説明

車両用充電システム

【課題】 走行用動力に利用可能な車載バッテリへ家庭用電源から夜間充電するような場合であっても、外部から接近した者と充電ケーブルとの接触事故による、接近者のけがや充電ケーブル、コネクタ等の損傷を防止でき、しかも煩雑な操作や複雑な構成を要することなく、そのような保安機能を付加することのできる車両用充電システムを提供する。
【解決手段】 交流電源Vから充電ケーブル20を引き回し、夜間にPHV1の車載バッテリ5への充電中に、外部からの入場者Mが監視領域A内へ立ち入った場合に、入場者Mに対し警告が発せられる。入場者Mと充電ケーブル20との接触事故の発生が防止され、入場者M自身がけがをしたり、充電ケーブル20が損傷したりするのを防止できる。入場者Mが監視領域A内に長期滞在するときにのみ警告が発せられるので、瞬間的に監視領域A内に立ち入った入場者Mに誤って警告を発することを回避できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行用動力に利用可能な車載バッテリに充電するための車両用充電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、CO2排出量削減による地球環境保護等の観点から、車載バッテリを走行用動力に利用可能な電気自動車(EV:Electric Vehicle)やハイブリッド車(HV:Hybrid Vehicle)が注目され、実用化もなされている。特に最近では、走行中のエンジン回転によるバッテリへの充電に加えて、夜間等の非走行時に家庭用電源等から充電ケーブルを介して車載バッテリに充電できるプラグインハイブリッド車(PHV:Plug-in Hybrid Vehicle)の開発も進められ、車載バッテリへの充電機能は今後ますます重要視される傾向にある。
【0003】
ところで、ユーザの所持する無線携帯キー(携帯側無線機)から送信された無線信号を車両に搭載された受信手段(ワイヤレスチューナ、スマートチューナ等の車両側無線機)で受信し、車両に対するユーザの接近を検知したとき車載バッテリへの充電状態(充電量)を表示手段(表示器、照明装置等)に表示することによって、ユーザが充電状態を車外から確認できるようにする技術が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−177938号公報
【0005】
特許文献1によれば、ユーザが必要とするときにのみ車載バッテリへの充電状態(充電量)を表示手段に表示することによって、車載バッテリの電力消費を抑制しつつ車載バッテリへの充電状態を車外から確認できる。このとき、車両用照明装置(例えばヘッドランプ)等の表示手段を用いて充電状態を表示する場合には、ユーザ(すなわち無線携帯キーの所持者)に対し、車載バッテリへの充電状態と同時に充電ケーブルの存在位置を視認させることも可能となる。しかし、非ユーザ(すなわち無線携帯キーの非所持者)に対しては、車載バッテリへの充電状態はもちろん充電ケーブルの存在位置を視認させることはできない。
【0006】
特にPHVの場合には、例えば庭先や簡易車庫のように充分な照明設備のない駐車場所で、家庭用電源から充電ケーブルを引き回して夜間に車載バッテリへ充電することが想定される。したがって、充電中にたまたま通りかかった非ユーザと充電ケーブルとの接触事故(具体的には、非ユーザが充電ケーブルに足を引っ掛けたり転倒したりすること)によって、非ユーザ自身のけが、充電ケーブルやコネクタの損傷等が発生するおそれがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、走行用動力に利用可能な車載バッテリへ家庭用電源から夜間充電するような場合であっても、外部から接近した者と充電ケーブルとの接触事故による、接近者のけがや充電ケーブル、コネクタ等の損傷を防止でき、しかも煩雑な操作や複雑な構成を要することなく、そのような保安機能を付加することのできる車両用充電システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の車両用充電システムは、
車両の走行用動力に利用可能な車載バッテリと車外電源設備としての交流電源とを充電ケーブルを介して接続することにより、前記車載バッテリに充電するための車両用充電システムであって、
前記充電ケーブルが前記車載バッテリ及び交流電源に接続され、その車載バッテリに充電中であることを検知する接続検出手段と、
前記車両又は車外電源設備に配置されるとともに、前記充電ケーブルを少なくとも含む所定の監視領域の中へ外部から立ち入った入場者を検知する監視手段と、
前記車両又は車外電源設備に配置されるとともに、前記接続検出手段が前記充電ケーブルの接続状態を直接又は間接的に検知し、かつ前記監視手段が前記監視領域内での前記入場者の存在又は滞在を検知したとき、その入場者に対し、前記充電ケーブルとの接触に関する注意を喚起したり危険を知らせたりするために、発光装置、発音装置、発声装置等を用いた所定の警告態様にて作動する報知手段と、
を備えることを特徴とする。
【0009】
