説明

逆転写酵素阻害剤およびメルドニウムに基づく医薬組成物

逆転写酵素阻害剤の1つ、すなわち臨床的に有効な量のジドブジン、ラミブジンまたはスタブジンとメルドニウムの他、薬学的に適用し得る賦形剤を含む新規医薬組成物。メルドニウムはこれらの医薬組成物中に含まれることにより、逆転写酵素阻害剤の心臓および神経毒性を本質的に減少させることが証明された。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はメルドニウム(Meldonium)の新規治療用途と、逆転写酵素阻害剤型の薬剤で生じる毒性の減少を目的とする医薬組成物とに関する。
【背景技術】
【0002】
ヒト免疫不全ウイルスの感染は、2004年の後半で3770万の成人および220万の小児が感染した最も頻度の多いきわめて危険な感染病の一つであることが知られている(BROCKLEHURST、P.ら、「HIV感染の母子感染のリスクを減少するための抗レトロウイルス剤(Antiretrovirals for Reducing the Risk of Mother−to−Child Transmission of HIV Infection)」、Cochrane Database Syst Rev. 2002,no.2)。
【0003】
HIV/AIDSの治療において、HIV−1ミトコンドリア・デオキシリボ核酸(mtDNA)複製に関与する酵素である、ポリメラーゼ−γを阻害するジドブジン(AZT)、スタブジンおよびラミブジンが最も広く使用されている。従って、ジドブジン、スタブジンおよびラミブジンは新しいミトコンドリアの生成を妨害し、他の副作用を生じる。
【0004】
メルドニウムは、化学的には、プロピオン酸3−(2,2,2−トリメチルヒドラジニウム)であり、米国特許第4481218号(INST ORGANICHESKOGO SINTEZA AK(SU))、08.07.1982に開示されている。
【0005】
メルドニウムは様々な心臓血管病および虚血症を有するその他の病変の治療において、抗虚血およびストレス保護薬としての薬剤中に広範囲に適用されている。
【0006】
ジドブジンは、化学的には3′−アジド−3′−デオキシチミジン、アジドチミジンまたはAZTであり、逆転写酵素阻害剤である。ジドブジンおよび関連化合物の治療用途、およびそれらの調製法は米国特許第4724232号(BURROUGHS WELLCOME社(US))、17.09.1985に開示されている。
【0007】
ジドブジンは100mgカプセル、300mg錠剤、20mLの使い捨てバイアル中の10mg/mL液、および240mL中の50mg/5mLシロップとして市販されている。
【0008】
ラミブジンは、化学的には、(2R−シス)−4−アミノ−1−[2−(ヒドロキシメチル)−1,3−オキサチオラン−5−イル]−2(1H)−ピリミジノン、(−)−2′−デオキシ−3′−チアシチジン、(−)−1−[(2R,5S)−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−オキサチオラン−5−イル]シトシン、または3TCであり、逆転写酵素阻害剤である。ラミブジンおよび関連化合物の治療用途、およびそれらの調製法は国際特許出願公開第9117159号(IAF BIOCHEM INT(CA))、02.05.1991に開示されている。
【0009】
ラミブジンは100mg、150mgおよび300mgの錠剤、240mL中の10mg/mLの経口溶液として市販されている。
【0010】
スタブジンは、化学的には2′,3′−ジデヒドロ−3′−デオキシチミジン、1−(2,3−ジデオキシ−β−グリセロ−ペント−2−エノフラノシル)チミン、または3′−デオキシ−2′−チミジネンであり、逆転写酵素阻害剤である。スタブジンおよび関連化合物の治療用途、およびそれらの調製法は米国特許第5130421号(BRISTOL MYERS社(US))、29.04.1991に開示されている。
【0011】
スタブジンは15mg、20mg、30mgおよび40mgのカプセル、および200mL中の1mg/mLの経口溶液として市販されている。
【0012】
ジドブジン、スタブジンおよびラミブジンの毒性で生じる副反応を制限し得る方法について、いくつかのアプローチが知られている。しかしながら、心筋細胞および神経細胞の双方の作用に対して同時に効果のあるものはない。
【0013】
ミトコンドリアの損傷を減じる目的で、抗酸化剤を追加的に使用すること、例えばきわめて高い用量のビタミンCおよびビタミンEの使用が具体的な症例で推奨されている(BROCKLEHURST、P.ら、「HIV感染の母子感染のリスクを減少するための抗レトロウイルス剤」、Cochrane Database Syst Rev,.2002,no.2;FICHTENBAUM、C.J.、「HIV感染患者における冠動脈心臓病の危険性、脂質代謝異常および管理(Coronary Heart Disease Risk, Dyslipidemia, and Management in HIV−Infected Persons)」、HIV Clin Trials.2004 Nov−Dec,vol.5,no.6,p416−433)。
