説明

車両の運転姿勢調整装置

【課題】車両の走行状態に応じて、ステアリングとシートとの相対位置を適切に調整可能な車両の運転姿勢調整装置を提供する。
【解決手段】車両の運転姿勢調整装置は、車両に搭載され、ステアリングとシートとの相対位置を調整して運転姿勢を調整するために利用される。具体的には、相対位置調整手段は、ステアリングに作用する荷重及び車両の走行状態に基づいて、ステアリングとシートとの相対位置を調整する。これにより、車両の走行状態に起因してステアリングに付与された荷重の影響などを考慮して、ステアリングとシートとの相対位置を適切に調整することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステアリングとシートとの相対位置を調整して運転姿勢を調整する技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の技術が、例えば特許文献1に記載されている。特許文献1には、ステアリングとシートとに作用する荷重に応じて、運転者の着座姿勢に対する不満を検出し、ドライビングポジションを調整する(つまりステアリングとシートとの相対位置を調整する)技術が記載されている。
【0003】
【特許文献1】特開2006−96206号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した特許文献1に記載された技術では、車両に前後加速度や横加速度が生じた場合に、荷重センサの検出値がこれらの影響を受けて、ステアリングとシートとの相対位置が適切に調整されない場合があった。例えば、旋回中や横方向に傾いた道を走行している場合に(この場合には車両には横加速度が生じる)、運転者がステアリングで体を支えようとしている力が荷重センサに働いたために、相対位置が過剰に調整されてしまう場合があった。また、加減速時や坂道走行時に(この場合には車両には前後加速度が生じる)、運転者の体重の慣性力が荷重センサに働いたために、相対位置が過剰に調整されてしまう場合があった。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、車両の走行状態に応じて、ステアリングとシートとの相対位置を適切に調整可能な車両の運転姿勢調整装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つの観点では、ステアリングとシートとの相対位置を調整する車両の運転姿勢調整装置は、車両の走行状態に基づいて、前記ステアリングと前記シートとの前記相対位置を調整する相対位置調整手段を備える。
【0007】
上記の車両の運転姿勢調整装置は、車両に搭載され、ステアリングとシートとの相対位置を調整して運転姿勢を調整するために利用される。具体的には、相対位置調整手段は、車両の走行状態に基づいて、ステアリングとシートとの相対位置を調整する。これにより、車両の走行状態に起因してステアリングに付与された荷重などの影響を考慮して、ステアリングとシートとの相対位置を適切に調整することが可能となる。
【0008】
上記の車両の運転姿勢調整装置の一態様では、前記ステアリングに作用する荷重を取得する荷重取得手段を更に備え、前記相対位置調整手段は、前記荷重取得手段によって取得された前記荷重及び前記走行状態に基づいて、前記相対位置を調整する。
【0009】
上記の車両の運転姿勢調整装置の他の一態様では、前記相対位置調整手段は、前記走行状態として前記車両に生じる横加速度を用い、前記横加速度に基づいて前記相対位置を調整する。これにより、車両に横加速度が生じている場合にも、当該横加速度に起因してステアリングに付与された荷重の影響を考慮して、ステアリングとシートとの相対位置を適切に調整することが可能となる。
【0010】
上記の車両の運転姿勢調整装置の他の一態様では、前記相対位置調整手段は、前記走行状態として前記車両に生じる前後加速度を用い、前記前後加速度に基づいて前記相対位置を調整する。これにより、車両に前後加速度が生じている場合にも、当該前後加速度に起因してステアリングに付与された荷重の影響を考慮して、ステアリングとシートとの相対位置を適切に調整することが可能となる。
【0011】
上記の車両の運転姿勢調整装置において好適には、前記相対位置調整手段は、前記荷重取得手段によって取得された前記荷重から、前記走行状態に応じて運転者が体を支えるために前記ステアリングに付与した荷重を除外した荷重に基づいて、前記相対位置を調整する。これにより、走行状態に応じてステアリングに付与された力の影響を適切に排除して、適切に相対位置の調整を行うことが可能となる。
【0012】
更に好適には、前記相対位置調整手段は、前記走行状態に応じて所定値を設定して、前記荷重取得手段によって取得された前記荷重と前記所定値との関係に基づいて操舵がスムーズに行われているか否かを判定し、当該判定の結果に基づいて前記相対位置を調整する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0014】
[第1実施形態]
