説明

記録装置、記録制御プログラム

【課題】 外部記憶装置を備えた記録装置をスタンドアロンで利用するに際して、ユーザが煩わしい作業をすることなく外部記憶装置の記憶媒体のファイル管理を適切に実行できるようにする。
【解決手段】 メモリカード101の使用領域容量の比率が60%を超えている場合には(ステップS2でYes)、最終記録日時が古いファイルから順に「削除候補ファイル」に分類し、削除候補確認画面を表示する(ステップS3)。「確定」ボタンが操作された場合には、「削除候補ファイル」に分類されているファイルを「削除対象ファイル」に分類する(ステップS4)。電源OFF操作が行われた場合には、削除確認画面を表示する(ステップS8)。「削除実行」ボタンが操作された場合には、「削除対象ファイル」に分類されているファイルを削除し(ステップS10)、電源OFF制御を実行する(ステップS11)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザインタフェース手段と、被記録材への記録を実行可能な記録実行手段と、デジタル画像ファイルの読み込み及び書き込みが可能な外部記憶装置とを備えた記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
メモリカードスロットや光ディスクドライブ、ハードディスクドライブ等のデジタル画像ファイルの読み込み及び書き込みが可能な外部記憶装置を備えた記録装置が公知である。このような記録装置の多くは、いわゆるダイレクトプリント機能を有しており、内蔵のメモリカードスロットに挿入されたメモリカード等に記憶されているデジタル画像ファイルに基づいて、パーソナルコンピュータを接続することなく被記録材への記録を実行することができる。
【0003】
ところで、近年のメモリカードや光ディスク等の記憶媒体は、膨大な数のデジタル画像ファイルを記憶することが可能なデータ容量の大きなものが普及しつつある。しかし、従来の外部記憶装置を備えた記録装置は、このメモリカードや光ディスク等の記憶媒体に保存されている大量のデジタル画像ファイルをユーザのニーズに応じて適切に管理する機能を有していないが一般的であった。そのため、ユーザは、メモリカードや光ディスク等の記憶媒体に保存されている大量のデジタル画像ファイルを管理するには、依然としてパーソナルコンピュータ等の記録装置以外の情報処理装置を利用せざるを得なかった。
【0004】
また、メモリカードや光ディスク等の記憶媒体に保存されている各デジタル画像ファイルについて、被記録材への記録を実行済みか否かといった情報は、ユーザがメモリカードや光ディスク等の記憶媒体に保存されている大量のデジタル画像ファイルを整理整頓して適切に管理する上で重要な事項である。例えば、被記録材への記録を実行してデジタル写真プリントを作成したデジタル画像ファイルは、当該メモリカードや光ディスク等の記憶媒体から削除しても構わないと考えるユーザも少なくないと考えられる。
【0005】
このようなユーザのニーズに有効な従来技術の一例としては、例えば、記録(印刷)済みの各データを縮小して画面に一覧表示する一覧出力手段を備えた出力制御装置が公知である(例えば、特許文献1を参照)。
【0006】
【特許文献1】特開2003−263303号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、被記録材へ記録済みのデジタル画像ファイルを画面に一覧表示することができても、結局のところユーザは、記録済みのデジタル画像ファイルの一覧表示において、さらに他の要素も加味して不要なデジタル画像ファイルを選別した上で所定のファイル削除操作を行って記憶媒体から削除しなければならない。すなわち、メモリカードスロット等の外部記憶装置を備えた記録装置をスタンドアロンで利用するユーザにとっては、その記憶媒体に保存されている大量のデジタル画像ファイルの管理、特に不要なデジタル画像ファイルを記憶媒体から削除する作業は、手間と時間を要する煩わしい作業であった。そのため、従来の記録装置においては、ユーザにとって既に不要なデジタル画像ファイルが削除されないままメモリカード等の記憶媒体に蓄積された状態となり易く、その結果記憶媒体の空き領域がその不要なデジタル画像ファイルによって無駄に消費されてしまい、記憶媒体の全容量を有効に利用していない状態となってしまう虞があった。
【0008】
本発明は、このような状況に鑑み成されたものであり、その課題は、外部記憶装置を備えた記録装置をスタンドアロンで利用するに際して、ユーザが煩わしい作業をすることなく外部記憶装置の記憶媒体のファイル管理を適切に実行できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を達成するため、本発明の第1の態様は、ユーザインタフェース手段と、被記録材への記録を実行可能な記録実行手段と、デジタル画像ファイルの読み込み及び書き込みが可能な外部記憶装置と、前記ユーザインタフェース手段におけるユーザ操作に基づいて前記記録実行手段による被記録材への記録制御及び前記外部記憶装置の制御を実行する記録制御装置とを備えた記録装置であって、前記記録制御装置は、前記外部記憶装置で読み込み及び書き込みが可能な状態にある記憶媒体に保存されているデジタル画像ファイルのうち、所定の削除条件を充足するデジタル画像ファイルを自動的に削除する機能を有している、ことを特徴とした記録装置である。
【0010】
このように、記憶媒体に保存されているデジタル画像ファイルのうち、所定の削除条件を充足するデジタル画像ファイルを自動的に削除することによって、ユーザにとって既に不要なデジタル画像ファイルが削除されないままメモリカード等の記憶媒体に蓄積されてしまうことを防止することができる。それによって、その記憶媒体の空き領域が不要なデジタル画像ファイルによって無駄に消費されて記憶媒体の全容量を有効に利用していない状態となる虞を低減させることができる。すなわち、外部記憶装置を備えた記録装置をスタンドアロンで利用するに際して、ユーザが煩わしい作業をすることなく外部記憶装置の記憶媒体のファイル管理を適切に実行することができるという作用効果が得られる。
【0011】
尚、外部記憶装置(external storage unit)とは、コンピュータの主記憶装置(メインメモリ)以外の電力を供給しなくても記憶したデータが消えないデータ記憶装置を全て含むものであり、例えば、ハードディスクドライブやCD−RWドライブ等のデータ記憶装置を意味し、「外部」とは、外付けという意味ではなく、外付け及び記録装置に内蔵された上記データ記憶装置を全て含むものである。
また、記憶媒体(media)とは、デジタル画像ファイル等のデジタルデータを記憶しておくためのものであり、磁気的又は光学的に記憶を行うもの、或いはそれ以外の記憶方式によるものも全て含むものである。
【0012】
本発明の第2の態様は、前述した第1の態様において、前記削除条件は、前記記録実行手段で被記録材へ記録を実行済みという条件を有している、ことを特徴とした記録装置である。
