説明

車載用ナビゲーション装置

【課題】渋滞状況を考慮した適切なタイミングで経路案内を行い、車両を所望の経路に円滑に誘導することのできる車載用ナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】車両の現在位置を検出する現在位置検出手段14と、分岐地点及び分岐地点に対応した案内地点の情報を含む道路情報を記憶する地図記憶手段15と、渋滞情報を取得する渋滞情報取得手段17と、取得した渋滞情報に基づき、分岐地点から案内地点付近まで渋滞中であるか否かを判定し、案内地点付近まで渋滞中であると判定したとき、経路案内を出力する案内地点を手前の位置に変更する制御手段10とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用ナビゲーション装置に関するものであり、特に、分岐地点にかかる経路案内を行う車載用ナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両の走行に伴ってGPS(Global Positioning System)等により現在位置を検出し、その現在位置をディスプレイ上に道路地図とともに表示することにより、ドライバを目的地まで円滑に導くようにした車載用ナビゲーション装置が知られている。また、車載用ナビゲーション装置には、ドライバが目的地を設定した際、その目的地までの案内経路を算出してディスプレイに表示させるとともに、車両が交差点等の案内経路中の分岐地点に近づいたとき、右左折や車線変更を音声等で案内する経路案内機能を搭載したものが知られている。
【0003】
ところで、経路案内機能による分岐地点の案内は、通常、分岐地点の一定距離手前で、「1km先の○○出口で降りてください。」といったように、予め決められた地点で行われる。この場合、例えば、高速道路等の本線を走行中の車両のドライバが前記の経路案内の通知を受けた時点で、出口車線が既に渋滞していると、本線からの車線変更が困難となる恐れがある。なお、このような事態が生じると、所望の目的地に向うことができないか、あるいは、出口車線に無理に割り込もうとする当該車両によって本線自体の渋滞をも引き起こしかねない。
【0004】
このような不具合を回避するためには、予め道路の渋滞情報を取得し、その情報に基づいて適切に対処することが必要である。車両に渋滞情報を提供する手段としては、種々の提案がなされている。
【0005】
例えば、特許文献1(特許第3686943号公報)には、車両に対して渋滞情報を提供することのできる交通情報提供システムが開示されている。この特許文献1に開示された技術は、道路上の一定範囲を監視して一定速度以下に減速した車両の位置を検出し、その位置から渋滞情報を作成し、通信等により交通情報サービス又は車両に情報提供することにより、運転者の経路選択に役立てるとともに、渋滞の伸長防止を図るようにしたものである。
【0006】
また、特許文献2(特開2002−107156号公報)には、車両自体が渋滞の有無を判断するナビゲーション装置及び記録媒体が開示されている。この特許文献2に開示された技術は、車両の停車状態に基づいて渋滞の有無を判断し、その判断結果を渋滞情報として提供するようにしたものである。
【0007】
一方、道路状況に応じて、経路案内のタイミングを変更するようにした先行技術がある。
【0008】
例えば、特許文献3(特開2007−127416号公報)には、経路案内システム及び経路案内方法が開示されている。この特許文献3に開示された技術は、探索経路上の目標地点に対する標準の経路案内地点を設定し、標準の経路案内地点から目標地点までの探索経路上にレーン間移動が禁止された車線変更禁止区間があるどうかを判断し、車線変更禁止区間がある場合、標準の経路案内地点を補正して手前側に設定することにより、レーン間移動を行うための十分な距離を確保できるようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許第3686943号公報(段落[0007])
【特許文献2】特開2002−107156号公報(段落[0037])
【特許文献3】特開2007−127416号公報(請求項1、段落[0009])
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記特許文献1に開示された交通情報提供システム、及び、上記特許文献2に開示されたナビゲーション装置及び記録媒体は、車両に対して渋滞情報を提供できるだけであり、この情報を用いて案内経路に従った走行を行うためには、例えば、ディスプレイに表示されている案内経路に対して渋滞情報を加味し、ドライバが適切に判断する必要がある。
【0011】
