説明

車両用インストルメントパネルおよびその車載機器取り付け方法

【課題】車載機器および車載機器周辺のレイアウトの自由度を向上することができる車両用インストルメントパネルおよびその車載機器取り付け方法を提供する。
【解決手段】ステアリング装置を支持するステアリングハンガビーム51を有し、ステアリングハンガビーム51にブラケット61を介してAVユニット21が固定される車両用インストルメントパネルであって、ブラケット61は、ステアリングハンガビーム51に固定される基部側から車両前方に延びる延出部66、および、この延出部66の前部から車両上方に湾曲したのち略車両後方に延びてAVユニット21を支持するユニット支持部65を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両用インストルメントパネルおよびその車載機器取り付け方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、オーディオユニットなどの車載機器が左右に取り付けられたブラケットを介してステアリングハンガビームに支持される車両用インストルメントパネルが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−297733号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上述の車両用インストルメントパネルにあっては、規格品であるオーディオユニットのサイズが大きく重いため、車載機器、および、車載機器周辺のレイアウトの自由度が制限されてしまうという課題がある。
【0004】
この発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、車載機器および車載機器周辺のレイアウトの自由度を向上することができる車両用インストルメントパネルおよびその車載機器取り付け方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、ステアリング装置(例えば、実施の形態におけるステアリングコラム33およびステアリングホイール34)を支持するステアリングハンガビーム(例えば、実施の形態におけるステアリングハンガビーム51)を有し、該ステアリングハンガビームにブラケット(例えば、実施の形態におけるブラケット61)を介して車載機器(例えば、実施の形態におけるAVユニット21)が固定される車両用インストルメントパネルであって、前記ブラケットは、前記ステアリングハンガビームに固定される基部側から車両前方に延びる延出部(例えば、実施の形態における延出部66)、および、この延出部の前部から車両上方に湾曲したのち略車両後方に延びて車載機器を支持する車載機器支持部(例えば、実施の形態におけるユニット支持部65)を備えることを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載の発明において、前記車載機器支持部の下方に収納部(例えば、実施の形態における収納トレイ29)を設けたことを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載した発明は、請求項2に記載の発明において、前記車載機器支持部の下方に開口部(例えば、実施の形態におけるトレイ取付穴81)を有したインストルメントパネル本体(例えば、実施の形態における段差上面部4)を前記ステアリングハンガビームに固定し、前記開口部に前記収納部を着脱自在に設けたことを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載した発明は、請求項1乃至3の何れか一項に記載の発明において、前記車載機器支持部が、前記インストルメントパネル本体に枠体(例えば、実施の形態における枠体85)を介して支持されることを特徴とする。
【0009】
請求項5に記載した発明は、ステアリング装置を支持するステアリングハンガビームを有し、該ステアリングハンガビームにブラケットを介して車載機器が固定される車両用インストルメントパネルの車載機器取り付け方法であって、前記ステアリングハンガビームに固定される基部側から車両前方に延びる延出部、および、この延出部の車両前方側で車両上方側に湾曲したのち略車両後方に延びて車載機器を支持する車載機器支持部を備える前記ブラケットを、車載機器に取り付けて一体化する工程と、前記ブラケットと車載機器とが一体化したユニットを、前記インストルメントパネル本体に形成された車載機器取付け用開口部から挿入し、前記インストルメントパネルに形成された開口部を通じて前記ブラケットの基部を前記ステアリングハンガビームに固定する工程と、前記インストルメントパネルの開口部を閉塞する工程とを備えることを特徴とする。
