説明

車両用動力出力装置

【課題】広域な運転領域において、第1回転電機と第2回転電機とを効率のよい範囲で駆動することができると共に、複雑な機構や制御を不要にすることができる車両用動力出力装置を提供する。
【解決手段】車両用動力出力装置21は、第1回転電機24により回転駆動する第1軸26の回転駆動力と第2回転電機64により回転駆動する第2軸66の回転駆動力とを合成して回転数を増大させた状態で駆動軸32に伝達する遊星歯車機構30を備える。第2軸66の正方向の回転駆動力は、第1ワンウェイクラッチ部72及び第1動力伝達機構68を介して遊星歯車機構30に伝達され、第2軸66の逆方向の回転駆動力は、第2ワンウェイクラッチ部74及び第2動力伝達機構70を介して駆動軸32に伝達される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動軸に回転駆動力を出力するための車両用動力出力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、第1回転電機と第2回転電機とを有する動力出力装置を備えたハイブリッド車両が広汎に知られている。
【0003】
この種の動力出力装置として、第1回転電機の第1ロータ軸と、第2回転電機の第2ロータ軸が接続された遊星歯車機構と、駆動軸が接続された変速機構との各間に設けられたクラッチの断接を制御することにより、選択された前記第1ロータ軸の回転駆動力と前記第2ロータ軸の回転駆動力との合力を前記変速機構を介して前記駆動軸に伝達する技術的思想が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4229156号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した従来技術によれば、選択された第1ロータ軸の回転駆動力と第2ロータ軸の回転駆動力との合力を駆動軸に伝達することが可能であるので、走行状況によって運転モードを切り替えることができる。すなわち、車両の広域な運転領域において、第1回転電機と第2回転電機とを効率のよい範囲で駆動させることができる。
【0006】
しかしながら、この場合、運転モードを切り替える際にクラッチの断接を制御する必要があるため、この種の機構及び制御が煩雑となるという問題がある。
【0007】
本発明は、このような課題を考慮してなされたものであり、広域な運転領域において、第1回転電機と第2回転電機とを効率のよい範囲で駆動することができると共に、複雑な機構や制御を不要にすることができる車両用動力出力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、駆動軸(32)に回転駆動力を出力するための車両用動力出力装置(21)であって、第1軸(26)を回転可能な第1回転電機(24)と、第2軸(66)を正逆両方向に回転可能な第2回転電機(64)と、前記第1軸(26)と前記駆動軸(32)とが接続された遊星歯車機構(30)と、前記第2軸(66)の回転駆動力を前記遊星歯車機構(30)に伝達する第1動力伝達機構(68)と、前記第2軸(66)の回転駆動力を前記駆動軸(32)に伝達する第2動力伝達機構(70)と、前記第2軸(66)が正方向に回転した場合のみ前記第2軸(66)から前記第1動力伝達機構(68)への回転駆動力の伝達を許可する第1ワンウェイクラッチ部(72)と、前記第2軸(66)が逆方向に回転した場合のみ該第2軸(66)から前記第2動力伝達機構(70)への回転駆動力の伝達を許可する第2ワンウェイクラッチ部(74)と、を備え、前記遊星歯車機構(30)は、前記第1軸(26)から伝達された回転駆動力と前記第1動力伝達機構(68)から伝達された回転駆動力とを合成して回転数を増大させた状態で前記駆動軸(32)に伝達することを特徴とする。
【0009】
なお、括弧書きの符号は、本発明の理解の容易化のために添付図面中の符号に倣って付したものであり、本発明がその符号をつけた要素に限定して解釈されるものではない。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の車両用動力出力装置(21)において、前記第1ワンウェイクラッチ部(72)と前記遊星歯車機構(30)との間の動力伝達経路上に設けられ、且つ前記第2軸(66)から前記遊星歯車機構(30)への回転駆動力の伝達を許容する一方、前記遊星歯車機構(30)から前記第2軸(66)への回転駆動力の伝達を阻止するクラッチ手段(58)をさらに備えることを特徴とする。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2記載の車両用動力出力装置(21)において、前記遊星歯車機構(30)が、前記第1軸(26)に接続されたサンギヤ(46)と、前記第1動力伝達機構(68)の回転駆動力が伝達されるリングギヤ(50)と、前記サンギヤ(46)と前記リングギヤ(50)との各々に噛合されたプラネタリギヤ(48)と、前記駆動軸(32)に連結された状態で前記プラネタリギヤ(48)を軸支するキャリア(52)と、を有することを特徴とする。
