説明

超伝導トンネル接合検出器

【課題】超伝導トンネル接合素子(STJ素子)が吸収するフォノンの量を多くでき、高い感度でフォトンを検出できる超伝導トンネル接合検出器を提供する。
【解決手段】基板11のSTJ素子10を搭載しない側の端面からテラヘルツ波を照射する。基板11内では、テラヘルツ波の吸収によって格子振動(フォノン)が発生し、このフォノン群は基板11内を伝播し、フォノンがSTJ素子10の下部超伝導電極12に到達することで、電極内のクーパー対を解離して準粒子を生成し、この準粒子の増加に伴うトンネル電流の増加分を信号として検出する。基板11のテラヘルツ波を照射する側には、単体のSTJ素子10と基板11を挟んで対向するように、集光用レンズ21を配置してある。これにより、テラヘルツ波は、集光用レンズ21によって単体のSTJ素子10に向けて集光されることになり、フォトンの集光効率が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超伝導トンネル接合素子を用いてフォトンを検出する超伝導トンネル接合検出器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、超伝導トンネル接合(STJ)素子を用いた検出器として、例えば、特許文献1に開示される検出器があった。
この検出器は、フォトンの基板への入射によって基板中で発生したフォノンを、超伝導トンネル接合素子に吸収させ、それによって超伝導トンネル接合素子から信号電荷を取り出す、所謂基板吸収型の超伝導トンネル接合検出器である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−262144号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、基板吸収型の超伝導トンネル接合検出器では、超伝導トンネル接合素子が吸収するフォノンの量が多くなれば、トンネルバリアを通過できる準粒子の量が増加し、検出感度が向上するが、従来では、複数の超伝導トンネル接合素子を含む広い領域に光を照射するようにレンズによる集光を行っており、係る構成では、超伝導トンネル接合素子がフォノンを吸収する確率が低く、充分な検出感度を得ることが難しいという問題があった。
【0005】
本発明は上記問題点に着目してなされたものであり、超伝導トンネル接合素子が吸収するフォノンの量を多くでき、高い感度でフォトンを検出できる超伝導トンネル接合検出器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このため、請求項1に係る発明は、基板上に超伝導トンネル接合素子を搭載してなり、フォトンの基板への入射によって前記基板中で発生したフォノンを、前記超伝導トンネル接合素子に吸収させる超伝導トンネル接合検出器であって、前記超伝導トンネル接合素子と前記基板を挟んで対向するように集光用レンズを備えるようにした。
係る構成では、集光用レンズを備えることで、基板に対するフォトンの入射量が増加し、基板中を単体の超伝導トンネル接合素子に向けて伝播するフォノンの量も増加し、超伝導トンネル接合素子に伝播するフォノンの増加により、トンネルバリアを通過できる準粒子の量が増加して信号レベルが上がり、感度が向上する。
【0007】
上記請求項1の構成において、請求項2のように、複数の超伝導トンネル接合素子を基板上に搭載し、前記複数の超伝導トンネル接合素子それぞれに対応して個別に集光用レンズを備えることができる。
係る構成では、超伝導トンネル接合素子と集光用レンズとの対を、基板に対して複数備え、超伝導トンネル接合素子個々に伝播するフォノンの量が増加する。
【0008】
更に、上記請求項2の構成において、請求項3のように、前記複数の超伝導トンネル接合素子を相互に直列に結合することができる。
係る構成では、複数の超伝導トンネル接合素子を相互に直列に結合することによって、ノイズとなるリーク電流を増加させずに、信号出力を上げることができ、S/N比を向上させることができる。
【0009】
また、上記請求項2の構成において、請求項4のように、前記複数の超伝導トンネル接合素子を相互に並列に結合することができる。