このような車両用充電システムによれば、接続検出手段が充電ケーブルの接続状態を検知し、監視手段が監視領域内へ立ち入った入場者を検知したとき、報知手段がその入場者に対し警告を発して、充電ケーブルとの接触に関する注意を喚起したり危険を知らせたりする。これによって、走行用動力に利用可能な車載バッテリへ家庭用電源から夜間充電するような場合であっても、監視領域内へ立ち入った入場者(すなわち、外部から接近した者)と充電ケーブルとの接触事故を未然に防ぎ、入場者のけがや充電ケーブル、コネクタ等の損傷を防止できる。
【0010】
また、外部からの入場者が、充電ケーブルを盗んだり、充電ケーブル接続用のコンセントに異物混入等のいたずらをしたりするために、悪意を持って監視領域内へ立ち入った場合であっても、入場者に対し警告を発することによって、これらの盗難やいたずらを防止できる。しかも、煩雑な操作や複雑な構成を要することなく、上記した各保安機能を付加することができる。
【0011】
例えば、庭先や簡易車庫のように充分な照明設備のない駐車場所で、家庭用電源から充電ケーブルを引き回して、夜間にPHVの車載バッテリへの充電中に、外部からの入場者が監視領域内へ立ち入った場合には、入場者に対し警告を発することができる。その結果、入場者と充電ケーブルとの接触事故(具体的には、入場者が充電ケーブルに足を引っ掛けたり転倒したりすること)の発生が防止され、入場者自身がけがをしたり、充電ケーブルやコネクタが損傷したりするのを防止できる。また、充電ケーブルの盗難やコンセントに対するいたずらも防止できる。
【0012】
なお、「接続検出手段」には、充電ケーブルのコネクタ、コネクタカバー等のロック状態を直接検知する場合と、車両の運転席又は車外電源設備に設けられる充電スタートスイッチ、充電回路に設けられる電圧(電流)計等によって充電ケーブルの接続状態を間接的に検知する場合とが含まれ、両者を併用すれば保安機能の起動が確実になる。また、車載バッテリと交流電源とを接続する「充電ケーブル」は、コンセントに接続(挿入)するコネクタを両端部に有する両側コネクタタイプと、コンセントに接続するコネクタを一端部(車両側)に有する片側コネクタタイプとを含む。
【0013】
このような車両用充電システムにおいて、望ましくは、
監視手段には、車両の周囲において入場者の存在を夜間でも検知可能とするために、車両に設置された1又は複数の非接触センサが用いられ、
報知手段には、入場者に対して注意や危険を夜間でも伝達可能とするために、車両に設置された前照灯、警音器等の電気機器が用いられる。
【0014】
このように、監視領域の中へ外部から立ち入った入場者を検知する監視手段や、その入場者に対し警告を発する報知手段として、いずれも予め車両に設置された非接触センサや電気機器を用いる場合には、システム構成の簡素化を図り、コスト上昇を抑制することができる。
【0015】
なお、監視手段としての「非接触センサ」には、衝突防止や盗難防止のために車両と人体や物体との距離を測定する超音波センサ、赤外線センサ、レーザ、レーダ、デジタルカメラ等が用いられる。また、報知手段としての「電気機器」には、ヘッドランプ(前照灯)、ハザードランプ(非常点滅表示灯)、ターンシグナルランプ(方向指示器)等の発光装置や、ホーン、ブザー(警音器)等の発音装置や、スピーカ(拡声器)等の発声装置が含まれ、これらを複数作動させれば入場者への警告を一層確実に伝達できる。
【0016】
そして、監視手段は、入場者が監視領域内に所定時間以上滞在したことを検出可能であり、
報知手段は、監視手段が入場者の所定時間以上の滞在を検出したときに作動することができる。
【0017】
一般的に監視領域の境界線(外縁)は人間には視認不可能であるから、例えば監視領域のすぐ外側で作業する者の身体の一部のみが、瞬間的に又はわずかの時間(例えば数秒間)監視領域内に入っただけでも、監視手段は警告対象となる入場者ありと認識する場合がある。このような場合でも、報知手段は、監視手段が入場者の所定時間(例えば1分間)以上の滞在を検出したときに作動するので、入場者と充電ケーブルとの接触事故は発生し得ない安全な状況にもかかわらず報知手段が作動する(警告を発する)ような不都合(誤作動)を回避できる。
【0018】
さらに、監視手段による監視領域は、平面視において、充電ケーブルの周りを囲む内部領域と、その内部領域の外側に位置する外部領域とに区分して設定され、
報知手段は、監視手段が入場者を内部領域で検知した場合と、外部領域で検知した場合とで異なる警告態様にて作動することができる。
【0019】
このように、内部領域と外部領域とで段階的に差を設けた警告態様とすることにより、入場者に対し充電ケーブルとの位置関係(接触危険度)をより的確に伝達できる。なお、充電ケーブルの周囲に設定された内部領域に対して、外部領域はさらに外側に位置していればよく、必ずしも内部領域を環状に取り巻いていなくてもよい。
【0020】
そして、報知手段による具体的な警告態様として、
監視手段が入場者を内部領域で検知した場合には、直ちに報知手段が作動する一方、
監視手段が入場者を外部領域で検知した場合には、所定時間以上の滞在検出で報知手段が作動してもよい。
