説明

車載情報取得装置

【課題】車載カメラの撮影画像から発光体の光を抽出して復調する技術において、撮影画像中から信号機の光の写っている輝点位置を従来よりも低い処理負荷で特定する。
【解決手段】カメラから取得した各撮影画像に対する信号輝度データ取得処理で、前回の取得処理で信号輝度データを取得していない場合、地図データから発光体の設置位置を取得すると共に車両の位置および向きを取得し(205)、取得した設置位置、車両1の位置、向きに基づいて、今回の撮影画像中の輝点位置を推定し(210)、推定した輝点位置の輝度を信号輝度データとして出力する(235)。また、前回の取得処理で信号輝度データを取得している場合、前回の信号輝度データ取得処理における輝点位置と、車両1の速度および旋回角速度に基づいて、今回の撮影画像中で発光体が写っている輝点位置を予測し(215)、予測した輝点位置の輝度を信号輝度データとして出力する(235)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載情報取得装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車載カメラの撮影画像から信号機の光を抽出して復調する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−272511号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術では、撮影画像全体を用いて信号機の光の写っている位置を特定しているので、このための処理負荷が大きくなってしまうという問題がある。
【0005】
本発明は上記点に鑑み、車載カメラの撮影画像から発光体(例えば信号機)の光を抽出して復調する技術において、撮影画像中から信号機の光の写っている位置を従来よりも低い処理負荷で特定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、道路付近に設置された発光体が発する光に重畳された情報を取得する車載情報取得装置であって、前記車両(1)に搭載されるセンサ(31)から出力される検出信号に基づいて前記車両(1)の位置および向きを算出する車両位置特定部(37d)と、前記発光体の設置位置の情報を記憶媒体から読み取るかまたは無線通信によって取得する取得部(36)と、車両(1)に搭載されると共に前記車両(1)の外部を繰り返し撮影するカメラ(2)から撮影画像を逐次取得し、取得した各撮影画像に基づいて、その撮影画像の撮影時点における前記発光体の輝度を特定し、特定した輝度を信号輝度データとして出力する画像処理手段(37a)と、前記画像処理部(37a)が出力した信号輝度データを復調し、復調結果のデータを生成する復調手段(37b)と、を備え、前記画像処理手段(37a)は、前記カメラ(2)から取得した撮影画像に対し、信号輝度データ取得処理(130)を実行し、信号輝度データ取得処理(130)では、前記取得部(36)を用いて前記発光体の設置位置を取得すると共に前記車両位置特定部(37d)が算出した前記車両(1)の位置および向きを取得し、取得した前記発光体の設置位置ならびに前記車両(1)の位置および向きに基づいて、前記撮影画像中で前記発光体が写っている輝点位置を推定し、推定した輝点位置の輝度を信号輝度データとして出力することを特徴とする車載情報取得装置である。
【0007】
このように、撮影画像に対して信号輝度データ取得処理(130)を実行する際、取得した発光体の設置位置ならびに車両(1)の位置および向きに基づいて、今回の撮影画像中で発光体が写っている輝点位置を推定することで、撮影画像全体に対して輝点位置を見つけるための画像処理を施す場合に比べ、低い処理負荷で、輝点位置を特定することができる。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車載情報取得装置において、車両位置特定部(37d)は、前記車両(1)に搭載されるセンサ(31)から出力される検出信号に基づいて前記車両(1)の位置、向き、速度、および旋回角速度を算出し、前記画像処理手段(37a)は、前記カメラ(2)から逐次取得した撮影画像のそれぞれに対し、信号輝度データ取得処理(130)を実行し、各信号輝度データ取得処理(130)では、前回の信号輝度データ取得処理で信号輝度データを取得していない場合、前記取得部(36)を用いて前記発光体の設置位置を取得すると共に前記車両位置特定部(37d)が算出した前記車両(1)の位置および向きを取得し、取得した前記発光体の設置位置ならびに前記車両(1)の位置および向きに基づいて、今回の撮影画像中で前記発光体が写っている輝点位置を推定し、推定した輝点位置の輝度を信号輝度データとして出力し、前回の信号輝度データ取得処理で信号輝度データを取得している場合、前回の信号輝度データ取得処理における輝点位置と、前記車両位置特定部(37d)が算出した前記車両(1)の速度および旋回角速度に基づいて、今回の撮影画像中で前記発光体が写っている輝点位置を予測し、予測した輝点位置の輝度を信号輝度データとして出力することを特徴とする。
【0009】
このように、逐次取得される撮影画像のそれぞれに対して信号輝度データ取得処理(130)を実行する際、前回の信号輝度データ取得処理で信号輝度データを取得していない場合は、取得した発光体の設置位置ならびに車両(1)の位置および向きに基づいて、今回の撮影画像中で発光体が写っている輝点位置を推定し、前回の信号輝度データ取得処理で信号輝度データを取得している場合、前回の信号輝度データ取得処理における輝点位置と、車両(1)の速度および旋回角速度に基づいて、今回の撮影画像中で発光体が写っている輝点位置を予測することで、輝点位置を捕捉している場合は、過去の輝点位置情報を利用したより精度の高い輝点位置の算出を行うことができる。
【0010】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の車載情報取得装置において、前記画像処理手段(37a)は、各信号輝度データ取得処理(130)では、前回の信号輝度データ取得処理で信号輝度データを取得していない場合、今回の撮影画像中で前記発光体が写っている輝点位置を推定し、今回の撮影画像で、今回の撮影画像よりも小さくかつ前記輝点位置を含むスキャン範囲を決定して処理Aを繰り返し、前記処理Aでは、前記車両位置特定部(37d)が算出した前記車両(1)の速度および旋回角速度に基づいて、今回の撮影画像の輝点位置と同じ車外の地点が写っている参照位置を、今回以前に前記カメラ(2)から受けた複数の撮影画像中で特定し、特定した参照位置の輝度および今回の撮影画像の輝点位置の輝度に基づいて、輝度の変化量を複数個算出し、前記複数個の変化量のうち、閾値より大きい変化量が所定数以上あるか否かを判定し、所定数以上ないと判定すれば、スキャン範囲中の他の位置に輝点位置をずらす、という処理を、所定数以上あると判定するまで繰り返し、前記処理Aにおいて、前記複数個の変化量のうち前記閾値より大きい変化量が前記所定数以上あると判定すれば、当該輝点位置の輝度を信号輝度データとして出力することを特徴とする。
【0011】
