説明

車両用操舵装置及び荷役車両

【課題】操舵角に対する反力特性を適切に設定することにより、運転者の操舵負担を低減することができる車両用操舵装置及び荷役車両を提供する。
【解決手段】操舵部材10の操舵角を検出する操舵角検出部13と、操舵部材10に操舵反力を付与する反力アクチュエータ15と、少なくとも操舵角検出部13によって検出された操舵角の関数として操舵反力を設定し、その設定された操舵反力を実現するように前記反力アクチュエータ15を制御する反力アクチュエータ制御部16とを備え、反力アクチュエータ制御部16は、操舵角検出部13によって検出された操舵角が第1の切替角θh1以下の第1の舵角領域Iにあるか、第1の切替角θh1を超える第2の舵角領域IIにあるかを判定し、操舵角が第1の舵角領域Iにあるときに操舵角の増加に伴って操舵反力を最大値まで立ち上げ、操舵角が第2の舵角領域IIに入ると操舵角の増加に伴って操舵反力が前記最大値から単調に減少するように反力アクチュエータを制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォークリフトなどの荷役車両に用いる車両用操舵装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
フォークリフトは直角に近いコーナーを旋回することが多い。このような直角に近いコーナーを旋回する際、フォークリフトは後輪が転舵輪になっているので、小舵角で前部(フォーク部分)を軽く旋回方向に向けてから、急操舵で後部をコーナー外側に振るという、フォークリフト特有の操舵操作をする。
一方、フォークリフトは、運転室に設けられた操舵部材と転舵輪である後輪との間の機械的な連結が断たれた、いわゆるステアバイワイヤ式のパワーステアリング装置が採用される。したがって、後輪から操舵部材に返される反力は本来ない。そこで従来、操舵側で模擬の反力を作って運転者に返していた。
【0003】
またステアリングの操舵角と、転舵輪の転舵角との比であるストロークレシオは、従来から比例関係に設定されていた(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-264833号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
フォークリフトにおいては、その用途上、操舵角の範囲が広く、かつ、操舵の頻度も高い。そのため、運転者のハンドル操作量が大きく負担が大きい。
操舵側で作られる模擬の反力は、図4の「従来特性」のグラフに示すように、ある舵角までは舵角とともにリニアに増大し、その舵角を超えれば一定値を保持するという特性がある。このため、旋回の初期は、反力が小さすぎて操舵力が反力に打ち勝って、操舵角が、運転者の意図する操舵角よりも大きくなってしまうことが多い。また旋回の後期には、急操舵をしなければならないが、大きな反力にさからって急操舵するのに力が必要となり、運転者に作業負担を強いていた。このため、作業効率下がるという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、操舵角に対する反力特性を適切に設定することにより、運転者の操舵負担を低減することができる車両用操舵装置及び荷役車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の車両用操舵装置は、転舵輪を転舵させる転舵輪駆動機構と、操舵部材の操舵角を検出する操舵角検出部と、前記操舵部材に操舵反力を付与する反力アクチュエータと、前記転舵輪駆動機構を駆動する転舵アクチュエータと、前記転舵アクチュエータを制御する転舵アクチュエータ制御部と、操舵角が第1の切替角以下の第1の舵角領域にあるか、第1の切替角を超える第2の舵角領域にあるかを判定する操舵領域判定部と、操舵角が第1の舵角領域にあるときに操舵角の増加に伴って操舵反力を最大値まで立ち上げ、操舵角が第2の舵角領域に入ると操舵角の増加に伴って操舵反力が前記最大値から単調に減少するように前記反力アクチュエータを制御する反力アクチュエータ制御部とを備えるものである。
【0008】