【0012】
請求項4に係る発明は、請求項3記載の車両用動力出力装置(21)において、前記第2動力伝達機構(70)が、前記第2ワンウェイクラッチ部(74)と前記キャリア(52)とに巻き掛けられるチェーン若しくはベルト又はギヤで構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明によれば、例えば、第1回転電機を駆動すると共に第2回転電機を停止した場合、第1軸の回転駆動力は、遊星歯車機構を介して駆動軸に伝達される。よって、第1軸の回転駆動力のみを駆動軸に出力することができる(第1運転モード:ECO(Environmental COmmunication)運転モード)。
【0014】
また、例えば、第1回転電機と第2回転電機の両方を駆動して第2軸を正方向に回転させた場合、第1軸の回転駆動力が遊星歯車機構に伝達されると共に、第2軸の回転駆動力が第1ワンウェイクラッチ部及び第1動力伝達機構を介して遊星歯車機構に伝達される。なお、このとき、第2ワンウェイクラッチ部を設けているので、前記第2軸の回転駆動力が第2動力伝達機構に伝達されることはない。そして、遊星歯車機構において、前記第1軸から伝達される回転駆動力と前記第1動力伝達機構から伝達される回転駆動力とが合成されて回転数が増大された状態で駆動軸に伝達される。これにより、駆動軸の回転数を前記第1運転モードの場合よりも大きくすることができる(第2運転モード:SPEED運転モード)。
【0015】
さらに、例えば、第1回転電機と第2回転電機の両方を駆動して第2軸を逆方向に回転させた場合、第1軸の回転駆動力が遊星歯車機構を介して駆動軸に伝達されると共に、第2軸の回転駆動力が第2ワンウェイクラッチ部と第2動力伝達機構とを介して駆動軸に伝達される。なお、このとき、第1ワンウェイクラッチ部を設けているので、前記第2軸の回転駆動力が第1動力伝達機構に伝達されることはない。そして、駆動軸において、遊星歯車機構から伝達された回転駆動力と第2動力伝達機構から伝達された回転駆動力とが合成されてトルクが増大される。これにより、駆動軸のトルクを前記第1運転モードの場合よりも大きくすることができる(第3運転モード:POWER運転モード)。
【0016】
このように、簡易な構成で複数の運転モードを容易に切り替えることができるので、広域な運転領域において、第1回転電機と第2回転電機とを効率のよい範囲で駆動することができる。また、運転モードを切り替える際にクラッチの断接を制御する必要がないので、複雑な機構や制御を不要にすることができる。
【0017】
請求項2に係る発明によれば、第2軸から遊星歯車機構への回転駆動力の伝達を許容する一方、前記遊星歯車機構から前記第2軸への回転駆動力の伝達を阻止するクラッチ手段を前記第1ワンウェイクラッチ部と前記遊星歯車機構との間の動力伝達経路上に設けている。これにより、例えば、第1運転モードにおいて、第1軸から前記遊星歯車機構に伝達された回転駆動力が前記第2軸に伝達することを阻止することができる。よって、第1軸の回転駆動力を駆動軸に効率的に伝達することができる。
【0018】
請求項3に係る発明によれば、遊星歯車機構において、サンギヤを第1軸に接続し、プラネタリギヤを軸支するキャリアを駆動軸に接続し、リングギヤに第1動力伝達機構の回転駆動力を伝達している。これにより、前記第1軸から前記サンギヤに伝達された回転駆動力と前記第1動力伝達機構から前記リングギヤに伝達された回転駆動力とを前記プラネタリギヤで合成して、回転数を増大させた状態でキャリアに伝達することができる。
【0019】
請求項4に係る発明によれば、第2動力伝達機構を、第2ワンウェイクラッチ部とキャリアとに巻き掛けられるチェーン若しくはベルト又はギヤで構成しているので、前記第2軸の回転駆動力を効率的に前記キャリアに伝達することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る動力出力装置を備えた電動二輪車の概略構成図である。
【図2】図1に示すスイングユニットの縦断面図である。
【図3】図2に示す遊星歯車機構、第1動力伝達機構、及び第2動力伝達機構の構成を説明するための一部断面側面図である。
【図4】図2のIV−IV線に沿った一部省略断面図である。
【図5】図2のV−V線に沿った一部省略断面図である。
【図6】図2に示すクラッチ機構の拡大断面図である。
【図7】図7Aは、図6のVIIA−VIIA線に沿った断面図であり、図7Bは、外側リングギヤを反時計回りに回転させた時のクラッチ機構の動作を説明するための断面図である。
【図8】第1運転モード(ECOドライブモード)で運転する場合の動力の流れを説明するための電動二輪車の概略構成図である。
【図9】第2運転モード(SPEEDドライブモード)で運転する場合の動力の流れを説明するための電動二輪車の概略構成図である。
