説明

車両の死角検知及び表示システム

【課題】多数のライトを使用せずに、多数の情報を1つの方法で伝達できる死角検知表示システムを提供すること。
【解決手段】車両の死角内で検知された物体と該死角とに関する情報を伝達して警報する警告システムである。該システムは、1つの発光表示器を介して情報の伝達を行う。また、車線変更の適否を示す方法と、発光表示器及び該発光表示器に関係する感知システム及びコントローラの構成方法と、が各種提供されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の運転手の死角領域に他の車両等の物体が1つ又はそれ以上存在しており且つ該物体が車両に近接している状態に関する情報を該運転手に伝える車両用感知及び表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両の運転手に差し迫った衝突を警告する運転手警告システムは当業界で周知となっている。従来技術における数多くのシステムは、衝突の可能性を視覚的、聴覚的及び触覚的に運転手に示している。一般的に、従来技術で使用されている“死角”又は“死角領域”という用語は、車両の左右外側に沿った領域、即ち、車両の後方且つ側方領域を指す。これらの領域は、一般的には、運転手が車両のルームミラー及び/又はサイドミラーを観たときに運転手の視界からは外れている領域である。
【0003】
下記の特許文献1は、車両のダッシュパネル又はインストルメントパネルに在る多数のライトを使用して車両近接感知システムからの情報を伝える視覚表示器を開示している。この特許文献1は、また、検知された距離に基づいてライトが点滅して危険を警告する動作モードを開示している。
【0004】
下記の特許文献2は、車両と障害物との距離を監視する警告装置に関する。この特許文献2は、死角検知システムに特に関するものではないが、各種の視覚的な警告を行う旨の記載内容となっている。この特許文献2に記載された警告信号素子は、後方窓に在るとともに車両を後退させる際に運転手の視界内に在る。警告信号素子は様々な色のLEDの集合体を含んでいる。特許文献2のシステムは、遠方に障害物を検知した際、衝突するまでに掛かる時間(TTC)を表す算出値に従って全てのLEDを点滅させる。
【0005】
下記の特許文献3は死角検知システムに関する。この特許文献3に記載されている検知及び表示システムは車両のルームミラー内に内蔵されている。該システムが稼働すると車両のサイドミラー内にある単体の2色LEDは、緑に点灯し、校正が必要な際には該LEDは赤で点灯し、死角内の物体が検知された際にはLEDは赤で点滅する。
【0006】
下記の特許文献4は、死角内の物体を車両の運転手に視覚的に警告する警告表示システムに関する。該システムは、車両又は物体の予見される動きを検知又は決定し、車両又は物体が運転手に近づいたときに警告表示器の照度を上げる。
【0007】
従来の死角警告システムは、多くの点で良好であるものの、色の異なる多数のライトの集合体や運転手に情報を伝えるために点灯するライトの数が異なる多数のライトの集合体を使用している。更に、1つ又はそれ以上のライトが起動したことに連動する可聴警報器を採用するシステムもある。多数のライト、特に、色の異なる多数のライトや音を発する多数のライトを使用すると、運転手の注意がそれて危険である。このような危険性は、運転手に提供される情報及びデータの量が多いほど高くなる。従って、分類された情報を伝送するとともに、従来のライトの集合体即ち可聴の警報を鳴らすライトの集合体と比べて運転手の注意をそらす可能性の低い単純な表示システムを提供することが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第5173881号
【特許文献2】米国特許第6433679号
【特許文献3】米国特許第6927677号
【特許文献4】米国特許出願公開公報2006/0006988号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
死角検知システムは、死角領域における1つ又はそれ以上の物体の存在、該物体の位置、該物体の速度、該システムの動作状態及びその他の数多くの要因等の各種情報を運転手に通常提供する。従って、従来の死角表示システムは、特定の情報を運転手に伝える多数のライトを通常使用している。前述したように、多数のライトを使用すると運転手の注意がそれる恐れがある。また、多数のライトがどのように形成されているかによって、運転手は、ライトの各動作モード又はライトの各表示パターンが示す意味を覚えるのに苦労する場合がある。更に、従来の死角検知システムでは、多数のライトを備えるので費用が高くなり、また、該システムの保守又は修理の際に作業が複雑であり費用が嵩むので望ましくない。従って、多数のライトを使用せずに、多数の情報を1つの方法で伝達できる死角検知表示システムを提供することが望ましい。
【0010】
運転手は、車両の情報がダッシュパネル又はインストルメントパネル上に提供されることを好む場合が多い。ダッシュパネル又はインストルメントパネル上に車両情報が提供されることによって、運転手は、多数の情報を一目で迅速に評価できる。しかし、車両の電子部品及び関連する制御装置及び表示装置の数の増加に伴い、ダッシュパネル又はインストルメントパネル上で使用できる領域は少ない。そのため、車両の設計者は、ある種の制御装置や表示器を他の領域、例えば、車両外部のサイドミラーやルームミラー等の車両内部に配置したりヘッドアップディスプレイを使用している。従来の死角表示システムに関して述べたように、1つ又はそれ以上のライトが車両外部のサイドミラー内に内蔵されているのは周知となっている。このようにサイドミラー内に配置することは、多くの点で有効ではなるが、特に雪や氷が該ミラーに積もる環境では常に望ましいとは限らない。このような配置及び表示に関する措置は今後も引き続き取られると思われるが、配置可能な場所が比較的小さな場所しかない場合、ダッシュパネル又はインストルメントパネル上でも配置可能となるように比較的場所を取らない大きさを有するとともに多数の情報を伝送できる表示器を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0011】
