説明

試験装置、ステージ装置、および試験方法

【課題】両面に電極を有する半導体デバイスをウエハの状態で試験する。
【解決手段】ウエハに形成されウエハの上面側に上側電極下面側に下側電極を有する複数のデバイスを試験する試験装置であって、ウエハが載置されるステージ部と、ステージ部における複数のデバイスの下側電極に対向して設けられた複数の開口内に設けられ下側電極と接触する伸縮可能な複数の下側端子と、複数のデバイスが有する上側電極と接触する複数の上側端子と、上側端子および下側端子を介して複数のデバイスに電圧を印加して、複数のデバイスを試験する試験部とを備え、下側端子はウエハがステージ部に押し当てられるのに伴って収縮する試験装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試験装置、ステージ装置、および試験方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体基板の主表面と裏面の双方に電極を有する半導体デバイスが知られている。このような半導体デバイスの一例として、高電圧・大電流をスイッチングするパワー半導体素子として用いられる絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(以下、IGBTと称す)、SiC(シリコンカーバイト)バイポーラトランジスタ等がある。(例えば、特許文献1および2参照)。
特許文献1 特開2010−4003号公報
特許文献2 特開2008−177274号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
半導体デバイスは半導体製造プロセスによりウエハ上に多数個が一括して形成され、ウエハから切り出され、例えば複数個をモジュールとしてパッケージングされて製品として出荷される。半導体デバイスは、出荷までに製造不良品をスクリーニングするための試験を経る。費用、労力、資源の利用効率といった観点から、切り出し前のウエハの状態で、多数の半導体デバイスを一括して試験することが重要である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様においては、ウエハに形成され、ウエハの上面側の上側電極およびウエハの下面側の下側電極をそれぞれ有する複数のデバイスを試験する試験装置であって、ウエハが載置されるステージ部と、ステージ部における複数のデバイスのそれぞれの下側電極に対向して設けられた複数の開口内に設けられ、複数のデバイスが有する複数の下側電極と接触する伸縮可能な複数の下側端子と、複数のデバイスが有する複数の上側電極と接触する複数の上側端子と、上側端子および下側端子を介して複数のデバイスのそれぞれに電圧を印加して、複数のデバイスのそれぞれを試験する試験部と、を備える試験装置を提供する。
【0005】
本発明の第2の態様においては、ウエハに形成され、ウエハの上面側の上側電極およびウエハの下面側の下側電極をそれぞれ有する複数のデバイスを載置するステージ装置であって、ウエハが載置されるステージ部と、ステージ部における複数のデバイスのそれぞれの下側電極に対向して設けられた複数の開口内に設けられ、複数のデバイスが有する複数の下側電極と接触する伸縮可能な複数の下側端子と、複数のデバイスが有する複数の上側電極と接触する複数の上側端子と、を備え、複数の下側端子のそれぞれは、ウエハがステージ部に押し当てられるのに伴って収縮するステージ装置を提供する。
【0006】
本発明の第3の態様においては、ウエハに形成され、ウエハの上面側の上側電極およびウエハの下面側の下側電極をそれぞれ有する複数のデバイスを試験する試験方法であって、ウエハをステージ部に載置し、ウエハをステージ部に押し当てることにより、ステージ部における複数のデバイスのそれぞれの下側電極に対向して設けられた複数の開口内に設けられ、複数のデバイスが有する複数の下側電極と接触する伸縮可能な複数の下側端子と下側電極とを接触させ、複数の上側端子を複数のデバイスが有する複数の上側電極と接触させ、複数の上側端子および複数の下側端子を介して複数のデバイスのそれぞれに電圧を印加して、複数のデバイスのそれぞれを試験する試験方法を提供する。
【0007】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本実施形態における試験装置1000を、当該試験装置1000を用いて試験される被試験デバイスが形成されたウエハ10とともに示す。
【図2】本実施形態の試験装置1000において、ステージ部160に載置されたウエハ10の上側電極14および下側電極12に対し、それぞれ上側端子175および下側端子165によって接触する構造を、ステージ部160および上側接続部170とともに示す。
【図3A】下側端子165の側面図である。
【図3B】図3AにおけるA−A'で示した切断面における断面図である。
【図4】下側端子165の構造の他の例を、ステージ部160に設けられた開口とともに示す。