【図10】第3運転モード(POWERドライブモード)で運転する場合の動力の流れを説明するための電動二輪車の概略構成図である。
【図11】図11Aは第1運転モードにおける第1回転電機の効率のよい運転領域を示したグラフであり、図11Bは第2運転モードにおける第1回転電機及び第2回転電機の効率のよい運転領域を示したグラフであり、図11Cは第3運転モードにおける第1回転電機及び第2回転電機の効率のよい運転領域を示したグラフである。
【図12】回生モードにおける動力の流れを説明するための電動二輪車の概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係る車両用動力出力装置(以下、動力伝達装置と称する)について好適な実施形態を例示し、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明において、時計回り(正方向)又は反時計回り(逆方向)とは、車幅方向の車体外側(車体左側方)から視た場合の方向を言う。
【0022】
本実施形態の動力伝達装置21は、電動二輪車10に組み込まれるものであって、第1回転電機24の回転駆動力と第2回転電機64の回転駆動力とを選択的に後輪WRに出力する一方、後輪WRの回転駆動力を第1回転電機24にて電気エネルギに変換してバッテリ14に充電(回収)するものである。
【0023】
図1に示すように、電動二輪車10は、図示しない車体フレームに対して揺動自在に設けられて駆動輪である後輪WRを軸支するスイングユニット12と、バッテリ14と、制御部16とを備える。
【0024】
図2に示すように、スイングユニット12は、第1機構18と第1機構18の車体前方に位置する第2機構20とを含む動力伝達装置(エネルギ回生装置)21と、第1機構18と第2機構20とを囲繞するカバー部材22とを有する。
【0025】
第1機構18には、駆動源としての第1回転電機24と、車幅方向に沿って延在して第1回転電機24の駆動により回転する第1軸26と、第1軸26の一端側に設けられた遠心クラッチ28と、第1軸26の他端側に接続された遊星歯車機構30と、遊星歯車機構30に接続された駆動軸32と、駆動軸32に接続された減速機構34とが設けられている。
【0026】
第1回転電機24は、減速機構34を支持する支持部材35に対してボルト33にて取り付けられた隔壁23に固定された環状の第1ステータ36と、第1ステータ36の中央孔に配設された中空状の第1ロータ38とを含む。第1ステータ36には、制御部16を介してバッテリ14が電気的に接続されている(図1参照)。制御部16は、バッテリ14と第1ステータ36との接続をスイッチングして通電電流を制御することにより、第1回転電機24をモータ又は発電機として機能させることができる。
【0027】
第1ロータ38は、第1ステータ36よりも車幅方向外側(図2の左側)に延在している。そして、第1ロータ38の固定部39の一端部には、上述した遠心クラッチ28のインナーハウジング37が設けられている。すなわち、遠心クラッチ28は、第1回転電機24よりも車幅方向外側に位置している。
【0028】
遠心クラッチ28は、第1ロータ38の回転数に応じて該第1ロータ38と第1軸26と断接する。言い換えると、遠心クラッチ28は、第1ロータ38の回転数が所定の回転数を超えた場合のみ該第1ロータ38と該第1軸26とを接続する。これにより、簡素な構造で、車両発進時に、第1回転電機24が過負荷になることを好適に抑えることができる。
【0029】
第1軸26は、第1ロータ38の内部を挿通している。第1軸26は、複数の軸受40、41、42に軸支されている。軸受40は、第1軸26の一端部に位置してカバー部材22に固着されている。軸受41は、第1軸26の略中央部に位置して隔壁23に固着されている。軸受42は、第1軸26の他端部に位置して駆動軸32に固着されている。
【0030】
また、第1ロータ38の内周面と第1軸26の外周面との間の隙間には、軸受43とローラベアリング44が介設されている。これにより、第1回転電機24の第1ロータ38は、第1軸26に対して回転自在に支持されることになる。
【0031】
図3に示すように、遊星歯車機構30は、第1軸26の他端側においてその外周面に固着されたサンギヤ46と、サンギヤ46に噛合する複数(例えば、4つ)のプラネタリギヤ48と、各プラネタリギヤ48に噛合する環状のリングギヤ50と、複数のプラネタリギヤ48を軸支するキャリア52(図2参照)とを含む。
【0032】
サンギヤ46と各プラネタリギヤ48とは、外歯歯車として構成されている。各プラネタリギヤ48は、自転すると共にサンギヤ46の周りを公転可能となっている。リングギヤ50は、その外周面に形成された外歯を有する外側リングギヤ(第1リングギヤ)54と、該リングギヤ50の内周面に形成された内歯を有する内側リングギヤ(第2リングギヤ)56とを含む。
【0033】