また、請求項4に記載の発明は、請求項2または3に記載の車載情報取得装置において、前記画像処理手段(37a)は、各信号輝度データ取得処理(130)では、前回の信号輝度データ取得処理で信号輝度データを取得している場合、今回の撮影画像中で前記発光体が写っている輝点位置を予測し、今回の撮影画像で、今回の撮影画像よりも小さくかつ前記輝点位置を含むスキャン範囲を決定して処理Aを繰り返し、前記処理Aでは、前記車両位置特定部(37d)が算出した前記車両(1)の速度および旋回角速度に基づいて、今回の撮影画像の輝点位置と同じ車外の地点が写っている参照位置を、今回以前に前記カメラ(2)から受けた複数の撮影画像中で特定し、特定した参照位置の輝度および今回の撮影画像の輝点位置の輝度に基づいて、輝度の変化量を複数個算出し、前記複数個の変化量のうち、閾値より大きい変化量が所定数以上あるか否かを判定し、所定数以上ないと判定すれば、スキャン範囲中の他の位置に輝点位置をずらす、という処理を、所定数以上あると判定するまで繰り返し、前記処理Aにおいて、前記複数個の変化量のうち前記閾値より大きい変化量が前記所定数以上あると判定すれば、当該輝点位置の輝度を信号輝度データとして出力することを特徴とする。
【0012】
撮影画像中の発光体の部分の輝度は、その発光体に情報が重畳されているので、発光体以外の部分に比べて、時間的な変動が大きい。したがって、車両(1)の速度および旋回角速度に基づいて、今回の撮影画像の輝点位置と同じ車外の地点が写っている参照位置を、速度および旋回角速度に基づいて過去の複数の撮影画像中で特定すれば、その参照位置と今回の撮影画像の輝点位置で変化が大きいか否かで、発光体の位置を正しく捉えているか否かを高い確度で判定できる。
【0013】
そして、正しく捕捉できていなければ、今回の撮影画像中の輝点位置を、撮影画像よりも小さいスキャン範囲内でずらして、同じ方法でその輝点位置が発光体の位置を正しく捉えているかを再判定すれば、車両(1)の速度および旋回角速度を用いて小さい処理負荷で輝点位置を補正することができる。これは、前回の信号輝度データ取得処理で信号輝度データを取得している場合も取得していない場合も同じである。
【0014】
なお、上記および特許請求の範囲における括弧内の符号は、特許請求の範囲に記載された用語と後述の実施形態に記載される当該用語を例示する具体物等との対応関係を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係る通信システムを模式的に示す図である。
【図2】信号機4の構成を示す図である。
【図3】ナビゲーション装置3の構成を示す図である。
【図4】制御部37の機能構成を示す図である。
【図5】変調部42における符号化方式の一例を示す図である。
【図6】撮影画像中の発光体の輝度51の時間変化を示すグラフである。
【図7】画像処理部が実行する処理のフローチャートである。
【図8】信号輝度データ取得処理のフローチャートである。
【図9】カメラ2と信号機4の発光体の水平面内の位置関係を示す図である。
【図10】カメラ2と信号機4の発光体の鉛直面内の位置関係を示す図である。
【図11】撮影画像50中の輝点位置を示す図である。
【図12】撮影画像50中の輝点位置55を含むスキャン範囲56を例示する図である。
【図13】今回の撮影画像の撮影時の位置61および光軸62と、過去の撮影画像の撮影時の位置63および光軸64の関係を示す図である。
【図14】時刻tと時刻t+Δtにおける撮影画像を示す図である。
【図15】時刻tと時刻t+Δtにおける輝度分布の違いを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態について説明する。図1に、本実施形態に係る通信システムを模式的に示す。この通信システムは、車両1と、信号機4とを備えている。車両1には、車両1の前方を撮影するカメラ2およびナビゲーション装置3が搭載されている。
【0017】
信号機4は、道路付近(例えば道路上)に複数個設置され、道路を走行する車両に走行、停止を指示する装置である。各信号機4の設置位置は、交差点、横断歩道の手前等である。図2に示すように、これら信号機4のそれぞれは、信号制御部41、変調部42、発光部43、情報送出部44を備えている。
【0018】
信号制御部41は、赤、黄、緑の3つの発光体(LED、電球等)の点灯および消灯を制御するため、それら赤、黄、緑の3つの発光体にそれぞれ対応する3つのR信号、Y信号、G信号を変調部42に出力する。
【0019】
変調部42は、信号制御部41から受けたR信号、Y信号およびG信号のそれぞれを変調することで、R信号、Y信号およびG信号に情報送出部44から受けた情報を重畳させ、その重畳結果のR信号、Y信号、G信号を発光部43に出力する。
【0020】
発光部43は、赤色で発光する発光体、黄色で発光する発光体、緑色で発光する発光体の3つの発光体を有し、それぞれ、変調部42から受けたR信号、Y信号、G信号の強度が大きいほど高い輝度で発光する。
【0021】
情報送出部44は、変調部42に各種情報を示すシリアルデータを出力する。出力する情報は、信号機の指示が次に(例えば、緑信号から黄信号に)切り替わるまでの残り時間等、どのようなものであってもよい。
【0022】
カメラ2は、車両1に固定され、所定のフレームレートで繰り返し車両の外部(前方)を撮影し、撮影結果の撮影画像を逐次ナビゲーション装置3に出力する。カメラ2の取り付け位置は、例えば、車室内のダッシュボード上面であってもよい。
【0023】
ナビゲーション装置3は、車両1に搭載され、図3に示すように、位置検出器31、画像表示装置32、操作部33、音声出力部34、記憶部35、地図データ取得部36、制御部37を備えている。
【0024】
位置検出器31は、車速センサ、ジャイロセンサ、加速度センサ、GPS受信機、ステアリング角センサ等のセンサ群であり、これらセンサ群は、車両の位置、向き、速度、旋回角速度等の算出に必要な各種物理量を検出信号として制御部37に出力する。
【0025】
画像表示装置32は、制御部37の制御に従って文字や画像をユーザに表示する液晶ディスプレイ等の装置である。操作部33は、ユーザの操作を受け付け、受け付けた操作に応じた信号を制御部37に出力する装置である。音声出力部34は、ナビゲーション制御部10の制御に従って音声を車室内に出力するアンプ、スピーカ等の装置である。記憶部35は、カメラ2の撮影画像等を記憶する書き込み可能な不揮発性の記憶媒体である。
【0026】
地図データ取得部36は、制御部37の制御に従って地図データを取得する装置である。地図データの取得方法は、記憶媒体(HDD、フラッシュメモリ、DVDメディア等)から地図データを読み出す方法でもよいし、無線通信によって車両1の外部の地図提供サーバから地図データをダウンロードする方法でもよい。
【0027】
地図データ取得部36が取得する地図データは、道路を表すリンクの位置、形状、接続関係を示す道路データ、施設(ホテル、レストラン、コンビニエンスストア等)の位置を示す施設データ等から成る。この地図データには、信号機位置データも記録されている。信号機位置データは、信号機設置位置毎のレコードを備えたデータであり、各レコードは、対象とする信号機設置位置における発光体の3次元の設置位置の座標(緯度、経度、高度)を含んでいる。なお、記録されている発光体の3次元の設置位置座標は、信号機4に備えられた3つの発光体の位置を一括に表す代表的な1つの位置(例えば、3つの発光体の重心位置)の3次元位置座標である。
【0028】
制御部37は、CPU、RAM、ROM、フラッシュメモリ等を備えた制御回路(例えばマイクロコントローラ)であって、ROMまたはフラッシュメモリに記録されたプログラムをCPUが実行することで、各種処理を実現するようになっている。
【0029】