従来型のシステムが抱える問題点は、本発明の車両用死角検知及び表示システム及び方法によって解決される。
【0012】
本発明の第1の概念は、車両用死角検知及び警告システムである。該システムは、(i)車両に取り付けられている少なくとも1つのセンサと、(ii)トランスミッタと、を有する感知システムを備えている。該少なくとも1つのセンサは、車両の側方にて隣接している領域に沿って存在する検知領域内に物体が車両に近接して存在していることを検知するようになっている。該トランスミッタは、物体が検知領域内に車両に近接していることが少なくとも1つのセンサによって検知されたことを示す信号を伝送する。車両用死角検知及び警告システムは、また、車両の内部に配置されている1つの発光表示器を備えている。車両用死角検知及び警告システムは、更に、感知システム及び発光表示器と通信しているコントローラを備えている。検知領域内で物体が車両に近接して存在していることが検知されたとき、コントローラは、トランスミッタから伝送された上記信号を受信して、発光表示器の点滅周波数を制御する。
【0013】
本発明の他の概念は、車両の側方にて隣接している領域に沿って存在する検知領域内に物体が車両に近接して存在していることを検知して視覚表示する方法である。該方法は、検知領域内で物体が車両に近接して存在していることを感知することを含む。また、該方法は、感知された物体が検知領域内に車両に近接して存在している状態に関する情報を伝送することを含む。更に、該方法は、伝送された情報に基づいて1つの発光表示器の点滅周波数を選択することによって、感知された物体が検知領域内に車両に近接して存在することを視覚表示することを含む。
【0014】
本発明の他の概念は、1つの照明表示器を使用することによって、車両の運転手に車線変更の適否を表示する方法である。車両は、オン位置とオフ位置との間で選択可能な方向指示灯と、車両の側方にて隣接しており後方に向かって延びる検知領域内で物体が存在していることを検知する死角検知及び警告システムと、を備えている。上記方法は、運転手及び車両の状態を評価することを含む。運転手及び車両の状態は、(i)第1状態と(ii)第2状態と(iii)第3状態とから成る群から選択されており、第1状態は、方向指示灯がオフ位置にあり検知領域内では物体が検知されていない状態であり、第2状態は、方向指示灯がオフ位置にあり検知領域内で物体が検知されている状態であり、第3状態は、方向指示灯がオン位置にあり検知領域内で物体が検知されている状態である。また、上記方法は、照明表示器の動作の制御を行うことによって、車線変更の適否を表示することを含む。この照明表示器の動作の制御は、運転手及び車両の状態が第1状態であると評価されたとき照明表示器は点かず、運転手及び車両の状態が第2状態であると評価されたとき照明表示器は継続して点灯し、運転手及び車両の状態が第3状態であると評価されたとき照明表示器は点滅するような制御である。
【0015】
本発明の他の概念は、1つの照明表示器を使用することによって、車線変更の危険度を車両の運転手に表示する方法である。車両は、車両の側方にて隣接しており後方に向かって延びる検知領域内の物体が車両に近接していると判断するための死角検知及び警告システムを備えている。検知領域は少なくとも2つの区域を含んでおり、該少なくとも2つの区域のうちの第1区域は、車両に最も近い区域であり、該少なくとも2つの区域のうちの第2区域は、第1区域よりも車両から遠い区域である。上記方法は、検知領域内に物体が存在するか否かを検知し、検知領域内に物体が存在したときは少なくとも2つの区域のうちのどの区域に物体が存在しているのか判断することを含む。上記方法は、また、少なくとも2つの区域のうちのどの区域に物体が存在しているかの判断に基づいて、照明表示器の点滅周波数を選択することを含む。物体が第1区域内に存在しているときに選択される点滅周波数は、物体が第2区域内に存在しているときに選択される点滅周波数よりも高くなり、もって、車線変更の危険度が上がっていることを運転手に表示される。
【0016】
本発明は、以下で説明する実施例以外の実施例も可能であり、その詳細の変更は本発明の範囲内であれば可能である。従って、添付の図面及び以下の実施例は本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】3つの死角領域を示した車両の概略図。
【図2】本発明の実施例における複数の検知領域を有する車両の概略図。
【図3】本発明の他の実施例における複数の検知領域を有する車両の概略図。
【図4】車両のダッシュパネル等に配置された本発明の実施例における表示器の前面図。
【図5】本発明の実施例における車両用死角検知及び表示システムの概略図。
【図6】本発明の実施例における方法の概略図。
【図7】表示器の好ましい動作形態を示す図。
【図8】本発明の他の実施例における方法の概略図。
【図9】本発明の他の実施例における方法の概略図。
【図10】好ましい点滅の形態を示す図。
【図11】他の好ましい点滅の形態を示す図。
【図12】他の好ましい点滅の形態を示す図。
【図13】他の好ましい点滅の形態を示す図。
【図14】他の好ましい点滅の形態を示す図。
【図15】他の好ましい点滅の形態を示す図。
【図16】他の好ましい点滅の形態を示す図。