例えば、被記録材への記録を実行してデジタル写真プリントを作成したデジタル画像ファイルは、当該メモリカードや光ディスク等の記憶媒体から削除しても構わないと考えるユーザも少なくないと考えられる。したがって、デジタル画像ファイルの削除条件に記録装置の記録実行手段で被記録材への記録を実行済みという条件を含ませることによって、記録実行済みのデジタル画像ファイルが当該記憶媒体から自動的に削除されるようにすることができる。
【0013】
本発明の第3の態様は、前述した第1の態様又は第2の態様において、前記記録制御装置は、前記ユーザインタフェース手段を介してユーザが任意に特定したデジタル画像ファイルを保護対象ファイルとして分類し、保護対象ファイルに分類されているデジタル画像ファイルは前記削除条件を充足するか否かに関係なく削除対象から除外する機能を有している、ことを特徴とした記録装置である。
このように、削除条件を充足するか否かに関係なくユーザが任意に選択した特定のファイルを削除対象から除外できることによって、ユーザが自動削除を望まないデジタル画像ファイルを削除対象から確実に除外することができる。したがって、ユーザが削除を望まないデジタル画像ファイルが当該記憶媒体からユーザの意に反して自動削除されてしまうことを防止することができる。
【0014】
本発明の第4の態様は、前述した第1〜第3の態様のいずれかにおいて、前記記録制御装置は、前記外部記憶装置で読み込み及び書き込みが可能な状態にある記憶媒体に保存されているデジタル画像ファイルのうち、所定の保護条件を充足するデジタル画像ファイルを自動的に保護対象ファイルとして分類し、保護対象ファイルに分類されているデジタル画像ファイルは前記削除条件を充足するか否かに関係なく削除対象から除外する機能を有している、ことを特徴とした記録装置である。
このように、削除条件を充足するか否かに関係なく所定の保護条件を充足するデジタル画像ファイルを削除対象から自動的に除外することができるので、ユーザが自動削除を望まないデジタル画像ファイルを削除対象から自動的かつ確実に除外することができる。したがって、所定の保護条件を充足するユーザが削除を望まないデジタル画像ファイルが当該記憶媒体からユーザの意に反して自動削除されてしまうことを自動的に防止することができる。
【0015】
本発明の第5の態様は、前述した第1〜第4の態様のいずれかにおいて、前記記録制御装置は、前記ユーザインタフェース手段を介してユーザが任意に前記削除条件を設定可能な機能を有している、ことを特徴とした記録装置である。
このように、ユーザが任意に削除条件を設定することができるので、ユーザ個々の用途に応じた適切なデジタル画像ファイルの自動削除が可能になり、それによって、ユーザ個々の用途に応じた適切なデジタル画像ファイルの自動管理を実現することができる。
【0016】
本発明の第6の態様は、前述した第5の態様において、前記記録制御装置は、前記ユーザインタフェース手段を介してユーザが任意の前記削除条件を記憶媒体ごとに設定可能であるとともに、当該記憶媒体における削除条件情報を当該記憶媒体に保存する機能を有している、ことを特徴とした記録装置である。
このように、記憶媒体ごとに異なるデジタル画像ファイルの削除条件を設定することができるので、記憶媒体に保存されているデジタル画像ファイルの内容等に応じて、より柔軟かつ詳細な削除条件によるデジタル画像ファイルの自動削除を実現することが可能になる。
【0017】
本発明の第7の態様は、前述した第6の態様において、前記記録制御装置は、所定の分類タイミングで当該記憶媒体に保存されている削除条件情報に基づいて、当該記憶媒体に保存されているデジタル画像ファイルのうち、当該削除条件を充足するデジタル画像ファイルを削除候補ファイルとして分類し、前記ユーザインタフェース手段を介して前記削除候補ファイルの一覧をユーザに表示し、前記ユーザインタフェース手段を介してユーザによる確認入力操作が行われた時点で前記削除候補ファイルを削除対象ファイルに分類し、所定の削除タイミングで全ての削除対象ファイルを当該記憶媒体から削除する機能を有している、ことを特徴とした記録装置である。
【0018】
所定の削除条件を充足したデジタル画像ファイルを全て画一的に自動削除されるため、その中にはユーザが削除を望まないデジタル画像ファイルが含まれてしまう可能性もある。そこで、記憶媒体に保存されているデジタル画像ファイルのうち、所定の削除条件を充足したデジタル画像ファイルは、そのまま自動削除の対象となる削除対象ファイルに分類せずに、まずは削除対象の前段階として一旦削除候補ファイルとして分類する。そして、ユーザに対してその削除候補ファイルの一覧を表示し、ユーザの確認入力がなされた時点で、その削除候補ファイルを削除対象ファイルに分類する。それによって、ユーザは、削除条件を充足したデジタル画像ファイルが自動削除される前に、それらを本当に削除して良いか否かを個々に確認する機会を得ることができるので、ユーザが削除を望まないデジタル画像ファイルが自動削除されてしまう虞をより低減させることができる。
【0019】
本発明の第8の態様は、前述した第7の態様において、前記記録制御装置は、前記削除候補ファイル、前記削除対象ファイル及び前記保護対象ファイルの分類情報を当該記憶媒体へ保存する機能を有している、ことを特徴とした記録装置である。
このように、記憶媒体に保存されているデジタル画像ファイルの分類情報を、その記憶媒体に保存しておくことによって、記憶媒体ごとにデジタル画像ファイルを管理することができる。
【0020】
本発明の第9の態様は、前述した第7態様又は第8の態様において、前記記録制御装置は、前記ユーザインタフェース手段におけるユーザ操作によって、前記削除候補ファイルの一覧又は前記削除対象ファイルの一覧を被記録材へ記録する機能を有している、ことを特徴とした記録装置である。
ユーザは、被記録材へ記録された削除候補ファイル若しくは削除対象ファイルのファイル名又は画像の一覧を観ながら削除の可否を判断することができる。そのため、特に削除候補ファイル又は削除対象ファイルのファイル数が多い場合には、ユーザインタフェース手段を介して削除候補ファイル又は削除対象ファイルの一覧を参照するよりも短時間で正確に各デジタル画像ファイルの削除の可否を判断することができる。
【0021】
本発明の第10の態様は、ユーザインタフェース手段と、被記録材への記録を実行可能な記録実行手段と、デジタル画像ファイルの読み込み及び書き込みが可能な外部記憶装置とを備えた記録装置において、前記ユーザインタフェース手段におけるユーザ操作に基づいて前記記録実行手段による被記録材への記録制御機能及び前記外部記憶装置を制御する機能をコンピュータに実現させるための記録制御プログラムであって、前記外部記憶装置で読み込み及び書き込みが可能状態にある記憶媒体に保存されているデジタル画像ファイルのうち、所定の削除条件を充足するデジタル画像ファイルを自動的に削除する機能を実現する、ことを特徴とした記録制御プログラムである。
