識別コードを備える飲料を調製するためのカプセル
含まれる飲料材料から飲料を調製するためのカプセルであって、胴体(2)であり、前記飲料成分を受け取る少なくとも1つの区画と、前記胴体の中心軸(I)を横切る方向に外側へ延びるフランジ状のリム(4)とを備える、胴体(2)と、開口を閉じる膜(6)であり、フランジ状のリム上にシールされた、膜(6)と、2値情報を含み、飲料製造装置(20)のカメラ(11)によって読み取られるように構成された光学コード(7)とを具備し、光学コード(7)は、膜の中心(O)と同心の、膜の半径(R0)よりも小さな半径(R)を有する円形のエリア(8)内に記入された、直線状のボーダー(7a〜7d)を有する2次元バーコードであるカプセル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料を調製するためのカプセル及びシステムに関し、より具体的には、飲料製造装置内のカプセルを識別し、情報を提供し、及び/又は飲料調製装置内のパラメータを設定するためのコード(code)を備えるカプセルに関する。本発明はさらに、飲料分配装置内で飲料を調製するための情報をカプセルからユーザに提供する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
飲料製造機内のパラメータを設定するための識別コードを備えるカプセルシステムは以前に提案されている。例えば、加圧された水がカプセルに供給され、この水が飲料を調製するための材料と相互作用する特に設計された機械において、コーヒー、牛乳、チョコレート、茶又はこれらの材料の組合せを含むカプセル又はカートリッジが使用されている。このような機械はさまざまな圧力で動作する。
【0003】
国際公開第02/28241号パンフレットは、温かい飲料又は冷たい飲料を調製するためのカートリッジを記載しており、そのパケットは機械読取り可能な外観を含み、この外観は読み取られて、特定の淹出パケットに適した特定の淹出操作を使用するよう飲料製造装置に指示することができるようになっている。
【0004】
国際公開第02/074144号パンフレットは、飲料淹出装置認識システムを備える飲料淹出システムを開示しており、この飲料淹出装置認識システムは、飲料淹出システムに挿入された飲料淹出装置の存在の有無、タイプ及び/又は性能を、飲料淹出システムが認識することを可能にする。
【0005】
国際公開第02/078498号パンフレットには、挽いて粉にしたコーヒーを含むエスプレッソ機用の小分けパッケージの表面に回転対称に配置され、それによって小分けパッケージの略平坦な表面において識別子を容易且つ確実に読み取ることができる機械可読の識別子が記載されている。この小分けパッケージは、識別子が同軸に付与された略円形の底部を有するカプセルの一部分であることが好ましい。1つの問題は、コードを読み取るためには、カプセルが長い移動経路全体にわたり読み取られる必要があることであり、このことは、読取りを実行するためにカプセルを移動させることを強いる。さらに、コードが印刷された表面は一般に平坦ではなく、カプセル内の内部ガスの圧力のため凸形となっている。その結果として、コードがひずんでいることがあり、コードの読取りが不利な影響を受けることがある。最後に、このコードはごく限られた数の情報しか含んでおらず、このことがこの解決に対してあまり興味を惹くものとしていない。
【0006】
国際公開第02/078498号パンフレットにおける上記の問題など、可撓性の表面に印刷されたコードの問題を解決するため、欧州特許第1593329号などのように、装置の機械要素によって表面を平坦化することが試みられた。しかしながら、このような方法は、カプセルの破裂を引き起こす可能性があり、望ましくない機械的摩擦又はパッケージの偶発的な引裂きをも生じさせるおそれがある。
【0007】
欧州特許第1440640号は、少なくとも1つの範囲の飲料を調製する方法であって、少なくとも1つの飲料カートリッジを挿入するステップ、ユーザインタフェースを操作して操作サイクルを開始するステップ、従来一般のバーコードに基づいて特定の淹出サイクルを生成するステップ、飲料カートリッジに水性媒質を通して飲料を製造するステップであり、前記バーコードに基づいて、水性媒質の温度、予備浸潤、体積流量及びエアパージ(air purge)を設定するステップ、並びにある種のカートリッジ内に排出手段(eductor means)を挿入して飲料を泡立てるステップを含む、さまざまなステップを含む方法を記載している。
【0008】
他の解決策は、欧州特許第1715778号などのように、光学コードの代わりに無線周波コードを使用することからなる。しかしながら、この技術は、飲料カプセルなどの使い捨て容器に対してはまだ費用がかかりすぎる。
【0009】
国際公開第2009007292号パンフレットは、飲料ディスク又はサービスディスク上の1次元又は多次元パターンの画像を記録するための、飲料調製装置内の読取り装置の方法を記載しており、この飲料ディスク又はサービスディスクは、飲料調製装置の開いた淹出室に挿入され、調製操作又はサービス操作の開始前に、淹出室の閉鎖操作において、装填位置から閉鎖位置へ中間位置を経由して移される。この記録は、淹出室が閉じられる前に読取り装置が起動され、その結果、閉鎖位置に達する前にパターンの少なくとも1つの画像が記録されることによって達成される。この方法の問題は、画像処理が複雑であること、特に、いくつかの画像の比較が必要であることに起因する。
【0010】
先行技術のこれらのシステムは一般に、カプセルの識別コードの確実な読取りに問題がある。識別を向上させることが試みられているが、大部分の解決策は複雑であって他の問題を実現及び/又は発生させることになる。
【0011】
機械内での光学バーコードの正確な読取りを保証するためには一般に、カプセルを正確な向きに向け、飲料装置に正確に挿入しなければならない。例えば、欧州特許第1440640号では、カプセル認識手段による読取りを可能にするために、カプセルホルダ内においてカプセルを単一の正確な向きに配置しなければならない(該欧州特許文献の図40参照)。したがって、飲料製造装置の考えられ得る自動化には明白な限界があり、装置内でいくつかのカプセルを順番に読む必要がある場合には特にそうである。さらに、先行技術のカプセルシステムには、コードの記憶サイズが限られているという問題があり、この限られた記憶サイズは、カプセルと装置の間又はカプセルとユーザの間のコミュニケーションの範囲を大幅に狭める。
【発明の概要】
【0012】
本発明は、カプセルを識別し、情報を伝達し、パラメータを設定する単純で、確実で経済的な解決策を提供することによって先行技術のシステムの上記の問題を軽減する。この解決策はさらに、いくつかのカプセルから多成分飲料を調製するときなどに、挿入されたカプセルを確実に識別することがきわめて重要である、自動化された高スループット装置を含む任意の飲料製造装置内で実現することができる。本発明はさらに、飲料の調製期間中及び/又は調製期間外におけるユーザとの通信を改善する解決策を提供する。
【0013】
したがって、本発明は、含まれる飲料材料から飲料を調製するためのカプセルであって、
前記飲料材料を受け取る少なくとも1つの区画と、中心軸(I)を横切る方向に外側へ延びるフランジ(flange)状のリム(rim)とを備える胴体と、
フランジ状のリム上にシールされた、開口を閉じるための膜と、
2値情報を含み、飲料製造装置のカメラによって読み取られるように構成された光学コードと
を具備し、
光学コードは、膜の中心(O)と同心の、膜の半径よりも小さな半径を有する円形のエリア内に記入された、直線状のボーダーを有する2次元バーコードである、カプセルに関する。
【0014】
本発明のこの解決策はいくつかの利点を提供する。
【0015】
第1に、適切な検出を保証するのに、もはや、カプセルを、カプセルホルダ又はチャージャ(charger)に所定の向きに特に挿入する必要がない。カプセルの中心軸に対するカプセルの向きに関してある自由度が与えられる。これにより、装置へのカプセルの挿入が大幅に容易になる。
【0016】
第2に、特にその小さなサイズのため、パッケージを平坦にすることなしに、及びコードを読み取るために装置をカプセルに対して(又はカプセルを装置に対して)移動させることなしに、コードを識別することができる。したがって、カプセルが静止位置にある間にコードを読み取ることができ、それにより、装置を、より単純且つより信頼性の高いものにすることができる。さらに、先行技術の解決策に比べて、商標、色、ラベルなどのカプセルの視覚特性がそれほど影響を受けない。
【0017】
第3に、この2次元コードは、一般的な光学コードよりも多くの情報を含み、それにより、パラメータ化のより幅広い選択及び改良された通信を提供する。
【0018】
この2次元バーコードは、半径が15mm未満、好ましくは13mm未満の円形のエリア内に記入されていることが好ましい。その結果、カプセルが静止しており、カメラがカプセルの比較的に近くある間にカプセルの読取りを実施することができ、したがって、カプセルの読取りが、装置の単純性とコンパクト性の両方に影響を及ぼさない。
【0019】
さらに、この2次元コードは、膜の少なくとも1つの内側不透明層と外側透明層の間に配置される。その結果、このコードは、外部からの物理的及び/又は化学的な攻撃から保護され、さらに、その小さなサイズにもかかわらず、読取りに十分なコントラストを提供する。
【0020】
この2次元バーコードは、製品情報、認証データ、抽出パラメータ設定、URL及びこれらの組合せを含む情報を2値形式で含む。
【0021】
本発明の好ましい一実施形態において、この2次元バーコードは、目に見えないインクを使用してカプセルの表面に印刷される。これによって、カプセルの表面を目に見えるインクで自由に装飾することができるという利点が生まれ、このことは特に美感の点から有利である。目に見えないインクは一般に、塗布時又はその直後は人間の目には見えず、後に、ある手段によって目に見えるようにすることができ、又はカメラ、バーコードリーダなどの認識装置によってある条件下で(例えばUV光下で)見えるようになる、書込みに使用される物質として知られている。
【0022】
本発明はさらに、前記請求項のいずれか一項に記載のカプセルから飲料を調製するシステムであって、
カプセルを受け取るカプセルホルダを含むカプセルハンドリング手段と、識別/制御手段とを備える飲料製造装置
を具備し、
識別/制御手段は、ハンドリング手段に対して配置されたディジタルカメラであり、カプセルの表面に配置された2次元コードの画像を捕捉し、画像又は画像に関連した2値情報を識別/制御手段の制御ユニットに転送するように構成された、ディジタルカメラを備える
システムに関する。
【0023】