まず、本発明の第1実施形態について説明する。第1実施形態では、ステアリングに作用する荷重に基づいて、ステアリングとシートとの相対位置を調整する。具体的には、第1実施形態では、ステアリングの位置を調整することで、ステアリングとシートとの相対位置を調整する。より詳しくは、操舵時においてステアリングに作用する荷重に基づいて操舵がスムーズに行われているか否かを判定し、当該判定結果に基づいてステアリングを上下方向(以下、「チルト方向」と呼ぶ。)及び/又は前後方向(以下、「テレスコ方向」と呼ぶ。)に調整する。
【0015】
図1は、第1実施形態に係る車両の運転姿勢調整装置が適用されたシステムの概略構成図を示す。当該システムは、主に、操舵角センサ1と、荷重センサ2と、ステアリングチルト調整機構3と、ステアリングテレスコ調整機構4と、コントローラ20とを備える。なお、当該システムは、車両に搭載され、運転者の姿勢を調整するために利用される。
【0016】
操舵角センサ1は、図示しないステアリングの回転角(操舵角)を検出可能に構成されている。荷重センサ2は、ステアリングに作用する荷重を検出する。例えば、荷重センサ2は、複数のひずみゲージなどを用いて構成され、図示しないステアリングシャフトに設けられる。操舵角センサ1及び荷重センサ2は、それぞれ検出した操舵角及び荷重に対応する検出信号をコントローラ20に供給する。
【0017】
ステアリングチルト調整機構3は、ステアリングをチルト方向に移動可能に構成されたアクチュエータであり、ステアリングテレスコ調整機構4は、ステアリングをテレスコ方向に移動可能に構成されたアクチュエータである。ステアリングチルト調整機構3及びステアリングテレスコ調整機構4は、コントローラ20によって制御される。
【0018】
コントローラ20は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)などを備えて構成される。コントローラ20は、走行時のステアリングの入力に基づいて操舵がスムーズに行われているか否かを判定し、当該判定結果に基づいてステアリング位置を調整する。具体的には、コントローラ20は、操舵角センサ1及び荷重センサ2から操舵角及び荷重を取得し、これらに基づいて操舵がスムーズに行われているか否かを判定する。そして、コントローラ20は、当該判定結果に基づいて、ステアリングチルト調整機構3及びステアリングテレスコ調整機構4を制御することで、ステアリングをチルト方向及び/又はテレスコ方向に移動させる。このように、コントローラ20は、本発明における車両の運転姿勢調整装置に相当し、荷重取得手段及び相対位置調整手段として機能する。
【0019】
図2は、ステアリング5の概略構成図を示す。図2(a)は、ステアリング5の斜視図を示す。ステアリング5は、主に、ステアリングホイール5a及びステアリングシャフト5bを有する。また、ステアリング5には、前述した操舵角センサ1及び荷重センサ2(不図示)が設けられている。なお、図2(a)に示すように、本明細書では、ステアリング5の前後方向をX方向と定義し、中立位置にある際のステアリング5の左右方向(横方向)をY方向と定義し、中立位置にある際のステアリング5の上下方向をZ方向と定義する。この場合、前述したチルト方向はZ方向に対応し、テレスコ方向はX方向に対応する。また、X方向においてステアリング5を引っ張る方向(車両の前方向)を正の方向とし、ステアリング5を押し込む方向(車両の後方向)を負の方向とする。更に、Y方向においてステアリング5の右方向を正の方向とし、ステアリング5の左方向を負の方向とする。加えて、Z方向においてステアリング5の上方向を正の方向とし、ステアリング5の下方向を負の方向とする。
【0020】
図2(b)は、荷重センサ2の設置例を示す図である。具体的には、図2(b)は、ステアリング5が中立位置にある際の、荷重センサ2が設けられたステアリングシャフト5bの箇所におけるY−Z平面に沿った断面図を示す。荷重センサ2は、ひずみゲージとして構成された荷重センサ2a〜2cを有する。荷重センサ2aは、ステアリング5の断面(Y−Z平面に沿った断面)に沿って配置される。また、荷重センサ2bは、中立位置にある際のステアリング5のY方向(横方向)に2つ配置され、荷重センサ2cは、中立位置にある際のステアリング5のZ方向(上下方向)に2つ配置される。以下では、荷重センサ2aが検出する力を「Fx」と表記し、荷重センサ2bが検出する力を「Fy」と表記し、荷重センサ2cが検出する力を「Fz」と表記する。また、荷重センサ2a〜2cを区別しないで用いる場合には、単に「荷重センサ2」と表記する。
【0021】
なお、ステアリング5を引っ張る方向に力が働いている場合には「Fx」は正の値となり、ステアリング5を押し込む方向に力が働いている場合には「Fx」は負の値となる。また、ステアリング5が中立位置にある場合において、ステアリング5の右方向に力が働いている場合には「Fy」は正の値となり、ステアリング5の左方向に力が働いている場合には「Fy」は負の値となる。更に、ステアリング5が中立位置にある場合において、ステアリング5の上方向に力が働いている場合には「Fz」は正の値となり、ステアリング5の下方向に力が働いている場合には「Fz」は負の値となる。
【0022】
図3は、ステアリング5の移動方向を具体的に示した図である。図3(a)は、チルト方向(白抜き矢印B1で示す方向)にステアリング5の位置が変更される様子を示しており、図3(b)は、テレスコ方向(白抜き矢印B2で示す)にステアリング位置が変更される様子を示している。このようにチルト方向及びテレスコ方向にステアリング位置が変更されることで、ステアリング5とシート(不図示)との相対位置が調整されることとなる。
