説明

車載ナビゲーション装置

【課題】案内情報の案内対象交差点から案内情報を報知する地点までの案内経路において、案内対象交差点と案内情報の報知が不要の交差点とが近接する場合であっても、運転者が各交差点における車両の曲がるべき方向を確実に把握すること。
【解決手段】コンピュータ30は、案内対象交差点から現在位置の方向へ所定距離手前の案内地点までの案内経路において、音声案内(案内情報の報知)が不要である交差点があり、かつ案内対象交差点と音声案内(案内情報の報知)が不要の交差点とにおける車両の曲がるべき方向が異なるか否かを判定する。そして、コンピュータ30は、車両の曲がるべき方向が異なると判定された場合には、案内地点において、音声案内(案内情報の報知)が不要の交差点における車両の曲がるべき方向を含むように案内対象交差点に関する音声案内(案内情報の報知)を行なう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載ナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の車載ナビゲーション装置によれば、経路案内が行なわれている場合には、音声案内を行なう案内地点に車両が到達したと判定されると、案内対象に関する音声案内が出力される。案内地点は、案内対象と現在位置との距離に基づいて決まっており、例えば、案内地点は、案内対象から100m、300m、700mの地点である。また、交差点毎に、音声案内が不要であるか否かが予め設定されており、音声案内が必要であると予め設定されている交差点が案内対象となる。例えば、図4に示すような案内経路において、交差点Aは退出路が複数あるため、交差点Aは音声案内が必要であると予め設定されている。また、交差点Bは退出路が一方向であるため、交差点Bは音声案内が不要であると予め設定されている。これにより、交差点Bは案内対象とならない。このため、図4の例に示すように、交差点Aから300mの地点に車両が到達したと判定された場合には、スピーカを介して、音声案内メッセージ「300m先、左方向です。」が出力される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
図4の例において、交差点Aから300mの地点に車両が到達したと判定された場合に出力される音声案内メッセージ「300m先、左方向です。」は、交差点Aにおける車両の曲がるべき方向が「左」である旨を示すメッセージである。しかしながら、当該音声案内メッセージを、交差点Bにおける車両の曲がるべき方向が「左」である旨を示しているメッセージであると運転者が誤認識することがありえる。この場合、運転者は交差点Bの接続道路が一方通行であることを標識等によって認識した時点で、左折できないことを知ることになる。このような場合、運転者に不安感を与えるおそれがある。
【0004】
本発明は、上述した点に鑑みてなされたもので、案内情報の案内対象交差点から案内情報を報知する地点までの案内経路において、案内対象交差点と案内情報の報知が不要の交差点とが近接する場合であっても、運転者が各交差点における車両の曲がるべき方向を確実に把握することが可能な車載ナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の車載ナビゲーション装置は、
車両の現在位置を検出する現在位置検出手段と、
案内情報の報知が不要であるか否かが予め設定されている交差点データを含む地図データを記憶する地図データ記憶手段と、
地図データを用いて車両を目的地に案内するための案内経路を探索する案内経路探索手段と、
案内経路探索手段によって探索された案内経路に関する案内情報を報知する報知手段と、
案内情報の案内対象交差点から現在位置の方向へ所定距離手前の案内情報を報知する地点までの案内経路において、案内情報の報知が不要である交差点があり、かつ案内対象交差点と案内情報の報知が不要の交差点とにおける車両の曲がるべき方向が異なるか否かを判定する判定手段を備え、
報知手段は、判定手段によって車両の曲がるべき方向が異なると判定された場合、案内情報を報知する地点において、案内情報の報知が不要の交差点における車両の曲がるべき方向を含むように案内対象交差点に関する案内情報を報知することを特徴とする。
【0006】
上述したように、請求項1に記載の車載ナビゲーション装置は、案内情報の案内対象交差点から現在位置の方向へ所定距離手前の案内情報を報知する地点までの案内経路において、案内情報の報知が不要である交差点があり、かつ案内対象交差点と案内情報の報知が不要の交差点とにおける車両の曲がるべき方向が異なるか否かを判定する。そして、当該装置は、車両の曲がるべき方向が異なると判定された場合には、案内情報を報知する地点において、案内情報の報知が不要の交差点における車両の曲がるべき方向を含むように案内対象交差点に関する案内情報を報知する。これにより、案内情報の案内対象交差点から案内情報を報知する地点までの案内経路において、案内対象交差点と案内情報の報知が不要の交差点とが近接する場合であっても、運転者が各交差点における車両の曲がるべき方向を確実に把握することができる。
【0007】