【0010】
請求項6に記載した発明は、請求項5に記載の発明において、前記車載機器支持部及び前記車載機器取り付け用開口部を枠体により被覆固定する工程を更に備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載した発明によれば、車両前方に延びる延出部をブラケットが備えることで、従来よりも車載機器の配置をステアリングハンガビームに対して車両前方側にすることができるため、車載機器を確実に支持しつつステアリングハンガビームの前方及び上方における部品の配置自由度を向上することができる効果がある。
【0012】
請求項2に記載した発明によれば、請求項1の効果に加え、車載機器支持部の下方に収納部を設けることで、車載機器支持部の下方の空間を収納スペースとして有効利用することができる効果がある。
【0013】
請求項3に記載した発明によれば、請求項2の効果に加え、前記ブラケットを介してステアリングハンガビームに車載機器を取り付ける際に、収納部が取り付けられるインストルメントパネル本体の開口部を介して、ブラケットの基部側にアクセスすることができるため、車載機器の取り付け作業性を向上することができる。
【0014】
請求項4に記載した発明によれば、請求項1乃至3の何れか一項の効果に加え、車載機器支持部が枠体を介してインストルメントパネル本体に支持され車載機器の荷重がインストルメントパネル本体に分散するので、ステアリングハンガビームから車載機器までの距離が離れた場合であっても、車載機器のぐらつきを防止することができる効果がある。
【0015】
請求項5に記載した発明によれば、ブラケットを車載機器に取り付けて一体化し、この一体化したユニットを車載機器取り付け用開口部から挿入し、インストルメントパネルの開口部を通じてステアリングハンガビームにブラケットの基部を固定したのちに開口部を閉塞するため、車載機器をステアリングハンガビームに確実に固定できると共に、車載機器の取り付け作業を容易に行うことができる効果がある。
【0016】
請求項6に記載した発明によれば、請求項5の効果に加え、車載機器支持部及び車載機器取付け用開口部を枠体により被覆固定することで、車載機器支持部が枠体を介してインストルメントパネル本体に支持され車載機器の荷重がインストルメントパネル本体に分散するので、ステアリングハンガビームから車載機器までの距離が離れた場合であっても、車載機器のぐらつきを容易に防止することができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に、この発明の実施の形態における車両用インストルメントパネルについて、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態では、進行方向に対して右側に運転席、左側に助手席が配置されたいわゆる右ハンドルの車両を一例に説明する。また、以下の説明における前後左右は車両を基準とした前後左右である。
【0018】
図1は、車両の車室内に配置されるインストルメントパネル1およびその関連部品を示すもので、インストルメントパネル1は、上面部(上面)2と、上面部2の後端縁部から下方に延出する縦面部3と、縦面部3の下縁部から後方に延出する段差上面部4と、段差上面部4の後端縁部から前下がりに傾斜して下方に延出する正面部5とを有している。
【0019】
インストルメントパネル1の上面部2の右側には、運転者に向けて車速等の表示を行うメータ10と、このメータ10の上側を覆うように配置されるバイザ11と、メータ10の周囲を覆うように配置されるアッパカバー12およびロアカバー13からなるバイザカバー14とが設けられている。
【0020】
また、インストルメントパネル1の上面部2の左側には、助手席用のエアバッグの展開時にインストルメントパネル1から外れる樹脂製のエアバッグリッド(樹脂部品)20が配置されている。
【0021】
インストルメントパネル1の縦面部3の左右方向の中間部には、AVユニット21が設けられており、このAVユニット21の両側にはエアコン吹出口22がそれぞれ設けられている。
【0022】