係る構成では、並列結合によって、同時に複数画素の素子の信号を得ることができ、光学走査が不要なデバイス単体での画像化が可能となる。
【0010】
一方、上記請求項2〜4のいずれか1つの構成において、請求項5のように、前記集光用レンズを、格子状部材の格子内に固定することができる。
上記構成によると、格子状部材の格子位置を、超伝導トンネル接合素子の配列に合わせ、格子内に集光用レンズを固定することで、集光用レンズを超伝導トンネル接合素子に対向する位置に容易に配置できる。
【0011】
また、請求項1〜5のいずれか1つの構成において、請求項6のように、前記集光用レンズとして半球レンズを用い、該半球レンズの平面側を前記基板の端面に密着させて固定することができる。
係る構成では、半球レンズの平面側を基板の端面に密着させることで、集光用レンズの固定安定性がよく、高い集光性能を安定して得ることができる。
【発明の効果】
【0012】
本願発明に係る超伝導トンネル接合検出器によると、超伝導トンネル接合素子と対をなす集光用レンズによって、フォトンを効率良く集めることができ、これにより、超伝導トンネル接合素子単体が吸収するフォノンの量を多くして、検出感度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本願発明に係る超伝導トンネル接合検出器の実施形態を示す断面図
【図2】実施形態において超伝導トンネル接合素子と集光用レンズとの組み合わせを複数備えた超伝導トンネル接合検出器を示す図
【図3】実施形態における超伝導トンネル接合検出器の機能ブロック図
【図4】実施形態における超伝導トンネル接合素子の直列結合の例を示す図
【図5】実施形態における超伝導トンネル接合素子の並列結合の例を示す図
【図6】実施形態における超伝導トンネル接合素子の作製工程を示す図
【図7】実施形態における超伝導トンネル接合素子の作製工程を示す図
【図8】実施形態における超伝導トンネル接合素子の作製工程を示す図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態における超伝導トンネル接合検出器の超伝導トンネル接合素子を示す断面図であり、本実施形態の検出器は、テラヘルツ波(THz波)の検出用として設定してある。
【0015】
図1に示す超伝導トンネル接合(Superconducting Tunnel Junction:STJ)素子10は、ニオブ酸リチウムLiNbO3,タンタル酸リチウムLiTaO3などからなる基板11上に設けた、超伝導膜層‐絶縁膜層‐超伝導膜層からなる積層構造を有する素子である。
即ち、STJ素子10は、超伝導電極材料の単層、もしくは超伝導エネルギーギャップの異なる二層の膜からなる上部超伝導電極12、数ナノメートルの厚さの絶縁膜からなるトンネルバリア13、超伝導電極材料の単層、もしくは超伝導エネルギーギャップの異なる二層の膜からなる上部超伝導電極14の積層体を備え、また、下部超伝導電極12と上部超伝導電極14との間における電気的絶縁をとるための二酸化ケイ素SiO2などからなる層間絶縁膜15を備える。
更に、層間絶縁膜15に設けたコンタクトホール15aを介して上部超伝導電極14に接続する配線層16、及び、基板11表面に積層した下部超伝導電極12に接続するグランド層17を備える。
超伝導電極材料としては、例えば、Al(アルミニウム)/Nb(ニオブ)の二層膜、トンネル障壁となる絶縁膜として、例えば、AlOx(酸化アルミニウム)などが用いられる。ここで超電導電極材料を超伝導エネルギーギャップの異なる二層の膜とするのは、超電導エネルギーギャップの値がより小さい材料がより大きい材料の層で発生した準粒子を集める層(トラップ層)として作用し、トンネルバリア付近のクーパー対の崩壊による準粒子数の増加が期待できるからである。
【0016】
上記STJ素子10は、所謂基板吸収型のSTJ素子であり、基板11のSTJ素子10を搭載しない側の端面(図1の下側の面)からテラヘルツ波(テラヘルツ光)を照射する。基板11内では、テラヘルツ波の吸収によって格子振動(フォノン)が発生し、このフォノン群は基板11内を伝播し、その一部はSTJ素子10へ入射する。そして、フォノンがSTJ素子10の下部超伝導電極12に到達することで、電極内のクーパー対を解離して準粒子を生成し、この準粒子の増加に伴うトンネル電流の増加分を信号として検出する。