【図5】下側端子165の構造の更に他の例を、ステージ部160に設けられた開口とともに示す。
【図6】本実施形態における温度制御部180によりウエハ10の温度を制御するフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0010】
図1は、本実施形態における試験装置1000を、当該試験装置1000を用いて試験される被試験デバイスが形成されたウエハ10とともに示す。試験装置1000は、メインフレーム100、テストヘッド130、マザーボード150、上側接続部170、および温度制御部180を有する。
【0011】
ウエハ10には複数の被試験デバイスが形成され、それぞれの被試験デバイスは、その上面側に上側電極を有し、下面側に下側電極を有する。ウエハ10は、マザーボード150が備えるステージ部160に載置される。ウエハ10は、下面がステージ部に面するようにステージ部160に載置される。ウエハ10に形成される被試験デバイスは、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)、SiC(シリコンカーバイト)バイポーラトランジスタ等であってよい。
【0012】
メインフレーム100は、試験装置1000の各部に制御信号を供給し被試験デバイスの試験を制御する制御部、試験装置1000の各部に動作電源電圧を供給する電源部、テストプログラムを実行しテスト結果の表示/記憶を行う操作端末を構成するワークステーション等を備える。メインフレーム10は、ケーブルによりテストヘッド130に接続され、生成した制御信号をテストヘッド130に供給するとともに、試験結果をテストヘッドから受け取る。
【0013】
テストヘッド130は、1又は複数の試験部135、テストヘッド側基板138、コネクタ140、およびコネクタ142を備える。テストヘッド130がメインフレーム100から受け取った制御信号は、それぞれの試験部135に分配される。試験部135は、制御信号に基づき試験信号を発生し、テストヘッド側基板138、コネクタ140、コネクタ142、及びマザーボード150を介して、ウエハ10に形成された被試験デバイスに供給する。また、それぞれの試験部135は、供給した試験信号に応じて被試験デバイスが出力する出力信号を、テストヘッド側基板138、コネクタ140、コネクタ142、及びマザーボード150を介して受け取る。また、それぞれの試験部135は、ケーブルを介して試験結果をメインフレーム10に送信する。
【0014】
テストヘッド側基板138は、テストヘッド130の内部に面して1又は複数のコネクタ140を備え、マザーボード150に面して1又は複数のコネクタ142を備える。コネクタ140は、試験部135に対応付けて設けられ、それぞれのコネクタ140は対応する試験部135と接続される。コネクタ142は、テストヘッド側基板138のマザーボードと対面する面に、マザーボード150が備えるコネクタと対応する位置に配置される。テストヘッド側基板138は、試験部135が発生する試験信号および被試験デバイスの出力信号を、試験部135とマザーボード150との間で伝達すべく、コネクタ140とコネクタ142とを相互に接続する配線を備える。
【0015】
マザーボード150は、マザーボード下面基板152、同軸ケーブル154、ステージ部160、および下側端子165を備える。マザーボード下面基板152は、テストヘッド側基板138が備えるコネクタ142と嵌合するコネクタ(不図示)を備え、試験部135が発生する試験信号を受け取るとともに、ウエハ10に形成された複数の被試験デバイスの出力信号を試験部135に供給する。同軸ケーブル154は、マザーボード下面基板152は、試験信号および被試験デバイスの出力信号を伝達すべく、マザーボード下面基板152とステージ部160とを接続する。なお、本実施形態ではマザーボード150が、テストヘッド130の上に位置する例を用いて説明したが、マザーボード150の配置は任意であり、テストヘッド130の上でなくてもよい。
【0016】
ステージ部160は、マザーボード150の上面に設けられ、被試験デバイスが形成されたウエハ10を載置する。ステージ部160は、複数の被試験デバイスのそれぞれの下側電極12に対向して設けられた複数の開口を有する。開口は貫通口であっても非貫通口であってもよい。それぞれの開口内に、対向する被試験デバイスが有する下側電極12と接触する下側端子165が設けられる。下側端子165は伸縮可能であってよい。下側端子165が伸縮可能であると、ウエハ10におけるステージ部160に対向する面が平坦でない場合であっても、下側電極12との電気的接触を確保することができる。また、ウエハ10をステージ部160と密着させることができるので、ウエハ10を効率的に冷却できる。ステージ部160は、下側端子165を介して、試験信号および被試験デバイスの少なくとも一部を被試験デバイスとの間で授受する。
【0017】
