車両用情報提供装置
【課題】運転者にとって必要性の高い情報を的確に提供することができる車両用情報提供装置の提供。
【解決手段】車両の運転者へ情報を提供する情報提供手段1と、運転者に関する特性を検出する運転者特性検出手段2と、特性検出手段によって検出された運転者特性に応じて、情報提供手段1が提供する情報を制御する提供情報制御手段2とを備える。
【解決手段】車両の運転者へ情報を提供する情報提供手段1と、運転者に関する特性を検出する運転者特性検出手段2と、特性検出手段によって検出された運転者特性に応じて、情報提供手段1が提供する情報を制御する提供情報制御手段2とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用情報提供装置に係り、より詳細には、車両の運転者に関する特性に応じて、運転者に提供する情報を選択する車両用情報提供装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両の電子情報機能の発達に伴い、インストルメントパネル付近に表示画面を設け、この表示画面により、運転者に種々の情報を提供することが提案されている。表示画面には、例えば、車両の故障、燃料の残量、電子メールの着信といった注意喚起情報や、カーナビゲーションシステムによるガイドのような運転のサポート情報が集中表示される。
【0003】
そして、運転中の運転者が、そのような注意喚起情報を、大きく目線をずらすことなく認識できる位置に表示画面を設け、かつ、選択スイッチの操作に応じて、注意喚起情報の詳細情報等のサポート情報を別画面に表示させる技術が、下記の特許文献1に記載されている。
【0004】
また、カーナビゲーションシステムによるルート案内中に、車両が高速出口等の案内ポイントに近づいたことを振動によって運転者に知らせる技術が、下記の特許文献2に記載されている。
【0005】
さらに、急カーブ等の運転に注意を要する場所に車両が差し掛かかった場合や、運転者が急ハンドル等の危険な運転を行った場合に、携帯型の振動端末を振動させ、運転者の注意を喚起する技術が、下記の特許文献3に記載されている。
【0006】
【特許文献1】特開2006−015939号公報
【特許文献2】特開2004−170359号公報
【特許文献3】特開2002−245574号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記の各特許文献に開示の技術においては、基本的に、運転者によらず、誰に対しても同様の情報を表示し、注意喚起等の情報を誰に対しても同様の方法で提供している。
【0008】
しかし、車両の運転者(例えば、車両のオーナー)に関する特性は、運転者によって異なる。例えば、せっかちな運転傾向の運転者もいれば、落ち着いた運転傾向の運転者もいる。また、運転者に関する特性は毎回同じとは限らず、例えば、目的地まで急いでいる場合のように、時間に余裕がない状況で運転する場合もあれば、時間に余裕がある状況で運転する場合もある。
【0009】
そして、運転者が必要とする情報は、一般に、運転者に関する特性によって異なる。例えば、せっかちな運転傾向の運転者が時間に余裕のない状況で運転している場合、不急の情報や、遠回りとなるようなルートガイド情報は、通常、運転者にとって必要性が低い。その上、必要性の低い情報を多量に提供すると、かえって混乱を招くおそれがある。
【0010】
そこで、本発明は、運転者にとって必要性の高い情報を的確に提供することができる車両用情報提供装置の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するため、本発明の車両用情報提供装置は、車両の運転者へ情報を提供する情報提供手段と、運転者に関する特性を検出する特性検出手段と、特性検出手段によって検出された運転者特性に応じて、情報提供手段が提供する情報を制御する提供情報制御手段とを備えることを特徴としている。
【0012】
このように構成された本発明の車両用情報提供装置によれば、運転者特性に応じて、上記情報提供手段が提供する情報を制御するので、運転者にとって必要性の高い情報を的確に提供することができる。
【0013】
また、本発明において好ましくは、運転者特性検出手段は、運転者特性として運転者の運転傾向を検出する運転傾向検出手段を有する。
これにより、例えば、運転者がせっかちである、又は、落ち着きがあるといった運転者の運転傾向に応じて、情報提供手段が提供する情報を制御することができる。
【0014】
また、本発明において好ましくは、運転傾向検出手段は、運転傾向に関する質問に対する運転者の回答入力データ、カーナビゲーションシステムの過去のルート設定傾向、過去のアクティブ・クルーズ・コントロールの設定車間距離、及び、車両のスイッチ、アクセルペダル及びブレーキペダルの過去の操作傾向の少なくとも一つに基づいて、運転者の運転傾向を検出する。
これにより、運転者特性としての運転者の運転傾向を検出することができる。
【0015】
また、本発明において好ましくは、運転者特性検出手段は、運転者特性として運転者の時間余裕度を検出する時間余裕度検出手段を有する。
これにより、例えば、運転者が目的地まで急いでいるか否かといった運転者の時間的余裕度に応じて、情報提供手段が提供する情報を制御することができる。
【0016】
また、本発明において好ましくは、時間余裕度検出手段は、車両のドアが開いてから今回のエンジン始動までの時間、及び、現在のアクセルペダル及びブレーキペダルの操作頻度の少なくとも一つに基づいて、運転者の時間余裕度を検出することを特徴とする請求項4記載の車両用情報提供装置。
これにより、運転者特性としての運転者の時間余裕度を検出することができる。
【0017】
また、本発明において好ましくは、提供情報制御手段は、情報提供装置が提供する情報の項目数を、運転者特性に応じて変更する。
これにより、例えば、運転者がせっかちであったり、時間に余裕がなかったりした場合に、提供する情報の項目数を減らすことができる。その結果、その運転者にとって必要性の高い情報を選択して、より的確に提供することができる。
【0018】
また、本発明において好ましくは、提供情報制御手段は、情報提供装置が提供する情報の提供方法を、運転者特性に応じて変更する。
これにより、例えば、落ち着いた運転者には、注意喚起情報を表示画面で提供し、また、せっかちな運転者には、注意喚起情報を音声だけで提供したり、表示画面とともに提供したりすることができる。
【0019】
また、本発明において好ましくは、情報提供装置は、カーナビゲーションシステムに登録された目標対象物の検索結果を表示し、提供情報制御手段は、目標対象物の優先させる検索条件を、運転者特性に応じて変更する。
これにより、例えば、ガソリンスタンドを検索する場合、時間に余裕がないときには、ガソリンスタンドまでの距離が短い順といった検索条件のように、運転者特性に応じた検索条件を優先させて目標対象物の検索結果を提供することができる。
【0020】
また、本発明において好ましくは、情報提供装置として、選択スイッチを表示するタッチパネル式の表示装置を有し、提供情報制御手段は、表示装置に表示させる選択スイッチ数を、運転者特性に応じて変更する。
これにより、例えば、表示画面の表示内容を選択スイッチで選択する表示させる場合、運転者が選択する可能性の高い選択スイッチを選択的に表示させることができる。
【0021】
また、本発明において好ましくは、車両の走行する道路の種類及び道路の混雑状況の少なくとも一方を検出する道路状況検出手段を備え、提供情報制御手段は、特性検出手段によって検出された運転者特性と、道路状況検出手段によって検出された道路種類及び道路混雑状況の少なくとも一方との組合せに応じて、情報提供手段が提供する情報を制御する。
【0022】
また、本発明おいて好ましくは、情報提供手段は、カーナビゲーションシステムによる進路情報を提供し、提供情報制御手段は、情報提供手段が提供する進路情報を、運転者特性に応じて変更する。
これにより、例えば、運転者が広い道を好むとか、或いは、近道を好むといった運転傾向に合わせて、進路情報を提供することができる。
【0023】
また、本発明において好ましくは、情報提供手段は、進路情報を表示する表示装置と、ハンドルの一部分又は全体を振動させることにより進路情報を指示するハンドル振動装置とから構成され、提供情報制御手段は、ハンドル振動装置に、運転者特性に応じた第1優先の進路情報を指示させ、かつ、表示装置に、第1優先の進路情報に加えて、第2優先の進路情報を表示させる。
これにより、運転者特性に合わせた第1優先の進路情報を提供するとともに、第2優先の進路情報も提供することができる。その結果、運転者は、その時の判断で、第1優先の進路だけでなく、第2優先の進路を選択することもできる。