【0021】
このように、入場者と充電ケーブルとの位置関係に基づく接触危険度に応じて、報知手段の作動(警告)タイミングを変更することにより、警告を受けた入場者に戸惑いを生じにくくすることができる。具体的には、入場者が内部領域に立ち入った場合には、充電ケーブルとの接触事故が発生する可能性が高いため、直ちに報知手段が作動(警告)する。一方、入場者が外部領域に立ち入った場合には、充電ケーブルとの接触事故が発生する可能性が低いため、入場者が外部領域に所定時間(例えば1分間)以上滞在すれば報知手段が作動(警告)する。
【0022】
あるいは、報知手段による具体的な警告態様として、
監視手段が入場者を外部領域で検知した場合には、報知手段は充電ケーブルが近くに存在することを入場者に知らせる一方、
監視手段が入場者を内部領域で検知した場合には、報知手段は充電ケーブルとの接触を避けるためにその内部領域からの退去を入場者に促してもよい。
【0023】
このように、入場者と充電ケーブルとの位置関係に基づく接触危険度に応じて、報知手段の警告内容を変更することにより、警告を受けた入場者に戸惑いを生じにくくすることができる。具体的には、入場者が外部領域に立ち入った場合には、充電ケーブルとの接触事故が発生する可能性が低いため、報知手段は充電ケーブルが近くに存在することを入場者に知らせる。一方、入場者が内部領域に立ち入った場合には、充電ケーブルとの接触事故が発生する可能性が高いため、報知手段は充電ケーブルとの接触を避けるために内部領域からの退去を入場者に促す。
【0024】
例えば、外部領域で入場者を継続して検知した場合には、上記した発光装置(光)によって、入場者に対し充電ケーブルの存在位置を「継続検知時間後に、かつ念のために」視認させる。一方、内部領域で入場者を検知した場合には、上記した発音装置(音)又は発声装置(音声)によって、入場者に対し充電ケーブルに接触する危険性を「直ちに、かつ積極的に」呼びかけることができる。
【0025】
以上のような車両用充電システムでは、
車両に搭載された車両側無線機とその車両のユーザが所持する携帯側無線機とを有し、両無線機間にて車両に固有の識別信号の送受信を可能とした無線装置を備え、
無線装置において、両無線機間にて送受信された信号が正規の識別信号として認知されたとき、報知手段は、(非ユーザ(すなわち携帯側無線機の非所持者)に対し、充電ケーブルとの接触に関する注意を喚起したり危険を知らせたりするための警告態様とは別に、)ユーザに対し、充電ケーブルの存在位置を教えるための教示態様にて作動することができる。
【0026】
このように、外部から監視領域に接近した正規のユーザには、両無線機間の送受信信号の認知後に、報知手段から充電ケーブルの存在位置が教えられる。したがって、正規のユーザは、例えば充電を終えた充電ケーブルの接続解除及び撤去作業を円滑に行うことができる。この場合、充電ケーブルの撤去を速やかに終えるために、報知手段は、非ユーザ(入場者)に対する警告態様に先行してユーザに対する教示態様を発することが望ましい。
【0027】
なお、車両の「ユーザ」は、携帯側無線機の所持者(具体的には、所有者や、運転者、同乗者等の乗員を含むその車両の関係者)であり、「非ユーザ」はそれ以外の者(すなわち携帯側無線機の非所持者)をいう。したがって、上記した「入場者」は、これらの「ユーザ」と「非ユーザ」とを含む概念である。
【0028】
報知手段による具体的な教示態様として、報知手段は充電ケーブルに光を照射することによって、ユーザに対し充電ケーブルの存在位置を視認可能とする場合がある。
【0029】
上記した発光装置(光)によって、正規のユーザは、充電ケーブルの存在位置を夜間においても明確に視認できるので、充電を終えた充電ケーブルの接続解除及び撤去作業を迅速かつ容易に行える。
【0030】
なお、本発明の車両用充電システムはPHVに最適であるが、HVやEVにも勿論適用できる。また、「携帯側無線機」は、インテリジェントキーやスマートキーと通称される電子キーであってもよく、双方向携帯機(携帯電話機を含む)であればよい。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明に係る充電システムを備えたPHVの第一例を示す概略説明図。
【図2】図1の充電システムの電気的構成を示すブロック図。
【図3】図1における充電処理を示すフローチャート。
【図4】図3の充電中及び充電後に実行される警告処理サブルーチンを示すフローチャート。
【図5】本発明に係る充電システムを備えたPHVの第二例を示す概略説明図。
【図6】図5における警告処理サブルーチンを示すフローチャート。
【図7】本発明に係る充電システムを備えたPHVの第三例を示す概略説明図。
【図8】図7の充電システムの電気的構成を示すブロック図。
【図9】図7における充電処理を示すフローチャート。
【図10】図9の充電中及び充電後に実行される教示処理サブルーチンを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0032】
(実施例1)
