説明

車両の車体下部構造

【課題】簡単な構成で車両の側突荷重をクロスメンバにより効果的に支持できるようにする。
【解決手段】トンネル部とサイドシル2に対するセンタピラー4の結合部との間に、クロスメンバ7が車幅方向に延びるように設置された車両の車体下部構造であって、上記クロスメンバ7の車幅方向外側方部分とサイドシル2の内壁面部とを結合する結合部材12を有し、該結合部材12は、上記クロスメンバ7に接合されたクロスメンバ側接合部と、上記サイドシル2に接合されたサイドシル側接合部とを有し、該サイドシル側接合部は、上記クロスメンバ側接合部よりも低剛性に形成され、上記クロスメンバ7の車幅方向外端部が、クロスメンバ側接合部よりも車外側で、サイドシル2の内壁面部から車内側に離間した位置に配置された。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車室の底面を構成するフロアパネルの車幅方向中央部に設けられたトンネル部と、車室の側辺部に設置されたサイドシルに対するセンタピラーの結合部と間に、クロスメンバが車幅方向に延びるように設置された車両の車体下部構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、下記特許文献1に開示されているように、センタピラーの下端部が結合されたサイドシルと、フロアパネルに形成されたトンネル部とを連結するフロアクロスメンバが車幅方向に延びるように設置された車両のフロアクロスメンバ構造において、車幅方向外方側に位置するサイドシル(ロッカ)に接合されるクロスメンバの終端寄り部分の稜線部に孔を設けることにより、該クロスメンバのサイドシルに対する接合部分の断面耐力を、クロスメンバ本体よりも小さく設定することが行われている。
【0003】
また、下記特許文献2に開示されているように、クロスメンバの座屈変形を抑制しつつ、圧縮入力と曲げ力とを効果的に吸収し、さらにセンタピラー下部の変形代の確保によりセンタピラー上部の侵入量抑制を図る車両の車体下部構造を提供することを目的として、クロスメンバのサイドシル側端部を、サイドシルから所定間隔を隔てた位置に配設し、クロスメンバのサイドシル側端部とサイドシルの側面とを結合する結合部材を設け、結合部材がクロスメンバより低強度に設定され、結合部材のクロスメンバ結合領域の強度が、結合部材のサイドシル結合領域の強度より高くなるように構成することが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−74835号公報
【特許文献2】特開2010−228482号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に開示されているように、クロスメンバのサイドシルに対する接合部分の断面耐力をフロアクロスメンバ本体よりも小さく設定した場合には、衝突事後の発生直後にフロアクロスメンバのロッカインナ部との結合部近傍に変形を生じさせ、ピラー下部を車室内側へ進入させることでピラー上部の倒れ込みを抑制することが可能である。しかし、上記側突時の後期段階では、センタピラーの下端部がサイドシルおよびクロスメンバにより支持された状態で、センタピラーの上部が車室内側に傾動するように変形することが避けられず、これに対応してサイドシルに回転モーメントが作用するとともに、この回転モーメントによる曲げ力で上記クロスメンバに座屈が生じることにより、該クロスメンバで側突荷重を充分に支持することができないという問題があった。
【0006】
また、上記特許文献2に開示された車両の下部車体構造では、センタピラーおよびサイドシルを介して入力される側突荷重の入力初期に低強度のサイドシル結合領域で荷重を受け止めた後、サイドシルからの曲げモーメントを高強度のクロスメンバ結合領域で受け止めるように構成されているため、側突初期にクロスメンバが座屈変形するのを防止することができる。しかし、上記クロスメンバ結合領域に曲げモーメントが作用した時点で、クロスメンバに対する結合部材の接合フランジ片に応力集中が発生することに起因した剥離が生じ易く、側突時に車体下部に入力される荷重を効果的に支持することができないという問題があった。
【0007】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、簡単な構成で車両の側突荷重をクロスメンバにより効果的に支持できる車両の車体下部構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、車室の底面を構成するフロアパネルの車幅方向中央部に設けられたトンネル部と、車室の側辺部に設置されたサイドシルに対するセンタピラーの結合部との間に、クロスメンバが車幅方向に延びるように設置された車両の車体下部構造であって、上記クロスメンバの車幅方向外側方部分とサイドシルの内壁面部とを結合する結合部材を有し、該結合部材は、上記クロスメンバに接合されたクロスメンバ側接合部と、上記サイドシルに接合されたサイドシル側接合部とを有し、該サイドシル側接合部は、上記クロスメンバ側接合部よりも低剛性に形成され、上記クロスメンバの車幅方向外端部が、クロスメンバ側接合部よりも車外側で、サイドシルの内壁面部から車内側に離間した位置に配置されたことを特徴とする車両の車体下部構造。
【0009】
