説明

誘電体セラミックおよび積層セラミックコンデンサ

【課題】電界印加時の高温試験や高温高湿試験が良好である積層セラミックコンデンサを提供する。
【解決手段】本発明に係る誘電体セラミックは、(Ba1-yy)(Ti1-xx)O3を主成分とし、前記AはNa,Kから選択される少なくとも1種の元素であり、前記BはNb,Taから選択される少なくとも1種の元素であり、前記xおよびyは、xy平面で、点C(x=0.0007,y=0.000001),点D(x=0.005,y=0.000001),点E(x=0.005,y=0.002),点F(x=0.0007,y=0.0002)を結ぶ直線で囲まれた領域の内部または線上にあることを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は誘電体セラミックに関する。また、本発明は該誘電体セラミックを用いて製造された積層セラミックコンデンサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、積層されている複数の誘電体層と、前記誘電体層間の特定の界面に沿って形成されている複数の内部電極と、を有する積層体と、前記積層体の外表面に形成され、前記内部電極と電気的に接続されている複数の外部電極と、を備える積層セラミックコンデンサが知られている。そして、積層セラミックコンデンサに用いられる誘電体層の組成として、例えば、特許文献1には、Ba−Ti−Zr−O系セラミックに、希土類を固溶させたものが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−254988号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年のエレクトロニクス技術の進展に伴い、積層セラミックコンデンサには小型化かつ大容量化が要求されている。これらの要求を満たすため、積層セラミックコンデンサの誘電体層の薄層化が進められている。しかし、誘電体層を薄層化すると、1層あたりにかかる電界強度が相対的に高くなる。よって、誘電体層に用いられる誘電体セラミックに対しては、電界印加時における信頼性の向上が求められる。
【0005】
ところが、特許文献1に記載の組成の誘電体セラミックで積層セラミックコンデンサを作製した際に薄層化を進めた場合には、電界印加時における信頼性が不十分であった。
【0006】
本発明はかかる課題に鑑みてなされたものであって、誘電体層をより薄層化しても、高温試験や高温高湿試験の寿命特性が良好である積層セラミックコンデンサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、BaTiO3系セラミックのBaサイトにNa,Kの少なくとも1種の元素を置換し、かつ、TiサイトにNb,Taの少なくとも1種の元素を置換した誘電体セラミックを用いることにより、高温試験や高温高湿試験の寿命特性が良好になることを見出した。
【0008】
本発明に係る誘電体セラミックは、(Ba1-yy)(Ti1-xx)O3を主成分とし、前記AはNa,Kから選択される少なくとも1種の元素であり、前記BはNb,Taから選択される少なくとも1種の元素であり、前記xおよびyは、xy平面で、点C(x=0.0007,y=0.000001),点D(x=0.005,y=0.000001),点E(x=0.005,y=0.002),点F(x=0.0007,y=0.0002)を結ぶ直線で囲まれた領域の内部または線上にあることを特徴としている。
【0009】
また、本発明は、積層されている複数の誘電体層と、前記誘電体層間の特定の界面に沿って形成されている複数の内部電極と、を有する積層体と、前記積層体の外表面に形成され、前記内部電極の特定のものと電気的に接続されている複数の外部電極と、を備える積層セラミックコンデンサにも向けられる。この場合、前記誘電体層は、上述した発明に係る誘電体セラミックからなることを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る誘電体セラミックを用いることにより、誘電体層をより薄層化しても、電圧印加時の高温試験や高温高湿試験の寿命特性が良好である積層セラミックコンデンサを提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサの断面図である。