【図17】他の好ましい点滅の形態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、車両用死角検知及び表示システムに関する。詳しくは、本発明は、死角領域及び該領域内に車両が近接している状態に関する情報を運転手に伝える発光表示システムに関する。本発明は、また、死角領域内に車両が近接して存在する状態を検知して、その状態を運転手に視覚表示する方法に関する。更に、本発明は、車線変更の妥当性を運転手に示す方法に関する。また、本発明は、車線変更する際の危険度を示す方法に関する。
【0019】
本書で使用される“死角”又は“死角領域”という用語は、車両の前方又はルームミラー又はサイドミラーを見ているときの運転手が見ることのできない車両の外部領域を示す。死角領域と通常呼ばれるこの領域は、リアクウォーターブラインドスポット(rear quarter blind spots)、即ち、車両の側方且つ後方の領域である。死角領域として見なされる領域としては、他に、運転手の側方の視界から外れる左右の領域である。詳しくは、死角領域は、自動車内にある各種構造体によって運転手が見ることができない隣接する車線内にある。運転手の目、頭及び胴の回転には物理的な限界があるため、運転手には見ることのできない領域が存在する。大抵の自動車及びある種の軽トラックの死角は、その車体の形状に依存する。例えば、車両の前ドアとフロントガラスとの間にあるAピラーによって見ることができない車両の外部の領域内に死角が存在することもある。また、前ドアの後方にあるBピラーによって見ることができない車両の外部の領域内に死角が存在することもある。更に、後方の窓ガラスの前方にあるCピラーよって見ることができない車両の外部の領域内に死角が存在することもある。また、運転手の側方の視界及びルームミラーに覆われた領域も死角を形成する。大型トラック及び特に牽引用トレーラの場合、運転席の側方において車体に沿って該車体の後方まで延びる領域等の非常に大きな死角がある。
【0020】
本発明は、単体の死角表示ライトを提供しており、この死角表示ライトは、好ましくは、車両の内部に配置され、更に好ましくはダッシュボード又はインストルメントパネル上に配置される。表示及び検知システムは、各種状況に対する評価に基づき車線変更が妥当か否かに関する情報を伝達する。車両の方向指示灯がオフであることから車線変更の意図が無いとともに死角内で検知される車両が無い第1状態においては、表示及び検知システムは、オフとなり車線変更が可能であることを示す。方向指示灯がオフではあるが死角内で車両が検知されている第2状態においては、表示及び検知システムは、継続的に即ち“常時”点灯する。方向指示灯がオンであり死角内で車両が検知されている第3状態においては、表示及び検知システムは、点滅して、車線変更が望ましくないことを運転手に警告する。好ましくは、第3状態での表示及び検知システムが閃光する頻度ないし回数は、検知された車両の近接状況に関係する。
【0021】
本発明は、また、(方向指示灯によって示される)車線変更の意図がある場合に存在する危険の度合いに関する情報を、死角内での車両の近接状態に基づいて、運転手に伝える。本発明によると、死角は、多数の区域に分割され、好ましくは、3つの区域に分割される。死角が3つの区域に分割される場合、第1区域は、3つの区域のなかで運転手に最も近い区域であり、第3区域は、3つの区域のなかで運転手から最も遠い区域である。本発明の好適実施例におけるシステムでは、検知された車両が接近するにつれて、1つしかない表示体の点滅周波数が高くなる。従って、最も好ましい実施例においては、第3区域で車両が検知された場合と比べて第2区域で車両が検知された場合の方が閃光の回数が多い。そして、第2区域で車両が検知された場合に比べて第1区域で車両が検知された場合の方が閃光の回数が多い。
【0022】
図1は、車両10と該車両10から側方且つ後方に延びる代表的な死角30とを概略的に示す図である。車両の前部を参照符号Fで示し、車両の後部を参照符号Rで示す。死角30は、全体的に、運転手から延びて角度Aを形成しながら拡がっている。この死角30の大きさは、運転手によって異なるとともに車両のピラー及び窓の形状、運転手の位置、天候状態及びその他の要因による影響も受ける。死角の角度Aは、車両10の移動方向と通常一致する車両10の長手軸に平行な軸に対する角度であり、通常、約0°から約45°の範囲にあり、考えられるところでは0°から約90°の範囲にある。
【0023】
車両10が本実施例で説明する車両用死角検知システムを備える場合、該システムは、典型的に、検知領域20を有する。図1に示されるように、検知領域20は、車両10の後部から最大距離dだけ離れた地点まで死角30を含んでいることが好ましい。また、車両用死角検知システムが死角30内で他の車両等の物体を検知できるようにすることが好ましい。検知領域20は、また、図1に示されるように、死角30を超えて車両の横方向に延びている。検知領域20は如何なる形状でもよい。図1に示されるように、検知領域20は、矩形状であり、ほぼ運転手の位置から後方に長さ20aだけ延びるとともに運転手の位置から側方向外方に幅20bだけ延びている。
【0024】
検知領域20は2つ又はそれ以上の区域に分割される。図1に示されるように、検知領域20は、区域1、区域2及び区域3等の3つの区域を含むような領域である。区域の数、区域の形状及び検知領域20との関係は、本書で詳述するような多数の要因によって変わる。
【0025】
図2は、他の車両12及び本発明の好適な実施例における検知領域22を概略的に示している。検知領域22は、車両12から後方且つ側方に延びている。検知領域22は、区域22a、22b、22c等の少なくとも3つの区域を備える。この実施例において、検知領域は、多数の区域を画成する多数の同心の円弧によって形成される。死角検知システムが検知領域22の反対側も検知するようなシステムであれば、検知領域22の反対側には検知領域23が存在する。同様に、検知領域23は、区域23a、23b、23c等の1つ又はそれ以上の区域を備える。