請求項2に係る発明は、上記請求項1に記載の車両の車体下部構造において、上記サイドシルの上面がクロスメンバの上面よりも上方に配設されるとともに、上記結合部材のサイドシル側接合部が、上記クロスメンバ側接合部よりも上方でサイドシルに接合されたものである。
【0010】
請求項3に係る発明は、上記請求項1または2に記載の車両の車体下部構造において、上記結合部材が、上記クロスメンバの前後両面部に接合される前後両面部と、その上端部同士を連結するように設置された上面部とを有する箱形四面体状に形成され、上記結合部材の前後両面部の少なくとも一方には、そのサイドシル側接合部に開口部が形成され、上記クロスメンバの車幅方向外端部が、上記開口部よりも車外側に位置するとともに、サイドシルの内壁面部から車内側に離間するように設置され、かつ乗員用シートに着座した乗員を保護するシートベルト装置のアクチュエータが上記切欠き部を介して結合部材内に配設されたものである。
【0011】
請求項4に係る発明は、上記請求項1〜3の何れか1項に記載の車両の車体下部構造において、上記結合部材が乗員用シートの取付けブラケットとしての機能を兼ね備えたものである。
【0012】
請求項5に係る発明は、上記請求項1〜4の何れか1項に記載の車両の車体下部構造において、上記クロスメンバには、車幅方向外端部がサイドシルの内壁面部と所定距離を置いて対向するとともに、車幅方向に延びるように設置されたクロスメンバ本体と、その車幅方向外側部分上に設置された補強部材とが設けられ、該補強部材とクロスメンバとの重合部分上に上記結合部材が設置されたものである。
【0013】
請求項6に係る発明は、上記請求項1〜4の何れか1項に記載の車両の車体下部構造において、車幅方向内端部が上記結合部材を介してサイドシルに結合された車幅方向外方側部材と、該車幅方向外方側部材の車幅方向内方側に配設された車幅方向内方側部材とにより上記クロスメンバが構成されるとともに、該クロスメンバの車幅方向外方側部材が車幅方向内方側部材に比べて高強度に形成されたものである。
【0014】
請求項7に係る発明は、上記請求項1〜6の何れか1項に記載の車両の車体下部構造において、上記結合部材のサイドシル側接合部がクロスメンバに対して非固定状態とされることにより、クロスメンバに固定されたクロスメンバ側接合部に比べて低剛性に構成されたものである。
【0015】
請求項8に係る発明は、上記請求項7に記載の車両の車体下部構造において、上記結合部材のクロスメンバ側接合部が閉断面構造に形成されるとともに、上記結合部材のサイドシル側接合部が開断面構造とされることにより、該サイドシル側接合部が上記クロスメンバ側接合部に比べて低剛性に構成されたものである。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に係る発明では、結合部材のサイドシル側接合部をクロスメンバ側接合部よりも低剛性に形成することにより、サイドシルに対する結合部材の接合強度を、クロスメンバに対する結合部材の接合強度よりも低くするように構成したため、車両の側突時等に上記センタピラーおよびサイドシルを車体の内方側に押動する方向の衝撃荷重が入力される側突事故の初期段階で、上記結合部材のサイドシル側接合部をクロスメンバ側接合部よりも先に潰すことで、衝突エネルギーを効果的に吸収しつつ、上記センタピラーの下端部を車室内側に移動させることができる。そして、上記クロスメンバ本体の車幅方向外端部をサイドシルの内壁面部から所定距離だけ離間させることにより、上記クロスメンバの車幅方向外端部とサイドシルの内壁面部とを非結合状態としたため、側突事故の初期段階では上記センタピラーの下端部をスムーズに車室内側への移動させることにより、センタピラーの上部がその下端部を支点として車室内側へ倒れ込むように変位すること等を効果的に防止することができる。また、上記クロスメンバの製造時における公差を大きくすることが可能であり、製造コストを効果的に低減できるという利点もある。
【0017】
しかも、上記クロスメンバの車幅方向外端部を、結合部材のクロスメンバ側接合部よりも車外側で、サイドシルの内壁面部から車内側に離間した位置に配置したため、上記側突事故が発生した後の所定時点でサイドシルを上記クロスメンバの車幅方向外端部に当接させることにより、上記サイドシルの内方移動を規制しつつ、該サイドシルに作用する荷重を上記クロスメンバと結合部材との両方に分散させて、より効果的に支持することができる。したがって、上記側突事故の後期段階で、センタピラーに入力される荷重が急上昇することに起因してセンタピラーの上部が車室内側に傾動するように変形したり、これに対応してサイドシルに作用する回転モーメンによる曲げ力で上記クロスメンバ側接合部とクロスメンバの接合部位に応力が集中することに起因した剥離が生じたりすること効果的に防止しつつ、上記側突荷重を安定して支持できるという利点がある。
【0018】
請求項2に係る発明では、サイドシルの上面がクロスメンバの上面よりも上方に配設されてなる車両の車体下部構造において、上記結合部材のサイドシル側接合部を、上記クロスメンバ側接合部よりも上方でサイドシルに接合したため、車両の側突時に上記サイドシルに入力された荷重を上記結合部材により効果的に吸収しつつ、クロスメンバに効率よく伝達して支持することができる。
【0019】