【0014】
1,250mg/kgのビタミンCの毎日投与、および75mg/kgのビタミンEの毎日投与により、ミトコンドリアが酸化ストレスに対して防御される他、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)および乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)の活性が減少し、ミトコンドリアの微細構造の損傷も制限されることがマウスの実験で証明されている。ジドブジン投与により増強するクレアチンキナーゼ(CK)活性
も同様に減少する(PETERS、B.S.,ら、「AIDSにおける慢性ジドブジン治療に伴うミトコンドリア筋疾患(Mitochondrial Myopathy Associated with Chronic Zidovudine Therapy in AIDS)」、QJ Med. 1993, Jan. vol.86, no.1, p5−15)。
【0015】
補酵素Q10は、呼吸連鎖における電子移動を活性化することによりジドブジン副反応の排除に正の影響を及ぼし得る、別の物質とみなすことができ、リボフラビン、トコフェロール、コハク酸、アスコルビン酸、メナジオンおよびニコチンアミドは呼吸連鎖妨害を阻害すると推定される(LARSSON、N.G.,ら、「ミトコンドリア筋疾患(Mitochondrial Myopathies)」、Acta Physiol. Scand. 2001, no.171, p225−233)。
【0016】
WO9705864号(SIGMA TAU IND FARMACEUTI (IT);MENDES SRL (IT);MORETTI SONIA (IT)、19.07.1996)はセラミドレベルを下げ、HIV感染およびAIDSの治療処置用の抗レトロウイルス薬の活性を増強し、これらの薬剤の影響を受けた免疫系を増強するために、前記抗レトロウイルス薬と組み合わせたL−カルニチン、その誘導体およびそれらの薬理学的に許容し得る塩の新規用途に関する情報を提供する。
【0017】
欧州特許公開第0560275A号(SIGMA ΤAU IND FARMACEUTI(IT)、09.03.1993)には、カルチニン欠乏HIV血清陽性患者を治療するためのL−カルチニンおよびその薬理学的に許容し得る塩の新規治療用途が開示されている。
【0018】
発明の開示
【0019】
技術的問題
【0020】
AIDS治療において、HIV−1ミトコンドリア・デオキシリボ核酸(mtDNA)複製に関与する必要な酵素であるポリメラーゼ−γを阻害するジドブジン(AZT)、スタブジンおよびラミブジンは最も広く使用されている。従って、ジドブジンおよびスタブジンおよびラミブジンは新しいミトコンドリアの生成を妨害する。
【0021】
しかしながら、AZT、スタブジンおよびラミブジンを含む製剤および組成物は、AZT、スタブジンおよびラミブジンの毒性の副作用によって生じる使用制限という不利な点を有する(LEWIS、W.ら、「ジドブジンはラット骨格筋ミトコンドリア中に分子的、生化学的および微細構造上の変化を誘発する(Zidovudine Induces Molecular, Biochemical, and Ultrastructural Changes in Rat Skeletal Muscle Mitochondoria)」、Journal of Clin Invest.1992,Apr, vol.89, no.4, p1354−1210);SZABADOS、E,ら、「ラットのAZT誘発心筋症の発症における反応性酸素種とポリADP−リボースポリメラーゼの役割(Role of Reactive Oxygen Species and Poly−ADP−ribose Polymerase in the Development of AZT−induced Cardiomyopathy in Rat)」、Free Radic Biol Med.,1999 Feb, vol.14, no.3−4,p189−197;BLANCO、F.、「第一線治療とミトコンドリア損傷:異なったヌクレオシド、異なった知見(First−line Therapy and Mitochondrial Damage: Different Nucleosides, Different Findings)」、HIV Clin Trials.2003 Jan−Feb, vol.4,no.1,p11−19;BISHOP、J.B.ら、「ジドブジンおよびラミブジンへの子宮および出生後暴露に続く仔マウス心筋細胞の形態計測および半定量解析で明らかとなったミトコンドリア損傷(Mitochondrial Damage Revealed by Morphometric and Semiquantitative Analysis of Mouse Pup Cardiomyocytes Following in Utero and Postnatal Exposure to Zidovudine and Lamivudine)」、Toxicol Sci. 2004,vol.81,no.2,p512−517)。
【0022】