識別/制御手段のための前記手段は、前記画像又は2値情報から復号された形の製品情報を表示するように構成されたディスプレイを備えることができる。
【0024】
好ましい一形態において、このシステムは、さまざまな飲料類(例えばエスプレッソ(espresso)、ルンゴ(lungo)、ラテマキアート(latte macchiato)、カプチーノ(cappuccino)など)に対応するある範囲のカプセルを備える。前記範囲の少なくとも2つのカプセルに関して、それぞれのカプセルのコードは、そのカプセルの飲料類に関連した情報をコード化するように適合された異なるマトリックスサイズを有する。それにより、飲料製造装置のカメラも、識別されたカプセルがどの飲料類に属するのかを識別するために、少なくとも2つの異なるマトリックスサイズのバーコードを読み取るように構成されている。
【0025】
特定の一形態において、前記少なくとも2つのカプセルのコードは、飲料の名称の文字数によって異なるいくつかのビットを含むことができる。
【0026】
飲料製造装置のカプセルハンドリング手段は、移動可能に配置された下方のカプセルホルダ内にカプセルを導くためのスライダ(slider)又は管状フィーダ(feeder)を備えることが好ましい。飲料製造装置にカプセルを挿入すると、カプセルは重力によってカプセルホルダ内に落下し、カプセルホルダ内に配置され、カプセルホルダ内に配置されている間、カプセルのコードが配置された膜は、続いて行われる適切な識別のために露出した状態に置かれる。カメラは、カプセルハンドリング手段と液体注入手段の間の輸送経路上に置かれることが好ましい。さらに、カプセルを受け取ったカプセルホルダをディジタルカメラの前に移動させるため、カプセル輸送手段が配置される。このカプセル輸送手段は特に、モータによって駆動される搬送ベルトを備えることができる。
【0027】
本発明はさらに、飲料製造装置内で飲料を調製するための情報をカプセルからユーザに提供する方法であって、カプセルの表面に2次元バーコードを配置するステップと、そのバーコードの少なくとも1つの画像をディジタルカメラによって捕捉するステップと、前記画像からの復号された情報をディスプレイ上に表示するステップとを含む方法に関する。
【0028】
特に、このディジタルカメラは、飲料製造装置の一部とすることができ、及び/又は携帯電気通信端末とすることができる。
【0029】
表示される情報は、直接の情報及び/又はウェブアドレスを含む。直接の情報は、本質的に、製品情報、抽出パラメータ、使用説明など、バーコードに含まれるデータから直接に得られる情報を意味する。
【0030】
以下の図面の説明では本発明の追加の特徴及び利点を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明のカプセルの側面図である。
【図2】図1のカプセルの上面図である。
【図2a】図2の拡大図である。
【図2b】第1の変型実施形態に基づく図2の拡大図である。
【図2c】第2の変型実施形態に基づく図2の拡大図である。
【図2d】第3の変型実施形態に基づく図2の拡大図である。
【図3】本発明の装置内において読取りモードにあるカプセルを示す図である。
【図4】本発明の装置内において読取りモードで読み取られているときのカプセルの上面図である。
【図5】装置内においてカプセルが挿入モードにあるときの本発明のシステムを示す図である。
【図6】カプセルが読取りモードにあるときの図5のシステムを示す図である。
【図7】カプセルが抽出モードにあるときの図5のシステムを示す図である。
【図8】本発明のカプセルシステムを使用した移動電気通信端末との通信方法を示す図である。
【図9】移動電気通信端末を使用したカプセル上のバーコードの処理を示す図である。
【図10】携帯電気通信装置による、飲料製造装置上に表示された画像からの情報の取得を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明は、飲料材料を含むカプセルであって、液体を注入し、その液体をこれらの材料と相互作用させることによって飲料を調製するためのカプセルに関する。飲料材料は、焙煎し挽いて粉にしたコーヒー、インスタントコーヒー、茶葉、即席茶、ココア、乳製品クリーマ(creamer)又は非乳製品クリーマ、チコリ(chicory)、果実又は野菜抽出物、料理抽出物(culinary extract)及びこれらの組合せを含む。甘味料、香味料、増粘剤、食用キャリア(edible carrier)、色素、起泡剤、安定剤、緩衝剤、乳化剤、加工助剤及びこれらの組合せなどの添加物を適量加えてもよい。用語「カプセル」は一般に使い捨ての飲料パッケージをいい、このパッケージは、カートリッジ、ポッド(pod)又はパッド、サシェ(sachet)などを含む、硬質、半硬質、時に可撓性とすることができ、飲料製造機内で、加圧されたある温度(高温、低温又は室温)の液体、通常は水を注入することによって、パッケージ内に含まれる材料と相互作用させ、液体製品又は部分液体製品(すなわち飲料)をパッケージから送出するために使用される。液体と材料の間の相互作用は、抽出、溶解、希釈、浸出、分散、混合、乳化及びこれらの組合せによって生じさせることができる。
【0033】
カプセル1は一般に、飲料材料を受け取る少なくとも1つの内部区画を備える胴体2を具備する。この胴体は、より大きな面と送出ダクト3によって終わるより狭い面とを有する実質的に円錐台形のカップなど、中心軸Iの回転体の形態とすることができる。そのより大きな面に、胴体は、中心軸Iを横切る方向に外側へ延びるフランジ状のリム4を備える。胴体は上面膜5によって閉じられており、上面膜5は、フランジ状のリム4上にシールされ、それによって胴体とともに内部区画を画定する。欧州特許第1472156号に記載されているように、このカプセルは、内側に、送出ダクトのところの閉鎖壁を開く手段を備えることができる。
【0034】
図2を参照すると、図1のカプセルの上面図が示されており、この図は、膜5と、フランジ状のリム上にシールされた膜5の環状部分6とを示している。この膜が平坦である必要は必ずしもない。気密性の膜は時に、ガス(二酸化炭素、窒素など)の内圧のためにわずかに外側へ膨らむ。膜は軸中心「O」を含む。軸中心「O」は、中心軸「I」が膜の表面と交わる点を表す。
【0035】
図2aに関してより明らかに示されているとおり、膜5はDataMatrix光学コード7を備え、DataMatrix光学コード7は、後に説明するように飲料製造装置のカメラによって読み取られるように構成された2値情報を含む。この光学コードは、直線状の縁7a、7b、7c、7dを有する2次元バーコードである。それ自体が知られているとおり、図示のバーコードは、ビットを表す小さな正方形のセル(セルが明色の場合には「0」、セルが暗色の場合には「1」、又はその逆)からなるマトリックス形コードである。左ボーダー7aと下ボーダー7bは「L」字の形状をなし、このL字の形状はファインダパターン(finder pattern)として知られており、コードを見つけ、コードの向きを確認するために使用される。上ボーダー7cと右ボーダー7dはタイミングパターン(timing pattern)を表し、このパターンは、コードのマトリックスサイズを決めるビット数のカウントを提供する。このような特定のコードのコード化はISO規格ISO/IEC16022により詳細に記載されている。
【0036】
本発明によれば、光学コード7は、円形のエリア8(点線の円によって図示されている)内に記入される。円形のエリア8の中心は膜の中心「O」と同心であり、円形のエリア8の半径「R」は、膜の半径「R0」の好ましくは少なくとも1.5倍小さく、より好ましくは少なくとも2倍小さい。定義により、コードのどの角も円形のエリアの境界を超えていないとき、そのコードは円形のエリア8内に記入されていると言う。半径「R0」は、シールされた部分6を含む膜全体の半径を表す。
【0037】
図2aの例では、このコードが、長さの等しい4つのボーダー7a〜7dから形成されており、それによりこのコードは正方形をなし、その4つの角は、円形のエリア(すなわち点線の円)の境界と交わっている。
【0038】
図2bの例では、このコードが、円形のエリアの境界と交わる4つの角を有する長方形から形成されている。それにより、この長方形のコードの長辺が、円形のエリア(すなわち点線の円)の境界と交わっている。
【0039】
図2cの例では、このコードが、中心が中心「O」からずれてはいるが、それでも、中心が膜の中心「O」と同心の円形のエリア内には記入されている正方形のコードから形成されている。特に、この正方形のコードは、1つの角が、円形のエリア(すなわち点線の円)の境界と交わっている。
【0040】
図2dの例では、このコードが、中心が中心「O」からずれてはいるが、それでも、中心が膜の中心「O」と同心の円形のエリア内には記入されている長方形のコードから形成されている。特に、この長方形のコードは、1つの角が、円形のエリア(すなわち点線の円)の境界と交わっている。
【0041】
コードを受けた後に、膜は、速い調子で切断され、胴体にシールされ、それによって製造時に膜のセンタリングを保証することができないため、コードが中心からずれるのが一般的である。一般に、中心Oからのコードの中心のずれは最大値で約5mmになる可能性がある。
【0042】
これらの全ての例で、円形のエリア8の半径「R」は膜の半径「R0」よりもはるかに小さい。したがって、この円形のエリアは、本発明の利点、特に後に説明するカプセルの全ての角度的位置における確実な検出を提供するために考慮する必要があるコードの位置制限ゾーンを決定する。エリア8の境界は仮想のものでしかなく(点線によって示されている)、カプセル上で見える必要はない。このバーコードは、以前に定義した半径「R」が15mm未満、好ましくは13mm未満、最も好ましくは3mm〜11mmの間の円形のエリア8内に記入されることが好ましい。より好ましい設計では、このバーコードが、120mm2未満、最も好ましくは20mm2〜90mm2の間の表面積を有する。この下限は、本質的に、読取り検出技術の制約、及び膜の表面又は膜の内部に印刷している間のコードの可能な視覚的欠陥によって導かれる。
【0043】
本発明が、図示したDataMatrixコードだけに限定されるというわけでは必ずしもなく、本発明は、正方形又は長方形のパターンに配置された白と黒のモジュール又はカラーモジュールを含むマトリックス形コードからなり、以下のコード規格のうちの任意のコード規格を含む任意の2次元バーコードと一緒に使用することができる:DataMatrixコード、Semacode、Quick Response(「QR」)コード、Aztecコード、Maxi−code及びEZ−code。これらのコードは全て同じ2次元原理を使用しているが、異なるコード化アルゴリズム、並びに画像で隠された正方形、ドット、円などの記号のパターン及びそれらの記号を組み合わせたパターンを含む異なる記号表示を使用している。