請求項3に係る発明では、上記結合部材を、上記クロスメンバの前後両面部に接合される前後両面部と、その上端部同士を連結するように設置された上面部とを有する箱形四面体状に形成し、上記結合部材の前後両面部の少なくとも一方に、そのサイドシル側接合部に開口部を形成し、かつ乗員用シートに着座した乗員を保護するシートベルト装置のアクチュエータを上記切欠き部から結合部材内に配設するように構成したため、上記箱形四面状体からなる結合部材の内部空間を有効に利用して上記アクチュエータを収納することにより、後列シートに着座した乗員の足元スペースが狭められてその居住性が悪化する等の問題を生じることなく、上記アクチュエータを適正にレイアウトできる等の利点がある。
【0020】
請求項4に係る発明では、クロスメンバの車幅方向外側方部分とサイドシルの内壁面部とを結合する上記結合部材に、乗員用シートの取付けブラケットとしての機能を兼ね備えさせたため、該取付ブラケットと上記結合部材とを別体に形成した場合に比べて、部品点数を減少させて車両の軽量化を図ることができるという利点がある。さらに、車両の側突時等に、上記センタピラーおよびサイドシルから上記結合部材に入力された衝撃荷重を、例えば乗員用シートのシートレール等を介して前方のクロスメンバに伝達する等により、上記衝撃荷重を安定して支持できるという利点がある。
【0021】
請求項5に係る発明では、車幅方向外端部がサイドシルの内壁面部と所定距離を置いて対向するとともに、車幅方向に延びるように設置されたクロスメンバ本体と、その車幅方向外側部分上に設置された補強部材とを上記クロスメンバに設け、該補強部材とクロスメンバとの重合部分上に上記結合部材を設置したため、クロスメンバ本体をその全長に亘って厚肉に形成する等の手段を講じることなく、車両の側突時等にセンタピラーおよびサイドシルを介して上記結合部材に伝達された衝突エネルギーを、上記補強部材とクロスメンバ本体との重合部分において充分に支持しつつ効果的に吸収できるという利点がある。
【0022】
請求項6に係る発明では、車幅方向内端部が上記結合部材を介してサイドシルに結合された車幅方向外方側部材と、該車幅方向外方側部材の車幅方向内方側に配設された車幅方向内方側部材とにより上記クロスメンバを構成するとともに、該クロスメンバの車幅方向外方側部材を車幅方向内方側部材に比べて高強度に形成したため、上記車幅方向内方側部材の板厚を薄くする等により車体重量の軽量化を図りつつ、車両の側突時等に上記センタピラーおよびサイドシルを介して上記結合部材に伝達された衝突エネルギーを、上記車幅方向外方側部材において充分に支持しつつ効果的に吸収できるという利点がある。
【0023】
請求項7に係る発明では、上記結合部材のサイドシル側接合部をクロスメンバに対して非固定状態とすることにより、クロスメンバに固定されたクロスメンバ側接合部に比べて低剛性に構成したため、より簡単な構成で上記クロスメンバが車両の側突時に座屈したり、上記クロスメンバに対する結合部材の接合部が剥離したりすることを効果的に防止し、車両の側突荷重をクロスメンバにより安定して支持できるという利点がある。
【0024】
請求項8に係る発明では、上記結合部材のクロスメンバ側接合部を閉断面構造に形成するとともに、上記結合部材のサイドシル側接合部を開断面構造とすることにより、該サイドシル側接合部をクロスメンバ側接合部に比べて低剛性に構成したため、簡単な構成で上記クロスメンバが車両の側突時に座屈したり、上記クロスメンバに対する結合部材の接合部が剥離したりすることを、さらに効果的に防止し、車両の側突荷重を安定して支持できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施形態に係る車体下部構造を備えた車体の概略構成を示す斜視図である。
【図2】クロスメンバとサイドシルとの連結部の構成を示す斜視図である。
【図3】クロスメンバとサイドシルとの連結部の構成を示す断面図である。
【図4】クロスメンバとサイドシルとの連結部を背面から見た断面図である。
【図5】図4のV−V線断面図である。
【図6】図4VI−VI線断面図である。
【図7】シートベルト装置の具体的構成を示す側面図である。
【図8】シートベルト装置の具体的構成を示す正面図である。
【図9】シートベルト装置のアクチュエータの具体的構成を示す側面図である。
【図10】クロスメンバとトンネル部との連結部の構成を示す断面図である。
【図11】本発明に係る車体下部構造の別の実施形態を示す図3相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、本発明に係る車両の車体下部構造の実施形態を示している。この車体構造は、車室の底面を構成するフロアパネル1と、車室の側辺部に沿って車両の前後方向に延びるように設置されたサイドシル2とを有している。該サイドシル2の前端部から上部後方に延びるようにフロントピラー3が立設されるとともに、サイドシル2の前後方向中間部から上方に延びるようにセンタピラー4が立設されている。また、上記フロアパネル1の車幅方向中央部には、車室内側(上方)に突出するトンネル部5が車両の前後方向に延びるように設置されている。
【0027】
上記フロアパネル1に設けられたトンネル部5とサイドシル2との間には、所謂No.2クロスメンバ6が車幅方向に延びるように設置されている。また、上記No.2クロスメンバ6の後方には、上記センタピラー4の下端部が結合されたサイドシル2に対するセンタピラー4の結合部と上記トンネル部5との間には、所謂No.2.5クロスメンバ7(以下、単にクロスメンバ7という)が車幅方向に延びるように設置されている。さらに、左右サイドシル2の後端部間には、所謂No.3クロスメンバ8が車幅方向に延びるように設置されている。