例えば、制御部37は、周知の地図表示処理、経路算出処理、経路案内処理等を行う。地図表示処理は、地図データ取得部36が取得した地図データに基づいて、現在位置周辺の地図を画像表示装置32に表示させる処理である。経路算出処理は、ユーザの操作部33に対する目的地設定操作に従って目的地を設定し、現在位置から設定した目的地までの最適な誘導経路を地図データに基づいて算出する処理である。経路案内処理は、車両1が誘導経路に沿って走行するのを案内するために、右折、左折等の音声案内および画像案内を、音声出力部34および画像表示装置32を用いて行う処理である。
【0030】
さらに制御部37は、カメラ2が撮影した撮影画像の記録および解析のための記録・解析処理を行うようになっている。図4に、この記録・解析処理の機能構成をブロック図で示す。
【0031】
記録・解析処理は、画像処理部37a、復調部37b、情報処理部37c、車両位置特定部37dという機能を有している。画像処理部37aは、カメラ2から撮影画像を逐次取得し、取得した各撮影画像に基づいて、その撮影画像の撮影時点において発光している信号機4の発光体の輝度を特定し、それを信号輝度データとして復調部37bに出力する。
【0032】
復調部37bは、画像処理部37aが出力した信号輝度データを復調し、復調結果のデータを生成して情報処理部37cに出力する。情報処理部37cは、復調部37bから受けたデータを用いた各種処理(例えば、信号機4の指示が次に切り替わるまでの残り時間を画像表示装置32に表示させる表示処理)を行う。なお、画像処理部37aは、地図データ取得部36を用いて信号機4の発光体の設置位置を示す信号機位置データを取得するようになっている。
【0033】
以下、上記のような構成の通信システムの作動について説明する。まず、変調部42における情報の重畳(輝度変調)の詳細について説明する。
【0034】
変調部42は、情報送出部44から受けた情報を、所定時間以内に必ずレベルの高低が反転する信号に変換する。
【0035】
例えば、図5に示すように、シリアルデータの0の情報をハイレベルからローレベルへの立ち下がり信号に変換し、シリアルデータの1の情報をローレベルからハイレベルへの立ち上がり信号に変換するマンチェスタ符号化方式を用いて変換する。
変調部42はこのようにして変換した信号を、信号制御部41から受けたR信号、Y信号、G信号のそれぞれに乗算し、その乗算結果のR信号、Y信号、G信号を発光部43に出力する。
【0036】
したがって、発光部43においては、赤色の発光体、黄色の発光体、緑色の発光体のうち、点灯している発光体は、その発光輝度のレベルが、1ビットの情報送信周期以内に必ず変化する。
【0037】
なお、本実施形態では、各発光体における送信情報のビットレートを、例えば、100ビット/秒以上とする。各発光体における送信情報のビットレートがN×100ビット/秒の場合、各発光体は最大で1秒間にN×200回の速さで発光輝度が切り替わることになる。
【0038】
次に、このように信号機4の発光体が発した光を撮影するカメラ2の作動について説明する。カメラ2のフレームレートは、発光体における送信情報のビットレートがN×100ビット/秒に設定されている場合、N×200枚/秒またはそれより高いフレームレートとすることで、発光体が発した光(輝度変調信号)に重畳される情報を受信可能となる。
【0039】
以下では、カメラ2におけるフレームレートの枚/秒換算値が、発光体における送信情報のビットレートのビット/秒換算値の2倍であるとするが、2倍より大きい場合でも、適宜撮影画像を間引くことで、下記と同様の処理を実現できる。
【0040】
車両1が移動している場合、カメラ2は車両1の外部の前方を撮影しているので、信号機4がカメラ2の撮影範囲内にある場合は、時間の経過と共にカメラ2と信号機4の間の距離は近くなり、図6に示す通り、撮影画像中に写る発光体の輝度51の極大値および極小値は、時間tの経過と共に大きくなる。
【0041】
次に、画像処理部37aの処理内容の詳細について説明する。図7に、画像処理部37aの処理内容のフローチャートを示す。画像処理部37aは、カメラ2から1枚の撮影画像を受ける度に、図7の処理1回実行し、その実行において、今回受けた撮影像全体を存するタイミング(1秒〜数十秒周期で訪れる)か否かを判定し(ステップ110)、撮影像全体を存するタイミングであると判定した場合、撮影画像を記憶部35に追加記録する(ステップ120)。このようにすることで、画像処理部37aは、ドライブレコーダの機能を実現できる。また、制御部37は、ステップ110で撮影像全体を存するタイミングでないと判定した場合、ステップ130に進んで信号輝度データ取得処理を実行する。
【0042】
このような処理により、画像処理部37aは、カメラ2から受けた撮影画像のほとんどについて、個々に信号輝度データ取得処理を実行する。
【0043】
図8に、この信号輝度データ取得処理の詳細を示す。各信号輝度データ取得処理において、画像処理部37aは、まずステップ201で、前回の信号輝度データ取得処理で信号輝度データを取得したか否かを判定する。前回の信号輝度データ取得処理で信号輝度データを取得したか否かは、前回の信号輝度データ取得処理でステップ235を実行したか否かで判定する。この判定は、簡単に言えば画像処理部37aが撮影画像中の発光体が写っている輝点位置を捕捉しているか否かを判定するものである。車両1の始動時や、車両1がどの信号機4からも遠く離れているような状況では、ほとんどの場合、輝点位置を捕捉できていないはずなので、ステップ201では取得していないと判定することになる。
【0044】
ステップ201で取得していないと判定した場合、続いてステップ205に進み、地図データ取得部36を用いて、地図データ中の信号機位置データを取得する。そして、信号機位置データから1つのレコード(すなわち信号機4)を選択する。
【0045】
選択するレコードは、経路算出手段によって誘導経路が算出され、経路案内手段によって誘導経路を案内している場合は、車両1の現在位置から誘導経路に沿った前方の一番近い信号機4のレコードとする。経路算出手段によって誘導経路が算出されていない場合は、現在走行中の道路を車両1が道なりに走行した場合に最初に到達する信号機4のレコードとする。したがって、選択するレコードは、信号機位置データの各レコード中の発光体の設置位置座標と、道路データと、誘導経路のデータから特定することができる。
【0046】
そして、選択したレコードに含まれる信号機4の発光体の設置位置の座標を抽出して取得する。更にステップ205では、車両位置特定部37dが算出した車両1の現在の位置(3次元位置)および向きを取得する。
【0047】
続いてステップ210では、取得した特定の信号機4の発光体の設置位置および車両1の位置および向きに基づいて、今回の撮影画像中で信号機4の光っている発光体が写っている輝点位置を推定する。この推定方法の詳細について、図9〜図11を用いて説明する。
【0048】
具体的には、まず、車両1の向きから水平面内におけるカメラ2の光軸D1の北方向(基準方位)に対する角度θ1を特定する。水平面内におけるカメラ2の光軸D1を特定するためには、水平面内における車両1の正面とカメラ2の光軸との角度差の情報を使用する必要があるが、この情報は、カメラ2およびナビゲーション装置3の車両1への組み付け時に、記憶部35等の記憶媒体にあらかじめ登録されているものとする。
【0049】
