説明

車両用情報表示装置

【課題】ユーザに対して直感的に危険度や緊急度を認識させることができる車両用情報表示装置を提供する。
【解決手段】自車両のユーザに自車両の進行を妨げる可能性のある物体の存在を知らせるためのキャラクターを表示像としてウィンドシールド7に投影する際、その物体の危険度及び緊急度の少なくとも一方に応じてキャラクターの投影される大きさ、投影される位置、形状、色彩、及び表情などを変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用情報表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ヘッドアップディスプレイ(HUD)に警報を表示する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1に開示されている運転支援装置によれば、例えば、前方車の接近に伴いHUDにてウィンドシールドに警報を重畳表示するとともに、警報を補足する情報として前方車との距離も表示する。
【特許文献1】特開2003−231449号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述したように、従来の技術は、警報とその補足情報として前方車との距離が表示されるのみであるため、前方車に対する危険度や緊急度が直感的に認識しにくい問題がある。
【0004】
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたもので、ユーザに対して直感的に危険度や緊急度を認識させることができる車両用情報表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の車両用情報表示装置は、自車両のウィンドシールドに投影された表示像を、自車両の外部の景色とともに自車両の乗員に視認させるものであって、
自車両の進行を妨げる可能性のある物体の物体情報を取得する物体情報取得手段と、
物体情報取得手段の取得した物体情報に基づいて、物体の危険度、及び緊急度の少なくとも一方を判別する判別手段と、
自車両の乗員に物体の存在を知らせるためのキャラクターを表示像としてウィンドシールドに投影する際、判別手段の判別した危険度及び緊急度の少なくとも一方に応じて、キャラクターの表示態様を変更する表示制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0006】
このように、自車両の外部の景色として運転中の乗員が見ることの少ないキャラクターをウィンドシールドに投影することで、自車両の乗員の注意をキャラクターに向けさせることが可能となり、さらに、物体の危険度や緊急度に応じてキャラクターの表示態様を変更することで、その表示態様の変化から、乗員(ユーザ)は、直感的に、物体の危険度や緊急度を認識することができるようになる。
【0007】
キャラクターの表示態様を変更する際、請求項2に記載のように、表示制御手段は、ウィンドシールドに投影されるキャラクターの大きさ、位置、形状、色彩、及び表情の少なくとも1つを変更することで、物体の危険度や緊急度の程度が容易に認識されるようになる。
【0008】
請求項3に記載の車両用情報表示装置によれば、表示制御手段は、
危険度が高いほどキャラクターの大きさが拡大されるように変更し、
危険度が低いほどキャラクターの大きさが縮小されるように変更する、
ことを特徴とする。
【0009】
これにより、キャラクターの大きさの変化から、自車両の進行を妨げる可能性のある物体の危険度を乗員に認識させることができる。
【0010】
請求項4に記載の車両用情報表示装置は、
自車両の乗員の視線方向を検出する視線検出手段と、
視線検出手段の検出した視線方向から、この視線方向の延長線上にあるウィンドシールドにおける視線位置を特定する視線位置特定手段と、
物体情報取得手段の取得した物体情報から、乗員の位置からウィンドシールドを透過して視認される物体のウィンドシールドにおける物体位置を特定する物体位置特定手段と、を備え、
表示制御手段は、視線位置特定手段の特定した視線位置が物体位置と一致しない位置である場合、キャラクターが視線位置から物体位置に移動して投影されるように変更することを特徴とする。
【0011】
これにより、自車両の乗員が自車両の進行を妨げる可能性のある物体に視線を向けていない場合に、その物体の存在する方向へ視線を誘導することが可能となる。