本発明の第10の態様に記載の記録制御プログラムによれば、この記録制御プログラムを実行可能なコンピュータを備えた任意の記録装置に、前述した第1の態様に記載の発明と同様の作用効果をもたらすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る「記録装置」としてのインクジェットプリンタ50の概略構成図である。図2は、本発明に係る「記録装置」としてのインクジェットプリンタ50のブロック図である。
本発明に係る「記録装置」としてのインクジェットプリンタ50は、「記録装置本体」としてのプリンタ本体51とドッキングステーション52とで構成されている。プリンタ本体51とドッキングステーション52は、それぞれ独自の制御装置を有しており、プリンタ本体51はプリンタ制御装置10によって制御され、ドッキングステーション52はステーション制御装置20によって制御され、それぞれ単独で動作することが可能な構成を有している。また、プリンタ本体51をドッキングステーション52に接続(ドッキング)した状態で、プリンタ制御装置10とステーション制御装置20とが相互に情報伝送可能に接続される。このプリンタ制御装置10及びステーション制御装置20は、それぞれ図示していないCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access
Memory)等を有する公知のマイコン制御回路で構成されている。そして、プリンタ制御装置10とステーション制御装置20とでインクジェットプリンタ50の制御装置100が構成される。
【0023】
プリンタ本体51は、単体でも記録紙Pへの記録(プリント)を実行することができる構成を有しており、「被記録材」としての記録紙Pの記録面に記録ヘッド(図示せず)からインクを噴射して記録を実行可能な構成を有する記録実行手段40を有している。また、プリンタ本体51は、電源スイッチSW、ユーザによる記録実行操作機能を実現する「ユーザインタフェース手段」としての操作パネル56、「記憶媒体」としてのメモリカード101に対してデジタル画像ファイルの読み込み及び書き込みが可能な「外部記憶装置」としてのカードスロット57及び前記のプリンタ制御装置10を備えている。プリンタ制御装置10は、記録制御部11、USBインタフェース部12、カードインタフェース部13及びユーザインタフェース部15を有している。
【0024】
カードインタフェース部13は、カードスロット57に挿入されたメモリカード101とのデータ入出力を実現し、メモリカード101に保存されているデジタル画像ファイルを入力することができる。USBインタフェース部12は、DSC(デジタル・スチル・カメラ)102等のデジタル画像処理装置とのデータ入出力を実現するとともに、プリンタ制御装置10とステーション制御装置20との間のUSBデータ通信を実現する機能を有している。記録制御部11は、USBインタフェース部12又はカードインタフェース部13を介して入力されたデジタル画像ファイルに基づいて、記録実行手段40を駆動制御して記録紙Pの記録面へ画像を記録する。ユーザインタフェース部15は、操作パネル56におけるユーザインタフェース機能を実現する。
【0025】
ドッキングステーション52は、プリンタ本体51と接続された状態でインクジェットプリンタ50の一部を構成するとともに、プリンタ本体51から分離可能な構成を有する専用の機能拡張ユニットである。ドッキングステーション52は、「外部記憶装置」としてのCD−RWドライブ53、リモコン受信回路54及び前記のステーション制御装置20を備えている。CD−RWドライブ53は、「記憶媒体」としてのCD−RWメディア531からのデータ読み込み機能及びCD−RWメディア531へのデータ書き込み機能を有している。リモコン受信回路54は、リモコン60によるドッキングステーション52の電源ON/OFF操作等が可能な構成を有している。
【0026】
つづいて、操作パネル56におけるユーザ操作に基づいて記録実行手段40による記録紙Pへの記録制御及びカードスロット57とCD−RWドライブ53の制御を実行する「記録制御装置」としての制御装置100により実現されるインクジェットプリンタ50のデジタル画像ファイルの管理機能について説明する。
【0027】
図3は、操作パネル56の表示画面の画面遷移図である。
図4は画像管理画面を、図5は削除条件設定画面を、図6は確認タイミング設定画面を、図7は保護条件設定画面を、それぞれ模式的に図示したものである。図8は、「削除条件」の一覧である。
【0028】
画像管理画面(図4)は、カードスロット57に挿入されているメモリカード101又はCD−RWドライブ53に挿入されているCD−RWメディア531に保存されているデジタル画像ファイルの一覧が表示される。このデジタル画像ファイルの一覧は、サムネイル画像又はファイル名のいずれかを選択して表示させることができる。画像管理画面においては、デジタル画像ファイルの一覧表示を観ながら、カーソル移動等の操作によって、メモリカード101又はCD−RWメディア531に保存されているデジタル画像ファイルを選択して、「削除候補ファイル」、「削除対象ファイル」又は「保護対象ファイル」(保護ON/OFF)、或いは、そのいずれでもない状態に手動で個々に分類することができる。
【0029】
削除条件設定画面(図5)は、カードスロット57に挿入されているメモリカード101又はCD−RWドライブ53に挿入されているCD−RWメディア531に保存されているデジタル画像ファイルを自動的に削除する所定の「削除条件」をユーザが任意に設定するための設定画面である。この「削除条件」は、例えば、図8に図示した「削除条件」の一覧にあるような条件で設定することができるが、特にこれらに限定されるものではない。
【0030】
この「削除条件」は、例えば、メモリカード101又はCD−RWメディア531における全容量に対する使用領域容量の比率(容量の比率)で設定することができる。より具体的には、比率として0〜100%の整数値を指定する。使用領域がその比率を超えた場合には、管理項目に設定されている条件に基づいて、その超えた分の容量に相当するデジタル画像ファイルが「削除条件」を充足することになる。この管理項目は、例えば、デジタル画像ファイルの作成日時、最終更新日時、最終アクセス日時又は撮影日時等を設定する。各デジタル画像ファイルについて、この管理項目に設定された情報(日時)をデジタル画像ファイルのプロパティやExif情報等を参照して取得し、最も古い日付のデジタル画像ファイルから順に「削除候補ファイル」に分類されることになる。
【0031】
また、この「削除条件」は、例えば、メモリカード101又はCD−RWメディア531に保存されているデジタル画像ファイルの数の最大ファイル数で設定することもできる。より具体的には、任意の最大ファイル数を整数値で指定する。ファイル数がその最大ファイル数を超えた場合には、管理項目に設定されている条件に基づいて、その超えた分の数のデジタル画像ファイルが「削除条件」を充足することになる。この管理項目は、例えば、デジタル画像ファイルの作成日時、最終更新日時、最終アクセス日時又は撮影日時等を設定する。各デジタル画像ファイルについて、この管理項目に設定された情報(日時)をデジタル画像ファイルのプロパティやExif情報等を参照して取得し、最も古い日付のデジタル画像ファイルから順に「削除候補ファイル」に分類されることになる。