インストルメントパネル1の段差上面部4には、その左右方向の両端側にドリンクホルダ28がそれぞれ設けられており、左右方向の中間部の前部位置に収納トレイ29が設けられている。また、この段差上面部4の収納トレイ29の後方には、左側にエアコン操作ユニット31が右側にシフトレバー32が並設されている。さらに、この段差上面部4には、シフトレバー32よりも右側にステアリングコラム33を介してステアリングホイール34が設けられている。
【0023】
インストルメントパネル1の正面部5には、その左右方向の中間部の上部側にドリンクホルダ38が設けられており、その左右方向の中間部の下部側にフロアまで延出する収納部39が設けられている。また、インストルメントパネル1の正面部5には、グローブボックス50が、左右方向のステアリングホイール34とは反対側に設けられている。
【0024】
インストルメントパネル1には、その上下方向の中間部の前側にステアリングハンガビーム51(後述する)が左右方向に延在するように設けられており、このステアリングハンガビーム51の左右端が図示略の左右のフロントピラー間を結ぶように車体に固定されることで、インストルメントパネル1が車体に取り付けられる。ステアリングハンガビーム51は、ステアリングホイール34に連結された図示略のステアリングシャフトを支持する。
【0025】
ところで、ステアリングハンガビーム51には、その左右方向における中間部において、上述したAVユニット21が固定されている。図2に示すように、AVユニット21は、それぞれ左右対称に形成された一対のブラケット61が取り付け可能に構成され、このブラケット61を介してステアリングハンガビーム51に支持される。
【0026】
ブラケット61は、略平板状の金属材で形成されたものであり、ステアリングハンガビーム51に固定される基部側アーム部64と、このアーム部64の端部側に連続して形成され、略車両後方に延びる、より具体的にはアーム部64の端部側から後上がりに傾斜した状態で延在してAVユニット21を支持するユニット支持部65を備えて構成されている。
【0027】
アーム部64は、基部側から車両前方に向かって略水平に延びる延出部66と、AVユニット21の側壁24の車両前後方向における前部の下角部近傍で車両上方に向かって湾曲する湾曲部67とを備えて構成される。
延出部66は、その基部側にAVユニット21の左右幅方向の内側に向かって屈曲する屈曲部62が形成され、この屈曲部62に取付孔63が形成されている。屈曲部62は、この取付孔63を介してビス等により屈曲部62がステアリングハンガビーム51の取付延出部68(図3参照)に固定される。
【0028】
ユニット支持部65は、上述したアーム部64の端部側に連続して形成され、車両前後方向における後方に向かうに連れて徐々にAVユニット21の側壁24の上縁に近づくように拡幅して形成された拡幅部70を備えている。この拡幅部70の下縁は、ブラケット61がAVユニット21に取り付けられた状態で、AVユニット21の側壁24の下縁に沿って形成されている。
【0029】
ユニット支持部65は、さらに拡幅部70の車両前後方向における後部側に連続して形成される主板部71を備えている。主板部71は、AVユニット21の高さ寸法よりもやや短い所定の高さ寸法で上縁と下縁とが平行に形成され、AVユニット21に取り付けられた状態で、その端部がAVユニット21の液晶画面60よりも若干AVユニット21の背面側に配置される。なお、上述した拡幅部70と主板部71とには、適宜の位置に肉抜き部が形成されて軽量化が図られている。
【0030】
主板部71には、その上縁と下縁とに沿ってそれぞれビス取付孔75が形成されている。一方、主板部71のビス取付孔75に対応する位置のAVユニット21の側壁24にはネジ孔(図示略)が形成され、このビス取付孔75およびネジ孔を介してビス等(図示略)を用いてAVユニット21の左右側壁24にそれぞれブラケット61が固定される。また、主板部71は、AVユニット21の液晶画面60側において左右外側に屈曲形成されたフランジ部76を備えている。なお、ビス等を用いてブラケット61をAVユニット21に取り付ける方法に限られるものではなく、例えば、取り付けピンなどを用いて取り付けるようにしても良い。
【0031】
ブラケット61のユニット支持部65は、図4に示すように、ステアリングハンガビーム51の上方に配置され、延出部66に比して十分長尺に形成されている。そして、主板部71は、水平な延出部66に対して前部が低く後部ほど高くなる傾斜状態となっており、この主板部71に沿ってAVユニット21が取り付けられることで、AVユニット21の液晶画面60が車両の後上方を向いた状態でステアリングハンガビーム51に取り付けられて相対位置が固定されることとなる。