【0012】
請求項5に記載の車両用情報表示装置によれば、表示制御手段は、緊急度が高いほど、キャラクターが視線位置から物体位置へ速く移動して投影されるように変更することを特徴とする。これにより、キャラクターの移動する速さによって、自車両の進行を妨げる可能性のある物体に対する緊急度を乗員に認識させることができる。
【0013】
請求項6に記載の車両用情報表示装置は、
自車両の乗員の視線方向を検出する視線検出手段と、
視線検出手段の検出した視線方向から、この視線方向の延長線上にあるウィンドシールドにおける視線位置を特定する視線位置特定手段と、
物体情報取得手段の取得した物体情報から、乗員の位置からウィンドシールドを透過して視認される物体のウィンドシールドにおける物体位置を特定する物体位置特定手段と、を備え、
表示制御手段は、所定の危険度以上の危険度を有する物体が複数存在する場合、両手に矢印を所持したキャラクターを視線位置に投影した後、矢印の方向が複数の物体の各々に対応する物体位置に向かって投影されるように、そのキャラクターの所持した矢印の形状を変更することを特徴とする。
【0014】
これにより、乗員の視線位置に対して、自車両の進行を妨げる可能性のある物体がどちらの方向に存在するのかを乗員に認識させることができる。
【0015】
請求項7に記載の車両用情報表示装置によれば、表示制御手段は、危険度が高いほど、矢印の大きさが拡大されるように変更することを特徴とする。これにより、矢印の大きさが拡大されることによって、自車両の進行を妨げる可能性のある物体の危険度の増加を乗員に認識させることができる。
【0016】
請求項8に記載の車両用情報表示装置は、
自車両の現在位置、進行方向、及び車速を含む自車両情報を取得する自車両情報取得手段を備え、
物体情報取得手段は、物体情報として、物体の現在位置、移動方向、及び移動速度を含むものであり、
判別手段は、
自車両情報と物体情報とに基づいて、物体と自車両とが衝突すると予想される衝突予想地点、物体及び自車両の各々が衝突予想地点に到達する到達予想時間を算出する算出手段を備え、
物体の到達予想時間と自車両の到達予想時間との時間差が無い場合に危険度は最も高いと判別し、当該時間差が大きいほど危険度が低くなるように判別し、
物体の到達予想時間と自車両の到達予想時間との時間差が所定時間よりも短いために、物体と自車両とが接触する可能性がある場合、自車両の到達予想時間が短いほど緊急度が高くなるように判別し、自車両の到達予想時間が長いほど緊急度が低くなるように判別することを特徴とする。
【0017】
これにより、自車両の進行を妨げる可能性のある物体の危険度や緊急度を、衝突予想地点に対する到達予想時間に基づいて具体的に判別することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明である車両用情報表示装置の実施形態について図面を用いて説明する。本実施形態の車両用情報表示装置は、自動車などに搭載されて用いられるものであり、図1のブロック図に示すように、DSRC車載器2、ナビ装置3、視線検出器4、制御ECU5、及びヘッドアップディスプレイ(以下、HUD)6を備える。
【0019】
DSRC車載器2は、自車両に搭載され、図示しない路側機(路側に設置された無線装置)の路上アンテナ1を介して、路側機との間で狭域通信(Dedicated Short Range Communication)を行う。この通信により、DSRC車載器2は、路側機から、自車両の周囲の存在するため、自車両の進行を妨げる可能性のある歩行者、自転車や原動機付き自転車を含む二輪車、他の自動車(他車両)などの物体の現在位置(緯経度などの絶対座標や、DSRCの通信領域に設けた任意座標系における任意座標で表される)、移動方向(真北方向を0度0分0秒としたときの方向角などで表される)、及び移動速度(例えば、メートル/秒を単位とする)からなる物体情報を受信する。この受信した物体情報は、制御ECU5へ出力される。また、物体情報とは別に、道路の交通渋滞情報も受信することができる。
【0020】
ナビ装置3は、周知のカーナビゲーション装置であり、自車両の現在位置、進行方向角、車速を検出する検出機能、該検出機能で検出した自車両の現在位置とその周辺の道路地図を表示する現在位置表示機能、目的地までの最適な経路を探索する経路探索機能、経路探索機能で探索した経路を案内する経路案内機能などを備える。ナビ装置3は、予め決められた一定のタイミングで、検出機能によって検出された自車両の現在位置、進行方向角、車速(以下、これらを自車両情報と呼ぶ)を制御ECU5へ出力する。