一方、上記特許文献3に開示された経路案内システム及び経路案内方法では、予め決まっている車線変更禁止区間の情報に従い、標準の経路案内地点を変更するものであり、渋滞の有無に応じて経路案内地点の変更の要否判断を行うものではない。従って、渋滞の状況、例えば、車線変更禁止区間を大きく越えて渋滞が生じているような場合、変更された経路案内がなされた時点で、既に車線変更ができなくなってしまう恐れもある。
【0012】
本発明は、上記の問題点を解消することを課題とするものであり、渋滞状況を考慮した適切なタイミングで経路案内を行い、車両を所望の経路に円滑に誘導することのできる車載用ナビゲーション装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、
車両の現在位置を検出する現在位置検出手段と、分岐地点及び該分岐地点に対応した案内地点の情報を含む道路情報を記憶する地図記憶手段と、渋滞情報を取得する渋滞情報取得手段と、前記案内地点に前記車両が到達したとき、対応する分岐地点にかかる経路案内を出力手段を介して出力する制御手段と、を備えた車載用ナビゲーション装置において、
前記制御手段は、取得した前記渋滞情報に基づき、前記分岐地点から該分岐地点に対応する前記案内地点の付近まで渋滞中であるか否かを判定し、前記案内地点の付近まで渋滞中であると判定したとき、経路案内を出力する案内地点を、前記案内地点よりも手前の位置に変更することを特徴とする。
【0014】
また、本願の請求項2にかかる発明は、請求項1にかかる車載用ナビゲーション装置において、前記制御手段は、前記案内地点の付近まで渋滞中であると判定したとき、前記案内地点を、渋滞している車列の最後尾よりも手前の位置に変更することを特徴とする。
【0015】
また、本願の請求項3にかかる発明は、請求項1にかかる車載用ナビゲーション装置において、目的地を入力する入力手段と、前記分岐地点を経由して前記目的地に至る経路を探索する経路探索手段と、を備えることを特徴とする。
【0016】
また、本願の請求項4にかかる発明は、請求項1にかかる車載用ナビゲーション装置において、前記渋滞情報取得手段は、前記渋滞情報を外部システムから取得する通信手段であることを特徴とする。
【0017】
また、本願の請求項5にかかる発明は、請求項4にかかる車載用ナビゲーション装置において、前記外部システムは、前記渋滞情報を提供する交通情報提供システムであることを特徴とする。
【0018】
また、本願の請求項6にかかる発明は、請求項1にかかる車載用ナビゲーション装置において、前記出力手段は、前記経路案内を表示する表示手段であることを特徴とする。
【0019】
また、本願の請求項7にかかる発明は、請求項1にかかる発明において、前記出力手段は、前記経路案内を音声で報知する音声報知手段であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
請求項1にかかる発明においては、制御手段は、取得した前記渋滞情報に基づき、前記分岐地点から該分岐地点に対応する前記案内地点の付近まで渋滞中であるか否かを判定し、前記案内地点の付近まで渋滞中であると判定したとき、経路案内を出力する案内地点を、前記案内地点よりも手前の位置に変更する。
【0021】
このような構成によれば、渋滞情報取得手段により取得した渋滞情報に基づき、案内地点の付近が渋滞中であると判定したとき、案内地点を該案内地点よりも手前の位置に変更して経路案内を行うことにより、車両を所望の経路に確実且つ円滑に誘導することができる。
【0022】
また、請求項2にかかる発明においては、請求項1にかかる車載用ナビゲーション装置において、制御手段は、前記案内地点の付近まで渋滞中であると判定したとき、前記案内地点を、渋滞している車列の最後尾よりも手前の位置に変更するから、出口車線の車列に割り込むような危険を防止し、また、そのために減速することで、本線の渋滞を引き起こしてしまうこともなく、車両を所望の経路に確実且つ円滑に誘導することができる。
【0023】
また、請求項3にかかる発明においては、請求項1にかかる車載用ナビゲーション装置において、目的地を入力する入力手段と、前記分岐地点を経由して前記目的地に至る経路を探索する経路探索手段と、を備えることにより、車両を探索した案内経路に従って確実に目的地に誘導することができる。
【0024】
また、本願の請求項4にかかる発明においては、請求項1にかかる車載用ナビゲーション装置において、前記渋滞情報取得手段を、前記渋滞情報を外部システムから取得する通信手段とすることにより、渋滞情報を外部から取得して車両を所望の分岐地点に導くことができる。
【0025】
また、本願の請求項5にかかる発明においては、請求項4にかかる車載用ナビゲーション装置において、前記外部システムを、前記渋滞情報を提供する交通情報提供システムとすることにより、渋滞情報を交通情報提供システムから得ることができる。
【0026】