請求項2に記載したように、判定手段は、案内情報の案内対象交差点から現在位置の方向へ所定距離手前の案内情報を報知する地点までの案内経路上における、案内情報の報知が不要である交差点に対応する交差点データを抽出する抽出手段と、抽出手段によって案内情報の報知が不要である交差点データが抽出された場合、案内対象交差点と案内情報の報知が不要の交差点とにおける車両の曲がるべき方向が異なるか否かを判定する方向判定手段とを有することが好ましい。このようにすることにより、案内対象交差点と案内情報の報知が不要の交差点とにおける車両の曲がるべき方向が異なるか否かを判定することができる。
【0008】
請求項3に記載したように、報知手段は、案内経路に関する案内情報を音声案内メッセージとして音声にて報知することが好ましい。これにより、案内対象交差点と案内情報の報知が不要の交差点とが近接する場合に、運転者は、聴覚から、各交差点における車両の曲がるべき方向を確実に把握することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態による車載ナビゲーション装置100の概略構成を示すブロック図である。以下、本実施形態による車載ナビゲーション装置について詳細に説明する。
【0010】
ナビゲーション装置100は、位置検出器10、デジタル道路地図データベース20、コンピュータ30、表示部40、操作スイッチ群50、音声出力部60、音声入力部70、外部メモリ80、及びVICS受信機90を備えている。
【0011】
コンピュータ30は、内部には周知のCPU、ROM、RAM、I/O及びこれらの構成を接続するバスラインを備えている。ROMには、コンピュータ30が実行するためのプログラムが書き込まれており、このプログラムに従ってCPU等が所定の演算処理を実行する。
【0012】
位置検出器10は、衛星からの電波に基づいて車両の位置を測定するグローバルポジショニングシステム(GPS)のためのGPS受信機11,車両の絶対方位を検出するための地磁気センサ12、車両の相対方位を検出するためのステアリングセンサ13を有している。さらに、位置検出器10は、車両の走行速度から走行距離を検出するために車速センサ14を備えている。
【0013】
このように、位置検出器10は、電波航法による車両位置測定のためにGPS受信機11を有するとともに、自立航法による車両位置推定のために地磁気センサ12、ステアリングセンサ13及び車速センサ14を有している。また、電波航法としては、GPSに限らず、例えばVICSの光ビーコンを利用しても良い。また、自立航法における車両の相対方位を検出するために、ステアリングセンサ13に代えて、ジャイロセンサや車両の左右輪に設けられた車輪速センサを用いても良い。
【0014】
デジタル道路地図データベース20は、リンクデータ、ノードデータ、交差点データ、背景データ、及び文字データなどを含むデジタル地図データをコンピュータ30に入力するための装置である。デジタル道路地図データベース20は、デジタル地図データを記憶する情報記憶媒体21を有し、情報記憶媒体21としては、そのデータ量からCD−ROMまたはDVD−ROMを用いるのが一般的であるが、メモリカード、ハードディスク等を用いてもよい。
【0015】
先ず、リンクとは、地図上の各道路を交差・分岐・合流する点等の複数のノードにて分割し、それぞれのノード間をリンクとして規定されるものであり、リンクを接続することにより道路が構成される。リンクデータは、リンクを特定する固有番号(リンクID)、リンクの長さを示すリンク長、リンクの始端及び終端ノード座標(例えば、緯度・経度等)、道路名称、道路種別、道路幅員、車線数、及び制限速度等の各データから構成される。
【0016】
また、ノードデータは、地図上の各道路が交差、合流、分岐するノード毎に固有の番号を付したノードID、ノード座標、ノード名称、ノードに接続する全てのリンクのリンクIDが記述される接続リンクID、交差点種類、交差点における音声案内が不要であるか否かを示す案内不要フラグ等の各データから構成される。
【0017】
なお、本実施形態における交差点データは、上述したノードデータにおける交差点種類及び案内不要フラグの各データから構成される。交差点データにおける案内不要フラグは、交差点における音声案内が不要である場合には、「1」にセットされ、交差点における音声案内が必要である場合には、「0」にセットされる。音声案内が不要である交差点の一例として、図5に示すような、一方通行道路を含む三叉路(交差点C)がある。
【0018】
背景データは、道路地図を表示部40に表示する際に、道路以外の表示対象となる施設形状、自然地形等を表示するためのデータである。文字データは、地名、施設名、道路名等を道路地図上に表示するためのものであり、表示位置に対応する地図上の座標を関連付けたデータとして構成している。
【0019】
表示部40は、例えば、液晶ディスプレイによって構成され、表示部40の画面には車両の現在位置に対応する自車位置マーク、及び、デジタル道路地図データベース20より入力された地図データによって生成される車両周辺の道路地図を表示することができる。また、目的地が設定された場合、道路地図上には、現在位置から目的地までの案内経路が重ねて表示される。