また、車両1の位置からカメラ2の位置を特定する。カメラ2の位置を特定するためには、車両位置特定部37dによって算出される車両1の位置に対するカメラ2の位置のずれの情報を使用する必要があるが、この情報は、カメラ2およびナビゲーション装置3の車両1への組み付け時に、記憶部35等の記憶媒体にあらかじめ登録されているものとする。カメラ2の位置が決まると、カメラ2から信号機4の発光体の位置までの方向D2を水平面内に投影した方向の、北方向(基準方位)に対する角度θ2を、算出する。
【0050】
そして、算出したθ1とθ2の差α=θ1−θ2を算出する。この角度αは、水平面内における、カメラ2から信号機4の発光体の向きに対する、カメラ2の光軸D1の成す角度である。
【0051】
次に、図10に示すように、カメラ2と信号機4の発光体を含む鉛直面(以下、単に鉛直面という)内における、カメラ2から信号機4の発光体の向きに対する、カメラ2の光軸D1の成す角度βを算出する。
【0052】
まず、鉛直面内におけるカメラ2の光軸D1の水平前方方向に対する角度η1を特定する。この角度η1は、カメラ2およびナビゲーション装置3の車両1への組み付け時に、記憶部35等の記憶媒体にあらかじめ登録されているものとする。本実施形態では、この角度η1の値はゼロであるとする。
【0053】
また、上述の通り特定したカメラ2の位置と、信号機4の発光体の位置に基づいて、カメラ2から信号機4の発光体の位置までの方向D2を鉛直面内に投影した方向の、水平面に対する角度η2を算出する。そして、取得したη1とη2の差β=η2−η1を算出する。この角度βは、カメラ2から信号機4の発光体の向きに対する、カメラ2の向きの成す角度(仰角)である。
【0054】
このようにして算出した角度α、βを用いて、図11に示すように、信号機4の発光体のうち光っている発光体が写っている輝点位置の画素を、今回の撮影画像50内で特定する。
【0055】
具体的には、撮影画像50中の画素単位の座標(X,Y)の原点を、撮影画像50の中心点52の画素とすると、輝点位置の画素の座標(X1、Y1)の各成分は、X=INT[Nx×(sinα)/sin(α0/2)]、Y=INT[Ny×(sinβ)/sin(β0/2)]となる。ここでINT[]は、[]内の値を超えない最大の整数を意味し、Nx、Nyは、それぞれ撮影画像のX方向(左右方向)の総画素数およびY方向(上下方向)の総画素数であり、α0はカメラ2の左右方向の視野角であり、β0はカメラ2の上下方向の視野角である。このようにして、今回の撮影画像中で信号機4の光っている発光体が写っている輝点位置を推定することができる。
【0056】
続いてステップ220では、図12に例示するように、今回の撮影画像50中で、今回の撮影画像50よりも小さくかつステップ210で特定した輝点位置55の画素を含むスキャン範囲56を決定する。例えば、上下方向の画素数および左右方向の画素数が撮影画像の1/4で、かつ、輝点位置を中心位置とするような範囲を、スキャン範囲とする。
【0057】
続いて、ステップ230の判定結果がYESとなるまで、ステップ225、230、240、245から成る処理Aを繰り返す。
【0058】
処理Aにおいては、まずステップ225で、車両位置特定部37dから車両1の現在の速度および旋回角速度を取得し、取得した車両1の速度および旋回角速度に基づいて、今回撮影画像の輝点位置と同じ車外の地点が写っている参照位置を、今回以前にカメラ2から受けた複数の撮影画像中で特定する。
【0059】
今回以前にカメラ2から受けた撮影画像としては、例えば、1回前(前回)の信号輝度データ取得処理における撮影画像P1から、m回前の信号輝度データ取得処理における撮影画像Pmまでのm毎の撮影画像P1〜Pmを用いる。ここで、mは2以上の整数であり、5でもよいし、10でもよい。このようにするのは、信号機4の発光体が発する光(輝度変調信号)に重畳された情報の信号レベルは、2枚の撮影画像を取得する間に必ず高低が変化しているからである。
【0060】
過去の撮影画像Pi中で、今回撮影画像の輝点位置と同じ車外の地点が写っている参照位置を特定するには、以下の様な方法を採用する。
【0061】
まず、図13に示すように、カメラ2の現在の位置61および光軸62を、上述の通り、車両1の現在の位置および向きから算出する。そして、カメラ2のフレームレートから、今回の撮影画像と撮影画像Pi(iは1からmまでの整数)の撮影時刻の差Δtiを算出し、算出した時刻差Δtiと車両1の現在の車速Vから、撮影画像Piの撮影時点におけるカメラ2の位置63を算出する。例えば、車両の現在の位置からカメラ2の現在の位置61を特定し、その位置61から現在の車両の向きとは逆方向に距離V×Δtiだけ移動した位置を、撮影画像Piの撮影時点におけるカメラ2の位置63とする。また例えば、撮影画像Pi(iは1からmまでの整数)の撮影時刻における車両1の車速をV(ti)とすると、車両の現在の位置からカメラ2の現在の位置61を特定し、その位置61から現在の車両の向きとは逆方向に積分量∫V(t)dtの距離だけ移動した位置を、撮影画像Piの撮影時点におけるカメラ2の位置63とする。ここで、積分は、時刻tiから現在までの時間積分とする。
【0062】
また、算出した時刻差Δtiと車両1の現在の旋回角速度ωから、撮影画像Piの撮影時点におけるカメラ2の光軸64を算出する。例えば、車両の現在の向きからカメラ2の現在の光軸62の向きを特定し、その光軸62の向きから現在の車両の旋回方向とは逆向きに角度ω×Δtiだけずれた向きを、撮影画像Piの撮影時点におけるカメラ2の光軸63の向きとする。また例えば、撮影画像Pi(iは1からmまでの整数)の撮影時刻における車両1の旋回角速度をω(ti)とすると、車両1の現在の向きからカメラ2の現在の光軸62の向きを特定し、その光軸62の向きから現在の車両の旋回方向とは逆向きに積分量∫ωdtだけずれた向きを、撮影画像Piの撮影時点におけるカメラ2の光軸63の向きとする。ここで、積分は、時刻tiから現在までの時間積分とする。
【0063】
あるいは、撮影画像Piの撮影時の車両1の車速および旋回角度を用いて、より正確に位置63および光軸64を算出してもよい。
【0064】
このようにして得た撮影画像P1〜Pmの撮影時の位置63および光軸64と、今回の撮影画像P0の撮影時の位置61および光軸62に基づいて、図14に示すように、撮影画像P1〜Pm中の参照位置65を算出することができる。
【0065】
参照位置65の算出方法は、具体的には以下の通りである。まず、
α’=α+Δθ−Δα
β’=β+Δθ
という式を用いて、α’、β’、Δθ、Δαからα、βを算出する。ここで、α’は、今回の撮影画像P0の撮影時の車両1の位置における、カメラ2から見た輝点位置の方向の水平面内の角度であり、αは、撮影画像Piの撮影時の車両1の位置における、カメラ2から見た輝点位置の方向の水平面内の角度である。β’は、今回の撮影画像P0の撮影時の車両1の位置における、カメラ2から見た輝点位置の方向の鉛直面内の角度であり、βは、撮影画像Piの撮影時の車両1の位置における、カメラ2から見た輝点位置の方向の鉛直面内の角度である。
【0066】
この角度α、βが決まれば、図11を用いて説明した通り、カメラ2の左右方向の視野角、上下方向の視野角、X方向(左右方向)の総画素数、Y方向(上下方向)の総画素数に基づいて、撮影画像Pi中の参照位置65の画素を特定することができる。
【0067】
なお、α’、β’は、今回の撮影画像P0の撮影時の輝点位置座標から、カメラ2の左右方向の視野角、上下方向の視野角、X方向(左右方向)の総画素数、Y方向(上下方向)の総画素数に基づいて算出することができる。