【図2】本発明に係る誘電体セラミックにおける、Bの含有量であるxとAの含有量であるyの範囲を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下において、本発明を実施するための形態について説明する。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサの断面図である。
【0014】
積層セラミックコンデンサ1は、積層体2を備えている。積層体2は、積層される複数の誘電体層3と、複数の誘電体層3間の特定の複数の界面に沿ってそれぞれ形成される複数の内部電極4および5とで構成される。内部電極4および5は、積層体2の内部において交互に配置されており、積層体2の外表面にまで到達されるように形成される。内部電極4は積層体2の一方の端面6にまで引き出されており、内部電極5は積層体2の他方の端面7にまで引き出されている。内部電極4および5は、例えばニッケル、ニッケル合金、銅または銅合金のような卑金属を主成分としている。
【0015】
積層体2の外表面には、外部電極8および9が形成されている。図1では、積層体2の少なくとも端面6および7上にそれぞれ外部電極8および9が形成されている。例えば、外部電極8および9は、前述の内部電極4および5において用いた金属と同じものを主成分としても良い。あるいは、銀、パラジウム、銀−パラジウム合金などを主成分としても良い。外部電極8は、端面6上において、内部電極4と電気的に接続される。一方、外部電極9は、端面7上において、内部電極5と電気的に接続される。
【0016】
外部電極8および9上には、必要に応じて、ニッケル、銅等からなる第1のめっき層10および11がそれぞれ形成されている。例えば、第1のめっき層10および11は、外部電極8および9の実装時のはんだによる浸食を防止するために形成される。さらにその上には、例えばはんだや錫等を主成分とする第2のめっき層12および13がそれぞれ形成されていても良い。例えば、第2のめっき層12および13は、積層セラミックコンデンサ1を実装する際に良好なはんだ付け性を有するように形成される。
【0017】
このような積層セラミックコンデンサ1において、誘電体層3は、本発明に係る誘電体セラミックで構成される。本発明に係る誘電体セラミックは、(Ba1-yy)(Ti1-xx)O3を主成分とする。ここで、AはNa,Kから選択される少なくとも1種の元素である。また、BはNb,Taから選択される少なくとも1種の元素である。
【0018】
図2は、本発明に係る誘電体セラミックにおける、Bの含有量であるxとAの含有量であるyの範囲を示すグラフである。上記の組成式におけるxおよびyは、xy平面で、点C(x=0.0007,y=0.000001),点D(x=0.005,y=0.000001),点E(x=0.005,y=0.002),点F(x=0.0007,y=0.0002)を結ぶ直線で囲まれた領域の内部または線上にあることを特徴としている。
【0019】
本発明に係る誘電体セラミックは、Baサイトを1価イオンとなるべきAで置換して、AをBaサイト中に固溶させている。かつ、Tiサイトを5価イオンとなるべきBで置換して、BをTiサイト中に固溶させている。この置換量が図2の範囲内である場合に、高温試験や高温高湿試験で優れた寿命特性を示す積層セラミックコンデンサを提供することができる。
【0020】
なお、(Ba1-yy)(Ti1-xx)O3100モル部に対して、希土類元素が0.5〜10モル部の割合で含まれていても良い。希土類元素は、例えば、積層セラミックコンデンサの絶縁性を維持するために添加される。
【0021】
また、(Ba1-yy)(Ti1-xx)O3100モル部に対して、Mgが0.2〜5モル部の割合で含まれていても良い。Mgは、例えば、粒成長の抑制のために添加される。
【0022】
また、(Ba1-yy)(Ti1-xx)O3100モル部に対して、Mnが0.05〜3.0モル部の割合で含まれていても良い。Mnは、例えば、積層セラミックコンデンサを長期間使用する際に起こる絶縁抵抗の低下を防止するために添加される。
【0023】