【0024】
車両の同乗者の状態を検出する同乗者状態検出手段を備え、提供情報制御手段は、同乗者状況検出手段によって検出された同乗者状態に応じて、情報提供手段が提供する情報を制御する。
これにより、運転者は、同乗者の状態を認識して運転することが可能となる。
【発明の効果】
【0025】
このように、本発明の車両用情報提供装置によれば、運転者にとって必要性の高い情報を的確に提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、添付の図面を参照して、本発明の車両用情報提供装置の実施形態を説明する。
(第1実施形態)
まず、第1実施形態の車両用情報提供装置について説明する。
本実施形態の車両用情報提供装置は、図1のブロック図に示すように、車両の運転者へ情報を提供する情報提供手段1と、運転者に関する特性を検出する特性検出手段2と、特性検出手段2によって検出された運転者特性に応じて、情報提供手段1が提供する情報を制御する提供情報制御手段3とを備えている。
【0027】
本実施形態では、情報提供手段1は、表示画面を有する表示装置11と、スピーカ(図示せず)を有する音声発生装置12と、ハンドルの一部分又は全体を振動させることにより進路情報を指示するハンドル振動装置13とから構成されている。
【0028】
ここで、図2を参照して、表示装置11の表示画面の配置について説明する。図2は、車室内のインストルメントパネル付近の概略図である。表示装置11は、図2に示すように、インストルメントパネル6の上部に設けられた第1表示画面8と、インストルメントパネル6の中央に設けられた第2表示画面9とを有する。
【0029】
第1表示画面8には、例えば、ガソリンの残量が少ないという注意喚起情報が表示される。このため、第1表示画面8は、運転者が前方注視状態から視線を大きく移動させることなく視認できるように、運転者の視野に常時入る位置に配置されることが望ましい。
【0030】
第2表示画面9には、カーナビゲーションシステムによる道路地図などが表示される。このため、第2表示画面9は、広い面積のとれる部分に配置されている。また、第2表示画面9に操作スイッチを表示する場合には、操作スイッチの表示を、第2表示画面9のうち、ハンドルの操舵位置から手が移りやすい位置に配置することが望ましい。
【0031】
また、音声発生装置12のスピーカには、例えば、カーオーディオセットのスピーカを利用するとよい。なお、ハンドル振動装置13については、第2実施形態で後述する。
【0032】
運転者特性検出手段2は、運転者特性として運転者の運転傾向を検出する運転傾向検出手段21と、運転者特性として運転者の時間余裕度を検出する時間余裕度検出手段22とから構成されている。
【0033】
運転傾向検出手段21は、本実施形態では、運転傾向に関する質問に対する運転者の回答入力データ、カーナビゲーションシステムの過去のルート設定傾向、過去のアダプティブ・クルーズ・コントロール(adaptive cruise control: ACC)の設定車間距離、及び、車両のスイッチ、アクセルペダル及びブレーキペダルの過去の操作傾向の一つ又はこれらの組合せに基づいて、運転者の運転傾向を検出する。
【0034】
ここで、運転傾向に関する質問に対する運転者の回答入力データとは、例えば、予め、第2表示画面9に、チェックシート方式で、例えば、「道幅の広い方が好き」及び「運転に自信有り」といったチェック項目を表示して質問し、運転者のそれらのチェック項目に対する、タッチセンサ画面への接触による回答結果を記憶したデータをいう。
【0035】
また、カーナビゲーションシステムの過去のルート設定傾向とは、例えば、遠回りでも広い道路を選択する傾向があるとか、或いは、近道を選択する傾向があるといったことを指す。また、ACCの設定車両間隔とは、例えば、設定車両間隔が、所定基準値よりも短いか、長いかといったことを指す。また、車両のスイッチ、アクセルペダル及びブレーキペダルの過去の操作傾向とは、例えば、スイッチ等の操作頻度の高低、ペダル操作による加速、減速の頻度、強さ等を指す。
【0036】
運転傾向検出手段21は、これらの事項に基づいて、例えば、運転者が、普段「せっかち」か「落ち着きがある」かという運転傾向を検出する。
なお、本実施形態では、運転傾向を「せっかち」又は「落ち着きがある」と二つのグループに分類しているが、運転傾向はこれに限定されず、これ以外の事項に関して分類してもよいし、三つ以上のグループに分類しても良い。また、「せっかち」と「落ち着きがある」との間の傾向を、段階的又は連続的な指数で表してもよい。
そして、運転傾向検出手段21による運転傾向の検出結果は、提供情報制御手段3へ送られる。
【0037】
また、時間余裕度検出手段22は、車両のドアが開いてから今回のエンジン始動までの時間、及び、現在のアクセルペダル及びブレーキペダルの操作頻度の一つ又はこれらの組合せに基づいて、運転者の時間余裕度を検出する。
【0038】
時間余裕度検出手段22は、これらの事項の基づいて、例えば、今回の運転において、運転者が急いでいるのか、時間的な余裕が有るのかを判断する。例えば、車両のドアが開いてから今回のエンジン始動までの時間が、所定の基準時間、或いは、普段の平均的な時間よりも短い場合に、時間的余裕がなく、急いでいると判断する。
【0039】
なお、本実施形態では、時間余裕度を「時間的余裕がある」又は「時間的余裕がない(急いでいる)」と二つのグループに分類しているが、時間余裕度はこれに限定されず、三つ以上のグループに分類しても良い。また、時間余裕度を、段階的又は連続的な指数で表してもよい。
そして、時間余裕度検出手段22による時間余裕度の検出結果は、提供情報制御手段3へ出力される。
【0040】
提供情報制御手段3は、ECU(electronic control unit:電子制御装置)31と、データベース32とから構成されている。ECU31には、運転傾向検出手段21及び時間余裕度検出手段22から運転者特性が入力される。さらに、ECU31には、道路状況検出手段4から、道路の種類及び道路の混雑状況などの道路状況検出結果が入力され、また、同乗者状態検出手段5から、同乗者状態の検出結果が入力される。
【0041】
道路状況検出手段4は、車両の走行する道路の種類及び道路の混雑状況の少なくとも一方を検出する。例えば、車両の走行する道路の種類が、一般道路か高速道路かを検出し、また、道路の混雑状況が、空いているか、混雑しているかを検出する。道路の種類や道路の混雑状況は、例えば、カーナビゲーションシステムの地図情報と、車両の現在位置情報との組合せから判定するとよい。
なお、同乗者状態検出手段5については、第3実施形態で後述する。
【0042】
データベース32には、運転者特性、道路状況及び同乗者状況の組合せと、提供情報の制御内容とを対応づけたテーブルが格納されている。そして、ECU31は、このテーブルを参照して、入力された運転者特性と、道路種類及び道路混雑状況等との組合せに応じて、情報提供手段1が提供する情報を制御する。
【0043】
ここで、図3に、運転者特性等に応じた提供情報の制御の一例を示す。図3は、走行中に、ガソリンの残りが少なくなり、かつ、電子メールを受信した場合に、表示装置11により表示される情報を示す。そして、図3(a)と図3(b)とでは、互いに異なる運転者特性の場合の表示情報を示している。
【0044】
すなわち、図3(a)は、運転者特性として、運転傾向は落ち着きがあり、時間余裕度は時間に余裕があり、道路の種類は一般道路で、道路の混雑状況は空いている場合の表示情報を示す。一方、図3(b)は、空いている一般道路を走行している点は同じであるが、運転者特性として、運転傾向はせっかちであり、時間余裕度は急いでいる場合に表示される情報を示す。
【0045】
これら図3(a)及び図3(b)に示す提供情報のECU31による制御について、図4及び図5のフローチャートを参照して説明する。
まず、図4のフローチャートを参照して、ガソリンの残量が少ない場合に提供する情報の制御について説明する。
【0046】
ガソリンの残量が少ない場合(図4のステップS1で「yes」の場合)、ECU31は、図3(a)及び図3(b)に示すように、第1表示画面8に「ガソリン残りわずかです」という注意喚起情報を表示させる(ステップS2)。
【0047】
そして、注意喚起状況が表示される状況に対処するのに必要なサポート情報が、情報提供装置3によって運転者に提供される。例えば、ガソリン残量が僅かしかない場合、カーナビゲーションシステムによる地図表示中に、サポート情報として、カーナビゲーションシステムに登録された目標対象物としての周辺のガソリンスタンドの検索結果が地図画面90上に表示される。その際、ECU31は、目標対象物の優先させる検索条件を、運転者特性に応じて変更する。