【0068】
ここで、Δθは、車両1が移動したことに起因する、カメラ2から見た輝点位置方向の水平面内および鉛直面内の変化量であり、Δθ=α×ΔL/Lと近似する。ただし、ΔLは、撮影画像Piの撮影時から今回の撮影画像P0の撮影時までの車両1の移動量であり、Lは、今回の撮影画像P0の撮影時における、カメラ2から輝点位置の光源(すなわち信号機)までの距離であり、最後にステップ205で取得した信号機位置情報に基づいて特定することができる。また、Δαは、車両1が旋回したことに起因する水平面内の輝点位置方向の変化量であり、撮影画像Piの撮影時におけるカメラ2の光軸方向に対する、今回の撮影画像P0の撮影時におけるカメラ2の光軸方向の変化角度である。
【0069】
過去の撮影画像P1〜Pmの参照位置を特定した後は、続いてステップ230で、それら撮影画像P1〜Pm中の参照位置および今回の撮影画像P0に基づいて、輝点位置の輝度が急激に変化しているか否かを判定する。
【0070】
具体的には、各撮影画像Pi(iは1からmまでの整数)において、その撮影画像Piの参照位置の輝度と、次に撮影された撮影画像Pi−1の参照位置(Pi−1=P0なら輝点位置)の輝度との差の絶対値Aiを算出する。そして、絶対値A1〜Amのうち、所定の閾値を超えている絶対値の数が所定数(例えば3)以上であれば、輝点位置の輝度が急激に変化していると判定し、所定数未満であれば、輝点位置の輝度が急激に変化していないと判定する。
【0071】
信号機4の発光体には情報が重畳されているので、輝度の時間的な変化が激しくなっている。一方、信号機4の光っている発光体以外の部分および信号機4の周囲は、輝度の時間的な変化が光っている発光体に比べて非常に緩やかである。従って、図15に示すように、ある時刻tの撮影画像中の輝度分布71と、信号機4における1ビットの送信時間程度の大きさの時間Δtが経過した時刻t+Δtの撮影画像中の輝度分布72とを、車両1の位置変化および姿勢変化のずれを補正した上で比較すれば、光っている発光体の部分のみの変化が大きくなっていて、他の部分の変化はほとんどないということになる。
【0072】
したがって、上記のように、絶対値A1およびAmのうち、所定数以上が閾値より大きければ、輝点位置は、光っている発光体が写っている位置を正しく捉えている可能性が高い。
【0073】
輝点位置の輝度が急激に変化していないと判定した場合、続いてステップ240に進み、スキャン範囲中にまた輝点位置になっていない画素があるか否かを判定し、あればステップ245に進み、スキャン範囲中でまた輝点位置になっていない画素に、輝点位置をずらす。
【0074】
このような、ステップ225、230、240、245の処理Aを、ステップ230で輝点位置の輝度が急激に変化していると判定するまで繰り返す。そして、大きいと判定すれば、ステップ235に進み、その時点における輝点位置の輝度を信号輝度データとして復調部37bに出力し、今回の信号輝度データ取得処理を終了する。
【0075】
ただし、処理Aを繰り返すことで、ステップ240において、新たに輝点位置とする画素がスキャン範囲からなくなったと判定すると、処理Aを抜け出してステップ250に進む。
【0076】
ステップ250では、今回の信号輝度データ取得処理の開始から規定時間(例えば、カメラ2による撮影時間間隔)が経過したか否かを判定し、経過していない場合は、ステップ255に進み、輝点位置を今回の撮影画像中のスキャン範囲外にずらした上で、再度ステップ220で、今回撮影画像よりも小さくかつ現時点の輝点位置を含む新たなスキャン範囲を決定し、その後、上述の通り処理Aを繰り返す。
【0077】
ただし、処理Aを繰り返すことで、新たに輝点位置とする画素がスキャン範囲からなくなったとステップ240で判定した場合でも、今回の信号輝度データ取得処理の開始から規定時間が経過したとステップ250で判定すれば、輝点位置を再度スキャン範囲外にずらすことなく、信号輝度データ取得処理を終了する。この場合は、信号輝度データを復調部37bに出力することなく、信号輝度データ取得処理を終了することになる。
【0078】
次に、ステップ201で、前回の信号輝度データ取得処理で信号輝度データを取得したと判定した場合について説明する。この場合は、ステップ215に進み、前回の信号輝度データ取得処理における撮影画像Q中の輝点位置と、車両1の速度および旋回角速度に基づいて、今回の撮影画像中で信号機4の光っている発光体が写っている輝点位置を予測する。
【0079】
具体的には、カメラ2の現在の位置および光軸を、上述の通り、車両1の現在の位置および向きから算出する。そして、カメラ2のフレームレートから、今回の撮影画像と撮影画像Qの撮影時刻の差Δtを算出し、算出した時刻差Δtと車両1の現在の車速Vから、撮影画像Qの撮影時点におけるカメラ2の位置を算出する。例えば、車両の現在の位置からカメラ2の現在の位置を特定し、その現在位置から現在の車両の向きとは逆方向に距離V×Δtだけ移動した位置を、撮影画像Qの撮影時点におけるカメラ2の位置とする。
【0080】
また、算出した時刻差Δtと車両1の現在の旋回角速度ωから、撮影画像Qの撮影時点におけるカメラ2の光軸を算出する。例えば、車両の現在の向きからカメラ2の現在の光軸の向きを特定し、その光軸の向きから現在の車両の旋回方向とは逆向きに角度ω×Δtだけずれた向きを、撮影画像Qの撮影時点におけるカメラ2の光軸の向きとする。
【0081】
このようにして算出した今回の撮影画像の撮影時の位置および光軸、撮影画像Qの撮影の位置および光軸に基づいて、今回の撮影画像中の輝点位置を算出することができる。今回の撮影画像中の輝点位置の算出方法は、具体的には以下の通りである。まず、
α’=α+Δθ−Δα
β’=β+Δθ
という式を用いて、α、β、Δθ、Δαからα’、β’を算出する。ここで、α’は、今回の撮影画像の撮影時の車両1の位置における、カメラ2から見た輝点位置の方向の水平面内の角度であり、αは、撮影画像Qの撮影時の車両1の位置における、カメラ2から見た輝点位置の方向の水平面内の角度である。β’は、今回の撮影画像の撮影時の車両1の位置における、カメラ2から見た輝点位置の方向の鉛直面内の角度であり、βは、撮影画像Qの撮影時の車両1の位置における、カメラ2から見た輝点位置の方向の鉛直面内の角度である。
【0082】
この角度α’、β’が決まれば、図11を用いて説明した通り、カメラ2の左右方向の視野角、上下方向の視野角、X方向(左右方向)の総画素数、Y方向(上下方向)の総画素数に基づいて、今回の撮影画像中の参照位置65の画素を特定することができる。
【0083】
なお、α、βは、撮影画像Qの撮影時の輝点位置座標から、カメラ2の左右方向の視野角、上下方向の視野角、X方向(左右方向)の総画素数、Y方向(上下方向)の総画素数に基づいて算出することができる。
【0084】
ここで、Δθは、車両1が移動したことに起因する、カメラ2から見た輝点位置方向の水平面内および鉛直面内の変化量であり、Δθ=α×ΔL/Lと近似する。ただし、ΔLは、撮影画像Qの撮影時から今回の撮影画像の撮影時までの車両1の移動量であり、Lは、撮影画像Qの撮影時における、カメラ2から輝点位置の光源(すなわち信号機)までの距離であり、最後にステップ205で取得した信号機位置情報に基づいて特定することができる。また、Δαは、車両1が旋回したことに起因する水平面内の輝点位置方向の変化量であり、撮影画像Qの撮影時におけるカメラ2の光軸方向に対する、今回の撮影画像の撮影時におけるカメラ2の光軸方向の変化角度である。