また、本願の請求項6にかかる発明においては、請求項1にかかる車載用ナビゲーション装置において、前記出力手段を、前記経路案内を表示する表示手段とすることにより、表示された経路案内に従って車両を所望の分岐地点に導くことができる。
【0027】
また、本願の請求項7にかかる発明においては、請求項1にかかる発明において、前記出力手段を、前記経路案内を音声で報知する音声報知手段とすることにより、音声による経路案内に従って車両を所望の分岐地点に導くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施形態にかかる車載用ナビゲーション装置の要部構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態にかかる車載用ナビゲーション装置の動作フローチャートである。
【図3】本発明の実施形態にかかる車載用ナビゲーション装置が適用される道路状況の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の具体例を実施形態及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための車載用ナビゲーション装置を例示するものであって、本発明をこの車載用ナビゲーション装置に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態の車載用ナビゲーション装置にも等しく適応し得るものである。
【0030】
図1は、本発明の実施形態にかかる車載用ナビゲーション装置の要部構成を示すブロック図である。
【0031】
制御手段10は、CPU11、RAM12、ROM13からなるプロセッサで構成され、RAM12、ROM13に記録された制御プログラムに従って車載用ナビゲーション装置の各部の動作を制御するものである。
【0032】
現在位置検出手段14は、地球上空を周回している複数のGPS衛星から時刻情報を含む電波を受信するGPS受信機等で構成される。また、現在位置検出手段14は、距離センサ、方位センサ、舵角センサ等からなる自立航法装置を用いることもできる。
【0033】
地図記憶手段15は、道路の分岐地点等の結節点をノードとする道路ノードデータと、それぞれのノード間を結ぶ経路をリンクとした道路リンクデータとを含む道路情報を記憶している。道路ノードデータには、道路ノード番号、位置座標、接続リンク本数、分岐地点名称等が含まれ、また、これらの道路を表示手段20に描画する際に用いられる地図画像や現在位置を表示するための現在位置マークの画像も記憶されている。また、地図記憶手段15には、経路探索手段16が探索した案内経路の情報と案内経路画像が一時記憶される。なお、案内経路画像は、経路探索手段16が探索した案内経路に基づき、制御手段10が地図画像を用いて生成するものであり、案内経路の情報は、分岐地点に関する情報や分岐地点に対応した案内地点の情報(緯度・経度)、更には案内地点において音声出力する音声案内データなどから構成される。
【0034】
また、道路リンクデータには、始点及び終点となる道路ノード番号、道路種別、リンク長(リンクコスト)、所要時間、車線数、車道幅などが含まれる。道路リンクデータには、さらに、リンク属性として橋、トンネル、踏切、料金所などのデータが付与される。道路種別とは、高速道路や有料道路の別、国道や都道府県道等の別を含む情報である。
【0035】
さらに、地図記憶手段15には、海岸線、湖沼、河川形状などの水系データ、行政境界データ、駐車場をはじめとする施設位置、施設形状、施設名称を含む施設データからなる背景データが記憶されている。
【0036】
なお、上記説明では、経路探索手段16が探索した案内経路のデータは、地図記憶手段15に記憶すると記載したが、これに限るものではなく、地図記憶手段15以外の記憶場所(例えば、RAM12)に一時記憶する構成としてもよい。
【0037】
経路探索手段16は、ユーザが後述する入力手段19を用いて目的地を入力すると、地図記憶手段15に記憶されている道路情報を参照し、出発地から目的地に至る最適経路を探索するものである。
【0038】
最適経路の探索は、現在位置又はユーザによって指定された出発地に対応する道路ノードからユーザによって指定された目的地に対応する道路ノードまでに至るリンクとノードをダイクストラ法等の各種の手法によって探索し、リンク長(リンクコスト)や所要時間等を累積し、総リンク長又は総所要時間等が最短となる経路を案内経路とし、当該経路に属する道路ノードやリンクを案内経路データとして提供するものである。
【0039】
通信手段17は、インフラとして所定の監視地点に配備されている交通情報提供システム18(特許文献1参照)との間で通信を行い、経路探索手段16により探索された案内経路中の渋滞情報、又は、当該車両の現在位置周辺における渋滞情報を含むFM多重VICS情報を取得するものである。渋滞情報には、渋滞が発生している道路情報及び渋滞の長さ情報が含まれる。なお、渋滞情報は、交通情報提供システム18から取得するのに代えて、通信手段17を介して他の車両から取得することも可能である。また、自車両の走行状態から生成することも可能である。
