画素と第2の方向に並んだ複数画素からなる二次元の画像データであって、
前記演算手段は、前記第1の方向の複数画素から得られる前記積算値に基づいて前記記録材の種類を判別することを特徴とする請求項1に記載の判別装置。
【請求項3】
前記積算値としきい値とを比較して前記記録材の種類を判別することを特徴とする請求項1に記載の判別装置。
【請求項4】
更に、前記画像データの複数画素の濃度値を用いて移動平均処理を行って光量むら成分を演算し、演算した光量むら成分を前記積算値から減算した結果に基づいて記録材の種類を判別することを特徴とする請求項1に記載の判別装置。
【請求項5】
前記第1の画素と前記第2の画素は隣り合った画素であることを特徴とする請求項1に記載の判別装置。
【請求項6】
記録材に画像を形成するための画像形成部と、
記録材に光を照射する発光部と、
複数の撮像素子を有し、記録材によって反射された光を該撮像素子で受光して記録材表面の画像を撮像するセンサ部と、
撮像された前記画像を、所定方向に並んだ複数画素を有する画像データに変換する変換手段と、
前記複数画素のうちの第1の画素と第2の画素の各々の濃度値の差を積算する演算手段を備え、
前記演算手段によって演算された濃度値の積算値に基づいて、前記画像形成部の画像形成条件を設定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
前記画像データは、第1の方向に並んだ複数画素と第2の方向に並んだ複数画素からなる二次元の画像データであって、
前記演算手段は、前記第1の方向の複数画素から得られる積算値に基づいて前記記録材の種類を判別することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記積算値としきい値とを比較して前記記録材の種類を判別する判別部を更に有し、
前記判別部によって判別された前記記録材の種類に応じて前記画像形成条件を設定することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項9】
更に、前記画像データの複数画素の濃度値を用いて移動平均処理を行って光量むら成分を演算し、演算した光量むら成分を前記積算値から減算した結果に基づいて前記画像形成条件を設定することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記第1の画素と前記第2の画素は隣り合った画素であることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2008−83689(P2008−83689A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−217455(P2007−217455)
【出願日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】