【0032】
図5に示すように、インストルメントパネル1の縦面部3の左右方向の中間部分には、AVユニット21を配置するためのユニット取付孔80が形成されている。このユニット取付孔80の下部壁部79は、AVユニット21が取り付けられた状態で、AVユニット21の液晶画面60とユニット取付孔80の周縁とが略同一平面上に配置されるように、段差上面部4の車両前方側から斜め上後方に向かって突出して形成されている。
【0033】
ユニット取付孔80の下部壁部79の下方すなわちブラケット61のユニット支持部65の下方(図4参照)には収納トレイ29を取り付けるためのトレイ取付穴81が形成されている。この収納トレイ取付穴81の車両前方側の縦壁82には、その左右中央を基準とした対称位置に一対のサービスホール83が形成されている。このサービスホール83は、ステアリングハンガビーム51の取付延出部68(図3参照)と、ブラケット61の屈曲部62(図2参照)との締結作業を行うために形成されたものである。ステアリングハンガビーム51には、図3に示すように、車両前方に若干傾斜した状態で上方に延出する取付延出部68が溶接等で固定されており、この取付延出部68がサービスホール83を介して車室内側に露出する(図示略)ようになっている。
【0034】
図6に示すように、車室内側に露出するAVユニット21の液晶画面60側の周縁およびユニット取付孔80の周縁には、これらを一体的に覆うように枠体85が取り付けられ、ブラケット61とともに一体化される。この枠体85は、AVユニット21の液晶画面60側の周縁およびユニット取付孔80の周縁に加えて、ユニット取付孔80の左右両側に配置されたエアコン吹出口22の周縁も一体的に覆うように形成されており、その左右中央位置には、AVユニット21の液晶画面側の周縁に対応して略矩形に形成された中央孔86が配置され、この中央孔86の左右両側にはエアコン吹出口22に対応した縦長の略矩形に形成された左孔87と右孔88とがそれぞれ形成されている。
【0035】
枠体85には、さらに中央孔86を構成する左枠95および右枠96の裏側に、先細り形状の上部ピン97と下部ピン98とがそれぞれ突出して形成されている。また、図4に示すように、ブラケット61のフランジ部76には、上部ピン97と下部ピン98とに対向する上部及び下部に、中間部よりも若干幅広に形成された拡幅部94が形成され、この拡幅部94に孔99aが形成されている。そして、上部ピン97と下部ピン98とをそれぞれに対向配置された孔99aに挿入して枠体85をAVユニット21側に押圧することで、上部ピン97と下部ピン98とがそれぞれ孔99aに押し込まれて、各孔99aの内周面が上部ピン97の外周面や下部ピン98の外周面にそれぞれ押圧されて、AVユニット21の液晶画面60側の周縁と枠体85との相対位置が決まる。この状態にてフランジ部76の上部ピン97および下部ピン98それぞれの近傍に形成されたビス孔99bにおいて図示しないビス等で枠体85がブラケット61に対して車両前方側から固定される。
【0036】
また、枠体85には、その外周位置に所定の間隔でユニット取付孔80の周縁に向かって突出する複数のクリップ89が設けられている。また、図4に示すように、ユニット取付孔80の周縁には、枠体85のクリップ89に対向する位置に係合孔90が形成されている。クリップ89を係合孔90に挿入して枠体85をAVユニット21側に押し付けることで、クリップ89がユニット取付孔80周縁の係合孔90に係合して所定の引張力以下での枠体85の剥離方向への変位が規制され、枠体85がインストルメントパネル1に取り付けられる。つまり、上述したように枠体85がインストルメントパネル1にクリップ89を介して固定されるから、ブラケット61のフランジ部76および枠体85を介して、AVユニット21の液晶画面60側の周縁は、インストルメントパネル1のユニット取付孔80の周縁に固定される。
【0037】
さらに、図7に示すように、上述したブラケット61が固定された状態のAVユニット21を、AVユニット21の背面側からユニット取付孔80に挿入して、図7にて図示を省略する枠体85のクリップ89(図6参照)を係合孔90に挿入すると、ブラケット61の屈曲部62がステアリングハンガビーム51の取付延出部68の車両後方側に重なって配置されて、トレイ取付穴81のサービスホール83を介して車室内側に露出するようになっている。
【0038】