【0021】
視線検出器4は、自車両の室内に搭載されたカメラ(図示せず)で撮像した自車両の乗員(ユーザ)の顔画像からユーザの視線方向を一定のタイミングで繰り返し検出するものであり、その検出した視線方向(例えば、自車両の前後方向をX軸、左右方向をY軸、上下方向をZ軸とし、ユーザの目の位置をX−Y−Z座標の原点としたときの単位ベクトル(ex、ey、ez)で表される)を制御ECU5へ出力する。
【0022】
制御ECU5は、DSRC車載器2、ナビ装置3、及び視線検出器4から各々出力される各種データを入力し、その入力したデータを元に、自車両の進行を妨げる可能性のある上記物体の危険度及び緊急度を判別する。そして、この判別結果に応じて、図2に示す自車両のウィンドシールド7のほぼ全範囲に設定された表示領域に、HUD6によって投影される表示像としてのキャラクターの大きさ、位置、形状、色彩、表情などを変更する。
【0023】
HUD6は、上述したように、自車両のウィンドシールド7のほぼ全範囲に設定された表示領域にキャラクターを投影するものであり、自車両のダッシュボードなどに埋め込まれて搭載される。HUD6は、視線検出器4の検出結果を元にキャラクターの投影位置を調整する。
【0024】
続いて、制御ECU5の動作について詳しく説明する。先ず、制御ECU5は、DSRC車載器2から入力した物体情報と、ナビ装置3から入力した自車両情報とに基づいて、物体と自車両とが衝突する衝突予想地点を算出するとともに、物体と自車両の各々がこの衝突予想地点に到達する到達予想時間を算出する。なお、衝突予想地点は、物体の移動方向及び自車両の進行方向から幾何学的に算出することができるが、物体の移動方向、及び自車両の進行方向の各々の方向に延びる道路の形状を加味することで、双方の道路が交差する道路上の地点を算出するようにしてもよい。
【0025】
また、到達予想時間については、物体の移動方向と自車両の進行方向、及び物体の移動速度と自車両の車速が変わることに伴って到達予想時間も変動することから、最新の物体情報と自車両情報から物体の自車両の各々の到達予想時間を逐次算出して、更新するとよい。
【0026】
制御ECU5は、衝突予想地点と到達予想時間を算出すると、この到達予想時間から物体の危険度と緊急度を判別する。具体的には、物体の到達予想時間と自車両の到達予想時間との時間差が無い(ほぼ±0秒)である場合に、物体の危険度は最も高いレベル(例えば、0〜5の6段階で表す場合には危険度5)と判別し、この時間差が大きいほど、危険度が低くなるように判別する。なお、この時間差が所定時間よりも長い場合には、衝突地点にて衝突する可能性が無い(危険度0)とするとよい。
【0027】
また、この時間差が所定時間よりも短いために、衝突地点にて物体と自車両とが衝突する可能性がある(危険度1以上の)場合、自車両の到達予想時間が短いほど物体に対する自車両の緊急度が高くなるように判別し、この自車両の到達予想時間が長いほど緊急度が低くなるように判別する。これにより、自車両の進行を妨げる可能性のある物体の危険度や緊急度を具体的に判別することが可能となる。
【0028】
制御ECU5は、物体の危険度と緊急度が判別され、危険度1以上と判別された物体が存在する場合には、視線検出器4の検出した視線方向から、この視線方向の延長線上にあるウィンドシールド7における視線位置を特定する。また、危険度1以上と判別された物体の物体情報、自車両情報、及び上記視線方向から、ユーザの目の位置からウィンドシールド7を透過して視認される、危険度1以上と判別された物体のウィンドシールド7における物体位置を特定する。
【0029】
そして、制御ECU5は、自車両のユーザに、危険度1以上の物体の存在を知らせるためのキャラクター(図3)をウィンドシールド7における視線位置に投影する。加えて、危険度1以上の物体の危険度、及び緊急度の少なくとも一方に応じて、図3に示したキャラクターの表示態様(キャラクターの大きさ、ウィンドシールド7における投影位置、形状、色彩、及び表情など)を変更する。
【0030】
図3に示すキャラクターは、複数のBone(骨)が連結されることで構成され、それぞれ、頭グループ、腕・手グループ、足グループ毎に、モーションキャプチャデータで動作を設定することができる。キャラクターは、その両手(図3、図4では右手のみ)に矢印を所持し、この矢印が上記物体位置の方向を向くように設定される。