【0032】
さらに、この「削除条件」は、例えば、メモリカード101又はCD−RWメディア531に保存されているデジタル画像ファイルのうち、記録実行手段40で記録紙Pに記録(印刷)済みのファイルを「削除候補ファイル」に分類するという条件を設定することもできる。或いは、インクジェットプリンタ50のシステム終了時に「保護対象ファイル」以外の全てのデジタル画像ファイルを「削除候補ファイル」に分類するという条件を設定することもできる。或いは、任意に選択した管理項目の情報(日時)から任意に設定した経過時間を経過していることをもって「削除候補ファイル」に分類するという条件を設定することもできる。さらには、これらの「削除条件」を個々に有効又は無効として複数の条件を組み合わせて設定することもできる。
【0033】
尚、ユーザが任意に設定した「削除条件」は、記憶媒体(メモリカード101やCD−RWメディア531等)ごとに設定可能であるとともに、当該記憶媒体における削除条件情報を当該記憶媒体に保存することができる。それによって、記憶媒体に保存されているデジタル画像ファイルの内容等に応じて、より柔軟かつ詳細な「削除条件」によるデジタル画像ファイルの自動削除が可能になる。或いは、プリンタ制御装置10又はステーション制御装置20の不揮発性メモリ(図示せず)等に保存しても良い。
【0034】
確認タイミング設定画面(図6)は、「削除候補ファイル」に分類されているデジタル画像ファイルを「削除対象ファイル」に自動的に分類するタイミング及び「削除対象ファイル」に分類されているデジタル画像ファイルをメモリカード101又はCD−RWメディア531から自動的に削除するタイミングを設定するための設定画面である。設定するタイミングとしては、例えば、インクジェットプリンタ50のシステム起動時、メモリカード101若しくはCD−RWメディア531の挿入時若しくは取り出し時、記録紙Pへの記録(印刷)完了時又はインクジェットプリンタ50のシステム終了時等である。確認タイミング設定画面でこれらのチェックボックスのいずれか又は複数をチェック(指定)して組み合わせた設定を、「削除対象ファイル」に自動的に分類するタイミング及び「削除対象ファイル」を自動的に削除するタイミングのそれぞれについて個別に設定することができる。
【0035】
また、確認タイミング設定画面(図6)においては、「削除対象ファイル」に自動的に分類するタイミング及び「削除対象ファイル」を自動的に削除するタイミングのそれぞれについて、そのタイミングで確認画面を表示するか否かを設定することができる。削除候補確認のチェックボックスをチェック(指定)しておけば、「削除候補ファイル」に分類されているデジタル画像ファイルを「削除対象ファイル」に自動的に分類するタイミングで後述する削除候補確認画面(図10)が表示される。一方、削除候補確認のチェックボックスをチェック(指定)しなければ、確認画面が表示されることなく、設定されたタイミングで「削除候補ファイル」に分類されているデジタル画像ファイルが「削除対象ファイル」に自動的に分類される。削除確認のチェックボックスをチェック(指定)しておけば、「削除対象ファイル」を自動的に削除するタイミングで後述する削除確認画面(図12)が表示され、チェック(指定)しなければ、確認画面が表示されることなく、設定されたタイミングで「削除対象ファイル」が自動的に削除される。
【0036】
尚、確認タイミング設定画面における各設定は、例えば、プリンタ制御装置10又はステーション制御装置20の不揮発性メモリ(図示せず)に保存しても良いし、記憶媒体(メモリカード101やCD−RWメディア531等)に保存するようにしても良い。
【0037】
このように、所定の「削除条件」を充足したデジタル画像ファイルは、そのまま自動削除の対象となる「削除対象ファイル」に分類せずに、まずは一旦「削除候補ファイル」として分類するようにする。そして、ユーザに対して「削除候補ファイル」の一覧を表示し、ユーザの確認入力がなされた時点で、その「削除候補ファイル」を「削除対象ファイル」に分類する。それによって、ユーザは、「削除条件」を充足したデジタル画像ファイルが自動削除される前に削除の可否を個々に確認する機会を得ることができるので、ユーザが削除を望まないデジタル画像ファイルが自動削除されてしまう虞をより低減させることができる。また、デジタル画像ファイルの分類タイミングや削除タイミングをユーザが任意に設定することができるので、ユーザの使い勝手をより向上させることができる。
【0038】
保護条件設定画面(図7)は、メモリカード101又はCD−RWメディア531に保存されているデジタル画像ファイルを「保護対象ファイル」に自動的に分類する条件及びタイミングを設定するための設定画面である。設定する条件としては、例えば、記録紙Pへの記録(印刷)を実行済み等である。また、保護条件を充足したデジタル画像ファイルを「保護対象ファイル」に自動的に分類するタイミングとしては、例えば、インクジェットプリンタ50のシステム終了時や任意に選択した管理項目の情報(日時)から任意に設定した経過時間を経過したタイミング等である。保護条件設定画面でこれらのチェックボックスのいずれか又は複数をチェック(指定)して組み合わせた設定を、デジタル画像ファイルを「保護対象ファイル」に自動的に分類する条件及びタイミングとして設定することができる。
【0039】
尚、ユーザが任意に設定した「保護条件」は、記憶媒体(メモリカード101やCD−RWメディア531等)ごとに設定可能であるとともに、当該記憶媒体における保護条件情報を当該記憶媒体に保存することができる。それによって、記憶媒体に保存されているデジタル画像ファイルの内容等に応じて、より柔軟かつ詳細な「保護条件」によるデジタル画像ファイルの自動保護が可能になる。或いは、プリンタ制御装置10又はステーション制御装置20の不揮発性メモリ(図示せず)等に保存しても良い。
【0040】
「保護対象ファイル」に自動的に分類される対象となるデジタル画像ファイルは、メモリカード101又はCD−RWメディア531に保存されているデジタル画像ファイルの全てである。すなわち、既に「削除候補ファイル」及び「削除対象ファイル」に分類されているデジタル画像ファイルであっても、保護条件設定画面で設定した条件が優先適用されることとなり、「保護対象ファイル」に自動的に分類する条件を充足すれば、設定したタイミングで「保護対象ファイル」に自動的に分類されて保護されることとなる。そして、「保護対象ファイル」に分類されているデジタル画像ファイルは、「削除条件」を充足しても自動的に「削除候補ファイル」に分類されることはない。つまり、「保護対象ファイル」に分類されているデジタル画像ファイルは、削除条件を充足するか否かに関係なく削除対象から除外されて保護されるので、自動的に「削除対象ファイル」に分類されることも自動的に削除されてしまうこともない。
【0041】
尚、「削除候補ファイル」、「削除対象ファイル」及び「保護対象ファイル」の分類情報は、後述するファイル管理情報(図15)として、その記憶媒体(メモリカード101やCD−RWメディア531等)へそれぞれ保存される。それによって、記憶媒体ごとにデジタル画像ファイルを管理することができる。