【0048】
本実施形態では、第2表示画面9は、検索条件を選択するタッチパネル式の選択スイッチを表示する。この際、ECU31は、表示させる選択スイッチ数を、運転者特性に応じて変更する。
【0049】
すなわち、運転者特性が落ち着きがあり、又は、時間に余裕をもっている場合(ステップS3で「no」の場合)、図3(a)に示すように、第2表示画面9には、運転者が四通り全部の検索条件の中から所望の選択条件を選択できるように、四つの選択スイッチ91a〜91dが表示される(ステップS4)。これらの選択スイッチ91a〜91dは、それぞれ「値段優先」「距離優先」、「ブランド優先」及び「進行方向沿いを優先」の検索条件に対応している。
【0050】
そして、図3(a)の地図画面90には、周辺のガソリンスタンドを値段優先の検索条件で検索した結果が表示されている。また、図3(a)の地図画面90上には、燃料の残量を示す燃料計93も示されている(ステップS6)。
【0051】
これに対して、運転者特性がせっかちであり、又は、急いでいる場合(ステップS3で「yes」)の場合、図3(b)に示すように、第2表示画面9には、運転者が選択する可能性が高い選択条件に絞って、二つの選択スイッチ91a及び91bだけが限定して表示される(ステップS7)。これらの選択スイッチ91a及び91bは、それぞれ「距離優先」及び「進行方向沿いを優先」の検索条件に対応している。これらの検索条件は、せっかちであり、又は、急いでいるという運転者特性に照らして、選択される可能性が高い検索条件として表示されている。また、表示する選択スイッチの数を減らすことによって、運転者に提供される情報が絞られ、混乱を招く可能性が低減する。
【0052】
そして、図3(b)の地図画面90には、周辺のガソリンスタンドを距離優先の検索条件で検索した結果が表示されている。なお、図3では示すことができないが、図3(b)では、比較的目立つ色で、検索結果のガソリンスタンドが表示されている(ステップS8)。これにより、急いでいる場合であっても、表示の視認性の向上を図り、安全運転に寄与することができる。
また、図3(b)では、せっかちな、又は急いでいる運転者に提供する情報の項目数を絞り、安全性の向上を図るため、燃料計を非表示としている(ステップS9)。
【0053】
次に、図5のフローチャートを参照して、電子メールが着信した場合に提供する情報の制御について説明する。
【0054】
電子メールが着信した場合(図5のステップS1で「yes」の場合)であって、運転者特性が落ち着きがあり、又は、時間に余裕をもっている場合(ステップS2で「no」の場合)、図3(a)に示すように、第1表示画面8に、「メール着信しています」という注意喚起情報を表示させるとともに、第2表示画面9に、「Aメール」及び「Bメール」のアイコンを表示させる。
なお、着信メールの内容は、車両停車中に、第2表示画面9上の「Aメール」又は「Bメール」のアイコンをタッチすることにより、表示させることができる。
【0055】
これに対して、運転者特性がせっかちであり、又は、急いでいる場合(ステップS2で「yes」)の場合、図3(b)に示すように、第1表示画面8にも第2表示画面9にも、メール着信の情報は表示されない(ステップS4)。
【0056】
次に、図6に、高速道路を走行中の、運転者特性等に応じた提供情報の制御の一例を示す。図6は、高速道路走行中に、ガソリンの残りが少なくなり、かつ、電子メールを受信した場合に、表示装置11により表示される情報を示す。図6(a)と図6(b)とでは、互いに異なる運転者特性の場合の表示情報を示している。
【0057】
すなわち、図6(a)は、運転者特性として、運転傾向は落ち着きがあり、時間余裕度は時間に余裕があり、道路の種類は高速道路で、道路の混雑状況は混雑している場合の提供情報を示す。一方、図6(b)は、混雑している高速道路を走行している点は同じであるが、運転者特性として、せっかちな運転傾向であり、急いでいる時間余裕度の場合に提供される情報を示す。
【0058】
図6(a)及び図6(b)に示すように、ガソリンの残量が少ない場合に提供する、注意喚起情報、及びサポート情報は、基本的には、上述の一般道路走行中の場合と同じである。
【0059】
しかし、高速道路走行中の場合には、図6(a)に示すように、運転者特性が落ち着きがあり、時間に余裕がある場合であっても、燃料計を非表示としている。また、図では示していないが、高速道路を走行中の場合、一般道路を走行中の場合よりも、比較的目立つように色や明るさを変えて、第1表示画面8及び第2表示画面9が表示されている。
【0060】
また、高速道路走行中に、電子メールを受信した場合、運転者特性が落ち着いており、又は時間的余裕がある場合には、一般道路走行中の場合と同様に、メール着信を表示する。しかし、運転者特性がせっかち又は急いでいる場合には、着信したメールを表示せずに、音声発生装置(図示せず)により音声で読み上げる(図5のステップS4)。
【0061】
次に、図7に、高速道路を走行中の、運転者特性等に応じた提供情報の制御の一例を示す。図7は、高速道路走行中に、ガソリンの残りが少なくなり、かつ、利用予定のインターチェンジに近づいた場合に、表示装置11により表示される情報を示す。そして、図7(a)と図7(b)とでは、互いに異なる運転者特性の場合の表示情報を示している。
【0062】
すなわち、図7(a)は、運転者特性として、運転傾向は落ち着きがあり、時間余裕度は時間に余裕があり、道路の種類は高速道路で、道路の混雑状況は混雑している場合の提供情報を示す。一方、図7(b)は、混雑している高速道路を走行している点は同じであるが、運転者特性として、せっかちな運転傾向であり、急いでいる時間余裕度の場合に提供される情報を示す。
【0063】
図7(a)及び図7(b)に示すように、ガソリンの残量が少ない場合に提供する、注意喚起情報、及びサポート情報は、それぞれ図6(a)及び図6(b)に示したものと同じである。
【0064】
次に、図8のフローチャートを参照して、利用予定のインターチェンジに接近した場合に提供する情報の制御について説明する。
【0065】
インターチェンジS1に接近した場合(図8のステップS1で「yes」の場合)であって、運転者特性として落ち着きがあり、又は、時間に余裕をもっている場合(ステップS2で「no」の場合)、図7(a)に示すように、第1表示画面8に、「高速出口を案内します」という注意喚起情報を表示させる。さらに、また、第2表示画面9の地図画面90に、インターチェンジを丸印で表示するとともに、「XXインターまであと8km」という案内情報表示94を表示させる(ステップS3)。
【0066】
これに対して、運転者特性がせっかちであり、又は、急いでいる場合(ステップS2で「yes」)の場合、図7(b)に示すように、第1表示画面8には、インターチェンジの接近を報知する注意喚起情報は表示されない。また、第2表示画面9にも、「XXインターまであと8km」という案内情報は表示されない。その代わり、音声発生装置(図示せず)による音声割込みにより「XXインターまであと8kmです」という案内情報を提供する(ステップS4)。このように、運転者特性に応じて情報提供方法を変更することにより、運転者に重要な情報を的確に提供することができる。
【0067】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態の車両用情報提供装置について説明する。
第2実施形態の車両用情報提供装置の構成は、図1に示した第1実施形態のものと同じである。
【0068】
第2実施形態では、情報提供手段1が、カーナビゲーションシステムによる進路情報を提供するに際し、提供情報制御手段としてのECU3が、提供する進路情報を、運転者特性に応じて変更する例について説明する。
【0069】
図9に、カーナビゲーションシステムによる進路情報を提供する例を示す。ここでは、車両が差し掛かった交差点を直進しても右折しても目的地に到達できる場合であって、直進すると、道幅は広が遠回りとなり、右折すると、道幅は狭いが近道となる場合に提供される進路情報を示す。
【0070】
そして、車両の進むべき進路は、地図画面90上の矢印として示されるとともに、ハンドル7aの振動によって運転者に指示される。ハンドル7aの左右のグリップ部分の内部には、それぞれ別個に振動するハンドル振動装置(図示せず)が設けられ、このハンドル振動装置を振動させることにより進路情報を運転者に指示する。
【0071】
図9の(a)は、遠回りであっても広い道路を好む運転者に提供する進路情報である。図9(a)の上段の地図画面90は、交差点を直進する第1候補のルートを黒矢印Aで示すとともに、交差点を右折する第2候補のルートを白矢印Bで示す。また、図9(a)の下段のハンドル7aでは、ハンドルの左右両方のグリップ部分を振動させることにより、交差点を直進する第1候補のルートを指示する。