AZTの毒性は、mtDNAおよびチトクロームC(CYC)の除去を生じる、ミトコンドリア中へのAZTの取り込み容量とも大きく関連している(NUSBAUM、N.J..「ミトコンドリア中へのAZTの取り込み:ヒト骨髄性細胞株における研究(AZT Incorporation into Mitochondria: Study in Human Myeloid Cell Line)」、DNA Cell Biol.,1996,no.15,p363−366)。酸化的リン酸化酵素の活性の減少が同時に観察される。それはミトコンドリアで製造されるアデノシン三リン酸(ATP)のレベルの減少と、反応性酸素種(ROS)の蓄積を誘導し、従って細胞の嫌気性呼吸が増強し乳酸が蓄積する。
【0023】
ジドブジンおよびラミブジンの毒性効果は、臨床的にはHIV感染自体でも生じるミトコンドリアの病変で生じる筋肉細胞の筋疾患として現れる(PETERS、B.S.ら、「AIDSにおける慢性ジドブジン治療に関連する筋疾患(Myopathy Associated with Chronic Zidovudine Therapy in AIDS)」、QJ Med., 1993,Jan,vol.86,no.1,p5−15;BAKKER、H.D.,ら、「末端呼吸鎖活性増加および乳酸アシドーシスを有する筋疾患患者におけるビタミン応答性錯体−1欠乏(Vitamin−Responsive Complex−1 Deficiency in a Myopathic Patient with Increased Activity of the Terminal Respiratory Chain and Lactic Acidosis)」、J Inherit Metab Dis. 1994,no.17,p196−204;SULKOWSKI、M.S.,ら、「HIVおよびC型肝炎ウイルスに共感染した成人間の肝臓脂肪症および抗レトロウイルス剤の使用(Hapatic Steatosis and Antiretroviral Drug Use Among Adults Co−infected with HIV and Hepatitis C Virus)」、AIDS,2005 Mar 24,vol.19,no.6,p585−592;LICHTERFELD、M.,ら、「HIVを患う女性における脂肪肝および血清乳酸の増加(Fatty Liver and Increased Serum Lactate in a Woman with HIV)」、Dtsch Med Wochenschr. 2003 Jan 17,vol.98,no.3,p81−84;DE LA ASUNCION、J.G.,ら、「AZTは心臓ミトコンドリアに酸化障害を誘発する:ビタミンCおよびEの防御効果(AZT Induces Oxidative Damage to Cardiac Mitochondria: Protective Effect of Vitamins C and E)」、Life Sci. 2004,Nov 19,vol.76,no.1,p29−56;BISHOP、J.B.,ら、「ジドブジンおよびラミブジンに対する子宮内および出生後暴露の仔マウス心筋細胞の形態計量および半定量分析で明らかとなったミトコンドリア損傷」、Toxicol Sci. 2004,vol.81,no.2,p512−517)。
【0024】
ミトコンドリアの損傷は通常、筋細胞の機能にまず影響するが、それは筋細胞はエネルギー消費が多いことで特徴付けられるためである(LARSSON、N.G,ら、「ミトコンドリア性筋疾患」、Acta Physiol Scand,2001,no.171,p225−233)。
【0025】
筋疾患で最も深刻な影響を受けるのは心筋である(SZABADOS、E.ら、「ラットのAZT誘発心筋症の発症における反応性酸素種およびポリADPリボースポリメラーゼの役割」、Free Radic Biol Med. 1999 Feb,no.14,p3−4および189−197;BISHOP、J.B.ら、「ジドブジンおよびラミブジンに対する子宮内および出生後暴露の仔マウス心筋細胞の形態計量および半定量分析で明らかとなったミトコンドリア損傷」、Toxicol. Sci. 2004,vol.81,no.2,p512−517);GERSCHENSON、M.,ら、「子宮中で3′−アジド−3′−デオキシチミジンに暴露したパタスモンキーにおける致死性ミトコンドリア性心臓および骨格筋損傷(Fetal Mitochondrial Heart and Skeletal Muscle Damage in Erythrocebus Patas Monkeys Exposed in Utero to 3’−azido−3’−deoxythimidine)」、AIDS Res Hum Retroviruses.2000 May 1,vol.16,no.7,p635−626)。
【0026】
ジドブジンおよび他のヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(NRTI;ラミブジン、およびスタブジン)はしばしば、感覚神経疾患も発症させ、患者の生活の質を低下させる原因になる(Cherryら、J Clin Virol 2003,26:195−207)。