【0023】
図4は、操舵時において、ステアリングホイール5aに作用する力の一例を示した図である。ここでは、操舵角センサ1で操舵角「θ」が検出され、荷重センサ2bで力「Fy」が検出され、荷重センサ2cで力「Fz」が検出されたものとする。図示のように、操舵時においては、「Fy」の方向とY方向とは異なる方向となると共に、「Fz」の方向とZ方向とは異なる方向となる。この場合において、荷重センサ2b、2cが検出した「Fy」及び「Fz」を用いてステアリング5のY方向及びZ方向に働く力を表すと、Y方向に作用する力は「Fy・cosθ+Fz・sinθ」となり、Z方向に作用する力は「Fz・cosθ−Fy・sinθ」となる。なお、「Fx」の方向は、操舵に関係なく、X方向と一致する。
【0024】
図5は、第1実施形態に係るステアリング位置調整処理を示すフローチャートである。この処理は、コントローラ20によって繰り返し実行される。具体的には、当該処理では、走行時のステアリング5の入力(荷重)に基づいて操舵がスムーズに行われているか否かを判定し、当該判定結果に基づいてステアリング位置の調整を繰り返し行う。つまり、ステアリング5の入力の不自然さをフィードバックしてステアリング位置の調整を行う。より具体的には、コントローラ20は、ステアリング5のX方向及びZ方向に作用する力と所定値(閾値)との関係に基づいて操舵がスムーズに行われているか否かの判定を行い、当該判定結果に基づいてステアリング5をチルト方向及び/又はテレスコ方向に移動させる。
【0025】
まず、ステップS101では、コントローラ20は、ステアリング5のZ方向に作用する力が閾値「Kz」以上であるか否かを判定する。具体的には、「Fz・cosθ−Fy・sinθ≧Kz」が成立するか否かを判定する。Z方向に作用する力が閾値「Kz」以上である場合(ステップS101;Yes)、処理はステップS105に進む。この場合には、ステアリング5の上方向に比較的大きな力が作用しているため、操舵がスムーズに行われていないと言える。よって、コントローラ20は、ステアリングチルト調整機構3を制御して、下方にステアリング位置を変更する(ステップS105)。つまり、ステアリング5を下方にチルトさせる。そして、処理はステップS101に戻る。一方、Z方向に作用する力が閾値「Kz」未満である場合(ステップS101;No)、処理はステップS102に進む。
【0026】
ステップS102では、コントローラ20は、ステアリング5のZ方向に作用する力が閾値「−Kz」未満であるか否かを判定する。具体的には、「Fz・cosθ−Fy・sinθ<−Kz」が成立するか否かを判定する。Z方向に作用する力が閾値「Kz」未満である場合(ステップS102;Yes)、処理はステップS106に進む。この場合には、ステアリング5の下方向に比較的大きな力が作用しているため、操舵がスムーズに行われていないと言える。よって、コントローラ20は、ステアリングチルト調整機構3を制御して、上方にステアリング位置を変更する(ステップS106)。つまり、ステアリング5を上方にチルトさせる。そして、処理はステップS101に戻る。一方、Z方向に作用する力が閾値「−Kz」以上である場合(ステップS102;No)、処理はステップS103に進む。
【0027】
ステップS103では、コントローラ20は、ステアリング5のX方向に作用する力「Fx」が閾値「Kx」以上であるか否かを判定する。力「Fx」が閾値「Kx」以上である場合(ステップS103;Yes)、処理はステップS107に進む。この場合には、ステアリング5を引っ張る方向に比較的大きな力が作用しているため、操舵がスムーズに行われていないと言える。よって、コントローラ20は、ステアリングテレスコ調整機構4を制御して、運転者に近づく方向にステアリング位置を変更する(ステップS107)。つまり、テレスコピックを伸ばす。そして、処理はステップS101に戻る。一方、力「Fx」が閾値「Kx」未満である場合(ステップS103;No)、処理はステップS104に進む。
【0028】
ステップS104では、コントローラ20は、ステアリング5のX方向に作用する力「Fx」が閾値「−Kx」未満であるか否かを判定する。力「Fx」が閾値「−Kx」未満である場合(ステップS104;Yes)、処理はステップS108に進む。この場合には、ステアリング5を押し込む方向に比較的大きな力が作用しているため、操舵がスムーズに行われていないと言える。よって、コントローラ20は、ステアリングテレスコ調整機構4を制御して、運転者から遠ざかる方向にステアリング位置を変更する(ステップS108)。つまり、テレスコピックを縮める。そして、処理はステップS101に戻る。一方、力「Fx」が閾値「−Kx」以上である場合(ステップS104;No)、処理は当該フローを抜ける。
【0029】
なお、上記したステアリング位置調整処理における実際のステアリング位置の調整は、例えばステアリング5が中立位置に戻った際に行われる。また、ステアリング位置を調整する量は、固定値に設定しても良いし、閾値からの差分などに基づいて変化させても良い。
【0030】
以上の第1実施形態によれば、走行時のステアリング5の入力に基づいてステアリング位置を調整することで、最適なステアリング位置(スムーズに操舵できるステアリング位置)へ適切に調整することが可能となる。つまり、ステアリング5とシートとの最適な相対位置へ適切に調整することが可能となる。