【0072】
これに対して、 図9の(b)は、狭い道路であっても近道を好む運転者に提供する進路情報である。図9(b)の上段の地図画面90は、交差点を右折する第1候補のルートを黒矢印Dで示すとともに、交差点を直進する第2候補のルートを白矢印Cで示す。また、図9(b)の下段のハンドル7bでは、ハンドルの右グリップ部分だけを振動させることにより、交差点を右折する第1候補のルートを指示する。
【0073】
このように、運転者特性に応じて、指示する進路情報を制御することにより、運転者に必要な情報を的確に提供することができる。なお、地図画面90上に、第1及び第2候補を表示することにより、運転者は、いずれのルートを選択することもできる。
【0074】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態の車両用情報提供装置について説明する。
第3実施形態の車両用情報提供装置の構成は、図1に示した第1実施形態のものと基本的に同じである。
【0075】
第3実施形態では、同乗者状態検出手段5として助手席に背もたれシートに埋め込まれたセンサが、車両の同乗者の状態として、同乗者の心拍数を検出する。
そして、ECU31は、同乗者状況検出手段によって検出された同乗者の心拍数に応じて、情報提供手段1が提供する情報を制御する。
【0076】
ここで、図10に、落ち着きがあり、時間に余裕をもっているという運転者特性において、空いている一般道路を走行中に、ガソリンの残りが少なくなり、かつ、同乗者の心拍が上昇したときに、表示装置11により表示される情報を示す。
【0077】
図10に示すように、ガソリンの残量が少ない場合に提供する注意喚起情報及びサポート情報は、基本的には、図3(a)に示したものと同じである。
【0078】
さらに、図10に示す例では、第1表示画面8に、「同乗者の心拍数が上がりました。ブレーキのタイミングを早めにしましょう」とう注意喚起情報が表示される。このように、同乗者の状態が注意喚起情報として提供されるので、運転者は、同乗者の状態を容易に認識して運転することができる。
【0079】
上述した各実施形態においては、本発明を特定の条件で構成した例について説明したが、本発明は種々の変更及び組み合わせを行うことができ、これに限定されるものではない。例えば、図4等に示したフローチャートでは、運転者特性に応じた提供情報の制御する例について説明したが、運転者特性と道路状況等の様々な要因とを組み合わせて、提供する情報を制御するとよい。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】第1実施形態の車両用情報提供装置の基本構成を模式的に示すブロック図である。
【図2】車室内のインストルメントパネル付近の概略図である。
【図3】(a)及び(b)は、運転者特性に応じた表示例である。
【図4】ガソリン残量が少ない場合の提供情報の制御方法を説明するフローチャートである。
【図5】電子メールを受信した場合の提供情報の制御方法を説明するフローチャートである。
【図6】(a)及び(b)は、運転者特性に応じた表示例である。
【図7】(a)及び(b)は、運転者特性に応じた表示例である。
【図8】インターチェンジに接近した場合の提供情報の制御方法を説明するフローチャートである。
【図9】第2実施形態における(a)及び(b)は、運転者特性に応じたルート案内例である。
【図10】第3実施形態における表示装置による表示例である。
【符号の説明】
【0081】
1 情報提供手段
2 運転者特性検出手段
3 提供情報制御手段
4 道路状況検出手段
5 同乗者状態検出手段
6 インストルメントパネル
7、7a、7b ハンドル
8 第1表示画面
9 第2表示画面
11 表示装置
12 音声発生装置
13 ハンドル振動装置
21 運転傾向検出手段
22 時間余裕度検出手段
31 ECU
32 データベース
90 地図画面
91 選択スイッチ
92 メールアイコン
93 燃料計表示
94 案内情報表示
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用情報提供装置に係り、より詳細には、車両の運転者に関する特性に応じて、運転者に提供する情報を選択する車両用情報提供装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両の電子情報機能の発達に伴い、インストルメントパネル付近に表示画面を設け、この表示画面により、運転者に種々の情報を提供することが提案されている。表示画面には、例えば、車両の故障、燃料の残量、電子メールの着信といった注意喚起情報や、カーナビゲーションシステムによるガイドのような運転のサポート情報が集中表示される。
【0003】
そして、運転中の運転者が、そのような注意喚起情報を、大きく目線をずらすことなく認識できる位置に表示画面を設け、かつ、選択スイッチの操作に応じて、注意喚起情報の詳細情報等のサポート情報を別画面に表示させる技術が、下記の特許文献1に記載されている。
【0004】
また、カーナビゲーションシステムによるルート案内中に、車両が高速出口等の案内ポイントに近づいたことを振動によって運転者に知らせる技術が、下記の特許文献2に記載されている。
【0005】
さらに、急カーブ等の運転に注意を要する場所に車両が差し掛かかった場合や、運転者が急ハンドル等の危険な運転を行った場合に、携帯型の振動端末を振動させ、運転者の注意を喚起する技術が、下記の特許文献3に記載されている。
【0006】
【特許文献1】特開2006−015939号公報
【特許文献2】特開2004−170359号公報
【特許文献3】特開2002−245574号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記の各特許文献に開示の技術においては、基本的に、運転者によらず、誰に対しても同様の情報を表示し、注意喚起等の情報を誰に対しても同様の方法で提供している。
【0008】
しかし、車両の運転者(例えば、車両のオーナー)に関する特性は、運転者によって異なる。例えば、せっかちな運転傾向の運転者もいれば、落ち着いた運転傾向の運転者もいる。また、運転者に関する特性は毎回同じとは限らず、例えば、目的地まで急いでいる場合のように、時間に余裕がない状況で運転する場合もあれば、時間に余裕がある状況で運転する場合もある。
【0009】
そして、運転者が必要とする情報は、一般に、運転者に関する特性によって異なる。例えば、せっかちな運転傾向の運転者が時間に余裕のない状況で運転している場合、不急の情報や、遠回りとなるようなルートガイド情報は、通常、運転者にとって必要性が低い。その上、必要性の低い情報を多量に提供すると、かえって混乱を招くおそれがある。
【0010】
そこで、本発明は、運転者にとって必要性の高い情報を的確に提供することができる車両用情報提供装置の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するため、本発明の車両用情報提供装置は、車両の運転者へ情報を提供する情報提供手段と、運転者に関する特性を検出する特性検出手段と、特性検出手段によって検出された運転者特性に応じて、情報提供手段が提供する情報を制御する提供情報制御手段とを備えることを特徴としている。
【0012】
このように構成された本発明の車両用情報提供装置によれば、運転者特性に応じて、上記情報提供手段が提供する情報を制御するので、運転者にとって必要性の高い情報を的確に提供することができる。
【0013】
また、本発明において好ましくは、運転者特性検出手段は、運転者特性として運転者の運転傾向を検出する運転傾向検出手段を有する。
これにより、例えば、運転者がせっかちである、又は、落ち着きがあるといった運転者の運転傾向に応じて、情報提供手段が提供する情報を制御することができる。
【0014】
また、本発明において好ましくは、運転傾向検出手段は、運転傾向に関する質問に対する運転者の回答入力データ、カーナビゲーションシステムの過去のルート設定傾向、過去のアクティブ・クルーズ・コントロールの設定車間距離、及び、車両のスイッチ、アクセルペダル及びブレーキペダルの過去の操作傾向の少なくとも一つに基づいて、運転者の運転傾向を検出する。
これにより、運転者特性としての運転者の運転傾向を検出することができる。
【0015】
また、本発明において好ましくは、運転者特性検出手段は、運転者特性として運転者の時間余裕度を検出する時間余裕度検出手段を有する。
これにより、例えば、運転者が目的地まで急いでいるか否かといった運転者の時間的余裕度に応じて、情報提供手段が提供する情報を制御することができる。