【0028】
上記クロスメンバ7は、図2〜図4に示すように、サイドシル2に対するセンタピラー4の結合部とトンネル部5との間において車幅方向に延びるように設置されたクロスメンバ本体9と、その車幅方向外方側部分(サイドシル2側部分)上に設置された補強部材10とを有している。そして、上記クロスメンバ本体9の車幅方向外端部が、下記結合部材12に形成された切欠き部33よりも車外側に位置するとともに、サイドシル2の内壁面部11から所定距離Lだけ離間するように配設されることにより、上記クロスメンバ7の車幅方向外端部とサイドシル2の内壁面部11とが非結合状態で設置されている。また、上記クロスメンバ本体9と補強部材10との重合部分の上方には、クロスメンバ7の車幅方向外方側部分と、サイドシル2の内壁面部11とを結合する結合部材12が設置されている。
【0029】
上記クロスメンバ本体9は、下端部が接合フランジ13を介してフロアパネル1の上面にスポット溶接される等により固定された前面部14と、下端部が接合フランジ15を介してフロアパネル1の上面にスポット溶接される等により固定された後面部16と、上記前面部14および後面部16の上端部同士を連結する上面部17とを有する断面ハット型に形成されている。また、上記補強部材10は、クロスメンバ本体9の前面部14および後面部16に重ねられてスポット溶接される等により固定される前後両面部18,19と、クロスメンバ本体9の上面部17上に重ねられてスポット溶接される等により固定される上面部20とを備えた断面コ字状に形成されている。
【0030】
図2〜図4の×印は、上記結合部材12と、クロスメンバ本体9およびサイドシル2とのスポット溶接個所を示している。なお、上記結合部材12とクロスメンバ本体9およびサイドシル2との接合方法としては、上記スポット溶接に限られず、アーク溶接、レーザ溶接、プラズマ溶接、摩擦撹拌溶接、リベット結合またはボルト結合の強度部材を連結する従来周知の方法が適用可能である。
【0031】
上記結合部材12は、上記クロスメンバ本体9と補強部材10との重合部分上において、クロスメンバ7の前後両面部、具体的には補強部材10の前後両面部18,19に下端部がスポット溶接される等により接合される前後両面部21,22と、その上端部同士を連結するように設置された上面部23と、上記前後両面部21,22および上面部23の内面側部分を覆うように設置された内面部24とを有する箱形四面状体により形成されている。当実施形態では、一枚板からなる鋼板材により形成された上記前後両面部21,22、上面部23および内面部24等を所定形状に折り曲げるとともに、該内面部24の前後両端部にそれぞれ連設された接合フランジ25を上記前後両面部21,22の内壁面にスポット溶接する等により、箱形四面状体からなる結合部材12を形成している。
【0032】
上記結合部材12の上面部23は、クロスメンバ本体9および補強部材10の上面部17,20と所定距離を置いてその上方に配設されることにより、上記サイドシル2の上壁面26と略同一高さに設置されるとともに、上記上面部23の車幅方向外端部には、サイドシル2の上壁面26にスポット溶接される等により固定される接合フランジ27が連設されている。また、上記結合部材12の内面部24には、上記クロスメンバ本体9と補強部材10との重合部分上において、該補強部材10の上面部20にスポット溶接される等により固定される接合フランジ28が設けられている。
【0033】
さらに、上記結合部材12には、運転席または助手席等の前列シートからなる乗員用シートS、具体的には、該乗員用シートSのシートクッション(図示せず)をスライド可能に支持するシートレール30の後端部が図外の取付ボルトを介して固定されるナット部材32が、上記上面部23の下面に設けられている。これにより結合部材12が上記乗員用シートSの取付ブラケットとしての機能を兼ね備えるように構成されている。
【0034】
上記結合部材12の前後両面部21,22には、そのサイドシル側接合部の一部、当実施形態では、前後両面部21,22の下方部分が所定範囲に亘って切り欠かれてなる切欠き部33がそれぞれ形成されるとともに、上記前後両面部21,22の車幅方向外端部には、サイドシル2の内壁面部11にスポット溶接される等により固定される接合フランジ34がそれぞれ連設されている。上記切欠き部33は、後述するように乗員用シートSに着座した乗員を保護するシートベルト装置35のアクチュエータ36を挿通し得る大きさに形成されている。
【0035】
上記結合部材12は、切欠き部33の設置部より車幅方向の内方側に位置したクロスメンバ側接合部と、上記切欠き部33の設置部に対応したサイドシル側接合部とを有している。該サイドシル側接合部は、その車幅方向外端部がスポット溶接によりサイドシル2の上面および内壁面部11に接合されている。また、上記クロスメンバ側接合部は、その下端部が補強部材10の上面部20および前後両面部18,19にそれぞれスポット溶接されている。
【0036】