【0026】
検知領域内での複数の区域は、互いに同等或いは実質的に同等でもよい。即ち、各区域に覆われる面積即ち各区域の面積は互いに同じでもよい。或いは、検知領域内の1つ又はそれ以上の区域は、その他の区域よりも大きい区域であってもよい。また、各区域の面積を車両から遠ざかるにつれて増大させてもよい。この場合、例えば、車両に対して第1区域よりも離れた位置にある第2区域は、第1区域よりも面積が大きい。そして、車両に対して第2区域よりも離れた位置にある第3区域は第2区域よりも面積が大きい。或いは、各区域の面積は、車両から離れるにつれて小さくしてもよい。各区域の特定の形状は及び各区域の検知領域に対する関係は、車両及び所望の形状の特定のパラメータに依存している。
【0027】
大半の死角検知システムの特徴としては、他に、スイープして検知することである。この特徴はスイープ角Bとして図2に示されている。概して、スイープ角度Bは、図2に示されるように90°より大きい角度のような比較的大きい角度であることが好ましい。スイープ角は、概して、検知センサの位置を中心として提供される角度である。
【0028】
図3は、車両14と他の好適実施例における検知領域24、25の概略図である。検知領域24、25は車両14から延びている。車両14の死角検知システムに対応するスイープ角Cは、図2に示されるスイープ角Bよりも小さい。また、図3の検知領域は多数の区域に分割されていない。
【0029】
前述したように、本発明は単体即ち1つの表示器を提供しており、この表示器は、車両の死角及び該死角内で検知された車両等の物体に関する多数の情報を伝えるように起動又は動作する。本発明の表示器は、運転手の視界内における位置に配置可能である。表示器は、車両の内部に配置されることが好ましく、また、車両のダッシュボード又はインストルメントパネルに配置されると更に好ましい。好ましくは、単体の表示器は、発光型の表示器又は点灯する素子である。単体の表示器は、可視スペクトル内の波長の光を発するが、光の色は、ダッシュボード又はインストルメントパネル上の他の表示器又は同種の複数の表示器に合った色であることが好ましい。表示器の光の色として好ましい代表的な色は、赤、黄、青、緑及び白であるが、これらの色以外でもよい。
【0030】
また、表示器の特徴を運転者に示すために該表示器上に印又はマークを提供するカバー又はテンプレートを提供することが好ましい。例えば、図4は、好適実施例における表示器50とカバープレート52とを示している。表示器50は車両のダッシュボード54に取り付けられており、カバープレート52は表示器50上に配置されている。図4は、車両用死角表示器50の代表的な一例を示している。カバーは、例えば、光を通過させることのできる有色の素材であり、表示器の記号の説明を行う不透明なマーク又は印を有する。
【0031】
本発明は、また、車両用死角検知及び警告システムを提供する。図5は、該システム100を概略的に示している。システム100は感知システム110を備えている。該感知システム110は、車両のドアミラー内に内蔵されているセンサのような車両に取り付けられた少なくとも1つのセンサ102を備えている。センサ102は、車両の後方の側部に沿って配置されていてもよい。また、車両の下側に沿ってセンサ102が備えられていてもよい。センサ102は、車両の側方及び/又は後方の領域に概ね在る検知領域内での物体の存在を検知するようになっている。好ましくは、センサ102は、また、検知領域内で物体が車両に近接していることを検知及び判断、或いは、該物体が近接していることの判断に資するようになっている。感知システム110は、また、センサ102から信号を受信して、検知領域内で物体を検知したことと好ましくはその物体が近接していることとを示す電気信号を送信するトランスミッタ104及び/又は処理ユニットを備える。システム100は、更に、トランスミッタ104と通信しているコントローラ120を備えており、該コントローラ120は、上述の検知領域内での物体の検知及びその物体が近接している状態に関する情報及び信号を受信する。コントローラ120は、マイクロプロセッサであることが好ましく、本書で詳細に述べられているような構成となっている。システム100は、更に、表示器130を1つ備えている。該表示器130は、発光する表示器であることが好ましい。図5に示されるように、表示器130はコントローラ120と通信している。しかし、表示器130は、感知システム110の1つ又はそれ以上のセンサ102とトランスミッタ及び/又は処理ユニットとに直接通信していてもよい。本発明は、また、コントローラ120とトランスミッタ/プロセッサ104とが統合されており、表示器130を直接作動させる実施形態も含む。
【0032】
システム100の動作の際、好ましくは、感知システム110詳しくはセンサ102が検知領域内での物体の存在及びその物体が近接していることを検知した際、コントローラ120は、トランスミッタ104から送信された信号を受信して、1つしかない表示器130の動作を制御する。本書で詳細に述べるように、コントローラ120は、表示器130の点滅周波数を制御する。
【0033】