【0031】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態では、ステアリング位置の代わりにシート位置を調整することにより、ステアリング5とシートとの相対位置を調整する点で、前述した第1実施形態と異なる。具体的には、第2実施形態では、操舵時においてステアリング5に作用する荷重に基づいて操舵がスムーズに行われているか否かを判定し、当該判定結果に基づいてシート位置を調整する。
【0032】
図6は、第2実施形態に係る車両の運転姿勢調整装置が適用されたシステムの概略構成図を示す。当該システムは、主に、操舵角センサ1と、荷重センサ2と、スライド調整機構11と、フロントバーチカル調整機構12と、リフター調整機構13と、リクライニング調整機構14と、ランバーサポート調整機構15と、右サイドサポート調整機構16aと、左サイドサポート調整機構16bと、コントローラ21とを備える。また、当該システムは、車両に搭載され、運転者の姿勢を調整するために利用される。なお、前述した構成要素(図1、図2など参照)と同一の構成要素に対しては同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0033】
スライド調整機構11は、図示しないシートの全体を前後方向にスライド可能に構成されたアクチュエータであり、フロントバーチカル調整機構12は、シートクッションの前部を上下にリフトアップ/リフトダウン可能に構成されたアクチュエータであり、リフター調整機構13は、シートクッションの後部を上下にリフトアップ/リフトダウン可能に構成されたアクチュエータである。また、リクライニング調整機構14は、シートバックを前後にリクライニング可能に構成されたアクチュエータであり、ランバーサポート調整機構15は、運転者の腰部付近におけるシートバック部分の押し出し/引き込みを調整可能に構成されたアクチュエータである。更に、右サイドサポート調整機構16a及び左サイドサポート調整機構16bは、それぞれシートバックにおける右の側部及び左の側部における張り出しを調整可能に構成されたアクチュエータである。
【0034】
コントローラ21は、図示しないCPU、ROM及びRAMなどを備えて構成される。コントローラ21は、走行時のステアリング5の入力に基づいて操舵がスムーズに行われているか否かを判定し、当該判定結果に基づいてシート位置を調整する。具体的には、コントローラ21は、操舵角センサ1及び荷重センサ2から操舵角及び荷重を取得し、これらに基づいて操舵がスムーズに行われているか否かを判定する。そして、コントローラ21は、当該判定結果に基づいて、スライド調整機構11、フロントバーチカル調整機構12、リフター調整機構13、リクライニング調整機構14、ランバーサポート調整機構15、右サイドサポート調整機構16a、及び左サイドサポート調整機構16bの少なくともいずれかを制御することで、シート位置の調整を行う。このように、コントローラ21は、本発明における車両の運転姿勢調整装置に相当し、荷重取得手段及び相対位置調整手段として機能する。
【0035】
図7は、シート18の位置の調整方法を具体的に示した図である。矢印A1はスライド調整方向を示し、矢印A2はフロントバーチカル調整方向を示しており、矢印A3はリフター調整方向を示している。また、矢印A4はリクライニング調整方向を示し、矢印A5は、ランバーサポート調整方向を示している。更に、矢印A6a、A6bは、それぞれ右側及び左側のサイドサポート調整方向を示している。
【0036】
図8は、第2実施形態に係るシート位置調整処理を示すフローチャートである。この処理は、コントローラ21によって繰り返し実行される。具体的には、当該処理では、走行時のステアリング5の入力(荷重)に基づいて操舵がスムーズに行われているか否かを判定し、当該判定結果に基づいてシート位置の調整を繰り返し行う。つまり、ステアリング5の入力の不自然さをフィードバックしてシート位置の調整を行う。より具体的には、コントローラ21は、ステアリング5のX方向、Y方向及びZ方向に作用する力と所定値(閾値)との関係に基づいて操舵がスムーズに行われているか否かの判定を行い、当該判定結果に基づいてシート位置を調整する。
【0037】
まず、ステップS201では、コントローラ21は、ステアリング5のX方向に作用する力「Fx」が閾値「Kx」以上であるか否かを判定する。力「Fx」が閾値「Kx」以上である場合(ステップS201;Yes)、処理はステップS208に進む。この場合には、ステアリング5を引っ張る方向に比較的大きな力が作用しているため、操舵がスムーズに行われていないと言える。よって、コントローラ21は、リクライニング調整機構14を制御して、シートバックを起こす(ステップS208)。そして、処理はステップS201に戻る。一方、力「Fx」が閾値「Kx」未満である場合(ステップS201;No)、処理はステップS202に進む。
【0038】