【0020】
操作スイッチ群50は、例えば、表示部40と一体になったタッチパネルスイッチもしくは表示部40の周辺に設けられるメカニカルなスイッチ等からなり、各種入力に使用される。
【0021】
音声出力部60はスピーカ等からなり、経路案内が行なわれている場合には、音声案内を行なう案内地点に車両が到達したと判定されると、案内対象に関する音声案内を出力する。案内地点は、案内対象と現在位置との距離に基づいて決まっており、例えば、案内地点は、案内対象から100m、300m、700mの地点である。案内対象に対応する案内対象データとして、上述した案内不要フラグが「0」にセットされている交差点データ、有料道路入口を示すノードデータ、有料道路出口を示すノードデータ、及び後述する案内経路の目的地を示す座標データなどがある。また、案内不要フラグが「0」にセットされている交差点データに対応する交差点が案内対象交差点である場合には、当該案内対象交差点から案内地点までの案内経路において、案内不要フラグが「1」にセットされている交差点データがあり、かつ案内対象交差点と当該交差点データに対応する音声案内が不要の交差点とにおける車両の曲がるべき方向が異なる場合には、当該音声案内が不要の交差点における車両の曲がるべき方向を含むように案内対象交差点に関する音声案内が行なわれる。
【0022】
音声入力部70は、マイク等からなり、ユーザによって発せられた音声を取り込んで、コンピュータ30に入力する。コンピュータ30は、入力された音声の認識処理を行い、その認識結果に基づいて、各種の制御を実行する。
【0023】
外部メモリ80は、例えば、メモリカードやハードディスク等の記憶媒体からなる。この外部メモリ80には、ユーザによって記憶されたテキストデータ、画像データ、音声データ等の各種データが記憶される。
【0024】
VICS受信機90は、道路に敷設されたビーコンや各地のFM放送局を介して、VICSセンタから配信される道路交通情報等の情報を受信したり、必要に応じて車両側から外部へ情報を送信したりする装置である。受信した情報は、コンピュータ30で処理され、例えば、渋滞情報や制限速度情報等は表示部40に表示される道路地図上に重ねて表示される。
【0025】
また、本実施形態の車載ナビゲーション装置100は、操作スイッチ群50もしくは音声認識によって目的地の位置が入力されると、現在位置からその目的地までの最適な経路を自動的に選択して案内経路を形成し表示する、いわゆる経路案内機能も備えている。このような自動的に最適な経路を設定する手法は、周知のダイクストラ法等の手法が知られている。また、ユーザによって入力された、例えば、住所、施設名称、電話番号等から施設等の位置を検索する検索機能も備えている。
【0026】
これらの機能は、主にコンピュータ30によって各種の演算処理がなされることによって実行される。すなわち、コンピュータ30は目的地が入力されるとデジタル道路地図データベース20の地図データを用いて経路を計算し、その経路を表示する。この他、コンピュータ30は、車両の位置を示す自車位置マークとその周辺の道路地図を表示部40に表示させたり、道路地図の縮尺を変更したりする。
【0027】
次に、本実施形態における経路探索・案内処理について、図2及び図3のフローチャートを用いて詳細に説明する。なお、図2は、経路探索処理のメインルーチンを示すフローチャートであり、図3は、経路案内処理のルーチンを示すフローチャートである。
【0028】
まず、図2のステップS10では、車両の現在位置を検出する。このとき、GPS受信機11による位置データは、上述の道路データの座標データ(緯度と経度)と同じ形態で取得される。また、地磁気センサ12、ステアリングセンサ13、車速センサ14によって自車両の進行方向及び走行距離に関するデータが取得され、過去に算出、もしくは確定された車両位置を基準として、現在位置の座標データの算出を行なう(自立航法による座標データの算出)。なお、現在位置は、基本的には、自立航法により算出された座標データに基づいて求められる。ただし、GPS受信機11による位置データが取得されている場合には、両者を比較し、その差が所定距離以上である場合には、現在位置として、GPS受信機11による位置データを採用する。
【0029】
ステップS20では、車両の現在位置を含む、周辺地図の地図データがデジタル道路地図データベース20から読み込まれ、表示部40に表示される。ステップS30では、目的地が設定されるか否かを判定する。具体的には、例えば、メニュー画面が表示部40に表示され、このメニュー画面の「目的地設定メニュー」項目が選択されたか否かを判定する。「目的地設定メニュー」項目が選択されなかったと判定された場合、ステップS10に戻る。一方、「目的地設定メニュー」項目が選択されたと判定された場合、ステップS40に進む。
【0030】