ステージ部160は、試験信号および被試験デバイスの出力信号の少なくとも一部を、上側接続部170との間で授受する。ステージ部160が下側端子165を介して被試験デバイスと授受する信号と、ステージ部160が上側接続部170との間で授受する信号とは、排他的であってもよいし、一部または全てが重複してもよい。
【0018】
上側接続部170は、ステージ部160の上に、ウエハ10を覆うように載置される。上側接続部170は、被試験複数のデバイスが有する複数の上側電極14と接触する複数の上側端子175を備え、各上側端子を介して上側電極に試験信号を供給し、または上側電極から被試験デバイスの出力信号を受け取る。上側端子175のそれぞれは、上側接続部170の本体からウエハ10に向けて延伸するプローブであってよい。上側端子175として用いられるプローブは弾性を有してよく、複数の上側電極14の間の高低差をプローブの弾性によって吸収し、上側電極14と上側端子175との接触を確実なものとしてよい。プローブは、ステージ部160および同軸ケーブル154を介して試験部135に接続されてもよく、ケーブル及びテストヘッド側基板を介して試験部135に接続されてもよい。
【0019】
上側端子175のそれぞれは、プローブに代えて、異方性導電体の基板であってよく、当該異方性導電体の基板をウエハ10に密着させることにより電気的接続を取ってよい。
【0020】
以上のような構成により、試験部135は、上側端子175および下側端子165を介して複数の被試験デバイスのそれぞれに電圧を印加して、複数の被試験デバイスのそれぞれを試験する。このように、本実施形態の試験装置によれば、両面に電極を有する半導体デバイスをウエハの状態で試験することができる。
【0021】
温度制御部180は、ウエハ10に形成された被試験デバイスの温度が目標温度となるよう、ウエハの温度を制御する。温度制御部180は、流体供給部182、および混合比制御部188を備える。流体供給部182は、2種類の温度の流体を混合比制御部188に供給する。混合比制御部188は、供給される流体の混合比を制御して目標温度の流体とし、ステージ部160に流してウエハ10の温度を制御する。温度制御部180は、ステージ部160とウエハ10との接触面を介してウエハ10の温度を制御する。
【0022】
混合比制御部188は、ステージ部160の近傍に設けられてよく、ステージ部160に内蔵されてもよい。混合比制御部188がステージ部160内に設けることにより、混合後の配管でステージ部160内を循環させる流体の温度が目標温度からずれることを防ぐことができる。他の例として、混合比制御部188は、流体供給部182内に設けられてもよい。このような構成によれば、流体供給部182とテストヘッドを接続する配管の数を減らすことができる。
【0023】
温度制御部180の詳細な実施形態については、特許文献特表2010−535417号公報を参照されたい。温度制御部180は、他の例として、ペルチェ素子、ヒートシンク、ヒータ又はこれらの組み合わせであってよい。
【0024】
流体供給部182は、第1流体供給部184と第2流体供給部186を備える。第1流体供給部184は、目標温度よりも低温である第1温度の第1流体を、供給配管を通じて混合比制御部188に供給し、帰還配管を経由して混合比制御部188から流体を回収する。第1流体供給部184は、回収した流体の温度を第1温度に加熱又は冷却し、再び混合比制御部188に供給する。
【0025】
第2流体供給部186は、目標温度と同温度または目標温度よりも高温である第2温度の第2流体を、供給配管を通じて混合比制御部188に供給し、帰還配管を経由して混合比制御部188から流体を回収する。第2流体供給部186は、回収した流体の温度を第2温度に加熱又は冷却し、再び混合比制御部188に供給する。
【0026】
温度制御部180の変形例として、混合比制御部188から回収した流体を第3の温度に再加熱した第3流体を蓄え、混合比制御部188の制御に応じて、第3流体を供給・循環させてもよい。
【0027】
混合比制御部188は、第1流体及び第2流体のそれぞれの流量を調節するバルブと、ステージ部160におけるウエハ10と接触する部位の温度を測定する温度形とを備え、測定温度とメインフレーム100からの命令とに基づき第1流体及び第2流体のそれぞれの流量を調節する。例えば、混合比制御部188は、第1流体の流入量を制御することにより第1流体および第2流体の混合比を制御してよい。混合比制御部188は、第1流体と第2流体とを混合させて目標温度とした流体をステージ部160内に循環させて、ウエハ10の温度が目標温度となるように制御する。
【0028】
混合比制御部188には、第1流体供給部184から供給される流体を流す供給配管、第1流体供給部184へ流体を戻すための帰還配管、第2流体供給部186から供給される流体を流す供給配管、および第2流体供給部186へ流体を戻すための帰還配管が接続される。また、混合比制御部188は、混合した流体をステージ部160内に張り巡らせた配管に循環させ、ステージ部160全体をウエハ10に対するヒートシンクとして作用させてウエハ10の温度を制御する。このような構成により、両面に電極が設けられたウエハ10を試験する場合であっても、ウエハ10の温度を目標温度に保つことができる。