【0016】
また、本発明において好ましくは、時間余裕度検出手段は、車両のドアが開いてから今回のエンジン始動までの時間、及び、現在のアクセルペダル及びブレーキペダルの操作頻度の少なくとも一つに基づいて、運転者の時間余裕度を検出することを特徴とする請求項4記載の車両用情報提供装置。
これにより、運転者特性としての運転者の時間余裕度を検出することができる。
【0017】
また、本発明において好ましくは、提供情報制御手段は、情報提供装置が提供する情報の項目数を、運転者特性に応じて変更する。
これにより、例えば、運転者がせっかちであったり、時間に余裕がなかったりした場合に、提供する情報の項目数を減らすことができる。その結果、その運転者にとって必要性の高い情報を選択して、より的確に提供することができる。
【0018】
また、本発明において好ましくは、提供情報制御手段は、情報提供装置が提供する情報の提供方法を、運転者特性に応じて変更する。
これにより、例えば、落ち着いた運転者には、注意喚起情報を表示画面で提供し、また、せっかちな運転者には、注意喚起情報を音声だけで提供したり、表示画面とともに提供したりすることができる。
【0019】
また、本発明において好ましくは、情報提供装置は、カーナビゲーションシステムに登録された目標対象物の検索結果を表示し、提供情報制御手段は、目標対象物の優先させる検索条件を、運転者特性に応じて変更する。
これにより、例えば、ガソリンスタンドを検索する場合、時間に余裕がないときには、ガソリンスタンドまでの距離が短い順といった検索条件のように、運転者特性に応じた検索条件を優先させて目標対象物の検索結果を提供することができる。
【0020】
また、本発明において好ましくは、情報提供装置として、選択スイッチを表示するタッチパネル式の表示装置を有し、提供情報制御手段は、表示装置に表示させる選択スイッチ数を、運転者特性に応じて変更する。
これにより、例えば、表示画面の表示内容を選択スイッチで選択する表示させる場合、運転者が選択する可能性の高い選択スイッチを選択的に表示させることができる。
【0021】
また、本発明において好ましくは、車両の走行する道路の種類及び道路の混雑状況の少なくとも一方を検出する道路状況検出手段を備え、提供情報制御手段は、特性検出手段によって検出された運転者特性と、道路状況検出手段によって検出された道路種類及び道路混雑状況の少なくとも一方との組合せに応じて、情報提供手段が提供する情報を制御する。
【0022】
また、本発明おいて好ましくは、情報提供手段は、カーナビゲーションシステムによる進路情報を提供し、提供情報制御手段は、情報提供手段が提供する進路情報を、運転者特性に応じて変更する。
これにより、例えば、運転者が広い道を好むとか、或いは、近道を好むといった運転傾向に合わせて、進路情報を提供することができる。
【0023】
また、本発明において好ましくは、情報提供手段は、進路情報を表示する表示装置と、ハンドルの一部分又は全体を振動させることにより進路情報を指示するハンドル振動装置とから構成され、提供情報制御手段は、ハンドル振動装置に、運転者特性に応じた第1優先の進路情報を指示させ、かつ、表示装置に、第1優先の進路情報に加えて、第2優先の進路情報を表示させる。
これにより、運転者特性に合わせた第1優先の進路情報を提供するとともに、第2優先の進路情報も提供することができる。その結果、運転者は、その時の判断で、第1優先の進路だけでなく、第2優先の進路を選択することもできる。
【0024】
車両の同乗者の状態を検出する同乗者状態検出手段を備え、提供情報制御手段は、同乗者状況検出手段によって検出された同乗者状態に応じて、情報提供手段が提供する情報を制御する。
これにより、運転者は、同乗者の状態を認識して運転することが可能となる。
【発明の効果】
【0025】
このように、本発明の車両用情報提供装置によれば、運転者にとって必要性の高い情報を的確に提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、添付の図面を参照して、本発明の車両用情報提供装置の実施形態を説明する。
(第1実施形態)
まず、第1実施形態の車両用情報提供装置について説明する。
本実施形態の車両用情報提供装置は、図1のブロック図に示すように、車両の運転者へ情報を提供する情報提供手段1と、運転者に関する特性を検出する特性検出手段2と、特性検出手段2によって検出された運転者特性に応じて、情報提供手段1が提供する情報を制御する提供情報制御手段3とを備えている。
【0027】
本実施形態では、情報提供手段1は、表示画面を有する表示装置11と、スピーカ(図示せず)を有する音声発生装置12と、ハンドルの一部分又は全体を振動させることにより進路情報を指示するハンドル振動装置13とから構成されている。
【0028】
ここで、図2を参照して、表示装置11の表示画面の配置について説明する。図2は、車室内のインストルメントパネル付近の概略図である。表示装置11は、図2に示すように、インストルメントパネル6の上部に設けられた第1表示画面8と、インストルメントパネル6の中央に設けられた第2表示画面9とを有する。
【0029】
第1表示画面8には、例えば、ガソリンの残量が少ないという注意喚起情報が表示される。このため、第1表示画面8は、運転者が前方注視状態から視線を大きく移動させることなく視認できるように、運転者の視野に常時入る位置に配置されることが望ましい。
【0030】
第2表示画面9には、カーナビゲーションシステムによる道路地図などが表示される。このため、第2表示画面9は、広い面積のとれる部分に配置されている。また、第2表示画面9に操作スイッチを表示する場合には、操作スイッチの表示を、第2表示画面9のうち、ハンドルの操舵位置から手が移りやすい位置に配置することが望ましい。
【0031】
また、音声発生装置12のスピーカには、例えば、カーオーディオセットのスピーカを利用するとよい。なお、ハンドル振動装置13については、第2実施形態で後述する。
【0032】
運転者特性検出手段2は、運転者特性として運転者の運転傾向を検出する運転傾向検出手段21と、運転者特性として運転者の時間余裕度を検出する時間余裕度検出手段22とから構成されている。
【0033】
運転傾向検出手段21は、本実施形態では、運転傾向に関する質問に対する運転者の回答入力データ、カーナビゲーションシステムの過去のルート設定傾向、過去のアダプティブ・クルーズ・コントロール(adaptive cruise control: ACC)の設定車間距離、及び、車両のスイッチ、アクセルペダル及びブレーキペダルの過去の操作傾向の一つ又はこれらの組合せに基づいて、運転者の運転傾向を検出する。
【0034】
ここで、運転傾向に関する質問に対する運転者の回答入力データとは、例えば、予め、第2表示画面9に、チェックシート方式で、例えば、「道幅の広い方が好き」及び「運転に自信有り」といったチェック項目を表示して質問し、運転者のそれらのチェック項目に対する、タッチセンサ画面への接触による回答結果を記憶したデータをいう。
【0035】
また、カーナビゲーションシステムの過去のルート設定傾向とは、例えば、遠回りでも広い道路を選択する傾向があるとか、或いは、近道を選択する傾向があるといったことを指す。また、ACCの設定車両間隔とは、例えば、設定車両間隔が、所定基準値よりも短いか、長いかといったことを指す。また、車両のスイッチ、アクセルペダル及びブレーキペダルの過去の操作傾向とは、例えば、スイッチ等の操作頻度の高低、ペダル操作による加速、減速の頻度、強さ等を指す。
【0036】
運転傾向検出手段21は、これらの事項に基づいて、例えば、運転者が、普段「せっかち」か「落ち着きがある」かという運転傾向を検出する。
なお、本実施形態では、運転傾向を「せっかち」又は「落ち着きがある」と二つのグループに分類しているが、運転傾向はこれに限定されず、これ以外の事項に関して分類してもよいし、三つ以上のグループに分類しても良い。また、「せっかち」と「落ち着きがある」との間の傾向を、段階的又は連続的な指数で表してもよい。
そして、運転傾向検出手段21による運転傾向の検出結果は、提供情報制御手段3へ送られる。
【0037】
また、時間余裕度検出手段22は、車両のドアが開いてから今回のエンジン始動までの時間、及び、現在のアクセルペダル及びブレーキペダルの操作頻度の一つ又はこれらの組合せに基づいて、運転者の時間余裕度を検出する。
【0038】
時間余裕度検出手段22は、これらの事項の基づいて、例えば、今回の運転において、運転者が急いでいるのか、時間的な余裕が有るのかを判断する。例えば、車両のドアが開いてから今回のエンジン始動までの時間が、所定の基準時間、或いは、普段の平均的な時間よりも短い場合に、時間的余裕がなく、急いでいると判断する。