ステップS202では、コントローラ21は、ステアリング5のX方向に作用する力「Fx」が閾値「−Kx」未満であるか否かを判定する。力「Fx」が閾値「−Kx」未満である場合(ステップS202;Yes)、処理はステップS209に進む。この場合には、ステアリング5を押し込む方向に比較的大きな力が作用しているため、操舵がスムーズに行われていないと言える。よって、コントローラ21は、リクライニング調整機構14を制御して、シートバックを寝かす(ステップS209)。そして、処理はステップS201に戻る。一方、力「Fx」が閾値「−Kx」以上である場合(ステップS202;No)、処理はステップS203に進む。
【0039】
ステップS203では、コントローラ21は、ステアリング5のZ方向に作用する力が閾値「Kz」以上であるか否かを判定する。具体的には、「Fz・cosθ−Fy・sinθ≧Kz」が成立するか否かを判定する。Z方向に作用する力が閾値「Kz」以上である場合(ステップS203;Yes)、処理はステップS210に進む。この場合には、ステアリング5の上方向に比較的大きな力が作用しているため、操舵がスムーズに行われていないと言える。よって、コントローラ21は、リクライニング調整機構14及びランバーサポート調整機構15を制御して、シートバックを起こし、ランバーサポートを押し出す(ステップS210)。そして、処理はステップS201に戻る。一方、Z方向に作用する力が閾値「Kz」未満である場合(ステップS203;No)、処理はステップS204に進む。
【0040】
ステップS204では、コントローラ21は、ステアリング5のZ方向に作用する力が閾値「−Kz」未満であるか否かを判定する。具体的には、「Fz・cosθ−Fy・sinθ<−Kz」が成立するか否かを判定する。Z方向に作用する力が閾値「−Kz」未満である場合(ステップS204;Yes)、処理はステップS211に進む。この場合には、ステアリング5の下方向に比較的大きな力が作用しているため、操舵がスムーズに行われていないと言える。よって、コントローラ21は、リクライニング調整機構14及びランバーサポート調整機構15を制御して、シートバックを寝かし、ランバーサポートを引き込む(ステップS211)。そして、処理はステップS201に戻る。一方、Z方向に作用する力が閾値「−Kz」以上である場合(ステップS204;No)、処理はステップS205に進む。
【0041】
ステップS205では、コントローラ21は、ステアリング5のY方向に作用する力が閾値「Ky」以上であるか否かを判定する。具体的には、「Fy・cosθ+Fz・sinθ≧Ky」が成立するか否かを判定する。Y方向に作用する力が閾値「Ky」以上である場合(ステップS205;Yes)、処理はステップS212に進む。この場合には、ステアリング5の右方向に比較的大きな力が作用しているため、操舵がスムーズに行われていないと言える。よって、コントローラ21は、右サイドサポート調整機構16aを制御して、右側のサイドサポートを張り出す(ステップS212)。そして、処理はステップS201に戻る。一方、Y方向に作用する力が閾値「Ky」未満である場合(ステップS205;No)、処理はステップS206に進む。
【0042】
ステップS206では、コントローラ21は、ステアリング5のY方向に作用する力が閾値「−Ky」未満であるか否かを判定する。具体的には、「Fy・cosθ+Fz・sinθ<−Ky」が成立するか否かを判定する。Y方向に作用する力が閾値「−Ky」未満である場合(ステップS206;Yes)、処理はステップS213に進む。この場合には、ステアリング5の左方向に比較的大きな力が作用しているため、操舵がスムーズに行われていないと言える。よって、コントローラ21は、左サイドサポート調整機構16bを制御して、左側のサイドサポートを張り出す(ステップS213)。そして、処理はステップS201に戻る。一方、Y方向に作用する力が閾値「−Ky」以上である場合(ステップS206;No)、処理は当該フローを抜ける。
【0043】
なお、上記したステアリング位置調整処理における実際のシート位置の調整は、例えばステアリング5が中立位置に戻った際に行われる。また、シート位置を調整する量は、固定値に設定しても良いし、閾値からの差分などに基づいて変化させても良い。
【0044】
以上の第2実施形態によれば、走行時のステアリング5の入力に基づいてシート位置を調整することで、最適なシート位置(スムーズに操舵できるシート位置)へ適切に調整することが可能となる。つまり、ステアリング5とシートとの最適な相対位置へ適切に調整することが可能となる。
【0045】
なお、上記では、シート位置のみを調整する例を示したが、ステアリング位置及びシート位置の両方を調整しても良い。つまり、第1実施形態と第2実施形態とを組み合わせても良い。
【0046】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態では、車両の走行状態に応じて運転者が体を支えるためにステアリング5に付与した力を考慮して、操舵がスムーズに行われているか否かを判定し、ステアリング5とシート18との相対位置を調整する点で、前述した第1及び第2実施形態と異なる。具体的には、第3実施形態では、操舵がスムーズに行われているか否かを判定するために用いる所定値(閾値)を、車両の走行状態に応じて変更する。より具体的には、第3実施形態では、走行状態として車両に生じる横加速度(横向き加速度)を用い、横加速度に基づいて閾値を設定する。詳しくは、横加速度が生じている場合には、ステアリング5のY方向に作用する力に対する判定に用いる閾値「Ky」を、横加速度が生じていない場合と比較して大きな値に設定する。