上記結合部材12のサイドシル側接合部は、図5に示すように切欠き部33が設けられることにより、図6に示すように切り欠き部のないクロスメンバ側接合部よりも断面係数が小さく形成され、これによりサイドシル側接合部がクロスメンバ側接合部よりも低剛性に構成されている。さらに、上記結合部材12のサイドシル側接合部は、その下端部が上記サイドシル2に対して非接合状態とされることにより、クロスメンバ7に接合されたクロスメンバ側接合部に比べて、より低剛性に構成されている。
【0037】
上記切欠き部33の幅寸法Wは、クロスメンバ本体9の車幅方向外端部とサイドシル2の内壁面部11との離間距離Lよりも大きな値に設定されることにより、上記クロスメンバ本体9の車幅方向外端部が、上記切欠き部33の車幅方向内端部、つまりクロスメンバ側接合部よりも車外側に位置するように構成されている。
【0038】
上記シートベルト装置35は、図7〜図9に示すように、乗員の肩部から腰部にかけて斜めに掛け渡されるショルダーベルト37と、乗員の腰部を跨いで車幅方向に設置されるラップベルト38と、上記センタピラー4の下部に配設されてショルダーベルト37の下端部を巻取可能に支持するリトラクター39と、上記ラップベルト38の先端部を車体に固定するラップアンカー40と、上記ショルダーベルト37およびラップベルト38に沿って摺動自在に設けられたタング41と、該タング41が着脱可能に係止されるバックル42とを有する三点式シートベルト機構である。
【0039】
上記リトラクター39は、ショルダーベルト37の下端部を巻き取る巻取機構と、リトラクター39からショルダーベルト37が急激に引き出されるのを規制するためのロードリミッタとを有している。該ロードリミッタは、ショルダーベルト37に作用する張力が一定値以上となった場合に、リトラクター39による上記巻取リールのロック状態を解除することにより、リトラクター39からショルダーベルト37が引き出されるのを許容し、これに応じて乗員の拘束力を緩和する機能を有している。
【0040】
また、上記リトラクター39から上方に引き出されたショルダーベルト37は、センタピラー4の上部に設けられたショルダーアンカー43により摺動可能に支持されている。そして、上記ラップベルト38の先端部を係止するラップアンカー40は、フロアパネル1上に設置されたプリテンショナ機構からなるアクチュエータ36により車両用シートSの車幅方向外方側部に支持されている。
【0041】
上記アクチュエータ36は、図9に示すように、図外の制御ユニットから出力される制御信号に応じて燃焼ガスを発生するインフレータ45と、該インフレータ45で発生した燃焼ガスが流入するシリンダ46と、シリンダ46内に配設されたピストン(図示せず)と、該ピストンに基端部が連結されたワイヤ部材47とを有している。該ワイヤ部材47は、ケーシング48に回転自在に支持されたプーリ49に巻掛けられるとともに、該プーリ49から上方に導出された導出部がラップアンカー40に設けられたピン50に支持されている。上記アクチュエータ36を構成するシリンダ46等は、上記切欠き部33を介して結合部材12内に配設されるとともに、上記サイドシル2の内壁面部11に沿って設置された状態で、図外のブラケット等により支持されるように構成されている。
【0042】
そして、車両の衝突発生時に、上記インフレータ45の内部に収納された火薬が点火されて燃焼し、そのガス圧に応じて上記シリンダ46内のピストンが駆動され、上記ラップアンカー40がワイヤ部材47を介して引き下げられるようになっている。これにより、車両の衝突時に上記ラップベルト38に所定の張力を付与して該ラップベルト38および上記ショルダーベルト37を乗員に圧着させ、乗員用シートSのシートクッションおよびシートバックに対して乗員を正常な姿勢で着座させた状態で効果的に保護し得るように構成されている。
【0043】
また、クロスメンバ本体9の車幅方向内方側部分(トンネル部5側部分)は、図10に示すように、結合部材51を介してトンネル部5の側壁面に結合されている。また、上記結合部材51上にシートレール30の後端部が図外の取付ボルトを介して固定されることにより、上記結合部材51が乗員用シートSの取付ブラケットとしての機能を兼ね備えるように構成されている。なお、上記結合部材51は、切欠き部33を設ける必要がない点および下記の点等を除いて、上記結合部材12と略同様に構成されている。
【0044】
上記クロスメンバ本体9の車幅方向内側方部分には、必ずしも補強部材を設置する必要はなく、これを省略することが可能である。さらに、上記クロスメンバ本体9の車幅方向内端部は、該クロスメンバ本体9の車幅方向内端部に連設された接合フランジ52がトンネル部5の側壁面にスポット溶接される等により固定されている。
【0045】
上記のように車室の底面を構成するフロアパネル1の車幅方向中央部に設けられたトンネル部5と、車室の側辺部に設置されたサイドシル2に対するセンタピラー4の結合部との間に、クロスメンバ7が車幅方向に延びるように設置された車両の車体下部構造において、上記クロスメンバ7の車幅方向外側方部分とサイドシル2の内壁面部11とを結合する結合部材12を有し、該結合部材12に、上記クロスメンバ7の前後両面部、具体的にはクロスメンバ本体9に接合されるクロスメンバ側接合部と、サイドシル2に接合されるサイドシル側接合部を設け、該サイドシル側接合部を、上記クロスメンバ側接合部よりも低剛性に形成し、上記クロスメンバ7の車幅方向外端部を、クロスメンバ側接合部よりも車外側で、サイドシル2の内壁面部から車内側に離間した位置に配置したため、上記クロスメンバ7が車両の側突時に座屈したり、上記クロスメンバ7に対する結合部材12の接合部が剥離したりすることを効果的に防止し、簡単な構成で車両の側突荷重をクロスメンバ7により安定して支持できるという利点がある。