図6は、検知領域内での物体の存在を検知するとともに該物体が近接していることを検知する方法の好ましい一例を示している。方法200は、検知領域内で物体が存在しており該物体が車両に近接していることを感知することを含む。この工程をステップ120とする。方法200は、更に、感知された物体の存在及び該物体が車両に近接している状態であることに関する情報を送信することを含む。この工程をステップ220とする。送信された情報は、典型的には、図5のシステム110等の感知システムからの情報であり、図5のコントローラ120等のコントローラに送信される。方法200は、更に、送信された情報に基づいて、1つしかない表示器を作動させて、好ましくは、点滅周波数を選択し、もって、感知された物体が検知領域内に存在するとともに該物体が車両に近接していることを視覚的に表示する。この工程をステップ230とする。本書で更に説明するが、検知された物体が車両に近接していることに基づいて、点滅周波数を選択する或いは変化させることが好ましい。従って、この好ましい一例における方法では、表示器の点滅周波数は、検知された物体がどの区域に在るのかに基づいて、選択される。この特徴は図7を参照して説明する。
【0034】
前述したように、1つしかない表示器は、該表示器に対応する検知領域内で1つ又はそれ以上の車両が検知されたときに、点滅即ち断続的に動作する。好ましくは、点滅周波数と称される閃光の頻度ないし回数は、検知された物体が車両に近接している状態に基づいて選択される。最も好ましいのは、点滅周波数は、車両に対する検知された物体の近接の程度が大きくなると高くなる。即ち、検知された物体が車両に近くなるにつれて点滅周波数が高くなることが最も好ましい。
【0035】
図7は、本発明に係わる1つしかない表示器の各種の好ましい動作状態を概略的に示している。図7は、検知領域を多数の区域に分割する感知システムと共に使用される図4の表示器50又は図5の表示器130等の1つしかない表示器の状態U〜状態Z等の各種動作状態から成る構成300を示している。図7に示されたこの好ましい構成300において、表示器の動作及び明るさは、方向指示灯が起動したか否か、検知領域内に物体が検知されたか否か、そして、該物体が検知領域内で検知された場合、検知領域のどの区域にその物体が在るのかによって、制御される。状態U及び状態Zは、検知領域内には物体が検知されていないとともに方向指示灯が起動していない(以降“オフ”と称する)ときの表示器の動作及び明るさを示している。この状態U及び状態Zにおいては、表示器は起動しない。状態Vにおいて、感知システムは検知領域のいずれかの区域内で物体を検知するとともに、方向指示灯はオフとなっているので、車線変更の意図のないことが示される。この状態Vにおいて、1つしかない表示器は、継続的に動作して第1の明るさのレベルaを維持する。この表示器が継続してオンのモードにある状態は、その時点における検知領域内に物体が在ることを示している。状態Wにおいて、感知システムは検知領域内で物体を検知、詳しくは、感知システムは車両から比較的遠い区域内で物体を検知するとともに方向指示灯が点いているので、車線変更の意図があることを示している。この状態Wにおいて、表示器は断続的に動作、即ち、表示器は点滅する。詳しくは、表示器は、明るさのレベルが第1の明るさのレベルaから上がってレベルbとなった状態で、閃光する。表示器が比較的低い点滅周波数で点滅するモードは、物体が検知領域内で検知されているとともに該物体が検知領域において車両から遠い区域に在ることを示している。状態Xにおいて、感知システムは、検知領域内で物体を検知、詳しくは、感知システムは、状態Wに対応する区域よりも車両に近い区域内で物体を検知している。また、状態Xにおいて、方向指示灯はオンとなっているので、車線変更の意図があることを示す。状態Xにおいて、表示器の点滅周波数は、状態Wにおける表示器の点滅周波数よりも高い(状態Xにおける表示器は、状態Wにおける表示器よりも速く点滅する)。点滅周波数が高くなるということは、検知された物体が及ぼす危険のレベルが上がることを示す。状態Yにおいて、感知システムは、検知領域内で物体を検知、詳しくは、感知システムは、車両に最も近い区域内で物体を検知している。そして、状態Yにおいて、方向指示灯は点いている。図7から分かるように、状態Yにおける点滅周波数は、状態Xにおける点滅周波数よりも一層高く(状態Yにおける表示器は、状態Xにおける表示器よりも一層速く点滅し)、その分だけ危険度が高くなっていることを示している。
【0036】
表示器の明るさのレベルは、外界の光のレベル、即ち、昼間か夜間かによって、上昇することが好ましい。従って、図7を参照すると、外界の光のレベルがとても高くてシステムが昼間であると判断した場合、表示器は、全体がオフ状態のデフォルト状態となる。システムが夜間であると判断した場合、表示器は、図7に示されるように、第1の明るさのレベルaを有するデフォルト状態となる。昼間又は夜間であるかに関係なく、表示器が点滅するとき、即ち、表示器が状態W、状態X又は状態Y等の状態にあるとき、表示器の明るさのレベルは、本書で“デルタ”と称する明るさのレベル差がある2つの明るさのレベルの間で交互に変化する。
【0037】
下記の表1は、他の車両等の物体が検知領域内で感知されたか否か及び該物体が感知されたのであればどの区域で感知されたのか、方向指示灯の状態、システムが夜間であると判断したのか否か(即ち、“照度状態(illumination status)”)、対応する表示器の明るさ、及び、表示器の点滅周波数に基づく表示器の好ましい動作を示している。
【表1】

【0038】
図8は、本発明に係わる好適実施例における方法400を示している。この実施例における方法は車線変更の適否を示す方法である。この方法は、運転手及び車両が以下で述べる幾つかの状態のうちの1つの状態に該当するか否かを評価することを含んでいる。方向指示灯がオフであり検知領域内で物体が検知されていないときを第1状態と定義する。方向指示灯がオフであり検知領域内で物体が検知されているときを第2状態と定義する。方向指示灯がオンであり検知領域内で物体が検知されたときを第3状態と定義する。この状態を評価する動作を図8に示されるステップ410とする。方法400は、また、運転手及び車両が第1状態にあると評価された場合に表示器が点灯しないように表示器の動作を制御することを含む。運転手及び車両が第2状態にあると評価された場合、表示器は継続的に動作、即ち、点灯する。運転手及び車両が第3状態にあると評価された場合、表示器は、断続的に動作即ち点滅する。この動作は図8において参照番号420で示されている。表示器の上記3つの動作モードによって、車線変更の適否に関する表示が行われる。