【0047】
こうする理由は以下の通りである。車両に横加速度が生じている場合、例えば旋回中や横方向に傾いた道を走行している場合、運転者がステアリング5で体を支えようとしている力(ステアリング5の左右方向への力)がステアリング5に付与される傾向にある。つまり、操舵するために付与した荷重だけでなく、体を支えるために付与した荷重が、荷重センサ2によって検出されることが考えられる。このような場合には、操舵がスムーズに行われているにも関わらず(つまりステアリング5とシート18との相対位置が比較的適切な位置にあるにも関わらず)、操舵がスムーズに行われていないものと誤判定されて、ステアリング5とシート18との相対位置の調整が行われてしまう場合が考えられる。
【0048】
したがって、第3実施形態では、このような横加速度に起因してステアリング5に作用する力の影響を排除するために、横加速度が生じている場合には、ステアリング5のY方向に作用する力の判定に用いる閾値「Ky」を、横加速度が生じていない場合に用いる閾値「Ky」よりも大きな値に設定する。これにより、車両に横加速度が生じている場合にも、ステアリング5とシート18との相対位置を適切に調整することが可能となる。なお、以下では、横加速度が生じていない場合に用いる閾値を「Ky0」と表記し、横加速度が生じている場合に用いる閾値、つまり閾値「Ky0」を変更した閾値を「Ky」と表記する。
【0049】
図9は、横加速度に応じて閾値「Ky」を変更する方法を説明するための図である。具体的には、図9は、横加速度(横軸)と閾値「Ky」(縦軸)との関係を表したマップを示している。これより、横加速度が右方向及び左方向に大きくなるほど、閾値「Ky」が大きな値に設定されることがわかる。なお、図9に示すようなマップは、横加速度が生じている際に、運転者がステアリング5で体を支えようとするためにステアリング5に付与される力を考慮に入れて作成される。このようなマップから得られた閾値「Ky」を用いることにより、荷重センサ2で検出された荷重から、横加速度に応じて運転者が体を支えるためにステアリング5に付与した荷重を除外した荷重に基づいて、操舵がスムーズに行われているか否かの判定を行い、シート位置などの調整を行うことが可能となる。
【0050】
図10は、ステアリング5のY方向に作用する力に対する判定に用いる閾値「Ky」の設定処理を示すフローチャートである。この処理は、前述したコントローラ21によって繰り返し実行される。また、当該処理は、基本的には、図8に示すフローを実行する前に実行される。
【0051】
まず、ステップS301では、コントローラ21は、車両に横加速度が生じているか否かを判定する。具体的には、コントローラ21は、車両の横加速度を測定可能な加速度センサの出力を取得することによって、横加速度が生じているか否かを判定する。横加速度が生じている場合(ステップS301;Yes)、処理はステップS302に進む。
【0052】
ステップS302では、コントローラ21は、ステアリング5のY方向に作用する力の判定に用いる閾値「Ky」を、横加速度に応じた閾値「Ky」に変更する。具体的には、コントローラ21は、図9に示したようなマップを参照して、ステップS301で取得された横加速度(加速度センサの出力)に対応する閾値「Ky」を得ることで、使用する閾値を「Ky0」から当該「Ky」へ変更する。以上の処理が終了すると、処理は当該フローを抜ける。この後、コントローラ21は、変更された閾値「Ky」を用いて図8に示すフローを実行する。具体的には、閾値「Ky」を用いて、ステップS205、S206の判定を行う。これにより、横加速度に起因してステアリング5に作用する力の影響を適切に排除して、操舵がスムーズに行われているか否かの判定を適切に行うことが可能となる。
【0053】
一方、横加速度が生じていない場合(ステップS301;No)、処理は当該フローを抜ける。この場合には、上記したような閾値「Ky」への変更を行わずに、閾値「Ky0」をそのまま用いる。
【0054】
以上の第3実施形態によれば、車両に横加速度が生じている場合にも、当該横加速度に起因してステアリング5に作用する力の影響を適切に排除して、ステアリング5とシート18との相対位置を適切に調整することが可能となる。
【0055】
なお、上記では、横加速度に応じて、操舵がスムーズに行われているか否かを判定するために用いる所定値(閾値)を変更する例を示したが、これに限定はされない。他の例では、横加速度に応じて、シート位置を調整する量を変更することができる。例えば、図8に示す処理にて決定されたシート位置を調整する量を、横加速度に応じて変更することができる。つまり、横加速度が大きいほど、決定された調整量(右側及び左側のサイドサポート調整量など)を小さくすることができる。
【0056】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態について説明する。第4実施形態でも、第3実施形態と同様に、車両の走行状態に応じて運転者が体を支えるためにステアリング5に付与した力を考慮して、ステアリング5とシート18との相対位置を調整する。つまり、操舵がスムーズに行われているか否かを判定するために用いる所定値(閾値)を、車両の走行状態に応じて変更する。しかしながら、第3実施形態では、走行状態として車両に生じる横加速度を用いていたのに対して、第4実施形態では、走行状態として車両に生じる前後加速度を用いる。具体的には、第4実施形態では、前後加速度が生じている場合に(例えば加減速時や坂道走行時に)、ステアリング5のX方向に作用する力に対する判定に用いる閾値「Kx」を前後加速度に応じて変更する。