以下、本発明の実施の形態につき図面に示す実施例を参照して説明する。図1は本発明に係る充電システムを備えたPHVの第一例を示す概略説明図である。図1に示すPHV1(プラグインハイブリッド車;車両)は、車載バッテリ5を駆動輪6,6の走行用動力に利用可能である。すなわち、PHV1は起動時や高速走行時には、主としてエンジン2内でタンク3の燃料(ガソリン)を燃焼させて駆動輪6,6を回転させる。このとき、モータ/発電機4は、エンジン2の回転エネルギーにより発電機として機能し車載バッテリ5に充電する。一方、市街地等の低速走行時には、モータ/発電機4は車載バッテリ5をエネルギー源とするモータとして機能するので、PHV1は主として電気自動車として走行する。
【0033】
また、充電ケーブル20を介して車載バッテリ5の接続部5aと車外電源設備10としての交流電源V(家庭用の100V又は200V電源)とを接続する際に、充電ケーブル20のケーブルコネクタ20aを接続部5aの車両側コンセント5bに挿入して、車載バッテリ5への充電が行われる。なお、5cはケーブルコネクタ20a(充電ケーブル20)が車両側コンセント5bに挿入(装着)されているか否かを検出するためのケーブルセンサ(接続検出手段)、5dはバッテリ5の残容量(充電量;充電レベル)を検出するためのバッテリセンサ、20bは充電ケーブル20に付設された交流直流変換器である。バッテリセンサ5dは、車載バッテリ5の起電力(又は電流)を直接測定したり、比重、pH等を間接的に測定したりすることによって、充電ケーブル20の接続を検出するケーブルセンサ5cとは無関係に車載バッテリ5の残容量を定期的に検出し、充電の要否や充電状況(充電完了=満充電、充電中)の判定等に使用される。
【0034】
さらに、PHV1には、昼間、夜間を問わず周囲の人体と物体とを区別しつつ、それらとの距離を非接触式で測定して衝突防止や盗難防止を図るために、超音波センサ、デジタルカメラ等を用いた距離センサ7(非接触センサ)が設置されている。距離センサ7はPHV1の周囲全体を監視するために複数個設けられることもあるが、この実施例では、PHV1の中央前方に扇形状(又は円錐形状)に広がり、充電中の充電ケーブル20を含むように監視領域Aが設定された1個のみを図示してある。本発明において、この距離センサ7は、車載バッテリ5に充電中のPHV1に接近し、かつ監視領域Aの中へ外部から立ち入った入場者M(接近者)を検知する監視手段としての機能を有する。
【0035】
PHV1のインストルメントパネル8には、キー30によりエンジン2を始動するためのキースイッチ8a、人為的操作により充電を開始させるための充電スタートスイッチ8b(接続検出手段)、及びバッテリセンサ5dの検出結果に基づいて充電の要否(充電警報)や充電状況(充電完了=満充電、充電中)を表示するための充電表示部8cが配置されている。なお、充電スタートスイッチ8bは、車載バッテリ5に充電中であることを検知することによって、充電ケーブル20の接続状態を間接的に検知する機能を有するものであり、充電回路に設けられる電圧(電流)計で代用してもよい。
【0036】
PHV1の前面には、左右のヘッドランプ9A,9A(発光装置)、ホーン9B(発音装置)及びスピーカ9C(発声装置)が外装されている。本発明において、これらの電気機器9A,9B,9Cは、特に夜間において充電ケーブル20との接触に関する注意を喚起したり危険を知らせたりするために、距離センサ7が検知した入場者Mに対し警告を発する(所定の警告態様にて作動する)報知手段としての機能を有する。
【0037】
そして、PHV1には、PHV1の走行を制御するPHV用ECU(Electronic Control Unit)100と、シャシー・ボデー系の電気機器を制御するボデーECU200とが搭載され、車両用充電システム(以下、単に充電システムともいう)Cを構成している。この実施例では、PHV用ECU100は、バッテリセンサ5dの検出結果に基づいて充電処理を実行(制御)する機能を有する一方、ボデーECU200は、ケーブルセンサ5c,充電スタートスイッチ8b,距離センサ7の検知結果に基づいて電気機器9A,9B,9Cによる警告処理を実行(制御)する機能を有する。
【0038】
図2は、図1の充電システムの電気的構成を概略的に示すブロック図である。PHV用ECU100は、演算装置であるPHV用CPU101(充電制御手段)、後述する充電処理プログラム102a格納用の読み取り専用記憶装置であるPHV用ROM102、ワークエリアや各種カウンタ等が割り当てられる読み書き可能な記憶装置であるPHV用RAM103、及びPHV用入出力インターフェース104を備えており、これらはバスを介して相互に接続されている。
【0039】
PHV用ECU100には、インストルメントパネル8に配置されたキースイッチ8a、同じく充電スタートスイッチ8b、車両側コンセント5bに配置されたケーブルセンサ5c、及びバッテリ5に配置されたバッテリセンサ5dからの信号がそれぞれ入力されている。また、PHV用ECU100から、インストルメントパネル8に配置された充電表示部8cへ、バッテリセンサ5dの検出結果に基づいて充電の要否(充電警報)や充電状況(充電完了=満充電、充電中)を表示するための信号が出力される。