図2から諒解されるように、外側リングギヤ54は、内側リングギヤ56よりも車幅方向外側に位置している。また、外側リングギヤ54と内側リングギヤ56とは、クラッチ機構(クラッチ手段)58を介して接続されている。このクラッチ機構58の詳細な構造は追って説明する。
【0034】
キャリア52は、各プラネタリギヤ48よりも車幅方向内側(図2の右側)に位置している。キャリア52は、環状に形成されると共にその外側縁部が車幅方向外側に屈曲している。すなわち、キャリア52の外側縁部は、内側リングギヤ56をその径方向外側から囲繞している。
【0035】
このようにして構成される遊星歯車機構30は、サンギヤ46から入力される回転駆動力とリングギヤ50から入力される回転駆動力を合成して、回転数を増大させた状態でキャリア52に伝達する。
【0036】
駆動軸32は、キャリア52の中央孔部に嵌合されている。つまり、駆動軸32は、キャリア52に連結しているので、キャリア52と一体的に回転することになる。減速機構34は、駆動軸32の他端部に接続された第1減速歯車部60と、第1減速歯車部60に噛合する第2減速歯車部62とを含む。第2減速歯車部62を構成する軸63には、後輪WRを軸支する車軸65が連結されている(図1参照)。
【0037】
第2機構20は、補助駆動源としての第2回転電機64と、車幅方向に沿って延在して第2回転電機64の駆動により回転する第2軸66と、第2軸66の回転駆動力を遊星歯車機構30の外側リングギヤ54に伝達する第1動力伝達機構68と、第2軸66の回転駆動力を遊星歯車機構30のキャリア52に伝達する第2動力伝達機構70と、第2軸66に設けられた第1ワンウェイクラッチ部72と第2ワンウェイクラッチ部74とを有する。
【0038】
第2回転電機64は、上述した第1回転電機24と同様に構成されている。すなわち、第2回転電機64は、カバー部材22の隔壁23に固定された環状の第2ステータ76と、第2ステータ76の中央孔に配設された中空状の第2ロータ78とを含む。第2ステータ76には、制御部16を介してバッテリ14が電気的に接続されている(図1参照)。第2ロータ78は、正逆両方向に回転可能となっている。
【0039】
制御部16は、バッテリ14と第2ステータ76との接続をスイッチングして通電電流を制御することにより、第2回転電機64をモータとして機能させることができる。
【0040】
第2軸66は、第2ロータ78の中央孔に嵌合された状態でカバー部材22に固着された一対の軸受80に軸支されている。すなわち、第2軸66と第2ロータ78とは一体的に回転する。
【0041】
図2及び図3に示すように、第1動力伝達機構68は、第1ワンウェイクラッチ部72に設けられた環状のギヤ(環状ギヤ)82と、該ギヤ82に噛合するアイドルギヤ部(第1アイドルギヤ部)84と、該アイドルギヤ部84と外側リングギヤ54とに噛合するアイドルギヤ部(第2アイドルギヤ部)86とを含む。
【0042】
ギヤ82とアイドルギヤ部84、86は、車両前後方向に沿って一列に配置されている。各アイドルギヤ部84、86は、同一の構成を有しており、カバー部材22に固着された複数の軸受87によって回転自在に支持されている(図2参照)。
【0043】
第2動力伝達機構70は、チェーンで構成されており、キャリア52の外側縁部に固着された環状の第1スプロケット88と第2ワンウェイクラッチ部74に固着された環状の第2スプロケット90(図5参照)とに巻き掛けられている。これにより、第2軸66の回転駆動力をキャリア52に直接的且つ効率的に伝達することができ、スイングユニット12を簡素化することができる。なお、第2動力伝達機構70は、Vベルトや複数の歯車等で構成してもよい。
【0044】
また、図2から諒解されるように、第2動力伝達機構70が巻き掛けられる第1スプロケット88と第2スプロケット90との間には、サンギヤ46、複数のプラネタリギヤ48、及び内側リングギヤ56が配設されている。これにより、スイングユニット12の車幅方向の寸法を小さくすることができる(スイングユニット12を薄型化することができる)。
【0045】
図4に示すように、第1ワンウェイクラッチ部72は、第2軸66の外周面を囲繞するようにして配設され、且つ内周面において周方向に沿って断面円弧状の溝部92が複数形成されたリング体94と、リング体94に形成された各溝部92に設けられたコロベアリング96と弾性部材98とを有する。
【0046】
リング体94の外周面にはギヤ82の内周面が固着している。各溝部92には、時計回りに向かうに従って第2軸66の径方向内方に傾斜するカム面100が形成されている。
【0047】
各コロベアリング96は、円柱状に形成されている。弾性部材98は、溝部92のうち前記カム面100が形成されている側とは反対側に設けられており、前記コロベアリング96を前記カム面100に向けて付勢する。弾性部材98としては、板ばねやコイルばね等を用いることができる。
【0048】