ステップS40では、目的地が設定される。具体的には、例えば、表示部40に目的地設定メニューが表示される。この目的地設定メニューには、「名称で探す」、「ジャンルで探す」、「電話番号で探す」などがある。ユーザは、この目的地設定メニューのいずれかを選択し、選択したメニューに応じた検索条件を入力する。例として、ユーザが「電話番号で探す」を選択した場合、ユーザの所望する施設の電話番号「000−123−4567」が検索条件として入力され、コンピュータ30は、この入力された電話番号「000−123−4567」と一致する電話番号を付している施設データを検索する。この検索された施設データに対応する施設が目的地として設定される。
【0031】
ステップS50では、特に指示がない限り、ステップS10にて検出された現在位置を出発地とし、ステップS40にて設定された目的地までの経路をダイクストラ法等の手法で探索する。ステップS60では、ステップS50にて探索された経路を表示する。具体的には、表示制御部(図示せず)が、探索された経路を道路データに重ねて強調表示し、表示部40へ表示する。ステップS70では、経路案内処理が実行される。この経路案内処理における案内音声の出力処理を図3のフローチャートを用いて説明する。
【0032】
図3のフローチャートにおいて、まずステップS210では、車両の進行方向における、現在位置を起点とする案内経路上において、現在位置に最も近い案内対象データを抽出する。ステップS220では、案内対象データが抽出されたか否かを判定する。案内対象データが抽出されないと判定された場合、コンピュータ30は、処理を終了する。一方、案内対象データが抽出されたと判定された場合、ステップS230に進む。
【0033】
ステップS230では、抽出された案内対象データに対応する案内対象に関する音声案内を行なう案内地点に現在位置が到達したか否かを判定する。案内地点に現在位置が到達していないと判定された場合、そのまま待機状態となる。一方、案内地点に現在位置が到達したと判定された場合、ステップS240に進む。
【0034】
ステップS240では、抽出された案内対象データが、案内不要フラグが「0」にセットされた交差点データであるか否かを判定する。案内不要フラグが「0」にセットされた交差点データでないと判定された場合、ステップS250に進む。
【0035】
ステップS250では、音声案内が行なわれる。具体的には、例えば、案内対象データが「有料道路入口」を示すノードデータであり、案内対象である「有料道路入口」から300mの案内地点に現在位置が到達した場合には、音声出力部60を介して、音声案内メッセージ「300m先、○○インターチェンジ入口です。」が音声で出力される。
【0036】
ステップS240において、抽出された案内対象データが、案内不要フラグが「0」にセットされた交差点データであると判定された場合、ステップS260に進む。ステップS260では、案内対象交差点から案内地点までの案内経路上において、案内不要フラグが「1」にセットされた交差点データを抽出する。
【0037】
ステップS270では、案内不要フラグが「1」にセットされた交差点データが抽出されたか否かを判定する。案内不要フラグが「1」にセットされた交差点データが抽出されないと判定された場合、ステップS250に進む。一方、案内不要フラグが「1」にセットされた交差点データが抽出されたと判定された場合、ステップS280に進む。
【0038】
ステップS280では、ステップS50にて探索された案内経路において、案内不要フラグが「0」にセットされた交差点データに対応する交差点と案内対象交差点とにおける車両の曲がるべき方向が異なるか否かを判定する。車両の曲がるべき方向が同じと判定された場合、ステップS250に進む。一方、車両の曲がるべき方向が異なると判定された場合、ステップS290に進む。このようにすることにより、案内対象交差点と音声案内が不要の交差点とにおける車両の曲がるべき方向が異なるか否かを判定することができる。
【0039】
ステップS290では、特別な音声案内が行なわれる。すなわち、案内不要フラグが「1」にセットされた交差点データに対応する音声案内が不要の交差点における車両の曲がるべき方向を含むように案内対象交差点に関する音声案内が行なわれる。具体的な例として、図5を用いて説明する。図5の例では、案内対象交差点から300mの案内地点までの案内経路上において、音声案内が不要の交差点Cがある。また、案内対象交差点から音声案内が不要の交差点Cまでの距離は「200m」である。さらに、音声案内が不要の交差点Cにおける車両の曲がるべき方向が「右」であり、案内対象交差点における車両の曲がるべき方向が「左」である。これにより、音声出力部60を介して、音声案内メッセージ「次の交差点を道なりに右折後、200m先、左方向です。」が音声で出力される。これにより、案内対象交差点と案内情報の報知が不要の交差点とが近接する場合に、運転者は、聴覚から、各交差点における車両の曲がるべき方向を確実に把握することができる。
【0040】
ステップS300では、案内対象地点を通過したか否かを判定する。案内対象地点を通過していないと判定された場合、ステップS230に戻る。一方、案内対象地点を通過したと判定された場合、ステップS210に進む。
【0041】