【0029】
ステージ部160の上面における開口以外の部分には、載置されるウエハ10との間の熱抵抗を低減させる部材が配置されてもよい。載置されるウエハ10との間の熱抵抗を低減させる部材は、例えば非導電性かつ高熱伝導率のペースト、シート等であってよい。
【0030】
図2は、本実施形態の試験装置1000において、ステージ部160に載置されたウエハ10の上側電極14および下側電極12に対し、それぞれ上側端子175および下側端子165によって接触する構造を、ステージ部160および上側接続部170とともに示す。ステージ部160は、ウエハ10に形成された被試験デバイスの下側電極12に対向して設けられた複数の開口を有する。複数の開口のそれぞれは、下側端子165を収容する。下側端子165は収縮可能に構成され、非収縮状態において、下側端子165の先端がステージ部160の上面より突出し、最も収縮状態において、下側端子165の先端がステージ部160の上面と同一平面或いは上面より退行した位置となるように配置される。下側端子165のそれぞれは、ウエハ10がステージ部160に押し当てられるのに伴って収縮する。
【0031】
図3Aおよび図3Bは、本実施形態における下側端子165の構造の一例を示す。図3Aは、下側端子165の側面図であり、図3Bは、図3AにおけるA−A'で示した切断面における断面図である。複数の下側端子165のそれぞれは、固定部166、可動部167、および付勢部168を有する。固定部166は、ステージ部160に固定される。可動部167は、固定部166に対して下側端子165の伸縮方向に移動可能に係合される。付勢部168は、可動部167をウエハ10側へと付勢する。付勢部168は、係合された固定部166および可動部167の間に設けられた空洞内に設けられたバネ(コイルスプリング)により構成される。当該バネは、一端が空洞内において固定部166に接し、他端が空洞内において可動部167に接するように配置される。このような下側端子165の構成により、下側端子165を収縮可能とすることができ、ウエハ10におけるステージ部160に対向する面が平坦出ない場合であても、下側電極12との電気的接触を確保することができる。他の例として、付勢部168は、空気圧または流体圧により可動部167を付勢してよい。
【0032】
図4は、下側端子165の構造の他の例を、ステージ部160に設けられた開口とともに示す。本例の下側端子165は、開口内にカンチレバーとして設けられる。下側端子165の先端は、ウエハ10がステージ部160に載置されない状態においては、ステージ部160の上面より突出している。そして、ウエハ10がステージ部160に押し当てられるのに伴って変位または変形しつつ被試験デバイスの下側電極12と接触する。下側端子165をカンチレバーとして設けると、コイルスプリングを用いる方式より一端子あたりの電流容量を大きくすることができる。
【0033】
図5は、下側端子165の構造の更に他の例を、ステージ部160に設けられた開口とともに示す。本例の下側端子165は、開口内に針として設けられる。下側端子165の先端は、ステージ部160の上面よりわずかに突出して設けられる。そして、ウエハ10がステージ部160に押し当てられるのに伴って被試験デバイスの下側電極12と接触する。下側端子165は、ウエハ10がステージ部160に押し当てられるのに伴って変位または変形してよい。下側端子165の突出量は、接触により被試験デバイスを損傷させないように調整される。下側端子165を針として設けると、コイルスプリングを用いる方式より一端子あたりの電流容量を大きくすることができる。
【0034】
図6は、本実施形態における温度制御部180によりウエハ10の温度を制御するフローチャートを示す。ステップS402において、目標温度が設定される。目標温度は、被試験デバイスが形成されたウエハ10の設定温度または温度範囲であってよい。他の例として、目標温度は、ステージ部160におけるウエハ10と接触する部位の温度であってよい。
【0035】
次に、ウエハ10及び/又はステージ部160の温度を測定し(ステップS404)、測定温度度と目標温度とを比較する(ステップS406)。測定温度と目標温度とが一致する場合、混合比制御部188は現在の流量を維持してステップS404に戻り、後進された温度データを取得する。
【0036】
ステップS406において、測定温度が目標温度より低いときは、ステップS412に進み、第1流体の流量を減少させ、及び/又は第2流体の流量を増加させる。これにより、ヒートシンクとして作用するステージ部160の温度を上昇させる。一方、測定温度が目標温度より高いときは、ステップS410に進み、第1流体の流量を増加させ、及び/又は第2流体の流量を減少させる。これにより、ヒートシンクとして作用するステージ部160の温度を下降させる。いずれの場合も、流量調節後にステップS404に戻り、更新された温度データを取得し、必要に応じて以上のステップを繰り返す。