【0044】
このバーコードは、飲料に関連した情報(すなわち「製品情報)、飲料製造装置内での飲料の調製に関するパラメータ、更新ビット、エラービット及び光学的基準ビットを記憶するのに十分なマトリックスサイズを有するように設計されている。マトリックスサイズ(すなわちビットの数を表す行数×列数)は、10×10〜22×22の間、好ましくは12×12〜18×18の間であることが好ましい。
【0045】
バーコードは、引っかき、高温の液体などから保護するために膜4の層間に挿入された肉眼で見えるパターンとすることができる。特に、膜は、少なくとも1つの内側不透明層及び少なくとも1つの透明又は半透明層を備え、これらの2つの層の間にコードが挿入されることが好ましい。例えば、バーコードは、前記内側層若しくは外側層の表面に直接に印刷することができ、又は、これらの2つの層間に挿入されたラベルに印刷することができる。不透明層は、PP、PE、PET及びこれらの組合せの中から選択されたポリマーでできていることが好ましい。外側層はPETの中から選択されることが好ましい。例えば、膜は、それぞれ70ミクロン及び12ミクロンのPP及びPETの2つの不透明層、並びに約10〜20ミクロンのPETの1つの外側透明層を備える。
【0046】
可能な代替策では、バーコードを、特別なインクで印刷された場合など、肉眼では見えないパターンとし、UVなどの特定の光周波数範囲内で読むことができるようにすることができる。特に、目に見えない特定のパターンを使用して、本物のカプセルを偽造カプセルから区別することができる。
【0047】
製品情報に関しては、カプセルの識別を可能にするコードに、飲料の名称に関する情報を記憶することができる。それによって、飲料のフルネームを、最大125ビットを利用するコードの2値部分として取得可能にすることができる。カプセルの有効期限などの他の製品情報を、コードの他のビットを使用してこのコードに記憶することもできる。
【0048】
したがって、文字列、文字数字列などの飲料の名称(「エスプレッソ」、「ルンゴ」、「カプチーノ」、「ラテマキアート」など)をビット列としてコードに記憶することができる。次いで、その名称を、例えば調製前及び/又は調製中に、装置に接続されたディスプレイ12又は装置の一部であるディスプレイ12に表示することができる。
【0049】
可能な一モードでは、この2Dバーコードが、ディスプレイ及び通信手段を介してカプセルの供給業者のウェブサイトなどのウェブサイトにユーザを接続することを可能にするURL(Uniform Resource Locator)アドレスを含む。この通信手段は、ディジタルカメラ機能を有する携帯電話、PDAなどの移動電気通信装置とすることができ、又は飲料製造装置に埋め込むことができる。そのために、飲料製造装置は、インターネット送信器及びインターネットブラウザを介してウェブサイトにアクセスするように構成された通信ユニットを備える。したがって、最新の商業上の提案、広告、製品情報などの情報サービスを容易に表示することができ、又はカプセル注文サービス(例えばウェブサイト上に置かれた仮想店舗上のカプセル注文サービス)をディスプレイを通してユーザに提供することができる。
【0050】
装置設定パラメータに関して、この2Dバーコードは、以下のような情報を記憶するためのビットを含む。
水温、例えば高温、温かい温度、室温、低温
飲料の量、例えば25、40、110、150、250、500mLなど
材料の性質、例えば焙煎し挽いて粉にしたコーヒー、可溶性材料、ハーブ茶など
カプセルを空にする操作、特に可溶性材料に対する操作
カプセルのタイプ、例えばシングル、ツーインワン、ドッピオ(doppio)など
浸出時間、特に浸出材料に対する浸出時間
データベースを参照するそれぞれのカプセルに対するシリアル番号
更新データ及びこれらの組合せ
【0051】
図3に示すように、飲料製造装置はカプセル識別/制御手段9を備える。カプセル識別/制御手段9の機能は、飲料製造装置のパラメータを識別し、飲料製造装置のパラメータを設定し、任意選択で、インターネットへの方向付けされたアクセスなどの情報及び付加価値サービスをユーザに提供することである。カプセル識別/制御手段9は、中央制御装置又はいくつかの制御装置などの制御ユニット10、ディジタルカメラ11、1つ若しくはいくつかのユニットとして1つに連結し又は統合することができる任意選択のディスプレイ12、及び任意選択の通信ユニット19を備える。制御ユニット10は、一般的な意味において、識別/制御手段の異なるモジュール及びユニット並びにヒータ、ポンプなどの装置の抽出システムの異なるモジュール及びユニットを動かす能力を有するプロセッサ、メモリ、プログラム及びアルゴリズム、入出力インタフェースを含む1つ又はいくつかのユニットを含むとみなされる。通信制御を抽出システムの制御から分離するために、別個の制御モジュールを設計することができる。プログラム及びアルゴリズムは、カメラ用の復号アプリケーションを含むことができる。
【0052】
制御ユニットは、抽出パラメータ、飲料、インターネット通信などに対するさまざまな選択に関する入力を受け取るユーザインタフェースをさらに備えることができる。
【0053】
ディスプレイは例えば、LCDスクリーン、プラズマスクリーン若しくはタッチスクリーンとすることができ、又は、コンピュータ、ラップトップ、移動電気通信端末、例えば移動電話、Ipod、PDAなど、及び他の同等の通信装置などの形態の制御ユニット10並びに/若しくは通信ユニット19に結合することができる。通信ユニット19は例えば、外部サーバ及び/又は外部端末との通信を可能にするイントラネット接続、wifi及び/又はBluetooth接続を備えることができる。
【0054】
カメラ11は、光学像を捕捉し、それをディジタル化して2進データとして表された電子画像とする任意の入力装置とすることができる。このカメラは、一般にイメージセンサ17(例えばCCD)と、カメラの画像捕捉ゾーンを整形し、集束させ、鮮鋭にする光学レンズ及び絞り14と、カメラ11に関連づけ又は制御ユニット内に配置することができるプロセッサとを備えるディジタルカメラとして設計される。このカメラを、カプセルが装置内で移動している間にバーコードの画像を撮影する能力を有するフラッタシャッタカメラ(flutter shutter camera)として設計してもよい。このカメラを、カプセルのバーコードを読み取るときに装置に対して移動することができるスキャナとして設計することもできる。このカメラを可搬式カメラとし、装置の割り当てられた位置にプラグ接続することもできる。
【0055】
図4に示すように、このカメラは、長方形のゾーン15によって示されているカプセルの膜上の装置の画像捕捉ゾーンが、バーコードが記入された以前に定義した円形のエリア8を包含するように、カプセルに対して配置される。画像捕捉ゾーンは、円形のエリア8の表面積よりも約10%〜300%幅広にすることができ、長方形、正方形、円形など、カメラのタイプに応じた適当な多角形ゾーンとすることができる。このカメラは、さまざまな位置(「O」と同心の又は中心が「O」からずれた位置)、さまざまなマトリックスサイズ及び可能にはさまざまな形状(正方形又は長方形)のバーコードを捕捉するのに十分な幅の画像捕捉ゾーンを提供するように構成されていることが好ましい。画像捕捉ゾーンの鮮明度は、レンズ及び絞りの特性、カメラとコードの間の距離、CCD及びシャッタの特性など、さまざまなパラメータに依存する。用途によっては、異なる飲料類(例えばエスプレッソ、ルンゴ、カプチーノなど)に対応する異なるカプセルの製品情報に対して、サイズの異なる2つのバーコードが必要である。飲料の名称があまりに長いとき、又は飲料レシピが複雑なため追加の説明が必要なときには、より大きなサイズのコードが必要になることがある。
【0056】
図5に示す飲料製造システムは、カプセル1と、カプセル識別/制御手段9を含む飲料製造装置20とを備える。好ましい一モードでは、装置20が、装置にカプセルを挿入し、装置の液体注入ユニット22までカプセルを輸送することを可能にするカプセルハンドリング手段21を備える。そのために、カプセルハンドリング手段は、装置に挿入されたカプセルを重力によってカプセルホルダ24内へ導くスライダ、チャージャ23などの重力挿入手段23を備える。この重力挿入手段は、図示されているように「スライダ」を使用してカプセルの上面膜が実質的に垂直にされているか又は傾けられている間にカプセルを受け取ることができることに留意すべきである。或いは、欧州特許第1593326号に記載されたカプセル選択機構などの管状フィーダを使用して装置内に落下させたときに、カプセルが実質的に水平になるようにすることもできる。次いで、カプセルはカプセルホルダ24内へ落下し、図6に示すようにカプセルの膜が実質的に水平になる位置でカプセルを回収することできる。カプセルホルダは輸送手段25に関連づけられており、輸送手段25は、カプセルを、挿入ゾーンから、カメラ11の下にカプセルが配置され、バーコードとカメラが予め決められた距離を隔てて向かい合う識別ゾーンまで移動させる。この輸送手段は、カプセルホルダを直線的に及び/又は回転するように駆動する適当な任意のキャリアを備えることができる。例えば、この輸送手段は、カプセルホルダを支持した搬送ベルト27を直線的に駆動するモータ26を備える。カメラ11の下に配置されたときに、この輸送手段を止めて、カプセルの膜上に配置されたバーコード7の少なくとも1つの画像を捕捉することができる。或いは、ディジタルフラッタシャッタカメラを使用して、カプセルホルダが挿入ゾーンから液体注入ゾーンへ移動している間に画像捕捉操作を実行することもできる。
【0057】
識別後、制御ユニットは輸送手段25を起動して、カプセルホルダを液体注入ゾーンへ移動させる。この装置は、液体注入ゾーンに、閉鎖プレート(closure plate)29と液体注入器30とを備える液体注入手段28を具備し、液体注入器30は、カプセルホルダと閉鎖プレート29の間の相対移動などによってカプセル上でカプセルと係合する。係合すると、液体注入器はカプセルの区画と連通して、カプセル内に液体を供給することを可能にする。それ自体が知られているとおり、液体注入手段28は流体供給手段31に流体接続されており、流体供給手段31は、水タンク32、識別されたカプセルに応じてカプセルに注入する適量の液体を計量する液体計量手段33(例えばピストンポンプ)、及び液体ヒータ34を含む。飲料の調製に使用する液体は一般に水である。流体供給手段はさらに、抽出操作後にカプセルから残液を除く空気ポンプなどのガス供給手段35を備えることができる。液体供給手段の選択的起動、特に液体計量手段33、ヒータ34及びガス供給手段35の選択的起動は、コードに記憶された装置設定パラメータに従って識別/制御手段9が制御する。