【0040】
入力手段19は、車載用ナビゲーション装置における操作入力や出発地、目的地の入力を行う各種キー、スイッチなどから構成される。
【0041】
表示手段20は、地図画像や案内経路画像、さらには、所定の案内地点において、分岐地点にかかる経路案内のための情報を表示してユーザが視認できるようにするためのものであり、液晶ディスプレイなどで構成される。なお、この表示手段20は、タッチセンサを備えた入力手段として機能させてもよい。この場合、ディスプレイ上に表示されたアイコンをユーザが触れることで選択入力が行われる。
【0042】
音声報知手段21は、通信手段17を介して外部より取得した渋滞情報や、渋滞情報を考慮した経路案内を音声で報知するものである。
【0043】
次に、図2のフローチャート及び図3の模式図を用いて、本実施形態の車載用ナビゲーション装置の動作を説明する。なお、図3は、高速道路等の本線22を走行する車両23が、出口車線24の分岐地点25に進入する場合を模式的に示したものである。
【0044】
先ず、車両の走行に先立ち、あるいは、走行中において、ドライバ等のユーザは、車載用ナビゲーション装置の入力手段19を用いて目的地を入力する(ステップS101)。入力手段19から目的地のデータを受け取った制御手段10は、経路探索手段16に対して経路探索開始を指示する。
【0045】
経路探索手段16は、地図記憶手段15に記憶された地図データを参照し、現在位置又は入力手段19で入力された出発地から目的地までの最適経路を探索する(ステップS102)。
【0046】
経路探索手段16が最適経路を探索すると、制御手段10は、この最適経路を案内経路として、地図画像、案内経路画像、現在位置マーク等を表示手段20に表示し、経路案内を開始する。車両が案内経路を走行中、現在位置検出手段14は、車両の現在位置を検出し、制御手段10は、随時検出される車両の現在位置に応じて表示手段20に表示される車両の現在位置マークの位置を逐次更新する。
【0047】
車両が探索された案内経路を走行している間(ステップS103)、制御手段10は、経路探索手段16によって探索された案内経路の情報と、現在位置検出手段14によって検出された車両の現在位置の情報と、通信手段17を介して交通情報提供システム18から取得した渋滞情報とに基づき、経路案内を行う案内地点付近で渋滞が生じているか否かの判定を行う(ステップS104)。
【0048】
ここで、車両に対する経路案内は、探索された案内経路に従い、当該車両が次に進入すべき分岐地点から所定距離だけ手前の位置に設定された案内地点において、例えば、「1km先の出口車線24を降りて下さい。」といったように、表示手段20及び/又は音声報知手段21」を用いて事前にドライバに通知される。ドライバは、この経路案内に従い、予め走行車線を変更する等の処理を行い、分岐地点に向うことができる。
【0049】
そこで、制御手段10は、例えば、図3の場合において、渋滞情報より取得した分岐地点25からの渋滞の長さTと、分岐地点25を基準として設定された通常案内地点26までの距離Lとを比較し、T>Lであれば、通常案内地点26の近傍まで渋滞が延びているものと判定し、経路案内を行う案内地点が渋滞している車列の最後尾よりも手前になるように、通常案内地点26を変更案内地点27に変更する(ステップS105)。
【0050】
具体的には、分岐地点からの渋滞の長さを渋滞情報より取得することが可能なので、渋滞の最後尾地点の位置座標よりも手前の地点(例えば、最後尾地点よりも500m手前の地点)を仮の案内地点とし、この地点に対応した位置座標を一時的にRAM12等に一時記憶することで案内地点の変更を行うものとする。
【0051】
なお、経路案内を行う通常案内地点26は、例えば、分岐地点25から1km手前、500m手前、200m手前、50m手前、といったように、複数の地点に設定されている。従って、本実施形態では、ドライバに対して一番最初に経路案内を行う地点を通常案内地点26とする。
【0052】
次いで、制御手段10は、車両23が変更案内地点27に到達した時点において、表示手段20及び/又は音声報知手段21を付勢し、例えば、「1.5km先の出口車線24を降りて下さい。」といったように、変更案内地点27の位置に応じた経路案内の通知を行う(ステップS106)。この通知には、「出口車線24は渋滞しています。」という渋滞情報を付加してもよい。
【0053】
なお、通常案内地点26の付近が渋滞していない場合には、車両23が通常案内地点26に到達した時点において、通常の経路案内を行うことになる。
【0054】