【0040】
一方、ボデーECU200は、演算装置であるボデー用CPU201(警告制御手段;報知制御手段)、後述する警告処理プログラム202a格納用の読み取り専用記憶装置であるボデー用ROM202、ワークエリアや各種カウンタ等が割り当てられる読み書き可能な記憶装置であるボデー用RAM203、及びボデー用入出力インターフェース204を備えており、これらはバスを介して相互に接続されている。
【0041】
ボデーECU200には、PHV1に設置された距離センサ7からの信号が入力されている。また、ボデーECU200から、PHV1の前面に外装された電気機器であるヘッドランプ9A,9A、ホーン9B及びスピーカ9Cへ、監視領域Aの中へ外部から立ち入った入場者Mに対し警告を発するための信号がそれぞれ出力される。
【0042】
PHV用ECU100とボデーECU200とは、入出力インターフェース104,204を介して相互に信号入出力可能に接続されている。なお、PHV用ECU100及びボデーECU200を起動するための電力は車載バッテリ5から供給される。したがって、充電ケーブル20を介し交流電力Vから車載バッテリ5への充電中においても、充電された車載バッテリ5の起電力により、PHV用ECU100及びボデーECU200を起動することができる。
【0043】
次に、各ECU100,200の制御内容について、図3及び図4に示すフローチャートに従って説明する。
【0044】
図3の充電処理フローチャートはPHV用ROM102に格納された充電処理プログラム102aによって稼動する(図2参照)。まず、PHV1が停車してエンジン2が停止したか否かを、キー30がキースイッチ8aから抜かれたか否かで判定する(S1)。キースイッチ8aがOFFであると(S1:YES)、充電ケーブル20が接続されケーブルコネクタ20aが車両側コンセント5bに挿入されているか否かを、ケーブルセンサ5cからの信号入力の有無で判定する(S2)。ケーブルセンサ5cがONであると(S2:YES)、充電スタートスイッチ8bが押されたか否かを判定する(S3)。
【0045】
充電スタートスイッチ8bがONになると(S3:YES)、車載バッテリ5への充電が開始され、バッテリセンサ5dの検出結果により充電状況を確認する(S4)。車載バッテリ5への充電完了(満充電)のときには(S4:YES)、インストルメントパネル8の充電表示部8cに「充電完了」と表示(S5)し、車載バッテリ5への充電中のときには(S4:NO)、充電表示部8cに「充電中」と表示(S6)してから、警告処理を実行し(S8)、充電処理を終了する。なお、キースイッチ8aがONの場合(S1:NO)、ケーブルセンサ5cがOFFの場合(S2:NO)、及び充電スタートスイッチ8bがOFFの場合(S3:NO)には、いずれも直ちに充電処理を終了する。
【0046】
図4の警告処理サブルーチンはボデー用ROM202に格納された警告処理プログラム202aによって稼動する(図2参照)。まず、距離センサ7が監視領域Aの中へ外部から立ち入った入場者Mを検知したか否かを判定する(S81)。距離センサ7が入場者Mを検知したときには(S81:YES)、その入場者Mを距離センサ7が所定時間(例えば1分間)以上継続して検知しているか否かを判定する(S82)。距離センサ7が1分間以上継続して入場者Mを検知しているときには(S82:YES)、監視領域A内に長期滞在する入場者Mに対し、充電ケーブル20との接触に関する注意を喚起する。具体的には、ヘッドランプ9Aを点灯し(S83)、ホーン9Bを吹鳴させ(S84)、スピーカ9Cから警告音声(例えば「足元の充電ケーブルに注意して下さい」)を発し(S85)、警告処理を終了する。
【0047】
なお、距離センサ7が入場者Mを検知していない場合(S81:NO)、及び入場者Mを1分間継続して検知しなかった場合(S82:NO)には、いずれも直ちに警告処理を終了する。ただし、S82での時間計測には、ボデーECU200の内蔵タイマ(図示省略)を利用すればよい。
【0048】
このように、庭先や簡易車庫のように充分な照明設備のない駐車場所で、家庭用電源(交流電源V)から充電ケーブル20を引き回して、夜間にPHV1の車載バッテリ5への充電中において、外部からの入場者Mが監視領域A内へ立ち入った場合には、入場者Mに対し注意を喚起するための警告が発せられる。したがって、入場者Mと充電ケーブル20との接触事故(具体的には、入場者Mが充電ケーブル20に足を引っ掛けたり転倒したりすること)の発生が防止され、入場者M自身がけがをしたり、充電ケーブル20やケーブルコネクタ20aが損傷したりするのを防止できる。その際、入場者Mが監視領域A内に長期滞在するときにのみ警告が発せられるので、瞬間的に又はわずかの時間だけ監視領域A内に立ち入った入場者Mを驚かせたり、誤って警告を発したりすることを回避できる。
【0049】