尚、本実施形態の検出器は、テラヘルツ波を検出対象とするため、基板11の材料としてテラヘルツ波を吸収し易いLiNbO3やLiTaO3を用いるが、本願発明の検出器は、検出対象をテラヘルツ波に限定するものではなく、可視光や放射線などであってもよく、従って、基板材料としてサファイア基板などを用いてもよい。
【0017】
基板11のテラヘルツ波を照射する側(基板11の下側の端面)には、単体のSTJ素子10と基板11を挟んで対向するように(光軸がSTJ素子10の略中央を通るように)、集光用レンズ21を配置し、単体のSTJ素子10と集光用レンズ21とが対をなすようにしてある。
集光用レンズ21は、半球状のマイクロレンズであり、基板11に接合する格子状部材22の格子内に固定した状態で、半球の平面側が基板11の端面に密着するようにして設置してある。格子状部材22は、短冊状の部材を縦横に組み合わせたような形状であり、基板11を貫通する方向に幅を持つ略正方形のレンズ収容空間を縦横に複数形成し、複数の格子空間のうちで単体のSTJ素子10に対向する位置の格子空間内に、集光レンズ21を固定してある。
【0018】
また、集光用レンズ21は前述のように単体のSTJ素子10と対をなすから、例えば、図2(A)に示すように、基板11上に複数のSTJ素子10を配設する場合、図2(B)に示すように、STJ素子10毎に位置合わせを行って複数の集光用レンズ21を配設する。従って、格子状部材22の格子ピッチは、STJ素子の配設ピッチに一致し、レンズ21の直径を、格子部材22の格子内に収まる径に設定してある。
図2に示した例では、12個のSTJ素子10を、2行6列(図2で左右方向を行、上下方向を列とする)で基板11上に配置し、係るSTJ素子10の配列に対応する格子間隔に設定した格子状部材22のSTJ素子10と対向する部分それぞれに集光用レンズ21を固定し、STJ素子10とレンズ21との対を12組備えている。
【0019】
換言すれば、格子状部材22の格子ピッチに合わせ、複数のSTJ素子10を反対側の基板11上に配置し、STJ素子10を配置した部分に対応する格子内に集光用レンズ21を固定してある。
これにより、レンズやフィルタなどを介して複数のSTJ素子10を含む広範囲に照射されるテラヘルツ波は、集光用レンズ21によって、各集光用レンズ21が対向する単体のSTJ素子10に向けて更に集光されることになり、フォトンの集光効率が向上する。
尚、図2に示す検出器においては、複数のSTJ素子10が直線的に左右方向に並ぶ行毎に、複数のSTJ素子10に共通のグランド層17a,17bを設け、これらグランド層17a,17bを、共通するグランド用PAD17cに接続している。
【0020】
図3は、本実施形態の検出器の機能ブロック図であり、集光用レンズ21に入射するフォトンは、集光して基板11に吸収され、基板11内でフォノンが発生し、このフォノンは、基板11内を伝播して、下部超伝導電極12に到達することで、電極内のクーパー対を解離して準粒子を生成し、この準粒子がトンネルバリア13をトンネルする際に流れる電流(トンネル電流)をプリアンプ31で増幅し、増幅後の電流値をA/D変換器32でA/D変換してデジタルデータ(テラヘルツ波の検出データ)として記録装置(メモリ)33に記録する。
上記のように集光用レンズ21をSTJ素子10毎に備える構成では、集光用レンズ21を備えない場合に比べて、基板11に照射するフォトンの集光効率が向上し、基板11に対するフォトンの入射量が増加することで基板11内を伝播するフォノンの量も増加する。
【0021】
そして、基板11内を伝播するフォノンの量が増えれば、下部超伝導電極12に到達するフォノンの量が増え、これに伴って電極で生成される準粒子の量が増え、準粒子の量が増えれば、トンネルバリア13を通過できる準粒子の量が増えるから、結果的に、信号のレベルが上がって検出感度が向上する。即ち、本実施形態の集光用レンズ21を備えたSTJ素子10によると、テラヘルツ波を高い感度で効率良く検出できる。