【0046】
すなわち、上記実施形態では、箱形四面状体からなる結合部材12の前後両面部14,16に、そのサイドシル側接合部の下方部を切り欠いた切欠き部33を形成することにより、該結合部材12のサイドシル側接合部を、上記クロスメンバ側接合部よりも低剛性に形成したため、車両の側突時等に上記センタピラー4およびサイドシル2を車体の内方側に押動する方向の衝撃荷重が入力される側突事故の初期段階で、上記結合部材12のサイドシル側接合部をクロスメンバ側接合部よりも先に潰すことで、衝突エネルギーを効果的に吸収しつつ、上記センタピラー4の下端部を車室内側に移動させることができる。
【0047】
そして、上記クロスメンバ本体9の車幅方向外端部をサイドシル2の内壁面部11から所定距離Lだけ離間させることにより、上記クロスメンバ7の車幅方向外端部とサイドシル2の内壁面部11とを非結合状態としたため、側突事故の初期段階では、上記センタピラー4の下端部をスムーズに車室内側へ移動させることができ、これによりセンタピラー4の上部がその下端部を支点として車室内側へ倒れ込むように変位するのを効果的に防止することができる。
【0048】
しかも、上記クロスメンバ7の車幅方向外端部を、結合部材12に形成された切欠き部33よりも車外側に位置させることにより、上記クロスメンバ7の車幅方向外端部を、クロスメンバ側接合部よりも車外側において、サイドシル2の内壁面部から車内側に所定距離Lだけ離間させるように構成したため、上記側突事故が発生した後にサイドシル2の車室内側への移動距離が上記所定距離Lとなった時点で、該サイドシル2を上記クロスメンバ7の車幅方向外端部に当接させて上記サイドシル2の内方移動を規制しつつ、該サイドシル2に作用する荷重を上記クロスメンバ7と結合部材12との両方に分散させ、より効果的に支持することができる。したがって、上記側突事故の後期段階で、センタピラー4に入力される荷重が急上昇することに起因してセンタピラー4の上部が車室内側に傾動するように変形したり、これに対応してサイドシル2に作用する回転モーメンによる曲げ力で上記クロスメンバ7に対する結合部材12の接合部が剥離したりすること効果的に防止しつつ、上記側突荷重を安定して支持できるという利点がある。
【0049】
さらに、上記クロスメンバ7の車幅方向外端部をサイドシル2の内壁面部から車内側に所定距離Lだけ離間させて配設することにより、上記クロスメンバ7の車幅方向外端部をサイドシル2の内壁面部に接合するように構成した場合に比べ、クロスメンバ7の製造時における公差を大きくすることが可能であるため、製造コストを効果的に低減できるという利点がある。
【0050】
また、上記実施形態では、サイドシル2の上面がクロスメンバ7の上面よりも上方に配設されてなる車両の車体下部構造において、箱形四面状体からなる結合部材12のサイドシル側接合部を、上記クロスメンバ側接合部よりも上方でサイドシル2に接合した構造としたため、サイドシル2とクロスメンバ7との上面位置が異なる場合においても、車両の側突時に上記サイドシル2に入力された荷重を上記結合部材12により効果的に支持しつつ、クロスメンバ7に効率よく伝達することができるという利点がある。なお、サイドシル2の上面とクロスメンバ7の上面とが略同一の高さに設置されている場合には、プレート状体により結合部材を形成し、該結合部材のサイドシル側接合部に開口部を形成する等により、サイドシル側接合部をクロスメンバ側接合部に比べて低剛性に形成することも可能である。
【0051】
さらに、上記実施形態では、上記結合部材12を、クロスメンバ7の前後両面部に接合される前後両面部21,22と、その上端部同士を連結するように設置された上面部23とを有する箱形四面体状に形成し、上記結合部材12の前後両面部21,22の少なくとも一方に、そのサイドシル側接合部に切欠き部33を形成し、上記クロスメンバ7の車幅方向外端部を、上記切欠き部33よりも車外側に位置させるとともに、サイドシル2の内壁面部から車内側に離間させるように設置し、かつ乗員用シートSに着座した乗員を保護するシートベルト装置35のアクチュエータ36を、上記切欠き部33から結合部材12内に配設するように構成したため、上記箱形四面状体からなる結合部材12の内部空間を有効に利用して上記アクチュエータ36を収納することにより、後列シートに着座した乗員の足元スペースが狭められてその居住性が悪化する等の問題を生じることなく、上記アクチュエータ36を適正にレイアウトできるという利点がある。
【0052】
特に、上記実施形態に示すように、クロスメンバ7の車幅方向外側方部分とサイドシル2の内壁面部11とを結合する上記結合部材12に、乗員用シートSの取付けブラケットとしての機能を兼ね備えさせるように構成した場合には、該取付ブラケットと上記結合部材12とを別体に形成した場合に比べて、部品点数を減少させて車両の軽量化を図ることができるという利点がある。さらに、車両の側突時等に、上記センタピラー4およびサイドシル2から上記結合部材12に入力された衝撃荷重を、例えば乗員用シートSのシートレール30を介して上記No.2クロスメンバ6に伝達する等により、上記衝撃荷重を安定して支持できるという利点がある。
【0053】