【0027】
主な課題は、逆転写酵素阻害剤型薬剤で生じる毒性を減じる作用物質を発見することである。この様な物質は、より少ない副作用での有効用量の逆転写酵素阻害剤の使用を可能にすると思われる。
【0028】
技術的解決
【0029】
本質的に毒性がより低いことを特徴とする、レトロウイルス感染治療用の医薬組成物を製造しようと試みている間に、本発明者らは意外にもメルドニウム[3−(2,2,2−トリメチル・ヒドラジニウム)プロピオン酸2水和物]を含む医薬組成物の臨床使用に適した用量が、筋細胞の損傷、特にジドブジン、ラミブジンおよびスタブジンを含む逆転写酵素阻害剤で生じる心筋細胞の損傷を効率よく排除することを見出した。メルドニウムは心機能不全治療用の薬剤であり、ジドブジン、ラミブジンもしくはスタブジンまたは他の既知の臨床で適用し得る逆転写酵素阻害剤と共に同時投与されるか、または医薬組成物中に用いられる。
【0030】
逆転写酵素阻害剤の毒性を減少させるために多数の物質が提案されている。
【0031】
従って、カルニチンのレベルを低下しカルニチンパルミトイルトランスフェラーゼの活性を減少することが知られているメルドニウムの心臓保護効果(DAMBROVA、M,ら、「ミルドロネート:カルニチン低下効果による心臓保護作用(Mildronate:Cardioprotective Action through Carnitine−Lowering Effect)」、Trends Cardiovasc Med. 2002,no.9,p155−159)は、予期されることではなく驚くべきことである。
【0032】
逆転写酵素阻害剤およびカルニチンを含む医薬組成物、およびカルニチンと組み合わせた逆転写酵素阻害剤の使用は従来技術でよく知られている。
【0033】
カルニチンとメルドニウムは構造的に非常に似ている。しかしながら、メルドニウムの薬理的効果はカルニチンの効果を妨害すると考えられている。その結果、逆転写酵素阻害剤とメルドニウムとを組み合わせることは、当業者に自明であるとは考えられない。
【0034】
メルドニウムの驚くべき効果は、他の活性でも説明することができない。メルドニウムは温血動物およびヒトの体内で酸化されないので、ジドブジン、ラミブジンおよびスタブジンの副反応を除外するために使用する限り、メルドニウムを還元性ビタミンまたは代謝物と原理的に区別する直接作用の抗酸化剤とみなすことはできない。
【0035】
文献には、分子としてのメルドニウムがミトコンドリアの呼吸鎖の電子伝達に関与し得るという言及がない。従って、この様な作用機序を有すると思われる補酵素Q10、ニコチンアミドおよび類似の物質とも本質的に異なる。同様に、メルドニウムが何らかの抗ウイルス特性を有するというデータもない。
【0036】
その結果、メルドニウム単独で、または例えばジドブジン、ラミブジンおよびスタブジン等の逆転写酵素阻害剤と、メルドニウムまたはその薬学的に許容し得る塩とを含む治療用組成物中で、これらの抗ウイルス剤によって生じる毒性副作用、特に心筋疾患および神経毒性をそれらに特有の抗ウイルス活性を損なうことなく本質的に抑制するという、本発明者らが思いがけなく発見したこの能力は以前には知られておらず、これは逆転写酵素阻害剤を含む既知の組成物とは本質的に異なるものである。
【0037】
薬学的活性成分としてのメルドニウムはきわめて毒性が低く(マウスに対し経口で25,000mg/kgより高い)、催奇形性、胎児毒性、発癌性がいづれもなく、人体に対して実質的に何らの悪影響も及ぼさないことは常識である。
【0038】
メルドニウムは化学的に十分に不活性な物質であり、ジドブジン、ラミブジンおよびスタブジンを含むヌクレオシド・アナログの様な複雑で化学的に敏感な物質とも、製剤中で組み合わせ得ることを本発明者らは発見した。
【0039】
治療用組成物中でメルドニウムの逆転写酵素阻害剤に対する比率は1:100〜100:1であり得ることを本発明者らは発見した。例えばジドブジン、ラミブジンまたはスタブジンとメルドニウムとを含む組成物による実験で、本発明者らは、メルドニウムのジドブジン、ラミブジンまたはスタブジンに対する比率が好ましくは1:2〜2:1であるが、1:5〜5:1の範囲で変化し得ることを確立した。
【0040】
メルドニウムと他の逆転写酵素阻害剤とに基づき、医薬組成物を製造することもできる。メルドニウムまたはその薬学的に許容し得る塩と、ジドブジン、ラミブジンまたはスタブジンとの組成物は非限定的な例示である。
【0041】
経口投与製剤では、ジドブジン、ラミブジンまたはスタブジンの含有量は錠剤、カプセル剤、カプレット剤または他の適当な剤形あたり5〜500mgである。
【0042】
ジドブジン、ラミブジンまたはスタブジン、およびメルドニウムを含む治療用組成物を経口および非経口投与の双方用に調剤することができる。具体例では、経皮投与剤形も使用し得る。
【0043】
経口投与用では、ジドブジン、ラミブジンまたはスタブジンおよびメルドニウムを含むカプセル剤、錠剤、カプレット剤、ピル剤、散剤、シロップ剤、および他の剤形、および経口投与に適したものを使用し得るが、その中にはジドブジン、ラミブジンまたはスタブジンおよびメルドニウム以外に薬学的に許容される賦形剤も含まれる。これらの治療用製剤を、経口投与製剤の一般に知られた手法で調製することができる。