【0057】
こうする理由は以下の通りである。例えば車両が減速している場合には、運転者の体重の慣性力(具体的には、ステアリング5を押し込む方向への力)がステアリング5に付与される傾向にある。つまり、操舵するために付与した荷重だけでなく、体を支えるために付与した荷重が、荷重センサ2によって検出されることが考えられる。このような場合には、操舵がスムーズに行われているにも関わらず(つまりステアリング5とシート18との相対位置が比較的適切な位置にあるにも関わらず)、操舵がスムーズに行われていないものと誤判定されて、ステアリング5とシート18との相対位置の調整が行われてしまう場合が考えられる。また、車両が加速している場合には、運転者の体重の慣性力(具体的には、ステアリング5を引っ張る方向への力)がステアリング5に付与される傾向にある。このような場合にも、操舵がスムーズに行われていないものと誤判定されて、ステアリング5とシート18との相対位置の調整が行われてしまう場合が考えられる。
【0058】
したがって、第4実施形態では、このような前後加速度に起因してステアリング5に作用する力の影響を排除するために、ステアリング5のX方向に作用する力に対する判定に用いる閾値「Kx」を前後加速度に応じて変更する。これにより、車両に前後加速度が生じている場合にも、ステアリング5とシート18との相対位置を適切に調整することが可能となる。なお、以下では、前後加速度が生じていない場合に用いる閾値を「Kx0」と表記し、前後加速度が生じている場合に用いる閾値、つまり閾値「Kx0」を変更した閾値を「Kx」と表記する。
【0059】
図11は、前後加速度に応じて閾値「Kx」を変更する方法を説明するための図である。具体的には、図11は、前後加速度(横軸)と閾値「Kx」(縦軸)との関係を表したマップを示している。これより、前後加速度が減速側(右方向に示す)及び加速側(左方向に示す)に大きくなるほど、閾値「Kx」が大きな値に設定されることがわかる。詳しくは、加速側では減速側と比較して閾値「Kx」の変化率が小さいことがわかる。こうしているのは、加速時においては、運転者の体重の慣性力をシートバックにて受ける傾向にあるからである。つまり、加速時においては、減速時と比較して、当該慣性力によりステアリング5に付与される力が小さくなるものと考えられるからである。したがって、加速側では、減速側と比較して、閾値「Kx」を閾値「Kx0」から大きくする度合いを小さくしている。なお、図11に示すようなマップは、前後加速度が生じている際に、運転者の体重の慣性力によりステアリング5に付与される力(運転者が体を支えるために付与した力)を考慮に入れて作成される。このようなマップから得られた閾値「Kx」を用いることにより、荷重センサ2で検出された荷重から、前後加速度に応じて運転者が体を支えるためにステアリング5に付与した荷重を除外した荷重に基づいて、操舵がスムーズに行われているか否かの判定を行い、シート位置などの調整を行うことが可能となる。
【0060】
図12は、ステアリング5のX方向に作用する力に対する判定に用いる閾値「Kx」の設定処理を示すフローチャートである。この処理は、前述したコントローラ21によって繰り返し実行される。また、当該処理は、基本的には、図8に示すフローを実行する前に実行される。
【0061】
まず、ステップS401では、コントローラ21は、車両に前後加速度が生じているか否かを判定する。具体的には、コントローラ21は、車両の前後加速度を測定可能な加速度センサの出力を取得することによって、前後加速度が生じているか否かを判定する。前後加速度が生じている場合(ステップS401;Yes)、処理はステップS402に進む。
【0062】
ステップS402では、コントローラ21は、ステアリング5のX方向に作用する力の判定に用いる閾値「Kx」を、前後加速度に応じた閾値「Kx」に変更する。具体的には、コントローラ21は、図11に示したようなマップを参照して、ステップS401で取得された前後加速度(加速度センサの出力)に対応する閾値「Kx」を得ることで、使用する閾値を「Kx0」から当該「Kx」へ変更する。以上の処理が終了すると、処理は当該フローを抜ける。この後、コントローラ21は、変更された閾値「Kx」を用いて図8に示すフローを実行する。具体的には、閾値「Kx」を用いて、ステップS201、S202の判定を行う。これにより、前後加速度に起因してステアリング5に作用する力の影響を適切に排除して、操舵がスムーズに行われているか否かの判定を適切に行うことが可能となる。
【0063】
一方、前後加速度が生じていない場合(ステップS401;No)、処理は当該フローを抜ける。この場合には、上記したような閾値「Kx」への変更を行わずに、閾値「Kx0」をそのまま用いる。
【0064】
以上の第4実施形態によれば、車両に前後加速度が生じている場合にも、当該前後加速度に起因してステアリング5に作用する力の影響を適切に排除して、ステアリング5とシート18との相対位置を適切に調整することが可能となる。