また、外部からの入場者Mが、充電ケーブル20を盗んだり、充電ケーブル接続用の車両側コンセント5aに異物混入等のいたずらをしたりするために、悪意を持って監視領域A内へ立ち入った場合であっても、入場者Mに対し何らかの警告を発することによって、これらの盗難やいたずらをも防止できる。しかも、煩雑な操作や複雑な構成を要することなく、上記した各保安機能を付加することができる。
【0050】
(実施例2)
次に、図5は本発明に係る充電システムを備えたPHVの第二例を示す概略説明図である。この実施例に示す車両用充電システム(以下、単に充電システムともいう)Cでは、距離センサ7(非接触センサ;監視手段)の監視領域は、平面視において、充電ケーブル20の周りを囲む内部領域AIと、その内部領域AIの外側に位置する外部領域AOとに区分して設定されている。具体的には、内部領域AIはPHV1(プラグインハイブリッド車;車両)の中央前方に矩形状(又は円柱形状)に広がり、外部領域AOは内部領域AIの外側で三角形状(又は傘状)に広がっている。
【0051】
このような充電システムCの警告処理サブルーチンは、図6に示すように、距離センサ7が入場者Mを外部領域AOで検知した場合と、内部領域AIで検知した場合とで異なる処理を実行する。
【0052】
図6に示す警告処理サブルーチン18では、まず、距離センサ7が外部領域AOで入場者Mを検知したか否かを判定する(S181)。距離センサ7が外部領域AOで入場者Mを検知したときには(S181:YES)、その入場者Mを距離センサ7が所定時間(例えば1分間)以上継続して外部領域AO内で検知しているか否かを判定する(S182)。距離センサ7が1分間以上継続して外部領域AO内で入場者Mを検知しているときには(S182:YES)、充電ケーブル20が近くに存在することを知らせる。具体的には、ヘッドランプ9A(発光装置;電気機器;報知手段)を点灯し(S183)、警告処理を終了する。
【0053】
一方、距離センサ7が外部領域AOで入場者Mを検知しないときには(S181:NO)、距離センサ7が内部領域AIで入場者Mを検知したか否かを判定する(S184)。距離センサ7が内部領域AIで入場者Mを検知したときには(S184:YES)、内部領域AI内に立ち入った入場者Mに対し、充電ケーブル20との接触を避けるために内部領域AIからの退去を促す。具体的には、ヘッドランプ9Aを点滅し(S185)、ホーン9B(発音装置;電気機器;報知手段)を吹鳴させ(S186)、スピーカ9C(発声装置;電気機器;報知手段)から警告音声(例えば「足元の充電ケーブルから離れて下さい」)を発し(S187)、警告処理を終了する。
【0054】
なお、距離センサ7が外部領域AO内で入場者Mを1分間継続して検知しなかった場合(S182:NO)、及び外部領域AOと内部領域AIの双方で入場者Mを検知していない場合(S184:NO)には、いずれも直ちに警告処理を終了する。
【0055】
このように、入場者Mと充電ケーブル20との位置関係に基づく接触危険度に応じて警告内容を変更することにより、警告を受けた入場者Mに戸惑いを生じにくくすることができる。具体的には、外部領域AOで入場者Mを継続して検知した場合には、ヘッドランプ9Aの点灯によって、入場者Mに対し充電ケーブル20の存在位置を「継続検知時間後に、かつ念のために」視認させることができる。一方、内部領域AIで入場者Mを検知した場合には、ヘッドランプ9Aを点滅に切り替えるとともに、ホーン9B及びスピーカ9Cの警告によって、入場者Mに対し充電ケーブル20に接触する危険性を「直ちに、かつ積極的に」呼びかけることができる。
【0056】
(実施例3)
次に、図7は本発明に係る充電システムを備えたPHVの第三例を示す概略説明図である。この実施例に示す車両用充電システム(以下、単に充電システムともいう)Cには、上記した実施例2(図5)に対し、さらに無線装置Rが付加されている。
【0057】
図7の無線装置Rは、PHV1(プラグインハイブリッド車;車両)に搭載されたボデーECU200に備えられる車両側無線機205と、PHV1のユーザU(例えば所有者)が所持する電子キー300(双方向携帯機)に備えられる携帯側無線機305とを含み、両無線機205,305間にてPHV1に固有の識別信号を始めとする各種信号の送受信が可能である。そして、無線装置Rの両無線機205,305間にて送受信された信号がそのPHV1の正規の識別信号として認知されたとき、PHV1のヘッドランプ9A(発光装置;電気機器;報知手段)及びスピーカ9C(発声装置;電気機器;報知手段)は、ユーザUに対し、充電ケーブル20の存在位置を教える(教示する)。なお、無線装置Rにおける通信可能範囲の広さ(到達距離)は、距離センサ7(非接触センサ;監視手段)の監視領域(内部領域及び外部領域)の広さ(識別可能距離)よりも大きく設定されている。
【0058】
図8は、図7の充電システムの電気的構成を概略的に示すブロック図である。電子キー300は、演算装置である電子キー用CPU301(警告制御手段;報知制御手段)、電子キー稼動プログラム格納用の読み取り専用記憶装置である電子キー用ROM302、ワークエリアや各種カウンタ等が割り当てられる読み書き可能な記憶装置である電子キー用RAM303、及び電子キー用入出力インターフェース304を備えており、これらはバスを介して相互に接続されている。