また、上記実施形態では、車幅方向外端部がサイドシル2の内壁面部11と所定距離Lを置いて対向するとともに、車幅方向に延びるように設置されたクロスメンバ本体9と、その車幅方向外側部分上に設置された補強部材10とにより上記クロスメンバ7を構成するとともに、上記補強部材10とクロスメンバ本体9との重合部分上に上記結合部材12を設置するように構成したため、上記クロスメンバ本体9をその全長に亘って厚肉に形成する等の手段を講じることなく、車両の側突時等にセンタピラー4およびサイドシル2を介して上記結合部材12に伝達された衝突エネルギーを、上記補強部材10とクロスメンバ本体9との重合部分において充分に支持しつつ効果的に吸収できるという利点がある。
【0054】
なお、上記クロスメンバ本体9と補強部材10とにより上記クロスメンバ7を構成した上記実施形態に代え、図11に示すように、車幅方向外端部が結合部材12を介してサイドシル2の内壁面部11に結合された車幅方向外方側部材54と、車幅方向内端部が結合部材12を介してトンネル部(図示せず)の側壁面に接合された車幅方向内方側部材53とにより上記クロスメンバ7を構成してもよい。そして、上記クロスメンバ7の車幅方向外方側部材54の板厚を車幅方向内方側部材53に比べて厚くし、あるいは車幅方向外方側部材54を抗張力鋼で形成するとともに、車幅方向内方側部材53を通常の鋼板材で形成することにより、上記クロスメンバ7の車幅方向外方側部材54を車幅方向内方側部材54に比べて高強度に形成してもよい。
【0055】
上記のように構成した場合においても、上記車幅方向内方側部材53の板厚を薄くする等により車体重量の軽量化を図りつつ、上記結合部材12のクロスメンバ側接合部の固定部位の充分に確保することができるため、車両の側突時等に上記センタピラー4およびサイドシル2を介して上記結合部材12に伝達された衝突エネルギーを上記クロスメンバ7により充分に支持して効果的に吸収できる等の利点がある。
【0056】
なお、上記実施形態では、結合部材12の前後両面部21,22に切欠き部33をそれぞれ形成した例について説明したが、上記結合部材の前後両面部21,22の少なくとも一方にのみ上記切欠き部33を設けた構造としてもよい。例えば、上記アクチュエータ36の全長が短く、結合部材12の前面部21を超えてその前方側に突出する虞がない場合に、該前面部22の切欠き部33を省略した構造としてもよい。また、上記結合部材12の前後両面部21,22に形成された切欠き部33に代えて透孔等からなる開口部を形成することにより、結合部材12のクロスメンバ側接合部をサイドシル側接合部に比べ低剛性に構成することも可能である。
【0057】
また、車両の前突時等に、ショルダーベルト37およびラップベルト38からなるウェビングを乗員に圧着させて乗員を拘束するために設けられた上記プリテンショナ機構からなるアクチュエータ36を、上記切欠き部33から結合部材12内に配設してなる上記実施形態に代え、ショルダーベルト37およびラップベルト38に設けられたバッグ部にエアを供給して該バッグ部を膨張させるエアベルト機構のアクチュエータを上記切欠き部33から結合部材12内に配設した構造としてもよい。
【0058】
上記エアベルト機構は、ショルダーベルト37およびラップベルト38のバッグ部に接続されたと、このエアパイプを介して上記バッグ部内に燃焼ガスを供給して該バッグ部を膨張させるインフレータからなるアクチュエータとを備えている。そして、車両の側部から衝撃荷重が入力された時に、図外シートベルト制御手段から出力される作動指令信号に応じ、上記アクチュエータを作動させてバッグ部を膨張させ、その圧力によりショルダーベルト37およびラップベルト38を乗員にそれぞれ圧着させるように構成されている。このように構成した場合には、箱形四面状体からなる結合部材12の内部空間を有効に利用して上記エアベルト機構のアクチュエータを収納することにより、後列シートに着座した乗員の足元スペースが狭められてその居住性が悪化する等の問題を生じることなく、上記アクチュエータを適正にレイアウトできるという利点がある。
【0059】
また、図11に示すように、上記結合部材12の車幅方向内方側に位置するクロスメンバ側接合部Aをクロスメンバ7にスポット溶接する等の手段で固定する一方で、結合部材12の車幅方向外方側に位置するサイドシル側接合部Bを単にクロスメンバ7に対して単に重ね合わせた非固定状態とすることにより、該サイドシル側接合部Bを、上記クロスメンバ側接合部Aよりも低剛性に構成してもよい。この場合には、より簡単な構成で上記クロスメンバ7が車両の側突時に座屈したり、上記クロスメンバ7に対する結合部材12の接合部が剥離したりすることを効果的に防止し、車両の側突荷重をクロスメンバ7により安定して支持できるという利点がある。
【0060】
すなわち、上記クロスメンバ7の車幅方向外端部を、結合部材12のクロスメンバ側接合部Aよりも車外側に位置させることにより、車両の側突事故が発生した後にサイドシル2の車室内側への移動距離が上記所定距離Lとなった時点で、該サイドシル2を上記クロスメンバ7の車幅方向外端部に当接させて上記サイドシル2の内方移動を規制しつつ、該サイドシル2に作用する荷重を上記クロスメンバ7と結合部材12との両方に分散させ、より効果的に支持することができる。したがって、上記側突事故の後期段階で、センタピラー4に入力される荷重が急上昇することに起因してセンタピラー4の上部が車室内側に傾動するように変形したり、これに対応してサイドシル2に作用する回転モーメンによる曲げ力で上記クロスメンバ7に対する結合部材12の接合部が剥離したりすること効果的に防止しつつ、上記側突荷重を安定して支持できるという利点がある。