このように構成された第1ワンウェイクラッチ部72では、コロベアリング96が弾性部材98にてカム面100に付勢されているので、第2軸66とリング体94とが停止している状態で、前記コロベアリング96はカム面100に接触する。つまり、コロベアリング96は、楔作用によって、カム面100と第2軸66の外周面との間に固定されている。
【0049】
そして、第2軸66が時計回りに回転すると、前記楔作用を維持した状態で前記リング体94が時計回りに回転する。一方、第2軸66が反時計回りに回転すると、コロベアリング96はカム面100から離れるので、第2軸66がリング体94に対して空転する。
【0050】
すなわち、第1ワンウェイクラッチ部72は、第2軸66が時計回りに回転した場合にのみ該第2軸66の回転駆動力を第1動力伝達機構68に伝達する。
【0051】
図5に示すように、第2ワンウェイクラッチ部74は、上述した第1ワンウェイクラッチ部72をその軸線方向と直交する線の回りに180°反転させた状態で第2軸66に取り付けられた形態となっている。
【0052】
つまり、第2ワンウェイクラッチ部74は、第1ワンウェイクラッチ部72と同一の構成を有している。そのため、第2ワンウェイクラッチ部74において、第1ワンウェイクラッチ部72と同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。なお、図5から諒解されるように、第2ワンウェイクラッチ部74を構成するリング体94の外周面には、上述した環状の第2スプロケット90の内周面が固着している。
【0053】
このような第2ワンウェイクラッチ部74によれば、第2軸66が反時計回りに回転すると、第2軸66とリング体94とが一体的に反時計回りに回転する。一方、第2軸66が時計回りに回転すると、第2軸66がリング体94に対して空転する。
【0054】
すなわち、第2ワンウェイクラッチ部74は、第2軸66が反時計回りに回転した場合にのみ該第2軸66の回転駆動力を第2動力伝達機構70に伝達する。
【0055】
図6及び図7Aに示すように、クラッチ機構58は、外側リングギヤ54の内周面が固着される中空状の外側接続軸(第1接続軸)102と、前記外側接続軸102と同軸上に設けられた内側接続軸(第2接続軸)104と、支持部材35に固着されて前記内側接続軸104の一端部を囲繞する外環部材106とを有する。
【0056】
外側接続軸102は、支持部材35に固着された軸受108に軸支されている。外側接続軸102の他端面の外縁部には、内側接続軸104の一端部と外環部材106との間において該外側接続軸102の周方向に沿って所定間隔離間して配置された複数の第1係合部材110が接続されている。また、外側接続軸102の他端面には、円柱状に形成された複数(例えば、4つ)の第2係合部材112の一端部が埋設されている。
【0057】
内側接続軸104は、該内側接続軸104の一端部を構成するカム部114を含む接続軸本体116と、接続軸本体116と内側リングギヤ56とを連結する連結部材118とを有する。カム部114の一端面には、前記第2係合部材112の他端部が挿入される複数(4つ)の凹部120が形成されている。カム部114の外周は、断面略6角形状に形成されている。
【0058】
隣接する第1係合部材110の間には、カム部114の外側面を構成する平坦面114aに配設された一対のローラ122と、これらローラ122の間に介在されて各ローラ122を前記カム部114の角部を構成するカム面114bに向けて付勢する弾性部材124とが設けられている。弾性部材124としては、例えば、コイルばねや板ばね等のばね部材を用いることができる。
【0059】
このように構成されたクラッチ機構58では、一対のローラ122が弾性部材124にてカム面114bに付勢されているので、外側リングギヤ54と内側リングギヤ56とが停止している状態で、前記一対のローラ122を前記カム面114bに接触させることができる。これにより、内側リングギヤ56に接続されている内側接続軸104のカム面114bと外環部材106の内周面との楔作用によって前記一対のローラ122が固定されているので、外側リングギヤ54を停止した状態で内側リングギヤ56の回転を阻止することができる。
【0060】
一方、図7Bに示すように、例えば、外側リングギヤ54が反時計周りに回転した場合には、外側リングギヤ54に接続された外側接続軸102、第1係合部材110、及び第2係合部材112が一体的に回転する。そうすると、第1係合部材110が一対のローラ122を反時計回りに押圧すると共に、第2係合部材112が内側接続軸104の凹部120を構成する壁面を反時計回りに押圧することになる。その結果、一対のローラ122、弾性部材124、及び内側接続軸104が一体的に反時計回りに回転することになる。
【0061】
すなわち、クラッチ機構58は、外側リングギヤ54から内側リングギヤ56への回転駆動力の伝達を許容する一方、前記内側リングギヤ56から前記外側リングギヤ54への回転駆動力の伝達を阻止することができる。