【0039】
なお、本実施形態では、時間余裕度を「時間的余裕がある」又は「時間的余裕がない(急いでいる)」と二つのグループに分類しているが、時間余裕度はこれに限定されず、三つ以上のグループに分類しても良い。また、時間余裕度を、段階的又は連続的な指数で表してもよい。
そして、時間余裕度検出手段22による時間余裕度の検出結果は、提供情報制御手段3へ出力される。
【0040】
提供情報制御手段3は、ECU(electronic control unit:電子制御装置)31と、データベース32とから構成されている。ECU31には、運転傾向検出手段21及び時間余裕度検出手段22から運転者特性が入力される。さらに、ECU31には、道路状況検出手段4から、道路の種類及び道路の混雑状況などの道路状況検出結果が入力され、また、同乗者状態検出手段5から、同乗者状態の検出結果が入力される。
【0041】
道路状況検出手段4は、車両の走行する道路の種類及び道路の混雑状況の少なくとも一方を検出する。例えば、車両の走行する道路の種類が、一般道路か高速道路かを検出し、また、道路の混雑状況が、空いているか、混雑しているかを検出する。道路の種類や道路の混雑状況は、例えば、カーナビゲーションシステムの地図情報と、車両の現在位置情報との組合せから判定するとよい。
なお、同乗者状態検出手段5については、第3実施形態で後述する。
【0042】
データベース32には、運転者特性、道路状況及び同乗者状況の組合せと、提供情報の制御内容とを対応づけたテーブルが格納されている。そして、ECU31は、このテーブルを参照して、入力された運転者特性と、道路種類及び道路混雑状況等との組合せに応じて、情報提供手段1が提供する情報を制御する。
【0043】
ここで、図3に、運転者特性等に応じた提供情報の制御の一例を示す。図3は、走行中に、ガソリンの残りが少なくなり、かつ、電子メールを受信した場合に、表示装置11により表示される情報を示す。そして、図3(a)と図3(b)とでは、互いに異なる運転者特性の場合の表示情報を示している。
【0044】
すなわち、図3(a)は、運転者特性として、運転傾向は落ち着きがあり、時間余裕度は時間に余裕があり、道路の種類は一般道路で、道路の混雑状況は空いている場合の表示情報を示す。一方、図3(b)は、空いている一般道路を走行している点は同じであるが、運転者特性として、運転傾向はせっかちであり、時間余裕度は急いでいる場合に表示される情報を示す。
【0045】
これら図3(a)及び図3(b)に示す提供情報のECU31による制御について、図4及び図5のフローチャートを参照して説明する。
まず、図4のフローチャートを参照して、ガソリンの残量が少ない場合に提供する情報の制御について説明する。
【0046】
ガソリンの残量が少ない場合(図4のステップS1で「yes」の場合)、ECU31は、図3(a)及び図3(b)に示すように、第1表示画面8に「ガソリン残りわずかです」という注意喚起情報を表示させる(ステップS2)。
【0047】
そして、注意喚起状況が表示される状況に対処するのに必要なサポート情報が、情報提供装置3によって運転者に提供される。例えば、ガソリン残量が僅かしかない場合、カーナビゲーションシステムによる地図表示中に、サポート情報として、カーナビゲーションシステムに登録された目標対象物としての周辺のガソリンスタンドの検索結果が地図画面90上に表示される。その際、ECU31は、目標対象物の優先させる検索条件を、運転者特性に応じて変更する。
【0048】
本実施形態では、第2表示画面9は、検索条件を選択するタッチパネル式の選択スイッチを表示する。この際、ECU31は、表示させる選択スイッチ数を、運転者特性に応じて変更する。
【0049】
すなわち、運転者特性が落ち着きがあり、又は、時間に余裕をもっている場合(ステップS3で「no」の場合)、図3(a)に示すように、第2表示画面9には、運転者が四通り全部の検索条件の中から所望の選択条件を選択できるように、四つの選択スイッチ91a〜91dが表示される(ステップS4)。これらの選択スイッチ91a〜91dは、それぞれ「値段優先」「距離優先」、「ブランド優先」及び「進行方向沿いを優先」の検索条件に対応している。
【0050】
そして、図3(a)の地図画面90には、周辺のガソリンスタンドを値段優先の検索条件で検索した結果が表示されている。また、図3(a)の地図画面90上には、燃料の残量を示す燃料計93も示されている(ステップS6)。
【0051】
これに対して、運転者特性がせっかちであり、又は、急いでいる場合(ステップS3で「yes」)の場合、図3(b)に示すように、第2表示画面9には、運転者が選択する可能性が高い選択条件に絞って、二つの選択スイッチ91a及び91bだけが限定して表示される(ステップS7)。これらの選択スイッチ91a及び91bは、それぞれ「距離優先」及び「進行方向沿いを優先」の検索条件に対応している。これらの検索条件は、せっかちであり、又は、急いでいるという運転者特性に照らして、選択される可能性が高い検索条件として表示されている。また、表示する選択スイッチの数を減らすことによって、運転者に提供される情報が絞られ、混乱を招く可能性が低減する。
【0052】
そして、図3(b)の地図画面90には、周辺のガソリンスタンドを距離優先の検索条件で検索した結果が表示されている。なお、図3では示すことができないが、図3(b)では、比較的目立つ色で、検索結果のガソリンスタンドが表示されている(ステップS8)。これにより、急いでいる場合であっても、表示の視認性の向上を図り、安全運転に寄与することができる。
また、図3(b)では、せっかちな、又は急いでいる運転者に提供する情報の項目数を絞り、安全性の向上を図るため、燃料計を非表示としている(ステップS9)。
【0053】
次に、図5のフローチャートを参照して、電子メールが着信した場合に提供する情報の制御について説明する。
【0054】
電子メールが着信した場合(図5のステップS1で「yes」の場合)であって、運転者特性が落ち着きがあり、又は、時間に余裕をもっている場合(ステップS2で「no」の場合)、図3(a)に示すように、第1表示画面8に、「メール着信しています」という注意喚起情報を表示させるとともに、第2表示画面9に、「Aメール」及び「Bメール」のアイコンを表示させる。
なお、着信メールの内容は、車両停車中に、第2表示画面9上の「Aメール」又は「Bメール」のアイコンをタッチすることにより、表示させることができる。
【0055】
これに対して、運転者特性がせっかちであり、又は、急いでいる場合(ステップS2で「yes」)の場合、図3(b)に示すように、第1表示画面8にも第2表示画面9にも、メール着信の情報は表示されない(ステップS4)。
【0056】
次に、図6に、高速道路を走行中の、運転者特性等に応じた提供情報の制御の一例を示す。図6は、高速道路走行中に、ガソリンの残りが少なくなり、かつ、電子メールを受信した場合に、表示装置11により表示される情報を示す。図6(a)と図6(b)とでは、互いに異なる運転者特性の場合の表示情報を示している。
【0057】
すなわち、図6(a)は、運転者特性として、運転傾向は落ち着きがあり、時間余裕度は時間に余裕があり、道路の種類は高速道路で、道路の混雑状況は混雑している場合の提供情報を示す。一方、図6(b)は、混雑している高速道路を走行している点は同じであるが、運転者特性として、せっかちな運転傾向であり、急いでいる時間余裕度の場合に提供される情報を示す。
【0058】
図6(a)及び図6(b)に示すように、ガソリンの残量が少ない場合に提供する、注意喚起情報、及びサポート情報は、基本的には、上述の一般道路走行中の場合と同じである。
【0059】
しかし、高速道路走行中の場合には、図6(a)に示すように、運転者特性が落ち着きがあり、時間に余裕がある場合であっても、燃料計を非表示としている。また、図では示していないが、高速道路を走行中の場合、一般道路を走行中の場合よりも、比較的目立つように色や明るさを変えて、第1表示画面8及び第2表示画面9が表示されている。
【0060】
また、高速道路走行中に、電子メールを受信した場合、運転者特性が落ち着いており、又は時間的余裕がある場合には、一般道路走行中の場合と同様に、メール着信を表示する。しかし、運転者特性がせっかち又は急いでいる場合には、着信したメールを表示せずに、音声発生装置(図示せず)により音声で読み上げる(図5のステップS4)。
【0061】
次に、図7に、高速道路を走行中の、運転者特性等に応じた提供情報の制御の一例を示す。図7は、高速道路走行中に、ガソリンの残りが少なくなり、かつ、利用予定のインターチェンジに近づいた場合に、表示装置11により表示される情報を示す。そして、図7(a)と図7(b)とでは、互いに異なる運転者特性の場合の表示情報を示している。