【0058】
これらのさまざまな操作の間、さまざまな機能を操作し及び/又は情報を提供するようユーザを促すように、ディスプレイを制御することができる。例えば、飲料製造装置にカプセルを挿入する前に、制御ユニットは、ディスプレイ12を介して、抽出操作を開始するためにカプセルを装置に挿入するようユーザに促す(図5)。識別/制御手段のカプセル存在センサ36は、ハンドリング手段、例えばスライダ、管状フィーダ又はカプセルホルダ内にカプセルが存在することを確認することができる。カプセルが検出された場合には輸送手段を起動することができ、及び/又はカプセルを挿入するよう促すプロンプトメッセージをディスプレイから消去することができる。
【0059】
既に述べたとおり、カメラ11がカプセルを識別した後(図3)、製品情報が復号され、制御ユニットは、飲料の名称などのその製品情報に関連したディスプレイ12上のメッセージを指令することができ、及び/又はこのような復号された情報は、制御ユニットのメモリに含まれる追加の情報若しくは遠隔データベースから通信ユニット19が取り出した情報を表示するプログラムを開始することができる。このような追加の情報は、広告、栄養情報、コーヒー材料又は茶材料の産地に関する情報などである。
【0060】
抽出操作(図7)では、製品情報、使用説明、抽出情報などの追加の情報をディスプレイ12に表示することができる。例えば、カプセル識別中又はカプセル識別後に表示される製品情報はその段階でのみ開始することができ、又は継続することもできる。使用説明は、抽出手順に関連したステップを実施するようユーザに促すために表示することができる。例えば、カプセルから飲料材料が出終わるのを待つよう促すプロンプトを表示することができる。また、2つ以上のカプセルが必要なカプチーノ、ラテマキアートなどの飲料を2つ以上の飲料材料から調製するときに、第2のカプセルを挿入するよう促すプロンプトを表示することもできる。抽出情報は、飲料又は注入する液体の温度、圧力、飲料の量などに関する情報を含むことができる。この情報はさらに、工程中の適当な時期に表示することができる。
【0061】
図8に示す可能な用途では、例えば製品情報、コード化されたURLアドレスに対応する商用ウェブサイトへのリンクなどの情報を移動電気通信端末40のディスプレイ41に表示するために、飲料製造装置の通信ユニットを介してユーザの移動電気通信端末40と通信して情報を交換するように、飲料製造装置が構成される。
【0062】
図9に示すように、飲料製造装置にカプセルを挿入する前に、コードに含まれる製品情報及びURLを、移動電気通信端末40によって読み取ることもできる。そのために、移動電気通信端末は、ディジタルカメラ42及び復号アプリケーションを必要とする。復号アプリケーションは、ユーザが端末にダウンロードすることができ、又は予めロードしておいてもよい。このローディングアプリケーションは、カプセル上の2Dバーコードを読み取り、そのバーコードから使用可能な情報を復号するように構成されている。コードのあるビットにしかユーザがアクセスできないことがあることに留意すべきである。これは、他のビットが秘密ビットであるか又は無用なビットであることがあるためのである。それにより、コードから適切なデータを選択するアルゴリズム又はソフトウェアが端末に提供される。このようなアルゴリズム又はソフトウェアは、復号アプリケーションの一部としてダウンロードすることができる。Kaywa readerなど、マトリックス形コードを復号するさまざまなアプリケーションが既に存在する。さまざまなサービスをより魅力的に又はより直観的に表示するため、メニュー及びサブメニュー、グラフィックス、画像、ムービー、アバターなどを含むように、ソフトウェアを調整することもできる。
【0063】
本発明は、飲料製造装置にカプセルを挿入する前などに、製品情報、例えば栄養含有量、製品レシピなどを得ることができ、又は端末がインターネットブラウザ及び送信器を有する場合に関連ウェブサイトにアクセスすることができるという利益をユーザに提供する。例えば、ウェブサイトへのこの直接の高速なリンクは、新たなカプセル又は付属品を注文するなどの取引を実行すること、コンテスト、プロモーションに参加すること、販売後顧客コール又はコールセンターにアクセスすることなどを可能にする。
【0064】
他の例として、2つ以上のカプセルを使用するカプチーノ、ラテマキアートなどの多成分飲料を調製するためのレシピをユーザに対して表示することもできる。
【0065】
例えば抽出パラメータ化ソフトウェア、使用説明ソフトウェア、復号アプリケーション及びこれらの組合せに関して移動電気通信端末を更新するために、移動電気通信端末は、遠隔サーバから情報をダウンロードし、続いてその情報を飲料製造装置の制御ユニットにアップロードする役目を果たすことができることにも留意すべきである。
【0066】
2Dバーコードを備えるカプセルの別の用途を図10に示す。この用途では、飲料製造装置20が、飲料製造装置20のディジタルカメラ11によって捕捉した2Dバーコードの画像50を飲料製造装置20のディスプレイ12に表示するように構成されている。この画像は、2Dバーコード7の全体又は部分の同じサイズ又は異なるサイズの複製物とすることができる。バーコード画像50が表示されたときに、携帯電気通信装置40によってこの画像を再捕捉し、復号アプリケーションによって復号し、さまざまな通信ソフトウェアを使用して処理することができる。
【0067】
当然ながら、本発明は、記載した好ましい実施形態だけに限定されるものではなく、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲に含まれる他の等価の実施形態にまで及ぶ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料を調製するためのカプセル及びシステムに関し、より具体的には、飲料製造装置内のカプセルを識別し、情報を提供し、及び/又は飲料調製装置内のパラメータを設定するためのコード(code)を備えるカプセルに関する。本発明はさらに、飲料分配装置内で飲料を調製するための情報をカプセルからユーザに提供する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
飲料製造機内のパラメータを設定するための識別コードを備えるカプセルシステムは以前に提案されている。例えば、加圧された水がカプセルに供給され、この水が飲料を調製するための材料と相互作用する特に設計された機械において、コーヒー、牛乳、チョコレート、茶又はこれらの材料の組合せを含むカプセル又はカートリッジが使用されている。このような機械はさまざまな圧力で動作する。
【0003】
国際公開第02/28241号パンフレットは、温かい飲料又は冷たい飲料を調製するためのカートリッジを記載しており、そのパケットは機械読取り可能な外観を含み、この外観は読み取られて、特定の淹出パケットに適した特定の淹出操作を使用するよう飲料製造装置に指示することができるようになっている。
【0004】
国際公開第02/074144号パンフレットは、飲料淹出装置認識システムを備える飲料淹出システムを開示しており、この飲料淹出装置認識システムは、飲料淹出システムに挿入された飲料淹出装置の存在の有無、タイプ及び/又は性能を、飲料淹出システムが認識することを可能にする。
【0005】
国際公開第02/078498号パンフレットには、挽いて粉にしたコーヒーを含むエスプレッソ機用の小分けパッケージの表面に回転対称に配置され、それによって小分けパッケージの略平坦な表面において識別子を容易且つ確実に読み取ることができる機械可読の識別子が記載されている。この小分けパッケージは、識別子が同軸に付与された略円形の底部を有するカプセルの一部分であることが好ましい。1つの問題は、コードを読み取るためには、カプセルが長い移動経路全体にわたり読み取られる必要があることであり、このことは、読取りを実行するためにカプセルを移動させることを強いる。さらに、コードが印刷された表面は一般に平坦ではなく、カプセル内の内部ガスの圧力のため凸形となっている。その結果として、コードがひずんでいることがあり、コードの読取りが不利な影響を受けることがある。最後に、このコードはごく限られた数の情報しか含んでおらず、このことがこの解決に対してあまり興味を惹くものとしていない。
【0006】
国際公開第02/078498号パンフレットにおける上記の問題など、可撓性の表面に印刷されたコードの問題を解決するため、欧州特許第1593329号などのように、装置の機械要素によって表面を平坦化することが試みられた。しかしながら、このような方法は、カプセルの破裂を引き起こす可能性があり、望ましくない機械的摩擦又はパッケージの偶発的な引裂きをも生じさせるおそれがある。
【0007】
欧州特許第1440640号は、少なくとも1つの範囲の飲料を調製する方法であって、少なくとも1つの飲料カートリッジを挿入するステップ、ユーザインタフェースを操作して操作サイクルを開始するステップ、従来一般のバーコードに基づいて特定の淹出サイクルを生成するステップ、飲料カートリッジに水性媒質を通して飲料を製造するステップであり、前記バーコードに基づいて、水性媒質の温度、予備浸潤、体積流量及びエアパージ(air purge)を設定するステップ、並びにある種のカートリッジ内に排出手段(eductor means)を挿入して飲料を泡立てるステップを含む、さまざまなステップを含む方法を記載している。
【0008】
他の解決策は、欧州特許第1715778号などのように、光学コードの代わりに無線周波コードを使用することからなる。しかしながら、この技術は、飲料カプセルなどの使い捨て容器に対してはまだ費用がかかりすぎる。
【0009】
国際公開第2009007292号パンフレットは、飲料ディスク又はサービスディスク上の1次元又は多次元パターンの画像を記録するための、飲料調製装置内の読取り装置の方法を記載しており、この飲料ディスク又はサービスディスクは、飲料調製装置の開いた淹出室に挿入され、調製操作又はサービス操作の開始前に、淹出室の閉鎖操作において、装填位置から閉鎖位置へ中間位置を経由して移される。この記録は、淹出室が閉じられる前に読取り装置が起動され、その結果、閉鎖位置に達する前にパターンの少なくとも1つの画像が記録されることによって達成される。この方法の問題は、画像処理が複雑であること、特に、いくつかの画像の比較が必要であることに起因する。
【0010】
先行技術のこれらのシステムは一般に、カプセルの識別コードの確実な読取りに問題がある。識別を向上させることが試みられているが、大部分の解決策は複雑であって他の問題を実現及び/又は発生させることになる。
【0011】