また、検出感度を上げるために設ける集光用レンズ21を、格子状部材22の格子内に固定するので、STJ素子10の位置に合わせてレンズ21を配置することが容易であり、更に、半球状の集光用レンズ21の平面側を基板11の端面に密着させるように固定するから、レンズ21を安定して固定でき、高い集光性能を安定して得ることができる。
【0022】
集光用レンズ21とSTJ素子10との対を複数備える超伝導トンネル接合検出器の場合、目的に応じて複数のSTJ素子10を直列結合或いは並列結合することができる。
図4は、複数のSTJ素子10を直列結合した例(直列アレイ型の例)を示す。
この検出器は、図4(A)に示すように、9個のSTJ素子10を3個×3個の行列をなすように基板11上に配置し、行列の4つの隅位置のうちの1つに位置するSTJ素子10を基点とし、この基点に対して対角線上に位置するSTJ素子10に向けて惰行するように、隣接する2つのSTJ素子10の下部超伝導電極12と上部超伝導電極14とを結合させることで、9個のSTJ素子10を直列結合している。
【0023】
上記のように、3個×3個の行列をなすように配置した9個のSTJ素子10に合わせ、基板11の反対面側には、図4(B)に示すように、3個×3個の行列をなす9個の集光用レンズ21を格子状部材22に固定した状態で配置し、各集光レンズ21がそれぞれに単体のSTJ素子10と対向し、各集光用レンズ21はそれぞれに対向する単体のSTJ素子10に向けてフォトンを集光するようにしてある。
このようにして、複数のSTJ素子10を直列結合すれば、ノイズとなるリーク電流を増加させずに信号出力を上げることができ、更に、複数のSTJ素子10それぞれに対向させて集光用レンズ21を設けたことによって信号出力が上がるので、より一層高い感度でS/N比の高い検出を行える。
【0024】
また、図5は、複数のSTJ素子10を並列結合した例(並列アレイ型の例)を示す。
この検出器は、図5(A)に示すように、24個のSTJ素子10を4個×6個の行列をなすように配置し、これらのSTJ素子10の下部超伝導電極12を共通のグランドPAD17cに接続する一方、各STJ素子10の上部超伝導電極14に対して相互に独立して接続する24個の配線層16を設けてある。
【0025】
上記のように、4個×6個の行列をなすように配置したSTJ素子10に合わせ、基板11の反対面側には、図5(B)に示すように、4個×6個の行列をなす24個の集光用レンズ21を格子状部材22に固定した状態で配置し、各集光レンズ21がそれぞれに単体のSTJ素子10と対向し、各集光用レンズ21はそれぞれに対向する単体のSTJ素子10に向けてフォトンを集光するようにしてある。
このようにして、複数のSTJ素子10を並列結合すれば、同時に複数画素の素子の信号を得ることができ、光学走査が不要なデバイス単体での画像化(二次元のテラヘルツ光検出)が可能となり、また、集光用レンズ21を設けたことで個々の素子の感度が高くなり、高い精度の画像を得ることができる。
【0026】
ところで、STJ素子10は、通常の半導体作製行程と略同様に作製が可能で、薄膜堆積にスパッタ装置、薄膜加工にフォトリソグラフィ技術、エッチング装置などを用いて作製することができ、以下では、STJ素子10の作製プロセスを説明する。
図6〜図8は、STJ素子10の作製プロセスを示し、図6(A)に示す第1工程では、SIS構造(Superconducting‐insulator‐Superconducting構造)、即ち、Nb/Al‐AlOx/Al/Nb構造の薄膜51を、基板11上にスパッタリングによって堆積させる。AlOxはトンネルバリア(トンネル障壁)で、Al膜を酸素雰囲気中に長時間放置して酸化させることで得られる。
【0027】
図6(B)に示す第2工程では、レジスト52をスピンコーターによって平らに塗布し、当該レジスト52を、フォトマスクを用いて上部超伝導電極14の形状にパターンニングする。そして、レジスト52を、紫外光によって感光させた後、ポジ型の現像液にて現像する。
図6(C)に示す第3工程では、反応性イオンエッチング(RIE)装置により上部超伝導電極14、トンネルバリア13及び下部超伝導電極12の一部を削り、残ったレジスト52はアセトンなどの有機溶剤で超音波洗浄して取り除く。
図6(D)に示す第4工程では、図6(B)に示した第2工程と同様の方法で、レジスト52を下部超伝導電極12の形状にパターンニングして現像する。