また、(Ba1-yy)(Ti1-xx)O3100モル部に対して、Siが0.5〜3.0モル部の割合で含まれていても良い。Siは、例えば、焼結性の向上のために添加される。
【0024】
また、(Ba1-yy)(Ti1-xx)O3において、(Ba,A)サイトと(Ti,B)サイトのモル比は、1前後で適宜設計される。
【0025】
次に、この積層セラミックコンデンサ1の製造方法について説明する。
【0026】
(A)セラミック原料粉末の作製
本発明に係る誘電体セラミックの原料粉末であるセラミック原料粉末は、一例として、以下のように作製される。
【0027】
最初に、Ba、Ti、AおよびBの出発原料を用意する。Baの出発原料の例としては、BaCO3粉末が挙げられる。また、Tiの出発原料の例としては、TiO2粉末が挙げられる。また、AやBの出発原料は、固相の粉末を用いても良いし、これらの溶液を用いても良い。そして、Ba、Ti、AおよびBの出発原料を、焼成後に所定の組成比となるように秤量する。AおよびBの出発原料とBa、Tiの出発原料を仮焼前にあらかじめ混合しておくことで、BaサイトとTiサイトをそれぞれAとBで置換した誘電体セラミックが得られる。
【0028】
次に、秤量物を混合する。混合は、例えば湿式混合法で行う。その後、混合物を乾燥させる。そして、乾燥した混合物を仮焼する。
【0029】
その後、例えば乾式粉砕機で解砕して、セラミック原料粉末を得る。
【0030】
(B)積層セラミックコンデンサの作製
本発明に係る誘電体セラミックコンデンサは、一例として、以下のように作製される。
【0031】
まず、誘電体層となるべきセラミックグリーンシートを形成する。具体的には、上記のように得られたセラミック原料粉末に、有機バインダおよび溶剤を加えて混合することによって、スラリーを作製する。この時、希土類元素や、Mgや、Mnや、Siを添加してスラリーを作製しても良い。このスラリーを例えばドクターブレード法等によりシート成形することによって、セラミックグリーンシートを形成する。
【0032】
次に、生の積層体を形成する。具体的には、特定のセラミックグリーンシート上に、内部電極4または5となるべき導電性ペースト膜を形成する。導電性ペースト膜は、例えばスクリーン印刷法で形成される。そして、導電性ペースト膜が形成されたセラミックグリーンシートを含む複数のセラミックグリーンシートを積層して、圧着した後、必要に応じてカットする。
【0033】
次に、生の積層体を焼成する。これによって、図1に示すような焼結後の積層体2を得る。
【0034】
次に、内部電極4および5と電気的に接続されるように、積層体2の端面6および7上に、それぞれ外部電極8および9を形成する。外部電極は、例えば導電性ペーストに積層体を塗布して、焼き付けることにより形成する。その後、必要により第1のめっき層10および11ならびに第2のめっき層12および13を形成しても良い。このようにして、積層セラミックコンデンサ1を作製する。
【0035】
次に、この発明による効果を確認するために実施した実験例について説明する。
【0036】
[実験例]
実験例では、BaTiO3系セラミックにおいて、Baサイトに置換するNa,Kの量と、Tiサイトに置換するTa,Nbの量を変えた場合において、各種特性を評価した。
【0037】
(A)セラミック原料粉末の作製
最初に、BaとTiの出発原料として、それぞれBaCO3とTiO2の各粉末を用意した。そして、KとNaの出発原料として、それぞれ0.01M/LのKOH溶液と0.01M/LのNaOH溶液を用意した。また、NbとTaの出発原料として、それぞれNb25とTa25の各粉末を用意した。
【0038】
次に、焼成後に、組成式(Ba1-yy)(Ti1-xx)O3においてA元素とB元素が所定の組成比になるように秤量した。(Ba,A)サイトと(Ti,B)サイトのモル比は、1.010となるように秤量した。
【0039】
次に、上記秤量物と、純水と、分散剤を、1mmφのメディアと共に500mLの樹脂製ポットに投入後、5時間混合した。その後、混合物を乾燥させた。
【0040】
次に、乾燥後の混合物をさやに詰め、焼成炉中で仮焼した後、乾式粉砕機を用いて解砕して、実験例1〜11および比較例1〜9のセラミック原料粉末を得た。なお、仮焼時の最高温度は表1の条件とした。昇温速度および降温速度はどちらも5℃/分として、最高温度で2時間保持した。