【0031】
このキャラクターは、その投影する大きさを変更することが可能であり、キャラクターを投影した後、危険度1以上と判別された物体の危険度を下げるユーザの運転操作(衝突を回避するための運転操作)が取られない場合、その危険度は高くなる(増加する)ため、その危険度が高まるほど、キャラクターが投影される大きさが拡大されるように変更する。一方、危険度1以上と判別された物体の危険度を下げるユーザの運転操作(衝突を回避するための運転操作)が取られる場合、危険度が低くなる(減少する)ため、その危険度が低くなるほど、キャラクターが投影される大きさが縮小されるように変更する。これにより、ウィンドシールド7に投影されるキャラクターの大きさの変化から、自車両の進行を妨げる可能性のある物体の危険度(の変化)をユーザに認識させることができる。
【0032】
また、このキャラクターは、ウィンドシールド7における投影位置を変更することが可能であり、視線位置と物体位置とが一致しない位置である場合には、キャラクターを視線位置に投影した後、図5に示すように、キャラクターが視線位置から物体位置に移動して投影されるように、その投影位置を変更する。これにより、自車両のユーザが自車両の進行を妨げる可能性のある物体に視線を向けていない場合に、その物体の存在する方向へ視線を誘導することが可能となる。なお、その物体の緊急度が高いほど、キャラクターが視線位置から物体位置へ速く移動して投影されるように変更することで、キャラクターの移動する速さによって、自車両の進行を妨げる可能性のある物体に対する緊急度をユーザにに認識させることができる。
【0033】
また、このキャラクターは、その所持する矢印の形状を変更することが可能であり、例えば、図6(a)に示すように、危険度1以上と判別された物体の物体位置がウィンドシールド7において2つある場合には、図6(a)に示すように、両手に矢印を所持したキャラクターを視線位置に投影した後、その2つの矢印の各々の方向が、2つの物体位置の各々に向かって投影されるように、その矢印の形状(向き)を変更する。
【0034】
これにより、ユーザの視線位置に対して、自車両の進行を妨げる可能性のある物体がどちらの方向に存在するのかを認識させることができる。また、物体の危険度を下げるユーザの運転操作(衝突を回避するための運転操作)が取られない場合には危険度が高くなる(増加する)ため、図6(b)に示すように、その危険度が高くなるほど、矢印の大きさが拡大されるように変更してもよい。これにより、矢印の大きさが拡大されることによって、自車両の進行を妨げる可能性のある物体の危険度の増加をユーザに認識させることができる。
【0035】
さらに、このキャラクターは、その表示色の色彩を変更することができる。例えば、物体の危険度や緊急度が低い場合には表示色を青色や水色とし、危険度や緊急度が高くなった場合には表示色を黄色や赤色に変色させて、ユーザが直感的に危険度や緊急度を認識できるようにしてもよい。
【0036】
このほか、このキャラクターは、図7(a)〜(c)に示すように、その表情を危険度に応じて変更することができる。例えば、図7(a)に示すように、自車両が比較的「安全」な場合(危険度:低)には、キャラクターの目が白く光る表情とし、図7(b)に示すように、ユーザに「注意」を要する場合(危険度:中程度)には、キャラクターの目は白く光らせず、口が「へ」の字の表情とする。また、図7(c)に示すように、自車両が「危険」な場合(危険度:高)には、目が点、口が大きい「へ」の字の表示に加えて、びっくりマークを追加する。
【0037】
以上のように構成される車両用情報表示装置の動作について、図8に示すフローチャートを用いて説明する。先ず、図8に示すステップS1では、DSRC車載器2の受信した物体情報を取得する。ステップS2では、視線検出器4からユーザの視線方向の検出結果を取得する。ステップS3では、ナビ装置3から自車両情報を取得する。
【0038】
ステップS4では、自車両の進行を妨げる可能性のある物体の危険度及び緊急度を判別し、危険度1以上の物体があるかどうかを判定する。このステップS4にて肯定判定した場合にはステップS5へ処理を進め、上述したように、物体の危険度や緊急度に応じたキャラクターをウィンドシールド7に投影する。一方、ステップS4にて否定判定した場合にはステップS1へ処理を進め、上述した処理を繰り返す。
【0039】