【0042】
図9は、削除候補確認画面の遷移条件を図示した遷移図であり、図10は、削除候補確認画面を模式的に図示したものである。
削除候補確認画面(図10)は、確認タイミング設定画面(図6)において、削除候補確認のチェックボックスをチェック(指定)しておけば、「削除条件」を充足して「削除候補ファイル」に分類されているデジタル画像ファイルを「削除対象ファイル」に自動的に分類するタイミング(削除対象を確定するタイミング)で表示される。この削除候補確認画面には、ユーザが任意に設定した「削除条件」を充足したデジタル画像ファイルの一覧が表示されるとともに、これらのデジタル画像ファイルが「削除条件」を充足して所定の削除タイミングで削除される予定である旨のメッセージが図示の如く表示される。このデジタル画像ファイルの一覧は、サムネイル画像又はファイル名のいずれかを選択して表示させることができる。ユーザは、カーソル移動等の操作によって、「削除候補ファイル」の一覧表示及び該当する削除条件の内容を観ながら所望の「削除候補ファイル」を選択して「削除対象ファイル」又は「保護対象ファイル」(保護ON/OFF)、或いは、そのいずれでもない状態に手動で個々に分類を変更することができる。
【0043】
また、削除候補確認画面(図10)においては、「保留」ボタンを操作すると、次回の確認タイミングに持ち越されて、そのまま操作パネル56の表示画面が元の画面に遷移し、「確定」ボタンを操作すると、「削除候補ファイル」に分類されているデジタル画像ファイルが「削除対象ファイル」に分類される。さらに、削除候補確認画面(図10)においては、「一覧を印刷」ボタンを操作すると、「削除候補ファイル」に分類されているデジタル画像ファイルの一覧が記録実行手段40によって記録紙Pに記録(印刷)される。ユーザは、記録紙Pへ記録された「削除候補ファイル」のファイル名又は画像の一覧及び該当する削除条件の内容等を観ながら削除の可否を判断することができる。それによって、特に「削除候補ファイル」のファイル数が多い場合には、操作パネル56の表示画面を介して「削除候補ファイル」の一覧を参照するよりも短時間で正確に各デジタル画像ファイルの削除の可否を判断することができる。
尚、画面上の各ボタンは、プログラムにより任意に機能を割り当てることが可能ないわゆるファンクションキー(図示せず)を操作パネル56に設けて対応させても良いし、操作パネル56の表示画面をいわゆるタッチパネルで構成して画面上のボタン表示を直接手で操作できるようにしても良い。以下、同様である。
【0044】
図11は、削除確認画面の遷移条件を図示した遷移図であり、図12は、削除確認画面を模式的に図示したものである。図13は、削除対象一覧画面を模式的に図示したものである。
削除確認画面(図12)は、確認タイミング設定画面(図6)において、削除確認のチェックボックスをチェック(指定)しておけば、「削除対象ファイル」を自動的に削除するタイミングで表示される。この削除確認画面には、「削除対象ファイル」に分類されているデジタル画像ファイルを削除して良いかどうかをユーザに確認する旨のメッセージが図示の如く表示される。また、削除確認画面においては、「保留」ボタンを操作すると、次回の確認タイミングに持ち越されて、そのまま操作パネル56の表示画面が元の画面に遷移し、「削除実行」ボタンを操作すると、「削除対象ファイル」に分類されているデジタル画像ファイルが全てメモリカード101又はCD−RWメディア531から削除される。さらに、削除確認画面(図12)においては、「削除対象一覧表示」ボタンを操作すると、操作パネル56の表示画面が削除対象一覧画面(図13)に遷移する。
【0045】
この削除対象一覧画面(図13)には、「削除対象ファイル」に分類されているデジタル画像ファイルの一覧が表示される。このデジタル画像ファイルの一覧は、サムネイル画像又はファイル名のいずれかを選択して表示させることができる。ユーザは、カーソル移動等の操作によって、「削除対象ファイル」の一覧表示を観ながら所望の「削除対象ファイル」を選択して「削除候補ファイル」又は「保護対象ファイル」(保護ON/OFF)、或いは、そのいずれでもない状態に手動で個々に分類を変更することができる。そして、「確認」ボタンを操作することによって、削除確認画面(図12)へ戻ることができる。また、「一覧を印刷」ボタンを操作すると、「削除対象ファイル」に分類されているデジタル画像ファイルの一覧が記録実行手段40によって記録紙Pに記録(印刷)される。ユーザは、記録紙Pへ記録された「削除対象ファイル」のファイル名又は画像の一覧を観ながら削除の可否を判断することができる。それによって、特に「削除対象ファイル」のファイル数が多い場合には、操作パネル56の表示画面を介して「削除対象ファイル」の一覧を参照するよりも短時間で正確に各デジタル画像ファイルの削除の可否を判断することができる。
【0046】
図14は、メモリカード101又はCD−RWメディア531に保存されているデジタル画像ファイルの分類の遷移状態を図示した遷移図である。
ユーザが任意に設定した「削除条件」を充足していない削除条件外のデジタル画像ファイルは、その「削除条件」を充足したタイミングで「削除候補ファイル」に分類される(タイミングT1)。「削除候補ファイル」に分類されているデジタル画像ファイルは、確認タイミング設定画面(図6)で設定された削除候補確認タイミング又は削除候補確認画面(図10)の「確定」ボタンが操作されたタイミングで「削除対象ファイル」に分類される(タイミングT2)。「削除対象ファイル」に分類されているデジタル画像ファイルは、確認タイミング設定画面(図6)で設定された削除確認タイミング又は削除確認画面(図12)の「削除実行」ボタンが操作されたタイミングで削除されて削除済みとなり、ファイル管理情報からも削除される(タイミングT3)。
また、削除条件外のデジタル画像ファイルは、所定の「保護条件」を充足したタイミング又は画像管理画面(図3)におけるユーザの手動操作により保護設定(保護ON)がなされたタイミングで「保護対象ファイル」に分類される(タイミングT4)。
【0047】
さらに、「削除候補ファイル」に分類されているデジタル画像ファイルは、所定の「保護条件」を充足したタイミング又は削除候補確認画面(図10)におけるユーザの手動操作により保護設定(保護ON)がなされたタイミングで「保護対象ファイル」に分類される(タイミングT5)。「削除対象ファイル」に分類されているデジタル画像ファイルは、所定の「保護条件」を充足したタイミング又は削除対象一覧画面(図13)におけるユーザの手動操作により保護設定(保護ON)がなされたタイミングで「保護対象ファイル」に分類される(タイミングT6)。
そして、「保護対象ファイル」に分類されているデジタル画像ファイルは、画像管理画面(図3)におけるユーザの手動操作により保護解除(保護OFF)がなされたタイミングでのみ、削除条件外に分類される(タイミングT7)。
【0048】
図15は、ファイル管理情報の一例を示した一覧表である。