【0039】
図9は、本発明に係わる他の好適実施例における方法500を示している。この実施例における方法は、1つの点灯表示器を使用して車線変更に係わる危険度を示す方法である。方法500は、物体が検知領域内に存在するか否かを検知することと、該物体が存在する場合、検知領域のどの区域にその物体が在るのかを判断することと、を含んでいる。この動作は、図9において参照番号510、520で示されている。方法500は、また、物体がどの区域内に在るのかという判断に基づいて表示器の点滅周波数を選択することを含んでいる。この動作は、図9の参照番号530によって示されている。点滅周波数は、物体が車両に比較的近い区域内に在ると、高くなるように選択されることが好ましい。また、点滅周波数は、物体が車両から遠い区域内に在ると低くなる。従って、比較的速い点滅を提供する点滅周波数は、危険度が高いことを示している。
【0040】
本発明には広範囲な点滅周波数が使用できる。例えば、検知領域が3つの区域を有する場合、以下の表2に示される範囲の点滅周波数が使用可能である。
【表2】

【0041】
本発明の点滅周波数は、表2に記される値よりも高い(即ち、速い点滅を提供する)点滅周波数、或いは、表2に記される値よりも低い(即ち、遅い点滅を提供する)点滅周波数も含んでいることは理解されたい。
【0042】
本発明は、表示器の発光素子の広範囲なアレーを使用する。例えば、該素子は、発光ダイオード(LED)、ハロゲンライト、白熱光である。該素子は、又は、光パイプの使用等の間接照明技術を採用する。本願のシステムで使用される好ましい種類の発光素子は1つ又はそれ以上のLEDである。特定のLED及びその支持回路の選択は、自動車の内装照明の専門家によって行われる。1つ又はそれ以上のLEDの選択に伴い、車両のバッテリ電圧をLEDの動作に適した電流に変換する適当なLEDドライバが決まる。LED回路には、熱防護、調光、多数のLEDの調光、色混合及びブースト機能等の各種機能が容易に内蔵可能である。これらの機能を備える代表的な回路は、2007年6月6日のオートモーティブ・デザイン・ライン(Automotive Design Line)の“LED's Allow Attractive and Stylish Auto Interior Lighting”のパート1及びパート2等に示されるように当業界では周知となっている。
【0043】
発光素子は、1つの閃光特性又は複数の閃光特性の組み合わせを備える構成である。例えば、隣り合う2つのパルスの周期が等しい又は実質的に等しい1つの点滅パターンの使用である。この点滅パターンの仲間として、図10に示されるように、閃光パルスの周期の後に、該周期と同じ長さの閃光パルスの無い周期が続く。明るさ又は強度aと周期eとを有する第1パルス602の後に周期fが続き、その後、第2パルス604が発光する。第2パルス604の周期は第1パルス602の周期eと同じ又は実質的に同じである。周期eと周期fとは等しい又は実質的に等しい。図11は、前述の閃光パルス602の後にパルスの無い周期gが続く形態の点滅を示している。周期eは周期gよりも長い。図12は、第1パルス602の後にパルスの無い周期hが続く形態の点滅を図示している。周期eは周期hよりも短い。点滅の形態は、パルス間又はパルス群間で明るさが変化するものでもよい。図13は、第2パルス606が第1パルス602の明るさaよりも大きい明るさbを示す形態の点滅を図示している。パルス602及び606は、同じ周期eを有するものとして示されている。図14は、第2パルス608が第1パルス602の明るさよりも小さい明るさcを有する形態の点滅を示している。本発明は、1種類のパルスのパターンの他に、互いに異なる周期のパルスが隣り合う2種類のパルスによって構成されるパターンも提供する。例えば、図15は、周期iの第2パルス610が前述の第1パルス602の後に続く形態の点滅を図示している。この点滅形態において、第2パルス610の周囲iは第1パルス602の周期eよりも短い。また、第2パルス610の明るさcは、第1パルス602の明るさaよりも小さい。図16は、第2パルス612の周期kが第1パルス602の周期eよりも長い形態の点滅を図示している。第2パルス612の明るさdは第1パルス602の明るさaよりも大きい。図17は、明るさのレベルが変化する1つ又はそれ以上の閃光パルスによって構成される形態の点滅を図示している。例えば、閃光パルス614は、最初に明るさレベルxであった明るさが周期Lの間に減少して明るさレベルyとなるパルスである。本発明は、前述の特徴及びそれらの組み合わせを採用する点滅形態を使用する。本発明は、図17に示される形態の閃光の変形例をも含んでおり、該変形例における閃光パルスは、その周期の間に明るさが増加するパルスである。或いは、明るさのレベルが線形状に変化するものではなく、非線形状に明るさのレベルが変化するものでもよい。
【0044】
本発明のシステムは、表示器を1つだけ利用するシステムであることが好ましい。この1つだけの表示器は、車両の運転手側といった片側に対応する1つの検知システムとともに使用される。また、車両の運転手側及び助手席側といった両側の死角に関する情報を検知して提供する複数のシステムと組み合わせて1つの表示器を使用することも可能である。このような複数のシステムと1つの表示器との組み合わせの場合、該表示器は、車両の各側にある検知領域内の物体の検知に基づいて、本書で述べたように動作する。本発明は、また、2つの表示器の使用をも含んでおり、各表示器は、車両の死角に対応する検知システムに対応する。2つの表示器を使用する場合、各表示器がダッシュボード又はインストルメントパネル上に配置されることが好ましい。また、2つの表示器を組み合わせ又は統合して、2つの表示部又は2つの表示領域を備えた1つの表示器を形成してもよい。