以上説明した車両用情報表示装置により、自車両の外部の景色として運転中のユーザが見ることのないキャラクターをウィンドシールド7に投影させることで、自車両のユーザの注意をキャラクターに向けさせることが可能となる。さらに、自車両の進行を妨げる可能性のある物体の危険度や緊急度に応じてキャラクターの表示態様を変更することで、その表示態様の変化から、ユーザは、直感的に、その物体の危険度や緊急度を認識することができるようになる。そして、キャラクターの表示態様を変更する際、ウィンドシールドに投影されるキャラクターの大きさ、位置、形状、色彩、及び表情の少なくとも1つを変更することで、物体の危険度や緊急度の程度が容易に認識されるようになる。
【0040】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することができる。
【0041】
例えば、本実施形態では、ウィンドシールド7に投影するキャラクターの大きさについては、危険度が高いほどキャラクターが投影される大きさが拡大されるように変更したり、危険度が低いほどキャラクターが投影される大きさが縮小されるように変更するものであるが、図9に示すように、衝突予想地点としての交差点までの距離に応じて、キャラクターの大きさを変更するようにしてもよい。すなわち、自車両から交差点までの距離が長い(遠い)場合には、交差点付近に投影するキャラクターを小さくし、自車両から交差点までの距離が短い(近い)場合には、交差点付近に投影するキャラクターを大きくする。このようにすることで、危険位置までの遠近感を出すことができる。
【0042】
また、例えば、本実施形態では、危険度1以上の物体がある場合にキャラクターをウィンドシールド7に投影するものであるが、図10(a)、(b)に示すように、各種の案内の際にキャラクターを投影してもよい。図10(a)は、交差点で停止中の自車両のユーザに対して渋滞情報に基づく案内情報(直進すると渋滞にはまるよ。左折が早そう。)を提供したり、交差点を右・左折する際に危険な物体があれば、「左折注意、後ろから二輪車接近中」などのように、注意を促したりするために利用してもよい。
【0043】
また、図10(b)に示すように、自車両前方が大型車両でふさがれ、信号機が視認しにくい場合には、キャラクターを投影して、信号の色をユーザに知らせるようにしてもよい。なお、信号機が視認しにくいかどうかは、大型車両との車間距離が一定距離以下の短い距離であるならば、視認しにくいと判断すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】車両用情報表示装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】自車両の室内からみたウィンドシールド7を示す図である。
【図3】モーションキャプチャデータで動作が設定されるキャラクターの構成を示す図である。
【図4】矢印を所持したキャラクターを示す図である。
【図5】キャラクターを視線位置から物体位置に移動して投影されるように、その投影位置を変更する場合を示した図である。
【図6】(a)は、危険度1以上と判別された物体の物体位置がウィンドシールド7において2つある場合、両手に矢印を所持したキャラクターを視線位置に投影した図であり、(b)は、物体の危険度が高くなるほど、その矢印の大きさが拡大されるように変更した場合の図である。
【図7】(a)〜(c)は、キャラクターの表情の変更例である。
【図8】車両用情報表示装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図9】危険な位置に対する遠近感を出すときの表示例である。
【図10】(a)、(b)は交差点停止中に案内するときの表示例である。
【符号の説明】
【0045】
1 路上アンテナ
2 DSRC車載器
3 ナビ装置
4 視線検出器
5 制御ECU
6 ヘッドアップディスプレイ(HUD)
7 ウィンドシールド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両のウィンドシールドに投影された表示像を、前記自車両の外部の景色とともに前記自車両の乗員に視認させる車両用情報表示装置であって、
前記自車両の進行を妨げる可能性のある物体の物体情報を取得する物体情報取得手段と、
前記物体情報取得手段の取得した物体情報に基づいて、前記物体の危険度、及び緊急度の少なくとも一方を判別する判別手段と、