この構成によれば、コーナーを旋回する場合、小舵角で前部を軽く旋回方向に向ける際に操舵角が存在する領域を第1の舵角領域に設定すれば、この領域では、操舵角の増加に伴って操舵反力が最大値まで立ち上がっているので、運転者はハンドルを回しながら大きな反力を感じることになる。したがって運転者の意図を超えてハンドルを回しすぎるという恐れが少ない。急操舵で後部をコーナー外側に振る際に操舵角が存在する領域を第2の舵角領域に設定すれば、この領域では、操舵角の増加に伴って操舵反力が最大値から単調に減少しているので、運転者はハンドルを回すに連れて、反力が減少していくのを感じる。したがって、運転者は少ない力で車両の操舵ができるので、運転者の操舵負担を低減することができる。
【0009】
前記第1の切替角よりも大きな第2の切替角が設定され、前記転舵アクチュエータ制御部は、操舵角に対する転舵角の比は、操舵角が前記第1の切替角から前記第2の切替角までは、第1の傾きをとり、操舵角が前記第2の切替角以上では前記第1の傾きよりも小さな第2の傾きをとるように前記転舵アクチュエータを制御することが好ましい。従来の技術であれば第1の傾きも第2の傾きも同じ値であったが、本発明では、第1の傾き>第2の傾きとなるので、第2の舵角領域の前半(第1の切替角から第2の切替角まで)で、ストロークレシオが大きく急操舵がしやすくなる。第2の舵角領域の後半(第2の切替角以上)ではストロークレシオは小さくなり操舵は緩やかになる。従って、前述のように、第2の舵角領域にあるときに、操舵角の増加に伴って操舵反力が最大値から単調に減少していくという設定と協働させることにより、運転者は少ない力で急操舵ができるので、運転者の操舵負担を低減することができる。
【0010】
また本発明の荷役車両は、前述した車両用操舵装置を装備したものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】フォークリフトの概略構成を示す模式的側面図である。
【図2】車両用操舵装置の全体を示す構成図である。
【図3】反力系ECU16によって反力制御するための制御ブロック図である。
【図4】反力トルク−操舵角特性記憶部B4に記憶された操舵角θhと目標反力トルクとの関係を図示するグラフである。
【図5】転舵系ECU22によって制御される転舵制御ブロック図である。
【図6】転舵角−操舵角特性記憶部C4に記憶された操舵角θhと目標転舵角との関係(ストロークレシオ)を図示するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の荷役車両としてのフォークリフト1の概略構成を示す模式的側面図である。フォークリフト1は、車体2と、その車体2の前部に設けられた荷役装置3と、車体2を支持する駆動輪としての前輪5及び転舵輪としての後輪6と、後輪6を転舵させるための車両用操舵装置7とを備えている。
【0013】
車両用操舵装置7は、運転室8に設けられた操舵部材10と転舵輪である後輪6との間の機械的な連結が断たれた、いわゆるステアバイワイヤ式のパワーステアリング装置である。本実施形態では、操舵部材10は、ノブ10a付きの手回しステアリングホイールであり、運転者は、ステアリングホイールに回転可能に設けられたノブ10aを把持し、ステアリングホイールを回転させたり止めたりする。
【0014】
図2は、車両用操舵装置7の全体を示す構成図である。車両用操舵装置7は、操舵部材10が連結されたシャフト11と、シャフト11を回転自在に支持する円筒状のコラム12と、操舵部材10の操舵角θhを検出する操舵角センサ13と、コラム12の中に配置され操舵部材10の操舵トルクを検出する操舵トルクセンサ14と、ギヤ17を介して操舵部材10に操舵反力を付与する反力アクチュエータとして機能する反力モータ15と、反力モータ15を駆動制御する反力系ECU16(電子制御ユニット)16とを備えている。操舵トルクセンサ14は、シャフト11の中間に介装されたトーションバーの捩れ角を検出することにより操舵トルクを検出する。操舵角センサ13は操舵部材10のシャフト11の外周に取り付けられた磁石の磁気をホールセンサで検出することによりシャフト11の回転角を検出する。なおこの実施形態では、操舵角センサ13は操舵部材10の中立位置から操舵部材10の正逆両方向への回転角を検出するものであり、中立位置から右方向への回転角を正の値として出力し、中立位置から左方向への回転角を負の値として出力するものとする。反力モータ15はシャフト11と別軸に設置され、ギヤ17によって決まる所定のギヤ比でシャフト11を回転駆動する直流モータである。なお反力モータ15は、コラム同軸に配置されていても良い。