【0085】
続いてステップ220では、上述のステップ215の処理と同様に、今回の撮影画像において、今回の撮影画像よりも小さくかつ輝点位置を含むスキャン範囲を決定する。ステップ220に続いては、上述のステップ225、230、240、245から成る処理Aを、ステップ230で輝点位置の輝度が急激に変化していると判定するまで繰り返す。そして、ステップ230で大きいと判定すれば、ステップ235に進み、その時点における輝点位置の輝度を信号輝度データとして復調部37bに出力し、今回の信号輝度データ取得処理を終了する。
【0086】
ただし、処理Aを繰り返すことで、ステップ240において、新たに輝点位置とする画素がスキャン範囲からなくなったと判定すると、処理Aを抜け出してステップ250に進む。
【0087】
また、ステップ250では、今回の信号輝度データ取得処理の開始から規定時間が経過したか否かを判定し、経過していない場合は、ステップ255に進み、輝点位置を今回の撮影画像中のスキャン範囲外にずらした上で、再度ステップ220で、今回撮影画像よりも小さくかつ現時点の輝点位置を含む新たなスキャン範囲を決定し、その後、上述の通り処理Aを繰り返す。
【0088】
ただし、処理Aを繰り返すことで、新たに輝点位置とする画素がスキャン範囲からなくなったとステップ240で判定した場合でも、今回の信号輝度データ取得処理の開始から規定時間が経過したとステップ250で判定すれば、輝点位置を再度スキャン範囲外にずらすことなく、信号輝度データ取得処理を終了する。この場合は、信号輝度データを復調部37bに出力することなく、信号輝度データ取得処理を終了することになる。
【0089】
以上説明した通り、制御部37は、カメラ2から取得した撮影画像に対し、信号輝度データ取得処理(ステップ130)を実行し、信号輝度データ取得処理では、地図データ取得部36を用いて発光体の設置位置を取得すると共に車両位置特定部37dが算出した車両1の位置および向きを取得し(ステップ205)、取得した発光体の設置位置ならびに車両1の位置および向きに基づいて、今回の撮影画像中で発光体が写っている輝点位置を推定し(ステップ210)、推定した輝点位置の輝度を信号輝度データとして出力する(ステップ235)。
【0090】
このように、撮影画像に対して信号輝度データ取得処理を実行する際、取得した発光体の設置位置ならびに車両1の位置および向きに基づいて、今回の撮影画像中で発光体が写っている輝点位置を推定することで、撮影画像全体に対して輝点位置を見つけるための画像処理を施す場合に比べ、低い処理負荷で、輝点位置を特定することができる。つまり、信号輝度データ取得処理では、撮影画像全体を処理するのではなく輝度変調のかかった信号が撮像された画素を選択的に処理することにより、処理負荷を低減させることができる。
【0091】
また、制御部37は、カメラ2から取得した撮影画像のそれぞれに対し、信号輝度データ取得処理を実行し、各信号輝度データ取得処理では、前回の信号輝度データ取得処理で信号輝度データを取得していない場合、地図データ取得部36を用いて発光体の設置位置を取得すると共に車両位置特定部37dが算出した車両1の位置および向きを取得し(ステップ205)、取得した発光体の設置位置ならびに車両1の位置および向きに基づいて、今回の撮影画像中で発光体が写っている輝点位置を推定し(ステップ210)、推定した輝点位置の輝度を信号輝度データとして出力する(ステップ235)。
【0092】
また、前回の信号輝度データ取得処理で信号輝度データを取得している場合、前回の信号輝度データ取得処理における輝点位置と、車両位置特定部37dが算出した車両1の速度および旋回角速度に基づいて、今回の撮影画像中で発光体が写っている輝点位置を予測し(ステップ215)、予測した輝点位置の輝度を信号輝度データとして出力する(ステップ235)。
【0093】
このように、逐次取得される撮影画像のそれぞれに対して信号輝度データ取得処理を実行する際、前回の信号輝度データ取得処理で信号輝度データを取得していない場合は、取得した発光体の設置位置ならびに車両1の位置および向きに基づいて、今回の撮影画像中で発光体が写っている輝点位置を推定し、前回の信号輝度データ取得処理で信号輝度データを取得している場合、前回の信号輝度データ取得処理における輝点位置と、車両1の速度および旋回角速度に基づいて、今回の撮影画像中で発光体が写っている輝点位置を予測することで、輝点位置を捕捉している場合は、過去の輝点位置情報を利用したより精度の高い輝点位置の算出を行うことができる。
【0094】
なお、上述のような画像処理部37aの処理により、画像処理部37aから復調部37bへは、1ビット当たり2枚の撮影画像から得た信号輝度データが出力されるので、復調部37bでは、信号輝度データを復調し、重畳されている情報を取得することができる。具体的には、復調部37bは、今回の信号輝度データ取得処理によって画像処理部37aから受けたデータが前回の信号輝度データ取得処理によって画像処理部37aから受けたデータに比べて所定の閾値以上大きくなっていれば、マンチェスタ符号化された信号のハイレベルを再現し、今回の信号輝度データ取得処理によって画像処理部37aから受けたデータが前回の信号輝度データ取得処理によって画像処理部37aから受けたデータに比べて所定の閾値以上小さくなっていれば、マンチェスタ符号化された信号のローレベルを再現する。そして、このようにすることで得られた信号(マンチェスタ符号化された信号)を周知の方法で復号すれば、元の情報を得ることができる。
【0095】
また、制御部37は、各信号輝度データ取得処理で、前回の信号輝度データ取得処理で信号輝度データを取得していない場合、今回の撮影画像中で発光体が写っている輝点位置を推定し(ステップ210)、今回の撮影画像で、今回の撮影画像よりも小さくかつ前記輝点位置を含むスキャン範囲を決定し(ステップ220)、処理Aを繰り返す。
【0096】
また、制御部37は、各信号輝度データ取得処理で、前回の信号輝度データ取得処理で信号輝度データを取得している場合、今回の撮影画像中で発光体が写っている輝点位置を予測し(ステップ215)、今回の撮影画像で、今回の撮影画像よりも小さくかつ輝点位置を含むスキャン範囲を決定し(ステップ220)、処理Aを繰り返す。
【0097】
そして、処理Aでは、車両位置特定部37dが算出した車両1の速度および旋回角速度に基づいて、今回の撮影画像の輝点位置と同じ車外の地点が写っている参照位置を、今回以前にカメラ2から受けた複数の撮影画像中で特定し(ステップ225)、特定した参照位置の輝度および今回の撮影画像の輝点位置の輝度に基づいて、輝度の変化量を複数個算出し、それら複数個の変化量のうち、閾値より大きい変化量が所定数以上あるか否か、すなわち、輝点位置の輝度が激しく変化しているか否かを判定し(ステップ230)、激しく変化していないと判定すれば、スキャン範囲中の他の位置に輝点位置をずらす(ステップ245)、という処理を、激しく変化していると判定するまで繰り返す。
【0098】
そして、処理Aにおいて、激しく変化していると判定すれば、当該輝点位置の輝度を信号輝度データとして出力する(ステップ235)。
【0099】
撮影画像中の発光体の部分の輝度は、その発光体に情報が重畳されているので、発光体以外の部分に比べて、時間的な変動が大きい。したがって、車両1の速度および旋回角速度に基づいて、今回の撮影画像の輝点位置と同じ車外の地点が写っている参照位置を、速度および旋回角速度に基づいて過去の撮影画像中で特定すれば、その参照位置と今回の撮影画像の輝点位置で変化が激しいか否かで、発光体の位置を正しく捉えているか否かを高い確度で判定できる。