【0041】
得られた各条件のセラミック原料粉末について、粉体特性を測定した。まず、セラミック原料粉末の比表面積(SSA)を測定した。また、XRD(X−Ray Diffraction)測定により、BaTiO3相のa軸とc軸の比(c/a)を算出した。c/aの値が大きいほど、結晶性が高いといえる。
【0042】
表1に、実験例1〜11および比較例1〜9のセラミック原料粉末の粉体特性を示す。
【0043】
【表1】

【0044】
(B)積層セラミックコンデンサの作製
得られた各条件のセラミック原料粉末を用いて、積層セラミックコンデンサを作製した。
【0045】
まず、(Ba1-yy)(Ti1-xx)O3100モル部に対して、Dy23粉末を2.5モル部、MgCO3粉末を0.5モル部、MnCO3粉末を0.5モル部、SiO2粉末を1.5モル部、およびBaCO3粉末を1.0モル部の割合となるように、Dy23粉末、MgCO3粉末、MnCO3粉末、SiO2粉末、およびBaCO3粉末を添加した。
【0046】
この原料粉末を、ポリビニルブチラールを有機溶剤に溶解したバインダ溶液と混合して、セラミックスラリーを作製した。
【0047】
次に、上記セラミックスラリーを、ドクターブレード法によりシート上に成形して、矩形のセラミックグリーンシートを得た。セラミックグリーンシートの厚みは、後述の焼成後において5.0μmになるようにした。
【0048】
次に、上記セラミックグリーンシート上に、Niを主成分とする導電性ペーストをスクリーン印刷して、内部電極となる導電性ペースト膜を形成した。
【0049】
次に、導電性ペースト膜が形成されたセラミックグリーンシートを、導電性ペースト膜の引き出されている側が互い違いになるように複数枚積層して、生の積層体を得た。
【0050】
次に、生の積層体を1300℃で焼成して、積層体を得た。
【0051】
次に、Cu粉末とホウ素ケイ素亜鉛酸化物系ガラスフリットを含む導電性ペーストを積層体の両端面に塗布した後850℃で焼き付けた。このようにして内部電極と電気的に接続された外部電極を形成した。
【0052】
このようにして得られた積層セラミックコンデンサの外形寸法は、長さ3.2mm、幅1.6mm、厚さ1.6mmであり、隣り合う内部電極間に介在する誘電体層の厚みが5.0μmであった。
【0053】
(C)特性評価
得られた積層セラミックコンデンサについて、各種特性を評価した。
【0054】
まず、各条件に用いた誘電体セラミックについて、IPCを用いて、AとBの含有量を分析した。
【0055】
また、誘電率(ε)とtanδは、温度25℃、1kHz、1Vrmsの条件下で測定した静電容量から算出した。
【0056】
また、静電容量の温度変化率(Tc)は、25℃での静電容量を基準として、−55〜130℃の範囲における変化率の最大値を算出した。この時、静電容量は1kHz、1Vrmsの条件下で測定した。
【0057】
また、絶縁抵抗(log(IR))は、温度25℃の条件で、直流電圧10Vを120秒間印加した後に測定した。
【0058】
また、高温高湿試験は、温度85℃、湿度85%の条件下で、16Vの電圧を印加して1000時間実施した。そして、試験前後の絶縁抵抗を測定して、試験前の絶縁抵抗値の1/2以下になった試料の数を故障としてカウントした。高温高湿試験は、20個の試料について実施した。
【0059】
また、高温試験は、温度190℃の条件下で、80Vの電圧を印加しながら実施して、平均故障時間(MTTF)を測定した。
【0060】
表2に、表1のセラミック原料粉末を用いて作製した積層セラミックコンデンサにおける、AとBの含有量、誘電率、tanδ、静電容量の温度変化率、絶縁抵抗、高温高湿試験および高温試験の結果を示す。
【0061】
【表2】

【0062】
表2から分かるように、AとBの量が本発明の範囲内である実験例1〜11では、高温試験におけるMTTFが39時間以上であり、比較例1〜9に比べて優れた寿命特性を示した。また、高温高湿試験において故障が発生せず、優れた寿命特性を示した。また、誘電率、tanδ、静電容量の温度変化率、絶縁抵抗も良好な結果であった。
【0063】
(1)添加の有無について