【0062】
図2から諒解されるように、カバー部材22は、第1回転電機24を覆う第1カバー22aと、第1カバー22aに取り付けられた状態で隔壁23に設けられた第2カバー22bと、第1カバー22aに取り付けられて第2回転電機64を覆う第3カバー22cとを有する。第1カバー22aと第2カバー22bとの接続及び第1カバー22aと第3カバー22cとの接続は、図示しないボルト等の固定部材を用いてもよい。
【0063】
制御部16は、低速・低駆動力の第1運転モード(ECO(Environmental COmmunication)ドライブモード)と、高速・低駆動力の第2運転モード(SPEEDドライブモード)と、低速・高駆動力の第3運転モード(POWERドライブモード)と、後輪WRの回転駆動力を電気エネルギに変換してバッテリに充電(回収)する回生モードとを適宜選択することができる。
【0064】
次に、第1〜第3運転モード及び回生モードについて図8〜図12を参照しながら説明する。なお、図8〜図10及び図12において、太線で示した構成要素は動力(電力)が伝達する部位を示しており、実線矢印は動力の伝達する方向を示し、破線矢印は電力が伝達する方向を示している。
【0065】
先ず、図8に示すように、第1運転モードでは、制御部16は第1回転電機24を駆動して第1ロータ38を反時計回りに回転させると共に第2回転電機64を停止する。そうすると、第1ロータ38の回転数が所定の回転数に達した時に遠心クラッチ28によって該第1ロータ38と第1軸26とが接続し、第1軸26が反時計回りに回転する。
【0066】
そして、第1軸26の回転駆動力は、サンギヤ46、複数のプラネタリギヤ48、及びキャリア52を介して駆動軸32に伝達される。このとき、クラッチ機構58によって内側リングギヤ56はロックされているので、サンギヤ46の回転駆動力が外側リングギヤ54等に伝達することはない。そのため、第1軸26の回転駆動力を駆動軸32に効率的に伝達させることができる。
【0067】
駆動軸32に伝達した回転駆動力は、減速機構34にて回転数が減少された(トルクが増大された)状態で後輪WRに伝達される。その結果、後輪WRは、第1回転電機24の回転駆動力のみで回転されることとなる。この場合、第1回転電機24の効率のよい駆動範囲は、図11Aのグラフで示された範囲(ハッチングで示された領域)となっている。
【0068】
続いて、図9に示すように、第2運転モードでは、制御部16は第1回転電機24と第2回転電機64の両方を駆動して第1ロータ38を反時計回りに回転させると共に第2ロータ78を時計回りに回転させる。そうすると、第1ロータ38の回転駆動力は、遠心クラッチ28及び第1軸26を介してサンギヤ46に伝達される。
【0069】
一方、第2ロータ78の回転駆動力は、第2軸66、第1動力伝達機構68(ギヤ82、一対のアイドルギヤ84、86)、外側リングギヤ54、及びクラッチ機構58を介して内側リングギヤ56に伝達される。なお、このとき、第2軸66が時計回りに回転しているので、該第2軸66の回転駆動力は、第2動力伝達機構70に伝達することはない。
【0070】
サンギヤ46に伝達された回転駆動力と内側リングギヤ56に伝達された回転駆動力とは複数のプラネタリギヤ48で合成されて回転数を増大させた状態でキャリア52を介して駆動軸32に伝達される。駆動軸32に伝達された回転駆動力は、減速機構34を介して後輪WRに伝達される。その結果、後輪WRの回転数は、第1運転モードの場合よりも大きくなる。この場合、第1回転電機24と第2回転電機64の効率のよい範囲は、図11Bのグラフに示された範囲(ハッチングで示された領域)となっている。
【0071】
次に、図10に示すように、第3運転モードでは、制御部16は第1回転電機24と第2回転電機64との両方を駆動して第1ロータ38及び第2ロータ78を反時計回りに回転させる。そうすると、第1ロータ38の回転駆動力は、遠心クラッチ28、第1軸26、及びサンギヤ46を介して複数のプラネタリギヤ48に伝達される。
【0072】
一方、第2ロータ78の回転駆動力は、第2軸66、第2ワンウェイクラッチ部74、及び第2動力伝達機構70に伝達される。なお、このとき、第2軸66が反時計回りに回転しているので、第2軸66の回転駆動力は第1動力伝達機構68に伝達することはない。
【0073】
複数のプラネタリギヤ48に伝達された回転駆動力と第2動力伝達機構70に伝達された回転駆動力とはキャリア52で合成されてトルクを増大させた状態で駆動軸32に伝達される。駆動軸32に伝達された回転駆動力は、減速機構34を介して後輪WRに伝達される。その結果、後輪WRのトルクは、第1運転モードの場合よりも大きくなる。この場合、第1回転電機24と第2回転電機64との効率のよい範囲は、図11Cのグラフで示された範囲(ハッチングで示された領域)となっている。
【0074】