以上の処理は、経路案内が終了するまで繰り返し行われる(ステップS107)。
【0055】
以上、詳細に説明したように、本実施形態の車載用ナビゲーション装置によれば、分岐地点の情報を案内する案内地点付近での渋滞の有無に従い、必要に応じて案内地点を変更して経路案内を行うことにより、車両を分岐地点に確実且つ円滑に誘導することができる。すなわち、例えば、通常案内地点26が渋滞しているにもかかわらず、案内地点を変更しなかった場合、図3に示すように、通常案内地点26の付近の本線22を走行している車両23は、出口車線24に移動することができず、あるいは、出口車線24の車列に割り込むために減速することで、本線22の渋滞を引き起こしてしまう恐れがある。これに対して、本実施形態では、経路案内の案内地点を渋滞の最後尾よりも手前に変更することにより、本線22を走行している車両23は、出口車線24に確実に移動することができる。この場合、車両23が速やかに出口車線24に移動するため、本線22の渋滞を引き起こす恐れもない。
【0056】
なお、上記の説明では、経路探索手段16によって探索された目的地までの案内経路に従って車両が走行するものとして説明したが、案内経路を参照することなく車両を走行させる場合にも適用することができる。例えば、車両が走行している現在位置に近い分岐地点にかかる情報を案内する場合において、当該情報を案内する案内地点付近の渋滞情報を取得し、必要に応じて案内地点を渋滞していない地点に変更することにより、ドライバは、適切なタイミングで得た案内情報に従い、車両を所望の分岐地点に対して円滑に移動させることができる。
【符号の説明】
【0057】
10・・・制御手段
11・・・CPU
12・・・RAM
13・・・ROM
14・・・現在位置検出手段
15・・・地図記憶手段
16・・・経路探索手段
17・・・通信手段
18・・・交通情報提供システム
19・・・入力手段
20・・・表示手段
21・・・音声報知手段
22・・・本線
23・・・車両
24・・・出口車線
25・・・分岐地点
26・・・通常案内地点
27・・・変更案内地点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の現在位置を検出する現在位置検出手段と、分岐地点及び該分岐地点に対応した案内地点の情報を含む道路情報を記憶する地図記憶手段と、渋滞情報を取得する渋滞情報取得手段と、前記案内地点に前記車両が到達したとき、対応する分岐地点にかかる経路案内を出力手段を介して出力する制御手段と、を備えた車載用ナビゲーション装置において、
前記制御手段は、取得した前記渋滞情報に基づき、前記分岐地点から該分岐地点に対応する前記案内地点の付近まで渋滞中であるか否かを判定し、前記案内地点の付近まで渋滞中であると判定したとき、経路案内を出力する案内地点を、前記案内地点よりも手前の位置に変更することを特徴とする車載用ナビゲーション装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記案内地点の付近まで渋滞中であると判定したとき、前記案内地点を、渋滞している車列の最後尾よりも手前の位置に変更することを特徴とする請求項1に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項3】
目的地を入力する入力手段と、
前記分岐地点を経由して前記目的地に至る経路を探索する経路探索手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項4】
前記渋滞情報取得手段は、前記渋滞情報を外部システムから取得する通信手段であることを特徴とする請求項1に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項5】
前記外部システムは、前記渋滞情報を提供する交通情報提供システムであることを特徴とする請求項4に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項6】
前記出力手段は、前記経路案内を表示する表示手段であることを特徴とする請求項1に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項7】
前記出力手段は、前記経路案内を音声で報知する音声報知手段であることを特徴とする請求項1に記載の車載用ナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−47690(P2011−47690A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−194351(P2009−194351)
【出願日】平成21年8月25日(2009.8.25)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】