【0044】
ジドブジン、ラミブジンまたはスタブジンの量、およびメルドニウムを含むジドブジン、ラミブジンまたはスタブジンの組成物の推奨される一日あたりの用量は、人体内に薬学的に十分なレベルのジドブジン、ラミブジンまたはスタブジンを提供しなければならず、典型的にはヒトに対し1〜15mg/kgであり、これはマウスに対し10〜150mg/kgに相当する。本発明の組成物の逆転写酵素阻害剤がジドブジン、ラミブジンまたはスタブジンである場合、ジドブジン、ラミブジンまたはスタブジン、およびメルドニウム組成物の錠剤、カプレット剤、カプセル剤または他の適当な経口投与剤形は通常、10〜300mgのジドブジン、ラミブジンまたはスタブジンと、5〜1000mgのメルドニウムを含有する。非経口投与では、10〜20mg/mlの濃度のジドブジン、ラミブジンまたはスタブジンと、50〜400mg/mlの濃度のメルドニウムがこの剤形では推奨される。
【0045】
医薬組成物はメルドニウムと他の逆転写酵素阻害剤に基づいて調合でき、ジドブジン、ラミブジンまたはスタブジンに限定されず、ジドブジン、ラミブジンまたはスタブジン、およびメルドニウムまたは薬学的に許容し得るその塩の医薬組成物中と同じメルドニウムに対する比率を有する逆転写酵素阻害剤を使用し得る。
【0046】
本発明の本質を説明するが、それは以下の実施例に限定されるものではない。
【0047】
ジドブジンとメルドニウムとの医薬組成物の心臓毒性作用を、初期体重15.69±1.56gの雄性マウスに2週間投与して調べた。実験中、動物を温度22±0.5℃の標準実験室条件下に12時間の明暗サイクルに保ち、標準実験室動物食餌を与えた。対照群(n=6)では、10mlの0.9%NaCl水溶液を毎日腹腔内投与した(第1および第12群)。
【0048】
一連の実験で、実験動物群(各グループ6匹のマウス)に以下の溶液を毎日腹腔内投与した。
【0049】
実験シリーズno.1:
【0050】
第1群−対照
【0051】
第2群−0.9%NaCl溶液中にメルドニウム100mg/kg、
【0052】
第3群−0.9%NaCl溶液中にジブドジン50mg/kg
【0053】
第4群−0.9%NaCl水溶液中に溶解したジドブジンおよびメルドニウム1:2(質量比)で構成される150mg/kgの医薬組成物、
【0054】
第5群−0.9%NaCl溶液中にメルドニウム100mg/kg、および0.9%NaCl溶液中にジドブジン50mg/kg、
【0055】
実験シリーズno.2:
【0056】
第6群−0.9%NaCl溶液中にスタブジン50mg/kg、
【0057】
第7群−0.9%NaCl溶液中にラミブジン50mg/kg、
【0058】
第8群−0.9%NaCl水溶液中に溶解したスタブジンおよびメルドニウム1:2(質量比)で構成される150mg/kgの医薬組成物、
【0059】
第9群−0.9%NaCl水溶液中に溶解したラミブジンおよびメルドニウム1:2(質量比)で構成される150mg/kgの医薬組成物、
【0060】
第10群−0.9%NaCl溶液中にメルドニウム100mg/kg、
【0061】
第11群−0.9%NaCl溶液中にメルドニウム100mg/kgおよび0.9%NaCl溶液中にスタブジン50mg/kg、
【0062】
第12群−0.9%NaCl溶液中にメルドニウム100mg/kgおよび0.9%NaCl溶液中にラミブジン50mg/kg、
【0063】
第13群−対照。
【0064】
実験の第15日に、動物を断頭し、心臓を取り出し10%ホルマリン溶液中へ入れた。免疫組織化学研究のため、器官をパラフィン中に固定し、4μm厚に試料を切り取り、DAKO LSAB試薬キットを用いてアビジン−ビオチン免疫組織化学法に従って染色した。調製試料の脂肪を抜き、本発明者はペルオキシダーゼを妨害する試薬(過酸化水素およびアジ化ナトリウム0.015mol/l)で10分間固定し、等張緩衝液(pH7.6)ですすぎ、次いでウサギポリクローンNF−kBp65抗体(Abcam,Ltd)(1:200)と共に、加湿槽にて4℃で12時間、インキュベーションした。
【0065】
本発明者はさらに調製試料をビオチン化抗ヤギIgGと室温で30分間インキュベーションした。その後、切片を酵素標識ストレプアビジンとインキュベーションした。免疫ペルオキシダーゼの着色反応をジアミノベンジジンとのインキュベーションにより進めた。染色工程では、肺実質(肺胞マクロファージ)を正の対照として定時使用し、1次抗体で事前処理していない組織を負の対照として使用した。NF−kBp65陽性細胞(細胞質および核染色の双方で)の数を盲検法で計数した。定量評価のため、映像解析ソフトウエアMotic Image, Motic,and Image ProPlus, Leica, 4000Bを使用した。全ての細胞数を1mmあたりの細胞数で表した。心臓では、NF−kBp65陽性心筋細胞核を高出力視野(×400)で計数し、その総数を記録した。
【0066】
結果を平均値±SEMで表した。統計的信頼性の分析のため、本発明者は信頼度レベルP<0.05で非対応t−検定(マンホイットニーU検定)を用いた。
【0067】