【0037】
以上のような制御により、温度制御部180は、ウエハ10の温度を目標温度に維持することができる。
【0038】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0039】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0040】
10 ウエハ
12 下側電極
14 上側電極
100 メインフレーム
130 テストヘッド
135 試験部
138 テストヘッド側基板
140 コネクタ
142 コネクタ
150 マザーボード
152 マザーボード下面基板
154 同軸ケーブル
160 ステージ部
165 下側端子
170 上側接続部
175 上側端子
180 温度制御部
182 流体供給部
184 第1流体供給部
186 第2流体供給部
188 混合比制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエハに形成され、前記ウエハの上面側の上側電極および前記ウエハの下面側の下側電極をそれぞれ有する複数のデバイスを試験する試験装置であって、
前記ウエハが載置されるステージ部と、
前記ステージ部における前記複数のデバイスのそれぞれの前記下側電極に対向して設けられた複数の開口内に設けられ、前記複数のデバイスが有する複数の前記下側電極と接触する伸縮可能な複数の下側端子と、
前記複数のデバイスが有する複数の前記上側電極と接触する複数の上側端子と、
前記複数の上側端子および前記複数の下側端子を介して前記複数のデバイスのそれぞれに電圧を印加して、前記複数のデバイスのそれぞれを試験する試験部と、
を備える
試験装置。
【請求項2】
前記ステージ部における前記ウエハとの接触面を介して前記ウエハの温度を制御する温度制御部を更に備える請求項1に記載の試験装置。
【請求項3】
前記温度制御部は、温度の異なる複数の流体の混合比を制御して目標温度の流体とし、前記ステージ部に混合した流体を流して前記ウエハの温度を制御する請求項2に記載の試験装置。
【請求項4】
前記温度制御部は、
第1温度の第1流体を供給する第1流体供給部と、
前記第1温度より高い第2温度の第2流体を供給する第2流体供給部と、
前記第1流体の流入量を制御することにより前記第1流体および前記第2流体の混合比を制御する混合比制御部と、
を有する請求項3に記載の試験装置。
【請求項5】
前記複数の下側端子のそれぞれは、前記ウエハが前記ステージ部に押し当てられるのに伴って収縮する請求項1から4のいずれか1項に記載の試験装置。
【請求項6】
前記複数の下側端子のそれぞれは、
前記ステージ部に固定される固定部と、
前記固定部に対して下側端子の伸縮方向に移動可能に係合される可動部と、
前記可動部を前記ウエハ側へと付勢する付勢部と、
を有する請求項5に記載の試験装置。
【請求項7】
前記付勢部は、係合された前記固定部および前記可動部の間に設けられた空洞内に設けられ、一端が前記空洞内において前記固定部に接し、他端が前記空洞内において前記可動部に接するバネを含む請求項6に記載の試験装置。
【請求項8】
ウエハに形成され、前記ウエハの上面側の上側電極および前記ウエハの下面側の下側電極をそれぞれ有する複数のデバイスを載置するステージ装置であって、
前記ウエハが載置されるステージ部と、
前記ステージ部における前記複数のデバイスのそれぞれの前記下側電極に対向して設けられた複数の開口内に設けられ、前記複数のデバイスが有する複数の前記下側電極と接触する伸縮可能な複数の下側端子と、
前記複数のデバイスが有する複数の前記上側電極と接触する複数の上側端子と、
を備える
ステージ装置。
【請求項9】
ウエハに形成され、前記ウエハの上面側の上側電極および前記ウエハの下面側の下側電極をそれぞれ有する複数のデバイスを試験する試験方法であって、
前記ウエハをステージ部に載置し、
前記ステージ部における前記複数のデバイスのそれぞれの前記下側電極に対向して設けられた複数の開口内に設けられ、前記複数のデバイスが有する複数の前記下側電極と接触する複数の下側端子と前記下側電極とを接触させ、
複数の上側端子を前記複数のデバイスが有する複数の前記上側電極と接触させ、
前記複数の上側端子および前記複数の下側端子を介して前記複数のデバイスのそれぞれに電圧を印加して、前記複数のデバイスのそれぞれを試験する試験方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−142387(P2012−142387A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−293414(P2010−293414)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(390005175)株式会社アドバンテスト (1,005)
【Fターム(参考)】