【0045】
前述のように、表示器は、運転手の視界内に配置される。即ち、表示器の位置は、ダッシュボード又はインストルメントパネルには限定されない。例えば、或る実施例においては、表示器は車両のサイドミラー又はその近くに配置される。本発明は、運転手側及び助手席側のサイドミラー等に配置された多数の装置の使用も含む。
【0046】
本発明は、運転手の死角内に他の車両等の物体が近接している状態を検知及び評価する複数の技術及びシステムを取り合わせている。例えば、本発明は、例えば、米国特許第7205904号、米国特許第6838981号、米国特許第6400308号、米国特許第6268804号、米国特許第6243024号、米国特許第6067031号、米国特許第5467072号及び米国特許第5087918号に記載されているようなレーダによる検知システムを採用してもよい。本発明は、例えば、米国特許第7253722号、米国特許第6961006号、米国特許第6927677号、米国特許第6753766号、米国特許第6470273号、米国特許第6363326号、米国特許第6038496号及び米国特許第5463384号に記載されているような赤外線又は熱による検知システムを利用してもよい。本発明は、また、例えば、米国特許第7106183号、米国特許第7038577号、米国特許第6911642号、米国特許第6882287号、米国特許第6859148号、米国特許第6803858号、米国特許第6737964号、米国特許第6693519号、米国特許第6424273号、米国特許第6424272号、米国特許第5982278号、米国特許第5680123号及び米国特許第5166681号に記載されているような光学式な識別、画像センシング、画像処理技術に基づく検知及び分析システムを使用してもよい。本発明は、また、例えば、米国特許第6727808号、米国特許第5734336号及び米国特許第5235316号に記載されているような音波又は超音波システムを利用してもよい。本発明は、また、上記以外の技術、例えば、米国特許第7295925号及び米国特許第6370475号に開示されているような衛星による車両位置検知システム、例えば、米国特許第7202776号に記載されているようなレーザによる車両検知システム、米国特許第7161472号に記載されているような磁界の変化を利用したシステム等の技術に基づく検知及び分析システムを使用してもよい。本発明は、また、複数ある上述のシステムのうちの1つ又は2つ以上の組み合わせを採用してもよい。又は、本発明は、本書で引用した検知システム以外の検知システムを利用してもよい。
【0047】
本願発明の技術を今後応用し発展させることによって、数多くの利点が得られることに明白であり疑う余地はない。
【0048】
本書で言及した特許文献及び書籍の記事は全て本書に含めることとする。
【0049】
上述したように、本発明は、既成の種類の装置が抱える多くの問題を解決する。しかし、請求項に記載された本発明の原理及び範囲を逸脱しない限り、本発明の本質を説明するために図示及び上述した構成の様々な変更が当業者によって可能であることは理解されたい。
【符号の説明】
【0050】
10 車両
100 死角検知及び警告システム
110 感知システム
130 1つの発光表示器と、
120 コントローラと、
102 少なくとも1つのセンサと、
104 トランスミッタと、
20 検知領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の死角検知及び警告システムであって、
感知システムと、
前記車両の内部に配置されている1つの発光表示器と、
前記感知システム及び前記発光表示器と通信しているコントローラと、
を備え、
前記感知システムは、
(i)前記車両に取り付けられている少なくとも1つのセンサと、
(ii)トランスミッタと、
を有しており、
前記少なくとも1つのセンサは、前記車両に隣接しており前記車両の側方に沿って存在する検知領域内に物体が前記車両に近接して存在していることを検知するようになっており、
前記トランスミッタは、前記物体が前記検知領域内に前記車両に近接して存在していることが前記少なくとも1つのセンサによって検知されたことを示す信号を伝送し、
前記検知領域内で前記物体が前記車両に近接して存在していることが検知されたとき、前記コントローラは、前記トランスミッタから伝送された前記信号を受信して、前記発光表示器の点滅周波数を制御することを特徴とする車両の死角検知及び警告システム。
【請求項2】
前記発光表示器は、前記車両の内部のダッシュボードに取り付けられている請求項1の車両の死角検知及び警告システム。
【請求項3】
前記発光表示器は、(i)LEDの光と、(ii)ハロゲンライトの光と、(iii)白熱光と、(iv)前記LEDの光と前記ハロゲンライトの光と前記白熱光との組み合わせと、から成る群から選択された光を発する請求項1の車両の死角検知及び警告システム。
【請求項4】
前記発光表示器は、(i)赤と、(ii)黄と、(iii)青と、(iv)緑と、(v)白と、から成る群から選択された色の光を発する請求項1の車両の死角検知及び警告システム。
【請求項5】
前記コントローラは、前記検知領域で検知された前記物体が前記車両に近接した状態にあることに基づいて前記点滅周波数を変える請求項1の車両の死角検知及び警告システム。
【請求項6】
前記コントローラは、前記物体が前記車両に近いほど前記点滅周波数を高くする請求項5の車両の死角検知及び警告システム。