対照と比較して、AZT、スタブジンまたはラミブジンが血管周囲性浮腫、心筋層脂肪組織の縮退および心筋細胞壊死を開始する白血球の浸潤を誘発するのを本発明者は見出した。AZT、ラミブジンまたはスタブジンと共に投与したメルドニウム、および例えば2:1の比率のメルドニウム/AZT、メルドニウム/スタブジンまたはメルドニウム/ラミブジンの医薬組成物は、血管周囲および基質浮腫を有意に軽減し、心筋細胞の壊死、心筋層脂肪組織の縮退および白血球浸潤を阻止した。
【0068】
【表1】

【0069】
図1および表1の結果は、AZTで誘発された全(核および細胞質中に局在)NF−kBp65の活性化は統計的に信頼性がある(p<0.05)ことを証明する一方、メルドニウム/AZTの医薬組成物は、AZT群と比較してメルドニウム/AZT組成物の場合はNF−kB活性がかなり減少する(P<0.05)という事実から明らかな様に、心筋層の損傷が本質的に少ないことを証明する。同じ結果はメルドニウムとAZTを別々に投与した群でも得られた。さらに、メルドニウムおよびメルドニウム/AZT組成物の提案した医療用途を用いた場合、NF−kBp65活性は無処置の対照群動物のパラメーターと優位に差がなかった。
【0070】
【表2】

【0071】
図2および表2に示す結果は、スタブジンおよびラミブジンで誘発された全(核および細胞質に局在化)NF−kBp65の活性化は統計的に信頼性があることを証明する(P<0.05)一方、スタブジンおよびラミブジン群と比較してNF−kB活性がメルドニウム/スタブジン組成物またはメルドニウム/ラミブジン組成物の場合に実質的に減少しているという事実で証明される様に、メルドニウム/スタブジンの医薬組成物またはメルドニウム/ラミブジンの医薬組成物では心筋層の損傷がかなり少ないことを証明する。同じ結果が、メルドニウムおよびラミブジンまたはスタブジンを別々に投与した群からも得られている。さらに、提案した組成物を使用した場合、NF−kBp65の活性は無処置の対照群動物のパラメーターと優位に差がなかった。
【0072】
【表3】

【0073】
心筋細胞核中に局在するNF−kBp65の活性化(図3および表3)は、AZTおよびAZT+メルドニウム群でのみ観察された。すなわち、メルドニウムとAZTとの医薬組成物の本発明の使用の場合、AZT群のパラメーターと比較してNF−kB活性レベルはかなり低かった(P<0.05)。同じ結果が、メルドニウムとAZTとが別々に投与された群からも得られた。
【0074】
【表4】

【0075】
心筋細胞核中に局在したNF−kBp65の活性化(図4および表4)は、スタブジンおよびラミブジン、およびメルドニウム/スタブジンまたはメルドニウム/ラミブジン医薬組成物に対してのみ観察された。すなわち、本発明のメルドニウム/スタブジンおよびメルドニウム/ラミブジン医薬組成物を使用した場合、NF−kB活性レベルはスタブジンおよびラミブジン群のパラメーターと比較してかなり低かった(P<0.05)。メルドニウムとAZTを別々に投与したグループからも同じ結果が得られた。
【0076】
研究の結果から、AZTが心臓組織中のNF−kBp65陽性細胞の総数と、心筋細胞核中のNF−kBp65の総数の双方を本質的に増加させることが示されている。一方、本発明のメルドニウムとAZT、スタブジンまたはラミブジンとの平行投与、およびメルドニウムとAZTの医薬組成物、メルドニウムとスタブジンの医薬組成物、またはメルドニウムとラミブジンの医薬組成物は、心臓組織中のNF−kBp65陽性細胞の総数、および心筋細胞核中のNF−kB65の双方を本質的に減少させる。
【0077】
医薬組成物中の他のメルドニウム/AZT、メルドニウム/スタブジンまたはメルドニウム/ラミブジン比率でも肯定的な結果が得られ、メルドニウム/AZT、メルドニウム/スタブジンまたはメルドニウム/ラミブジン比率が5:1〜1:2である場合に最小の副作用を示した。
【0078】
メルドニウムの生物学的利用能は経口投与で非常に高いので、AZT、ラミブジンまたはスタブジンの医薬組成物よりかなり低いメルドニウム/AZT、メルドニウム/スタブジンまたはメルドニウム/ラミブジン医薬組成物の毒性効果が、非経口および腸内投与の双方で確立された。
【0079】
従って、その結果はメルドニウムとAZT、ラミブジンまたはスタブジンとの同時投与、およびメルドニウム/AZT、メルドニウム/スタブジンまたはメルドニウム/ラミブジンを含む医薬組成物の投与は、心筋層および神経に対する毒性効果に関してAZT、ラミブジンまたはスタブジンとは本質的に異なることを示している。AZT、ラミブジンまたはスタブジンは、心筋層の脂肪の縮退、および心臓組織中のNF−kBp65の活性化を本質的にもたらすが、メルドニウムを含む医薬組成物中のAZT、ラミブジンまたはスタブジンの同様な用量、またはそれらの平行使用は心筋層の損傷の統計的に有意なデータを与えない。
【0080】
メルドニウムの平行使用、またはAZT/メルドニウム組成物、ラミブジン/メルドニウム医薬組成物、またはスタブジン/メルドニウム医薬組成物の適用が、AZT、スタブジン、ラミブジンの使用と比較してNRTI神経毒性効果に何らかの利点があるかどうかを確かめるため、さらに実験を行った。同様なパターンの実験におけるこの目的のため、2週間後に実験動物の神経反応を評価した。この評価のため、尾部圧迫モデルにおける疼痛潜在期間の共通の試験の他、大脳皮質神経縮退変化の評価を行った(分子および外部顆粒層)。