【0015】
また車両用操舵装置7は、車体に保持され、車両の左右方向に延びる転舵軸としてのラック軸17と、ラック軸17を移動可能に支持するラック支持体18と、ラック軸17を移動させる転舵モータ19と、転舵モータ19を駆動制御する転舵系ECU22と、後輪6の転舵位置(本明細書では「転舵角」という)を検出する転舵角センサ20とを備えている。転舵モータ19は、ラック支持体18の中に内蔵されているラック同軸型の直流モータである。転舵モータ19の回転運動は、ラック支持体18に内蔵されている転舵ギヤを介してラック軸17の往復運動に変換され、ラック軸17の一対の端部にそれぞれ連結されたタイロッド21L,21Rを介して後輪6に伝達され、これにより後輪6が転舵される。転舵角センサ20は、ラック軸17の変位位置と後輪6の転舵角とが対応することを利用して、ラック軸17の変位位置をストロークセンサで検出することで、後輪6の転舵角を検出している。
【0016】
また操舵部材10の操作に応じて後輪6を転舵させるため、反力系ECU16と転舵系ECU22とは車内LAN(例えばCAN)によって接続されている。
さらに前輪5又は後輪6のロータには、車輪の回転速度を検出する車輪速センサ34が取り付けられている。車輪速センサ34は、車輪のロータの回転速度を光学的に読み取るセンサであって、読み取った回転速度に、タイヤの有効回転半径をかけることにより、車速vを検出する。
【0017】
転舵系ECU22は、操舵角センサ13によって検出された操舵角に基づいて転舵モータ19を回転駆動する。転舵モータ19の回転は、転舵ギヤを介してラック軸17の往復運動に変換され、ラック軸17の一対の端部にそれぞれ連結されているタイロッド21L,21Rを介して後輪6に伝達され、これにより後輪6が転舵される。
図3は反力系ECU16によって制御される反力制御ブロック図を示す。反力系ECU16の目標反力電流算出部B1には、操舵角センサ13から検出操舵角θhを表す操舵角信号が車内LANを経由して入力される。
【0018】
不揮発性メモリからなる反力トルク−操舵角特性記憶部B4は、操舵角θhと目標反力トルクとの関係を関数として記憶している。
図4の「提案特性」のグラフは、反力トルク−操舵角特性記憶部B4に記憶された操舵角θhと目標反力トルクとの関係を図示している。このグラフにおいて、第1の切替角θh1が設定され、操舵角が第1の切替角θh1以下の第1の舵角領域Iにあるときに操舵角の増加に伴って目標反力トルクを最大値まで立ち上げ、操舵角が第1の切替角θh1を超えた第2の舵角領域IIに入ると操舵角の増加に伴って目標反力トルクが前記最大値から単調に減少するようになっている。目標反力トルクは上限操舵角θh3において、第2の舵角領域IIの範囲内で最も低い値をとる。なお「上限操舵角θh3」はこれ以上操舵部材10を回すことができない角度のことである。
【0019】
第1の切替角θh1は例えば操舵角90度に設定され、上限操舵角θh3は例えば810度に設定されている。目標反力トルクは、第1の切替角θh1である操舵角90度のときに最大値0.6Nmをとるようにされ、上限操舵角810度のときに最低値0.15Nmをとるようにされている。後述する操舵角と後輪6の転舵角との関係(図6の「提案特性」のグラフ参照)を用いて、操舵角90度を転舵角に換算すると8度となる。上限操舵角810度を転舵角に換算すると75度となる。
【0020】
この実施例では第1の切替角θh1はタイヤの転舵角に換算して8度に設定されているが、8度に限定されるものではない。第1の切替角θh1は、旋回初期に回される舵角を目安として選定すればよく、例えばタイヤの転舵角に換算して5〜15度の範囲の中から選定すればよい。この範囲のうち、特に8〜10度の範囲から選ぶことが好ましい。