【0062】
すなわち、図7(a)は、運転者特性として、運転傾向は落ち着きがあり、時間余裕度は時間に余裕があり、道路の種類は高速道路で、道路の混雑状況は混雑している場合の提供情報を示す。一方、図7(b)は、混雑している高速道路を走行している点は同じであるが、運転者特性として、せっかちな運転傾向であり、急いでいる時間余裕度の場合に提供される情報を示す。
【0063】
図7(a)及び図7(b)に示すように、ガソリンの残量が少ない場合に提供する、注意喚起情報、及びサポート情報は、それぞれ図6(a)及び図6(b)に示したものと同じである。
【0064】
次に、図8のフローチャートを参照して、利用予定のインターチェンジに接近した場合に提供する情報の制御について説明する。
【0065】
インターチェンジS1に接近した場合(図8のステップS1で「yes」の場合)であって、運転者特性として落ち着きがあり、又は、時間に余裕をもっている場合(ステップS2で「no」の場合)、図7(a)に示すように、第1表示画面8に、「高速出口を案内します」という注意喚起情報を表示させる。さらに、また、第2表示画面9の地図画面90に、インターチェンジを丸印で表示するとともに、「XXインターまであと8km」という案内情報表示94を表示させる(ステップS3)。
【0066】
これに対して、運転者特性がせっかちであり、又は、急いでいる場合(ステップS2で「yes」)の場合、図7(b)に示すように、第1表示画面8には、インターチェンジの接近を報知する注意喚起情報は表示されない。また、第2表示画面9にも、「XXインターまであと8km」という案内情報は表示されない。その代わり、音声発生装置(図示せず)による音声割込みにより「XXインターまであと8kmです」という案内情報を提供する(ステップS4)。このように、運転者特性に応じて情報提供方法を変更することにより、運転者に重要な情報を的確に提供することができる。
【0067】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態の車両用情報提供装置について説明する。
第2実施形態の車両用情報提供装置の構成は、図1に示した第1実施形態のものと同じである。
【0068】
第2実施形態では、情報提供手段1が、カーナビゲーションシステムによる進路情報を提供するに際し、提供情報制御手段としてのECU3が、提供する進路情報を、運転者特性に応じて変更する例について説明する。
【0069】
図9に、カーナビゲーションシステムによる進路情報を提供する例を示す。ここでは、車両が差し掛かった交差点を直進しても右折しても目的地に到達できる場合であって、直進すると、道幅は広が遠回りとなり、右折すると、道幅は狭いが近道となる場合に提供される進路情報を示す。
【0070】
そして、車両の進むべき進路は、地図画面90上の矢印として示されるとともに、ハンドル7aの振動によって運転者に指示される。ハンドル7aの左右のグリップ部分の内部には、それぞれ別個に振動するハンドル振動装置(図示せず)が設けられ、このハンドル振動装置を振動させることにより進路情報を運転者に指示する。
【0071】
図9の(a)は、遠回りであっても広い道路を好む運転者に提供する進路情報である。図9(a)の上段の地図画面90は、交差点を直進する第1候補のルートを黒矢印Aで示すとともに、交差点を右折する第2候補のルートを白矢印Bで示す。また、図9(a)の下段のハンドル7aでは、ハンドルの左右両方のグリップ部分を振動させることにより、交差点を直進する第1候補のルートを指示する。
【0072】
これに対して、 図9の(b)は、狭い道路であっても近道を好む運転者に提供する進路情報である。図9(b)の上段の地図画面90は、交差点を右折する第1候補のルートを黒矢印Dで示すとともに、交差点を直進する第2候補のルートを白矢印Cで示す。また、図9(b)の下段のハンドル7bでは、ハンドルの右グリップ部分だけを振動させることにより、交差点を右折する第1候補のルートを指示する。
【0073】
このように、運転者特性に応じて、指示する進路情報を制御することにより、運転者に必要な情報を的確に提供することができる。なお、地図画面90上に、第1及び第2候補を表示することにより、運転者は、いずれのルートを選択することもできる。
【0074】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態の車両用情報提供装置について説明する。
第3実施形態の車両用情報提供装置の構成は、図1に示した第1実施形態のものと基本的に同じである。
【0075】
第3実施形態では、同乗者状態検出手段5として助手席に背もたれシートに埋め込まれたセンサが、車両の同乗者の状態として、同乗者の心拍数を検出する。
そして、ECU31は、同乗者状況検出手段によって検出された同乗者の心拍数に応じて、情報提供手段1が提供する情報を制御する。
【0076】
ここで、図10に、落ち着きがあり、時間に余裕をもっているという運転者特性において、空いている一般道路を走行中に、ガソリンの残りが少なくなり、かつ、同乗者の心拍が上昇したときに、表示装置11により表示される情報を示す。
【0077】
図10に示すように、ガソリンの残量が少ない場合に提供する注意喚起情報及びサポート情報は、基本的には、図3(a)に示したものと同じである。
【0078】
さらに、図10に示す例では、第1表示画面8に、「同乗者の心拍数が上がりました。ブレーキのタイミングを早めにしましょう」とう注意喚起情報が表示される。このように、同乗者の状態が注意喚起情報として提供されるので、運転者は、同乗者の状態を容易に認識して運転することができる。
【0079】
上述した各実施形態においては、本発明を特定の条件で構成した例について説明したが、本発明は種々の変更及び組み合わせを行うことができ、これに限定されるものではない。例えば、図4等に示したフローチャートでは、運転者特性に応じた提供情報の制御する例について説明したが、運転者特性と道路状況等の様々な要因とを組み合わせて、提供する情報を制御するとよい。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】第1実施形態の車両用情報提供装置の基本構成を模式的に示すブロック図である。
【図2】車室内のインストルメントパネル付近の概略図である。
【図3】(a)及び(b)は、運転者特性に応じた表示例である。
【図4】ガソリン残量が少ない場合の提供情報の制御方法を説明するフローチャートである。
【図5】電子メールを受信した場合の提供情報の制御方法を説明するフローチャートである。
【図6】(a)及び(b)は、運転者特性に応じた表示例である。
【図7】(a)及び(b)は、運転者特性に応じた表示例である。
【図8】インターチェンジに接近した場合の提供情報の制御方法を説明するフローチャートである。
【図9】第2実施形態における(a)及び(b)は、運転者特性に応じたルート案内例である。
【図10】第3実施形態における表示装置による表示例である。
【符号の説明】
【0081】
1 情報提供手段
2 運転者特性検出手段
3 提供情報制御手段
4 道路状況検出手段
5 同乗者状態検出手段
6 インストルメントパネル
7、7a、7b ハンドル
8 第1表示画面
9 第2表示画面
11 表示装置
12 音声発生装置
13 ハンドル振動装置
21 運転傾向検出手段
22 時間余裕度検出手段
31 ECU
32 データベース
90 地図画面
91 選択スイッチ
92 メールアイコン
93 燃料計表示
94 案内情報表示
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の運転者へ情報を提供する情報提供手段と、
運転者に関する特性を検出する運転者特性検出手段と、
上記運転者特性検出手段によって検出された運転者特性に応じて、上記情報提供手段が提供する情報を制御する提供情報制御手段と
を備えることを特徴とする車両用情報提供装置。
【請求項2】
運転者特性検出手段は、運転者特性として運転者の運転傾向を検出する運転傾向検出手段を有する
ことを特徴とする請求項1記載の車両用情報提供装置。
【請求項3】
上記運転傾向検出手段は、運転傾向に関する質問に対する運転者の回答入力データ、カーナビゲーションシステムの過去のルート設定傾向、過去のアクティブ・クルーズ・コントロールの設定車間距離、及び、車両のスイッチ、アクセルペダル及びブレーキペダルの過去の操作傾向の少なくとも一つに基づいて、運転者の運転傾向を検出することを特徴とする請求項2記載の車両用情報提供装置。
【請求項4】