機械内での光学バーコードの正確な読取りを保証するためには一般に、カプセルを正確な向きに向け、飲料装置に正確に挿入しなければならない。例えば、欧州特許第1440640号では、カプセル認識手段による読取りを可能にするために、カプセルホルダ内においてカプセルを単一の正確な向きに配置しなければならない(該欧州特許文献の図40参照)。したがって、飲料製造装置の考えられ得る自動化には明白な限界があり、装置内でいくつかのカプセルを順番に読む必要がある場合には特にそうである。さらに、先行技術のカプセルシステムには、コードの記憶サイズが限られているという問題があり、この限られた記憶サイズは、カプセルと装置の間又はカプセルとユーザの間のコミュニケーションの範囲を大幅に狭める。
【発明の概要】
【0012】
本発明は、カプセルを識別し、情報を伝達し、パラメータを設定する単純で、確実で経済的な解決策を提供することによって先行技術のシステムの上記の問題を軽減する。この解決策はさらに、いくつかのカプセルから多成分飲料を調製するときなどに、挿入されたカプセルを確実に識別することがきわめて重要である、自動化された高スループット装置を含む任意の飲料製造装置内で実現することができる。本発明はさらに、飲料の調製期間中及び/又は調製期間外におけるユーザとの通信を改善する解決策を提供する。
【0013】
したがって、本発明は、含まれる飲料材料から飲料を調製するためのカプセルであって、
前記飲料材料を受け取る少なくとも1つの区画と、中心軸(I)を横切る方向に外側へ延びるフランジ(flange)状のリム(rim)とを備える胴体と、
フランジ状のリム上にシールされた、開口を閉じるための膜と、
2値情報を含み、飲料製造装置のカメラによって読み取られるように構成された光学コードと
を具備し、
光学コードは、膜の中心(O)と同心の、膜の半径よりも小さな半径を有する円形のエリア内に記入された、直線状のボーダーを有する2次元バーコードである、カプセルに関する。
【0014】
本発明のこの解決策はいくつかの利点を提供する。
【0015】
第1に、適切な検出を保証するのに、もはや、カプセルを、カプセルホルダ又はチャージャ(charger)に所定の向きに特に挿入する必要がない。カプセルの中心軸に対するカプセルの向きに関してある自由度が与えられる。これにより、装置へのカプセルの挿入が大幅に容易になる。
【0016】
第2に、特にその小さなサイズのため、パッケージを平坦にすることなしに、及びコードを読み取るために装置をカプセルに対して(又はカプセルを装置に対して)移動させることなしに、コードを識別することができる。したがって、カプセルが静止位置にある間にコードを読み取ることができ、それにより、装置を、より単純且つより信頼性の高いものにすることができる。さらに、先行技術の解決策に比べて、商標、色、ラベルなどのカプセルの視覚特性がそれほど影響を受けない。
【0017】
第3に、この2次元コードは、一般的な光学コードよりも多くの情報を含み、それにより、パラメータ化のより幅広い選択及び改良された通信を提供する。
【0018】
この2次元バーコードは、半径が15mm未満、好ましくは13mm未満の円形のエリア内に記入されていることが好ましい。その結果、カプセルが静止しており、カメラがカプセルの比較的に近くある間にカプセルの読取りを実施することができ、したがって、カプセルの読取りが、装置の単純性とコンパクト性の両方に影響を及ぼさない。
【0019】
さらに、この2次元コードは、膜の少なくとも1つの内側不透明層と外側透明層の間に配置される。その結果、このコードは、外部からの物理的及び/又は化学的な攻撃から保護され、さらに、その小さなサイズにもかかわらず、読取りに十分なコントラストを提供する。
【0020】
この2次元バーコードは、製品情報、認証データ、抽出パラメータ設定、URL及びこれらの組合せを含む情報を2値形式で含む。
【0021】
本発明の好ましい一実施形態において、この2次元バーコードは、目に見えないインクを使用してカプセルの表面に印刷される。これによって、カプセルの表面を目に見えるインクで自由に装飾することができるという利点が生まれ、このことは特に美感の点から有利である。目に見えないインクは一般に、塗布時又はその直後は人間の目には見えず、後に、ある手段によって目に見えるようにすることができ、又はカメラ、バーコードリーダなどの認識装置によってある条件下で(例えばUV光下で)見えるようになる、書込みに使用される物質として知られている。
【0022】
本発明はさらに、前記請求項のいずれか一項に記載のカプセルから飲料を調製するシステムであって、
カプセルを受け取るカプセルホルダを含むカプセルハンドリング手段と、識別/制御手段とを備える飲料製造装置
を具備し、
識別/制御手段は、ハンドリング手段に対して配置されたディジタルカメラであり、カプセルの表面に配置された2次元コードの画像を捕捉し、画像又は画像に関連した2値情報を識別/制御手段の制御ユニットに転送するように構成された、ディジタルカメラを備える
システムに関する。
【0023】
識別/制御手段のための前記手段は、前記画像又は2値情報から復号された形の製品情報を表示するように構成されたディスプレイを備えることができる。
【0024】
好ましい一形態において、このシステムは、さまざまな飲料類(例えばエスプレッソ(espresso)、ルンゴ(lungo)、ラテマキアート(latte macchiato)、カプチーノ(cappuccino)など)に対応するある範囲のカプセルを備える。前記範囲の少なくとも2つのカプセルに関して、それぞれのカプセルのコードは、そのカプセルの飲料類に関連した情報をコード化するように適合された異なるマトリックスサイズを有する。それにより、飲料製造装置のカメラも、識別されたカプセルがどの飲料類に属するのかを識別するために、少なくとも2つの異なるマトリックスサイズのバーコードを読み取るように構成されている。
【0025】
特定の一形態において、前記少なくとも2つのカプセルのコードは、飲料の名称の文字数によって異なるいくつかのビットを含むことができる。
【0026】
飲料製造装置のカプセルハンドリング手段は、移動可能に配置された下方のカプセルホルダ内にカプセルを導くためのスライダ(slider)又は管状フィーダ(feeder)を備えることが好ましい。飲料製造装置にカプセルを挿入すると、カプセルは重力によってカプセルホルダ内に落下し、カプセルホルダ内に配置され、カプセルホルダ内に配置されている間、カプセルのコードが配置された膜は、続いて行われる適切な識別のために露出した状態に置かれる。カメラは、カプセルハンドリング手段と液体注入手段の間の輸送経路上に置かれることが好ましい。さらに、カプセルを受け取ったカプセルホルダをディジタルカメラの前に移動させるため、カプセル輸送手段が配置される。このカプセル輸送手段は特に、モータによって駆動される搬送ベルトを備えることができる。
【0027】
本発明はさらに、飲料製造装置内で飲料を調製するための情報をカプセルからユーザに提供する方法であって、カプセルの表面に2次元バーコードを配置するステップと、そのバーコードの少なくとも1つの画像をディジタルカメラによって捕捉するステップと、前記画像からの復号された情報をディスプレイ上に表示するステップとを含む方法に関する。
【0028】
特に、このディジタルカメラは、飲料製造装置の一部とすることができ、及び/又は携帯電気通信端末とすることができる。
【0029】
表示される情報は、直接の情報及び/又はウェブアドレスを含む。直接の情報は、本質的に、製品情報、抽出パラメータ、使用説明など、バーコードに含まれるデータから直接に得られる情報を意味する。
【0030】
以下の図面の説明では本発明の追加の特徴及び利点を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明のカプセルの側面図である。
【図2】図1のカプセルの上面図である。
【図2a】図2の拡大図である。
【図2b】第1の変型実施形態に基づく図2の拡大図である。
【図2c】第2の変型実施形態に基づく図2の拡大図である。
【図2d】第3の変型実施形態に基づく図2の拡大図である。
【図3】本発明の装置内において読取りモードにあるカプセルを示す図である。
【図4】本発明の装置内において読取りモードで読み取られているときのカプセルの上面図である。
【図5】装置内においてカプセルが挿入モードにあるときの本発明のシステムを示す図である。
【図6】カプセルが読取りモードにあるときの図5のシステムを示す図である。
【図7】カプセルが抽出モードにあるときの図5のシステムを示す図である。
【図8】本発明のカプセルシステムを使用した移動電気通信端末との通信方法を示す図である。
【図9】移動電気通信端末を使用したカプセル上のバーコードの処理を示す図である。
【図10】携帯電気通信装置による、飲料製造装置上に表示された画像からの情報の取得を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明は、飲料材料を含むカプセルであって、液体を注入し、その液体をこれらの材料と相互作用させることによって飲料を調製するためのカプセルに関する。飲料材料は、焙煎し挽いて粉にしたコーヒー、インスタントコーヒー、茶葉、即席茶、ココア、乳製品クリーマ(creamer)又は非乳製品クリーマ、チコリ(chicory)、果実又は野菜抽出物、料理抽出物(culinary extract)及びこれらの組合せを含む。甘味料、香味料、増粘剤、食用キャリア(edible carrier)、色素、起泡剤、安定剤、緩衝剤、乳化剤、加工助剤及びこれらの組合せなどの添加物を適量加えてもよい。用語「カプセル」は一般に使い捨ての飲料パッケージをいい、このパッケージは、カートリッジ、ポッド(pod)又はパッド、サシェ(sachet)などを含む、硬質、半硬質、時に可撓性とすることができ、飲料製造機内で、加圧されたある温度(高温、低温又は室温)の液体、通常は水を注入することによって、パッケージ内に含まれる材料と相互作用させ、液体製品又は部分液体製品(すなわち飲料)をパッケージから送出するために使用される。液体と材料の間の相互作用は、抽出、溶解、希釈、浸出、分散、混合、乳化及びこれらの組合せによって生じさせることができる。
【0033】
カプセル1は一般に、飲料材料を受け取る少なくとも1つの内部区画を備える胴体2を具備する。この胴体は、より大きな面と送出ダクト3によって終わるより狭い面とを有する実質的に円錐台形のカップなど、中心軸Iの回転体の形態とすることができる。そのより大きな面に、胴体は、中心軸Iを横切る方向に外側へ延びるフランジ状のリム4を備える。胴体は上面膜5によって閉じられており、上面膜5は、フランジ状のリム4上にシールされ、それによって胴体とともに内部区画を画定する。欧州特許第1472156号に記載されているように、このカプセルは、内側に、送出ダクトのところの閉鎖壁を開く手段を備えることができる。
【0034】