前記自車両の乗員に前記物体の存在を知らせるためのキャラクターを前記表示像として前記ウィンドシールドに投影する際、前記判別手段の判別した危険度及び緊急度の少なくとも一方に応じて、前記キャラクターの表示態様を変更する表示制御手段と、を備えることを特徴とする車両用情報表示装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記ウィンドシールドに投影されるキャラクターの大きさ、位置、形状、色彩、及び表情の少なくとも1つを変更することを特徴とする請求項1記載の車両用情報表示装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、
前記危険度が高いほど前記キャラクターの大きさが拡大されるように変更し、
前記危険度が低いほど前記キャラクターの大きさが縮小されるように変更する、
ことを特徴とする請求項2記載の車両用情報表示装置。
【請求項4】
前記自車両の乗員の視線方向を検出する視線検出手段と、
前記視線検出手段の検出した視線方向から、該視線方向の延長線上にある前記ウィンドシールドにおける視線位置を特定する視線位置特定手段と、
前記物体情報取得手段の取得した物体情報から、前記乗員の位置から前記ウィンドシールドを透過して視認される前記物体の前記ウィンドシールドにおける物体位置を特定する物体位置特定手段と、を備え、
前記表示制御手段は、前記視線位置特定手段の特定した視線位置が前記物体位置と一致しない位置である場合、前記キャラクターが前記視線位置から前記物体位置に移動して投影されるように変更することを特徴とする請求項2記載の車両用情報表示装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記緊急度が高いほど、前記キャラクターが前記視線位置から前記物体位置へ速く移動して投影されるように変更することを特徴とする請求項4記載の車両用情報表示装置。
【請求項6】
前記自車両の乗員の視線方向を検出する視線検出手段と、
前記視線検出手段の検出した視線方向から、該視線方向の延長線上にある前記ウィンドシールドにおける視線位置を特定する視線位置特定手段と、
前記物体情報取得手段の取得した物体情報から、前記乗員の位置から前記ウィンドシールドを透過して視認される前記物体の前記ウィンドシールドにおける物体位置を特定する物体位置特定手段と、を備え、
前記表示制御手段は、所定の危険度以上の危険度を有する前記物体が複数存在する場合、両手に矢印を所持した前記キャラクターを前記視線位置に投影した後、前記矢印の方向が前記複数の物体の各々に対応する前記物体位置に向かって投影されるように、そのキャラクターの所持した矢印の形状を変更することを特徴とする請求項2記載の車両用情報表示装置。
【請求項7】
前記表示制御手段は、前記危険度が高いほど、前記矢印の大きさが拡大されるように変更することを特徴とする請求項6記載の車両用情報表示装置。
【請求項8】
前記自車両の現在位置、進行方向、及び車速を含む自車両情報を取得する自車両情報取得手段を備え、
前記物体情報取得手段は、前記物体情報として、前記物体の現在位置、移動方向、及び移動速度を含むものであり、
前記判別手段は、
前記自車両情報と前記物体情報とに基づいて、前記物体と前記自車両とが衝突すると予想される衝突予想地点、前記物体及び前記自車両の各々が前記衝突予想地点に到達する到達予想時間を算出する算出手段を備え、
前記物体の到達予想時間と前記自車両の到達予想時間との時間差が無い場合に前記危険度は最も高いと判別し、当該時間差が大きいほど前記危険度が低くなるように判別し、
前記物体の到達予想時間と前記自車両の到達予想時間との時間差が所定時間よりも短いために、前記物体と前記自車両とが接触する可能性がある場合、前記自車両の到達予想時間が短いほど前記緊急度が高くなるように判別し、前記自車両の到達予想時間が長いほど前記緊急度が低くなるように判別することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の車両用情報表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2009−9446(P2009−9446A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−171542(P2007−171542)
【出願日】平成19年6月29日(2007.6.29)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】