【請求項7】
前記感知システムは前記検知領域を多数の区域に分けており、前記コントローラは、前記検知された物体が前記多数の区域のうちのどの区域に在るのかに基づいて前記発光表示器の前記点滅周波数を変える請求項1の車両の死角検知及び警告システム。
【請求項8】
前記多数の区域は、第1区域と第2区域と第3区域とから成る3つの区域であり、前記第1区域は前記車両に最も近い区域であり、前記第3区域は前記車両から最も遠い区域であり、前記第2区域は前記第1区域と前記第3区域との間にある区域であり、前記コントローラは、前記第2区域内で物体が検知されたときの前記発光表示器の前記点滅周波数が前記第3区域内で物体が検知されたときの前記発光表示器の前記点滅周波数よりも高くなるように、前記点滅周波数を制御する請求項7の車両の死角検知及び警告システム。
【請求項9】
前記第1区域内で物体が検知されたときの前記発光表示器の前記点滅周波数は、前記第2区域内で物体が検知されたときの前記発光表示器の前記点滅周波数よりも高い請求項8の車両の死角検知及び警告システム。
【請求項10】
車両に隣接しており前記車両の側方に沿って存在する検知領域内に物体が前記車両に近接して存在していることを検知して視覚表示する方法であって、
前記検知領域内で物体が前記車両に近接して存在していることを感知することと、
前記感知された物体が前記検知領域内に前記車両に近接して存在している状態に関する情報を伝送することと、
前記伝送された情報に基づいて1つの発光表示器の点滅周波数を選択することによって、前記感知された物体が前記検知領域内に前記車両に近接して存在することを視覚表示することと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項11】
前記選択された点滅周波数は、前記感知された物体が前記車両に近接している状態に基づいている請求項10の方法。
【請求項12】
前記選択された点滅周波数は、前記感知された物体が前記車両に近いほど高い請求項11の方法。
【請求項13】
前記方法は、更に、方向指示灯の状態を識別することを含み、前記発光表示器の前記点滅周波数の選択は、前記方向指示灯の状態にも基づいて行われる請求項10の方法。
【請求項14】
1つの照明表示器を使用することによって、車両の運転手に車線変更の適否を表示する方法であって、
前記車両は、オン位置とオフ位置との間で選択可能な方向指示灯と、前記車両に隣接しており前記車両の側方及び斜め後方に存在する検知領域内で物体が存在していることを検知する死角検知及び警告システムと、を備えており、
前記方法は、
前記運転手及び前記車両の状態を評価することと、
前記照明表示器の動作の制御を行うことによって、車線変更の適否を表示することと、
を含み、
前記運転手及び前記車両の状態は、(i)第1状態と(ii)第2状態と(iii)第3状態とから成る群から選択されており、
前記第1状態は、前記方向指示灯が前記オフ位置にあり前記検知領域内では物体が検知されていない状態であり、
前記第2状態は、前記方向指示灯が前記オフ位置にあり前記検知領域内で物体が検知されている状態であり、
前記第3状態は、前記方向指示灯が前記オン位置にあり前記検知領域内で物体が検知されている状態であり、
前記照明表示器の動作の前記制御は、
前記運転手及び前記車両の状態が前記第1状態であると評価されたとき前記照明表示器は点かず、
前記運転手及び前記車両の状態が前記第2状態であると評価されたとき前記照明表示器は継続して点灯し、
前記運転手及び前記車両の状態が前記第3状態であると評価されたとき前記照明表示器は点滅するような制御であることを特徴とする方法。
【請求項15】
1つの照明表示器を使用することによって、車線変更の危険度を車両の運転手に表示する方法であって、
前記車両は、前記車両に隣接しており前記車両の側方及び斜め後方に存在する検知領域内の物体が前記車両に近接していると判断するための死角検知及び警告システムを備えており、前記検知領域は少なくとも2つの区域を含んでおり、前記少なくとも2つの区域のうちの第1区域は、前記車両に最も近い区域であり、前記少なくとも2つの区域のうちの第2区域は、前記第1区域よりも前記車両から遠い区域であり、
前記方法は、
前記検知領域内に物体が存在するか否かを検知し、前記検知領域内に前記物体が存在したときは前記少なくとも2つの区域のうちのどの区域に前記物体が存在しているのか判断することと、
前記少なくとも2つの区域のうちのどの区域に前記物体が存在しているかの判断に基づいて、前記照明表示器の点滅周波数を選択することと、
を含み、
前記物体が前記第1区域内に存在しているときに選択される前記点滅周波数は、前記物体が前記第2区域内に存在しているときに選択される前記点滅周波数よりも高くなり、もって、前記危険度が上がっていることを前記運転手に表示することを特徴とする方法。
【請求項16】
前記少なくとも2つの区域は、前記第1区域と前記第2区域と第3区域から成る3つの区域であり、前記第3区域は、前記第2区域よりも前記車両から遠い区域である請求項15の方法。
【請求項17】
前記物体が前記第3区域内に存在しているときに選択される前記点滅周波数は、前記物体が前記第2区域内に存在しているときに選択される前記点滅周波数よりも低い請求項15の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−245427(P2009−245427A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−53555(P2009−53555)
【出願日】平成21年3月6日(2009.3.6)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】