上述したファイル管理機能は、メモリカード101やCD−RWメディア531等の「記憶媒体」ごとに作成されて、その「記憶媒体」にそれぞれ保存されるファイル管理情報に基づいて実行される。このファイル管理情報の管理項目としては、例えば、ファイル名、ファイルの作成日時、ファイルの最終更新日時及びファイルの最終アクセス日時等が挙げられる。これらの情報は、その「記憶媒体」に保存されている各デジタル画像ファイルのプロパティを参照する等により取得することができる。また、他の情報としては、例えば、デジタル画像ファイルの撮影日時等が挙げられる。これらの情報は、その「記憶媒体」に保存されている各デジタル画像ファイルのExif情報等を参照する等により取得することができる。さらに、他の情報としては、上述した「削除候補ファイル」、「削除対象ファイル」又は「保護対象ファイル」のいずれに分類されているかを示す分類情報(ON/OFF又は有効/無効)の設定等が挙げられる。
【0049】
ファイル管理情報は、カードスロット57にメモリカード101が挿入された時点又はCD−RWドライブ53にCD−RWメディア531が挿入された時点で、そのメモリカード101又はCD−RWメディア531にファイル管理情報が存在しない場合には、新規に作成される。また、メモリカード101又はCD−RWメディア531に保存されているファイル管理情報は、そのメモリカード101又はCD−RWメディア531に保存されているデジタル画像ファイルの追加や削除等に応じて随時更新され、全てのデジタル画像ファイルが削除されている場合には削除される。そして、そのメモリカード101又はCD−RWメディア531が書き込み不可である場合には、ファイル管理情報は作成されず、その場合には、全てのデジタル画像ファイルが「保護対象ファイル」として取り扱われる。
【0050】
つづいて、制御装置100によるファイル管理手順について、フローチャートを参照しながら説明する。
【0051】
図16は、ファイル管理手順の第1実施例を示したフローチャートである。
第1実施例においては、メモリカード101又はCD−RWメディア531における全容量に対する使用領域容量の比率(容量の比率)が「削除条件」として指定されており、比率(%)として60の整数値が指定されている。また、この「削除条件」の管理項目としては、最終記録(印刷)日時が設定されている。すなわち、第1実施例においては、「記憶媒体」の使用領域容量の比率が60%を超えた場合には、最終記録(印刷)日時が古いデジタル画像ファイルから順に削除されることになる。そして、削除候補確認タイミングは、メモリカード101又はCD−RWメディア531の挿入時に設定されており、削除確認タイミングは、インクジェットプリンタ50のシステム終了時に設定されている。
【0052】
まず、カードスロット57にメモリカード101が挿入された時点で(ステップS1)、メモリカード101に保存されているファイル管理情報及び「削除条件」の情報を参照する。すなわち、設定されている削除候補確認タイミングで「削除条件」に基づいて、そのメモリカード101に保存されている全てのデジタル画像ファイルを参照して「削除条件」を充足するデジタル画像ファイルがあるか否かを判定する。具体的には、メモリカード101の使用領域容量の比率が60%を超えているか否かを判定する(ステップS2)。メモリカード101の使用領域容量の比率が60%を超えていない場合には(ステップS2でNo)、そのまま操作パネル56の表示画面が通常のメイン画面に遷移する(ステップS5)。
【0053】
一方、メモリカード101の使用領域容量の比率が60%を超えている場合には(ステップS2でYes)、メモリカード101の使用領域容量の比率が60%以下になるように最終記録(印刷)日時が古いデジタル画像ファイルから順に「削除候補ファイル」に分類し、削除候補確認画面(図10)を操作パネル56の表示画面に表示する(ステップS3)。この削除候補確認画面においては、その時点で「削除候補ファイル」に分類されているデジタル画像ファイルの一覧を画面表示し、「保留」ボタンが操作された場合には、そのまま操作パネル56の表示画面を通常のメイン画面に遷移し(ステップS5)、「確定」ボタンが操作された場合には、「削除候補ファイル」に分類されているデジタル画像ファイルを「削除対象ファイル」に分類する(ステップS4)。また、「一覧を印刷」ボタンが操作された場合には、「削除候補ファイル」に分類されているデジタル画像ファイルの一覧を記録実行手段40で記録紙Pに記録(印刷)する。
【0054】
通常のメイン画面においては、インクジェットプリンタ50の一連の操作を行うことができ、メモリカード101に保存されているデジタル画像ファイルの中から任意のデジタル画像ファイルを選択して所定の記録実行操作を行うことにより、記録紙Pへそのデジタル画像ファイルの画像を記録(印刷)することができる(ステップS7)。そして、所定の操作により通常のメイン画面から画像管理画面(図4)へ移行することもできる(ステップS6)。
【0055】
インクジェットプリンタ50の電源OFF操作が行われた場合には、メモリカード101に「削除対象ファイル」に分類されているデジタル画像ファイルがあるときは、削除確認画面(図12)を操作パネル56の表示画面に表示する(ステップS8)。この削除確認画面において「削除対象一覧表示」ボタンが操作された場合には、操作パネル56の表示画面を削除対象一覧画面(図13)に遷移する(ステップS9)。この削除対象一覧画面には、その時点において「削除対象ファイル」に分類されているデジタル画像ファイルの一覧を表示し、その削除対象一覧画面において「一覧を印刷」ボタンが操作された場合には、「削除対象ファイル」に分類されているデジタル画像ファイルの一覧を記録実行手段40で記録紙Pに記録(印刷)する。また、削除対象一覧画面において「確認」ボタンが操作された場合には、削除確認画面(図12)へ戻る(ステップS8)。そして、削除確認画面において「削除実行」ボタンが操作された場合には、「削除対象ファイル」に分類されているデジタル画像ファイルを全てメモリカード101から削除し(ステップS10)、その後インクジェットプリンタ50の所定の電源OFF制御手順を実行する(ステップS11)。一方、削除確認画面において「保留」ボタンが操作された場合には、「削除対象ファイル」を削除せずに、そのままインクジェットプリンタ50の所定の電源OFF制御手順を実行する(ステップS11)。
【0056】
図17は、ファイル管理手順の第2実施例を示したフローチャートである。
第2実施例においては、「削除条件」として、記録実行手段40で記録紙Pに記録(印刷)済みのファイルを「削除候補ファイル」に分類するという条件が設定されている。また、削除候補確認及び削除確認は、非設定となっている。そのため、「削除条件」を充足して「削除候補ファイル」に分類されたデジタル画像ファイルは、削除候補確認画面(図10)が表示されることなく「削除対象ファイル」に分類される。そして、その「削除対象ファイル」に分類されたデジタル画像ファイルは、削除確認画面(図12)が表示されることなく削除される。すなわち、第2実施例においては、記録紙Pへの記録を実行したデジタル画像ファイルは、そのまま確認画面が表示されることなく全て削除されることになる。