このように、本実施形態では、簡易な構成で複数の運転モードを容易に切り替えることができるので、広域な運転領域において、第1回転電機と第2回転電機とを効率のよい範囲で駆動することができる。また、運転モードを切り替える際にクラッチの断接を制御する必要がないので、複雑な機構や制御を不要にすることができる。
【0075】
また、図12に示すように、回生モードでは、後輪WRが反時計回りに回転すると、後輪WRの回転駆動力は、減速機構34及び駆動軸32を介してキャリア52に伝達される。キャリア52が回転すると、第2動力伝達機構70及び第2ワンウェイクラッチ部74を構成するリング体94(図5参照)も反時計回りに回転するが、該リング体94の回転駆動力は第2軸66に伝達されることはない。すなわち、第2動力伝達機構70は第2軸66に対して空転することとなる。そのため、キャリア52の回転駆動力は効率的に複数のプラネタリギヤ48に伝達される。
【0076】
そして、複数のプラネタリギヤ48に伝達された回転駆動力は、サンギヤ46に伝達される。なお、このとき、クラッチ機構58の作用によって、内側リングギヤ56がロックされているので、複数のプラネタリギヤ48の回転駆動力が外側リングギヤ54に伝達することはない。
【0077】
言い換えれば、このとき、第1ワンウェイクラッチ部72は、クラッチ機構58にて遊星歯車機構30から第2軸66への回転駆動力の伝達を阻止する際に、動力伝達機構68の動きをロックする。すなわち、このとき、第1ワンウェイクラッチ部72を構成するリング体94の反時計回りの動きがコロベアリング96によりロックされることにより(図4参照)、ギヤ82、第1アイドルギヤ部84、第2アイドルギヤ部86、及び外側リングギヤ54の動きがロックされているため、クラッチ機構58の作用によって、遊星歯車機構30から第2軸66への回転駆動力の伝達が阻止される。
【0078】
サンギヤ46に伝達された回転駆動力は、第1軸26及び遠心クラッチ28を介して第1ロータ38に伝達される。これにより、第1ロータ38の回転によって第1ステータ36で発電された電力をバッテリ14に充電することができる。
【0079】
本実施形態によれば、第2軸66から遊星歯車機構30への回転駆動力の伝達を許可する一方、前記遊星歯車機構30から前記第2軸66への回転駆動力の伝達は阻止するクラッチ機構58を設けている。そのため、駆動軸32の回転駆動力を第2軸66に伝達させることなく第1軸26にのみ伝達させることができる。
【0080】
よって、第1回転電機24と第2回転電機64とを有する動力伝達装置21であっても、簡易な構成で第1回転電機24のみを発電機として機能させることができる。また、エネルギの回生を行う際に、クラッチの断接を制御する必要もないので、複雑な制御を不要にすることができる。
【0081】
また、遊星歯車機構30を構成するリングギヤ50にクラッチ機構58を設けているので、駆動軸32の回転駆動力が第1動力伝達機構68に伝達することを阻止することができる。これにより、第1回転電機24での回生を可能としている。
【0082】
すなわち、第1回転電機24と第2回転電機64との両方をモータとして駆動可能に構成した動力伝達装置21であっても、簡易な構成で第1回転電機24のみを発電機として機能させることができる。
【0083】
さらに、本実施形態では、図2に示すように、第1回転電機24と第2回転電機64とを、第2ロータ78の軸線Ax2が第1ロータ38の軸線Ax1に対して車体前方に位置するように車両前後方向に並列配置している。これにより、スイングユニット12を薄型化することができる。また、多層同軸回転電機のように片方の回転電気の直径を大きく構成する必要がないため、スイングユニット12の下面の高さ位置が過度に低くなることを防止することができる。
【0084】
本実施形態によれば、第1ワンウェイクラッチ部72と第2ワンウェイクラッチ部74とを第2軸66に設けているので、スイングユニット12の構成をコンパクトにすることができる。
【0085】
また、第1動力伝達機構68と第2動力伝達機構70とを第1回転電機24よりも車幅方向内側に配設している。これにより、スイングユニット12を一層コンパクトにすることができる。
【0086】
本実施形態では、第1ワンウェイクラッチ部72を構成するリング体94の外周面にギヤ82を固着すると共に、該ギヤ82と外側リングギヤ54との間にアイドルギヤ部84、86とを介設している。これにより、前記リング体94と外側リングギヤ54の回転方向を逆にすることができる。これにより、簡易な構成で、回生モードの場合に、ギヤ82、アイドルギヤ部84、86、及び外側リングギヤ54の動きをロックすることができ、第2運転モードの場合に、第2軸66の回転駆動力を第1ワンウェイクラッチ部72、ギヤ82、アイドルギヤ部84、86を介して外側リングギヤ54に伝達することができる。
【0087】
本発明は上述した実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることは当然可能である。
【0088】