【0059】
電子キー300は、実施例1(図1)や実施例2(図5)におけるキー30に代わるものであるから、キースイッチ8a(図2参照)の代わりに電子キースイッチ306を有している。また、電子キー300には、表示部307(発光装置;報知手段)やスピーカ308(発声装置;報知手段)も設けられている。電子キー300の表示部307は、バッテリセンサ5dの検出結果に基づく充電の要否(充電警報)や充電状況(充電完了=満充電、充電中)を充電表示部8cと同様に表示したり、充電ケーブル20の存在位置に関する教示情報を独自に表示したりすることができる(図10参照)。他方、電子キー300のスピーカ308は、充電ケーブル20の存在位置に関する教示音声をPHV1のスピーカ9Cと同様に発することができる(図10参照)。
【0060】
このように、この実施例のボデーECU200(ボデー用CPU201)は、無線装置Rの両無線機205,305間にて送受信された信号がそのPHV1の正規の識別信号として認知されたとき、ヘッドランプ9A,スピーカ9C,表示部307,スピーカ308を制御して、充電ケーブル20の存在位置に関する教示処理を実行させる機能を兼ね備えている。そして、このような教示処理機能を実現するために、ボデーECU200のボデー用ROM202には、警告処理プログラム202aとともに、教示処理プログラム202bが格納されている。
【0061】
次に、各ECU100,200,300の制御内容について、図9,図10及び図6に示すフローチャートに従って説明する。
【0062】
図9の充電処理フローチャートは、PHV用ROM102に格納された充電処理プログラム102aによって図3(実施例1)のS1〜S6と同様に稼動する。ただし、教示処理(S17;図10参照)を実行した後、警告処理(S18;図6参照)を実行して、充電処理を終了する。
【0063】
図10の教示処理サブルーチンはボデー用ROM202に格納された教示処理プログラム202bによって稼動する(図8参照)。まず、無線装置Rの両無線機205,305間にて送受信された信号がそのPHV1の正規の識別信号として認知されたか否か、すなわち電子キー300により正規のユーザUとしての認証が完了したか否かを判定する(S171)。ユーザU認証が完了したときには(S171:YES)、電子キー300の表示部307において、S5又はS6(図3)と同様に「充電完了」又は「充電中」を表示する(S172)。次に、距離センサ7が外部領域AO又は内部領域AIでユーザUを検知したか否かを判定する(S173)。距離センサ7が外部領域AO又は内部領域AIでユーザUを検知したときには(S173:YES)、ユーザUに対し充電ケーブル20の存在位置を教示する。具体的には、PHV1のヘッドランプ9Aを点灯し(S174)、PHV1のスピーカ9C及び電子キー300のスピーカ308から教示音声(例えば「充電ケーブルはここにあります」)を発し(S175)、電子キー300の表示部307に「充電ケーブル接続中」と表示し(S176)、教示処理を終了する。
【0064】
なお、ユーザU認証が完了しなかった場合(S171:NO)、及び外部領域AOと内部領域AIの双方でユーザUを検知していない場合(S173:NO)には、いずれも直ちに教示処理を終了する。
【0065】
このように、外部から監視領域(外部領域AO又は内部領域AI)に接近した正規のユーザUには、両無線機205,305間の送受信信号の認知後に、ヘッドランプ9A,スピーカ9C,スピーカ308,表示部307から充電ケーブル20の存在位置が教えられる。したがって、警告処理(図6)に先行して実行される教示処理(図10)に基づいて、正規のユーザUは、例えば充電を終えた充電ケーブル20の接続解除及び撤去作業を夜間においても迅速かつ容易に行うことができる。その結果、非ユーザである入場者Mと充電ケーブル20との接触事故の発生確率(頻度)を低減し、安全性を高めることができる。
【0066】
なお、実施例2(図5,図6)及び実施例3(図7〜図10)において、実施例1(図1〜図4)と共通する機能を有する部分に同一符号を付すことにより、説明を省略したものがある。また、実施例3では、無線装置R(電子キー300)を実施例2と組み合わせたが、実施例1と組み合わせてもよい。さらに、以上の各実施例では、充電システムをPHVに搭載した場合のみについて説明したが、HVやEVに搭載してもよい。
【符号の説明】
【0067】
1 PHV(プラグインハイブリッド車;車両)
5 車載バッテリ
5a 接続部
5b 車両側コンセント
5c ケーブルセンサ(接続検出手段)
5d バッテリセンサ
7 距離センサ(非接触センサ;監視手段)
8 インストルメントパネル
8a キースイッチ
8b 充電スタートスイッチ(接続検出手段)
8c 充電表示部
9A ヘッドランプ(発光装置;電気機器;報知手段)
9B ホーン(発音装置;電気機器;報知手段)
9C スピーカ(発声装置;電気機器;報知手段)
10 車外電源設備
20 充電ケーブル
30 キー
100 PHV用ECU