図2を参照すると、図1のカプセルの上面図が示されており、この図は、膜5と、フランジ状のリム上にシールされた膜5の環状部分6とを示している。この膜が平坦である必要は必ずしもない。気密性の膜は時に、ガス(二酸化炭素、窒素など)の内圧のためにわずかに外側へ膨らむ。膜は軸中心「O」を含む。軸中心「O」は、中心軸「I」が膜の表面と交わる点を表す。
【0035】
図2aに関してより明らかに示されているとおり、膜5はDataMatrix光学コード7を備え、DataMatrix光学コード7は、後に説明するように飲料製造装置のカメラによって読み取られるように構成された2値情報を含む。この光学コードは、直線状の縁7a、7b、7c、7dを有する2次元バーコードである。それ自体が知られているとおり、図示のバーコードは、ビットを表す小さな正方形のセル(セルが明色の場合には「0」、セルが暗色の場合には「1」、又はその逆)からなるマトリックス形コードである。左ボーダー7aと下ボーダー7bは「L」字の形状をなし、このL字の形状はファインダパターン(finder pattern)として知られており、コードを見つけ、コードの向きを確認するために使用される。上ボーダー7cと右ボーダー7dはタイミングパターン(timing pattern)を表し、このパターンは、コードのマトリックスサイズを決めるビット数のカウントを提供する。このような特定のコードのコード化はISO規格ISO/IEC16022により詳細に記載されている。
【0036】
本発明によれば、光学コード7は、円形のエリア8(点線の円によって図示されている)内に記入される。円形のエリア8の中心は膜の中心「O」と同心であり、円形のエリア8の半径「R」は、膜の半径「R0」の好ましくは少なくとも1.5倍小さく、より好ましくは少なくとも2倍小さい。定義により、コードのどの角も円形のエリアの境界を超えていないとき、そのコードは円形のエリア8内に記入されていると言う。半径「R0」は、シールされた部分6を含む膜全体の半径を表す。
【0037】
図2aの例では、このコードが、長さの等しい4つのボーダー7a〜7dから形成されており、それによりこのコードは正方形をなし、その4つの角は、円形のエリア(すなわち点線の円)の境界と交わっている。
【0038】
図2bの例では、このコードが、円形のエリアの境界と交わる4つの角を有する長方形から形成されている。それにより、この長方形のコードの長辺が、円形のエリア(すなわち点線の円)の境界と交わっている。
【0039】
図2cの例では、このコードが、中心が中心「O」からずれてはいるが、それでも、中心が膜の中心「O」と同心の円形のエリア内には記入されている正方形のコードから形成されている。特に、この正方形のコードは、1つの角が、円形のエリア(すなわち点線の円)の境界と交わっている。
【0040】
図2dの例では、このコードが、中心が中心「O」からずれてはいるが、それでも、中心が膜の中心「O」と同心の円形のエリア内には記入されている長方形のコードから形成されている。特に、この長方形のコードは、1つの角が、円形のエリア(すなわち点線の円)の境界と交わっている。
【0041】
コードを受けた後に、膜は、速い調子で切断され、胴体にシールされ、それによって製造時に膜のセンタリングを保証することができないため、コードが中心からずれるのが一般的である。一般に、中心Oからのコードの中心のずれは最大値で約5mmになる可能性がある。
【0042】
これらの全ての例で、円形のエリア8の半径「R」は膜の半径「R0」よりもはるかに小さい。したがって、この円形のエリアは、本発明の利点、特に後に説明するカプセルの全ての角度的位置における確実な検出を提供するために考慮する必要があるコードの位置制限ゾーンを決定する。エリア8の境界は仮想のものでしかなく(点線によって示されている)、カプセル上で見える必要はない。このバーコードは、以前に定義した半径「R」が15mm未満、好ましくは13mm未満、最も好ましくは3mm〜11mmの間の円形のエリア8内に記入されることが好ましい。より好ましい設計では、このバーコードが、120mm2未満、最も好ましくは20mm2〜90mm2の間の表面積を有する。この下限は、本質的に、読取り検出技術の制約、及び膜の表面又は膜の内部に印刷している間のコードの可能な視覚的欠陥によって導かれる。
【0043】
本発明が、図示したDataMatrixコードだけに限定されるというわけでは必ずしもなく、本発明は、正方形又は長方形のパターンに配置された白と黒のモジュール又はカラーモジュールを含むマトリックス形コードからなり、以下のコード規格のうちの任意のコード規格を含む任意の2次元バーコードと一緒に使用することができる:DataMatrixコード、Semacode、Quick Response(「QR」)コード、Aztecコード、Maxi−code及びEZ−code。これらのコードは全て同じ2次元原理を使用しているが、異なるコード化アルゴリズム、並びに画像で隠された正方形、ドット、円などの記号のパターン及びそれらの記号を組み合わせたパターンを含む異なる記号表示を使用している。
【0044】
このバーコードは、飲料に関連した情報(すなわち「製品情報)、飲料製造装置内での飲料の調製に関するパラメータ、更新ビット、エラービット及び光学的基準ビットを記憶するのに十分なマトリックスサイズを有するように設計されている。マトリックスサイズ(すなわちビットの数を表す行数×列数)は、10×10〜22×22の間、好ましくは12×12〜18×18の間であることが好ましい。
【0045】
バーコードは、引っかき、高温の液体などから保護するために膜4の層間に挿入された肉眼で見えるパターンとすることができる。特に、膜は、少なくとも1つの内側不透明層及び少なくとも1つの透明又は半透明層を備え、これらの2つの層の間にコードが挿入されることが好ましい。例えば、バーコードは、前記内側層若しくは外側層の表面に直接に印刷することができ、又は、これらの2つの層間に挿入されたラベルに印刷することができる。不透明層は、PP、PE、PET及びこれらの組合せの中から選択されたポリマーでできていることが好ましい。外側層はPETの中から選択されることが好ましい。例えば、膜は、それぞれ70ミクロン及び12ミクロンのPP及びPETの2つの不透明層、並びに約10〜20ミクロンのPETの1つの外側透明層を備える。
【0046】
可能な代替策では、バーコードを、特別なインクで印刷された場合など、肉眼では見えないパターンとし、UVなどの特定の光周波数範囲内で読むことができるようにすることができる。特に、目に見えない特定のパターンを使用して、本物のカプセルを偽造カプセルから区別することができる。
【0047】
製品情報に関しては、カプセルの識別を可能にするコードに、飲料の名称に関する情報を記憶することができる。それによって、飲料のフルネームを、最大125ビットを利用するコードの2値部分として取得可能にすることができる。カプセルの有効期限などの他の製品情報を、コードの他のビットを使用してこのコードに記憶することもできる。
【0048】
したがって、文字列、文字数字列などの飲料の名称(「エスプレッソ」、「ルンゴ」、「カプチーノ」、「ラテマキアート」など)をビット列としてコードに記憶することができる。次いで、その名称を、例えば調製前及び/又は調製中に、装置に接続されたディスプレイ12又は装置の一部であるディスプレイ12に表示することができる。
【0049】
可能な一モードでは、この2Dバーコードが、ディスプレイ及び通信手段を介してカプセルの供給業者のウェブサイトなどのウェブサイトにユーザを接続することを可能にするURL(Uniform Resource Locator)アドレスを含む。この通信手段は、ディジタルカメラ機能を有する携帯電話、PDAなどの移動電気通信装置とすることができ、又は飲料製造装置に埋め込むことができる。そのために、飲料製造装置は、インターネット送信器及びインターネットブラウザを介してウェブサイトにアクセスするように構成された通信ユニットを備える。したがって、最新の商業上の提案、広告、製品情報などの情報サービスを容易に表示することができ、又はカプセル注文サービス(例えばウェブサイト上に置かれた仮想店舗上のカプセル注文サービス)をディスプレイを通してユーザに提供することができる。
【0050】
装置設定パラメータに関して、この2Dバーコードは、以下のような情報を記憶するためのビットを含む。
水温、例えば高温、温かい温度、室温、低温
飲料の量、例えば25、40、110、150、250、500mLなど
材料の性質、例えば焙煎し挽いて粉にしたコーヒー、可溶性材料、ハーブ茶など
カプセルを空にする操作、特に可溶性材料に対する操作
カプセルのタイプ、例えばシングル、ツーインワン、ドッピオ(doppio)など
浸出時間、特に浸出材料に対する浸出時間
データベースを参照するそれぞれのカプセルに対するシリアル番号
更新データ及びこれらの組合せ
【0051】
図3に示すように、飲料製造装置はカプセル識別/制御手段9を備える。カプセル識別/制御手段9の機能は、飲料製造装置のパラメータを識別し、飲料製造装置のパラメータを設定し、任意選択で、インターネットへの方向付けされたアクセスなどの情報及び付加価値サービスをユーザに提供することである。カプセル識別/制御手段9は、中央制御装置又はいくつかの制御装置などの制御ユニット10、ディジタルカメラ11、1つ若しくはいくつかのユニットとして1つに連結し又は統合することができる任意選択のディスプレイ12、及び任意選択の通信ユニット19を備える。制御ユニット10は、一般的な意味において、識別/制御手段の異なるモジュール及びユニット並びにヒータ、ポンプなどの装置の抽出システムの異なるモジュール及びユニットを動かす能力を有するプロセッサ、メモリ、プログラム及びアルゴリズム、入出力インタフェースを含む1つ又はいくつかのユニットを含むとみなされる。通信制御を抽出システムの制御から分離するために、別個の制御モジュールを設計することができる。プログラム及びアルゴリズムは、カメラ用の復号アプリケーションを含むことができる。
【0052】
制御ユニットは、抽出パラメータ、飲料、インターネット通信などに対するさまざまな選択に関する入力を受け取るユーザインタフェースをさらに備えることができる。
【0053】
ディスプレイは例えば、LCDスクリーン、プラズマスクリーン若しくはタッチスクリーンとすることができ、又は、コンピュータ、ラップトップ、移動電気通信端末、例えば移動電話、Ipod、PDAなど、及び他の同等の通信装置などの形態の制御ユニット10並びに/若しくは通信ユニット19に結合することができる。通信ユニット19は例えば、外部サーバ及び/又は外部端末との通信を可能にするイントラネット接続、wifi及び/又はBluetooth接続を備えることができる。
【0054】