目標反力電流算出部B1は、前述した操舵角θhと目標反力トルクとの関係に基づいて、操舵角θhを目標反力電流に変換する。目標反力電流は、電流制御部B2に入力される。一方、反力モータ15に流れる電流Imが検出され、その反転信号が電流制御部B2に入力され、電流制御部B2で目標反力電流と反力モータ15に流れる電流Imとの差がとられて、この差がPWM出力回路B3に供給され、反力モータ15を駆動するためのPWM駆動信号が生成される。そしてこのPWM駆動信号を反力モータ15に供給することにより、反力モータ15→ギヤ17→シャフト11を介して、操舵部材10に反力トルクが与えられる。
【0021】
次に図5は、転舵系ECU22によって制御される転舵制御ブロック図を示す。転舵系ECU22の目標転舵角算出部C1には、操舵角センサ13から検出操舵角θhを表す操舵角信号が車内LANを経由して入力される。
不揮発性メモリからなる転舵角−操舵角特性記憶部C4は、操舵角θhと目標転舵角との関係を関数として記憶している。
【0022】
図6は、転舵角−操舵角特性記憶部C4に記憶された操舵角θhと目標転舵角との関係(ストロークレシオ)を図示している。このグラフにおいて、第1の切替角θh1よりも大きく上限操舵角θh3よりも小さい第2の切替角θh2が設定され、操舵角に対する転舵角の比は、操舵角が前記第1の切替角θh1から前記第2の切替角θh2までの舵角領域II−1では、第1の傾きをとり、操舵角が前記第2の切替角θh2から上限操舵角θh3までの舵角領域II−2では前記第1の傾きよりも小さな第2の傾きをとる。すなわち、第1の切替角θh1から上限操舵角θh3まで転舵角同士を直線で結んだ傾き(従来特性)を「第三の傾き」とすると、第1の傾き>第三の傾き>第2の傾き、という不等式が成り立つ。
【0023】
第2の切替角θh2は例えば操舵角400度に設定されている。操舵角400度を目標転舵角に換算すると51度となる。なおこの実施例では第2の切替角θh2はタイヤの転舵角に換算して51度に設定されていたが、51度に限定されるものではない。第2の切替角θh2は、第1の切替角θh1と上限操舵角との間から選定すればよい。
このように設定すれば、フォークリフトが直角コーナリングした後の荷物の積み下ろし(荷役作業)に際して、荷物の前で停車した際の操舵角がII−2の領域にあるので、荷役作業を始める時のフォーク先端の左右方向の微調整操舵(切り込んだり、戻したり)をII−2領域で行う際に、操舵のレシオがスローなので作業がしやすくなる。
【0024】
なお、車両の速度vに応じて、速度vが速いほどストロークレシオを全体的に小さくし、速度vが遅いほどストロークレシオを全体的に大きくする、という設定も可能である。
目標転舵角算出部C1は、前述した操舵角θhと目標転舵角との関係に基づいて、操舵角θhを目標転舵角に変換する。目標転舵角の信号は、電流制御部C2に入力される。一方、転舵角センサ20によって後輪6の転舵角が検出され、その反転信号が電流制御部C2に入力され、電流制御部C2で目標転舵角と後輪6の転舵角検出値との差がとられて、この差がPWM出力回路C3に供給され、転舵モータ19を駆動するためのPWM駆動信号が生成される。そしてこのPWM駆動信号を転舵モータ19に供給することにより、その回転がラック軸17の平行運動に変換され、タイロッド21L,21Rを介して後輪6に伝達され、これにより後輪6が転舵される。
【0025】
以上のように本発明の実施形態によれば、フォークリフト1の運転者は、車両旋回時の旋回初期、すなわち第1の舵角領域Iにあるとき、操舵部材10を回し始めて、第1の切替角θh1までは大きな操舵反力を感じながらフォークリフト1を転舵させるので、小舵角で前部を軽く向けるという運転者の意図を超えて操舵部材10を回しすぎる恐れが少ない。そして旋回後期には、操舵角は第1の切替角θh1を超えた第2の舵角領域IIにある。このとき、操舵角の増加に伴って操舵反力が最大値から単調に減少しているので、運転者は操舵部材10を回すに連れて、反力が減少していくのを感じる。したがって運転者は、より少ない力で操舵部材10を回して、フォークリフト1の後部を容易に振ることができる。
【0026】