運転者特性検出手段は、運転者特性として運転者の時間余裕度を検出する時間余裕度検出手段を有する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の車両用情報提供装置。
【請求項5】
上記時間余裕度検出手段は、車両のドアが開いてから今回のエンジン始動までの時間、及び、現在のアクセルペダル及びブレーキペダルの操作頻度の少なくとも一つに基づいて、運転者の時間余裕度を検出することを特徴とする請求項4記載の車両用情報提供装置。
【請求項6】
上記提供情報制御手段は、上記情報提供手段が提供する情報の項目数を、運転者特性に応じて変更する
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の車両用情報提供装置。
【請求項7】
上記提供情報制御手段は、上記情報提供手段が提供する情報の提供方法を、運転者特性に応じて変更する
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の車両用情報提供装置。
【請求項8】
上記情報提供手段は、カーナビゲーションシステムに登録された目標対象物の検索結果を表示し、
上記提供情報制御手段は、目標対象物の優先させる検索条件を、運転者特性に応じて変更する
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の車両用情報提供装置。
【請求項9】
上記情報提供手段として、選択スイッチを表示するタッチパネル式の表示装置を有し、
上記提供情報制御手段は、上記表示装置に表示させる選択スイッチ数を、運転者特性に応じて変更する
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の車両用情報提供装置。
【請求項10】
車両の走行する道路の種類及び道路の混雑状況の少なくとも一方を検出する道路状況検出手段を備え、
上記提供情報制御手段は、上記運転者特性検出手段によって検出された運転者特性と、上記道路状況検出手段によって検出された道路種類及び道路混雑状況の少なくとも一方との組合せに応じて、上記情報提供手段が提供する情報を制御する
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の車両用情報提供装置。
【請求項11】
上記情報提供手段は、カーナビゲーションシステムによる進路情報を提供し、
上記提供情報制御手段は、上記情報提供手段が提供する進路情報を、運転者特性に応じて変更する
ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の車両用情報提供装置。
【請求項12】
上記情報提供手段は、進路情報を表示する表示装置と、ハンドルの一部分又は全体を振動させることにより進路情報を指示するハンドル振動装置とから構成され、
上記提供情報制御手段は、ハンドル振動装置に、運転者特性に応じた第1優先の進路情報を指示させ、かつ、表示装置に、上記第1優先の進路情報に加えて、第2優先の進路情報を表示させる
ことを特徴とする請求項11記載の車両用情報提供装置。
【請求項13】
車両の同乗者の状態を検出する同乗者状態検出手段を備え、
上記提供情報制御手段は、上記同乗者状況検出手段によって検出された同乗者状態に応じて、上記情報提供手段が提供する情報を制御する
ことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の車両用情報提供装置。
【請求項1】
車両の運転者へ情報を提供する情報提供手段と、
運転者に関する特性を検出する運転者特性検出手段と、
上記運転者特性検出手段によって検出された運転者特性に応じて、上記情報提供手段が提供する情報を制御する提供情報制御手段と
を備えることを特徴とする車両用情報提供装置。
【請求項2】
運転者特性検出手段は、運転者特性として運転者の運転傾向を検出する運転傾向検出手段を有する
ことを特徴とする請求項1記載の車両用情報提供装置。
【請求項3】
上記運転傾向検出手段は、運転傾向に関する質問に対する運転者の回答入力データ、カーナビゲーションシステムの過去のルート設定傾向、過去のアクティブ・クルーズ・コントロールの設定車間距離、及び、車両のスイッチ、アクセルペダル及びブレーキペダルの過去の操作傾向の少なくとも一つに基づいて、運転者の運転傾向を検出することを特徴とする請求項2記載の車両用情報提供装置。
【請求項4】
運転者特性検出手段は、運転者特性として運転者の時間余裕度を検出する時間余裕度検出手段を有する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の車両用情報提供装置。
【請求項5】
上記時間余裕度検出手段は、車両のドアが開いてから今回のエンジン始動までの時間、及び、現在のアクセルペダル及びブレーキペダルの操作頻度の少なくとも一つに基づいて、運転者の時間余裕度を検出することを特徴とする請求項4記載の車両用情報提供装置。
【請求項6】
上記提供情報制御手段は、上記情報提供手段が提供する情報の項目数を、運転者特性に応じて変更する
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の車両用情報提供装置。
【請求項7】
上記提供情報制御手段は、上記情報提供手段が提供する情報の提供方法を、運転者特性に応じて変更する
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の車両用情報提供装置。
【請求項8】
上記情報提供手段は、カーナビゲーションシステムに登録された目標対象物の検索結果を表示し、
上記提供情報制御手段は、目標対象物の優先させる検索条件を、運転者特性に応じて変更する
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の車両用情報提供装置。
【請求項9】
上記情報提供手段として、選択スイッチを表示するタッチパネル式の表示装置を有し、
上記提供情報制御手段は、上記表示装置に表示させる選択スイッチ数を、運転者特性に応じて変更する
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の車両用情報提供装置。
【請求項10】
車両の走行する道路の種類及び道路の混雑状況の少なくとも一方を検出する道路状況検出手段を備え、
上記提供情報制御手段は、上記運転者特性検出手段によって検出された運転者特性と、上記道路状況検出手段によって検出された道路種類及び道路混雑状況の少なくとも一方との組合せに応じて、上記情報提供手段が提供する情報を制御する
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の車両用情報提供装置。
【請求項11】
上記情報提供手段は、カーナビゲーションシステムによる進路情報を提供し、
上記提供情報制御手段は、上記情報提供手段が提供する進路情報を、運転者特性に応じて変更する
ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の車両用情報提供装置。
【請求項12】
上記情報提供手段は、進路情報を表示する表示装置と、ハンドルの一部分又は全体を振動させることにより進路情報を指示するハンドル振動装置とから構成され、
上記提供情報制御手段は、ハンドル振動装置に、運転者特性に応じた第1優先の進路情報を指示させ、かつ、表示装置に、上記第1優先の進路情報に加えて、第2優先の進路情報を表示させる
ことを特徴とする請求項11記載の車両用情報提供装置。
【請求項13】
車両の同乗者の状態を検出する同乗者状態検出手段を備え、
上記提供情報制御手段は、上記同乗者状況検出手段によって検出された同乗者状態に応じて、上記情報提供手段が提供する情報を制御する
ことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の車両用情報提供装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2007−246024(P2007−246024A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−75076(P2006−75076)
【出願日】平成18年3月17日(2006.3.17)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月17日(2006.3.17)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】
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