【0065】
なお、上記では、前後加速度に応じて、操舵がスムーズに行われているか否かを判定するために用いる所定値(閾値)を変更する例を示したが、これに限定はされない。他の例では、前後加速度に応じて、シート位置を調整する量を変更することができる。例えば、図8に示す処理にて決定されたシート位置を調整する量を、前後加速度に応じて変更することができる。つまり、前後加速度が大きいほど、決定された調整量(リクライニング調整量など)を小さくすることができる。
【0066】
また、上記では、閾値「Kx」の設定処理をコントローラ21が行う例を示したが、これに限定はされない。つまり、変更された閾値「Kx」を用いてシート位置の調整を行うことに限定されない。他の例では、閾値「Kx」の設定処理をコントローラ20が行うことができる。即ち、変更された閾値「Kx」を用いてステアリング位置の調整を行うことも可能である。この場合には、コントローラ20は、変更された閾値「Kx」を用いて図5に示すフローを実行する。具体的には、閾値「Kx」を用いて、ステップS103、S104の判定を行う。更に、他の例では、変更された閾値「Kx」を用いて、ステアリング位置及びシート位置の両方の調整を行うことができる。
【0067】
更に、前後加速度に基づいて閾値「Kx」の変更のみを行うことに限定はされず、前後加速度に基づいて閾値「Kx」を変更すると共に、横加速度に基づいて閾値「Ky」を変更することも可能である。即ち、第3実施形態と第4実施形態とを組み合わせても良い。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】第1実施形態に係る車両の運転姿勢調整装置が適用されたシステムの概略構成図を示す。
【図2】ステアリングの概略構成図を示す。
【図3】ステアリングの移動方向を具体的に示した図である。
【図4】操舵時にステアリングホイールに作用する力を示した図である。
【図5】第1実施形態に係るステアリング位置調整処理を示すフローチャートである。
【図6】第2実施形態に係る車両の運転姿勢調整装置が適用されたシステムの概略構成図を示す。
【図7】シート位置の調整方法を具体的に示した図である。
【図8】第2実施形態に係るシート位置調整処理を示すフローチャートである。
【図9】横加速度に応じて閾値を変更する方法を説明するための図である。
【図10】Y方向に作用する力の判定に用いる閾値の設定処理を示すフローチャートである。
【図11】前後加速度に応じて閾値を変更する方法を説明するための図である。
【図12】X方向に作用する力の判定に用いる閾値の設定処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0069】
1 操舵角センサ
2 荷重センサ
3 ステアリングチルト調整機構
4 ステアリングテレスコ調整機構
5 ステアリング
11 スライド調整機構
14 リクライニング調整機構
15 ランバーサポート調整機構
16a 右サイドサポート調整機構
16b 左サイドサポート調整機構
18 シート
20、21 コントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステアリングとシートとの相対位置を調整する車両の運転姿勢調整装置であって、
車両の走行状態に基づいて、前記ステアリングと前記シートとの前記相対位置を調整する相対位置調整手段を備えることを特徴とする車両の運転姿勢調整装置。
【請求項2】
前記ステアリングに作用する荷重を取得する荷重取得手段を更に備え、
前記相対位置調整手段は、前記荷重取得手段によって取得された前記荷重及び前記走行状態に基づいて、前記相対位置を調整する請求項1に記載の車両の運転姿勢調整装置。
【請求項3】
前記相対位置調整手段は、前記走行状態として前記車両に生じる横加速度を用い、前記横加速度に基づいて前記相対位置を調整する請求項1又は2に記載の車両の運転姿勢調整装置。
【請求項4】
前記相対位置調整手段は、前記走行状態として前記車両に生じる前後加速度を用い、前記前後加速度に基づいて前記相対位置を調整する請求項1乃至3のいずれか一項に記載の車両の運転姿勢調整装置。
【請求項5】
前記相対位置調整手段は、前記荷重取得手段によって取得された前記荷重から、前記走行状態に応じて運転者が体を支えるために前記ステアリングに付与した荷重を除外した荷重に基づいて、前記相対位置を調整する請求項2乃至4のいずれか一項に記載の車両の運転姿勢調整装置。
【請求項6】
前記相対位置調整手段は、前記走行状態に応じて所定値を設定して、前記荷重取得手段によって取得された前記荷重と前記所定値との関係に基づいて操舵がスムーズに行われているか否かを判定し、当該判定の結果に基づいて前記相対位置を調整する請求項2乃至5のいずれか一項に記載の車両の運転姿勢調整装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−248717(P2009−248717A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−98359(P2008−98359)
【出願日】平成20年4月4日(2008.4.4)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】