【0081】
実験結果は、対照と比較してAZT、スタブジンまたはラミブジンは有意の痛覚過敏を誘発し、同時に大脳皮質の縮退神経細胞の増加が3倍になることを示した。同時に、メルドニウムとAZT、ラミブジンまたはスタブジンとの同時投与、またはAZT/メルドニウム、ラミブジン/メルドニウムまたはスタブジン/メルドニウム医薬組成物の使用は、無処置の対照と比較して大脳皮質中の縮退神経細胞数の統計的に有意な増加を生じず、AZT、スタブジンまたはラミブジンの使用と比較して本発明の組成物の本質的な利点が確認された。
【0082】
従って、AZT/メルドニウム、ラミブジン/メルドニウムまたはスタブジン/メルドニウム医薬組成物、またはメルドニウムとAZT、ラミブジンまたはスタブジンの同時投与は、それ自体で心臓および大脳組織の本質的な損傷を生じる量でAZTを含む製剤が14日間投与されても本発明の組成物は心臓または大脳組織に対する基本的な毒性効果が実際にない点で、AZT、スタブジンまたはラミブジンとは明確に異なる。従って、AZT/メルドニウム、ラミブジン/メルドニウムまたはスタブジン/メルドニウム組成物の投与、またはメルドニウムとAZT、ラミブジンまたはスタブジンとの同時投与は、臨床的に有意な用量が使用された場合、かなり高度な安全性により特徴付けられる。
【0083】
メルドニウム/AZT、メルドニウム/スタブジンまたはメルドニウム/ラミブジンの医薬組成物を、経口および非経口の双方用に調合する他、局所投与用に調合することもできる。
【0084】
非経口投与製剤では、メルドニウム/AZT、メルドニウム/スタブジンまたはメルドニウム/ラミブジン組成物は薬学的に適当な賦形剤を含む、または含まない注射用の乾燥滅菌粉末として、または注射/静脈注入用溶液として調合される。注射溶液製剤では、水、0.9%NaCl、対応する濃度のグルコース水溶液、または双方の活性物質と混和可能な薬学的に適した緩衝液中のメルドニウムとAZT、メルドニウム/スタブジンまたはメルドニウム/ラミブジン溶液である。注射用製剤中のメルドニウムの濃度は40%までであり、一方、AZT、ラミブジンまたはスタブジンの最大濃度は、対応する溶剤中のAZT、ラミブジンまたはスタブジンの溶解度に依存する。
【0085】
AZT/メルドニウム、メルドニウム/スタブジンまたはメルドニウム/ラミブジン医薬組成物の経口投与製剤(被覆された、またはされない錠剤、カプセル剤、カプレット剤、糖衣錠剤、ピル剤、顆粒剤、散剤または溶液剤)等は、経口治療用製剤の共通の工程を用いて製造され、薬学的に許容し得る賦形剤(添加剤)はAZT、ラミブジンまたはスタブジンおよびメルドニウムと化学的に相溶性がある賦形剤が選ばれる。各経口投与用量中のAZT、ラミブジンまたはスタブジンの量は5〜500mg、好ましくは15〜40mgまたは100〜300mgであり、メルドニウムの量は5〜4500mg、最も好ましくは20〜600mgである。
【0086】
本発明を例示するがこれに限定されない可能な経口使用用医薬組成物は、錠剤製造用の以下の処方である。
【表5】

【0087】
【表6】

【0088】
本発明を例示するがこれに限定されない可能な経口使用用医薬組成物は、カプセル製造用の以下の処方である。
【表7】

【0089】
本発明を例示するがこれに限定されない可能な経口使用用医薬組成物は、溶液および/またはシロップ製造用の以下の処方である。
【表8】

【0090】
【表9】

【産業上の利用可能性】
【0091】
臨床的に有効な量で逆転写酵素阻害剤の一つ、すなわちジドブジン、ラミブジンまたはスタブジンと、メルドニウムまたはその薬学的に許容し得る塩の他、薬学的に適用し得る賦形剤を含む、レトロウイルス感染治療用の医薬組成物を、標準的な医薬プラントで製造し得る。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】心臓組織中のNF−kB陽性細胞の総数。見出し:対照−対照群、Mildr−メルドニウム群、AZT−AZT群、AZT+Mildr−メルドニウム/AZT医薬組成物群。統計的信頼性は対照群に対しP<0.05として計算される;AZT群に対し#P<0.05。
【図2】心臓組織中のNF−kB陽性細胞の総数。見出し:対照−対照群、メルドニウム:メルドニウム群、スタブジン−スタブジン群、ラミブジン−ラミブジン群、スタブジン&メルドニウム−スタブジン/メルドニウム医薬組成物の群、ラミブジン&メルドニウム −ラミブジン/メルドニウム医薬組成物の群。対照群に対し統計的信頼性はP<0.05と計算される。スタブジン群に対し#P<0.05、ラミブジン群に対し$<0.05。
【図3】マウス心筋層の組織中のNF−kB陽性心筋細胞。統計的信頼性はAZT群に対してP<0.05と計算される。
【図4】マウス心筋層の組織中のNF−kB陽性心筋細胞。統計的信頼性はスタブジン群に対してP<0.05と計算される。統計的信頼性はラミブジン群に対して#P<0.05と計算される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