例えば、第2動力伝達機構70は、駆動軸32に固着する第1スプロケット88と第2ワンウェイクラッチ部74に固着された第2スプロケット90とに巻き掛けられるチェーン又はベルトで構成してもよい。
【0089】
また、第2動力伝達機構70は、第2ワンウェイクラッチ部74が外周面に固着される第1ギヤと、駆動軸32の外周面に固着される第2ギヤ、これらギヤの間に介設されて第1ギヤの回転駆動力を第2ギヤに伝達するアイドルギヤとを含んで構成してもよい。さらに、動力伝達装置21は、遠心クラッチ28を設置しない構成であっても構わない。
【0090】
クラッチ機構58は、リングギヤ50に設けられている例に限らず、例えば、ギヤ82、アイドルギヤ部82、又はアイドルギヤ部84に設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0091】
10…電動二輪車 12…スイングユニット
21…動力伝達装置(車両用動力出力装置)
24…第1回転電機 26…第1軸
28…遠心クラッチ 30…遊星歯車機構
32…駆動軸 38…第1ロータ
46…サンギヤ 48…プラネタリギヤ
50…リングギヤ 52…キャリア
54…外側リングギヤ(第1リングギヤ) 56…内側リングギヤ(第2リングギヤ)
58…クラッチ機構(クラッチ手段) 64…第2回転電機
66…第2軸 68…第1動力伝達機構
70…第2動力伝達機構 72…第1ワンウェイクラッチ部
74…第2ワンウェイクラッチ部 78…第2ロータ
82…ギヤ(環状ギヤ) 84…アイドルギヤ部(第1アイドルギヤ部)
86…アイドルギヤ部(第2アイドルギヤ部)
88…第1スプロケット 90…第2スプロケット
102…外側接続軸(第1接続軸) 104…内側接続軸(第2接続軸)
106…外環部材 110…第1係合部材
112…第2係合部材 114b…カム面
120…凹部 122…ローラ
124…弾性部材 WR…後輪(駆動輪)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動軸(32)に回転駆動力を出力するための車両用動力出力装置(21)であって、
第1軸(26)を回転可能な第1回転電機(24)と、
第2軸(66)を正逆両方向に回転可能な第2回転電機(64)と、
前記第1軸(26)と前記駆動軸(32)とが接続された遊星歯車機構(30)と、
前記第2軸(66)の回転駆動力を前記遊星歯車機構(30)に伝達する第1動力伝達機構(68)と、
前記第2軸(66)の回転駆動力を前記駆動軸(32)に伝達する第2動力伝達機構(70)と、
前記第2軸(66)が正方向に回転した場合のみ前記第2軸(66)から前記第1動力伝達機構(68)への回転駆動力の伝達を許可する第1ワンウェイクラッチ部(72)と、
前記第2軸(66)が逆方向に回転した場合のみ該第2軸(66)から前記第2動力伝達機構(70)への回転駆動力の伝達を許可する第2ワンウェイクラッチ部(74)と、
を備え、
前記遊星歯車機構(30)は、前記第1軸(26)から伝達された回転駆動力と前記第1動力伝達機構(68)から伝達された回転駆動力とを合成して回転数を増大させた状態で前記駆動軸(32)に伝達することを特徴とする車両用動力出力装置(21)。
【請求項2】
請求項1記載の車両用動力出力装置(21)において、
前記第1ワンウェイクラッチ部(72)と前記遊星歯車機構(30)との間の動力伝達経路上に設けられ、且つ前記第2軸(66)から前記遊星歯車機構(30)への回転駆動力の伝達を許容する一方、前記遊星歯車機構(30)から前記第2軸(66)への回転駆動力の伝達を阻止するクラッチ手段(58)をさらに備えることを特徴とする車両用動力出力装置(21)。
【請求項3】
請求項1又は2記載の車両用動力出力装置(21)において、
前記遊星歯車機構(30)は、前記第1軸(26)に接続されたサンギヤ(46)と、
前記第1動力伝達機構(68)の回転駆動力が伝達されるリングギヤ(50)と、
前記サンギヤ(46)と前記リングギヤ(50)との各々に噛合されたプラネタリギヤ(48)と、
前記駆動軸(32)に連結された状態で前記プラネタリギヤ(48)を軸支するキャリア(52)と、を有することを特徴とする車両用動力出力装置(21)。
【請求項4】
請求項3記載の車両用動力出力装置(21)において、
前記第2動力伝達機構(70)は、前記第2ワンウェイクラッチ部(74)と前記キャリア(52)とに巻き掛けられるチェーン若しくはベルト又はギヤで構成されていることを特徴とする車両用動力出力装置(21)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−76438(P2013−76438A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−216808(P2011−216808)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】