【0061】
また、図11に示すように、サイドシル2の上面がクロスメンバ7の上面よりも上方に配設されてなる車両の車体下部構造において、箱形四面状体からなる結合部材12のクロスメンバ側接合部Aをクロスメンバ7に接合状態として閉断面構造とするとともに、サイドシル側接合部Bをクロスメンバ7に非接合状態として開断面構造とすることにより、該サイドシル側接合部Bをクロスメンバ側接合部Aに比べて低剛性に構成した場合には、より簡単な構成で上記クロスメンバ7が車両の側突時に座屈したり、上記クロスメンバ7に対する結合部材12の接合部が剥離したりすることを、さらに効果的に防止し、車両の側突荷重をクロスメンバ7により安定して支持できるという利点がある。
【符号の説明】
【0062】
1 フロアパネル
2 サイドシル
4 センタピラー
5 トンネル部
7 クロスメンバ
9 クロスメンバ本体
10 補強部材
11 内壁面部
12 結合部材
21 前壁面部
22 後壁面部
33 切欠き部(開口部)
35 シートベルト装置
36 アクチュエータ
53 車幅方向内方側部材
54 車幅方向外方側部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室の底面を構成するフロアパネルの車幅方向中央部に設けられたトンネル部と、車室の側辺部に設置されたサイドシルに対するセンタピラーの結合部との間に、クロスメンバが車幅方向に延びるように設置された車両の車体下部構造であって、上記クロスメンバの車幅方向外側方部分とサイドシルの内壁面部とを結合する結合部材を有し、該結合部材は、上記クロスメンバに接合されたクロスメンバ側接合部と、上記サイドシルに接合されたサイドシル側接合部とを有し、該サイドシル側接合部は、上記クロスメンバ側接合部よりも低剛性に形成され、上記クロスメンバの車幅方向外端部が、クロスメンバ側接合部よりも車外側で、サイドシルの内壁面部から車内側に離間した位置に配置されたことを特徴とする車両の車体下部構造。
【請求項2】
上記サイドシルの上面がクロスメンバの上面よりも上方に配設されるとともに、上記結合部材のサイドシル側接合部が、上記クロスメンバ側接合部よりも上方でサイドシルに接合されたことを特徴とする請求項1に記載の車両の車体下部構造。
【請求項3】
上記結合部材は、上記クロスメンバの前後両面部に接合される前後両面部と、その上端部同士を連結するように設置された上面部とを有する箱形四面体状に形成され、上記結合部材の前後両面部の少なくとも一方には、そのサイドシル側接合部に開口部が形成され、上記クロスメンバの車幅方向外端部が、上記開口部よりも車外側に位置するとともに、サイドシルの内壁面部から車内側に離間するように設置され、かつ乗員用シートに着座した乗員を保護するシートベルト装置のアクチュエータが上記切欠き部を介して結合部材内に配設されたことを特徴とする請求項1または2に記載の車両の車体下部構造。
【請求項4】
上記結合部材が乗員用シートの取付けブラケットとしての機能を兼ね備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両の車体下部構造。
【請求項5】
上記クロスメンバは、車幅方向外端部がサイドシルの内壁面部と所定距離を置いて対向するとともに、車幅方向に延びるように設置されたクロスメンバ本体と、その車幅方向外側部分上に設置された補強部材とを有し、該補強部材とクロスメンバとの重合部分上に上記結合部材が設置されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両の車体下部構造。
【請求項6】
車幅方向内端部が上記結合部材を介してサイドシルに結合された車幅方向外方側部材と、該車幅方向外方側部材の車幅方向内方側に配設された車幅方向内方側部材とにより上記クロスメンバが構成されるとともに、該クロスメンバの車幅方向外方側部材が車幅方向内方側部材に比べて高強度に形成されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両の車体下部構造。
【請求項7】
上記結合部材のサイドシル側接合部がクロスメンバに対して非接合状態とされることにより、クロスメンバに接合されたクロスメンバ側接合部に比べて低剛性に構成されたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の車両の車体下部構造。
【請求項8】
上記結合部材のクロスメンバ側接合部が閉断面構造に形成されるとともに、上記結合部材のサイドシル側接合部が開断面構造とされることにより、該サイドシル側接合部が上記クロスメンバ側接合部に比べて低剛性に構成されたことを特徴とする請求項7に記載の車両の車体下部構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−66804(P2012−66804A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−107223(P2011−107223)
【出願日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】