臨床的に有効な量の逆転写酵素阻害剤と、メルドニウムまたはその薬学的に許容し得る塩の他、薬学的に許容し得る賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項2】
前記逆転写酵素阻害剤がジドブジン(AZT)(化学的には3′−アジド−3′−デオキシチミジン)、ラミブジン(化学的には(2R−シス)−4−アミノ−1−[2−(ヒドロキシメチル)−1,3−オキサチオラン−5−イル]−2−(1H)−ピリミジノンおよびスタブジン(化学的には2′,3′−ジデヒドロ−3′−デオキシチミジン)から成る群より選択される、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
メルドニウムおよび/またはその塩(類)を、メルドニウム/塩(類)の逆転写酵素阻害剤に対する質量比が100:1〜1:100、好ましくは20:1〜1:20、より好ましくは5:1〜1:5、最も好ましくは2:1〜1:2となる様に含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記逆転写酵素阻害剤の含有量が1〜500mg、メルドニウムおよび/またはその塩(類)の含有量が5〜2500mgであることを特徴とする、請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項5】
ジドブジンの含有量が10〜300mg、メルドニウムおよび/またはその塩(類)および/またはその塩(類)の含有量が5〜600mgであることを特徴とする、請求項4に記載の医薬組成物。
【請求項6】
ラミブジンの含有量が10〜300mg、メルドニウムおよび/またはその塩(類)の含有量が5〜600mgであることを特徴とする、請求項4に記載の医薬組成物。
【請求項7】
スタブジンの含有量が1〜40mg、メルドニウムおよび/またはその塩(類)の含有量が1〜300mgであることを特徴とする、請求項4に記載の医薬組成物。
【請求項8】
経口または舌下投与用製剤であり、錠剤、カプセル剤、糖衣錠剤、ピル剤または散剤の各用量中に重量で0.1〜5.0mgの活性成分を含む錠剤(被覆または被覆なし)、カプセル、カプレット、糖衣錠、ピル、粉末または溶液の形態であるか、または経口投与用の0.5〜40%溶液、またはシロップであることを特徴とする、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項9】
非経口投与用製剤であり、非経口投与のための各用量中に0.1〜5.0gの活性成分を含む滅菌粉末であることを特徴とする、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項10】
非経口投与用製剤であり、1〜200mg/mlの逆転写酵素阻害剤および1〜400mg/mlのメルドニウムおよび/またはその塩(類)を含む注射溶液であることを特徴とする、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項11】
メルドニウムおよび/またはその塩が0.9%NaCl溶液の形で使用される、請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項12】
副作用を軽減するまたは除去するための、特にミトコンドリアの損傷を減じるまたは避けるための、とりわけ医薬組成物中の逆転写酵素阻害剤で生じる心臓および/または神経毒性を減じるまたは避けるための医薬品を製造するための、メルドニウムまたはその薬学的に許容し得る塩の使用。
【請求項13】
メルドニウムおよび/またはその塩が1つまたは複数の逆転写酵素阻害剤との混合物中で投与されるか、または好ましくは0.9%NaCl溶液の形の逆転写酵素阻害剤の投与と別々に同時に、または直前に、または直後に投与される、請求項12に記載の使用。
【請求項14】
前記投与が経口、非経口または局所投与である、請求項12または13に記載の使用。
【請求項15】
メルドニウムおよび/またはその塩が臨床的に有効な量で投与される、請求項12または13または14に記載の使用。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−504731(P2009−504731A)
【公表日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−526897(P2008−526897)
【出願日】平成18年8月8日(2006.8.8)
【国際出願番号】PCT/LV2006/000005
【国際公開番号】WO2007/021164
【国際公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【出願人】(508048311)ラトビアン インスティテュート オブ オーガニック シンセシス (1)
【氏名又は名称原語表記】LATVIAN INSTITUTE OF ORGANIC SYNTHESIS
【住所又は居所原語表記】Aizkraukles iela 21, LV−1006 Riga Latvia
【Fターム(参考)】