また第2の舵角領域IIの前半舵角領域II−1では、急レシオでフォークリフト1を転舵させることができ、後半舵角領域II−2では、緩やかなレシオでフォークリフト1を転舵させることができる。したがって、第1の切替角θh1から上限操舵角θh3まで転舵角同士を直線で結んだ従来の一定レシオに比べて、最大値から低下したとは言っても操舵反力が比較的大きな前半舵角領域II−1にあるときには、操舵部材10を少し回すだけで大きく旋回させることができる。操舵反力がより低下する後半舵角領域II−2にあるときには、操舵部材10をより多く回さなければならないが、操舵反力が低下しているので、運転者に与える負担は少ない。加えて、領域II−2において荷役作業をするときに、操舵のレシオがスローなので、フォーク先端の位置決め操作がしやすくなる。
【0027】
このように操舵角に応じて操舵反力の設定と、操舵角に応じた操舵レシオの設定とをともに採用することにより、運転者は少ない力で急操舵がしやすくなり、運転者の操舵負担を低減することができる。
以上で、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の実施は、上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、転舵輪として、車体2の左右にそれぞれ後輪6を設ける構成に代えて、単一の後輪6を車体2の左右方向の中央に設けてもよい。また、上述の実施形態では、転舵輪駆動機構として、転舵モータ19によって駆動するラック軸17を採用したが、電動式油圧ポンプによって駆動する油圧シリンダを採用しても良い。その他、本発明の範囲内で種々の変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0028】
1…フォークリフト(荷役車両)、2…車体、3…荷役装置、5…前輪(駆動輪)、6…後輪(転舵輪)、7…車両用操舵装置、10…操舵部材、13…操舵角センサ、14…操舵トルクセンサ、15…反力モータ、16…操舵側ECU、17…ラック軸、19…転舵モータ、20…転舵角センサ、22…転舵側ECU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
転舵輪を転舵させる転舵輪駆動機構と、操舵部材の操舵角を検出する操舵角検出部と、前記操舵部材に操舵反力を付与する反力アクチュエータと、前記転舵輪駆動機構を駆動する転舵アクチュエータと、前記転舵アクチュエータを制御する転舵アクチュエータ制御部と、操舵角が第1の切替角以下の第1の舵角領域にあるか、第1の切替角を超える第2の舵角領域にあるかを判定する操舵領域判定部と、操舵角が第1の舵角領域にあるときに操舵角の増加に伴って操舵反力を最大値まで立ち上げ、操舵角が第2の舵角領域に入ると操舵角の増加に伴って操舵反力が前記最大値から単調に減少するように前記反力アクチュエータを制御する反力アクチュエータ制御部とを備える、車両用操舵装置。
【請求項2】
前記第1の切替角よりも大きな第2の切替角が設定され、
前記転舵アクチュエータ制御部は、操舵角に対する転舵角の比は、操舵角が前記第1の切替角から前記第2の切替角までは、第1の傾きをとり、操舵角が前記第2の切替角以上では前記第1の傾きよりも小さな第2の傾きをとるように前記転舵アクチュエータを制御する、請求項1記載の車両用操舵装置。
【請求項3】
前記第1の切替角は、転舵輪の転舵角に換算して、5〜15度である、請求項1又は請求項2記載の車両用操舵装置。
【請求項4】
前記第1の切替角は、転舵輪の転舵角に換算して、8〜10度である、請求項3記載の車両用操舵装置。
【請求項5】
前記操舵部材と前記転舵輪駆動機構との機械的な連結が断たれたステアバイワイヤ式を採用する請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の車両用操舵装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の車両用操舵装置を装備した荷役車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−63680(P2013−63680A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−202259(P2011−202259)
【出願日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(000001247)株式会社ジェイテクト (7,053)
【Fターム(参考)】