カメラ11は、光学像を捕捉し、それをディジタル化して2進データとして表された電子画像とする任意の入力装置とすることができる。このカメラは、一般にイメージセンサ17(例えばCCD)と、カメラの画像捕捉ゾーンを整形し、集束させ、鮮鋭にする光学レンズ及び絞り14と、カメラ11に関連づけ又は制御ユニット内に配置することができるプロセッサとを備えるディジタルカメラとして設計される。このカメラを、カプセルが装置内で移動している間にバーコードの画像を撮影する能力を有するフラッタシャッタカメラ(flutter shutter camera)として設計してもよい。このカメラを、カプセルのバーコードを読み取るときに装置に対して移動することができるスキャナとして設計することもできる。このカメラを可搬式カメラとし、装置の割り当てられた位置にプラグ接続することもできる。
【0055】
図4に示すように、このカメラは、長方形のゾーン15によって示されているカプセルの膜上の装置の画像捕捉ゾーンが、バーコードが記入された以前に定義した円形のエリア8を包含するように、カプセルに対して配置される。画像捕捉ゾーンは、円形のエリア8の表面積よりも約10%〜300%幅広にすることができ、長方形、正方形、円形など、カメラのタイプに応じた適当な多角形ゾーンとすることができる。このカメラは、さまざまな位置(「O」と同心の又は中心が「O」からずれた位置)、さまざまなマトリックスサイズ及び可能にはさまざまな形状(正方形又は長方形)のバーコードを捕捉するのに十分な幅の画像捕捉ゾーンを提供するように構成されていることが好ましい。画像捕捉ゾーンの鮮明度は、レンズ及び絞りの特性、カメラとコードの間の距離、CCD及びシャッタの特性など、さまざまなパラメータに依存する。用途によっては、異なる飲料類(例えばエスプレッソ、ルンゴ、カプチーノなど)に対応する異なるカプセルの製品情報に対して、サイズの異なる2つのバーコードが必要である。飲料の名称があまりに長いとき、又は飲料レシピが複雑なため追加の説明が必要なときには、より大きなサイズのコードが必要になることがある。
【0056】
図5に示す飲料製造システムは、カプセル1と、カプセル識別/制御手段9を含む飲料製造装置20とを備える。好ましい一モードでは、装置20が、装置にカプセルを挿入し、装置の液体注入ユニット22までカプセルを輸送することを可能にするカプセルハンドリング手段21を備える。そのために、カプセルハンドリング手段は、装置に挿入されたカプセルを重力によってカプセルホルダ24内へ導くスライダ、チャージャ23などの重力挿入手段23を備える。この重力挿入手段は、図示されているように「スライダ」を使用してカプセルの上面膜が実質的に垂直にされているか又は傾けられている間にカプセルを受け取ることができることに留意すべきである。或いは、欧州特許第1593326号に記載されたカプセル選択機構などの管状フィーダを使用して装置内に落下させたときに、カプセルが実質的に水平になるようにすることもできる。次いで、カプセルはカプセルホルダ24内へ落下し、図6に示すようにカプセルの膜が実質的に水平になる位置でカプセルを回収することできる。カプセルホルダは輸送手段25に関連づけられており、輸送手段25は、カプセルを、挿入ゾーンから、カメラ11の下にカプセルが配置され、バーコードとカメラが予め決められた距離を隔てて向かい合う識別ゾーンまで移動させる。この輸送手段は、カプセルホルダを直線的に及び/又は回転するように駆動する適当な任意のキャリアを備えることができる。例えば、この輸送手段は、カプセルホルダを支持した搬送ベルト27を直線的に駆動するモータ26を備える。カメラ11の下に配置されたときに、この輸送手段を止めて、カプセルの膜上に配置されたバーコード7の少なくとも1つの画像を捕捉することができる。或いは、ディジタルフラッタシャッタカメラを使用して、カプセルホルダが挿入ゾーンから液体注入ゾーンへ移動している間に画像捕捉操作を実行することもできる。
【0057】
識別後、制御ユニットは輸送手段25を起動して、カプセルホルダを液体注入ゾーンへ移動させる。この装置は、液体注入ゾーンに、閉鎖プレート(closure plate)29と液体注入器30とを備える液体注入手段28を具備し、液体注入器30は、カプセルホルダと閉鎖プレート29の間の相対移動などによってカプセル上でカプセルと係合する。係合すると、液体注入器はカプセルの区画と連通して、カプセル内に液体を供給することを可能にする。それ自体が知られているとおり、液体注入手段28は流体供給手段31に流体接続されており、流体供給手段31は、水タンク32、識別されたカプセルに応じてカプセルに注入する適量の液体を計量する液体計量手段33(例えばピストンポンプ)、及び液体ヒータ34を含む。飲料の調製に使用する液体は一般に水である。流体供給手段はさらに、抽出操作後にカプセルから残液を除く空気ポンプなどのガス供給手段35を備えることができる。液体供給手段の選択的起動、特に液体計量手段33、ヒータ34及びガス供給手段35の選択的起動は、コードに記憶された装置設定パラメータに従って識別/制御手段9が制御する。
【0058】
これらのさまざまな操作の間、さまざまな機能を操作し及び/又は情報を提供するようユーザを促すように、ディスプレイを制御することができる。例えば、飲料製造装置にカプセルを挿入する前に、制御ユニットは、ディスプレイ12を介して、抽出操作を開始するためにカプセルを装置に挿入するようユーザに促す(図5)。識別/制御手段のカプセル存在センサ36は、ハンドリング手段、例えばスライダ、管状フィーダ又はカプセルホルダ内にカプセルが存在することを確認することができる。カプセルが検出された場合には輸送手段を起動することができ、及び/又はカプセルを挿入するよう促すプロンプトメッセージをディスプレイから消去することができる。
【0059】
既に述べたとおり、カメラ11がカプセルを識別した後(図3)、製品情報が復号され、制御ユニットは、飲料の名称などのその製品情報に関連したディスプレイ12上のメッセージを指令することができ、及び/又はこのような復号された情報は、制御ユニットのメモリに含まれる追加の情報若しくは遠隔データベースから通信ユニット19が取り出した情報を表示するプログラムを開始することができる。このような追加の情報は、広告、栄養情報、コーヒー材料又は茶材料の産地に関する情報などである。
【0060】
抽出操作(図7)では、製品情報、使用説明、抽出情報などの追加の情報をディスプレイ12に表示することができる。例えば、カプセル識別中又はカプセル識別後に表示される製品情報はその段階でのみ開始することができ、又は継続することもできる。使用説明は、抽出手順に関連したステップを実施するようユーザに促すために表示することができる。例えば、カプセルから飲料材料が出終わるのを待つよう促すプロンプトを表示することができる。また、2つ以上のカプセルが必要なカプチーノ、ラテマキアートなどの飲料を2つ以上の飲料材料から調製するときに、第2のカプセルを挿入するよう促すプロンプトを表示することもできる。抽出情報は、飲料又は注入する液体の温度、圧力、飲料の量などに関する情報を含むことができる。この情報はさらに、工程中の適当な時期に表示することができる。
【0061】
図8に示す可能な用途では、例えば製品情報、コード化されたURLアドレスに対応する商用ウェブサイトへのリンクなどの情報を移動電気通信端末40のディスプレイ41に表示するために、飲料製造装置の通信ユニットを介してユーザの移動電気通信端末40と通信して情報を交換するように、飲料製造装置が構成される。
【0062】
図9に示すように、飲料製造装置にカプセルを挿入する前に、コードに含まれる製品情報及びURLを、移動電気通信端末40によって読み取ることもできる。そのために、移動電気通信端末は、ディジタルカメラ42及び復号アプリケーションを必要とする。復号アプリケーションは、ユーザが端末にダウンロードすることができ、又は予めロードしておいてもよい。このローディングアプリケーションは、カプセル上の2Dバーコードを読み取り、そのバーコードから使用可能な情報を復号するように構成されている。コードのあるビットにしかユーザがアクセスできないことがあることに留意すべきである。これは、他のビットが秘密ビットであるか又は無用なビットであることがあるためのである。それにより、コードから適切なデータを選択するアルゴリズム又はソフトウェアが端末に提供される。このようなアルゴリズム又はソフトウェアは、復号アプリケーションの一部としてダウンロードすることができる。Kaywa readerなど、マトリックス形コードを復号するさまざまなアプリケーションが既に存在する。さまざまなサービスをより魅力的に又はより直観的に表示するため、メニュー及びサブメニュー、グラフィックス、画像、ムービー、アバターなどを含むように、ソフトウェアを調整することもできる。
【0063】
本発明は、飲料製造装置にカプセルを挿入する前などに、製品情報、例えば栄養含有量、製品レシピなどを得ることができ、又は端末がインターネットブラウザ及び送信器を有する場合に関連ウェブサイトにアクセスすることができるという利益をユーザに提供する。例えば、ウェブサイトへのこの直接の高速なリンクは、新たなカプセル又は付属品を注文するなどの取引を実行すること、コンテスト、プロモーションに参加すること、販売後顧客コール又はコールセンターにアクセスすることなどを可能にする。
【0064】
他の例として、2つ以上のカプセルを使用するカプチーノ、ラテマキアートなどの多成分飲料を調製するためのレシピをユーザに対して表示することもできる。
【0065】
例えば抽出パラメータ化ソフトウェア、使用説明ソフトウェア、復号アプリケーション及びこれらの組合せに関して移動電気通信端末を更新するために、移動電気通信端末は、遠隔サーバから情報をダウンロードし、続いてその情報を飲料製造装置の制御ユニットにアップロードする役目を果たすことができることにも留意すべきである。
【0066】
2Dバーコードを備えるカプセルの別の用途を図10に示す。この用途では、飲料製造装置20が、飲料製造装置20のディジタルカメラ11によって捕捉した2Dバーコードの画像50を飲料製造装置20のディスプレイ12に表示するように構成されている。この画像は、2Dバーコード7の全体又は部分の同じサイズ又は異なるサイズの複製物とすることができる。バーコード画像50が表示されたときに、携帯電気通信装置40によってこの画像を再捕捉し、復号アプリケーションによって復号し、さまざまな通信ソフトウェアを使用して処理することができる。
【0067】
当然ながら、本発明は、記載した好ましい実施形態だけに限定されるものではなく、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲に含まれる他の等価の実施形態にまで及ぶ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