101 PHV用CPU(充電制御手段)
102 PHV用ROM
102a 充電処理プログラム
103 PHV用RAM
104 PHV用入出力インターフェース
200 ボデーECU
201 ボデー用CPU(警告制御手段;教示制御手段;報知制御手段)
202 ボデー用ROM
202a 警告処理プログラム
202b 教示処理プログラム
203 ボデー用RAM
204 ボデー用入出力インターフェース
205 車両側無線機
300 電子キー(双方向携帯機)
301 電子キー用CPU(警告制御手段;教示制御手段;報知制御手段)
302 電子キー用ROM
303 電子キー用RAM
304 電子キー用入出力インターフェース
305 携帯側無線機
306 電子キースイッチ
307 表示部(発光装置;報知手段)
308 スピーカ(発声装置;報知手段)
A 監視領域
AI 内部領域
AO 外部領域
C 充電システム(車両用充電システム)
R 無線装置
V 交流電源
M 入場者(接近者)
U ユーザ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の走行用動力に利用可能な車載バッテリと車外電源設備としての交流電源とを充電ケーブルを介して接続することにより、前記車載バッテリに充電するための車両用充電システムであって、
前記充電ケーブルが前記車載バッテリ及び交流電源に接続され、その車載バッテリに充電中であることを検知する接続検出手段と、
前記車両又は車外電源設備に配置されるとともに、前記充電ケーブルを少なくとも含む所定の監視領域の中へ外部から立ち入った入場者を検知する監視手段と、
前記車両又は車外電源設備に配置されるとともに、前記接続検出手段が前記充電ケーブルの接続状態を直接又は間接的に検知し、かつ前記監視手段が前記監視領域内での前記入場者の存在又は滞在を検知したとき、その入場者に対し、前記充電ケーブルとの接触に関する注意を喚起したり危険を知らせたりするために、発光装置、発音装置、発声装置等を用いた所定の警告態様にて作動する報知手段と、
を備えることを特徴とする車両用充電システム。
【請求項2】
前記監視手段には、前記車両の周囲において前記入場者の存在を夜間でも検知可能とするために、前記車両に設置された1又は複数の非接触センサが用いられ、
前記報知手段には、前記入場者に対して注意や危険を夜間でも伝達可能とするために、前記車両に設置された前照灯、警音器等の電気機器が用いられる請求項1に記載の車両用充電システム。
【請求項3】
前記監視手段は、前記入場者が前記監視領域内に所定時間以上滞在したことを検出可能であり、
前記報知手段は、前記監視手段が前記入場者の所定時間以上の滞在を検出したときに作動する請求項1又は2に記載の車両用充電システム。
【請求項4】
前記監視手段による監視領域は、平面視において、前記充電ケーブルの周りを囲む内部領域と、その内部領域の外側に位置する外部領域とに区分して設定され、
前記報知手段は、前記監視手段が前記入場者を前記内部領域で検知した場合と、前記外部領域で検知した場合とで異なる警告態様にて作動する請求項1ないし3のいずれか1項に記載の車両用充電システム。
【請求項5】
前記報知手段による警告態様として、
前記監視手段が前記入場者を前記内部領域で検知した場合には、直ちに前記報知手段が作動する一方、
前記監視手段が前記入場者を前記外部領域で検知した場合には、所定時間以上の滞在検出で前記報知手段が作動する請求項4に記載の車両用充電システム。
【請求項6】
前記報知手段による警告態様として、
前記監視手段が前記入場者を前記外部領域で検知した場合には、前記報知手段は前記充電ケーブルが近くに存在することを前記入場者に知らせる一方、
前記監視手段が前記入場者を前記内部領域で検知した場合には、前記報知手段は前記充電ケーブルとの接触を避けるためにその内部領域からの退去を前記入場者に促す請求項4又は5に記載の車両用充電システム。
【請求項7】
前記車両に搭載された車両側無線機とその車両のユーザが所持する携帯側無線機とを有し、両無線機間にて前記車両に固有の識別信号の送受信を可能とした無線装置を備え、
前記無線装置において、両無線機間にて送受信された信号が正規の識別信号として認知されたとき、前記報知手段は、前記ユーザに対し、前記充電ケーブルの存在位置を教えるための教示態様にて作動する請求項1ないし6のいずれか1項に記載の車両用充電システム。
【請求項8】
前記報知手段による教示態様として、前記報知手段は前記充電ケーブルに光を照射することによって、前記ユーザに対し前記充電ケーブルの存在位置を視認可能とする請求項7に記載の車両用充電システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−60861(P2012−60861A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−204376(P2010−204376)
【出願日】平成22年9月13日(2010.9.13)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】