次に、上述した構成を備えるインストルメントパネル1におけるAVユニット21の取り付け手順について説明する。
まず、図2に示すように、AVユニット21の左右側壁24に対して一対のブラケット61をそれぞれビス等により締め付け固定してAVユニット21とブラケット61とを一体化し、次いでに示すように、ブラケット61のフランジ部76に枠体85を車両前方側より図示略のビス等により締め付け固定して取り付ける。
【0039】
AVユニット21とブラケット61と枠体85とを一体化したユニットを、図5に示すユニット取付孔80にAVユニット21の背面側から挿入して、枠体85のクリップ89とブラケット61の係合孔90との位置を合わせると共に、上部ピン97と孔99との位置および下部ピン98と孔99との位置を合わせて枠体85とエアコン吹出口22の周縁との隙間が生じない位置まで押し込む。
すると、AVユニット21は、枠体85のクリップにより重量を支持された状態で図7に示すように、サービスホール83からブラケット61の屈曲部62に設けられた取付孔63がステアリングハンガビーム51の取付延出部68に形成された取付孔と略一致状態で露出する状態となるので、屈曲部62をステアリングハンガビーム51の取付延出部68にビス等により固定する。これによりAVユニット21がブラケット61を介してステアリングハンガビーム51に固定されることとなる。なお、AVユニット21の配線類の結線は、AVユニット21を取付孔80に挿入する前に済ませるのが好ましい。
【0040】
他方、段差上面部4に形成されたトレイ取付穴81に収納トレイ29を押し込む。これによりトレイ取付穴81の縦壁82の開口上部に形成された孔100に収納トレイ29の図示しない爪が係止され、トレイ取付穴81が収納トレイ29により閉塞される。
【0041】
したがって、上述したインストルメントパネル1によれば、車両前方に延びる延出部66をブラケット61が備えることで、従来よりもステアリングハンガビーム51に対するAVユニット21の配置を車両前方側にすることができるため、AVユニット21を確実に支持しつつステアリングハンガビーム51の前方及び上方における部品の配置自由度を向上することができる。
【0042】
さらに、ブラケット61のユニット支持部65の下方に収納トレイ29を設けることで、ユニット支持部65の下方の空間を収納スペースとして有効利用することができる。
また、ブラケット61を介してステアリングハンガビーム51にAVユニット21を取り付ける際に、収納トレイ29が取り付けられるトレイ取付穴81を介して、ブラケット61の基部側に形成された屈曲部62にアクセスすることができるため、AVユニット21の取り付け作業性を向上することができる。
【0043】
そして、枠体85を介してユニット支持部65のフランジ部76がユニット取付孔80の周縁のインストルメントパネル1に支持されてAVユニット21の荷重が分散するので、ステアリングハンガビーム51からAVユニット21までの距離が離れる場合であっても、AVユニット21のぐらつきを防止することができる。
また、枠体85およびブラケット61とAVユニット21とを一体化した構成とすることで、ステアリングハンガビーム51へのブラケット61の締結作業前に仮保持が可能となるため、締結作業がより容易となる。
【0044】
さらに、ブラケット61をAVユニット21に取り付けて一体化し、この一体化したユニットをユニット取付孔80から挿入し、トレイ取付穴81およびサービスホール83を通じてステアリングハンガビーム51の取付延出部68にブラケット61の基部側の屈曲部62を固定したのちにトレイ取付穴81を閉塞することができるため、AVユニット21をステアリングハンガビーム51に確実に固定できると共に、AVユニット21の取り付け作業を容易に行うことができる。
【0045】
なお、この発明は上述した実施の形態に限られるものではなく、他の実施例として、例えば、図8に示すように、ブラケット61とAVユニット21とを一体化してステアリングハンガビーム51に取付けた後に枠体85を取付けることでAVユニット21の荷重を分散支持するよう構成しても良い。この場合、枠体85はブラケット61のフランジ部76に対し車両後方側からクリップ等で固定する構成とする。また、上述した実施の形態ではAVユニット21をインストルメントパネル1上に取り付ける一例を説明したが、AVユニット21以外の車載機器を取り付けるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の実施の形態におけるインストルメントパネルの斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態におけるブラケットを固定した状態のAVユニットの斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態におけるAVユニットとステアリングハンガビームとの接続を説明するための斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態におけるインストルメントパネルに取り付けられた状態のAVユニットを側方から見た部分断面図である。