【0057】
まず、カードスロット57にメモリカード101が挿入された状態では(ステップS21)、通常のメイン画面を操作パネル56の表示画面に表示する(ステップS22)。通常のメイン画面においては、所定の操作により通常のメイン画面から画像管理画面(図4)へ移行することもできる(ステップS23)。また、通常のメイン画面においては、インクジェットプリンタ50の一連の操作を行うことができる。例えば、メモリカード101に保存されているデジタル画像ファイルの中から任意のデジタル画像ファイルを選択して所定の記録実行操作を行うことにより、記録紙Pへそのデジタル画像ファイルの画像を記録(印刷)することができる(ステップS24)。記録紙Pへの記録実行済みのデジタル画像ファイルは、そのまま「削除候補ファイル」に分類し(ステップS25)、「削除候補ファイル」は、そのまま「削除対象ファイル」に分類する(ステップS26)。さらに、「削除対象ファイル」は、そのままメモリカード101から削除する(ステップS27)。そして、インクジェットプリンタ50の電源OFF操作が行われた場合には、所定の電源OFF制御手順を実行する(ステップS28)。
【0058】
図18は、ファイル管理手順の第3実施例を示したフローチャートである。
第3実施例においては、「削除条件」として、メモリカード101又はCD−RWメディア531に保存されているデジタル画像ファイルの最大ファイル数が「削除条件」として指定されており、最大ファイル数として30の整数値が指定されている。この「削除条件」の管理項目としては、最終更新日時が設定されている。すなわち、第3実施例においては、「記憶媒体」に保存されているデジタル画像ファイルのファイル数が30を超えた場合には、最終更新日時が古いデジタル画像ファイルから順に削除されることになる。また、削除候補確認タイミング及び削除確認タイミングは、いずれもインクジェットプリンタ50のシステム終了時に設定されている。さらに第3実施例においては、「保護条件」として、記録実行手段40で記録紙Pに記録(印刷)済みのファイルを「保護対象ファイル」に分類するという条件が設定されている。したがって、記録紙Pに記録済みのデジタル画像ファイルは、無条件で自動削除対象から除外されて保護されることになる。
【0059】
まず、カードスロット57にメモリカード101が挿入された状態では(ステップS31)、通常のメイン画面を操作パネル56の表示画面に表示する(ステップS32)。通常のメイン画面においては、所定の操作により通常のメイン画面から画像管理画面(図4)へ移行することもできる(ステップS33)。また、通常のメイン画面においては、インクジェットプリンタ50の一連の操作を行うことができる。例えば、メモリカード101に保存されているデジタル画像ファイルの中から任意のデジタル画像ファイルを選択して所定の記録実行操作を行うことにより、記録紙Pへそのデジタル画像ファイルの画像を記録(印刷)することができる(ステップS34)。記録紙Pへの記録実行済みのデジタル画像ファイルは、そのまま「保護対象ファイル」に分類する(ステップS35)。
【0060】
インクジェットプリンタ50の電源OFF操作が行われた場合には、メモリカード101に保存されているファイル管理情報及び「削除条件」の情報を参照する。すなわち、設定されている削除候補確認タイミングで「削除条件」に基づいて、そのメモリカード101に保存されている全てのデジタル画像ファイルを参照して「削除条件」を充足するデジタル画像ファイルがあるか否かを判定する。具体的には、メモリカード101に保存されているデジタル画像ファイルのファイル数が30を超えているか否かを判定する(ステップS36)。ファイル数が30を超えていない場合には(ステップS36でNo)、そのまま所定の電源OFF制御手順を実行する(ステップS38)。一方、ファイル数が30を超えている場合には(ステップS36でYes)、ファイル数が30以下となるように最終更新日時が古いデジタル画像ファイルから順に「削除候補ファイル」に分類し、削除候補確認画面(図10)を操作パネル56の表示画面に表示する(ステップS37)。
【0061】
この削除候補確認画面においては、その時点で「削除候補ファイル」に分類されているデジタル画像ファイルの一覧を画面表示し、「保留」ボタンが操作された場合には、そのまま操作パネル56の表示画面を削除確認画面(図12)に遷移する(ステップS39)。「確定」ボタンが操作された場合には、「削除候補ファイル」に分類されているデジタル画像ファイルを「削除対象ファイル」に分類した後(ステップS38)、操作パネル56の表示画面を削除確認画面(図12)に遷移する(ステップS39)。また、「一覧を印刷」ボタンが操作された場合には、「削除候補ファイル」に分類されているデジタル画像ファイルの一覧を記録実行手段40によって記録紙Pに記録(印刷)する。
【0062】
この削除確認画面において「削除対象一覧表示」ボタンが操作された場合には、操作パネル56の表示画面を削除対象一覧画面(図13)に遷移する(ステップS40)。この削除対象一覧画面には、その時点において「削除対象ファイル」に分類されているデジタル画像ファイルの一覧を表示し、その削除対象一覧画面において「一覧を印刷」ボタンが操作された場合には、「削除対象ファイル」に分類されているデジタル画像ファイルの一覧を記録実行手段40によって記録紙Pに記録(印刷)する。削除対象一覧画面において「確認」ボタンが操作された場合には、削除確認画面(図12)へ戻る(ステップS39)。そして、削除確認画面において「削除実行」ボタンが操作された場合には、「削除対象ファイル」に分類されているデジタル画像ファイルを全てメモリカード101から削除し(ステップS41)、その後インクジェットプリンタ50の所定の電源OFF制御手順を実行する(ステップS42)。一方、削除確認画面において「保留」ボタンが操作された場合には、「削除対象ファイル」を削除せずに、そのままインクジェットプリンタ50の所定の電源OFF制御手順を実行する(ステップS42)。
【0063】
以上説明したように、本発明に係るインクジェットプリンタ50は、「記憶媒体」に保存されているデジタル画像ファイルのうち、所定の「削除条件」を充足するデジタル画像ファイルが自動的に削除されることによって、ユーザにとって既に不要なデジタル画像ファイルが削除されないままメモリカード101等の記憶媒体に蓄積されてしまうことを防止することができる。それによって、その「記憶媒体」の空き領域が不要なデジタル画像ファイルによって無駄に消費されて「記憶媒体」の全容量を有効に利用していない状態となる虞を低減させることができる。したがって、このインクジェットプリンタ50をスタンドアロンで利用するに際して、ユーザが煩わしい作業をすることなくカードスロット57のメモリカード101又はCD−RWドライブ53のCD−RWメディア531のファイル管理を適切に実行することができる。
【0064】
また、ユーザが任意に「削除条件」を設定することができるので、ユーザ個々の用途に応じたデジタル画像ファイルの自動削除が可能になり、それによって、ユーザ個々の用途に応じた適切なデジタル画像ファイルの自動管理を実現することができる。