含まれる飲料材料から飲料を調製するためのカプセルであって、
前記飲料材料を受け取る少なくとも1つの区画と、中心軸(I)を横切る方向に外側へ延びるフランジ状のリム(4)とを備える胴体(2)と、
前記フランジ状のリム上にシールされた、開口を閉じるための円形の膜(6)と、
2値情報を含み、飲料製造装置(20)のカメラ(11)によって読み取られるように構成された光学コード(7)と
を具備し、
前記光学コード(7)は、前記膜の中心(O)と同心の、前記膜の半径(R0)よりも小さな半径(R)を有する円形のエリア(8)内に記入された、直線状のボーダー(7a〜7d)を有する2次元バーコードである、カプセル。
【請求項2】
前記2次元バーコード(7)は、半径(R)が15mm未満、好ましくは13mm未満の円形のエリア(8)内に記入されていることを特徴とする、請求項2に記載のカプセル。
【請求項3】
前記2次元バーコード(7)のマトリックスサイズは、10×10〜22×22の間、好ましくは12×12〜20×20の間であり、必要なコード化されたデータの数によって決まることを特徴とする、請求項1又は2に記載のカプセル。
【請求項4】
前記2次元バーコード(7)は、飲料の名称を少なくとも含むコード化されたデータを含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のカプセル。
【請求項5】
前記2次元コード(7)はURL(Uniform Resource Locator)アドレスを含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のカプセル。
【請求項6】
前記2次元バーコード(7)は、目に見えないインクで前記カプセルの表面に印刷されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載のカプセル。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載のカプセルから飲料を調製するシステムであって、
カプセル(1)を受け取るカプセルホルダ(24)を含むカプセルハンドリング手段(21)と、識別/制御手段(9)とを備える飲料製造装置(20)を具備し、
前記識別/制御手段(9)は、前記カプセルハンドリング手段(21)に対して配置されたディジタルカメラ(11)であり、前記カプセルの表面に配置された前記2次元コード(7)の画像を捕捉し、前記画像又は前記画像に関連した2値情報を、前記識別/制御手段(9)の制御ユニット(10)に転送するように構成された、ディジタルカメラ(11)を備える、システム。
【請求項8】
識別/制御手段(9)のための前記手段は、前記画像又は2値情報から復号された形の製品情報を表示するように構成されたディスプレイ(12)を備える、請求項7に記載の飲料を調製するシステム。
【請求項9】
さまざまな飲料類(例えばエスプレッソ、ルンゴ、ラテマキアート、カプチーノなど)に対応するある範囲のカプセルを備え、前記範囲の少なくとも2つのカプセルに関して、それぞれのカプセルの前記コードは、そのカプセルの飲料類に関連した情報をコード化するように適合された異なるマトリックスサイズを有し、前記カメラは、識別された前記カプセルがどの飲料類に属するのかを識別するために、少なくとも2つの異なるマトリックスサイズのバーコードを読み取るように構成されていることを特徴とする、請求項7又は8に記載のシステム。
【請求項10】
前記少なくとも2つのカプセルの前記バーコードは、前記飲料の名称の文字数によって異なるいくつかのビットを含むことを特徴とする、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記カプセルハンドリング手段(21)は、移動可能に配置された下方のカプセルホルダ(24)内に前記カプセルを導くためのスライダ(23)又は管状フィーダを備えることを特徴とする、請求項7〜10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記カメラ(11)は、前記カプセルハンドリング手段(21)と液体注入手段(22)の間の輸送経路上に置かれていることを特徴とする、請求項9〜11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記カプセルが入った前記カプセルホルダ(24)を前記ディジタルカメラ(11)の前に移動させるカプセル輸送手段(25)を備えることを特徴とする、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記輸送手段(25)は、モータ(26)によって駆動される搬送ベルト(27)を備える、請求項13に記載のシステム。
【請求項1】
含まれる飲料材料から飲料を調製するためのカプセルであって、
前記飲料材料を受け取る少なくとも1つの区画と、中心軸(I)を横切る方向に外側へ延びるフランジ状のリム(4)とを備える胴体(2)と、
前記フランジ状のリム上にシールされた、開口を閉じるための円形の膜(6)と、
2値情報を含み、飲料製造装置(20)のカメラ(11)によって読み取られるように構成された光学コード(7)と
を具備し、
前記光学コード(7)は、前記膜の中心(O)と同心の、前記膜の半径(R0)よりも小さな半径(R)を有する円形のエリア(8)内に記入された、直線状のボーダー(7a〜7d)を有する2次元バーコードである、カプセル。
【請求項2】
前記2次元バーコード(7)は、半径(R)が15mm未満、好ましくは13mm未満の円形のエリア(8)内に記入されていることを特徴とする、請求項2に記載のカプセル。
【請求項3】
前記2次元バーコード(7)のマトリックスサイズは、10×10〜22×22の間、好ましくは12×12〜20×20の間であり、必要なコード化されたデータの数によって決まることを特徴とする、請求項1又は2に記載のカプセル。
【請求項4】
前記2次元バーコード(7)は、飲料の名称を少なくとも含むコード化されたデータを含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のカプセル。
【請求項5】
前記2次元コード(7)はURL(Uniform Resource Locator)アドレスを含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のカプセル。
【請求項6】
前記2次元バーコード(7)は、目に見えないインクで前記カプセルの表面に印刷されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載のカプセル。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載のカプセルから飲料を調製するシステムであって、
カプセル(1)を受け取るカプセルホルダ(24)を含むカプセルハンドリング手段(21)と、識別/制御手段(9)とを備える飲料製造装置(20)を具備し、
前記識別/制御手段(9)は、前記カプセルハンドリング手段(21)に対して配置されたディジタルカメラ(11)であり、前記カプセルの表面に配置された前記2次元コード(7)の画像を捕捉し、前記画像又は前記画像に関連した2値情報を、前記識別/制御手段(9)の制御ユニット(10)に転送するように構成された、ディジタルカメラ(11)を備える、システム。
【請求項8】
識別/制御手段(9)のための前記手段は、前記画像又は2値情報から復号された形の製品情報を表示するように構成されたディスプレイ(12)を備える、請求項7に記載の飲料を調製するシステム。
【請求項9】
さまざまな飲料類(例えばエスプレッソ、ルンゴ、ラテマキアート、カプチーノなど)に対応するある範囲のカプセルを備え、前記範囲の少なくとも2つのカプセルに関して、それぞれのカプセルの前記コードは、そのカプセルの飲料類に関連した情報をコード化するように適合された異なるマトリックスサイズを有し、前記カメラは、識別された前記カプセルがどの飲料類に属するのかを識別するために、少なくとも2つの異なるマトリックスサイズのバーコードを読み取るように構成されていることを特徴とする、請求項7又は8に記載のシステム。
【請求項10】
前記少なくとも2つのカプセルの前記バーコードは、前記飲料の名称の文字数によって異なるいくつかのビットを含むことを特徴とする、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記カプセルハンドリング手段(21)は、移動可能に配置された下方のカプセルホルダ(24)内に前記カプセルを導くためのスライダ(23)又は管状フィーダを備えることを特徴とする、請求項7〜10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記カメラ(11)は、前記カプセルハンドリング手段(21)と液体注入手段(22)の間の輸送経路上に置かれていることを特徴とする、請求項9〜11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記カプセルが入った前記カプセルホルダ(24)を前記ディジタルカメラ(11)の前に移動させるカプセル輸送手段(25)を備えることを特徴とする、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記輸送手段(25)は、モータ(26)によって駆動される搬送ベルト(27)を備える、請求項13に記載のシステム。
【図1】
【図2】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図2d】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図2d】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公表番号】特表2013−517027(P2013−517027A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−548417(P2012−548417)
【出願日】平成23年1月12日(2011.1.12)
【国際出願番号】PCT/EP2011/050322
【国際公開番号】WO2011/089048
【国際公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月12日(2011.1.12)
【国際出願番号】PCT/EP2011/050322
【国際公開番号】WO2011/089048
【国際公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】
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