比較例1は、AとBの出発原料を添加していないが、不純物としてAがy=0.0000001の割合で含まれている条件である。この条件では、高温試験におけるMTTFが20時間と低い結果となった。
【0064】
(2)A(Na,K)の範囲について
比較例3と比較例4は、どちらもx=0.0007であり、Bの含有量が本発明の範囲の下限値の条件である。
【0065】
比較例3は、y=0.00057であり、yの上限値である0.0005を超えている。かかる条件では、高温試験におけるMTTFが24時間と低い。
【0066】
一方、比較例4は、y=0.0000001であり、yの下限値である0.000001未満である。かかる条件では、高温試験におけるMTTFが22時間と低い。
【0067】
比較例6と比較例7は、どちらもBの含有量が本発明の範囲の上限値付近の条件である。
【0068】
比較例6は、y=0.0025であり、yの上限値である0.002を超えている。かかる条件では、高温試験におけるMTTFが5時間と非常に低い。また、静電容量の温度変化率も16.7%と増大した。また、絶縁抵抗も、8.6と低い値となった。また、高温高湿試験で故障が発生し、耐湿性が低下する結果となった。
【0069】
また、比較例7は、y=0.0000001であり、yの下限値である0.000001未満である。かかる条件では、高温試験におけるMTTFが3時間と非常に低い。また、静電容量の温度変化率も15.3%と増大した。また、絶縁抵抗も7.8と低い結果となった。
【0070】
比較例8は、y=0.0000001であり、yの下限値である0.000001未満である。かかる条件では、高温試験におけるMTTFが0.1時間と非常に低い。また、静電容量の温度変化率も16.2%と増大した。また、絶縁抵抗も7.3と低い結果となった。
【0071】
(3)B(Nb,Ta)の範囲について
比較例5はx=0.0065であり、xの上限値である0.005を超えている。かかる条件では、高温試験におけるMTTFが9時間と低い。また、静電容量の温度変化率も15.4%と増大した。また、絶縁抵抗も、8.7と低い結果となった。
【0072】
一方、比較例2はx=0.0005であり、xの下限値である0.0007未満である。かかる条件では、高温試験におけるMTTFが18時間と低い。また、高温高湿試験後に故障が発生し、耐湿性が低下する結果となった。
【0073】
また、比較例9は、Bの含有量がx=0.0000であり、xの下限値である0.0007未満である。かかる条件では、高温試験におけるMTTFが15時間と低い。また、高温高湿試験で故障が発生し、耐湿性が低下する結果となった。
【符号の説明】
【0074】
1 積層セラミックコンデンサ
2 積層体
3 誘電体層
4,5 内部電極
6,7 端面
8,9 外部電極
10,11 第1のめっき層
12,13 第2のめっき層



【特許請求の範囲】
【請求項1】
(Ba1-yy)(Ti1-xx)O3を主成分とし、前記AはNa,Kから選択される少なくとも1種の元素であり、前記BはNb,Taから選択される少なくとも1種の元素であり、
前記xおよびyは、xy平面で、
点C(x=0.0007,y=0.000001),
点D(x=0.005,y=0.000001),
点E(x=0.005,y=0.002),
点F(x=0.0007,y=0.0002)
を結ぶ直線で囲まれた領域の内部または線上にあることを特徴とする、誘電体セラミック。
【請求項2】
積層されている複数の誘電体層と、前記誘電体層間の特定の界面に沿って形成されている複数の内部電極と、を有する積層体と、前記積層体の外表面の互いに異なる位置に形成され、前記内部電極の特定のものと電気的に接続されている複数の外部電極と、を備える積層セラミックコンデンサにおいて、
前記誘電体層は、請求項1に記載の誘電体セラミックからなることを特徴とする、積層セラミックコンデンサ。



【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−213532(P2011−213532A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−82715(P2010−82715)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)
【Fターム(参考)】