さらに、所定の「保護条件」を充足したデジタル画像ファイル又はユーザが任意に選択した特定のデジタル画像ファイルは、「保護対象ファイル」に分類されて削除対象から除外されるので、ユーザが削除を望まないデジタル画像ファイルが当該「記憶媒体」からユーザの意に反して自動削除されてしまうことを防止することができる。
【0065】
尚、本発明は上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明に係るインクジェットプリンタの概略構成図である。
【図2】本発明に係るインクジェットプリンタのブロック図である。
【図3】操作パネルの表示画面の画面遷移図である。
【図4】画像管理画面を模式的に図示したものである。
【図5】削除条件設定画面を模式的に図示したものである。
【図6】確認タイミング設定画面を模式的に図示したものである。
【図7】保護条件設定画面を模式的に図示したものである。
【図8】自動ファイル削除の「削除条件」の一覧である。
【図9】削除候補確認画面の遷移条件を図示した遷移図である。
【図10】削除候補確認画面を模式的に図示したものである。
【図11】削除確認画面の遷移条件を図示した遷移図である。
【図12】削除確認画面を模式的に図示したものである。
【図13】削除対象一覧画面を模式的に図示したものである。
【図14】記憶媒体に保存されているデジタル画像ファイルの分類遷移図である
【図15】ファイル管理情報の一例を示した一覧表である。
【図16】ファイル管理手順の第1実施例を示したフローチャートである。
【図17】ファイル管理手順の第2実施例を示したフローチャートである。
【図18】ファイル管理手順の第3実施例を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0067】
10 プリンタ制御装置、20 ステーション制御装置、50 インクジェットプリンタ、51 プリンタ本体、52 ドッキングステーション、53 CD−RWドライブ、54 リモコン受信回路、55 ACアダプタ、56 操作パネル、57 カードスロット、60 リモコン、101 メモリカード、531 CD−RWメディア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザインタフェース手段と、被記録材への記録を実行可能な記録実行手段と、デジタル画像ファイルの読み込み及び書き込みが可能な外部記憶装置と、前記ユーザインタフェース手段におけるユーザ操作に基づいて前記記録実行手段による被記録材への記録制御及び前記外部記憶装置の制御を実行する記録制御装置とを備えた記録装置であって、
前記記録制御装置は、前記外部記憶装置で読み込み及び書き込みが可能な状態にある記憶媒体に保存されているデジタル画像ファイルのうち、所定の削除条件を充足するデジタル画像ファイルを自動的に削除する機能を有している、ことを特徴とした記録装置。
【請求項2】
請求項1において、前記削除条件は、前記記録実行手段で被記録材へ記録を実行済みという条件を有している、ことを特徴とした記録装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、前記記録制御装置は、前記ユーザインタフェース手段を介してユーザが任意に特定したデジタル画像ファイルを保護対象ファイルとして分類し、保護対象ファイルに分類されているデジタル画像ファイルは前記削除条件を充足するか否かに関係なく削除対象から除外する機能を有している、ことを特徴とした記録装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項において、前記記録制御装置は、前記外部記憶装置で読み込み及び書き込みが可能な状態にある記憶媒体に保存されているデジタル画像ファイルのうち、所定の保護条件を充足するデジタル画像ファイルを自動的に保護対象ファイルとして分類し、保護対象ファイルに分類されているデジタル画像ファイルは前記削除条件を充足するか否かに関係なく削除対象から除外する機能を有している、ことを特徴とした記録装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項において、前記記録制御装置は、前記ユーザインタフェース手段を介してユーザが任意に前記削除条件を設定可能な機能を有している、ことを特徴とした記録装置。
【請求項6】
請求項5において、前記記録制御装置は、前記ユーザインタフェース手段を介してユーザが任意の前記削除条件を記憶媒体ごとに設定可能であるとともに、当該記憶媒体における削除条件情報を当該記憶媒体に保存する機能を有している、ことを特徴とした記録装置。
【請求項7】
請求項6において、前記記録制御装置は、所定の分類タイミングで当該記憶媒体に保存されている削除条件情報に基づいて、当該記憶媒体に保存されているデジタル画像ファイルのうち、当該削除条件を充足するデジタル画像ファイルを削除候補ファイルとして分類し、
前記ユーザインタフェース手段を介して前記削除候補ファイルの一覧をユーザに表示し、
前記ユーザインタフェース手段を介してユーザによる確認入力操作が行われた時点で前記削除候補ファイルを削除対象ファイルに分類し、
所定の削除タイミングで全ての削除対象ファイルを当該記憶媒体から削除する機能を有している、ことを特徴とした記録装置。
【請求項8】
請求項7において、前記記録制御装置は、前記削除候補ファイル、前記削除対象ファイル及び前記保護対象ファイルの分類情報を当該記憶媒体へ保存する機能を有している、ことを特徴とした記録装置。
【請求項9】
請求項7又は8において、前記記録制御装置は、前記ユーザインタフェース手段におけるユーザ操作によって、前記削除候補ファイルの一覧又は前記削除対象ファイルの一覧を被記録材へ記録する機能を有している、ことを特徴とした記録装置。
【請求項10】
ユーザインタフェース手段と、被記録材への記録を実行可能な記録実行手段と、デジタル画像ファイルの読み込み及び書き込みが可能な外部記憶装置とを備えた記録装置において、前記ユーザインタフェース手段におけるユーザ操作に基づいて前記記録実行手段による被記録材への記録制御機能及び前記外部記憶装置を制御する機能をコンピュータに実現させるための記録制御プログラムであって、
前記外部記憶装置で読み込み及び書き込みが可能状態にある記憶媒体に保存されているデジタル画像ファイルのうち、所定の削除条件を充足するデジタル画像ファイルを自動的に削除する機能を実現する、ことを特徴とした記録制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2007−331121(P2007−331121A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−162329(P2006−162329)
【出願日】平成18年6月12日(2006.6.12)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】