【0100】
そして、正しく捕捉できていなければ、今回の撮影画像中の輝点位置を、撮影画像よりも小さいスキャン範囲内でずらして、同じ方法でその輝点位置が発光体の位置を正しく捉えているかを再判定すれば、車両1の速度および旋回角速度を用いて小さい処理負荷で輝点位置を補正することができる。これは、前回の信号輝度データ取得処理で信号輝度データを取得している場合も取得していない場合も同じである。
【0101】
また、信号機が急に物陰に入り撮影できなくなった場合等は、輝点位置を何度もずらして発光体の写っている位置を探すことになるが、その間に、規定時間が過ぎた場合は(ステップ250)、信号輝度データを出力せず信号輝度データ取得処理を終了するので、次回の信号輝度データ取得処理は、信号機位置データと車両1の位置および向きに基づいて、輝点位置を推定し直すことになる。
【0102】
なお、このステップ250で用いる規定時間は、上述のように固定値であってもよいし、車両1の車速に応じて変化させるようになっていてもよい。例えば、車速が大きいほど撮影画像の変化が大きくなり、輝点位置を捕捉できなくなったと早めに判断することが望ましいことに鑑み、車速が大きいほど規定時間を短くするようになっていてもよい。
【0103】
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の範囲は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の各発明特定事項の機能を実現し得る種々の形態を包含するものである。例えば、以下のような形態も許容される。
【0104】
(1)上記実施形態では、輝点位置として特定する画素は、撮影画像中の1画素であるが、必ず1画素でなければならないというわけではない。輝点位置として特定する画素は、撮影画像の総画素数よりは十分小さければ(例えば、100分の1以下であれば)縦2×横2の計4ドットでもよいし、縦3×横2の計6ドットでもよい。
【0105】
(2)また、上記実施形態において、ステップ250、255の処理は、必ず必要というわけではない。例えば、ステップ240で新たに起点位置とする画素がなくなった場合、信号輝度データを出力しないまま、信号輝度データ取得処理を終了してもよい。
【0106】
(3)また、上記実施形態では、ステップ210、220で推定または予測した輝点位置が正確でない場合の対策として、ステップ220、225、230、240、245、250、255の処理を実行するようになっている。しかし、ステップ210、220で推定または予測した輝点位置が、発光している発光体の位置を正確に捉えている可能性は常にあり、またその可能性は、車両位置特定部37dの測定精度、信号機位置データの精度が高いほど向上する。したがって、ステップ220、225、230、240、245、250、255の処理を必ずしも実行しなくても、車両位置特定部37dの測定精度、信号機位置データの精度に応じた確率で、信号機4からデータを受信することができる。
【0107】
(4)また、一般に、交差点には、その交差点への進入方向毎に異なる信号機が設置されている。そこで、信号機位置データは、交差点にある複数台の信号機の個々に対応してレコードが記録され、各レコードは、対象の信号機の発光体の設置位置座標と、その信号機が指示対象としている交差点進入方向との組から成る情報を含むようになっていてもよい。
【0108】
その場合、画像処理部37aは、ステップ205で信号機位置データからレコードを1つ抽出する際、誘導経路または車両1の走行方向から導かれる交差点への進入方向を特定し、その進入方向に対応するレコードのみを、抽出対象とするようになっていれば、より精度の高い輝点位置の推定が可能になる。
【0109】
(5)また、上記実施形態では、ステップ201の判定結果に応じて、ステップ215、220を実行するか、ステップ205、210を実行するかを切り替えている。しかし、ステップ201の判定結果に関わらず、常にステップ205から処理を実行するようになっていてもよい。
【0110】
(6)また、発光体の光に重畳する情報は、当該発光体の3次元位置を示す情報であってもよい。この場合、その位置情報を取得した情報処理部37cは、その位置情報に基づいて、カメラ2の車両1に対する位置および向きのずれのデータを補正するようになっていてもよい。
【0111】
具体的には、画像処理部37aがある信号輝度データ取得処理のステップ235で、撮影画像の輝点位置(以下、確定輝点位置という)の信号輝度データを出力したとき、車両1の位置および向きの情報を車両位置特定部37dから取得し、取得した位置および向きの情報と、上述のように信号機4から受信した位置情報とに基づいて、ステップ210で輝点位置を推定したのと同じ方法で、参照用の輝点位置を算出する。そして、この参照用の輝点位置と確定輝点位置との位置ずれに基づいて、カメラ2の車両1に対する位置および向きのずれのデータを補正する。例えば、撮影画像中で参照用の輝点位置が確定輝点位置より左側にずれていれば、カメラ2の車両1に対する位置および向きのずれのデータよりも、実際のカメラ2は左側にずれていると判定し、カメラ2の車両1に対する向きのずれのデータを、カメラ2がより左側に所定角度(例えば0.1℃)だけ傾いているように補正する。このような補正を繰り返すことで、カメラ2の車両1に対する位置および向きのずれのデータが、より正確になっていく。
【0112】
なお、このような補正は、発光体の光に重畳される当該発光体の3次元位置を示す情報を用いるのではなく、地図データ取得部36が取得した信号機位置データを用いて行ってもよい。
【0113】
(7)また、発光体の光に重畳する情報は、当該発光体の3次元位置を示す情報である場合、この3次元位置情報と、地図データ取得部36が取得した信号機位置データとを比較することで、目標の信号機の発光体から情報を受信しているか、あるいは別の信号機の発光体から情報を受信しているのかを判定するようになっていてもよい。
【0114】
具体的には、情報処理部37cは、復調部37bの出力結果に基づいて、信号機4が送信した発光体の3次元位置を示す情報を取得すると、画像処理部37aが信号輝度データ取得処理のステップ205を最後に実行したときに信号機位置データから取得した信号機の3次元位置情報(車両1に最も近い信号機の3次元位置情報)と、信号機4が送信した3次元位置情報とを比較し、それらが一致していれば、目標の信号機の発光体を捉えていると判定し、所定のフラグをオンとし、一致していなければ、目標の信号機の発光体を捉えていないと判定し、所定のフラグをオフとするようになっていてもよい。そして、画像処理部37aは、ステップ201で、当該フラグがオフならば、前回画像で信号を取得しているいないにかかわらず、ステップ205に進み、再度目標の信号機4の発光部を探すようになっていてもよい。このようにすることで、撮影画像中に複数の信号機が写っていても、目標の信号機4とは別の信号機から情報を取得し続けてしまう可能性が低減される。
【0115】
(8)また、上記実施形態では、情報が重畳された光を発する発光体は、信号機4の発光体に限らず、情報送信のためだけに設置される発光体であってもよい。
【0116】