以上、説明したように本実施形態によれば、コンピュータ30は、案内対象交差点から現在位置の方向へ所定距離手前の案内地点までの案内経路において、音声案内が不要である交差点があり、かつ案内対象交差点と音声案内が不要の交差点とにおける車両の曲がるべき方向が異なるか否かを判定する。そして、コンピュータ30は、車両の曲がるべき方向が異なると判定された場合には、案内地点において、音声案内が不要の交差点における車両の曲がるべき方向を含むように案内対象交差点に関する音声案内を行なうことができるようにした。これにより、案内対象交差点から案内地点までの案内経路において、案内対象交差点と音声案内が不要の交差点とが近接する場合であっても、運転者が各交差点における車両の曲がるべき方向を確実に把握することができる。
【0042】
なお、本発明は、上述した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することができる。
【0043】
例えば、上述した実施形態において、特別な音声案内として、案内対象交差点と音声案内が不要の交差点とが近接する場合に、音声案内が不要の交差点における車両の曲がるべき方向を含むように案内対象交差点に関する音声案内が行なわれる例について説明した。しかしながら、特別な音声案内として、音声案内が不要の交差点に関する音声案内を行ない、音声案内が不要の交差点を車両が通過後に、案内対象交差点に関する音声案内を行なっても良い。具体的には、図5の例では、音声出力部60を介して、音声案内が不要の交差点Cに関する音声案内メッセージ「100m先、右方向です。」が音声で出力される。そして、音声案内が不要の交差点Cを車両が通過後に、音声出力部60を介して、案内対象交差点に関する音声案内メッセージ「200m先、左方向です。」が音声で出力される。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本実施形態による車載ナビゲーション装置100の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態における、経路探索処理のメインルーチンを示すフローチャートである。
【図3】本実施形態における、経路案内処理のルーチンを示すフローチャートである。
【図4】本実施形態における、背景技術を説明するための説明図である。
【図5】本実施形態における、特別な音声案内を説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0045】
10…位置検出器
11…GPS受信機
12…地磁気センサ
13…ステアリングセンサ
14…車速センサ
20…デジタル道路地図データベース
21…情報記録媒体
30…コンピュータ
40…表示部
50…操作スイッチ群
60…音声出力部
70…音声入力部
80…外部メモリ
90…VICS受信機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の現在位置を検出する現在位置検出手段と、
案内情報の報知が不要であるか否かが予め設定されている交差点データを含む地図データを記憶する地図データ記憶手段と、
前記地図データを用いて車両を目的地に案内するための案内経路を探索する案内経路探索手段と、
前記案内経路探索手段によって探索された案内経路に関する案内情報を報知する報知手段と、
前記案内情報の案内対象交差点から前記現在位置の方向へ所定距離手前の前記案内情報を報知する地点までの案内経路において、案内情報の報知が不要である交差点があり、かつ当該案内対象交差点と案内情報の報知が不要の交差点とにおける車両の曲がるべき方向が異なるか否かを判定する判定手段を備え、
前記報知手段は、前記判定手段によって車両の曲がるべき方向が異なると判定された場合、前記案内情報を報知する地点において、前記案内情報の報知が不要の交差点における車両の曲がるべき方向を含むように前記案内対象交差点に関する案内情報を報知することを特徴とする車載ナビゲーション装置。
【請求項2】
前記判定手段は、
前記案内情報の案内対象交差点から前記現在位置の方向へ所定距離手前の前記案内情報を報知する地点までの案内経路上における、案内情報の報知が不要である交差点に対応する交差点データを抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって案内情報の報知が不要である交差点データが抽出された場合、前記案内対象交差点と前記案内情報の報知が不要の交差点とにおける車両の曲がるべき方向が異なるか否かを判定する方向判定手段とを有することを特徴とする請求項1に記載の車載ナビゲーション装置。
【請求項3】
前記報知手段は、前記案内経路に関する案内情報を音声案内メッセージとして音声にて報知することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車載ナビゲーション装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2006−189345(P2006−189345A)
【公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−1919(P2005−1919)
【出願日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】