【図5】本発明の実施の形態におけるユニット取付孔周辺の斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態における枠体を裏側からみた斜視図である。
【図7】本発明の実施の形態におけるユニット取付孔にAVユニットを取り付けた状態の正面図である。
【図8】本発明の他の実施例における枠体を取り付ける前の斜視図である。
【符号の説明】
【0047】
4 段差上面部(インストルメントパネル本体)
21 AVユニット(車載機器)
29 収納トレイ(収納部)
33 ステアリングコラム(ステアリング装置)
34 ステアリングホイール(ステアリング装置)
51 ステアリングハンガビーム
61 ブラケット
66 延出部
65 ユニット支持部(車載機器支持部)
81 トレイ取付穴(開口部)
85 枠体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステアリング装置を支持するステアリングハンガビームを有し、該ステアリングハンガビームにブラケットを介して車載機器が固定される車両用インストルメントパネルであって、
前記ブラケットは、前記ステアリングハンガビームに固定される基部側から車両前方に延びる延出部、および、この延出部の前部から車両上方側に湾曲したのち略車両後方に延びて車載機器を支持する車載機器支持部を備えることを特徴とする車両用インストルメントパネル。
【請求項2】
前記車載機器支持部の下方に収納部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の車両用インストルメントパネル。
【請求項3】
前記車載機器支持部の下方に開口部を有したインストルメントパネル本体を前記ステアリングハンガビームに固定し、前記開口部に前記収納部を着脱自在に設けたことを特徴とする請求項2に記載の車両用インストルメントパネル。
【請求項4】
前記車載機器支持部は、前記インストルメントパネル本体に枠体を介して支持されることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の車両用インストルメントパネル。
【請求項5】
ステアリング装置を支持するステアリングハンガビームを有し、該ステアリングハンガビームにブラケットを介して車載機器が固定される車両用インストルメントパネルの車載機器取り付け方法であって、
前記ステアリングハンガビームに固定される基部側から車両前方に延びる延出部、および、この延出部の車両前方側で車両上方側に湾曲したのち略車両後方に延びて車載機器を支持する車載機器支持部を備える前記ブラケットを、車載機器に取り付けて一体化する工程と、
前記ブラケットと車載機器とが一体化したユニットを、前記インストルメントパネル本体に形成された車載機器取付け用開口部から挿入し、前記インストルメントパネルに形成された開口部を通じて前記ブラケットの基部を前記ステアリングハンガビームに固定する工程と、
前記インストルメントパネルの開口部を閉塞する工程とを備えることを特徴とする車両用インストルメントパネルの車載機器取り付け方法。
【請求項6】
前記車載機器支持部及び前記車載機器取り付け用開口部を枠体により被覆固定する工程を更に備えることを特徴とする請求項5に記載の車両用インストルメントパネルの車載機器取り付け方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−274589(P2009−274589A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−127726(P2008−127726)
【出願日】平成20年5月14日(2008.5.14)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】