(9)また、上記ステップ225では、過去の撮影画像Piの参照位置を特定する際、その撮影画像Piに対して信号輝度データ取得処理を実行したときに、輝点位置の信号輝度データをステップ235で出力していた場合は、当該輝点位置を当該撮影画像Piの参照位置とするようになっていてもよい。
【0117】
(10)また、車載情報取得装置は、ナビゲーション装置でなくてもよく、車両位置情報を取得でき、発光体の位置情報さえ有していれば、ナビゲーション機能を備えておらずともよい。
【0118】
(11)また、カメラ2の撮影方向(すなわち光軸)は、車両1の前方である必要はなく、車両1の横方向でもよいし、上方向でもよい。
【0119】
(12)また、上記実施形態では、情報をマンチェスタ方式で符号化し、それをR、Y、G信号のそれぞれに乗算するような方法で、R、Y、G信号を情報で変調している。このようなマンチェスタ方式を用いた変調は、位相変調方式の一種であるBPSKに該当する。しかし、マンチェスタ方式を用いた変調は、所定時間以内に必ず発光輝度レベルの高低が反転する信号を生成するという目的を実現するための方式の一例に過ぎず、他の位相変調方式を用いても、同様の目的を実現することができる。また、位相変調方式の方式でも、この目的を実現できる方式なら、どのような方式を採用してもよい。
【0120】
(13)また、制御部37がプログラムを実行することで実現している各機能は、それらの機能を有するハードウェア(例えば回路構成をプログラムすることが可能なFPGA)を用いて実現するようになっていてもよい。
【符号の説明】
【0121】
1 車両
2 カメラ
3 ナビゲーション装置
4 信号機
31 位置検出器
32 画像表示装置
33 操作部
34 音声出力部
35 記憶部
36 地図データ取得部
37 制御部
37a 画像処理部
37b 復調部
37c 情報処理部
37d 車両位置特定部
41 信号制御部
42 変調部
43 発光部
44 情報送出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路付近に設置された発光体が発する光に重畳された情報を取得する車載情報取得装置であって、
前記車両(1)に搭載されるセンサ(31)から出力される検出信号に基づいて前記車両(1)の位置および向きを算出する車両位置特定部(37d)と、
前記発光体の設置位置の情報を記憶媒体から読み取るかまたは無線通信によって取得する取得部(36)と、
車両(1)に搭載されると共に前記車両(1)の外部を繰り返し撮影するカメラ(2)から撮影画像を逐次取得し、取得した各撮影画像に基づいて、その撮影画像の撮影時点における前記発光体の輝度を特定し、特定した輝度を信号輝度データとして出力する画像処理手段(37a)と、
前記画像処理部(37a)が出力した信号輝度データを復調し、復調結果のデータを生成する復調手段(37b)と、を備え、
前記画像処理手段(37a)は、前記カメラ(2)から取得した撮影画像に対し、信号輝度データ取得処理(130)を実行し、信号輝度データ取得処理(130)では、前記取得部(36)を用いて前記発光体の設置位置を取得すると共に前記車両位置特定部(37d)が算出した前記車両(1)の位置および向きを取得し、取得した前記発光体の設置位置ならびに前記車両(1)の位置および向きに基づいて、前記撮影画像中で前記発光体が写っている輝点位置を推定し、推定した輝点位置の輝度を信号輝度データとして出力することを特徴とする車載情報取得装置。
【請求項2】
車両位置特定部(37d)は、前記車両(1)に搭載されるセンサ(31)から出力される検出信号に基づいて前記車両(1)の位置、向き、速度、および旋回角速度を算出し、
前記画像処理手段(37a)は、前記カメラ(2)から逐次取得した撮影画像のそれぞれに対し、信号輝度データ取得処理(130)を実行し、各信号輝度データ取得処理(130)では、
前回の信号輝度データ取得処理で信号輝度データを取得していない場合、前記取得部(36)を用いて前記発光体の設置位置を取得すると共に前記車両位置特定部(37d)が算出した前記車両(1)の位置および向きを取得し、取得した前記発光体の設置位置ならびに前記車両(1)の位置および向きに基づいて、今回の撮影画像中で前記発光体が写っている輝点位置を推定し、推定した輝点位置の輝度を信号輝度データとして出力し、
前回の信号輝度データ取得処理で信号輝度データを取得している場合、前回の信号輝度データ取得処理における輝点位置と、前記車両位置特定部(37d)が算出した前記車両(1)の速度および旋回角速度に基づいて、今回の撮影画像中で前記発光体が写っている輝点位置を予測し、予測した輝点位置の輝度を信号輝度データとして出力することを特徴とする請求項1に記載の車載情報取得装置。
【請求項3】
前記画像処理手段(37a)は、各信号輝度データ取得処理(130)では、前回の信号輝度データ取得処理で信号輝度データを取得していない場合、今回の撮影画像中で前記発光体が写っている輝点位置を推定し、
今回の撮影画像で、今回の撮影画像よりも小さくかつ前記輝点位置を含むスキャン範囲を決定して処理Aを繰り返し、
前記処理Aでは、前記車両位置特定部(37d)が算出した前記車両(1)の速度および旋回角速度に基づいて、今回の撮影画像の輝点位置と同じ車外の地点が写っている参照位置を、今回以前に前記カメラ(2)から受けた複数の撮影画像中で特定し、特定した参照位置の輝度および今回の撮影画像の輝点位置の輝度に基づいて、輝度の変化量を複数個算出し、前記複数個の変化量のうち、閾値より大きい変化量が所定数以上あるか否かを判定し、所定数以上ないと判定すれば、スキャン範囲中の他の位置に輝点位置をずらす、という処理を、所定数以上あると判定するまで繰り返し、
前記処理Aにおいて、前記複数個の変化量のうち前記閾値より大きい変化量が前記所定数以上あると判定すれば、当該輝点位置の輝度を信号輝度データとして出力することを特徴とする請求項2に記載の車載情報取得装置。
【請求項4】
前記画像処理手段(37a)は、各信号輝度データ取得処理(130)では、前回の信号輝度データ取得処理で信号輝度データを取得している場合、今回の撮影画像中で前記発光体が写っている輝点位置を予測し、
今回の撮影画像で、今回の撮影画像よりも小さくかつ前記輝点位置を含むスキャン範囲を決定して処理Aを繰り返し、
前記処理Aでは、前記車両位置特定部(37d)が算出した前記車両(1)の速度および旋回角速度に基づいて、今回の撮影画像の輝点位置と同じ車外の地点が写っている参照位置を、今回以前に前記カメラ(2)から受けた複数の撮影画像中で特定し、特定した参照位置の輝度および今回の撮影画像の輝点位置の輝度に基づいて、輝度の変化量を複数個算出し、前記複数個の変化量のうち、閾値より大きい変化量が所定数以上あるか否かを判定し、所定数以上ないと判定すれば、スキャン範囲中の他の位置に輝点位置をずらす、という処理を、所定数以上あると判定するまで繰り返し、
前記処理Aにおいて、前記複数個の変化量のうち前記閾値より大きい変化量が前記所定数以上あると判定すれば、当該輝点位置の輝度を信号輝度データとして出力することを特徴とする請求項2または3に記載の車載情報取得装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−43090(P2012−43090A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−182280(P2010−182280)
【出願日】平成22年8月17日(2010.8.17)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】