【0028】
更に、図7(A)に示す第5工程では、図6(C)に示した第3工程と同様の方法でエッチングを行い、レジストを取り除く。
図7(B)に示す第6工程では、スパッタリング装置を用いて層間絶縁膜15を堆積させる。
【0029】
図7(C)に示す第7工程では、図6(B)に示した第2工程と同様の方法で、レジスト52をコンタクトホール15aと配線・PAD以外の位置にパターニングして現像する。
図7(D)に示す第8工程では、図6(C)に示した第3工程と同様の方法で、エッチングを行い、レジスト52を取り除く。
【0030】
更に、図8(A)に示す第9工程では、スパッタリング装置を用いて配線層16を堆積させる。
図8(B)に示す第10工程では、図6(B)に示した第2工程と同様の方法で、レジスト52を配線層16、PADの形状にパターニングし、現像する。
図8(C)に示す第11工程では、図6(C)に示した第3工程と同様の方法で、エッチングを行い、レジストを取り除く。
上記の第1工程〜第11工程によって、STJ素子10を作製する。
尚、以上では、スパッタリングによって各層を堆積させているが、これに限るものではなく、他の方法(例えば、蒸着)によって各層を堆積させるようにしてもよい。
【0031】
以上、好ましい実施形態を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種々の変形態様を採り得ることは自明である。
例えば、上記実施形態では、集光用レンズ21を格子状部材22の格子内に固定したが、格子状部材22を用いずに集光用レンズ21を固定することができ、また、複数の集光用レンズ21を一列に並べて一体化したレンズアレイを複数平行に基板11に対して固定してもよい。
【0032】
また、集光用レンズ21を半球レンズとしたが、基板11に照射するフォトンを集光できるレンズであれば良く、円柱レンズなどを用いることができる。
更に、下部超伝導電極12と配線とを、層間絶縁膜15に設けたコンタクトホールを介して接合させてもよい。
また、複数のSTJ素子10を環状に並べてもよく、STJ素子10が、チョークフィルタやアンテナ(ボータイアンテナなど)を備えても良い。
【符号の説明】
【0033】
10 超伝導トンネル接合素子(STJ素子)
11 基板
12 下部超伝導電極
13 トンネルバリア
14 上部超伝導電極
15 層間絶縁膜
21 集光用レンズ
22 格子状部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に超伝導トンネル接合素子を搭載してなり、フォトンの基板への入射によって前記基板中で発生したフォノンを、前記超伝導トンネル接合素子に吸収させる超伝導トンネル接合検出器であって、
前記超伝導トンネル接合素子と前記基板を挟んで対向するように集光用レンズを備えた超伝導トンネル接合検出器。
【請求項2】
複数の超伝導トンネル接合素子を基板上に搭載し、前記複数の超伝導トンネル接合素子それぞれに対応して個別に集光用レンズを備えた請求項1記載の超伝導トンネル接合検出器。
【請求項3】
前記複数の超伝導トンネル接合素子を相互に直列に結合した請求項2記載の超伝導トンネル接合検出器。
【請求項4】
前記複数の超伝導トンネル接合素子を相互に並列に結合した請求項2記載の超伝導トンネル接合検出器。
【請求項5】
前記集光用レンズを、格子状部材の格子内に固定した請求項2〜4のいずれか1つに記載の超伝導トンネル接合検出器。
【請求項6】
前記集光用レンズとして半球レンズを用い、該半球レンズの平面側を前記基板の端面に密着させて固定した請求項1〜5のいずれか1つに記載の超伝導トンネル接合検出器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−104772(P2012−104772A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−254438(P2010−254438)
【出願日】平成22年11月15日(2010.11.15)
【出願人】(000004651)日本信号株式会社 (720)
【出願人】(504190548)国立大学法人埼玉大学 (292)
【Fターム(参考)】